JP3089020B2 - 触媒の再生方法 - Google Patents

触媒の再生方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は実用ラネー銅触媒の再生方法に係り、特に液
相でアクリロニトリルと水からアクリルアミドを接触合
成する際に、性能低下したラネー銅触媒をアルカリ水溶
液等及び塩化アンモニウム水溶液による処理を併用する
ラネー銅触媒の再生方法に関するものである。
アクリルアミドは紙力増強剤、凝集剤などに利用され
るアクリルアミド系ポリマーの製造に用いられる他、多
方面の用途に向けられる産業上、有用なモノマーであ
る。
〔従来の技術〕
ラネー銅触媒を含む金属銅系触媒の存在下に、アクリ
ロニトリルを接触水和してアクリルアミドを製造する方
法はすでによく知られている。
例えば、特公昭49−30810、特公昭50−12409、特公昭
50−22019、特公昭54−7754、特公昭55−26910、特公昭
55−11657、米国特許3,928,440などに開示されている。
また、該接触水和反応系の改良に関する方法も種々提
案されている。例えば、特公昭50−12409では、反応系
に硝酸銅、酢酸銅などの銅塩を添加して活性を向上さ
せ、特公昭57−20294では反応系に硝酸又は硝酸アルミ
ニウムなどの硝酸塩を添加することで活性を向上させ且
つ活性を長期に維持させている。特開昭58−88344では
ラネー銅触媒を予め硝酸塩などで部分的に酸化すること
により、活性を高めている。
このようにアクリロニトリルの接触水和によりアクリ
ルアミドを合成するには、ラネー銅を含む金属銅触媒の
反応系に硝酸塩を添加するとともに、それによって生成
する触媒酸化部分の溶除剤として無機酸又は有機酸を添
加することが、長期にわたり、安定的に合成反応を継続
するに有利であることが知られている。
長期にわたりアクリルアミド合成反応に使用して失活
したラネー銅触媒を含む金属銅触媒の再生方法も知られ
ている。
例えば特公昭59−12342では失活した銅触媒を塩化ニ
ッケル、塩化マグネシウム、塩化マンガン、硝酸、リン
酸、蟻酸、酢酸ソーダ、臭化ナトリウムなどの各種水溶
液で処理する再生方法、特公昭58−8386では亜硝酸水溶
液で処理する方法、特公昭57−46372では蟻酸溶液で処
理する方法、特開昭49−120890では酢酸溶液で処理する
方法、特開昭49−126588では塩化リチウム、塩化マグネ
シウム、塩化アルミニウム、塩化クロム、塩化亜鉛、塩
化カドミウムなどの各種水溶液で処理する方法が開示さ
れている。
又、特公昭54−7754、米国特許3,766,088には失活し
たラネー銅触媒は苛性ソーダ、塩化ナトリウム、炭酸ソ
ーダ、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウムなどの水溶
液に浸漬処理することで、活性が再生されることが示さ
れている。
〔発明が解決しようとする課題〕
アクリロニトリルを接触水和してアクリルアミドを合
成する際に、ラネー銅触媒を使用することが実用的に有
利であり、触媒を長期・安定的に使用して、アクリルア
ミドを工業的に有利に製造する方法も知られている。
しかし、長期にわたってアクリルアミド合成に用いて
失活したラネー銅触媒の再生賦活を知られている方法で
実施した場合、性能即ち、アクリルアミド生成活性及び
選択率が同時に新しい触媒並みとなることはなく、とく
に再生・賦活後においては、選択性の低下が顕著である
というのが現状であり、失活したラネー銅触媒の再生方
法としては不十分である。
本発明の課題はこのような従来技術の問題点を解決
し、実用に供しえる失活したラネー銅触媒の再生方法を
提供することである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明はラネー銅触媒の存在下、液相でアクリロニト
リルと水とを反応させてアクリルアミドを接触合成する
に際して、長期間にわたり使用後、性能低下したラネー
銅触媒を苛性ソーダ、苛性カリ、炭酸ソーダ、炭酸カリ
より選ばれた一種又は二種以上のアルカリ水溶液で処理
後、継続して塩化アンモニウム水溶液で処理して再生・
賦活することを特徴とする触媒の再生方法である。
以下、本発明の詳細について順次説明する。
本発明に用いられるラネー銅触媒は公知文献に基づ
き、次のように定義される。即ち、アルミニウム、シリ
カ、亜鉛のようなアルカリまたは酸に可溶な金属とアル
カリまたは酸に不溶な金属との合金を製造した後、これ
を展開して得られる金属触媒と定義されるもので、ラネ
ー銅触媒とは展開後得られる金属触媒中の金属組成が銅
を主体とするものである。
ラネー銅触媒のうち、アルカリまたは酸に可溶な金属
としては通常アルミニウムが用いられる。
ラネー銅触媒の調製方法としては、例えばアルカリま
たは酸に可溶な金属がアルミニウムの場合、30〜70重量
%のアルミニウムに銅または銅および他の金属を溶融し
て、主としてアルミニウムと銅の合金(ラネー銅合金)
を製造し、次いで適当な粒度に粉砕した後、アルカリま
たは酸を用いて展開する方法が使用されている。この際
用いられる展開方法としては、アルカリ、酸、水または
水蒸気により展開する方法が用いられる。アルカリとし
ては通常水酸化ナトリウムが用いられる。
ラネー銅触媒を用いてアクリロニトリルの接触水和反
応により、アクリルアミドを合成する場合、触媒活性の
低下については次の現象が知見される。
即ち、通常の合成条件下では、反応の進行に伴って、
反応溶液中へのCu(殆どがCu1+の状態である。)溶出が
著しく減少し、これに伴って反応生成液のpHも著しく減
少し、例えばpH5〜6といった酸性側の状態となる。こ
のように溶出Cuが減少し、pHが低下した状態では、ラネ
ー銅触媒の活性は著しく低下していることが認められ
る。
しかし、よく知られているように、反応系にCu(N
O3、Cu(CH3COO)等を用いて、Cu2+を適量添加し
て、例えば水中にCu2+として2〜200ppm程度の濃度で、
接触水和反応を行うと、反応に伴って溶出するCuは減少
することなくほぼ一定値を保持、反応生成液のpHも6〜
8の範囲に入って極端に酸性側に寄ることはない。この
ような状態ではラネー銅触媒の活性は比較的、安定に維
持され、安定的にアクリルアミドを合成することが可能
となる。
このように、例えばCu2+の添加量を最適化して、初期
的には安定してアクリルアミドを合成することはできる
が、長期間にわたり使用することで一般の固体触媒と同
様に、ラネー銅触媒でも活性低下が起ってくる。活性低
下を起す因子としては化学的及び物理的劣化因子がある
が、予想される原因として次を上げることができる。
原料アクリロニトリル、水中の溶存酸素も含めた混入
酸素によるCu表面の部分酸化 アクリロニトリルの接触水和に伴うか又は水によるCu
表面の部分酸化 金属Cu表面の結晶成長に伴う、Cu有効表面積の減少 原料アクリロニトリル及び水中に含有される触媒被毒
物質の蓄積 水和反応で生成する触媒被毒物質の蓄積 即ち、アクリロニトリル、アクリルアミドに由来する
ポリマー類、及びハルツ類の蓄積である。
アクリルアミドの強吸着に伴う、吸着量の増大による
反応阻害 先行技術、例えば特公昭54−7754によると、ラネー銅
触媒の劣化原因は混入酸素による触媒の部分酸化、水中
に含まれる触媒被毒物質の蓄積、水中の不明物質による
劣化促進、触媒表面へのアクリロニトリル及びアクリル
アミドに由来するポリマーの蓄積によるものなどが上げ
られている。
このように長期にわたってアクリロニトリルの接触水
和反応に用いて活性低下したラネー銅接触について、そ
の活性低下の原因を推定することはできるが、真の原因
を特定することは困難であり、これらの原因の複合効果
によって活性が低下するものと予想できる。
本発明の方法はこのような長期間にわたってアクリル
アミドの合成に使用後、性能低下したラネー銅触媒の再
生方法に係るものであり、性能低下したラネー銅触媒を
苛性ソーダ、苛性カリ、炭酸ソーダ、炭酸カリから選ば
れる一種又は二種以上のアルカリ水溶液で処理後、塩化
アンモニウム水溶液で処理することにより再生賦活する
ことができる。
本発明によるラネー銅触媒の再生に際して、再生処理
の温度は通常0〜150℃の温度範囲、好ましくは40〜120
℃の温度範囲で行うことが望ましく、再生処理剤の濃度
は再生処理温度における再生処理剤の飽和溶解度以下の
任意の濃度、特に1〜40重量%の濃度範囲が望ましい。
1重量%以下の場合、十分な再生効果が得られず、40
重量%以上では、不用な再生処理剤が多く且つ再生処理
後の触媒を洗浄する水洗量が過大となり経済的に不利で
ある。再生処理時間は0.5〜5時間の範囲が経済的にも
有利である。
本発明の再生方法は活性低下したラネー銅触媒を初め
に、苛性ソーダ、苛性カリ、炭酸ソーダ、炭酸カリより
選ばれた一種又は二種以上のアルカリ水溶液で処理した
後、塩化アンモニウム水溶液で処理することを特徴とす
るものであり、この再生方法をとることにより活性低下
したラネー銅触媒の活性、選択性を同時に再生・回復で
きるという利点を有している。
本発明による再生操作は反応器内に再生剤水溶液を循
環させることによって容易に実施できるが、反応器外で
予め再生処理を行った後、反応器に仕込むということで
も容易に行うことができる。
本発明により、先ずアルカリ水溶液で再生処理したラ
ネー銅触媒は次いで十分に水洗を行ってアルカリを溶出
・分離した後、さらに、塩化アンモニウム水溶液で再生
処理し、ついで十分に水洗を行って塩化アンモニウムを
溶出・分離し、しかる後、アクリロニトリルの接触水和
反応に使用される。
活性低下したラネー銅触媒の物性、特性などを解析し
てみると、粉末X線回折(XRD)からは結晶性の悪いCu
酸化物、例えばCu2O、CuOなどが少量存在することが確
認でき、示差走査型電子顕微鏡(SEM)の観察では触媒
表面がハルツ、ポリマー類と推定される物質で汚染され
ていることが確認でき、BET法による比表面積測定で
は、多孔質のラネー銅の細孔が、多孔質と推定されるポ
リマーのために、通常予想されるとは逆に、活性低下す
ると比表面積が増大する傾向がみられ、また、触媒の示
差熱分析(TG−DTA)による熱解析では酸化分解温度の
高いハルツ、ポリマー類が触媒表面に蓄積していること
などが示唆されている。
本発明の方法で再生したラネー銅触媒について、同様
の解析を行ってみると、XRDでは結晶性のCuoxideの生成
が認められず、SEM観察ではCu表面がかなり清澄とな
り、さらに表面多孔質性が促進されているような傾向も
あり、TG−DTA解析では高温側の酸化分解生成物の生成
は認められなかった。
これらの現象より判断して、本発明の再生方法では、
アルカリ水溶液の処理では、劣化原因の、、が取
り除かれ、又一部の回復にも有効で続く塩化アンモニ
ウム水溶液の処理では、劣化原因の、が除外された
ために、顕著な再生賦活効果があるものと推定される。
先行技術、例えば特公昭54−7754によると失活したラ
ネー銅触媒の再生方法として、苛性ソーダ、苛性カリ、
塩化ナトリウム、炭酸ソーダ、塩化アンモニウム、硫酸
アンモニウムから選ばれた一種又は二種以上のアルカリ
水溶液で浸漬処理することが有効であることが示されて
いる。
また、劣化の原因は主としてラネー銅表面の酸化劣化
であり、この再生方法はこの原因を取り除いて、再生賦
活するのに有効であることが示されている。
本発明の方法では、活性低下したラネー銅触媒の性
能、即ち、再生後の触媒ではアクリルアミド生成活性及
び選択性のいずれを同時に再生賦活できる利点を有して
いる。
本発明の方法を用いアクリロニトリルを接触水和し
て、アクリルアミドを合成する方法は次のようである。
触媒は粉状で懸濁床として、或は粒状で固定床で用い
られ、流通式又は回分式の反応型式がとられる。商業的
規模で行う場合には、流通式撹拌槽型式の反応器でラネ
ー銅触媒を懸濁させ連続的に反応させる方法が多く用い
られる。
反応におけるアクリロニトリルと水との割合は、一般
に水の過剰側がよく、アクリルアミド生成速度も早い
が、その生産性、反応器の容量などを考慮すると、好ま
しくは重量比で60/40〜5/95の範囲であり、更に好まし
くは重量比で50/50〜10/90の範囲である。
好ましい反応温度は50〜200℃の範囲であるが、とく
に70〜150℃の範囲が副反応または重合防止及び生産性
の面から好適である。好ましい滞留時間は反応温度とも
関係するが、0.5〜5時間の範囲であり、とくに1〜3
時間の範囲が副反応または重合防止及び生産性の面から
都合がよい。
アクリロニトリルのアクリルアミドへの転化率は好ま
しくは10〜98%であり、更に好ましくは30〜95%であ
る。アクリルアミドの重合防止を考えると、反応系内に
は未反応のアクリロニトリルを残すことが有利である。
上記のアクリロニトリルと水との重量比、反応温度及
びアクリロニトリルの転化率に於て、未反応アクリロニ
トリル、未反応水及び生成したアクリルアミドの三成分
が均一な溶液系を形成しないことがある。これを回避す
るために、合成されたアクリルアミドを溶剤として再び
この反応系に加えても良いし、他の不活性な溶剤を用い
ても良い。
ラネー銅触媒は使用前及び使用中を通じて、酸素ガス
及び酸素含有ガスとの接触を避けることが望ましい。酸
素は触媒と反応してある限度内であれば触媒の活性を損
わないか、逆に活性を向上させるが、それ以上では活性
を損い、さらにはHPN、HPM、OPNなどの副生を増加させ
る原因となる。
反応器に供給されるラネー銅触媒、アクリロニトリ
ル、水、溶剤などに含有される溶存酸素は先に述べたと
同様に触媒活性を損いHPN、HPM、OPNなどの副生物を増
加させるので、反応器に供給する以前に十分に除去する
ことが望ましい。また同じ理由から、反応器内は酸素ガ
スを含まない雰囲気に保持することが望ましい。
この理由で、原料アクリロニトリル及び水は溶存酸素
が好ましくは5ppm以下、更に好ましくは1ppm以下となる
様脱酸素してから反応器に供給することが好ましい。
反応器内は上記した温度と組成に於ける蒸気圧または
それに窒素などの不活性ガスを加えた圧力に保持される
が、その圧力は通常、常圧ないし20気圧の範囲である。
本発明に用いる触媒の添加量は極微量であっても水和
反応は進行するが、好ましい触媒の量は、例えば触媒を
懸濁床として用いる場合、アクリロニトリル1モル当
り、0.01〜1000gの範囲が好ましい。反応系内で触媒の
活性を安定に維持するためには、反応液に硝酸銅、硫酸
銅、酢酸銅などで代表される銅塩を反応液中の水に対し
てCu2+として2〜200ppmの範囲で添加することが好まし
い。
本発明を実施するに際して、反応液のpHは弱酸性、中
性ないしは弱アルカリ性であることが望ましい。通常、
上述のCu2+の添加量が最適化された反応系では、pH調節
剤、緩衝溶液等を添加しなくとも、反応液のpHは5〜9
の範囲にあり、そままで反応を行うことが可能である場
合が多い。
本発明を更に実施例と比較例をもって説明する。
〔実施例〕
比較例1 <触媒前処理> 実用ラネー銅触媒であるK社製品(改良型CDT−60)
を用いて、長期間にわたって、アクリロニトリルの接触
水和によるアクリルアミドの合成反応を行った。このラ
ネー銅触媒はスラリー濃度50重量%で純水中に懸濁した
状態で貯蔵・保管してある。組成的には、残留アルミニ
ウム量は0.83重量%のものである。反応器としては、撹
拌機つきで、加熱用スチームコイルと触媒過器(SUS
−316製;孔径1μの焼結金属フィルターを使用)を内
蔵した容量20のステンレススチール(SUS−316)製の
反応槽を用いた。まず反応器内部を十分に窒素置換して
窒素雰囲気とし、これに上記ラネー銅触媒2.2kgを水に
浸漬した状態のまま仕込んだ。これに、予め窒素ガスを
吹込むことによって溶存酸素を除去したアクリロニトリ
ルと水とを夫々2.80kg/hr、6.35kg/hrの速度で供給し、
撹拌しながらスチームコイルを用いて120℃に保持して
反応をスタートし、長時間にわたりアクリルアミドの合
成反応を行った。
なお反応促進剤、反応安定化剤として、硝酸銅を水中
のCu2+濃度として5ppmとなるように原料水中に添加し
た。反応生成液は焼結金属フィルターを通って触媒を殆
ど含まない液として流出させ、密閉の反応液貯槽に導入
した。反応器から流出する反応液は一定間隔でサンプリ
ングし、液体クロマトグラフィー及びガスクロマトグラ
フィーにて分析した。
反応をスタートしてから、600時間及び1000時間経過
後に、反応器に設置してある内挿管(SUS−316、内径8m
mのパイプ)から触媒を夫々100gずつを抜出した。抜出
した触媒についてはオートクレーブを用いて、別途に性
能評価を行った。
即ち、ステンレス鋼製(SUS−316)で内容積1のオ
ートクレーブの内部を窒素ガスで置換した後、抜出した
触媒を純水に懸濁したまま、その17gを仕込んだ。さら
に予め脱酸素したアクリロニトリルおよび純水を夫々85
g、200gずつを仕込んだ。該オートクレーブには、撹拌
装置、温度計及び内部にステンレス製の小型焼結金属フ
ィルター(孔径2μ)が設置してあり、反応後、反応液
の抜出しをこのフィルターを通して行えるようにしてあ
る。
オートクレーブを油浴に浸漬して内部をよく撹拌しな
がら、徐々に昇温して120℃とした後、2時間反応を継
続する。反応後、反応液を常温迄冷却して、フィルター
を通して反応液のみを抜出して、組成分析を行った。そ
の結果は600時間後の抜出し触媒については、アクリロ
ニトリル転化率57.8%、アクリルアミド収率及び選択率
が夫々57.2、99.1%であり、1000時間後の抜出し触媒に
ついては、アクリロニトリル転化率46.3%、アリルアミ
ド収率及び選択率が夫々45.7、98.9%であった。
副生物としてはアクリル酸(AA)、ヒドロキシプロピ
オニトリル(HPN)、β−ヒドロキシプロピオニトリル
(HPM)、オキシプロピオニトリル(OPN)などの生成が
認められるが、水溶性ポリマーとゲルポリマーの生成は
検知されなかった。
同様の方法でもとの触媒をテストすると、アクリルア
ミド収率は53.7〜64%の範囲にあることから、600時間
後では触媒活性低下は起っていないが、1000時間後で
は、触媒の活性低下が起っていることは明らかである。
実施例1 比較例1で示した、反応時間1000時間を経過して、活
性低下を起したラネー銅触媒の再生賦活処理を行い、そ
の性能評価を行った。
<触媒再生処理> 撹拌器、温度計及び窒素導入口をもったガラス製四ツ
口フラスコに活性低下したラネー銅触媒30gを仕込み、
さらに予め脱酸素した純水に苛性ソーダをとかした6重
量%苛性ソーダ水溶液300mlを仕込む。但し、これらの
操作はいずれも窒素ボックス内で行い、触媒と酸素との
接触を可及的に断って行うものとする。
油浴にフラスコを浸漬し、フラスコ内部をよく撹拌し
ながら、徐々に昇温して80℃とする。そのまま80℃、2
時間加熱撹拌を続ける。加熱終了後、室温に冷却して、
触媒と溶液とを分離する。続いて、予め脱酸素した純水
を用いて、傾斜法により触媒を十分に水洗する。以上の
操作も極力酸素との接触を断って行う。
続いて、水洗触媒を用いて、塩化アンモニウム水溶液
による処理を行う。2重量%の塩化アンモニウム水溶液
300mlを用い、処理条件が60℃、2時間である以外は苛
性ソーダ処理の場合と同様に操作を行う。最後に水洗終
了後、触媒は水に浸漬した状態で保管した。
<反応および反応成績> 比較例1で用いたと同じSUSオートクレーブを用い
て、再生触媒の評価を行った。再生触媒17gを用いて、
比較例1の評価条件と同じにして、アクリロニトリルの
接触水和を行った。この結果は、アクリロニトリル転化
率86.2%、アクリルアミド収率及び選択率は夫々85.5、
99.2%であった。副生物は殆どがHPNであり、AA及びHPM
は少量、OPNの生成はなかった。活性低下した触媒はも
との触媒以上に再生賦活されていることは明らかであ
り、又、活性と選択性のいずれもが再生されている。
比較例2 実施例1と同じ触媒について、6重量%苛性ソーダ水
溶液のみを用いる処理を行った。処理条件は実施例1に
同じである。
再生触媒17gを用いて、比較例1と同じ1SUSオート
クレーブを用いて条件を同じにして性能評価を行った。
アクリロニトリル転化率84.4%、アクリルアミド収率
及び選択率77.3、91.5%であった。再生により活性は向
上するが、選択性は回復せず、HPN、AA、HPM、OPNなど
が多く生成する。
比較例3 実施例1と同じ触媒について、2重量%塩化アンモニ
ウム水溶液のみを用いる処理を行った。処理条件は実施
例1に同じである。
処理触媒17gを用いて、比較例1と同じ1SUSオート
クレーブを用いて条件を同じにして性能評価を行った。
アクリロニトリル転化率50.4%、アクリルアミド収率
及び選択率は夫々50.3、99.8%であった。活性自体は殆
ど回復しないが、アクリルアミドの選択率が99.8%と向
上することが明らかである。
実施例2 実施例1と同じ触媒について、苛性ソーダ水溶液に替
えて6重量%の炭酸ソーダ水溶液300mlを用いて処理
後、2重量%の塩化アンモニウム水溶液で処理する再生
を行った。処理条件は実施例1に同じである。
処理触媒17gを用いて、比較例1と同じ1SUSオート
クレーブを用いて条件を同じにして性能評価を行った。
結果は実施例1に殆ど近い結果であった。
〔発明の効果〕
本発明によって、アクリロニトリルの接触水和による
アクリルアミドの製造に長時間に用いて活性低下したラ
ネー銅触媒の性能、即ちアクリルアミド生成の活性及び
選択性を同時に再生賦活することが可能となり、これは
工業的生産によって極めて大きな利益を与えるものであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01J 21/00 - 38/00 C07C 231/06 C07C 233/09

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アクリロニトリルと水とをラネー銅触媒の
    存在下、液相で反応させてアクリルアミドを接触合成す
    るに際して、反応に使用後性能低下したラネー銅触媒を
    水酸化ナトリウム、水酸化カリ、炭酸ソーダ、炭酸カリ
    より選択した少なくとも一種又は二種以上のアルカリ水
    溶液で処理した後、塩化アンモニウム水溶液で処理して
    賦活することを特徴とする触媒の再生方法。
JP02176058A 1990-07-03 1990-07-03 触媒の再生方法 Expired - Fee Related JP3089020B2 (ja)

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