JPH0733361B2 - アクリルアミドの製造法 - Google Patents

アクリルアミドの製造法

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JPH0733361B2
JPH0733361B2 JP3348587A JP3348587A JPH0733361B2 JP H0733361 B2 JPH0733361 B2 JP H0733361B2 JP 3348587 A JP3348587 A JP 3348587A JP 3348587 A JP3348587 A JP 3348587A JP H0733361 B2 JPH0733361 B2 JP H0733361B2
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度 磯崎
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【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、アクリルアミドの製造法に関するものであ
る。更に詳しくは、金属銅触媒と硝酸あるいは硝酸塩の
存在下にアクリルアミドを合成する公知の方法の改良に
関する。
従来の技術 金属銅系触媒の存在下に、アクリロニトリルなどのニト
リル化合物を水和して対応するアクリルアミドなどのア
ミド化合物を製造する方法はすでによく知られている。
また、該合成反応系の改良に関する方法も種々提案され
ている。
例えば、特公昭50−12409(GB 1,347,160)の教えると
ころによれば、該合成系に硝酸銅、酢酸銅などの銅塩を
添加することにより金属銅触媒の活性が著しく向上し、
特公昭57−20294(GB 1,459,685)によれば、硝酸又は
硝酸アルミなどの硝酸塩を添加することにより触媒活性
が向上すると共にその活性が長期に維持される。
また、特開昭58−88344(EP 78187)によると、ラネー
銅触媒を予め硝酸塩などで部分的に酸化することによっ
ても、その活性が高められる。
更に、前記特公昭50−12409(GB 1,347,160)によれ
ば、銅塩を添加する代わりに、金属銅触媒の一部を銅塩
に転化してもよく、その為に無機酸又は有機酸を添加す
る方法が提案されており、この場合は予め又は同時に金
属銅を部分的に酸化することが前提となる。
Khim.Tekhnol.1983(3),3〜4(ケミカルアブストラ
クツ 99巻22951)には、還元銅触媒を用いる系に硫酸
またはアクリル酸を添加することで反応速度と選択率が
共に向上し、それは酸と銅の酸化物との反応により生じ
る塩に起因する、としている。
これらの技術の数えるところにより、金属銅触媒の反応
系に硝酸塩を添加すると共に、それによって生成する触
媒酸化部分の溶除剤として無機酸又は有機酸を添加する
のが良い方法だと思われる。
これと同様の方法として、PCT WO 86/00614には、ラネ
ー銅などの触媒の存在下に、合成液中に酸化剤及び酸化
された触媒を溶除または還元する試薬を添加する方法が
提案されており、具体的には硝酸銅と酢酸などの組合せ
が示されている。
また、本反応を商業的規模で行う場合、流通式攪拌槽型
式の反応器にて金属銅触媒を懸濁させ連続的に反応させ
る方法が多く用いられる。この場合、反応器から触媒を
含まない反応液を抜出す為に、通常触媒フィルターを必
要とする。このフィルターの型式には、反応器内部に設
けられた触媒沈降部を経て流出してくる微粒子触媒を、
反応器外部に設置したフィルターで捕集する方法(特公
昭52−33092号、以下、外部型フィルターと略記す
る。)、または反応器内部に設置されたフィルターにて
濾過する方法(特公昭53−7409号、以下、内部型フィル
ターと略器する。)が知られている。
発明が解決しようとする問題点 本発明者等が試験したところによれば、特公昭50−1240
9記載の硝酸または硝酸塩を添加する方法は、触媒活性
の維持、向上の手段として優れた方法であるが、経日的
に酸化された銅が反応器内に蓄積される為か、長期に運
転を続けるエチレンシアンヒドリン等の不純物の副生量
が増加すると共に、触媒活性の低下を招く。また、同時
に触媒と濾過性も悪化し、触媒フィルターの濾過抵抗が
増大する。更に、アクリルアミドモノマーの品質、即
ち、アクリルアミドを重合して得た重合物の水溶性で評
価するが、これも同様に経日的に悪化する。
この反応系内に蓄積される酸化銅を、前記の特公昭50−
12409、Khim.Tekhnol.1983(3),3〜4、及びPCT WO 8
6/00614に開示されたように酸等で溶解する方法は、主
として酸化銅に由来する不純物であるエチレンシアンヒ
ドリン等を減らすには著効がある。
しかしながら、本発明者等の知見によれば、 酸化等で一旦活性が低下した触媒の酸化銅を、単に
酸で溶かすだけでは触媒活性は回復せず、場合によって
は、更に活性が低下することもある。
また、濾過性の悪化も回復できない。
アクリルアミドモノマーの品質については、大半の
酸では反応系に添加した際に得られるモノマーの品質は
改善されることはなく、酸によっては品質が悪化する。
酸添加により、溶出銅イオンや添加酸の共役塩基イ
オン等のイオン性物質が増え、精製系の負荷が過大とな
る。
このような問題があり、公知の酸添加技術は実用には供
し得ない、または、採用しても殆ど利点が無いことが判
明した。
本発明者等は、硝酸根を助触媒とする本反応系において
酸化銅が蓄積される現象について更に種々検討した結
果、 反応液中に銅イオンが必ず溶出するが、触媒銅中の
酸化銅を溶出させる原因物質は、アクリルアミドの加水
分解生成物であるアクリル酸(塩)である。
触媒が新しい間はアクリル酸(塩)副性量が多い、
即ち、触媒のアクリルアミド加水分解活性が大きいが、
経日的にアクリル酸(塩)生成量は低下し、それと連動
して銅イオン濃度も低下する。その結果、急激な酸化銅
蓄積が進行する。
添加した硝酸根に対し、反応液中にある限定された
当量比のアクリル酸(塩)または、メタクリル酸(塩)
を常時存在させれば、触媒活性の低下及び濾過性の悪化
を防止することができる。更に前記したモノマー品質の
悪化も防止できる。
酢酸、硫酸等多くの酸またはその塩についても試験
したが、前項に記した改善効果を有するものは、アクリ
ル酸(塩)またはメタクリル酸(塩)のみであった。
の驚くべき諸事実を見出した。
問題点を解決するための手段及び作用 本発明者らは、前記問題点を解決するため鋭意研究を行
い、硝酸根を存在させる該合成系に於いて、添加した硝
酸根に対し反応液中の(メタ)アクリル酸根(アクリル
酸及びメタクリル酸を(メタ)アクリル酸と略記す
る。)をある限定された当量比範囲に維持することで、
経日的な触媒活性の低下、触媒の濾過性の悪化、製品モ
ノマー品質の悪化等を克服できることを見出し、本発明
を完成するに至ったものである。
すなわち、本発明のアクリルアミドの製造法は、アクリ
ロニトリルと水を銅系触媒と懸濁状で接触させ、アクリ
ルアミドを連続的に製造するに際し、硝酸又は硝酸根を
原料液に対し硝酸根として5〜50ppm添加し、且つ添加
した硝酸根の6〜20倍当量の(メタ)アクリル酸根が反
応液中に含有されるよう(メタ)アクリル酸及び/又は
それらの塩を添加することを特徴とするアクリルアミド
の製造法である。
本発明の目的は、アクリルアミド合成反応系に、反応の
促進剤として硝酸または硝酸塩を用いた場合に生じる種
々の問題を解決する手段を提供することにある。
本発明において使用する反応器は、所謂流通式攪拌槽型
式の反応器である。
該反応器にて、アクリロニトリルと水を銅系触媒と懸濁
状で接触させ反応せしめる。
本発明の方法に用いられる銅系触媒としては、(A)銅
線、銅粉等の形の銅と銅イオンとの組合わせ、(B)銅
化合物を還元剤で還元して得られるもの(還元銅)、
(C)銅化合物を熱などにより分解して得られるもの
(分解銅)、及び(D)銅のラネー合金をアルカリなど
で展開して得られるもの(ラネー銅)がある。上記の還
元銅の製法の例としては、(1)酸化銅を気相中で水
素、一酸化炭素またはアンモニアで還元する方法、
(2)銅の塩又は水酸化物を水溶液中でホルマリン、ヒ
ドラジン又は硼水素化ナトリウムで還元する方法及び
(3)銅の塩又は水酸化物を水溶液中で元素状のアルミ
ニウム、亜鉛又は鉄で還元する方法などがあり、得られ
るものの主たる触媒成分はいずれも元素状の銅と考えら
れる。上記の分解銅の製法の例としては、(1)銅化合
物を次亜燐酸ナトリウムなどで処理して得られる水素化
銅をアルカリ水中で熱分解する方法、(2)蟻酸銅又は
しゅう酸銅を熱分解する方法、(3)特開昭49−108015
に示されたいわゆるクラスター銅を熱分解する方法及び
(4)銅アセチリド又は窒化銅を直接アクリロニトリル
の水和反応系に加える方法などがあり、得えられるもの
の主たる触媒成分は(4)項のものも含めて元素状の銅
と考えられる。上記のラネー銅の製法の例としては、
(1)銅−アルミニウム合金をカセイソーダ、硫酸、
水、有機アミンなどでほぼ完全に展開する方法及び
(2)銅−アルミニウム合金をカセイソーダ、硫酸、
水、有機アミンなどで部分的に展開してアルミニウムの
一部を銅と共に残す方法などがあり、えられるものの主
たる触媒成分はいずれも元素状の銅と考えられる。
而してこれ等の銅系触媒は、通常用いられる担体に担持
されていても差支えないし、銅以外の金属、例えばクロ
ム又はモリブデンを含んでいても差支えない。上記した
これ等の銅系触媒はその調製法によって触媒活性自体に
は差異があるけれども、例えば還元銅、水酸化銅、ラネ
ー銅などの相異によって副反応などの反応型式が相異す
ることはなく不純物の生成傾向に関して同一傾向を有す
る。触媒は使用前および使用中を通じて酸素および酸素
含有ガスとの接触を避けるこのが望ましい。その理由は
酸素が触媒としての活性を損ない、エチレンシアンヒド
リンの副生物を増加させるからである。
そのため、原料であるアクリロニトリル及び水は溶存酸
素が好ましくは5ppm以下、更に好ましくは1ppm以下とな
る迄、脱酸素して反応器に供給する。
反応におけるアクリロニトリルと水との割合は、一般に
は水の過剰側が良く、通常は水が50〜90重量%の組成範
囲で行なう。
好ましい反応の温度は50〜200℃であるが、特に70〜130
℃が副反応または重合防止及び生産性の面からよい。
アクリロニトリルのアクリルアミドの転化率は好ましく
は10〜98%であり、更に好ましくは30〜95%である。
通常原料は連続的に反応器に供給され、反応液は触媒フ
ィルターを経て連続的に抜き出され、続く濃縮工程に送
られる。濃縮工程で未反応のアクリロニトリルと過剰の
水を留去し、続く精製工程で、溶解している銅イオンを
除くカチオン交換処理、または必要によりアニオン交換
処理、活性炭処理等を行い製品を得る。
本発明では、硝酸又は硝酸塩を助触媒として用いる。
硝酸塩の硝酸根の相手陽イオンは、特に制限はないが、
例えば、アンモニウム、ナトリウム、カリウム、マグネ
シウム、カルシウム、銅、亜鉛、アルミニウム、マンガ
ン、鉄、コバルト、ニッケル等である。これ等を反応系
に添加する方法は、原料水または原料ニトリルに溶解す
る方法、少量の水に溶解して反応器または反応液の循環
系統に注入する方法などがある。
本発明では、これ等の硝酸塩の添加量は、原料液量に対
する硝酸根量の比率で表した時に5〜50ppmの範囲であ
る。この範囲より少ないと反応促進効果はなく、逆に、
この範囲より多いと触媒が過剰に酸化されたり、反応液
中の銅イオン等が増大し精製工程の負荷が過大となる。
本発明では、アクリル酸を添加する場合は、反応液中の
アクリル酸根のイオン当量が、更にメタクリル酸を添加
する場合は、反応液中のアクリル酸根とメタクリル酸根
の合計のイオン当量が、添加した硝酸根のイオン当量に
対し6〜20倍含有されるよう、(メタ)アクリル酸及び
/又はそれらの塩を添加する。該適正濃度範囲を維持す
るため、反応液中の(メタ)アクリル酸根を、例えば、
ガスクロマトグラフィーまたは液体クロマトグラフィー
等で見ながら最適濃度となるよう添加量を選ぶ。
添加方法としては、前記した硝酸または硝酸塩と同様
に、原料に添加するかまたは反応液に直接添加する。
添加硝酸根と(メタ)アクリル酸根が該適正当量比に維
持されていれば、合成反応運転を開始後、時々流出また
は溶出した相当分程度の触媒を補給することのみで、ア
クリルアミド生産量は一定に維持され、長期間、例え
ば、半年から1年間に亘って安定した運転状態を維持で
きる。
反応液中の(メタ)アクリル酸根濃度が添加した硝酸根
の6倍当量未満の状態が一時的に、例えば、6〜7日間
続くと、触媒は回復不可能な活性の低下を来たし、(メ
タ)アクリル酸濃度を適正範囲に復帰しても、エチレン
シアンヒドリン等は再び減少するも触媒活性は元には戻
らない。また触媒の濾過性も悪化する。
よって本発明では、反応液中の(メタ)アクリル酸濃度
が添加した硝酸根の6倍当量未満の状態に一時的になる
場合、好ましくは5日以内、さらに好ましくは4日以内
に元の6倍当量以上の状態に戻す必要がある。
また、反応液中の(メタ)アクリル酸根濃度が添加した
硝酸根の20倍当量を越える濃度となると、精製工程の負
荷が過大となるばかりではなく、得られる重合物の水溶
性の悪化等、何故か過剰の(メタ)アクリル酸根は製品
モノマーの品質悪化を招く。
よって本発明では、反応液中の(メタ)アクリル酸根濃
度は実質的に常時添加した硝酸根の6倍当量以上、20倍
当量以下を維持しなければならない。
本発明で用いられる反応器の触媒フィルターの型式とし
ては、反応域内部に触媒フィルターを有する内部型フィ
ルターが望ましい。理由は、微粒子触媒が反応域から流
出する外部型フィルターと比べ、内部型フィルターでは
反応域内に触媒粒子が閉じ込められる為触媒用効率がよ
くなり、その結果触媒の使用量が少なくて済むからであ
る。
内部型フィルターは外部型フィルターの比べ、触媒の
濾過性が悪化した場合、フィルター差圧がより大きくな
りやすく、濾過が困難となる。外部型では差圧が増大
した場合、予備のフィルターに切替えることで運転の継
続が可能であるが、内部型ではそのようなことは出来
ず、比較的短時間で運転継続が不可能となる、等の理由
から、触媒の経日的な濾過性の悪化を防止し得ない従来
技術では外部型の方が好ましかった。しかしながら、本
発明により、内部型フィルターを使用しての長期間に亘
る連続運転が可能となった。
フィルターは、通常孔径1ミクロン〜100ミクロン程度
を有するものが用いられ、特に2ミクロン〜40ミクロン
程度のものが好ましい。
又、フィルターの材質は反応液に侵されず、且つ反応液
を汚染するおそれのないものであり、具体的には金属焼
結体、金属網、無機質焼結体、濾布またはフエルトなど
から選ばれ、就中ステンレス鋼製の網又は焼結体等が有
用である。
実施例 以下、本発明を実施例により更に詳細に説明する。
実施例1 <反応> ステンレス鋼製で内容積7の反応器の内部を窒素ガス
にて置換した後、脱酸素した水に懸濁したラネー銅を70
0g仕込んだ。該反応器は、攪拌装置及び内部に円筒形状
で面積70cm2、孔径10μのステンレス鋼製網状フィルタ
ーを設けてあり、反応液はこれを通って抜出される。
反応温度を105℃、圧力を窒素加圧で3Kg/cm2として、脱
酸素したアクリロニトリル及び水をそれぞれ毎時1.6K
g、3.5Kg該反応器に供給し、反応液は該フィルターを通
って連続的に抜出した。原料液中には、硝酸根として原
料液に対し30ppmに相当する硝酸銅を添加した。
反応液中のアクリル酸濃度を液体クロマトグラフィーに
より測定した所、運転開始当初は反応液に対し約400ppm
であったのが徐々に減少し、5日目に240ppmに減少した
ので、反応液中の濃度が260〜300ppm(硝酸根とのイオ
ン当量比として7.5〜7.6倍となる。)となるようにアク
リル酸添加を開始した。この濃度を維持するのに必要な
添加アクリル酸量は徐々に増加したが、10日目に原料液
中の添加アクリル酸濃度を180ppmとしたところで一定と
なり、以後、添加濃度はこれを維持した。
反応液中の銅イオンは60〜65ppmの一定濃度を保ってい
た。
アクリロニトリルの転化率が60%を維持し続けるのに必
要な量のラネー銅触媒を概ね5日間隔で加えながら、運
転を180日間続けた。結果を第1表に示す。
<ポリマー製造及びポリマー物性の評価> こうして得られた反応液を、常法に従ってアクリロニト
リルを留去し、強酸性カチオン交換樹脂により脱銅後、
苛性ソーダで中和して、濃度40%、含有アクリロニトリ
ル10ppm以下、含有銅イオン0.01ppm以下、pH=6.5のア
クリルアミド水溶液を得た。このアクリルアミド水溶液
から、次の方法でアクリルアミドポリマーを製造した。
アクリルアミド水溶液に水を加えて濃度20重量%とし、
この500gを1ポリエチレン容器に入れ、18℃に保ちな
がら窒素ガスを通じて液中の溶存酸素を除き、直ちに発
泡スチロール製の保温用ブロックの中に入れた。次いで
これに200×10-6mpm(アクリルアミドに対するモル比)
の4,4′−アゾビス(4−シアノバレリアン酸ナトリウ
ム)、200×10-6mpmのジメチルアミノプロピオニトリル
及び80×10-6mpmの過硫酸アンモニウムを夫々少量の水
に溶解してこの順に素早く注入した。これらの試薬には
予め窒素ガスを通じて溶存酸素を除いておき、また注入
おびその前後には上記ポリエチレン容器にも少量の窒素
ガスを通じておくなどして酸素ガス混入を防止した。試
薬を注入して数分間の誘導期の後、ポリエチレン容器の
内部の温度が上昇するのが認められたので窒素ガスの供
給をとめた。約100分後に温度が約70℃の頂点に達して
から、ポリエチレン容器を保温用ブロックから取出して
97℃の水に2時間浸漬し、次いで冷水に浸漬して冷却し
た。かくして得られたアクリルアミドポリマーの含水ゲ
ルを小塊に分け、肉挽機ですりつぶし、100℃の熱風で
2時間乾燥し、高速回転刃粉砕機で3分間粉砕して乾燥
粉末状のアクリルアミドポリマーを得た。更にこれを篩
にかけて32〜42メッシュのものを分取し、以后の試薬に
供するポリマーサンプルとした。
かくして得られたポリマーサンプルの水溶性、分子量、
標準粘度および未反応アクリルアミドの測定を次の方法
で行った。水溶性は1ビーカーに水600mlを入れ、定
められた形状の攪拌羽根で攪拌しながらポリマーサンプ
ル0.66g(純分約0,60g)を添加し、400rpmで2時間攪拌
を行い、得られた溶液を150メッシュの金網で濾過し、
不溶解分の多少と濾過性から水溶性を判定した。即ち、
完溶又は完溶に近いものを○、不溶解分があるがそれを
濾別することができるものを△、濾液の通過が遅く不溶
解分の濾過が事実上できないものを×とした。分子量
は、上記と同様の操作で得られた濾液を用いて濃度の異
るいくつかのアクリルアミドポリマー水溶液を調製し、
これに1M濃度相当の硝酸ナトリウムを加え、毛管型粘度
計を用いて極限粘度を求め、次式を用いて算出した。
極限粘度=3.73×10-4〔重量平均分子量0.66〕 この式を分子量1000万以上のアクリルアミドポリマーに
適用することには疑問があることがReports on Progres
s in Polymer Physics in Japan、20、5(1977)から
示唆されるが、この式は広く慣用もされている。
なお、上記の水溶性試験により得られる濾液は、水溶性
の良好な場合は濃度0.1%のポリマー水溶液であるが、
これは1M濃度相当の塩化ナトリウムを加え、BL粘度計で
BLアダプターを用いて、25℃ローター回転数60rpmで粘
度を測定した(標準粘度)。このような方法で得られる
標準粘度は、分子量に相関のある値として慣用されるの
で、本実施例においても併用した。
以上のポリマー試験の結果を、第3表に示した。
実施例2、比較例1〜3 アクリル酸添加を第1表に示すところとした以外は、実
施例1と同様に行った結果を、同じく第1表及び第3表
に示した。
第1表、第3表の結果より、本発明の範囲である実施例
1、2においてのみ、触媒の活性、濾過性及び得られた
アクリルアミドモノマーの品質の全てに良好な結果が得
られた。
比較例4、実施例3 アクリル酸添加に替え、酢酸(比較例4)、メタクリル
酸(実施例3)とした以外は、実施例1と同様に行った
結果を、第2表及び第3表に示した。
本結果より、メタクリ酸添加でも良好な結果が得られる
ことが解った。
比較例6 実施例1と同様の反応操作を行ったが、運転開始30日目
にアクリル酸添加を停止した。その結果、アクリルアミ
ドの1日当りの生成量が30〜32Kgであったのが、停止1
日目は27Kg、2日目が23Kg、3日目が21Kgと速やかに触
媒活性が低下すると共に、フィルターの濾過差圧が3日
目には0.5Kg/cm2Gに増加した。停止後5日目にアクリル
酸添加を再開した結果、フィルターの濾過差圧の上昇は
止まったが、触媒活性は低下し続けたので、運転開始後
40日目に運転を止めた。
発明の効果 本発明により、例えば有害なシアン化合物であり、後工
程での除去が困難なエチレンシアンヒドリンを始め、種
々の不純物の低減が可能なばかりでなく、従来の方法で
は不可能であった合成反応運転の日数を経ると共に生じ
てくる触媒活性の低下、触媒の濾過性の悪化、製品モノ
マー品質の悪化等を完全に防止できるようになった。
その結果、従来の方法では2〜3ケ月運転を継続する
と、触媒の活性や濾過性が不良となり、且つ製品モノマ
ーの品質も悪化する為、運転を停止して触媒を入れ替え
る必要があったのが、本発明の方法により半年〜1年間
に亘って安定した運転が可能となり、又、得られる製品
モノマーの品質も良好であった。更に、本発明により内
部型フィルターの反応器を使用することが可能となり、
触媒活性低下の防止効果もあって、高価な鋼系触媒の使
用量は、従来の方法と比べて半分以下とすることができ
た。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アクリロニトリルと水を銅系触媒と懸濁状
    で接触させ、アクリルアミドを連続的に製造するに際
    し、硝酸又は硝酸根を原料液に対し硝酸根として5〜50
    ppm添加し、且つ添加した硝酸根の6〜20倍当量の(メ
    タ)アクリル酸根が反応液中に含有されるよう(メタ)
    アクリル酸及び/又はこれらの塩を添加することを特徴
    とするアクリルアミドの製造法。
  2. 【請求項2】添加した硝酸根の6〜20倍当量の(メタ)
    アクリル酸根が実質的に常時反応液中に含有されている
    特許請求の範囲第1項記載の方法。
  3. 【請求項3】反応域の内部に触媒濾過用のフィルターを
    有する反応器を用いる特許請求の範囲第1項記載の方
    法。
JP3348587A 1987-02-18 1987-02-18 アクリルアミドの製造法 Expired - Lifetime JPH0733361B2 (ja)

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