JP2956994B2 - アクリルアミドの製造方法 - Google Patents

アクリルアミドの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はアクリロニトリルと水からラネー銅触媒の存
在下アクリルアミドを触媒合成する際の、使用する反応
器内部の前処理方法に関するものである。
アクリルアミドは紙力増強剤、凝集剤などに利用され
るアクリルアミド系ポリマーの製造に用いられる他、多
方面の用途に向けられる産業上、有用なモノマーであ
る。
[従来の技術] ラネー銅触媒を含む金属銅系触媒の存在下に、アクリ
ルニトリルを接触水和してアクリルアミドを製造する方
法はすでによく知られている。
例えば特公昭49−30810、特公昭50−12409、特公昭50
−22019、特公昭54−7754、特公昭55−26910、特公昭55
−11657などに開示されている。
また、該接触水和反応系の改良に関する方法も種々提
案されている。例えば、特公昭50−12409では、反応系
に硝酸銅、酢酸銅などの銅塩を添加して活性を向上さ
せ、特公昭57−20294では反応系に硝酸又は硝酸アルミ
ニウムなどの硝酸塩を添加することで、活性を向上させ
且つ活性を長期に維持させている。特開昭58−88344で
はラネー銅触媒を予め硝酸塩などで部分的に酸化するこ
とにより、活性を高めている。
このようにアクリロニトリルの接触水和によりアクリ
ルアミドを合成するにはラネー銅を含む金属銅触媒の反
応系に硝酸塩を添加するとともにそれによって生成する
触媒酸化部分の溶除剤として無機酸又は有機酸を添加す
ることが、長期にわたり、安定的に合成反応を継続する
のに有利であることが知られている。
又、特公昭55−11658にはアクリロニトリルの接触水
和法により得られるアクリルアミド水溶液の取扱い方
法、重合防止方法に関する技術が開示されている。アク
リルアミド水溶液の貯蔵については、フェノール樹脂、
ポリエチレン、ポリプロピレンまたは硬質塩化ビニル樹
脂製の容器、またはこれらの材料で処理した容器に貯蔵
することが好ましいとしている。
〔発明が解決しようとする課題〕
アクリロニトリルを接触水和してアクリルアミドを合
成する際に、ラネー銅触媒を使用することが実用的に有
利であり、触媒を長期・安定的に使用してアクリルアミ
ドを工業的に有利に製造する方法も知られている。
ラネー銅触媒を用いて、アクリロニトリルの接触水和
によりアクリルアミドを製造する際に、使用する反応器
および付属する機器類の材質としてはステンレススチー
ル鋼が多用されるが、通常の加工を行ったステンレスス
チール製の反応器を使用して、接触水和反応を行うと、
とくに反応初期に反応器内面等にアクリロニトリル、ア
クリルアミドおよび副生物のアクリル酸などに由来する
ポリマー類が顕著に生成し、反応を中断したり、不測の
事態を招く場合が生じて問題となっている。
本発明の課題はこのような従来技術の問題点を解決
し、ラネー銅触媒を用いるアクリロニトリルの接触水和
によるアクリルアミド合成反応における使用する反応器
等の前処理方法を提供することである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、アクリロニトリルと水とをラネー銅触媒の
存在下反応させてアクリルアミドを製造するに際して、
反応器の内部を硝酸、硝酸塩および銅塩から選ばれた少
くとも一種の水溶液で処理するアクリルアミドの製造方
法である。
本発明に用いられるラネー銅触媒は公知文献に基づ
き、次のように定義される。
即ち、アルミニウム、シリカ、亜鉛のようなアルカリ
または酸に可溶な金属とアルカリまたは酸に不要な金属
との合金を製造した後、これを展開して得られる金属触
媒と定義されるもので、ラネー銅触媒とは展開後得られ
る金属触媒中の金属組成が銅を主体とするものである。
ラネー銅触媒のうち、アルカリまたは酸に可溶な金属
としては通常アルミニウムが用いられる。
本発明での反応器内部とは、反応器およびこれに付属
する部品、機器類を含み次のように定義される。
即ち反応条件下、温度100〜150℃、圧力1〜20気圧の
状態で主としてアクリロニトリル、水、アクリルアミ
ド、ラネー銅触媒が存在し、触媒を除くこれら化合物が
液体または気体の状態で接触する部分をいう。
硝酸塩とは、硝酸銅、硝酸鉛、硝酸カリウム及び硝酸
アンモニウム等の硝酸塩を云い、銅塩とは、硫酸銅、酢
酸銅等の銅塩を云う。
ラネー銅触媒を用いて液相懸濁法によりアクリロニト
リルと水より、アクリルアミドを合成する場合、原料ア
クリロニトリル、生成物アクリルアミドおよび反応で副
生するアクリル酸などがいずれも易重合性の有機モノマ
ーであるため、反応に使用する反応器およびそれに付属
する部品、機器類の前処理、反応のスタートアップ、反
応条件の選定、反応の停止方法を誤ると、これら易重合
性モノマーの重合を促進するといった現象が生起して、
反応停止など不測の事態が起る可能性がある。
これら易重合性モノマーの重合については、例えば特
開昭49−36616によると、第二銅イオン(Cu2+)および
第一銅イオン(Cu1+)の重合防止および重合促進効果が
示されている。
アクリルアミド−アクリロニトリル−水三成分系に対
して、Cu1+は、200℃以下で重合防止効果をもち、Cu2+
は50℃以下では重合防止効果をもつが、50℃以上では逆
に重合を促進するという。アクリルアミド−水二成分系
に対しては、Cu2+は三成分系に対すると同様の挙動を示
すが、Cu1+では100℃以下、好ましくは80℃以下で重合
防止効果をもつことが示されている。
Cu2+またはCu1+が系内に存在しない場合、アクリルア
ミド−アクリロニトリル−水、アクリルアミド−水の三
成分系および二成分系の組成変化に対する安定性につい
ては次のようなことが知られている。
系内にCu2+またはCu1+が存在しないとき、アクリルア
ミド濃度に対応して、適切な濃度のアクリロニトリルが
存在すると、とくに常温または温度上昇下でアクリルア
ミド−アクリロニトリル−水の三成分系が均一溶液を形
成するような濃度範囲では、アクリルアミドの重合は顕
著に抑止されることが知られれている。
実際に、ラネー銅触媒を用いて液相懸濁法によりアク
リロニトリルと水よりアクリルアミドを合成する場合、
反応液組成(アクリロニトリル/水)に対して、ラネー
銅触媒より銅の溶出があり、即ちその状態は98%以上が
Cu1+であり、且つ、アクリロニトリルの転化率を100%
にせず、一定濃度のアクリロニトリルを反応系に残すよ
うな運転を行うことで、反応系内での水溶性ポリマー、
ゲルポリマーの生成を抑制することが可能で安定運転す
ることができる。
本発明方法によれば、ラネー銅触媒の存在下、液相で
アクリロニトリルと水とを反応させてアクリルアミドを
接触合成するに際して、予め、反応器およびこれに付属
する部品、機器類を硝酸等の水溶液で処理後、次いで純
水を用いて洗浄した後に使用することで、反応初期のポ
リマーおよび不溶物の生成を顕著に抑制することができ
る。使用する薬剤として硝酸、硝酸銅、硫酸銅、酢酸
銅、硝酸鉛、硝酸カリ、硝酸アンモニウムの水溶液をあ
げることができるが、中でも硝酸を好適に使用すること
ができる。
材質としてステンレススチール鋼(SUS−304、316な
ど)を用いる反応器およびその付属部品、機器類の例え
ば硝酸使用液による洗浄前処理条件は次の通りである。
処理温度は5〜60℃の範囲が好ましく、5℃以下では
処理速度が遅く、60℃以上では特別な加熱処理設備を必
要とするなど経済的に不利である。処理時間は0.5〜6
時間の範囲で選択でき、硝酸濃度としては1〜20重量%
の範囲がよく、さらに好ましくは2〜10重量%の範囲で
ある。勿論効果のある範囲で出来るだけ低濃度の硝酸水
溶液を使用することが有利であり、1%以下では十分な
効果が得られず、20%以上では硝酸水溶液処理に続く水
洗工程での必要純水量が過大となり振である。硝酸水溶
液による前処理は回分法又は連続循環式などよく知られ
ている方法で実施することができる。
硝酸水溶液による処理が終了した後は、好ましくは脱
酸素した純水を用いて洗浄し、洗浄水のpHが6〜7とな
る迄よく水洗することが好ましい。硝酸以外の薬剤を用
いた場合についても同様の処理条件、操作をとることが
できる。
通常、アクリルアミドの製品形態には結晶アクリルア
ミドと50重量%アクリルアミド水溶液の二種類がある。
とくに後者の取り扱い、貯蔵法については次のことが知
られている。
コンテナ、配管、ポンプ、弁等の材質はSUS−304、31
6が好ましい。
タンク材質としてはSUS−304、361、ライニングした
もの、FRP製のものが好ましい。
材質としてSUS−304、316を用いたタンク等について
は、溶接部分、錆のついた部分については十分酸洗いを
した後、pH5〜7となる迄純水で洗浄した後、使用す
る。
このように50重量%アクリルアミド水溶液については
通常の表面処理を行ったステンレススチール鋼(SUS−3
04、316)の表面、溶接部分、または付着した錆によ
り、重合が加速される危険性があるため、その前処理と
して酸洗いが有効であることが知られている。即ち、酸
処理により、表面の不活性化(表面被膜の形成によ
る)、溶接部分の不活性化、錆の溶解が起るため、重合
防止効果がでると考えられる。
本発明によればステンレススチール鋼(SUS−304、31
6)よりなる反応器そよびその付属部品、機器類を硝酸
水溶液などで処理し、水洗した後使用することで反応初
期のポリマー、不溶物の生成を顕著に抑制することがで
きる。その原因は硝酸水溶液などの処理により反応器お
よびその付属部品、機器類の表面不活性化が促進される
ためと考えられる。すでに知られている事実はあくまで
も50重量%アクリルアミド水溶液で且つ40℃以下の温度
での、貯蔵タンク等の表面処理に限定されるものであ
り、本発明の方法の内容とは異なるものと考えられる。
本発明の方法を用いてアクリロニトリルを接触し水和
して、アクリルアミドを合成する方法は次のようであ
る。
触媒は粉状で懸濁床として、あるいは粒状で固定床で
用いられ、流通式または回分式の反応型式がとられる。
商業的規模で行う場合には、流通式撹拌槽型式の反応器
でラネー銅触媒を懸濁させ連続的に反応させる方法が多
く用いられる。
反応におけるアクリロニトリルと水との割合は、一般
に水の過剰側がよく、アクリルアミド生成速度も早い
が、その生産性、反応器の容量などを考慮すると、好ま
しくは重量比で60/40〜5/95の範囲であり、更に好まし
くは重量比で50/50〜10/90の範囲である。
好ましい反応温度は50〜200℃の範囲であるが、とく
に70〜150℃の範囲が副反応または重合防止及び生産性
の面から好適である。好ましい滞留時間は反応温度とも
関係するが、0.5〜5時間の範囲であり、とくに1〜3
時間の範囲が副反応または重合防止及び生産性の面から
都合がよい。
アクリロニトリルのアクリルアミドへの転化率は好ま
しくは10〜98%であり、更に好ましくは30〜95%であ
る。アクリルアミドの重合防止を考えると、反応系内に
は未反応のアクリロニトリルを残すことが有利である。
上記のアクリロニトリルと水との重量比、反応温度及
びアクリロニトリルの転化率に於て、未反応アクリロニ
トリル、未反応水及び生成したアクリルアミドの三成分
が均一な溶液系を形成しないことがある。これを回避す
るために、合成されたアクリルアミドを溶剤として再び
この反応系に加えても良いし、他の不活性な溶剤を用い
ても良い。
ラネー銅触媒は使用前及び使用中を通じて、酸素ガス
及び酸素含有ガスとの接触を避けることが望ましい。酸
素は触媒と反応してある限度内であれば触媒の活性を損
わないが、逆に活性を向上させるが、それ以上では活性
を損い、さらにはヒドロキシプロピオニトリル(HP
N)、ヒドロキシプロピオンアミド(HPM)、オキシプロ
ピオジニトリル(OPN)などの副生を増加させる原因と
なる。
反応器に供給されるラネー銅触媒、アクリロニトリ
ル、水、溶剤などに含有される溶存酸素は先に述べたと
同様に触媒活性を損いHPN、HPM、OPNなどの副生物を増
加させるので、反応器に供給する以前に十分に除去する
ことが望ましい。また同じ理由から、反応器内は酸素ガ
スを含まない雰囲気に保持することが望ましい。
この理由で、原料アクリロニトリル及び水は溶存酸素
が好ましくは5ppm以下、更に好ましくは1ppm以下となる
様脱酸素してから反応器に供給することが好ましい。
反応器内は上記した温度と組成に於ける蒸気圧または
それに窒素などの不活性ガスを加えた圧力に保持される
が、その圧力は通常、常圧ないし20気圧の範囲である。
本発明に用いる触媒の添加量は極微量であっても水和
反応は進行するが、好ましい触媒の量は、例えば触媒を
懸濁床として用いる場合、アクリロニトリル1モル当
り、0.01〜1000gの範囲が好ましい。
反応系内で触媒の活性を安定に維持するためには、反
応液に硝酸銅、硫酸銅、酢酸銅などで代表される銅塩を
反応液中の水に対してCu2+として2〜200ppmの範囲で添
加することが好ましい。
本発明を実施するに際して、反応液のpHは弱酸性、中
性ないしは弱アルカリ性であることが望ましい。通常、
上述のCu2+の添加量が最適化された反応系では、pH調節
剤、緩衝溶液等を添加しなくとも、反応液のpHは5〜9
の範囲にあり、そままで反応を行うことが可能である場
合が多い。
本発明を更に実施例と比較例をもって説明する。
〔実施例〕
実施例1 ステンレス鋼製(SUS−316)で内容積1のオートク
レーブを用いて、ラネー銅触媒を添加することなく、ア
クリロニトリルと水との反応を行ってアクリロニトリル
の回収、およびポリマー、不溶物生成の確認テストを行
った。
該オートクルーブには撹拌装置、温度計、バルブ類、
圧力計、および内部に小型焼結金属フィルター(孔径2
μ)が設置してあり、反応後、反応液の抜出しをこのフ
ィルターを通して行えるようにしてある。各部品、機器
類の材質はいずれもSUS−316製である。オートクレーブ
の使用に当っては、先ず、アクリロニトリル蒸気、アク
リロニトリル水溶液が接触する部分、即ち、オートクレ
ーブ本体、フランジ天板、撹拌シャフトと羽根、継手、
バルブ、ノズル、内挿管、フィルター、圧力計溶の配管
などを次のように前処理した。
純水でよく洗浄して各部品をN2ブローにより乾燥す
る。
上記各部品類を5重量%硝酸水溶液に室温で2時間浸
漬する。静置したままでも良いが、時々水溶液を撹拌す
ると効果的である。
浸漬終了後、硝酸水溶液の液切りを行って、部品類を
純水で十分に水洗する。水洗は洗浄水のpHが6〜7の範
囲となる迄行う。
次いで部品類の液切りを行って、N2ブローにより部品
類を乾燥する。この処理を行ったオートクレーブを用い
て、内部をN2ガスで置換した後、予め脱酸素したアクリ
ロニトリルおよび純水を夫々85g、200gずつを仕込ん
だ。
オートクレーブを油浴に浸漬して内部をよく撹拌しな
がら徐々に昇温して120℃とした後、2時間、アクリロ
ニトリルと水との反応を継続した。反応後、オートクレ
ーブを常温迄冷却して、焼結金属フィルターを通して反
応液を抜出して液体クロマトグラフィーおよびガスクロ
マトグラフィーにより、未反応アクリロニトリル、反応
生成物の分析を行った。
この結果、仕込んだアクリロニトリルは99%以上が回
収でき、副生成物の生成は検知されず、ポリマー類およ
び不溶物の生成は全く認められなかった。
実施例2 実施例1で用いたと同じオートクレーブを使用して、
ラネー銅触媒の存在下でアクリロニトリルの接触水和反
応を行った。ラネー銅触媒はK社製(改良型CDT−60)
のもので、スラリー濃度50重量%で純水中に懸濁した状
態で貯蔵、保管してある。
オートクレーブの内部をN2ガスで置換した後、このラ
ネー銅触媒17.0gを仕込んだ。さらに予め脱酸素したア
クリロニトリルおよび純水を夫々85g、200gずつを仕込
んだ。これらの仕込み操作はいずれも可及的に酸素との
接触を断って行った。
以後の操作は実施例1と同じにして、120℃、2時間
反応を行って、回収した反応生成物を分析した。
その結果、アクリロニトリル転化率59.4%、アクリル
アミド率および選択率は夫々56.8%、95.6%であって、
HPN、OPN、HPMの収率は夫々1.11、0.56、0.93%であ
り、アクリル酸(AA)の収率は0.05%であった。
又、生成物中に水溶性ポリマー、ゲルポリマー及び不
溶物の生成は全く認められなかった。
比較例1 実施例1で用いたと同じ1オートクレーブについ
て、オートクレーブ本体等各部品を内面研磨処理を行っ
た。即ち、各部品類の表面をバフ研磨(# 300)して、
金属生地表面を露出させた後、純水で十分洗浄した後、
N2パージにより各部品を乾燥した。この処理を行ったオ
ートクレーブを用いて、内部をN2ガスで置換した後、予
め脱酸素したアクリロニトリルおよび純水を夫々85g、2
00gずつを仕込んで実施例1と同じにしてアクリロニト
リルの回収テストを行った。
この結果、仕込んだアクリロニトリルは93%程度しか
回収できず、多量のゲルポリマーおよび不溶物の生成が
確認できた。またポリマーの熱分析(TG−DTA)を空気
流通下で行った所、330〜335℃近辺に鋭い発熱ピークが
あり、アクリロニトリルに由来するポリマーであること
が確認できた。
比較例2 比較例1で用いたと同じオートクレーブを用いて、ラ
ネー銅触媒の存在下でアクリロニトリルの接触水和反応
を行った。ラネー銅触媒は実施例2で使用したものと同
じものを用いた。反応についても実施例2と同じにして
行った。
その結果、アクリロニトリル転化率60.8%、アクリル
アミド収率および選択率は夫々57.5%、94.6%であっ
た。AA、HPN、OPN、HPMの収率は夫々0.04、1.92、0.4
5、0.93%であった。
又、生成物中にはゲルポリマー及び不溶出の生成が認
められた。前処理しないオートクレーブを用いたとき、
副生物、とくにHPNが増大し、ポリマー類が生成するこ
とが明らかである。
実施例3 実施例1と同じオートクレーブであるが、オートクレ
ーブ本体等各部品類の前処理を、5重量%硝酸水溶液を
用いて35℃で1時間行い、次いで十分水洗を行った。こ
のオートクレーブを用いて実施例1と同様にして、アク
リロニトリルの回収テストを行った所、殆ど同じ結果が
得られた。
実施例1〜3及び比較例1〜2の結果を表1に示す。
実施例4 実施例1と同じオートクレーブであるが、オートクレ
ーブ本体等各部品類の前処理を、5重量%硝酸アンモニ
ウム水溶液を用いて、40℃で2時間行い次いで十分水洗
を行った。オートクレーブの内部をN2ガスで置換した
後、ラネー銅触媒17.0gを仕込んだ。さらに予め脱酸素
したアクリロニトリルおよび純水を夫々85g、200gずつ
を仕込んで、120℃、2時間反応を行って、回収した反
応生成物を分析した。分析した結果は実施例2に殆ど同
じであった。
実施例5 実施例1と同じオートクレーブであるが、オートクレ
ーブ本体等各部品類の前処理を、5重量%酢酸銅水溶液
を用いて、40℃で2時間行い次いで十分水洗を行った。
このオートクレーブを用いて、実施例1と同様にして、
アクリロニトリルの回収テストを行った所、アクリロニ
トリルの回収率は99%以上であり、ポリマー類、不溶物
の生成は認められなかった。
実施例6 材質がハステロイーCである以外は実施例1と同タイ
プ(内容積1)のオートクレーブを用いた。このオー
トクレーブを5重量%酢酸銅水溶液を用いて、40℃で2
時間前処理を行って、次いで十分水洗を行った。
このオートクレーブを用いて、実施例1と同様にし
て、アクリロニトリルの回収テストを行った所、ポリマ
ー類、不溶物の生成は認められなかった。
比較例3 実施例6と同じオートクレーブであるが、酢酸銅水溶
液による前処理を行うことなく、実施例1と同様にし
て、アクリロニトリルの回収テストを行った所、アクリ
ロニトリルの回収率は約92%程度であり、ポリマー類、
不溶物の生成は認められた。
〔発明の効果〕
本発明はアクリルアミドの製造方法に関するものであ
り、液相でアクリロニトリルと水よりアクリルアミドを
接触合成するに際して、予め硝酸等の水溶液で前処理し
た反応器を用いることにより、反応初期よりポリマー類
を生成することなく反応を継続することが可能となり、
産業上極めて有効なものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07C 231/06,233/09

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アクリロニトリルと水とをラネー銅触媒の
    存在下反応させてアクリルアミドを製造するに際して、
    製造前に反応器の内部を予め硝酸、硝酸塩および銅塩か
    ら選ばれた少なくとも一種の水溶液で前処理しておくこ
    とを特徴とするアクリルアミドの製造方法。
  2. 【請求項2】前処理を、1〜20重量%の濃度の硝酸で行
    うことを特徴とする、請求項1記載のアクリルアミドの
    製造方法。
  3. 【請求項3】前処理を、5〜60℃の温度で行うことを特
    徴とする請求項1〜請求項2のいずれかに記載のアクリ
    ルアミドの製造方法。
  4. 【請求項4】前処理を、0.5〜6時間の処理時間で行う
    ことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載
    のアクリルアミドの製造方法。
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