JP2987907B2 - 溶存酸素の除去法 - Google Patents

溶存酸素の除去法

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JP2987907B2 JP23862290A JP23862290A JP2987907B2 JP 2987907 B2 JP2987907 B2 JP 2987907B2 JP 23862290 A JP23862290 A JP 23862290A JP 23862290 A JP23862290 A JP 23862290A JP 2987907 B2 JP2987907 B2 JP 2987907B2
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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は、水中に溶存する酸素の除去方法に関する。
さらに詳しくは、易酸化性金属を担持した特定のキレー
ト性官能基を有するキレート樹脂と還元性薬剤を用いて
溶存酵素を除去する方法に関するものである。
<従来の技術> 化学工業においては、加熱、冷却等の用役用として、
また吸収、洗浄、晶析等のプロセス用として、大量の水
が用いられる。ところが、これらの水中に酸素が存在す
ると、溶存酸素に起因する腐食を生じることがある。そ
こで、溶存酸素を除去するために種々の方法が提案さ
れ、実用に供されている。
例えば、ヒドラジンや亜硫酸ナトリウム等を脱酸素剤
として水中に添加し、水中に溶存する酸素を還元する方
法、還元銅を析出させたイオン交換樹脂により溶存酸素
を還元する方法、パラジウムを担持させたイオン交換樹
脂やポリビニルピリジン樹脂の存在下、水素ガスや蟻酸
等により溶存酸素を還元する方法〔化学工業,(7),6
6(1985)〕等が挙げられる。
<発明が解決しようとする課題> しかしながら、水中に溶存する酸素を化学的に還元す
る方法には、還元速度が遅いこと、被処理水に多量の塩
分を持ち込むので、ボイラー給水の場合にボイラーの運
転に支障をきたすことなどの欠点がある。また、金属を
担持させたイオン交換樹脂を用いて水中に溶存する酸素
を水素により還元除去する方法には、処理液中に金属イ
オンがリークすること、水素ガスが爆発性であるため、
極めて取扱いが難しいこと、水素ガスの被処理水への溶
解が困難なので、必要以上に大過剰の水素ガスを使用し
なければならないこと、処理後の液を用水として使用す
る前に、溶解している水素ガスを分離しなければならな
いことなどの欠点がある。
かかる実情に鑑み本発明者らは、従来の脱酸素処理方
法の欠点を改良した方法を見出すために鋭意検討した結
果、本発明を完成するに至った。
<課題を解決するための手段> すなわち本発明は、易酸化性金属を担持したアミノカ
ルボン酸基および/または易酸化性金属を担持したアミ
ノアルキレンホスホン酸基を有するキレート樹脂と溶存
酸素を含有する水とを、還元性薬剤の存在下に接触させ
ることを特徴とする溶存酸素の除去法を提供するもので
ある。
本発明方法で処理の対象となる水は、酸素を溶存する
ものであれば特に制限されない。被処理水中には、本発
明の効果を損なわない範囲で、水および酸素以外の成分
が含まれていてもよい。一般には、ボイラー給水、冷却
水、洗浄水等が処理の対象となりうる。
本発明の方法に用いるキレート樹脂は、キレート性官
能基として、アミノカルボン酸基および/またはアミノ
アルキレンホスホン酸基を分子中に有するものであれば
よく、その形状や製造方法、樹脂基体の種類等は特に制
限されない。例えば、以下の方法により製造される樹
脂、その他上記のキレート性官能基を有する市販のキレ
ート樹脂が使用できる。
(1) カルボニルクロリド基またはクロルメチル基を
有した樹脂(以下、活性塩素含有樹脂と称す)に、アミ
ノカルボン酸化合物を反応させる方法。
ここで、カルボニルクロリド基またはクロルメチル基
を有した樹脂(活性塩素含有樹脂)としては、カルボニ
ルクロリド基またはクロルメチル基を有したスチレン−
ジビニルベンゼン共重合体、フェノール樹脂、ポリエチ
レンもしくはポリプロピレン等、またはポリ(メタ)ア
クリル酸の酸塩化物などが挙げられる。アミノカルボン
酸化合物としては、イミノジ酢酸、グリシン、アラニ
ン、バリン、メチオニン、アスパラギン、グルタミン、
アスパラギン酸、グルタミン酸、5−アミノ−3−アザ
ペンタン酸、8−アミノ−3,6−ジアザオクタン酸、11
−アミノ−3,6,8−トリアザウンデカン酸、9−アミノ
−3−アザノナン酸、グアニジノ酢酸、およびこれらの
酸のアルカリ金属またはアルカリ土類金属塩などが挙げ
られる。
(2) ニトリル基を有した樹脂にアミノ化合物を反応
させて得られるアミノ化樹脂(以下、アミノ化樹脂と
いう)に、ハロゲン化アルキルカルボン酸化合物または
アクリル酸系化合物を反応させる方法。
ここで、ニトリル基を有した樹脂としては、アクリロ
ニトリル、α−クロルアクリロニトリル、シアン化ビニ
リデン、メタアクリロニトリル、エタアクリロニトリ
ル、フマルジニトリル、クロトンニトリル、2−シアノ
エチルアクリレートもしくは2−シアノエチルメタアク
リレート等のシアン化ビニル系単量体の重合体または、
これらのシアン化ビニル系単量体と、それに共重合が可
能な他のエチレン系不飽和単量体、例えば、ジビニルベ
ンゼン、エチレングリコールジメタアクリレート、ジエ
チレングリコールジメタアクリレート、ポリエチレング
リコールジメタアクリレートもしくは酢酸ビニル等との
共重合体が挙げられる。アミノ化合物としては、エチレ
ンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジ
アミン、ヘキサメチレンジアミン等のアルキレンジアミ
ン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、
テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミ
ン、ヘキサエチレンヘプタミン等のポリアルキレンポリ
アミン、アンモニア、ヒドラジン、グアニジンなどが挙
げられる。ハロゲン化アルキルカルボン酸化合物として
は、モノクロル酢酸、モノブロム酢酸、モノクロルプロ
ピオン酸、モノブロムプロピオン酸、およびこれらの酸
のアルカリ金属またはアルカリ土類金属の塩などが挙げ
られる。またアクリル酸系化合物としては、アクリル
酸、メタアクリル酸、これらの酸のアルカリ金属または
アルカリ土類金属塩、およびこれらの酸のメチル、エチ
ルエステルなどが挙げられる。
(3) 活性塩素含有樹脂とアミノ化合物を反応させて
得られる樹脂中に活性水素を有したアミノ化樹脂(以
下、アミノ化樹脂と呼ぶ)に、ハロゲン化アルキルカ
ルボン酸化合物またはアクリル酸系化合物を反応させる
方法。
ここで、活性塩素含有樹脂、アミノ化合物、ハロゲン
化アルキルカルボン酸化合物およびアクリル酸系化合物
の具体例は、前述したものと同じである。
(4) アクリル酸系樹脂にアミノ化合物を縮合反応さ
せて得られる樹脂(以下、縮合反応酸アミノ樹脂とい
う)に、ハロゲン化アルキルカルボン酸化合物またはア
クリル酸系化合物を反応させる方法。
ここで、アクリル酸系樹脂としては、ポリアクリル
酸、ポリメタアクリル酸、およびこれらの酸のメチル、
エチル等のエステルが挙げられる。また、アミノ化合
物、ハロゲン化アルキルカルボン酸化合物およびアクリ
ル酸系化合物の具体例は、前述したものと同じである。
(5) アミノ化樹脂、アミノ化樹脂または縮合反
応酸アミド樹脂に、アルキレンホスホン化剤を反応させ
る方法。
以下、上記の各反応について詳述する。
(1)の反応方法について 活性塩素含有樹脂とアミノカルボン酸化合物との反応
は、水、N,N−ジメチルホルムアミド、メチルアルコー
ルまたはエチルアルコール等の溶媒中で、水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウム、トリエチルアミン、N,N−ジメ
チルアニリン、N,N−ジエチルアニリン等の中和剤の存
在下に、約40℃以上で、好ましくは約50〜90℃に加熱し
て行う。反応温度が約40℃より低いと、反応速度が遅く
なり、反応に長時間を要するので、好ましくない。
反応は、上記の温度で約0.1〜7時間行われる。その
範囲内で最適時間は、反応温度、反応液濃度、使用する
溶媒、アミノカルボン酸化合物の種類等によって適宜決
められる。しかし、さらに長い時間反応させることも可
能である。反応は一般に常圧で行われるが、加圧下でも
可能である。
アミノカルボン酸化合物の反応割合は、活性塩素含有
樹脂中のカルボニルクロリド基またはクロルメチル基1
モルに対して、約0.25モル以上、好ましくは約0.3〜0.5
モルである。必要以上のアミノカルボン酸化合物を用い
ることは、反応後の回収処理を伴い、処理操作が煩雑と
なる。一方、アミノカルボン酸化合物の使用量が、活性
塩素含有樹脂中のカルボニルクロリド基またはクロルメ
チル基に対して約0.25倍モルより少なくなると、得られ
るキレート樹脂の金属捕集能が低下するので、好ましく
ない。
中和剤は、カルボニルクロリド基またはクロルメチル
基とアミノカルボン酸化合物との反応により副生する塩
酸を中和除去して、カルボニルクロリド基またはクロル
メチル基とアミノカルボン酸化合物との反応を促進する
ために用いられる。ただ、カルボニルクロリド基または
クロルメチル基と直接反応しないアミノカルボン酸化合
も脱塩酸剤として作用するので、中和剤の使用量が副生
塩酸量に対して当モル以下でも反応上特に支障はなく、
また過剰に用いても反応上の支障はない。適宜予備実験
により、適当な使用量が決められる。
(2)の反応方法について アミノ化樹脂は、前記ニトリル基を有する樹脂と前
記アミノ化合物を、水溶媒下もしくは、水を含有したN,
N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ト
ルエン、1,2−ジクロルエタン等の溶媒存在下、100℃以
上、好ましくは120℃以上の反応温度で製造される。反
応温度が100℃より低くなると、反応が遅くなり、反応
に長時間を要するので、好ましくない。
反応は、上記の温度で、一般には0.5〜50時間、好ま
しくは1〜12時間行われるが、その範囲内で最適時間
は、反応温度、反応液濃度、使用する溶媒、アミノ化合
物の種類等によって適宜決められる。しかし、さらに長
い時間反応させることもできる。この反応は一般に常圧
で行われるが、加圧下でも可能である。
ニトリル基を有する樹脂に対するアミノ化合物の反応
割合は、樹脂中のニトリル基1モルに対して、通常アミ
ノ化合物が0.5モル以上である。しかし、必要以上のア
ミノ化合物を用いると、反応後の回収処理が必要にな
り、処理操作が煩雑となる。一方、ニトリル基を有する
樹脂に対して用いられるアミノ化合物の量が少なくなる
と、次工程におけるカルボン酸基の導入量が少なくな
り、得られる反応生成キレート樹脂の金属吸着容量が低
下する。したがって、好ましくは樹脂中のニトリル基1
モルに対して、アミノ化合物を約1〜6モル用いる。
このようにして製造されたアミノ化樹脂は、次い
で、そのまま、または溶媒および未反応のアミノ化合物
を分離除去した後、または必要に応じて洗浄、乾燥した
後、前記ハロゲン化アルキルカルボン酸化合物または前
記アクリル酸系化合物との反応を行う。
アミノ化樹脂とハロゲン化アルキルカルボン酸化合
物との反応は、水、N,N−ジメチルホルムアミド、エチ
ルアルコール、メチルアルコール、1,2−ジクロルエタ
ン、クロロホルム等の溶媒および、水酸化ナトリウム、
水酸化カリウム、トリエチルアミン、N,N−ジメチルア
ニリン、N,N−ジエチルアニリン等の中和剤の存在下
に、約40℃以上で、好ましくは約50〜90℃に加熱して行
う。反応温度が約40℃より低いと、反応速度が遅くな
り、反応に長時間を要するので、好ましくない。
反応は、上記の温度で約0.1〜7時間行われる。その
範囲内で最適時間は、反応温度、反応液濃度、ハロゲン
化アルキルカルボン酸化合物の種類等によって適宜決め
られる。しかし、さらに長い時間反応させることもでき
る。この反応は一般に常圧で行われるが、加圧下でも可
能である。
アミノ化樹脂とハロゲン化アルキルカルボン酸化合
物の反応割合は、アミノ化樹脂中の塩基性基1当量に
対して、ハロゲン化アルキルカルボン酸化合物が0.5モ
ル以上、好ましくは1〜3モルである。必要以上のハロ
ゲン化アルキルカルボン酸化合物を用いると、反応後の
回収処理が必要になり、処理操作が煩雑となる。一方、
ハロゲン化アルキルカルボン酸化合物の量があまり少な
くなると、アルキルカルボン酸の付加量が少なくなり、
得られる反応生成キレート樹脂の金属捕集能が低下す
る。
中和剤の添加量および添加方法は、アミノ化樹脂と
ハロゲン化アルキルカルボン酸化合物との反応条件によ
り異なるので、適宜予備実験により、適当な添加条件が
決められる。しかし、中和剤は、アミノ化樹脂中の塩
基性基とハロゲン化アルキルカルボン酸化合物との反応
により副生するハロゲン化水素およびハロゲン化アルキ
ルカルボン酸化合物を中和する役目をするので、中和剤
の反応割合は、副生するハロゲン化水素の量とハロゲン
化アルキルカルボン酸のカルボン酸基の量の合計当量用
いるのが、通常は望ましい。
また一般には、予めハロゲン化アルキルカルボン酸化
合物のカルボン酸基と当量の中和剤を加えて、ハロゲン
化アルキルカルボン酸化合物の塩を生成させ、その後、
当該ハロゲン化アルキルカルボン酸化合物の塩とアミノ
化樹脂との反応により副生するハロゲン化水素量に応
じて、逐次中和剤を添加していく方法が採用される。
アミノ化樹脂と前記アクリル酸系化合物との反応
は、いわゆるマイケル付加反応として知られている公知
反応の利用である。この反応は、水、エチルアルコー
ル、メチルアルコール、N,N−ジメチルホルムアミド等
の溶媒下、約40℃以上、好ましくは約50〜100℃で行わ
れる。反応温度が40℃より低いと、反応速度が遅くな
り、反応に長時間を要するので、好ましくない。反応
は、好ましくは上記の温度で約0.5〜10時間行われる。
この反応は一般に常圧で行われるが、加圧下でも可能で
ある。
アミノ化樹脂とアクリル酸系化合物との反応割合
は、樹脂中の塩基性基1当量に対して、アクリル酸系化
合物が約0.25モル以上、好ましくは約0.5〜3モルであ
る。必要以上のアクリル酸系化合物を用いると、反応後
の回収処理が必要になり、処理操作が煩雑となるし、一
方、アミノ化樹脂中の塩基性基1当量に対してアクリ
ル酸系化合物の量が約0.25モルより少なくなると、アク
リル酸系化合物の付加量が少なくなり、得られる反応生
成キレート樹脂の金属捕集能が低下する。
アクリル酸系化合物としてアクリル酸またはメタアク
リル酸のエステルを用いる場合、上記反応中、または反
応後に、通常のエステルの加水分解条件にて加水分解処
理を行う。この加水分解処理は、一般に(メタ)アクリ
ル酸エステルに対して約2倍モル量以上、通常は約3〜
10倍モル量の苛性アルカリ金属または苛性アルカリ土類
金属の存在下に、約80℃以上、好ましくは約90〜150℃
の温度で、約0.5時間以上、好ましくは約1〜8時間行
われる。苛性アルカリ金属または苛性アルカリ土類金属
の量や、反応温度、反応時間が上記条件より低い場合、
エステルの加水分解が十分に行われないので、好ましく
ない。また、反応温度が150℃を超えると、反応により
導入された(メタ)アクリル酸由来の基の脱離反応が併
発する。最適の反応時間は、上述の範囲内で、反応温
度、苛性アルカリ金属または苛性アルカリ土類金属の
量、濃度等によって適宜決められる。この反応は一般に
常圧で行われるが、加圧下でも可能である。
(3)の反応方法について アミノ化樹脂の合成反応は、アミノカルボン酸化合
物の代わりに、アミノ化合物として、エチレンジアミ
ン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、
ヘキサメチレンジアミン等のアルキレンジアミン、ジエ
チレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエ
チレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ヘキサ
エチレンヘプタミン等のポリアルキレンポリアミン、ア
ンモニア、ヒドラジン、グアニジンなどを用いる以外
は、前記活性塩素含有樹脂とアミノカルボン酸化合物と
の反応とほぼ同様な条件、すなわちほぼ同様な反応モル
比、溶媒の使用、反応温度、反応時間等で行われる。
このようにして製造されたアミノ化樹脂中の塩基性
決へは、前記アミノ化樹脂とハロゲン化アルキルカル
ボン酸化合物またはアクリル酸系化合物との反応とほぼ
同様にして、アルキルカルボン酸基が導入され、本発明
に用いるアミノカルボン酸基を有するキレート樹脂が製
造される。
(4)の反応方法について この反応に用いる縮合反応酸アミノ樹脂は、前記アク
リル酸系樹脂に、アミノ化合物として、エチレンジアミ
ン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、
ヘキサメチレンジアミン等のアルキレンジアミン、ジエ
チレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエ
チレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ヘキサ
エチレンヘプタミン等のポリアルキレンポリアミン、ア
ンモニア、ヒドラジン、グアニジンなどを、無溶媒でま
たは、トルエン、ベンゼン、キシレン、N,N−ジメチル
ホルムアミド、シクロヘキサン等の溶媒の存在下に、約
130℃以上、好ましくは約150〜180℃で反応させること
により、得られる。反応温度が約130℃より低くなる
と、アクリル酸系樹脂のカルボン酸基またはカルボン酸
エステル基とアミノ化合物との縮合反応速度が遅くな
り、長時間の反応を要するので、好ましくない。
反応は、上記の温度で好ましくは0.5〜10時間行われ
る。その範囲内で最適時間は、反応温度、反応液濃度、
アミノ化合物の種類等によって適宜決められる。しか
し、さらに長い時間反応させることもできる。この反応
は、温度を130℃以上に保つことができれば常圧下でも
可能であるが、一般には加圧下で行われる。
前記アクリル酸系樹脂と前記アミノ化合物の反応割合
は、樹脂中のカルボン酸基またはカルボン酸エステル基
1モルに対して、アミノ化合物が約0.5モル以上であ
る。しかし、必要以上のアミノ化合物を用いると、反応
後の回収処理が必要になり、処理操作が煩雑となるし、
一方、アミノ化合物の量が上記より少なくなると、アミ
ノ化合物の置換が少なくなり、次工程におけるカルボン
酸基の導入量が少なくなって、得られる反応生成キレー
ト樹脂の金属吸着容量が低下するので、望ましくない。
したがって、好ましくは、樹脂中のカルボン酸基または
カルボン酸エステル基1モルに対して、アミノ化合物は
約1〜3モル用いられる。
このようにして製造された縮合反応酸アミド樹脂中の
塩基性基へは、前記アミノ化樹脂とハロゲン化アルキ
ルカルボン酸化合物またはアクリル酸系化合物との反応
とほぼ同様にして、アルキルカルボン酸基が導入され、
本発明に用いるアミノカルボン酸基を有するキレート樹
脂が製造される。
(5)の反応方法について 前記アミノ化樹脂、アミノ化樹脂または縮合反応
酸アミド樹脂とアルキレンホスホン化剤との反応は、公
知の方法により実施できる。アルキレンホスホン化反応
条件は、用いるアルキレンホスホン化剤の種類により異
なるが、通常は次のような条件下に実施される。
クロルメチルホスホン酸、クロルエチルホスホン酸等
のハロゲン化アルキル燐酸化剤をアルキレンホスホン化
剤として用いる場合には、ピリジン、N,N−ジメチルア
ニリン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナト
リウム等の塩基性触媒の存在下、アミノ化樹脂または縮
合反応酸アミド樹脂中のアミノ基1当量あたり、ハロゲ
ン化アルキル燐酸化剤を1/10モル以上、好ましくは1〜
5モル用いて反応させればよい。反応は一般に、水、メ
チルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコー
ル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシ
ド、1,2−ジクロルエタン、1,1,2−トリクロルエタン、
ピリジン等の溶媒の存在下に実施される。反応温度は、
一般に室温〜150℃であり、また反応時間は、一般に0.1
〜24時間である。
一方、アルキレンホスホン化剤として、ホルムアルデ
ヒド、トリオキシメチレン等のアルキレン化剤および、
三塩化燐、亜燐酸、次亜燐酸等の燐酸化剤を用いる場合
には、触媒として、塩酸、硫酸等の酸性触媒が用いられ
る。反応モル比、溶媒の使用、反応温度、反応時間等に
ついては、上記とほぼ同様の条件を採用すればよい。
以上(1)〜(5)のようにして製造されるアミノカ
ルボン酸基またはアミノアルキレンホスホン酸基を有す
るキレート樹脂のうち、その中のカルボン酸基またはホ
スホン酸基がポリアミノアルキレン基を介してキレート
樹脂の主鎖と結合しているものが、好ましく用いられ
る。ポリアミノアルキレン基は、アルキレンジアミンま
たはポリアルキレンポリアミンから導かれるのが有利で
ある。
以上のようにして製造したキレート樹脂は、そのま
ま、あるいは洗浄、乾燥を行った後、必要に応じてこの
キレート樹脂をさらに塩基または酸で処理し、次いで易
酸化性金属を担持させて、脱酸素機能を有するキレート
樹脂が製造される。
本発明における易酸化性金属とは、還元状態の金初ま
たは金属化合物であって、常温下、水中の酸素と接触し
て容易に酸化を受けるものであり、かつ酸化状態の金属
または金属化合物がアミノカルボン酸基またはアミノア
ルキレンホスホン酸基とキレート結合を形成するもので
あれば、特に限定されないが、一般には、銅、鉄、ニッ
ケルコバルト、スズ、亜鉛等、およびこれらの金属の化
合物が好ましいものとして挙げられる。易酸化性金属化
合物としては、前記易酸化性金属の硫酸、塩酸、酢酸等
の鉱酸もしくは有機酸の塩が用いられる。
本発明に用いられる易酸化性金属を担持した脱酸素機
能を有するキレート樹脂は、前記キレート樹脂に前記易
酸化性金属または金属化合物の水溶液を接触させて、そ
の金属をイオンとして吸着させた後、吸着した易酸化性
金属のイオンを還元することにより、製造される。ここ
で用いられる易酸化性金属または金属化合物の水溶液の
金属濃度は特に限定されないが、一般には、0.1g/以
上の金属濃度の水溶液が用られる。金属濃度が0.1g/
より小さいものも使用可能であるが、キレート樹脂と接
触させる水溶液が多量に必要となるので、操作上好まし
くない。
接触方法は、金属化合物の水溶液にキレート樹脂を投
入し、攪拌接触を行ういわゆるバッチ法、あるいは、キ
レート樹脂を充填した塔内に金属化合物の水溶液を通液
するいわゆるカラム通液法のいずれでもよい。樹脂と液
との接触時間は、接触方法、金属およびキレート樹脂の
種類等により異なるが、一般には10分〜24時間の範囲で
接触を行う。易酸化性金属または金属化合物の水溶液と
樹脂との接触は、一般にpH1.5〜13の範囲で実施しうる
が、この水溶液の種類によっては、アルカリ側で水酸化
物として析出することがあるため、適宜予備実験を行っ
て、適当なpHを設定する。また、最適な水溶液の量、接
触時間および接触方法は、適宜予備実験を行うことによ
って設定することができる。
キレート樹脂に吸着させる金属イオンの量は、多いほ
ど脱酸素機能が向上するので望ましいが、一般には、キ
レート樹脂1あたり1g以上の金属イオンを吸着したも
のが用いられる。金属イオン担持量が1g/より少なく
ても、本発明で用いる脱酸素機能を有するキレート樹脂
に調製可能であるが、単位樹脂量あたりの脱酸素処理効
率が悪くなるので、好ましくない。
このようにして金属イオンを吸着担持したキレート樹
脂は、次いで公知の方法で還元処理に附される。キレー
ト樹脂に吸着した前記金属イオンの還元剤としては、特
に制限されるものでないが、一般には、ヒドラジン、ヒ
ドロキシルアミン、ヒドロキノン、亜硫酸ナトリウム、
チオ硫酸ナトリウム、蟻酸、蓚酸、ホルムアルデヒド、
水素化硼素ナトリウム、水素化リチウムアルミニウム等
の金属イオン還元剤が用いられる。還元処理は、担持し
た金属イオンを還元するのに必要な理論量の1.1倍モル
以上、一般には1.5〜5倍モル量の金属イオン還元剤を
用いて行われる。還元剤の量は、上記理論量の5倍モル
量を越えても特に支障はないが、必要以上の還元剤を用
いることは不経済である。また、上記理論量の1.1倍モ
ルより少ない還元剤量による還元処理では、担持金属イ
オンの還元が不十分となり、酸素除去性能が低下するの
で、好ましくない。還元の際の処理温度および処理時間
は特に制限されるものでなく、還元剤の種類や量により
異なるが、一般には、室温〜100℃で10分〜24時間実施
される。最適な処理条件は、適宜予備実験を行うことに
より設定できる。
上記の方法により還元処理して得た易酸化性金属を担
持したキレート樹脂は、そのまま、または必要に応じて
不活性ガス雰囲気下で濾過、水洗を行った後、脱酸素の
用途に用いられる。
本発明の方法に用いる脱酸素機能を有するキレート樹
脂は、公知のイオン交換樹脂にパラジウムを担持させた
樹脂と比較して、還元性に優れるため、ヒドラジン、蟻
酸、水素等の還元性薬剤が共存しなくても、溶存酸素を
除去することができる。しかし還元性薬剤を共存させて
使用することにより、さらに溶存酸素除去性能が向上す
るとともに、脱酸素性能を有するキレート樹脂の寿命が
格段に向上する。本発明は、還元性薬剤を共存させて、
上記の脱酸素機能を有するキレート樹脂を使用するもの
である。
ここで用いる還元性薬剤は、易酸化性金属イオンを常
温で還元することができる化学薬品であれば、特に制限
されるものではない。一般には、亜硫酸、亜硝酸、二酸
化硫黄、チオ硫酸等、またはそれらの塩、水素化硼素ナ
トリウム、水素化リチウムアルミニウム、ヒドラジン、
ヒドロキシルアミン、ヒドロキノン、蟻酸、蓚酸もしく
はホルムアルデヒド、またはそれらの誘導体等が挙げら
れる。還元性薬剤は、溶存酸素量の1倍モル以上、一般
には1.5〜3倍モル量用いるのが好ましい。還元性薬剤
の量が溶存酸素量に対して3倍モルを越えても特に支障
はないが、必要以上の還元性薬剤を用いることは不経済
である。また、溶存酸素量に対して1倍モルより少ない
還元性薬剤量による還元処理では、担持金属の酸化が進
み、脱酸素機能を有するキレート樹脂の寿命が短くなる
ので、好ましくない。
脱酸素は、脱酸素機能を有するキレート樹脂と酸素を
溶存した水とを、還元性薬剤の存在下で接触させること
により行われる。酸素を溶存する被処理水と易酸化性金
属を担持したキレート樹脂との接触方法は、被処理水
に、易酸化性金属を担持したキレート樹脂および還元性
薬剤を投入し、攪拌接触を行うバッチ法でもよいが、処
理方法の簡易化、溶存酸素の除去効率、装置のコンパク
ト化などを考慮すると、易酸化性金属を担持したキレー
トと樹脂を充填した樹脂塔に、還元性薬剤を溶存させた
被処理水を通液するカラム通液法が、一般には好まし
い。カラム通液法の場合、通常のイオン交換樹脂による
水処理速度で通液が可能であり、特に制限されるもので
はないが、一般的には空塔速度SV=1〜500Hr-1の範囲
から選ばれる。本発明で用いる易酸化性金属を担持した
キレート樹脂と溶存酸素との反応は非常に速いが、偏流
トラブルや通液圧損等を考慮すると、SV=1〜50Hr-1
度で行うのが好ましい。SVが1より小さいと、単位時間
あたりの被処理水量が少なくなるし、また50より大きく
なると、偏流等により溶存酸素の除去効率が低下する。
本発明の実施にあたり、易酸化性金属を担持したキレ
ート樹脂の使用量は特に制限されるものでなく、接触方
法、易酸化性金属担持キレート樹脂の種類、被処理液中
の溶存酸素濃度等によっても変わるが、これは適宜予備
実験を行うことにより設定される。易酸化性金属担持キ
レート樹脂は、公知のパラジウムを担持したイオン交換
樹脂と比較して活性が強いので、被処理液と易酸化性金
属担持キレート樹脂との接触温度は特に制限されるもの
でないが、一般には1℃以上で実施される。特に、易酸
化性金属担持キレート樹脂と溶存酸素との反応性および
その反応により生成する酸化金属と還元性試薬との反応
性を上げるためには、約10℃以上にするのが望ましく、
また易酸化性金属担持キレート樹脂の品質劣化を抑制す
るためには、80℃以下が好ましい。
<発明の効果> 本発明によれば、簡単に効率よく、溶存酸素を極めて
低濃度にまで除去することができる。特に、本発明で用
いる易酸化性金属を担持したアミノカルボン酸基および
/またはアミノアルキレンホスホン酸基を有するキレー
ト樹脂は、従来公知のパラジウムを担持したイオン交換
樹脂と比較して、脱酸素性能に優れ、かつ樹脂からの担
持金属または金属イオンの脱離や漏洩が極めて少ないと
いう特徴を有し、かかるキレート樹脂を還元性薬剤と併
用することにより、溶存酸素を効果的に除去することが
できる。また本発明によれば、脱酸素機能を有するキレ
ート樹脂の寿命は非常に長いものとなる。
これらの特徴により、本発明のよる溶存酸素の除去法
は、工業的に価値の高いものである。
<実施例> 以下に、本発明を実施例によってさらに詳細に説明す
るが、本発明はその要旨を越えない限り、これらの実施
例によって制限されるものではない。
合成例1 架橋度6モル%のアクリロニトリル−ジビニルベンゼ
ン共重合体64重量部に、アミノ化合物であるジエチレン
トリアミン206重量部と水36重量部を加え、135〜150℃
で6時間反応させた後、反応生成物を濾過、水洗したと
ころ、231重量部(未乾燥)のアミノ化樹脂が得られ
た。これをアミノ化樹脂Aと呼ぶ。
次いで、アミノ化樹脂Aの23.1重量部に、アクリル酸
14.4重量部と水50重量部を加え、70℃で6時間反応させ
た後、濾過、水洗した。得られた樹脂を10重量%濃度の
水酸化ナトリウム水溶液50重量部に室温で30分間浸漬
し、次に濾過水洗したところ、33.9重量部(未乾燥)の
キレート樹脂が得られた。これをキレート樹脂Aと呼
ぶ。
得られたキレート樹脂Aの20mを、5g/のFe3+を溶
解したpH2.3の水溶液100mに加え、5時間振盪を行っ
た後、濾過、水洗した。得られた鉄吸着キレート樹脂に
水50mと80%抱水ヒドラジン10gを加え、80℃で1時間
加熱した後、窒素雰囲気下で濾過して、樹脂20mあた
り498mgの鉄が担持した脱酸素機能を有するキレート樹
脂を得た。これを脱酸素キレート樹脂Aと呼ぶ。
実施例1 脱酸素キレート樹脂Aの10mをカラムに充填し、20m
g/のヒドラジンと7.6mg/の酸素を含むイオン交換水
を塔頂よりSV 4Hr-1の速度で240時間通液した。通液後
の処理液は酸素度は0.23mg/であり、鉄濃度は0.01mg/
以下であった。
合成例2〜5 ジエチレントリアミンの代わりに、第1表に示したア
ミノ化合物をそこに示す量用い、また水の量を第1表に
示すとおりにした以外は、合成例1と同様にしてアミノ
化樹脂を得た。次いで、得られたアミノ化樹脂の10分の
1量とアクリル酸の反応を合成例1と同様に行い、さら
に合成例1と同様にしてFe3+を吸着させた後、還元処理
を行って、脱酸素機能を有するキレート樹脂を合成し
た。その結果を第1表に示した。表中に部とあるのは重
量部を意味し、以下の表においても同じである。
実施例2〜5 合成例2〜5で得られたそれぞれのキレート樹脂の脱
酸素性能の試験を、実施例1と同様に行った。その結果
を第2表に示した。
合成例6〜14 合成例1〜5の反応で得た各々のアミノ化樹脂の10分
の1量または、それぞれポリエチレンポリアミノ基を有
する市販のイオン交換樹脂であるアンバーライトIRA45
(ロームアンドハース社製)、ダイヤイオンCR−20(三
菱化成社製)、スミキレートMC−10もしくはスミキレー
トMC−20(以上、住友化学社製)の乾燥樹脂20重量部
に、モノクロル酢酸ナトリウム23.3重量部と水50重量部
を加え、反応系内のpHが11〜13になるよう10重量%水酸
化ナトリウム水溶液を併注しながら、40〜50℃で12時間
反応を行った。その後、濾過水洗して、キレート樹脂を
得た。得られたキレート樹脂20mを、1g/のCu2+を溶
解したpH4.0の水溶液1に加え、5時間振盪を行った
後、濾過水洗した。その後、合成例1と同様にしてCu2+
の還元処理を行い、脱酸素機能を有するキレート樹脂を
合成した。その結果を第3表に示した。
実施例6〜14 合成例6〜14で得られた脱酸素機能を有するキレート
樹脂につき、水中溶存酸素の除去性能の試験を実施例1
と同様に行った。その結果を第4表に示した。
合成例15〜23 合成例1〜5の反応で得た各々のアミノ化樹脂の10分
の1量または、それぞれポリエチレンポリアミノ基を有
する市販のイオン交換樹脂であるアンバーライトIRA45
(ロームアンドハース社製)、ダイヤイオンCR−20(三
菱化成社製)、スミキレートMC−10もしくはスミキレー
トMC−20(以上、住友化学社製)の乾燥樹脂20重量部
に、20重量%ホルマリン30重量部、亜燐酸16.4重量部お
よび36重量%塩酸水溶液20重量部を加え、95〜100℃で
3時間反応させた。次いで濾過し、10重量%水酸化ナト
リウム水溶液100容量部に1時間浸漬後、洗浄、脱水処
理を行って、キレート樹脂を得た。得られたキレート樹
脂の20mを、1,000mg/のFe3+を含む水溶液1に3
時間浸漬した後、濾過した。こうして得られた鉄吸着キ
レート樹脂に、80%抱水ヒドラジン30gと水50gを加え、
60℃で24時間浸漬処理して、鉄を担持した脱酸素機能を
有するキレート樹脂を得た。その結果を第5表に示し
た。
実施例15〜23 合成例15〜23で得られた脱酸素機能を有するキレート
樹脂を用い、実施例1と同様にして水中の溶存酸素除去
性能を調べた。その結果を第6表に示した。
合成例24〜27および実施例24〜27 合成例1のFe3+が5g/の水溶液の代わりに、Co2+、N
i2+、Sn2+またはZn2+を各々1g/を含む水溶液1を用
いた以外は、合成例1と同様にして金属イオンを担持さ
せた後、還元処理を行って、脱酸素機能を有するキレー
ト樹脂を得た。得られた樹脂の脱酸素性能の試験を実施
例1と同様の方法で行い、その結果を第7表に示した。
比較例1〜2 ポリエチレンポリアミノ基を有する市販のキレート樹
脂であるスミキレートMC−20(住友化学社製)およびス
ルホン酸基を有する市販のイオン交換樹脂であるデュオ
ライトC−26(ロームアンドハース社製)をそれぞれ20
mずつ使用した以外は、合成例1と同様にして鉄イオ
ンを担持させ、還元処理後、実施例1と同様の方法で溶
存酸素除去性能を調べた。その結果を第8表に示した。
実施例28〜31 還元性薬剤の種類およびその濃度を第9表に示すよう
に変えた以外は、実施例1と同様にして脱酸素処理を行
った。その結果を第9表に示した。
比較例3 還元性薬剤としてのヒドラジンを用いなかった以外
は、実施例1と同様にして脱酸素処理を行った。通液2
時間目の処理液注の酸素濃度は1.9mg/、そして通液12
時間目の処理液中の酸素濃度は6.9mg/であった。
以上の実施例1〜31および比較例1〜3の結果から明
らかなように、本発明の方法は、水柱の溶存酸素除去性
能に優れ、かつ処理液中への金属の溶出も少ないなど、
その工業的価値が大きい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭53−658(JP,A) 特開 昭60−41509(JP,A) 特開 平4−78484(JP,A) 特開 平4−83532(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C02F 1/42 C02F 1/58 B01J 20/26 B01J 45/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】易酸化性金属を担持したアミノカルボン酸
    基および/または易酸化性金属を担持したアミノアルキ
    レンホスホン酸基を有するキレート樹脂と酸素を溶存す
    る水とを、還元性薬剤の存在下に接触させることを特徴
    とする、該水中の溶存酸素の除去法。
  2. 【請求項2】キレート樹脂中のカルボン酸基またはホス
    ホン酸基が、ポリアミノアルキレン基を介して樹脂の主
    鎖と結合している請求項1記載の溶存酸素の除去法。
  3. 【請求項3】易酸化性金属が、銅、鉄、コバルト、ニッ
    ケル、スズおよび亜鉛からなる群より選ばれる請求項1
    記載の溶存酵素の除去法。
  4. 【請求項4】還元性薬剤が、ヒドラジン、蟻酸、水素化
    硼素ナトリウム、亜硫酸ナトリウムおよびチオ硫酸ナト
    リウムからなる群より選ばれる請求項1記載の溶存酸素
    の除去法。
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