JPH02105845A - ポリエスエル組成物およびその製造方法 - Google Patents

ポリエスエル組成物およびその製造方法

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JPH02105845A
JPH02105845A JP25803588A JP25803588A JPH02105845A JP H02105845 A JPH02105845 A JP H02105845A JP 25803588 A JP25803588 A JP 25803588A JP 25803588 A JP25803588 A JP 25803588A JP H02105845 A JPH02105845 A JP H02105845A
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JP
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polyester
compound
glycol
added
alkali metal
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JP25803588A
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Toru Morita
森田 融
Akihiko Nagahama
長浜 昭彦
Tomoaki Ueda
智昭 上田
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は金属化合物と不活性無機粒子を多量に含有した
ポリエステル組成物およびその製造方法であり、更には
本発明のポリエステル組成物は通常のポリエステルに配
合することにより、溶融製膜時に優れた電気伝導性を付
与し、得られるフィルムの易滑性が優れ、高速走行時の
磨耗性が改良された二軸延伸ポリエステルフィルムの製
造に適したポリエステル組成物およびその製造方法に関
する。
[従来の技術] ポリエチレンテレフタレートで代表されるポリエステル
は、優れた物理的、化学的性質を有するため、磁気テー
プ、電絶、コンデンサ、写真材料などの用途でフィルム
として、広く使用されている。
該ポリエステルは得られるフィルム厚みの均一性や透明
性を改良する目的で、または製膜時の生産性を向上させ
る目的で未固化のシート状物上面に高電圧を印加し、シ
ート状物を回転冷却ドラムに密着させる方法(以下静電
印加キャスト法という)が特公昭37−6142号公報
により公知である。
また本願出願人は静電印加キャスト性を改良する目的で
マグネシウム、マンガン化合物、アルカリ金属化合物、
リン化合物を特定量比添加する方法を特開昭55−84
322号公報で提案した。
かかる従来技術において、静電印加キャスト性を改良す
る目的でポリエステルの製造過程でマグネシウムやマン
ガン化合物の添加量を増加させると、静電印加キャスト
性は確かに改良されるが、これらの金属化合物を多足に
添加すると得られるポリエステルの透明性が低下したり
、重縮合反応中に熱分解反応を促進し、カルボキシル末
端基(以下COOH末端基という)が増加する。
またポリエステルフィルムは加工工程での作業性や磁気
テープとして用いた時のリールやカセット面との摩擦力
を軽減する目的でフィルムに易滑性を付与する方法が用
いられている。たとえば、ポリエステルの製造段階でア
ルカリ土類金属化合物、アルカリ金属化合物、リン化合
物を特定量添加して触媒残渣に基づく粒子を析出せしめ
る方法を特開昭50−10193号公報で提案したが易
滑性が十分ではなかった。また別の方法として、重縮合
反応以前の段階で炭酸カルシウム、酸化チタン、二酸化
ケイ素などの不活性無機粒子を添加し、易滑性を得る方
法が例えば特開昭60−166435号公報をはじめ多
くの提案がなされてい・る。このように、製膜時の静電
印加キャスト性と得られるフィルムの易滑性の両方を満
足させるには、金属化合物を多足に含有したマスタポリ
マと不活性無機粒子を多量に含有したマスタポリマの2
種類を実質的に粒子を含まないポリエステルや触媒残渣
に基づく粒子を析出せしめたポリエステルに配合するこ
とが考えられる。
しかしながら、このようにして得られたポリエステルは
確かに静電印加キャスト性や易滑性は改良されるものの
、得られた製品フィルムを金属製ガイドロールに接触さ
せ高速走行させた時に耐摩耗性が好ましくなく、白粉が
発生するという重大な問題点を見い出した。
[発明が解決しようとする課題] 本発明の目的は、ポリエステル中に触媒残渣に起因する
粒子が実質的に存在せず、軟化点の低下およびカルボキ
シル末端基の副生を抑制し、更には添加した不活性無機
粒子が均一な分散性を有した、金属化合物および不活性
無機粒子を多量に含有したポリエステル組成物およびそ
の製造方法に関する。
本発明のポリエステルは通常のポリエステルに配合し製
膜した時、静電印加キャスト性が改良され、引き続き二
軸延伸することにより、得られるフィルムの易滑性が優
れ、高速走行させた場合において白粉の発生を防止でき
る二軸延伸ポリエステルフィルムを提供しうるポリエス
テル組成物の提供にある。
[課題を解決するための手段] 前記した本発明の目的は、 (1)  主たる繰り返し単位が芳香族ジカルボキシレ
ートであるポリエステルからなり、該ポリエステル中に
下記一般式で示される量のマグネシウム又はマンガン、
アルカリ金属、リンおよび平均粒子径0.01〜5μm
の不活性無機粒子を0.01〜5.0重量%含有してな
るポリエステル組成物。
1≦A≦40  ・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・I20≦M≦150 ・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・■5≦
M+(1/2>A−P≦70・・・・・・III[式中
Aはアルカリ金属元素、Mはマグネシウム、マンガン元
素、Pはリン元素の各々ポリエステル106g当りの総
モル数を示す。]によって達成できる。
本発明でいうポリエステルとは主たる繰り返し単位が芳
香族ジカルボキシレートからなり、ジカルボン酸成分と
してテレフタル酸、ナフタリンジカルボン酸、1.2−
ビス(2−クロルフエキシ)エタン−4,4′ジカルボ
ン酸ユニツトが主成分であるが、20モル%以下の範囲
で他のジカルボン酸ユニツ1−で置き替えることができ
る。
またグリコールとしてはエチレングリコールユニットが
主成分であるが、その一部をプロピレングリコール、ト
リメチルグリコール、ネオペンチルグリコール、1,4
−シクロヘキサンジメタツールなどの他のジオール類の
ユニットで置き換えてもよい。
さらに本発明で得られるポリエステル類にトリメリット
酸、トリメシン酸などの鎖分岐剤や5−スルホイソフタ
ル酸、その他の第3成分を本発明の目的を達成し得る範
囲で共重合させることもできる。
本発明のポリエステル組成物は ■マグネシウム、マンガン元素として、20≦M≦15
0(Mはポリエステル106g当りのマグネシウムマン
ガン元素のモル数を示す)を含有している必要がある。
Mが20未満の場合、通常のポリエステルの静電印加キ
ャスト性能を改良するには本発明のポリエステルを多量
に配合させる必要があり、工業的機能が損われたり場合
によっては得られるフィルムの表面特性を損なう。
一方150を越えるとポリエステルの熱安定性が低下す
る。
■アルカリ金属元素として1≦A≦40 (Aはポリエ
ステル106g当りのアルカリ金属元素のモル数を示す
)を含有している必要がある。Aが1未満の場合、熱安
定性が低下したり、軟化点の低いポリエステルになる。
一方40を越えるとポリエステルにアルカリ金属に由来
する粒子が析出し、フィルムとして加工した時の平担性
を損なう。
■前記したマグネシウム又はマンガンおよびアルカリ金
属元素とリン元素の関係が5≦M+(1/2>A−P≦
70(Pはポリエステル106g当りのリン元素のモル
数を示す)を満足していることが必要である。
M+ (1/2)A−Pが5未満の場合、通常のポリエ
ステルの静電印加キャスト性能を改善するには本発明の
ポリエステルを多量に配合する必要があり、工業的機能
を損なう。一方70を越えるとポリエステルの熱安定性
が低下する。
■ 平均粒子径0.01〜5μmの不活性無機粒子を0
.01〜5重景%重量している必要がある。不活性無機
粒子の平均粒子径や含有量が前記した範囲を外れると、
フィルムとして加工した場合易滑性が不十分であったり
、表面平担性が損なわれる。
即ち、本発明のポリエステル組成物は通常のポリエステ
ルに配合することにより、静電印加キャスト性が改良で
き、得られるフィルムの易滑性および耐摩耗性の優れた
二軸延伸ポリエステルフィルムを提供しうる。
本発明のポリエステル組成物は例えば次の方法によって
製造できる。
芳香族ジカルボン酸エステルとグリコールからポリエス
テルを製造するに際し、グリコール可溶性のマグネシウ
ム又はマンガン化合物および一般式1′で示される範囲
のグリコール可溶性アルカリ金属化合物の存在下でエス
テル交換反応をおこなった後、グリコール可溶性マグネ
シウム又はマンガン化合物を最終的に得られるポリエス
テルに対して一般式II′式を満足するように添加した
後、III′式を満足するリン化合物を添加量し、かつ
エステル交換反応の開始前から、重縮合反応を開始する
間に平均粒子径0.01〜5μmの不活性無機粒子を0
.01〜5重量%添加し、かつ重縮合反応を完結させる
ことを特徴とするポリエステルの製造方法。
1≦A≦40  ・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・■′20≦M≦150 ・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・II′5≦M+ 
(1/2>A−P≦70・・・III′[式中Aはアル
カリ金属化合物、Mはマグネシウム、マンガン化合物、
Pはリン化合物の各々ポリエステル106g当りの総モ
ル数を示す。]によって達成される。
本発明は芳香族ジカルボン酸エステルとグリコールとか
ら製造される。芳香族ジカルボン酸エステルとしてはテ
レフタル酸ジメチル、2.6−ナフタレンジカルボン酸
ジメチル、1.2−ビス(2−クロロフェノキシ)エタ
ン−4,4−ジカルボン酸ジメチルなどの芳香族ジカル
ボン酸の低級アルキルエステルが挙げられる。
またグリコールとしてはエチレングリコールが主成分で
あるが、その一部をプロピレングリコール、トリメチル
グリコール、ネオペンチルグリコール、1.4−シクロ
ヘキサンジメタツールなどの他のジオール類で置き換え
てもよい。
本発明で添加するグリコール可溶性マグネシウム又はマ
ンガン化合物、グリコール可溶性アルカリ金属化合物、
リン化合物、不活性無機粒子はポリエステルの製造工程
において特定の条件下に添加する必要がある。
具体的にはグリコール可溶性のマグネシウム又はマンガ
ン化合物、およびアルカリ金属化合物の存在下でエステ
ル交換反応を実質的に完結させた後、さらにグリコール
可溶性のマグネシウム又はマンガン化合物を再度添加し
、引き続き、リン化合物を添加することにある。エステ
ル交換反応後に添加する金属化合物の添加形態は、主原
料であるグリコール成分のスラリ又は溶液の形で添加さ
れ、スラリまたは溶液に対する金属化合物の濃度はスラ
リーに要するアルキレングリコールの添加量を抑制する
とともに副生ジアルキレングリコールによるポリエステ
ルの軟化点の低下および金属化合物に由来するポリエス
テルに不要な異物を防止する点で、1〜80重量%が好
ましい。
さらに本発明のポリエステルの製造方法を詳細に述べる
本発明のマグネシウム、マンガン化合物の添加量は最終
的に得られるポリエステル106g当り20〜150モ
ル(以下モル/106gと記す)、より好ましくは30
〜100モル/106gて′ある。またアルカリ金属化
合物の添加量は1〜40モル/ l Q 6 gより好
ましは3〜30上30モル6g更に好ましくは5〜20
上20モル6gである。
上記したマグネシウム又はマンガン化合物の一部とアル
カリ金属化合物の一部又は全量をエステル交換反応が開
始する以前に添加する必要があり、エステル交換反応が
開始する以前に添加されるマグネシウム又はマンガン化
合物およびアルカリ金属化合物の添加量は各々1〜20
モル/106gが好ましい。
即ち、本発明のポリエステルを製造するに当り、その特
徴は、グリコール可溶性のマグネシウム又はマンガン化
合物の少なくとも一種と、アルカリ金属化合物の存在下
でエステル交換反応を完結させることにあり、マグネシ
ウム、マンガン化合物とアルカリ土類金属化合物を共存
させない場合においては、即ちマグネシウム、マンガン
化合物のみでエステル交換反応を行った場合には最終的
に得られる製品フィルムを金属製ガイドに接触させ高速
製膜させた時に白粉が発生しやすくなり、脱落した白粉
が磁気テープとして用いた時にドロップアウトの発生を
ひきおこす。また得られるポリエステルに触媒残渣にも
とづく粒子が析出しやすいことから、アルカリ金属化合
物と無機粒子が反応系で何らかの作用も及しているもの
と考えられる。
本発明で使用するマグネシウム、マンガン化合物として
は酢酸塩プロピオン酸塩などの脂肪族カルボン酸塩、塩
化物や臭化物などのハロゲン化物、水酸化物、メチラー
ト、エチラート、エチレングリコラートなどのアルコラ
ードを挙げることができ、具体的には酢酸マグネシウム
、酢酸マンガン、プロピオン酸マグネシウム、プロピオ
ン酸マンガン、塩化マグネシウム、臭化マンガン、水酸
化マグネシウム、マグネシウムグリコラートなどを挙げ
ることができる。
マグネシウム、マンガン化合物の添加量が20モル/ 
106g未満では静電印加キャスト性の付与効果が不十
分であり、配合用ポリエステルとしての工業的機能が藩
れる他、場合によっては得られるフィルムの表面特性を
損一方、150モル/106gを越えると、重縮合反応
中に熱分解が促進され、高重合度を有したポリマを得る
ことが困難になる他、得られるポリエステルのC0OH
末端基が増加するなどの欠点を有する。
本発明で使用するグリコール可溶性のアルカリ金属化合
物としては酢酸塩、プロピオン酸塩、ハロゲン化物、水
酸化物、アルコラードを挙げることができ、具体的には
酢酸リチウム、酢酸カリウム、酢酸ナトリウム、プロピ
オン酸リチウム、プロピオン酸カリウム、塩化リチウム
、臭化リチウム、臭化ナトリウム、水酸化リチウム、水
酸化ナトリウム、リチウムメチラート、リチウムグリコ
ラート、ブチルカリウムなどを挙げることができ、これ
らの2種以上を併用してもよい。
上記したマグネシウム、マンガン化合物、アルカリ金属
化合物を反応系に添加するに際し、グリコールのスラリ
または溶液の形で添加するのが好ましい。
前記したアルカリ金属化合物の添加量が1モル/106
g未満では得られるポリエステルのCOOH末端基の改
良効果が十分でない他、ジエチレングリコールの副生を
抑制することも困難になる。また更には得られるフィル
ムの耐摩耗性が悪化する。一方、40モル/106gを
越えるとC0OH末端基やジエチレングリコールの減少
効果はなく、むしろアルカリ金属化合物に由来する粒子
が析出し、好ましない。
最も好ましいアルカリ金属化合物の添加量はマグネシウ
ムおよびマンガン化合物1モルに対して0.01〜0.
5モルである。
更に本発明で使用するリン化合物としてはリン酸、亜リ
ン酸、およびそれらのエステルから選ばれた少なくとも
1種類を用いることができる。具体的にはリン酸、リン
酸トリエステル、酸性リン酸エステル、亜リン酸、亜リ
ン酸エステルなどを挙げることができる。
それらリン化合物の添加量はポリエステル106g当り
のマグネシウムおよびマンガン化合物の総モル数(M)
、アルカリ金属化合物の総モル数(A>およびリン化合
物の総モル数(P)が次式の範囲内である必要がある。
5≦M+(1/2>A−P≦70 より好ましくは10〜50モル/106gであり、更に
好ましくは10〜40モル/106gである。
従来、ポリエステルの静電印加キャスト性は金属化合物
とリン化合物の添加量比を特定化することによってその
目的をある程度果してきた。しかしながら本発明者らの
検討によれば必ずも金属化合物とリン化合物の比では目
的を達し得ないことを見い出した。特に本発明の目的と
している配合用ポリエステルの場合は殆んど活用でき得
ないのが実情である。
添加した金属化合物が静電印加キャスト性に対して有効
に作用するには次の2点が必要である。
■添加した金属化合物がリン化合物によって不活性化し
ないこと。
■添加した金属化合物がポリエステルに粒子として析出
しないこと。
即ち、前者については静電印加キャスト性能に対しての
効果は、活性のある金属量、すなわちM+(1/2)A
−Pが大きい程有効となり、必ずしも金属化合物とリン
化合物の比では問題解決に至らない。また後者について
も添加した金属化合物がポリエステルの製造過程で粒子
として析出した場合には、静電印加キャスト性に対して
ほとんど効果は認められず本発明の構成であるポリエス
テル中に金属化合物に由来する粒子を析出させない方法
によってはじめて達成できるのである。
本発明の方法においてM+(1/2>A−Pが5未満で
はポリエステルに配合した場合、溶融製膜時の電気伝導
性の改良効果が不十分であり、配合用ポリエステルとし
ては工業的機能が薄れる。更に軟化点の低下をひきおこ
す等の問題を生じる。
一方、M+ (1/2>A−Pが70を越えると、重縮
合反応中に熱分解が促進され、000H末端基が増加し
たり高重合度のポリマを得ることが困難になる。
また、リン化合物の添加時期はエステル交換反応後に添
加する金属化合物を添加した後から重縮合反応を開始す
る以前の段階である。
エステル交換反応後にリン化合物を添加した後金属化合
物を添加すると、触媒残渣にもとづく粗大な粒子が析出
しやすくなり好ましくない。
本発明で使用する重縮合反応触媒は、三酸化アンチモン
、五酸化アンチモン、酢酸アンチモン、アンチモングリ
コラート、二酸化ゲルマニウム、有機チタン化合物など
の一種または二種以上を用いることができる。中でも得
られるポリエステルの透明性および入手性の面から三酸
化アンチモン、二酸化ゲルマニウムが好ましい。
また、本発明で用いる平均粒子径0.01〜5μの不活
性無機粒子とはポリエステルの製造過程で実質的に反応
系に不溶な無機粒子を指し、具体的には炭酸カルシウム
、二酸化チタン、チタン酸カリウム、二酸化ケイ素、ア
ルミナ、二酸化アルミニウム、硫酸バリウム、カオリナ
イト、カーボンブラック、リン酸カルシウムなどが挙げ
られる。これら無機粒子は、グリコールのスラリとして
添加されるが、グリコールに対して3〜20重量%の濃
度が好ましく、反応系に添加する以前にアルカリ金属化
合物、アンモニウム塩、リン化合物などによる化学的分
散処理やガラスピースを媒体とした機械的分散処理を施
した後添加するのが更に好ましい。これら無機粒子の添
加量は得られるポリエステルに対して不活性無機粒子と
して0.01〜5.0重量%である。
0601重景%未満の場合、フィルムとして表面形成を
するに際し、マスタポリマの配合量が増えるため、同時
に金属化合物の配合量も増加するため、得られるフィル
ムの熱安定性が低下し、好ましくない。
一方、5.0重量%以上の場合は逆に表面形成をする際
の配合量が少なくなるため、同時に金属化合物の配合量
も減少すするため、製膜する際の静電印加キャスト性へ
の改良効果が不十分になる。
上記した不活性無機粒子の添加時期はエステル交換反応
触媒として用いるマグネシウム、マンガン化合物を添加
した後から、重縮合反応を開始する以前の段階である。
最も好ましくはリン化合物を添加した後がら重縮合反応
を開始する以前の段階である。
本発明のポリエステルはアルカリ金属化合物およびアル
カリ土類金属化合物の少なくとも一種とリン化合物から
なる析出粒子0.03〜5重量%含むポリエステルおよ
びアルカリ金属化合物およびアルカリ土類金属化合物を
含まずリン化合物を含み、実質的に粒子が含有していな
いポリエステルの各/?80〜99重量部に対して20
〜1重量部配合される。
1重量部未満の場合、静電印加キャスト性の改良効果が
不十分であったり、得られるフィルムの易滑性が損われ
る。
一方20重量部を越えると、得られるフィルムの熱安定
性が低下したり、フィルム表面にオ■大な突起が発生し
たりし好ましくない。
また本発明のポリエステルをポリエステルに配合するに
際し、溶融製膜時に均一ブレンドする方式でもよいし、
本発明のポリエステルをポリエステルの少くとも片面に
積層する複合製膜方式でもよい。
[実施例] 以下実施例を挙げて本発明を詳述する。
なお実施例中の部とは重量部であり、また各特性の測定
法は次のとおりである。
(極限粘度) 0−クロロフェノールを溶媒として25℃で測定した。
(軟化点) ペネトロメータで測定しSP(’C)値で示した。
(色 調) 直読式色差計(スガ試験機社製)を用いb値で示した。
(カルボキシル末端基) HaUriCe法(M、J )laurice、F、H
uijinga。
八nai、Chim、Acta、  22  (196
0)  363−368)によって測定しC0OH(e
 q/106g >で示した。
(静電印加キャスト性) 溶融押出しフィルムの上部に設置した電極とキャスティ
ングドラム間に6KVの電圧を印加し、キャスト速度を
除々に上昇させ、印加ムラが発生した時点のキャスト速
度を判定した。
(耐摩耗性) ポリエステルニ軸延伸フィルムを細幅にスリットしたテ
ープ状ロールをステンレス@ (SUS−304)製ガ
イトロールに一定張力で高速、長時間こすりつけ、ガイ
ドロール表面に発生する白和量によって次のようにラン
ク付けした。
1級白粉発生まったくなし 2級白粉発生わずかにあり 3級白粉発生あり 4級白粉発生多い このうち1.2級を合格とした。
(フィルム表面粗さ) J I 5BO601に準じサーフコム粗さ計を用い、
針径2μm荷重70■、測定基準長0゜25カットオフ
0.08mmの条件下で測定した中心線平均粗さを用い
Raで示し、0.030μm以下を合格とした。
(摩擦係数) スリップテスタを用い、ASTM−D−1894B法に
従って測定し1.0以下を合格とした。
(ポリマ中粒子の分離方法と組成分析)特公昭55−2
0496号公報で開されている方法に従い析出粒子量お
よび元素の定量を行った。
参考例1 析出粒子を含有したポリエステルの製造方法 エステル化反応缶に250℃で溶融貯留したテレフタル
酸に対するエチレングリコールのモル比が1.15のビ
ス−(β−ヒドロキシル)テレフタレートおよびその低
重合体に、テレフタルt286.5部、エチレングリコ
ール37゜1部(モル比1.15)を混練して得たスラ
リを3.5時間を要して連続的に供給して250℃でエ
ステル化反応を行ない、生成する水を精留塔頂から留出
させた。スラリ供給が終了した後、エステル化反応温度
を255℃に昇温し、さらに1.5時間エステル化反応
を続け、実質的に反応を完結した。反応率は98.5%
であった。ついで、得られた反応混合物104.8部(
ポリエステル100部相当)を重縮合反応缶に移行した
後、酢酸リチウム0.22部、(A=19.6>とエチ
レングリコール10部からなる溶液を添加し5分経過し
た後トリメチルホスフェ−1−0,18部、亜リン酸0
.02部とエチレングリコール3部の溶液を添加した。
更に5分経過後酢酸カルシウム0.12部、三酸化アン
チモン0.04部とエチレングリコール2部を添加した
後常法によって3時間重合し極限粘度0.628のポリ
マを得た。このポリマに含まれる析出粒子はCa、P、
Liで構成され析出量は0.55%であった。
参考例2 金属化合物を含有しないポリエステルの製造
方法 参考例2と同様にしてエステル化反応を実質的に完結さ
ぜな反応混合物104部を重縮合缶に移行後、リン酸0
.02部とエチレングリコール0.5部の溶液を添加し
た後二酸化ゲルマニウム0.01部とテトラエチルアン
モニウムヒドロキサイド0.01部の溶液をエチレング
リコール0.5で稀釈した溶液を添加した後3時間重合
し極限粘度0.613のポリマを得た。
参考例3 テレフタル酸ジメチル100部、エチレングリコール7
0部、酢酸マグネシウム0.04部、(M=1.9モル
/ 106g >酢酸リチウム0゜002部(0,2モ
ル/ 106g >を触媒として常法によってエステル
交換反応を行いその生成用にトリメチルホスフェート0
.03部(2゜1モル/ 106g )とエチレングリ
コール0゜3部の溶液を添加した。15分間に三酸化ア
ンチモン0,03部と媒体式分散処理を施した平均粒子
径0.7mμの合成炭酸カルシウム1部とエチレングリ
コール10部からなるスラリを添加した。
反応生成物を重縮合缶に移行し、常法によって3時間重
合し、極限粘度0.615、b値4゜8.5P260.
5、C00H30,5のポリエステルを得た。
実施例1 テレフタル酸ジメチル100部、エチレングリコール7
0部、酢酸マグネシウム0.10部、(4,7モル/ 
106g >酢酸リチウム0.10部(9,8モル/ 
106g >を触媒として常法によってエステル交換反
応を行い、その生成物に酢酸マグネシウム0.7部(3
2,6モル/106g)、三酸化アンチモン0.04部
とエチレングリコール3.0部のスラリを添加し10分
後トリメチルホスフェート0.3部(21,4モル/ 
106g >とエチレングリコール3部の溶液を添加し
、更に15分経過後、媒体式分散処理を施した平均粒子
径0.7mμの合成炭酸カルシウム1部とエチレングリ
コール10部からなるスラリを添加した。反応生成物を
重縮合缶に移行し、常法によって3時間重合極眼精度0
.631のポリマの品質はb値9.8.5P260.3
、C00H32,5、異物数0であった。
ポリマ中の粒子にマグネシウム、リチウム、リンは検出
されず触媒残渣による析出粒子は存在しなかった。
実施例2〜5  比較実施例1〜7 添加する酢酸マグネシウム量、酢酸リチウム量、トリメ
チルホスフェート鼠、不活性無機粒子の種類と添加量を
変えた他は実施例1と同様にしてポリエステルを得た。
条件と結果を表1に示す。マグネシウム添加量が本発明
の範囲を越えるとC0OH末端基が増加したり高重合度
のポリエステルが得られにくくなる(比較実施例1)。
またアルカリ金属化合物の添加がない場合C0OH末端
基が増加したり軟化点の低いポリエステルであり、添加
量が本範囲を越えると添加した触媒残渣からなる粒子の
析出が見られ、(比較実施例3.4) また金属化合物の添加量が本範囲に満たない場合(比較
実施例2)、無機粒子の添加量が本発明の範囲を外れた
場合(比較実施例5.6)および酢酸リチウムの添加時
期をエステル交換反応後とした時の例を比較実施例9〜
13で詳述する。
(以下余白) 実施例6〜9  比較実施例9〜15 参考例1または参考例2で得たポリエステルに実施例1
または実施例5で得たポリエステルを配合し、二軸延伸
フィルムを得た。配合量およびフィルム品質を表2に示
す。
本発明のポリエステルを配合しない場合(比較実施例1
4.15)に比べ本発明のポリエステルを配合した場合
著しく静電印加キャスト性が改良され、表面粗さ、摩擦
係数ともに満足する結果を得た。
一方、比較実施例2で得たM−1−(1/2)A−Pが
小さいポリエステルを配合した場合静電印加キャスト性
やRaが不満足な結果を得た。
(比較実施例9.10) また比較実施例5で得た無機粒子含有量の少ないポリエ
ステルを静電印加キャスト性が満足する量配合した時、
得られる二軸延伸フィルム表面は平坦で摩擦係数が高く
(比較実施例11)、無機粒子含有量の多い比較実施例
6で得たポリエステルを配合した場合、Ra、摩擦係数
を満足させた時、静電印加キャスト性が不十分であった
。(比較実施例12) またアルカリ金属化合物の添加時期をエステル交換反応
後とした比較実施例7のポリエステルを配合した場合(
比較実施例13)は耐摩耗性の好ましくない二軸延伸フ
ィルムであった。
実施例10 実施例1で酢酸マグネシウムに替えて酢酸マンガン0.
05部(2,0モル/ 106g )、と酢酸カリウム
0.05部(5,1モルフ106g)でエステル交換反
応を終了後生成物に酢酸マンガン0.8部(32,6モ
ル/ 106g >を添加した後10分経過後MAR(
リン酸のモノメチルエステルとジメチルエステル1:1
の混合物)0.25部(21,0モル/ 106g >
添加した他は実施例1と全く同様にポリエステルを得た
。IVo、622.5P261.O1b値10.3、C
00H30,8、触媒残渣析出粒子0.003であった
。該ポリエステルを実施例6と同様に配合した結果、静
電印加キャスト性49であり、フィルム耐摩耗性Ra摩
擦係数ともに良好であった。
比較実施例16 実施例1において合成炭酸カルシウムを添加しなかった
以外は、実施例1と全く同様にして極限粘度0.615
のポリエステルを得た。このポリエステル5部、参考例
1のポリエステル90部参考例3のポリエステル5部配
合して比較例16で示す二軸延伸フィルムを得た。金属
化合物を多量に配合したポリマと無機粒子を多量に配合
したマスタポリマを併用した場合、配合後の無機粒子、
金属量を同一にしても耐摩耗性、摩擦係数ともに不満足
な結果であった。
(以下余白) [発明の効果] 本発明のポリエステルは、次の優れた特性を有しており
、写真用フィルム、磁気テープ用二軸延伸フィルムなど
を得るための配合用ポリエステルとして極めて有用であ
る。
■本発明のポリエステルは、金属化合物および不活性無
機粒子を多量に含有しているため、静電印加キャスト性
の不十分なポリエステルに配合することにより、製膜時
の静電印加キャスト性を著しく改良でき、そのため生産
性が向上し、得られるフィルムの厚みムラも解消できる
また、得られるフィルムの易滑性を維持でき、高速走行
させた時の耐摩耗性に優れている。
■本発明のポリエステルはカルボキシル末端基含有量が
少なく、熱安定性に優れているため、ポリエステルに配
合しても高品位のフィルムを安定して得ることができる

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)主たる繰り返し単位が芳香族ジカルボキシレート
    であるポリエステルからなり、該ポリエステル中に下記
    一般式で示される量のマグネシウム又はマンガン、アル
    カリ金属、リンおよび平均粒子径0.01〜5μmの不
    活性無機粒子を0.01〜5.0重量%含有してなるポ
    リエステル組成物。 1≦A≦40・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
    ・・・・・ I 20≦M≦150・・・・・・・・・・
    ・・・・・・・・・・・・・・II5≦M+(1/2)A
    −P≦70・・・III [式中Aはアルカリ金属元素、Mはマグネシウム、マン
    ガン元素、Pはリン元素の各々ポリエステル10^6g
    当りの総モル数を示す。](2)芳香族ジカルボン酸エ
    ステルとグリコールからポリエステルを製造するに際し
    、グリコール可溶性のマグネシウム又はマンガン化合物
    および一般式 I ′で示される範囲のグリコール可溶性
    アルカリ金属化合物の存在下でエステル交換反応をおこ
    なった後、グリコール可溶性マグネシウム又はマンガン
    化合物を最終的に得られるポリエステルに対して一般式
    II′式を満足するように添加した後、III′式を満足す
    るリン化合物を添加し、かつエステル交換反応の開始前
    から、重縮合反応を開始する間に平均粒子径0.01〜
    5μmの不活性無機粒子を0.01〜5重量%添加し、
    しかる後に重縮合反応を完結させることを特徴とするポ
    リエステルの製造方法。 1≦A≦40・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
    ・・・・・ I ′20≦M≦150・・・・・・・・・
    ・・・・・・・・・・・・・・・II′5≦M+(1/2
    )A−P≦70・・・III′[式中Aはアルカリ金属化
    合物、Mはマグネシウム、マンガン化合物、Pはリン化
    合物の各々ポリエステル10^6g当りの総モル数を示
    す。]
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JP2018062574A (ja) * 2016-10-13 2018-04-19 東レ株式会社 ポリエチレンテレフタレート樹脂組成物およびそれからなるフィルム

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