JPH0159853B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、センサーフロートに作用する接地荷
重を設定範囲に維持するように機体昇降機構もし
くは苗植付部昇降機構を自動作動させる制御装置
と、前記センサー接地荷重の設定範囲を変更調節
するセンサー荷重調節機構と、苗植付機構に対す
るフロートの高さを調節して植付深さを調節する
機構とを装備した田植機に関する。

従来、上記田植機を構成するに、センサー荷重
調節機構と植付け深さ調節機構とを、夫々別調節
操作するように構成していたのであるが、センサ
ーフロートの接地荷重検出に基づく機体昇降ある
いは苗植付部昇降と、苗植付深さとが互いに密接
な相関関係を有するものであるために、例えば、
植付深さ調節を行なつた場合には、それに伴ない
センサー荷重調節を行ない、かつ、そのセンサー
荷重調節後に改めて植付深さ微調節を行なわなけ
ればならない等、各調節機構の調節状態を判断し
ての両調節機構の相対調節が煩わしく、また、そ
の相対調節が微妙で難かしいものであるために誤
調節を招き、苗植付作業の仕上がり程度が低下す
る等の問題があつた。

本発明の目的は、上述従来の実情に鑑みて、セ
ンサー荷重調節と植付深さ調節との間に特定され
た相関関係があることに着目して、両調節機構に
合理的な改良を施こすことによりセンサー荷重調
節と植付深さ調節とを容易にかつ適確に行なえる
ようにする点にある。

本発明の特徴構成は、冒記田植機において、前
記センサー荷重調節機構と、前記植付深さ調節機
構とを、植付深さが深いほど設定荷重が大きくな
るように連動させてあることにある。

即ち、植付深さを浅くする時はフロートの泥土
中への大きな沈み込みを見込んで植付作業する場
合であり、つまり、植付泥土が軟質な場合である
から、センサーフロートの接地荷重検出を敏感に
するためにセンサーフロートの設定接地荷重を小
にするものであり、また、植付深さを深くする時
はフロートがあまり泥土中に沈み込まないことを
見込んで植付作業する場合であり、つまり、植付
泥土が硬質な場合であるから、センサーフロート
へ対地抗力を大にするためにセンサーフロートの
設定接地荷重を大にするものであるという植付深
さ調節とセンサー荷重調節との相関関係に着目し
て、センサー荷重調節機構と植付深さ調節機構と
を設定植付深さが深いほどセンサーの設定荷重が
大になるように連動させるものであるから、植付
深さ調節とセンサー荷重調節とを、それらのうち
一方の調節操作を行なうことに伴ない自動的に、
かつ、適切に他方の調節をも行なうことができ
て、従来のように、各調節機構の調節状態を判断
しながら両調節機構を各別に相対調節操作するに
比して、植付深さとセンサー荷重との調節操作を
大巾に容易にすることができ、また、それが故に
両調節操作を伴なうような植付作業の能率を大巾
に向上することができると共に、両調節機構の各
別相対調節に起因した誤調節を確実に回避して、
常に適切な相対調節状態を得ることができ、全体
として、植付深さとセンサー荷重の調整操作性に
優れ、かつ、作業能率及び作業の仕上り程度に優
れた田植機を提供し得るに至つた。

次に本発明の実施例を例示図に基づいて詳述す
る。

第１図に示すように、左右一対の推進車輪１を
備えた機体フレーム２の前部に、原動部３を設け
ると共に、一定ストロークで横往復移動する傾斜
苗のせ台４、その傾斜苗のせ台４から順次１株分
づつの苗を取り出し泥面に植付ける複数の植付爪
装置５、それら苗のせ台４や植付爪装置５に駆動
動力を減速伝達する植付ミツシヨンケース６、及
び、機体左右外側に配設された２個のサイドフロ
ート７等諸装置を備えた苗植付装置８を、機体フ
レーム２の後部に連設し、更に、左右一対の後方
延出操縦ハンドル９、及び、前端部横向き軸芯
X₁周りで揺動自在な前部センターフロート１０
を設け、もつて、歩行型田植機を構成してある。

前記推進車輪１は、それを支承する左右一対の
車輪伝動ケース１１の一体的上下揺動駆動操作に
より昇降操作自在に構成されており、その駆動操
作構造について以下に説明する。第２図に示すよ
うに、両車輪伝動ケース１１上下揺動駆動用油圧
シリンダ１２の制御弁１３のスプール操作具１３
ａと、機体に連設の横向き支軸１４にその軸芯周
りで揺動自在に支承したＬ型アーム１５の一端部
とを、リンク１６を介して連動連結すると共に、
前述前端部横向き軸芯X₁周りで揺動自在に機体
に取付けられた前部センターフロート１０の揺動
後端部とＬ型アーム１５の他端部とを、泥面上泥
塊等への乗り上げ等による前部センターフロート
１０後端部の過上昇揺動吸収機構付きロツド１７
により連動連結し、かつＬ型アーム１５のロツド
１７連結部側に固設した受部材１８を下方向き押
圧付勢し、ロツド１７を介して前部センターフロ
ート１０に設定接地荷重を付与するスプリング１
９を設けてある。つまり、植付走行作業に伴ない
硬盤深さが深くなり車輪１が泥中に沈み込んだ場
合には、それに伴なう前部センターフロート１０
の接地荷重の増大によるスプリング１９に抗した
前部センターフロート１０後端部の上昇揺動によ
り、ロツド１７及びＬ型アーム１５介して制御弁
１３を車輪伝動ケース１１下降揺動側に操作して
車輪１を自動下降させると共に、硬盤深さが浅く
なつた場合には、それに起因した前部センターフ
ロート１０の接地荷重の減少に伴なう自重作用に
よる前部センターフロート１０後端部の下降揺動
により、ロツド１７及びＬ型アーム１５を介し制
御弁１３を車輪伝動ケース１１上昇揺動側に操作
して車輪１を自動上昇させ、硬盤深さの変動に応
じて苗植付装置８を常に適地作業高さに維持する
ように構成してある。

また、Ｌ型アーム１５の下面に対する接当係止
部２０ａを一体形成した牽制アーム２０を、前記
横向き支軸１４にその軸芯周りで揺動自在に支承
すると共に、その牽制アーム２０と操縦ハンドル
９の操作ボツクス２１に設けた操作レバー２２と
を連動連結し、もつて、その操作レバー２２操作
により、Ｌ型アーム１５の中立位置からの上下揺
動を許容する状態、Ｌ型アーム１５の中立位置か
らの下降揺動を接当阻止する状態、Ｌ型アーム１
５の牽制アーム２０と一体的に強制上昇揺動する
状態とに亘つて牽制アーム２０を揺動操作し、か
つ、揺動位置固定して、前部センターフロート１
０の接地荷重検出結果に基づいて前述の如き走行
作業時の車輪自動昇降制御状態、及び、路上走行
時や機体旋回時に用いる車輪自動上昇牽制状態並
びに車輪強制下降状態を現出するように、かつ、
その操作レバー２２の操作に連動して、苗のせ台
４や苗植付爪装置５への動力伝達を断続する植付
クラツチを走行作業時用車輪自動昇降制御状態で
のみ入り作動させるように構成してある。

他方、前記両サイドフロート７を苗植付装置８
に装備するに、各サイドフロート７の後端部を、
植付ミツシヨンケース６側に一体連結された苗植
付装置８のフレーム２３に、揺動アーム２４を介
して横向き軸芯X₁周りで上下揺動自在に連結す
ると共に、サイドフロート７前端部を長穴２５ａ
融通部付きリンク２５を介してフレーム２３に一
定範囲上下移動自在に連結し、かつ、前記操作ボ
ツクス２１に設けた植付深さ植付深さ調節レバー
２６と揺動アーム２４の他端側揺動端部とをワイ
ヤー２７を介して連動連結し、もつて、レバー案
内孔２８に形成した複数のレバー係合部２８ａの
植付深さ調節レバー２６に対する係止作用により
サイドフロート７後端部の接地反力による上昇揺
動を阻止し、サイドフロート７全体を支持すると
共に、サイドフロート７前端部の上下移動により
揺動アーム２４とサイドフロート７後端部との枢
支連結部周りでサイドフロート７を揺動させ、泥
面の凹凸等にサイドフロート７を追従させるよう
に、また、レバー案内孔２８の各レバー係合部２
８ａに植付深さ調節レバー２６を選択係止操作す
ることにより、植付ミツシヨンケース６及びそれ
に連設した苗植付爪装置５に対して両サイドフロ
ート７を略平行姿勢で相対上下位置変換操作し、
植付泥土の軟硬質に応じて苗植付爪装置５による
苗植付深さを変更するように構成してある。

更に、前記車輪自動昇降操作構造における前部
センターフロート１０の接地荷重設定用スプリン
グ１９の上端部を係止受け止める部材２９を上下
移動自在に設けると共に、そのスプリング受止め
部材２９と前記植付深さ調節レバー２６とを、受
止め部材２９過移動防止用スプリング３０ａを介
装したワイヤー３０により連動連結し、もつて、
植付深さ調節レバー２６が深植付側に操作される
ことに伴ない、そのスプリング受止め部材２９を
スプリング１９の付勢力に抗して下方に移動さ
せ、そのスプリング１９の付勢力による前部セン
ターフロート１０の設定接地荷重を可逆的に増大
するように構成してある。

つまり、植付泥土の軟硬質に応じて植付深さ調
節レバー２６により、硬質泥土であるほど深植付
側に調節される苗植付深さ調節操作に連動して、
適切に車輪自動昇降制御を行なうために硬質泥土
であるほど大であることが必要となる前部センタ
ーフロート１０の設定接地荷重を自動的にかつ適
切に変更調節できるようにしたことにより、それ
らの調節操作を容易いすると共に、それら両調節
操作の相対誤調節を防止するように構成してあ
る。

次に別実施例について詳述する。

第３図に示すように、左右一対の推進用後車輪
３１、及び、左右一対のステアリング操作用推進
前車輪３２を備えた機体フレーム３３に、前部原
動部３４及び搭乗運転部３５を設けると共に、一
定ストロークで横往復移動する傾斜苗のせ台３
６、その傾斜苗のせ台３６から順次一株分づつの
苗を取出し泥面に植付ける複数の植付爪装置３
７、それら苗のせ台３６や苗植付爪装置３７に本
機側からの駆動動力を変速伝達する植付ミツシヨ
ンケース３８、及び、機体左右方向に並設した２
個のサイドフロート３９と１個のセンターフロー
ト４０等諸装置を備える苗植付装置４１を、機体
フレーム３３の後部に、リンク機構を介して油圧
シリンダ４３により駆動昇降操作自在に連結し、
もつて、乗用型田植機を構成してある。

前記センターフロート４０及び両サイドフロー
ト３９を苗植付装置４１に取付けると、第４図及
び第５図に示すように、各フロート３９，４０の
前部を、植付ミツシヨンケース３８に、腰折リン
ク機構４４，４５を介して上下位置変更自在に連
結すると共に、各フロート３９，４０の後部を、
植付ミツシヨンケース３８に回転自在に支承した
横向きの回転軸４６に並設のアーム４７，４８に
枢支連結し、各フロート３９，４０を夫々の連結
アーム４７，４８との枢支連結部の横向き軸芯
X₃周りで揺動自在に支持することにより、各フ
ロート３９，４０を泥面の起伏に追従移動させ、
車体の走行に伴なう各フロート３９，４０の泥面
上摺接移動を円滑に行なうべく構成してある。そ
して、センターフロート４０の腰折リンク機構４
５の下部側リンク４５ａと前記苗植付装置昇降用
油圧シリンダ４３の制御弁４９の操作部とワイヤ
ー５０により連動連結すると共に、センターフロ
ート４０の前部を対地押圧付勢するセンターフロ
ート接地荷重設定用の２個のスプリング５１，５
２をその下部側リンク４５ａに連結し、もつて、
硬盤深さが深くなり車輪１，２が泥中に沈み込ん
だ場合には、それに伴なうセンターフロート４０
に対する接地荷重の増大により、両スプリング５
１，５２の付勢力に抗してセンターフロート４０
前部を横向き軸芯X₃周りで上昇揺動させ、ワイ
ヤー５０を緩めて制御弁４９を苗植付装置４１上
昇側に自動操作するように、かつ、硬盤深さが浅
くなつた場合は、それに伴なうセンターフロート
４０に対する接地荷重の減少により両スプリング
５１，５２の付勢力及びセンターフロート４０の
自動作用をもつてセンターフロート４０前部を横
向き軸芯X₃周りで下降揺動させ、ワイヤー５０
を引張り操作して、制御弁４９を苗植付装置４１
下降側に自重操作するように構成し、硬盤深さの
変更に応じて苗植付装置４１の対地適正作業高さ
を維持するべく苗植付装置４１を自動昇降制御す
るように構成してある。

尚、前記制御弁４９は、センターフロート４０
の接地荷重検出に基づく自動操作に優先して、運
転部３５に設けたレバー５３により、人為操作可
能に構成され、路上走行時や機体旋回時には、そ
の人為操作により苗植付装置４１を上昇させ、か
つ、その上昇位置を固定できるように構成してあ
る。

一方、各フロート３９，４０の後部をアーム４
７，４８を介して支持する回転軸４６に、それを
回転操作する揺動レバー５４を固設すると共に、
その揺動レバー５４の揺動系路を案内するレバー
孔５５に形成した複数の切欠部５５ａのレバー５
４に対する係止作用により揺動レバー５４を複数
揺動位置で揺動固定自在に構成し、もつて、揺動
レバー５４操作による各アーム４７，４８の横向
き軸芯X₄周りでの揺動位置変更操作並びに揺動
固定操作により各フロート３９，４０を苗植付装
置４１に対して相対昇降させ、植付泥土の軟硬質
に応じて、植付爪装置３７による苗植付の深さを
変更することができるように構成してある。

また、植付泥面の軟硬質に応じてセンターフロ
ート４０の接地荷重検出による苗植付装置４１自
動昇降制御を適切に行なわせるべくスプリング５
１，５２によるセンターフロート４０設定接地荷
重を変更するに、それら接地荷重設定用スプリン
グ５１，５２のうちの一方５１の端部を、運転部
３５に設けたセンターフロート接地荷重人為調節
用レバー５６にワイヤー５７を介して連動連結
し、レバー案内孔５８に形成した複数の切欠部５
８ａに対する人為調節用レバー５６の選択係止操
作により、一方のスプリング５１を引張りあるい
は緩め操作してそのスプリング５１のセンターフ
ロート４０に対する付勢力を変更し、もつて、両
スプリング５１，５２全体としての付勢力を変更
してセンターフロート４０の設定接地荷重を変更
操作するように構成すると共に、他方のスプリン
グ５２の端部と前記センターフロート支持用アー
ム４８の揺動端部とを、ワイヤー５９により連動
連結し、もつて、植付泥土が硬質な場合に、植付
け深さを深くするべく揺動レバー５４操作によ
り、各フロート３９，４０を苗植付装置４１に対
して相対上昇させることに伴ないスプリング５２
を引つ張り操作して、前述接地荷重人為調節と同
様に両スプリング５１，５２全体としてのセンタ
ーフロート４０設定接地荷重を増大させるよう
に、また、植付泥土が軟質な場合に植付け深さを
浅くするべく揺動レバー５４操作により各フロー
ト３９，４０を苗植付装置４１に対して相対下降
させることに伴ない、スプリング５２を緩めてセ
ンターフロート４０の設定接地荷重を減少させる
ように構成してある。

つまり、前述第１実施例と同様に、揺動レバー
５４による苗植付け深さ変更操作に連動してセン
ターフロート４０の設定接地荷重を自動的、かつ
適切に変更調節できるようにしたことにより、植
付深さ調節と設定接地荷重調節とを容易に行なう
ことができるように、かつ、それら両調節操作の
相対誤調節を確実に防止するように構成してあ
る。

尚、相対深さ調節、及び、接地荷重検出用セン
サーフロートとしての前部センターフロート１
０，４０の設定接地荷重調節のための具体的調節
構造は各種の構成変更が可能であり、それら構造
を総称して植付深さ調節機構２６，５４、及びセ
ンサー荷重調節機構１９，５２と称する。

また、それら両機構２６，１９，５４，５２
を、植付深さが深いほど前部センサフロート１
０，４０の設定接地荷重が大なるように連動する
ための具体的連動構造も各種の構成変更が可能で
ある。

本発明は、歩行型や乗用型あるいは牽引型等の
各種形式の田植機を対象とするものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明に係る田植機の実施例を例示し、
第１図は歩行型田植機の全体側面図、第２図は車
輪昇降制御構造及び苗植付深さ調節構造を示す概
略側面図、第３図は別実施例を示す乗用型田植機
の全体側面図、第４図は同別実施例における苗植
付装置昇降制御構造を示す概略図、第５図は同苗
植付深さ調節構造を示す側面図である。 ５，３７……苗植付機構、１０，４０……セン
サーフロート、１９，５２……センサー荷重調節
機構、２６，５４……植付深さ調節機構。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ センサーフロート１０，４０に作用する接地
   荷重を設定範囲に維持するように機体昇降機構１
   ２もしくは苗植付部昇降機構４３を自動作用させ
   る制御装置と、前記センサー接地荷重の設定範囲
   を変更調節するセンサー荷重調節機構１９，５２
   と、苗植付機構５，３７に対するフロートの高さ
   を調節して植付深さを調節する機構２６，５４と
   を装備した田植機であつて、前記センサー荷重調
   節機構１９，５２と、前記植付深さ調節機構２
   ６，５４とを、植付深さが深いほど設定荷重が大
   きくなるように連動させてあることを特徴とする
   田植機。