JP3538581B2 - 水田作業車 - Google Patents

水田作業車

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JP3538581B2
JP3538581B2 JP2000051313A JP2000051313A JP3538581B2 JP 3538581 B2 JP3538581 B2 JP 3538581B2 JP 2000051313 A JP2000051313 A JP 2000051313A JP 2000051313 A JP2000051313 A JP 2000051313A JP 3538581 B2 JP3538581 B2 JP 3538581B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は乗用型田植機や乗用
型直播機等の水田作業車において、作業装置の自動的な
昇降駆動の構成に関する。
【0002】
【従来の技術】水田作業車の一例である乗用型田植機で
は、例えば特開平11−313515号公報に開示され
ているように、苗植付装置(作業装置)を昇降駆動し、
且つ植付クラッチを伝動側及び伝動遮断側に操作する昇
降レバー(前記公報の図3及び図11中の54)が備え
られ、昇降レバーに対してレバーガイド(前記公報の図
11中の79)が備えられている。植付クラッチを伝動
遮断側に操作して苗植付装置を上昇させる上昇位置、植
付クラッチを伝動遮断側に操作して苗植付装置の昇降駆
動を停止させる中立位置、植付クラッチを伝動遮断側に
操作して苗植付装置を下降させる下降位置、及び植付ク
ラッチを伝動側に操作して苗植付装置が田面から設定高
さに維持されるように苗植付装置が昇降駆動される植付
置を備えて、レバーガイドが構成されている。
【0003】前記公報の構造では、苗植付装置に備えら
れたフロート(高さセンサー)(前記公報の図5中の2
1)と、苗植付装置を昇降駆動する油圧シリンダに作動
油を給排操作する制御弁(前記公報の図8中の50)と
が、ワイヤのインナー(前記公報の図5及び図8中の4
3a)を介して接続されている。これにより、昇降レバ
ーを植付位置に操作した状態において、苗植付装置に対
するフロートの変位により、ワイヤのインナーを介して
制御弁が操作され、苗植付装置が田面から設定高さに維
持されるように、油圧シリンダによって苗植付装置が昇
降駆動されて、苗の植え付けが行われる。この場合、ワ
イヤのアウター(前記公報の図8中の43b)の端部を
支持する支持部材(前記公報の図8中67)において、
支持部材の位置をワイヤの方向に沿って変更し、フロー
トの中立状態での姿勢を変更することにより、油圧シリ
ンダによる苗植付装置の昇降駆動の感度が変更できるよ
うに構成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】「従来の技術」に記載
の構造において、作業装置に備えられた高さセンサーと
制御弁とを、ワイヤ(インナー又はアウター)により接
続した場合、高さセンサーの変位範囲は比 較的大きいの
に対して、制御弁の操作ストロークは小さなものとなっ
ている。これにより、大きな泥の塊に乗り上げたり大き
な凹部に落ち込んだりして、高さセンサーが大きく変位
すると、高さセンサーの変位により制御弁が操作ストロ
ーク以上に無理に操作されようとして、制御弁やワイヤ
等の破損を招くおそれがある。
【0005】本発明は、作業装置に備えられた高さセン
サーと作業装置を昇降駆動する制御弁とを、ワイヤのイ
ンナー又はアウターの一方を介して接続した水田作業車
において、高さセンサーが大きく変位しても、高さセン
サーの変位により制御弁が操作ストローク以上に無理に
操作されようとする状態を防止することを目的としてい
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】[I]作業装置に備えられた高さセンサーと作業装置を昇降駆
動する制御弁とを、ワイヤのインナー又はアウターの一
方を介して接続し、作業装置に対する高さセンサーの変
位によりワイヤのインナー又はアウターの一方を介して
制御弁が操作され、作業装置が田面から設定高さに維持
されるように、油圧アクチュエータによって作業装置が
昇降駆動されるように構成された水田作業車において、
ワイヤのインナー又はアウターの他方の端部を支持する
支持部材、及び支持部材の位置をワイヤの方向に沿って
変更し、高さセンサーの中立状態での姿勢を変更して、
油圧アクチュエータによる作業装置の昇降駆動の感度を
変更する感度変更手段を備えた場合、請求項1の特徴に
よれば、制御弁の操作ストロークを越える高さセンサー
の変位が制御弁に伝達されると、支持部材をワイヤの方
向に沿って変位させて、制御弁の操作ストロークを越え
る高さセンサーの変位を吸収する変位吸収手段が備えら
れている。
【0007】請求項1の特徴において、例えばワイヤの
インナーを制御弁に接続し、ワイヤのアウターを支持部
材に支持させたとすると、高さセンサーの変位によりワ
イヤのインナーが変位して、制御弁が操作される状態と
なる(支持部材の位置は感度変更手段によって所定の位
置に設定されている)。この状態で高さセンサーが大き
く変位し、ワイヤのインナーが大きく移動操作されよう
とした場合(高さセンサーの変位により制御弁が操作ス
トローク以上に操作されようとした場合)、先ずワイヤ
のインナーの変位により制御弁が操作されて、制御弁が
操作ストロークまで操作される。次に、制御弁が操作ス
トロークに達してこれ以上に操作できない状態になって
も(ワイヤのインナーがこれ以上変位できない状態にな
っても)、ワイヤのインナーが変位しようとすれば、支
持部材がワイヤのアウターと一緒に変位する。これによ
り、ワイヤのインナーが変位しなくても、ワイヤのアウ
ターが変位することによって、ワイヤのインナーが見掛
け上変位したことになり、ワイヤのインナーの変位(高
さセンサーの変位)が吸収されるので、高さセンサーの
変位により制御弁が操作ストローク以上に無理に操作さ
れようとする状態が避けられる。
【0008】以上のように請求項1の特徴によると、高
さセンサーの大きな変位によりワイヤのインナー又はア
ウターの一方が大きく変位しようとした場合(ワイヤの
インナー又はアウターの一方によって制御弁が操作スト
ローク以上に操作されようとした場合)、ワイヤのイン
ナー又はアウターの他方を支持する支持部材を移動させ
ることにより、ワイヤのインナー又はアウターの一方の
変位(高さセンサーの変位)を吸収するように構成され
ている。
【0009】この場合、請求項1の特徴では、ワイヤの
インナー又はアウターの他方の端部を支持する支持部材
を備え、支持部材の位置をワイヤの方向に沿って変更し
て油圧アクチュエータによる作業装置の昇降駆動の感度
を変更する感度変更手段を備えているので、感度変更手
段や支持部材に少しの改造を施すことにより、前述のよ
うにワイヤのインナー又はアウターの他方を支持する支
持部材を移動させる構成を得ることができ、ワイヤのイ
ンナー又はアウターの一方の変位(高さセンサーの変
位)を吸収する構成(変位吸収手段)を得ることができ
る。
【0010】
【発明の実施の形態】[1] 図1に示すように、右及び左に操向操作自在な前輪1及
び後輪2で支持された機体に、エンジン3及び運転部4
が配置され、運転部4の後部に施肥装置14が備えられ
ており、機体の後部に平行4連式のリンク機構5を介し
て苗植付装置6が昇降自在に連結され、リンク機構5を
昇降駆動する油圧シリンダ7が備えられて、水田作業車
の一例である乗用型田植機が構成されている。
【0011】図1,2,3に示すように、角パイプ状の
横フレーム22の左右中央に、フィードケース20が連
結され、リンク機構5の後端下部の前後軸芯P1周り
に、フィードケース20がローリング自在に支持されて
おり、複数の植付伝動ケース9が横フレーム22に後向
きに連結されている。植付伝動ケース9の後部で回転駆
動される回転ケース10、回転ケース10に支持された
一対の植付爪11が備えられ、所定のストロークで往復
横送り駆動される苗のせ台8が備えられており、苗植付
装置6の左右中央下部の1個のセンターフロート12、
苗植付装置6の右側及び左側下部の2個のサイドフロー
ト13が備えられて、苗植付装置6が構成されている。
以上の構成により、苗のせ台8が往復横送り駆動されな
がら、回転ケース10の回転によって、植付爪11が苗
のせ台8の下部から交互に苗を取り出して田面Gに植え
付けるように構成されている。
【0012】図2及び図3に示すように、リンク機構5
の後端下部の前後軸芯P1周りに、苗植付装置6が左右
にローリング自在に支持されており、図1に示すように
機体に対して苗植付装置6をローリング操作するモータ
34がリンク機構5の後端上部に備えられ、水平面に対
する苗植付装置6の左右方向の傾斜角度を検出する水平
センサー(図示せず)が、苗植付装置6に備えられてい
る。これにより、機体が左右に傾斜しても、水平センサ
ー(図示せず)の検出値に基づいて、苗植付装置6が水
平面と平行になるように、モータ34によって苗植付装
置6が自動的にローリング操作される自動ローリンング
制御が後述するようにして行われる。
【0013】図1及び図2に示すように、施肥装置14
は横長の肥料貯留ホッパー15、肥料貯留ホッパー15
の下部に連結された繰り出し部16を備えて構成され、
センターフロート12及びサイドフロート13に支持さ
れた作溝器17と、繰り出し部16とがホース18によ
って接続されている。これにより、苗の植え付けに伴っ
て作溝器17によって田面Gに溝が形成され、肥料貯留
ホッパー15から繰り出し部16を介して繰り出された
肥料が、ホース18及び作溝器17を介して、田面Gの
溝に供給される。
【0014】[2] 図1に示すように、一回の植付行程での走行中に次の植
付行程の指標を田面Gに形成する右及び左のマーカー2
3が、苗植付装置6の右側及び左側に備えられており、
次に右及び左のマーカー23について説明する。右及び
左のマーカー23は、先端を田面Gに突入させる下向き
の接地位置(走行に伴って田面Gに指標を描く状態)、
及び先端を田面Gから上昇させた上向きの格納位置に亘
り揺動自在に支持されており、バネ(図示せず)によっ
て接地位置に付勢されている。
【0015】図5(イ)(ロ)及び図6に示すように、
運転部4における運転席19(図1参照)の下側におい
て横軸芯P5周りに右及び左の操作アーム47が揺動自
在に支持され、右及び左のマーカー23と右及び左の操
作アーム47とがワイヤ24で連係されており、図5
(イ)から図5(ロ)及び図6に示すように、苗植付装
置6が大きく上昇駆動されると、リンク機構5のアーム
5aにより右及び左の操作アーム47が操作され、ワイ
ヤ24が引き操作されて、右及び左のマーカー23が格
納位置に操作されるように構成されている。
【0016】図5(イ)(ロ)及び図6に示すように、
縦軸芯P6周りに右及び左の保持アーム27が揺動自在
に支持され、右及び左の保持アーム27がバネ28によ
り右及び左の操作アーム47への係合側に付勢されてい
る。図6の紙面上下方向にスライド自在に操作部材76
が支持され、右及び左の保持アーム27に接当する一対
の操作部76aが操作部材76に備えられており、図6
に示す位置に操作部材76を付勢する一対のバネ69が
備えられている。これにより、図5(ロ)及び図6に示
すように、右及び左の操作アーム47に右及び左の保持
アーム27が係合している状態で、操作部材76を図6
の紙面上方又は下方に操作すると、操作部材76の操作
部76aにより右又は左の保持アーム27の係合が解除
操作される。
【0017】前述のように苗植付装置6が大きく上昇
し、右及び左の操作アーム47が操作されて、右及び左
のマーカー23が格納位置に操作されると、右及び左の
保持アーム27が右及び左の操作アーム47に係合し
て、右及び左の操作アーム47(右及び左のマーカー2
3)が格納位置に保持される。次に、苗植付装置6が田
面Gまで下降しても、右及び左の保持アーム27により
右及び左の操作アーム47(右及び左のマーカー23)
は格納位置に保持されているのであるが、前述のように
右又は左の保持アーム27の係合を解除操作すると、バ
ネ(図示せず)により右又は左のマーカー23が格納位
置から接地位置に操作される。
【0018】[3] 次に、センターフロート12及びサイドフロート13の
支持構造について説明する。図2及び図3に示すよう
に、横フレーム22の左右両端の支持板25(図1参
照)及び植付伝動ケース9の下部に亘り横フレーム22
と平行に、支持軸30が回転自在に支持され、支持軸3
0における植付伝動ケース9の付近の部分から2本ずつ
支持アーム31が延出されており、支持アーム31の横
軸芯P2周りに、センターフロート12及びサイドフロ
ート13の後部が上下揺動自在に支持されている。
【0019】図2,3,4に示すように、センターフロ
ート12及びサイドフロート13の前部の左右中央部
に、平面視コ字状のリンク部材35が上下揺動自在に支
持されて、横フレーム22の前面に平面視コ字状のリン
ク部材37が上下揺動自在に支持されており、リンク部
材35,37の先端が揺動自在に連結されている。これ
により、リンク機構35,37によってセンターフロー
ト12及びサイドフロート13の前部が左右に振れない
ように案内されながら、センターフロート12及びサイ
ドフロート13が横軸芯P2周りに上下揺動自在に支持
される。
【0020】図2,3,4に示すように、支持軸30に
植付深さレバー32が連結されており、植付深さレバー
32により支持軸30及び支持アーム31の角度を変更
し、後述するように横軸芯P2の位置を上下に変更し
て、苗の植付深さを変更するのであり、横フレーム22
に連結されたレバーガイド33に植付深さレバー32を
係合させて固定することによって、苗の植付深さを設定
する。横フレーム22に固定されたブラケット41の横
軸芯P3周りに、平面視コ字状のフレーム43が上下揺
動自在に支持され、植付深さレバー32とフレーム43
とに亘って連係ロッド26が接続されており、植付深さ
レバー32によってフレーム43の姿勢が決まるように
構成されている。
【0021】図2,3,4に示すように、センターフロ
ート12の前部の横軸芯P4周りに正面視コ字状のフ
レーム40が前後揺動自在に支持され、フレーム43に
固定されたピン44がフレーム40の長孔40aに挿入
されて、フレーム40の上部とピン44とに亘ってバネ
45が架設されており、バネ45によってセンターフロ
ート12が下方側に付勢されている。図3及び図4に示
すように、ワイヤ21のインナー21aがピン44に接
続され、ワイヤ21のアウター21bがフレーム40に
接続されている。
【0022】これにより、田面Gに接地追従するセンタ
ーフロート12に対して、機体の上下動等により苗植付
装置6が上下動すると、苗植付装置6に対してセンター
フロート12が横軸芯P2周りに上下揺動する状態とな
って、ワイヤ21のインナー21a(ピン44に接続さ
れている)に対して、ワイヤ21のアウター21bが上
下方向に移動操作される状態となるのであり、ワイヤ2
1のインナー21aの他端が押し引き操作される状態と
なる。
【0023】[4] 次に苗植付装置6の昇降駆動を行う昇降レバー29の付
近の構造について説明する。図1に示すように、昇降レ
バー29は運転席19の右横側に配置されており、図9
及び図11に示すように、機体に固定された支持部材3
6の横軸芯P7周りに支持軸38が回転自在に支持さ
れ、支持軸38の端部に操作板39が固定されて、操作
板39のブラケット39aの軸芯P8周りに回転自在
に、支持軸42が回転自在に支持され、支持軸42に昇
降レバー29が固定されている。支持軸38の中間部に
アーム50が固定され、機体の固定部とアーム50とに
亘って、伸長側に付勢されたバネシリンダ51が接続さ
れて、昇降レバー29が後述する上昇位置に付勢されて
いる。
【0024】図9,10,11,12に示すように、支
持部材36の横軸芯P9周りに支持軸48が回転自在支
持され、支持軸48の端部に天秤アーム49が固定され
ており、天秤アーム49の下端にワイヤ21のインナー
21aが接続されている。天秤アーム49の上端にボル
ト52が回転操作自在に支持され、ボルト52の先端に
ボール53が固定されており、アーム50から下方に延
出された接当部50aに、ボール53が接当するように
構成されている。
【0025】図7及び図8に示すように、油圧シリンダ
7(図1参照)に作動油を給排操作する制御弁55が機
体の前部に備えられ、制御弁55のスプール55aがバ
ネ55bにより突出側(図8の紙面左方)(油圧シリン
ダ7の伸長側で苗植付装置6の下降側)に付勢されてお
り、制御弁55のスプール55aを図8の紙面右方に押
し操作(油圧シリンダ7の収縮側で苗植付装置6の上昇
側)する天秤アーム56が備えられている。図7〜図1
2に示すように、支持軸48の端部にアーム54が固定
され、天秤アーム56とアーム54とに亘って、連係ロ
ッド57が接続されている。
【0026】図7及び図8に示すように、固定の支持軸
58周りに、板材で形成された第1連係部材59及び第
2連係部材60が互いに独立に揺動自在に支持され、操
作板39の長孔39bと第1連係部材59とに亘って連
係ロッド61が架設されている。繰り出し部16(図1
参照)に動力を伝動及び伝動遮断操作する施肥クラッチ
62と、第1連係部材59とに亘って連係ロッド63が
接続されており、施肥クラッチ62を切り位置(伝動遮
断操作)に付勢するバネ65が、第1連係部材59に取
り付けられている。苗植付装置6(図1参照)に動力を
伝動及び伝動遮断操作する植付クラッチ64が備えら
れ、植付クラッチ64を入り位置(伝動操作)及び切り
位置(伝動遮断操作)に操作する揺動式のクランクアー
ム66と、第2連係部材60とに亘って連係ロッド67
が接続され、第2連係部材60の長孔60aに連係ロッ
ド61の先端が挿入されており、植付クラッチ64を切
り位置に付勢するバネ68が、第2連係部材60に取り
付けられている。
【0027】図7,9,13に示すように昇降レバー2
9の上方に案内板70が配置され、昇降レバー29のレ
バーガイド71が案内板70に開口されており、レバー
ガイド71に上昇位置、下降位置、中立位置及び植付位
置が設定され、植付位置の左右に右マーカー位置及び左
マーカー位置が設定されている。図9及び図11に示す
ように、支持軸42によって操作板39に対し昇降レバ
ー29が左右に操作自在に支持されており、図13に示
すように、上昇位置、中立位置及び下降位置のレバーガ
イド71の部分において、レバーガイド71の一方の横
側と他方の横側とに亘って昇降レバー29が操作可能に
なるように、レバーガイド71の横幅が広いものに設定
されている。
【0028】図13に示すように、レバーガイド71の
一方の横側(レバーガイド71における運転席19とは
反対側)において、下降位置、中立位置及び下降位置に
亘って直線的な第1案内部71aが形成され、下降位置
と植付位置との間に凸部71bが形成されている。レバ
ーガイド71の他方の横側(レバーガイド71における
運転席19側)において、上昇位置、中立位置及び下降
位置に亘って直線的な第2案内部71cが形成されてお
り、凸部71b及び第2案内部71cから左右に広がる
傾斜案内部71dが形成されて、左右中央の植付位置、
右側の右マーカー位置及び左側の左マーカー位置が配置
されている。
【0029】図9及び図13に示すように、案内板70
の取付部70aに板バネ72の一端が固定され、板バネ
72が第2案内部71cから中立位置及び上昇位置に入
り込んでおり、板バネ72の先端が案内板70の案内孔
70bに挿入されている。これにより図13に示すよう
に、上昇位置、中立位置及び下降位置の第2案内部71
c側に位置する昇降レバー29に板バネ72が接当し、
板バネ72によって昇降レバー29が上昇位置、中立位
置、及び下降位置の第1案内部71a側に付勢されてい
る。
【0030】図9及び図13に示すように、案内板70
にリミットスイッチ73が固定されている。これによ
り、昇降レバー29を上昇位置の第1及び第2案内部7
1a,71b側、中立位置の第1及び第2案内部71
a,71b側に操作すると、板バネ72がリミットスイ
ッチ73に接当し、リミットスイッチ73が入り位置に
操作され、昇降レバー29を下降位置の第1案内部71
a側に操作すると、板バネ72がリミットスイッチ73
から離間し、リミットスイッチ73が切り位置に操作さ
れる。昇降レバー29を下降位置の第2案内部71c側
に操作すると、板バネ72がリミットスイッチ73に接
当し、リミットスイッチ73が入り位置に操作され、昇
降レバー29を植付位置、右及び左マーカー位置に操作
すると、板バネ72がリミットスイッチ73から離間
し、リミットスイッチ73が切り位置に操作される。
【0031】後述するようにリミットスイッチ73が切
り位置に操作されると、水平センサー(図示せず)の検
出値に基づいて苗植付装置6が水平面と平行になるよう
に、モータ34によって苗植付装置6が自動的にローリ
ング操作される自動ローリンング制御が行われ(前項
[1]参照)、リミットスイッチ73が入り位置に操作
されると、自動ローリング制御は行われずにモータ34
が停止する。
【0032】図9及び図12に示すように、操作板39
の下部に3個の凹部39e及び1個の凸部39dが設け
られ、支持部材36の横軸芯P10周りに揺動自在に保
持アーム74が支持されて、保持アーム74を操作板3
9側に付勢するバネ75が備えられている。これによ
持アーム74のローラー74aが操作板39の凹部3
9eに入り込むことによって、昇降レバー29が中立位
置、下降位置、植付位置、右及び左マーカー位置に保持
されるのであり、バネシリンダ51の付勢力及び保持ア
ーム74のローラー74aが操作板39の凸部39dに
接当することにより、昇降レバー29が上昇位置に保持
される。
【0033】[5] 次に、昇降レバー29を中立位置及び下降位置に操作し
た場合について説明する。図7,8,9に示す状態は、
保持アーム74により昇降レバー29が中立位置に保持
されている状態であり、板バネ72により昇降レバー2
9が中立位置の第1案内部71a側に操作されている状
態である(図13参照)。この状態で、アーム50の接
当部50aに天秤アーム49のボルト52及びボール5
3が接当して、天秤アーム49及び制御弁55が中立位
置に保持され、油圧シリンダ7が停止している。この場
合に、苗植付装置6が田面Gから上方に位置している
と、センターフロート12が下方に揺動し、ワイヤ21
のインナー21aが天秤アーム49側に押し操作されよ
うとして、天秤アーム49が図8の紙面反時計方向に揺
動しようとするが、天秤アーム49のボルト52及びボ
ール53が、アーム50の接当部50aに接当して、天
秤アーム49及び制御弁55が中立位置に保持される。
【0034】図7,8,13に示すように、昇降レバー
29を中立位置の第1案内部71a側に操作している状
態で、植付クラッチ64及び施肥クラッチ62が切り位
置に操作され、苗植付装置6及び施肥装置14(繰り出
し部16)が停止しており、図13に示すように板バネ
72により、リミットスイッチ73が入り位置に操作さ
れて、自動ローリング制御は行われずにモータ34が停
止している。
【0035】昇降レバー29を中立位置の第1案内部7
1a側から下降位置の第1案内部71a側に操作すると
(図13参照)、アーム50の接当部50aが天秤アー
ム49のボルト52及びボール53から図8の紙面左方
に離れるので、前述のように苗植付装置6が田面Gから
上方に位置していると、センターフロート12が下方に
揺動し、ワイヤ21のインナー21aが天秤アーム49
側に押し操作され、天秤アーム49が図8の紙面反時計
方向に揺動し、制御弁55が下降位置に操作される。こ
れにより、油圧シリンダ7が伸長作動して苗植付装置6
が下降する。
【0036】昇降レバー29を中立位置の第1案内部
71a側から下降位置の第1案内部71a側に操作して
も(図13参照)、操作板39の長孔39bの融通作用
によって、植付クラッチ64及び施肥クラッチ62はま
だ切り位置に残されており、入り位置に操作されない。
昇降レバー29を中立位置の第1案内部71a側から
下降位置の第1案内部71a側に操作すると(図13参
照)、板バネ72がリミットスイッチ73から離間し
て、水平センサー(図示せず)の検出値に基づいて苗植
付装置6が水平面と平行になるように、モータ34によ
って苗植付装置6が自動的にローリング操作される自動
ローリング制御が開始される。
【0037】前述のように自動ローリング制御が行われ
た状態で苗植付装置6が下降して、センターフロート1
2が田面Gに接地すると、センターフロート12が持ち
上げられることになるので、ワイヤ21のインナー21
aがセンターフロート12側に引き操作され、天秤アー
ム49が図8の紙面時計方向に揺動し、制御弁55が中
立位置に操作されて油圧シリンダ7が停止する。
【0038】この後に、田面Gに接地追従するセンター
フロート12に対して、機体の上下動等により苗植付装
置6が上下動すると、苗植付装置6に対してセンターフ
ロート12が横軸芯P2周りに上下揺動する状態となっ
て、ワイヤ21のインナー21aが押し引き操作される
状態となる。従って、制御弁55が上昇及び下降位置に
操作され、油圧シリンダ7が伸縮作動して、苗植付装置
6が田面Gから設定高さに維持されるように、苗植付装
置6が自動的に昇降駆動される(自動昇降制御)。
【0039】[6] 次に、昇降レバー29を植付位置に操作した場合につい
て説明する。昇降レバー29を中立位置の第1案内部7
1a側から植付位置に操作する場合(図13参照)、昇
降レバー29を中立位置の第1案内部71a側から下降
位置の第1案内部71a側に操作し、凸部71bを迂回
して植付位置に操作する。昇降レバー29を植付位置に
操作すると、板バネ72がリミットスイッチ73から離
間して自動ローリング制御が開始される。
【0040】昇降レバー29を植付位置に操作すると
(図13参照)、操作板39により連係ロッド61が図
8の紙面下方に操作されて、第1連係部材59及び連係
ロッド63を介して施肥クラッチ62が入り位置に操作
され、繰り出し部16から肥料が繰り出され始める。こ
れに伴い第2連係部材60の長孔60aの融通作用によ
り、施肥クラッチ62が入り位置に操作されるのに少し
遅れて、第2連係部材60及び連係ロッド67を介して
植付クラッチ64が入り位置に操作されて、苗植付装置
6による苗の植え付けが開始される。このように植付ク
ラッチ64よりも施肥クラッチ62を少し早く入り位置
に操作するのは、図1に示すように繰り出し部16が田
面Gから高い位置にあり、繰り出し部16から肥料が繰
り出されてから田面Gに達するのに少し時間が掛かるの
で、苗植付装置6(植付爪11)による苗の植え付けが
開始された際、遅れることなく肥料が田面Gに供給され
るようにする為である。
【0041】以上のように昇降レバー29を植付位置に
操作すると、苗植付装置6による苗の植え付け及び施肥
装置14による田面Gへの肥料の供給が行われるのであ
り、自動ローリング制御により苗植付装置6が水平面と
平行になるように、モータ34によって苗植付装置6が
自動的にローリング操作され、自動昇降制御により苗植
付装置6が田面Gから設定高さに維持されるように、苗
植付装置6が自動的に昇降駆動されて、苗の植付深さが
設定値に維持される。
【0042】図13に示すように、昇降レバー29を上
昇位置及び中立位置の第1案内部71a側に操作してい
る状態において、昇降レバー29を板バネ72に抗して
上昇位置及び中立位置の第2案内部71c側に操作すれ
ば、昇降レバー29を上昇位置及び中立位置の第2案内
部71c側から第2案内部71cに沿って、凸部71b
に当らずに直線的に植付位置に操作することもできる。
【0043】図13及び図14に示すように、案内板7
0に固定されたブラケット77にリミットスイッチ78
が固定され、ブラケット77に取り付られた板バネ79
が植付位置、右及び左マーカー位置に亘るように延出さ
れている。これにより、昇降レバー29を植付位置(右
及び左マーカー位置)に操作すると、昇降レバー29に
より板バネ79が押され、リミットスイッチ78が入り
位置に操作されて、計器パネル80(図1参照)に備え
られた表示ランプ(図示せず)が点灯する。
【0044】苗の植付深さを変更する場合には前項
[3]の記載、図3及び図4に示すように、植付深さレ
バー32により支持軸30及び支持アーム31の角度を
変更して横軸芯P2の位置を上下に変更するのであり、
植付深さレバー32により連係ロッド26を介して、フ
レーム43のピン44側が横軸芯P2と同じ方向に上下
揺動されて、フレーム40及びワイヤ21の位置も横軸
芯P2と同じ方向に上下に変更される。このように、植
付深さレバー32によってセンターフロート12及びサ
イドフロート13の前部及び後部の位置を、苗植付装置
6に対して略平行に上下に変更することにより、苗植付
装置6が維持される田面Gからの設定高さ(苗の植付深
さ)を変更する。
【0045】前項[2]の記載、図5(ロ)及び図6に
示すように、苗植付装置6が大きく上昇していると、右
及び左の保持アーム27が右及び左の操作アーム47に
係合し、右及び右及び左のマーカー23が格納位置に保
持されており、苗植付装置6が田面Gまで下降しても、
右及び左の保持アーム27により右及び左の操作アーム
47(右及び左のマーカー23)は格納位置に保持され
ている。
【0046】図5(ロ)及び図6に示すように昇降レバ
ー29を植付位置に操作すると、昇降レバー29の下端
部29aが操作部材76に係合する。これにより、昇降
レバー29を植付位置から右マーカー位置(左マーカー
位置)に操作すると(図13参照)、昇降レバー29に
よって操作部材76が図6の紙面上方(紙面下方)に操
作され、操作部材76の操作部76aにより右の保持ア
ーム27(左の保持アーム27)の係合が解除操作され
て、右のマーカー23(左のマーカー23)が格納位置
から接地位置に操作される。
【0047】[7] 次に、昇降レバー29を上昇位置に操作した場合につい
て説明する。昇降レバー29を植付位置に操作している
状態において(図13参照)、昇降レバー29を上昇位
置に操作する場合に、昇降レバー29を植付位置から凸
部71bと第2案内部71cとの間を通し、板バネ72
を押し退けるようにして、第2案内部71cに沿って
(下降位置及び中立位置の第2案内部71c側に沿っ
て)、直線的に上昇位置の第2案内部71c側に操作す
ることができる。この場合、昇降レバー29が下降位置
の第2案内部71c側に達して、昇降レバー29により
板バネ72が押され、リミットスイッチ73が入り位置
に操作されると、自動ローリング制御及びモータ34が
停止する。
【0048】前述のように昇降レバー29を上昇位置に
操作すると、アーム50が図8の紙面反時計方向に揺動
し、アーム50の接当部50aにより天秤アーム49が
図8の紙面時計方向に強制的に揺動操作されて、制御弁
55が上昇位置に操作され、油圧シリンダ7が収縮作動
して苗植付装置6が上昇する。この場合に、昇降レバー
29を植付位置から下降位置の第2案内部71c側に操
作すると(図13参照)、バネ65により第1連係部材
59及び連係ロッド63を介して、施肥クラッチ62が
切り位置に操作されて、施肥装置14(繰り出し部1
6)が停止する。これと同時に、昇降レバー29が板バ
ネ79(図13参照)から離間し、リミットスイッチ7
8が切り位置に操作されて、計器パネル80(図1参
照)に備えられた表示ランプ(図示せず)が消灯する。
【0049】植付クラッチ64においては、回転ケース
10(図1参照)が田面Gと略平行な所定姿勢(回転ケ
ース10の両方の植付爪11が田面Gの上方に位置する
姿勢)にならないと、植付クラッチ64は切り位置に操
作されないように構成されているので、前述のようにバ
ネ65により第1連係部材59が図8の紙面時計方向に
揺動しても、第2連係部材60の長孔60aの融通作用
によって、回転ケース10(図1参照)が田面Gと略平
行な所定姿勢になってから、バネ68,69により植付
クラッチ64が切り位置に操作されて苗植付装置6が停
止する。
【0050】図7,8,9に示すように、操作板39の
長孔39cとリンク機構5とに亘って、連係ロッド81
が架設されている。これにより操作板39の長孔39c
の融通作用によって、リンク機構5の昇降が昇降レバー
29に影響を及ぼさないように構成されているが、前述
のように昇降レバー29を上昇位置に操作した状態で、
上昇する苗植付装置6(リンク機構5)が上限位置に達
すると、連係ロッド81の操作板39への押し作用によ
って、昇降レバー29が上昇位置から中立位置に操作さ
れ、苗植付装置6(リンク機構5及び油圧シリンダ7)
が上限位置で停止する。
【0051】走行用として前進側及び後進側に無段階に
変速自在な静油圧式無段変速装置(図示せず)が備えら
れており、図1に示すように静油圧式無段変速装置(図
示せず)を前進側及び後進側に操作する変速レバー82
が備えられている。図8及び図9に示すように、保持ア
ーム74にワイヤ83が接続されており、変速レバー8
2を後進側に操作するとワイヤ83が変速レバー82側
に引き操作されるように、変速レバー82とワイヤ83
とが連係されている。
【0052】これにより、昇降レバー29を中立位置、
下降位置、植付位置、右及び左マーカー位置に操作して
いる状態で、変速レバー82を後進側に操作すると、ワ
イヤ83により保持アーム74が図9の紙面時計方向に
揺動し、保持アーム74のローラー74aが操作板39
の凹部39eから離間するので、バネシリンダ51によ
り昇降レバー29が上昇位置に操作される。
【0053】[8] 次に、前項[5][6]に記載の自動昇降制御の制御感
度を設定する感度設定レバー46の付近の構造について
説明する。図8,10,11に示すように、支持板90
の縦向きの長孔90a、及び固定のブラケット84の縦
向きの長孔84aに感度設定レバー46が挿入されてお
り、案内板70に開口されたレバーガイド85に感度設
定レバー46が挿入され(図13参照)、感度設定レバ
ー46の端部を下方に引き付勢するバネ86が備えられ
ている。図13に示すように、レバーガイド85に複数
の凹部85aが形成されており、ブラケット84の長孔
84aを支点としてバネ86により、感度設定レバー4
6がレバーガイド85の凹部85aに入り込むように付
勢され、感度設定レバー46がレバーガイド85の凹部
85aに入り込むことで、感度設定レバー46の姿勢が
設定される。
【0054】図8,10,11に示すように、感度設定
レバー46に位置決め部材87が固定され、支持部材8
8が感度設定レバー46に相対回転自在に外嵌されて、
ワイヤ21のアウター21bが支持部材88に取り付け
られており、感度設定レバー46に対して支持部材88
を図10の紙面時計方向に付勢するバネ89が感度設定
レバー46に外嵌されている。これによって、バネ89
の付勢力により支持部材88が位置決め部材87の折り
曲げ部87aに接当することで、感度設定レバー46に
対する支持部材88の姿勢が設定される。
【0055】以上の構成により、感度設定レバー46を
鈍感側に操作してレバーガイド85の凹部85aに保持
させると、図10に示すように天秤アーム49側におい
てワイヤ21のインナー21aの出る長さが短くなり、
図3に示すようにセンターフロート12側においてワイ
ヤ21のインナー21aの出る長さが長くなる。これに
よって、昇降レバー29を下降及び植付位置に操作した
自動昇降制御の状態において、センターフロート12が
上向きの姿勢(中立状態)で安定するので、センターフ
ロート12の田面Gへの接地面積が小さくなり、バネ4
5がセンターフロート12を下方に付勢する付勢力が大
きくなる。従って、センターフロート12が田面Gの泥
を積極的に押し潰していくような状態となり、センター
フロート12の田面Gへの接地追従感度(自動昇降制御
の制御感度)が鈍感となるのであり、この状態は田面G
の泥が固い場合に適している。
【0056】感度設定レバー46を敏感側に操作して
レバーガイド85の凹部85aに保持させると、図10
に示すように天秤アーム49側においてワイヤ21のイ
ンナー21aの出る長さが長くなり、図3に示すように
センターフロート12側においてワイヤ21のインナー
21aの出る長さが短くなる。これによって、昇降レバ
ー29を下降及び植付位置に操作した自動昇降制御の状
態において、センターフロート12が下向きの姿勢で安
定(中立状態)するので、センターフロート12の田面
Gへの接地面積が大きくなり、バネ45がセンターフロ
ート12を下方に付勢する付勢力が小さくなる。従っ
て、センターフロート12が田面Gの凹凸に敏感に反応
し、センターフロート12の田面Gへの接地追従感度
(自動昇降制御の制御感度)が敏感となるのであり、こ
の状態は田面Gの泥が軟らかい場合に適している。
【0057】図10及び図11に示す構造において、例
えばセンターフロート12が大きな泥の塊に乗り上げ
て、センターフロート12が大きく上方に揺動したとす
ると、ワイヤ21のインナー21aが、センターフロー
ト12側に大きく引き操作される。このような状態にな
ると、図8及び図10に示すように先ずワイヤ21のイ
ンナー21aの引き操作により、天秤アーム49及び制
御弁55(スプール55a)が上昇位置に操作され、さ
らにワイヤ21のインナー21aが引き操作されると、
天秤アーム49及び制御弁55(スプール55a)は上
昇位置以上に操作されないので、感度設定レバー46に
対しバネ89に抗して、支持部材88が図10の紙面反
時計方向に揺動し、ワイヤ21のアウター21bを図1
0の紙面右方に移動させて、ワイヤ21のインナー21
aの引き操作が吸収される。
【0058】例えばセンターフロート12が大きな凹部
に入り込んで、センターフロート12が大きく下方に揺
動したとすると、ワイヤ21のインナー21aが天秤ア
ーム49側に大きく押し操作される。このような状態に
なると、図8及び図10に示すように先ずワイヤ21の
インナー21aの押し操作により、天秤アーム49及び
制御弁55(スプール55a)が下降位置に操作され、
さらにワイヤ21のインナー21aが押し操作される
と、天秤アーム49及び制御弁55(スプール55a)
は下降位置以上に操作されないので、天秤アーム49側
においてワイヤ21のインナー21aが弛むことにな
り、ワイヤ21のインナー21aの押し操作が吸収され
る。
【0059】[発明の実施の別形態] 図10及び図11に示す構造において、ワイヤ21のイ
ンナー21aを支持部材88に取り付け、ワイヤ21の
アウター21bを天秤アーム49に取り付けるように構
成してもよい。図3及び図4に示すセンターフロート1
2に代えて、板材を折り曲げて形成されたソリ状の接地
体を、高さセンサーとして使用してもよい。本発明は乗
用型田植機ばかりではなく、乗用型直播機や乗用型薬剤
散布機等にも適用できる。
【0060】
【発明の効果】請求項1の特徴によると、作業装置に備
えられた高さセンサーと作業装置を昇降駆動する制御弁
とを、ワイヤのインナー又はアウターの一方を介して接
続した水田作業車において、高さセンサーの大きな変位
によりワイヤのインナー又はアウターの一方が大きく変
位しようとした場合、ワイヤのインナー又はアウターの
他方を支持する支持部材を移動させることによって、ワ
イヤのインナー又はアウターの一方の変位(高さセンサ
ーの変位)を吸収するように構成しており、高さセンサ
ーの変位により制御弁が操作ストローク以上に無理に操
作されようとする状態を避けることができるので、制御
弁やワイヤが無理に操作されようとすることによる破損
を防止して、水田作業車の耐久性を向上させることがで
きた。
【0061】請求項1の特徴によると、ワイヤのインナ
ー又はアウターの他方の端部を支持する支持部材を備
え、支持部材の位置をワイヤの方向に沿って変更して、
油圧アクチュエータによる作業装置の昇降駆動の感度を
変更する感度変更手段を備えており、感度変更手段や支
持部材に少しの改造を施すことにより、前述のようにワ
イヤのインナー又はアウターの他方を支持する支持部材
を移動させることによって、ワイヤのインナー又はアウ
ターの一方の変位(高さセンサーの変位)を吸収する構
成(変位吸収手段)を得ることができるので、構造の簡
素化及び生産コストの低減の面で有利なものとなった。
【図面の簡単な説明】
【図1】乗用型田植機の全体側面図
【図2】苗植付装置の側面図
【図3】苗植付装置のセンターフロート付近の縦断側面
【図4】苗植付装置のセンターフロート付近の正面図
【図5】苗植付装置(リンク機構)を下降及び上昇駆動
した場合において、右及び左の操作アーム(右及び左の
マーカー)付近の側面図
【図6】操作部材、右及び左の保持アーム、右及び左の
操作アーム(右及び左のマーカー)付近の平面図
【図7】昇降レバー、植付クラッチ及び施肥クラッチ付
近の側面図
【図8】昇降レバー、制御弁、植付クラッチ及び施肥ク
ラッチの連係状態を示す図
【図9】昇降レバー付近の側面図
【図10】昇降レバー、天秤アーム及び感度設定レバー
の連係状態を示す側面図
【図11】昇降レバー及び感度設定レバーの基部付近の
横断平面図
【図12】昇降レバーの基部付近の横断平面図
【図13】レバーガイドの平面図
【図14】レバーガイドの前部の正面図
【符号の説明】
6 作業装置 7 油圧アクチュエータ 12 高さセンサー 21 ワイヤ 21a ワイヤのインナー 21b ワイヤのアウター 46 感度変更手段 55 制御弁 88 支持部材 G 田面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松村 哲也 大阪府堺市石津北町64番地 株式会社ク ボタ 堺製造所内 (56)参考文献 実開 昭58−62809(JP,U) 実開 昭63−124322(JP,U) 実開 昭56−75811(JP,U) 実開 昭62−181115(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A01C 11/02 A01B 63/10

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 油圧アクチュエータを介して作業装置を
    昇降駆動自在に機体に備え、田面に接地しながら田面か
    ら前記作業装置までの高さを検出する高さセンサーを、
    前記作業装置に昇降自在に支持して、 前記油圧アクチュエータに作動油を給排操作する制御弁
    と前記高さセンサーとを、ワイヤのインナー又はアウタ
    ーの一方を介して接続して、前記作業装置に対する前記
    高さセンサーの変位により、前記ワイヤのインナー又は
    アウターの一方を介して前記制御弁が操作され、前記作
    業装置が田面から設定高さに維持されるように、前記油
    圧アクチュエータによって前記作業装置が昇降駆動され
    るように構成すると共に、 前記ワイヤのインナー又はアウターの他方の端部を支持
    する支持部材と、 前記支持部材の位置を前記ワイヤの方向に沿って変更
    し、前記高さセンサーの中立状態での姿勢を変更して、
    前記油圧アクチュエータによる前記作業装置の昇降駆動
    の感度を変更する感度変更手段とを備え、 前記制御弁の操作ストロークを越える前記高さセンサー
    の変位が前記制御弁に伝達されると、前記支持部材を前
    記ワイヤの方向に沿って変位させて、前記制御弁の操作
    ストロークを越える前記高さセンサーの変位を吸収する
    変位吸収手段を備えてある水田作業車。
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