JP3880254B2 - 田植機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、圃場面に苗を移植する苗植付装置と、圃場面に肥料を供給する施肥装置とを備えた田植機に関し、詳しくは、苗植付装置に対する動力の断続を行うクラッチ(以下、植付クラッチと称する)と、施肥装置に対する動力の断続を行うクラッチ(以下、施肥クラッチと称する)とを制御する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
上記のように構成された田植機として特開平9‐191718号公報に示されるものや、特開平10‐295130号公報に示されるものが存在し、これらの従来例のうち、前者では植付クラッチ(主作業用クラッチ18)の切り操作時には、この植付クラッチが切れる前に施肥クラッチ(補助作業用クラッチ19)を切り操作し、植付クラッチの入り操作時には植付クラッチが入る前に施肥クラッチを入り操作するものとなっている。又、後者では植付クラッチ(作業機クラッチ51)と施肥クラッチとに動力を伝える伝動系が独立して形成されると共に、これら植付クラッチと施肥クラッチ(施肥クラッチ54)とが同時に入り、切り操作されるものとなっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、植付クラッチの構造について考えるに、植付クラッチはドッグクラッチとも称せられる咬み合いクラッチに構成されると共に、切り操作を行った場合でも、植付アームの植付爪の先端が圃場面に突入した姿勢では切り状態に設定せず、植付爪が圃場面から離間したタイミングで切り状態に設定する定位置停止型に構成されている。
【0004】
このように植付クラッチが定位置停止型に構成されたものを用いることを前提として前記引例1.の構成を考えるに、この引例1.の構成ではクラッチレバーに対して植付クラッチを操作するワイヤと、施肥クラッチを操作するワイヤとを連結する構造であることから、例えば、ワイヤの端部を単純に植付クラッチの操作系に連結しただけの構造ではクラッチレバーを切り側に操作した場合でも、植付クラッチが切り状態に達するタイミングまでクラッチレバーの切り位置までの操作が阻止されることもある。又、前述と同様の前提において前記引例2.の構成を考えるに、この引例2.の構成では植付クラッチと施肥クラッチとを同時に入り切り操作する連係がどのような構造のものであるか不明であるが、前述と同様の理由から植付クラッチの切り操作を行った場合でも、植付クラッチが切り状態に達するタイミングまで施肥クラッチが切り操作されないものとなり、肥料を無駄に消費する点で改善の余地がある。
【0005】
本発明の目的は、苗の植付と同時に肥料の散布を行っている際に、操作具によって作業を停止する操作があった場合には、操作具の操作を妨げることなく即座に施肥作業を停止し得る田植機を合理的に構成する点にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の特徴(請求項1)は、圃場面に苗を移植する苗植付装置と、圃場面に肥料を供給する施肥装置とを備えた田植機において、機体を走行させる走行装置に伝えられる動力と同期した動力を前記苗植付装置に伝える植付伝動系と、前記走行装置に伝えられる動力と同期した動力を前記施肥装置に伝える施肥伝動系とを形成すると共に、苗植付装置の植付作動部が予め設定された姿勢となる切りタイミングで動力を遮断する定位置停止型の植付クラッチを前記植付伝動系に介装し、随時に動力を遮断する施肥クラッチを前記施肥伝動系に介装し、又、植付クラッチを制御する操作具を入り域から切り域に操作した際に、施肥クラッチを即時に切り作動させ、かつ、前記植付作動部が前記切りタイミングに達した状態で植付クラッチを切り作動させる連動操作機構を備えている点にあり、その作用、及び、効果は次の通りである。
【0007】
本発明の第2の特徴(請求項2)は請求項1において、前記連動操作機構が、前記操作具の切り域への操作と連動して切り域へ作動する第1作動部材と、この第1作動部材の切り域への作動に基づいて前記施肥クラッチを切り操作する施肥クラッチ操作部材と、前記操作具の切り域への操作と連動して切り域への作動が許される第2作動部材と、この第2作動部材の切り域への作動時に植付クラッチを切り操作する植付クラッチ操作部材と、第2作動部材が切り域への作動が許された状態において、この第2作動部材の作動を阻止して前記切りタイミングまで植付クラッチの入り状態を維持する融通手段とを備えて構成されている点にあり、その作用、及び、効果は次の通りである。
【0008】
本発明の第3の特徴(請求項3)は請求項2において、前記融通手段が前記第2作動部材の切り操作方向への作動を阻止するよう操作具からの操作力を前記第2作動部材に伝える連係部位に形成された長孔で構成され、この第2作動部材を植付クラッチを切り操作する方向に付勢するバネを備えている点にあり、その作用、及び、効果は次の通りである。
【0009】
本発明の第4の特徴(請求項4)は請求項1において、前記連動操作機構が、前記操作具の切り域への操作と連動して切り域へ作動する第1作動部材と、この第1作動部材の切り域への作動に基づいて前記施肥クラッチを切り操作する施肥クラッチ操作部材と、前記操作具の切り域への操作と連動して切り域へ作動する第2作動部材と、この第2作動部材の切り域への作動時に前記植付クラッチの切り操作力を伝える植付クラッチ操作部材と、この植付クラッチ操作部材からの切り操作力の作用時に植付クラッチ操作部材の作動を阻止して前記切りタイミングまで植付クラッチの入り状態を維持する融通手段とを備えて構成されている点にあり、その作用、及び、効果は次の通りである。
【0010】
本発明の第5の特徴(請求項5)は請求項4において、前記融通手段が植付クラッチ操作部材の切り操作方向への作動を阻止するよう前記第2作動部材との連係部位に形成された長孔で構成され、この植付クラッチ操作部材を植付クラッチを切り操作する方向に付勢するバネを備えている点にあり、その作用、及び、効果は次の通りである。
【0011】
本発明の第6の特徴(請求項6)は請求項1において、前記連動操作機構が、前記操作具の切り域への操作と連動して切り域に作動する単一の作動部材と、この作動部材の切り域への作動に基づいて前記施肥クラッチを切り操作する施肥クラッチ操作部材と、この作動部材の切り域への作動時に前記植付クラッチに切り操作力を伝える植付クラッチ操作部材と、この植付クラッチ操作部材からの切り操作力の作用時に植付クラッチ操作部材の作動を阻止して前記切りタイミングまで植付クラッチの入り状態の維持を許す融通手段とを備えて構成されている点にあり、その作用、及び、効果は次の通りである。
【0012】
本発明の第7の特徴(請求項7)は請求項6において、前記作動部材が支軸周りで揺動自在に構成され、この作動部材に対して前記施肥クラッチ操作部材が連係する位置から支軸までの距離を基準にして、この作動部材に対して前記植付クラッチ操作部材が連係する位置から支軸までの距離を短く設定すると共に、前記操作具の切り域への操作時には前記施肥クラッチの切り操作の後に前記植付クラッチの切り作動を許容するよう作動タイミングを設定してある点にあり、その作用、及び、効果は次の通りである。
【0013】
本発明の第8の特徴(請求項8)は請求項1において、前記施肥伝動系が後車輪へ動力を伝える伝動軸と、この伝動軸からの動力を施肥クラッチに伝える一方向クラッチとを備えて構成されている点にあり、その作用、及び、効果は次の通りである。
【0014】
本発明の第9の特徴(請求項9)は請求項1において、前記操作具が前記苗植付装置を上昇させる上昇域と、前記苗植付装置の昇降を停止する中立域と、前記苗植付装置を下降させる下降域と、前記植付クラッチ及び前記施肥クラッチの入り操作を行う入り域とに操作自在に構成されると共に、この切り域以外の操作域が前記切り域に設定され、この操作具が入り域に設定された状態で走行機体を後進させる操作が行われた場合には前記操作具を上昇域に設定する強制上昇手段を備えている点にあり、その作用、及び、効果は次の通りである。
【0015】
〔作用〕
【0016】
上記第1の特徴によると、操作具を入り域から切り域に操作した際には、連動操作部が施肥クラッチを即座に切り作動させると共に、植付作動部が切りタイミングにある場合には植付クラッチを即座に切り作動させ、植付作動部が切りタイミングでない場合でも植付作動部が切りタイミングに達した時点で植付クラッチを切り作動させ、植付クラッチを切り状態に設定するものとなる。
【0017】
上記第2の特徴によると、操作具を入り域から切り域に操作した場合には、第1作動部材が切り域に作動し、この作動に基づいて施肥クラッチ操作部材の作動力で施肥クラッチを切り操作すると共に、このように操作具を入り域から切り域に操作した場合には第2作動部材からの切り操作力が植付クラッチ操作部材を介して植付クラッチに伝えられるものとなる。又、このように切り操作力が伝えられた際に植付クラッチが切り可能なタイミングでない場合には、融通手段が操作具の切り域への作動を許しながら第2作動部材の切り方向への作動を阻止して植付クラッチの入り状態の維持を許すものとなる。
【0018】
上記第3の特徴によると、操作具を入り域から切り域に操作した際に、植付クラッチが切り可能タイミングでない場合には、この操作力が第2作動部材に伝えられる部位に形成された長孔によって第2作動部材の切り方向への作動が阻止されることで植付クラッチが入り状態を維持し、この後、植付クラッチが切り可能なタイミングに達した場合にはバネの付勢力で第2作動部材が作動し、この作動力が植付クラッチ操作部材を介して植付クラッチを切る方向に伝えられ、植付クラッチを切り操作するものとなる。
【0019】
上記第4の特徴によると、操作具を入り域から切り域に操作した場合には、第1作動部材が切り域に作動し、この作動に基づいて施肥クラッチ操作部材の作動力で施肥クラッチを切り操作すると共に、このように操作具を入り域から切り域に操作した場合には、第2作動部材が切り域に作動して植付クラッチ操作部材を介して植付クラッチに切り操作力が伝えられるものとなる。又、このように切り操作力が伝えられた際に植付クラッチが切り可能なタイミングでない場合には、融通手段が第2作動部材の切り域への作動を許しながら植付クラッチ操作部材の切り方向への作動を阻止して植付クラッチの入り状態の維持を許すものとなる。
【0020】
上記第5の特徴によると、操作具を入り域から切り域に操作した際に、植付クラッチが切り可能タイミングでない場合には、この操作力で第2作動部材が切り方向に作動するものの、この第2作動部材に形成された長孔によって植付クラッチ操作部材の切り方向への作動が阻止されることで植付クラッチが入り状態を維持し、この後、植付クラッチが切り可能なタイミングに達した場合にはバネの付勢力で植付クラッチ操作部材が作動し、この作動力で植付クラッチを切り操作するものとなる。
【0021】
上記第6の特徴によると、操作具を入り域から切り域に操作した場合には、作動部材が切り域に作動し、この作動と連動した施肥クラッチ操作部材の作動力で施肥クラッチを切り操作すると共に、この作動部材の切り域への作動に基づいて植付クラッチ操作部材を介して植付クラッチに切り操作力が伝えられるものとなる。又、このように切り操作力が伝えられた際に植付クラッチが切り可能なタイミングでない場合には融通手段が作動部材の切り域への作動を許しながら植付クラッチの入り状態の維持を許すものとなる。
【0022】
上記第7の特徴によると、操作具を入り域から切り域に操作した場合には、作動部材が支軸周りでの揺動によって入り域に達すると共に、この揺動時には施肥クラッチ操作部材を、植付クラッチ操作部材より大きいストロークで作動させて、植付クラッチより早いタイミングで施肥クラッチを確実に切り操作するものとなる。
【0023】
上記第8の特徴によると、走行時にのみ施肥クラッチを介して施肥装置を駆動することになるので圃場面に苗を移植するための走行時には、走行速度と同期したタイミングで確実に肥料の供給を行うものとなり、又、施肥クラッチが入り状態にあっても機体を後進させた場合には一方向クラッチが動力を伝えないので施肥装置から肥料が送り出されることがなく肥料を無駄に消費することもない。
【0024】
上記第9の特徴によると、操作具を入り域に設定した状態で走行機体を後進させる操作が行われた場合には、操作具を上昇域に設定するものとなり、この設定により施肥クラッチと植付クラッチとが切り操作されると共に、苗植付装置を上昇作動させるものとなる。
【0025】
〔発明の効果〕
従って、苗の植付と同時に肥料の散布を行っている作業時に、操作具によって作業を停止する操作があった場合には、連動操作機構によって操作具の操作を妨げることなく即座に施肥作業を停止すると共に、苗の移植作業も無理なく停止し得る田植機が合理的に構成されたのである(請求項1)。又、連動操作機構に2つの作動部材と融通手段を備えることで無理のない作動を可能とし(請求項2、4)、融通手段を長孔とバネとの簡単な構造で構成できるものとなり(請求項3、5)、連動操作機構に1つの作動部材と融通手段を備えることで単純な構造でありながら無理のない作動を可能とし(請求項6)、作動部材の作動形態と操作タイミングの設定によって施肥クラッチを確実迅速に切り操作できるものとなり(請求項7)、走行機体の単位距離の走行毎に施肥を行えるものにしながら後進時には肥料を無駄に消費することがなく(請求項8)、苗植付装置が下降位置にある状態で機体を後進させる操作が行われた場合には作業者が特別な操作を行わずとも施肥クラッチと植付クラッチとを切り操作しながら苗植付装置を上昇させて畦は地上突出物と苗植付装置との接触を回避できるものとなったのである(請求項9)。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、ステアリング操作される駆動型の前車輪1、及び、駆動型の後車輪2を備えた走行機体3の前部にエンジン4を搭載すると共に、この走行機体3の前部にエンジン4からの動力が伝えられる静油圧式の無段変速装置H、この無段変速装置Hからの動力が伝えられる前部位置のミッションケース5、及び、このミッションケース5からの動力が伝えられる後部位置の後車軸ケース6夫々を配置し、又、走行機体3の中央部にステアリングハンドル7と運転座席8とを配置し、走行機体3の後端部に対し油圧式のアクチュエータとしてのリフトシリンダ9で駆動昇降操作される平行4連型のリンク機構Lを介して対地作業装置としての6条植用の苗植付装置Aを連結し、走行機体3の後部に施肥装置Bを備えて田植機を構成する。
【0027】
前記ミッションケース5には左右の前車輪1,1に動力を伝える差動機構(図示せず)と、単位走行距離に対する苗植付装置Aの苗植付回数を設定する株間変速機構(図示せず)とを内蔵すると共に、このミッションケース5から苗植付装置Aに対する動力の伝動と遮断とを行う植付クラッチCとを内蔵している。又、前記後車軸ケース6には左右の後車輪2,2に動力を伝える伝動機構(図示せず・差動機構は備えていない)と、この伝動機構からの左右の後車輪2,2夫々に伝えられる動力を切り操作すると同時に制動力を作用させる左右のクラッチブレーキ機構10,10を内蔵している。尚、前後車輪1,2で走行装置が構成されている。
【0028】
又、運転座席8の前方のメータパネルMPの左側部には前記無段変速装置Hを変速操作する主変速レバー11を配置し、運転座席8の左側部には前記ミッションケース内のギヤ式の副変速装置(図示せず)を変速操作する副変速レバー12を配置し、運転座席8の右側部には苗植付装置Aの昇降制御を行う操作具としての昇降レバー13と、苗植付装置Aを圃場面Sに追従させて昇降制御する際の感度を設定する感度調節レバー14(図10を参照)とを配置してある。
【0029】
図1、図2に示すように、前記リンク機構Lは左右一対のトップリンク17と左右一対のロアーリンク18と、後端の縦リンク19とで構成され、この縦リンク19の下端部に対して、苗植付装置Aの伝動ケース20がローリング自在に連結されている。苗植付装置Aは、走行機体3から伝動軸21を介して動力が伝えられる前記伝動ケース20と、この伝動ケース20に連結する横長姿勢の角パイプ状のパイプフレーム22と、このパイプフレーム22に前端が連結固定され伝動ケース20からの動力が分岐して伝えられる3つのチェーンケース23と、夫々のチェーンケース23の後部の左右位置に横向き姿勢の軸芯周りで回転するロータリケース24と、このロータリケース24に取付けられた植付アーム25とを有すると共に、マット状苗Wを載置する苗載せ台26と、3つの整地フロート27とを備えて構成され、植付作動時には苗載せ台26に載置したマット状苗Wの下端から植付アーム25の植付爪25Aが苗を1株ずつ切り出して圃場面Sに植付ける作動を行うよう構成されている。
【0030】
図2〜図5に示すように、前記パイプフレーム22の後方にパイプフレーム22と平行姿勢の植付深さ調節軸30が軸芯周りで回動自在に備えられると共に、この植付深さ調節軸30から後方に延設した3組のアーム31の夫々の後端部に横向き姿勢の支持軸29周りで揺動自在に前記3つの整地フロート27が支持され、この植付深さ調節軸30に連結する植付深さ調節レバー32をレバーガイド33に係止保持することで、前記植付爪25Aの作動軌跡Tに対する整地フロート27の上下方向での距離を変更して圃場面Sに対する苗の植付深さを調節できるよう構成されている。左右方向での中央位置の整地フロート27の前部の左右方向での中央位置に横向き姿勢の第1支軸34周りで揺動自在に第1リンク35を備え、これと対応する位置のパイプフレーム22に横向き姿勢の第2支軸36周りで揺動自在に第2リンク37を支持し、第1リンク35と第2リンク37とを連結軸38で屈伸自在に連結することで整地フロート27の横方向への振れを阻止しながら整地フロート27の前部の上下方向への作動を案内する屈伸リンクが構成されている。
【0031】
又、平面視で前記屈伸リンクと前記植付深さ調節レバー32とに挟まれる位置の整地フロート27の上面に対して、横向き姿勢の軸39周りで揺動自在に縦長姿勢の縦リンク40を備えると共に、パイプフレーム22に対して前方に向けて片持ち状に設けたブラケット41の前端に横向きの軸42周りで揺動自在に揺動リンク43を備え、この揺動リンク43の前端側に横向き姿勢で設けたピン44を縦リンク40に対して上下方向に長手方向が向かう姿勢で穿設した長孔40Aに挿通し、縦リンク40の上端とピン44との間に引っ張り型の感知バネ45を備え、更に、この揺動リンク43の後端を前記植付深さ調節レバー32とをロッド46で連結してある。又、操作ワイヤ47のアウターワイヤ47Aの端部を縦リンク40の上端に連結固定し、この操作ワイヤ47のインナーワイヤ47Bをピン44に連結することで、苗植付装置Aが圃場面Sを基準に下方(圃場面Sに接近する側)に変位して整地フロート27の前端側が上方に揺動した際には縦リンク40の上端とピン44との距離Dが拡大してインナーワイヤ47Bを引き操作し、苗植付装置Aが圃場面Sを基準に上方(圃場面Sから離間する側)に変位して整地フロート27の前端側が下方に揺動した際には縦リンク40の上端とピン44との距離Dが縮小してインナーワイヤ47Bを弛ませるよう操作方向が設定されている。更に、例えば、植付深さ調節レバー32を深植側(同図でレバー32の操作端を下方に操作する側)に操作した場合には揺動リンク43の前端を持ち上げ側に揺動させて整地フロート27の持ち上がり量と等しいだけピン44の位置を上方に変位させることで前記距離Dの値を維持して昇降制御の感度が維持されるように構成してある。
【0032】
図1、図6、図7に示すように前記施肥装置Bは粒状や粉状の肥料を貯留するホッパー50を備えると共に、このホッパー50からの肥料を繰出す6条分の繰り出し機構51と、繰出し機構51から繰り出された肥料を風圧で送るようブロアモータ52Mで駆動される送風ブロア52と、この送風ブロア52からの送風作用によって肥料が送られる6本の施肥ホース53と、これらの施肥ホース53からの肥料を圃場面S下に送り込むよう前記整地フロート27に支持された6つの作溝器54とを備えて構成されている。又、繰り出し機構51はケース51Aに繰り出しロール51Bを内蔵して成り、この繰り出しロール51Bの回動軸を回転駆動する動力を前記ミッションケース5から後車軸ケース6に動力を伝える伝動軸56に介装した施肥クラッチFから伝えることによって走行速度と同期して肥料の繰り出しを行うよう構成されている。この施肥クラッチFはケース57に備えた切換アーム58を「入」位置(図15を参照)に操作することで伝動軸56からの動力を出力軸59に伝え、切換アーム58を「切」位置に操作することで出力軸59に動力を伝えないよう構成され、この出力軸59に備えたクランクアーム60と繰り出しロール51Bの回動軸に動力を伝える一方向クラッチ61のアーム61Aとがロッド62を介して連動連結されている。
【0033】
図8、図9に示すように、前記施肥クラッチFは、そのケース57に対して前記伝動軸56から一方向クラッチ63を介して機体3の前進時の回転動力のみが伝えられる第1ベベルギヤ64と、これに咬合する第2ベベルギヤ65と、第2ベベルギヤ65と同軸心上に配置された前記出力軸59と、この出力軸59に対してスライド操作自在なシフト部材66と、第2ベベルギヤ65の咬合爪65A及びシフト部材66の咬合爪66A夫々で成る単純な咬み合い式のクラッチ部と、このシフト部材66をスライド操作してクラッチ部の入り切りを前記切換アーム58の操作に基づいて行う操作軸67とを備えて構成されている。
【0034】
図10〜図15に示すように、機体フレーム71に対して横向き姿勢の軸芯周りで揺動自在に支持された揺動支軸72にセクタプレート73が遊転支承され、このセクタプレート73の側面に対して前後向き姿勢の支軸74周りで左右方向に揺動自在に前記昇降レバー13が支持されている。又、セクタプレート73の下部の円弧部には3つの凹部73Aが形成され、この凹部73Aに嵌まり込むローラ75を揺動端に備えた係合アーム76がバネ77で係合方向に付勢されて機体フレーム71に対して横向き姿勢の軸芯周りで揺動自在に支持されている。これらの凹部73Aにローラ75が係入するセクタプレート73の姿勢で昇降レバー13が図11に示す如く、「中立」位置、「下降」位置、「植付」位置夫々の操作位置に保持され、又、昇降レバー13を「上昇」位置に対応する位置に凹部は形成されずローラ75との接当でセクタプレート73の揺動限界を決めるストッパー部73Bがセクタプレート73に形成されている。
【0035】
機体フレーム71に対して前記感度調節レバー14の基端部に一体揺動する調節レバー軸80を横向き姿勢の軸芯周りで揺動自在に支持すると共に、この調節レバー軸80に対して回動規制片81を固設し、この回動規制片81との接当で揺動端の後方への揺動が規制される調節アーム82を該調節レバー軸80に対して相対回転自在に支持し、又、この調節アーム82と回動規制片81とを接当させるバネ83を備え、この調節アーム82の揺動端に前記操作ワイヤ47のアウターワイヤ47Aの端部を連結固定してある。尚、感度調節レバー14は図に示す如く、「敏」と「鈍」との間の領域においてレバーガイド84に係止保持されるよう構成されている。
【0036】
この調節アーム82にアウターワイヤ47Aが連結される操作ワイヤ47のインナーワイヤ47Bは後述するようにリフトシリンダ9に作動油を給排する制御弁Vと連係しており、感度調節レバー14を「敏」の側に操作した場合にはアウターワイヤ47Aを後方に送りインナーワイヤ47Bを引き操作したものと同様の状態となる結果、図3に示す整地フロート27の側のアウターワイヤ47Aの端部(縦リンク40の上端)とインナワイヤ47Bの端部(ピン44の位置)との距離Dが短縮して整地フロート27の目標姿勢が前下がり姿勢に変化すると同時に感知バネ45から整地フロート27に作用する付勢力が低下する結果、整地フロート27は容易に揺動し得る状態となり感度が高まるものとなり、「鈍」の側に操作した場合にはアウターワイヤ47Aを前方に送りインナーワイヤ47Bを弛み側に操作したものと同様の状態となる結果、整地フロート27の側のアウターワイヤ47Aの端部(縦リンク40の上端)とインナワイヤ47Bの端部(ピン44の位置)との距離Dが拡大して整地フロート27の目標姿勢が前上がり姿勢に変化すると同時に感知バネ45から整地フロート27に作用する付勢力が高まる結果、整地フロート27の揺動が抑制される状態となり感度が高まるものとなっている。
【0037】
又、前記揺動支軸72に接当アーム86を遊転支承し、この接当アーム86の上端に接当する接当ボルト87をセクタプレート73に備え、この接当アーム86の下端側にローラ式の接当部86Aが形成されている。又、揺動支軸72と平行姿勢の中間軸88を備え、この中間軸88に対して略縦向き姿勢となる第1アーム89と第2アーム90とを該中間軸88と一体揺動するよう固設し、この第1アーム89において中間軸88より上方に位置する部位に前記接当アーム86の接当部86Aが接当し得るよう夫々を相対配置してあり、第1アーム89の下端側を前方側に引き操作する戻しバネ91を設け、この第1アーム89の下側の揺動端に穿設した孔部に前記操作ワイヤ47のインナーワイヤ47Bの先端を挿通して係合により連係してある。又、戻しバネ91は操作ワイヤ92を前記主変速レバー11と連係し、この主変速レバー11を高速側に操作するほど付勢力を高めるよう操作方向が設定されている。
【0038】
又、ミッションケース5の後部上面位置に制御弁Vを連結固定し、この制御弁Vには前後向き姿勢でスライド操作自在、かつ、バネ94で後方に突出付勢されたスプール95を備えると共に、このスプール95に接当して、該スプール95を接当操作する接当操作アーム96を制御弁Vに対し縦向き姿勢の軸97周りで揺動自在に支持し、この接当操作アーム96の揺動端と第2アーム90の揺動端との間に操作ロッド98を介装してある。前記スプール95はバネ94の付勢力に抗して押し込む側に操作されることでリフトシリンダ9からの排油を行って苗植付装置Aの下降を行い、バネ94の付勢力で突出方向に作動することでリフトシリンダ9に作動油を供給して苗植付装置Aの上昇を行い、この中間位置に保持されることで作動油の給排を停止して昇降を行わないよう操作形態が設定されている。
【0039】
前記セクタプレート73に対して揺動支軸72の軸芯を中心とした円弧状の長孔73Cを形成してあり、機体下部に横向き姿勢の支軸100周りで揺動自在に支持した第1作動部材101と第2作動部材102とを支承すると共に、第1作動部材101には丸孔部101Aを穿設し、第2作動部材102には支軸100の軸芯を中心とする円弧状の長孔102Aを形成してあり、前記セクタプレート73の長孔73Cに上端が貫通し下端が第1作動部101のそして、丸孔部101Aと第2作動部材102の長孔102Aとを貫通する作動ロッド103を備えている。又、第1作動部材101と前記施肥クラッチFの切換アーム58との間にロッド状の施肥クラッチ操作部材104を介装し、第2作動部材とミッションケース5に内蔵した前記植付クラッチCの操作系との間にロッド状の植付クラッチ操作部材105を介装してある。
【0040】
前記植付クラッチCは、走行速度と同期した回転駆動力を伝える状態と、前記植付アーム25の植付爪25Aが圃場面Sから離間した位置でのみ回転駆動力を遮断する状態とに切換自在な定位置停止型の咬み合い式に構成されると共に、ロッド107の出退操作で入り切りされるよう構成され、このロッド107に一端が係合するアーム108をミッションケース5に対して縦向き姿勢の軸109周りで揺動自在に支持し、このアーム108の他端に対して前記植付クラッチ操作部材105の端部をダブルナット式に長さ調節自在に連係してある。そして、第1作動部材101には第1バネ110の付勢力を施肥クラッチFを切り操作する方向に作用させるよう連係してあり、第2作動部材102には植付クラッチCを切り操作する方向に付勢力を作用させる第2バネ111を連係させてある。
【0041】
前記係合アーム76に備えたピン113に長孔114Aを介して連係するプレート114を備えると共に、前記主変速レバー11を後進域に操作した際に、このプレート114を下方に引き操作して係合アーム76を非係合方向に作動させるよう該主変速レバー11と連係するワイヤ115をプレート114に連結し、更に、このプレート114がワイヤ115で引き操作された場合に昇降レバー13を上昇位置に操作する側にセクタプレート73を揺動させるバネ116をプレート114との間に備えてある。又、このバネ116の付勢方向に抗する方向にセクタプレート73を回動操作するよう一端を前記リンク機構Lに連係したフィードバックリンク117の他方の端部を該セクタプレート73に連係してある。この構成は、所謂バックアップ制御を行うためのものであり、主変速レバー11が後進域に操作された場合にはワイヤ115の引き操作力でセクタプレート73の凹部73Aに対するローラ75の係合を解除し、バネ116の付勢力で昇降レバー13を「上昇」位置に切り換えて苗植付装置Aの上昇を開始し、この上昇により苗植付装置Aが所定の高さまで上昇するとフィードバックリンク117からの操作力で昇降レバー13を「中立」位置に戻して上昇制御を終了するものとなっている。
【0042】
このように構成したことから、昇降レバー13を「中立」位置から「上昇」位置に操作すると、接当アーム86の接当部86Aが第1アーム89の上端を押圧する方向に接当することで中間軸88を図11において時計方向に回動させ、この回動に伴う第2アーム90の揺動で操作ロッド98が引き操作される結果、制御弁Vのスプール95がスプールバネ94の付勢力によって上昇位置に操作されリフトシリンダ9に作動油が供給されることで苗植付装置Aが上昇する。
【0043】
次に、昇降レバー13を「中立」位置から「下降」位置に操作すると、接当アーム86の接当部86Aが第1アーム89の上端から離間する方向に変位するので、戻しバネ91の付勢力で中間軸88を図11において反時計方向に回動させ、この回動に伴う第2アーム90の揺動で操作ロッド98が押し操作される結果、制御弁Vのスプール95が下降位置に操作されてリフトシリンダ9から作動油が排出されることで苗植付装置Aが下降する。又、このように苗植付装置Aが下降すると整地フロート27が圃場面Sに接触して操作ワイヤ47のインナーワイヤ47Bが緊張状態に達し、戻しバネ91の付勢力に抗して、この操作ワイヤ47からの力を第2アーム90、操作ロッド98を介して制御弁Vのスプール95に伝えて、このスプール95を中立位置Nに操作した時点で苗植付装置Aの下降が停止する。このように苗植付装置Aの下降が停止した時点で整地フロート27は目標姿勢に維持され、苗植付装置Aと圃場面Sとの相対距離の変化で整地フロート27の姿勢が目標姿勢から外れた場合には、操作ワイヤ47からの操作力で制御弁Vを操作して整地フロート27を目標姿勢の維持するよう苗植付装置Aを昇降させる自動昇降制御が行われるものとなる。そして、この自動昇降制御時に感度調節レバー14を操作した場合には、前述のようにアウターワイヤ47Aの基準位置が変化することにより整地フロート27の目標姿勢が変化し感知バネ45の付勢力が変化するので昇降制御の感度を調節し得るものとなっている。特に、整地フロート27が土塊に乗り上げた場合のように、整地フロート27が短時間のうちに大きく持ち上がった場合には、インナーワイヤ47Bが引き操作されることになるが、調節アーム82がバネ83の付勢力に抗してインナーワイヤ47Bの引き作動量を減ずる方向に揺動する結果スプール95に過大な力を作用させないものとなっている。
【0044】
次に、図16に示す如く、昇降レバー13を「下降」位置から「植付」位置に操作すると、既に接当アーム86の接当部86Aが第1アーム89の上端から離間する状態となっているので、苗植付装置Aの自動昇降制御状態は維持されたまま、セクタプレート73の長孔73Cの端部に作動ロッド103の上端部が接当してこの作動ロッド103からの操作力で第1作動部材101を揺動させ、この第1作動部材101に連係する施肥クラッチ操作部材104の力で施肥クラッチFの切換アーム58を入り操作して施肥装置Bでの施肥を開始すると共に、作動ロッド103からの操作力で第2作動部材102を揺動させ、この第2作動部材102に連係する植付クラッチ操作部材105の力で植付クラッチCの接当操作アーム108を入り操作して苗植付装置Aでの植付を開始するものとなっている。
【0045】
前述のように昇降レバー13を「植付」位置に設定した状態から、苗の植付作業を中断する場合等、図17に示す如く、昇降レバー13を「下降」位置の方向に操作した場合には、セクタプレート73の長孔73Cの端部から作動ロッド103の端部が離間する方向に変位する結果、第1作動部材101は第1バネ110の付勢力で揺動作動し、施肥クラッチ操作部材104からの力で切換アーム58を切り位置に操作して施肥クラッチFを即座に切り操作し、又、このように作動ロッド103が変位した状態では、この作動ロッド103の下端部が第2作動部材102の長孔102A内で変位自在であり、又、第2バネ111の付勢力が第2作動部材102に作用するものの、植付クラッチCが切り可能なタイミングにない場合には、同図に示す如く第2作動部材102は植付クラッチCの入り状態に対応する姿勢に維持され、植付クラッチCも入り状態を維持する。この後、植付クラッチCが切り可能なタイミングに達すると第2バネ111の付勢力によって第2作動部材102が揺動作動し、植付クラッチ操作部材105からの力で接当操作アーム96を切り位置に操作して植付クラッチCが切り状態に達する。
【0046】
このように本発明では、セクタプレート73からの力で施肥クラッチFと植付クラッチCとを操作する系、つまり、作動ロッド103、第1作動部材101、第2作動部材102、施肥クラッチ操作部材104、植付クラッチ操作部材105、第1バネ110、第2バネ11夫々で成る系で連動操作機構が構成され、又、この連係操作機構を構成する部材のうちセクタプレート73に形成された長孔73Cと第2バネ111とで融通手段が構成されている。そして、昇降レバー13の操作に基づいて施肥クラッチFを入り切り操作して施肥装置Bによる薬剤の散布の開始と停止とを行うと共に、植付クラッチCを入り切り操作して苗植付装置Aによる苗の植付開始と植付の停止とを行えるものとなっており、特に、昇降レバー13を「植付」位置から「下降」位置の方向に操作した場合、つまり、作業を停止する操作を行った場合には、昇降レバー13の操作と連係して即座に施肥クラッチFを切り操作して肥料の無駄な消費を無くし、植付クラッチCが切り可能な状態にない場合には、該植付クラッチCが切り可能なタイミングまで入り状態に維持することを許し、この切り可能なタイミングに達すると第2バネ111の付勢力で植付クラッチCを切り操作するものとなっている。
【0047】
〔別実施の形態〕
本発明は上記実施の形態以外に、以下のように連動操作機構を構成して実施することも可能である。尚、以下の別実施の形態では前記実施例と同じ機能を有するものには共通する番号、符号を記している。
【0048】
(イ)図18に示すように、前記実施の形態の変形例として、作動ロッド103を第2作動部材102に対して丸孔を介して連係することで、第1作動部材101と第2作動部材102とを同時に作動するよう連係すると共に、この第2作動部材102に対して支軸100の軸芯を中心とする円弧状の長孔102Bを形成し、この長孔102Bに対して植付クラッチ操作部材105の端部を挿通し、かつ、この植付クラッチ操作部材105に対して植付クラッチCを入り操作する方向に付勢力を作用させる第2バネ111を連係する。このように構成することによって、昇降レバー13を植付位置から下降位置に操作した場合には、図19に示す如く、上記実施の形態と同様に施肥クラッチFと植付クラッチCとを制御できるものとなる。
【0049】
(ロ)図20に示すように、作動ロッド103で揺動操作される単一の作動部材120を支軸100周りで揺動自在、かつ、バネ121で施肥クラッチFを切る方向に付勢して備えると共に、この作動部材120と施肥クラッチFの切換アーム58とを施肥クラッチ操作部材104で連係し、又、この作動部材120に対して支軸100の軸芯を中心とする円弧状の長孔120Aを形成し、この長孔120Aに対して植付クラッチ操作部材105の端部を挿通し、かつ、この植付クラッチ操作部材105に対して植付クラッチCを入り操作する方向に付勢力を作用させるバネ122を連係する。更に、支軸100の位置から作動部材120に対して植付クラッチ操作部材105が連係する位置までの距離R1に対して、支軸100の中心位置から作動部材120に対して施肥クラッチ操作部材104が連係する位置までの距離R2を大きくすると共に、植付クラッチC、施肥クラッチFとも入り状態にある際に、夫々のクラッチを切る方向に作動部材120を揺動させた場合には同図に示す如く、施肥クラッチFが先に切り状態に達し、植付クラッチCが後に切り状態に達するよう連係を設定する。
【0050】
又、本発明は上記実施の形態以外に、以下のように施肥クラッチF、植付クラッチCをアクチュエータの駆動力で操作する駆動系を備えたものに適用して実施することも可能である。尚、以下の別実施の形態では前記実施例と同じ機能を有するものには共通する番号、符号を記している。
【0051】
(ハ)図21に示すように機体フレーム71にボルト連結した補助フレーム125に対して昇降レバー13と一体的に揺動するプレート126を横向き姿勢の軸芯周りで揺動自在に支持すると共に、このプレート126の操作位置を決めるよう軸芯を中心とした円弧軌跡上に複数の貫通孔126Aを穿設し、これらの貫通孔126Aに係入するボールデテント型の位置決め手段(図示せず)を備え、このプレート126の揺動量を計測するポテンショメータ型のレバーセンサ127を補助フレーム125に備える。又、補助フレーム125に対して横向き姿勢の軸芯周りで揺動自在に検出アーム128を支持すると共に、この検出アーム128の揺動量を計測するポテンショメータ型のレベルセンサ129を備え、この検出アーム128の上端に操作ワイヤ47のインナワイヤ47Bを連係し、この検出アーム128の下端と補助フレーム125との間に引っ張りコイル型の戻しバネ130を備えてある。又、補助フレーム125に対して横向き姿勢の駆動軸131周りで回動自在にクランクアーム132を備え、このクランクアーム132を回転駆動する電動モータ133を補助フレーム125に支持してある。そして、クランクアーム132の揺動端に連結した作動ロッド103を前記第1、第2作動部材101,102に連係してある。
【0052】
そして、この構成では、苗植付装置Aが上昇位置にある状態で昇降レバー13が「植付」位置に設定されたことをレバーセンサ127で計測した場合には、電磁弁(図示せず)を電気的に操作して苗植付装置Aの昇降を行い、この苗植付装置Aの下降によって操作ワイヤ47のインナワイヤ47Bが緊張して検出アーム128の姿勢が予め設定された目標姿勢に達した場合には、この姿勢を維持するよう電磁弁を操作して苗植付装置Aの昇降を行うよう昇降の制御形態が設定され、又、昇降レバー13が「植付」位置に設定されたことをレバーセンサ127で計測した場合には、電動モータ133を予め設定されただけ作動させることで作動ロッド103を押し下げて施肥クラッチFと植付クラッチCとの入り操作を行い、この後、昇降レバー13が「植付」位置から「下降」位置の側に操作されたことをレバーセンサ127で計測した場合には、電動モータ133を逆転させることで作動ロッド103を引き上げ、前記第1、第2作動部材102,102を揺動作動させて施肥クラッチFと植付クラッチCとを切り操作するものとなる。このように施肥クラッチFと植付クラッチCとを切り操作する場合には前記実施の形態に記載した作動形態によって施肥クラッチFは即時に切り操作し、植付クラッチCは切り可能なタイミングに達するまで入り状態を維持し、このタイミングで切り状態となる。尚、この別実施の形態の(ハ)の構成を別実施の形態の(イ)や(ロ)の構成を適用することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】田植機の全体側面図
【図2】苗植付装置の側面図
【図3】整地フロートと操作ワイヤとの連係構造を示す側面図
【図4】整地フロートと操作ワイヤとの連係構造を示す正面図
【図5】整地フロートと操作ワイヤとの連係構造を示す平面図
【図6】施肥装置の後面図
【図7】施肥装置の縦断側面図
【図8】施肥クラッチの縦断面図
【図9】施肥クラッチの横断面図
【図10】昇降レバーからの操作系を示す側面図
【図11】昇降レバーの連係関係の構造を示す拡大側面図
【図12】昇降レバーの連係関係の構造を示す平面図
【図13】第1、第2作動部材の側面図
【図14】第1、第2作動部材の横断平面図
【図15】昇降レバーの連係を示す展開図
【図16】昇降レバーを植付位置に設定した状態での連係関係を示す展開図
【図17】昇降レバーを下降位置に操作した直後の連係関係を示す展開図
【図18】別実施の形態(イ)で昇降レバーを植付位置に設定した状態での連係関係を示す展開図
【図19】別実施の形態(イ)で昇降レバーを下降位置に操作した直後の連係関係を示す展開図
【図20】別実施の形態(ロ)で昇降レバーを植付位置に設定した状態での連係関係を示す展開図
【図21】別実施の形態(ハ)の操作系を示す側面図
【符号の説明】
1,2 走行装置
2 後車輪
3 機体
13 操作具
56 伝動軸
63 一方向クラッチ
101 第1作動部材
102 第2作動部材
102A 長孔
102B 長孔
104 施肥クラッチ操作部材
105 植付クラッチ操作部材
100 支軸
111 バネ
120 作動部材
A 苗植付装置
B 施肥装置
C 植付クラッチ
F 施肥クラッチ
S 圃場面
R1 距離
R2 距離

Claims (9)

  1. 圃場面に苗を移植する苗植付装置と、圃場面に肥料を供給する施肥装置とを備えた田植機であって、
    機体を走行させる走行装置に伝えられる動力と同期した動力を前記苗植付装置に伝える植付伝動系と、前記走行装置に伝えられる動力と同期した動力を前記施肥装置に伝える施肥伝動系とを形成すると共に、苗植付装置の植付作動部が予め設定された姿勢となる切りタイミングで動力を遮断する定位置停止型の植付クラッチを前記植付伝動系に介装し、随時に動力を遮断する施肥クラッチを前記施肥伝動系に介装し、又、植付クラッチを制御する操作具を入り域から切り域に操作した際に、施肥クラッチを即時に切り作動させ、かつ、前記植付作動部が前記切りタイミングに達した状態で植付クラッチを切り作動させる連動操作機構を備えている田植機。
  2. 前記連動操作機構が、前記操作具の切り域への操作と連動して切り域へ作動する第1作動部材と、この第1作動部材の切り域への作動に基づいて前記施肥クラッチを切り操作する施肥クラッチ操作部材と、前記操作具の切り域への操作と連動して切り域への作動が許される第2作動部材と、この第2作動部材の切り域への作動時に植付クラッチを切り操作する植付クラッチ操作部材と、第2作動部材が切り域への作動が許された状態において、この第2作動部材の作動を阻止して前記切りタイミングまで植付クラッチの入り状態を維持する融通手段とを備えて構成されている請求項1記載の田植機。
  3. 前記融通手段が前記第2作動部材の切り操作方向への作動を阻止するよう操作具からの操作力を前記第2作動部材に伝える連係部位に形成された長孔で構成され、この第2作動部材を植付クラッチを切り操作する方向に付勢するバネを備えている請求項2記載の田植機。
  4. 前記連動操作機構が、前記操作具の切り域への操作と連動して切り域へ作動する第1作動部材と、この第1作動部材の切り域への作動に基づいて前記施肥クラッチを切り操作する施肥クラッチ操作部材と、前記操作具の切り域への操作と連動して切り域へ作動する第2作動部材と、この第2作動部材の切り域への作動時に前記植付クラッチの切り操作力を伝える植付クラッチ操作部材と、この植付クラッチ操作部材からの切り操作力の作用時に植付クラッチ操作部材の作動を阻止して前記切りタイミングまで植付クラッチの入り状態を維持する融通手段とを備えて構成されている請求項1記載の田植機。
  5. 前記融通手段が植付クラッチ操作部材の切り操作方向への作動を阻止するよう前記第2作動部材との連係部位に形成された長孔で構成され、この植付クラッチ操作部材を植付クラッチを切り操作する方向に付勢するバネを備えている請求項4記載の田植機。
  6. 前記連動操作機構が、前記操作具の切り域への操作と連動して切り域に作動する単一の作動部材と、この作動部材の切り域への作動に基づいて前記施肥クラッチを切り操作する施肥クラッチ操作部材と、この作動部材の切り域への作動時に前記植付クラッチに切り操作力を伝える植付クラッチ操作部材と、この植付クラッチ操作部材からの切り操作力の作用時に植付クラッチ操作部材の作動を阻止して前記切りタイミングまで植付クラッチの入り状態の維持を許す融通手段とを備えて構成されている請求項1記載の田植機。
  7. 前記作動部材が支軸周りで揺動自在に構成され、この作動部材に対して前記施肥クラッチ操作部材が連係する位置から支軸までの距離を基準にして、この作動部材に対して前記植付クラッチ操作部材が連係する位置から支軸までの距離を短く設定すると共に、前記操作具の切り域への操作時には前記施肥クラッチの切り操作の後に前記植付クラッチの切り作動を許容するよう作動タイミングを設定してある請求項6記載の田植機。
  8. 前記施肥伝動系が後車輪へ動力を伝える伝動軸と、この伝動軸からの動力を施肥クラッチに伝える一方向クラッチとを備えて構成されている請求項1記載の田植機。
  9. 前記操作具が前記苗植付装置を上昇させる上昇域と、前記苗植付装置の昇降を停止する中立域と、前記苗植付装置を下降させる下降域と、前記植付クラッチ及び前記施肥クラッチの入り操作を行う入り域とに操作自在に構成されると共に、この切り域以外の操作域が前記切り域に設定され、この操作具が入り域に設定された状態で走行機体を後進させる操作が行われた場合には前記操作具を上昇域に設定する強制上昇手段を備えている請求項1記載の田植機。
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