JP4773263B2 - 水田作業機 - Google Patents
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Description
本発明は水田作業装置及び対地作業装置を備えた水田作業機において、対地作業装置の作業性を向上させることを目的としている。
(構成)
本発明の第1特徴は、水田作業機において次のように構成することにある。
機体の後部に水田作業装置を昇降機構により昇降駆動自在に支持し、対地作業装置をアクチュエータにより昇降駆動自在に支持する。人為的に操作自在な人為操作具を備え、対地作業装置が田面から上方の上方位置に位置するようにアクチュエータを作動させる上昇状態、及び対地作業装置が田面に接地可能な下方位置に位置するようにアクチュエータを作動させる下降状態を、人為操作具により設定可能に構成する。
作業状態及び非作業状態を判別する判別手段を備え、人為操作具により上昇状態が設定されると、作業状態であるか非作業状態であるかにかかわらず、対地作業装置が上方位置に位置するようにアクチュエータを作動させ、且つ、人為操作具により下降状態が設定された状態で、非作業状態であると対地作業装置が上方位置に位置するようにアクチュエータを作動させ、作業状態であると対地作業装置が下方位置に位置するようにアクチュエータを作動させる牽制手段を備える。
本発明の第1特徴によると、人為操作具により対地作業装置の上昇状態を設定しておけば、対地作業装置が上方位置に位置するので、水田作業装置を下降させて田面に接地させても対地作業装置は田面から上方に位置して田面に接地せず、水田作業装置を田面から上昇させても同様に対地作業装置は田面から上方に位置して田面に接地しない。
本発明の第1特徴によると、水田作業機が作業状態であるか非作業状態であるかを判別する判別手段が備えられており、人為操作具により対地作業装置の下降状態を設定している状態において、非作業状態が判別されると、人為操作具に関係なく対地作業装置が上方位置に自動的に上昇するのであり、水田作業装置を下降させて田面に接地させても対地作業装置は田面から上方に位置して田面に接地しない。
本発明の第1特徴によると、人為操作具により対地作業装置の下降状態を設定している状態において、作業状態が判別されると、人為操作具に従って対地作業装置が下方位置に自動的に下降するのであり、対地作業装置を田面に接地させることができる。
本発明の第1特徴によると、水田作業装置及び対地作業装置を備えた水田作業機において、対地作業装置が水田作業装置の昇降に関係なく田面に接地しない状態(対地作業装置の上昇状態)、対地作業装置を田面に接地させることができる状態(対地作業装置の下降状態で、水田作業機の作業状態の場合)、及び対地作業装置を田面から上方に位置させる状態(対地作業装置の下降状態で、水田作業機の非作業状態の場合)を設定することができるようになり、対地作業装置を水田作業機の各種の状況に対応させることができるようになって、対地作業装置の作業性を向上させることができた。
(構成)
本発明の第2特徴は、本発明の第1特徴の水田作業機において次のように構成することにある。
人為操作具とは別に、水田作業装置を昇降操作する操作レバーを機体の運転部に備える。
[III]
(構成)
本発明の第3特徴は、本発明の第1特徴又は第2特徴の水田作業機において次のように構成することにある。
水田作業装置に動力を伝動及び遮断自在な作業クラッチが伝動状態であると作業状態であると判別し、作業クラッチが遮断状態であると非作業状態と判別するように、判別手段を構成する。
本発明の第3特徴によると、本発明の第1特徴又は第2特徴と同様に前項[I]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。
水田作業機の一例である乗用型田植機では、例えば一回の植付行程(苗植付装置に動力を伝達する植付クラッチ(作業クラッチに相当)が伝動状態に操作されて、苗植付装置による苗の植え付けが行われる)が終了して畦際に達すると、植付クラッチを遮断状態に操作し苗植付装置を停止させて田面から上昇させ、畦際での旋回を開始する。畦際での旋回を終了すると、苗植付装置を田面に下降させ、植付クラッチを伝動状態に操作して次の植付行程に入る。
本発明の第3特徴によると、本発明の第1特徴又は第2特徴と同様に前項[I]に記載の「発明の効果」を備えており、これに加えて以下のような「発明の効果」を備えている。
本発明の第3特徴によると、作業クラッチの伝動及び遮断状態により作業状態及び非作業状態を判別して、対地作業装置を下方及び上方位置に適切に自動的に昇降させることができる点、及び非作業状態であるのに対地作業装置を下方位置に位置させてしまうことによる不都合を回避することができる点により、対地作業装置の作業性を向上させることができた。
(構成)
本発明の第4特徴は、本発明の第1特徴又は第2特徴の水田作業機において次のように構成することにある。
機体の走行速度が作業走行速度であると作業状態であると判別し、機体の走行速度が非作業走行速度であると非作業状態であると判別するように、判別手段を構成する。
本発明の第4特徴によると、本発明の第1特徴又は第2特徴と同様に前項[I]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。
水田作業機では水田での作業の際に、水田作業装置に適した所定の作業走行速度で走行することが多い。これに対し、路上での移動時には、作業走行速度よりも高速側の速度で走行することが多く、畦際での旋回時や畦を乗り越えながらの水田への出入り時には、作業走行速度よりも低速側の速度で走行することが多い。
本発明の第4特徴によると、本発明の第1特徴又は第2特徴と同様に前項[I]に記載の「発明の効果」を備えており、これに加えて以下のような「発明の効果」を備えている。
本発明の第4特徴によると、機体の走行速度により作業状態及び非作業状態を判別することによって、対地作業装置を下方及び上方位置に適切に自動的に位置させることができるようになり、対地作業装置の作業性を向上させることができた。
(構成)
本発明の第5特徴は、本発明の第1特徴又は第2特徴の水田作業機において次のように構成することにある。
操向操作自在な前輪の操向角度が直進位置から右及び左の設定角度の範囲内に位置していると作業状態であると判別し、前輪の操向角度が右及び左の設定角度を越えて右及び左側に位置していると非作業状態であると判別するように、判別手段を構成する。
本発明の第5特徴によると、本発明の第1特徴又は第2特徴と同様に前項[I]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。
前項[III]に記載のように、水田作業機の一例である乗用型田植機では、例えば一回の植付行程が終了して畦際に達すると、苗植付装置を田面から上昇させて、前輪を大きく右又は左に操向操作して畦際での旋回を開始する。畦際での旋回を終了すると、前輪を直進位置の付近に戻し操作し、苗植付装置を田面に下降させて次の植付行程に入る。
本発明の第5特徴によると、本発明の第1特徴又は第2特徴と同様に前項[I]に記載の「発明の効果」を備えており、これに加えて以下のような「発明の効果」を備えている。
本発明の第5特徴によると、前輪の操向角度により作業状態及び非作業状態を判別することによって、対地作業装置を下方及び上方位置に適切に自動的に位置させることができるようになり、対地作業装置の作業性を向上させることができた。
(構成)
本発明の第6特徴は、本発明の第1〜第5特徴の水田作業機のうちのいずれか一つにおいて次のように構成することにある。
非作業状態から作業状態に切り換わった時点から設定時間の経過後に、アクチュエータが作動して対地作業装置が下方位置に位置するように、牽制手段を構成する。
本発明の第6特徴によると、本発明の第1〜第5特徴のうちのいずれか一つと同様に前項[I]〜[V]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。
水田作業機において非作業状態から作業状態に切り換わった場合、水田作業装置による作業が安定するまで少し時間が掛かることがあるので、本発明の第6特徴によると、水田作業装置の作業が安定してから、対地作業装置が下方位置に位置して作業を開始する。
本発明の第6特徴によると、本発明の第1〜第5特徴のうちのいずれか一つと同様に前項[I]〜[V]に記載の「発明の効果」を備えており、これに加えて以下のような「発明の効果」を備えている。
本発明の第6特徴によると、水田作業装置の作業が安定してから、対地作業装置が下方位置に位置して作業を開始するようになるので、水田作業装置の作業が安定する前に対地作業装置が下方位置に位置することによる不都合を回避することができて、対地作業装置の作業性を向上させることができた。
(構成)
本発明の第7特徴は、本発明の第1〜第6特徴の水田作業機のうちのいずれか一つにおいて次のように構成することにある。
人為操作具により下降状態が設定された状態で、作業状態であることにより対地作業装置が下方位置に位置するようにアクチュエータが作動している状態において、人為操作具により上昇状態が設定されると、アクチュエータが作動して対地作業装置が上方位置に位置するように、牽制手段を構成する。
本発明の第7特徴によると、本発明の第1〜第6特徴のうちのいずれか一つと同様に前項[I]〜[VI]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。
本発明の第7特徴によると、対地作業装置が下方位置に位置して田面に接地している状態において、例えば対地作業装置に泥等が詰まって作動不良の状態になった場合、人為操作具により上昇状態を設定することによって、対地作業装置を上方位置に位置させることができるのであり、対地作業装置の作動不良を回避することができる。
本発明の第7特徴によると、本発明の第1〜第6特徴のうちのいずれか一つと同様に前項[I]〜[VI]に記載の「発明の効果」を備えており、これに加えて以下のような「発明の効果」を備えている。
本発明の第7特徴によると、対地作業装置が下方位置に位置して田面に接地している状態において、人為操作具により任意に対地作業装置を上方位置に位置させることができるようになり、対地作業装置の作動不良を回避することができるようになって、対地作業装置の作業性を向上させることができた。
(構成)
本発明の第8特徴は、本発明の第1〜第7特徴の水田作業機のうちのいずれか一つにおいて次のように構成することにある。
牽制手段に優先して対地作業装置が下方位置に位置するようにアクチュエータを作動させる強制下降手段を備える。
本発明の第8特徴によると、本発明の第1〜第7特徴のうちのいずれか一つと同様に前項[I]〜[VII]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。
本発明の第7特徴によると、水田作業機が非作業状態であっても、水田作業機の状況に応じて、強制下降手段により対地作業装置を下方位置に位置させ、対地作業装置を田面に接地させることができる。これにより、水田作業機の非作業状態において、対地作業装置を田面に接地させて対地作業を行わせる状態を得ることができる。
本発明の第8特徴によると、本発明の第1〜第7特徴のうちのいずれか一つと同様に前項[I]〜[VII]に記載の「発明の効果」を備えており、これに加えて以下のような「発明の効果」を備えている。
本発明の第8特徴によると、水田作業機の非作業状態において、対地作業装置を田面に接地させて対地作業を行わせる状態を得ることができるようになり、対地作業装置を水田作業機の各種の状況に対応させることができるようになって、対地作業装置の作業性を向上させることができた。
図1に示すように、右及び左の前輪1、右及び左の後輪2で支持された機体の後部に、リンク機構3により6条植型式の苗植付装置5(水田作業装置に相当)が昇降自在に支持され、リンク機構3を昇降駆動する油圧シリンダ4(昇降機構に相当)が備えられて、水田作業機の一例である乗用型田植機が構成されている。
図1,2,4に示すように、苗植付装置5は、1個のフィードケース17、3個の伝動ケース6、伝動ケース6の後部に回転駆動自在に支持された一対の回転ケース7、回転ケース7の両端に備えられた一対の植付アーム8、中央のセンターフロート9及びサイドフロート11、6個の苗のせ面を備えて左右方向に往復横送り駆動される苗のせ台10、苗のせ台10の苗のせ面の各々に備えられた縦送り機構25等を備えて構成されている。左右方向に配置された支持フレーム18に、フィードケース17及び伝動ケース6が固定されており、フィードケース17がリンク機構3の後部下部の前後軸芯P1(図3参照)周りにローリング自在に支持されている(苗植付装置5がリンク機構3の後部下部の前後軸芯P1周りにローリング自在に支持されている)。
次に、苗植付装置5の植付制御手段について説明する。
図2,5,7に示すように、伝動ケース6の下部の横軸芯P4周りに支持軸41が回転自在に支持されて、支持軸41に固定された支持アーム41aが後方に延出されており、支持アーム41aの後端の横軸芯P5周りに、センターフロート9及びサイドフロート11の後部が上下に揺動自在に支持されている。図3及び図7に示すように、人為的に操作可能な植付設定高さレバー42が支持軸41に固定されて前方上方に延出されており、支持フレーム18に固定されたレバーガイド43に植付設定高さレバー42が挿入されている。
次に、苗植付装置5のローリング制御手段について説明する。
前項[1]の記載及び図3に示すように、フィードケース17がリンク機構3の後部下部の前後軸芯P1周りにローリング自在に支持されている(苗植付装置5がリンク機構3の後部下部の前後軸芯P1周りにローリング自在に支持されている)。図3及び図7に示すように、フィードケース17に傾斜センサー48が固定されて、水平面(田面G)に対する苗植付装置5の左右方向の傾斜角度が傾斜センサー48によって検出されており、傾斜センサー48の検出値が制御装置40に入力されている。
次に、整地装置53(対地作業装置に相当)について説明する。
図2,3,4に示すように、支持フレーム18の左の端部にボス部材64が固定され、伝動軸23及び入力軸32の横軸芯P2周りに、伝動ケース81がボス部材64に上下に揺動自在に支持されている。支持フレーム18の右の端部にブラケット82が固定され、ブラケット82の横軸芯P2(伝動軸23及び入力軸32の横軸芯P2)周りに、支持アーム83が上下に揺動自在に支持されており、伝動ケース81及び支持アーム83に亘って、断面正方形状の駆動軸61が回転自在に支持されている。
次に、整地装置53の駆動構造及び昇降駆動構造について説明する。
図4に示すように、入力軸32に接続された伝動軸75が、ボス部材64及び伝動ケース81の内部に配置されている。伝動ケース81の内部において、伝動軸75にスプロケット78が相対回転自在に外嵌され、駆動軸61にスプロケット79が固定されて、スプロケット78,79に亘って伝動チェーン80が巻回されており、伝動軸75とスプロケット78との間にトルクリミッター77が備えられている。
次に、整地装置53の整地制御手段について説明する。
前項[2]、図5及び図7に示すように、ポテンショメータ68の検出値が設定検出値B1(植付設定高さA1(設定深さ))となるように(田面G(センターフロート9)から苗植付装置5までの高さ(植付アーム8による苗の植付深さ)が、植付設定高さA1(設定深さ)となるように)、油圧シリンダ4により苗植付装置5が昇降駆動された状態において、ポテンショメータ74により苗植付装置5に対する整地装置53(駆動軸61及び回転体62)の高さが検出され、田面Gから整地装置53(例えば駆動軸61の軸芯の位置)までの高さが制御装置40で演算される。
図7に示すように、設定検出値B1(植付設定高さA1(設定深さ))が下側に変更されると(苗植付装置5(植付アーム8)による苗の植付深さが深側に変更されると)、整地装置53(駆動軸61及び回転体62)の位置が、苗植付装置5に対して上方に変更されて、田面Gから整地装置53(例えば駆動軸61の軸芯の位置)までの高さが整地設定高さA2(整地深さ)に維持される。
次に、苗植付装置5の油圧シリンダ4による昇降駆動、及び整地装置53の電動モータ56による昇降駆動(上昇)について、図8に基づいて説明する。
図1及び図7に示すように、機体の運転部において、前輪1を操向操作する操縦ハンドル88の右下側に操作レバー73が備えられ、操縦ハンドル88の左下側に昇降レバー76(人為操作具に相当)が備えられている。操作レバー73は上位置U1及び下位置D1、中立位置Nに操作自在で、中立位置Nに付勢されており、操作レバー73の操作位置が制御装置40に入力されている。昇降レバー76は上位置U2及び下位置D2に操作自在で、昇降レバー76の操作位置が制御装置40に入力されている。植付クラッチ87が伝動及び遮断状態にあることを検出する植付クラッチセンサー85(判別手段に相当)が備えられており、植付クラッチセンサー85の検出値が制御装置40に入力されている。
前項[2][6]及び図7に示すように、ポテンショメータ68の検出値が設定検出値B1(植付設定高さA1(設定深さ))となるように(田面G(センターフロート9)から苗植付装置5までの高さ(植付アーム8による苗の植付深さ)が、植付設定高さA1(設定深さ)となるように)、苗植付装置5が昇降駆動される状態(植付制御手段の作動状態)となり、
田面Gから整地装置53(例えば駆動軸61の軸芯の位置)までの高さが整地設定高さA2(整地深さ)となるように、整地装置53が苗植付装置5に対して昇降駆動される状態(整地制御手段の作動状態)(下方位置A4)(昇降レバー73の下位置D2)となって、
苗植付装置5及び整地装置53が水平に維持されるように(田面Gと左右方向で平行に維持されるように)、苗植付装置5及び整地装置53が前後軸芯P1周りにローリング駆動される状態(ローリング制御手段の作動状態)となっている。
次に、苗植付装置5の油圧シリンダ4による昇降駆動、及び整地装置53の電動モータ56による昇降駆動(下降)について、図8及び図9に基づいて説明する。
前項[7]及び図10に示すように、畦際での旋回を半分程度終了した状態において(位置KK2)、操作レバー73を下位置D1に操作すると(下位置D1に操作して中立位置Nに戻し操作すると)(ステップS1)、植付及び施肥クラッチ87,90が遮断状態に保持され(苗植付装置5及び繰り出し部13、整地装置53の停止状態)、整地装置53が上方位置A3に保持された状態で、苗植付装置5が下降し(ステップS11,S12)、センターフロート9が田面Gに接地すると(ステップS13)、苗植付装置5の下降が停止して(ステップS14)、前項[2][3]に記載の植付制御手段及びローリング制御手段が作動する(ステップS15)。
前項[8]及び図9のステップS11〜S15の状態において、操作レバー73を下位置D1にもう一度操作すると(下位置D1に操作して中立位置Nに戻し操作すると)(ステップS1,S11)、植付及び施肥クラッチ87,90が伝動状態に操作され(苗植付装置5及び繰り出し部13、整地装置53の停止状態)(ステップS21,S22)、次に操作レバー73を下位置D1にもう一度操作すると(下位置D1に操作して中立位置Nに戻し操作すると)(ステップS1,S11)、植付及び施肥クラッチ87,90が遮断状態に操作される(苗植付装置5及び繰り出し部13、整地装置53の停止状態)(ステップS21,S31)。このようにステップS11〜S15の状態において、操作レバー73を下位置D1に操作することを繰り返すことにより(下位置D1に操作して中立位置Nに戻し操作することを繰り返すことにより)、植付及び施肥クラッチ87,90の伝動及び遮断状態(苗植付装置5及び繰り出し部13、整地装置53の作動及び停止状態)を交互に現出させることができる。
図1に示すように、運転座席31の右横側に昇降操作レバー92が備えられており、昇降操作レバー92は上昇位置、中立位置、下降位置及び植付位置に操作自在に構成されている。昇降操作レバー92を上昇位置に操作すると、植付及び施肥クラッチ87,90が遮断状態に操作されて、前項[2][3]に記載の植付制御手段及びローリング制御手段が停止した状態で、苗植付装置5が上昇する。昇降操作レバー92を中立位置に操作すると、植付及び施肥クラッチ87,90が遮断状態に操作されて、前項[2][3]に記載の植付制御手段及びローリング制御が停止した状態で、苗植付装置5の昇降が停止する。
前述の[発明を実施するための最良の形態]において、植付クラッチ87の伝動及び遮断状態により作業及び非作業状態を判別する構成に代えて、以下に示すように構成してもよい。
走行用として静油圧式無段変速装置(図示せず)及びギヤ変速式の副変速装置(図示せず)が備えられており、副変速装置を低速及び高速位置に操作する副変速レバー(図示せず)が備えられている。図1に示すように、静油圧式無段変速装置を操作する主変速レバー72が備えられて、エンジン49のアクセルと変速レバー72とが機械的に連係されており、変速レバー72を高速側に操作するとエンジン49のアクセルも高速側に操作される。エンジン49の回転数と機体の走行速度とが所定の関係となるので、エンジン49の回転数を検出する回転数センサー(図示せず)が備えられ、回転数センサーの検出値が制御装置40に入力されており、回転数センサーの検出値及び副変速レバーの操作位置(低速及び高速位置)により機体の走行速度が制御装置40で算出される。
副変速レバーが低速位置に操作されている状態において、主変速レバー72が低速側に操作されて、回転数センサーの検出値(機体の走行速度)が設定速度よりも低速側になると(又は植付クラッチ87が遮断状態に操作されると)、畦際での旋回時(図10の旋回前半及び旋回後半行程K2,K3参照)や、畦を乗り越えながらの水田への出入り時であると判断されて、非作業状態であると判別される。
副変速レバーが低速位置に操作されている状態において、主変速レバー72が高速側に操作されて、回転数センサーの検出値(機体の走行速度)が設定速度よりも高速側になると、植付走行状態(図10の植付行程K1,K4参照)であると判断されて、作業状態であると判別される。
前述の[発明を実施するための最良の形態]において、植付クラッチ87の伝動及び遮断状態により作業及び非作業状態を判別する構成に代えて、以下に示すように構成してもよい。
前輪1の操向角度を検出する操向角度センサー(図示せず)を備えて、前輪1の操向角度が直進位置から右及び左の設定角度の範囲内に位置していると、植付走行状態(図10の植付行程K1,K4参照)であると判断されて、作業状態であると判別される。前輪1の操向角度が右及び左の設定角度を越えて右及び左側に位置していると、畦際での旋回時(図10の旋回前半及び旋回後半行程K2,K3参照)であると判断されて、非作業状態であると判別される。
前述の[発明を実施するための最良の形態]において、植付クラッチ87の伝動及び遮断状態により作業及び非作業状態を判別する構成に代えて、以下に示すように構成してもよい。
図1及び図4に示すように、エンジン49の動力が植付クラッチ87及びPTO軸22を介して、入力軸28、伝動チェーン30、伝動軸23及び入力軸32を介して、駆動軸61及び回転体62(整地装置53)に伝達されるように構成するのではなく、エンジン49から前輪1及び後輪2に伝達される動力を分岐させ、この動力を駆動軸61及び回転体62(整地装置53)に伝達されるように構成する。このように構成すると、植付クラッチ87の伝動及び遮断状態に関係なく、機体が走行すると(前輪1及び後輪2に動力が伝達されると)、駆動軸61及び回転体62(整地装置53)に動力が伝達される。
前輪1の操向角度が右及び左の設定角度を越えて右及び左側に位置していると、畦際での旋回時(図10の旋回前半及び旋回後半行程K2,K3参照)であると判断されて、作業状態であると判別される。この場合、植付クラッチ87を遮断状態に操作するが、苗植付装置5を上昇させずに、センターフロート9及びサイドフロート11を田面Gに接地させる状態に維持する。これにより、畦際での旋回時に前輪1及び後輪2によって荒らされる田面Gが、整地装置53によって整地される。
前述の[発明を実施するための最良の形態][発明の実施の第1別形態]〜[発明の実施の第3別形態]において、以下のように構成してもよい。
図11に示すように、昇降レバー76に対し上位置U2及び下位置D2に加えて、下位置D2の下側に強制下位置D3を備え、昇降レバー76を上位置U2及び下位置D2、強制下位置D3に操作自在に構成する。
この場合、昇降レバー76に対して強制下位置D3を備えるのではなく、昇降レバー76とは別に、人為的に操作自在な強制下降レバー(又は強制下降スイッチ)(図示せず)を備えて、強制下降レバー(又は強制下降スイッチ)の操作により、植付及び施肥クラッチ87,90の伝動及び遮断状態に関係なく、整地装置53が下方位置A4に位置するように構成してもよい(強制下降手段に相当)。
前述の[発明を実施するための最良の形態][発明の実施の第1別形態]〜[発明の実施の第4別形態]において、整地装置53を苗植付装置5に支持させるのではなく、整地装置53を機体の後部に昇降駆動自在に支持したり、整地装置53をリンク機構3に昇降駆動自在に支持したりしてもよい。この場合、整地装置53を機体の後部に昇降駆動自在に支持すると、苗植付装置5が上昇して上限位置で停止していても、[発明の実施の第4別形態]に記載の強制下降手段により、整地装置53を下方位置A4に位置させて田面Gに接地させることが可能になる。
水田作業装置及び対地作業装置として、施肥装置、直播装置、薬剤散布装置及び米ぬか散布装置、溝切り器(不耕起田植用の溝)、溝切り器(排水用の溝)、シート敷設装置(ロール状に巻かれたシート(雑草防止用)を田面に展開させながら敷設する)を備えてもよい。
4 昇降機構
5 水田作業装置
40 牽制手段
53 対地作業装置
56 アクチュエータ
73 操作レバー
76 人為操作具
85 判別手段
87 作業クラッチ
A3 上方位置
A4 下方位置
T1 設定時間
G 田面
Claims (8)
- 機体の後部に水田作業装置を昇降機構により昇降駆動自在に支持し、対地作業装置をアクチュエータにより昇降駆動自在に支持して、
人為的に操作自在な人為操作具を備え、
前記対地作業装置が田面から上方の上方位置に位置するようにアクチュエータを作動させる上昇状態、及び前記対地作業装置が田面に接地可能な下方位置に位置するようにアクチュエータを作動させる下降状態を、前記人為操作具により設定可能に構成すると共に、
作業状態及び非作業状態を判別する判別手段を備え、
前記人為操作具により上昇状態が設定されると、作業状態であるか非作業状態であるかにかかわらず、前記対地作業装置が上方位置に位置するようにアクチュエータを作動させ、且つ、前記人為操作具により下降状態が設定された状態で、非作業状態であると前記対地作業装置が上方位置に位置するようにアクチュエータを作動させ、作業状態であると前記対地作業装置が下方位置に位置するようにアクチュエータを作動させる牽制手段を備えてある水田作業機。 - 前記人為操作具とは別に、前記水田作業装置を昇降操作する操作レバーを機体の運転部に備えてある請求項1記載の水田作業機。
- 前記水田作業装置に動力を伝動及び遮断自在な作業クラッチが伝動状態であると作業状態であると判別し、前記作業クラッチが遮断状態であると非作業状態と判別するように、前記判別手段を構成してある請求項1又は2記載の水田作業機。
- 機体の走行速度が作業走行速度であると作業状態であると判別し、機体の走行速度が非作業走行速度であると非作業状態であると判別するように、前記判別手段を構成してある請求項1又は2記載の水田作業機。
- 操向操作自在な前輪の操向角度が直進位置から右及び左の設定角度の範囲内に位置していると作業状態であると判別し、前輪の操向角度が右及び左の設定角度を越えて右及び左側に位置していると非作業状態であると判別するように、前記判別手段を構成してある請求項1又は2記載の水田作業機。
- 非作業状態から作業状態に切り換わった時点から設定時間の経過後に、前記アクチュエータが作動して対地作業装置が下方位置に位置するように、前記牽制手段を構成してある請求項1〜5のうちのいずれか一つに記載の水田作業機。
- 前記人為操作具により下降状態が設定された状態で、作業状態であることにより前記対地作業装置が下方位置に位置するようにアクチュエータが作動している状態において、前記人為操作具により上昇状態が設定されると、前記アクチュエータが作動して対地作業装置が上方位置に位置するように、前記牽制手段を構成してある請求項1〜6のうちのいずれか一つに記載の水田作業機。
- 前記牽制手段に優先して対地作業装置が下方位置に位置するようにアクチュエータを作動させる強制下降手段を備えてある請求項1〜7のうちのいずれか一つに記載の水田作業機。
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