JP7113738B2 - 作業機 - Google Patents

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Description

本発明は、走行機体の後部に上下に揺動可能に支持されて後側に延出されたリンク機構の後部に、作業装置が支持された作業機に関する。
前述のような作業機の一例である乗用型田植機では、特許文献1に開示されているように、リンク機構の上限位置及び下限位置において、作業装置のローリングを止める機構が設けられているものがある。
特許文献1では、苗植付装置において、硬質ゴム製等の上限位置用及び下限位置用のクッション部が設けられており、上限位置用及び下限位置用のクッション部が上側を向くように設定されている。
特許文献1において、リンク機構が上限位置に上昇操作されると、リンク機構が上限位置用のクッション部に上側から当たり(特許文献1の図3参照)、作業装置のローリングが止められる。リンク機構が下限位置に下降操作されると、リンク機構が下限位置用のクッション部に上側から当たり、作業装置のローリングが止められる。
特開2016-136896号公報(図3,4,7,8参照)
特許文献1では、上限位置用のクッション部と、下限位置用のクッション部とが、別々に設けられているので、構造の簡素化の面で改善の余地がある。
本発明は、リンク機構の後部に作業装置が支持された作業機において、作業装置のローリングを止める構造が、簡素化されることを目的としている。
本発明の作業機は、走行機体と、前記走行機体の後部に上下に揺動可能に支持されて後側に延出されたリンク機構と、前記リンク機構の後部に支持された作業装置と、が備えられ、前記作業装置が、前記リンク機構の後部にて前後方向の軸芯周りにローリング可能に支持され、前記リンク機構及び前記作業装置の一方に受け部材が備えられ、前記リンク機構が上限位置に位置した状態において、前記受け部材の上部及び下部の一方と、前記リンク機構及び前記作業装置の他方とが上下方向から当たることによって、前記作業装置のローリング作動が阻止され、前記リンク機構が下限位置に位置した状態において、前記受け部材の上部及び下部の他方と、前記リンク機構及び前記作業装置の他方とが上下方向から当たることによって、前記作業装置のローリング作動が阻止される。
本発明によれば、例えば、受け部材が作業装置に設けられた場合、リンク機構が上限位置に上昇操作されると、受け部材の上部及び下部の一方と、リンク機構とが上下方向から当たることによって、作業装置のローリング作動が阻止される。
リンク機構が下限位置に下降操作されると、受け部材の上部及び下部の他方と、リンク機構とが上下方向から当たることによって、作業装置のローリング作動が阻止される。
例えば、受け部材がリンク機構に設けられた場合、リンク機構が上限位置に上昇操作されると、受け部材の上部及び下部の一方と、作業装置とが上下方向から当たることによって、作業装置のローリング作動が阻止される。
リンク機構が下限位置に下降操作されると、受け部材の上部及び下部の他方と、作業装置とが上下方向から当たることによって、作業装置のローリング作動が阻止される。
以上のように、本発明によると、受け部材の上部及び下部が、作業装置のローリング作動阻止用に共用されて、作業装置のローリング作動を止める構造が簡素化される。
本発明によると、受け部材の上部及び下部は、受け部材の範囲の中で互いに離れて、互いに影響を及ぼし難い状態であり、互いに独立した状態に近い。
これにより、リンク機構の上限位置及び下限位置において、受け部材の上部及び下部にリンク機構又は作業装置が当たっても、受け部材の耐久性の向上という面で有利である。
本発明において、前記作業装置が、前記リンク機構の後部に前後方向の軸芯周りにローリング可能に支持され、前記リンク機構及び前記作業装置の他方に設けられたロック部材が備えられて、前記リンク機構が前記上限位置及び前記下限位置の一方に位置した状態において、前記ロック部材と前記受け部材の横側の受け部とが、左右方向から当たることによって、前記リンク機構に対する前記作業装置のローリング作動が阻止されると好適である。
本発明によると、作業装置がリンク機構の後部に前後方向の軸芯周りにローリング可能に支持された場合、受け部材が作業装置に設けられると、ロック部材がリンク機構に設けられるのであり、受け部材がリンク機構に設けられると、ロック部材が作業装置に設けられる。
本発明によると、リンク機構が上限位置及び下限位置の一方に位置した状態で、ロック部材と受け部材の横側の受け部(受け部材の上部及び下部とは異なる部分)とが、左右方向から当たることにより、リンク機構に対する作業装置のローリング作動が阻止される。
本発明によると、受け部材の上部及び下部、横側の受け部というように、受け部材において、特定の部分が何回も使用されるという状態が避けられて、受け部材の耐久性の向上という面で有利である。
本発明において、前記作業装置が前記走行機体に対して左右方向で平行、且つ、前記リンク機構が前記上限位置及び前記下限位置の一方に位置した状態において、前記ロック部材と前記受け部材の前記受け部とが、左右方向で所定の間隔を開けて対向すると好適である。
作業機において、作業装置が走行機体に対して左右方向で平行な状態で、リンク機構に対する作業装置のローリング作動が阻止されるように構成されることが多い。リンク機構が上限位置に向けて上昇操作されると(下限位置に向けて下降操作されると)、ロック部材と受け部材とが接近していき、リンク機構が上限位置(下限位置)に位置した状態で、ロック部材と受け部材の受け部とが左右方向で対向する状態となる。
この場合、作業装置が走行機体に対して左右方向で傾斜した状態で、リンク機構が上昇操作(下降操作)されると、リンク機構が上限位置(下限位置)に達する前に、ロック部材と受け部材とが接触して、ロック部材と受け部材の受け部とが左右方向で対向する状態になることができないことがある。
本発明によると、作業装置が走行機体に対して左右方向で平行、且つ、リンク機構が上限位置及び下限位置の一方に位置した状態において、ロック部材と受け部材の受け部とが、左右方向で所定の間隔を開けて対向する。
これにより、作業装置が走行機体に対して左右方向で少し傾斜した状態(所定の間隔で許容される傾斜の状態)で、リンク機構が上昇操作(下降操作)されても、ロック部材と受け部材との接触を避けながら、ロック部材と受け部材の受け部とが左右方向で対向する状態となる。
本発明において、前記受け部材の上下中間部が、前記リンク機構及び前記作業装置の一方に設けられた取付部に取り付けられることにより、前記受け部材が、前記リンク機構及び前記作業装置の一方に設けられ、前記受け部材の前記上部が、前記受け部材における前記取付部の上側の部分に設けられ、前記受け部材の前記下部が、前記受け部材における前記取付部の下側の部分に設けられていると好適である。
本発明によると、受け部材がリンク機構(作業装置)の取付部に取り付けられる場合、受け部材の上下中間部が、リンク機構(作業装置)の取付部に取り付けられており、受け部材の上部がリンク機構(作業装置)の取付部の上側に位置し、受け部材の下部がリンク機構(作業装置)の取付部の下側に位置するような状態となる。
これにより、リンク機構(作業装置)の取付部の影響を受けることなく、受け部材の上部及び下部を適切な形状に設定することが、無理なく行われる。
乗用型田植機の左側面図である。 苗植付装置及び整地装置の左側面図である。 苗植付装置及び整地装置の正面図である。 苗植付装置及び整地装置の平面図である。 フロートの付近の左側面図である。 制御装置と各部との連係状態を示す概念図である。 リンク機構が上限位置に上昇操作された状態におけるフィードケース、ロック部材及び受け部材の付近の正面図である。 リンク機構が上限位置に上昇操作された状態におけるフィードケース、ロック部材及び受け部材の付近の平面図である。 リンク機構が上限位置に上昇操作された状態におけるフィードケース、ロック部材及び受け部材の付近の左側面図である。 リンク機構が下限位置に下降操作された状態におけるフィードケース、ロック部材及び受け部材の付近の左側面図である。 ロック部材の斜視図である。 受け部材の斜視図である。 受け部材の斜視図である。 受け部材の縦断正面図である。 発明の実施の第1別形態において、制御装置と各部との連係状態を示す概念図である。 発明の実施の第2別形態において、フィードケース、ロック部材及び受け部材の付近の左側面図である。 発明の実施の第2別形態において、フィードケース、ロック部材及び受け部材の付近の正面図である。
図1~図17に、作業機の一例である乗用型田植機が示されている。図1~図17において、Fは前方向を示し、Bは後方向を示し、Uは上方向を示し、Dは下方向を示している。Rは右方向を示し、Lは左方向を示している。
(乗用型田植機の全体構成)
図1に示すように、乗用型田植機は、右及び左の前輪1、右及び左の後輪2を備えた走行機体3の後部に、リンク機構4が上下に揺動可能に支持されて後側に延出されており、リンク機構4を昇降操作する油圧シリンダ5が設けられている。
苗植付装置6(作業装置に相当)が、リンク機構4の後部に前後方向の軸芯P1(図2及び図3参照)周りにローリング可能に支持されている。走行機体3の後部及び苗植付装置6に亘って、田面Gに肥料を供給する施肥装置7が設けられており、苗植付装置6の前側の下部に、田面Gを整地する整地装置50が支持されている。
(苗植付装置の全体構成)
図1,2,4に示すように、苗植付装置6に、支持フレーム8、フィードケース14、植付伝動ケース9、回転ケース10、植付アーム11、フロート12、苗のせ台13等が設けられている。
支持フレーム8は、アルミの引き抜き工法によって製作されており、台形状の断面形状を備えている(図5参照)。支持フレーム8が左右方向に沿って配置されており、支持フレーム8の左右中央にフィードケース14が連結され、2個の植付伝動ケース9が支持フレーム8の右部及び左部に連結されて後側に延出されている。
植付伝動ケース9の後部の右部及び左部に、回転ケース10が回転可能に支持され、回転ケース10の両端に、植付アーム11が支持されている。苗のせ台13が、左右方向に往復移動可能に支持されている。
リンク機構4の後部の下部の前後方向の軸芯P1周りに、フィードケース14がローリング可能に支持されており、苗植付装置6の全体が軸芯P1周りにローリング可能に支持されている。
図1,2,4に示すように、走行機体3の前部に搭載されたエンジン34の動力が、植付クラッチ69(図6参照)から伝動軸35を介して、フィードケース14の内部の伝動機構(図示せず)に伝達されて、フィードケース14に設けられた横送り軸(図示せず)により、苗のせ台13が所定のストロークで左右方向に往復横送り駆動される。
フィードケース14の伝動機構に伝達された動力が、伝動軸36、植付伝動ケース9の内部のトルクリミッター37、伝動チェーン38及び少数条クラッチ39を介して、回転ケース10に伝達される。苗のせ台13が左右方向に往復横送り駆動されるのに伴って、回転ケース10が回転駆動され、苗のせ台13の下部から植付アーム11が交互に苗を取り出して田面Gに植え付ける。
(施肥装置の全体構成)
図1,2,4に示すように、施肥装置7に、ホッパー15、繰り出し部16、ブロア17、作溝器18及びホース19等が設けられている。
走行機体3において運転座席20の後側に、肥料を貯留するホッパー15及び繰り出し部16が支持されており、繰り出し部16の左の横外側にブロア17が設けられている。
フロート12に作溝器18が取り付けられて、4個の作溝器18が設けられており、繰り出し部16と作溝器18とに亘って4本のホース19が接続されている。
エンジン34の動力が、施肥クラッチ70(図6参照)を介して繰り出し部16に伝達されて、ホッパー15の肥料が繰り出し部16により繰り出され、ブロア17の搬送風によりホース19を通って作溝器18に供給される。作溝器18により田面Gに溝が形成されながら、作溝器18から田面Gの溝に肥料が供給される。
(整地装置の全体構成)
図1~図4に示すように、苗植付装置6の前部の下部において、支持フレーム8の前側に、田面Gを整地する整地装置50が支持されている。
支持フレーム8の左の端部及び右の端部に連結された支持部材23に、支持部材44,45が連結されている。伝動軸36と同一の軸芯P6周りに、伝動ケース46が上下に揺動可能に支持部材44に支持され、支持アーム47が上下に揺動可能に支持部材45に支持されている。
伝動ケース46及び支持アーム47の前部に亘って、駆動軸48が回転可能に支持されて、多数の整地体53が駆動軸48に取り付けられている。伝動軸36の動力が、植付伝動ケース9と伝動ケース46とに亘って架設された伝動軸49から、伝動ケース46の内部のトルクリミッター51及び伝動チェーン52を介して、駆動軸48に伝達される。
伝動軸36の動力により、駆動軸48及び整地体53が、図2の反時計方向に回転駆動されて、整地体53により田面Gの整地が行われる。支持部材23が前側に延出されて、支持部材23の延出部分に亘って、カバー55が取り付けられている。整地体53によって後側に跳ね飛ばされる泥が、カバー55により止められて、フロート12に泥が堆積する状態が防止される。
駆動軸48の3箇所に、スペーサ54が取り付けられて、右及び左の後輪2の後方、伝動軸35の下方に、整地体53が存在しない領域が設定されている。
伝動軸35の下方の整地体53が存在しない領域は、伝動軸35と整地体53との干渉を避ける為であり、伝動軸35との干渉を避ける為の切り欠き部55aが、カバー55に設けられている。後輪2の後方の整地体53が存在しない領域は、後輪2と整地体53との干渉を避ける為である。
(苗植付装置のフロートの支持構造)
図1,2,4に示すように、2個のフロート12が、平面視で右及び左の後輪2の後側に位置し、側面視で植付伝動ケース9の下側に位置するように配置されている。
図2及び図5に示すように、支持フレーム8の後部8bに、ブラケット27が連結されている。フロートパイプ28が、植付伝動ケース9の下側に左右方向に沿って配置されており、左右方向の軸芯P2周りに回転可能にブラケット27に支持されている。フロートパイプ28に連結された支持アーム28aが後側に延出されており、支持アーム28aの後端部の左右方向の軸芯P3周りに、フロート12の後部が上下に揺動可能に支持されている。
植付深さレバー29が、フロートパイプ28に連結されて、斜め前側の上側に延出されている。フィードケース14の右部にレバーガイド30が連結されており、植付深さレバー29がレバーガイド30に挿入されている。
植付深さレバー29を上下に操作することにより、フロートパイプ28の支持アーム28aを上下に操作して、軸芯P3(フロート12の後部)の位置を上下に変更することができる。植付深さレバー29をレバーガイド30に係合させることより、軸芯P3(フロート12の後部)の位置を固定することができる。
図4及び図5に示すように、2個のフロート12の前部に亘って、フレーム31が連結されており、2個のフロート12が一体で軸芯P3周りに上下に揺動する。
ブラケット32が、フレーム31の左右中央部に連結されて後側に延出され、レーキ状の整地部材33がブラケット32の後端部に連結されており、整地部材33が走行機体3の左右中央に配置されている。
(苗植付装置の昇降制御に関する構成)
図3,4,5に示すように、正面視でチャンネル状の検知部40が、フレーム31の左部に連結されたブラケット31aの左右方向の軸芯P4周りに、揺動可能に支持されており、支持フレーム8とカバー55との間を通って上側に延出されている。
丸棒材を折り曲げて構成された接続部材41が設けられている。支持フレーム8の上部8aにブラケット42が連結されて、接続部材41の中間部が、ブラケット42の左右方向の軸芯P5周りに揺動可能に支持されている。
上下方向に沿った長孔40aが検知部40に開口されており、接続部材41の一方の端部41aが、検知部40の長孔40aに挿入されている。植付深さレバー29に長孔29aが開口されており、接続部材41の他方の端部41bが、植付深さレバー29の長孔29aに挿入されている。
図6に示すように、油圧シリンダ5に作動油を給排操作する制御弁65が、走行機体3に設けられている。制御弁65は、油圧シリンダ5に作動油を供給して油圧シリンダ5を上昇作動(収縮作動)させる上昇位置、油圧シリンダ5から作動油を排出して油圧シリンダ5を下降作動(伸長作動)させる下降位置、及び油圧シリンダ5を停止させる中立位置に操作可能である。
図6の左右方向にスライド操作可能なスプール65aが制御弁65に設けられており、制御弁65のスプール65aがバネ(図示せず)により下降位置に付勢されている。左右方向の軸芯P9周りに揺動可能な操作アーム66が設けられて、操作アーム66により制御弁65のスプール65aを上昇位置側に押し操作可能であり、操作アーム66はバネ(図示せず)により制御弁65のスプール65aから離れる側に付勢されている。
図5及び図6に示すように、ワイヤ43のインナー43aの一方の端部が、操作アーム66に接続されている。ワイヤ43の他方の端部において、ワイヤ43のインナー43aが、接続部材41の端部41aに接続され、ワイヤ43のアウター43bが、検知部40の上端部に接続されている。
前述の(苗植付装置のフロートの支持構造)に記載のように、植付深さレバー29がレバーガイド30に係合されて、軸芯P3(フロート12の後部)の位置が固定されていると、接続部材41の姿勢も植付深さレバー29により固定されている。
(苗植付装置の昇降制御の作動状態)
図5及び図6に示すように、走行機体3の進行に伴ってフロート12は田面Gに接地追従するのであり、田面G(フロート12)に対して苗植付装置6が上下動すると、苗植付装置6に対してフロート12が軸芯P3周りに上下に揺動する状態となり、苗植付装置6(接続部材41)に対して検知部40が上下動する状態となる。図5及び図6に示す状態は、制御弁65のスプール65aが中立位置に操作されて、油圧シリンダ5が停止している状態である。
図5及び図6に示す状態から苗植付装置6が下降して田面Gに接近すると、苗植付装置6に対してフロート12が上昇する状態となり、接続部材41に対して検知部40が上昇する状態となって、ワイヤ43のインナー43aが苗植付装置6側に引き操作される。
これにより、操作アーム66によって制御弁65のスプール65aが上昇位置に押し操作されて、油圧シリンダ5が上昇作動し、苗植付装置6が上昇操作される。
図5及び図6に示す状態から苗植付装置6が上昇して田面Gから離れると、苗植付装置6に対してフロート12が下降する状態となり、接続部材41に対して検知部40が下降する状態となって、ワイヤ43のインナー43aが操作アーム66側に押し操作される。 これにより、操作アーム66が制御弁65のスプール65aから離れ、制御弁65のスプール65aが下降位置に移動して、油圧シリンダ5が下降作動し、苗植付装置6が下降操作される。
以上のようにして、苗植付装置6に対するフロート12の上下位置が、検知部40により、ワイヤ43を介して操作アーム66に伝達されて、制御弁65のスプール65aが操作される。検知部40の上端部と接続部材41の端部41aとの位置関係(ワイヤ43のアウター43bから出るインナー43aの長さ)が、図5に示す状態に戻ると、操作アーム66により制御弁65のスプール65aが中立位置に押し操作されて、油圧シリンダ5が停止する。
これによって、検知部40の上端部と接続部材41の端部41aとの位置関係(ワイヤ43のアウター43bから出るインナー43aの長さ)が、図5に示す状態に維持されるように、制御弁65のスプール65aが操作され、苗植付装置6が自動的に昇降操作されて、苗植付装置6が田面Gから図6に示す設定高さH1に維持されるのであり、苗植付装置6(植付アーム11)による苗の植付深さが、設定植付深さに維持される。
(苗の設定植付深さの変更)
図5に示す状態は、軸芯P3(フロート12の後部)の位置が、苗植付装置6に最も接近した状態であり、設定高さH1(図6参照)が、最も低い状態(苗の設定植付深さが最も深い状態)である。
図5に示す状態から植付深さレバー29が操作されて、苗植付装置6に対する軸芯P3(フロート12の後部)の位置が下側に変更されていくと、設定高さH1が高くなっていき、苗の設定植付深さが浅くなっていく。
植付深さレバー29が操作されて苗の設定植付深さが変更されると、苗植付装置6に対するフロート12及び検知部40の位置が上下に変化する。植付深さレバー29に連動して、接続部材41が軸芯P5周りに揺動操作されるのであり、接続部材41の端部41aの位置が、以下の説明のように上下に変更される。
植付深さレバー29により苗の設定植付深さが深側(設定高さH1の低側)に変更されると(苗植付装置6に対して検知部40の位置が上昇すると)、これに伴ってワイヤ43のインナー43a(接続部材41の端部41a)の位置も上側に変更される。
植付深さレバー29により苗の設定植付深さが浅側(設定高さH1の高側)に変更されると(苗植付装置6に対して検知部40の位置が下降すると)、これに伴ってワイヤ43のインナー43a(接続部材41の端部41a)の位置も下側に変更される。
これにより、植付深さレバー29が操作されて苗の設定植付深さが変更されても、検知部40の上端部と接続部材41の端部41aとの位置関係(ワイヤ43のアウター43bから出るインナー43aの長さ)が、図5に示す状態に維持されるのであり、前述の(苗植付装置の昇降制御の作動状態)に記載のように、苗植付装置6が田面Gから設定高さH1に維持されて、苗植付装置6(植付アーム11)による苗の植付深さが、設定植付深さに維持される。
(操作レバーによる苗植付装置の昇降操作)
図1及び図6に示すように、前輪1を操向操作する操縦ハンドル67の右の下側部に、操作レバー68が設けられて右横側に延出されている。操作レバー68は、上昇位置、下降位置及び中立位置に操作可能で、中立位置に付勢されており、走行機体3に設けられた制御装置71に、操作レバー68に操作位置が入力されている。
植付クラッチ69及び施肥クラッチ70を伝動位置及び遮断位置に操作する電動モータ72が設けられている。電動モータ72により操作される操作部73が設けられており、操作部73により制御弁65のスプール65aが上昇位置側に押し操作される。
走行機体3に対するリンク機構4の上下角度を検出する角度センサー74が設けられており、角度センサー74の検出値が制御装置71に入力されている。
昇降操作部101が制御装置71にソフトウェアとして設けられており、操作レバー68の操作位置及び角度センサー74の検出値に基いて、昇降操作部101(制御装置71)により、電動モータ72が以下の説明のように操作される。
操作レバー68が上昇位置に操作されると、電動モータ72により、植付クラッチ69及び施肥クラッチ70が遮断位置に操作され、操作部73により制御弁65のスプール65aが上昇位置に押し操作されて、油圧シリンダ5及びリンク機構4が上昇作動する。
角度センサー74によりリンク機構4が上限位置に達したことが検出されると、電動モータ72により、植付クラッチ69及び施肥クラッチ70が遮断位置に操作された状態において、操作部73が制御弁65のスプール65aから少し離し操作され、制御弁65のスプール65aが中立位置に戻し操作されて、油圧シリンダ5及びリンク機構4が停止する。
以上の状態において、フロート12が田面Gから上側に離れた位置では、フロート12が自重で苗植付装置6に対して下降する状態となり、ワイヤ43のインナー43aが操作アーム66側に押し操作される。これに対して、操作部73により制御弁65のスプール65aが上昇位置(中立位置)に押し操作されている。
操作レバー68が下降位置に操作されると、電動モータ72により、植付クラッチ69及び施肥クラッチ70が遮断位置に操作され、操作部73が制御弁65のスプール65aから離し操作され、制御弁65のスプール65aが下降位置に戻し操作されて、油圧シリンダ5及びリンク機構4が下降作動する。
以上の状態において、フロート12が田面Gから上側に離れた位置では、フロート12が自重で苗植付装置6に対して下降する状態となり、ワイヤ43のインナー43aが操作アーム66側に押し操作されている。
前述のように、油圧シリンダ5及びリンク機構4が下降作動して、フロート12が田面Gに達すると、前述の(苗植付装置の昇降制御の作動状態)に記載のように、フロート12が田面Gに接地追従する状態となり、苗植付装置6が田面Gから設定高さH1に維持されるように、苗植付装置6が自動的に昇降操作される状態となって、油圧シリンダ5及びリンク機構4が見掛け上で停止した状態となる。
前輪1及び後輪2が接地する部分(路面等)よりも少し高い位置(フロート12が自重で苗植付装置6に対して下降しても路面に接触しない位置)が、リンク機構4の下限位置として設定されている。
路上等において操作レバー68が下降位置に操作された場合、角度センサー74によりリンク機構4が下限位置に達したことが検出されると、電動モータ72により、植付クラッチ69及び施肥クラッチ70が遮断位置に操作された状態において、操作部73により制御弁65のスプール65aが中立位置に押し操作されて、油圧シリンダ5及びリンク機構4が停止する。
操作レバー68が下降位置に操作されて中立位置に操作された後、再び下降位置に操作されると、電動モータ72により、植付クラッチ69及び施肥クラッチ70が伝動位置に操作される。これにより、前述の(苗植付装置の全体構成)に記載のように、苗植付装置6により苗が田面Gに植え付けられ、前述の(施肥装置の全体構成)に記載のように、施肥装置7により肥料が田面Gに供給される。
(苗植付装置の苗のせ台の支持構造)
図2,3,4に示すように、植付伝動ケース9の上部に、支持レール21が左右方向に沿って支持されている。苗のせ台13の下部が、左右方向に沿って往復移動可能に支持レール21に支持されており、側面視で、苗のせ台13が、植付伝動ケース9から斜め前側の上側に延出されている。
支持フレーム8の右部及び左部に、支持フレーム22が連結されて上側に延出されており、支持フレーム22の上部に亘ってフレーム24が連結されている。苗のせ台13の上部に、支持レール25が左右方向に沿って連結されており、支持フレーム22の上部に支持されたローラー26が、支持レール25に挿入されている。
以上の構造により、苗のせ台13の下部が、植付伝動ケース9及び支持レール21により左右方向に移動可能に支持され、苗のせ台13の上部(支持レール25)が、支持フレーム22及びローラー26により左右方向に移動可能に支持されるのであり、苗のせ台13が所定のストロークで左右方向に往復横送り駆動される。
レバーガイド30に、苗取り出し量レバー(図示せず)が係合可能に挿入されている。苗取り出し量レバーは、植付伝動ケース9(植付アーム11の移動軌跡)に対して、支持レール21の位置を上下に変更するものである。
苗取り出し量レバーにより支持レール21の位置が上側に変更されると、支持レール21が植付アーム11の移動軌跡から上側に離れる状態となり、植付アーム11が取り出す苗の量が少なくなる。苗取り出し量レバーにより支持レール21の位置が下側に変更されると、支持レール21が植付アーム11の移動軌跡に下側に接近する状態となり、植付アーム11が取り出す苗の量が多くなる。
(苗植付装置のローリング制御に関する構成)
図1,2,3に示すように、リンク機構4に、走行機体3の後部に上下に揺動可能に支持されて後側に延出された右及び左のトップリンク4aと、走行機体3の後部に上下に揺動可能に支持されて後側に延出された右及び左のロアリンク4bと、トップリンク4a及びロアリンク4bの後部に接続された支持リンク4cとが設けられている。
図7及び図9に示すように、リンク機構4の支持リンク4cの下端部に、ローリング軸82が後向きに連結されている。リンク機構4のロアリンク4bが、リンク機構4の支持リンク4cの下部の軸部4dに揺動可能に接続されており、ローリング軸82は、側面視でリンク機構4の軸部4dよりも下側に配置されている。
図3,4,9に示すように、支持フレーム8の左右中央部において、支持フレーム8の上部8a及び後部8bに、フィードケース14がボルト連結されており、フィードケース14がローリング軸82にローリング可能に支持されて、苗植付装置6の全体がローリング軸82の軸芯P1周りにローリング可能に支持されている。
図2及び図3に示すように、リンク機構4の支持リンク4cに、支持部材75が連結されて上側に延出されて、支持部材75の上部にローリング機構76が連結されている。ローリング機構76に、電動モータ77、電動モータ77により前後方向の軸芯周りに正逆に回転駆動されるプーリー(図示せず)、プーリーに巻き付けられてローリング機構76から右側及び左側に延出された右及び左のワイヤ78が設けられている。
苗のせ台13において、支持レール25の右端部及び左端部に、ブラケット25aが連結されている。右のワイヤ78と支持レール25の右のブラケット25aとに亘って、右のバネ79が接続されており、左のワイヤ78と支持レール25の左のブラケット25aとに亘って、左のバネ79が接続されている。
図6及び図8に示すように、苗植付装置6の水平面に対する左右方向の傾斜角度を検出する傾斜センサー80が、ステー88を介してフィードケース14に連結されており、傾斜センサー80の検出値が制御装置71に入力されている。
図1及び図6に示すように、ダイヤル操作型式の傾斜設定スイッチ81が、操縦ハンドル67の下側に設けられており、傾斜設定スイッチ81の操作信号が制御装置71に入力されている。傾斜設定スイッチ81は、設定傾斜角度を設定するものであり、水平位置及び水平位置から右下りの位置及び左下りの位置に亘って、設定傾斜角度を任意に設定することができる。
(苗植付装置のローリング制御の作動状態)
図6に示すように、ローリング制御部102が制御装置71にソフトウェアとして設けられており、傾斜設定スイッチ81の操作位置及び傾斜センサー80の検出値に基いて、ローリング制御部102(制御装置71)により、ローリング機構76の電動モータ77が以下の説明のように操作される。
例えば傾斜設定スイッチ81により設定傾斜角度が水平位置に設定された状態であり、苗植付装置6(傾斜センサー80の検出値)が水平位置であり、走行機体3が左右方向で水平位置であると、電動モータ77(ワイヤ78)は、図3に示す状態で停止している。
図3に示す状態において、前述の(苗植付装置の全体構成)に記載のように、苗のせ台13が右に横送り駆動されると、苗のせ台13及び苗のせ台13の苗の重量により、苗植付装置6が水平位置から右下り姿勢に傾斜しようとする。
この場合、苗のせ台13(支持レール25)の右への横送り駆動により、右のバネ79が引き伸ばされて、右のバネ79の付勢力により、苗植付装置6が水平位置から右下り姿勢に傾斜しようとする状態が防止されて、苗植付装置6が水平位置に維持される。
図3に示す状態において、苗のせ台13が左に横送り駆動されると、左のバネ79が引き伸ばされて、前述と同様に、左のバネ79の付勢力により、苗植付装置6が水平位置から左下り姿勢に傾斜しようとする状態が防止されて、苗植付装置6が水平位置に維持される。
図3に示す状態において、例えば走行機体3が水平位置から右下り姿勢に傾斜すると、これに伴なって苗植付装置6も水平位置から右下り姿勢に傾斜する。
この場合、傾斜センサー80の検出値に基いて、電動モータ77により、右のワイヤ78がローリング機構76に引き操作され、左のワイヤ78がローリング機構76から出し操作されて、右及び左のバネ79を介して、苗植付装置6が水平位置に操作される。
図3に示す状態において、例えば走行機体3が水平位置から左下り姿勢に傾斜し、苗植付装置6が水平位置から左下り姿勢に傾斜すると、傾斜センサー80の検出値に基いて、電動モータ77により、右のワイヤ78がローリング機構76から出し操作され、左のワイヤ78がローリング機構76に引き操作されて、右及び左のバネ79を介して、苗植付装置6が水平位置に操作される。
傾斜設定スイッチ81により、設定傾斜角度を水平位置から別の値に変更すると、傾斜センサー80の検出値が、傾斜設定スイッチ81による設定傾斜角度となるように、電動モータ77により、右及び左のワイヤ78が前述と同様に引き操作及び出し操作される。
(苗植付装置のローリング作動の阻止に関するリンク機構側の構成)
図7~図11に示すように、リンク機構4の右及び左のロアリンク4bにおいて、リンク機構4の軸部4dの付近の下面に、右及び左のロック部材83が溶接によって下向きに連結されている。右及び左のロック部材83は、板材を折り曲げて構成されており、左右対称の形状となっている。
ロック部材83に、上下方向及び前後方向に沿った平面状の当たり部83a、当たり部83aの前端部に接続されて上下方向及び左右方向に沿った平面状の前部83b、当たり部83aの下端部に接続されて前後方向及び左右方向に沿った平面状の下部83c、当たり部83aの上端部に接続されて前後方向及び左右方向に沿った平面状の上部83dが設けられている。
ロック部材83の前部83bの下端部と下部83cの前端部とが、溶接によって連結され、ロック部材83の前部83bの上端部と上部83dの前端部とが、溶接によって連結されている。ロック部材83が、当たり部83aと、3面(前部83b、下部83c及び上部83d)とを有する箱状に構成されている。ロック部材83の上部83dが、リンク機構4のロアリンク4bに溶接によって連結されている。ロック部材83の前部83bと上部83dとにより形成される側面視での角度が、鈍角に設定されている。
(リンク機構とロック部材との位置関係)
図9及び図10に示すように、ロック部材83の前部83bが、側面視でロック部材83の当たり部83aに対して前側に配置されている。
図7及び図8に示すように、ロック部材83の下部83cが、平面視及び正面視でロック部材83の当たり部83aに対して、リンク機構4の左右中央側(軸芯P1側)に配置されている。
ロック部材83の当たり部83aが、平面視及び正面視でリンク機構4のロアリンク4bから外側(軸芯P1の反対側)に配置されている。植付深さレバー29及び苗取り出し量レバー(図示せず)、レバーガイド30が、正面視で右のロック部材83(当たり部83a)の右側(外側)に、間隔を開けて配置されている。
図7,8,11に示すように、ロック部材83の下部83cの左右方向の幅が、ロック部材83の上部83dの左右方向の幅よりも大きなものに構成され、ロック部材83の下部83cの前後方向の幅が、ロック部材83の上部83dの前後方向の幅よりも大きなものに構成されている。
図7及び図8に示すように、右のロック部材83の下部83cの左端部が、平面視及び正面視で右のロック部材83の上部83dの左端部よりも、リンク機構4の左右中央側(軸芯P1側)に配置されている。左のロック部材83の下部83cの右端部が、平面視及び正面視で左のロック部材83の上部83dの右端部よりも、リンク機構4の左右中央側(軸芯P1側)に配置されている。
図9及び図10に示すように、ロック部材83の下部83cの前端部が、側面視でロック部材83の上部83dの前部よりも、リンク機構4のロアリンク4bの長手方向での前側に配置されている。ロック部材83の前部83b及び下部83cが、側面視でリンク機構4のロアリンク4bの長手方向に対して傾斜して配置されている(ロック部材83の下部83cの前端部が、側面視で、ロック部材83の下部83cの後端部よりも、リンク機構4のロアリンク4bに近くなる傾斜姿勢)。
ロック部材83の当たり部83aの後端部が、直線状ではなく、側面視で折れ曲がった状態となっている。ロック部材83の当たり部83aの後端部におけるリンク機構4側の部分83eが、側面視でリンク機構4のロアリンク4bと直交するように下側に延出されている。ロック部材83の当たり部83aの後端部におけるリンク機構4から遠い側の部分83fが、ロック部材83の部分83eから、リンク機構4のロアリンク4bの長手方向に沿って前側(走行機体3側)に、折れ曲がるように延出されている。
これにより、ロック部材83の当たり部83aの後端部におけるリンク機構4から遠い側の部分83fが、ロック部材83の当たり部83aの後端部におけるリンク機構4側の部分83eよりも、側面視で受け部材84(後述の(苗植付装置のローリング作動の阻止に関するフィードケース側の構成)を参照)から遠い側に位置するように、ロック部材83の当たり部83aの後端部が形成されている。
(苗植付装置のローリング作動の阻止に関するフィードケース側の構成)
図7~図10に示すように、支持フレーム8の上部8aにボルト連結されるフィードケース14のフランジ部14a(取付部に相当)が、側面視で支持フレーム8よりも前側に延出されて、正面視でローリング軸82(軸芯P1)の右外側及び左外側に延出されている。
フィードケース14のフランジ部14aの右前部に、右外側に開放された凹部14bが設けられ、フィードケース14のフランジ部14aの左前部に、左外側に開放された凹部14bが設けられている。
フィードケース14のフランジ部14aの右前部及び左前部(凹部14b)に、右及び左の受け部材84が取り付けられている。右及び左の受け部材84は、側面視で対称な形状となっており、右及び左の受け部材84は同じもの(共用)である。
図12,13,14に示すように、受け部材84は硬質ゴムにより一体的に構成されており、第1部分84a、第2部分84b及び接続部分84cが、受け部材84に設けられている。
受け部材84において、立方体状の第1部分84aと、第1部分84aよりも上下幅の狭い板状の第2部分84bとが、幅狭の接続部分84cによって接続されており、第1部分84a及び第2部分84bが上下方向に所定の間隔を開けて配置されている。受け部材84の接続部分84cが、受け部材84の上下中間の部分に位置している。
受け部材84において、第1部分84aの平面状の側面、第2部分84bの平面状の側面及び接続部分84cの平面状の側面が、面一状態でつながっており、受け部材84の上下方向及び前後方向に沿った平面状の受け部84dとなっている。
受け部材84の第1部分84aの上面が、側面視で浅いV字状の凹部状に形成されており、受け部材84の上部84eとなっている。受け部材84の第2部分84bの下面が、前後方向及び左右方向に沿った平面状の下部84fとなっており、受け部材84の上部84e及び下部84fは互いに異なる形状となっている。
図7~図10に示すように、受け部材84の接続部分84cが、フィードケース14の凹部14bに圧入され、受け部材84の第1部分84a及び第2部分84bの間に、フィードケース14のフランジ部14aが圧入されている。
これにより、受け部材84の第1部分84a及び第2部分84bが、フィードケース14のフランジ部14aを上下方向から挟み込むようにして、受け部材84がフィードケース14のフランジ部14aに取り付けられている。
受け部材84がフィードケース14のフランジ部14aに取り付けられた状態で、受け部材84の上部84eが、フィードケース14のフランジ部14a(凹部14b)の上側に位置し、受け部材84の下部84fが、フィードケース14のフランジ部14a(凹部14b)の下側に位置している。
受け部材84がフィードケース14のフランジ部14aに取り付けられた状態で、受け部材84の受け部84dが、正面視でフィードケース14のフランジ部14aの端部から右外側及び左外側(軸芯P1の反対側)に少し出ている。
受け部材84が損耗した場合、損耗した受け部材84をフィードケース14のフランジ部14a(凹部14b)から抜き出し、新しい受け部材84をフィードケース14のフランジ部14a(凹部14b)に取り付ければよい。
(リンク機構の上限位置でのリンク機構の上昇の阻止)
前述の(操作レバーによる苗植付装置の昇降操作)に記載のように、操作レバー68が上昇位置に操作されてリンク機構4が上昇操作されると、図10から図9に示すように、リンク機構4の支持リンク4c(軸部4d)に対して、リンク機構4のロアリンク4bが図9及び図10の反時計方向に揺動する。
これに伴なって、ロック部材83が受け部材84に接近して、図7,8,9に示すように、右のロック部材83の当たり部83aが、右の受け部材84の受け部84dの外側の横側である右横側に入り込み、左のロック部材83の当たり部83aが、左の受け部材84の受け部84dの外側の横側である左横側に入り込む。
リンク機構4が上限位置に達すると、前述の(操作レバーによる苗植付装置の昇降操作)に記載のように、制御弁65のスプール65aが中立位置に戻し操作されて、油圧シリンダ5及びリンク機構4が停止するのであり、ロック部材83の下部83cの全面が、受け部材84の下部84fに下側から当たる。
リンク機構4が上限位置に位置した状態において、ロック部材83の前部83b及び上部83dは、フィードケース14のフランジ部14a及び受け部材84に接触することはない。ロック部材83の前部83bは、側面視でフィードケース14のフランジ部14a及び受け部材84の前側に少し離れて、受け部材84に沿って上下方向に位置する状態となる。
リンク機構4を上限位置からさらに上昇させようとしても、右及び左のロック部材83の下部83cと、右及び左の受け部材84の下部84fとが、上下方向から当たる。
リンク機構4が上限位置に達した場合、ロック部材83の下部83cが受け部材84の下部84fに当たることにより、ロック部材83がフィードケース14に直接に接触することがなく、受け部材84がリンク機構4に直接に接触することがないので、リンク機構4やフィードケース14の破損に発展する可能性は低い。
(リンク機構の上限位置での苗植付装置のローリング作動の阻止)
図7,8,9に示すように、リンク機構4が上限位置に位置した状態において、右及び左のロック部材83の当たり部83aと、右及び左の受け部材84の受け部84dとが、左右方向で小さな所定の間隔W1を開けて対向する状態となる。
図7及び図8に示すように、リンク機構4が上限位置に位置した状態において、ロック部材83の前部83bが、正面視で受け部材84と重複している。ロック部材83の下部83c及び上部83dが、平面視で受け部材84と重複している。
前述の(苗植付装置のローリング作動の阻止に関するリンク機構側の構成)に記載のように、ロック部材83の当たり部83aの後端部におけるリンク機構4から遠い側の部分83fが、ロック部材83の当たり部83aの後端部におけるリンク機構4側の部分83eよりも、側面視で受け部材84から遠い側に位置することにより、リンク機構4の部分83fが支持フレーム8に接触することはない。
以上の状態において、右及び左のロック部材83の当たり部83aと、右及び左の受け部材84の受け部84dとが、左右方向から対向して当たることにより、リンク機構4に対する苗植付装置6のローリング作動が阻止される。
この場合、右及び左のロック部材83の下部83cと、右及び左の受け部材84の下部84fとが、上下方向から当たることによっても、リンク機構4に対する苗植付装置6のローリング作動が阻止される。
リンク機構4が上限位置に達した状態で、リンク機構4に対する苗植付装置6のローリング作動が阻止される場合、ロック部材83の当たり部83aと受け部材84の受け部84dとが当たることや、ロック部材83の下部83cと受け部材84の下部84fとが当たることにより、ロック部材83がフィードケース14に直接に接触することがなく、受け部材84がリンク機構4に直接に接触することがないので、リンク機構4やフィードケース14の破損に発展する可能性は低い。
図7及び図8に示すように、リンク機構4が上限位置に位置した状態において、右(左)のロック部材83の当たり部83aと、右(左)の受け部材84の受け部84dとが、左右方向で間隔W1を開けて対向する状態となるのは、苗植付装置6が走行機体3に対して左右方向で平行な状態で、リンク機構4が上限位置に位置した状態である。
これにより、苗植付装置6が走行機体3に対して左右方向で平行に近い状態において、リンク機構4が上限位置に上昇操作されることが好ましい。
走行機体3に対して左右方向で平行な状態から右及び左に、間隔W1に相当する小さな右及び左の傾斜角度が想定された場合、苗植付装置6が走行機体3に対して右及び左の傾斜角度の範囲に位置した状態で、リンク機構4が上限位置に上昇操作されるとよい。
これによって、ロック部材83の当たり部83aの後端部(部分83e,83f)が、受け部材84の前部に接触することを避けながら、右のロック部材83の当たり部83aが、右の受け部材84の受け部84dの右横側に入り込み、左のロック部材83の当たり部83aが、左の受け部材84の受け部84dの左横側に入り込むのであり、ロック部材83の当たり部83aと受け部材84の受け部84dとが、左右方向から対向する状態を得ることができる。
(リンク機構の下限位置でのリンク機構の下降の阻止及び苗植付装置のローリング作動の阻止)
前述の(操作レバーによる苗植付装置の昇降操作)に記載のように、操作レバー68が下降位置に操作されてリンク機構4が下降操作されると、図9から図10に示すように、リンク機構4の支持リンク4c(軸部4d)に対して、リンク機構4のロアリンク4bが図9及び図10の時計方向に揺動する。これに伴なって、リンク機構4のロアリンク4bの後端部4eが、受け部材84に接近する。
図10に示すように、リンク機構4が下限位置に達すると、前述の(操作レバーによる苗植付装置の昇降操作)に記載のように、制御弁65のスプール65aが中立位置に押し操作されて、油圧シリンダ5及びリンク機構4が停止するのであり、リンク機構4のロアリンク4bの後端部4eが、受け部材84の上部84eに上側から当たる。
リンク機構4を下限位置からさらに下降させようとしても、リンク機構4の右及び左のロアリンク4bの後端部4eと、右及び左の受け部材84の上部84eとが、上下方向から当たる。
リンク機構4が下限位置に位置した状態において、リンク機構4の右及び左のロアリンク4bの後端部4eと、右及び左の受け部材84の上部84eとが、上下方向から対向して当たることによって、リンク機構4に対する苗植付装置6のローリング作動が阻止される。
(整地装置の昇降の構成)
図3に示すように、左の支持フレーム22に平板状の支持部材56が連結されており、支持部材56の後側部において、支持部材56の前後方向の軸芯P7周りに、扇形の操作ギヤ57が揺動可能に支持されている。電動モータ58及びギヤ機構59が、支持部材56の後側部に連結されて、ギヤ機構59のピニオンギヤ59aが操作ギヤ57に咬合している。
操作ギヤ57に連係部材60が連結されて、連係部材60と伝動ケース46とに亘って連係ロッド61が接続されている。右の支持フレーム22の前後方向の軸芯P8周りに、連係部材62が揺動可能に支持されて、連係部材60,62に亘って連係ロッド63が接続され、連係部材62と支持アーム47とに亘って連係ロッド64が接続されている。
電動モータ58によりギヤ機構59のピニオンギヤ59aが正逆に回転駆動されるのであり、操作ギヤ57が正逆に揺動操作される。
操作ギヤ57により、連係ロッド61が操作ギヤ57側に引き操作され、連係ロッド63が右の支持フレーム22側に押し操作されると、連係ロッド61,64により、整地装置50(伝動ケース46及び支持アーム47)が軸芯P6周りに上昇操作される。
操作ギヤ57により、連係ロッド61が伝動ケース46側に押し操作され、連係ロッド63が操作ギヤ57側に引き操作されると、連係ロッド61,64により、整地装置50(伝動ケース46及び支持アーム47)が軸芯P6周りに下降操作される。
(整地装置の高さ制御)
図1及び図6に示すように、ダイヤル操作型式の整地スイッチ89が、操縦ハンドル67の下側に設けられており、整地スイッチ89の操作信号が制御装置71に入力されている。整地スイッチ89に作業位置及び格納位置が設けられており、作業位置の範囲において、整地スイッチ89により整地装置50の設定整地深さが任意に設定される。
高さセンサー90が、操作ギヤ57における軸芯P7の部分に接続されて、高さセンサー90により苗植付装置6に対する整地装置50の上下位置が検出されており、高さセンサー90の検出値が制御装置71に入力されている。植付深さレバー29の操作位置を検出する位置センサー91が設けられており、位置センサー91の検出値が制御装置71に入力されている。
整地制御部103が制御装置71にソフトウェアとして設けられており、整地スイッチ89の操作位置、高さセンサー90及び位置センサー91の検出値に基いて、整地制御部103(制御装置71)により、電動モータ58が以下の説明のように操作される。
位置センサー91により植付深さレバー29の操作位置が検出されることによって、設定高さH1(苗の設定植付深さ)(前述の(苗の設定植付深さの変更)を参照)が検出される。設定高さH1(苗の設定植付深さ)と、高さセンサー90の検出値(苗植付装置6に対する整地装置50の上下位置)とに基いて、田面Gからの整地装置50の高さが検出されるのであり、整地装置50の整地深さH2が検出される。
これにより、整地装置50の整地深さH2が、整地スイッチ89の設定整地深さとなるように、電動モータ58が作動して、整地装置50が昇降操作される。整地スイッチ89の設定整地深さが変更されると、整地装置50の整地深さH2が、変更された整地スイッチ89の設定整地深さとなるように、電動モータ58が作動して、整地装置50が昇降操作される。
設定高さH1(苗の設定植付深さ)が変更されても、変更された設定高さH1(苗の設定植付深さ)と、高さセンサー90の検出値とに基いて、整地装置50の整地深さH2が検出され、整地装置50の整地深さH2が、整地スイッチ89の設定整地深さとなるように、電動モータ58が作動して、整地装置50が昇降操作される。
整地スイッチ89が格納位置に操作されると、電動モータ58により整地装置50が上限位置に上昇操作される。整地装置50の上限位置は、整地装置50が田面Gから大きく上側に上昇操作されて、整地装置50が田面Gに接地しない位置である。
(発明の実施の第1別形態)
図15に示すように、苗植付装置6のリンク機構4に対する軸芯P1周りでのローリング角度を検出する角度センサー92が設けられ、ローリング機構76の電動モータ77を操作するローリング操作部104が設けられて、ローリング操作部104により電動モータ77が以下の説明のように操作されてもよい。
角度センサー92の検出値が制御装置71に入力されており、ローリング操作部104が制御装置71にソフトウェアとして設けられている。
前述の(苗植付装置のローリング制御の作動状態)に記載のように、例えば走行機体3が水平位置から右下り姿勢に傾斜しているのに対して、ローリング制御部102の作動により、苗植付装置6が水平位置に位置している状態であったとする。この状態では、走行機体3と苗植付装置6とは平行ではなく、走行機体3に対して苗植付装置6が傾斜した状態となっている。
これにより、苗植付装置6が水平位置に維持された状態で、リンク機構4が上限位置に上昇操作されると、ロック部材83の当たり部83aが、受け部材84の受け部84dの横側に入り込むことができず、ロック部材83の当たり部83aの後端部が、受け部材84の前部に当たってしまう可能性がある。
前述の状態において、操作レバー68が上昇位置に操作されると、ローリング制御部102が停止して、ローリング操作部104が作動する。リンク機構4が上限位置に達するまでに、角度センサー92の検出値に基いて、苗植付装置6が走行機体3に対して左右方向で平行な姿勢(角度センサー92の検出値が、リンク機構4の上限位置でロック部材83の当たり部83aが受け部材84の受け部84dの横側に位置するローリング角度に相当)となるように、ローリング操作部104により電動モータ77が操作される。
苗植付装置6が走行機体3に対して左右方向で平行な姿勢に操作されて、リンク機構4が上限位置に上昇操作されることにより、ロック部材83の当たり部83aが、受け部材84の受け部84dの横側に、無理なく入り込むことができる。これにより、図7に示す間隔W1を、図7に示す状態からさらに小さなものに設定することが可能になる。
操作レバー68が下降位置に操作されると、ローリング操作部104が停止するのであり、ローリング制御部102が作動する。
(発明の実施の第2別形態)
図16及び図17に示すように、右及び左の受け部材84が、リンク機構4の右及び左のロアリンク4bの後端部4eに取り付けられ、右及び左のロック部材85,86が、苗植付装置6(フィードケース14のフランジ部14a)に取り付けられてもよい。
受け部材84は硬質ゴムにより立方体形状に一体的に構成されており、上下方向及び前後方向に沿った平面状の受け部84d、上部84e及び下部84fが、受け部材84に設けられている。受け部材84の上下中間部に、リンク機構4のロアリンク4bの後端部4eが挿入されて、受け部材84がリンク機構4のロアリンク4bに取り付けられている。
受け部材84がリンク機構4のロアリンク4bに取り付けられた状態で、受け部材84の上部84eが、リンク機構4のロアリンク4bの上側に位置し、受け部材84の下部84fが、リンク機構4のロアリンク4bの下側に位置している。
フィードケース14の上部に連結されたステー87に、ロック部材85が連結されている。フィードケース14のフランジ部14aに、アングル形状のロック部材86が連結されており、上下方向及び前後方向に沿った平面状の当たり部86aが、ロック部材86に設けられている。
図16の実線及び図17に示すように、リンク機構4が上限位置に達すると、受け部材84の上部84eが、ロック部材85に下側から当たる。この状態において、右及び左の受け部材84の上部84eと、右及び左のロック部材85とが、上下方向から対向して当たることにより、リンク機構4に対する苗植付装置6のローリング作動が阻止される。
リンク機構4を上限位置からさらに上昇させようとしても、右及び左の受け部材84の上部84eと、右及び左のロック部材85とが、上下方向から対向して当たることによって、リンク機構4を上限位置からさらに上昇させることはできない。
図16の二点鎖線及び図17に示すように、リンク機構4が下降操作されると、右の受け部材84の受け部84dが、右のロック部材86の当たり部86aの横側に入り込み、左の受け部材84の受け部84dが、左のロック部材86の当たり部86aの横側に入り込む。
リンク機構4が下限位置に達すると、受け部材84の下部84fが、フィードケース14のフランジ部14aに上側から当たる。この状態で、リンク機構4を下限位置からさらに下降させようとしても、右及び左の受け部材84の下部84fと、フィードケース14のフランジ部14aとが、上下方向から当たることにより、リンク機構4を下限位置からさらに下降させることはできない。
リンク機構4が下限位置に位置した状態において、右及び左の受け部材84の受け部84dと、右及び左のロック部材86の当たり部86aとが、左右方向で小さな所定の間隔W1を開けて対向する状態となる。
この状態において、右及び左の受け部材84の受け部84dと、右及び左のロック部材86の当たり部86aとが、左右方向から対向して当たることにより、リンク機構4に対する苗植付装置6のローリング作動が阻止される。
この場合、右及び左の受け部材84の下部84fと、フィードケース14のフランジ部14aとが、上下方向から当たることによっても、リンク機構4に対する苗植付装置6のローリング作動が阻止される。
(発明の実施の第3別形態)
図12,13,14に示す受け部材84において、受け部材84が正面視で左右対称に形成されて、右及び左の受け部材84が同じもの(共用)に構成されてもよい。
受け部材84がフィードケース14のフランジ部14aに取り付けられる場合、着脱可能なボルト及びナット(図示せず)により、受け部材84がフィードケース14のフランジ部14aに着脱可能に構成されてもよい。
本発明は、乗用型田植機ばかりではなく、田面Gに種子を供給する播種装置(作業装置に相当)(図示せず)を備えた乗用型直播機や、田面Gに薬剤を供給する供給装置(作業装置に相当)(図示せず)を備えた乗用型散布機にも適用できる。
3 走行機体
4 リンク機構
6 苗植付装置(作業装置)
14a フランジ部(取付部)
83 ロック部材
84 受け部材
84d 受け部
84e 上部
84f 下部
86 ロック部材
P1 軸芯
W1 間隔

Claims (4)

  1. 走行機体と、前記走行機体の後部に上下に揺動可能に支持されて後側に延出されたリンク機構と、前記リンク機構の後部に支持された作業装置と、が備えられ、
    前記作業装置が、前記リンク機構の後部にて前後方向の軸芯周りにローリング可能に支持され、
    前記リンク機構及び前記作業装置の一方に受け部材が備えられ、
    前記リンク機構が上限位置に位置した状態において、前記受け部材の上部及び下部の一方と、前記リンク機構及び前記作業装置の他方とが上下方向から当たることによって、前記作業装置のローリング作動が阻止され、
    前記リンク機構が下限位置に位置した状態において、前記受け部材の上部及び下部の他方と、前記リンク機構及び前記作業装置の他方とが上下方向から当たることによって、前記作業装置のローリング作動が阻止される作業機。
  2. 前記リンク機構及び前記作業装置の他方に設けられたロック部材が備えられて、
    前記リンク機構が前記上限位置及び前記下限位置の一方に位置した状態において、前記ロック部材と前記受け部材の横側の受け部とが、左右方向から当たることによって、前記リンク機構に対する前記作業装置のローリング作動が阻止される請求項1に記載の作業機。
  3. 前記作業装置が前記走行機体に対して左右方向で平行、且つ、前記リンク機構が前記上限位置及び前記下限位置の一方に位置した状態において、前記ロック部材と前記受け部材の前記受け部とが、左右方向で所定の間隔を開けて対向する請求項2に記載の作業機。
  4. 前記受け部材の上下中間部が、前記リンク機構及び前記作業装置の一方に設けられた取付部に取り付けられることにより、前記受け部材が、前記リンク機構及び前記作業装置の一方に設けられ、
    前記受け部材の前記上部が、前記受け部材における前記取付部の上側の部分に設けられ、前記受け部材の前記下部が、前記受け部材における前記取付部の下側の部分に設けられている請求項1~3のうちのいずれか一項に記載の作業機。
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