JP2009017798A - 乗用型田植機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 田面Gに接地追従するフロート9の後部を、苗植付装置の横軸芯P3周りに上下揺動自在に支持する。側面視において植付アーム8の先端部の通過軌跡Kの後側に苗植付装置の横軸芯P3を位置させる。
【選択図】 図6
Description
本発明は乗用型田植機において、苗植付装置の前後方向でのコンパクト化を図ることを目的としている。
(構成)
本発明の第1特徴は、乗用型田植機において次のように構成することにある。
田面に接地追従するフロートの後部を、苗植付装置の横軸芯周りに上下揺動自在に支持する。苗のせ台の苗取り出し口と田面とに亘って往復作動する植付アームを備えて、植付アームの先端部が苗のせ台の苗取り出し口を通過して苗を取り出し、田面に突入して苗を植え付けるように構成する。側面視において植付アームの先端部の通過軌跡の後側に、苗植付装置の横軸芯を位置させる。
特許文献1及び2では、側面視において植付アームの先端部の通過軌跡の内側に、苗植付装置の横軸芯(フロートの後部)が位置しているのに対して、本発明の第1特徴では、側面視において植付アームの先端部の通過軌跡の後側に、苗植付装置の横軸芯を位置している。
これにより、本発明の第1特徴によると、苗植付装置の下部におけるフロートの位置を後方に移動させることができるのであり、苗植付装置の下部からフロートが前方に突き出る状態を抑えることができる。
本発明の第1特徴によると、乗用型田植機において、苗植付装置の下部におけるフロートの位置を後方に移動させることができ、苗植付装置の下部からフロートが前方に突き出る状態を抑えることができるようになって、苗植付装置の前後方向でのコンパクト化を図ることができた。
(構成)
本発明の第2特徴は、本発明の第1特徴の乗用型田植機において次のように構成することにある。
苗植付装置に揺動及び位置固定自在に支持された支持アームを斜め下方後方に延出して支持アームの後部の横軸芯を苗植付装置の横軸芯とし、フロートの後部を支持アームの後部の横軸芯周りに上下揺動自在に支持して、支持アームの位置を上下に変更することにより、フロートの苗植付装置に対する位置を上下に変更可能に構成する。植付アームの先端部の通過軌跡の後部を、下側が前側で上側が後側となるように斜めに配置して、側面視において植付アームの先端部の通過軌跡の後部の後側に、支持アームの後部の横軸芯を位置させる。
本発明の第2特徴によると、本発明の第1特徴と同様に前項[I]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。
乗用型田植機では、特許文献1に開示されているように、苗植付装置に揺動及び位置固定自在に支持された支持アーム(特許文献1の図1及び図4の14)を、斜め下方後方に延出して、支持アームの後部の横軸芯(特許文献1の図1及び図4のa)を苗植付装置の横軸芯とし、フロート(特許文献1の図1及び図4の5)の後部を支持アームの後部の横軸芯周りに上下揺動自在に支持して、支持アームの位置を上下に変更することにより、フロートの苗植付装置に対する位置を上下に変更可能に構成したものが多くある。
この場合、支持アームが斜め下方後方に延出されているので、支持アームの位置を上下に変更すると、支持アームの後部の横軸芯は下側が前側で上側が後側となるような斜めの軌跡を描くことになる。
これにより、支持アームの位置を上下に変更すると、支持アームの後部の横軸芯が、側面視において植付アームの先端部の通過軌跡の後部の後側に沿って上下に位置を変更する状態となるのであり、支持アームの位置を上下に変更しても、支持アームの後部の横軸芯が、側面視において植付アームの先端部の通過軌跡の後部を越えて前側に位置すると言う状態は生じ難い。
本発明の第2特徴によると、本発明の第1特徴と同様に前項[I]に記載の「発明の効果」を備えており、これに加えて以下のような「発明の効果」を備えている。
本発明の第2特徴によると、支持アームの位置を上下に変更しても、支持アームの後部の横軸芯が、側面視において植付アームの先端部の通過軌跡の後部を越えて前側に位置すると言う状態を生じ難いようにすることができて、苗植付装置の前後方向でのコンパクト化を図る面で有利なものとなった。
(構成)
本発明の第3特徴は、本発明の第1又は第2特徴の乗用型田植機において次のように構成することにある。
苗植付装置を機体の後部に支持して、苗植付装置と機体との間に対地作業装置を支持する。
本発明の第3特徴によると、本発明の第1又は第2特徴と同様に前項[I][II]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。
乗用型田植機では、苗植付装置を機体の後部に支持した場合、苗植付装置と機体との間に対地作業装置(例えば整地装置)を支持することがあるので、本発明の第1及び第2特徴のように、苗植付装置の下部からフロートが前方に突き出る状態を抑えることができれば、苗植付装置と機体との間に対地作業装置を無理なく配置することができる(苗植付装置を機体から後方にあまり離さなくても、苗植付装置と機体との間に対地作業装置を配置することができる)。
本発明の第3特徴によると、本発明の第1又は第2特徴と同様に前項[I][II]に記載の「発明の効果」を備えており、これに加えて以下のような「発明の効果」を備えている。
本発明の第3特徴によると、苗植付装置と機体との間に対地作業装置を無理なく配置することができるようになり、対地作業装置を備えた乗用型田植機の全体のコンパクト化を図ることができた。
図1に示すように、右及び左の前輪1、右及び左の後輪2で支持された機体の後部に、リンク機構3により4条植型式の苗植付装置5が昇降自在に支持され、リンク機構3を昇降駆動する油圧シリンダ4が備えられて、乗用型田植機が構成されている。
図1,4,5に示すように、苗植付装置5は1個のフィードケース17、2個の伝動ケース6、伝動ケース6の後部に回転駆動自在に支持された一対の回転ケース7、回転ケース7の両端に備えられた一対の植付アーム8、中央のセンターフロート9(フロートに相当)及びサイドフロート10(フロートに相当)、4個の苗のせ面を備えて左右方向に往復横送り駆動される苗のせ台11等を備えて構成されている。左右方向に配置された支持フレーム18にフィードケース17及び伝動ケース6が固定されており、リンク機構3の後部に接続された支持部材19の下部の前後軸芯P1(図2及び図3参照)周りに、フィードケース17がローリング自在に支持されている(苗植付装置5が前後軸芯P1周りにローリング自在に支持されている)。
図1,2,3,4に示すように、エンジン(図示せず)の動力が植付クラッチ23(図12参照)及びPTO軸24を介して、支持フレーム18を貫通する入力軸25に伝達されて、入力軸25からフィードケース17に伝達される。入力軸25の動力がフィードケース17の横送り変速機構(図示せず)を介して、苗のせ台11を往復横送り駆動する横送り軸(図示せず)に伝達され、入力軸25の動力がフィードケース17の伝動チェーン30、伝動ケース6に亘って架設された伝動軸31、伝動ケース6の入力軸32、伝動チェーン33、少数条クラッチ34及び駆動軸35を介して回転ケース7に伝達される。フィードケース17及び伝動ケース6に亘って円筒状のカバー36が固定されており、カバー36により伝動軸31が覆われている。
次に、苗植付装置5の昇降制御機構について説明する。
図2,5,6に示すように、支持フレーム18の右及び左側部に固定されたブラケット39の横軸芯P2周りに支持軸41が回転自在に支持されて、支持軸41に固定された支持アーム41aが斜め下方後方に延出されており、支持軸41の支持アーム41aの後部の横軸芯P3周りに、センターフロート9及びサイドフロート10の後部が上下に揺動自在に支持されている。人為的に操作可能な植付深さレバー42が支持軸41に固定されて前方上方に延出されており、支持フレーム18,28及びフィードケース17に亘って固定されたレバーガイド43に、植付深さレバー42が挿入されている。
次に、植付アーム8(植付爪8a)の先端部の通過軌跡Kについて説明する。
図6に示すように、側面視において、植付アーム8(植付爪8a)の先端部の通過軌跡Kが、全体的に下側が前側(図6の紙面左側)で、上側が後側(図6の紙面右側)となるように斜めに配置されている。植付アーム8(植付爪8a)の先端部の通過軌跡Kの後部K1が、後側(図6の紙面右側)に膨らむ円弧状となっており、下側が前側(図6の紙面左側)で、上側が後側(図6の紙面右側)となるように斜めに配置されている。
次に、苗植付装置5の昇降操作について説明する。
図1及び図12に示すように、前輪1を操向操作する操縦ハンドル52の右横側に昇降操作レバー53が備えられて、昇降操作レバー53は上昇位置、中立位置、下降位置及び植付位置に操作自在に構成されており、昇降操作レバー53と制御弁50、植付及び施肥クラッチ23,37とが機械的に連係されている。
次に、苗植付装置5と機体との間に備えられる整地装置54(対地作業装置に相当)について説明する。
図2,3,4に示すように、支持フレーム18の左側部に支持フレーム55が固定されて、支持フレーム55にボス部材64が固定され、伝動軸31及び入力軸32の横軸芯P5周りに、伝動ケース56がボス部材64に上下に揺動自在に支持されている。支持フレーム18の右側部に支持フレーム57が固定されて、支持フレーム57の横軸芯P5(伝動軸23及び入力軸32の横軸芯P5)周りに、支持アーム58が上下に揺動自在に支持されており、伝動ケース56及び支持アーム58に亘って、断面正方形状の駆動軸61が回転自在に支持されている。
次に、整地装置54の駆動構造について説明する。
図4に示すように、入力軸32に接続された伝動軸66が、ボス部材64及び伝動ケース56の内部に配置されており、伝動ケース56の内部において、伝動軸66と駆動軸61とに亘って伝動チェーン67が巻回されている。伝動ケース6及びボス部64に亘って円筒状のカバー36が固定されており、カバー36により伝動軸66が覆われている。
次に整地装置54の昇降駆動構造について説明する。
図2,3,8に示すように、左の支持フレーム26にブラケット26aが固定されて、板材を折り曲げて構成された支持部材68が、左の支持フレーム26のブラケット26aにボルト連結されており、支持部材68に固定されたボス部68aに操作軸69が回転自在に支持されている。支持部材68の後側部(苗のせ台11側)において、操作軸69に扇型ギヤ70及び操作アーム71が固定されており、左の支持フレーム26のブラケット26aと支持部材68との間から操作アーム71が突出して、操作アーム71と伝動ケース56とに亘って左の操作ロッド72が接続されている。
逆に、電動モータ73及び減速機構74により扇型ギヤ70が図8の紙面時計方向に回転駆動されると、操作アーム71が下方に駆動されて、右の操作ロッド72により伝動ケース56が下降する。扇型ギヤ70により操作ロッド78を介して、操作アーム77が図3の紙面反時計方向に回転駆動されて、左の操作ロッド72により支持アーム58が下降する。これにより、整地装置54が下降する。
次に、整地装置54の整地制御について説明する。
図3,5,12に示すように、支持フレーム18にポテンショメータ44が固定され、支持軸41に固定された連係アーム41cがポテンショメータ44の検出部に接続されており、ポテンショメータ44により支持軸41の角度が検出される。ポテンショメータ44の検出値が制御装置40に入力されており、制御装置40において,ポテンショメータ44の検出値に基づいて、植付設定高さA1(設定深さ)を認識することができるのであり、ポテンショメータ76の検出値に基づいて、苗植付装置5(植付設定高さA1(設定深さ))に対する整地装置54の高さを認識することができる。
ダイヤル設定器79を標準位置に操作していると、整地設定高さA2(整地深さ)に変更はない。植付深さレバー42をレバーガイド43の一目盛りだけ操作した際の植付設定高さA1(設定深さ)の変更量に対して、ダイヤル設定器79を低側(深側)及び高側(浅側)に操作することにより、最大で前述の植付設定高さA1(設定深さ)の変更量を越える範囲(約150%)に、整地設定高さA2(整地深さ)を低側(深側)及び高側(浅側)に変更することができる。
前述の[発明を実施するための最良の形態]において、電動モータ73及び減速機構74を廃止し、人為的に操作される昇降レバー(図示せず)を扇型ギヤ70に固定して、昇降レバーの操作により整地装置54を昇降するように構成してもよい。
8 植付アーム
9,10 フロート
11 苗のせ台
38a 苗取り出し口
41a 支持アーム
54 対地作業装置
G 田面
K 通過軌跡
K1 通過軌跡の後部
P3 横軸芯
Claims (3)
- 田面に接地追従するフロートの後部を、苗植付装置の横軸芯周りに上下揺動自在に支持して、
苗のせ台の苗取り出し口と田面とに亘って往復作動する植付アームを備えて、前記植付アームの先端部が苗のせ台の苗取り出し口を通過して苗を取り出し、田面に突入して苗を植え付けるように構成し、
側面視において前記植付アームの先端部の通過軌跡の後側に、前記苗植付装置の横軸芯を位置させてある乗用型田植機。 - 前記苗植付装置に揺動及び位置固定自在に支持された支持アームを斜め下方後方に延出して、前記支持アームの後部の横軸芯を苗植付装置の横軸芯とし、前記フロートの後部を支持アームの後部の横軸芯周りに上下揺動自在に支持して、
前記支持アームの位置を上下に変更することにより、前記フロートの苗植付装置に対する位置を上下に変更可能に構成すると共に、
前記植付アームの先端部の通過軌跡の後部を、下側が前側で上側が後側となるように斜めに配置して、
側面視において前記植付アームの先端部の通過軌跡の後部の後側に、前記支持アームの後部の横軸芯を位置させてある請求項1に記載の乗用型田植機。 - 前記苗植付装置を機体の後部に支持し、前記苗植付装置と機体との間に対地作業装置を支持してある請求項1又は2に記載の乗用型田植機。
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