JP4914263B2 - 水田作業機 - Google Patents
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Description
これにより、田面に接地追従する接地フロートに対して、苗植付装置が上下動しようとすると、苗植付装置の上下動がポテンショメータによって検出され、ポテンショメータの検出値に基づいて、苗植付装置が田面から設定高さに維持されるように(苗植付装置による苗の植付深さが設定深さに維持されるように)、油圧シリンダが作動する(昇降制御手段に相当)。
本発明は水田作業機において、機体の後部に水田作業装置を昇降自在に支持した場合、機体及び水田作業装置の全長を短くすることができるように構成することを目的としている。
(構成)
本発明の第1特徴は、水田作業機において次のように構成することにある。
機体の後部に水田作業装置を昇降自在に支持して、水田作業装置を昇降駆動する昇降機構を備える。水田作業装置に左右方向に配置された支持フレームの下側に、接地体を昇降自在に支持して、支持フレームの上側に検出部を備える。支持フレームを上下方向に貫通し上下方向に移動自在に支持された連係部材を備えて、連係部材の下部を接地体の前部に接続して、連係部材の上部を検出部に接続する。検出部の検出に基づいて、水田作業装置が田面から設定高さに維持されるように、昇降機構を作動させる昇降制御手段を備える。
接地体における連係部材との接続部が、支持フレームの前側部と後側部との間に位置するように構成してある。
本発明の第1特徴によると、検出部の検出に基づいて水田作業装置が田面から設定高さに維持されるように昇降機構を作動させる昇降制御手段を備え、接地体と検出部とを接続する連係部材を備える場合、支持フレームを上下方向に貫通し上下方向に移動自在に連係部材を支持している。
このように連係部材が支持フレームを上下方向に貫通して備えられるので、支持フレームの前側に連係部材が位置しておらず、支持フレームから前側に連係部材が出っ張るような状態になっていない。従って、連係部材の出っ張りが存在しない分だけ、水田作業装置の位置を前側に移動させることができるのであり、水田作業装置を機体(後輪)に接近させることができる。
既存の部材と言ってよい支持フレームによって連係部材が上下方向に移動自在に支持されるので、連係部材を上下方向に移動自在に支持する専用の支持部材が不要になる(専用の支持部材を備えたとしても、小規模のものでよくなる)。
本発明の第1特徴によると、水田作業機において、機体の後部に水田作業装置を昇降自在に支持した場合、連係部材の出っ張りが存在しない分だけ、水田作業装置の位置を前側に移動させることができて、水田作業装置を機体(後輪)に接近させることができ、機体及び水田作業装置の全長を短くすることができて、水田作業機の操作性及び操縦性を向上させることができた。
(構成)
本発明の第2特徴は、本発明の第1特徴の水田作業機において次のように構成することにある。
接地体の後部を横軸芯周りに揺動自在に支持することにより、接地体を昇降自在に支持して、連係部材の下部を接地体の前部に接続する。連係部材の移動軌跡と接地体の前部の移動軌跡との差を吸収する融通部を、連係部材の下部と接地体の前部との接続部分に備える。
本発明の第2特徴によると、本発明の第1特徴と同様に前項[I]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。
接地体を昇降自在に支持する場合、接地体の後部を横軸芯周りに揺動自在に支持することにより、接地体を昇降自在に支持して、連係部材の下部を接地体の前部に接続するように構成することが多い(特許文献1の図10参照)。これにより、接地体の後部を支点として接地体の前部は、円弧状の移動軌跡を描くことになる。
これに対し、前項[I]に記載のように、支持フレームを上下方向に貫通し上下方向に移動自在に支持された連係部材は、直線状の移動軌跡を描くことになる。
本発明の第2特徴によると、本発明の第1特徴と同様に前項[I]に記載の「発明の効果」を備えており、これに加えて以下のような「発明の効果」を備えている。
本発明の第2特徴によると、接地体の後部を横軸芯周りに揺動自在に支持することにより、接地体を昇降自在に支持して、連係部材の下部を接地体の前部に接続するように構成した場合、連係部材と接地体とが無理なく接続されるようになって、昇降制御手段を精度よく作動させることができるようになった。
(構成)
本発明の第3特徴は、本発明の第1又は第2特徴の水田作業機において次のように構成することにある。
水田作業装置と機体との間に対地作業装置を備える。
本発明の第3特徴によると、本発明の第1又は第2特徴と同様に前項[I],[II]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。
例えば特許文献1のように、水田作業装置と機体との間に対地作業装置(特許文献1の図1,2,3のB)を備える場合、本発明の第3特徴によると、支持フレームから前側に連係部材が出っ張るような状態になっていないので、水田作業装置と機体との間に対地作業装置を無理なく備えることができる。
本発明の第3特徴によると、本発明の第1又は第2特徴と同様に前項[I],[II]に記載の「発明の効果」を備えており、これに加えて以下のような「発明の効果」を備えている。
本発明の第3特徴によると、水田作業装置と機体との間に対地作業装置を無理なく備えることができて、水田作業装置及び対地作業装置を適切に作動させることができるようになった。
図1に示すように、右及び左の前輪1、右及び左の後輪2で支持された機体の後部に、リンク機構3により4条植型式の苗植付装置5(水田作業装置に相当)が昇降自在に支持され、リンク機構3を昇降駆動する油圧シリンダ4(昇降機構に相当)が備えられて、水田作業機の一例である乗用型田植機が構成されている。
図1,4,5に示すように、苗植付装置5は、フィードケース17、右及び左の伝動ケース6、右及び左の伝動ケース6の後部の右及び左側部に回転駆動自在に支持された2個の回転ケース7、回転ケース7の両端に備えられた2個の植付アーム8、センターフロート9(接地体に相当)、右及び左のサイドフロート10、4個の苗のせ面を備えて左右方向に往復横送り駆動される苗のせ台11等を備えて構成されている。左右方向に配置された支持フレーム18にフィードケース17、右及び左の伝動ケース6が後向きに固定されており、リンク機構3の後部に接続された支持部材19の下部の前後軸芯P1(図2及び図3参照)周りに、フィードケース17がローリング自在に支持されている(苗植付装置5が前後軸芯P1周りにローリング自在に支持されている)。
図1,2,3,4に示すように、エンジン(図示せず)の動力が植付クラッチ23(図10参照)及びPTO軸24を介して、支持フレーム18を貫通する入力軸25に伝達されて、入力軸25からフィードケース17に伝達される。入力軸25の動力がフィードケース17の横送り変速機構(図示せず)を介して、苗のせ台11を往復横送り駆動する横送り軸(図示せず)に伝達され、入力軸25の動力がフィードケース17の伝動チェーン30、伝動ケース6に亘って架設された伝動軸31、右及び左の伝動ケース6の入力軸32、伝動チェーン33、少数条クラッチ34及び駆動軸35を介して回転ケース7に伝達される。フィードケース17、右及び左の伝動ケース6に亘って円筒状のカバー36が固定されており、カバー36により伝動軸31が覆われている。
次に、苗植付装置5の昇降制御機構について説明する。
図2,5,6に示すように、支持フレーム18の右及び左側部に固定されたブラケット39の横軸芯P2周りに支持軸41が回転自在に支持されて、支持軸41に固定された支持アーム41aが後方に延出されており、支持軸41の支持アーム41aの後端の横軸芯P3周りに、センターフロート9、右及び左のサイドフロート10の後部が上下に揺動自在に支持されている。人為的に操作可能な植付深さレバー42が支持軸41に固定されて前方上方に延出されており、支持フレーム18,28及びフィードケース17に亘って固定されたレバーガイド43に、植付深さレバー42が挿入されている。
図3及び図5に示すように、PTO軸24及び入力軸25に対して苗植付装置5の右側部に、植付深さレバー42及びレバーガイド43が配置されている。PTO軸24及び入力軸25に対して苗植付装置5の左側部に、センターフロート9のブラケット9a、連係部材45、ブラケット46、連係アーム48、連係ロッド49及び支持軸41の連係アーム41bが配置されている。
次に、苗植付装置5の昇降操作について説明する。
図1及び図10に示すように、前輪1を操向操作する操縦ハンドル52の右横側に昇降操作レバー53が備えられて、昇降操作レバー53は上昇位置、中立位置、下降位置及び植付位置に操作自在に構成されており、昇降操作レバー53と制御弁50、植付及び施肥クラッチ23,37とが機械的に連係されている。
次に、苗植付装置5と機体との間に備えられる整地装置54(対地作業装置に相当)について説明する。
図2,3,4に示すように、支持フレーム18の左側部に支持フレーム55が固定されて、支持フレーム55にボス部材64が固定され、伝動軸31及び入力軸32の横軸芯P5周りに、伝動ケース56がボス部材64に上下に揺動自在に支持されている。支持フレーム18の右側部に支持フレーム57が固定されて、支持フレーム57の横軸芯P5(伝動軸31及び入力軸32の横軸芯P5)周りに、支持アーム58が上下に揺動自在に支持されており、伝動ケース56及び支持アーム58に亘って、断面正方形状の駆動軸61が回転自在に支持されている。
次に、整地装置54の駆動構造について説明する。
図4に示すように、入力軸32に接続された伝動軸66が、ボス部材64及び伝動ケース56の内部に配置されており、伝動ケース56の内部において伝動軸66にトルクリミッター59が外嵌され、トルクリミッター59と駆動軸61とに亘って伝動チェーン67が巻回されている。左の伝動ケース6及びボス部64に亘って円筒状のカバー36が固定されており、カバー36により伝動軸66が覆われている。
これにより、苗植付装置5を下降させることにより、右及び左のガード部材65によって苗植付装置5を地面に支持させることができるのであり、右及び左のガード部材65を苗植付装置5のスタンドとして使用することができる。
次に整地装置54の昇降駆動構造について説明する。
図2,3,8に示すように、左の支持フレーム26にブラケット26aが固定されて、板材を折り曲げて構成された支持部材68が、左の支持フレーム26のブラケット26aにボルト連結されており、支持部材68に固定されたボス部68a(左の支持フレーム26よりも左右中央側に位置する)に、操作軸69が回転自在に支持されている。支持部材68の後側部(苗のせ台11側)において、操作軸69に扇型ギヤ70及び操作アーム71が固定されている。左の支持フレーム26のブラケット26aと支持部材68との間から操作アーム71が突出しており、操作アーム71と伝動ケース56とに亘って左の連係ロッド72が接続されている。左の支持フレーム26に固定されたブラケット26cと伝動ケース56とに亘って左のバネ82が接続されており、左のバネ82により伝動ケース56が上方に付勢されている。
逆に、電動モータ73及び減速機構74により扇型ギヤ70が図8の紙面時計方向に回転駆動されると、操作アーム71が下方に駆動されて、左の連係ロッド72により伝動ケース56が下降する。扇型ギヤ70により操作ロッド78を介して操作アーム77が図3の紙面反時計方向に回転駆動されて、右の連係ロッド72により支持アーム58が下降する。これにより、整地装置54が下降する。
次に、整地装置54の整地制御について説明する。
図3,5,10に示すように、支持フレーム18にポテンショメータ44が固定され、支持軸41に固定された連係アーム41cがポテンショメータ44の検出部に接続されており、ポテンショメータ44により支持軸41の角度が検出される。ポテンショメータ44の検出値が制御装置40に入力されており、制御装置40において,ポテンショメータ44の検出値に基づいて、植付設定高さA1(設定深さ)を認識することができるのであり、ポテンショメータ76の検出値に基づいて、苗植付装置5(植付設定高さA1(設定深さ))に対する整地装置54の高さを認識することができる。
ダイヤル設定器79を標準位置に操作していると、整地設定高さA2(整地深さ)に変更はない。植付深さレバー42をレバーガイド43の一目盛りだけ操作した際の植付設定高さA1(設定深さ)の変更量に対して、ダイヤル設定器79を低側(深側)及び高側 (浅側)に操作することにより、最大で前述の植付設定高さA1(設定深さ)の変更量を越える範囲(約150%)に、整地設定高さA2(整地深さ)を低側(深側)及び高側 (浅側)に変更することができる。
前述の[発明を実施するための最良の形態]において、ワイヤ51を廃止し、支持フレーム18(苗植付装置5)に対する連係部材45の上下位置を検出するポテンショメータ(図示せず)(検出部に相当)を備えるように構成してもよい。これにより、ポテンショメータの検出値に基づいて、田面G(センターフロート9)から苗植付装置5までの高さ(苗の植付深さ)を検出して、田面G(センターフロート9)から苗植付装置5までの高さ(苗の植付深さ)が、植付設定高さA1(設定深さ)となるように、制御装置40及び制御弁50、油圧シリンダ4により苗植付装置5が昇降駆動されるように構成する。
前述の[発明を実施するための最良の形態][発明の実施の第1別形態]において、電動モータ73及び減速機構74を廃止し、人為的に操作される昇降レバー(図示せず)を扇型ギヤ70に固定して、昇降レバーの操作により整地装置54を昇降するように構成してもよい。
前述の[発明を実施するための最良の形態][発明の実施の第1別形態]において、水田作業装置及び対地作業装置として、ペースト状の肥料を田面に供給する施肥装置、直播装置、薬剤散布装置及び米ぬか散布装置、溝切り器(不耕起田植用の溝)、溝切り器(排水用の溝)、シート敷設装置(ロール状に巻かれたシート(雑草防止用)を田面に展開させながら敷設する)を備えてもよい。
対地作業装置を水田作業装置に支持するのではなく、機体の後部から延出されたリンク機構(図示せず)に対地作業装置を支持するように構成してもよい。
5 水田作業装置
9 接地体
9b 融通部
18 支持フレーム
18a 支持フレームの前側部
45 連係部材
51 検出部
54 対地作業装置
P3 横軸芯
G 田面
Claims (3)
- 機体の後部に水田作業装置を昇降自在に支持して、前記水田作業装置を昇降駆動する昇降機構を備え、
前記水田作業装置に左右方向に配置された支持フレームの下側に、接地体を昇降自在に支持して、前記支持フレームの上側に検出部を備え、
前記支持フレームを上下方向に貫通し上下方向に移動自在に支持された連係部材を備えて、前記連係部材の下部を接地体の前部に接続し、前記連係部材の上部を検出部に接続して、
前記検出部の検出に基づいて、前記水田作業装置が田面から設定高さに維持されるように、前記昇降機構を作動させる昇降制御手段を備え、
前記接地体における前記連係部材との接続部が、前記支持フレームの前側部と後側部との間に位置するように構成してある水田作業機。 - 前記接地体の後部を横軸芯周りに揺動自在に支持することにより、前記接地体を昇降自在に支持して、前記連係部材の下部を接地体の前部に接続し、
前記連係部材の移動軌跡と接地体の前部の移動軌跡との差を吸収する融通部を、前記連係部材の下部と接地体の前部との接続部分に備えてある請求項1に記載の水田作業機。 - 前記水田作業装置と機体との間に対地作業装置を備えてある請求項1又は2に記載の水田作業機。
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