JP4773389B2 - 水田作業機 - Google Patents
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本発明の第1特徴は、水田作業機において次のように構成することにある。
機体の後部に水田作業装置を支持して、前記水田作業装置の前側に対地作業装置を昇降自在に支持し、前記対地作業装置の右側部及び左側部よりも左右中央側の前記水田作業装置の部分に、苗のせ台を支持する左右の支持フレームを備え、前記左右の支持フレームにわたって前記対地作業装置を昇降操作するための昇降機構を備え、前記機体に備えた貯留部に貯留されている農用供給体を前記水田作業装置に備えた供給部に導く左右の搬送ホースを、前記左右の支持フレームの左右方向での外側に配置し、前記対地作業装置の右側部及び左側部を揺動自在に支持する左右の支持アームを、前記左右の支持フレームの外側に配置された前記左右の搬送ホースに対して左右方向での外側に配備し、前記対地作業装置の右の支持アームと前記昇降機構の右側部とを接続する右の連係部材と、前記対地作業装置の左の支持アームと前記昇降機構の左側部とを接続する左の連係部材とを備え、前記右の搬送ホースを前記右の連係部材と前記水田作業装置との間に配置し、前記左の搬送ホースを前記左の連係部材と前記水田作業装置との間に配置する。
[I]
本発明の第1特徴によると、昇降機構から右の連係部材が右斜め外方下方に延出される状態となり、昇降機構から左の連係部材が左斜め外方下方に延出される状態となるのであり、右及び左の連係部材と対地作業装置とが正面視において台形状に配置されている。
このように右及び左の連係部材が左右方向に振れようとすると、これに伴って対地作業装置の姿勢が大きく変化しようとするので(対地作業装置の右及び左側部が上方又は下方に移動しようとするので)、この対地作業装置の姿勢変化が抵抗となって、右及び左の連係部材が左右方向に振れようとする状態が抑えられ、対地作業装置が左右方向に移動しようとする状態が抑えられる。
水田作業機の一例である乗用型田植機では、特許文献2に開示されているように、苗植付装置(特許文献2の図1及び図2の10)の右及び左側部に、右及び左のマーカー(特許文献2の図1及び図2の20)を備え、右及び左のマーカーを田面に接地する作用姿勢(特許文献2の図1及び図2の実線参照)、及び上方の格納姿勢(特許文献2の図2の二点鎖線参照)に操作自在に構成したものが多くある。
これにより、例えば乗用型田植機において苗植付装置の右及び左側部に右及び左のマーカーを備えた場合、昇降機構、右及び左の連係部材の上部の右及び左の横外側に比較的大きな空間が存在していることによって、右及び左のマーカーを格納姿勢に操作しても、右及び左のマーカーが昇降機構、右及び左の連係部材の上部に干渉することがない。
水田作業機の一例である乗用型田植機では例えば特許文献1に開示されているように、粉粒状の肥料(農用供給体に相当)を貯留するホッパー(貯留部に相当)(特許文献1の図1の12)と、ホッパーの肥料を繰り出す繰り出し部(特許文献1の図1の13)とを機体に備え、肥料を田面に供給する作溝器(供給部に相当)(特許文献1の図1及び図2の15)を苗植付装置に備えて、繰り出し部と作溝器とに亘って搬送ホース(特許文献1の図1及び図2の16)を接続している。これにより、ホッパーの肥料が繰り出し部によって繰り出され、搬送ホースを介して作溝器に供給されるのであり、苗植付装置による苗の植え付けに伴って、田面に肥料を供給することができる。
前項[I]に記載のように、水田作業装置に対地作業装置を昇降自在に支持し、昇降機構、右及び左の連係部材により対地作業装置を昇降駆動自在に構成した場合、右及び左の連係部材は水田作業装置に接近して配置されることは少なく、水田作業装置から少し離れて配置されることがある。
これにより、右及び左の連係部材との干渉を避けながら、搬送ホースを無理なく水田作業装置に接近させて(水田作業装置に沿って)配置することができる(例えば苗植付装置において、右及び左の連係部材との干渉を避けながら、搬送ホースを無理なく苗のせ台に接近させて(苗のせ台に沿って)配置することができるのであり、苗の植付位置の近傍に配置される供給部に、搬送ホースを無理なく接続することができる)。
本発明の第1特徴によると、機体の後部に水田作業装置を支持し、対地作業装置を水田作業装置に昇降自在に支持した水田作業機において、対地作業装置を昇降駆動する為の昇降機構、右及び左の連係部材の配置に工夫を施すことにより、対地作業装置が左右方向に移動しようとする状態を抑えることができるようになって、対地作業装置の作業性能を無駄なく発揮させることができるようになった。
図1に示すように、右及び左の前輪1、右及び左の後輪2で支持された機体の後部に、リンク機構3により4条植型式の苗植付装置5(水田作業装置に相当)が昇降自在に支持され、リンク機構3を昇降駆動する油圧シリンダ4が備えられて、水田作業機の一例である乗用型田植機が構成されている。
図1,4,5に示すように、苗植付装置5はフィードケース17、右及び左の伝動ケース6、右及び左の伝動ケース6の後部に回転駆動自在に支持された2個の回転ケース7、回転ケース7の両端に備えられた2個の植付アーム8、センターフロート9、右及び左のサイドフロート10、4個の苗のせ面を備えて左右方向に往復横送り駆動される苗のせ台11等を備えて構成されている。左右方向に配置された支持フレーム18にフィードケース17、右及び左の伝動ケース6が後向きに固定されており、リンク機構3の後部に接続された支持部材19の下部の前後軸芯P1(図3及び図4参照)周りに、フィードケース17がローリング自在に支持されている(苗植付装置5が前後軸芯P1周りにローリング自在に支持されている)。
図1,2,3,4に示すように、エンジン(図示せず)の動力が植付クラッチ23(図11参照)及びPTO軸24を介して、支持フレーム18を貫通する入力軸25に伝達されて、入力軸25からフィードケース17に伝達される。入力軸25の動力がフィードケース17の横送り変速機構(図示せず)を介して、苗のせ台11を往復横送り駆動する横送り軸(図示せず)に伝達され、入力軸25の動力がフィードケース17の伝動チェーン30、右及び左の伝動ケース6に亘って架設された伝動軸31、右及び左の伝動ケース6の入力軸32、伝動チェーン33、少数条クラッチ34及び駆動軸35を介して回転ケース7に伝達される。フィードケース17、右及び左の伝動ケース6に亘って円筒状のカバー36が固定されており、カバー36により伝動軸31が覆われている。
次に、苗植付装置5の昇降制御機構について説明する。
図2,5,6に示すように、支持フレーム18の右及び左側部に固定されたブラケット39の横軸芯P2周りに支持軸41が回転自在に支持されて、支持軸41に固定された支持アーム41aが後方に延出されており、支持軸41の支持アーム41aの後端の横軸芯P3周りに、センターフロート9、右及び左のサイドフロート10の後部が上下に揺動自在に支持されている。人為的に操作可能な植付深さレバー42が支持軸41に固定されて前方上方に延出されており、支持フレーム18,28及びフィードケース17に亘って固定されたレバーガイド43に、植付深さレバー42が挿入されている。
次に、苗植付装置5の昇降操作について説明する。
図1及び図11に示すように、前輪1を操向操作する操縦ハンドル52の右横側に昇降操作レバー53が備えられて、昇降操作レバー53は上昇位置、中立位置、下降位置及び植付位置に操作自在に構成されており、昇降操作レバー53と制御弁50、植付及び施肥クラッチ23,37とが機械的に連係されている。
次に、苗植付装置5と機体との間に備えられる整地装置54(対地作業装置に相当)について説明する。
図2,3,4に示すように、支持フレーム18の左側部に支持フレーム55が固定されて、支持フレーム55にボス部材64が固定され、伝動軸31及び入力軸32の横軸芯P5周りに、伝動ケース56(支持アームに相当)がボス部材64に上下に揺動自在に支持されている。支持フレーム18の右側部に支持フレーム57が固定されて、支持フレーム57の横軸芯P5(伝動軸31及び入力軸32の横軸芯P5)周りに、支持アーム58が上下に揺動自在に支持されており、伝動ケース56及び支持アーム58に亘って、断面正方形状の駆動軸61が回転自在に支持されている。
次に、整地装置54の駆動構造について説明する。
図4に示すように、入力軸32に接続された伝動軸66が、ボス部材64及び伝動ケース56の内部に配置されており、伝動ケース56の内部において伝動軸66にトルクリミッター59が外嵌され、トルクリミッター59と駆動軸61とに亘って伝動チェーン67が巻回されている。左の伝動ケース6及びボス部64に亘って円筒状のカバー36が固定されており、カバー36により伝動軸66が覆われている。
次に整地装置54の昇降駆動構造について説明する。
図2,3,8に示すように、左の支持フレーム26にブラケット26aが固定されて、板材を折り曲げて構成された支持部材68が、左の支持フレーム26のブラケット26aにボルト連結されており、支持部材68に固定されたボス部68a(左の支持フレーム26よりも左右中央側に位置する)に、操作軸69が回転自在に支持されている。支持部材68の後側部(苗のせ台11側)において、操作軸69に扇型ギヤ70及び操作アーム71(昇降機構に相当)が固定されている。左の支持フレーム26のブラケット26aと支持部材68との間から操作アーム71が突出しており、操作アーム71と伝動ケース56とに亘って左の連係部材72が接続されている。左の支持フレーム26に固定されたブラケット26cと伝動ケース56とに亘って左のバネ82が接続されており、左のバネ82により伝動ケース56が上方に付勢されている。
逆に電動モータ73及び減速機構74により扇型ギヤ70が図8の紙面時計方向に回転駆動されると、操作アーム71が下方に駆動されて、左の連係部材72により伝動ケース56が下降する。扇型ギヤ70により操作ロッド78を介して操作アーム77が図3の紙面反時計方向に回転駆動されて、右の連係部材72により支持アーム58が下降する。これにより、整地装置54が下降する。
次に、整地装置54の整地制御について説明する。
図3,5,11に示すように、支持フレーム18にポテンショメータ44が固定され、支持軸41に固定された連係アーム41cがポテンショメータ44の検出部に接続されており、ポテンショメータ44により支持軸41の角度が検出される。ポテンショメータ44の検出値が制御装置40に入力されており、制御装置40において,ポテンショメータ44の検出値に基づいて、植付設定高さA1(設定深さ)を認識することができるのであり、ポテンショメータ76の検出値に基づいて、苗植付装置5(植付設定高さA1(設定深さ))に対する整地装置54の高さを認識することができる。
ダイヤル設定器79を標準位置に操作していると、整地設定高さA2(整地深さ)に変更はない。植付深さレバー42をレバーガイド43の一目盛りだけ操作した際の植付設定高さA1(設定深さ)の変更量に対して、ダイヤル設定器79を低側(深側)及び高側(浅側)に操作することにより、最大で前述の植付設定高さA1(設定深さ)の変更量を越える範囲(約150%)に、整地設定高さA2(整地深さ)を低側(深側)及び高側(浅側)に変更することができる。
次に、搬送ホース22について説明する。
図1,2,3,10に示すように、搬送ホース22は第1ホース部分22aと第2ホース部分22bとにより構成されている。搬送ホース22の第2ホース部分22bは半透明の硬質樹脂製(屈曲不可)で丸パイプ状に構成されており、搬送ホース22の第2ホース部分22bの下部が作溝器16に接続され、搬送ホース22の第2ホース部分22bの上部が支持フレーム28に固定されている。
これによって、苗植付装置5を下降させることにより、右及び左のガード部材65によって苗植付装置5を地面に支持させることができるのであり、右及び左のガード部材65を苗植付装置5のスタンドとして使用することができる。
前述の[発明を実施するための最良の形態]において、電動モータ73及び減速機構74を廃止し、人為的に操作される昇降レバー(図示せず)を扇型ギヤ70に固定して、昇降レバーの操作により整地装置54を昇降するように構成してもよい。
前述の[発明を実施するための最良の形態]において、水田作業装置及び対地作業装置として、ペースト状の肥料を田面に供給する施肥装置、直播装置、薬剤散布装置及び米ぬか散布装置、溝切り器(不耕起田植用の溝)、溝切り器(排水用の溝)、シート敷設装置(ロール状に巻かれたシート(雑草防止用)を田面に展開させながら敷設する)を備えてもよい。
13 貯留部
14 繰り出し部
16 供給部
22 搬送ホース
54 対地作業装置
56 伝動ケース(支持アーム)
58 支持アーム
71,77,78 昇降機構
72 連係部材
G 田面
Claims (1)
- 機体の後部に水田作業装置を支持して、前記水田作業装置の前側に対地作業装置を昇降自在に支持し、
前記対地作業装置の右側部及び左側部よりも左右中央側の前記水田作業装置の部分に、苗のせ台を支持する左右の支持フレームを備え、
前記左右の支持フレームにわたって前記対地作業装置を昇降操作するための昇降機構を備え、
前記機体に備えた貯留部に貯留されている農用供給体を前記水田作業装置に備えた供給部に導く左右の搬送ホースを、前記左右の支持フレームの左右方向での外側に配置し、
前記対地作業装置の右側部及び左側部を揺動自在に支持する左右の支持アームを、前記左右の支持フレームの外側に配置された前記左右の搬送ホースに対して左右方向での外側に配備し、
前記対地作業装置の右の支持アームと前記昇降機構の右側部とを接続する右の連係部材と、前記対地作業装置の左の支持アームと前記昇降機構の左側部とを接続する左の連係部材とを備え、
前記右の搬送ホースを前記右の連係部材と前記水田作業装置との間に配置し、前記左の搬送ホースを前記左の連係部材と前記水田作業装置との間に配置してある水田作業機。
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