JPH0146608B2 - - Google Patents

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JPH0146608B2
JPH0146608B2 JP57015524A JP1552482A JPH0146608B2 JP H0146608 B2 JPH0146608 B2 JP H0146608B2 JP 57015524 A JP57015524 A JP 57015524A JP 1552482 A JP1552482 A JP 1552482A JP H0146608 B2 JPH0146608 B2 JP H0146608B2
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JP
Japan
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infusibility
stage
temperature
mesophace
pitch
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Application number
JP57015524A
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English (en)
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JPS58156021A (ja
Inventor
Shozo Watabe
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kashima Oil Co Ltd
Original Assignee
Kashima Oil Co Ltd
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Publication date
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Description

【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕 本発明は石油系ピツチを原料として高強度高弾
性炭素繊維を製造する工程に於ける溶融紡糸した
繊維の不融化方法に係るもので、特に炭素繊維の
物性を向上するため合理的に不融化する方法を提
供することを目的とする。 本発明は減圧軽油の熱接触分解(FCC)或は
ナフサの熱分解によつて副生する残渣炭素物質の
石油系ピツチを非酸化性ガス下で撹拌加熱処理し
てメソフエース(偏光顕微鏡及びキノリンの溶解
試験でキノリン不溶分として容易に測定すること
が出来る)を含有するピツチを製造し、それから
メソフエースを分離し、これを溶融紡糸し、この
紡糸した原糸を酸素含有ガス或は酸素ガスで合理
的な2段不融化法により架橋化し、後炭化して長
繊維の高強度高弾性炭素繊維を製造する方法にあ
る。 近年航空機、自動車その他輸送機製作工業の急
速な成長の結果、必要な材料として特別な物質の
組合わせからなり、そのいくつかの物理的性質が
極めて勝れておつて特異性を発揮しうる材料を望
む声が大きくなつているが、特に高い強度及び弾
性を具備し、同時に軽量で安価な材料の出現が強
く要求されている。しかるに現在の技術でかかる
材料を多量に安定して供給することが出来ず、こ
れに答えるための複合物質(強化樹脂)の製造に
関する研究が盛んに行われている。 強化樹脂に使用される最も有望な材料の一つと
して高強度高弾性炭素繊維がある。この材料は前
述の産業の急速な成長が始まりかけた際に現われ
たもので、この炭素繊維を樹脂と組合わせたもの
は他に全くその例を見ないような特性を発揮する
強化樹脂を与える。しかし残念なことには強化樹
脂用の高強度高弾性炭素繊維は現在極めて高価な
ため、これを使用する強化樹脂が極めて顕著な特
性を発揮するにもかかわらず、その需要があまり
開拓されていない。 現在人手出来る高強度高弾性の炭素繊維の原料
が特殊な製造法によつて製糸されたポリアクリロ
ニトリル繊維(PAN)が主であることは公知の
事実である。このPANは炭素繊維の前駆体とし
て極めて優れた性質を有しているが、前駆体とし
て高価であるばかりでなく、この前駆体よりの炭
素繊維の収率が45%以下で極めて悪い。このこと
が優れた物性を有する炭素繊維を製造する処理工
程を複雑にし、巨大化しているのみならず、更に
炭化工程に於て発生する有毒ガス(青酸ガス)の
処理問題がある等のため炭素繊維の製造コストを
益々高めることになつている。 高強度高弾性炭素繊維を安価に製造する一つの
方法として、メソフエースを含有するピツチから
製造する方法が米国特許願第338147号に記載され
ているから、メソフエースを含有するピツチが高
強度高弾性炭素繊維の原料として極めて優れた原
料であることは公知の事実である。このメソフエ
ースを含有するピツチを溶融紡糸して原糸を製作
し、これを炭化して炭素繊維を製作する場合原糸
の軟化点以上に加熱することが必要である。その
ため原糸をその軟化点以上に加熱処理しても原糸
そのものが溶融しないような処理を原糸に施す処
理所謂不融化処理(架橋)を必要とする。 〔従来の技術〕 メソフエース含有ピツチを(メソフエースを分
離することなく)溶融紡糸し、不融化し、炭化し
て炭素繊維を製造する方法は、例えば特開昭55−
128020で知られている。上記発明で軟化点322℃
のメソフエース含有(77%)ピツチを紡糸し第1
地域の175℃から第8地域の380℃まで繊維を逐次
的に加熱して不融化させる具体例が示されている
が、メソフエースを分離した後紡糸して不融化さ
せることは記載されていない。 また、特願昭55−121660(昭和57年3月19日出
願公開、特開昭57−47921、特公昭58−34569)は
ピツチから分離したメソフエース小球体を溶融紡
糸し、不融化し、炭化して炭素繊維を製造する方
法を開示しており、その際メソフエース小球体を
380〜390℃まで加熱して溶融したものにつき、不
融化温度を一段目300℃で1時間、二段目350℃で
1時間として、2段階で不融化を行うことを開示
している。メソフエース小球体の軟化点は明記さ
れていないが、一般に、高粘度領域における粘度
の温度による変化は急激であり、軟化し始めてか
ら30℃程度の温度上昇があれば、粘度は紡糸可能
な数百ボイズに低下すること、及び、上記出願の
明細書7頁16〜17行に記載されるように、この方
法の溶融紡糸以降の方法は常法と異なるものでは
ないことから、この方法は第一及び第二段階とも
メソフエース小球体の軟化点以下の温度で不融化
がなされていると考えられる。 〔発明が解決しようとする課題〕 しかしながら、ピツチからメソフエースを分離
することなく溶融紡糸したものを不融化、炭化し
て製造した上記先行技術の炭素繊維では、良好な
炭素繊維の物性が達成されていない。 また、1段階で不融化を行う方法や、2段階と
もメソフエースの軟化点よりも低い温度で不融化
を行う上記先行技術では、不融化温度が低いので
反応の促進が少なく、不融化時間が長くなる欠点
があり、更に、最終製品である炭素繊維の強度や
弾性率等の物性も優れた値を示せなかつた。 〔課題を解決する手段〕 本発明は、ピツチから分離したメソフエースを
溶融紡糸して炭素繊維を製造する場合の不融化工
程はその不融化方法によつて炭素繊維の物性に極
めて大きな影響を与え、また不融化時間を大きく
変化させることに着目して達成されたものであ
る。 現在不融化についての理論的な解明が不十分で
あるが、不融化は酸素等との反応で分子間架橋を
おこさせ、耐熱性を向上させることである。過剰
に不融化すると炭化後の繊維の強度が低くなると
いわれている。本発明者は種々研究した結果不融
化が長時間となる従来の方法では、酸素が繊維の
内部に入り込んで反応してしまい、炭化の際に黒
鉛結晶の成長を妨げるとともに内部欠陥の原因と
なつて、炭化後の強度を低くするのではないかと
推定されるのに対して、不融化の後半のみメソフ
エースの軟化点より高温とすることによつて高温
短時間で不融化を行えば、架橋反応等が比較的繊
維の表面に限られ、炭化後の強度があまり影響を
受けないと推定されることを見出し本発明を完成
するに至つた。 即ち石油系ピツチを所定加熱条件で処理してメ
ソフエース含有ピツチを製造し、これからメソフ
エースを分離し、これを溶融紡糸し、第2段目の
温度がメソフエースの軟化点より高い2段不融化
を実施し、後炭化して高強度高弾性の長繊維の炭
素繊維を製造する方法を見出し本発明を完成し
た。 2段不融化の処理条件として第1段目の温度は
メソフエースの軟化点より低温の150℃乃至250
℃、加熱時間は5分乃至60分、第2段目の温度は
メソフエースの軟化点以上であつて260℃乃至380
℃の範囲内、加熱時間は1分乃至40分とした。し
かし紡糸に供するメソフエースの物性にも影響す
るが、好ましくは第1段目の条件として加熱温度
200℃乃至220℃、加熱時間5分乃至20分、第2段
目の条件として加熱温度280℃乃至350℃、加熱時
間1分乃至10分とし、不融化工程を極めて合理化
した。 実施例 1 石油系ピツチを減圧蒸留して初留404℃→終留
520℃以下の石油系ピツチをつくり、これをメタ
ンガス気流下で400℃で2時間加熱処理して前駆
体を製造した。 前駆体の収率は52%、前駆体の軟化点(R&B
相当)は64℃であつた。この前駆体を次の加熱条
件で処理してメソフエースを約45%含有するピツ
チを製造した。 加熱条件:温度 400℃ 時間6時間 キヤリヤ−ガスメタンガス4(1)/前駆体
(Kg)×分 メソフエース含有ピツチの前駆体からの収率は
約85%であつた。これからメソフエースを分離し
下記の条件で紡糸した。このメソフエースの軟化
点は300℃(メトラー軟化点測定装置使用)であ
つた。 紡糸条件 紡糸温度 320℃、紡糸孔径0.3m/m、紡糸
速度220m/min これを下記の2段不融化条件で空気中で処理し
た。 第1段目 0℃→200℃ 10℃/分昇温 200℃で10分間 第2段目 200℃→350℃ 10℃/分昇温 350℃で5分間 尚対照の不融化法として下記の1段不融化も実
施した。 室温→260℃ 1℃/分昇温しつつ不融化す
る。 この不融化糸をアルゴン気流中で、1500℃まで
加熱しつつ炭化した。本発明の2段不融化法と対
照の不融化法の結果を次に表記する。
【表】 以上の結果から本発明の2段不融化法によつて
炭化系の強度と弾性率を著しく向上できることが
判る。 本願発明の効果は次の通りである。 (1) 不融化温度を高くすることによつて反応を促
進し、不融化時間を短縮できた。例えば、本願
明細書の実施例1に示したように、本願発明の
2段不融化に要した時間は合計すると43分であ
つたが、従来の1段不融化法では260分必要で
あつた。 (2) 本願発明の2段不融化法により、炭化系の強
度が1段不融化法の場合の約1.4倍になつた。
(本願明細書の実施例1では、2段不融化の場
合が90.2Kg/mm2、1段不融化の場合が65.8Kg/mm2
であつた。) 現在、不融化についての理論的な解明が不十分
であるので、本願発明のこの効果の理由は正確に
は不明であるが、一般に、不融化というのは酸素
等との反応で分子間架橋等をおこさせ、耐熱性を
向上させることであり、過剰に不融化すると炭化
後の繊維の強度が低くなるといわれていることか
ら、本願発明では高温短時間で不融化が行なわれ
るので架橋反応等が比較的繊維の表面に限られ、
炭化後の強度にあまり影響を与えないが、従来の
方法では長時間となるため、酸素が繊維の内部に
入り込んで反応してしまい、炭化の際に黒鉛結晶
の成長を妨げるとともに内部欠陥の原因となつ
て、炭化後の強度を低くするのではないかと推定
される。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 石油系ピツチを加熱処理してメソフエースを
    含有するピツチをつくり、このピツチからメソフ
    エースを分離し、これを溶融紡糸し、これを第1
    段目に紡糸用のメソフエースの軟化点より低温の
    150℃乃至250℃で、第2段目に260℃乃至380℃か
    つ紡糸用のメソフエース軟化点より高温で酸素含
    有ガス或は酸素ガスで不融化し、後炭化して長繊
    維の炭素繊維を製造する方法。
JP1552482A 1982-02-04 1982-02-04 ピツチの溶融紡糸の2段不融化による炭素繊維の製法 Granted JPS58156021A (ja)

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JP1552482A JPS58156021A (ja) 1982-02-04 1982-02-04 ピツチの溶融紡糸の2段不融化による炭素繊維の製法

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JPS58156021A JPS58156021A (ja) 1983-09-16
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JPS60181320A (ja) * 1984-02-20 1985-09-17 Idemitsu Kosan Co Ltd 炭素繊維の製造方法

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS55107513A (en) * 1979-02-08 1980-08-18 Mitsubishi Rayon Co Ltd Production of carbon fiber
JPS55128020A (en) * 1979-01-29 1980-10-03 Union Carbide Corp Treating of multi filament bundle of pitch fiber and finishing composition

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