JPH0141868B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、内燃機関の燃料噴射装置に用いられ
る電磁作動式の燃料噴射弁であつて、電磁コイル
と該可動子と、該可動子と共に運動する弁体と、
該弁体と協働して本来の弁装置を形成する弁座と
が設けられており、燃料噴射弁の軸線に対して同
心的に供給管片が配置されていて、該供給管片の
一端が、弁装置とは反対の側に位置する燃料分配
導管に接続され、かつ他端が可能な限り深く燃料
噴射弁内に突入しており、供給管片を通して供給
された燃料が弁装置を介して燃料噴射弁から噴射
されるようになつており、 供給管片に対して同心的な排出管片が配置され
ていて、該排出管片が弁装置の近くから延びてい
て供給管片との間に流路を形成している形式のも
のに関する。

ドイツ連邦共和国特許出願公告第2130174号明
細書に基づいて公知の上記形式の燃料噴射弁で
は、燃料が通流している現状導管まで供給管片が
延びており、該供給管片に設けられた排出管片を
介して剰余燃料が再び環状導管に流れ戻るように
なつている。しかしこの構造においては、噴射弁
内で加熱された場合によつては蒸気泡を伴う燃料
が次に続く噴射弁に供給されてしまい、そこで不
十分な燃料噴射をひき起こし、ひいては当該の内
燃機関を停止させることがあるという欠点を有し
ている。更に、平形可動子を有する電磁操作弁も
公知であり、この弁においては周囲をケーシング
に固定的に締め込まれたダイヤフラムによつて平
形可動子が案内されている。しかしこのような形
式のダイヤフラムを介してその平形可動子の取付
け方法においては、平形可動子がその作動の前、
最中及び以後に不規則なばたつき運動を起こして
しまう危険がある。

本発明の出発点となつた上記の先行技術に対し
て、排出管片の、弁座と反対側の端部が燃料戻し
導管に開口していることを特徴とする本発明の燃
料噴射弁は、可及的にスペースを節約された同心
的な構造形式であり、加熱されて蒸気泡の混じつ
てしまつた燃料が続く他の弁にもはや直接に供給
されないことが保証されるという利点を有してい
る。

本発明の有利な実施態様は特許請求の範囲第２
項乃至第１０項に記載したとおりである。

特に有利には、外側の管片が磁気回路の１部分
として用いられかつ押込み加工によつて内側へ向
けて設けられた複数の突出部を有しており、該突
出部によつて内側の管片が案内されている。また
可動子が平形可動子として薄板製の円板形状に形
成されて、更に不動の弁座と協働するボールに固
定的に結合されていると有利である。舌状ばね部
をヒンジとして用いることによつて平形可動子が
その接近又は離反運動の際に確実に案内され、更
に外側の摩擦及び摩耗が回避されて有利である。

次に図示の実施例につき本発明を説明する。

第１図に示された燃料噴射装置用の燃料噴射弁
は例えば混合気圧縮型外部点火式内燃機関の吸気
管内を燃料を低圧で噴射するために用いられる。
符号１はケーシングを示し、該弁ケーシング１内
のコイル保持体２の上に電磁コイル３が配置され
ている。電磁コイル３への給電は、電気的な差込
み接続部４を介して行われ、該差込み接続部４は
軸線方向で弁ケーシング１の上に取り付けられた
プラスチツクリング部材５の中に嵌め込まれてい
る。弁ケーシング１の、差込み接続部４側の端部
には閉鎖プレート７が挿入されており、弁ケーシ
ングはこの端部で該閉鎖プレート７を縁曲げ及び
ろう接又は溶接によつて密に閉鎖している。燃料
噴射弁の、差込み接続部４と反対側の端部におい
て弁ケーシング１にはノズル保持体８が縁曲げに
よつて密に結合されており、該ノズル保持体８の
中にノズル９が配置されている。

ノズル保持体８の上には行程リング１３が、更
に該行程リング１３の上に残留空〓形成板１４
が、ノズル保持体８への弁ケーシング１の縁曲げ
によつて生じる締付け力によつて締め込まれて載
設されている。行程リング１３はノズル保持体８
に直接的に形成されていてもよい。非磁性のばね
部材、例えばコバルト・ニツケル・クローム合金
から製造されている残留空〓形成板１４は、弁ケ
ーシング１の、電気的な差込み接続部４とは反対
の側に位置する段部１５を、少なくとも部分的に
半径方向に越えて延びており、平形可動子１７が
段部１５に磁気的に接着することを防止してい
る。平形可動子１７は円板形状に例えば薄板から
製造されている。ボール１６は平形可動子１７の
結合フランジ１９と堅く結合されており、かつノ
ズル保持体８においてノズル９に向かつて円錐形
に形成された不動の弁座１８と協働する。ボール
１６は平形可動子１７と共に可動の弁部分を形成
している。平形可動子１７には通流開口２０が設
けられている。燃料、例えばガソリンは弁軸線に
対して同心的に配置された管状の供給管片２１を
介して供給され、該供給管片２１は同時に鉄心と
しても働き、同供給管片にはコイル保持体２が配
置されている。供給管片２１には押込み加工によ
つて内側に向けれた複数の突出部２２（第２図も
参照）が設けられており、該突出部２２は互いに
120゜ずつずらされていて、第２の軸方向平面内を
延びるように管状の排出管片２３を同心的に案内
している。この排出管片２３はほぼ平形可動子１
７に達するまで突出しており、その外周面と供給
管片２１の内径との間に、流入する燃料のための
流路２４を形成している。排出管片２３の孔２５
の中には挿入管２６が差し込まれており、該挿入
管２６に閉鎖ばね２７の一端が支持され、該閉鎖
ばね２７の他端はボール１６に接触している。電
磁コイル３と段部１５とから成る磁石部分が励磁
されていない状態では、ボール１６はノズル保持
体８の弁座１８に押し付けられ、弁は閉鎖されて
いる。流路２４を介して燃料噴射弁内に流入した
燃料は、平形可動子１７の複数の通流開口２０を
介して、弁座１８とボール１６とから成る本来の
弁部分に達し、この際に噴射されなかつた燃料及
び蒸気泡は前記の弁部分から排出管片２３を介し
て流出することができる。

弁ケーシング１は共通のケーシングとして磁石
部分２９と弁部分３０とを取り囲んでいる。

第３図にも示されている残留空〓形成板１４か
らは舌状ばね部３５が切出されており、該舌状ば
ね部３５の、弁ケーシング１に設けられた舌状ば
ね締込み部３６から突出した端部は、平形可動子
１７の、不動の弁座１８とは反対側の面３２で平
形可動子１７に例えば溶接又はろう接によつて固
定されている。こうして、ケーシング１に設けら
れた舌状ばね締込み部３６を中心にした平形可動
子１７の旋回が可能となる。舌状ばね部３５は必
ずしも残留空〓形成板１４から成形されている必
要はなく、ばね状薄板から成る別体の部材として
構成されてケーシングに対して下動に締め込まれ
ていてもよい。舌状ばね部３５によつて平形可動
子１７が片側で固定されていることによつて、平
形可動子１７がもつぱら舌状ばね締込み部３６を
中心にして旋回運動を行うように保証されてい
る。

励磁されている状態では、電磁コイル３によつ
て平形可動子１７が引き付けられ、ボール１６が
弁座１８を開放し、該弁座１８を通つて燃料が、
燃料を調量する絞り成形されたノズル９に達し、
更に円錐形に拡大されて接続する噴射開口３９を
介して噴射される。

電磁コイル室４０は、非磁性材料から成るリン
グ４１によつて燃料に対してシールされており、
該リング４１は内周面で供給管片２１にかつ外周
面でケーシング１の段部１５にろう接されてい
る。

燃料噴射弁を上述のように構成することによつ
て、燃料分配導管４４から供給管片２１あるいは
流路２４を介して絶え間なく供給される燃料が弁
座１８のそばを通り過ぎ、排出管片２３を介して
燃料戻し導管４５に流れ戻ることも可能となり、
それによつて一方では温度上昇の結果として場合
によつて発生する蒸気泡が燃料戻し導管４５に連
行排出されるようになり、また他方では燃料が流
れ続けることによつて燃料噴射弁の連続した冷却
も保証され得る。

燃料噴射弁への燃料接続は差込みニツプル４６
を介して行われ、該差込みニツプルは燃料分配導
管４４と該燃料分配導管の上方に位置する燃料戻
し導管４５との周囲に係合しておりかつプラスチ
ツクリング部材５の環状段部４７に差し込まれて
いる。差込みニツプル４６の、燃料分配導管４４
と接続した孔４８内には供給管片２１が部分的に
突入しており、それによつて燃料が流路２４を介
して弁に流入することが可能である。差込みニツ
プル４６内に配置されて供給管片２１の周囲に係
合しているＯ−リング４９が、前記の燃料分配導
管４４を燃料戻し導管４５とから成る燃料側を外
気に対してシールしている。差込みニツプル４６
の孔５０内には排出管片２３が突入しており、該
孔５０は孔４８よりも小さな直径を有して燃料戻
し導管４５と接続している。Ｏ−リング５１は差
込みニツプル４６内で燃料分配導管４４と燃料戻
し導管４５との間をシールしているが、その両者
間の圧力勾配が僅かな場合はなくてもよい。上記
構成によるのと同様な掃除作用及び冷却効果は当
然、燃料分配導管と燃料戻し導管とが互いに交換
された場合でも可能であり、即ち燃料が管片２３
の孔２５を介して流入して流路２４を介して流出
してもよい。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の１実施例を示すものであつて、
第１図は本発明の燃料噴射弁の縦断面図、第２図
は第１図の−線に沿つた横断面図、第３図は
第１図の−線に沿つた横断面である。 １……弁ケーシング、２……コイル保持体、３
……電磁コイル、４……差込み接続部、５……プ
ラスチツクリング部材、７……閉鎖プレート、８
……ノズル保持体、９……ノズル、１３……行程
リング、１４……残留空〓形成板、１５……段
部、１６……ボール、１７……平形可動子、１８
……弁座、１９……結合フランジ、２０……通流
開口、２１……供給管片、２２……突出部、２３
……排出管片、２４……流路、２５……孔、２６
……挿入管、２７……閉鎖ばね、２９……磁石部
分、３０……弁部分、３２……弁座と反対側の
面、３５……舌状ばね部、３６……舌状ばね締込
み部、３９……噴射開口、４０……電磁コイル
室、４１……リング、４４……燃料分配導管、４
５……燃料戻し導管、４６……差込みニツプル、
４７……環状段部、４８……孔、４９……Ｏ−リ
ング、５０……孔、５１……Ｏ−リング。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 内燃機関の燃料噴射装置に用いられる電磁作
   動式の燃料噴射弁であつて、 電磁コイル３と可動子１７と、該可動子と共に
   運動する弁体１６と、該弁体と協働して本来の弁
   装置を形成する弁座１８とが設けられており、 燃料噴射弁の軸線に対して同心的に供給管片が
   配置されていて、該供給管片の一端が、弁装置１
   ６，１８とは反対の側に位置する燃料分配導管４
   ４に接続され、かつ他端が可能な限り深く燃料噴
   射弁内に突入しており、 供給管片を通して供給された燃料が弁装置１
   ６，１８を介して燃料噴射弁から噴射されるよう
   になつており、 供給管片に対して同心的に排出管片が配置され
   ていて、該排出管片が弁装置１６，１８の近くか
   ら延びていて供給管片との間に流路２４を形成し
   ている形式のものにおいて、 排出管片２３の、弁座１８とは反対の端部が燃
   料戻し導管４５に開口していることを特徴とする
   燃料噴射弁。 ２ 互いに同心的に配置された供給管片２１と排
   出管片２３との少なくとも外側に位置する一方が
   電磁コイル３を貫通しており、更に軟質磁性材料
   から形成されて磁気回路の１部分として働きなが
   ら可動子１７の近くまで達している、特許請求の
   範囲第１項記載の燃料噴射弁。 ３ 外側の管片２１が、押込み加工によつて内側
   へ向けて設けられた複数の突出部２２を有してお
   り、該突出部２２が内側の管片２３を案内してい
   る、特許請求の範囲第２項記載の燃料噴射弁。 ４ 磁石部分２９と弁部分３０とが共通の弁ケー
   シング１によつて包囲されている、特許請求の範
   囲第１項記載の燃料噴射弁。 ５ 電磁コイル４０が燃料に対してシールされて
   いる、特許請求の範囲第４項記載の燃料噴射弁。 ６ 電磁コイル室４０をシールするために非磁性
   材料から成るリング４１が用いられており、該リ
   ング４１が内周面で外側の管片２１に、かつ外周
   面で弁ケーシング１にろう接されている、特許請
   求の範囲第５項記載の燃料噴射弁。 ７ 可動な弁部分が、薄板から成る円板形状の平
   形可動子１７によつて形成されており、弁座１８
   に対向しかつ該弁座と協働するボール１６が前記
   の平形可動子１７に固定的に結合されている、特
   許請求の範囲第１項記載の燃料噴射弁。 ８ 片側をケーシングに固定的に締込まれ、他力
   側を平形可動子１７に結合されている舌状ばね部
   ３５が設けられており、該舌状ばね部３５が旋回
   運動の際に平形可動子１７を閉鎖ばね２７のばね
   力に抗して案内するようになつている、特許請求
   の範囲第７項記載の燃料噴射弁。 ９ 平形可動子１７と電磁コイル３との間に配置
   されている、非磁性のばね材料製の残留空〓形成
   板１４から舌状ばね部３５が切出されている、特
   許請求の範囲第８項記載の燃料噴射弁。 １０ 舌状ばね部３５と平形可動子１７とが互い
   に溶接又はろう接されている、特許請求の範囲第
   ９項記載の燃料噴射弁。