JPH0141539Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は、板金機械の加工位置決装置に関
し、加工すべき板金材料の角度と位置とを自動的
に設定するもので、プレス、シヤーリングマシン
等に利用できる。

従来の技術 加工台上に回動自在な定規を設け、加工位置後
方に材料の前端を突き当てる定規（バツクゲージ
など）を設けて、これら各定規を手動調節して加
工材料の位置決めを行うものであつた。

考案が解決しようとする問題点 このような装置にあつては、供給された材料の
角部が前方の突当定規に当接したとき、この角部
が衝突によつて変形し易く、正確な位置決めを行
い難く、更に、角度定規と突当定規との位置決め
を作業者が手動で行うため、作業者の熟練を要す
るものであつた。

この考案は、このような欠陥を解消しようとす
るものであり、板金材料の角部を変形させない
で、正確に、しかも簡単に材料の位置決めを行う
ものである。

問題点を解決するための手段 この考案は、供給される材料１を受けて加工す
べき加工台２に、入力された角度と加工長さとに
よつて、この加工台２上の材料１の一辺３を受け
て材料角度θを決める角度定規４と、この角度定
規４との間に供給される材料１の他辺５を受けて
位置Ｐ決めを行う位置決部材６とを設けてなる板
金機械の加工位置決装置の構成とする。

考案の作用 入力部に板金材料１の角度と切断長等の数値の
入力によつて、加工台２において角度定規４の回
動角度θと位置決部材６の移動位置Ｐとが制御さ
れる。加工台２上に板金材料１をのせて、この材
料１の角部をこれら角度定規４と位置決部材６と
の間に介入させる。この材料１の一辺３部を角度
定規４に当接させて押込めば、他辺５部が位置決
部材６に当接されて、材料１の加工位置が決定さ
れる。

考案の効果 このように加工材料１に応じた入力操作によつ
て、角度定規４の角度θと位置決部材６の移動位
置とが制御されるため、材料１をこれら角度定規
４と位置決部材６との間に介入させて、加工位置
を決めればよく、作業者の操作が簡単であり、正
確に能率的に行われる。しかも材料１は角部がス
トツパーやゲージ等に衝突することがなく、変形
し難く、この角部を挟む両側辺３，５部が、角度
定規４と位置決部材６に当接されるものであるか
ら、これら加工位置が定まり易く、かつ狂い難
い。

実施例 なお、図例第１図〜第４図において、シヤーリ
ングマシン７は、上部フレーム８と下部フレーム
９とからなる。下部フレーム上には、加工すべき
材料１を受ける加工台２と、この加工台２縁に沿
い下刃１０と、この奥側にあつて加工された材料
を受けて搬出するコンベア１１とを設ける。上部
フレーム８には該加工台２上に対向して材料１を
押圧固定する材料押え装置１２を設ける。この材
料押え装置１２は油圧機構等によつて加工すべき
材料１を押圧させるものである。又、上刃１３を
この上部フレーム８に取付け、該下刃１０に対向
して上下動することにより、この下刃１０との間
で剪断力によつて材料１を切断する構成である。

加工台２上には、角度定規４を中心軸１４回り
に回動自在に設け、この軸１４は、加工台２に設
けた孔を通して、この加工台２下側に取付けたサ
ーボモータ１５によつて回動すべく設ける。角度
定規４の一側には、加工台２面と平行な直線状の
定規部１６が、この加工台２面と直立する直立面
として形成され、この定規部１６の上側には加工
台２面と平行状の案内片１７が突出して設けられ
ている。

加工台２の奥側、即ち下刃１０の後ろ側には、
位置決部材６であるピンをピンホルダ１８に支持
させる。このピンホルダ１８を、加工台２の前側
に沿つて左右方向へ移動自在に摺動案内させて案
内溝１９に嵌合支持している。このピンホルダ１
８に螺合させる螺杆２０を、サーボモータ２１に
よつて回動させて、このピンホルダ１８を左右へ
移動すべく構成している。

位置決部材６は、ピンホルダ１８のピンホール
２２にばね２３によつて上方へ所定長さ突出すべ
く弾発付勢し、上刃１３の下動によつてばね２３
に抗して下動される構成としている。

上記角度定規４のサーボモータ１５と位置決部
材６のサーボモータ２１とは、入力キーボード２
４における入力によつてＮ／Ｃ制御される構成と
する。

例えば、作業者が切断しようとする板金材料１
の角部の角度αと、この角部から角度定規４側の
縁辺３に亘る切断長Ｌとを入力キーボード２４に
入力することによつて、これをデイスプレイ２５
に表示し、演算部２６で演算処理して、角度定規
４の回動角度θと、位置決部材６の移動位置Ｐと
を算出し、この回動角度θによつてサーボモータ
１５を制御駆動し、又、移動位置Ｐによつてサー
ボモータ２１を制御駆動すべく、Ｎ／Ｃ制御する
構成である。２８は表示器で、入力キーボード２
４のデータ入力によつて、これら角度定規４と位
置決部材６との関係位置が制御完了されたとき、
加工作業の準備完了の表示を行うものである。

入力キーボード２４に切断加工しようとする材
料１の角部角度αと切断長さＬとを入力する。こ
れによつてＮ／Ｃ制御が行われる。演算部２６で
演算されて、サーボモータ１５によつて角度定規
４の定規部１６の回動角度θを決め、サーボモー
タ２１によつて位置決部材６の移動Ｐが行われ、
これらの設定が完了すると表示器２８から作業準
備完了の表示が行われる。

加工台２上の板金材料１をのせて、この材料１
を角部２７を角度定規４と位置決部材６との間に
介入させながら、この角部２７の一辺部３を角度
定規４の定規部１６に平行に押し当てながら、他
辺部５を位置決部材６に当接させる。

続いて、シヤーリングマシンを作動させて上刃
１３を下降させると、該材料１は下刃１０と上刃
１３との間で、所定の決められた形態に切断され
る。切断された材料１はコンベア１１上を後方へ
搬送処理される。

第５図の実施例で上例と異る点は、材料１の位
置決部材６には、係止溝３０が設けられ、ピンホ
ルダ１８には、この係止溝３０に係止しうる係止
具３１を設け、この係止具３１はエアー又は油圧
操作機械等によつて係合、離脱操作される構成で
ある。又、ピンホルダ１８は加工台２下の案内杆
２９に嵌合案内させている。

係止具３１が係止操作されると、上刃１３が下
降されて、材料１を切断したとき、この位置決部
材６が下動されるに伴つて、係止溝３０に係止具
３１が係合され、位置決部材６の上動を阻止す
る。又、この係止具３１を常時外した状態にする
と、上刃１３の上昇によつて位置決部材６も上昇
して突出し、次の材料１の供給を待つ。

第６図の実施例は、位置決部材６を加工台２に
設けた案内溝３２に沿つて移動自在に設けるもの
で、案内溝３２は下刃１０と平行状に設け、ピン
ホルダ１８はこの加工台２の奥側側面に設置され
る。

なお、位置決部材６は、図例ではいずれもピン
形態としているが、単なる定規、乃至角度定規４
と同形態の構成とするもよい。このような定規形
態とするときは、サーボモータ等による位置Ｐの
移動制御のみでなく、定規の角度を制御すべく構
成とするもよい。

【図面の簡単な説明】

図はこの考案の実施例を示すもので、第１図は
側面図、第２図は一部の斜視図、第３図は一部の
拡大側断面図、第４図はブロツク制御図、第５図
は別実施例を示す一部の拡大側断面図、第６図は
別実施例を示す一部の平面図である。 図中、符号１は材料、２は加工台、３は一辺、
４は角度定規、５は他辺、６は位置決部材を示
す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 供給される材料１を受けて加工すべき加工台２
   に、入力された角度と加工長さとによつて、この
   加工台２上の材料１の一辺３を受けて材料角度θ
   を決める角度定規４と、この角度定規４との間に
   供給される材料１の他辺５を受けて位置Ｐ決めを
   行う位置決部材６とを設けてなる板金機械の加工
   位置決装置。