JPH0133461Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、収納された物品を箱内で保持する保
持体を備えた箱に関する。

［従来の技術］ 一般に、箱内に収納された物品を、輸送中等に
箱内で移動しないように支持するためには、箱内
に物品を保持する保持体が設けられる。

従来、この保持体は、物品の外面に倣つた形状
の凹部を有する発泡スチロールや、厚紙等を物品
の外面に倣つた形状に枠組したもの等から成つて
いた。しかし、このような従来の保持体は、各方
向に対して物品を確実に保持できるという利点を
有する反面、保持体自体の構造が復雑化し、保持
体が高価なものになるという問題があつた。とく
に、収納される物品がそれ程高価なものでない場
合、保持体が箱や収納される物品に対して相対的
に高価なものとなりすぎるという問題が生じる場
合があつた。

また、通常、収納された物品を箱から取り出す
場合には、保持体とともに取り出されることが多
いが、保持体の構造が複雑であると、箱から取り
出しにくいという問題もあつた。

また、本考案に関連して、実開昭54−153065号
公報には、穴開きの平板状保持体と、折り曲げ構
造の保持体とで収納される物品を保持する構造が
開示されているが、保持体が２枚必要であるとい
う問題、単に一枚の平板状保持体のみでは、物品
の箱内での傾きを抑え切れないこと、およびその
平板状保持体が箱内で移動したりがたついたりす
るおそれがあるという問題がある。

［考案が解決しようとする課題］ 本考案は、上記のような問題点に着日し、簡単
な構造でかつ安価な、しかも確実に物品を保持で
き保持体自身も箱内でがたついたりしない、保持
体を備えた箱を提供することを目的とする。

［課題を解決するための手段］ この目的に沿う本考案の保持体を備えた箱は、
実質的に直方体形状を有する箱内に収納された物
品を箱内で保持する保持体を備えた箱において、
前記保持体を前記箱に内挿される一枚の厚紙から
構成し、該保持体の中央部に前記物品の外周面に
倣う形状の内周縁を有する穴を形成するととも
に、前記保持体を円弧状に撓ませた状態で該保持
体の外周端面を前記箱の内壁面に接触支持させ、
かつ前記保持体の面と並行に広がる箱の内壁面間
の距離を、該距離方向に延びる前記物品の寸法と
略同一としたものから成る。

［作用］ このような保持体を備えた箱においては、保持
体の穴に物品がはめ込まれ保持体はその外周端面
が箱の内壁面によつて支持されるので、収納され
る物品は、保持体の面方向には保持体の穴の内周
縁によつて保持される。そして、保持体の面と直
交する方向については、その方向にある箱の内壁
面間距離が物品の寸法に略等しく設定されている
ので、物品は箱の内壁面自体によつて直接支持さ
れる。さらに、保持体は円弧状に撓まされている
ので、自身の弾性反力によつてその外周端面が箱
内壁面に押圧され、該押圧力によつて箱内の所定
位置に固定される。しかも円弧状に撓まされてい
ることから、保持体の穴内周縁も円弧状に湾曲す
ることになり、穴内周縁は上記円弧状湾曲方向に
物品に対して支持長を有することになる。その結
果、単に平板状保持体の穴に保持される場合に比
べ、物品の傾きが抑えられる。したがつて、収納
される物品は、簡単な構造でかつ安価な保持体を
用いることによつて、保持体と箱の内壁面とによ
つて確実に保持され、所期の目的が達成される。

［実施例］ 以下に本考案の保持体を備えた箱の望ましい実
施例を図面を参照して説明する。

第１図ないし第３図は、本考案の一実施例に係
る保持体を備えた箱を示している。図中、１は、
実質的に直方体形状の厚紙からなる箱を示してい
る。そして、箱１の内部には、物品として略直方
体形状のライター２が収納されている。

箱１内には、一枚の厚紙から成る保持体３が内
挿されている。保持体３には、その中央部に穴４
が形成されており、穴４は、後述の保持体湾曲状
態にて、その内周縁がライター２の外周面に倣う
形状に形成されている。保持体３は、第１図、第
３図に示すように、円弧状に撓ませた状態で箱１
内に挿入され、外周端面３ａは箱１の内壁面１ａ
に接触支持されている。外周端面３ａのうち、円
弧状の両端にある外周端面３ａは、第３図に示す
ように、直方体状箱１の内壁面１ａと底面１ｂと
の接続位置に位置するとが望ましい。また、保持
体３の円弧状面の凸面側３ｂは、箱１の天井面１
ｃに接触することが望ましい。

箱１の内壁面のうち、保持体３と並行に広がる
面、すなわち、ライター２の上下面に対応する内
壁面間の距離Ｈは、その距離方向のライター２の
寸法と略同一に設定されている。したがつて、ラ
イター２の上下面は、箱１の底面１ｂと天井面１
ｃとに接触している。

なお、５は、箱１に設けられライター２の外面
の一部を外部に露出させて内容物を表示するため
の穴であり、穴５は、ライター２の寸法よりは小
さい寸法に形成されている。

上記のように構成された保持体を備えた箱にお
いては、収納される物品としてのライター２は、
保持体３の穴４にはめ込まれた状態で保持体３と
ともに箱１内に収納される。穴４は、ライター２
の外周面に倣う形状に形成されているので、ライ
ター２は、穴４の内周縁によつて保持体３に保持
される。そして、保持体３をを円弧状に撓ませる
ことによつて、その弾性によつて保持体３の外周
端面が箱１の内壁面に支持され、保持体３を介し
てライター２が支持される。保持体３を円弧状に
湾曲させることにより、保持体３自身に弾性反力
が生じ、その反力により保持体３の外周端面が箱
内壁面に押しつけられ、保持体３自身が箱内に固
定、保持される。とくに、外周端面３ａを内壁面
１ａの折れ曲がり位置に位置させ、円弧状面の凸
面３ｂ側を天井面１ｃに接触させるようにすれ
ば、保持体３自体は箱１内で完全に拘束されるの
で、より確実にライター２は保持される。

また、保持体３が円弧状に湾曲されることによ
り、その湾曲方向に、第３図に示すようにライタ
ー２との間に接触支持長Ｌを有することができ、
ライター２が第３図における高さ方向にも支持さ
れることになるので、ライター２の箱１内での傾
きやガタツキが一層確実に防止される。

また、箱１内に収納されているライター２を取
り出す場合には、穴４内にライター２がはめ込ま
れているので保持体３を引き出すだけでライター
は容易に保持体３とともに取り出され、しかも、
保持体３は単に箱１内に挿入されているだけであ
るから、容易に箱１内から引き出される。

［考案の効果］ 以上説明したように、本考案の保持体を備えた
箱によるときは、一枚の厚紙から成り収納される
物品がはめ込まれる穴を形成した保持体を円弧状
に撓ませて箱内に挿入し、保持体と箱の内壁面と
により物品を保持するようにしたので、単に一枚
の簡単な構造の保持体で確実に物品を箱内に保持
することができ、しかも極めて安価に実施できる
という効果が得られる。

また、収納された物品を箱内から取り出す際に
も、保持体とともに容易に引き出すことができる
という効果も得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例に係る保持体を備え
た箱の斜視図、第２図は第１図の装置の平面図、
第３図は第１図の装置の−線に沿う縦断面
図、である。 １……箱、１ａ，１ｂ，１ｃ……箱の内壁面、
２……収納される物品としてのライター、３……
保持体、３ａ……保持体の外周端面、３ｂ……凸
面、４……穴、Ｈ……内壁面間の距離。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 実質的に直方体形状を有する箱内に収納された
   物品を箱内で保持する保持体を備えた箱におい
   て、前記保持体を前記箱に内挿される一枚の厚紙
   から構成し、該保持体の中央部に前記物品の外周
   面に倣う形状の内周縁を有する穴を形成するとと
   もに、前記保持体を円弧状に撓ませた状態で該保
   持体の外周端面を前記箱の内壁面に接触支持さ
   せ、かつ前記保持体の面と並行に広がる箱の内壁
   面間の距離を、該距離方向に延びる前記物品の寸
   法と略同一としたことを特徴とする保持体を備え
   た箱。