JPH0120606Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はセミ貯湯式湯沸器に関するものであ
り、燃焼室壁を巻回するパイプ内の水の循環を良
くし、パイプ内での部分沸騰を防止することを目
的としたものである。

従来は第１図に示すように出湯口８を有する貯
湯槽１と流入槽２を吸熱パイプ３及びリターンパ
イプ４で連結し、給水パイプ５で流入槽２内に給
水していた。そして燃焼室壁６の冷却は流入槽２
から取出した冷却パイプ７を燃焼室壁６に巻回し
て行なつており、該冷却パイプ７は再び流入槽２
にもどるよう構成されていた。このような構成の
湯沸器は貯湯槽１と流入槽２との間を吸熱パイプ
３とリターンパイプ４とで自然循環させながら加
熱していくため各パイプに傾斜を必要とし、貯湯
槽１が上方に位置し、高温水が貯まるのである。
しかしながら、燃焼中は冷却パイプ７内の水はか
なり加熱されるので流入槽２内の水温よりも高く
なる。ところが、冷却パイプ７の両端はどちらも
流入槽２内に開口しているため槽内の低温水が両
開口に流れ込もうとし、その結果冷却パイプ７内
の水の流通はスムーズでなかつた。又、燃焼室壁
６下端から流入槽２の間しか冷却パイプ７を巻回
することはできず、冷却パイプ７の勾配が緩やか
にしかとれなく、これまた水の上昇を妨げるもの
であり、これらが原因で冷却パイプ７内で水が沸
騰してしまつていた。

本考案は上記従来の欠点を解消したものであ
り、以下これを図示の一実施例とともに説明す
る。第２図において、１０は貯湯槽、１１は貯湯
槽１０より下方に位置する流入槽で、多数の吸熱
フイン１２を有する吸熱パイプ１３及びリターン
パイプ１４で連結されている。１５は給水パイプ
で、二方に分岐されており、一方は流入槽１１に
接続されており、他方は冷却パイプ１６として吸
熱パイプ１３下方に燃焼室を形成する燃焼室壁１
７を燃焼室壁１７下端から貯湯槽１０の高さ位置
まで巻回し、その後貯湯槽１０に接続されてい
る。１８は貯湯槽上部に設けられた出湯口であ
る。

本考案はこのような構成からなり、次に作用に
ついて説明する。給水パイプ１５により流入槽１
１及び貯湯槽１０に給水する。その後、燃焼室下
方に設けられたバーナ等の加熱装置（図示せず）
により吸熱フイン１２が加熱されると、吸熱パイ
プ１３内の水は高温になり吸熱パイプ１３内を上
昇し貯湯槽１０内に流入する。貯湯槽１０内の冷
水はリターンパイプ１４を通つて流入槽１１に下
降する。このように自然循環することにより貯湯
槽１０、流入槽１１内の水は加熱されていくので
ある。一方、燃焼中は燃焼室壁１７は高温になる
が周囲に巻回した冷却パイプ１６内の通水により
冷却される。給水パイプ１５より供給された水は
冷却パイプ１６内を上昇しつつ燃焼室壁１７より
吸熱し、温水となりさらに上昇力を増し貯湯槽１
０内に流入する。貯湯槽１０内は冷却パイプ１６
内の温水よりも高温水で満たされているため冷却
パイプ１６に逆流することはなく、冷却パイプ１
６内は常にスムーズな上昇流を形成するのであ
る。そして、貯湯槽１０内の高温水は出湯口１８
より給湯されるのである。

以上のように本考案は、給水パイプを分岐し一
方は流入槽に接続し、他方は燃焼室壁を巻回した
後貯湯槽に接続したので、従来と同じ巻数であつ
ても冷却パイプの勾配を急にでき、又低位置では
低温水、高位置では高温水と連通されているため
水の循環が妨げられることはなく、冷却パイプ内
で部分沸騰を起こすことが皆無となるのである。
よつて沸騰による異音、振動、及び冷却効果の阻
害、更には空焚きによる危険性をも防止できるの
である。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例の斜視図を示したものである。
第２図は本考案の一実施例の斜視図を示したもの
である。 １０……貯湯槽、１１……流入槽、１３……吸
熱パイプ、１４……リターンパイプ、１５……給
水パイプ、１７……燃焼室壁、１８……出湯口。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上部に出湯口を有する貯湯槽と該貯湯槽より下
   方に位置する流入槽とが吸熱パイプ及びリターン
   パイプとで連結され、吸熱パイプ下方を燃焼室と
   したものにおいて、給水パイプを分岐し一方は前
   記流入槽に接続し、他方は燃焼室壁を巻回した後
   貯湯槽に接続したことを特徴とするセミ貯湯式湯
   沸器。