JPH0119594B2 - - Google Patents

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JPH0119594B2
JPH0119594B2 JP56209109A JP20910981A JPH0119594B2 JP H0119594 B2 JPH0119594 B2 JP H0119594B2 JP 56209109 A JP56209109 A JP 56209109A JP 20910981 A JP20910981 A JP 20910981A JP H0119594 B2 JPH0119594 B2 JP H0119594B2
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JP
Japan
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filter
signal
series
time
musical tone
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JP56209109A
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JPS58111096A (ja
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Atsumi Kato
Masatada Wachi
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Yamaha Corp
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Yamaha Corp
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Publication date
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Priority to US06/451,880 priority patent/US4548119A/en
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Publication of JPH0119594B2 publication Critical patent/JPH0119594B2/ja
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    • GPHYSICS
    • G10MUSICAL INSTRUMENTS; ACOUSTICS
    • G10HELECTROPHONIC MUSICAL INSTRUMENTS; INSTRUMENTS IN WHICH THE TONES ARE GENERATED BY ELECTROMECHANICAL MEANS OR ELECTRONIC GENERATORS, OR IN WHICH THE TONES ARE SYNTHESISED FROM A DATA STORE
    • G10H1/00Details of electrophonic musical instruments
    • G10H1/02Means for controlling the tone frequencies, e.g. attack or decay; Means for producing special musical effects, e.g. vibratos or glissandos
    • G10H1/06Circuits for establishing the harmonic content of tones, or other arrangements for changing the tone colour
    • G10H1/12Circuits for establishing the harmonic content of tones, or other arrangements for changing the tone colour by filtering complex waveforms
    • G10H1/125Circuits for establishing the harmonic content of tones, or other arrangements for changing the tone colour by filtering complex waveforms using a digital filter
    • GPHYSICS
    • G10MUSICAL INSTRUMENTS; ACOUSTICS
    • G10HELECTROPHONIC MUSICAL INSTRUMENTS; INSTRUMENTS IN WHICH THE TONES ARE GENERATED BY ELECTROMECHANICAL MEANS OR ELECTRONIC GENERATORS, OR IN WHICH THE TONES ARE SYNTHESISED FROM A DATA STORE
    • G10H2250/00Aspects of algorithms or signal processing methods without intrinsic musical character, yet specifically adapted for or used in electrophonic musical processing
    • G10H2250/055Filters for musical processing or musical effects; Filter responses, filter architecture, filter coefficients or control parameters therefor
    • G10H2250/061Allpass filters
    • G10H2250/065Lattice filter, Zobel network, constant resistance filter or X-section filter, i.e. balanced symmetric all-pass bridge network filter exhibiting constant impedance over frequency
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10STECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10S84/00Music
    • Y10S84/09Filtering

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  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Acoustics & Sound (AREA)
  • Multimedia (AREA)
  • Electrophonic Musical Instruments (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
この発明は電子楽器のデイジタルフイルタ装置
に関する。 電子楽器における音色回路は微妙な特性を必要
とするため、従来はアナログ回路によるものが多
かつた。しかし、アナログ音色回路(特にアナロ
グフイルタ)は規模が大きくなりがちであり、特
に固定フオルマントを必要とする音色(例えば人
声及びオーボエ、バスーン等の管楽器音など、そ
の他ピアノ、ストリング等の楽器音にも固定フオ
ルマントの特性がある)を実現するには並列に多
数のアナログフイルタ回路を用意しなければなら
ず、システムが大規模になつていた。また、アナ
ログ音色回路にはデイジタル楽音信号をそのまま
入力することができないので、デイジタル楽音発
生回路を適用する場合面倒であつた。 この発明は上述の点に鑑みてなされたもので、
小規模かつ低コストな構成によつて固定フオルマ
ントを容易に実現し、かつデイジタル楽音発生回
路を容易に適用し得る電子楽器のデイジタルフイ
ルタ装置を提供しようとするものである。このデ
イジタルフイルタ装置は、楽音信号及びフイルタ
係数の両方をシリアル化して入力し、かつこれら
の信号にもとづきシリアル演算を実行することに
よりフイルタ制御を施すようにしたことを特徴と
する。更に、複数系列の楽音信号を時分割多重化
して入力し、かつ各系列に対応するフイルタ係数
を楽音信号の時分割タイミングに同期してシリア
ル演算回路に与えることにより、各系列毎の時分
割的なシリアル演算を可能にし、1系列分のフイ
ルタ装置で複数系列の楽音信号のフイルタ制御を
施すようにしたことを特徴とする。 すなわち、この発明に係る電子楽器のデイジタ
ルフイルタ装置は、 複数系列のデイジタル楽音信号を時分割多重化
してかつシリアルに出力する楽音信号供給手段
と、 複数系列のフイルタ係数を時分割多重化してか
つシリアルに出力するフイルタ係数供給手段と、 前記フイルタ係数供給手段から出力されたシリ
アルフイルタ係数を入力し、1系列分の前記シリ
アルフイルタ係数が与えられる毎にこのフイルタ
係数を並列的にラツチするパラレル変換手段と、 前記系列の数に対応するステージをもつシフト
レジスタを前記フイルタ係数の各ビツトに対応し
て複数具備し、1系列分の前記フイルタ係数が前
記パラレル変換手段にラツチされる毎にこのパラ
レル変換手段の出力を前記各シフトレジスタの所
定のステージに夫々取り込み、かつ1系列分の前
記楽音信号をシリアル送出するのに要する時間毎
に前記シフトレジスタをシフト制御し、この取り
込みタイミングとシフトタイミングを前記シリア
ル楽音信号における各ビツトデータ送出タイムス
ロツトに同期して順次ずらして行い、これによ
り、パラレル変換したフイルタ係数を各系列毎に
記憶すると共に記憶した各系列のフイルタ係数を
各々の系列に対応する前記楽音信号の時分割タイ
ミングに同期して出力する係数記憶手段と、 前記楽音信号供給手段から出力されたシリアル
楽音信号を入力するとともに前記係数記憶手段か
ら出力されたフイルタ係数を入力し、各系列毎に
前記シリアル楽音信号とフイルタ係数とにもとづ
き時分割で演算を行い、その結果、各系列の楽音
信号をフイルタ制御した信号を時分割的に出力す
る1系列分のシリアル演算手段と を具えることを特徴とするものである。 上記構成によれば、複数系列のデイジタル楽音
信号が時分割多重化してかつシリアルに出力さ
れ、同様に、複数系列のフイルタ係数が時分割多
重化してかつシリアルに出力される。そして、1
系列分のシリアルフイルタ係数が並列的にラツチ
されパラレル変換される。そして、パラレル変換
されたフイルタ係数が各系列毎に記憶されると共
に記憶した各系列のフイルタ係数が各々が系列に
対応する楽音信号の時分割タイミングに同期して
出力される。そして、シリアル楽音信号と係数記
憶手段から出力されたフイルタ係数とが1系列分
のシリアル演算手段でシリアル演算される。 係数記憶手段のシフトレジスタへのフイルタ係
数の取り込みタイミングとシフトタイミングをシ
リアル楽音信号における各ビツトデータ送出タイ
ムスロツトに同期して順次ずらして行うようにし
ているため、1系列分のシリアル演算手段だけで
複数系列に関するシリアル演算を行うことができ
るようになつている。 このような本発明によれば、1系列分のシリア
ル演算手段だけで複数系列に関するシリアル演算
を行うことができ、しかも複数系列分のフイルタ
係数供給のための回路及び配線が極めてコンパク
ト化されるので、回路構成が極めて小規模とな
り、また、製造コストも低廉である、という優れ
た効果を奏する。 ところで、デイジタルフイルタの型式の1つと
してラテイス型フイルタが存在することは知られ
ている。ラテイス型フイルタは、乗算器の数が比
較的少なくて済み、かつ係数のビツト数も少なく
て済み、ハードウエアを小型化できるという利点
が有ると共に、望みのフイルタ特性に対して係数
の設定の仕方が確立されているためフイルタ係数
の設定が容易であるという利点が有るので、これ
を電子楽器のデイジタルフイルタ装置に適用する
ことが望まれる。しかるに、従来は、ラテイス型
フイルタを適用した電子楽器のデイジタルフイル
タ装置は存在していず、また、複数系列の楽音信
号を処理する場合に簡略化した構成でラテイス型
フイルタを構成することも考えられていなかつ
た。 そこで、この発明の更なる目的は、ラテイス型
フイルタを用いて複数系列の楽音信号を処理して
音色制御を行うことができるようにした電子楽器
のデイジタルフイルタ装置を、簡略化された構成
によつて提供することにある。 この目的を達成するために、この発明に係る電
子楽器のデイジタルフイルタ装置は、 複数系列のデイジタル楽音信号を時分割多重化
してかつシリアルに出力する楽音信号供給手段
と、 複数系列のフイルタ係数を時分割多重化してか
つシリアルに出力するフイルタ係数供給手段と、 前記楽音信号供給手段から出力された楽音信号
と前記フイルタ係数供給手段から出力されたフイ
ルタ係数とにもとづき、ラテイス型デイジタルフ
イルタの演算型式によるシリアル演算を実行し、
前記フイルタ係数に応じて前記楽音信号とフイル
タ制御した信号を出力する演算手段と を具え、前記演算手段は、前記シリアル演算のた
めの回路として縦続接続された複数のフイルタユ
ニツトを含み、 このフイルタユニツトの各々は、次段のフイル
タユニツトからフイードバツクされた信号を所定
時間遅延する第1の遅延手段と、前段のフイルタ
ユニツトから楽音信号が入力され、この入力楽音
信号を前記第1の遅延手段の出力信号から減算す
る第1の加算手段と、この第1の加算手段の出力
信号に前記フイルタ係数を乗算する乗算手段と、
この乗算手段における演算時間遅れに応じた時間
だけ前記入力楽音信号を遅延する第2の遅延手段
と、前記乗算手段の出力と第2の遅延手段の出力
とを加算し、その加算出力を次段のフイルタユニ
ツトに与える第2の加算手段と、前記第1の遅延
手段の出力信号を前記乗算手段における演算時間
遅れに応じた時間だけ遅延する第3の遅延手段
と、この第3の遅延手段の出力信号と前記乗算手
段の出力信号とを加算し、その加算出力を前段の
フイルタユニツトにフイードバツクする第3の加
算手段とを具え、前記第1の遅延手段における前
記遅延時間は前記デイジタル楽音信号の1サンプ
リング周期から前記乗算手段における演算時間遅
れの2倍の時間を引いた時間であることを特徴と
するものである。 以上の構成からなる本発明においては、楽音信
号供給手段から出力されたシリアル楽音信号とフ
イルタ係数供給手段から出力されたフイルタ係数
とにもとづきラテイス型デイジタルフイルタの演
算型式によるシリアル演算を実行する演算手段を
具備しており、この演算手段が、前記シリアル演
算のための回路として縦続接続された複数のフイ
ルタユニツトを含み、各フイルタユニツトが、上
述のように配置された乗算手段、第1乃至第3の
加算手段、第1乃至第3の遅延手段を夫々具備し
ている。こうして、複数系列分の楽音信号を簡単
な構成によつて処理することのできるラテイス型
フイルタを用いた楽音制御用のデイジタルフイル
タ装置を具体化することができる。特に、複数の
フイルタユニツトにより演算手段を構成している
ため、このフイルタユニツトの数の増減が容易で
あり、これによりフイルタ段数の変更が容易であ
る、という利点を有する。また、複数系列に関す
る時分割シリアル演算を行う構成であるため、回
路構成が極めて小規模となり、また、製造コスト
も低廉である、という優れた効果も奏する。 以下、添付図面を参照してこの発明の実施例を
詳細に説明しよう。 第1図において、鍵盤部10は例えば上鍵盤、
下鍵盤及びペダル鍵盤を含んでいる。楽音信号発
生部11は鍵盤部10で押圧された鍵に対応する
楽音信号を発生するもので、鍵盤種類及び音色等
に応じて複数系列で楽音信号を発生し得るもので
ある。音色選択装置12は各鍵盤毎の音色及び各
種効果等を選択するための多数のスイツチを含ん
でいる。音色選択装置12の出力のうち所定の出
力が楽音信号発生部11に与えられており、該発
生部11における楽音信号発生動作を制御する。
楽音信号発生部11は鍵盤種類及び音色等に応じ
た複数系列の楽音信号を各系列毎に並列的にかつ
デイジタル形式で出力する。勿論、各系列の楽音
信号は音色選択装置12における音色選択に応じ
て楽音信号発生部11で所定の音色が付与される
が、系列によつては音色付与が完了していないも
のもあり、それらは後段のデイジタルフイルタ部
14で音色制御が施される。例えば、音高にかか
わりなく常に同じスペクトル分布をもつ音色(い
わば移動フオルマント型の音色)は楽音信号発生
部11で付与し、固定フオルマント型の音色はデ
イジタルフイルタ部14で付与する。尚、移動フ
オルマント型の音色にあつても、例えばプラス系
の低域特性やストリング系の複雑な特性など、固
定フオルマント型のフイルタ制御を更に施すこと
によつてスペクトル補正を行なうのが好ましいも
のがあり、これらの音色に関してもデイジタルフ
イルタ部14が利用される。 楽音信号発生部11から出力された各系列毎の
デイジタル楽音信号は、楽音信号振分け及び累算
及びシリアル変換制御回路13に与えられる。こ
の制御回路13には音色選択装置12の出力のう
ち所定の出力が与えられている。制御回路13
は、音色選択装置12から与えられる音色選択情
報に応じて、各系列のうち楽音信号を累算するこ
とが可能なものとデイジタルフイルタ部14を通
すべきものとを振分け、累算可能なものはそれら
の楽音信号を累算(ミツクス)してライン15に
出力し、デイジタルフイルタ部14を通すべきも
のはそれら各系列毎の並列デイジタル楽音信号を
夫々シリアル化し更にそのシリアルデイジタル楽
音信号を各系列間で時分割多重化して1本の信号
ライン16に出力する。デイジタル楽音信号をシ
リアル化した上でデイジタルフイルタ部14に与
えることは、該フイルタ部14内部の演算回路を
シリアル演算回路とすることができ、該フイルタ
部14の構成縮小に寄与する。また、複数系列の
デイジタル楽音信号を時分割多重化して共通ライ
ンにまとめることは、各系列毎にデイジタルフイ
ルタを設けねばならない無駄を省き、デイジタル
フイルタ部14の構成縮小に寄与する。 下記表に、各系列の一例及び制御回路13にお
けるそれらの振分け態様の一例を示す。「単/複」
の欄にはそれらの系列が単音発生系であるか複音
発生系列であるかが示されている。勿論、複音系
列の場合は複数音のデイジタル楽音信号を加算混
合した信号が1系列分の楽音信号として楽音信号
発生部11から出力される。「振分け」の欄に示
された記号ch1,ch2,ch3,ch4はチヤンネ
ル表示であり、各系列の楽音信号をデイジタルフ
イルタ部14で時分割処理する説明を行なう際の
各系列の識別記号として用いる。
【表】 ライン15の楽音信号は混合回路17に与えら
れ、ライン16のシリアル楽音信号はデイジタル
フイルタ部14を経由して混合回路17に与えら
れる。混合回路17はデイジタルフイルタ部14
でフイルタ制御された楽音信号とフイルタ制御さ
れなかつたライン15の楽音信号とをミキシング
(デイジタル加算)するためのもので、フイルタ
制御された楽音信号はシリアル化されているた
め、これらのシリアル楽音信号を各系列毎にパラ
レル化した後上記ミキシングを行なうようになつ
ている。尚、制御回路13における「振分け」及
び「累算」及び「シリアル変換」の動作、並びに
混合回路17における「シリアル/パラレル変
換」の動作は、公知のデイジタル技術によつて容
易に実施し得るので、その詳細説明は省略する。
混合回路17から出力されたデイジタル楽音信号
はデイジタル/アナログ変換器18でアナログ信
号に変換され、サウンドシステム19に与えられ
る。 音色選択装置12の出力のうち所定の出力がデ
イジタルフイルタ部14に与えられており、音色
選択に応じて各系列ch1,ch2,ch3,ch4毎
のフイルタ特性が夫々設定されるようになつてい
る。そのため、フイルタ部14の内部にはフイル
タ係数内部ROM(ROMはリードオンリーメモリ
のこと、以下同じ)が含まれており、この内部
ROMから所定のフイルタ係数が音色選択情報に
応じて読み出されてフイルタ部14で利用される
ようになつている。このフイルタ係数内部ROM
とは別にフイルタ係数外部記憶装置20が設けら
れている。この外部記憶装置20は半導体記憶装
置であつてもよいし、また、磁気カード等着脱自
在の記憶媒体を含んでいてもよい。外部記憶装置
20から読み出されたフイルタ係数はデイジタル
フイルタ部14に供給される。デイジタルフイル
タ部14に関連してフイルタ係数切換スイツチ2
1が設けられている。このスイツチ21はデイジ
タルフイルタ部14において内部ROMまたは外
部記憶装置20のどちらを利用すべきかを選択す
るためのもので、フイルタ部14では選択された
どちらか一方から読み出されたフイルタ係数に従
つてフイルタ制御を実行する。外部記憶装置20
に記憶するフイルタ係数の一例としては、時間的
に変化するフイルタ係数などがある。フイルタ係
数を時間的に変化させるためには大きな記憶容量
が要求されるが、それには外部記憶装置が適して
いるからである。 尚、制御回路13は、ライン16に対する楽音
信号のシリアル送出の基準タイミングに対応して
同期パルスSYNCを出力するようになつている。
この同期パルスSYNCは、デイジタルフイルタ部
14及び外部記憶装置20に与えられ、ライン1
6のシリアル楽音信号に同期してフイルタ係数を
シリアル化する(シリアルに読み出す)ため、及
び、フイルタ部14におけるシリアル演算タイミ
ングの同期制御のため、に利用される。 デイジタルフイルタ部14の一例を第2図に示
す。デイジタルフイルタ部14は、縦続接続され
た15個のフイルタユニツトL1乃至L15から成
るデイジタルフイルタ主回路と、この主回路にフ
イルタ係数及び演算制御タイミング信号を供給す
るための回路22乃至27とを含んでいる。 第1図の制御回路13からライン16を経て与
えられたシリアル楽音信号(これを記号FSで示
す)は1段目のフイルタユニツトL1に入力され
る。一例として、1つの楽音信号は24ビツトのデ
イジタルデータから成る。ライン16のシリアル
楽音信号FSにおいては、この24ビツトのデータ
が24タイムスロツトを使用してシリアル化されて
おり、かつこの24タイムスロツト分のシリアルデ
ータが4系列時分割多重化されている。従つて、
シリアル楽音信号FSにおける楽音波形振幅の1
サンプリング周期は96タイムスロツトである。こ
の1サンプリング周期内の順次タイムスロツトに
1乃至96の番号を付けて図示したものが第3図a
である。第3図bに示すように、ライン16のシ
リアル楽音信号FSにおいては、第1タイムスロ
ツト乃至第24タイムスロツトに系列ch1のシリ
アル楽音信号データ、第25乃至第48タイムスロツ
トに系列ch2のシリアル楽音信号データ、第49
乃至第72タイムスロツトに系列ch3のシリアル
楽音信号データ、第73乃至第96タイムスロツトに
系列ch4のシリアル楽音信号データ、が夫々割
当てられている。24タイムスロツト毎の各楽音信
号データにおいて、最初のタイムスロツト(第
1、第25、第49、第73タイムスロツト)には最下
位ビツトLSBが割当てられており、以下遅いタ
イムスロツトになるほど重みが増し、23番目のタ
イムスロツト(第23、第47、第71、第95タイムス
ロツト)に最上位ビツトMSBが割当てられ、最
後のタイムスロツト(第24、第48、第72、第96タ
イムスロツト)にはサインビツトSBが割当てら
れる。 タイミング信号発生器22は、同期パルス
SYNCにもとづき所定のタイミング信号KL,
LD,SHを発生すると共にフイルタ係数の時分割
送出を制御する選択信号SLを発生する。一例と
して、1つのフイルタ係数は8ビツトのデイジタ
ルデータであり、これが各フイルタユニツトL1
乃至L15毎に必要であるから、1音色に対応す
るフイルタ係数の全ビツトは「8×15=120ビツ
ト」である。従つて、1音色(1系列)分のフイ
ルタ係数のシリアル送出に要するタイムスロツト
数は120であり、これらを4系列分時分割送出す
るのに要するタイムスロツト数は「120×4=
480」である。このフイルタ係数のシリアル時分
割送出の1サイクル時間(480タイムスロツト)
はシリアル楽音信号の5サンプリング周期(480
÷96=5)に相当する。選択信号SLは各系列ch
1,ch2,ch3,ch4を選択するための4種類
のコード信号から成り、1系列につき120タイム
スロツトの時間幅でこれらのコード信号が順次現
われる。 音色選択データ記憶装置23は、音色選択装置
12(第1図)から与えられた音色選択データを
記憶するためのものであつて、書込み及び読み出
し可能なものである。この記憶装置23は各系列
ch1,ch2,ch3,ch4に対応する記憶位置を
有し、各系列において選択された音色を示す音色
選択データが各々の記憶位置に記憶される。すな
わち、音色選択装置12からは、或る系列で何ら
かの音色が選択されたときその音色を示す音色選
択データと共にその系列(すなわち記憶装置23
のアドレス)を指定するデータ並びに書込み命令
が与えられるようになつており、これらのデータ
にもとづき記憶装置23の当該系列に対応する記
憶位置に音色選択データが記憶される。記憶され
た各系列ch1〜ch4の音色選択データは記憶装
置23から常時並列的に読み出され、セレクタ2
4に入力される。セレクタ24では、前述の選択
信号SLに応じて各系列の音色選択データを時分
割的に(120タイムスロツト毎に)順次選択する。 フイルタ係数内部ROM25は、音色選択装置
12で選択可能な各音色に対応してフイルタ係数
の組を予じめ記憶したものである。前述の通り、
1音色に対応するフイルタ係数は15個のフイルタ
係数から成り、1個のフイルタ係数が8ビツトで
あるため1組のフイルタ係数は120ビツトのデー
タである。ROM25は、同期パルスSYNCにも
とづき所定のタイミングで、120ビツトから成る
フイルタ係数の組をシリアルに1ビツトづつ順次
読み出し、かつこのシリアル読み出しを全音色に
関して同時に並列的に実行する。こうしてROM
25から読み出された各音色毎のフイルタ係数の
シリアルデータはセレクタ26に入力される。セ
レクタ26の選択制御入力にはセレクタ24で時
分割的に選択された各系列の音色選択データが与
えられる。セレクタ26はROM25から並列的
に与えられる各音色毎のシリアルフイルタ係数デ
ータのうち選択制御入力に与えられた音色選択デ
ータの内容(音色)に対応する1組のシリアルフ
イルタ係数データを選択する。1系列に関する音
色選択データがセレクタ26に与えられる120タ
イムスロツトの時間幅に同期して、ROM25で
は120ビツト分のフイルタ係数のシリアル読み出
しが行なわれるようになつている。従つて、各系
列ch1,ch2,ch3,ch4で選択された音色に
対応する4組のフイルタ係数のシリアルデータが
120タイムスロツト毎に時分割でセレクタ26か
ら出力される。 セレクタ26の出力はセレクタ27の一方入力
に与えられる。セレクタ27の他の入力には外部
記憶装置20(第1図)から読み出されたフイル
タ係数が与えられる。この外部記憶装置20から
のフイルタ係数の状態はセレクタ26から出力さ
れるものと全く同じであり、4系列のシリアルデ
ータが時分割多重化されたものである。セレクタ
27の制御入力にはフイルタ係数切換スイツチ2
1(第1図)の出力が与えられており、このスイ
ツチ21のオン・オフに応じてセレクタ26の出
力(すなわち内部ROM25の出力)または外部
記憶装置20の出力の一方が選択される。こうし
てセレクタ27で選択されたシリアルフイルタ係
数データKは1段目のフイルタユニツトL1に入
力される。また、タイミング信号発生器22から
発生されたタイミング信号KL,LD,SHも1段
目のフイルタユニツトL1に入力される。 第4図はシリアルフイルタ係数データKの状態
を示すもので、aは1系列分の状態を示し、bは
4系列分の状態を示す。aに示すように、1系列
分のフイルタ係数データKはフイルタユニツトの
後段に対応するものから順に(L15,L14…
L1の順に)送出され、かつ8ビツト毎の個々の
フイルタ係数ではサインビツトSBを先頭に上位
のビツトから順に送出される。縦続接続されたフ
イルタユニツトL1乃至L15の内部ではデータ
Kが順送りにシフトされるようになつており、第
4図aに示すように後段のユニツトL15…L1
に対応するものから順に送出されたデータKが
各々の所定のユニツトL15乃至L1の内部に丁
度移送されたとき各ユニツトL15乃至L1の内
部に各々の係数データKがラツチされるようにな
つている。(系列につき第4図aに示すような状
態のデータKが同図bに示すように系列ch1,
ch2,ch3,ch4の順で時分割多重化されてい
る。こうして、全系列ch1乃至ch4のシリアル
フイルタ係数データKが1巡する時間はシリアル
楽音信号FSの5サンプリング周期に相当するも
のとなる。 デイジタルフイルタユニツトL1乃至L15と
して用いるデイジタルフイルタの型式は如何なる
ものでもよい。デイジタルフイルタの基本型式と
して、ラテイス型フイルタ、有限インパルス応答
フイルタ(以下FIRフイルタという)、無限イン
パルス応答フイルタ(以下IIRフイルタという)
などが知られているが、中でもラテイス型フイル
タは音声合成に適したフイルタであることが知ら
れている。しかも、このラテイス型フイルタは、
他の型式に比べて乗算器の数が少なくて済み、ハ
ードウエアを小型化できるという利点があると共
に、フイルタ係数のビツト数が少なくて済み、か
つ望みのフイルタ特性に対して係数の設定の仕方
が確立されているという利点がある。そこで、こ
の実施例では好ましい一例として、デイジタルフ
イルタユニツトL1乃至L15にラテイス型フイ
ルタを使用するものとする。 ラテイス型フイルタの基本型式は第5図aに示
すものであり、同図b,cはその基本型式を等価
的に変換した型式を夫々示すものである。同図に
おいて、符号28乃至34は加算器または引算器
であり、35乃至41は乗算器であり、42乃至
47は遅延回路である。図では1つのフイルタユ
ニツトが示されており、これらのユニツトを適宜
個数縦続接続してフイルタ回路を構成する。Ko
−Ko、1−Ko、1+Koは各乗算器で乗算される
べきフイルタ係数であり、添字nはn段目のフイ
ルタユニツトの係数であることを示す。尚、出力
側に設けられた遅延回路43,45,47は最終
段のフイルタユニツトの出力とそのフイードバツ
ク入力との間に楽音信号の1サンプリング時間に
相当する時間遅れを設定するものである。各フイ
ルタユニツト内の遅延回路42,44,46もし
くは1サンプリング時間に相当する時間遅れを設
定するものである。この遅延回路42,44,4
6は、1サンプリング時間前の信号を前段のフイ
ルタユニツトにフイードバツクするためのもので
あるので、実際回路においては1サンプリング時
間から演算回路における時間遅れ分を引いた時間
がその遅延時間として設定されることになる。第
5図に示すラテイス型フイルタにおいて、cに示
す型式が乗算器の数が最も少なくて済む。 第2図のフイルタユニツトL1乃至L15を第
5図cに示す型式のラテイス型フイルタによつて
構成すると、第6図のようになる。同図に示す1
段目のフイルタユニツトL1において、符号4
8,49,50は加算器または引算器、51は乗
算器、52,53,54は遅延回路である。遅延
回路52,53,54のブロツク内に示された数
字32Dは32タイムスロツト分の遅延を行なうこと
を示している。FS−INは楽音信号入力端子、FS
−OUTは楽音信号出力端子、BS−INはフイー
ドバツク信号入力端子、BS−OUTはフイードバ
ツク信号出力端子、である。最終段のフイルタユ
ニツトL15を除く他のユニツトL2乃至L14
はユニツトL1と同一構成であり、各ユニツトL
1乃至L14の楽音信号出力端子FS−OUTがそ
の次段のユニツトL2乃至L15の楽音信号入力
端子FS−INに接続され、各ユニツトL2乃至L
15のフイードバツク信号出力端子BS−OUTが
その前段のユニツトL1乃至L14のフイードバ
ツク信号入力端子BS−INに接続される。 フイルタユニツトL1の加算器(機能としては
引算器)48においては、入力端子FS−INから
入力された楽音信号を端子BS−IN及び遅延回路
53を介して次段のユニツトL2からフイードバ
ツクされた楽音信号から引算する。この加算器4
8の出力が乗算器51に入力され、フイルタ係数
K1が乗算される。この係数K1の添字1は1段目
のユニツトL1に対応する係数であることを示
す。乗算器51の出力は加算器49に与えられ、
端子FS−IN及び遅延回路52を介して与えられ
る入力楽音信号と加算される。ここで、遅延回路
52を設けた理由は、乗算器51における演算時
間遅れに合わせるためである。すなわち、この例
では、乗算器51の演算時間遅れが32タイムスロ
ツトとなるように設計されており、この遅れに合
わせるために遅延回路52では32タイムスロツト
分の遅延を行なうのである。加算器49の出力は
出力端子FS−OUTを経由して次段のユニツトL
2に入力される。 ところで、加算器48の出力と次段のユニツト
L2から遅延回路53を経由してこの加算器48
にフイードバツクされる信号との間には1サンプ
リング周期に相当する時間遅れがなければならな
いわけであるが、これは次のように満たされてい
る。次段のユニツトL2の乗算器55から加算器
56を経由した楽音信号がユニツトL1のフイー
ドバツク信号入力端子BS−INに入力され、これ
が遅延回路53を経由して加算器48に入力され
ている。従つて、加算器48の出力信号は、乗算
器51で32タイムスロツト遅延され、その後、次
段の乗算器55で32タイムスロツト遅延され、更
に遅延回路53で32タイムスロツト遅延され、結
局合計96タイムスロツト遅延されて該加算器48
にフイードバツクされることになる。前述の通
り、シリアル楽音信号FSの1サンプリング周期
は96タイムスロツトであるので、上記のように必
要な遅延時間が確保されていることになる。 フイードバツク信号出力端子BS−OUTに信号
を与える加算器50(L2では56)は、乗算器
51(L2では55)の出力と遅延回路53及び
54(L2では57,58)を経由して与えられ
る次段のユニツトL2(L2ではL3)からのフ
イードバツク信号とを加算するためのものであ
る。遅延回路53の出力に対応する乗算器51の
出力は遅延回路53の出力タイミングよりも32タ
イムスロツト遅れている。この遅れに見合つた時
間遅れを設定するために遅延回路54が設けられ
ている。 尚、最終段のユニツトL15は自己の出力楽音
信号をフイードバツクするようになつている。そ
のため、前述のような次段ユニツトの乗算器にお
ける32タイムスロツトの時間遅れは見込めないの
で、遅延回路59における時間遅れを64タイムス
ロツトに設定しているのである。 尚、第6図ではフイルタユニツトL1乃至L1
5の基本構成のみを図示し、タイミング信号KL,
LD,SHに関連する回路、及び、シリアルフイル
タ係数データKに関連する回路、その他シリアル
演算並びに複数系列に関する時分割的フイルタ演
算を可能にする回路等については図示を省略して
ある。次に、第6図に示すような基本構成から成
るフイルタユニツトL1乃至L15の詳細例につ
き第7図を参照して説明する。 第7図は1段目のフイルタユニツトL1の詳細
例を示したものである。他のフイルタユニツトL
2乃至L15もこれと全く同一もしくはほぼ同一
構成である。第6図の加算器48,49,50及
び遅延回路52,53,54に相当する回路は第
7図でも同一符号が付してある。また、第6図の
乗算器51に相当する回路部分は第7図では同一
符号を用いて包括的に示してある。 タイミング信号KL,LD,SH及びシリアルフ
イルタ係数データKに関連する回路は第6図では
省略されていたが第7図では図示されている。こ
の回路につき、まず説明する。尚、図において1
タイムスロツトの遅延を行なう遅延回路は「D」
なる記号を記したブロツクによつて表示するもの
とし、特に説明を要する場合を除き個々の1タイ
ムスロツト遅延回路の参照番号は省略する。8個
の1タイムスロツト遅延回路を縦続接続した遅延
回路列(すなわち8ステージの直列シフト並列出
力型シフトレジスタ)60と、この遅延回路列6
0の各遅延回路出力を夫々入力した8個の1ビツ
ト型ラツチ回路から成るラツチ回路61は、シリ
アルフイルタ係数データKをパラレル変換するた
めのものである。遅延回路列60にはシリアルフ
イルタ係数データKが入力される。このデータK
は各遅延回路で順次シフトされて8タイムスロツ
ト後に次段のフイルタユニツトL2に与えられ
る。ラツチ回路61の各ラツチ制御入力(L)に
はタイミング信号KLが与えられており、この信
号KLが“1”のとき遅延回路列60の各遅延回
路の出力を各ラツチ回路にラツチする。尚、この
例ではラツチ回路61の出力タイミングはラツチ
タイミングから1タイムスロツト遅れるものとす
る。62及び63は60と同様に8個の1タイム
スロツト遅延回路を縦続接続した遅延回路列(直
列シフト並列出力型シフトレジスタ)である。遅
延回路列62にはタイミング信号LDが入力され、
63にはタイミング信号SHが入力される。これ
らの信号LD,SHは遅延回路列62,63の各遅
延回路で順次遅延され、8タイムスロツト後に次
段のフイルタユニツトL2に与えられる。 遅延回路列60,62,63及びラツチ回路6
1と同様の回路は他のフイルタユニツトL2乃至
L15にも設けられている。従つて、シリアルフ
イルタ係数データK、タイミング信号LD,SHは
各フイルタユニツトL1乃至L15で8タイムス
ロツトずつ順次遅延される。また、タイミング信
号KLは遅延されることなく各フイルタユニツト
L1乃至L15に同時に供給される。 タイミング信号発生器22(第2図)から1段
目のフイルタユニツトL1に与えられる各タイミ
ング信号KL,LD,SHのパルス発生タイミング
は第8図のようになつている。また、ライン16
を介して1段目のフイルタユニツトL1に与えら
れるシリアル楽音信号FSの状態の系列ch1,ch
2,ch3,ch4に関して示すと、第8図のよう
である。同様に1段目のフイルタユニツトL1に
与えられるシリアルフイルタ係数データKの状態
をch1,ch2,ch3,ch4に関して示すと、第
8図のようである。第8図において、信号波形図
に添えて記した数字は1サンプリング周期内のタ
イムスロツトの番号(第3図aに示すもの)を示
す。第8図に示した信号FS及びデータKの細部
は第3図b及び第4図aに示した通りである。 シリアルフイルタ係数データK及びタイミング
信号KL,LDの発生パターンは楽音信号FSの5
サンプリング周期を1サイクルとして繰返すもの
である。この5サンプリング周期の各々を第1乃
至第5サンプリング周期とすると、タイミング信
号KLは、第1サンプリング周期の第23タイムス
ロツト、第2サンプリング周期の第47タイムスロ
ツト、第3サンプリング周期の第71タイムスロツ
ト、第4サンプリング周期の第95タイムスロツ
ト、で夫々パルスが発生する信号であり、その1
周期は120タイムスロツトである。また、タイミ
ング信号LDはKLと同じく120タイムスロツトを
1周期とする信号であり、KLよりも1タイムス
ロツト遅れてパルスが発生する信号である。シリ
アルフイルタ係数データKにおいては、前述の通
り1系列のフイルタ係数に対して120タイムスロ
ツトが割当てられている。まず、第1サンプリン
グ周期の第23タイムスロツトから第2サンプリン
グ周期の第46タイムスロツトまでの120タイムス
ロツトにおいて系列ch1のフイルタ係数Kが割
当てられ、以下、信号KLのタイミングに同期し
て120タイムスロツト毎に系列ch2,ch3,ch4
の係数Kが順次割当てられている。タイミング信
号SHは24タイムスロツトの周期で第24、第48、
第72、第96タイムスロツト毎に繰返し発生するも
のである。 第8図から明らかなように、1系列分のフイル
タ係数データKのシリアル送出を完了した直後に
タイミング信号KLが発生される。第4図aに示
すように1系列分のシリアルフイルタ係数データ
Kは後段のフイルタユニツトL15,L14…L
1に対応するものから順に送出される。従つて、
タイミング信号KLが発生したとき、個々のフイ
ルタユニツトL1乃至L15に対応する8ビツト
のフイルタ係数は、各々に対応する所定のユニツ
ト内の遅延回路列(第7図の60に相当するも
の)に丁度入つており、これらが各ユニツト内の
ラツチ回路(第7図の61に相当するもの)に
夫々ラツチされる。こうして、シリアルフイルタ
係数データKが夫々所定のフイルタユニツトL1
乃至L15において並列データに変換される。こ
の並列データは次のラツチタイミングが到来する
までラツチ回路(第7図では61)で保持され
る。例えば、第1サンプリング周期の第23タイム
スロツトでタイミング信号KLが発生したときは
系列ch4のフイルタ係数データが各ユニツトL
1乃至L15のラツチ回路(第7図の61)に
夫々ラツチされ、次に第2サンプリング周期の第
47タイムスロツトでタイミング信号KLが発生す
るまで系列ch4のフイルタ係数が保持される。
従つて、ラツチ回路61から出力されるフイルタ
係数の系列ch1乃至ch4を示すと、第8図のKD
のようになる。 第7図において、フイルタ係数記憶装置64は
各系列ch1乃至ch4のフイルタ係数を夫々記憶
し、これらを各系列のシリアル楽音信号FSのタ
イミングに合わせて乗算器51に供給するための
ものである。フイルタ係数記憶装置64は、フイ
ルタ係数の各ビツトに対応する8個のシフトレジ
スタSR1乃至SR8から成る。8ビツトから成る
フイルタ係数の各ビツトをラツチした各ラツチ回
路61の出力は、各々に対応するシフトレジスタ
SR1乃至SR8のKDi入力に加えられる。シフト
レジスタSR1乃至SR8のうちSR1がフイルタ
係数の最下位ビツト(LSB)に対応し、SR7が
係数の最上位ビツト(MSB)に対応し、SR8が
サインビツト(SB)に対応する。尚、8ビツト
のフイルタ係数データはサイン・マグニチユード
形式で表わすものとし、下位7ビツトでフイルタ
係数の絶対値を表わし、その上位のサインビツト
(SB)で係数の正負符号(“0”のとき正、“1”
のとき負)を表わす。係数の最上位ビツト
(MSB)すなわちシフトレジスタSR7に対応す
るビツトの重みが10進数の0.5であるとする。 フイルタユニツトL1に入力されたタイミング
信号SH及びLDはシフトレジスタSR1のSHi入
力及びLDi入力に夫々入力される。また、遅延回
路列62及び63でこれらの信号LD,SHを順次
遅延したものがシフトレジスタSR2乃至SR8の
SHi入力及びLDi入力に夫々入力される。尚、遅
延回路列62,63における5段目の遅延回路6
5,66はどのレジスタにも入力されないが、こ
れは乗算器51における後述の演算時間遅れに合
わせるために設けられたものである。 シフトレジスタSR1乃至SR8の各々は第9図
に示すように構成されている。1タイムスロツト
の遅延時間をもつ4つの遅延回路67,68,6
9,70によつて4ステージのシフトレジスタが
構成されている。KDiはデータ入力であり、LDi
は新データ取り込み制御入力、SHiはシフト制御
入力である。KDi入力に与えられた新データは、
LDi入力とSHi入力の両方に信号“1”が与えら
れたときアンド回路71及びオア回路80を介し
て1ステージ目の遅延回路67に取り込まれる。
SHi入力の信号が“0”のとき、この信号を反転
したインバータ84の出力が“1”であり、ホー
ルド用のアンド回路73,75,77,79が可
能化されて各遅延回路67,68,69,70の
出力が該アンド回路73,75,77,79及び
オア回路80,81,82,83を介して自己保
持される。SHi入力の信号が“1”のとき上記ホ
ールド用のアンド回路73,75,77,79が
不能化され、シフト用アンド回路72,74,7
6,78が可能化される。これにより、1ステー
ジ目の遅延回路67の出力Q1は2ステージ目の
遅延回路68に、2ステージ目の出力Q2は3ス
テージ目の遅延回路69に、3ステージ目の出力
Q3は4ステージ目の遅延回路70に、4ステー
ジ目の出力Q4は1ステージ目の遅延回路67
に、夫々シフトされる。尚、LDi入力の信号をイ
ンバータ85で反転した信号がアンド回路72に
入力されており、新データを1ステージ目の遅延
回路67に取り込むときは4ステージ目の出力Q
4が1ステージ目にシフトされるのを禁止してい
る。以上の構成によつて、タイミング信号LDに
もとづく信号“1”がLDi入力に与えられる毎に
(120タイムスロツト毎に)フイルタ係数データが
ラツチ回路61(第7図)からシフトレジスタ
SR1及至SR8の1ステージ目に取込まれ、かつ
タイミング信号SHにもとづく信号“1”がSHi
入力に与えられる毎に(24タイムスロツト毎に)
各シフトレジスタSR1乃至SR8の各ステージの
データが次段にシフトされる。 1段目のフイルタユニツトL1のシフトレジス
タSR1についてみてみると、KDi入力を介して
1ステージ目の遅延回路67にラツチ回路61の
フイルタ係数データが取込まれるのはタイミング
信号LDの発生時である。すなわち、第1サンプ
リング周期の第24タイムスロツトでは系列ch4
のフイルタ係数データが、第2サンプリング周期
の第48タイムスロツトでは系列ch1のデータが、
第3サンプリング周期の第72タイムスロツトでは
系列ch2のデータが、第4サンプリング周期の
第96タイムスロツトでは系列ch3のデータが、
夫々1ステージ目に取込まれる(第8図のLD及
びKD及びL1のSR1参照)。タイミング信号LD
の1周期の間にタイミング信号SHが5回発生す
るので、シフトレジスタSR1におけるシフトは
5回行なわれる。従つて、第1サンプリング周期
の第24タイムスロツトで1ステージ目の遅延回路
67に取り込んだ系列ch4のデータは、第48、
72、96、24タイムスロツトで信号SHが発生する
毎に(第8図のSH参照)、2ステージ目、3ステ
ージ目、4ステージ目、1ステージ目と順にシフ
トされ、次に第2サンプリング周期の第48タイム
スロツトで系列ch1のデータが1ステージ目の
遅延回路67に取込まれるとき、先に取込んだ系
列ch4のデータは2ステージ目の遅延回路68
にシフトされる。こうして、シフトレジスタSR
1の各ステージ(遅延回路67〜70)に各系列
ch1乃至ch4のフイルタ係数データが順次取込
まれる。タイミング信号LDの4周期すなわち5
サンプリング周期で、シフトレジスタSR1にお
ける各系列ch1乃至ch4のフイルタ係数データ
の書替えが1通り完了する。そして、この書替え
は5サンプリング周期毎に繰返し行なわれる。以
上のような制御によつて、1段目のフイルタユニ
ツトL1のシフトレジスタSR1の各ステージ
(遅延回路67〜70)の出力Q1,Q2,Q3,
Q4に現われるフイルタ係数の系列ch1乃至ch
4は、第8図のL1のSR1に示すように変化す
る。 フイルタユニツトL1における他のシフトレジ
スタSR2乃至SR8のSHi入力及びLDi入力には
シフトレジスタSR1のSHi入力及びLDi入力に加
わる信号SH及びLDを夫々順次1タイムスロツト
づつ遅延した信号が加わる。従つて、これらのシ
フトレジスタSR2乃至SR8における各ステージ
の出力Q1〜Q4の変化のパターンは第8図のL
1のSR1に示したシフトレジスタSR1のそれと
同じだが、その変化のタイミングが順次1タイム
スロツトづつ遅れたものとなる。但し、シフトレ
ジスタSR5とSR6との間には余分の遅延回路6
5,66が設けられているのでシフトレジスタ
SR6における変化のタイミング(シフトタイミ
ング)はSR5のそれよりも2タイムスロツト遅
れる。こうして、1つのフイルタユニツトにつき
合計8タイムスロツトの遅れを出しながら各シフ
トレジスタSR1乃至SR8の変化タイミング(シ
フトタイミング)が順次ずれてゆく。最初のフイ
ルタユニツトL1のシフトレジスタSR1のLDi
入力に“1”が与えられたときから、その信号
“1”を順次遅延したものが最後のフイルタユニ
ツトL15の最後のシフトレジスタSR8のLDi
入力に与えられるまでには120タイムスロツトの
時間遅れがある。例えば第1サンプリング周期の
第24タイムスロツトで発生した信号LDにもとづ
く“1”がフイルタユニツトL15のシフトレジ
スタSR8のLDi入力に与えられるのは第2サン
プリング周期の第48タイムスロツトである。各ユ
ニツトL1及至L15のラツチ回路61には第8
図のKDに示すように、第1サンプリング周期の
第24タイムスロツトから第2サンプリング周期の
第47タイムスロツトまで系列ch4のフイルタ係
数データがラツチされている。従つて、最初のフ
イルタユニツトL1のシフトレジスタSR1から
最後のフイルタユニツトL15のシフトレジスタ
SR7までは、第7図と全く同一構成で、同じ系
列(例えばch4)のフイルタ係数データを各シ
フトレジスタSR1乃至SR8に順次取込むことが
できる。しかし、フイルタユニツトL15の最後
のシフトレジスタSR8のLDi入力に“1”が与
えられるとき、ラツチ回路61の出力は別の系列
のものに切換わつてしまう。そこで、この不都合
に対処するために、フイルタユニツトL15の最
後のシフトレジスタSR8に対応するラツチ回路
(第7図の61に相当するもの)の出力を1タイ
ムスロツト遅延した信号を該レジスタSR8の
KDi入力に与えるようにするものとする。 各フイルタユニツトL1乃至L15のフイルタ
係数記憶装置64(シフトレジスタSR1乃至SR
8)における上述のような巧妙なデータ取込み及
びシフト制御によつて、後述のような複数系列の
楽音信号に関する時分割シリアル演算処理が可能
になる。 第7図のフイルタユニツトL1においては、シ
フトレジスタSR1乃至SR8の出力Qとして4ス
テージ目の出力Q4(第9図参照)が取り出さ
れ、乗算器51に入力される。 さて、入力端子FS−INから入力されたシリア
ル楽音信号FSはインバータ86で反転されて、
加算器48のB入力に与えらる。加算器48は全
加算器であり、遅延回路53を介して次段のフイ
ルタユニツトL2からフイードバツクされる楽音
信号がA入力に与えられる。C0+1はキヤリイアウ
ト出力であり、キヤリイアウト信号が生じた加算
タイミングとこの出力C0+1に信号“1”が出力さ
れるタイミングとの間には1タイムスロツトの時
間遅れがあるものとする。キヤリイアウト出力
C0+1の出力信号はオア回路87を介して加算器4
8のCi入力に与えられる。第3図bに示したよう
にシリアル楽音信号FSにおいては上位ビツトの
データほどより遅いタイムスロツトに割当てられ
ている。従つて、1タイムスロツト遅れで出力
C0+1から出力されたキヤリイアウト信号をCi入力
に加えることにより、キヤリイアウト信号を1ビ
ツト上位のデータに加算することができる。オア
回路87の他の入力には遅延回路列63の1段目
の遅延回路136から出力される信号SH1が与
えられる。この信号SH1は第8図に示すように
発生するタイミング信号SHを1タイムスロツト
遅延させたものであり、第25、第49、第73及び第
1タイムスロツトにおいて“1”となる信号であ
る。一方、ライン16を介して入力端子FS−IN
に入力されるシリアル楽音信号FSは第3図bの
ようであるため、各系列ch1乃至ch4のシリア
ル楽音信号の最下位ビツト(LSB)のタイミン
グに対応して信号SH1が“1”となることにな
り、加算器48では最下位ビツト(LSB)のタ
イミングで繰返し“1”が加算される。この操作
は、入力端子FS−INから加算器48のB入力に
与えられる楽音信号FSを負の値に変換するため
のものである。すなわち、楽音信号FSをインバ
ータ86で反転し、その最下位ビツト(LSB)
に1を加算することにより、2の補数形式の負の
値に変換する操作が行なわれている。尚、ライン
16から入力端子FS−INに与えられる楽音信号
FSも負の値は2の補数形式で表わされているも
のとする。従つて、楽音信号FSが負の値のとき
は、上記インバータ86及び信号SH1による2
の補数化操作によつて実質的に正の値に変換され
ることになる。こうして、加算器48では、フイ
ードバツク入力端子BS−IN及び遅延回路53を
介してA入力に与えられるフイードバツクされた
楽音信号の振幅データから入力端子FS−INに与
えられた楽音信号の振幅データを減算する操作が
行なわれる。 加算器48の出力は遅延回路88に入力される
と共にラツチ回路89のデータ入力に与えられ
る。フイードバツク楽音信号と入力楽音信号FS
との差を示す加算器48の出力信号は遅延回路8
8で24タイムスロツト遅延され、排他オア回路9
0に与えられる。排他オア回路90の出力は加算
器91のA入力に与えられる。遅延回路88、ラ
ツチ回路89、排他オア回路90及び加算器91
は、2の補数形式で表わされた加算器48の出力
信号をサイン・マグニチユード(サインビツトと
絶対値)形式に変換するためのものである。 ラツチ回路89のラツチ制御入力(L)にはタ
イミング信号SHが入力される。信号SHが発生す
る第24タイムスロツトまたは第48、第72、第96タ
イムスロツトでは、加算器48からはサインビツ
ト(SB)を表わす信号が出力されている(第3
図b参照)。従つて、サインビツト(SB)の値が
ラツチ回路89にラツチされる。このラツチ回路
89の出力は排他オア回路90及びアンド回路9
2に与えられる。例えば、第24タイムスロツトで
系列ch1に関するサインビツト(SB)をラツチ
し、ラツチした信号を第25タイムスロツトから第
48タイムスロツトまでの24タイムスロツトの間該
ラツチ回路89から出力しているとき、第1乃至
第24タイムスロツトで加算器48から出力された
系列ch1に関する信号を24タイムスロツト遅延
した信号が遅延回路88から出力される。従つ
て、ラツチ回路89から出力されるサインビツト
信号と遅延回路88から出力される信号の系列は
合致している。ラツチ回路89にラツチされたサ
インビツト信号が“0”すなわち正のとき、遅延
回路88の出力信号は排他オア回路90をそのま
ま通過し、加算器91のA入力を介してS出力か
らそのまま出力される。サインビツト信号が
“1”すなわち負のとき、遅延回路88の出力信
号は排他オア回路90で反転される。このときラ
ツチ回路89の出力“1”によつてアンド回路9
2が可能化され、信号SH1のタイミングでアン
ド回路92から“1”が出力され、オア回路93
を介して加算器91のCi入力に“1”が与えられ
る。この信号SH1はタイミング信号SHを1タイ
ムスロツト遅延した信号であり、最下位ビツトに
対応している。例えば、系列ch1に関する信号
が遅延回路88から出力される第25乃至第48タイ
ムスロツトにおいては、第25タイムスロツトで信
号SH1が“1”となり、最下位ビツトに関する
排他オア回路90の出力信号に対して加算器91
で1が加算される。加算の結果生じたキヤリイア
ウト信号は1タイムスロツト遅れて出力C0+1から
出力され、アンド回路94、オア回路93を介し
てCi入力に与えられる。アンド回路94の他の入
力には信号SH1をインバータ95で反転した信
号1が与えられる。最下位ビツトの演算タイ
ミングでは信号1の“0”によつてアンド回
路94が不能化され、演算タイミングが先行する
系列の最上位ビツトからのキヤリイアウト信号を
禁止するようにしている。排他オア回路90にお
ける反転と最下位ビツトへの1加算とによつて、
2の補数で表わされた負の値が絶対値に変換され
る。 以上の構成によつて、加算器91の出力Sから
は加算器48の出力信号を絶対値で表わした信号
FS′が出力される。この信号FS′の状態を系列ch
1乃至ch4に関して示すと、第8図のFS′のよう
であり、入力楽音信号FSのタイミングよりも24
タイムスロツト遅れている。この信号FS′は第3
図bに示す信号FSと同様に1系列につき24ビツ
ト(タイムスロツト)のシリアルデータであり、
最下位ビツト(LSB)が先行している。 乗算器51では、加算器91から出力された24
ビツトのシリアルデータFS′に各シフトレジスタ
SR1乃至SR8から出力された8ビツトのフイル
タ係数を乗算する。24ビツトと8ビツトのシリア
ル乗算では普通32タイムスロツト分の演算時間が
必要であるが、24タイムスロツト毎に各系列の時
分割演算を行なわねばならないため下位8ビツト
分の乗算結果は切捨て、サインビツトも含めて上
位24ビツト分の積を求めるようにしている。乗算
器51は、シフトレジスタSR1乃至SR7から並
列的に出力されるフイルタ係数の絶対値部分の各
ビツトに対応する7個の乗算器部分M1乃至M7
を含んでいる。これらの部分M1乃至M7は順に
縦続接続されている。部分M4,M5,M6に関
しては詳細図を省略したが、部分M2及びM3と
同一構成である。 各部分M1乃至M7は部分積を求めるためのア
ンド回路96,97,98,…99を夫々含んで
おり、各アンド回路96乃至99に各シフトレジ
スタSR1乃至SR7から出力されるフイルタ係数
の絶対値部分の各ビツトk1,k2…k7が夫々入力さ
れる。また、部分M1乃至M6は縦続接続された
遅延回路100,101,102…を夫々含んで
おり、加算器91の出力信号FS′をこれらの遅延
回路100,101,102…で1タイムスロツ
トずつ順次遅延し、各々の遅延出力を上記アンド
回路97,98…99に夫々印加する。部分M1
のアンド回路96には遅延されていない信号
FS′が印加される。部分M2乃至M7は加算器1
03,104,…105を夫々含んでおり、各ア
ンド回路96乃至99で求めた部分積をこれらの
加算器103乃至105で加算する。信号FS′が
各遅延回路100,101,102で順次遅延さ
れるので、個々のタイムスロツト毎の各アンド回
路96乃至99の出力の重みは一致しており、従
つて加算器103乃至105では同じ重み同士の
部分積を加算することができる。 加算器103乃至105において、個々のビツ
トの部分積すなわちアンド回路97乃至99の出
力はA入力に夫々印加される。B入力には部分積
もしくは和がアンド回路106,107,108
…を介して入力される。アンド回路106にはア
ンド回路96の出力及びインバータ95の出力信
号1が入力される。アンド回路107,10
8…には加算器103,104…の出力S及び上
記信号1を遅延回路109,110,111
…で順次遅延した信号が加わる。これらのアンド
回路106,107,108…は下位の部分積を
切捨てるためのものである。各加算器103,1
04,…105のキヤリイアウト出力C0+1はアン
ド回路113,114…115を介してキヤリイ
イン入力Ciに入力される。アンド回路113,1
14,…115の他の入力には信号1を遅延
回路109,110,111…で順次遅延した信
号が加わる。アンド回路113,114…115
は同系列に関するキヤリイアウト信号の加算を可
能にする一方で、演算タイミングが先行する別の
系列の最上位ビツトに関するキヤリイアウト信号
がその次の系列の最下位ビツトに加算されないよ
うにするためのものである。 部分M5とM6の間に設けられた遅延回路11
6,117,118は、部分M1乃至M5におけ
るアンド回路106,107,108…及び加算
器103,104…の動作遅れを補償するための
ものである。これらの部分M1乃至M5における
演算動作遅れ時間の合計(これは1タイムスロツ
トに満たないものである)を遅延回路117でタ
イムスロツトの変化に同期させて1タイムスロツ
トの遅れとし、かつ、これに合わせるために遅延
回路100,101,102の経路に遅延回路1
16を挿入し、遅延回路109,110,111
…の経路に遅延回路118を挿入してある。ま
た、この遅れに合わせるため、遅延回路列62及
び63に余分の遅延回路65,66が挿入されて
いる。 こうして、信号FS′とフイルタ係数の絶対値部
分(ビツトk1〜k7)との積に相当するシリアルデ
ータが部分M7の加算器105から出力される。
この加算器105の出力は排他オア回路119を
介して加算器120のA入力に加わる。排他オア
回路119及び加算器120は信号FS′とフイル
タ係数のサインビツト同士の乗算結果に応じて積
を2の補数形式に変換するためのものである。フ
イルタ係数のサインビツト(SB)を示すデータ
k8はシフトレジスタSR8から排他オア回路12
1に入力される。信号FS′のサインビツトはラツ
チ回路89にラツチされている。このラツチ回路
89の出力信号をシフトレジスタSR8の出力に
同期させるためにラツチ回路122が設けられて
おり、ラツチ回路89の出力を遅延回路列63の
8段目の遅延回路123の出力が“1”となるタ
イミングでラツチする。このラツチ回路122の
出力が排他オア回路121の他の入力に与えられ
る。ラツチ回路122のラツチタイミングとシフ
トレジスタSR8のシフトタイミングが同じであ
るため、同じ系列に関するフイルタ係数のサイン
ビツトデータと信号FS′のサインビツトデータと
が同期して排他オア回路121に入力されること
になる。排他オア回路121は両者のサインビツ
トが不一致のとき負を示す“1”を出力し、一致
しているとき正を示す“0”を出力する。この排
他オア回路121の出力が“0”のときつまり積
のサインが正のときは、加算器105の出力は排
他オア回路119及び加算器120をそのまま通
過し、アンド回路124に与えられる。排他オア
回路121の出力が“1”のときつまり積のサイ
ンが負のときは、加算器105の出力は排他オア
回路119で反転され、加算器120のA入力に
加わる。加算器120のCi入力には、排他オア回
路121の出力が“1”のとき後述のように最下
位ビツトのタイミングでアンド回路125からオ
ア回路126を介して“1”が与えられるように
なつている。こうして、負の値の積は2の補数形
式に変換される。 2の補数形式で表わされた積は加算器120か
らアンド回路124及びオア回路127を介して
加算器49のA入力に与えられる。尚、加算器1
20及び49のキヤリイアウト出力C0+1のキヤリ
イイン入力Ciへの供給を制御するアンド回路12
8及び129は前記アンド回路113,114,
…115と同じ目的で設けられたものである。 加算器105の出力を入力したオア回路13
0、アンド回路131、遅延回路132から成る
ループは積が全ビツト“0”であるか否かを検出
するためのものである。信号1を7タイムス
ロツト遅延した信号8がアンド回路131に
加えられており、このループの記憶内容がこの信
号8によつてリセツトされる。加算器105
の出力が1度でも“1”になると、このループ1
30,131,132に“1”が記憶される。加
算器105の出力が1度も“1”にならなかつた
とき、すなわち積がオール“0”のときこのルー
プ130,131,132には“1”が記憶され
ず、“0”のままである。遅延回路132及び排
他オア回路121の出力がアンド回路133に入
力されている。積がオール“0”でなければ、排
他オア回路121の出力すなわちサインビツトの
積がそのままアンド回路133を通過する。積が
オール“0”ならば、アンド回路133が不能化
され、排他オア回路121の出力の如何にかかわ
らず該アンド回路133の出力は“0”(つまり
正のサインを示す)となる。アンド回路133の
出力はアンド回路134及びオア回路127を介
して加算器49のA入力に与えられる。アンド回
路134は信号8をインバータ135で反転
した信号によつてサインビツトのタイミングでだ
け可能化されるようになつている。従つて、アン
ド回路133の出力が積のサインビツトを示すも
のとなり、積がオール“0”のときはサインビツ
トは強制的に“0”つまり正とされる。 次に、第7図及び第10図を参照して演算動作
の細部につき説明する。第10図のタイムスロツ
トの欄には第1サンプリング周期の第25タイムス
ロツト乃至第56タイムスロツトが示されている。
ここに示された合計32タイムスロツトを利用して
系列ch1に関する24ビツトの信号FS′と8ビツト
のフイルタ係数との乗算が行なわれる。ただし32
タイムスロツトのうち最初の8タイムスロツト
(第25乃至第32タイムスロツト)は系列ch1に先
行する系列ch4に関する上位ビツトの演算タイ
ミングでもあり、この部分では系列ch4に関す
る演算を優先し、系列ch1に関する演算は切捨
てるようにしている。従つて、系列ch1に関す
る実質的な乗算演算が行なわれるのは第33乃至第
56タイムスロツトの合計24タイムスロツトの期間
においてである。 第10図のk1乃至k8の欄にはシフトレジスタ
SR1乃至SR8から並列的に出力されるフイルタ
係数の各ビツトk1乃至k8の状態が系列ch1乃至
ch4に関して示されている。シフトレジスタSR
1から出力されるフイルタ係数の最下位ビツトk1
は、第8図のL1のSR1欄のQ4にも示したよ
うに第25タイムスロツト乃至第48タイムスロツト
の間系列ch1に関するものであり、第49タイム
スロツトからは系列ch2に関するものに切換わ
る。前述の通り、シフトレジスタSR1乃至SR8
のシフトタイミングは1タイムスロツトずつ順次
ずれているので、シフトレジスタSR2から出力
されるビツトk2は第26タイムスロツトで系列ch
1に関するものに切換わり、k3乃至k7に関して
は、第10図に示していないが、第27、第28、第
29、第31、第32タイムスロツトで夫々系列ch1
に切換わる。そして、シフトレジスタSR8から
出力されるビツトk8は第33タイムスロツトで系列
ch1に切換わる。尚、余分の遅延回路65,6
6が設けられていることにより、シフトレジスタ
SR6から出力されるビツトk6は第30タイムスロ
ツトではなく第31タイムスロツトで系列ch1に
切換わる。 第10図のFS′の欄には加算器91からシリア
ルに出力される信号FS′の状態を示した。第8図
のFS′の欄にも示したように第25から第48タイム
スロツトまでの24タイムスロツトの間系列ch1
に関する信号FS′が出力される。第10図には、
この系列ch1に関する信号FS′の各ビツトF1乃至
F24のタイミングが示されている。F1が最下位ビ
ツト(LSB)である。 第10図の96乃至99の欄には、各乗算器部
分M1乃至M7の部分積演算用アンド回路96乃
至99において各タイムスロツト毎に実行される
系列ch1に関する部分積演算の状態が示されて
いる。例えば、「F1・k1」は信号SF′の最下位ビ
ツトF1にフイルタ係数の最下位ビツトk1を乗算
することを示す。図から明らかなように、部分M
1のアンド回路96では下位ビツトから順にシリ
アルに与えられる信号FS′の各ビツトF1、F2、F3
…F24に対して常にフイルタ係数の最下位ビツト
k1が乗算される。ビツトk1が系列ch1に切換わ
るタイミングと系列ch1の信号FS′の最下位ビツ
トF1がアンド回路96に与えられるタイミング
とが一致しており、すなわちそれは第25タイムス
ロツトであり、この第25タイムスロツトでアンド
回路96から部分積「F1・k1」が出力される。
従つて、ビツトk1が系列ch1に関する値を維持
する24タイムスロツト(第25から第48タイムスロ
ツトまで)の間で、第10図に示すように、信号
FS′の各ビツトF1乃至F24とフイルタ係数の最下
位ビツトk1との部分積「F1・k1」乃至「F24・k1
がアンド回路96で順次求められる。フイルタ係
数の他のビツトk2乃至k7と信号FS′との乗算も上
述と同様にして各部分M2乃至M7のアンド回路
97乃至99で夫々実行される。ただし、信号
FS′を遅延回路100,101,102…で順次
遅延したものと各ビツトk2乃至k7とを乗算するた
め、演算タイミングは第10図に示すように順次
ずれている。 第10図の1乃至9の欄には、信号
1及びこの信号1を遅延回路109,110,
111…112で順次遅延した信号2乃至
9の状態が示してある。遅延回路109から出力
される信号2は信号1よりも1タイムスロ
ツト遅れており、遅延回路110から出力される
信号3は信号1よりも2タイムスロツト遅
れている。また、部分M6内の遅延回路(図示せ
ず)から出力される信号8は、部分M1乃至
M6内の遅延回路109,110,111…及び
遅延回路118によつて信号1を7タイムス
ロツト遅延したものである。部分M7の遅延回路
112から出力される信号9は信号8を更
に1タイムスロツト遅延したものである。 第25タイムスロツトでは、信号1の“0”
によつて部分M1のアンド回路106が不能化さ
れ、アンド回路96から出力される部分積
「F1・k1」が切捨てられる。このとき部分M2乃
至M7では演算タイミングが先行する系列ch4
の部分積を求めており、系列ch4に関する乗算
結果が乗算器51から出力される。 次の第26タイムスロツトでは、信号2の
“0”によつて部分M2のアンド回路107が不
能化され、アンド回路96から出力された部分積
「F2・k1」とアンド回路97から出力された部分
積「F1・k2」の和すなわち加算器103の出力
が切捨てられる。このとき部分M3乃至M7では
系列ch4の部分積を求めており、系列ch4に関
する乗算結果が乗算器51から出力される。 以後、第31タイムスロツトまで、信号1の
遅延信号3…によつて系列ch1に関する乗算
結果が切捨てられる。すなわち、第31タイムスロ
ツトでは、信号1を6タイムスロツト遅延し
た信号7(図示せず)によつて部分M6の加
算器(図示せず)の出力が禁止される。このと
き、この部分M6の加算器からは「F6・k1
F5・k2+F4・k3+F3・k4+F2・k5+F1・k6」な
る部分積の和が出力されている。第10図を参照
すると「F6・k1」、「F5・k2」、「F4・k3」…は第
30タイムスロツトのときの部分積であるが、前述
の通り、部分M1乃至M5の部分積の和は遅延回
路117で1タイムスロツト遅延されるので、部
分M6からは第31タイムスロツトで出力される。 第32タイムスロツトでは、部分M1乃至M7で
は系列ch1の乗算結果の切捨ては行なわれない。
従つて、部分M7の加算器105からは「F7
k1+F6・k2+F5・k3+…+F1・k7」なる部分積
の和が出力される。しかし、この加算器105の
出力は排他オア回路119及び加算器120を経
由してアンド回路124に入力されており、この
アンド回路124の他の入力に加わる信号8
の“0”によつて禁止される。従つて、第32タイ
ムスロツトでも系列ch1の乗算結果は切捨てら
れる。前述の通り、この第32タイムスロツトまで
は、演算タイミングが先行する系列ch4の乗算
結果が乗算器51から(その出力回路であるオア
回路127から)出力される。 第33タイムスロツトから第48タイムスロツトま
では信号SH1乃至SH8はすべて“1”であり、
アンド回路106,107,108,…124が
すべて可能化されている。従つて、この間は、部
分M1乃至M7で求めた系列ch1に関するすべ
ての部分積の和が乗算器51から出力される。第
49タイムスロツトから第56タイムスロツトにおい
て信号1乃至8が順次“0”となるが、こ
れは次の系列ch2に関する部分積を切捨てるた
めに作用し、系列ch1に関する乗算結果は乗算
器51から確実に出力される。従つて、系列ch
1に関する実質的な乗算結果は第33タイムスロツ
トから第56タイムスロツトまでの24タイムスロツ
トにおいて乗算器51から出力される。 系列ch1に関するシリアル乗算出力の各ビツ
トS1乃至S23のタイミングを第10図のMoutの欄
に示す。第33タイムスロツトで出力される乗算結
果の最下位ビツトS1は、上述から明らかなよう
に、下記のような部分積の和から成る。更に、
S2、S3、…S21、S22、S23は下記の通りである。 S1=F8・k1+F7・k2+F6・k3+…+F2・k7 S2=F9・k1+F8・k2+F7・k3+…+F3・k7 S3=F10・k1+F9・k2+F8・k3+…+F4・k7 〓 S21=F24・k5+F23・k6+F22・k7 S22=F24・k6+F23・k7 S23=F24・k7 尚、信号FS′の最上位ビツトF24は加算器48
の出力のサインビツトの部分であり、正のとき
“0”がそのまま排他オア回路90を通過し、負
のときは“1”が排他オア回路90で反転されて
“0”とされるので、F24は常に“0”である。 第10図から判かるように信号9は乗算出
力の最下位ビツトS1のタイミングで“0”とな
る。従つて、この信号9をインバータ137
で反転したものをアンド回路125に入力するこ
とにより、加算器120における2の補数変換の
ための最下位ビツトへの1加算を行なうことがで
きる。 また、オール“0”検出のためのループ13
0,131,132のアンド回路131には信号
SH8が入力されている。第10図から判るよう
に、信号8は乗算出力の最下位ビツト(S1
の直前で“0”となる。従つて、新たな乗算結果
が加算器105から出力される直前に(例えば第
32タイムスロツトで)ループ130,131,1
32がリセツトされる。そして、加算器105か
ら出力される乗算結果のどのビツトも“0”の場
合は、乗算出力の最上位ビツト(S23)の出力タ
イミングの次のタイムスロツト(例えば第56タイ
ムスロツト)では依然として遅延回路132から
“0”が出力されている。このように、シリアル
乗算出力の最上位ビツト(S23)のタイミングの
次のタイムスロツトで、乗算出力の全ビツトが
“0”か否かが正式に判かる。このとき、信号
8をインバータ135で反転した信号によつてア
ンド回路134が可能化され、乗算出力のサイン
ビツトを示すデータが選択される。前述の通り、
このサインビツトデータは通常は排他オア回路1
21の出力信号であるが、乗算出力がオール
“0”のときは遅延回路132の出力“0”にも
とづき強制的に“0”にされる。 こうして、オア回路127を経由して加算器4
9のA入力に与えられる乗算器51の出力は、最
下位ビツトから順に現われる23ビツトのシリアル
データS1乃至S23であり、その次のタイムスロツ
トにサインビツトが割当てられているものであ
る。また、負の値に関してはこれらの乗算出力デ
ータS1乃至S23は2の補数形式で表現されている。 一方、加算器49のB入力に遅延回路52から
与えられる楽音信号dFSは第10図のようになつ
ている。すなわち、第1乃至第24タイムスロツト
の間で入力端子FS−INに与えられた系列ch1の
楽音信号FSが遅延回路52で32タイムスロツト
遅延されることにより、遅延回路52からは第33
乃至第56タイムスロツトの間で系列ch1の楽音
信号dFSが出力される。従つて、加算器49のA
入力とB入力に加わる信号の系列は一致してお
り、同じ系列の乗算器出力と楽音信号とを加算す
ることができる。ところで、楽音信号の最下位ビ
ツト(LSB)(これは信号FS′のビツトF1と同じ
重みである)の重みを10進数の「1」とした場
合、乗算器51の出力の最下位ビツトS1の重みも
10進数の「1」である。このビツトS1は前述の通
り「F8・k1+…+F2・k7」なる部分積の和から
成るものである。ここで部分積「F2・k7」に注
目してみると、ビツトF2はビツトF1の1ビツト
上であるため10進数の「2」の重みであり、
「F2・k7」が10進数の「1」の重みであることか
らビツトk7は10進数「0.5」の重みであることが
わかる。このように、フイルタ係数k1〜k7の最上
位ビツトk7の重みが「0.5」となるように演算処
理が施されている。このことは、フイルタ係数の
絶対値が1未満の数であることを意味する。 加算器49の出力が出力端子FS−OUTを経由
して次段のフイルタユニツトL2に入力される。
次段のフイルタユニツトL2では、その入力端子
(第7図のFS−INに相当するもの)経由して前
段のフイルタユニツトL1から与えられる楽音信
号及びシフトレジスタ(第7図のSR1乃至SR8
に相当するもの)に記憶されたフイルタ係数等に
もとづき前述と同様の演算を行なう。ただし、各
フイルタユニツトL1乃至L15における入力端
子FS−INと出力端子FS−OUTとの間の楽音信
号の時間遅れが32タイムスロツトであるのに対し
て、タイミング信号LD及びSHの時間遅れは8タ
イムスロツトであるため、他のユニツトL2乃至
L15のすべてを前述のユニツトL1と全く同一
構成とすると乗算器(第7図の51に相当する)
におけるフイルタ係数k1〜k8と信号FS′の系列に
ずれが生じてしまう。そこで、各ユニツトL1乃
至L15の乗算器(第7図の51に相当する)に
おけるフイルタ係数k1〜k8と信号FS′の系列を一
致させるために、シフトレジスタSR1乃至SR8
の出力Qとして取り出すステージを各ユニツトL
1乃至L15毎に次のように異ならせるものとす
る。すなわち、ユニツトL1ではシフトレジスタ
SR1乃至SR8の出力Qとして第4ステージの出
力Q4(第9図参照)を取り出しているが、ユニ
ツトL2では第1ステージの出力Q1、ユニツト
L3では第2ステージの出力Q2、ユニツトL4
では第3ステージの出力Q3、ユニツトL5では
第4ステージの出力Q4、というように、出力Q
として取り出すステージを順次ずらすようにす
る。 上述のようなデイジタルフイルタユニツトL1
乃至L15によつて実現し得るフイルタ特性の一
例を第11図に示す。この特性は、120ビツトか
ら成る1組のフイルタ係数Kの値を或る所定の状
態に設定することにより実現される。この例のよ
うに、デイジタルフイルタによれば複雑なフイル
タ特性が実現可能であり、しかもフイルタ係数の
値を適切に設定することにより望みのフイルタ特
性を確実に実現できる。 第12図はFIRフイルタの基本構成を示し、第
13図はIIRフイルタの基本構成を示す。デイジ
タルフイルタ部14のフイルタユニツトL1乃至
L15としてこのようなFIRフイルタあるいは
IIRフイルタあるいはその組合せを用いてもよ
い。また、第14図及び第15図に示すような高
次巡回型デイジタルフイルタ(IIRフイルタの一
種)を用いて各ユニツトL1乃至L15を構成す
ることもできる。第12図乃至第15図におい
て、参照番号138,139,140,141を
付したブロツクのように「遅延」と記入されたブ
ロツクは遅延回路を示し、参照番号142,14
3,144,145を付したブロツクのように三
角形のブロツクは乗算器を示し、参照番号14
6,147,148,149を付したブロツクの
ように+記号が記入されたブロツクは加算器を示
す。また、乗算器142,143,144,14
5…に入力されるK1、K2、K3、…Ko、−K′1、−
K′2…−K′o、K01、K11、…はフイルタ係数であ
る。各乗算器142,143,144,145…
に関連して、第7図の乗算器51及びその周辺回
路SR1〜SR8…と同様に、複数系列の時分割的
なシリアル演算を可能にする構成が採用されるこ
とはいうまでもない。 以上説明したようにこの発明によれば、デイジ
タルフイルタを用いたため望みの固定フオルマン
トを容易に実現することができると共に、デイジ
タル楽音信号をそのままフイルタ装置に入力する
ことができ、デイジタル楽音発生回路と音色回路
との関連を簡素化することができる。また、デイ
ジタルフイルタ部はLSI化が可能であるため、電
子楽器全体としてLSI化可能な部分が増し、これ
に伴ない電子楽器におけるアナログ回路部分が一
層縮小化され、全体として製造コストの低減に寄
与する。また、楽音信号及びフイルタ係数の両方
をシリアル化してデイジタルフイルタ部に供給す
ることにより、集積回路の接続ピン数を縮減する
ことができると共に集積回路内部での配線数も縮
減することができる。更に、デイジタルフイルタ
内部でのシリアル演算処理によつてデイジタルフ
イルタの構成そのものも縮小化することができ
る。更に、複数系列の楽音信号を1系列のデイジ
タルフイルタ回路によつて時分割的にフイルタ処
理するようにしたため、より一層の小規模化及び
低コスト化を達成できる。 また、本発明によれば、ラテイス型フイルタを
用いた楽音制御用のデイジタルフイルタが具体化
され、それにより種々の効果を奏する。まず、ラ
テイス型フイルタは、乗算器の数が比較的少なく
て済み、かつ係数のビツト数も少なくて済み、ハ
ードウエアを小型化できるという利点が有ると共
に、望みのフイルタ特性に対して係数の設定の仕
方が確立されているためフイルタ係数の設定が容
易であるという効果を奏する。また、複数のフイ
ルタユニツトにより演算手段を構成しているた
め、このフイルタユニツトの数の増減が容易であ
り、これによりフイルタ段数の変更が容易とな
る、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の一実施例を示す電子楽器全
体構成ブロツク図、第2図は第1図におけるデイ
ジタルフイルタ部の内部構成の一例を示すブロツ
ク図、第3図は楽音信号のシリアル送出状態の一
例を示すタイミングチヤート、第4図はフイルタ
係数のシリアル送出状態の一例を示すタイミング
チヤート、第5図aはラテイス型デイジタルフイ
ルタの基本型式を示すブロツク図、第5図b及び
cはラテイス型デイジタルフイルタの基本型式の
等価変換例を夫々示すブロツク図、第6図は第2
図におけるフイルタユニツトをラテイス型フイル
タによつて構成した一例を示すブロツク図、第7
図は第6図における1つのフイルタユニツトの詳
細例を示す回路図、第8図は第7図における主要
な信号の発生例を大まかに示すタイミングチヤー
ト、第9図は第7図におけるフイルタ係数記憶用
のシフトレジスタの内部構成例を示す回路図、第
10図は第7図における乗算器のシリアル乗算動
作の一例を示すタイミングチヤート、第11図は
デイジタルフイルタによつて実現し得るフイルタ
特性の一例を示すグラフ、第12図は第2図のフ
イルタユニツトに応用可能な有限インパルス応答
フイルタの基本型式を示すブロツク図、第13図
は同じく第2図のフイルタユニツトに応用可能な
無限インパルス応答フイルタの基本型式を示すブ
ロツク図、第14図及び第15図は同じく第2図
のフイルタユニツトに応用可能な高次巡回型フイ
ルタの一例を夫々示すブロツク図、である。 10……鍵盤部、11……楽音信号発生部、1
2……音色選択装置、13……楽音信号振分け及
び累算及びシリアル変換制御回路、14……デイ
ジタルフイルタ部、20……フイルタ係数外部記
憶装置、21……フイルタ係数切換スイツチ、2
2……タイミング信号発生器、25……フイルタ
係数内部ROM、27……フイルタ係数切換スイ
ツチによつて制御されるセレクタ、L1乃至L1
5……フイルタユニツト、51,55……乗算
器、48,49,50,56……加算器、52,
53,54,57,58,59……遅延回路、6
0,62,63……遅延回路列、61……ラツチ
回路、64……フイルタ係数記憶装置、SR1乃
至SR8……シフトレジスタ。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 複数系列のデイジタル楽音信号を時分割多重
    化してかつシリアルに出力する楽音信号供給手段
    と、 複数系列のフイルタ係数を時分割多重化してか
    つシリアルに出力するフイルタ係数供給手段と、 前記フイルタ係数供給手段から出力されたシリ
    アルフイルタ係数を入力し、1系列分の前記シリ
    アルフイルタ係数が与えられる毎にこのフイルタ
    係数を並列的にラツチするパラレル変換手段と、 前記系列の数に対応するステージをもつシフト
    レジスタを前記フイルタ係数の各ビツトに対応し
    て複数具備し、1系列分の前記フイルタ係数が前
    記パラレル変換手段にラツチされる毎にこのパラ
    レル変換手段の出力を前記各シフトレジスタの所
    定のステージに夫々取り込み、かつ1系列分の前
    記楽音信号をシリアル送出するのに要する時間毎
    に前記シフトレジスタをシフト制御し、この取り
    込みタイミングとシフトタイミングを前記シリア
    ル楽音信号における各ビツトデータ送出タイムス
    ロツトに同期して順次ずらして行い、これによ
    り、パラレル変換したフイルタ係数を各系列毎に
    記憶すると共に記憶した各系列のフイルタ係数を
    各々の系列に対応する前記楽音信号の時分割タイ
    ミングに同期して出力する係数記憶手段と、 前記楽音信号供給手段から出力されたシリアル
    楽音信号を入力すると共に前記係数記憶手段から
    出力されたフイルタ係数を入力し、各系列毎に前
    記シリアル楽音信号とフイルタ係数とにもとづき
    時分割で演算を行い、その結果、各系列の楽音信
    号をフイルタ制御した信号を時分割的に出力する
    1系列分のシリアル演算手段と を具えた電子楽器のデイジタルフイルタ装置。 2 前記フイルタ係数供給手段は、複数組のフイ
    ルタ係数を予め記憶し、音色選択信号に応じて1
    組のフイルタ係数をシリアルに読み出す内部記憶
    装置と、任意のフイルタ係数を記憶しており、こ
    れをシリアルに読み出す外部記憶装置と、前記内
    部記憶装置または外部記憶装置の一方から読み出
    されたフイルタ係数を選択し、前記パラレル変換
    手段に供給する選択手段とを含むものである特許
    請求の範囲第1項記載の電子楽器のデイジタルフ
    イルタ装置。 3 複数系列のデイジタル楽音信号を時分割多重
    化してかつシリアルに出力する楽音信号供給手段
    と、 複数系列のフイルタ係数を時分割多重化してか
    つシリアルに出力するフイルタ係数供給手段と、 前記楽音信号供給手段から出力された楽音信号
    と前記フイルタ係数供給手段から出力されたフイ
    ルタ係数とにもとづき、ラテイス型デイジタルフ
    イルタの演算型式によるシリアル演算を実行し、
    前記フイルタ係数に応じて前記楽音信号をフイル
    タ制御した信号を出力する演算手段と を具え、前記演算手段は、前記シリアル演算のた
    めの回路として縦続接続された複数のフイルタユ
    ニツトを含み、 このフイルタユニツトの各々は、次段のフイル
    タユニツトからフイードバツクされた信号を所定
    時間遅延する第1の遅延手段と、前段のフイルタ
    ユニツトから楽音信号が入力され、この入力楽音
    信号を前記第1の遅延手段の出力信号から減算す
    る第1の加算手段と、この第1の加算手段の出力
    信号に前記フイルタ係数を乗算する乗算手段と、
    この乗算手段における演算時間遅れに応じた時間
    だけ前記入力楽音信号を遅延する第2の遅延手段
    と、前記乗算手段の出力と第2の遅延手段の出力
    とを加算し、その加算出力を次段のフイルタユニ
    ツトに与える第2の加算手段と、前記第1の遅延
    手段の出力信号を前記乗算手段における演算時間
    遅れに応じた時間だけ遅延する第3の遅延手段
    と、この第3の遅延手段の出力信号と前記乗算手
    段の出力信号とを加算し、その加算出力を前段の
    フイルタユニツトにフイードバツクする第3の加
    算手段とを具え、前記第1の遅延手段における前
    記遅延時間は前記デイジタル楽音信号の1サンプ
    リング周期から前記乗算手段における演算時間遅
    れの2倍の時間を引いた時間である電子楽器のデ
    イジタルフイルタ装置。
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