JPH021314B2 - - Google Patents
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- Electrophonic Musical Instruments (AREA)
Description
この発明は電子楽器のデイジタルフイルタ装置
に関し、特に、極フイルタとゼロフイルタとを具
えたものに関する。 電子楽器における音色回路は微妙な特性を必要
とするため、従来はアナログ回路によるものが多
かつた。しかし、アナログ音色回路(特にアナロ
グフイルタ)は規模が大きくなりがちであり、特
に固定フオルマントを必要とする音色(例えば人
声音及びオーボエ、バスーン等の管楽器音など、
その他ピアノ、ストリング等の楽器音にも固定フ
オルマントの特性がある)を実現するには並列に
多数のアナログフイルタ回路を用意しなければな
らず、システムが大規模になつていた。また、ア
ナログ音色回路にはデイジタル楽音信号をそのま
ま入力することができないので、デイジタル楽音
発生回路を適用する場合面倒であつた。そこで、
最近では、電子楽器の音色回路としてデイジタル
フイルタを用いることが試みられている。デイジ
タルフイルタによれば、デイジタル楽音発生回路
で発生したデイジタル楽音信号をそのまま入力す
ることができ、しかも時分割処理によつて小規模
なハード構成で複数の楽音信号の同時処理が行な
えるので経済的である。ところで、一般にデイジ
タルフイルタにおいては、希望の振幅周波数特性
を得ることができるように、係数を設定するのは
なかなか困難である。特に、電子楽器において望
みの固定フオルマントを忠実に実現するために
は、フイルタの振幅周波数特性における「山」及
び「谷」の位置(帯域)及びレベルを巧みに制御
する必要があり、これは従来から知られているデ
イジタルフイルタを電子楽器の音色回路に単純に
適用しただけでは実現困難であつた。デイジタル
フイルタにはいくつかの基本型式が知られている
が、そのいずれもが振幅周波数特性における極ま
たは零点の一方を主体として制御できるだけであ
り、両方を同時に巧みにかつ容易に制御できるも
のはない。例えば、極を主体として制御し得るタ
イプでは、複数の極を異なる周波数帯域で形成
し、そうしてできる「山」のすそ野の部分の重ね
合せによつて、結果として「谷」が形成されるに
すぎない。その場合、「谷」の位置及びレベルを
望みの状態に設定するのはかなり困難である。 また、従来のフイルタは、複数種のフイルタユ
ニツトを組合せてフイルタを構成する場合、その
接続順序を自由に換え制御することはできなかつ
た。 複数種の異なるフイルタユニツトを縦続接続し
て所望の特性のデイジタルフイルタを構成する場
合、その接続順序に依存して周波数特性が変わる
ことは理論上は有りえないが、現実には、該所望
の特性を最良の状態で(最大のダイナミツクレン
ジで)得るには、各フイルタユニツトの接続順や
ゲイン配分が非常に重要となる。つまり、最終的
に残すべき周波数帯域の信号成分は、前段のフイ
ルタユニツトで削つてしまうことなく、できるだ
け後段で減衰を与えるような構成を採用するのが
S/N比を高く保つためには望ましい。 このように、異なる特性のフイルタユニツトの
接続順序は、ダイナミツクレンジが大きく、S/
N比の良好な、音色制御を行なうためには、極め
て重要である。これが、縦続接続構成のデイジタ
ルフイルタにおいて「オーダリング」とか「ペア
リング」とかいわれる課題である。「ペアリング」
とはどのフイルタユニツトとどのフイルタユニツ
トをペアにして接続するか、ということであり、
「オーダリング」とはどのような順序で縦続接続
するか、ということである。 しかし、従来のデイジタルフイルタにおいて
は、上述のような「オーダリング」とか「ペアリ
ング」とかがフイルタ設計段階で問題にされてい
ても、一旦設計が完了してフイルタ回路のハード
構成が出来上がつてしまうと、その接続順序を自
由に切り換え制御することはできなかつた。 しかし、電子楽器において、異なる特性のフイ
ルタユニツトすなわち極フイルタとゼロフイルタ
縦続接続して音色制御用のフイルタを構成する場
合、最終的に得ようとする合成フイルタ特性(音
色)によつて、極フイルタを先にした方が好まし
い場合もあれば、反対にゼロフイルタを先にした
方が好ましい場合もあるので、その接続順序を自
由に切り換えることができるようにすることが望
ましい。 この発明は上述の点に鑑みてなされたもので、
振幅周波数特性における「山」と「谷」の両方を
比較的容易に制御できるようにして複雑な周波数
特性の設定も可能にすると共に、異なるフイルタ
ユニツトを縦続接続してフイルタ回路を構成する
場合においてその接続順序を自由に切換え制御で
きるようにすることにより、ダイナミツクレンジ
が大きく、S/N比の良好な、音色制御を行ない
得るようにした、電子楽器に適したデイジタルフ
イルタ装置を提供することを目的とする。 この目的は、振幅周波数特性における極を主に
制御し得るデイジタル型の極フイルタと、振幅周
波数特性における零点を主に制御し得るデイジタ
ル型のゼロフイルタと、該極フイルタとゼロフイ
ルタとを直列に接続し、その直列接続における該
極フイルタとゼロフイルタとの前後順序を制御信
号によつて切り換えることが可能な接続切換え制
御手段とを含む回路部を少なくとも2個(第1の
回路部と第2の回路部)直列接続して組合せてな
るデイジタルフイルタ装置によつて達成される。
このデイジタルフイルタ装置は、更に、前記第1
の回路部と第2の回路部に対して第1及び第2の
制御信号を夫々供給し、この制御信号に応じて
夫々のフイルタ直列回路におけ極フイルタとゼロ
フイルタとの前後順序を夫々設定することによ
り、前記第1の回路部のフイルタ直列回路におけ
る後段のフイルタとそれに直列接続される前記第
2の回路部のフイルタ直列回路における前段のフ
イルタの種類を同一にする接続状態若しくは異な
らせる接続状態の一方に切換え設定することが可
能な接続制御手段を具備する。 実現しようとする所望の振幅周波数特性(固定
フオルマント)における「山」の部分と「谷」の
部分を夫々独立に考え、「山」の部分の特性を極
フイルタによつて設定し、「谷」の部分の特性を
ゼロフイルタによつて設定する。例えば、直列的
に組み合わされた極フイルタとゼロフイルタを通
過したデイジタル楽音信号は、両方の振幅周波数
特性に従つて制御され、その結果、所望の「山」
「谷」特性を有する固定フオルマントに従つたフ
イルタ制御が行なわれることになる。この発明に
よれば、極フイルタに関しては所望の位置(帯
域)で所望のレベルで極が生じるように係数を設
定し、ゼロフイルタに関しては所望の位置(帯
域)で所望の深さで零点が生じるように係数を設
定すればよい。従つて、極と零点の係数設定を
夫々独立して行なえばよいので係数設定が容易と
なり、振幅周波数特性における「山」と「谷」の
両方を比較的容易に希望の状態に制御し得るよう
になる。 本発明によれば、第1の回路部と第2の回路部
とからなるデイジタルフイルタ装置全体の接続組
み合わせ状態として、 入力→第1の極フイルタ→第1のゼロフイル
タ→第2の極フイルタ→第2のゼロフイルタ→
出力、 入力→第1のゼロフイルタ→第1の極フイル
タ→第2のゼロフイルタ→第2の極フイルタ→
出力、 入力→第1の極フイルタ→第1のゼロフイル
タ→第2のゼロフイルタ→第2の極フイルタ→
出力、 入力→第1のゼロフイルタ→第1の極フイル
タ→第2の極フイルタ→第2のゼロフイルタ→
出力、 の4状態のうち1つに任意に切換え設定すること
ができるようになる。 ここで、第1の回路部のフイルタ直列回路にお
ける後段のフイルタとそれに直列接続される前記
第2の回路部のフイルタ直列回路における前段の
フイルタの種類を異ならせる接続状態とは、上記
との状態である。この場合、4個の異なるフ
イルタ(第1の極フイルタ、第1のゼロフイル
タ、第2の極フイルタ、第2のゼロフイルタ)を
交互に組み合わせた接続順序が実現される。 また、第1の回路部のフイルタ直列回路におけ
る後段のフイルタとそれに直列接続される前記第
2の回路部のフイルタ直列回路における前段のフ
イルタの種類を同一にする接続状態とは、上記
との状態である。 の状態では、第1の回路部の第1のゼロフイ
ルタと第2の回路部の第2のゼロフイルタとが一
体に直列接続される。これにより、2段のゼロフ
イルタの結び付きが強くなり、その間に極フイル
タが入る場合に比べてゼロフイルタによる特性の
設計が行ない易くなる。従つて、ゼロフイルタに
よる特性を重視した音作りをするのが望ましい音
色に関して、この接続が適している。 また、の状態では、第1の回路部の第1の極
フイルタと第2の回路部の第2の極フイルタとが
一体に直列接続される。従つて、上述と同様に、
極フイルタによる特性を重視した音作りをするの
が望ましい音色に関してこの接続が適している。 更にこの発明によれば、前述の目的は、振幅周
波数特性における極を制御し得るデイジタル型の
第1の極フイルタと、振幅周波数特性における零
点を制御し得るデイジタル型の第1のゼロフイル
タと、該第1の極フイルタと第1のゼロフイルタ
とを直列に接続し、その直列接続における該極フ
イルタとゼロフイルタとの前後順序を第1の制御
信号によつて切り換えることが可能な第1の接続
切換え制御手段とを含む第1の回路部と、 振幅周波数特性における極を制御し得るデイジ
タル型の第2の極フイルタと、振幅周波数特性に
おける零点を制御し得るデイジタル型の第2のゼ
ロフイルタと、第2の制御信号によつて該第2の
極フイルタと第2のゼロフイルタの一方を無効に
し、他方を有効にする接続切り換えを行うことが
可能な第2の接続切換え制御手段とを含み、前記
第1の回路部に対して直列に接続される第2の回
路部と、 前記第1の回路部と第2の回路部に対して第1
及び第2の制御信号を夫々供給し、この制御信号
に応じて第1の回路部のフイルタ直列回路におけ
る極フイルタとゼロフイルタとの前後順序を設定
すると共に第2の回路部で有効にするフイルタを
設定し、これにより、前記第2の回路部で有効な
フイルタの種類と前記第1の回路部のフイルタ直
列回路における接続状態とを切換え設定すること
が可能な接続制御手段と を具えた電子楽器のデイジタルフイルタ装置によ
つて達成することもできる。 この場合は、第1の回路部と第2の回路部とか
らなるデイジタルフイルタ装置全体の接続組み合
わせ状態として、 入力→第1の極フイルタ→第1のゼロフイル
タ→第2の極フイルタ→出力、 入力→第1のゼロフイルタ→第1の極フイル
タ→第2のゼロフイルタ→出力、 入力→第2の極フイルタ→第1のゼロフイル
タ→第1の極フイルタ→出力、 入力→第2のゼロフイルタ→第1の極フイル
タ→第1のゼロフイルタ→出力、 入力→第1の極フイルタ→第1のゼロフイル
タ→第2のゼロフイルタ→出力、 入力→第1のゼロフイルタ→第1の極フイル
タ→第2の極フイルタ→出力、 入力→第2の極フイルタ→第1の極フイルタ
→第1のゼロフイルタ→出力、 入力→第2のゼロフイルタ→第1のゼロフイ
ルタ→第1の極フイルタ→出力、 の8状態のうち1つに任意に切換え設定すること
ができるようになる。 ここで、第2の回路部で有効なフイルタの種類
と第1の回路部のフイルタ直列回路における第2
の回路部寄りの一方のフイルタの種類とを異なら
せる接続状態とは、上記〜の状態である。こ
の場合、隣合うフイルタユニツトがすべて異なる
接続順序が実現される。 また、第2の回路部で有効なフイルタの種類と
第1の回路部のフイルタ直列回路における第2の
回路部寄りの一方のフイルタの種類とを同一にす
る接続状態とは、上記〜の状態である。この
場合も、前述と同様に、第2の回路部で有効なフ
イルタと第1の回路部のフイルタ直列回路におけ
る該第2の回路部寄りの同一種類のフイルタとが
一体に直列接続され、2段構成のゼロフイルタ若
しくは極フイルタの結び付きが強くなる。従つ
て、上述と同様に、その間に異なるフイルタが入
る場合に比べて2段構成のゼロフイルタ若しくは
極フイルタによる特性の設計が行ない易くなり、
ゼロフイルタ若しくは極フイルタの一方による特
性を重視した音作りをするのが望ましい音色に関
して、この接続が適している。 極フイルタは無限インパルス応答フイルタ
(IIRフイルタ)によつて構成することができ、
ゼロフイルタは有限インパルス応答フイルタ
(FIRフイルタ)によつて構成することができる。
また、極フイルタは、IIRフイルタの中でも特に
ラテイス型フイルタを用いるのが好ましい。 以下添付図面を参照してこの発明の実施例を詳
細に説明しよう。 第1図において、鍵盤部9は、複数の鍵盤(例
えば上鍵盤、下鍵盤、ペダル鍵盤)と、これら鍵
盤の各鍵に対応するキースイツチを含むキースイ
ツチ回路とを含んでいる。キーアサイナ10は、
鍵盤部9の各キースイツチのオン・オフを検出す
るための回路と、オンされたキースイツチに対応
する鍵すなわち押圧鍵を複数の楽音発生チヤンネ
ルのいずれかに割当てるための回路とを含んでい
る。各楽音発生チヤンネルに割当てられた鍵を示
す情報(キーコードKC)とその鍵の押圧が持続
しているかまたは離鍵されたかを示す情報(キー
オン信号KON)とがキーアサイナ10から楽音
信号発生部11に与えられる。楽音信号発生部1
1は、鍵盤部9で押圧された鍵に対応する楽音信
号を前記キーアサイナ10の出力に応じて発生す
るものであり、発生した楽音信号を鍵盤種類及び
音色等に応じた複数系列に区分して並列的に出力
する。詳しくは、楽音信号発生部11は、1乃至
複数の鍵に対応する楽音信号を同時に発生し得る
ようにするために、同時最大発音可能数に相当す
る数の音源用楽音発生チヤンネルを各鍵盤に対応
して具備しており、更に、これらの音源用楽音発
生チヤンネルを多系列にわたつて重複して具備し
ており、各系列の楽音信号を並列的にデイジタル
形式で出力する。 音色選択装置12は各鍵盤毎の音色及び各種効
果等を選択するための多数のスイツチを含んでい
る。音色選択装置12の出力のうち所定の出力
TP1が楽音信号発生部11に与えられており、
該発生部11における楽音信号発生動作(発生す
べき楽音信号に対する音色付与、音色に応じた振
幅エンベロープの設定、音源波形の選択、等)を
制御する。楽音信号発生部11で発生される楽音
信号の中には、音色選択装置12による音色選択
に応じて該発生部11内で所定の音色付与が完了
するものもあるが、音色付与が完了していないも
のもあり、それらは後段のデイジタルフイルタ部
14で音色制御が施される。例えば、音高にかか
わりなく常に同じスペクトル分布をもつ音色(い
わば移動フオルマント型の音色)は楽音信号発生
部11で付与し、固定フオルマント型の音色はデ
イジタルフイルタ部14で付与する。尚、移動フ
オルマント型の音色にあつても、例えばプラス系
の低域特性やストリング系の複雑な特性など、固
定フオルマント型のフイルタ制御を更に施すこと
によつてスペクトル補正を行なうのが好ましいも
のがあり、これらの音色に関してもデイジタルフ
イルタ部14が利用される。 楽音信号発生部11から出力された各系列毎の
デイジタル楽音信号は、楽音信号振分け及び累算
及びシリアル変換制御回路13に与えられる。こ
の制御回路13には音色選択装置12の出力のう
ち所定の出力TP2が与えられている。制御回路
13は、音色選択装置12から与えられる音色パ
ラメータTP2に応じて、各系列のうち楽音信号
を累算することが可能なものとデイジタルフイル
タ部14を通すべきものとを振分け、累算可能な
ものはそれらの楽音信号を累算(ミツクス)して
ライン15に出力し、デイジタルフイルタ部14
を通すべきものはそれら各系列毎の並列デイジタ
ル楽音信号を夫々時間的にシリアル化し更にその
シリアルデイジタル楽音信号を所定の系列間で時
分割多重化して共通の信号ラインに出力する。
尚、時分割多重化する所定の系列とは、鍵盤種類
あるいは音色が互いに異なる系列である。後で詳
しく説明するように、この実施例では、実現しよ
うとする1つの音色に関して複数の音源もしくは
楽音発生系列(以下、サブ系列という)を準備し
ているがこのサブ系列間では時分割多重化を行な
わないようになつている。従つて、制御回路13
からは、所定の系列間で時分割多重化されたシリ
アルデイジタル楽音信号が各サブ系列毎に並列的
に出力され、ライン16を介してデイジタルフイ
ルタ部14に与えられる。 複数ビツトのデイジタル楽音信号を時間的にシ
リアル化した上でデイジタルフイルタ部14に与
えることは、該フイルタ部14内部の演算回路を
シリアル演算回路とすることができ、該フイルタ
部14の構成縮小に寄与する。また、複数系列の
デイジタル楽音信号を時分割多重化して共通ライ
ンにまとめることは、各系列毎にデイジタルフイ
ルタを設けねばならない無駄を省き、デイジタル
フイルタ部14の構成縮小に寄与する。しかし、
必ずしもシリアル化及び時分割多重化を行なわね
ばならないわけではなく、複数ビツトのデイジタ
ル楽音信号を並列的にデイジタルフイルタ部14
に入力するようにしてもよい。 下記表に、各系列の一列及び制御回路13にお
けるそれらの振分け態様の一例を示す。「単/複」
の欄にはそれらの系列が単音発生系であるか複音
発生系列であるかが示されている。勿論、複音系
列の場合は複数音のデイジタル楽音信号を加算混
合した信号が1系列分の楽音信号として楽音信号
発生部11から出力される。「振分け」の欄に示
された記号ch1,ch2,ch3,ch4はフイルタ
チヤンネルの表示であり、各系列の楽音信号をデ
イジタルフイルタ部14で時分割処理する説明を
行なう際の各系列の識別記号として用いる。尚、
ここでいうフイルタチヤンネルch1〜ch4とは、
キーアサイナ10によつて各押圧鍵を割当てるた
めの楽音発生チヤンネルとは全く別のものであ
り、異なるフイルタ処理を行なう系列を示す。 第1表の系列の欄に示された各系列において
は、夫々複数種類の音色のうち1乃至複数を選択
することが可能である。前述のサブ系列は、デイ
ジタルフイルタ部14に導かれる4つの系列にお
いて夫々設けられている。すなわち、例えば「上
鍵盤スペシヤル系」においては、所定の複数種類
の音
に関し、特に、極フイルタとゼロフイルタとを具
えたものに関する。 電子楽器における音色回路は微妙な特性を必要
とするため、従来はアナログ回路によるものが多
かつた。しかし、アナログ音色回路(特にアナロ
グフイルタ)は規模が大きくなりがちであり、特
に固定フオルマントを必要とする音色(例えば人
声音及びオーボエ、バスーン等の管楽器音など、
その他ピアノ、ストリング等の楽器音にも固定フ
オルマントの特性がある)を実現するには並列に
多数のアナログフイルタ回路を用意しなければな
らず、システムが大規模になつていた。また、ア
ナログ音色回路にはデイジタル楽音信号をそのま
ま入力することができないので、デイジタル楽音
発生回路を適用する場合面倒であつた。そこで、
最近では、電子楽器の音色回路としてデイジタル
フイルタを用いることが試みられている。デイジ
タルフイルタによれば、デイジタル楽音発生回路
で発生したデイジタル楽音信号をそのまま入力す
ることができ、しかも時分割処理によつて小規模
なハード構成で複数の楽音信号の同時処理が行な
えるので経済的である。ところで、一般にデイジ
タルフイルタにおいては、希望の振幅周波数特性
を得ることができるように、係数を設定するのは
なかなか困難である。特に、電子楽器において望
みの固定フオルマントを忠実に実現するために
は、フイルタの振幅周波数特性における「山」及
び「谷」の位置(帯域)及びレベルを巧みに制御
する必要があり、これは従来から知られているデ
イジタルフイルタを電子楽器の音色回路に単純に
適用しただけでは実現困難であつた。デイジタル
フイルタにはいくつかの基本型式が知られている
が、そのいずれもが振幅周波数特性における極ま
たは零点の一方を主体として制御できるだけであ
り、両方を同時に巧みにかつ容易に制御できるも
のはない。例えば、極を主体として制御し得るタ
イプでは、複数の極を異なる周波数帯域で形成
し、そうしてできる「山」のすそ野の部分の重ね
合せによつて、結果として「谷」が形成されるに
すぎない。その場合、「谷」の位置及びレベルを
望みの状態に設定するのはかなり困難である。 また、従来のフイルタは、複数種のフイルタユ
ニツトを組合せてフイルタを構成する場合、その
接続順序を自由に換え制御することはできなかつ
た。 複数種の異なるフイルタユニツトを縦続接続し
て所望の特性のデイジタルフイルタを構成する場
合、その接続順序に依存して周波数特性が変わる
ことは理論上は有りえないが、現実には、該所望
の特性を最良の状態で(最大のダイナミツクレン
ジで)得るには、各フイルタユニツトの接続順や
ゲイン配分が非常に重要となる。つまり、最終的
に残すべき周波数帯域の信号成分は、前段のフイ
ルタユニツトで削つてしまうことなく、できるだ
け後段で減衰を与えるような構成を採用するのが
S/N比を高く保つためには望ましい。 このように、異なる特性のフイルタユニツトの
接続順序は、ダイナミツクレンジが大きく、S/
N比の良好な、音色制御を行なうためには、極め
て重要である。これが、縦続接続構成のデイジタ
ルフイルタにおいて「オーダリング」とか「ペア
リング」とかいわれる課題である。「ペアリング」
とはどのフイルタユニツトとどのフイルタユニツ
トをペアにして接続するか、ということであり、
「オーダリング」とはどのような順序で縦続接続
するか、ということである。 しかし、従来のデイジタルフイルタにおいて
は、上述のような「オーダリング」とか「ペアリ
ング」とかがフイルタ設計段階で問題にされてい
ても、一旦設計が完了してフイルタ回路のハード
構成が出来上がつてしまうと、その接続順序を自
由に切り換え制御することはできなかつた。 しかし、電子楽器において、異なる特性のフイ
ルタユニツトすなわち極フイルタとゼロフイルタ
縦続接続して音色制御用のフイルタを構成する場
合、最終的に得ようとする合成フイルタ特性(音
色)によつて、極フイルタを先にした方が好まし
い場合もあれば、反対にゼロフイルタを先にした
方が好ましい場合もあるので、その接続順序を自
由に切り換えることができるようにすることが望
ましい。 この発明は上述の点に鑑みてなされたもので、
振幅周波数特性における「山」と「谷」の両方を
比較的容易に制御できるようにして複雑な周波数
特性の設定も可能にすると共に、異なるフイルタ
ユニツトを縦続接続してフイルタ回路を構成する
場合においてその接続順序を自由に切換え制御で
きるようにすることにより、ダイナミツクレンジ
が大きく、S/N比の良好な、音色制御を行ない
得るようにした、電子楽器に適したデイジタルフ
イルタ装置を提供することを目的とする。 この目的は、振幅周波数特性における極を主に
制御し得るデイジタル型の極フイルタと、振幅周
波数特性における零点を主に制御し得るデイジタ
ル型のゼロフイルタと、該極フイルタとゼロフイ
ルタとを直列に接続し、その直列接続における該
極フイルタとゼロフイルタとの前後順序を制御信
号によつて切り換えることが可能な接続切換え制
御手段とを含む回路部を少なくとも2個(第1の
回路部と第2の回路部)直列接続して組合せてな
るデイジタルフイルタ装置によつて達成される。
このデイジタルフイルタ装置は、更に、前記第1
の回路部と第2の回路部に対して第1及び第2の
制御信号を夫々供給し、この制御信号に応じて
夫々のフイルタ直列回路におけ極フイルタとゼロ
フイルタとの前後順序を夫々設定することによ
り、前記第1の回路部のフイルタ直列回路におけ
る後段のフイルタとそれに直列接続される前記第
2の回路部のフイルタ直列回路における前段のフ
イルタの種類を同一にする接続状態若しくは異な
らせる接続状態の一方に切換え設定することが可
能な接続制御手段を具備する。 実現しようとする所望の振幅周波数特性(固定
フオルマント)における「山」の部分と「谷」の
部分を夫々独立に考え、「山」の部分の特性を極
フイルタによつて設定し、「谷」の部分の特性を
ゼロフイルタによつて設定する。例えば、直列的
に組み合わされた極フイルタとゼロフイルタを通
過したデイジタル楽音信号は、両方の振幅周波数
特性に従つて制御され、その結果、所望の「山」
「谷」特性を有する固定フオルマントに従つたフ
イルタ制御が行なわれることになる。この発明に
よれば、極フイルタに関しては所望の位置(帯
域)で所望のレベルで極が生じるように係数を設
定し、ゼロフイルタに関しては所望の位置(帯
域)で所望の深さで零点が生じるように係数を設
定すればよい。従つて、極と零点の係数設定を
夫々独立して行なえばよいので係数設定が容易と
なり、振幅周波数特性における「山」と「谷」の
両方を比較的容易に希望の状態に制御し得るよう
になる。 本発明によれば、第1の回路部と第2の回路部
とからなるデイジタルフイルタ装置全体の接続組
み合わせ状態として、 入力→第1の極フイルタ→第1のゼロフイル
タ→第2の極フイルタ→第2のゼロフイルタ→
出力、 入力→第1のゼロフイルタ→第1の極フイル
タ→第2のゼロフイルタ→第2の極フイルタ→
出力、 入力→第1の極フイルタ→第1のゼロフイル
タ→第2のゼロフイルタ→第2の極フイルタ→
出力、 入力→第1のゼロフイルタ→第1の極フイル
タ→第2の極フイルタ→第2のゼロフイルタ→
出力、 の4状態のうち1つに任意に切換え設定すること
ができるようになる。 ここで、第1の回路部のフイルタ直列回路にお
ける後段のフイルタとそれに直列接続される前記
第2の回路部のフイルタ直列回路における前段の
フイルタの種類を異ならせる接続状態とは、上記
との状態である。この場合、4個の異なるフ
イルタ(第1の極フイルタ、第1のゼロフイル
タ、第2の極フイルタ、第2のゼロフイルタ)を
交互に組み合わせた接続順序が実現される。 また、第1の回路部のフイルタ直列回路におけ
る後段のフイルタとそれに直列接続される前記第
2の回路部のフイルタ直列回路における前段のフ
イルタの種類を同一にする接続状態とは、上記
との状態である。 の状態では、第1の回路部の第1のゼロフイ
ルタと第2の回路部の第2のゼロフイルタとが一
体に直列接続される。これにより、2段のゼロフ
イルタの結び付きが強くなり、その間に極フイル
タが入る場合に比べてゼロフイルタによる特性の
設計が行ない易くなる。従つて、ゼロフイルタに
よる特性を重視した音作りをするのが望ましい音
色に関して、この接続が適している。 また、の状態では、第1の回路部の第1の極
フイルタと第2の回路部の第2の極フイルタとが
一体に直列接続される。従つて、上述と同様に、
極フイルタによる特性を重視した音作りをするの
が望ましい音色に関してこの接続が適している。 更にこの発明によれば、前述の目的は、振幅周
波数特性における極を制御し得るデイジタル型の
第1の極フイルタと、振幅周波数特性における零
点を制御し得るデイジタル型の第1のゼロフイル
タと、該第1の極フイルタと第1のゼロフイルタ
とを直列に接続し、その直列接続における該極フ
イルタとゼロフイルタとの前後順序を第1の制御
信号によつて切り換えることが可能な第1の接続
切換え制御手段とを含む第1の回路部と、 振幅周波数特性における極を制御し得るデイジ
タル型の第2の極フイルタと、振幅周波数特性に
おける零点を制御し得るデイジタル型の第2のゼ
ロフイルタと、第2の制御信号によつて該第2の
極フイルタと第2のゼロフイルタの一方を無効に
し、他方を有効にする接続切り換えを行うことが
可能な第2の接続切換え制御手段とを含み、前記
第1の回路部に対して直列に接続される第2の回
路部と、 前記第1の回路部と第2の回路部に対して第1
及び第2の制御信号を夫々供給し、この制御信号
に応じて第1の回路部のフイルタ直列回路におけ
る極フイルタとゼロフイルタとの前後順序を設定
すると共に第2の回路部で有効にするフイルタを
設定し、これにより、前記第2の回路部で有効な
フイルタの種類と前記第1の回路部のフイルタ直
列回路における接続状態とを切換え設定すること
が可能な接続制御手段と を具えた電子楽器のデイジタルフイルタ装置によ
つて達成することもできる。 この場合は、第1の回路部と第2の回路部とか
らなるデイジタルフイルタ装置全体の接続組み合
わせ状態として、 入力→第1の極フイルタ→第1のゼロフイル
タ→第2の極フイルタ→出力、 入力→第1のゼロフイルタ→第1の極フイル
タ→第2のゼロフイルタ→出力、 入力→第2の極フイルタ→第1のゼロフイル
タ→第1の極フイルタ→出力、 入力→第2のゼロフイルタ→第1の極フイル
タ→第1のゼロフイルタ→出力、 入力→第1の極フイルタ→第1のゼロフイル
タ→第2のゼロフイルタ→出力、 入力→第1のゼロフイルタ→第1の極フイル
タ→第2の極フイルタ→出力、 入力→第2の極フイルタ→第1の極フイルタ
→第1のゼロフイルタ→出力、 入力→第2のゼロフイルタ→第1のゼロフイ
ルタ→第1の極フイルタ→出力、 の8状態のうち1つに任意に切換え設定すること
ができるようになる。 ここで、第2の回路部で有効なフイルタの種類
と第1の回路部のフイルタ直列回路における第2
の回路部寄りの一方のフイルタの種類とを異なら
せる接続状態とは、上記〜の状態である。こ
の場合、隣合うフイルタユニツトがすべて異なる
接続順序が実現される。 また、第2の回路部で有効なフイルタの種類と
第1の回路部のフイルタ直列回路における第2の
回路部寄りの一方のフイルタの種類とを同一にす
る接続状態とは、上記〜の状態である。この
場合も、前述と同様に、第2の回路部で有効なフ
イルタと第1の回路部のフイルタ直列回路におけ
る該第2の回路部寄りの同一種類のフイルタとが
一体に直列接続され、2段構成のゼロフイルタ若
しくは極フイルタの結び付きが強くなる。従つ
て、上述と同様に、その間に異なるフイルタが入
る場合に比べて2段構成のゼロフイルタ若しくは
極フイルタによる特性の設計が行ない易くなり、
ゼロフイルタ若しくは極フイルタの一方による特
性を重視した音作りをするのが望ましい音色に関
して、この接続が適している。 極フイルタは無限インパルス応答フイルタ
(IIRフイルタ)によつて構成することができ、
ゼロフイルタは有限インパルス応答フイルタ
(FIRフイルタ)によつて構成することができる。
また、極フイルタは、IIRフイルタの中でも特に
ラテイス型フイルタを用いるのが好ましい。 以下添付図面を参照してこの発明の実施例を詳
細に説明しよう。 第1図において、鍵盤部9は、複数の鍵盤(例
えば上鍵盤、下鍵盤、ペダル鍵盤)と、これら鍵
盤の各鍵に対応するキースイツチを含むキースイ
ツチ回路とを含んでいる。キーアサイナ10は、
鍵盤部9の各キースイツチのオン・オフを検出す
るための回路と、オンされたキースイツチに対応
する鍵すなわち押圧鍵を複数の楽音発生チヤンネ
ルのいずれかに割当てるための回路とを含んでい
る。各楽音発生チヤンネルに割当てられた鍵を示
す情報(キーコードKC)とその鍵の押圧が持続
しているかまたは離鍵されたかを示す情報(キー
オン信号KON)とがキーアサイナ10から楽音
信号発生部11に与えられる。楽音信号発生部1
1は、鍵盤部9で押圧された鍵に対応する楽音信
号を前記キーアサイナ10の出力に応じて発生す
るものであり、発生した楽音信号を鍵盤種類及び
音色等に応じた複数系列に区分して並列的に出力
する。詳しくは、楽音信号発生部11は、1乃至
複数の鍵に対応する楽音信号を同時に発生し得る
ようにするために、同時最大発音可能数に相当す
る数の音源用楽音発生チヤンネルを各鍵盤に対応
して具備しており、更に、これらの音源用楽音発
生チヤンネルを多系列にわたつて重複して具備し
ており、各系列の楽音信号を並列的にデイジタル
形式で出力する。 音色選択装置12は各鍵盤毎の音色及び各種効
果等を選択するための多数のスイツチを含んでい
る。音色選択装置12の出力のうち所定の出力
TP1が楽音信号発生部11に与えられており、
該発生部11における楽音信号発生動作(発生す
べき楽音信号に対する音色付与、音色に応じた振
幅エンベロープの設定、音源波形の選択、等)を
制御する。楽音信号発生部11で発生される楽音
信号の中には、音色選択装置12による音色選択
に応じて該発生部11内で所定の音色付与が完了
するものもあるが、音色付与が完了していないも
のもあり、それらは後段のデイジタルフイルタ部
14で音色制御が施される。例えば、音高にかか
わりなく常に同じスペクトル分布をもつ音色(い
わば移動フオルマント型の音色)は楽音信号発生
部11で付与し、固定フオルマント型の音色はデ
イジタルフイルタ部14で付与する。尚、移動フ
オルマント型の音色にあつても、例えばプラス系
の低域特性やストリング系の複雑な特性など、固
定フオルマント型のフイルタ制御を更に施すこと
によつてスペクトル補正を行なうのが好ましいも
のがあり、これらの音色に関してもデイジタルフ
イルタ部14が利用される。 楽音信号発生部11から出力された各系列毎の
デイジタル楽音信号は、楽音信号振分け及び累算
及びシリアル変換制御回路13に与えられる。こ
の制御回路13には音色選択装置12の出力のう
ち所定の出力TP2が与えられている。制御回路
13は、音色選択装置12から与えられる音色パ
ラメータTP2に応じて、各系列のうち楽音信号
を累算することが可能なものとデイジタルフイル
タ部14を通すべきものとを振分け、累算可能な
ものはそれらの楽音信号を累算(ミツクス)して
ライン15に出力し、デイジタルフイルタ部14
を通すべきものはそれら各系列毎の並列デイジタ
ル楽音信号を夫々時間的にシリアル化し更にその
シリアルデイジタル楽音信号を所定の系列間で時
分割多重化して共通の信号ラインに出力する。
尚、時分割多重化する所定の系列とは、鍵盤種類
あるいは音色が互いに異なる系列である。後で詳
しく説明するように、この実施例では、実現しよ
うとする1つの音色に関して複数の音源もしくは
楽音発生系列(以下、サブ系列という)を準備し
ているがこのサブ系列間では時分割多重化を行な
わないようになつている。従つて、制御回路13
からは、所定の系列間で時分割多重化されたシリ
アルデイジタル楽音信号が各サブ系列毎に並列的
に出力され、ライン16を介してデイジタルフイ
ルタ部14に与えられる。 複数ビツトのデイジタル楽音信号を時間的にシ
リアル化した上でデイジタルフイルタ部14に与
えることは、該フイルタ部14内部の演算回路を
シリアル演算回路とすることができ、該フイルタ
部14の構成縮小に寄与する。また、複数系列の
デイジタル楽音信号を時分割多重化して共通ライ
ンにまとめることは、各系列毎にデイジタルフイ
ルタを設けねばならない無駄を省き、デイジタル
フイルタ部14の構成縮小に寄与する。しかし、
必ずしもシリアル化及び時分割多重化を行なわね
ばならないわけではなく、複数ビツトのデイジタ
ル楽音信号を並列的にデイジタルフイルタ部14
に入力するようにしてもよい。 下記表に、各系列の一列及び制御回路13にお
けるそれらの振分け態様の一例を示す。「単/複」
の欄にはそれらの系列が単音発生系であるか複音
発生系列であるかが示されている。勿論、複音系
列の場合は複数音のデイジタル楽音信号を加算混
合した信号が1系列分の楽音信号として楽音信号
発生部11から出力される。「振分け」の欄に示
された記号ch1,ch2,ch3,ch4はフイルタ
チヤンネルの表示であり、各系列の楽音信号をデ
イジタルフイルタ部14で時分割処理する説明を
行なう際の各系列の識別記号として用いる。尚、
ここでいうフイルタチヤンネルch1〜ch4とは、
キーアサイナ10によつて各押圧鍵を割当てるた
めの楽音発生チヤンネルとは全く別のものであ
り、異なるフイルタ処理を行なう系列を示す。 第1表の系列の欄に示された各系列において
は、夫々複数種類の音色のうち1乃至複数を選択
することが可能である。前述のサブ系列は、デイ
ジタルフイルタ部14に導かれる4つの系列にお
いて夫々設けられている。すなわち、例えば「上
鍵盤スペシヤル系」においては、所定の複数種類
の音
【表】
色のうち1乃至複数を選択することが可能であ
り、選択された音色に対応する楽音信号(音源信
号)が複数のサブ系列で夫々発生されるようにな
つている。 ライン15の楽音信号は混合回路17に与えら
れ、ライン16のシリアル楽音信号はデイジタル
フイルタ部14を経由して混合回路17に与えら
れる。混合回路17はデイジタルフイルタ部14
でフイルタ制御された楽音信号とフイルタ制御さ
れなかつたライン15の楽音信号とをミキシング
(デイジタル加算)するためのもので、フイルタ
制御された楽音信号はシリアル化されているた
め、これらのシリアル楽音信号を各系列毎にパラ
レル化した後上記ミキシングを行なうようになつ
ている。混合回路17から出力されたデイジタル
楽音信号はデイジタル/アナログ変換器18でア
ナログ信号に変換され、サウンドシステム19に
与えられる。 デイジタルフイルタ部14は、フイルタ特性に
おける山部分の特性を有効に制御できる極フイル
タと、フイルタ特性における谷部分の特性を有効
に制御できるゼロフイルタとを含んでおり、両フ
イルタの接続組合せを切換えることができるよう
に構成され、複雑なフイルタ特性を実現し得るよ
うになつている。音色選択装置12の出力のうち
所定の出力TP3がデイジタルフイルタ部14に
与えられており、音色選択に応じて各フイルタチ
ヤンネルch1〜ch4毎のフイルタ特性(例えば
フイルタ係数)が夫々設定されるようになつてい
る。また、デイジタルフイルタ部14において
は、入力された各サブ系列の楽音信号のうちフイ
ルタを通すべきものと通さないものとを音色パラ
メータTP3に応じて振分けるようになつている。 フイルタ特性の設定のために、フイルタ部14
の内部にはフイルタ係数内部ROM(ROMはリー
ドオンリーメモリのこと、以下同じ)が含まれて
おり、この内部ROMから所定のフイルタ係数が
音色選択情報(音色パラメータTP3)に応じて
読み出されてフイルタ部14で利用されるように
なつている。このフイルタ係数内部ROMとは別
にフイルタ係数外部記憶装置20が設けられてい
る。この外部記憶装置20は半導体記憶装置であ
つてもよいし、また、磁気カード等着脱自在の記
憶媒体を含んでいてもよい。外部記憶装置20か
ら読み出されたフイルタ係数KOはデイジタルフ
イルタ部14に供給される。デイジタルフイルタ
部14に関連してフイルタ係数切換スイツチ21
が設けられている。このスイツチ21はデイジタ
ルフイルタ部14において内部ROMまたは外部
記憶装置20のどちらを利用すべきかを選択する
ためのもので、フイルタ部14ではスイツチ21
の出力信号KSに応じて選択されたどちらか一方
のフイルタ係数に従つてフイルタ制御を実行す
る。外部記憶装置20に記憶するフイルタ係数の
一例としては、時間的に変化するフイルタ係数な
どがある。フイルタ係数を時間的に変化させるた
めには大きな記憶容量が要求されるが、それには
外部記憶装置が適しているからである。この外部
記憶装置20にはキーアサイナ10からのキーオ
ン信号KONと音色選択装置12からの音色パラ
メータTP4とが供給されるようになつており、
キーオン信号KONに応じて鍵押圧中及び離鍵後
の時間経過に伴なうフイルタ係数の変化を制御
し、かつこのフイルタ係数の変化特性を音色パラ
メータTP4に応じて制御する。 尚、制御回路13は、ライン16に対する楽音
信号のシリアル送出の基準タイミングに対応して
同期パルスSYNCを出力するようになつている。
この同期パルスSYNCは、デイジタルフイルタ部
14及び外部記憶装置20に与えられ、ライン1
6のシリアル楽音信号に同期してフイルタ係数を
シリアル化する(シリアルに読み出す)ため、及
び、フイルタ部14におけるシリアル演算タイミ
ングの同期制御のため、に利用される。 多系列音源すなわちサブ系列を具えた楽音信号
発生部11の一例、及びこれに接続された楽音信
号振分け及び累算及びシリアル変換制御回路13
の一例を第2図に示す。楽音信号発生部11は、
鍵盤種類あるいは発生すべき音の性質を異にする
複数系列のトーンジエネレータ22乃至26を含
んでおり、そのうちデイジタルフイルタ部14を
利用する可能性のある系列(トーンジエネレータ
23乃至26)は夫々3つのサブ系列(これを
#1,#2,#3で区分する)に対応する3つの
トーンジエネレータを夫々含んでいる。ペダル鍵
盤系トーンジエネレータ22、上鍵盤ソロ系トー
ンジエネレータ23、上鍵盤カスタム系トーンジ
エネレータ25は単音型トーンジエネレータであ
り、上鍵盤複音系トーンジエネレータ24及び下
鍵盤複音系トーンジエネレータ26は複音型トー
ンジエネレータである。キーアサイナ10(第1
図)から出力された鍵情報(キーコードKC、キ
ーオン信号KON等)が各トーンジエネレータ2
2〜26に入力される。この鍵情報は鍵盤情報を
含んでおり、その鍵盤情報に対応するトーンジエ
ネレータ22〜26でその鍵情報(KC,KON
等)が利用される。複音系のトーンジエネレータ
24,26では、各楽音発生チヤンネルに割当て
られた複数の鍵情報KC,KONに対応する複数の
楽音信号を発生することが可能である。上鍵盤の
単音型トーンジエネレータ23,25では、上鍵
盤の鍵情報KC,KONが同時に複数与えられたと
き、そのうち1つ(最高音または最低音)を選択
してその楽音信号を発生する。 各トーンジエネレータ22乃至26では、発生
すべき楽音信号に対して複数種類の音色のうち1
乃至複数を選択的に付与することが可能である。
そのために、選択された音色に対応する様々な音
色パラメータTP1が音色選択装置12(第1図)
から各トーンジエネレータ22乃至26に夫々与
えられるようになつており、この音色パラメータ
TP1に応じた周波数成分または音源波形、及び
振幅エンベローブ、及びフイート数、及び音量、
及びその他様々な楽音要素、を有する楽音信号が
押圧鍵に対応する音高で発生される。しかし、固
定フオルマントによる音色要素はここでは付与さ
れず、後段のデイジタルフイルタ部14において
付与される。 デイジタルフイルタ部14を利用することが可
能な系列(トーンジエネレータ23〜26)にお
いて夫々設けられているサブ系列(#1〜#3)
は、各系列23〜26)で発生しようとする楽音
に関する多系列音源となつている。例えば、上鍵
盤ソロ系トーンジエネレータ23で発生しようと
する1つの楽音信号は、そこにおける3つのサブ
系列#1,#2,#3に対応するトーンジエネレ
ータで夫々発生された楽音信号を最終的に加算す
ることによつて得られる。従つて、各サブ系列
#1,#2,#3で発生する楽音信号は部分音信
号であるということも可能である。しかし、音色
の種類によつてはサブ系列のトーンジエネレータ
すべてを利用しないものがあつてもよく、例えば
1つのサブ系列#1のトーンジエネレータだけを
利用して楽音信号を発生するようにしてもよい。
このような多系列音源すなわち複数のサブ系列
#1〜#3は、1つの楽音信号を構成する部分音
信号の一部を選択的にデイジタルフイルタ部14
で制御し得るようにする場合に有利である。この
点については後で更に詳述する。 各トーンジエネレータ22〜26は楽音信号を
デイジタル形式で発生するものであり、その楽音
発生方式としては周波数変調演算方式、高調波合
成方式、波形メモリ読出し方式等その他任意の方
式を使用することができる。 複音系トーンジエネレータ24,26からは複
数押圧鍵に対応するデイジタル楽音信号が夫々出
力される。各トーンジエネレータ24,26の各
サブ系列(#1〜#3)に対応して夫々設けられ
たアキユムレータ27,28では、複数押圧鍵に
対応する楽音信号を各サブ系列毎に夫々累算す
る。 楽音信号振分け及び累算及びシリアル変換制御
回路13において、ゲート29,30,31,3
2は楽音信号発生部11から与えられた各系列の
楽音信号を振分けるためのものであり、音色選択
装置12から与えられる音色パラメータTP2に
応じて制御される。ゲート29は、上鍵盤複音系
トーンジエネレータ24の第1のサブ系列#1の
トーンジエネレータに対応するアキユムレータ2
7の出力楽音信号を選択してアキユムレータ33
に与えるためのものである。前記第1表を参照す
ると、このゲート29の出力が上鍵盤系フルート
系UFLの楽音信号に相当する。つまり、音色選
択装置12上で上鍵盤フルート系UFLの何らか
の音色が選択された場合は、上鍵盤複音系トーン
ジエネレータ24のうち第1のサブ系列#1に対
応するトーンジエネレータでその上鍵盤フルート
系音色の楽音信号を発生し、ゲート29でアキユ
ムレータ33の側(デイジタルフイルタ部14に
通さないグループ)に振分ける。 ゲート30は、下鍵盤複音系トーンジエネレー
タ26のうち第1のサブ系列#1に対応するトー
ンジエネレータの出力を累算したアキユムレータ
28の出力楽音信号を選択してアキユムレータ3
3に与えるためのものである。前記第1表を参照
すると、このゲート30の出力が下鍵盤オーケス
トラ系LORの楽音信号に相当する。つまり、音
色選択装置12で下鍵盤オーケストラ系LORの
何らかの音色が選択された場合は、下鍵盤複音系
トーンジエネレータ26のうち第1のサブ系列
#1に対応するトーンジエネレータでその下鍵盤
オーケストラ系音色の楽音信号を発生し、ゲート
30でアキユムレータ33の側に振分ける。 ゲート31は上鍵盤スペシヤル系USPの楽音
信号をデイジタルフイルタ部14の側に振分ける
ためのもの、ゲート32は下鍵盤スペシヤル系
LSPの楽音信号をデイジタルフイルタ部14の側
に振分けるためのものである。音色選択装置12
で上鍵盤スペシヤル系USPの何らかの音色が選
択された場合は、上鍵盤複音系トーンジエネレー
タ24の各サブ系列#1〜#3でで該音色に対応
する楽音信号を夫々発生し、アキユムレータ27
を経由して与えられるそれら各サブ系列#1〜
#3の楽音信号をゲート31を介してマルチプレ
クサ34の側(デイジタルフイルタ部14の側)
に振分ける。下鍵盤スペシヤル系LSPの音色が選
択された場合も同様に、下鍵盤複音系トーンジエ
ネレータ26の各サブ系列#1〜#3で該音色に
対応する楽音信号を夫々発生し、ゲート32を介
してそれらマルチプレクサ34の側に振分ける。 尚、上鍵盤複音系トーンジエネレータ24の第
1のサブ系列#1を上鍵盤フルート系(UFL)
のために使用しているときに該トーンジエネレー
タ24の他のサブ系列#2,#3を上鍵盤スペシ
ヤル系USPのために使用することも可能であり、
その場合はゲート31ではサブ系列#2,#3に
対応する楽音信号を選択してマルチプレクサ34
に与える。下鍵盤複音系トーンジエネレータ26
の第1のサブ系列#1を下鍵盤オーケストラ系
LORのために使用しているときも同様に他のサ
ブ系列#2,#3を下鍵盤スペシヤル系LSPのた
めに使用することが可能である。また、トーンジ
エネレータ24と26はスペシヤル系USP,
LSPの専用とし、上鍵盤フルート系UFL及び下
鍵盤オーケストラ系LORの専用トーンジエネレ
ータを更に設けてもよい。 アキユムレータ33は、ゲート29,30から
与えられた上鍵盤フルート系UFL及び下鍵盤オ
ーケストラ系LORの楽音信号と、トーンジエネ
レータ22で発生されたペダル鍵盤系PKBの楽
音信号とを累算するものであり、その出力信号が
ライン15を介して混合回路17(第1図)に与
えられる。 トーンジエネレータ23で発生された上鍵盤ソ
ロ系USLの楽音信号、トーンジエネレータ24
からゲート31を介して与えられる上鍵盤スペシ
ヤル系USPの楽音信号、トーンジエネレータ2
5で発生された上鍵盤カスタム系UCSの楽音信
号、及びトーンジエネレータ26からゲート32
を介して与えられる下鍵盤スペシヤル系LSPの楽
音信号は、マルチプレクサ34及びパラレル−シ
リアル変換器35及びライン16を介してデイジ
タルフイルタ部14(第1図)に与えられる。マ
ルチプレクサ34は、各系列USL,USP,UCS,
LSPの楽音信号をフイルタチヤンネルch1〜ch
4に対応して時分割多重化するためのもので、そ
のための制御信号がタイミング信号発生器36か
ら与えられる。各系列USL,USP,UCS,LSP
の楽音信号は各サブ系列#1,#2,#3毎に個
別に時分割多重化される。各サブ系列#1〜#3
に対応してマルチプレクサ34から出力された並
列的なデイジタル楽音信号は、各サブ系列に対応
して設けられたパラレル−シリアル変換器35に
夫々入力される。この変換器35は、各サブ系列
#1〜#3のデイジタル楽音信号を時間的にシリ
アルな楽音信号S1,S2,S3に夫々変換するための
もので、そのための制御信号がタイミング信号発
生器36から与えられる。また、タイミング信号
発生器36は前述の同期パルスSYNCを出力す
る。 第3図はデイジタルフイルタ部14の一例を大
まかなブロツク図によつて示したものである。第
2図のパラレル−シリアル変換器35から出力さ
れた各サブ系列#1〜#3に対応するシリアルな
デイジタル楽音信号S1,S2,S3は、フイルタ入力
制御回路37に入力される。フイルタ入力制御回
路37は、各楽音信号S1,S2,S3のうちデイジタ
ルフイルタ主回路38に入力すべきものとそうで
ないものとを音色パラメータTP3に応じて振分
けるためのものである。デイジタルフイルタ主回
路38に入力すべき楽音信号(S1,S2,S3のうち
1または複数)は同じフイルタチヤンネル同士で
加算混合されて、入力制御回路37からフイルタ
主回路38に入力される。デイジタルフイルタ主
回路38を通さない残りの楽音信号は出力制御回
路39を経由してデイジタルフイルタ部14から
出力される。出力制御回路39は、デイジタルフ
イルタ主回路38を経由した楽音信号と経由して
いない楽音信号とを音色パラメータTP3に応じ
て各サブ系列に対応する出力ラインS1O,S2O,
S3Oに分配するものである。 タイミング信号発生回路40は、デイジタルフ
イルタ主回路38におけるフイルタ演算動作を制
御するための各種タイミング信号を同期パルス
SYNCにもとづき発生し、これらの信号をデイジ
タルフイルタ主回路38に供給する。フイルタ係
数供給回路41はデイジタルフイルタ主回路38
に対してフイルタ係数Kを供給するためのもので
あり、前述のフイルタ係数内部ROMを含んでお
り、音色パラメータTP3に応じて該ROMから
所定のフイルタ係数を読み出して供給する。ま
た、フイルタ係数供給回路41にはフイルタ係数
外部記憶装置20から与えられるフイルタ係数
KOの信号とフイルタ係数切換スイツチ21の出
力信号KSとが入力されるようになつており、こ
のスイツチ出力信号KSに応じて内部ROMで読出
したフイルタ係数または外部記憶装置20から与
えられたフイルタ係数KOの一方をデイジタルフ
イルタ主回路38に供給する。また、フイルタ係
数供給回路41には同期パルスSYNCとタイミン
グ信号発生回路40の出力信号が与えられてお
り、フイルタ演算タイミングに同期してフイルタ
係数を供給するようになつている。 各系列音源(サブ系列#1〜#3)の使い方に
ついていくつかの例を挙げて次に説明する。 その1つは、各サブ系列#1〜#3で発生する
楽音信号の間で僅かなピツチずれを生じさせ、そ
れら各サブ系列の楽音信号S1〜S3をすべてデイジ
タルフイルタ主回路38に通す方法である。この
使用方法に適しているのは、ストリングス及びコ
ーラス(複数の人声音)等の音色である。何故な
らば、ストリングス音色の場合、複数のサブ系列
#1〜#3で互いにピツチが僅かにずれた楽音信
号を発生することにより複数の弦楽器を同時に演
奏している効果を実現することができ、しかも、
どの音も固定フオルマントを含んでいるため全サ
ブ系列の楽音信号S1〜S3をデイジタルフイルタ主
回路38に通して各々に固定フオルマントによる
音色成分を付与するのが望ましいからである。ま
た、コーラス音色の場合、複数のサブ系列#1〜
#3で互いに僅かにピツチがずれた人声音信号を
発生することにより複数の人声音をより自然に模
倣することができ、しかもどの人声音も固定フオ
ルマントを含んでいるため全サブ系列の楽音信号
をデイジタルフイルタ主回路38に通すのが好ま
しい。この場合の制御の形態としては、例えば上
鍵盤カスタム系UCSでストリングス音色が選択
されたとすると、第2図のトーンジエネレータ2
5における各サブ系列#1〜#3に対応する3つ
のトーンジエネレータでは選択されたストリング
ス音色に対応する楽音信号を押圧鍵に対応するピ
ツチでかつ互いに僅かにずれたピツチで夫々発生
し、第3図の入力制御回路37では上鍵盤カスタ
ム系の楽音信号S1〜S3が入力されてきたときすべ
てのサブ系列#1〜#3の楽音信号S1〜S3をスト
リングス音色を示す音色パラメータTP3に応じ
てデイジタルフイルタ主回路38に向けて振分け
る。この方法では、各サブ系列#1〜#3で夫々
独立した楽音信号を形成しており、しかもそれら
楽音信号すべてが固定フオルマントを含むもので
ある。 第2の使用方法は、各サブ系列#1〜#3で発
生する楽音信号のピツチは同一にするが振幅エン
ベロープを夫々異らせ、そのうち特定のサブ系列
の楽音信号(S1〜S3のうち1乃至複数)のみをデ
イジタルフイルタ主回路38に通す方法である。
この方法に適しているのは、ピアノ、ビブラフオ
ン及びエレクトリツクベースなどの音色である。
ピアノ音色を例にして各サブ系列#1〜#3で付
与する振幅エンベロープの一例を示すと第4図a
のようであり、第1のサブ系列#1で付与する振
幅エンベロープは響板による振幅エンベロープを
模倣するためのものであり、第2、第3のサブ系
列#2,#3で付与する振幅エンベロープ(#1
よりもサステインが長い)は弦による振幅エンベ
ロープを模倣するためのものである。この場合、
響板による音色成分は固定フオルマントであり、
弦による音色成分は移動フオルマント(基本周波
数が変化してもスペククトル分布は変化しないも
の)であるため、第3図の入力制御回路37で
は、第1のサブ系列#1に対応する楽音信号S1を
デイジタルフイルタ主回路38に通し、他の楽音
信号S2,S3はデイジタルフイルタ主回路38に通
さないように制御する。この方法では、各サブ系
列#1〜#3で1楽音を形成するための部分音信
号を夫々形成しており、その中の一部の部分音が
固定フオルマントを含むものである。 第3の使用方法は、各サブ系列#1〜#3で発
生する楽音信号の基本周波数は同じであるが、高
調波成分の帯域を異らせ、すべてのサブ系列の楽
音信号S1〜S3をデイジタルフイルタ主回路38に
入力する方法である。この方法は、第4図bのよ
うに複数の固定フオルマントを有する音色(例え
ば人声音)を合成する場合に適している。すなわ
ち、複数の固定フオルマントのうち第1のフオル
マント(山)を第1のサブ系列#1で発生した楽
音信号S1によつて強調し、第2のフオルマント
(山)は第2のサブ系列#2の楽音信号S2によつ
て強調し、第3のフオルマント(山)は第3のサ
ブ系列#3の楽音信号S3によつて強調するのであ
る。この場合、サブ系列#1では第1のフオルマ
ントの帯に対応する高調波成分を集中的に含む楽
音信号S1を発生し、#2では第2のフオルマント
の帯域に対応する高調波成分を集中的に含む楽音
信号S2を発生し、#3では第3のフオルマントの
帯域に対応する高調波成分を集中的に含む楽音信
号S3を発生する。広帯域にわたつて均等に高調波
成分を含む楽音信号を1度に作るのは困難である
ため、各サブ系列#1〜#3で帯域を分担させる
この方法は極めて有効である。この方法では、各
サブ系列#1〜#3で1楽音を形成するための部
分音信号を夫々形成しており、しかもそのすべて
の部分音が固定フオルマントを含むものである。 第4の使用方法は、各サブ系列#1〜#3で発
生する楽音信号のピツチは同じにするが、その音
量レベルを互いに異なる特性でキースケーリング
し、そのうち特定のサブ系列の楽音信号(S1〜S3
のうち1または複数)のみをデイジタルフイルタ
主回路38に通す方法である。この方法は、オー
ボエやバスーンのようなダブルリード楽器の音色
に適している。そのような種類の音色にあつて
は、基本周波数の音域が高くなると移動フオルマ
ントによる成分が強くなり、低くなると固定フオ
ルマントによる成分が強くなる。従つて、各サブ
系列#1〜#3で発生する楽音信号の音量レベル
を、鍵の音高すなわち基本周波数に応じて、例え
ば第4図cに示すように異なる特性でキースケー
リングし、低音域を強調したサブ系列#1の楽音
信号S1をデイジタルフイルタ主回路38に通すこ
とにより低音域の鍵に対応する楽音に固定フオル
マントを付与する。高音域を強調したサブ系列
#3の楽音信号S3はデイジタルフイルタ主回路3
8に通さないが、事実上キースケーリングを施さ
なかつたサブ系列#2の楽音信号S2をデイジタル
フイルタ主回路38に通すか否かは定常的な音色
の性質に従つて適宜決定すればよい。 第5の使用方法は、各サブ系列#1〜#3でフ
イート系が異なる楽音信号を夫々発生し、そのう
ち特定のサブ系列の楽音信号(S1〜S3のうち1ま
たは複数)のみをデイジタルフイルタ主回路38
に通す方法である。これは、特定のフイート系の
みに固定フオルマントを付与する場合に適してい
る。 第6の使用方法は、各サブ系列#1〜#3で波
形形状の異なる音源信号(正弦波、矩形波、のこ
ぎり波等)を夫々発生し、そのうち特定の音源信
号のみ(例えば矩形波とのこぎり波)をデイジタ
ルフイルタ主回路38に通す方法である。 尚、上記では、音色選択装置12における1ス
イツチの操作によつて選択可能な1つの音色に対
応する複数の楽音信号を各サブ系列#1〜#3で
夫々異なる手法によつて発生し、これらを合成す
ることにより、選択された1音色に対応する楽音
信号を形成することを前提としている。しかし、
これに限らず、個々のサブ系列#1〜#3で全く
異なる音色の楽音信号を夫々発生し、そのうち固
定フオルマントを付与すべき楽音信号(S1〜S3の
うち1または複数)のみをデイジタルフイルタ主
回路38に入力するように制御することも可能で
ある。 第3図において、デイジタルフイルタ主回路3
8は極フイルタ42とゼロフイルタ43とを含ん
でおり、両フイルタ42,43は直列に接続され
ている。極フイルタとはフイルタ特性(振幅周波
数特性)の山の部分を制御できるものであり、ゼ
ロフイルタとはフイルタ特性の谷の部分を制御で
きるものである。例えば人声音において男声の
「ア」の振幅周波数特性は第5図aの実線のよう
になるが、これを極フイルタだけで実現しようと
すると谷の部分が破線のようになつてしまい、十
分にレベルが落ちない。これは、極フイルタだけ
では振幅周波数特性の山の部分の重ね合わせでし
か該特性を設定できないことによる。そこで、極
フイルタに対してゼロフイルタを直列に設け、所
望の周波数成分のレベルを十分に落すように該ゼ
ロフイルタの特性を設定すれば、第5図aの実線
のように谷の部分のレベルを十分に落すことがで
きる。第5図bはブラス系の音色の振幅周波数特
性を示す図であり、極フイルタ単独では実現が困
難なものであるが、極フイルタとゼロフイルタの
組合せによれば実現可能である。すなわち、低域
成分のレベルを下げるように(零点が周波数ゼロ
になるように)ゼロフイルタの特性を設定し、レ
ベルの高い高域の特性は極フイルタによつて設定
すればよい。第5図cに示すようなストリングス
系音色の振幅周波数特性も、極フイルタ単独では
実現が困難であるが、ゼロフイルタと極フイルタ
を組合せて所定の周波数が零点となるようにゼロ
フイルタの特性を設定すれば実現可能である。上
述したいくつかの例のように、極フイルタとゼロ
フイルタとを直列的に組合せれば、複雑な周波数
特性を実現することができ、有利である。 一般に、極フイルタは、現在のデイジタル信号
入力と過去のnサンプル数分のデイジタル信号出
力の各々に係数Ki(ただしi=1、2、…n)に
よる重みづけをしたものとの総和を入力側に帰還
する閉ループを有するものであつて、第6図に示
すような無限インパルス応答フイルタ(以下IIR
フイルタという)によつて表現される。また、ゼ
ロフイルタは、現在及び過去のnサンプル数分の
デイジタル信号入力の各々に係数Ki(ただしi=
1、2、…n)による重みづけをしたものの総和
を出力するものであつて、第7図に示すような有
限インパルス応答フイルルタ(以下FIRフフイル
タという)によつて表現される。第6図及び第7
図において、参照番号44,45を付したブロツ
クのように「遅延」と記入されたブロツクは遅延
回路を示し、入力されたデイジタル波形信号をそ
の1サンプリング時間に相当する時間だけ夫々遅
延するものである。参照番号46,47を付した
ブロツクのように三角形で示されたブロツクはフ
イルタ係数K1〜Koをデイジタル波形信号に乗算
するための乗算器である。参照番号48,49の
ように+記号が記入されたブロツクは加算器を示
す。 IIRフイルタの一種としてラテイス型フイルタ
が有り、このラテイス型フイルタは音声合成に適
したフイルタとして知られている。しかも、この
ラテイス型フイルタは、他の型式に比べて乗算器
の数が少なくて済み、ハードウエアを小型化でき
るという利点があると共に、フイルタ係数のビツ
ト数が少なくて済み、かつ、望みのフイルタ特性
に対して係数の設定の仕方が確立されているとい
う利点がある。そこで、この実施例では極フイル
タの好ましい一例として、ラテイス型フイルタを
使用するものとする。 ラテイス型フイルタの基本型式を示すと第8図
aのようであり、同図b,cはその基本型式を等
価的に変換した型式を夫々示す。同図における各
回路素子の表わし方は第6図、第7図と同一であ
り、参照番号50乃至55で示されたものが1サ
ンプリング時間の遅延回路、56,57のように
三角形で表わされたものが乗算器、58,59の
ように+記号が記入されたものが加算器(もしく
は引算器)である。図では、1段の(1サンプリ
ング時間の遅延に対応する)フイルタユニツトが
示されているが、これらのフイルタユニツトを適
宜個数縦続接続してラテイス型の極フイルタ回路
を構成する。フイルタ係数Kiの添字iはi段目
(i=1、2、3、…n)のフイルタユニツトの
係数であることを示している。遅延回路50,5
1,52は1サンプリング時間前の信号を前段の
フイルタユニツトにフイードバツクするためのも
のであり、実際回路においては1サンプリング時
間から演算回路における時間遅れ分を引いた時間
がその遅延時間として設定される。最終段のフイ
ルタユニツトでは自己の出力信号がフイードバツ
クされるようになつている。そのために、出力側
に遅延回路53,54,55が余分に設けられて
おり、最終段のフイルタユニツトの出力とそのフ
イードバツク入力との間に1サンプリング時間に
相当する時間遅れを設定するようになつている。
尚、第8図cに示す型式のラテイス型フイルタが
乗算器の数が最も少ないので、これを用いるのが
有利である。 デイジタルフイルタ主回路38(第3図)にお
ける極フイルタ42を第8図cに示す型式のラテ
イス型フイルタによつて構成した一例を第9図に
示す。この極フイルタ42は12段のラテイス型フ
イルタから成るもので、各段のフイルタユニツト
をL1乃至L12なる符号で示す。第9図におけ
る極フイルタ42は乗算器における演算時間遅れ
を考慮して構成されている。同じく演算時間遅れ
を考慮して構成したデイジタルフイルタ主回路3
8(第3図)におけるゼロフイルタ43の一例を
第10図に示す。このゼロフイルタ43は2次の
ゼロフイルタ(2サンプリング時間分の遅延要素
を含むゼロフイルタ)であるので、単純には第7
図のFIRフイルタにおいて遅延回路44を2段分
だけ縦続接続した構成とすればよいのであるが、
演算時間遅れ及びその他の要素を考慮して第10
図のように構成するものとする。 第9図及び第10図の説明の前に、この極フイ
ルタ42及びゼロフイルタ43に入力されるデイ
ジタル楽音信号のデータ形式について説明する。
一例として、1つの楽楽音信号が24ビツトのデイ
ジタルデータから成るとすると、第2図の制御回
路13からライン16を介して第3図のデイジタ
ルフイルタ部14に与えられる各サブ系列のシリ
アル楽音信号S1,S2,S3は、夫々1信号につき24
タイムスロツトを使用して時間的にシリアル化さ
れており、かつ、この24タイムスロツト分のシリ
アル楽音信号が4フイルタチヤンネル分時分割多
重化されている。従つて、各サブ系列のシリアル
楽音信号S1,S2,S3における楽音波形振幅の1サ
ンプリング周期は「24×4=96タイムスロツト」
となる。この1サンプリング周期内の順次タイム
スロツトに1乃至96の番号を付けて図示したもの
が第11図aである。第11図bは各タイムスロ
ツトに対応するシリアル楽音信号S1,S2,S3のデ
ータ内容を示したものである。第11図a,bに
示すタイミングは、各サブ系列のシリアル楽音信
号S1,S2,S3に共通である。第11図bに示すよ
うに、シリアル楽音信号S1,S2,S3においては、
第1タイムスロツト乃至第24タイムスロツトにフ
イルタチヤンネルch1(上鍵盤ソロ系USL)の
シリアル楽音信号データ、第25乃至第48タイムス
ロツトにフイルタチヤンネルch2(上鍵盤スペ
シヤル系USP)のシリアル楽音信号データ、第
49乃至第72タイムスロツトにフイルタチヤンネル
ch3(上鍵盤カスタム系UCS)のシリアル楽音
信号データ、第73乃至第96タイムスロツトにフイ
ルタチヤンネルch4(下鍵盤スペシヤル系LSP)
のシリアアル楽音信号データ、が夫々割当てられ
ている。24はタイムスロツト毎の各楽音信号デー
タにおいて、最初のタイムスロツト(第1、第
25、第49、第73タイムスロツト)には最下位ビツ
トLSBが割当てられており、以下遅いタイムス
ロツトになるほど重みが増し、23番目のタイムス
ロツト(第23、第47、第71、第95タイムスロツ
ト)に最上位ビツトMSBが割当てられ、最後の
タイムスロツト(第24、第48、第72、第96タイム
スロツト)にはサインビツトSBが割当てられる。 第9図に戻り、1段目のフイルタユニツトL1
について説明すると、参照番号61は引算器とし
て機能する加算器、62,63は加算器、64は
乗算器、65,66,67は遅延回路である。遅
延回路65〜67のブロツク内に示された数字3
2Dは32タイムスロツト分の遅延を行なうことを
示している。FS−INは楽音信号の順向入力端
子、FS−OUTは楽音信号の順向出力端子、BS
−INは逆向入力端子、BS−OUTは逆向出力端
子、である。他のユニツトL2乃至L12もユニ
ツトL1と同一構成であり、各ユニツトL1乃至
L11の順向出力端子FS−OUTがその次段のユ
ニツトL2乃至L12の順向入力端子FS−INに
接続され、各ユニツトL2乃至L12の逆向出力
端子BS−OUTがその前段のユニツトL1乃至L
11の逆向入力端子BS−INに接続される。 フイルタユニツトL1の加算器(機能としては
引算器)61においては、順向入力端子FS−IN
から入力された楽音信号を逆向入力端子BS−IN
及び遅延回路66を介して次段のユニツトL2か
らフイードバツクされた楽音信号から引算する。
この加算器61の出力が乗算器64に入力され、
フイルタ係数K1が乗算される。この係数K1の添
字1は1段目のユニツトL1に対応する係数であ
ることを示す。乗算器64の出力は加算器62に
与えられ、端子FS−IN及び遅延回路65を介し
て与えられる入力楽音信号と加算される。ここ
で、遅延回路65を設けた理由は、乗算器64に
おける演算時間遅れに合わせるためである。すな
わち、この例では、乗算器64の演算時間遅れが
32タイムスロツトとなるように設計されており、
この遅れに合わせるために遅延回路65では32タ
イムスロツト分の遅延を行なうのである。加算器
62の出力は出力端子FS−OUTを経由して次段
のユニツトL2に入力される。 ところで、加算器61の出力と次段のユニツト
L2から遅延回路66を経由してこの加算器61
にフイードバツクされる信号との間には1サンプ
リング周期に相当する時間遅れがなければならな
いわけであるが、これは次のように満たされてい
る。次段のユニツトL2の乗算器68から加算器
69を経由した楽音信号がユニツトL1の逆向入
力端子BS−INに入力され、これが遅延回路66
を経由して加算器61に入力されている。従つ
て、加算器61の出力信号は、乗算器64で32タ
イムスロツト遅延され、その後、次段の乗算器6
8で32タイムスロツト遅延され、更に遅延回路、
66で32タイムスロツト遅延され、結局合計96タ
イムスロツト遅延されて該加算器61にフイード
バツクされることになる。前述の通り、シリアル
楽音信号S1乃至S3の1サンプリング周期は96タイ
ムスロツトであるので、上記のように必要な遅延
時間が確保されていることになる。 逆向出力端子BS−OUTに信号を与える加算器
63(L2では69)は、乗算器64(L2では
68)の出力と遅延回路66及び67(L2では
70,71)を経由して与えられる次段のユニツ
トL2(L2ではL3)からのフイードバツク信
号とを加算するためのものである。遅延回路66
の出力に対応する乗算器64の出力は遅延回路6
6の出力タイミングよりも32タイムスロツト遅れ
ている。この遅れに見合つた時間遅れを設定する
ために遅延回路67が設けられている。 尚、最終段のユニツトL12は自己の出力楽音
信号をフイードバツクするようになつている。そ
のため、前述のような次段ユニツトの乗算器にお
ける32タイムスロツトの時間遅れは見込めないの
で、ユニツトL12の順向出力端子FS−OUTの
出力信号は逆向入力端子BS−INにフイードバツ
クするループに32タイムスロツトの時間遅れを設
定するための遅延回路72を設けるものとする。 尚、以下では、1段目のフイルタユニツトL1
の順向入力端子FS−IN及び逆向出力端子BS−
OUTを特定するためにFSi及びBSoなる符号を用
い、最後のフイルタユニツトL12の順向出力端
子FS−OUT及び逆向入力端子BS−INを特定す
るためにFSo及びBSiなる符号を用いる。 第10図に示すゼロフイルタ43において、2
次のゼロフイルタは乗算器73,74と、加算器
75,76及び遅延回路77,78,79によつ
て構成されている。この2次ゼロフイルタの1段
目は、入力楽音信号が与えられる乗算器73と、
この乗算器73の出力信号を64タイムスロツト遅
延する遅延回路77と、この遅延回路77の出力
信号と入力楽音信号とを加算する加算器75とか
らら成る。乗算器73には1段目のゼロフイルタ
に対応するフイルタ係数K13が与えられる。乗算
器73,74における演算時間遅れは前述と同様
32タイムスロツトであるとする。従つて、乗算器
73と遅延回路77における遅延時間は合計96タ
イムスロツトであり、丁度1サンプリング周期と
なる。従つて、加算器75では現サンプリング時
間の楽音信号とその1サンプリング時間前の楽音
信号にフイルタ係数K13を掛けた信号とが加算さ
れる。2段目のゼロフイルタは、入力楽音信号を
128タイムスロツト遅延する遅延回路78と、こ
の遅延回路78の出力信号にフイルタ係数K14を
乗算する乗算器74と、この乗算器74の出力信
号を32タイムスロツト遅延する遅延回路79と、
この遅延回路79の出力信号と加算器75の出力
信号とを加算する加算器76とから成る。回路7
8,74,79による遅延時間に合計は192タイ
ムスロツトであり、丁度2サンプリング周期とな
る。従つて、加算器76では、2サンプリング時
間前の楽音信号にフイルタ係数K14を掛けた信号
と加算器75の出力信号とが加算される。つま
り、加算器75及び76においては、現サンプリ
ング時間の楽音信号と、その1サンプリング時間
前の楽音信号にフイルタ係数K13を掛けた信号
と、その2サンプリング時間前の楽音信号にフイ
ルタ係数K14を掛けた信号との総和が求められ
る。こうして、加算器76からは2次ゼロフイル
タの出力信号が得られる。 加算器76の出力信号は遅延回路80で64タイ
ムスロツト遅延されて乗算器81に入力される。
乗算器81はゼロフイルタ43の出力ゲインを制
御するために設けられたもので、ゲイン制御用の
係数K15が入力されている。前述の係数K13,K14
はゼロフイルタ43のフイルタ特性設定に関与す
るが、この係数K15はフイルタ特性設定には関与
せず、ゼロフイルタ全体のゲインを設定するもの
である。乗算器81における演算時間遅れは前述
と同様に32タイムスロツトであり、64タイムスロ
ツトの遅延を行なう遅延回路80は、このゲイン
制御用の回路80,81における信号遅延時間を
1サンプリング周期(96タイムスロツト)に同期
させるために設けられたものである。 尚、ゼロフイルタ43の1段目の回路73,7
7,75及び2段目の回路78,74,79,7
6及びゲイン制御用回路80,81の各々におけ
る遅延回路77,78,79,80の挿入箇所は
図示の箇所に限らず、要は1段目で1サンプリン
グ時間、2段目で2サンプリング時間、ゲイン制
御段で1サンプリング時間の遅延が設定されるよ
うになつていればよい。例えば、乗算器73の入
力側に遅延回路77を設け、遅延回路78と79
の位置を入れ替え、乗算器81の出力側に遅延回
路80を設けるようにしてもよい。しかし、後述
するようにこの実施例では各フイルタ係数K1〜
K15は時間的にシリアルなデータ形式でデイジタ
ルフイルタ主回路38に与えられるようになつて
おり、各乗算器64,68,…82,73,7
4,81は所定の時間関係でシリアル演算を行な
うようになつている。そのため、各乗算器64,
68,…,82,73,74,81に対する信号
の入力タイミングを適切に制御する必要があり、
その目的のために第10図に示す箇所に遅延回路
77,78,79,80が設けられている。 第9図及び第10図の極フイルタ42及びゼロ
フイルタ43における入力信号と出力信号との間
の時間遅れは、極フイルタ42では12段のフイル
タユニツトL1〜L12の各々で32タイムスロツ
トの遅れがあるため合計384タイムスロツトすな
わち4サンプリング周期であり、ゼロフイルタ4
3では3サンプリング周期である。 極フイルタ42及びゼロフイルタ43のフイル
タ係数K1〜K15は、フイルタ係数供給回路41
(第3図)から与えられる。このフイルタ係数K1
〜K15は所定の乗算器64,68,…82,7
3,74,81にパラレルに与えられるようにな
つていてもよいが、この実施例ではフイルタ係数
供給回路41からデイジタルフイルタ主回路38
に与えられるフイルタ係数Kは各フイルタ係数
K1〜K15を時間的にシリアル化したものとなつて
いる。シリアル化されたフイルタ係数Kのフオー
マツトは第12図に例示されている。一例とし
て、1つのフイルタ係数は8ビツトのデイジタル
データであり、15個のフイルタ係数K1〜K15の全
ビツト数は120ビツトである。従つて、1音色
(1フイルタチヤンネル)分のフイルタ係数K1〜
K15のシリアル化に要するタイムスロツト数は
120であり、これらを4フイルタチヤンネル分時
分割送出するのに要するタイムスロツト数は
「120×4=480」である。このフイルタ係数Kの
シリアル時分割送出の1サイクル時間(480タイ
ムスロツト)はシリアル楽音信号の5サンプリン
グ周期(480÷96=5)に相当する。 第12図aを参照すると、1チヤンネル分のフ
イルタ係数シリアルデータKは、ゼロフイルタ4
3の後段に対応するものから順に(K15,K14,
K13の順に)送出され、次いで極フイルタ42の
後段に対応するものから順に(K12,K11…K2,
K1の順に)送出されるようになつている。そし
て、8ビツト毎の個々のフイルタ係数のシリアル
データにおいてはサインビツトSBを先頭に上位
のビツトから順に送出される(MSBは最上位ビ
ツトを示し、LSBは最下位ビツトを示す)。デイ
ジタルフイルタ主回路38の内部ではフイルタ係
数シリアルデータKを順送りにシフトして、個々
のフイルタ係数K1〜K15をシリアル・パラレル変
換し、所定の乗算器64,68,…82,73,
74,81(第9図、第10図)に供給するよう
になつている。1チヤンネルにつき第12図aに
示すような形式でシリアル化されたデータKは、
更に同図bに示すように各フイルタチヤンネル
ch1〜ch4の間で(ch1,ch2,ch3,ch4の
順で)時分割多重化されている。 第13図は、第1図、第3図におけるデイジタ
ルフイルタ部14の更に詳細な実施例を示すもの
である。詳しくは、第13図は第1図及び第3図
に示されたデイジタルフイルタ部14として使用
することが可能な1つのデイジタルフイルタ回路
装置(チツプ)DFCの内部構成を示すブロツク
図である。第1図におけるデイジタルフイルタ部
14は、第13図に示すようなデイジタルフイル
タ回路装置DFCを1個だけ用いて構成してもよ
いし、後述のように該装置DFCを複数個組合せ
て構成してもよい。第13図においては、第3図
に示された各回路37〜43に対応する部分に同
一符号が付されている。すなわち、1つのデイジ
タルフイルタ回路装置DFCは、大別すると、第
3図と同様に、フイルタ入力制御回路37、デイ
ジタルフイルタ主回路38、出力制御回路39、
タイミング信号発生回路40及びフイルタ係数供
給回路41を含んでおり、デイジタルフイルタ主
回路38は12段のラテイス型フイルタから成る極
フイルタ42(第9図参照)と2次のゼロフイル
タ43(第10図参照)とを含んでいる。 楽音信号入力端子I1,I2,I3には各サブ系列
#1〜#3に対応するシリアルデイジタ楽音信号
S1,S2,S3が夫々印加される。フイルタ入力制御
回路37は、該端子I1〜I3から与えられる各信号
HS1〜S3を個別にゲートするためのアンド回路8
3,84,85と、これらのアンド回路83〜8
5から出力されたシリアル楽音信号を加算するた
めのシリアル加算器86とを含んでいる。デイジ
タルフイルタ主回路38は、前述の極フイルタ4
2とゼロフイルタ43のほか、これらのフイルタ
42,43の接続組合せを切換えるためのセレク
タ87,88,89を含んでいる。セレクタ87
の第1の入力Aには、入力端子Fiから与えられた
楽音信号が入力され、第2の入力Bにはシリアル
加算器86から出力されたシリアル楽音信号Siが
入力され、第3の入力Cにはゼロフイルタ43の
出力信号Zpが入力される。セレクタ87の出力S
から出力されたシリアル楽音信号(これをFSで
示す)は極フイルタ42の1段目のフイルタユニ
ツトL1の順向入力端子FSi(第9図参照)に入
力される。また、極フイルタ42の1段目のフイ
ルタユニツトL1の逆向出力端子BSp(第9図参
照)は出力端子Bpに与えられる。 極フイルタ42の最終段のフイルタユニツトL
12の順向出力端子FSp(第9図参照)は遅延回
路72に与えられると共に出力端子Fp及びセレク
タ89の第2の入力Bに与えられる。セレクタ8
9の第1の入力Aには前記シリアル加算器86か
ら出力されたシリアル楽音信号Siが入力される。
このシリアル楽音信号Si及び前記セレクタ87か
ら出力されたシリアル楽音信号FSは、共に、入
力端子I1〜I3に与えられるシリアル楽音信号S1〜
S3と同一のデータフオーマツトであり、タイミン
グも同じである。(第11図b参照)。第13図の
遅延回路72は第9図の遅延回路72と同じ働き
をするものである。この遅延回路72の出力信号
はセレクタ88の第2の入力Bに与えられる。セ
レクタ88の第1の入力Aには入力端子Biから
与えられるシリアル楽音信号が加わり、その出力
Sは極フイルタ42の最後のフイルタユニツトL
12の逆向入力端子BSi(第9図参照)に接続さ
れている。また、前記セレクタ89の出力Sはゼ
ロフイルタ43の入力端子ZSi(第10図参照)
に接続されている。ゼロフイルタ43の出力端子
ZSi(第10図参照)からら出力されたシリアル
楽音信号Zpは前述の通りセレクタ87の入力Cに
与えられると共に出力制御回路39のアンド回路
90,91,92に与えられる。 デイジタルフイルタ主回路38においては、一
例として、極フイルタ42とゼロフイルタ43の
接続を3通りに切換えることができる。その1つ
は、極フイルタ42を前段にし、ゼロフイルタ4
3を後段にして、両者を直列接続するものであ
る。もう1つは、その逆に、ゼロフイルタ43を
前段にし、極フイルタ42を後段にして、両者を
直列接続するものである。更にもう1つは、極フ
イルタ42を単独で用い、ゼロフイルタ43への
結線は行なわないようにするものである。このよ
うな極フイルタ42とゼロフイルタ43の接続切
換えは、デイジタルフイルタ部14として複数個
のデイジタルフイルタ回路装置DFCを組合せて
使用する場合に有効に機能する。極フイルタ42
とゼロフイルタ43の接続切換えを制御するため
に、制御コードC1,C2がセレクタ87,8
8,89に入力される。 接続切換え態様の詳細及び制御コードC1,C
2の内容については後で詳述することにし、当面
は1個のデイジタルフイルタ回路装置DFCを単
独でデイジタルフイルタ部14として使用し、極
フイルタ42を前段に、ゼロフイルタ43を後段
にして両者を直列接続するものとして説明を進め
る。その場合、制御コードC1,C2は共に信号
“1”とされる。セレクタ87ではコードC1,
C2の“11”により入力Bを選択し、セレクタ8
8ではコードC2の“1”により入力Bを選択
し、セレクタ89ではコードC2の“1”により
入力Bを選択する。従つて、入力制御回路37の
シリアル加算器86から出力されたシリアル楽音
信号Siがセレクタ87を介して信号FSとして極
フイルタ42の順向入力端子FSiに入力され、こ
の極フイルタ42の順向出力端子FSpの出力信号
がセレクタ89を介してゼロフイルタ43の入力
端子ZSiに入力され、かつ該順向出力端子FSpの
出力信号を遅延回路72で32タイムスロツト遅延
した信号がセレクタ88を介して極フイルタ42
の逆向入力端子BSiにフイードバツクされる。こ
うして極フイルタ42を前段に、ゼロフイルタ4
3を後段にして両者が直列接続される。 タイミング信号発生回路40は、端子T1を介
して入力された同期パルスSYNCにもとづき、シ
リアルフイルタ演算を制御するための所定のタイ
ミング信号KL,LD,SH、及びシリアルフイル
タ係数Kにおける各フイルタチヤンネルch1〜
ch4の時分割タイミングに同期したチヤンネル
選択コードKch、及びシリアル楽音信号S1〜S3に
おける各フイルタチヤンネルch1〜ch4の時分
割タイミングに同期したチヤンネル選択コード
Sch及びフイルタ係数をシリアル化するための同
期パルスKSYNC、を夫々発生する。タイミング
信号KL,LD,SHはライン95を介して極フイ
ルタ42の1段目のフイルタユニツトL1(第9
図参照)に供給される。フイルタ係数供給回路4
1から出力されたフイルタ係数のシリアルデータ
Kも極フイルタ42の1段目のユニツトL1に供
給される。後述するように、シリアルフイルタ係
数データKは極フイルタ42内の各段を順次シフ
トされていき、更にライン93を経てゼロフイル
タ43に入り、このゼロフイルタ43内の各段で
も順次シフトされ、最終的にシリアル形式からパ
ラレル形式に変換されて、所定の段に各係数K1
〜K15が分配されるようになつている。タイミン
グ信号KL,LD,SHはシリアルフイルタ係数K
をパラレル変換するため利用される。従つて、こ
れらの信号KL,LD,SHはライン94を経てゼ
ロフイルタ43にも与えられる。後述するよう
に、信号KLはフイルタ42,43の各段に同時
に与えられるが、信号SH,LDはシリアルフイル
タ係数Kと同様に各段で順次シフトされる。 ライン95を介して極フイルタ42の1段目に
入力される各タイミング信号KL,LD,SHの一
例を示すと第14図のようである。また、セレク
タ87を介して極フイルタ42の1段目のフイル
タユニツトL1に入力されるシリアル楽音信号
FSの時分割チヤンネル状態(つまりS1〜S3の時
分割チヤンネル状態)ch1〜ch4を示すと、第
14図のFSの欄のようである。同様に、第14
図のKの欄には、ライン96を介して極フイルタ
42の1段目のユニツトL1に与えられるシリア
ルフイルタ係数データKの時分割チヤンネル状態
ch1〜ch4が示されている。第14図において、
信号波形図に添えて記した数字は1サンプリング
周期内のタイムスロツトの順位を示す番号(第1
1図aに示すもの)を示す。第14図に示した信
号FS及びデータKの細部は第11図b及び第1
2図aに示した通りである。 シリアルフイルタ係数データK及びタイミング
信号KL,LDの発生パターンは楽音信号FSの5
サンプリング周期を1サイクルとして繰返すもの
である。この5サンプリング周期の各々を第1乃
至第5サンプリング周期とすると、タイミング信
号KLは、第1サンプリング周期の第23タイムス
ロツト、第2サンプリング周期の第47タイムスロ
ツト、第3サンプリング周期の第71タイムスロツ
ト、第4サンプリング周期の第95タイムスロツ
ト、で夫々パルスが発生する信号であり、その1
周期は120タイムスロツトである。また、タイミ
ング信号LDはKLと同じく120タイムスロツトを
1周期とする信号であり、KLよりも1タイムス
ロツト遅れてパルスが発生する信号である。シリ
アルフイルタ係数データKにおいては、前述の通
り1チヤンネルのフイルタ係数に対して120タイ
ムスロツトが割当てられている。まず、第1サン
プリング周期の第23タイムスロツトから第2サン
プリング周期の第46タイムスロツトまでの120タ
イムスロツトにおいてチヤンネルch1のフイル
タ係数Kが割当てられ、以下、信号KLのタイミ
ングに同期して120タイムスロツト毎にチヤンネ
ルch2,ch3,ch4の係数Kが順次割当てられ
ている。タイミング信号SHは24タイムスロツト
の周期で第24、第48、第72、第96タイムスロツト
毎に繰返し発生するものである。 タイミング信号発生回路40から発生されたチ
ヤンネル選択コードKchは、第14図のK欄に示
すようなフイルタ係数Kの時分割チヤンネルタイ
ミングに同期して各チヤンネルch1〜ch4を示
すコード内容を示す。また、他方のチヤンネル選
択コードSchは、第14図のFS欄に示すようなシ
リアル楽音信号FSの時分割チヤンネルタイミン
グに同期して各チヤンネルch1〜ch4を示すコ
ード内容を示す。 フイルタ係数供給回路41は、フイルタ係数
ROM97と、音色パラメータTP3に応じてこ
のROM97の読み出しを制御するための回路と
を含んでいる。音色パラメータTP3に応じて
ROM97の読み出しを制御するための回路は、
シフトレジスタ98、ラツチ回路99、書込み及
び読出し自在なランダムアクセスメモリ(以下
RAMという)100、セレクタ101を含んで
いる。音色パラメータTP3はシリアル化された
パラメータデータPDから成り、シフトレジスタ
98とラツチ回路99はこのシリアルデータPD
をパラレル変換するシリアル/パラレル変換器と
して機能する。音色選択装置12(第1図)は、
音色パラメータTP3を示す情報として、シリア
ル化されたパラメータデータPDと、そのシリア
ル化の基準タイミングを示すタイミングパルス
PEとを出力し、端子T2,T3を介してデイジ
タルフイルタ部14に供給する。このように音色
パラメータTP3をシリアルデータ化することに
よつて音色選択装置12からデイジタルフイルタ
部14への配線を簡略化することができるので有
利である。 音色選択装置12の一例は第15図に示されて
いる。複数の音色選択スイツチTC−SWが設け
られており、その出力がエンコーダ102に入力
される。奏者によつて音色選択スイツチTC−
SWのいずれかが操作されると、そのスイツチを
示すコード信号がエンコーダ102から出力され
る。また、スイツチTC−SWが操作されたとき、
ラツチ回路103のロード制御入力Lにアンド回
路104からロードパルスが与えられ、エンコー
ダ102の出力コード信号がラツチ回路103に
取り込まれる。ラツチ回路103にラツチされた
コード信号すなわち選択された音色を示すコード
信号は音色パラメータメモリ105のアドレス入
力に与えられる。音色パラメータメモリ105は
選択可能な各種音色に対応して音色パラメータを
示すデータを予じめ記憶したもので、ラツチ回路
103から与えられるコード信号に従つて選択さ
れた音色に対応する音色パラメータデータを読み
出す。このうちデイジタルフイルタ部14に与え
られるべきパラメータデータTP3はラツチ回路
106に並列的に入力される。ラツチ回路106
のロード制御入力Lにはアンド回路104から出
力されたロードパルスが遅延フリツプフロツプ1
07を介して与えられる。従つて、ラツチ回路1
06のラツチタイミングはラツチ回路103のそ
れよりも僅かに遅れている。これはラツチ回路1
03にラツチされたコード信号に対応する音色パ
ラメータTP3がメモリ105から確実に読み出
されるのを待つてラツチ回路106のラツチ動作
を行なうようにするためである。 音色パラメータTP3は例えば10ビツトのデイ
ジタルデーであり、そのうち5ビツトが選択され
た音色を表わす音色コードTCであり、3ビツト
が各サブ系列#1〜#3の楽音信号S1〜S3のうち
どれをデイジタルフイルタ主回路38に通すべき
かを示すフイルタネーブル信号FE1,FE2,
FE3であり、2ビツトがこの音色を付与すべき
楽音信号がどの系列(USL,USP,UCS,LSP)
のものであるか、すなわちどのフイルタチヤンネ
ルch1〜ch4にこの音色を付与すべきか、を示
すチヤンネルコードCHである。ラツチ回路10
6は10個のラツチ箇所を有しており、パラメータ
TP3の各ビツトを夫々ラツチする。ラツチ回路
106の各ラツチ箇所の出力信号は10個のアンド
回路108,109,110の一方入力に夫々入
力される。 シフトレジスタ111は11ステージを有してお
り、遅延フリツプフロツプ107から第1ステー
ジに与えられたパルス信号をクロツクパルスφに
従つて順次シフトする。シフトレジスタ111の
第1ステージから第10ステージまでの出力信号が
10個のアンド回路108,109,110の他方
入力に夫々入力される。各アンド回路108,1
09,110の出力がすべてオア回路112に入
力されるようになつており、このオア回路112
の出力信号が音色パラメータTP3のシリアルデ
ータPDとしてデイジタルフイルタ部14に与え
られる。シフトレジスタ111の第11ステージの
出力信号はフリツプフロツプ113のセツト入力
Sに与えられると共にタイミングパルスPEとし
てデイジタルフイルタ部14に与えられる。 シフトレジスタ111における入力パルスのシ
フトタイミングを1乃至11で示し、このタイミ
ングに対応するシリアルデータPDの状態の一例
を示すと、第16図のようになる。また、タイミ
ングパルスPEは同図に示すようにタイミング1
1で、つまりシリアルデータPDの送出を終えた
直後に、発生する。 オア回路114にはすべての音色選択スイツチ
TC−SWの出力信号が入力されるようになつて
おり、いずれかのスイツチが押圧されたとき該オ
ア回路114の出力が信号“1”となる。オア回
路114の出力信号はアンド回路104に加わる
と共にフリツプフロツプ113のリセツト入力R
に加わる。フリツプフロツプ113の出力Qは遅
延フリツプフロツプ115でクロツクパルスφの
1周期時間だけ遅延された後アンド回路104に
加わる。通常は、フリツプフロツプ113がセツ
ト状態となつており、アンド回路104が動作可
能となつている。音色選択スイツチTC−SWが
押圧されると、オア回路114の出力信号の立上
りに対応してアンド回路104の出力が信号
“1”となる。同時にフリツプフロツプ113が
リセツトされ、クロツクパルスφに1周期後に遅
延フリツプフロツプ115の出力が“0”に立下
り、アンド回路104が動作不能となる。従つ
て、アンド回路104は、音色選択スイツチTC
−SWが押圧された瞬間にクロツクパルスφの1
周期時間幅の短パルスを出力する。そして、この
アンド回路104の出力パルスにもとづき、前述
の通りシリアルデータPD及びタイミングパルス
PEが送出される。タイミングパルスPEが発生す
ると、フリツプフロツプ113がセツトされる。
これにより、次に音色選択スイツチTC−SWが
押圧されたときアンド回路104かららロードパ
ルスを発生し得るように、該アンド回路104を
動作可能状態に設定する。 音色選択装置12は、更に各種の楽音制御用操
作子116を含んでおり、この操作子116の操
作子に応じてパラメータ発生回路117が所定の
音色パラメータを発生する。音色パラメータメモ
リ105から読み出されたフイルタ制御用の音色
パラメータTP3以外のパラメータデータ及びパ
ラメータ発生回路117から出力されたパラメー
タのうち所定のものが音色パラメータTP1,TP
2,TP4として楽音信号発生部11、制御回路
13、外部記憶装置20に夫々供給される。これ
らの音色パラメータTP1,TP2,TP4はTP3
と同様にシリアルデータ形式で供給するようにし
てもよい。 尚、第15図では音色選択装置12をデイスク
リート回路によつて構成するように示されている
が、これに限らず、マイクロコンピユータ方式に
よつて処理してもよい。その場合、鍵盤部9及び
キーアサイナ10(第1図)も併せてマイクロコ
ンピユータ方式で処理することが可能である。 第13図に戻ると、音色パラメータTP3のシ
リアルデータPDはシフトレジスタ98に入力さ
れる。シフトレジスタ98は10ステージであり、
クロツクパルスφによつてシリアルデータPDの
時分割タイムスロツトに同期してシフト制御を行
なう。タイミングパルスPEはラツチ回路99の
ロード制御入力Lに与えられる。シフトレジスタ
98の各ステージ出力がラツチ回路99にパラレ
ルに入力されており、タイミングパルスPEが供
給されたとき、該各ステージ出力信号の状態がラ
ツチ回路99にラツチされる。シリアルデータ
PDとタイミングパルスPEの関係は第16図のよ
うになつているため、シフトレジスタ98の第
1、第2ステージにチヤンネルコードCHが入
り、第3、第4、第5ステージにフイルタイネー
ブル信号FE3,FE2,FE1が入り、第6乃至
第10ステージに音色コードTCが入つたときタイ
ミングパルスPEが供給され、これらのデータが
ラツチ回路99に確実にラツチされるようになつ
ている。 RAM100は各フイルタチヤンネルch1〜ch
4に対応して音色コードTCを記憶するためのも
のであり、RAM118は各フイルタチヤンネル
ch1〜ch4に対応してフイルタイネーブル信号
FE1〜FE3を記憶するためのものである。
RAM100及118は各チヤンネルch1〜ch4
に対応する記憶位置(アドレス)を有している。
RAM100,118の書込み制御入力Wにはタ
イミングパルスPEを遅延フリツプフロツプ11
9で遅延した信号が与えられる。書込みアドレス
指定入力WADにはラツチ回路99にラツチされ
たチヤンネルコードCHが与えられる。RAM1
00のデータ入力にはラツチ回路99にラツチさ
れた音色コードTCが入力される。RAM118
のデータ入力にはラツチ回路99にラツチされた
フイルタイネーブル信号FE1〜FE3が入力され
る。ラツチ回路99に新しいデータTC、FE11
〜FE3、CHが取込まれた直後にRAM100,
118が書込みモードとなり、この新しいチヤン
ネルコードCHによつて指定されたアドレスに音
色コードTC及び信号FE1〜FE3を夫々書込む。
このようにして、音色選択操作が行なわれる毎に
(データPD,PEが与えられる毎に)RAM100
及び118にデータが書込まれ、最終的に、各フ
イルタチヤンネルch1〜ch4に対応して選択さ
れた音色の音色コードTCがRAM100に夫々
記憶されると共に、各フイルタチヤンネルch1
〜ch4に対応てして選択された音色のフイルタ
イネーブル信号FE1〜FE3がRAM118に
夫々記憶される。 RAM100の読み出しアドレス指定入力RAD
には各チヤンネルch1〜ch4のチヤンネル選択
コードKchがタイミング信号発生回路40から時
分割的に与えられる。RAM118の読み出しア
ドレス指定入力RADには同じく回路40からチ
ヤンネル選択コードSchが時分割的に与えられ
る。RAM100,118は読み出しを行なつて
いる最中でも書き込みを行なうことができるタイ
プのものである。チヤンネル選択コードKchは第
14図のK欄に示すように各チヤンネルch1〜
ch4を示すコード信号が1チヤンネルにつき120
タイムスロツト幅で時分割的に生じるものであ
る。RAM100はこのコードKchに従つて各チ
ヤンネルch1〜ch4の音色コードTCを時分割的
に読み出す。一方、チヤンネル選択コードSchは
第14図のFS欄に示すように各チヤンネルch1
〜ch4を示すコード信号が1チヤンネルにつき
24タイムスロツト幅で時分割的に生じるものであ
る。RAM118はこのコードSchに従つて各チ
ヤンネルch1〜ch4のフイルタイネーブル信号
FE1〜FE3を時分割的に読み出す。 RAM100から読み出された音色コードTC
はセレクタ101の制御入力に与えられる。セレ
クタ101は音色コードTCの内容に応じてフイ
ルタ係数ROM97から読み出されたフイルタ係
数を選択する。フイルタ係数ROM97は、音色
選択装置12で選択可能な各種音色に対応してフ
イルタ係数の組を予じめ記憶したものである。前
述の通り、1音色に対応する1組のフイルタ係数
は15個のフイルタ係数K1〜K15から成り、1個の
フイルタ係数が8ビツトであるため1組のフイル
タ係数は120ビツトのデータである。5ビツトの
音色コードTCによつて選択可能な音色数は32種
類であるため、ROM97には例えば32組のフイ
ルタ係数が夫々記憶されている。タイミング信号
発生回路40から発生されたフイルタ係数読み出
し用の同期パルスKSYNCがROM97に供給さ
れる。ROM97は、同期パルスKSYNCにもと
づき所定のタイミングで、120ビツトから成るフ
イルタ係数の組を時間的にシリアルに1ビツトづ
つ順次読み出し、かつこのシリアル読み出し全音
色に関して同時に並列的に行なう。並列的に読み
出された各組のシリアルフイルタ係数データの
各々の状態は前述の第12図aのようになつてい
る。 ROM97から読み出された各音色毎のフイル
タ係数のシリアルデータはセレクタ101に入力
される。セレクタ101はRAM100から時分
割的に与えられた音色コードTCに従つて1組の
シリアルフイルタ係数データを選択する。1チヤ
ンネルに関する音色コードTCがセレクタ101
に与えられる120タイムスロツトの時間幅に同期
して、ROM97では120ビツト分の1組のフイ
ルタ係数のシリアル読み出しが繰返し行なわれる
ようになつている。一方、RAM100から読み
出される音色コードTCの内容はチヤンネル選択
コードKchに応じて120タイムスロツト毎に時分
割的で変化する。従つて、各フイルタチヤンネル
ch1〜ch4に対応して選択された音色に対応す
る4組のフイルタ係数のシリアルデータが120タ
イムスロツト毎に時分割でセレクタ101から出
力される。このセレクタ101から出力されたシ
リアルフイルタ係数データのチヤンネル状態は第
14図のK欄に示すものと同一である。 セレクタ101の出力はセレクタ120の入力
Aに与えられる。セレクタ120の他の入力Bに
は外部記憶装置20(第1図)から読み出された
フイルタ係数のシリアルデータKOが端子T5を
介して与えられる。このシリアルフイルタ係数デ
ータKOのシリアルデータ形式はセレクタ101
から出力されるものと全く同じでああり、4チヤ
ンネルch1〜ch4分のシリアルフイルタ係数デ
ータが第14図のK欄に示すように時分割多重化
されたものである。セレクタ120のB選択制御
入力SBにはフイルタ係数切換スイツチ21(第
1図)の出力信号KSが端子T4を介して与えら
れており、A選択制御入力SAにはこの信号KSを
反転したものが与えられる。従つて、スイツチ2
1のオンまたはオフに応じて外部記憶装置20の
出力またはセレクタ101の出力(すなわち
ROM97の出力)の一方が選択される。こうし
てセレクタ120で選択されたシリアルフイルタ
係数データKはライン96を介して極フイルタ4
2の1段目のフイルタユニツトL1に入力され
る。 フイルタ係数外部記憶装置20は、デイジタル
フイルタ部14の内部に設けられるフイルタ係数
ROM97と同様な構成であつてもよいが、キー
オン信号KONにもとづき時間的に変化するフイ
ルタ係数を供給するような構成であつてもよい。
後者のタイプの外部記憶装置20の一例が第17
図に示されている。第17図において、フイルタ
係数メモリ121は、1音色に対して複数組のフ
イルタ係数を複数種類の音色に対応して夫々予じ
め記憶したもので、音色選択装置12(第1図、
第15図)から与えられる音色パラメータTP4
に従つて或る1音色に対応する複数組のフイルタ
係数を選択し、選択したフイルタ係数をアドレス
信号発生回路122から与えられるアドレス信号
ADRSに応じて時間経過に従つて1組づつ順次読
み出す。アドレス信号発生回路122は、キーア
サイナ10(第1図)から与えられるキーオン信
号KONにもとづき時間的にその値が変化するア
ドレス信号ADRSを発生し、かつ、このアドレス
信号ADRSの時間的変化のパターンを音色パラメ
ータTP4に応じて制御する。 アドレス信号発生回路122におけるアドレス
信号ADRSの発生例を第18図に示す。キーオン
信号KONの立上りに同期してアドレス信号
ADRSの値が「0」にリセツトされ、所定のアタ
ツクレートに従つて該信号ADRSの値が「0」、
「1」、「2」…と順次増大していく。アドレス信
号ADRSの値が所定のサステイン値Asに達する
と、その増数が停止し、サステイン値Asを維持
する。やがてキーオン信号KONが立下ると、所
定のデイケイレートに従つて該信号ADRSの値が
「As」、「As+1」、「As+2」…と順次増大する。
そして、最終値「N」に達すると増大が停止し、
キーオン信号KONに応じたアドレス信号ADRS
の時間変化が終了する。フイルタ係数メモリ12
1において1音色に対応して記憶されているフイ
ルタ係数の組数はN組であり、アドレス信号
ADRSの値「0」乃至「N−1」に応じて各組の
フイルタ係数が順次読み出される。尚、第18図
において、アタツクレート、デイケイレート、サ
ステイン値Asは音色パラメータTP4に応じて可
変設定される。 尚、各フイルタチヤンネルch1〜ch4に割当
てられる音色種類に予じめ判かつているので、選
択された音色がどのフイルタチヤンネルch1〜
ch4に属するのかは音色パラメータTP4の内容
から自ずと判明する。従つて、フイルタ係数メモ
リ121では、各チヤンネルch1〜ch4に対応
して選択された音色のフイルタ係数を各チヤンネ
ルタイミングに対応して時分割で読み出すように
することができる。こうして、フイルタ係数メモ
リ121からは、120ビツトから成る1組のフイ
ルタ係数のデータがパラレルに、かつ、各チヤン
ネルch1〜ch4毎に時分割で読み出され、しか
もその1組のフイルタ係数はアドレス信号ADRS
の変化に応じて時間的に変化するものである。パ
ラレル/シリアル変換器123はメモリ121か
らパラレルに読み出された120ビツトデータから
成る1組のフイルタ係数を時間的にシリアルな
(120タイムスロツトから成る)データに変換する
ためのものである。シリアル変換の際の基準タイ
ミング信号として使用するために同期パルス
SYNCが利用される。こうして、外部記憶装置2
0から供給されるシリアルフイルタ係数データ
KOは、前述のように、第14図のK欄に示すよ
うなデータ形式である。 第17図に示すような、時間的に変化するフイ
ルタ係数KOを供給する記憶装置20は、周波数
特性が時間的に変化する音色を実現する場合に役
立つ。特に、人声音は周波数特性が時間的に微妙
に変化するので、人声音のためのフイルタ係数を
供給するのに適している。すなわち、所望の人声
音の周波数特性変化に対応するようにフイルタ係
数を供給するようにフイルタ係数メモリ121及
びアドレス信号発生回路122を構成すればよい
のである。尚、第18図では、サステイン部では
一定値Asをアドレス信号ADRSとして一定のフ
イルタ係数が読み出されるようにしているが、こ
れに限らず、サステイン部においてもアドレス信
号ADRSの値を微妙に変化させるようにしてもよ
い。例えば、サステイン部においてアドレス信号
ADRSの値を微妙に周期的に変化させ、フイルタ
係数が僅かに周期的に変化するようにするのも効
果的である。 第13図に戻ると、RAM118から読み出さ
れたフイルタイネーブル信号FE1〜FE3は、入
力制御回路37のアンド回路83〜85及び出力
制御回路39のアンド回路124,125,12
6に夫々入力される。アンド回路83〜85のう
ちそこに入力されたフイルタイネーブル信号FE
1〜FE3が“1”となつているものが動作可能
となり、それに対応するシリアル楽音信号(S1〜
S3のうちいずれか1乃至複数)が選択されてシリ
アル加算器86に入力される。前述の通り、
RAM118から読み出されたフイルタイネーブ
ル信号FE1〜FE3のチヤンネルch1〜ch4のタ
イミングは第14図のFS欄に示すようなシリア
ル楽音信号S1〜S3のチヤンネルタイミングに一致
している。従つて、各フイルタチヤンネルch1
〜ch4に対応して設定されている組合せで各サ
ブ系列のシリアル楽音信号S1〜S3が選択される。 シリアル加算器86の詳細について説明する
と、加算器127においてアンド回路84から与
えられるシリアル楽音信号S2とアンド回路85か
ら与えられるシリアル楽音信号S3とを加算し、こ
の加算器127の出力信号とアンド回路83から
与えられるシリアル楽音信号S1とを加算器128
で加算する。加算器127,128は共に、キヤ
リイ入力Ciを有するフルアダーであり、自己のキ
ヤリイ出力Cp+1がアンド回路129,130を介
してキヤリイ入力Ciに夫々入力されるようになつ
ている。キヤリイアウト信号が生じた加算タイミ
ングとキヤリイ出力Cp+1から信号“1”が出力さ
れるタイミングとの間には1タイムスロツトの時
間遅れがあるものとする。第11図bに示したよ
うにシリアル楽音信号S1〜S3においては上位ビツ
トのデータほどより遅いタイムスロツトに割当て
られている。従つて、1タイムスロツト遅れて出
力Cp+1から出力されたキヤリイアウト信号をキヤ
リイ入力Ciに加えることにより、キヤリイアウト
信号を1ビツト上位のデータに加算することがで
きる。アンド回路129,130の他の入力には
タイミング信号発生回路40から発生されたタイ
ミング信号SHを遅延回路131で1タイムスロ
ツト遅延した信号をインバータ132で反転した
ものが与えられる。第14図に示すようにタイミ
ング信号SHは第24、第48、第72、第96タイムス
ロツトで夫々“1”となる信号であり、これを1
タイムスロツト遅延した遅延回路131の出力信
号は第25、第49、第73、第1タイムスロツトで
夫々“1”となる。一方、シリアル楽音信号S1〜
S3は第11図bのようであるため、各チヤンネル
ch1〜ch4のシリアル楽音信号の最下位ビツト
LSBのタイミングで遅延回路131の出力信号
が“1”となり、インバータ132の出力は
“0”となる。その結結果、各チヤンネルch1〜
ch4毎のシリアル加算において、最下位ビツト
LSBのタイムスロツトにおいて別のチヤンネル
のサインビツトSBの演算によつて生じたキヤリ
イアウト信号がキヤリイ入力Ciに与えられるのを
禁止することができる。 一方、出力制御回路39のアンド回路124〜
126の他の入力には制御コードC2が入力され
ている。後述するように、ゼロフイルタ43の出
力信号Zpをこのデイジタルフイルタ回路装置
DFCの出力楽音信号として使用する場合には、
制御コードC1,C2のうちC2が必らず“1”
となるよう定められている。従つて、ゼロフイル
タ43の出力信号Zpを出力楽音信号として使用す
る場合アンド回路124〜126が常時可能化さ
れ、フイルタイネーブル信号FE1〜FE3の値に
応じて該アンド回路124〜126の出力が
“1”または“0”となる。このアンド回路12
4〜126の出力はアンド回路90,91,92
に別々に入力される。一方、アンド回路124〜
126の出力信号を反転した信号がアンド回路1
33,134,135に別々に入力されており、
各アンド回路133〜135の他の入力には各サ
ブ系列のシリアル楽音信号S1〜S3が別々に入力さ
れる。アンド回路90と133の出力はオア回路
136を介して出力端子O1に与えられ、アンド
回路91と134の出力はオア回路137を介し
て出力端子O2に与えられ、アンド回路92と1
35の出力はオア回路138を介して出力端子
O3に与えられる。 ゼロフイルタ43の出力信号Zpを出力楽音信号
として使用する場合、フイルタイネーブル信号
FE1〜FE3が“1”となるチヤンネルタイミン
グに対応してゼロフイルタ43から出力された信
号Zpが、“1”となつている信号FE1〜FE3に
対応するアンド回路90,91,92を介して各
サブ系列に対応する出力端子O1,O2,O3に分配
される。その場合、フイルタイネーブル信号FE
1〜FE3が“0”となつているサブ系列に対応
するアンド回路133,134,135が可能化
され、フイルタを通らないシリアル楽音信号S1〜
S3が出力端子O1,O2,O3に導かれる。つまり、
ゼロフイルタ43の出力信号Zpが分配されなかつ
た出力端子O1〜O3に入力楽音信号S1〜S3がその
まま導かれる。 一方、ゼロフイルタ43の出力信号Zpを出力楽
音信号として使用しない場合は、コードC2が
“0”であり、アンド回路133〜135が常時
可能化されると共にアンド回路90〜92が常時
不能化され、すべての出力端子O1〜O3に入力楽
音信号S1〜S3がそのまま導かれる。 第13図における極フイルタ42及びゼロフイ
ルタ43は第9図及び第10図に示したものと同
じものを用いることができる。ところで、第9
図、第10図では基本構全のみが示されており、
シリアルフイルタ係数データKを並列データに変
換して各ユニツトL1〜L12の乗算器64,6
8…82及びゼロフイルタ42の各乗算器73,
74,81に分配するための回路及び複数チヤン
ネルch1〜ch4に関する時分割的フイルタ演算
を可能にする回路及びシリアルフイルタ演算を可
能にする回路等については図示を省略してある。
そこで、第9図に示すような基本構成から成る極
フイルタ42のフイルタユニツトL1乃至L12
の詳細例につき第19図を参照して説明し、その
次にゼロフイルタ43の詳細例につき説明する。 第19図は極フイルタ42の1段目のフイルタ
ユニツトL1の詳細例を示したものである。他の
フイルタユニツトL2乃至L12もこれと全く同
一もしくはほぼ同一構成である。第9図の加算器
61,62,63及び遅延回路65,66,67
に相当する回路は第19図でも同一符号が付して
ある。また、第9図の乗算器64に相当する回路
部分は第19図では同一符号を用いて包括的に示
してある。 タイミング信号KL,LD,SHを利用してシリ
アルフイルタ係数データKをパラレル変換し、乗
算器64に分配する係数分配回路139は第9図
では省略されていたが第19図では図示されてい
る。この回路139につき、まず説明する。尚、
図において1タイムスロツトの遅延を行なう遅延
回路は「D」なる記号を記したブロツクによつて
表示するものとし、特に説明を要する場合を除き
個々の1タイムスロツト遅延回路の参照番号は省
略する。係数分配回路139は遅延回路列14
0,142,143とラツチ回路141及びフイ
ルタ係数記憶装置144を含んでいる。8個の1
タイムスロツト遅延回路を縦続接続した遅延回路
列(すなわち8ステージの直列シフト並列出力型
シフトレジスタ)140と、この遅延回路列14
0の各遅延回路出力を夫々入力した8個の1ビツ
ト型ラツチ回路から成るラツチ回路141は、シ
リアルフイルタ係数データKをパラレル変換する
ためのものである。遅延回路列140にはシリア
ルフイルタ係数データKが入力される。このデー
タKは各遅延回路で順次シフトされて8タイムス
ロツト後に次段のフイルタユニツトL2に与えら
れる。ラツチ回路141の各ラツチ制御入力Lに
はタイミング信号KLが与えられており、この信
号KLが“1”のとき遅延回路列140の各遅延
回路の出力を各ラツチ回路にラツチする。尚、こ
の例ではラツチ回路141の出力タイミングはラ
ツチタイミングから1タイムスロツト遅れるもの
とする。142及び143は140と同様に8個
の1タイムスロツト遅延回路を縦続接続した遅延
回路列(直列シフト並列出力型シフトレジスタ)
である。遅延回路列142にはタイミングLDが
入力され、143にはタイミング信号SHが入力
される。これらの信号LD,SHは遅延回路列14
2,143の各遅延回路で順次遅延され、8タイ
ムスロツト後に次段のフイルタユニツトL2に与
えられる。 遅延回路列140,142,143及びラツチ
回路141と同様の回路は他のフイルタユニツト
L2乃至L12にも設けられている。従つて、シ
リアルフイルタ係数データK、タイミング信号
LD,SHは各フイルタユニツトL1乃至L12で
8タイムスロツトずつ順次遅延される。一方、タ
イミング信号KLは遅延されることなく各フイル
タユニツトL1乃至L12に同時に供給される。
また、極フイルタ42の最終段のフイルタユニツ
トL12から出力されたデータK、信号KL,
KD,SHはライン93,94(第13図)を介
してゼロフイルタ43に入力される。後述するよ
うに、ゼロフイルタ43の3つの乗算器73,7
4,81(第10図)に対応して第19図の係数
分配回路139(遅延回路列140,142,1
43、ラツチ回路141、記憶装置144)と同
様の回路が設けられており、ライン93,94か
ら入力されたデータK、タイミング信号LD,SH
はゼロフイルタ43の3段の演算段で夫々8タイ
ムスロツトずつ順次遅延される。また、タイミン
グ信号KLは遅延されることなく、ゼロフイルタ
43の各演算段に同時に供給される。 タイミング信号発生回路40(第13図)から
ライン95を介して1段目のフイルタユニツトL
1に与えられる各タイミング信号KL,LD,SH
のパルス発生タイミングは前述の通り第14図の
ようになつている。また、セレクタ87(第13
図)から1段目のフイルタユニツトL1に与えら
れるシリアル楽音信号FSのチヤンネルタイミン
グ、及びセレクタ120(第13図)からライン
96を介してユニツトL1に与えられるシリアル
フイルタ係数データKのチヤンネルタイミングも
第14図の通りである。 第14図から明らかなように、1チヤンネル分
のフイルタ係数データKのシリアル送出を完了し
た直後にタイミング信号KLが発生される。第1
2図aに示すように、1チヤンネル分のシリアル
フイルタ係数データKは後段の演算段(乗算器8
1,74,73、フイルタユニツトL12〜L
1)に対応するもの(K15,K14,…K1)から順
に送出される。従つて、タイミングKLが発生し
たとき、個々の極フイルタユニツトL1乃至L1
2及びゼロフイルタ演算段に対応する8ビツトの
フイルタ係数K1〜K15は、各々に対応する所定の
演算段の遅延回路列(第19図の140に相当す
るもの)に丁度入つており、これらが各演算段内
のラツチ回路(第19図の141に相当するも
の)に夫々ラツチされる。こうして、シリアルフ
イルタ係数データKが夫々所定のフイルタユニツ
トL1乃至L12及びゼロフイルタ演算段におい
て並列データK1〜K15に変換される。この並列デ
ータは次のラツチタイミングが到来するまでラツ
チ回路(第19図では141)で保持される。例
えば、第14図に示す第1サンプリング周期の第
23タイムスロツトでタイミング信号KLが発生し
たときはチヤンネルch4のフイルタ係数データ
が各ユニツトL1乃至L12及びゼロフイルタ演
算段のラツチ回路(第19図の141)に夫々ラ
ツチされ、次に第2サンプリング周期の第47タイ
ムスロツトでタイミング信号KLが発生するまで
チヤンネルch4のフイルタ係数が保持される。
従つて、ラツチ回路141から出力されるフイル
タ係数のチヤンネルch1乃至ch4を示すと、第
14図のKDのようになる。 第19図において、フイルタ係数記憶装置14
4は各チヤンネルch1乃至ch4のフイルタ係数
を夫々記憶し、これらを各チヤンネルのシリアル
楽音信号FSのタイミングに合わせて乗算器64
に供給するためのものである。フイルタ係数記憶
装置144は、フイルタ係数の各ビツトに対応す
る8個のシフトレジスタSR1乃至SR8から成
る。8ビツトから成るフイルタ係数の各ビツトを
ラツチした各ラツチ回路141の出力は、各々に
対応するシフトレジスタSR1乃至SR8のKDi入
力に加えられる。シフトレジスタSR1乃至SR8
のうちSR1がフイルタ係数の最下位ビツトLSB
に対応し、SR7が係数の最上位ビツトMSBに対
応し、SR8がサインビツトSBに対応する。尚、
8ビツトのフイルタ係数データはサイン・マグニ
チユーード形式で表わすものとし、下位7ビツト
でフイルタ係数の絶対値を表わし、その上位のサ
インビツトSBで係数の正負符号(“0”のとき
正、“1”のとき負)を表わす。係数の最上位ビ
ツトMSBすなわちシフトレジスタSR7に対応す
るビツトの重みが10進数の0.5であるとする。 フイルタユニツトL1に入力されたタイミング
信号SH及びLDはシフトレジスタSR1のSHi入
力及びLDi入力に夫々入力される。また、遅延回
路列142及び143でこれらの信号LD,SHを
順次遅延したものがシフトレジスタSR2乃至SR
8のSHi入力及びLDi入力に夫々入力される。
尚、遅延回路列142,143における5段目の
遅延回路145,146はどのレジスタにも入力
されないが、これは乗算器64における後述の演
算時間遅れに合わせるために設けられたものであ
る。 シフトレジスタSR1乃至SR8の各々は第20
図に示すように構成されている。1タイムスロツ
トの遅延時間をもつ4つの遅延回路147,14
8,149,150によつて4ステージのシフト
レジスタが構成されている。KDiはデータ入力で
あり、LDiは新データ取り込み制御入力、SHiは
シフト制御入力である。KDi入力に与えられた新
データは、LDi入力とSHi入力の両方に信号
“1”が与えられたときタイミング151及びオ
ア回路160を介して1ステージ目の遅延回路1
47に取り込まれる。SHi入力の信号が“0”の
とき、この信号を反転したインバータ164の出
力が“1”であり、ホールド用のアンド回路15
3,155,157,159が可能化されて各遅
延回路147,148,149,150の出力が
該アンド回路153,155,157,159及
びオア回路160,161,162,163を介
して自己保持される。SHi入力の信号が“1”の
とき上記ホールド用のアンド回路153,15
5,157,159が不能化され、シフト用アン
ド回路152,154,156,158が可能化
される。これにより、1ステージ目の遅延回路1
47の出力Q1は2ステージ目の遅延回路148
に、2ステージ目の出力Q2は3ステージ目の遅
延回路149に、3ステージ目の出力Q3は4ス
テージ目の遅延回路150に、4ステージ目の出
力Q4は1ステージ目の遅延回路147に、夫々
シフトされる。尚、LDi入力の信号をインバータ
165で反転した信号がアンド回路152に入力
されており、新データを1ステージ目の遅延回路
147に取り込むときは4ステージ目の出力Q4
が1ステージ目にシフトされるのを禁止してい
る。以上の構成によつて、タイミング信号LDに
もとづく信号“1”がLDi入力に与えられる毎に
(120タイムスロツト毎に)フイルタ係数データが
ラツチ回路141(第19図)からシフトレジス
タSR1乃至SR8の1ステージ目に取込まれ、か
つタイミングSHにもとづく信号“1”がSHi入
力に与えられる毎に(24タイムスロツト毎に)各
シフトレジスタSR1乃至SR8の各ステージのデ
ータが次段にシフトされる。 1段目のフイルタユニツトL1のシフトレジス
タSR1についてみると、KDi入力を介して1ス
テージ目の遅延回路147にラツチ回路141の
フイルタ係数データが取込まれるのはタイミング
信号LDの発生時である。すなわち、第1サンプ
リング周期の第24タイムスロツトではチヤンネル
ch4のフイルタ係数データが、第2サンプリン
グ周期の第48タイムスロツトではチヤンネルch
1のデータが、第3サンプリング周期の第72タイ
ムスロツトではチヤンネルch2のデータが、第
4サンプリング周期の第96タイムスロツトではチ
ヤンネルch3のデータが、夫々1ステージ目に
取込まれる(第14図のLD及びKD及びL1の
SR1参照)。タイミング信号LDの1周期の間に
タイミング信号SHが5回発生するので、シフト
レジスタSR1におけるシフトは5回行なわれる。
従つて、第1サンプリング周期の第24タイムスロ
ツトで1ステージ目の遅延回路147に取り込ん
だチヤンネルch4のデータは、第48、72、
96、24タイムスロツトで信号SHが発生する
毎に(第14図のSH参照)、2ステージ目、3ス
テージ目、4ステージ目、1ステージ目と順にシ
フトされ、次に第2サンプリング周期の第48タイ
ムスロツトでチヤンネルch1のデータが1ステ
ージ目の遅延回路147に取込まれるとき、先に
取込んだチヤンネルch4のデータは2ステージ
目の遅延回路148にシフトされる。こうして、
シフトレジスタSR1の各ステージ(遅延回路1
47〜150)に各チヤンネルch1乃至ch4の
フイルタ係数データが順次取込まれる。タイミン
グ信号LDの4周期すなわち5サンプリング周期
で、シフトレジスタSR1における各チヤンネル
ch1乃至ch4のフイルタ係数データの書替えが
1通り完了する。そして、この書替えは5サンプ
リング周期毎に繰返し行なわれる。以上のような
制御によつて、1段目のフイルタユニツトL1の
シフトレジスタSR1の各ステージ(遅延回路1
47〜150)の出力Q1,Q2,Q3,Q4に
現われるフイルタ係数のチヤンネルch1乃至ch
4は、第14図のL1のSR1に示すように変化
する。 第19図に戻ると、フイルタユニツトL1にお
ける他のシフトレジスタSR2乃至SR8のSHi入
力及びLDi入力にはシフトレジスタSR1のSHi入
力及びLDi入力に加わる信号SH及びLDを夫々順
次1タイムスロツトづつ遅延した信号が加わる。
従つて、これらのシフトレジスタSR2乃至SR8
における各ステージの出力Q1〜Q4の変化のパ
ターンは第14図のL1のSR1に示したシフト
レジスタSR1のそれと同じたが、その変化のタ
イミングが順次1タイムスロツトづつ遅れたもの
となる。但し、シフトレジスタSR5とSR6との
間には余分の遅延回路145,146が設けられ
ているのでシフトレジスタSR6における変化の
タイミング(シフトタイミング)はSR5のそれ
よりも2タイムスロツト遅れる。こうして、1つ
のフイルタユニツトにつき合計8タイムスロツト
の遅れを出しながら各シフトレジスタSR1乃至
SR8の変化タイミング(シフトタイミング)が
順次ずれてゆく。 第19図のフイルタユニツトL1においては、
シフトレジスタSR1乃至SR8の出力Qとして4
ステージ目の出力Q4(第20図参照)が取り出
され、乗算器64に入力される。 さて、順向入力端子FS−IN(FSi)から入力さ
れたシリアル楽音信号FSはインバータ166で
反転されて、加算器61のB入力に与えられる。
加算器61は全加算器であり、遅延回路66を介
して次段のフイルタユニツトL2からフイードバ
ツクされる楽音信号がA入力に与えられる。Cp+1
はキヤリイアウト出力であり、キヤリイアウト信
号が生じた加算タイミングとこの出力Cp+1に信号
“1”が出力されるタイミングとの間には1タイ
ムスロツトの時間遅れがあるものとする。キヤリ
イアウト出力Cp+1の出力信号はオア回路2を介し
て加算器61のCi入力に与えられる。第11図b
に示したようにシリアル楽音信号FSにおいては
上位ビツトのデータほどより遅いタイムスロツト
に割当てられている。従つて、1タイムスロツト
遅れで出力Cp+1から出力されたキヤリイアウト信
号をCi入力に加えることにより、キヤリイアウト
信号を1ビツト上位のデータに加算することがで
きる。オア回路2の他の入力には遅延回路列14
3の1段目の遅延回路167から出力される信号
SH1が与えられる。この信号SH1は第14図に
示すように発生するタイミング信号SHを1タイ
ムスロツト遅延させたものであるり、第25、第
49、第73及び第1タイムスロツトにおいて“1”
となる信号である。一方、入力端子FS−IN
(FSi)に入力されるシリアル楽音信号FSは第1
1図bのようであるため、各チヤンネルch1乃
至ch4のシリアル楽音信号の最下位ビツトLSB
のタイミングに対応して信号SH1が“1”とな
ることになり、加算器61では最下位ビツト
LSBのタイミングで繰返し“1”が加算される。
この操作は、入力端子FS−INから加算器61の
B入力に与えられる楽音信号FSを負の値に変換
するためのものである。すなわち、楽音信号FS
をインバータ166で反転し、その最下位ビツト
LSBに1を加算することにより、2の補数形式
の負の値に変換する操作が行なわれている。尚、
入力端子FS−INに与えられる楽音信号FSも負の
値は2の補数形式で表わされているものとする。
従つて、楽音信号FSが負の値のときは、上記イ
ンバータ166及び信号SH1による2の補数化
操作によつて実質的に正の値に変換されることに
なる。こうして、加算器61では、逆向入力端子
BS−IN及び遅延回路66を介してA入力に与え
られるフイードバツクされた楽音信号の振幅デー
タから順向入力端子FS−INに与えられた楽音信
号の振幅データを減算する操作が行なわれる。 加算器61の出力は遅延回路168に入力され
ると共にラツチ回路169のデータ入力に与えら
れる。加算器61と遅延回路168との間に示さ
れた入力ポイントP1から後述のオア回路202
の出力側に示された出力ポイントP6までの部分
が乗算器64に相当する。フイードバツク楽音信
号と入力楽音信号FSとの差を示す加算器61の
出力信号は遅延回路168で24タイムスロツト遅
延され、排他オア回路3に与えられる。排他オア
回路3の出力は加算器4のA入力に与えられる。
遅延回路168、ラツチ回路169、排他オア回
路3及び加算器4は、2の補数形式で表わされた
加算器61の出力信号をサイン・マグニチユード
(サインビツトと絶対値)形式に変換するための
ものである。 ラツチ回路169のラツチ制御入力Lにはタイ
ミング信号SHが入力される。信号SHが発生する
第24タイムスロツトまたは第48、第72、第96タイ
ムスロツトでは、加算器61からはサインビツト
SBを表わす信号が出力されている(第11図b
参照)。従つて、サインビツトSBの値がラツチ回
路169にラツチされる。このラツチ回路169
の出力は排他オア回路3及びアンド回路5に与え
られる。例えば、第24タイムスロツトでチヤンネ
ルch1に関するサインビツトSBをラツチし、ラ
ツチした信号を第25タイムスロツトから第48タイ
ムスロツトまでの24タイムスロツトの間該ラツチ
回路169から出力しているとき、第1乃至第24
タイムスロツトで加算器61から出力されたチヤ
ンネルch1に関する信号を24タイムスロツト遅
延した信号が遅延回路168から出力される。従
つて、ラツチ回路169から出力されるサインビ
ツト信号と遅延回路168から出力される信号の
チヤンネルは合致している。ラツチ回路169に
ラツチされたサインビツト信号が“0”すなわち
正のとき、遅延回路168の出力信号は排他オア
回路3をそのまま通過し、加算器4のA入力を介
してS出力からそのまま出力される。サインビツ
ト信号が“1”すなわち負のとき、遅延回路16
8の出力信号は排他オア回路3で反転される。こ
のときラツチ回路169の出力“1”によつてア
ンド回路5が可能化され、信号SH1のタイミン
グでアンド回路5から“1”が出力され、オア回
路6を介して加算器4のCi入力に“1”が与えら
れる。この信号SH1はタイミング信号SHを1タ
イムスロツト遅延した信号であり、最下位ビツト
に対応している。例えば、チヤンネルch1に関
する信号が遅延回路168から出力される第25乃
至第48タイムスロツトにおいては、第25タイムス
ロツトで信号SH1が“1”となり、最下位ビツ
トに関する排他オア回路3の出力信号に対して加
算器4で1が加算される。加算の結果生じたキヤ
リイアウト信号は1タイムスロツトれて出力Cp+1
から出力され、アンド回路7、オア回路6を介し
てCi入力に与えられる。アンド回路7の他の入力
には信号SH1やインバータ170で反転した信
号1が与えられる。最下位ビツトの演算タイ
ミングでは信号1の“0”によつてアンド回
路7が不能化され、演算タイミングが先行するチ
ヤンネルの最上位ビツトからのキヤリイアウト信
号を禁止するようにしている。排他オア回路3に
おける反転と最下位ビツトへの1加算とによつ
て、2の補数で表わされた負の値が絶対値に変換
される。 以上の構成によつて、加算器4の出力Sからは
加算器61の出力信号を絶対値で表わした信号
FS′が出力される。この信号FS′の状態をチヤン
ネルch1乃至ch4に関して示すと、第14図の
FS′のようであり、入力楽音信号FSのタイミング
よりも24タイムスロツト遅れている。この信号
FS′は第11図bに示す信号FSと同様に1チヤン
ネルにつき24ビツト(タイムスロツト)のシリア
ルデータであり、最下位ビツトLSBが先行して
いる。 乗算器64では、加算器4から出力された24ビ
ツトのシリアルデータFS′に各シフトレジスタSR
1乃至SR8から出力された8ビツトのフイルタ
係数を乗算する。24ビツトと8ビツトのシリアル
乗算では普通32タイムスロツト分の演算時間が必
要であるが、24タイムスロツト毎に各系列の時分
割演算を行なわねばならないため下位8ビツト分
の乗算結果は切捨て、サインビツトも含めて上位
24ビツト分の積を求めるようにしている。乗算器
64は、シフトレジスタSR1乃至SR7から並列
的に出力されるフイルタ係数の絶対値部分の各ビ
ツトに対応する7個の乗算器部分M1乃至M7を
含んでいる。これらの部分M1乃至MM7は順に
縦続接続されている。部分M4,M5,M6に関
しては詳細図を省略したが、部分M2及びM3と
同一構成である。 各部分M1乃至M7は部分積を求めるためのア
ンド回路171,172,173,…174を
夫々含んでおり、各アンド回路171乃至174
に各シフトレジスタSR1乃至SR7から出力され
るフイルタ係数の絶対値部分の各ビツトk1,k2…
k7が夫々入力される。また部分M1乃至M6は縦
続接続された遅延回路175,176,177…
を夫々含んでおり、加算器4の出力信号FS′をこ
れらの遅延回路175,176,177…で1タ
イムスロツトずつ順次遅延し、各々の遅延出力を
上記アンド回路172,173…174に夫々印
加する。部分M1のアンド回路171には遅延さ
れていない信号FS′が印加される。部分M2乃至
M7は加算器178,179,…180を夫々含
んでおり、各アンド回路171乃至174で求め
た部分積をこれらの加算器178乃至180で加
算する。信号FS′が各遅延回路175,176,
177で順次遅延されるので、個々のタイムスロ
ツト毎の各アンド回路171乃至174の出力の
重みは一致しており、従つて加算器178乃至1
80では同じ重み同士の部分積を加算することが
できる。 加算器178乃至180において、個々のビツ
トの部分積すなわちアンド回路172乃至174
の出力はA入力に夫々印加される。B入力には部
分積もしくは部分積の和がアンド回路181,1
82,183…を介して入力される。アンド回路
181にはアンド回路171の出力及びインバー
タ170の出力信号1が入力される。アンド
回路182,183…には加算器178,179
…の出力S及び上記信号1を遅延回路184,
185,186…で順次遅延した信号が加わる。
これらのアンド回路181,182,183…は
下位の部分積を切捨てるためのものである。各加
算器178,179,…180のキヤリイアウト
出力Cp+1はアンド回路188,189…190を
介してキヤリイイン入力Ciに入力される。アンド
回路188,189…190の他の入力には信号
SH1を遅延回路184,185,186…で順
次遅延した信号が加わる。アンド回路188,1
89…190は同チヤンネルに関するキヤリイア
ウト信号の加算を可能にする一方で、演算タイミ
ングが先行する別のチヤンネルの最上位ビツトに
関するキヤリイアウト信号がその次のチヤンネル
の最下位ビツトに加算されないようにするための
ものである。 部分M5とM6の間に設けられた遅延回路19
1,192,193は、部分M1乃至M5におけ
るアンド回路181,182,183…及び加算
器178,179…の動作遅れを補償するための
ものである。これらの部分M1乃至M5における
演算動作遅れ時間の合計(これは1タイムスロツ
トに満たないものである)を遅延回路192でタ
イムスロツトの変化に同期させて1タイムスロツ
トの遅れとし、かつ、これに合わせるために遅延
回路175,176,177の経路に遅延回路1
91を挿入し、遅延回路184,185,186
…の経路に遅延回路193を挿入してある。ま
た、この遅れに合わせるため、遅延回路列142
及び143に余分の遅延回路145,146が挿
入されている。 こうして、信号FS′とフイルタ係数の絶対値部
分(ビツトk1〜k7)との積に相当するシリアルデ
ータが部分M7の加算器180から出力される。
この加算器180の出力は排他オア回路194を
介して加算器195のA入力に加わる。排他オア
回路194及び加算器195は信号FS′とフイル
タ係数のサインビツト同士の乗算結果に応じて積
を2の補数形式に変換するためのものである。フ
イルタ係数のサインビツトSBを示すデータk8は
シフトレジスタSR8から排他オア回路196に
入力される。信号FS′のサインビツトはラツチ回
路169にラツチされている。このラツチ回路1
69の出力信号をシフトレジスタSR8の出力に
同期させるためにラツチ回路197が設けられて
おり、ラツチ回路169の出力を遅延回路列14
8の8段目の遅延回路198の出力が“1”とな
るタイミングでラツチする。このラツチ回路19
7の出力が排他オア回路196の他の入力に与え
られる。ラツチ回路197のラツチタイミングと
シフトレジスタSR8のシフトタイミングが同じ
であるため、同じチヤンネルに関するフイルタ係
数のサインビツトデータと信号FS′のサインビツ
トデータとが同期して排他オア回路196に入力
されることになる。排他オア回路196は両者の
サインビツトが不一致のとき負を示す“1”を出
力し、一致しているとき正を示す“0”を出力す
る。この排他オア回路196の出力が“0”のと
きつまり積のサインが正のときは、加算器180
の出力は排他オア回路194及び加算器195を
そのまま通過し、アンド回路199に与えられ
る。排他オア回路196の出力が“1”のときつ
まり積のサインが負のときは、加算器180の出
力は排他オア回路194で反転され、加算器19
5のA入力に加わる。加算器195のCi入力に
は、排他オア回路196の出力が“1”のとき後
述のように最下位ビツトのタイミングでアンド回
路200からオア回路201を介して“1”が与
えられるようになつている。こうして、負の値の
積は2の補数形式に変換される。 2の補数形式で表わされた積は加算器195か
ららアンド回路199及びオア回路202を介し
て加算器62のA入力に与えられる。尚、加算器
195及び62のキヤリイアウト出力Cp+1のキヤ
リイイン入力Ciへの供給を制御するアンド回路2
03及び204は前記アンド回路188,18
9,…190と同じ目的で設けられたものであ
る。 加算器180の出力を入力したオア回路20
5、アンド回路206、遅延回路207から成る
ループは積が全ビツト“0”あるか否かを検出す
るためのものである。信号1を7タイムスロ
ツト遅延した信号8がアンド回路206に加
えられており、このループの記憶内容がこの信号
SH8によつてリセツトされる。加算器180の
出力が1度でも“1”になると、このループ20
5,206,207に“1”が記憶される。加算
器180の出力が1度も“1”にならなかつたと
き、すなわち積がオール“0”のときこのループ
205〜207には“1”が記憶されず、“0”
のままである。遅延回路207及び排他オア回路
196の出力がアンド回路208に入力されてい
る。積がオール“0”でなければ、排他オア回路
196の出力すなわちサインビツトの積がそのま
まアンド回路208を通過する。積がオール
“0”ならば、アンド回路208が不能化され、
排他オア回路196の出力の如何にかかわらず該
アンド回路208の出力は“0”(つまり正のサ
インを示す)となる。アンド回路208の出力は
アンド回路209及びオア回路202を介して加
算器62のA入力に与えられる。アンド回路20
9は信号8をインバータ210で反転した信
号によつてサインビツトのタイミングでだけ可能
化されるようになつている。従つて、アンド回路
208の出力が積のサインビツトを示すものとな
り、積がオール“0”のときはサインビツトは強
制的に“0”つまり正とされる。 次に、第19図及び第21図を参照して演算動
作の細部につき説明する。第21図のタイムスロ
ツトの欄には第1サンプリング周期の第25タイム
スロツト乃至第56タイムスロツトが示されてい
る。ここに示された合計32タイムスロツトを利用
してチヤンネルch1に関する24ビツトの信号
FS′と8ビツトのフイルタ係数との乗算が行なわ
れる。ただし32タイムスロツトのうち最初の8タ
イムスロツト(第25乃至第32タイムスロツト)は
チヤンネルch1に先行するチヤンネルch4に関
する上位ビツトの演算タイミングでもあり、この
部分ではチヤンネルch4に関する演算を優先し、
チヤンネルch1に関する演算は切捨てるように
している。従つて、チヤンネルch1に関する実
質的な乗算演算が行なわれるのは第33乃至第56タ
イムスロツトの合計24タイムスロツトの期間にお
いてである。 第21図のk1乃至k8の欄にはシフトレジスタ
SR1乃至SR8から並列的に出力されるフイルタ
係数の各ビツトk1乃至k8の状態がチヤンネルch
1乃至ch4に関して示されている。シフトレジ
スタSR1から出力されるフイルタ係数の最下位
ビツトk1は、第14図のL1のSR1欄のQ4に
も示したように第25タイムスロツト乃至第48タイ
ムスロツトの間チヤンネルch1に関するもので
あり、第49タイムスロツトからはチヤンネルch
2に関するものに切換わる。前述の通り、シフト
レジスタSR1乃至SR8のシフトタイミングは1
タイムスロツトずつ順次ずれているので、シフト
レジスタSR2から出力されるビツトk2は第26タ
イムスロツトでチヤンネルch1に関するものに
切換わり、k3乃至k7に関しては、第21図に示し
ていないが、第27、第28、第29、第31、第32タイ
ムスロツトで夫々チヤンネルch1に切換わる。
そして、シフトレジスタSR8から出力されるビ
ツトk8は第33タイムスロツトでチヤンネルch1
に切換わる。尚、余分の遅延回路145,146
が設けられていることにより、シフトレジスタ
SR6から出力されるビツトk6は第30タイムスロ
ツトではなく第31タイムスロツトでチヤンネル
ch1に切換わる。 第21図のFS′の欄には加算器4からシリアル
に出力される信号FS′の状態を示した。第14図
のFS′の欄にも示したように第25から第48タイム
スロツトまでの24タイムスロツトの間チヤンネル
ch1に関する信号FS′が出力される。第21図に
は、このチヤンネルch1に関する信号FS′の各ビ
ツトF1乃至F24のタイミングが示されている。F1
が最下位ビツトLSBである。 第21図の171乃至174の欄には、各乗算
器部分M1乃至M7の部分積演算用アンド回路1
71乃至174において各タイムスロツト毎に実
行されるチヤンネルch1に関する部分積演算の
状態が示されている。例えば、「F1・k1」は信号
SF′の最下位ビツトF1にフイルタ係数の最下位ビ
ツトk1を乗算することを示す。図から明らかなよ
うに、部分M1のアンド回路171では下位ビツ
トから順にシリアルに与えられる信号FS′のF1,
F2,F3…F24に対して常にフイルタ係数の最最下
位ビツトk1が乗算される。ビツトk1がチヤンネル
ch1に切換わるタイミングとチヤンネルch1の
信号FS′の最下位ビツトF1がアンド回路171に
与えられるタイミングとが一致しており、すなわ
ちそれは第25タイムスロツトであり、この第25タ
イムスロツトでアンド回路171から部分積
「F1・k1」が出力される。従つて、ビツトk1がチ
ヤンネルch1に関する値を維持する24タイムス
ロツト(第25から第48タイムスロツトまで)の間
で、第21図に示すように、信号FS′の各ビツト
F1乃至第F24とフイルタ係数の最下位ビツトk1と
の部分積「F1・k1」乃至「F24.k1」がアンド回路
171で順次求められる。フイルタ係数の他のビ
ツトk2と乃至k7と信号FS′との乗算も上述と同様
にして各部分M2乃至M7のアンド回路172乃
至174で夫々実行される。ただし、信号FS′を
遅延回路175,176,177…で順次遅延し
たものと各ビツトk2乃至k7とを乗算するため、演
算タイミングは第21図に示すように順次ずれて
いる。 第21図の1乃至9の欄には、信号
1及びこの信号1を遅延回路184〜187
で順次遅延した信号2乃至9の状態が示し
てある。遅延回路184から出力される信号
2は信号1よりも1タイムスロツト遅れてお
り、遅延回路185から出力される信号3は
信号1よりも2タイムスロツト遅れている。
また、部分M6内の遅延回路(図示せず)から出
力される信号8は、信号1を7タイムスロ
ツト遅延したものである。部分M7の遅延回路1
87から出力される信号9は信号8を更に
1タイムスロツト遅延したものである。 第25タイムスロツトでは、信号1の“0”
によつて部分M1のアンド回路181が不能化さ
れ、アンド回路171から出力される部分積
「F1・k1」が切捨てられる。このとき部分M2乃
至M7では演算タイミングが先行するチヤンネル
ch4の部分積を求めており、チヤンネルch4に
関する乗算結果が乗算器64から出力される。 次の第26タイムスロツトでは、信号2の
“0”によつて部分M2のアンド回路182が不
能化され、アンド回路171から出力された部分
積「F2・k1」とアンド回路172から出力され
た部分積「F1・k2」の和すなわち加算器178
の出力が切捨てられる。このとき部分M3乃至M
7ではチヤンネルch4の部分積を求めており、
チヤンネルch4に関する乗算結果が乗算器64
から出力される。 以後、第31タイムスロツトまで、信号1の
遅延信号3…によつてチヤンネルch1に関す
る乗算結果が切捨てられる。すなわち、第31タイ
ムスロツトでは、信号1を6タイムスロツト
遅延した信号7(図示せず)によつて部分M
6の加算器(図示せず)の出力が禁止される。こ
のとき、この部分M6の加算器からは「F6・k1
+F5・k2+F4・k3+F3・k4+F2・k5+F1・k6」
なる部分積の和が出力されている。第21図を参
照すると「F6・k1」、「F5・k2」、「F4・k3」…は
第30タイムスロツトのときの部分積であるが、前
述の通り、部分M1乃至M5の部分積の和は遅延
回路192で1タイムスロツト遅延されるので、
部分M6からは第31タイムスロツトで出力され
る。 第32タイムスロツトでは、部分M1乃至M7で
はチヤンネルch1の乗算結果の切捨ては行なわ
れない。従つて、部分M7の加算器180からは
「F7・k1+F6・k2+F5・K3+…+F1・k7」なる部
分積の和が出力される。しかし、この加算器18
0の出力は排他オア回路194及び加算器195
を経由してアンド回路199に入力されており、
このアンド回路199の他の入力に加わる信号
SH8の“0”によつて禁止される。従つて、第
32タイムスロツトでもチヤンネルch1の乗算結
果は切捨てられる。前述の通り、この第32タイム
スロツトまでは、演算タイミングが先行するチヤ
ンネルch4の乗算結果が乗算器64から(その
出力回路であるオア回路202から)出力され
る。 第33タイムスロツトから第48タイムスロツトま
では信号SH1乃至SH8はすべて“1”であり、
アンド回路181,182,183…199がす
べて可能化されている。従つて、この間は、部分
M1乃至M7で求めたチヤンネルch1に関する
すべての部分積の和が乗算器64から出力され
る。第49タイムスロツトから第56タイムスロツト
において信号1乃至8は順次“0”となる
が、これは次のチヤンネルch2に関する部分積
を切捨てるために作用し、チヤンネルch1に関
する乗算結果は乗算器64から確実に出力され
る。従つて、チヤンネルch1に関する実質的な
乗算結果は第33タイムスロツトから第56タイムス
ロツトまでの24タイムスロツトにおいて乗算器6
4から出力される。 チヤンネルch1に関するシリアル乗算出力の
各ビツトS1乃至S23のタイミングを第21図の
Moutの欄に示す。第33タイムスロツトで出力さ
れる乗算結果の最下位ビツトS1は、上述から明ら
かなように、下記のような部分積の和から成る。
更に、S2,S3,…S21,S22,S23は下記の通りで
ある。 S1=F8・K1+F7・K2+F6・K3+…+F2・K7 S2=F9・K1+F8・K2+F7・K3+…+F3・K7 S3=F10・K1+F9・K2+F8・K3+…+F4・K7 〓 S21=F24・K5+F23・K6+F22・K7 S22=F24・K6+F23・K7 S23=F24・K7 尚、信号FS′の最上位ビツトF24は加算器61
の出力のサインビツトの部分であり、正のとき
“0”がそのまま排他オア回路3を通過し、負の
ときは“1”が排他オア回路3で反転されて
“0”とされるので、F24は常に“0”である。 第21図から判かるように信号9は乗算出
力の最下位ビツトS1のタイミングで“0”とな
る。従つて、この信号9をインバータ211
で反転したものをアンド回路200に入力するこ
とにより、加算器195における2の補数変換の
ために最下位ビツトへの1加算を行なうことがで
きる。 また、オール“0”検出のためのループ205
〜207のアンド回路206には信号8が入
力されている。第21図から判るように、信号
SH8は乗算出力の最下位ビツトS1の直前で“0”
となる。従つて、新たな乗算結果が加算器180
から出力される直前に(例えば第32タイムスロツ
トで)ループ205〜207がリセツトされる。
そして、加算器180から出力される乗算結果の
どのビツトも“0”の場合は、乗算出力の最上位
ビツトS23の出力タイミングの次のタイムスロツ
ト(例えば第56タイムスロツト)では依然として
遅延回路207から“0”が出力されている。こ
のように、シリアル乗算出力の最上位ビツトS23
のタイミングの次のタイムスロツトで、乗算出力
の全ビツトが“0”か否かが正式に判かる。この
とき、信号8をインバータ210で反転した
信号によつてアンド回路209が可能化され、乗
算出力のサインビツトを示すデータが選択され
る。前述の通り、このサインビツトデータは通常
は排他オア回路196の出力信号であるが、乗算
出力がオール“0”のときは遅延回路207の出
力“0”にもとづき強制的に“0”にされる。 こうして、オア回路202を経由して加算器6
2のA入力に与えられる乗算器64の出力は、最
下位ビツトから順に現われる23ビツトのシリアル
データS1乃至S23であり、その次のタイムスロツ
トにサインビツトが割当てられているものであ
る。また、負の値に関してはこれらの乗算出力デ
ータS1乃至S23は2の補数形式で表現されている。 一方、加算器62のB入力に遅延回路65から
与えられる楽音信号dFSは第21図のようになつ
ている。すなわち、第1乃至第24タイムスロツト
の間で入力端子FS−INに与えられたチヤンネル
ch1の楽音信号FSが遅延回路65で32タイムス
ロツト遅延されることにより、遅延回路65から
は第33乃至第56タイムスロツトの間でチヤンネル
ch1の楽音信号dFSが出力される。従つて、加算
器62のA入力とB入力に加わる信号のチヤンネ
ルは一致しており、同じチヤンネルの乗算器出力
と楽音信号とを加算することができる。ところ
で、楽音信号の最下位ビツトLSB(これは信号
FS′のビツトF1と同じ重みである)の重みを10進
数の「1」とした場合、乗算器64の出力の最下
位ビツトS1の重みも10進数の「1」である。この
ビツトS1は前述の通り「F8・K1+…+F2・K7」
なる部分積の和から成るものである。ここで部分
積「F2・K7」に注目してみると、ビツトF2はビ
ツトF1の1ビツト上であるため10進数の「2」
の重みであり、「F2・K7」が10進数の「1」の重
みであることからビツトK7は10進数「0.5」の重
みであることがわかる。このように、フイルタ係
数K1〜K7の最上位ビツトK7の重みが「0.5」とな
るように演算処理が施されている。このことは、
フイルタ係数の絶対値が1未満の数であることを
意味する。 加算器62の出力が順向出力端子FS−OUTを
経由して次段のフイルタユニツトL2に入力され
る。次段のフイルタユニツトL2では、その順向
入力端子(第19図のFS−INに相当するもの)
を経由して前段のフイルタユニツトL1から与え
られる楽音信号及びシフトレジスタ(第19図の
SR1乃至SR8に相当するもの)に記憶されたフ
イルタ係数等にもとづき前述と同様の演算を行な
う。ただし、各フイルタユニツトL1乃至L12
における入力端子FS−INと出力端子FS−OUT
との間の楽音信号の時間遅れが32タイムスロツト
であるのに対して、タイミング信号LD及びSHの
時間遅れは8タイムスロツトであるため、他のユ
ニツトL2乃至L12のすべてを前述のユニツト
L1と全く同一構成とすると、乗算器(第19図
の64に相当する)におけるフイルタ係数K1〜
K8と信号FS′のチヤンネルにずれが生じてしま
う。そこで、各ユニツトL1乃至L12の乗算器
(第19図の64に相当する)におけるフイルタ
係数K1〜K8と信号FS′のチヤンネルを一致させる
ために、シフトレジスタSR1乃至SR8の出力Q
として取り出すステージを各ユニツトL1乃至L
12毎に次のように異ならせるものとする。すな
わち、ユニツトL1ではシフトレジスタSR1乃
至SR8の出力Qとして第4ステージの出力Q4
(第20図参照)を取り出しているが、ユニツト
L2では第1ステージの出力Q1、ユニツトL3
では第2ステージの出力Q2、ユニツトL4では
第3ステージの出力Q3、ユニツトL5では第4
ステージの出力Q4、というように、出力Qとし
て取り出すステージを順次ずらすようにする。 第22図は、第10図に示されたゼロフイルタ
を更に詳細に示したものであり、第10図の乗算
器73,74,81、加算器75,76、遅延回
路77,78,79,80に相当する回路は第2
2図でも同一符号が付してある。シリアルフイル
タ係数データKをタイミング信号KL,LD,SH
に応じてパラレルなフイルタ係数データに変換し
て各乗算器73,74,81に分配するための係
数分配回路212,213,214は第10図で
は省略されているが第22図では図示されてい
る。 各演算段における乗算器73,74,81及び
係数分配回路212,213,214の内部構成
は第19図に示されたもの(64及び139)と
同一のものを用いることができる。すなわち、乗
算器73,74,81の各々は、第19図に示さ
れた乗算器64と同一構成とすることができ、係
数分配回路212,213,214の各々は、第
19図の係数分配回路139(遅延回路列14
0,142,143、ラツチ回路141及び係数
記憶装置144から成る部分)と同一構成とする
ことができる。詳しくは、第1の演算段における
乗算器73と係数分配回路212のブロツクにお
ける入力ポイントP1,P2,P3,P4,P5
及び出力ポイントP6,P7,P8,P9,P1
0,P11は、第19図における同一符号のポイ
ントに相当するものであり、第19図の遅延回路
168及びラツチ回路169の入力側に示された
入力ポイントP1からオア回路202の出力側に
示された出力ポイントP6及び信号9のライ
ンに示された出力ポイントP7に至る乗算器64
の詳細回路と第22図の乗算器73の詳細回路は
全く同一である。また、第19図のデータK及び
各信号KL,LD,SHの入力ラインに示された入
力ポイントP2〜P5から出力ラインに示された
出力ポイントP8〜P11に至る係数分配回路1
39の詳細回路と第22図の係数分配回路212
の詳細回路は全く同一である。また、第19図に
おいて係数分配回路139内のフイルタ係数記憶
装置144の各シフトレジスタSR1〜SR8の出
力Qが乗算器64に入力されているのと全く同様
に、第22図でも係数分配回路212から乗算器
73にフイルタ係数を示す信号が入力される。第
2の演算段における乗算器74、係数分配回路2
13及び第3の演算段における乗算器81、係数
分配回路214も同様に、各入出力ポイントP1
〜P11が第19図の同一符号のポイントに対応
している。 尚、各係数分配回路212,213,214内
のシフトレジスタSR1〜SR8(第19図)の出
力Qとして取り出すステージは前述の極フイルタ
ユニツトL1〜L12と同様に順次ずらすものと
する。最後の極フイルタユニツトL12では第3
ステージの出力Q3(第20図)が取り出される
ので、ゼロフイルタ43における第1の演算段
(分配回路212)では第4ステージの出力Q4
(第20図)を取り出し、第2の演算段(分配回
路213)では第1ステージの出力Q1を取り出
し、第3の演算段(分配回路214)では第2ス
テージの出力Q2を取り出すようにする。 第22図において、極フイルタ42の最後のユ
ニツトL12からライン93及び94を介して与
えられたシリアルフイルタ係数データK及びタイ
ミング信号KL,LD,SHは1段目の係数分配回
路212に入力される。1段目の係数分配回路2
12を経由したデータK、信号KL,LD,SHは
2段目の係数分配回路213に与えられ、更に2
段目の回路213から3段目の回路214に与え
られる。前述の通り、データK、信号LD,SHは
各段の回路212,213,214で夫々8タイ
ムスロツト遅延され、信号KLは遅延されない。
そして、最終的に、各段の係数分配回路212,
213,214内の記憶装置144(第19図参
照)に当該演算段に対応する所のフイルタ係数
(第10図のK13,K14,K15)が各チヤンネルch
1〜ch4毎に記憶される。 因みに、ゼロフイルタ43の1段目に入力され
るタイミング信号LD及びSHの状態を第23図の
*LD及び*SHの欄に示す。第23図のFSの欄
には第14図と同様にセレクタ87(第13図)
から出力される楽音信号FSのチヤンネルタイミ
ングが示されている。信号LD及びSHは極フイル
タ42の12個のユニツトL1〜L12において
夫々8タイムスロツト遅延されるので、第14図
の信号LD,SHを96タイムスロツト遅延したもの
がゼロフイルタ43の1段目に入力される。従つ
て、120タイムスロツト周期のタイミング信号LD
は第23図の*LDに示すように96タイムスロツ
ト遅延された状態となるが、24タイムスロツト周
期の信号SHは第23図の*SHに示すように第1
4図のSHと事実上同じである。第23図のKD
の欄には1段目の係数分配回路212のラツチ回
路(第19図の141に相当するもの)にラツチ
されるフイルタ係数のチヤンネルを示したもので
あるが、これは前述の通り、第14図のKDと同
じである。従つて、1段目の係数分配回路212
内のフイルタ係数記憶装置(第19図の144に
相当するもの)の最下位ビツトのシフトレジスタ
SR1の各ステージの出力Q1〜Q4(第20図
参照)のチヤンネル状態を示すと、第23図の
「212のSR1」の欄のようになる。これは第1
4図の「L1のSR1」の欄と同じ状態であるこ
とが理解されるであろう。また、後述するよう
に、ゼロフイルタ43の入力端子ZSiに入力され
るシリアル楽音信号*FSのチヤンネル状態はど
んな場合でも極フイルタ42に入力されるシリア
ル楽音信号FSのチヤンネル状態と同じである。
従つて、ゼロフイルタ43の1段目の乗算器73
におけるシリアル演算タイミングは、極フイルタ
42の1段目のユニツトL1の乗算器64のシリ
アル演算タイミングに同期している。このこと
は、後述するように、極フイルタ42とゼロフイ
ルタ43の接続組合せを切換える場合に、演算タ
イミングをいちいち考慮することなく自由に切換
えることを可能にするので、有利である。 一方、ゼロフイルタ43の入力端子ZSiに与え
られた楽音信号*FSは加算器75の入力B及び
遅延回路78に入力されると共に、入力ポイント
P1(第19図参照)を介して1段目の乗算器7
3に入力される。この楽音信号*FSに対応する
乗算結果は、前述の通り、32タイムスロツト遅れ
て出力ポイントP6(第19図参照)から出力さ
れる。出力ポイントP6から出力されたシリアル
楽音信号は遅延回路77で64タイムスロツト遅延
された後、加算器75の入力Aに与えられる。こ
の入力Aに与えられるシリアル楽音信号は、入力
Bに与えられるシリアル楽音信号*FSのタイミ
ングよりも96タイムスロツト(丁度1サンプリン
グ周期)遅れており、同じチヤンネルのシリアル
楽音信号が同じ重みのビツト同士で加算器75で
加算される。加算器75のキアリイ出力C0+1はア
ンド回路215を介してキヤリイ入力Ciに与えら
れる。アンド回路215の他の入力には、乗算器
73の出力ポイントP7(第19図参照)から出
力された信号9(第21図参照)を遅延回路
216で64タイムスロツト遅延した信号が与えら
れる。前述の通り、この信号9は出力ポイン
トP6(第19図のオア回路202)から出力さ
れるシリアル楽音信号(そのタイミングは第21
図のMoutに示されている)の重みが最下位ビツ
トのとき“0”となる。遅延回路216は遅延回
路77の遅延動作に同期させるために設けられた
ものであり、先行するチヤンネルの最上位ビツト
の加算によつて生じたキヤリイアウト信号を次の
チヤンネルの最下位ビツトの加算タイミングにお
いてキヤリイ入力Ciに入力しないようにするため
にアンド回路215が設けられている。 2段目の乗算器74の入力ポイントP1には、
シリアル楽音信号*FSを遅延回路78で128タイ
ムスロツト遅延したものが入力されている。第1
9図に示すような構成の係数分配回路139と乗
算器64とを用いてシリアル乗算を行なう場合、
乗算器におけるシリアル演算タイミングを同期さ
せる(乗算すべきシリアル楽音信号とフイルタ係
数のチヤンネル及び各ビツトの重みを同期させ
る)には、前述から明らかなように、シリアル楽
音信号の入力タイミングが前段の乗算器の入力タ
イミングよりも32タイムスロツト遅れていなけれ
ばならない。そこで、2段目の乗算器74の楽音
信号入力タイミングと1段目の乗算器73のそれ
と比較してみると、2段目の入力タイミングは遅
延回路78によつて1サンプリング周期(96タイ
ムスロツト)と32タイムスロツト(合計128タイ
ムスロツト)だけ遅延されるので、32タイムスロ
ツト分の遅延という条件が満さされている。従つ
て、2段目の乗算器74においてもシリアル演算
タイミングの同期化が計れる。 2段目の乗算器74の出力ポイントP6(第1
9図参照)から出力されたシリアル楽音信号すな
わち乗算結果は、遅延回路79で32タイムスロツ
ト遅延された後、加算器76の入力Aに与えられ
る。加算器76の入力Bには前段の加算器75の
出力Sが与えられる。前述と同様に、乗算器74
の出力ポイントP7(第19図参照)から出力さ
れた信号9は遅延回路79の遅延時間に同期
して遅延回路217で32タイムスロツト遅延され
た後アンド回路218に入力される。アンド回路
218の他の入力には加算器76のキヤリイ出力
C0+1が与えられ、その出力がキヤリイ入力Ciに与
えられる。この遅延回路217とアンド回路21
8は前述の回路215,216と同じ機能を果
す。遅延回路79は、前述の通り、加算器76の
入力Aに入力される信号のタイミングが入力信号
*FSのタイミングよりも2サンプリング周期
(192タイムスロツト)遅れるようにするためのも
のである。すなわち、遅延回路78で128タイム
スロツト、乗算器74の内部で32タイムスロツ
ト、遅延回路79で32タイムスロツトの遅延が
夫々設定されることにより、合計192タイムスロ
ツトの遅延が設定される。 加算器76の出力信号は遅延回路80で64タイ
ムスロツト遅延された後、乗算器81の入力ポイ
ントP1に入力される。そして乗算器81の出力
ポイントP6からは、入力ポイントP1のタイミ
ングよりも32タイムスロツト遅れたタイミングで
シリアル楽音信号が出力され、これがゼロフイル
タ43の出力楽音信号Z0として出力端子ZSoに与
えられる。遅延回路80は、前述と同様の理由に
より、2段目の乗算器74の楽音信号入力タイミ
ングと3段目の乗算器81のそれとの間に32タイ
ムスロツトの時間遅れを設定するために設けられ
たものである。すなわち、乗算器74の内部で32
タイムスロツト、遅延回路79で32タイムスロツ
ト、遅延回路80で64タイムスロツトの時間遅れ
が夫々設定され、合計128タイムスロツトの遅れ
が両者の間に設定される。128タイムスロツトは
1サンプリング周期(96タイムスロツト)と32タ
イムスロツトであるので、2段目の乗算器74の
楽音信号入力タイミングと3段目の乗算器81の
それとの間には実質的に32タイムスロツトの時間
遅れが設けられたことになる。 ゼロフイルタ43の入力信号*FSと出力信号
Zoとのタイミングを比較すると、遅延回路78、
乗算器74、遅延回路79,80、乗算器81の
ルートによつて合計288タイムスロツトの遅延が
設けられており、これは丁度3サンプリング周期
であるため、入力信号*FSと出力信号Zoのタイ
ミング(チヤンネル及びシリアルデータの各ビツ
トの重みのタイミング)は完全に同期している。
従つて出力信号Zoは、第14図あるいは第23
図のFSのタイミングに完全に同期したシリアル
楽音信号である。 尚、極フイルタ42の最終段のユニツトL12
の順向出力端子FSoから出力されるシリアル楽音
信号のタイミングも第14図のFSに完全に同期
している。つまり、12段の各ユニツトL1〜L1
2では夫々32タイムスロツトずつ楽音信号が遅延
されるので、合計遅延時間は384タイムスロツト
となり、これは丁度4サンプリング周期であるた
め、極フイルタ42の順向入力端子FSiと順向出
力端子FSoのシリアル楽音信号のタイミングが同
期することになる。第13図に示すように、極フ
イルタ42の出力端子FSoの信号または入力制御
回路37から出力されたシリアル楽音信号Siの一
方がセレクタ89で選択されてゼロフイルタ43
の入力端子ZSiに与えられる。従つて、入力端子
ZSiを介してゼロフイルタ43に入力されるシリ
アル楽音信号*FSのタイミングは、前述のよう
に、どんな場合でも第14図のFSに同期してい
る。従つて、第13図の入力端子I1〜I3から入力
されるシリアル楽音信号S1〜S3、入力制御回路3
7から出力されるシリアル楽音信号Si、セレクタ
87から極フイルタ42に入力されるシリアル楽
音信号FS、極フイルタ42の出力端子FSoから
出力されるシリアル楽音信号、ゼロフイルタ43
の入力端子ZSiに入力されるシリアル楽音信号*
FS、ゼロフイルタ43の出力端子ZSoから出力
されるシリアル楽音信号Zoのタイミング(チヤ
ンネル及びシリアルデータ各ビツトの重みのタイ
ミング)がすべて同期しており、第14図または
第23図のFSの欄のようである。 第1図において、デイジタルフイルタ部14は
第13図に示すようなデイジタルフイルタ回路装
置DFCを単独で、あるいは複数個適宜組合せて
用いて構成することができる。第13図におい
て、デイジタルフイルタ回路装置DFC内の極フ
イルタ42とゼロフイルタ43の接続組合せ及び
それらに対する入力信号の与え方及び出力信号の
取り出し方は制御コードC1,C2によつて4つ
の状態のいずれかに制御される。制御コードC
1,C2に従つて所望の状態に制御された1乃至
複数のデイジタルフイルタ回路装置DFCを用い
ることにより、極フイルタとゼロフイルタの組合
せを様々なバリエーシヨンで実現することができ
る。 制御コードC1,C2の内容に対応するデイジ
タルフイルタ回路装置DFCの4つの状態の一例
を示すと下記表のようである。
り、選択された音色に対応する楽音信号(音源信
号)が複数のサブ系列で夫々発生されるようにな
つている。 ライン15の楽音信号は混合回路17に与えら
れ、ライン16のシリアル楽音信号はデイジタル
フイルタ部14を経由して混合回路17に与えら
れる。混合回路17はデイジタルフイルタ部14
でフイルタ制御された楽音信号とフイルタ制御さ
れなかつたライン15の楽音信号とをミキシング
(デイジタル加算)するためのもので、フイルタ
制御された楽音信号はシリアル化されているた
め、これらのシリアル楽音信号を各系列毎にパラ
レル化した後上記ミキシングを行なうようになつ
ている。混合回路17から出力されたデイジタル
楽音信号はデイジタル/アナログ変換器18でア
ナログ信号に変換され、サウンドシステム19に
与えられる。 デイジタルフイルタ部14は、フイルタ特性に
おける山部分の特性を有効に制御できる極フイル
タと、フイルタ特性における谷部分の特性を有効
に制御できるゼロフイルタとを含んでおり、両フ
イルタの接続組合せを切換えることができるよう
に構成され、複雑なフイルタ特性を実現し得るよ
うになつている。音色選択装置12の出力のうち
所定の出力TP3がデイジタルフイルタ部14に
与えられており、音色選択に応じて各フイルタチ
ヤンネルch1〜ch4毎のフイルタ特性(例えば
フイルタ係数)が夫々設定されるようになつてい
る。また、デイジタルフイルタ部14において
は、入力された各サブ系列の楽音信号のうちフイ
ルタを通すべきものと通さないものとを音色パラ
メータTP3に応じて振分けるようになつている。 フイルタ特性の設定のために、フイルタ部14
の内部にはフイルタ係数内部ROM(ROMはリー
ドオンリーメモリのこと、以下同じ)が含まれて
おり、この内部ROMから所定のフイルタ係数が
音色選択情報(音色パラメータTP3)に応じて
読み出されてフイルタ部14で利用されるように
なつている。このフイルタ係数内部ROMとは別
にフイルタ係数外部記憶装置20が設けられてい
る。この外部記憶装置20は半導体記憶装置であ
つてもよいし、また、磁気カード等着脱自在の記
憶媒体を含んでいてもよい。外部記憶装置20か
ら読み出されたフイルタ係数KOはデイジタルフ
イルタ部14に供給される。デイジタルフイルタ
部14に関連してフイルタ係数切換スイツチ21
が設けられている。このスイツチ21はデイジタ
ルフイルタ部14において内部ROMまたは外部
記憶装置20のどちらを利用すべきかを選択する
ためのもので、フイルタ部14ではスイツチ21
の出力信号KSに応じて選択されたどちらか一方
のフイルタ係数に従つてフイルタ制御を実行す
る。外部記憶装置20に記憶するフイルタ係数の
一例としては、時間的に変化するフイルタ係数な
どがある。フイルタ係数を時間的に変化させるた
めには大きな記憶容量が要求されるが、それには
外部記憶装置が適しているからである。この外部
記憶装置20にはキーアサイナ10からのキーオ
ン信号KONと音色選択装置12からの音色パラ
メータTP4とが供給されるようになつており、
キーオン信号KONに応じて鍵押圧中及び離鍵後
の時間経過に伴なうフイルタ係数の変化を制御
し、かつこのフイルタ係数の変化特性を音色パラ
メータTP4に応じて制御する。 尚、制御回路13は、ライン16に対する楽音
信号のシリアル送出の基準タイミングに対応して
同期パルスSYNCを出力するようになつている。
この同期パルスSYNCは、デイジタルフイルタ部
14及び外部記憶装置20に与えられ、ライン1
6のシリアル楽音信号に同期してフイルタ係数を
シリアル化する(シリアルに読み出す)ため、及
び、フイルタ部14におけるシリアル演算タイミ
ングの同期制御のため、に利用される。 多系列音源すなわちサブ系列を具えた楽音信号
発生部11の一例、及びこれに接続された楽音信
号振分け及び累算及びシリアル変換制御回路13
の一例を第2図に示す。楽音信号発生部11は、
鍵盤種類あるいは発生すべき音の性質を異にする
複数系列のトーンジエネレータ22乃至26を含
んでおり、そのうちデイジタルフイルタ部14を
利用する可能性のある系列(トーンジエネレータ
23乃至26)は夫々3つのサブ系列(これを
#1,#2,#3で区分する)に対応する3つの
トーンジエネレータを夫々含んでいる。ペダル鍵
盤系トーンジエネレータ22、上鍵盤ソロ系トー
ンジエネレータ23、上鍵盤カスタム系トーンジ
エネレータ25は単音型トーンジエネレータであ
り、上鍵盤複音系トーンジエネレータ24及び下
鍵盤複音系トーンジエネレータ26は複音型トー
ンジエネレータである。キーアサイナ10(第1
図)から出力された鍵情報(キーコードKC、キ
ーオン信号KON等)が各トーンジエネレータ2
2〜26に入力される。この鍵情報は鍵盤情報を
含んでおり、その鍵盤情報に対応するトーンジエ
ネレータ22〜26でその鍵情報(KC,KON
等)が利用される。複音系のトーンジエネレータ
24,26では、各楽音発生チヤンネルに割当て
られた複数の鍵情報KC,KONに対応する複数の
楽音信号を発生することが可能である。上鍵盤の
単音型トーンジエネレータ23,25では、上鍵
盤の鍵情報KC,KONが同時に複数与えられたと
き、そのうち1つ(最高音または最低音)を選択
してその楽音信号を発生する。 各トーンジエネレータ22乃至26では、発生
すべき楽音信号に対して複数種類の音色のうち1
乃至複数を選択的に付与することが可能である。
そのために、選択された音色に対応する様々な音
色パラメータTP1が音色選択装置12(第1図)
から各トーンジエネレータ22乃至26に夫々与
えられるようになつており、この音色パラメータ
TP1に応じた周波数成分または音源波形、及び
振幅エンベローブ、及びフイート数、及び音量、
及びその他様々な楽音要素、を有する楽音信号が
押圧鍵に対応する音高で発生される。しかし、固
定フオルマントによる音色要素はここでは付与さ
れず、後段のデイジタルフイルタ部14において
付与される。 デイジタルフイルタ部14を利用することが可
能な系列(トーンジエネレータ23〜26)にお
いて夫々設けられているサブ系列(#1〜#3)
は、各系列23〜26)で発生しようとする楽音
に関する多系列音源となつている。例えば、上鍵
盤ソロ系トーンジエネレータ23で発生しようと
する1つの楽音信号は、そこにおける3つのサブ
系列#1,#2,#3に対応するトーンジエネレ
ータで夫々発生された楽音信号を最終的に加算す
ることによつて得られる。従つて、各サブ系列
#1,#2,#3で発生する楽音信号は部分音信
号であるということも可能である。しかし、音色
の種類によつてはサブ系列のトーンジエネレータ
すべてを利用しないものがあつてもよく、例えば
1つのサブ系列#1のトーンジエネレータだけを
利用して楽音信号を発生するようにしてもよい。
このような多系列音源すなわち複数のサブ系列
#1〜#3は、1つの楽音信号を構成する部分音
信号の一部を選択的にデイジタルフイルタ部14
で制御し得るようにする場合に有利である。この
点については後で更に詳述する。 各トーンジエネレータ22〜26は楽音信号を
デイジタル形式で発生するものであり、その楽音
発生方式としては周波数変調演算方式、高調波合
成方式、波形メモリ読出し方式等その他任意の方
式を使用することができる。 複音系トーンジエネレータ24,26からは複
数押圧鍵に対応するデイジタル楽音信号が夫々出
力される。各トーンジエネレータ24,26の各
サブ系列(#1〜#3)に対応して夫々設けられ
たアキユムレータ27,28では、複数押圧鍵に
対応する楽音信号を各サブ系列毎に夫々累算す
る。 楽音信号振分け及び累算及びシリアル変換制御
回路13において、ゲート29,30,31,3
2は楽音信号発生部11から与えられた各系列の
楽音信号を振分けるためのものであり、音色選択
装置12から与えられる音色パラメータTP2に
応じて制御される。ゲート29は、上鍵盤複音系
トーンジエネレータ24の第1のサブ系列#1の
トーンジエネレータに対応するアキユムレータ2
7の出力楽音信号を選択してアキユムレータ33
に与えるためのものである。前記第1表を参照す
ると、このゲート29の出力が上鍵盤系フルート
系UFLの楽音信号に相当する。つまり、音色選
択装置12上で上鍵盤フルート系UFLの何らか
の音色が選択された場合は、上鍵盤複音系トーン
ジエネレータ24のうち第1のサブ系列#1に対
応するトーンジエネレータでその上鍵盤フルート
系音色の楽音信号を発生し、ゲート29でアキユ
ムレータ33の側(デイジタルフイルタ部14に
通さないグループ)に振分ける。 ゲート30は、下鍵盤複音系トーンジエネレー
タ26のうち第1のサブ系列#1に対応するトー
ンジエネレータの出力を累算したアキユムレータ
28の出力楽音信号を選択してアキユムレータ3
3に与えるためのものである。前記第1表を参照
すると、このゲート30の出力が下鍵盤オーケス
トラ系LORの楽音信号に相当する。つまり、音
色選択装置12で下鍵盤オーケストラ系LORの
何らかの音色が選択された場合は、下鍵盤複音系
トーンジエネレータ26のうち第1のサブ系列
#1に対応するトーンジエネレータでその下鍵盤
オーケストラ系音色の楽音信号を発生し、ゲート
30でアキユムレータ33の側に振分ける。 ゲート31は上鍵盤スペシヤル系USPの楽音
信号をデイジタルフイルタ部14の側に振分ける
ためのもの、ゲート32は下鍵盤スペシヤル系
LSPの楽音信号をデイジタルフイルタ部14の側
に振分けるためのものである。音色選択装置12
で上鍵盤スペシヤル系USPの何らかの音色が選
択された場合は、上鍵盤複音系トーンジエネレー
タ24の各サブ系列#1〜#3でで該音色に対応
する楽音信号を夫々発生し、アキユムレータ27
を経由して与えられるそれら各サブ系列#1〜
#3の楽音信号をゲート31を介してマルチプレ
クサ34の側(デイジタルフイルタ部14の側)
に振分ける。下鍵盤スペシヤル系LSPの音色が選
択された場合も同様に、下鍵盤複音系トーンジエ
ネレータ26の各サブ系列#1〜#3で該音色に
対応する楽音信号を夫々発生し、ゲート32を介
してそれらマルチプレクサ34の側に振分ける。 尚、上鍵盤複音系トーンジエネレータ24の第
1のサブ系列#1を上鍵盤フルート系(UFL)
のために使用しているときに該トーンジエネレー
タ24の他のサブ系列#2,#3を上鍵盤スペシ
ヤル系USPのために使用することも可能であり、
その場合はゲート31ではサブ系列#2,#3に
対応する楽音信号を選択してマルチプレクサ34
に与える。下鍵盤複音系トーンジエネレータ26
の第1のサブ系列#1を下鍵盤オーケストラ系
LORのために使用しているときも同様に他のサ
ブ系列#2,#3を下鍵盤スペシヤル系LSPのた
めに使用することが可能である。また、トーンジ
エネレータ24と26はスペシヤル系USP,
LSPの専用とし、上鍵盤フルート系UFL及び下
鍵盤オーケストラ系LORの専用トーンジエネレ
ータを更に設けてもよい。 アキユムレータ33は、ゲート29,30から
与えられた上鍵盤フルート系UFL及び下鍵盤オ
ーケストラ系LORの楽音信号と、トーンジエネ
レータ22で発生されたペダル鍵盤系PKBの楽
音信号とを累算するものであり、その出力信号が
ライン15を介して混合回路17(第1図)に与
えられる。 トーンジエネレータ23で発生された上鍵盤ソ
ロ系USLの楽音信号、トーンジエネレータ24
からゲート31を介して与えられる上鍵盤スペシ
ヤル系USPの楽音信号、トーンジエネレータ2
5で発生された上鍵盤カスタム系UCSの楽音信
号、及びトーンジエネレータ26からゲート32
を介して与えられる下鍵盤スペシヤル系LSPの楽
音信号は、マルチプレクサ34及びパラレル−シ
リアル変換器35及びライン16を介してデイジ
タルフイルタ部14(第1図)に与えられる。マ
ルチプレクサ34は、各系列USL,USP,UCS,
LSPの楽音信号をフイルタチヤンネルch1〜ch
4に対応して時分割多重化するためのもので、そ
のための制御信号がタイミング信号発生器36か
ら与えられる。各系列USL,USP,UCS,LSP
の楽音信号は各サブ系列#1,#2,#3毎に個
別に時分割多重化される。各サブ系列#1〜#3
に対応してマルチプレクサ34から出力された並
列的なデイジタル楽音信号は、各サブ系列に対応
して設けられたパラレル−シリアル変換器35に
夫々入力される。この変換器35は、各サブ系列
#1〜#3のデイジタル楽音信号を時間的にシリ
アルな楽音信号S1,S2,S3に夫々変換するための
もので、そのための制御信号がタイミング信号発
生器36から与えられる。また、タイミング信号
発生器36は前述の同期パルスSYNCを出力す
る。 第3図はデイジタルフイルタ部14の一例を大
まかなブロツク図によつて示したものである。第
2図のパラレル−シリアル変換器35から出力さ
れた各サブ系列#1〜#3に対応するシリアルな
デイジタル楽音信号S1,S2,S3は、フイルタ入力
制御回路37に入力される。フイルタ入力制御回
路37は、各楽音信号S1,S2,S3のうちデイジタ
ルフイルタ主回路38に入力すべきものとそうで
ないものとを音色パラメータTP3に応じて振分
けるためのものである。デイジタルフイルタ主回
路38に入力すべき楽音信号(S1,S2,S3のうち
1または複数)は同じフイルタチヤンネル同士で
加算混合されて、入力制御回路37からフイルタ
主回路38に入力される。デイジタルフイルタ主
回路38を通さない残りの楽音信号は出力制御回
路39を経由してデイジタルフイルタ部14から
出力される。出力制御回路39は、デイジタルフ
イルタ主回路38を経由した楽音信号と経由して
いない楽音信号とを音色パラメータTP3に応じ
て各サブ系列に対応する出力ラインS1O,S2O,
S3Oに分配するものである。 タイミング信号発生回路40は、デイジタルフ
イルタ主回路38におけるフイルタ演算動作を制
御するための各種タイミング信号を同期パルス
SYNCにもとづき発生し、これらの信号をデイジ
タルフイルタ主回路38に供給する。フイルタ係
数供給回路41はデイジタルフイルタ主回路38
に対してフイルタ係数Kを供給するためのもので
あり、前述のフイルタ係数内部ROMを含んでお
り、音色パラメータTP3に応じて該ROMから
所定のフイルタ係数を読み出して供給する。ま
た、フイルタ係数供給回路41にはフイルタ係数
外部記憶装置20から与えられるフイルタ係数
KOの信号とフイルタ係数切換スイツチ21の出
力信号KSとが入力されるようになつており、こ
のスイツチ出力信号KSに応じて内部ROMで読出
したフイルタ係数または外部記憶装置20から与
えられたフイルタ係数KOの一方をデイジタルフ
イルタ主回路38に供給する。また、フイルタ係
数供給回路41には同期パルスSYNCとタイミン
グ信号発生回路40の出力信号が与えられてお
り、フイルタ演算タイミングに同期してフイルタ
係数を供給するようになつている。 各系列音源(サブ系列#1〜#3)の使い方に
ついていくつかの例を挙げて次に説明する。 その1つは、各サブ系列#1〜#3で発生する
楽音信号の間で僅かなピツチずれを生じさせ、そ
れら各サブ系列の楽音信号S1〜S3をすべてデイジ
タルフイルタ主回路38に通す方法である。この
使用方法に適しているのは、ストリングス及びコ
ーラス(複数の人声音)等の音色である。何故な
らば、ストリングス音色の場合、複数のサブ系列
#1〜#3で互いにピツチが僅かにずれた楽音信
号を発生することにより複数の弦楽器を同時に演
奏している効果を実現することができ、しかも、
どの音も固定フオルマントを含んでいるため全サ
ブ系列の楽音信号S1〜S3をデイジタルフイルタ主
回路38に通して各々に固定フオルマントによる
音色成分を付与するのが望ましいからである。ま
た、コーラス音色の場合、複数のサブ系列#1〜
#3で互いに僅かにピツチがずれた人声音信号を
発生することにより複数の人声音をより自然に模
倣することができ、しかもどの人声音も固定フオ
ルマントを含んでいるため全サブ系列の楽音信号
をデイジタルフイルタ主回路38に通すのが好ま
しい。この場合の制御の形態としては、例えば上
鍵盤カスタム系UCSでストリングス音色が選択
されたとすると、第2図のトーンジエネレータ2
5における各サブ系列#1〜#3に対応する3つ
のトーンジエネレータでは選択されたストリング
ス音色に対応する楽音信号を押圧鍵に対応するピ
ツチでかつ互いに僅かにずれたピツチで夫々発生
し、第3図の入力制御回路37では上鍵盤カスタ
ム系の楽音信号S1〜S3が入力されてきたときすべ
てのサブ系列#1〜#3の楽音信号S1〜S3をスト
リングス音色を示す音色パラメータTP3に応じ
てデイジタルフイルタ主回路38に向けて振分け
る。この方法では、各サブ系列#1〜#3で夫々
独立した楽音信号を形成しており、しかもそれら
楽音信号すべてが固定フオルマントを含むもので
ある。 第2の使用方法は、各サブ系列#1〜#3で発
生する楽音信号のピツチは同一にするが振幅エン
ベロープを夫々異らせ、そのうち特定のサブ系列
の楽音信号(S1〜S3のうち1乃至複数)のみをデ
イジタルフイルタ主回路38に通す方法である。
この方法に適しているのは、ピアノ、ビブラフオ
ン及びエレクトリツクベースなどの音色である。
ピアノ音色を例にして各サブ系列#1〜#3で付
与する振幅エンベロープの一例を示すと第4図a
のようであり、第1のサブ系列#1で付与する振
幅エンベロープは響板による振幅エンベロープを
模倣するためのものであり、第2、第3のサブ系
列#2,#3で付与する振幅エンベロープ(#1
よりもサステインが長い)は弦による振幅エンベ
ロープを模倣するためのものである。この場合、
響板による音色成分は固定フオルマントであり、
弦による音色成分は移動フオルマント(基本周波
数が変化してもスペククトル分布は変化しないも
の)であるため、第3図の入力制御回路37で
は、第1のサブ系列#1に対応する楽音信号S1を
デイジタルフイルタ主回路38に通し、他の楽音
信号S2,S3はデイジタルフイルタ主回路38に通
さないように制御する。この方法では、各サブ系
列#1〜#3で1楽音を形成するための部分音信
号を夫々形成しており、その中の一部の部分音が
固定フオルマントを含むものである。 第3の使用方法は、各サブ系列#1〜#3で発
生する楽音信号の基本周波数は同じであるが、高
調波成分の帯域を異らせ、すべてのサブ系列の楽
音信号S1〜S3をデイジタルフイルタ主回路38に
入力する方法である。この方法は、第4図bのよ
うに複数の固定フオルマントを有する音色(例え
ば人声音)を合成する場合に適している。すなわ
ち、複数の固定フオルマントのうち第1のフオル
マント(山)を第1のサブ系列#1で発生した楽
音信号S1によつて強調し、第2のフオルマント
(山)は第2のサブ系列#2の楽音信号S2によつ
て強調し、第3のフオルマント(山)は第3のサ
ブ系列#3の楽音信号S3によつて強調するのであ
る。この場合、サブ系列#1では第1のフオルマ
ントの帯に対応する高調波成分を集中的に含む楽
音信号S1を発生し、#2では第2のフオルマント
の帯域に対応する高調波成分を集中的に含む楽音
信号S2を発生し、#3では第3のフオルマントの
帯域に対応する高調波成分を集中的に含む楽音信
号S3を発生する。広帯域にわたつて均等に高調波
成分を含む楽音信号を1度に作るのは困難である
ため、各サブ系列#1〜#3で帯域を分担させる
この方法は極めて有効である。この方法では、各
サブ系列#1〜#3で1楽音を形成するための部
分音信号を夫々形成しており、しかもそのすべて
の部分音が固定フオルマントを含むものである。 第4の使用方法は、各サブ系列#1〜#3で発
生する楽音信号のピツチは同じにするが、その音
量レベルを互いに異なる特性でキースケーリング
し、そのうち特定のサブ系列の楽音信号(S1〜S3
のうち1または複数)のみをデイジタルフイルタ
主回路38に通す方法である。この方法は、オー
ボエやバスーンのようなダブルリード楽器の音色
に適している。そのような種類の音色にあつて
は、基本周波数の音域が高くなると移動フオルマ
ントによる成分が強くなり、低くなると固定フオ
ルマントによる成分が強くなる。従つて、各サブ
系列#1〜#3で発生する楽音信号の音量レベル
を、鍵の音高すなわち基本周波数に応じて、例え
ば第4図cに示すように異なる特性でキースケー
リングし、低音域を強調したサブ系列#1の楽音
信号S1をデイジタルフイルタ主回路38に通すこ
とにより低音域の鍵に対応する楽音に固定フオル
マントを付与する。高音域を強調したサブ系列
#3の楽音信号S3はデイジタルフイルタ主回路3
8に通さないが、事実上キースケーリングを施さ
なかつたサブ系列#2の楽音信号S2をデイジタル
フイルタ主回路38に通すか否かは定常的な音色
の性質に従つて適宜決定すればよい。 第5の使用方法は、各サブ系列#1〜#3でフ
イート系が異なる楽音信号を夫々発生し、そのう
ち特定のサブ系列の楽音信号(S1〜S3のうち1ま
たは複数)のみをデイジタルフイルタ主回路38
に通す方法である。これは、特定のフイート系の
みに固定フオルマントを付与する場合に適してい
る。 第6の使用方法は、各サブ系列#1〜#3で波
形形状の異なる音源信号(正弦波、矩形波、のこ
ぎり波等)を夫々発生し、そのうち特定の音源信
号のみ(例えば矩形波とのこぎり波)をデイジタ
ルフイルタ主回路38に通す方法である。 尚、上記では、音色選択装置12における1ス
イツチの操作によつて選択可能な1つの音色に対
応する複数の楽音信号を各サブ系列#1〜#3で
夫々異なる手法によつて発生し、これらを合成す
ることにより、選択された1音色に対応する楽音
信号を形成することを前提としている。しかし、
これに限らず、個々のサブ系列#1〜#3で全く
異なる音色の楽音信号を夫々発生し、そのうち固
定フオルマントを付与すべき楽音信号(S1〜S3の
うち1または複数)のみをデイジタルフイルタ主
回路38に入力するように制御することも可能で
ある。 第3図において、デイジタルフイルタ主回路3
8は極フイルタ42とゼロフイルタ43とを含ん
でおり、両フイルタ42,43は直列に接続され
ている。極フイルタとはフイルタ特性(振幅周波
数特性)の山の部分を制御できるものであり、ゼ
ロフイルタとはフイルタ特性の谷の部分を制御で
きるものである。例えば人声音において男声の
「ア」の振幅周波数特性は第5図aの実線のよう
になるが、これを極フイルタだけで実現しようと
すると谷の部分が破線のようになつてしまい、十
分にレベルが落ちない。これは、極フイルタだけ
では振幅周波数特性の山の部分の重ね合わせでし
か該特性を設定できないことによる。そこで、極
フイルタに対してゼロフイルタを直列に設け、所
望の周波数成分のレベルを十分に落すように該ゼ
ロフイルタの特性を設定すれば、第5図aの実線
のように谷の部分のレベルを十分に落すことがで
きる。第5図bはブラス系の音色の振幅周波数特
性を示す図であり、極フイルタ単独では実現が困
難なものであるが、極フイルタとゼロフイルタの
組合せによれば実現可能である。すなわち、低域
成分のレベルを下げるように(零点が周波数ゼロ
になるように)ゼロフイルタの特性を設定し、レ
ベルの高い高域の特性は極フイルタによつて設定
すればよい。第5図cに示すようなストリングス
系音色の振幅周波数特性も、極フイルタ単独では
実現が困難であるが、ゼロフイルタと極フイルタ
を組合せて所定の周波数が零点となるようにゼロ
フイルタの特性を設定すれば実現可能である。上
述したいくつかの例のように、極フイルタとゼロ
フイルタとを直列的に組合せれば、複雑な周波数
特性を実現することができ、有利である。 一般に、極フイルタは、現在のデイジタル信号
入力と過去のnサンプル数分のデイジタル信号出
力の各々に係数Ki(ただしi=1、2、…n)に
よる重みづけをしたものとの総和を入力側に帰還
する閉ループを有するものであつて、第6図に示
すような無限インパルス応答フイルタ(以下IIR
フイルタという)によつて表現される。また、ゼ
ロフイルタは、現在及び過去のnサンプル数分の
デイジタル信号入力の各々に係数Ki(ただしi=
1、2、…n)による重みづけをしたものの総和
を出力するものであつて、第7図に示すような有
限インパルス応答フイルルタ(以下FIRフフイル
タという)によつて表現される。第6図及び第7
図において、参照番号44,45を付したブロツ
クのように「遅延」と記入されたブロツクは遅延
回路を示し、入力されたデイジタル波形信号をそ
の1サンプリング時間に相当する時間だけ夫々遅
延するものである。参照番号46,47を付した
ブロツクのように三角形で示されたブロツクはフ
イルタ係数K1〜Koをデイジタル波形信号に乗算
するための乗算器である。参照番号48,49の
ように+記号が記入されたブロツクは加算器を示
す。 IIRフイルタの一種としてラテイス型フイルタ
が有り、このラテイス型フイルタは音声合成に適
したフイルタとして知られている。しかも、この
ラテイス型フイルタは、他の型式に比べて乗算器
の数が少なくて済み、ハードウエアを小型化でき
るという利点があると共に、フイルタ係数のビツ
ト数が少なくて済み、かつ、望みのフイルタ特性
に対して係数の設定の仕方が確立されているとい
う利点がある。そこで、この実施例では極フイル
タの好ましい一例として、ラテイス型フイルタを
使用するものとする。 ラテイス型フイルタの基本型式を示すと第8図
aのようであり、同図b,cはその基本型式を等
価的に変換した型式を夫々示す。同図における各
回路素子の表わし方は第6図、第7図と同一であ
り、参照番号50乃至55で示されたものが1サ
ンプリング時間の遅延回路、56,57のように
三角形で表わされたものが乗算器、58,59の
ように+記号が記入されたものが加算器(もしく
は引算器)である。図では、1段の(1サンプリ
ング時間の遅延に対応する)フイルタユニツトが
示されているが、これらのフイルタユニツトを適
宜個数縦続接続してラテイス型の極フイルタ回路
を構成する。フイルタ係数Kiの添字iはi段目
(i=1、2、3、…n)のフイルタユニツトの
係数であることを示している。遅延回路50,5
1,52は1サンプリング時間前の信号を前段の
フイルタユニツトにフイードバツクするためのも
のであり、実際回路においては1サンプリング時
間から演算回路における時間遅れ分を引いた時間
がその遅延時間として設定される。最終段のフイ
ルタユニツトでは自己の出力信号がフイードバツ
クされるようになつている。そのために、出力側
に遅延回路53,54,55が余分に設けられて
おり、最終段のフイルタユニツトの出力とそのフ
イードバツク入力との間に1サンプリング時間に
相当する時間遅れを設定するようになつている。
尚、第8図cに示す型式のラテイス型フイルタが
乗算器の数が最も少ないので、これを用いるのが
有利である。 デイジタルフイルタ主回路38(第3図)にお
ける極フイルタ42を第8図cに示す型式のラテ
イス型フイルタによつて構成した一例を第9図に
示す。この極フイルタ42は12段のラテイス型フ
イルタから成るもので、各段のフイルタユニツト
をL1乃至L12なる符号で示す。第9図におけ
る極フイルタ42は乗算器における演算時間遅れ
を考慮して構成されている。同じく演算時間遅れ
を考慮して構成したデイジタルフイルタ主回路3
8(第3図)におけるゼロフイルタ43の一例を
第10図に示す。このゼロフイルタ43は2次の
ゼロフイルタ(2サンプリング時間分の遅延要素
を含むゼロフイルタ)であるので、単純には第7
図のFIRフイルタにおいて遅延回路44を2段分
だけ縦続接続した構成とすればよいのであるが、
演算時間遅れ及びその他の要素を考慮して第10
図のように構成するものとする。 第9図及び第10図の説明の前に、この極フイ
ルタ42及びゼロフイルタ43に入力されるデイ
ジタル楽音信号のデータ形式について説明する。
一例として、1つの楽楽音信号が24ビツトのデイ
ジタルデータから成るとすると、第2図の制御回
路13からライン16を介して第3図のデイジタ
ルフイルタ部14に与えられる各サブ系列のシリ
アル楽音信号S1,S2,S3は、夫々1信号につき24
タイムスロツトを使用して時間的にシリアル化さ
れており、かつ、この24タイムスロツト分のシリ
アル楽音信号が4フイルタチヤンネル分時分割多
重化されている。従つて、各サブ系列のシリアル
楽音信号S1,S2,S3における楽音波形振幅の1サ
ンプリング周期は「24×4=96タイムスロツト」
となる。この1サンプリング周期内の順次タイム
スロツトに1乃至96の番号を付けて図示したもの
が第11図aである。第11図bは各タイムスロ
ツトに対応するシリアル楽音信号S1,S2,S3のデ
ータ内容を示したものである。第11図a,bに
示すタイミングは、各サブ系列のシリアル楽音信
号S1,S2,S3に共通である。第11図bに示すよ
うに、シリアル楽音信号S1,S2,S3においては、
第1タイムスロツト乃至第24タイムスロツトにフ
イルタチヤンネルch1(上鍵盤ソロ系USL)の
シリアル楽音信号データ、第25乃至第48タイムス
ロツトにフイルタチヤンネルch2(上鍵盤スペ
シヤル系USP)のシリアル楽音信号データ、第
49乃至第72タイムスロツトにフイルタチヤンネル
ch3(上鍵盤カスタム系UCS)のシリアル楽音
信号データ、第73乃至第96タイムスロツトにフイ
ルタチヤンネルch4(下鍵盤スペシヤル系LSP)
のシリアアル楽音信号データ、が夫々割当てられ
ている。24はタイムスロツト毎の各楽音信号デー
タにおいて、最初のタイムスロツト(第1、第
25、第49、第73タイムスロツト)には最下位ビツ
トLSBが割当てられており、以下遅いタイムス
ロツトになるほど重みが増し、23番目のタイムス
ロツト(第23、第47、第71、第95タイムスロツ
ト)に最上位ビツトMSBが割当てられ、最後の
タイムスロツト(第24、第48、第72、第96タイム
スロツト)にはサインビツトSBが割当てられる。 第9図に戻り、1段目のフイルタユニツトL1
について説明すると、参照番号61は引算器とし
て機能する加算器、62,63は加算器、64は
乗算器、65,66,67は遅延回路である。遅
延回路65〜67のブロツク内に示された数字3
2Dは32タイムスロツト分の遅延を行なうことを
示している。FS−INは楽音信号の順向入力端
子、FS−OUTは楽音信号の順向出力端子、BS
−INは逆向入力端子、BS−OUTは逆向出力端
子、である。他のユニツトL2乃至L12もユニ
ツトL1と同一構成であり、各ユニツトL1乃至
L11の順向出力端子FS−OUTがその次段のユ
ニツトL2乃至L12の順向入力端子FS−INに
接続され、各ユニツトL2乃至L12の逆向出力
端子BS−OUTがその前段のユニツトL1乃至L
11の逆向入力端子BS−INに接続される。 フイルタユニツトL1の加算器(機能としては
引算器)61においては、順向入力端子FS−IN
から入力された楽音信号を逆向入力端子BS−IN
及び遅延回路66を介して次段のユニツトL2か
らフイードバツクされた楽音信号から引算する。
この加算器61の出力が乗算器64に入力され、
フイルタ係数K1が乗算される。この係数K1の添
字1は1段目のユニツトL1に対応する係数であ
ることを示す。乗算器64の出力は加算器62に
与えられ、端子FS−IN及び遅延回路65を介し
て与えられる入力楽音信号と加算される。ここ
で、遅延回路65を設けた理由は、乗算器64に
おける演算時間遅れに合わせるためである。すな
わち、この例では、乗算器64の演算時間遅れが
32タイムスロツトとなるように設計されており、
この遅れに合わせるために遅延回路65では32タ
イムスロツト分の遅延を行なうのである。加算器
62の出力は出力端子FS−OUTを経由して次段
のユニツトL2に入力される。 ところで、加算器61の出力と次段のユニツト
L2から遅延回路66を経由してこの加算器61
にフイードバツクされる信号との間には1サンプ
リング周期に相当する時間遅れがなければならな
いわけであるが、これは次のように満たされてい
る。次段のユニツトL2の乗算器68から加算器
69を経由した楽音信号がユニツトL1の逆向入
力端子BS−INに入力され、これが遅延回路66
を経由して加算器61に入力されている。従つ
て、加算器61の出力信号は、乗算器64で32タ
イムスロツト遅延され、その後、次段の乗算器6
8で32タイムスロツト遅延され、更に遅延回路、
66で32タイムスロツト遅延され、結局合計96タ
イムスロツト遅延されて該加算器61にフイード
バツクされることになる。前述の通り、シリアル
楽音信号S1乃至S3の1サンプリング周期は96タイ
ムスロツトであるので、上記のように必要な遅延
時間が確保されていることになる。 逆向出力端子BS−OUTに信号を与える加算器
63(L2では69)は、乗算器64(L2では
68)の出力と遅延回路66及び67(L2では
70,71)を経由して与えられる次段のユニツ
トL2(L2ではL3)からのフイードバツク信
号とを加算するためのものである。遅延回路66
の出力に対応する乗算器64の出力は遅延回路6
6の出力タイミングよりも32タイムスロツト遅れ
ている。この遅れに見合つた時間遅れを設定する
ために遅延回路67が設けられている。 尚、最終段のユニツトL12は自己の出力楽音
信号をフイードバツクするようになつている。そ
のため、前述のような次段ユニツトの乗算器にお
ける32タイムスロツトの時間遅れは見込めないの
で、ユニツトL12の順向出力端子FS−OUTの
出力信号は逆向入力端子BS−INにフイードバツ
クするループに32タイムスロツトの時間遅れを設
定するための遅延回路72を設けるものとする。 尚、以下では、1段目のフイルタユニツトL1
の順向入力端子FS−IN及び逆向出力端子BS−
OUTを特定するためにFSi及びBSoなる符号を用
い、最後のフイルタユニツトL12の順向出力端
子FS−OUT及び逆向入力端子BS−INを特定す
るためにFSo及びBSiなる符号を用いる。 第10図に示すゼロフイルタ43において、2
次のゼロフイルタは乗算器73,74と、加算器
75,76及び遅延回路77,78,79によつ
て構成されている。この2次ゼロフイルタの1段
目は、入力楽音信号が与えられる乗算器73と、
この乗算器73の出力信号を64タイムスロツト遅
延する遅延回路77と、この遅延回路77の出力
信号と入力楽音信号とを加算する加算器75とか
らら成る。乗算器73には1段目のゼロフイルタ
に対応するフイルタ係数K13が与えられる。乗算
器73,74における演算時間遅れは前述と同様
32タイムスロツトであるとする。従つて、乗算器
73と遅延回路77における遅延時間は合計96タ
イムスロツトであり、丁度1サンプリング周期と
なる。従つて、加算器75では現サンプリング時
間の楽音信号とその1サンプリング時間前の楽音
信号にフイルタ係数K13を掛けた信号とが加算さ
れる。2段目のゼロフイルタは、入力楽音信号を
128タイムスロツト遅延する遅延回路78と、こ
の遅延回路78の出力信号にフイルタ係数K14を
乗算する乗算器74と、この乗算器74の出力信
号を32タイムスロツト遅延する遅延回路79と、
この遅延回路79の出力信号と加算器75の出力
信号とを加算する加算器76とから成る。回路7
8,74,79による遅延時間に合計は192タイ
ムスロツトであり、丁度2サンプリング周期とな
る。従つて、加算器76では、2サンプリング時
間前の楽音信号にフイルタ係数K14を掛けた信号
と加算器75の出力信号とが加算される。つま
り、加算器75及び76においては、現サンプリ
ング時間の楽音信号と、その1サンプリング時間
前の楽音信号にフイルタ係数K13を掛けた信号
と、その2サンプリング時間前の楽音信号にフイ
ルタ係数K14を掛けた信号との総和が求められ
る。こうして、加算器76からは2次ゼロフイル
タの出力信号が得られる。 加算器76の出力信号は遅延回路80で64タイ
ムスロツト遅延されて乗算器81に入力される。
乗算器81はゼロフイルタ43の出力ゲインを制
御するために設けられたもので、ゲイン制御用の
係数K15が入力されている。前述の係数K13,K14
はゼロフイルタ43のフイルタ特性設定に関与す
るが、この係数K15はフイルタ特性設定には関与
せず、ゼロフイルタ全体のゲインを設定するもの
である。乗算器81における演算時間遅れは前述
と同様に32タイムスロツトであり、64タイムスロ
ツトの遅延を行なう遅延回路80は、このゲイン
制御用の回路80,81における信号遅延時間を
1サンプリング周期(96タイムスロツト)に同期
させるために設けられたものである。 尚、ゼロフイルタ43の1段目の回路73,7
7,75及び2段目の回路78,74,79,7
6及びゲイン制御用回路80,81の各々におけ
る遅延回路77,78,79,80の挿入箇所は
図示の箇所に限らず、要は1段目で1サンプリン
グ時間、2段目で2サンプリング時間、ゲイン制
御段で1サンプリング時間の遅延が設定されるよ
うになつていればよい。例えば、乗算器73の入
力側に遅延回路77を設け、遅延回路78と79
の位置を入れ替え、乗算器81の出力側に遅延回
路80を設けるようにしてもよい。しかし、後述
するようにこの実施例では各フイルタ係数K1〜
K15は時間的にシリアルなデータ形式でデイジタ
ルフイルタ主回路38に与えられるようになつて
おり、各乗算器64,68,…82,73,7
4,81は所定の時間関係でシリアル演算を行な
うようになつている。そのため、各乗算器64,
68,…,82,73,74,81に対する信号
の入力タイミングを適切に制御する必要があり、
その目的のために第10図に示す箇所に遅延回路
77,78,79,80が設けられている。 第9図及び第10図の極フイルタ42及びゼロ
フイルタ43における入力信号と出力信号との間
の時間遅れは、極フイルタ42では12段のフイル
タユニツトL1〜L12の各々で32タイムスロツ
トの遅れがあるため合計384タイムスロツトすな
わち4サンプリング周期であり、ゼロフイルタ4
3では3サンプリング周期である。 極フイルタ42及びゼロフイルタ43のフイル
タ係数K1〜K15は、フイルタ係数供給回路41
(第3図)から与えられる。このフイルタ係数K1
〜K15は所定の乗算器64,68,…82,7
3,74,81にパラレルに与えられるようにな
つていてもよいが、この実施例ではフイルタ係数
供給回路41からデイジタルフイルタ主回路38
に与えられるフイルタ係数Kは各フイルタ係数
K1〜K15を時間的にシリアル化したものとなつて
いる。シリアル化されたフイルタ係数Kのフオー
マツトは第12図に例示されている。一例とし
て、1つのフイルタ係数は8ビツトのデイジタル
データであり、15個のフイルタ係数K1〜K15の全
ビツト数は120ビツトである。従つて、1音色
(1フイルタチヤンネル)分のフイルタ係数K1〜
K15のシリアル化に要するタイムスロツト数は
120であり、これらを4フイルタチヤンネル分時
分割送出するのに要するタイムスロツト数は
「120×4=480」である。このフイルタ係数Kの
シリアル時分割送出の1サイクル時間(480タイ
ムスロツト)はシリアル楽音信号の5サンプリン
グ周期(480÷96=5)に相当する。 第12図aを参照すると、1チヤンネル分のフ
イルタ係数シリアルデータKは、ゼロフイルタ4
3の後段に対応するものから順に(K15,K14,
K13の順に)送出され、次いで極フイルタ42の
後段に対応するものから順に(K12,K11…K2,
K1の順に)送出されるようになつている。そし
て、8ビツト毎の個々のフイルタ係数のシリアル
データにおいてはサインビツトSBを先頭に上位
のビツトから順に送出される(MSBは最上位ビ
ツトを示し、LSBは最下位ビツトを示す)。デイ
ジタルフイルタ主回路38の内部ではフイルタ係
数シリアルデータKを順送りにシフトして、個々
のフイルタ係数K1〜K15をシリアル・パラレル変
換し、所定の乗算器64,68,…82,73,
74,81(第9図、第10図)に供給するよう
になつている。1チヤンネルにつき第12図aに
示すような形式でシリアル化されたデータKは、
更に同図bに示すように各フイルタチヤンネル
ch1〜ch4の間で(ch1,ch2,ch3,ch4の
順で)時分割多重化されている。 第13図は、第1図、第3図におけるデイジタ
ルフイルタ部14の更に詳細な実施例を示すもの
である。詳しくは、第13図は第1図及び第3図
に示されたデイジタルフイルタ部14として使用
することが可能な1つのデイジタルフイルタ回路
装置(チツプ)DFCの内部構成を示すブロツク
図である。第1図におけるデイジタルフイルタ部
14は、第13図に示すようなデイジタルフイル
タ回路装置DFCを1個だけ用いて構成してもよ
いし、後述のように該装置DFCを複数個組合せ
て構成してもよい。第13図においては、第3図
に示された各回路37〜43に対応する部分に同
一符号が付されている。すなわち、1つのデイジ
タルフイルタ回路装置DFCは、大別すると、第
3図と同様に、フイルタ入力制御回路37、デイ
ジタルフイルタ主回路38、出力制御回路39、
タイミング信号発生回路40及びフイルタ係数供
給回路41を含んでおり、デイジタルフイルタ主
回路38は12段のラテイス型フイルタから成る極
フイルタ42(第9図参照)と2次のゼロフイル
タ43(第10図参照)とを含んでいる。 楽音信号入力端子I1,I2,I3には各サブ系列
#1〜#3に対応するシリアルデイジタ楽音信号
S1,S2,S3が夫々印加される。フイルタ入力制御
回路37は、該端子I1〜I3から与えられる各信号
HS1〜S3を個別にゲートするためのアンド回路8
3,84,85と、これらのアンド回路83〜8
5から出力されたシリアル楽音信号を加算するた
めのシリアル加算器86とを含んでいる。デイジ
タルフイルタ主回路38は、前述の極フイルタ4
2とゼロフイルタ43のほか、これらのフイルタ
42,43の接続組合せを切換えるためのセレク
タ87,88,89を含んでいる。セレクタ87
の第1の入力Aには、入力端子Fiから与えられた
楽音信号が入力され、第2の入力Bにはシリアル
加算器86から出力されたシリアル楽音信号Siが
入力され、第3の入力Cにはゼロフイルタ43の
出力信号Zpが入力される。セレクタ87の出力S
から出力されたシリアル楽音信号(これをFSで
示す)は極フイルタ42の1段目のフイルタユニ
ツトL1の順向入力端子FSi(第9図参照)に入
力される。また、極フイルタ42の1段目のフイ
ルタユニツトL1の逆向出力端子BSp(第9図参
照)は出力端子Bpに与えられる。 極フイルタ42の最終段のフイルタユニツトL
12の順向出力端子FSp(第9図参照)は遅延回
路72に与えられると共に出力端子Fp及びセレク
タ89の第2の入力Bに与えられる。セレクタ8
9の第1の入力Aには前記シリアル加算器86か
ら出力されたシリアル楽音信号Siが入力される。
このシリアル楽音信号Si及び前記セレクタ87か
ら出力されたシリアル楽音信号FSは、共に、入
力端子I1〜I3に与えられるシリアル楽音信号S1〜
S3と同一のデータフオーマツトであり、タイミン
グも同じである。(第11図b参照)。第13図の
遅延回路72は第9図の遅延回路72と同じ働き
をするものである。この遅延回路72の出力信号
はセレクタ88の第2の入力Bに与えられる。セ
レクタ88の第1の入力Aには入力端子Biから
与えられるシリアル楽音信号が加わり、その出力
Sは極フイルタ42の最後のフイルタユニツトL
12の逆向入力端子BSi(第9図参照)に接続さ
れている。また、前記セレクタ89の出力Sはゼ
ロフイルタ43の入力端子ZSi(第10図参照)
に接続されている。ゼロフイルタ43の出力端子
ZSi(第10図参照)からら出力されたシリアル
楽音信号Zpは前述の通りセレクタ87の入力Cに
与えられると共に出力制御回路39のアンド回路
90,91,92に与えられる。 デイジタルフイルタ主回路38においては、一
例として、極フイルタ42とゼロフイルタ43の
接続を3通りに切換えることができる。その1つ
は、極フイルタ42を前段にし、ゼロフイルタ4
3を後段にして、両者を直列接続するものであ
る。もう1つは、その逆に、ゼロフイルタ43を
前段にし、極フイルタ42を後段にして、両者を
直列接続するものである。更にもう1つは、極フ
イルタ42を単独で用い、ゼロフイルタ43への
結線は行なわないようにするものである。このよ
うな極フイルタ42とゼロフイルタ43の接続切
換えは、デイジタルフイルタ部14として複数個
のデイジタルフイルタ回路装置DFCを組合せて
使用する場合に有効に機能する。極フイルタ42
とゼロフイルタ43の接続切換えを制御するため
に、制御コードC1,C2がセレクタ87,8
8,89に入力される。 接続切換え態様の詳細及び制御コードC1,C
2の内容については後で詳述することにし、当面
は1個のデイジタルフイルタ回路装置DFCを単
独でデイジタルフイルタ部14として使用し、極
フイルタ42を前段に、ゼロフイルタ43を後段
にして両者を直列接続するものとして説明を進め
る。その場合、制御コードC1,C2は共に信号
“1”とされる。セレクタ87ではコードC1,
C2の“11”により入力Bを選択し、セレクタ8
8ではコードC2の“1”により入力Bを選択
し、セレクタ89ではコードC2の“1”により
入力Bを選択する。従つて、入力制御回路37の
シリアル加算器86から出力されたシリアル楽音
信号Siがセレクタ87を介して信号FSとして極
フイルタ42の順向入力端子FSiに入力され、こ
の極フイルタ42の順向出力端子FSpの出力信号
がセレクタ89を介してゼロフイルタ43の入力
端子ZSiに入力され、かつ該順向出力端子FSpの
出力信号を遅延回路72で32タイムスロツト遅延
した信号がセレクタ88を介して極フイルタ42
の逆向入力端子BSiにフイードバツクされる。こ
うして極フイルタ42を前段に、ゼロフイルタ4
3を後段にして両者が直列接続される。 タイミング信号発生回路40は、端子T1を介
して入力された同期パルスSYNCにもとづき、シ
リアルフイルタ演算を制御するための所定のタイ
ミング信号KL,LD,SH、及びシリアルフイル
タ係数Kにおける各フイルタチヤンネルch1〜
ch4の時分割タイミングに同期したチヤンネル
選択コードKch、及びシリアル楽音信号S1〜S3に
おける各フイルタチヤンネルch1〜ch4の時分
割タイミングに同期したチヤンネル選択コード
Sch及びフイルタ係数をシリアル化するための同
期パルスKSYNC、を夫々発生する。タイミング
信号KL,LD,SHはライン95を介して極フイ
ルタ42の1段目のフイルタユニツトL1(第9
図参照)に供給される。フイルタ係数供給回路4
1から出力されたフイルタ係数のシリアルデータ
Kも極フイルタ42の1段目のユニツトL1に供
給される。後述するように、シリアルフイルタ係
数データKは極フイルタ42内の各段を順次シフ
トされていき、更にライン93を経てゼロフイル
タ43に入り、このゼロフイルタ43内の各段で
も順次シフトされ、最終的にシリアル形式からパ
ラレル形式に変換されて、所定の段に各係数K1
〜K15が分配されるようになつている。タイミン
グ信号KL,LD,SHはシリアルフイルタ係数K
をパラレル変換するため利用される。従つて、こ
れらの信号KL,LD,SHはライン94を経てゼ
ロフイルタ43にも与えられる。後述するよう
に、信号KLはフイルタ42,43の各段に同時
に与えられるが、信号SH,LDはシリアルフイル
タ係数Kと同様に各段で順次シフトされる。 ライン95を介して極フイルタ42の1段目に
入力される各タイミング信号KL,LD,SHの一
例を示すと第14図のようである。また、セレク
タ87を介して極フイルタ42の1段目のフイル
タユニツトL1に入力されるシリアル楽音信号
FSの時分割チヤンネル状態(つまりS1〜S3の時
分割チヤンネル状態)ch1〜ch4を示すと、第
14図のFSの欄のようである。同様に、第14
図のKの欄には、ライン96を介して極フイルタ
42の1段目のユニツトL1に与えられるシリア
ルフイルタ係数データKの時分割チヤンネル状態
ch1〜ch4が示されている。第14図において、
信号波形図に添えて記した数字は1サンプリング
周期内のタイムスロツトの順位を示す番号(第1
1図aに示すもの)を示す。第14図に示した信
号FS及びデータKの細部は第11図b及び第1
2図aに示した通りである。 シリアルフイルタ係数データK及びタイミング
信号KL,LDの発生パターンは楽音信号FSの5
サンプリング周期を1サイクルとして繰返すもの
である。この5サンプリング周期の各々を第1乃
至第5サンプリング周期とすると、タイミング信
号KLは、第1サンプリング周期の第23タイムス
ロツト、第2サンプリング周期の第47タイムスロ
ツト、第3サンプリング周期の第71タイムスロツ
ト、第4サンプリング周期の第95タイムスロツ
ト、で夫々パルスが発生する信号であり、その1
周期は120タイムスロツトである。また、タイミ
ング信号LDはKLと同じく120タイムスロツトを
1周期とする信号であり、KLよりも1タイムス
ロツト遅れてパルスが発生する信号である。シリ
アルフイルタ係数データKにおいては、前述の通
り1チヤンネルのフイルタ係数に対して120タイ
ムスロツトが割当てられている。まず、第1サン
プリング周期の第23タイムスロツトから第2サン
プリング周期の第46タイムスロツトまでの120タ
イムスロツトにおいてチヤンネルch1のフイル
タ係数Kが割当てられ、以下、信号KLのタイミ
ングに同期して120タイムスロツト毎にチヤンネ
ルch2,ch3,ch4の係数Kが順次割当てられ
ている。タイミング信号SHは24タイムスロツト
の周期で第24、第48、第72、第96タイムスロツト
毎に繰返し発生するものである。 タイミング信号発生回路40から発生されたチ
ヤンネル選択コードKchは、第14図のK欄に示
すようなフイルタ係数Kの時分割チヤンネルタイ
ミングに同期して各チヤンネルch1〜ch4を示
すコード内容を示す。また、他方のチヤンネル選
択コードSchは、第14図のFS欄に示すようなシ
リアル楽音信号FSの時分割チヤンネルタイミン
グに同期して各チヤンネルch1〜ch4を示すコ
ード内容を示す。 フイルタ係数供給回路41は、フイルタ係数
ROM97と、音色パラメータTP3に応じてこ
のROM97の読み出しを制御するための回路と
を含んでいる。音色パラメータTP3に応じて
ROM97の読み出しを制御するための回路は、
シフトレジスタ98、ラツチ回路99、書込み及
び読出し自在なランダムアクセスメモリ(以下
RAMという)100、セレクタ101を含んで
いる。音色パラメータTP3はシリアル化された
パラメータデータPDから成り、シフトレジスタ
98とラツチ回路99はこのシリアルデータPD
をパラレル変換するシリアル/パラレル変換器と
して機能する。音色選択装置12(第1図)は、
音色パラメータTP3を示す情報として、シリア
ル化されたパラメータデータPDと、そのシリア
ル化の基準タイミングを示すタイミングパルス
PEとを出力し、端子T2,T3を介してデイジ
タルフイルタ部14に供給する。このように音色
パラメータTP3をシリアルデータ化することに
よつて音色選択装置12からデイジタルフイルタ
部14への配線を簡略化することができるので有
利である。 音色選択装置12の一例は第15図に示されて
いる。複数の音色選択スイツチTC−SWが設け
られており、その出力がエンコーダ102に入力
される。奏者によつて音色選択スイツチTC−
SWのいずれかが操作されると、そのスイツチを
示すコード信号がエンコーダ102から出力され
る。また、スイツチTC−SWが操作されたとき、
ラツチ回路103のロード制御入力Lにアンド回
路104からロードパルスが与えられ、エンコー
ダ102の出力コード信号がラツチ回路103に
取り込まれる。ラツチ回路103にラツチされた
コード信号すなわち選択された音色を示すコード
信号は音色パラメータメモリ105のアドレス入
力に与えられる。音色パラメータメモリ105は
選択可能な各種音色に対応して音色パラメータを
示すデータを予じめ記憶したもので、ラツチ回路
103から与えられるコード信号に従つて選択さ
れた音色に対応する音色パラメータデータを読み
出す。このうちデイジタルフイルタ部14に与え
られるべきパラメータデータTP3はラツチ回路
106に並列的に入力される。ラツチ回路106
のロード制御入力Lにはアンド回路104から出
力されたロードパルスが遅延フリツプフロツプ1
07を介して与えられる。従つて、ラツチ回路1
06のラツチタイミングはラツチ回路103のそ
れよりも僅かに遅れている。これはラツチ回路1
03にラツチされたコード信号に対応する音色パ
ラメータTP3がメモリ105から確実に読み出
されるのを待つてラツチ回路106のラツチ動作
を行なうようにするためである。 音色パラメータTP3は例えば10ビツトのデイ
ジタルデーであり、そのうち5ビツトが選択され
た音色を表わす音色コードTCであり、3ビツト
が各サブ系列#1〜#3の楽音信号S1〜S3のうち
どれをデイジタルフイルタ主回路38に通すべき
かを示すフイルタネーブル信号FE1,FE2,
FE3であり、2ビツトがこの音色を付与すべき
楽音信号がどの系列(USL,USP,UCS,LSP)
のものであるか、すなわちどのフイルタチヤンネ
ルch1〜ch4にこの音色を付与すべきか、を示
すチヤンネルコードCHである。ラツチ回路10
6は10個のラツチ箇所を有しており、パラメータ
TP3の各ビツトを夫々ラツチする。ラツチ回路
106の各ラツチ箇所の出力信号は10個のアンド
回路108,109,110の一方入力に夫々入
力される。 シフトレジスタ111は11ステージを有してお
り、遅延フリツプフロツプ107から第1ステー
ジに与えられたパルス信号をクロツクパルスφに
従つて順次シフトする。シフトレジスタ111の
第1ステージから第10ステージまでの出力信号が
10個のアンド回路108,109,110の他方
入力に夫々入力される。各アンド回路108,1
09,110の出力がすべてオア回路112に入
力されるようになつており、このオア回路112
の出力信号が音色パラメータTP3のシリアルデ
ータPDとしてデイジタルフイルタ部14に与え
られる。シフトレジスタ111の第11ステージの
出力信号はフリツプフロツプ113のセツト入力
Sに与えられると共にタイミングパルスPEとし
てデイジタルフイルタ部14に与えられる。 シフトレジスタ111における入力パルスのシ
フトタイミングを1乃至11で示し、このタイミ
ングに対応するシリアルデータPDの状態の一例
を示すと、第16図のようになる。また、タイミ
ングパルスPEは同図に示すようにタイミング1
1で、つまりシリアルデータPDの送出を終えた
直後に、発生する。 オア回路114にはすべての音色選択スイツチ
TC−SWの出力信号が入力されるようになつて
おり、いずれかのスイツチが押圧されたとき該オ
ア回路114の出力が信号“1”となる。オア回
路114の出力信号はアンド回路104に加わる
と共にフリツプフロツプ113のリセツト入力R
に加わる。フリツプフロツプ113の出力Qは遅
延フリツプフロツプ115でクロツクパルスφの
1周期時間だけ遅延された後アンド回路104に
加わる。通常は、フリツプフロツプ113がセツ
ト状態となつており、アンド回路104が動作可
能となつている。音色選択スイツチTC−SWが
押圧されると、オア回路114の出力信号の立上
りに対応してアンド回路104の出力が信号
“1”となる。同時にフリツプフロツプ113が
リセツトされ、クロツクパルスφに1周期後に遅
延フリツプフロツプ115の出力が“0”に立下
り、アンド回路104が動作不能となる。従つ
て、アンド回路104は、音色選択スイツチTC
−SWが押圧された瞬間にクロツクパルスφの1
周期時間幅の短パルスを出力する。そして、この
アンド回路104の出力パルスにもとづき、前述
の通りシリアルデータPD及びタイミングパルス
PEが送出される。タイミングパルスPEが発生す
ると、フリツプフロツプ113がセツトされる。
これにより、次に音色選択スイツチTC−SWが
押圧されたときアンド回路104かららロードパ
ルスを発生し得るように、該アンド回路104を
動作可能状態に設定する。 音色選択装置12は、更に各種の楽音制御用操
作子116を含んでおり、この操作子116の操
作子に応じてパラメータ発生回路117が所定の
音色パラメータを発生する。音色パラメータメモ
リ105から読み出されたフイルタ制御用の音色
パラメータTP3以外のパラメータデータ及びパ
ラメータ発生回路117から出力されたパラメー
タのうち所定のものが音色パラメータTP1,TP
2,TP4として楽音信号発生部11、制御回路
13、外部記憶装置20に夫々供給される。これ
らの音色パラメータTP1,TP2,TP4はTP3
と同様にシリアルデータ形式で供給するようにし
てもよい。 尚、第15図では音色選択装置12をデイスク
リート回路によつて構成するように示されている
が、これに限らず、マイクロコンピユータ方式に
よつて処理してもよい。その場合、鍵盤部9及び
キーアサイナ10(第1図)も併せてマイクロコ
ンピユータ方式で処理することが可能である。 第13図に戻ると、音色パラメータTP3のシ
リアルデータPDはシフトレジスタ98に入力さ
れる。シフトレジスタ98は10ステージであり、
クロツクパルスφによつてシリアルデータPDの
時分割タイムスロツトに同期してシフト制御を行
なう。タイミングパルスPEはラツチ回路99の
ロード制御入力Lに与えられる。シフトレジスタ
98の各ステージ出力がラツチ回路99にパラレ
ルに入力されており、タイミングパルスPEが供
給されたとき、該各ステージ出力信号の状態がラ
ツチ回路99にラツチされる。シリアルデータ
PDとタイミングパルスPEの関係は第16図のよ
うになつているため、シフトレジスタ98の第
1、第2ステージにチヤンネルコードCHが入
り、第3、第4、第5ステージにフイルタイネー
ブル信号FE3,FE2,FE1が入り、第6乃至
第10ステージに音色コードTCが入つたときタイ
ミングパルスPEが供給され、これらのデータが
ラツチ回路99に確実にラツチされるようになつ
ている。 RAM100は各フイルタチヤンネルch1〜ch
4に対応して音色コードTCを記憶するためのも
のであり、RAM118は各フイルタチヤンネル
ch1〜ch4に対応してフイルタイネーブル信号
FE1〜FE3を記憶するためのものである。
RAM100及118は各チヤンネルch1〜ch4
に対応する記憶位置(アドレス)を有している。
RAM100,118の書込み制御入力Wにはタ
イミングパルスPEを遅延フリツプフロツプ11
9で遅延した信号が与えられる。書込みアドレス
指定入力WADにはラツチ回路99にラツチされ
たチヤンネルコードCHが与えられる。RAM1
00のデータ入力にはラツチ回路99にラツチさ
れた音色コードTCが入力される。RAM118
のデータ入力にはラツチ回路99にラツチされた
フイルタイネーブル信号FE1〜FE3が入力され
る。ラツチ回路99に新しいデータTC、FE11
〜FE3、CHが取込まれた直後にRAM100,
118が書込みモードとなり、この新しいチヤン
ネルコードCHによつて指定されたアドレスに音
色コードTC及び信号FE1〜FE3を夫々書込む。
このようにして、音色選択操作が行なわれる毎に
(データPD,PEが与えられる毎に)RAM100
及び118にデータが書込まれ、最終的に、各フ
イルタチヤンネルch1〜ch4に対応して選択さ
れた音色の音色コードTCがRAM100に夫々
記憶されると共に、各フイルタチヤンネルch1
〜ch4に対応てして選択された音色のフイルタ
イネーブル信号FE1〜FE3がRAM118に
夫々記憶される。 RAM100の読み出しアドレス指定入力RAD
には各チヤンネルch1〜ch4のチヤンネル選択
コードKchがタイミング信号発生回路40から時
分割的に与えられる。RAM118の読み出しア
ドレス指定入力RADには同じく回路40からチ
ヤンネル選択コードSchが時分割的に与えられ
る。RAM100,118は読み出しを行なつて
いる最中でも書き込みを行なうことができるタイ
プのものである。チヤンネル選択コードKchは第
14図のK欄に示すように各チヤンネルch1〜
ch4を示すコード信号が1チヤンネルにつき120
タイムスロツト幅で時分割的に生じるものであ
る。RAM100はこのコードKchに従つて各チ
ヤンネルch1〜ch4の音色コードTCを時分割的
に読み出す。一方、チヤンネル選択コードSchは
第14図のFS欄に示すように各チヤンネルch1
〜ch4を示すコード信号が1チヤンネルにつき
24タイムスロツト幅で時分割的に生じるものであ
る。RAM118はこのコードSchに従つて各チ
ヤンネルch1〜ch4のフイルタイネーブル信号
FE1〜FE3を時分割的に読み出す。 RAM100から読み出された音色コードTC
はセレクタ101の制御入力に与えられる。セレ
クタ101は音色コードTCの内容に応じてフイ
ルタ係数ROM97から読み出されたフイルタ係
数を選択する。フイルタ係数ROM97は、音色
選択装置12で選択可能な各種音色に対応してフ
イルタ係数の組を予じめ記憶したものである。前
述の通り、1音色に対応する1組のフイルタ係数
は15個のフイルタ係数K1〜K15から成り、1個の
フイルタ係数が8ビツトであるため1組のフイル
タ係数は120ビツトのデータである。5ビツトの
音色コードTCによつて選択可能な音色数は32種
類であるため、ROM97には例えば32組のフイ
ルタ係数が夫々記憶されている。タイミング信号
発生回路40から発生されたフイルタ係数読み出
し用の同期パルスKSYNCがROM97に供給さ
れる。ROM97は、同期パルスKSYNCにもと
づき所定のタイミングで、120ビツトから成るフ
イルタ係数の組を時間的にシリアルに1ビツトづ
つ順次読み出し、かつこのシリアル読み出し全音
色に関して同時に並列的に行なう。並列的に読み
出された各組のシリアルフイルタ係数データの
各々の状態は前述の第12図aのようになつてい
る。 ROM97から読み出された各音色毎のフイル
タ係数のシリアルデータはセレクタ101に入力
される。セレクタ101はRAM100から時分
割的に与えられた音色コードTCに従つて1組の
シリアルフイルタ係数データを選択する。1チヤ
ンネルに関する音色コードTCがセレクタ101
に与えられる120タイムスロツトの時間幅に同期
して、ROM97では120ビツト分の1組のフイ
ルタ係数のシリアル読み出しが繰返し行なわれる
ようになつている。一方、RAM100から読み
出される音色コードTCの内容はチヤンネル選択
コードKchに応じて120タイムスロツト毎に時分
割的で変化する。従つて、各フイルタチヤンネル
ch1〜ch4に対応して選択された音色に対応す
る4組のフイルタ係数のシリアルデータが120タ
イムスロツト毎に時分割でセレクタ101から出
力される。このセレクタ101から出力されたシ
リアルフイルタ係数データのチヤンネル状態は第
14図のK欄に示すものと同一である。 セレクタ101の出力はセレクタ120の入力
Aに与えられる。セレクタ120の他の入力Bに
は外部記憶装置20(第1図)から読み出された
フイルタ係数のシリアルデータKOが端子T5を
介して与えられる。このシリアルフイルタ係数デ
ータKOのシリアルデータ形式はセレクタ101
から出力されるものと全く同じでああり、4チヤ
ンネルch1〜ch4分のシリアルフイルタ係数デ
ータが第14図のK欄に示すように時分割多重化
されたものである。セレクタ120のB選択制御
入力SBにはフイルタ係数切換スイツチ21(第
1図)の出力信号KSが端子T4を介して与えら
れており、A選択制御入力SAにはこの信号KSを
反転したものが与えられる。従つて、スイツチ2
1のオンまたはオフに応じて外部記憶装置20の
出力またはセレクタ101の出力(すなわち
ROM97の出力)の一方が選択される。こうし
てセレクタ120で選択されたシリアルフイルタ
係数データKはライン96を介して極フイルタ4
2の1段目のフイルタユニツトL1に入力され
る。 フイルタ係数外部記憶装置20は、デイジタル
フイルタ部14の内部に設けられるフイルタ係数
ROM97と同様な構成であつてもよいが、キー
オン信号KONにもとづき時間的に変化するフイ
ルタ係数を供給するような構成であつてもよい。
後者のタイプの外部記憶装置20の一例が第17
図に示されている。第17図において、フイルタ
係数メモリ121は、1音色に対して複数組のフ
イルタ係数を複数種類の音色に対応して夫々予じ
め記憶したもので、音色選択装置12(第1図、
第15図)から与えられる音色パラメータTP4
に従つて或る1音色に対応する複数組のフイルタ
係数を選択し、選択したフイルタ係数をアドレス
信号発生回路122から与えられるアドレス信号
ADRSに応じて時間経過に従つて1組づつ順次読
み出す。アドレス信号発生回路122は、キーア
サイナ10(第1図)から与えられるキーオン信
号KONにもとづき時間的にその値が変化するア
ドレス信号ADRSを発生し、かつ、このアドレス
信号ADRSの時間的変化のパターンを音色パラメ
ータTP4に応じて制御する。 アドレス信号発生回路122におけるアドレス
信号ADRSの発生例を第18図に示す。キーオン
信号KONの立上りに同期してアドレス信号
ADRSの値が「0」にリセツトされ、所定のアタ
ツクレートに従つて該信号ADRSの値が「0」、
「1」、「2」…と順次増大していく。アドレス信
号ADRSの値が所定のサステイン値Asに達する
と、その増数が停止し、サステイン値Asを維持
する。やがてキーオン信号KONが立下ると、所
定のデイケイレートに従つて該信号ADRSの値が
「As」、「As+1」、「As+2」…と順次増大する。
そして、最終値「N」に達すると増大が停止し、
キーオン信号KONに応じたアドレス信号ADRS
の時間変化が終了する。フイルタ係数メモリ12
1において1音色に対応して記憶されているフイ
ルタ係数の組数はN組であり、アドレス信号
ADRSの値「0」乃至「N−1」に応じて各組の
フイルタ係数が順次読み出される。尚、第18図
において、アタツクレート、デイケイレート、サ
ステイン値Asは音色パラメータTP4に応じて可
変設定される。 尚、各フイルタチヤンネルch1〜ch4に割当
てられる音色種類に予じめ判かつているので、選
択された音色がどのフイルタチヤンネルch1〜
ch4に属するのかは音色パラメータTP4の内容
から自ずと判明する。従つて、フイルタ係数メモ
リ121では、各チヤンネルch1〜ch4に対応
して選択された音色のフイルタ係数を各チヤンネ
ルタイミングに対応して時分割で読み出すように
することができる。こうして、フイルタ係数メモ
リ121からは、120ビツトから成る1組のフイ
ルタ係数のデータがパラレルに、かつ、各チヤン
ネルch1〜ch4毎に時分割で読み出され、しか
もその1組のフイルタ係数はアドレス信号ADRS
の変化に応じて時間的に変化するものである。パ
ラレル/シリアル変換器123はメモリ121か
らパラレルに読み出された120ビツトデータから
成る1組のフイルタ係数を時間的にシリアルな
(120タイムスロツトから成る)データに変換する
ためのものである。シリアル変換の際の基準タイ
ミング信号として使用するために同期パルス
SYNCが利用される。こうして、外部記憶装置2
0から供給されるシリアルフイルタ係数データ
KOは、前述のように、第14図のK欄に示すよ
うなデータ形式である。 第17図に示すような、時間的に変化するフイ
ルタ係数KOを供給する記憶装置20は、周波数
特性が時間的に変化する音色を実現する場合に役
立つ。特に、人声音は周波数特性が時間的に微妙
に変化するので、人声音のためのフイルタ係数を
供給するのに適している。すなわち、所望の人声
音の周波数特性変化に対応するようにフイルタ係
数を供給するようにフイルタ係数メモリ121及
びアドレス信号発生回路122を構成すればよい
のである。尚、第18図では、サステイン部では
一定値Asをアドレス信号ADRSとして一定のフ
イルタ係数が読み出されるようにしているが、こ
れに限らず、サステイン部においてもアドレス信
号ADRSの値を微妙に変化させるようにしてもよ
い。例えば、サステイン部においてアドレス信号
ADRSの値を微妙に周期的に変化させ、フイルタ
係数が僅かに周期的に変化するようにするのも効
果的である。 第13図に戻ると、RAM118から読み出さ
れたフイルタイネーブル信号FE1〜FE3は、入
力制御回路37のアンド回路83〜85及び出力
制御回路39のアンド回路124,125,12
6に夫々入力される。アンド回路83〜85のう
ちそこに入力されたフイルタイネーブル信号FE
1〜FE3が“1”となつているものが動作可能
となり、それに対応するシリアル楽音信号(S1〜
S3のうちいずれか1乃至複数)が選択されてシリ
アル加算器86に入力される。前述の通り、
RAM118から読み出されたフイルタイネーブ
ル信号FE1〜FE3のチヤンネルch1〜ch4のタ
イミングは第14図のFS欄に示すようなシリア
ル楽音信号S1〜S3のチヤンネルタイミングに一致
している。従つて、各フイルタチヤンネルch1
〜ch4に対応して設定されている組合せで各サ
ブ系列のシリアル楽音信号S1〜S3が選択される。 シリアル加算器86の詳細について説明する
と、加算器127においてアンド回路84から与
えられるシリアル楽音信号S2とアンド回路85か
ら与えられるシリアル楽音信号S3とを加算し、こ
の加算器127の出力信号とアンド回路83から
与えられるシリアル楽音信号S1とを加算器128
で加算する。加算器127,128は共に、キヤ
リイ入力Ciを有するフルアダーであり、自己のキ
ヤリイ出力Cp+1がアンド回路129,130を介
してキヤリイ入力Ciに夫々入力されるようになつ
ている。キヤリイアウト信号が生じた加算タイミ
ングとキヤリイ出力Cp+1から信号“1”が出力さ
れるタイミングとの間には1タイムスロツトの時
間遅れがあるものとする。第11図bに示したよ
うにシリアル楽音信号S1〜S3においては上位ビツ
トのデータほどより遅いタイムスロツトに割当て
られている。従つて、1タイムスロツト遅れて出
力Cp+1から出力されたキヤリイアウト信号をキヤ
リイ入力Ciに加えることにより、キヤリイアウト
信号を1ビツト上位のデータに加算することがで
きる。アンド回路129,130の他の入力には
タイミング信号発生回路40から発生されたタイ
ミング信号SHを遅延回路131で1タイムスロ
ツト遅延した信号をインバータ132で反転した
ものが与えられる。第14図に示すようにタイミ
ング信号SHは第24、第48、第72、第96タイムス
ロツトで夫々“1”となる信号であり、これを1
タイムスロツト遅延した遅延回路131の出力信
号は第25、第49、第73、第1タイムスロツトで
夫々“1”となる。一方、シリアル楽音信号S1〜
S3は第11図bのようであるため、各チヤンネル
ch1〜ch4のシリアル楽音信号の最下位ビツト
LSBのタイミングで遅延回路131の出力信号
が“1”となり、インバータ132の出力は
“0”となる。その結結果、各チヤンネルch1〜
ch4毎のシリアル加算において、最下位ビツト
LSBのタイムスロツトにおいて別のチヤンネル
のサインビツトSBの演算によつて生じたキヤリ
イアウト信号がキヤリイ入力Ciに与えられるのを
禁止することができる。 一方、出力制御回路39のアンド回路124〜
126の他の入力には制御コードC2が入力され
ている。後述するように、ゼロフイルタ43の出
力信号Zpをこのデイジタルフイルタ回路装置
DFCの出力楽音信号として使用する場合には、
制御コードC1,C2のうちC2が必らず“1”
となるよう定められている。従つて、ゼロフイル
タ43の出力信号Zpを出力楽音信号として使用す
る場合アンド回路124〜126が常時可能化さ
れ、フイルタイネーブル信号FE1〜FE3の値に
応じて該アンド回路124〜126の出力が
“1”または“0”となる。このアンド回路12
4〜126の出力はアンド回路90,91,92
に別々に入力される。一方、アンド回路124〜
126の出力信号を反転した信号がアンド回路1
33,134,135に別々に入力されており、
各アンド回路133〜135の他の入力には各サ
ブ系列のシリアル楽音信号S1〜S3が別々に入力さ
れる。アンド回路90と133の出力はオア回路
136を介して出力端子O1に与えられ、アンド
回路91と134の出力はオア回路137を介し
て出力端子O2に与えられ、アンド回路92と1
35の出力はオア回路138を介して出力端子
O3に与えられる。 ゼロフイルタ43の出力信号Zpを出力楽音信号
として使用する場合、フイルタイネーブル信号
FE1〜FE3が“1”となるチヤンネルタイミン
グに対応してゼロフイルタ43から出力された信
号Zpが、“1”となつている信号FE1〜FE3に
対応するアンド回路90,91,92を介して各
サブ系列に対応する出力端子O1,O2,O3に分配
される。その場合、フイルタイネーブル信号FE
1〜FE3が“0”となつているサブ系列に対応
するアンド回路133,134,135が可能化
され、フイルタを通らないシリアル楽音信号S1〜
S3が出力端子O1,O2,O3に導かれる。つまり、
ゼロフイルタ43の出力信号Zpが分配されなかつ
た出力端子O1〜O3に入力楽音信号S1〜S3がその
まま導かれる。 一方、ゼロフイルタ43の出力信号Zpを出力楽
音信号として使用しない場合は、コードC2が
“0”であり、アンド回路133〜135が常時
可能化されると共にアンド回路90〜92が常時
不能化され、すべての出力端子O1〜O3に入力楽
音信号S1〜S3がそのまま導かれる。 第13図における極フイルタ42及びゼロフイ
ルタ43は第9図及び第10図に示したものと同
じものを用いることができる。ところで、第9
図、第10図では基本構全のみが示されており、
シリアルフイルタ係数データKを並列データに変
換して各ユニツトL1〜L12の乗算器64,6
8…82及びゼロフイルタ42の各乗算器73,
74,81に分配するための回路及び複数チヤン
ネルch1〜ch4に関する時分割的フイルタ演算
を可能にする回路及びシリアルフイルタ演算を可
能にする回路等については図示を省略してある。
そこで、第9図に示すような基本構成から成る極
フイルタ42のフイルタユニツトL1乃至L12
の詳細例につき第19図を参照して説明し、その
次にゼロフイルタ43の詳細例につき説明する。 第19図は極フイルタ42の1段目のフイルタ
ユニツトL1の詳細例を示したものである。他の
フイルタユニツトL2乃至L12もこれと全く同
一もしくはほぼ同一構成である。第9図の加算器
61,62,63及び遅延回路65,66,67
に相当する回路は第19図でも同一符号が付して
ある。また、第9図の乗算器64に相当する回路
部分は第19図では同一符号を用いて包括的に示
してある。 タイミング信号KL,LD,SHを利用してシリ
アルフイルタ係数データKをパラレル変換し、乗
算器64に分配する係数分配回路139は第9図
では省略されていたが第19図では図示されてい
る。この回路139につき、まず説明する。尚、
図において1タイムスロツトの遅延を行なう遅延
回路は「D」なる記号を記したブロツクによつて
表示するものとし、特に説明を要する場合を除き
個々の1タイムスロツト遅延回路の参照番号は省
略する。係数分配回路139は遅延回路列14
0,142,143とラツチ回路141及びフイ
ルタ係数記憶装置144を含んでいる。8個の1
タイムスロツト遅延回路を縦続接続した遅延回路
列(すなわち8ステージの直列シフト並列出力型
シフトレジスタ)140と、この遅延回路列14
0の各遅延回路出力を夫々入力した8個の1ビツ
ト型ラツチ回路から成るラツチ回路141は、シ
リアルフイルタ係数データKをパラレル変換する
ためのものである。遅延回路列140にはシリア
ルフイルタ係数データKが入力される。このデー
タKは各遅延回路で順次シフトされて8タイムス
ロツト後に次段のフイルタユニツトL2に与えら
れる。ラツチ回路141の各ラツチ制御入力Lに
はタイミング信号KLが与えられており、この信
号KLが“1”のとき遅延回路列140の各遅延
回路の出力を各ラツチ回路にラツチする。尚、こ
の例ではラツチ回路141の出力タイミングはラ
ツチタイミングから1タイムスロツト遅れるもの
とする。142及び143は140と同様に8個
の1タイムスロツト遅延回路を縦続接続した遅延
回路列(直列シフト並列出力型シフトレジスタ)
である。遅延回路列142にはタイミングLDが
入力され、143にはタイミング信号SHが入力
される。これらの信号LD,SHは遅延回路列14
2,143の各遅延回路で順次遅延され、8タイ
ムスロツト後に次段のフイルタユニツトL2に与
えられる。 遅延回路列140,142,143及びラツチ
回路141と同様の回路は他のフイルタユニツト
L2乃至L12にも設けられている。従つて、シ
リアルフイルタ係数データK、タイミング信号
LD,SHは各フイルタユニツトL1乃至L12で
8タイムスロツトずつ順次遅延される。一方、タ
イミング信号KLは遅延されることなく各フイル
タユニツトL1乃至L12に同時に供給される。
また、極フイルタ42の最終段のフイルタユニツ
トL12から出力されたデータK、信号KL,
KD,SHはライン93,94(第13図)を介
してゼロフイルタ43に入力される。後述するよ
うに、ゼロフイルタ43の3つの乗算器73,7
4,81(第10図)に対応して第19図の係数
分配回路139(遅延回路列140,142,1
43、ラツチ回路141、記憶装置144)と同
様の回路が設けられており、ライン93,94か
ら入力されたデータK、タイミング信号LD,SH
はゼロフイルタ43の3段の演算段で夫々8タイ
ムスロツトずつ順次遅延される。また、タイミン
グ信号KLは遅延されることなく、ゼロフイルタ
43の各演算段に同時に供給される。 タイミング信号発生回路40(第13図)から
ライン95を介して1段目のフイルタユニツトL
1に与えられる各タイミング信号KL,LD,SH
のパルス発生タイミングは前述の通り第14図の
ようになつている。また、セレクタ87(第13
図)から1段目のフイルタユニツトL1に与えら
れるシリアル楽音信号FSのチヤンネルタイミン
グ、及びセレクタ120(第13図)からライン
96を介してユニツトL1に与えられるシリアル
フイルタ係数データKのチヤンネルタイミングも
第14図の通りである。 第14図から明らかなように、1チヤンネル分
のフイルタ係数データKのシリアル送出を完了し
た直後にタイミング信号KLが発生される。第1
2図aに示すように、1チヤンネル分のシリアル
フイルタ係数データKは後段の演算段(乗算器8
1,74,73、フイルタユニツトL12〜L
1)に対応するもの(K15,K14,…K1)から順
に送出される。従つて、タイミングKLが発生し
たとき、個々の極フイルタユニツトL1乃至L1
2及びゼロフイルタ演算段に対応する8ビツトの
フイルタ係数K1〜K15は、各々に対応する所定の
演算段の遅延回路列(第19図の140に相当す
るもの)に丁度入つており、これらが各演算段内
のラツチ回路(第19図の141に相当するも
の)に夫々ラツチされる。こうして、シリアルフ
イルタ係数データKが夫々所定のフイルタユニツ
トL1乃至L12及びゼロフイルタ演算段におい
て並列データK1〜K15に変換される。この並列デ
ータは次のラツチタイミングが到来するまでラツ
チ回路(第19図では141)で保持される。例
えば、第14図に示す第1サンプリング周期の第
23タイムスロツトでタイミング信号KLが発生し
たときはチヤンネルch4のフイルタ係数データ
が各ユニツトL1乃至L12及びゼロフイルタ演
算段のラツチ回路(第19図の141)に夫々ラ
ツチされ、次に第2サンプリング周期の第47タイ
ムスロツトでタイミング信号KLが発生するまで
チヤンネルch4のフイルタ係数が保持される。
従つて、ラツチ回路141から出力されるフイル
タ係数のチヤンネルch1乃至ch4を示すと、第
14図のKDのようになる。 第19図において、フイルタ係数記憶装置14
4は各チヤンネルch1乃至ch4のフイルタ係数
を夫々記憶し、これらを各チヤンネルのシリアル
楽音信号FSのタイミングに合わせて乗算器64
に供給するためのものである。フイルタ係数記憶
装置144は、フイルタ係数の各ビツトに対応す
る8個のシフトレジスタSR1乃至SR8から成
る。8ビツトから成るフイルタ係数の各ビツトを
ラツチした各ラツチ回路141の出力は、各々に
対応するシフトレジスタSR1乃至SR8のKDi入
力に加えられる。シフトレジスタSR1乃至SR8
のうちSR1がフイルタ係数の最下位ビツトLSB
に対応し、SR7が係数の最上位ビツトMSBに対
応し、SR8がサインビツトSBに対応する。尚、
8ビツトのフイルタ係数データはサイン・マグニ
チユーード形式で表わすものとし、下位7ビツト
でフイルタ係数の絶対値を表わし、その上位のサ
インビツトSBで係数の正負符号(“0”のとき
正、“1”のとき負)を表わす。係数の最上位ビ
ツトMSBすなわちシフトレジスタSR7に対応す
るビツトの重みが10進数の0.5であるとする。 フイルタユニツトL1に入力されたタイミング
信号SH及びLDはシフトレジスタSR1のSHi入
力及びLDi入力に夫々入力される。また、遅延回
路列142及び143でこれらの信号LD,SHを
順次遅延したものがシフトレジスタSR2乃至SR
8のSHi入力及びLDi入力に夫々入力される。
尚、遅延回路列142,143における5段目の
遅延回路145,146はどのレジスタにも入力
されないが、これは乗算器64における後述の演
算時間遅れに合わせるために設けられたものであ
る。 シフトレジスタSR1乃至SR8の各々は第20
図に示すように構成されている。1タイムスロツ
トの遅延時間をもつ4つの遅延回路147,14
8,149,150によつて4ステージのシフト
レジスタが構成されている。KDiはデータ入力で
あり、LDiは新データ取り込み制御入力、SHiは
シフト制御入力である。KDi入力に与えられた新
データは、LDi入力とSHi入力の両方に信号
“1”が与えられたときタイミング151及びオ
ア回路160を介して1ステージ目の遅延回路1
47に取り込まれる。SHi入力の信号が“0”の
とき、この信号を反転したインバータ164の出
力が“1”であり、ホールド用のアンド回路15
3,155,157,159が可能化されて各遅
延回路147,148,149,150の出力が
該アンド回路153,155,157,159及
びオア回路160,161,162,163を介
して自己保持される。SHi入力の信号が“1”の
とき上記ホールド用のアンド回路153,15
5,157,159が不能化され、シフト用アン
ド回路152,154,156,158が可能化
される。これにより、1ステージ目の遅延回路1
47の出力Q1は2ステージ目の遅延回路148
に、2ステージ目の出力Q2は3ステージ目の遅
延回路149に、3ステージ目の出力Q3は4ス
テージ目の遅延回路150に、4ステージ目の出
力Q4は1ステージ目の遅延回路147に、夫々
シフトされる。尚、LDi入力の信号をインバータ
165で反転した信号がアンド回路152に入力
されており、新データを1ステージ目の遅延回路
147に取り込むときは4ステージ目の出力Q4
が1ステージ目にシフトされるのを禁止してい
る。以上の構成によつて、タイミング信号LDに
もとづく信号“1”がLDi入力に与えられる毎に
(120タイムスロツト毎に)フイルタ係数データが
ラツチ回路141(第19図)からシフトレジス
タSR1乃至SR8の1ステージ目に取込まれ、か
つタイミングSHにもとづく信号“1”がSHi入
力に与えられる毎に(24タイムスロツト毎に)各
シフトレジスタSR1乃至SR8の各ステージのデ
ータが次段にシフトされる。 1段目のフイルタユニツトL1のシフトレジス
タSR1についてみると、KDi入力を介して1ス
テージ目の遅延回路147にラツチ回路141の
フイルタ係数データが取込まれるのはタイミング
信号LDの発生時である。すなわち、第1サンプ
リング周期の第24タイムスロツトではチヤンネル
ch4のフイルタ係数データが、第2サンプリン
グ周期の第48タイムスロツトではチヤンネルch
1のデータが、第3サンプリング周期の第72タイ
ムスロツトではチヤンネルch2のデータが、第
4サンプリング周期の第96タイムスロツトではチ
ヤンネルch3のデータが、夫々1ステージ目に
取込まれる(第14図のLD及びKD及びL1の
SR1参照)。タイミング信号LDの1周期の間に
タイミング信号SHが5回発生するので、シフト
レジスタSR1におけるシフトは5回行なわれる。
従つて、第1サンプリング周期の第24タイムスロ
ツトで1ステージ目の遅延回路147に取り込ん
だチヤンネルch4のデータは、第48、72、
96、24タイムスロツトで信号SHが発生する
毎に(第14図のSH参照)、2ステージ目、3ス
テージ目、4ステージ目、1ステージ目と順にシ
フトされ、次に第2サンプリング周期の第48タイ
ムスロツトでチヤンネルch1のデータが1ステ
ージ目の遅延回路147に取込まれるとき、先に
取込んだチヤンネルch4のデータは2ステージ
目の遅延回路148にシフトされる。こうして、
シフトレジスタSR1の各ステージ(遅延回路1
47〜150)に各チヤンネルch1乃至ch4の
フイルタ係数データが順次取込まれる。タイミン
グ信号LDの4周期すなわち5サンプリング周期
で、シフトレジスタSR1における各チヤンネル
ch1乃至ch4のフイルタ係数データの書替えが
1通り完了する。そして、この書替えは5サンプ
リング周期毎に繰返し行なわれる。以上のような
制御によつて、1段目のフイルタユニツトL1の
シフトレジスタSR1の各ステージ(遅延回路1
47〜150)の出力Q1,Q2,Q3,Q4に
現われるフイルタ係数のチヤンネルch1乃至ch
4は、第14図のL1のSR1に示すように変化
する。 第19図に戻ると、フイルタユニツトL1にお
ける他のシフトレジスタSR2乃至SR8のSHi入
力及びLDi入力にはシフトレジスタSR1のSHi入
力及びLDi入力に加わる信号SH及びLDを夫々順
次1タイムスロツトづつ遅延した信号が加わる。
従つて、これらのシフトレジスタSR2乃至SR8
における各ステージの出力Q1〜Q4の変化のパ
ターンは第14図のL1のSR1に示したシフト
レジスタSR1のそれと同じたが、その変化のタ
イミングが順次1タイムスロツトづつ遅れたもの
となる。但し、シフトレジスタSR5とSR6との
間には余分の遅延回路145,146が設けられ
ているのでシフトレジスタSR6における変化の
タイミング(シフトタイミング)はSR5のそれ
よりも2タイムスロツト遅れる。こうして、1つ
のフイルタユニツトにつき合計8タイムスロツト
の遅れを出しながら各シフトレジスタSR1乃至
SR8の変化タイミング(シフトタイミング)が
順次ずれてゆく。 第19図のフイルタユニツトL1においては、
シフトレジスタSR1乃至SR8の出力Qとして4
ステージ目の出力Q4(第20図参照)が取り出
され、乗算器64に入力される。 さて、順向入力端子FS−IN(FSi)から入力さ
れたシリアル楽音信号FSはインバータ166で
反転されて、加算器61のB入力に与えられる。
加算器61は全加算器であり、遅延回路66を介
して次段のフイルタユニツトL2からフイードバ
ツクされる楽音信号がA入力に与えられる。Cp+1
はキヤリイアウト出力であり、キヤリイアウト信
号が生じた加算タイミングとこの出力Cp+1に信号
“1”が出力されるタイミングとの間には1タイ
ムスロツトの時間遅れがあるものとする。キヤリ
イアウト出力Cp+1の出力信号はオア回路2を介し
て加算器61のCi入力に与えられる。第11図b
に示したようにシリアル楽音信号FSにおいては
上位ビツトのデータほどより遅いタイムスロツト
に割当てられている。従つて、1タイムスロツト
遅れで出力Cp+1から出力されたキヤリイアウト信
号をCi入力に加えることにより、キヤリイアウト
信号を1ビツト上位のデータに加算することがで
きる。オア回路2の他の入力には遅延回路列14
3の1段目の遅延回路167から出力される信号
SH1が与えられる。この信号SH1は第14図に
示すように発生するタイミング信号SHを1タイ
ムスロツト遅延させたものであるり、第25、第
49、第73及び第1タイムスロツトにおいて“1”
となる信号である。一方、入力端子FS−IN
(FSi)に入力されるシリアル楽音信号FSは第1
1図bのようであるため、各チヤンネルch1乃
至ch4のシリアル楽音信号の最下位ビツトLSB
のタイミングに対応して信号SH1が“1”とな
ることになり、加算器61では最下位ビツト
LSBのタイミングで繰返し“1”が加算される。
この操作は、入力端子FS−INから加算器61の
B入力に与えられる楽音信号FSを負の値に変換
するためのものである。すなわち、楽音信号FS
をインバータ166で反転し、その最下位ビツト
LSBに1を加算することにより、2の補数形式
の負の値に変換する操作が行なわれている。尚、
入力端子FS−INに与えられる楽音信号FSも負の
値は2の補数形式で表わされているものとする。
従つて、楽音信号FSが負の値のときは、上記イ
ンバータ166及び信号SH1による2の補数化
操作によつて実質的に正の値に変換されることに
なる。こうして、加算器61では、逆向入力端子
BS−IN及び遅延回路66を介してA入力に与え
られるフイードバツクされた楽音信号の振幅デー
タから順向入力端子FS−INに与えられた楽音信
号の振幅データを減算する操作が行なわれる。 加算器61の出力は遅延回路168に入力され
ると共にラツチ回路169のデータ入力に与えら
れる。加算器61と遅延回路168との間に示さ
れた入力ポイントP1から後述のオア回路202
の出力側に示された出力ポイントP6までの部分
が乗算器64に相当する。フイードバツク楽音信
号と入力楽音信号FSとの差を示す加算器61の
出力信号は遅延回路168で24タイムスロツト遅
延され、排他オア回路3に与えられる。排他オア
回路3の出力は加算器4のA入力に与えられる。
遅延回路168、ラツチ回路169、排他オア回
路3及び加算器4は、2の補数形式で表わされた
加算器61の出力信号をサイン・マグニチユード
(サインビツトと絶対値)形式に変換するための
ものである。 ラツチ回路169のラツチ制御入力Lにはタイ
ミング信号SHが入力される。信号SHが発生する
第24タイムスロツトまたは第48、第72、第96タイ
ムスロツトでは、加算器61からはサインビツト
SBを表わす信号が出力されている(第11図b
参照)。従つて、サインビツトSBの値がラツチ回
路169にラツチされる。このラツチ回路169
の出力は排他オア回路3及びアンド回路5に与え
られる。例えば、第24タイムスロツトでチヤンネ
ルch1に関するサインビツトSBをラツチし、ラ
ツチした信号を第25タイムスロツトから第48タイ
ムスロツトまでの24タイムスロツトの間該ラツチ
回路169から出力しているとき、第1乃至第24
タイムスロツトで加算器61から出力されたチヤ
ンネルch1に関する信号を24タイムスロツト遅
延した信号が遅延回路168から出力される。従
つて、ラツチ回路169から出力されるサインビ
ツト信号と遅延回路168から出力される信号の
チヤンネルは合致している。ラツチ回路169に
ラツチされたサインビツト信号が“0”すなわち
正のとき、遅延回路168の出力信号は排他オア
回路3をそのまま通過し、加算器4のA入力を介
してS出力からそのまま出力される。サインビツ
ト信号が“1”すなわち負のとき、遅延回路16
8の出力信号は排他オア回路3で反転される。こ
のときラツチ回路169の出力“1”によつてア
ンド回路5が可能化され、信号SH1のタイミン
グでアンド回路5から“1”が出力され、オア回
路6を介して加算器4のCi入力に“1”が与えら
れる。この信号SH1はタイミング信号SHを1タ
イムスロツト遅延した信号であり、最下位ビツト
に対応している。例えば、チヤンネルch1に関
する信号が遅延回路168から出力される第25乃
至第48タイムスロツトにおいては、第25タイムス
ロツトで信号SH1が“1”となり、最下位ビツ
トに関する排他オア回路3の出力信号に対して加
算器4で1が加算される。加算の結果生じたキヤ
リイアウト信号は1タイムスロツトれて出力Cp+1
から出力され、アンド回路7、オア回路6を介し
てCi入力に与えられる。アンド回路7の他の入力
には信号SH1やインバータ170で反転した信
号1が与えられる。最下位ビツトの演算タイ
ミングでは信号1の“0”によつてアンド回
路7が不能化され、演算タイミングが先行するチ
ヤンネルの最上位ビツトからのキヤリイアウト信
号を禁止するようにしている。排他オア回路3に
おける反転と最下位ビツトへの1加算とによつ
て、2の補数で表わされた負の値が絶対値に変換
される。 以上の構成によつて、加算器4の出力Sからは
加算器61の出力信号を絶対値で表わした信号
FS′が出力される。この信号FS′の状態をチヤン
ネルch1乃至ch4に関して示すと、第14図の
FS′のようであり、入力楽音信号FSのタイミング
よりも24タイムスロツト遅れている。この信号
FS′は第11図bに示す信号FSと同様に1チヤン
ネルにつき24ビツト(タイムスロツト)のシリア
ルデータであり、最下位ビツトLSBが先行して
いる。 乗算器64では、加算器4から出力された24ビ
ツトのシリアルデータFS′に各シフトレジスタSR
1乃至SR8から出力された8ビツトのフイルタ
係数を乗算する。24ビツトと8ビツトのシリアル
乗算では普通32タイムスロツト分の演算時間が必
要であるが、24タイムスロツト毎に各系列の時分
割演算を行なわねばならないため下位8ビツト分
の乗算結果は切捨て、サインビツトも含めて上位
24ビツト分の積を求めるようにしている。乗算器
64は、シフトレジスタSR1乃至SR7から並列
的に出力されるフイルタ係数の絶対値部分の各ビ
ツトに対応する7個の乗算器部分M1乃至M7を
含んでいる。これらの部分M1乃至MM7は順に
縦続接続されている。部分M4,M5,M6に関
しては詳細図を省略したが、部分M2及びM3と
同一構成である。 各部分M1乃至M7は部分積を求めるためのア
ンド回路171,172,173,…174を
夫々含んでおり、各アンド回路171乃至174
に各シフトレジスタSR1乃至SR7から出力され
るフイルタ係数の絶対値部分の各ビツトk1,k2…
k7が夫々入力される。また部分M1乃至M6は縦
続接続された遅延回路175,176,177…
を夫々含んでおり、加算器4の出力信号FS′をこ
れらの遅延回路175,176,177…で1タ
イムスロツトずつ順次遅延し、各々の遅延出力を
上記アンド回路172,173…174に夫々印
加する。部分M1のアンド回路171には遅延さ
れていない信号FS′が印加される。部分M2乃至
M7は加算器178,179,…180を夫々含
んでおり、各アンド回路171乃至174で求め
た部分積をこれらの加算器178乃至180で加
算する。信号FS′が各遅延回路175,176,
177で順次遅延されるので、個々のタイムスロ
ツト毎の各アンド回路171乃至174の出力の
重みは一致しており、従つて加算器178乃至1
80では同じ重み同士の部分積を加算することが
できる。 加算器178乃至180において、個々のビツ
トの部分積すなわちアンド回路172乃至174
の出力はA入力に夫々印加される。B入力には部
分積もしくは部分積の和がアンド回路181,1
82,183…を介して入力される。アンド回路
181にはアンド回路171の出力及びインバー
タ170の出力信号1が入力される。アンド
回路182,183…には加算器178,179
…の出力S及び上記信号1を遅延回路184,
185,186…で順次遅延した信号が加わる。
これらのアンド回路181,182,183…は
下位の部分積を切捨てるためのものである。各加
算器178,179,…180のキヤリイアウト
出力Cp+1はアンド回路188,189…190を
介してキヤリイイン入力Ciに入力される。アンド
回路188,189…190の他の入力には信号
SH1を遅延回路184,185,186…で順
次遅延した信号が加わる。アンド回路188,1
89…190は同チヤンネルに関するキヤリイア
ウト信号の加算を可能にする一方で、演算タイミ
ングが先行する別のチヤンネルの最上位ビツトに
関するキヤリイアウト信号がその次のチヤンネル
の最下位ビツトに加算されないようにするための
ものである。 部分M5とM6の間に設けられた遅延回路19
1,192,193は、部分M1乃至M5におけ
るアンド回路181,182,183…及び加算
器178,179…の動作遅れを補償するための
ものである。これらの部分M1乃至M5における
演算動作遅れ時間の合計(これは1タイムスロツ
トに満たないものである)を遅延回路192でタ
イムスロツトの変化に同期させて1タイムスロツ
トの遅れとし、かつ、これに合わせるために遅延
回路175,176,177の経路に遅延回路1
91を挿入し、遅延回路184,185,186
…の経路に遅延回路193を挿入してある。ま
た、この遅れに合わせるため、遅延回路列142
及び143に余分の遅延回路145,146が挿
入されている。 こうして、信号FS′とフイルタ係数の絶対値部
分(ビツトk1〜k7)との積に相当するシリアルデ
ータが部分M7の加算器180から出力される。
この加算器180の出力は排他オア回路194を
介して加算器195のA入力に加わる。排他オア
回路194及び加算器195は信号FS′とフイル
タ係数のサインビツト同士の乗算結果に応じて積
を2の補数形式に変換するためのものである。フ
イルタ係数のサインビツトSBを示すデータk8は
シフトレジスタSR8から排他オア回路196に
入力される。信号FS′のサインビツトはラツチ回
路169にラツチされている。このラツチ回路1
69の出力信号をシフトレジスタSR8の出力に
同期させるためにラツチ回路197が設けられて
おり、ラツチ回路169の出力を遅延回路列14
8の8段目の遅延回路198の出力が“1”とな
るタイミングでラツチする。このラツチ回路19
7の出力が排他オア回路196の他の入力に与え
られる。ラツチ回路197のラツチタイミングと
シフトレジスタSR8のシフトタイミングが同じ
であるため、同じチヤンネルに関するフイルタ係
数のサインビツトデータと信号FS′のサインビツ
トデータとが同期して排他オア回路196に入力
されることになる。排他オア回路196は両者の
サインビツトが不一致のとき負を示す“1”を出
力し、一致しているとき正を示す“0”を出力す
る。この排他オア回路196の出力が“0”のと
きつまり積のサインが正のときは、加算器180
の出力は排他オア回路194及び加算器195を
そのまま通過し、アンド回路199に与えられ
る。排他オア回路196の出力が“1”のときつ
まり積のサインが負のときは、加算器180の出
力は排他オア回路194で反転され、加算器19
5のA入力に加わる。加算器195のCi入力に
は、排他オア回路196の出力が“1”のとき後
述のように最下位ビツトのタイミングでアンド回
路200からオア回路201を介して“1”が与
えられるようになつている。こうして、負の値の
積は2の補数形式に変換される。 2の補数形式で表わされた積は加算器195か
ららアンド回路199及びオア回路202を介し
て加算器62のA入力に与えられる。尚、加算器
195及び62のキヤリイアウト出力Cp+1のキヤ
リイイン入力Ciへの供給を制御するアンド回路2
03及び204は前記アンド回路188,18
9,…190と同じ目的で設けられたものであ
る。 加算器180の出力を入力したオア回路20
5、アンド回路206、遅延回路207から成る
ループは積が全ビツト“0”あるか否かを検出す
るためのものである。信号1を7タイムスロ
ツト遅延した信号8がアンド回路206に加
えられており、このループの記憶内容がこの信号
SH8によつてリセツトされる。加算器180の
出力が1度でも“1”になると、このループ20
5,206,207に“1”が記憶される。加算
器180の出力が1度も“1”にならなかつたと
き、すなわち積がオール“0”のときこのループ
205〜207には“1”が記憶されず、“0”
のままである。遅延回路207及び排他オア回路
196の出力がアンド回路208に入力されてい
る。積がオール“0”でなければ、排他オア回路
196の出力すなわちサインビツトの積がそのま
まアンド回路208を通過する。積がオール
“0”ならば、アンド回路208が不能化され、
排他オア回路196の出力の如何にかかわらず該
アンド回路208の出力は“0”(つまり正のサ
インを示す)となる。アンド回路208の出力は
アンド回路209及びオア回路202を介して加
算器62のA入力に与えられる。アンド回路20
9は信号8をインバータ210で反転した信
号によつてサインビツトのタイミングでだけ可能
化されるようになつている。従つて、アンド回路
208の出力が積のサインビツトを示すものとな
り、積がオール“0”のときはサインビツトは強
制的に“0”つまり正とされる。 次に、第19図及び第21図を参照して演算動
作の細部につき説明する。第21図のタイムスロ
ツトの欄には第1サンプリング周期の第25タイム
スロツト乃至第56タイムスロツトが示されてい
る。ここに示された合計32タイムスロツトを利用
してチヤンネルch1に関する24ビツトの信号
FS′と8ビツトのフイルタ係数との乗算が行なわ
れる。ただし32タイムスロツトのうち最初の8タ
イムスロツト(第25乃至第32タイムスロツト)は
チヤンネルch1に先行するチヤンネルch4に関
する上位ビツトの演算タイミングでもあり、この
部分ではチヤンネルch4に関する演算を優先し、
チヤンネルch1に関する演算は切捨てるように
している。従つて、チヤンネルch1に関する実
質的な乗算演算が行なわれるのは第33乃至第56タ
イムスロツトの合計24タイムスロツトの期間にお
いてである。 第21図のk1乃至k8の欄にはシフトレジスタ
SR1乃至SR8から並列的に出力されるフイルタ
係数の各ビツトk1乃至k8の状態がチヤンネルch
1乃至ch4に関して示されている。シフトレジ
スタSR1から出力されるフイルタ係数の最下位
ビツトk1は、第14図のL1のSR1欄のQ4に
も示したように第25タイムスロツト乃至第48タイ
ムスロツトの間チヤンネルch1に関するもので
あり、第49タイムスロツトからはチヤンネルch
2に関するものに切換わる。前述の通り、シフト
レジスタSR1乃至SR8のシフトタイミングは1
タイムスロツトずつ順次ずれているので、シフト
レジスタSR2から出力されるビツトk2は第26タ
イムスロツトでチヤンネルch1に関するものに
切換わり、k3乃至k7に関しては、第21図に示し
ていないが、第27、第28、第29、第31、第32タイ
ムスロツトで夫々チヤンネルch1に切換わる。
そして、シフトレジスタSR8から出力されるビ
ツトk8は第33タイムスロツトでチヤンネルch1
に切換わる。尚、余分の遅延回路145,146
が設けられていることにより、シフトレジスタ
SR6から出力されるビツトk6は第30タイムスロ
ツトではなく第31タイムスロツトでチヤンネル
ch1に切換わる。 第21図のFS′の欄には加算器4からシリアル
に出力される信号FS′の状態を示した。第14図
のFS′の欄にも示したように第25から第48タイム
スロツトまでの24タイムスロツトの間チヤンネル
ch1に関する信号FS′が出力される。第21図に
は、このチヤンネルch1に関する信号FS′の各ビ
ツトF1乃至F24のタイミングが示されている。F1
が最下位ビツトLSBである。 第21図の171乃至174の欄には、各乗算
器部分M1乃至M7の部分積演算用アンド回路1
71乃至174において各タイムスロツト毎に実
行されるチヤンネルch1に関する部分積演算の
状態が示されている。例えば、「F1・k1」は信号
SF′の最下位ビツトF1にフイルタ係数の最下位ビ
ツトk1を乗算することを示す。図から明らかなよ
うに、部分M1のアンド回路171では下位ビツ
トから順にシリアルに与えられる信号FS′のF1,
F2,F3…F24に対して常にフイルタ係数の最最下
位ビツトk1が乗算される。ビツトk1がチヤンネル
ch1に切換わるタイミングとチヤンネルch1の
信号FS′の最下位ビツトF1がアンド回路171に
与えられるタイミングとが一致しており、すなわ
ちそれは第25タイムスロツトであり、この第25タ
イムスロツトでアンド回路171から部分積
「F1・k1」が出力される。従つて、ビツトk1がチ
ヤンネルch1に関する値を維持する24タイムス
ロツト(第25から第48タイムスロツトまで)の間
で、第21図に示すように、信号FS′の各ビツト
F1乃至第F24とフイルタ係数の最下位ビツトk1と
の部分積「F1・k1」乃至「F24.k1」がアンド回路
171で順次求められる。フイルタ係数の他のビ
ツトk2と乃至k7と信号FS′との乗算も上述と同様
にして各部分M2乃至M7のアンド回路172乃
至174で夫々実行される。ただし、信号FS′を
遅延回路175,176,177…で順次遅延し
たものと各ビツトk2乃至k7とを乗算するため、演
算タイミングは第21図に示すように順次ずれて
いる。 第21図の1乃至9の欄には、信号
1及びこの信号1を遅延回路184〜187
で順次遅延した信号2乃至9の状態が示し
てある。遅延回路184から出力される信号
2は信号1よりも1タイムスロツト遅れてお
り、遅延回路185から出力される信号3は
信号1よりも2タイムスロツト遅れている。
また、部分M6内の遅延回路(図示せず)から出
力される信号8は、信号1を7タイムスロ
ツト遅延したものである。部分M7の遅延回路1
87から出力される信号9は信号8を更に
1タイムスロツト遅延したものである。 第25タイムスロツトでは、信号1の“0”
によつて部分M1のアンド回路181が不能化さ
れ、アンド回路171から出力される部分積
「F1・k1」が切捨てられる。このとき部分M2乃
至M7では演算タイミングが先行するチヤンネル
ch4の部分積を求めており、チヤンネルch4に
関する乗算結果が乗算器64から出力される。 次の第26タイムスロツトでは、信号2の
“0”によつて部分M2のアンド回路182が不
能化され、アンド回路171から出力された部分
積「F2・k1」とアンド回路172から出力され
た部分積「F1・k2」の和すなわち加算器178
の出力が切捨てられる。このとき部分M3乃至M
7ではチヤンネルch4の部分積を求めており、
チヤンネルch4に関する乗算結果が乗算器64
から出力される。 以後、第31タイムスロツトまで、信号1の
遅延信号3…によつてチヤンネルch1に関す
る乗算結果が切捨てられる。すなわち、第31タイ
ムスロツトでは、信号1を6タイムスロツト
遅延した信号7(図示せず)によつて部分M
6の加算器(図示せず)の出力が禁止される。こ
のとき、この部分M6の加算器からは「F6・k1
+F5・k2+F4・k3+F3・k4+F2・k5+F1・k6」
なる部分積の和が出力されている。第21図を参
照すると「F6・k1」、「F5・k2」、「F4・k3」…は
第30タイムスロツトのときの部分積であるが、前
述の通り、部分M1乃至M5の部分積の和は遅延
回路192で1タイムスロツト遅延されるので、
部分M6からは第31タイムスロツトで出力され
る。 第32タイムスロツトでは、部分M1乃至M7で
はチヤンネルch1の乗算結果の切捨ては行なわ
れない。従つて、部分M7の加算器180からは
「F7・k1+F6・k2+F5・K3+…+F1・k7」なる部
分積の和が出力される。しかし、この加算器18
0の出力は排他オア回路194及び加算器195
を経由してアンド回路199に入力されており、
このアンド回路199の他の入力に加わる信号
SH8の“0”によつて禁止される。従つて、第
32タイムスロツトでもチヤンネルch1の乗算結
果は切捨てられる。前述の通り、この第32タイム
スロツトまでは、演算タイミングが先行するチヤ
ンネルch4の乗算結果が乗算器64から(その
出力回路であるオア回路202から)出力され
る。 第33タイムスロツトから第48タイムスロツトま
では信号SH1乃至SH8はすべて“1”であり、
アンド回路181,182,183…199がす
べて可能化されている。従つて、この間は、部分
M1乃至M7で求めたチヤンネルch1に関する
すべての部分積の和が乗算器64から出力され
る。第49タイムスロツトから第56タイムスロツト
において信号1乃至8は順次“0”となる
が、これは次のチヤンネルch2に関する部分積
を切捨てるために作用し、チヤンネルch1に関
する乗算結果は乗算器64から確実に出力され
る。従つて、チヤンネルch1に関する実質的な
乗算結果は第33タイムスロツトから第56タイムス
ロツトまでの24タイムスロツトにおいて乗算器6
4から出力される。 チヤンネルch1に関するシリアル乗算出力の
各ビツトS1乃至S23のタイミングを第21図の
Moutの欄に示す。第33タイムスロツトで出力さ
れる乗算結果の最下位ビツトS1は、上述から明ら
かなように、下記のような部分積の和から成る。
更に、S2,S3,…S21,S22,S23は下記の通りで
ある。 S1=F8・K1+F7・K2+F6・K3+…+F2・K7 S2=F9・K1+F8・K2+F7・K3+…+F3・K7 S3=F10・K1+F9・K2+F8・K3+…+F4・K7 〓 S21=F24・K5+F23・K6+F22・K7 S22=F24・K6+F23・K7 S23=F24・K7 尚、信号FS′の最上位ビツトF24は加算器61
の出力のサインビツトの部分であり、正のとき
“0”がそのまま排他オア回路3を通過し、負の
ときは“1”が排他オア回路3で反転されて
“0”とされるので、F24は常に“0”である。 第21図から判かるように信号9は乗算出
力の最下位ビツトS1のタイミングで“0”とな
る。従つて、この信号9をインバータ211
で反転したものをアンド回路200に入力するこ
とにより、加算器195における2の補数変換の
ために最下位ビツトへの1加算を行なうことがで
きる。 また、オール“0”検出のためのループ205
〜207のアンド回路206には信号8が入
力されている。第21図から判るように、信号
SH8は乗算出力の最下位ビツトS1の直前で“0”
となる。従つて、新たな乗算結果が加算器180
から出力される直前に(例えば第32タイムスロツ
トで)ループ205〜207がリセツトされる。
そして、加算器180から出力される乗算結果の
どのビツトも“0”の場合は、乗算出力の最上位
ビツトS23の出力タイミングの次のタイムスロツ
ト(例えば第56タイムスロツト)では依然として
遅延回路207から“0”が出力されている。こ
のように、シリアル乗算出力の最上位ビツトS23
のタイミングの次のタイムスロツトで、乗算出力
の全ビツトが“0”か否かが正式に判かる。この
とき、信号8をインバータ210で反転した
信号によつてアンド回路209が可能化され、乗
算出力のサインビツトを示すデータが選択され
る。前述の通り、このサインビツトデータは通常
は排他オア回路196の出力信号であるが、乗算
出力がオール“0”のときは遅延回路207の出
力“0”にもとづき強制的に“0”にされる。 こうして、オア回路202を経由して加算器6
2のA入力に与えられる乗算器64の出力は、最
下位ビツトから順に現われる23ビツトのシリアル
データS1乃至S23であり、その次のタイムスロツ
トにサインビツトが割当てられているものであ
る。また、負の値に関してはこれらの乗算出力デ
ータS1乃至S23は2の補数形式で表現されている。 一方、加算器62のB入力に遅延回路65から
与えられる楽音信号dFSは第21図のようになつ
ている。すなわち、第1乃至第24タイムスロツト
の間で入力端子FS−INに与えられたチヤンネル
ch1の楽音信号FSが遅延回路65で32タイムス
ロツト遅延されることにより、遅延回路65から
は第33乃至第56タイムスロツトの間でチヤンネル
ch1の楽音信号dFSが出力される。従つて、加算
器62のA入力とB入力に加わる信号のチヤンネ
ルは一致しており、同じチヤンネルの乗算器出力
と楽音信号とを加算することができる。ところ
で、楽音信号の最下位ビツトLSB(これは信号
FS′のビツトF1と同じ重みである)の重みを10進
数の「1」とした場合、乗算器64の出力の最下
位ビツトS1の重みも10進数の「1」である。この
ビツトS1は前述の通り「F8・K1+…+F2・K7」
なる部分積の和から成るものである。ここで部分
積「F2・K7」に注目してみると、ビツトF2はビ
ツトF1の1ビツト上であるため10進数の「2」
の重みであり、「F2・K7」が10進数の「1」の重
みであることからビツトK7は10進数「0.5」の重
みであることがわかる。このように、フイルタ係
数K1〜K7の最上位ビツトK7の重みが「0.5」とな
るように演算処理が施されている。このことは、
フイルタ係数の絶対値が1未満の数であることを
意味する。 加算器62の出力が順向出力端子FS−OUTを
経由して次段のフイルタユニツトL2に入力され
る。次段のフイルタユニツトL2では、その順向
入力端子(第19図のFS−INに相当するもの)
を経由して前段のフイルタユニツトL1から与え
られる楽音信号及びシフトレジスタ(第19図の
SR1乃至SR8に相当するもの)に記憶されたフ
イルタ係数等にもとづき前述と同様の演算を行な
う。ただし、各フイルタユニツトL1乃至L12
における入力端子FS−INと出力端子FS−OUT
との間の楽音信号の時間遅れが32タイムスロツト
であるのに対して、タイミング信号LD及びSHの
時間遅れは8タイムスロツトであるため、他のユ
ニツトL2乃至L12のすべてを前述のユニツト
L1と全く同一構成とすると、乗算器(第19図
の64に相当する)におけるフイルタ係数K1〜
K8と信号FS′のチヤンネルにずれが生じてしま
う。そこで、各ユニツトL1乃至L12の乗算器
(第19図の64に相当する)におけるフイルタ
係数K1〜K8と信号FS′のチヤンネルを一致させる
ために、シフトレジスタSR1乃至SR8の出力Q
として取り出すステージを各ユニツトL1乃至L
12毎に次のように異ならせるものとする。すな
わち、ユニツトL1ではシフトレジスタSR1乃
至SR8の出力Qとして第4ステージの出力Q4
(第20図参照)を取り出しているが、ユニツト
L2では第1ステージの出力Q1、ユニツトL3
では第2ステージの出力Q2、ユニツトL4では
第3ステージの出力Q3、ユニツトL5では第4
ステージの出力Q4、というように、出力Qとし
て取り出すステージを順次ずらすようにする。 第22図は、第10図に示されたゼロフイルタ
を更に詳細に示したものであり、第10図の乗算
器73,74,81、加算器75,76、遅延回
路77,78,79,80に相当する回路は第2
2図でも同一符号が付してある。シリアルフイル
タ係数データKをタイミング信号KL,LD,SH
に応じてパラレルなフイルタ係数データに変換し
て各乗算器73,74,81に分配するための係
数分配回路212,213,214は第10図で
は省略されているが第22図では図示されてい
る。 各演算段における乗算器73,74,81及び
係数分配回路212,213,214の内部構成
は第19図に示されたもの(64及び139)と
同一のものを用いることができる。すなわち、乗
算器73,74,81の各々は、第19図に示さ
れた乗算器64と同一構成とすることができ、係
数分配回路212,213,214の各々は、第
19図の係数分配回路139(遅延回路列14
0,142,143、ラツチ回路141及び係数
記憶装置144から成る部分)と同一構成とする
ことができる。詳しくは、第1の演算段における
乗算器73と係数分配回路212のブロツクにお
ける入力ポイントP1,P2,P3,P4,P5
及び出力ポイントP6,P7,P8,P9,P1
0,P11は、第19図における同一符号のポイ
ントに相当するものであり、第19図の遅延回路
168及びラツチ回路169の入力側に示された
入力ポイントP1からオア回路202の出力側に
示された出力ポイントP6及び信号9のライ
ンに示された出力ポイントP7に至る乗算器64
の詳細回路と第22図の乗算器73の詳細回路は
全く同一である。また、第19図のデータK及び
各信号KL,LD,SHの入力ラインに示された入
力ポイントP2〜P5から出力ラインに示された
出力ポイントP8〜P11に至る係数分配回路1
39の詳細回路と第22図の係数分配回路212
の詳細回路は全く同一である。また、第19図に
おいて係数分配回路139内のフイルタ係数記憶
装置144の各シフトレジスタSR1〜SR8の出
力Qが乗算器64に入力されているのと全く同様
に、第22図でも係数分配回路212から乗算器
73にフイルタ係数を示す信号が入力される。第
2の演算段における乗算器74、係数分配回路2
13及び第3の演算段における乗算器81、係数
分配回路214も同様に、各入出力ポイントP1
〜P11が第19図の同一符号のポイントに対応
している。 尚、各係数分配回路212,213,214内
のシフトレジスタSR1〜SR8(第19図)の出
力Qとして取り出すステージは前述の極フイルタ
ユニツトL1〜L12と同様に順次ずらすものと
する。最後の極フイルタユニツトL12では第3
ステージの出力Q3(第20図)が取り出される
ので、ゼロフイルタ43における第1の演算段
(分配回路212)では第4ステージの出力Q4
(第20図)を取り出し、第2の演算段(分配回
路213)では第1ステージの出力Q1を取り出
し、第3の演算段(分配回路214)では第2ス
テージの出力Q2を取り出すようにする。 第22図において、極フイルタ42の最後のユ
ニツトL12からライン93及び94を介して与
えられたシリアルフイルタ係数データK及びタイ
ミング信号KL,LD,SHは1段目の係数分配回
路212に入力される。1段目の係数分配回路2
12を経由したデータK、信号KL,LD,SHは
2段目の係数分配回路213に与えられ、更に2
段目の回路213から3段目の回路214に与え
られる。前述の通り、データK、信号LD,SHは
各段の回路212,213,214で夫々8タイ
ムスロツト遅延され、信号KLは遅延されない。
そして、最終的に、各段の係数分配回路212,
213,214内の記憶装置144(第19図参
照)に当該演算段に対応する所のフイルタ係数
(第10図のK13,K14,K15)が各チヤンネルch
1〜ch4毎に記憶される。 因みに、ゼロフイルタ43の1段目に入力され
るタイミング信号LD及びSHの状態を第23図の
*LD及び*SHの欄に示す。第23図のFSの欄
には第14図と同様にセレクタ87(第13図)
から出力される楽音信号FSのチヤンネルタイミ
ングが示されている。信号LD及びSHは極フイル
タ42の12個のユニツトL1〜L12において
夫々8タイムスロツト遅延されるので、第14図
の信号LD,SHを96タイムスロツト遅延したもの
がゼロフイルタ43の1段目に入力される。従つ
て、120タイムスロツト周期のタイミング信号LD
は第23図の*LDに示すように96タイムスロツ
ト遅延された状態となるが、24タイムスロツト周
期の信号SHは第23図の*SHに示すように第1
4図のSHと事実上同じである。第23図のKD
の欄には1段目の係数分配回路212のラツチ回
路(第19図の141に相当するもの)にラツチ
されるフイルタ係数のチヤンネルを示したもので
あるが、これは前述の通り、第14図のKDと同
じである。従つて、1段目の係数分配回路212
内のフイルタ係数記憶装置(第19図の144に
相当するもの)の最下位ビツトのシフトレジスタ
SR1の各ステージの出力Q1〜Q4(第20図
参照)のチヤンネル状態を示すと、第23図の
「212のSR1」の欄のようになる。これは第1
4図の「L1のSR1」の欄と同じ状態であるこ
とが理解されるであろう。また、後述するよう
に、ゼロフイルタ43の入力端子ZSiに入力され
るシリアル楽音信号*FSのチヤンネル状態はど
んな場合でも極フイルタ42に入力されるシリア
ル楽音信号FSのチヤンネル状態と同じである。
従つて、ゼロフイルタ43の1段目の乗算器73
におけるシリアル演算タイミングは、極フイルタ
42の1段目のユニツトL1の乗算器64のシリ
アル演算タイミングに同期している。このこと
は、後述するように、極フイルタ42とゼロフイ
ルタ43の接続組合せを切換える場合に、演算タ
イミングをいちいち考慮することなく自由に切換
えることを可能にするので、有利である。 一方、ゼロフイルタ43の入力端子ZSiに与え
られた楽音信号*FSは加算器75の入力B及び
遅延回路78に入力されると共に、入力ポイント
P1(第19図参照)を介して1段目の乗算器7
3に入力される。この楽音信号*FSに対応する
乗算結果は、前述の通り、32タイムスロツト遅れ
て出力ポイントP6(第19図参照)から出力さ
れる。出力ポイントP6から出力されたシリアル
楽音信号は遅延回路77で64タイムスロツト遅延
された後、加算器75の入力Aに与えられる。こ
の入力Aに与えられるシリアル楽音信号は、入力
Bに与えられるシリアル楽音信号*FSのタイミ
ングよりも96タイムスロツト(丁度1サンプリン
グ周期)遅れており、同じチヤンネルのシリアル
楽音信号が同じ重みのビツト同士で加算器75で
加算される。加算器75のキアリイ出力C0+1はア
ンド回路215を介してキヤリイ入力Ciに与えら
れる。アンド回路215の他の入力には、乗算器
73の出力ポイントP7(第19図参照)から出
力された信号9(第21図参照)を遅延回路
216で64タイムスロツト遅延した信号が与えら
れる。前述の通り、この信号9は出力ポイン
トP6(第19図のオア回路202)から出力さ
れるシリアル楽音信号(そのタイミングは第21
図のMoutに示されている)の重みが最下位ビツ
トのとき“0”となる。遅延回路216は遅延回
路77の遅延動作に同期させるために設けられた
ものであり、先行するチヤンネルの最上位ビツト
の加算によつて生じたキヤリイアウト信号を次の
チヤンネルの最下位ビツトの加算タイミングにお
いてキヤリイ入力Ciに入力しないようにするため
にアンド回路215が設けられている。 2段目の乗算器74の入力ポイントP1には、
シリアル楽音信号*FSを遅延回路78で128タイ
ムスロツト遅延したものが入力されている。第1
9図に示すような構成の係数分配回路139と乗
算器64とを用いてシリアル乗算を行なう場合、
乗算器におけるシリアル演算タイミングを同期さ
せる(乗算すべきシリアル楽音信号とフイルタ係
数のチヤンネル及び各ビツトの重みを同期させ
る)には、前述から明らかなように、シリアル楽
音信号の入力タイミングが前段の乗算器の入力タ
イミングよりも32タイムスロツト遅れていなけれ
ばならない。そこで、2段目の乗算器74の楽音
信号入力タイミングと1段目の乗算器73のそれ
と比較してみると、2段目の入力タイミングは遅
延回路78によつて1サンプリング周期(96タイ
ムスロツト)と32タイムスロツト(合計128タイ
ムスロツト)だけ遅延されるので、32タイムスロ
ツト分の遅延という条件が満さされている。従つ
て、2段目の乗算器74においてもシリアル演算
タイミングの同期化が計れる。 2段目の乗算器74の出力ポイントP6(第1
9図参照)から出力されたシリアル楽音信号すな
わち乗算結果は、遅延回路79で32タイムスロツ
ト遅延された後、加算器76の入力Aに与えられ
る。加算器76の入力Bには前段の加算器75の
出力Sが与えられる。前述と同様に、乗算器74
の出力ポイントP7(第19図参照)から出力さ
れた信号9は遅延回路79の遅延時間に同期
して遅延回路217で32タイムスロツト遅延され
た後アンド回路218に入力される。アンド回路
218の他の入力には加算器76のキヤリイ出力
C0+1が与えられ、その出力がキヤリイ入力Ciに与
えられる。この遅延回路217とアンド回路21
8は前述の回路215,216と同じ機能を果
す。遅延回路79は、前述の通り、加算器76の
入力Aに入力される信号のタイミングが入力信号
*FSのタイミングよりも2サンプリング周期
(192タイムスロツト)遅れるようにするためのも
のである。すなわち、遅延回路78で128タイム
スロツト、乗算器74の内部で32タイムスロツ
ト、遅延回路79で32タイムスロツトの遅延が
夫々設定されることにより、合計192タイムスロ
ツトの遅延が設定される。 加算器76の出力信号は遅延回路80で64タイ
ムスロツト遅延された後、乗算器81の入力ポイ
ントP1に入力される。そして乗算器81の出力
ポイントP6からは、入力ポイントP1のタイミ
ングよりも32タイムスロツト遅れたタイミングで
シリアル楽音信号が出力され、これがゼロフイル
タ43の出力楽音信号Z0として出力端子ZSoに与
えられる。遅延回路80は、前述と同様の理由に
より、2段目の乗算器74の楽音信号入力タイミ
ングと3段目の乗算器81のそれとの間に32タイ
ムスロツトの時間遅れを設定するために設けられ
たものである。すなわち、乗算器74の内部で32
タイムスロツト、遅延回路79で32タイムスロツ
ト、遅延回路80で64タイムスロツトの時間遅れ
が夫々設定され、合計128タイムスロツトの遅れ
が両者の間に設定される。128タイムスロツトは
1サンプリング周期(96タイムスロツト)と32タ
イムスロツトであるので、2段目の乗算器74の
楽音信号入力タイミングと3段目の乗算器81の
それとの間には実質的に32タイムスロツトの時間
遅れが設けられたことになる。 ゼロフイルタ43の入力信号*FSと出力信号
Zoとのタイミングを比較すると、遅延回路78、
乗算器74、遅延回路79,80、乗算器81の
ルートによつて合計288タイムスロツトの遅延が
設けられており、これは丁度3サンプリング周期
であるため、入力信号*FSと出力信号Zoのタイ
ミング(チヤンネル及びシリアルデータの各ビツ
トの重みのタイミング)は完全に同期している。
従つて出力信号Zoは、第14図あるいは第23
図のFSのタイミングに完全に同期したシリアル
楽音信号である。 尚、極フイルタ42の最終段のユニツトL12
の順向出力端子FSoから出力されるシリアル楽音
信号のタイミングも第14図のFSに完全に同期
している。つまり、12段の各ユニツトL1〜L1
2では夫々32タイムスロツトずつ楽音信号が遅延
されるので、合計遅延時間は384タイムスロツト
となり、これは丁度4サンプリング周期であるた
め、極フイルタ42の順向入力端子FSiと順向出
力端子FSoのシリアル楽音信号のタイミングが同
期することになる。第13図に示すように、極フ
イルタ42の出力端子FSoの信号または入力制御
回路37から出力されたシリアル楽音信号Siの一
方がセレクタ89で選択されてゼロフイルタ43
の入力端子ZSiに与えられる。従つて、入力端子
ZSiを介してゼロフイルタ43に入力されるシリ
アル楽音信号*FSのタイミングは、前述のよう
に、どんな場合でも第14図のFSに同期してい
る。従つて、第13図の入力端子I1〜I3から入力
されるシリアル楽音信号S1〜S3、入力制御回路3
7から出力されるシリアル楽音信号Si、セレクタ
87から極フイルタ42に入力されるシリアル楽
音信号FS、極フイルタ42の出力端子FSoから
出力されるシリアル楽音信号、ゼロフイルタ43
の入力端子ZSiに入力されるシリアル楽音信号*
FS、ゼロフイルタ43の出力端子ZSoから出力
されるシリアル楽音信号Zoのタイミング(チヤ
ンネル及びシリアルデータ各ビツトの重みのタイ
ミング)がすべて同期しており、第14図または
第23図のFSの欄のようである。 第1図において、デイジタルフイルタ部14は
第13図に示すようなデイジタルフイルタ回路装
置DFCを単独で、あるいは複数個適宜組合せて
用いて構成することができる。第13図におい
て、デイジタルフイルタ回路装置DFC内の極フ
イルタ42とゼロフイルタ43の接続組合せ及び
それらに対する入力信号の与え方及び出力信号の
取り出し方は制御コードC1,C2によつて4つ
の状態のいずれかに制御される。制御コードC
1,C2に従つて所望の状態に制御された1乃至
複数のデイジタルフイルタ回路装置DFCを用い
ることにより、極フイルタとゼロフイルタの組合
せを様々なバリエーシヨンで実現することができ
る。 制御コードC1,C2の内容に対応するデイジ
タルフイルタ回路装置DFCの4つの状態の一例
を示すと下記表のようである。
【表】
上記表のC1,C2の欄には制御コードC1,
C2の真理値が示されている。「DFCのタイプ」
の欄には、各状態に対応するデイジタルフイルタ
回路装置DFCの識別符号が示されている。「状
態」の欄には、極フイルタ42とゼロフイルタ4
3の接続組合せと、楽音信号の入出力に使用する
入出力端子の参照番号が示されている。「極」の
みとは、極フイルタ42のみを用いることを示
し、「ゼロ→極」とは、ゼロフイルタ43を前段
にし極フイルタ42を後段にして直列接続するこ
とを示し、「極→ゼロ」とは極フイルタ42を前
段にしゼロフイルタ43を前段にして直列接続す
ることを示す。 第13図のセレクタ87の制御入力には制御コ
ードC1,C2が入力されており、このコードC
1,C2の内容に応じて下記表に示すように入力
A,B,Cのいずれかを選択する。
C2の真理値が示されている。「DFCのタイプ」
の欄には、各状態に対応するデイジタルフイルタ
回路装置DFCの識別符号が示されている。「状
態」の欄には、極フイルタ42とゼロフイルタ4
3の接続組合せと、楽音信号の入出力に使用する
入出力端子の参照番号が示されている。「極」の
みとは、極フイルタ42のみを用いることを示
し、「ゼロ→極」とは、ゼロフイルタ43を前段
にし極フイルタ42を後段にして直列接続するこ
とを示し、「極→ゼロ」とは極フイルタ42を前
段にしゼロフイルタ43を前段にして直列接続す
ることを示す。 第13図のセレクタ87の制御入力には制御コ
ードC1,C2が入力されており、このコードC
1,C2の内容に応じて下記表に示すように入力
A,B,Cのいずれかを選択する。
【表】
また、セレクタ88のB選択制御入力SBには
制御コードC2が入力され、このコードC2を反
転した信号がA選択制御入力SAに入力される。
セレクタ88も同様に、選択制御入力SBにコー
ドC2が入力され、選択制御入力SAにコードC
2の反転信号が入力される。 制御コードがC1=“0”、C2=“0”の場合につ
いて説明すると、前記第3表のようにセレクタ8
7では入力Aが選択され、入力端子Fiを介して外
部から該入力Aに与えられるシリアル楽音信号が
該セレクタ87から出力され、信号FSとして極
フイルタ42の順向入力端子FSiに与えてくる。
セレクタ88ではコードC2の“0”により入力
Aが選択され、入力端子Biを介して外部から該
入力Aに与えられる信号が該セレクタ88から出
力され、該フイルタ42の逆向入力端子BSiに与
えられる。セレクタ89ではC2の“0”により
入力Aを選択し、シリアル楽音信号Siがゼロフイ
ルタ43に入力されるが、ゼロフイルタ43の出
力信号Zoは出力制御回路39で出力禁止される
と共にセレクタ87でも選択されないので、ゼロ
フイルタ43は事実上使用されない。出力制御回
路39では、コードC2の“0”によりアンド回
路124〜126が常時不能化され、これにより
アンド回路90〜92が常時不能化されて、ゼロ
フイルタ出力信号Zoを出力禁止する。従つて、
デイジタルフイルタ回路装置DFCの状態は、入
力端子Fiを介して外部から入力されたシリアル楽
音信号を極フイルタ42に通し、この極フイルタ
42の出力信号を出力端子Foを介して外部に出
力し、ゼロフイルタ43は事実上使用しない、と
いう状態となる。この状態の装置DFCを第2表
のように「DFC−I」で示すものとし、これは
上述の通り、12段ラテイス型の極フイルタ42の
みから成る。但し、最後のフイルタユニツトL1
2の逆向入力端子BSiには遅延回路72を経由し
た自己の順向出力端子FSoの出力ではなく入力端
子Biを介して外部から与えられる信号が入力さ
れる。これは、この極フイルタ42単独でフイル
タシステムが完結するのではなく、更に後段に
(端子FoとBiに)ラテイス型のフイルタが付加さ
れることを意味する。 制御コードがC1=“1”、C2=“0”の場合につ
いて説明すると、前記第3表のようにセレクタ8
7では入力Cを選択し、ゼロフイルタ43の出力
信号Zoを信号FSとして極フイルタ42の入力端
子FSiに与える。セレクタ88ではC2の“0”
により入力Aを選択し、前述と同様に、端子Bi
を介して外部から与えられる信号を極フイルタ4
2の逆向入力端子BSiに与える。セレクタ89で
はC2の“0”により入力Aを選択し、入力制御
回路37から与えられるシリアル楽音信号Siが該
セレクタ89を介してゼロフイルタ43の入力端
子ZSiに与えられる。出力制御回路39では、C
2の“0”により、前述と同様に、ゼロフイルタ
出力信号Zoが出力端子O1〜O3に導かれることを
禁止する。従つて、デイジタルフイルタ回路装置
DFCの状態は、入力端子I1〜3から入力制御回路
37を介して与えられたシリアル楽音信号Siをセ
レクタ89を介してゼロフイルタ43に通し、こ
のゼロフイルタ43の出力信号Zoをセレクタ8
7を介して極フイルタ42に通し、この極フイル
タ42の出力信号を出力端子Foを介して外部に
出力する、という状態になる。つまり、前記第2
表の「DFC−」のタイプのようにゼロフイル
タ43が前段で極フイルタ42が後段に接続され
る状態となる。但し、極フイルタ42の最後のフ
イルタユニツトL12の逆向入力端子BSiには、
前述と同様に、遅延回路72ではなく端子Biか
らの信号が与えられる。従つて、この場合も更に
後段に(端子FoとBiに)ラテイス型フイルタが
付加されることを意味する。 制御コードがC1=“0”、C2=“1”の場合につ
いて説明すると、前記第3表のようにセレクタ8
7では入力Aを選択し、入力端子Fiを介して外部
から与えられるシリアル楽音信号を信号FSとし
て極フイルタ42に入力する。セレクタ88で
は、C2の“1”により入力Bを選択し、極フイ
ルタ42の逆向入力端子BRiに自己の順向出力端
子FSoの出力信号を遅延回路72で32タイムスロ
ツト遅延した信号を入力する。セレクタ89では
C2の“1”により入力Bを介して極フイルタ4
2の出力端子FSoから与えられたシリアル楽音信
号を選択し、ゼロフイルタ43に入力する。出力
制御回路39では、C2の“1”によりアンド回
路124〜126が可能化され、前述の通り、フ
イルタイネーブル信号FE1〜FE3に応じてアン
ド回路90〜92が可能化され、ゼロフイルタ4
3の出力信号Zoが出力端子O1〜O3に分配される。
従つて、デイジタルフイルタ回路装置DFCの状
態は、入力端子Fiを介して外部から与えられたシ
リアル楽音信号をセレクタ87を介して極フイル
タ42通し、この極フイルタ42の出力信号をセ
レクタ89を介してゼロフイルタ43に通し、か
つ極フイルタ42の出力信号を遅延回路72及び
セレクタ88を介して自己の逆向入力端子BSiに
戻し、ゼロフイルタ43の出力信号Zoを出力制
御回路39を介して各サブ系列毎の出力端子O1
〜O3に分配して出力する、という状態となる。
つまり、前記第2表の「DFC−」のように、
極フイルタ42が前段でゼロフイルタ43が後段
に接続され、入力端子Fiから楽音信号が入力さ
れ、出力端子O1〜O3から楽音信号が出力される
状態となる。 制御コードがC1=“1”、C2=“1”の場合につ
いて説明すると、前記第3表のようにセレクタ8
7では入力Bを選択し、入力端子I1〜I3から入力
制御回路37を介して与えられるシリアル楽音信
号Siを出力し、この信号Siを信号FSとして極フ
イルタ42に入力する。セレクタ88及び89で
は、C2の“1”により、前述と同様に入力Bを
選択する。また、出力制御回路39でも前述と同
様に、C2の“1”によりゼロフイルタ43の出
力信号Zoを信号FE1〜FE3に従つて出力端子
O1〜O3に分配する。従つて、デイジタルフイル
タ回路装置DFCの状態は、入力端子I1〜I3から入
力制御回路37を介して与えられたシリアル楽音
信号Siをセレクタ37を介して極フイルタ42に
入力し、この極フイルタ42の出力信号をセレク
タ89を介してゼロフイルタ43に入力し、かつ
極フイルタ42の出力信号を自己の逆向入力端子
BSiに戻し、ゼロフイルタ43の出力信号Zoを出
力制御回路39を介して各サブ系列毎の出力端子
O1〜O3に分配して出力する、という状態になる。
つまり、前記第2表の「DFC−」のように、
極フイルタ42が前段、ゼロフイルタ43が後段
で、入力端子I1〜I3から楽音信号が入力され、出
力端子O1〜O3から楽音信号が出力されると状態
となる。 尚、デイジタルフイルタ回路装置DFCの上述
のタイプDFC−及びDFC−では、コードC
2が“0”であるため、出力制御回路39のアン
ド回路133,134,135が常時可能化され
る。従つて、入力端子1〜I3に与えられた全べ
てのシリアル楽音信号がアンド回路133〜13
5及びオア回路136〜138を経由して出力端
子O1〜O3に常時導かれる。一方、DFC−及び
DFC−のタイプでは、コードC2が“1”で
あるため、前述の通り、フイルタイネーブル信号
FE1〜FE3に従つて、フイルタを通さないサブ
系列のシリアル楽音信号だけがアンド回路133
〜135及びオア回路136〜138を介して出
力端子O1〜O3に導かれる。 尚、第13図に示すように、デイジタルフイル
タ回路装置DFCに関連して制御コード発生器2
19を設け、ここから制御コードC1,C2を発
生して各セレクタ87〜89及びアンド回路12
4〜126に供給する。この発生器219は、例
えばROMによつて構成し、装置DFCの用途(タ
イプDFC−1乃至DFC−)に応じて発生コー
ドC1,C2の真理値が固定されるようにしても
よい。また、外部からスイツチ出力信号等をアド
レス入力として加え、これに応じて発生コードC
1,C2の真理値を自由に切換えることができる
ようにしてもよい。また、外部から所望の制御コ
ードC1,C2を直接供給するようにしてもよ
い。 次に、1乃至複数のデイジタルフイルタ回路装
置DFCを組合せて構成するデイジタルフイルタ
部14のいくつかの例を示す。 デイジタルフイルタ部14におけるフイルタ構
成を第24図aのようにする場合は、同図bのよ
うにDFC−タイプの1チツプのデイジタルフ
イルタ回路装置DFCを単独で使用する。前述の
通り、装置DFCをタイプDFC−とすれば、第
24図aのように極フイルタ42が前段がゼロフ
イルタ43が後段となり、しかも入力端子I1〜I3
から与えられた楽音信号が入力制御回路37を介
して極フイルタ42に入力され、ゼロフイルタ4
3の出力信号が出力端子O1〜O3から出力される。
同図bにおいては外部回路と結線される端子I1〜
I3、O1〜O3、T1〜T5のみを示した。従つて、図
示されていない端子Fi,Fo,Bi,Bo(第13図
参照)は、DFCを単独使用する場合はどこにも
接続されない。また、同図bにおいてはタイプ
DFC−における制御コードC1,C2の真理
値を付記した。C1,C2が破線矢印によつて入
力されるように示されている理由は、前述の通
り、外部から入力するようにしてもよいことを示
すためである。第25図b、第26図bにおいて
も上述と同様の図示方法が採用されている。この
単独使用タイプDFC−では、12段ラテイス型
極フイルタ42と2次ゼロフイルタ43を直列接
続したフイルタ構成となり、それに応じたフイル
タ特性が得られる。 フイルタ構成を第25図aのようにする場合
は、同図bのようにDFC−及びDFC−タイ
プのデイジタルフイルタ回路装置DFCを2個用
いてデイジタルフイルタ部14を構成する。前述
の通り、DFC−タイプではゼロフイルタ43
が前段で極フイルタ42が後段となり、楽音信号
入力端子がI1〜I3、出力端子がFoとなるのに対
し、DFC−タイプでは極フイルタ42が前後
でゼロフイルタ43が後段となり、楽音信号入力
端子がFi、出力端子がO1〜O3となる。そこで、
同図bに示すように、DEC−タイプの出力端
子FoをDFC−タイプの入力端子Fiに接続し、
DFC−の入力端子BiをDFC−の出力端子Bo
に接続し、DFC−の各サブ系列毎の出力端子
O1〜O3をDFC−の入力端子I1〜I3に接続する。
すると、同図aに示すように、2次のゼロフイル
タ43−、12段のラテイス型極フイルタ42−
、12段のラテイス型極フイルタ42−、2次
のゼロフイルタ43−という順に各フイルタが
直列接続された構成となる。DEC−の端子Fo,
BiとDFC−の端子Fi,Boが接続されることに
より、前段の(つまりDFC−の)極フイルタ
42−の出力端子FSo、入力端子BSiが後段の
(つまりDFC−の)極フイルタ42−の入力
端子FSi、出力端子BSoに接続されることにな
る。これは、前述の通り、DFC−タイプでは
セレクタ88(第13図)の働きによつて端子
Biの信号を端子BSiに加え、遅延回路72で32タ
イムスロツト遅延した端子FSoの出力信号はBSi
に加わらないように制御しているためである。そ
の結果、極フイルタ42−と42−によつ
て、事実上、24段のラテイス型フイルタが構成さ
れることになる。 ラテイス型フイルタにおいては、段数が増すほ
どの多数の山(極)をもつ周波数特性が実現でき
ることが知られている。同様に、ゼロフイルタに
おいても次数(段数)が増すほど多数の谷(ゼロ
点)の制御が可能となる。従つて、第25図の組
合せによれば、24段のラテイス型フイルタ42−
、42−と合計4次のゼロフイルタ43−
、43−とによつて、第24図の場合よりも
更に複雑な周波数特性の設定及び制御が可能であ
る。 フイルタ構成を第26図aのようにする場合
は、同図bのようにDFC−、DFC−、DFC
−タイプのデイジタルフイルタ回路装置DFC
を3個用いてデイジタルフイルタ部14を構成す
る。これは、第25図bで説明したDFC−タ
イプとDFC−タイプとの間にDFC−タイプ
を挿入したものである。前述の通り、DFC−
タイプは、極フイルタ42のみを使用する状態と
なつており、楽音信号入力端子としてFiを使用
し、出力端子としてFoを使用する。そこで、同
図bに示すように、DFC−タイプの出力端子
FoをDFC−タイプの入力端子Fiに接続し、
DFC−の出力端子BoをDFC−の入力端子Bi
に接続し、DFC−の端子Fo,BiをDFC−の
端子Fi,Boに接続する。また、DFC−の各サ
ブ系列毎の出力端子O1〜O3をDFC−の入力端
子I1〜I3に接続し、DFC−の出力端子O1〜O3を
DFC−の入力端子I1〜I3に接続する。すると、
同図aに示すように、2次のゼロフイルタ43−
、12段のラテイス型フイルタ42−、12段の
ラテイス型フイルタ42−、12段のラテイス型
フイルタ42−、2次のゼロフイルタ43−、
という順に各フイルタが直列接続された構成とな
る。 DFC−の端子Fo,BiとDFC−の端子Fi,
Boが接続されることにより、及びDFC−の端
子Fo,BiとDFC−の端子Fi,Boが接続される
ことにより、前後の極フイルタ42−の端子
FSo,BSiと中段の極フイルタ42−の端子FSi,
BSoが接続され、かつ中段の極フイルタ42−
の端子FSo,FSiと後段の極フイルタ42−の
端子FSi,BSoが接続されることになる。その理
由は、前述の各タイプDFC−、,の説明
から明らかであろう。その結果、3つの12段ラテ
イス型フイルタ42−、42−、42−に
よつて事実上36段のラテイス型極フイルタが構成
されることになる。従つて、第26図の組合せに
よれば、第25図の場合よりも更に複雑な周波数
特性の設定及び制御が可能である。 尚、第26図において、中段に設けるDFC−
タイプのデイジタルフイルタ回路装置DFCの
数は1個に限らず、それ以上であつてもよい。そ
うすると、ラテイス型極フイルタの段数が更に増
し、更に複雑な周波数特性の設定、制御が可能と
なる。 第25図b及び第26図bにおいて、デイジタ
ルフイルタ回路装置DFCの各チツプ間では各サ
ブ系列毎の出力端子O1〜O3と入力端子I1〜I3が順
次接続されている。この接続によつて、フイルタ
を通さないシリアル楽音信号が最初の装置DFC
−から最終の装置DFC−まで導かれるよう
になつている。 第25図b及び第26図bのように複数のデイ
ジタルフイルタ回路装置DFC(DFC−,,
)を使用する場合、各々で使用するフイルタ係
数を異ならせて、各々の周波数制御特性が異なる
ようにするのが効果的である。そのためには、
各々の内部に設けられるフイルタ係数ROM97
(第13図)の記憶内容を夫々異ならせる、及び
外部から供給されるフイルタ係数KOを夫々異な
らせる、等の処置をとればよい。また、デイジタ
ルフイルタ部14を構成する複数のデイジタルフ
イルタ回路装置DFC(DFC−,,)のうち
1または複数で外部からのフイルタ係数KOを使
用し、残りでは内部のフイルタ係数を使用するよ
うにしてもよい。 尚、デイジタルフイルタ回路装置DFCの内部
における選択回路あるいはゲート(第13図のセ
レクタ87,88,89等)の設け方を変更する
ことにより、上述とは別の極フイルタ42とゼロ
フイルタ43の接続組合せを実現することが可能
である。それに伴ない、複数のデイジタルフイル
タ回路装置DFCの組合せも上述とは別のものを
実現することが可能となる。例えば、装置DFC
でゼロフイルタ43を単独使用するような接続を
実現することも可能であり、そのようなゼロフイ
ルタ単独使用型のデイジタルフイルタ回路装置
DFCを複数個縦続接続することにより多段のゼ
ロフイルタを構成することが可能である。 以上説明したようにこの発明によれば、極フイ
ルタとゼロフイルタを組み合わせて、所望の音色
(固定フオルマント)に対応する振幅周波数特性
の「山」の部分を極フイルタによつて制御し、
「谷」の部分をゼロフイルタによつて制御するよ
うにしたので、所望の振幅周波数特性を比較的容
易に実現することができるという優れた効果を奏
する。 また、制御信号に応じた接続制御によつて第1
の回路部と第2の回路部との接続状態を切り換え
るようにしたため、異なるフイルタユニツトを縦
続接続してフイルタ回路を構成する場合において
その接続順序を自由に切換え制御できるようにな
り、これにより、実現しようとする音色に応じ
て、ダイナミツクレンジが大きく、S/N比の良
好な、音色制御を行なうことができるようにな
る、という優れた効果を奏する。
制御コードC2が入力され、このコードC2を反
転した信号がA選択制御入力SAに入力される。
セレクタ88も同様に、選択制御入力SBにコー
ドC2が入力され、選択制御入力SAにコードC
2の反転信号が入力される。 制御コードがC1=“0”、C2=“0”の場合につ
いて説明すると、前記第3表のようにセレクタ8
7では入力Aが選択され、入力端子Fiを介して外
部から該入力Aに与えられるシリアル楽音信号が
該セレクタ87から出力され、信号FSとして極
フイルタ42の順向入力端子FSiに与えてくる。
セレクタ88ではコードC2の“0”により入力
Aが選択され、入力端子Biを介して外部から該
入力Aに与えられる信号が該セレクタ88から出
力され、該フイルタ42の逆向入力端子BSiに与
えられる。セレクタ89ではC2の“0”により
入力Aを選択し、シリアル楽音信号Siがゼロフイ
ルタ43に入力されるが、ゼロフイルタ43の出
力信号Zoは出力制御回路39で出力禁止される
と共にセレクタ87でも選択されないので、ゼロ
フイルタ43は事実上使用されない。出力制御回
路39では、コードC2の“0”によりアンド回
路124〜126が常時不能化され、これにより
アンド回路90〜92が常時不能化されて、ゼロ
フイルタ出力信号Zoを出力禁止する。従つて、
デイジタルフイルタ回路装置DFCの状態は、入
力端子Fiを介して外部から入力されたシリアル楽
音信号を極フイルタ42に通し、この極フイルタ
42の出力信号を出力端子Foを介して外部に出
力し、ゼロフイルタ43は事実上使用しない、と
いう状態となる。この状態の装置DFCを第2表
のように「DFC−I」で示すものとし、これは
上述の通り、12段ラテイス型の極フイルタ42の
みから成る。但し、最後のフイルタユニツトL1
2の逆向入力端子BSiには遅延回路72を経由し
た自己の順向出力端子FSoの出力ではなく入力端
子Biを介して外部から与えられる信号が入力さ
れる。これは、この極フイルタ42単独でフイル
タシステムが完結するのではなく、更に後段に
(端子FoとBiに)ラテイス型のフイルタが付加さ
れることを意味する。 制御コードがC1=“1”、C2=“0”の場合につ
いて説明すると、前記第3表のようにセレクタ8
7では入力Cを選択し、ゼロフイルタ43の出力
信号Zoを信号FSとして極フイルタ42の入力端
子FSiに与える。セレクタ88ではC2の“0”
により入力Aを選択し、前述と同様に、端子Bi
を介して外部から与えられる信号を極フイルタ4
2の逆向入力端子BSiに与える。セレクタ89で
はC2の“0”により入力Aを選択し、入力制御
回路37から与えられるシリアル楽音信号Siが該
セレクタ89を介してゼロフイルタ43の入力端
子ZSiに与えられる。出力制御回路39では、C
2の“0”により、前述と同様に、ゼロフイルタ
出力信号Zoが出力端子O1〜O3に導かれることを
禁止する。従つて、デイジタルフイルタ回路装置
DFCの状態は、入力端子I1〜3から入力制御回路
37を介して与えられたシリアル楽音信号Siをセ
レクタ89を介してゼロフイルタ43に通し、こ
のゼロフイルタ43の出力信号Zoをセレクタ8
7を介して極フイルタ42に通し、この極フイル
タ42の出力信号を出力端子Foを介して外部に
出力する、という状態になる。つまり、前記第2
表の「DFC−」のタイプのようにゼロフイル
タ43が前段で極フイルタ42が後段に接続され
る状態となる。但し、極フイルタ42の最後のフ
イルタユニツトL12の逆向入力端子BSiには、
前述と同様に、遅延回路72ではなく端子Biか
らの信号が与えられる。従つて、この場合も更に
後段に(端子FoとBiに)ラテイス型フイルタが
付加されることを意味する。 制御コードがC1=“0”、C2=“1”の場合につ
いて説明すると、前記第3表のようにセレクタ8
7では入力Aを選択し、入力端子Fiを介して外部
から与えられるシリアル楽音信号を信号FSとし
て極フイルタ42に入力する。セレクタ88で
は、C2の“1”により入力Bを選択し、極フイ
ルタ42の逆向入力端子BRiに自己の順向出力端
子FSoの出力信号を遅延回路72で32タイムスロ
ツト遅延した信号を入力する。セレクタ89では
C2の“1”により入力Bを介して極フイルタ4
2の出力端子FSoから与えられたシリアル楽音信
号を選択し、ゼロフイルタ43に入力する。出力
制御回路39では、C2の“1”によりアンド回
路124〜126が可能化され、前述の通り、フ
イルタイネーブル信号FE1〜FE3に応じてアン
ド回路90〜92が可能化され、ゼロフイルタ4
3の出力信号Zoが出力端子O1〜O3に分配される。
従つて、デイジタルフイルタ回路装置DFCの状
態は、入力端子Fiを介して外部から与えられたシ
リアル楽音信号をセレクタ87を介して極フイル
タ42通し、この極フイルタ42の出力信号をセ
レクタ89を介してゼロフイルタ43に通し、か
つ極フイルタ42の出力信号を遅延回路72及び
セレクタ88を介して自己の逆向入力端子BSiに
戻し、ゼロフイルタ43の出力信号Zoを出力制
御回路39を介して各サブ系列毎の出力端子O1
〜O3に分配して出力する、という状態となる。
つまり、前記第2表の「DFC−」のように、
極フイルタ42が前段でゼロフイルタ43が後段
に接続され、入力端子Fiから楽音信号が入力さ
れ、出力端子O1〜O3から楽音信号が出力される
状態となる。 制御コードがC1=“1”、C2=“1”の場合につ
いて説明すると、前記第3表のようにセレクタ8
7では入力Bを選択し、入力端子I1〜I3から入力
制御回路37を介して与えられるシリアル楽音信
号Siを出力し、この信号Siを信号FSとして極フ
イルタ42に入力する。セレクタ88及び89で
は、C2の“1”により、前述と同様に入力Bを
選択する。また、出力制御回路39でも前述と同
様に、C2の“1”によりゼロフイルタ43の出
力信号Zoを信号FE1〜FE3に従つて出力端子
O1〜O3に分配する。従つて、デイジタルフイル
タ回路装置DFCの状態は、入力端子I1〜I3から入
力制御回路37を介して与えられたシリアル楽音
信号Siをセレクタ37を介して極フイルタ42に
入力し、この極フイルタ42の出力信号をセレク
タ89を介してゼロフイルタ43に入力し、かつ
極フイルタ42の出力信号を自己の逆向入力端子
BSiに戻し、ゼロフイルタ43の出力信号Zoを出
力制御回路39を介して各サブ系列毎の出力端子
O1〜O3に分配して出力する、という状態になる。
つまり、前記第2表の「DFC−」のように、
極フイルタ42が前段、ゼロフイルタ43が後段
で、入力端子I1〜I3から楽音信号が入力され、出
力端子O1〜O3から楽音信号が出力されると状態
となる。 尚、デイジタルフイルタ回路装置DFCの上述
のタイプDFC−及びDFC−では、コードC
2が“0”であるため、出力制御回路39のアン
ド回路133,134,135が常時可能化され
る。従つて、入力端子1〜I3に与えられた全べ
てのシリアル楽音信号がアンド回路133〜13
5及びオア回路136〜138を経由して出力端
子O1〜O3に常時導かれる。一方、DFC−及び
DFC−のタイプでは、コードC2が“1”で
あるため、前述の通り、フイルタイネーブル信号
FE1〜FE3に従つて、フイルタを通さないサブ
系列のシリアル楽音信号だけがアンド回路133
〜135及びオア回路136〜138を介して出
力端子O1〜O3に導かれる。 尚、第13図に示すように、デイジタルフイル
タ回路装置DFCに関連して制御コード発生器2
19を設け、ここから制御コードC1,C2を発
生して各セレクタ87〜89及びアンド回路12
4〜126に供給する。この発生器219は、例
えばROMによつて構成し、装置DFCの用途(タ
イプDFC−1乃至DFC−)に応じて発生コー
ドC1,C2の真理値が固定されるようにしても
よい。また、外部からスイツチ出力信号等をアド
レス入力として加え、これに応じて発生コードC
1,C2の真理値を自由に切換えることができる
ようにしてもよい。また、外部から所望の制御コ
ードC1,C2を直接供給するようにしてもよ
い。 次に、1乃至複数のデイジタルフイルタ回路装
置DFCを組合せて構成するデイジタルフイルタ
部14のいくつかの例を示す。 デイジタルフイルタ部14におけるフイルタ構
成を第24図aのようにする場合は、同図bのよ
うにDFC−タイプの1チツプのデイジタルフ
イルタ回路装置DFCを単独で使用する。前述の
通り、装置DFCをタイプDFC−とすれば、第
24図aのように極フイルタ42が前段がゼロフ
イルタ43が後段となり、しかも入力端子I1〜I3
から与えられた楽音信号が入力制御回路37を介
して極フイルタ42に入力され、ゼロフイルタ4
3の出力信号が出力端子O1〜O3から出力される。
同図bにおいては外部回路と結線される端子I1〜
I3、O1〜O3、T1〜T5のみを示した。従つて、図
示されていない端子Fi,Fo,Bi,Bo(第13図
参照)は、DFCを単独使用する場合はどこにも
接続されない。また、同図bにおいてはタイプ
DFC−における制御コードC1,C2の真理
値を付記した。C1,C2が破線矢印によつて入
力されるように示されている理由は、前述の通
り、外部から入力するようにしてもよいことを示
すためである。第25図b、第26図bにおいて
も上述と同様の図示方法が採用されている。この
単独使用タイプDFC−では、12段ラテイス型
極フイルタ42と2次ゼロフイルタ43を直列接
続したフイルタ構成となり、それに応じたフイル
タ特性が得られる。 フイルタ構成を第25図aのようにする場合
は、同図bのようにDFC−及びDFC−タイ
プのデイジタルフイルタ回路装置DFCを2個用
いてデイジタルフイルタ部14を構成する。前述
の通り、DFC−タイプではゼロフイルタ43
が前段で極フイルタ42が後段となり、楽音信号
入力端子がI1〜I3、出力端子がFoとなるのに対
し、DFC−タイプでは極フイルタ42が前後
でゼロフイルタ43が後段となり、楽音信号入力
端子がFi、出力端子がO1〜O3となる。そこで、
同図bに示すように、DEC−タイプの出力端
子FoをDFC−タイプの入力端子Fiに接続し、
DFC−の入力端子BiをDFC−の出力端子Bo
に接続し、DFC−の各サブ系列毎の出力端子
O1〜O3をDFC−の入力端子I1〜I3に接続する。
すると、同図aに示すように、2次のゼロフイル
タ43−、12段のラテイス型極フイルタ42−
、12段のラテイス型極フイルタ42−、2次
のゼロフイルタ43−という順に各フイルタが
直列接続された構成となる。DEC−の端子Fo,
BiとDFC−の端子Fi,Boが接続されることに
より、前段の(つまりDFC−の)極フイルタ
42−の出力端子FSo、入力端子BSiが後段の
(つまりDFC−の)極フイルタ42−の入力
端子FSi、出力端子BSoに接続されることにな
る。これは、前述の通り、DFC−タイプでは
セレクタ88(第13図)の働きによつて端子
Biの信号を端子BSiに加え、遅延回路72で32タ
イムスロツト遅延した端子FSoの出力信号はBSi
に加わらないように制御しているためである。そ
の結果、極フイルタ42−と42−によつ
て、事実上、24段のラテイス型フイルタが構成さ
れることになる。 ラテイス型フイルタにおいては、段数が増すほ
どの多数の山(極)をもつ周波数特性が実現でき
ることが知られている。同様に、ゼロフイルタに
おいても次数(段数)が増すほど多数の谷(ゼロ
点)の制御が可能となる。従つて、第25図の組
合せによれば、24段のラテイス型フイルタ42−
、42−と合計4次のゼロフイルタ43−
、43−とによつて、第24図の場合よりも
更に複雑な周波数特性の設定及び制御が可能であ
る。 フイルタ構成を第26図aのようにする場合
は、同図bのようにDFC−、DFC−、DFC
−タイプのデイジタルフイルタ回路装置DFC
を3個用いてデイジタルフイルタ部14を構成す
る。これは、第25図bで説明したDFC−タ
イプとDFC−タイプとの間にDFC−タイプ
を挿入したものである。前述の通り、DFC−
タイプは、極フイルタ42のみを使用する状態と
なつており、楽音信号入力端子としてFiを使用
し、出力端子としてFoを使用する。そこで、同
図bに示すように、DFC−タイプの出力端子
FoをDFC−タイプの入力端子Fiに接続し、
DFC−の出力端子BoをDFC−の入力端子Bi
に接続し、DFC−の端子Fo,BiをDFC−の
端子Fi,Boに接続する。また、DFC−の各サ
ブ系列毎の出力端子O1〜O3をDFC−の入力端
子I1〜I3に接続し、DFC−の出力端子O1〜O3を
DFC−の入力端子I1〜I3に接続する。すると、
同図aに示すように、2次のゼロフイルタ43−
、12段のラテイス型フイルタ42−、12段の
ラテイス型フイルタ42−、12段のラテイス型
フイルタ42−、2次のゼロフイルタ43−、
という順に各フイルタが直列接続された構成とな
る。 DFC−の端子Fo,BiとDFC−の端子Fi,
Boが接続されることにより、及びDFC−の端
子Fo,BiとDFC−の端子Fi,Boが接続される
ことにより、前後の極フイルタ42−の端子
FSo,BSiと中段の極フイルタ42−の端子FSi,
BSoが接続され、かつ中段の極フイルタ42−
の端子FSo,FSiと後段の極フイルタ42−の
端子FSi,BSoが接続されることになる。その理
由は、前述の各タイプDFC−、,の説明
から明らかであろう。その結果、3つの12段ラテ
イス型フイルタ42−、42−、42−に
よつて事実上36段のラテイス型極フイルタが構成
されることになる。従つて、第26図の組合せに
よれば、第25図の場合よりも更に複雑な周波数
特性の設定及び制御が可能である。 尚、第26図において、中段に設けるDFC−
タイプのデイジタルフイルタ回路装置DFCの
数は1個に限らず、それ以上であつてもよい。そ
うすると、ラテイス型極フイルタの段数が更に増
し、更に複雑な周波数特性の設定、制御が可能と
なる。 第25図b及び第26図bにおいて、デイジタ
ルフイルタ回路装置DFCの各チツプ間では各サ
ブ系列毎の出力端子O1〜O3と入力端子I1〜I3が順
次接続されている。この接続によつて、フイルタ
を通さないシリアル楽音信号が最初の装置DFC
−から最終の装置DFC−まで導かれるよう
になつている。 第25図b及び第26図bのように複数のデイ
ジタルフイルタ回路装置DFC(DFC−,,
)を使用する場合、各々で使用するフイルタ係
数を異ならせて、各々の周波数制御特性が異なる
ようにするのが効果的である。そのためには、
各々の内部に設けられるフイルタ係数ROM97
(第13図)の記憶内容を夫々異ならせる、及び
外部から供給されるフイルタ係数KOを夫々異な
らせる、等の処置をとればよい。また、デイジタ
ルフイルタ部14を構成する複数のデイジタルフ
イルタ回路装置DFC(DFC−,,)のうち
1または複数で外部からのフイルタ係数KOを使
用し、残りでは内部のフイルタ係数を使用するよ
うにしてもよい。 尚、デイジタルフイルタ回路装置DFCの内部
における選択回路あるいはゲート(第13図のセ
レクタ87,88,89等)の設け方を変更する
ことにより、上述とは別の極フイルタ42とゼロ
フイルタ43の接続組合せを実現することが可能
である。それに伴ない、複数のデイジタルフイル
タ回路装置DFCの組合せも上述とは別のものを
実現することが可能となる。例えば、装置DFC
でゼロフイルタ43を単独使用するような接続を
実現することも可能であり、そのようなゼロフイ
ルタ単独使用型のデイジタルフイルタ回路装置
DFCを複数個縦続接続することにより多段のゼ
ロフイルタを構成することが可能である。 以上説明したようにこの発明によれば、極フイ
ルタとゼロフイルタを組み合わせて、所望の音色
(固定フオルマント)に対応する振幅周波数特性
の「山」の部分を極フイルタによつて制御し、
「谷」の部分をゼロフイルタによつて制御するよ
うにしたので、所望の振幅周波数特性を比較的容
易に実現することができるという優れた効果を奏
する。 また、制御信号に応じた接続制御によつて第1
の回路部と第2の回路部との接続状態を切り換え
るようにしたため、異なるフイルタユニツトを縦
続接続してフイルタ回路を構成する場合において
その接続順序を自由に切換え制御できるようにな
り、これにより、実現しようとする音色に応じ
て、ダイナミツクレンジが大きく、S/N比の良
好な、音色制御を行なうことができるようにな
る、という優れた効果を奏する。
第1図はこの発明に係るデイジタルフイルタ装
置を実施した電子楽器の一例を示す全体構成ブロ
ツク図、第2図は第1図における楽音信号発生部
及び楽音信号振分け及び累算及びシリアル変換制
御回路の一例を示すブロツク図、第3図は第1図
におけるデイジタルフイルタ部の一例を示すブロ
ツク図、第4図a,b,cは第2図に示された多
系音源(サブ系列)の使用例を示す図、第5図
a,b,cは極フイルタとゼロフイルタの組合せ
によつて実現し得る振幅周波数特性の一例をいく
つかの音色に関して夫々示す図、第6図は極フイ
ルタとして使用できる無限インパルス応答フイル
タの基本構成を示すブロツク図、第7図はゼロフ
イルタとして使用できる有限インパルス応答フイ
ルタの基本構成を示すブロツク図、第8図aは極
フイルタとして使用できるラテイス型フイルタの
基本構成を示すブロツク図、第8図b,cは同じ
くラテイス型フイルタの等価回路を示すブロツク
図、第9図は第3図の極フイルタを12段のラテイ
ス型フイルタによつて構成した一例を示すブロツ
ク図、第10図は第3図のゼロフイルタの一例を
示すブロツク図、第11図は楽音信号のシリアル
化形式の一例を示すタイミングチヤート、第12
図はフイルタ係数のシリアル化形式の一例を示す
タイミングチヤート、第13図は第1図及び第3
図のデイジタルフイルタ部として使用可能なデイ
ジタルフイルタ回路装置の詳細例を示すブロツク
図、第14図は第13図の極フイルタに入力され
るシリアル楽音信号及びフイルタ係数及びタイミ
ング信号の一例を示すと共に該極フイルタの1段
目における主要な信号のチヤンネルタイミング状
態を示すタイミングチヤート、第15図は第1図
における音色選択装置の一例を示すブロツク図、
第16図は第15図から出力される音色パラメー
タのシリアル化形式の一例を示すタイミングチヤ
ート、第17図は第1図におけるフイルタ係数外
部記憶装置の一例を示すブロツク図、第18図は
第17図のアドレス信号発生回路におけるアドレ
ス信号の発生例を示す図、第19図は第9図にお
けるラテイス型の極フイルタの1段目のフイルタ
ユニツトの詳細例を示す回路図、第20図は第1
9図におけるフイルタ係数記憶用のシフトレジス
タの内部構成例を示す回路図、第21図は第19
図における乗算器のシリアル乗算動作を説明する
ためのタイミングチヤート、第22図は第10図
のゼロフイルタの詳細例を示す回路図、第23図
は第22図の1段目の演算段における各種信号の
状態を例示するタイミングチヤート、第24図a
は第1図のデイジタルフイルタ部における極フイ
ルタとゼロフイルタの接続組合せの一例を示すブ
ロツク図、同図bは第13図に示すデイジタルフ
イルタ回路装置を1個だけ用いて同図aのフイル
タ構成を実現することを示すブロツク図、第25
図aは第1図のデイジタルフイルタ部における極
フイルタとゼロフイルタの別の接続組合せ例を示
すブロツク図、同図bは第13図に示すデイジタ
ルフイルタ回路装置を2個用いて同図aのフイル
タ構成を実現することを示すブロツク図、第26
図aは第1図のデイジタルフイルタ部における極
フイルタとゼロフイルタの別の接続組合せ例を示
すブロツク図、同図bは第13図に示すデイジタ
ルフイルタ回路装置を3個用いて同図aのフイル
タ構成を実現することを示すブロツク図、であ
る。 11…楽音信号発生部、12…音色選択装置、
13…楽音信号振分け及び累算及びシリアル変換
制御回路、14…デイジタルフイルタ部、20…
フイルタ係数外部記憶装置、21…フイルタ係数
切換スイツチ、37…フイルタ入力制御回路、3
8…デイジタルフイルタ主回路、39…出力制御
回路、40…タイミング信号発生回路、41…フ
イルタ係数供給回路、42…極フイルタ、43…
ゼロフイルタ、L1〜L12…ラテイス型のフイ
ルタユニツト、61,62,63,69,75,
76…加算器、64,68,73,74,81,
82…乗算器、65,66,67,70,71,
77,78,79,80…遅延回路、139,2
12,213,214…係数分配回路。
置を実施した電子楽器の一例を示す全体構成ブロ
ツク図、第2図は第1図における楽音信号発生部
及び楽音信号振分け及び累算及びシリアル変換制
御回路の一例を示すブロツク図、第3図は第1図
におけるデイジタルフイルタ部の一例を示すブロ
ツク図、第4図a,b,cは第2図に示された多
系音源(サブ系列)の使用例を示す図、第5図
a,b,cは極フイルタとゼロフイルタの組合せ
によつて実現し得る振幅周波数特性の一例をいく
つかの音色に関して夫々示す図、第6図は極フイ
ルタとして使用できる無限インパルス応答フイル
タの基本構成を示すブロツク図、第7図はゼロフ
イルタとして使用できる有限インパルス応答フイ
ルタの基本構成を示すブロツク図、第8図aは極
フイルタとして使用できるラテイス型フイルタの
基本構成を示すブロツク図、第8図b,cは同じ
くラテイス型フイルタの等価回路を示すブロツク
図、第9図は第3図の極フイルタを12段のラテイ
ス型フイルタによつて構成した一例を示すブロツ
ク図、第10図は第3図のゼロフイルタの一例を
示すブロツク図、第11図は楽音信号のシリアル
化形式の一例を示すタイミングチヤート、第12
図はフイルタ係数のシリアル化形式の一例を示す
タイミングチヤート、第13図は第1図及び第3
図のデイジタルフイルタ部として使用可能なデイ
ジタルフイルタ回路装置の詳細例を示すブロツク
図、第14図は第13図の極フイルタに入力され
るシリアル楽音信号及びフイルタ係数及びタイミ
ング信号の一例を示すと共に該極フイルタの1段
目における主要な信号のチヤンネルタイミング状
態を示すタイミングチヤート、第15図は第1図
における音色選択装置の一例を示すブロツク図、
第16図は第15図から出力される音色パラメー
タのシリアル化形式の一例を示すタイミングチヤ
ート、第17図は第1図におけるフイルタ係数外
部記憶装置の一例を示すブロツク図、第18図は
第17図のアドレス信号発生回路におけるアドレ
ス信号の発生例を示す図、第19図は第9図にお
けるラテイス型の極フイルタの1段目のフイルタ
ユニツトの詳細例を示す回路図、第20図は第1
9図におけるフイルタ係数記憶用のシフトレジス
タの内部構成例を示す回路図、第21図は第19
図における乗算器のシリアル乗算動作を説明する
ためのタイミングチヤート、第22図は第10図
のゼロフイルタの詳細例を示す回路図、第23図
は第22図の1段目の演算段における各種信号の
状態を例示するタイミングチヤート、第24図a
は第1図のデイジタルフイルタ部における極フイ
ルタとゼロフイルタの接続組合せの一例を示すブ
ロツク図、同図bは第13図に示すデイジタルフ
イルタ回路装置を1個だけ用いて同図aのフイル
タ構成を実現することを示すブロツク図、第25
図aは第1図のデイジタルフイルタ部における極
フイルタとゼロフイルタの別の接続組合せ例を示
すブロツク図、同図bは第13図に示すデイジタ
ルフイルタ回路装置を2個用いて同図aのフイル
タ構成を実現することを示すブロツク図、第26
図aは第1図のデイジタルフイルタ部における極
フイルタとゼロフイルタの別の接続組合せ例を示
すブロツク図、同図bは第13図に示すデイジタ
ルフイルタ回路装置を3個用いて同図aのフイル
タ構成を実現することを示すブロツク図、であ
る。 11…楽音信号発生部、12…音色選択装置、
13…楽音信号振分け及び累算及びシリアル変換
制御回路、14…デイジタルフイルタ部、20…
フイルタ係数外部記憶装置、21…フイルタ係数
切換スイツチ、37…フイルタ入力制御回路、3
8…デイジタルフイルタ主回路、39…出力制御
回路、40…タイミング信号発生回路、41…フ
イルタ係数供給回路、42…極フイルタ、43…
ゼロフイルタ、L1〜L12…ラテイス型のフイ
ルタユニツト、61,62,63,69,75,
76…加算器、64,68,73,74,81,
82…乗算器、65,66,67,70,71,
77,78,79,80…遅延回路、139,2
12,213,214…係数分配回路。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 振幅周波数特性における極を制御し得るデイ
ジタル型の第1の極フイルタと、振幅周波数特性
における零点を制御し得るデイジタル型の第1の
ゼロフイルタと、該第1の極フイルタと第1のゼ
ロフイルタとを直列に接続し、その直列接続にお
ける該極フイルタとゼロフイルタとの前後順序を
第1の制御信号によつて切り換えることが可能な
第1の接続切換え制御手段とを含み、該第1の極
フイルタとゼロフイルタの直列回路にデイジタル
楽音信号を入力する第1の回路部と、 振幅周波数特性における極を制御し得るデイジ
タル型の第2の極フイルタと、振幅周波数特性に
おける零点を制御し得るデイジタル型の第2のゼ
ロフイルタと、該第2の極フイルタと第2のゼロ
フイルタとを直列に接続し、その直列接続におけ
る該極フイルタとゼロフイルタとの前後順序を第
2の制御信号によつて切り換えることが可能な第
2の接続切換え制御手段とを含み、前記第1の回
路部の後段に直列接続された第2の回路部と、 前記第1の回路部と第2の回路部に対して第1
及び第2の制御信号を夫々供給し、この制御信号
に応じて夫々のフイルタ直列回路における極フイ
ルタとゼロフイルタとの前後順序を夫々設定する
ことにより、前記第1の回路部のフイルタ直列回
路における後段のフイルタとそれに直列接続され
る前記第2の回路部のフイルタ直列回路における
前段のフイルタの種類を同一にする接続状態若し
くは異ならせる接続状態の一方に切換え設定する
ことが可能な接続制御手段と を具えた電子楽器のデイジタルフイルタ装置。 2 前記極フイルタは無限インパルス応答フイル
タから成り、前記ゼロフイルタは有限インパルス
応答フイルタから成るものである特許請求の範囲
第1項記載の電子楽器のデイジタルフイルタ装
置。 3 前記極フイルタはラテイス型フイルタから成
るものである特許請求の範囲第2項記載の電子楽
器のデイジタルフイルタ装置。 4 前記極フイルタは、順向出力と順向入力並び
に逆向出力と逆向入力を介して順次縦続接続され
た複数のフイルタユニツトを含み、このフイルタ
ユニツトの各々は、逆向入力から与えられた信号
を所定時間遅延する第1の遅延回路と、順向入力
から与えられたデイジタル楽音信号を前記第1の
遅延回路の出力信号から減算する第1の加算器
と、この第1の加算器の出力信号にフイルタ係数
を乗算する乗算器と、この乗算器における演算時
間遅れに応じた時間だけ前記順向入力から与えら
れた信号を遅延する第2の遅延回路と、前記乗算
器の出力信号と前記第2の遅延回路の出力信号と
を加算し、その加算出力を順向出力に与える第2
の加算器と、前記第1の遅延回路の出力信号を前
記乗算器における演算時間遅れに応じた時間だけ
遅延する第3の遅延回路と、この第3の遅延回路
の出力信号と前記乗算器の出力信号とを加算し、
その加算出力を逆向出力に与える第3の加算器と
を具え、第1の遅延回路における遅延時間は前記
デイジタル楽音信号の1サンプリング周期から前
記乗算器における演算時間遅れの2倍の時間を引
いた時間であり、 前記ゼロフイルタは、複数次の有限インパルス
応答型フイルタ演算段と、このフイルタ演算段に
縦続的に設けられたゲイン調整用の演算段とを含
むものである特許請求の範囲第3項記載の電子楽
器のデイジタルフイルタ装置。 5 振幅周波数特性における極を制御し得るデイ
ジタル型の第1の極フイルタと、振幅周波数特性
における零点を制御し得るデイジタル型の第1の
ゼロフイルタと、該第1の極フイルタと第1のゼ
ロフイルタとを直列に接続し、その直列接続にお
ける該極フイルタとゼロフイルタとの前後順序を
第1の制御信号によつて切り換えることが可能な
第1の接続切換え制御手段とを含む第1の回路部
と、 振幅周波数特性における極を制御し得るデイジ
タル型の第2の極フイルタと、振幅周波数特性に
おける零点を制御し得るデイジタル型の第2のゼ
ロフイルタと、第2の制御信号によつて該第2の
極フイルタと第2のゼロフイルタの一方を無効に
し、他方を有効にする接続切り換えを行うことが
可能な第2の接続切換え制御手段とを含み、前記
第1の回路部に対して直列に接続される第2の回
路部と、 前記第1の回路部と第2の回路部に対して第1
及び第2の制御信号を夫々供給し、この制御信号
に応じて第1の回路部のフイルタ直列回路におけ
る極フイルタとゼロフイルタとの前後順序を設定
すると共に第2の回路部で有効にするフイルタを
設定し、これにより、前記第2の回路部で有効な
フイルタの種類と前記第1の回路部のフイルタ直
列回路における接続状態とを切換え設定すること
が可能な接続制御手段と を具えた電子楽器のデイジタルフイルタ装置。 6 前記第2の回路部は、前記第1の回路部の後
段に直列に接続されるものである特許請求の範囲
第5項記載の電子楽器のデイジタルフイルタ装
置。 7 前記第2の回路部は、前記第1の回路部の前
段に直列に接続されるものである特許請求の範囲
第5項記載の電子楽器のデイジタルフイルタ装
置。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP57140551A JPS5930598A (ja) | 1982-08-13 | 1982-08-13 | 電子楽器のデイジタルフイルタ装置 |
US06/520,232 US4554858A (en) | 1982-08-13 | 1983-08-04 | Digital filter for an electronic musical instrument |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP57140551A JPS5930598A (ja) | 1982-08-13 | 1982-08-13 | 電子楽器のデイジタルフイルタ装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS5930598A JPS5930598A (ja) | 1984-02-18 |
JPH021314B2 true JPH021314B2 (ja) | 1990-01-11 |
Family
ID=15271299
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP57140551A Granted JPS5930598A (ja) | 1982-08-13 | 1982-08-13 | 電子楽器のデイジタルフイルタ装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS5930598A (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH03126787U (ja) * | 1990-04-03 | 1991-12-20 | ||
JP2663964B2 (ja) * | 1995-01-30 | 1997-10-15 | ライフガード工業株式会社 | 遭難沈没用船位置標識装置 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS4991434A (ja) * | 1972-12-29 | 1974-08-31 |
-
1982
- 1982-08-13 JP JP57140551A patent/JPS5930598A/ja active Granted
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS4991434A (ja) * | 1972-12-29 | 1974-08-31 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS5930598A (ja) | 1984-02-18 |
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