JP2915452B2 - 楽音発生装置 - Google Patents

楽音発生装置

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JP2915452B2 JP1306421A JP30642189A JP2915452B2 JP 2915452 B2 JP2915452 B2 JP 2915452B2 JP 1306421 A JP1306421 A JP 1306421A JP 30642189 A JP30642189 A JP 30642189A JP 2915452 B2 JP2915452 B2 JP 2915452B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 電子楽器において、ステレオ効果、サラウンド効果な
どの多重音源効果が得られるようにした楽音発生装置に
関する。
〔従来の技術〕
電子楽器においてステレオ効果を生じさせるための方
法としては左右それぞれについての音源を用意する必要
があり、その一例として第3図に示すように左側音源と
右側音源とをそれぞれ独立に設け、これら左右の音源に
それぞれサウンドシステムを接続してステレオシステム
を構成していた。
この第3図の例では、左側音源および右側音源にタッ
チの強弱に応じた楽音をそれぞれ発生する2つの音源を
設け、これらの音源の出力を加算手段によって加算して
左側音源および右側音源とするものとして示してある。
これら4つの音源としてそれぞれ32音を使用し、これ
らの音の波形を格納する波形メモリを用いる電子楽器の
場合においては、この32音について強弱のタッチに対応
する上記の2種の波形として32×2=64の波形データを
格納させておく必要があり、さらにこれら波形を左右2
系統用意すると64×2=128の波形データを格納してお
かなければならないことになる。
また、この場合、左右両側の波形の位相が合わずに音
像がふらつくという問題がある。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明は上記のような多数の波形を形成したり格納す
ることなく、ステレオ効果、サラウンド効果などの多重
音源効果が得られるようにするとともに、立体感を与え
ることを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
第1図の原理図に示すように、少なくとも2系列のサ
ウンドシステム(S1〜Sn)と、前記少なくとも2系列の
サウンドシステム(S1〜Sn)にそれぞれ対応して設けら
れて対応する系列のサウンドシステム(例えばS2)にそ
れぞれ供給するための互いに異なる楽音信号を形成する
複数の楽音形成手段(G1〜Gn)と、この少なくとも2系
列のサウンドシステム(S1〜Sn)に対して共通に供給す
るための楽音信号を形成する共通楽音形成手段(G0
と、前記複数の楽音形成手段(G1〜Gn)のそれぞれの楽
音形成手段(例えばG2)からの楽音信号と前記共通楽音
形成手段(G0)からの楽音信号との合成比率をそれぞれ
制御するための複数の制御パラメータを生成する制御パ
ラメータ発生手段(P)と、前記少なくとも2系列のサ
ウンドシステム(S1〜Sn)にそれぞれ対応して設けられ
て当該サウンドシステム(例えばS2)にそれぞれ対応す
る楽音形成手段(例えばG2)からの楽音信号と前記共通
楽音形成手段(G0)からの楽音信号とを前記制御パラメ
ータ発生手段(P)からのそれぞれの制御パラメータに
したがって合成する複数の楽音合成手段(C1〜Cn)とを
設けて楽音発生装置を構成した。
〔作 用〕
本発明においては、第1図に示したように、楽音形成
手段G1,G2,……Gnによってそれぞれ形成される楽音信号
と共通楽音形成手段G0によって形成された楽音信号とを
制御パラメータ発生手段Pによって発生された制御パラ
メータに応じて合成するものである。
第2図は、第1および第2の楽音形成手段G1およびG2
の出力PおよびP′(この図では、同一レベルとしてあ
る)に共通楽音形成手段G0からのそれぞれパラメータ制
御された楽音信号出力Q,Q′(この図では、同一レベル
としてある)を合成する場合のタッチ強度に関する合成
比の関係を例示したものであって、弱いタッチ(pp)か
ら強いタッチ(ff)に移るにしたがって共通楽音形成手
段G0からの楽音の割合を高くしている。
一般に、多重音源効果に及ぼす影響が大きいのは例え
ば弱い音や低い音であり、逆に、多重音源効果に及ぼす
影響が小さいのは例えば強い音や高い音であることか
ら、この第2図の例では、タッチが弱い(音が小さい)
ときには多重音源効果を減少させる共通楽音形成手段G0
からの楽音信号の割合を少なくし、また、タッチが強い
ときには多重音源効果が少ないことから、共通楽音形成
手段G0からの楽音信号の割合を高めるようにすればよ
い。
例えば上述のような処理を行う場合、上記の楽音合成
手段C1,C2,……Cnにそれぞれ供給される制御パラメータ
発生手段Pからの制御パラメータは、タッチ強度に対応
して第2図に示した合成比になるように予め設定された
パラメータテーブルを用いて得ることができる。
これによって、多重音源効果に及ぼす影響が小さい楽
音については1つの共通楽音形成手段G0からの楽音信号
を優勢にするとともに、多重音源効果に及ぼす影響が大
きい楽音については各サウンドシステムS1,S2,……に対
応して設けられている楽音形成手段G1,G2,……からの楽
音信号を優勢にすることができる。
なお、上記の楽音合成手段C1,C2,……Cnに供給される
制御パラメータ発生手段Pからの制御パラメータは、上
述の例に限らず、音高に応じた値、あるいは操作子など
によって設定された値などに応じて予め設定されたパラ
メータテーブルを用いて定めるようにすることができる
し、また、特別な効果を得たい場合には、この効果を得
るに適当な合成比を採用できることは明らかであろう。
このように、本発明によれば、従来は各サウンドシス
テムに対応して設けられていた楽音形成手段を本発明に
よって1つの共通楽音形成手段G0に置換えられるため、
本発明によって楽音形成手段を従来より(サウンドシス
テムの系列数−1)個減らすことができるという格別の
効果が得られる。
また、サラウンド効果を得たい場合には、例えば5つ
の楽音形成手段およびそれぞれ4つの楽音合成手段とサ
ウンドシステムを用意し、4つの楽音形成手段をそれぞ
れの楽音合成手段に接続するとともにこれらの楽音合成
手段に残る楽音形成手段の出力をそれぞれ供給して適宜
の制御パラメータによって合成を行うように構成するこ
とができる。
〔実施例〕
第4図は楽音の波形データを格納するために波形メモ
リを用いてディジタル処理によって楽音を発生するよう
にした電子楽器に本発明を適用した原理的実施例を示す
ものである。
音源発生回路Gには強いタッチで演奏されたときの楽
音を発生する強タッチ音源GCと、弱いタッチで演奏され
たときの楽音を発生する弱タッチ音源として左チャンネ
ル弱タッチ音源GLと右チャンネル弱タッチ音源GRとの3
つの音源を備えており、押鍵されたキーに対応する音程
を有する楽音がこれら音源GC,GL,GRから出力され、この
出力はタッチ制御回路Tの乗算回路TC,TL,TRにおいてタ
ッチ強度に応じた値とそれぞれ乗算される。
音源GCから乗算回路TCによってタッチ制御が行われた
強タッチ音源GCからの楽音は次いでパラメータ制御回路
Pに供給されるが、まず左チャンネルについていえば、
左チャンネル乗算回路PLにおいて強タッチ音源GCからの
楽音について制御パラメータに応じた制御が行われ、こ
の乗算回路PLの出力とタッチ制御回路Tの左チャンネル
乗算回路TLの出力とは加算回路ALによって加算される。
この加算出力は左チャンネルDA変換器DLによってアナロ
グ信号に変換されてから左チャンネルサウンドシステム
SLによって楽音として出力される。
同様に右チャンネルについては、タッチ制御が行われ
た強タッチ音源GCからの楽音は右チャンネル乗算回路PR
において制御パラメータに応じた楽音の制御が行われ、
この乗算回路PRからの出力とタッチ制御回路Tの右チャ
ンネル乗算回路TRからの出力とは加算回路ARによって加
算される。この加算出力は右チャンネルDA変換器DRによ
ってアナログ信号に変換されてから右チャンネルサウン
ドシステムSRによって楽音として出力される。
第5図は本出願人が出願し、特開昭62−200398号公報
によって公開された「楽音信号発生装置」と題する発明
の実施例として記載し、単音楽器として示した電子楽器
の構成に本発明を適用した実施例を示すものであり、第
6図の動作説明図を参照しながら説明する。
押鍵検出回路2は鍵盤1で押圧された鍵を検出し、こ
の押圧された鍵を識別するキーコードKCと押鍵中“1"を
維持するキーオン信号KONおよび鍵の押し始めで一時的
に“1"となるキーオンパルスKONPを出力する。なお、こ
の実施例については上述のように単音楽器として説明す
るので、複数鍵が同時に押圧されたときは所定の単音優
先選択基準に従って1つの押圧鍵についてKC,KON,KONP
を出力するものとする。また、これらKC,KON,KONPの各
信号の出力タイミングは第6図(a)に示すようなクロ
ックパルスφに同期しているものとする。
ノートクロック発生回路3は与えられたキーコードKC
に基づいて押圧鍵の音高に対応した周波数のノートクロ
ックパルスNCKを発生するものであり、このノートクロ
ックパルスNCKは例えば左チャンネルに相当する#1系
列の#1アドレス信号発生回路40および右チャンネルに
相当する#2系列の#2アドレス信号発生回路50、およ
び、本発明によってこれら左右のチャンネルに付加され
る楽音信号を発生するための共通系列の#3アドレス信
号発生回路60のいずれも同一の構成を有するアドレス信
号発生回路にそれぞれ印加される。
なお、これらのアドレス信号発生回路40,50および60
はいずれも同一の構成を有するものであるからアドレス
信号発生回路40のみについて内部構成を示した。
一方、タッチ検出回路5は鍵盤1で押圧された鍵の押
下速度、押圧力などに基づいて鍵タッチの強弱を検出す
るものであり、検出した鍵タッチの強度を示すタッチデ
ータTDはこのタッチ検出回路5からタッチデータTDを強
弱2つのグループA,Bのいずれかに分類するタッチグル
ープ判別回路6に送られる。
下記の第1表はこのタッチグループ判別回路6からの
鍵タッチの強/弱を示すターチグループデータA,Bが供
給されるパラメータ発生回路7に格納されている音色制
御テーブルの一例を示すものである。
この第1表において、上の行に示した入力1は音色選
択回路9からの音色選択コードTCによって指示される音
色1からNまでのN種類の中で選択された音色の種類で
あり、音色1が選ばれているものとし、また、次の行に
示した入力2はタッチグループ判別回路23から与えられ
るタッチグループデータA,Bであり、グループAは強い
タッチに、グループBは弱いタッチにそれぞれ対応して
いる。
この表の左列に示した出力名のうち、SSA1,RSA1およ
びESA1は#1アドレス発生回路40で、SSA2,RSA2およびE
SA2は#2アドレス発生回路50で、またSmA,RmA,EmAは#
3アドレス発生回路60にそれぞれ供給される後述する波
形メモリ11に格納されている波形データの格納アドレス
であり、SAはスタートアドレスデータ、RAは繰返しアド
レスデータ、EAはエンドアドレスデータであり、鍵タッ
チの強さff,mf,pにそれぞれ対応する波形データが波形
メモリ11の上記アドレスで指定される領域に格納されて
いる。
第1表について具体的な例を挙げて説明すると、音色
選択回路9によって音色1が選択されているとき、鍵タ
ッチが強くてタッチデータTDが強タッチグループAに属
しているならば、#1アドレス発生回路40の波形特性パ
ラメータとしてメゾフォルテmfに対応する波形アドレス
データSSA1,RSA1,ESA1が、#2アドレス発生回路50の波
形特性パラメータとしてメゾフォルテmfに対応する波形
アドレスデータSSA2,RSA2,ESA2が、#3アドレス発生回
路60の波形特性パラメータとしてフォルテシモffに対応
する波形アドレスデータSmA,RmA,EmAがそれぞれ出力さ
れる。
また、鍵タッチが弱くてタッチデータTDが弱タッチグ
ループBに属しているならば、#1アドレス発生回路40
の波形特性パラメータとしてメゾフォルテmfに対応する
波形アドレスデータSSA1,RSA1,ESA1が、#2アドレス発
生回路50の波形特性パラメータとしてメゾフォルテmfに
対応する波形アドレスデータSSA2,RSA2,ESA2が、#3ア
ドレス発生回路60の波形特性パラメータとしてピアノp
に対応する波形アドレスデータSmA,A,EmAがそれぞれ出
力さる。
なお、第1表に示したように、音色選択回路9によっ
て選択される他の音色に関しても、上記音色1の場合と
同様にタッチグループA,Bに対応する各アドレスデータ
がそれぞれ格納されることはいうまでもない。
いずれも同一の構成を有するアドレス信号発生回路4
0,50および60の動作を、内部構成を具体的に例示したア
ドレス発生回路40を例にとって説明する。なお、説明の
便宜上、これらアドレス信号発生回路40,50,60の出力側
に接続されているセレクタ10は、波形メモリ11の読出ア
ドレスとしてこのアドレス発生回路40の出力を波形メモ
リ11の読出アドレスとして常時供給するようになってい
るものと仮定する。
スタートアドレスデータSSA1と繰返しアドレスデータ
RSA1がセレクタ41の入力端子A,Bにそれぞれ供給され、
このセレクタ41の出力がプリセットカウンタ42のプリセ
ットデータ入力端子PDに与えられる。
鍵が押圧されていない状態では遅延フリップフロップ
44の出力信号は“0"であってセレクタ41はA入力端子に
加わるスタートアドレスデータSSA1を選択して出力する
状態にある。
ここで鍵盤のいずれかの鍵が押圧されると、鍵の押し
始めで発生されるキーオンパルスKONPがオア回路43を介
してこのプリセットカウンタ42のプリセット端子PSに印
加されることによって、ノートクロックパルスNCKの入
力に同期してスタートアドレスデータSSA1がこのプリセ
ットカウンタ42にプリセットされ、同時に、ノートクロ
ック発生回路によってこの押圧された鍵の音高周波数に
対応する繰返周期を持つノートクロックパルスNCKの発
生が開始されてプリセットカウンタ42の計数クロック入
力端子CKに印加される。
これによってこのプリセットカウンタ42は、スタート
アドレスデータSSA1を初期値としてノートクロックパル
スNCKのカウントを開始し、セレクタ10の入力端子Aに
供給されるアドレスSAD1がSSA1を初期値として押圧され
た鍵の音高に対応するレートで順次増加し、このアドレ
スSAD1の値がエンドアドレスデータESA1と同じ値になる
と比較器45からは“1"が出力される。
この比較器45からの“1"信号によって、セレクタ41で
は入力端子Bからの繰返しアドレスデータRSA1が選択・
出力され、また、プリセットカウンタ42のプリセット入
力端子PSにはオア回路43を介してこの“1"の出力信号が
供給されるので、次のノートクロックパルスNCKの到来
に同期してプリセットカウンタ42にはこの繰返しアドレ
スRSA1がプリセットされる。
これにより、プリセットカウンタ42はプリセットされ
た繰返しアドレスRSA1からノートクロックパルスNCKに
応じた増加を再開し、このプリセットカウンタ42の計数
値がエンドアドレスデータESA1に等しくなるごとに繰返
しアドレスRSA1に戻って増加を繰返す。
この繰返しによってスタートアドレスSSA1からエンド
アドレスESA1までの波形を波形メモリ11から1回読み出
した後、繰返しアドレスRSA1からエンドアドレスESA1
での波形を繰返し読み出すことができる。
以上述べたところを要約すると、音色選択回路9によ
って設定された音色と鍵タッチの強度とによって定めら
れた波形メモリ11の読出開始アドレスSSA1、繰返しアド
レスRSA1および読出終了アドレスESA1がパラメータ発生
回路7から出力され、プリセットカウンタ42からは波形
メモリ11の読出開始アドレスSSA1から読出終了アドレス
ESA1まで順次増加するアドレスに続いて繰返しアドレス
RSA1から読出終了アドレスESA1まで順次増加するアドレ
スが繰返しセレクタ10の入力側に供給される、というも
のである。
したがって、このセレクタ10の入力側の3つの入力端
子には#1〜#3アドレス発生回路40,50,60からの上記
のようなアドレスがそれぞれ供給されているので、第6
図(c),(d)に示すようなクロックφ2の値に
応じてセレクタ10に下記の第2表に示すような選択を行
わせると、同図(f)に示すような出力がセレクタ10の
出力側から得られる。
波形メモリ11からは第6図(f)に示したようなアド
レスによって楽音の波形データが読出され、この読出さ
れた波形データWDが同図(g)に示してある。この図
で、SW1およびSW2は前記第1系列および第2系列のチャ
ンネルの楽音波形データを、mADは本発明によってこの
両系列の楽音に加算される共通チャンネルの楽音波形デ
ータを示すものであり、付記された(t0)および(t0
1)は時刻t0およびt0+1から始まる時刻におけるアド
レスによって得られた楽音波形データであることを示し
ている。
なお、波形メモリ11における楽音波形の格納は、音色
1からNまでのN種類の音色について例えばff,mf(左
右),pの4種類の異なる音色に対する楽音の立上りから
持続部に至る波形データがそれぞれ一定振幅に正規化さ
れた後に符号化され、例えばパルスコード変調(PCM)
によってそれぞれ割当てられた領域に格納されるもので
あり、読出された楽音データによって発生される楽音の
エンベロープはエンベロープ制御手段によって後に制御
される。
なお、立上り部の波形の最初のサンプル点のデータを
格納したアドレスが前述のスタートアドレスSAに、その
最後のサンプル点のデータを格納したアドレスがエンド
アドレスEAとなり、また持続部の先頭のアドレスが繰返
しアドレスRAとなる。
この波形メモリ11から読出された波形データWDは楽音
のエンベロープを定めるために、第6図(h)に示す時
分割エンベロープ発生回路12からのエンベロープデータ
ENVDと乗算器13において乗算され、前記第1系列のチャ
ンネルのラッチ141にはクロックφが“1"の期間にSW1
×ENVDsが、第2系列のチャンネルのラッチ142にはクロ
ックφが“1"の期間にSW2×ENVDsがそれぞれラッチさ
れ、また、共通チャンネルのラッチ143にはクロックφ
が“1"の期間にmW×ENVDmがラッチされる。
上記の各ラッチ141,142,143からは第6図(i),
(j),(k)に示すような楽音データSD1,SD2およびm
Dがクロックφ12に同期した図示のタイミング
で読出され、タッチが弱いときには弱タッチ波形の重み
を増し、またタッチが強いときには強タッチ波形の重み
を増すために、タッチデータTDおよび音色制御データTC
によって制御されるタッチ重み発生回路16からのタッチ
重みがそれぞれの乗算器151,152,153によって乗算され
る。
そして、ラッチ143からの共通チャンネルの楽音デー
タMDについては、キーコードに基づいて演奏者の左手側
に相当するチャンネルから低い音が、また右手側に相当
するチャンネルから高い音が出力されるようにしてステ
レオ的な効果を生じさせるためのPAN係数発生回路18か
らのPAN係数を乗算器171,172でそれぞれ乗算する。
そして、この乗算器171の出力を加算器191で#1系列
の楽音データと加算し、また乗算器172の出力を加算器1
92で#2系列の楽音データと加算してからDA変換器201,
202でそれぞれアナログ楽音信号に変換してから#1お
よび#2サウンドシステム211,212によって#1および
#2系列の楽音をそれぞれ出力させる。
なお、この実施例における、時分割エンベロープ発生
回路からのエンベロープデータ、タッチ重み発生回路16
からのタッチ重み係数、およびPAN係数発生回路18から
のPAN係数については、どのような音響効果あるいは多
重音源効果を楽音に要求するかによって適宜選定すべき
ものであるから、その詳細については説明を省略する。
第7図は上記実施例を変形した他の実施例を示すブロ
ック図であって、第6図に2点鎖線で囲って符号Vで示
した部分に相当する。
セレクタ71は次の第3表に示すようにクロック
よびφによって4つの入力端子A〜Dからの入力を切換
えてSAD1→mAD→SAD2→mAD→SAD1→の順にアドレスデー
タADを出力する。
仮に、クロックとクロックφとが共に“0"レベル
にあるときには、入力端子Aに印加されているアドレス
SAD1によって#1系列の楽音データが波形メモリ72から
読出され、次にクロックが反転して“1"になると入
力端子Bに印加されているアドレスmADによって波形メ
モリ72から共通系列の楽音データが読出される。
このようにアドレスSAD1とアドレスmADによって連続
して読出された楽音データWDは、エンベロープ発生装置
74からのエンベロープデータEVDと乗算器73によってそ
れぞれ乗算され、その乗算結果は累算器75に供給され
る。したがって、この累算器75では上記#1系列の楽音
データと共通系列の楽音データとが加算され、その加算
結果はクロックφの立上がりでフリップ・フロップ76
1にラッチされる。
なお、上記のエンベロープデータEVDは第5図の実施
例における時分割エンベロープ発生回路からのエンベロ
ープデータ、タッチ重み発生回路16からのタッチ重み係
数、およびPAN係数発生回路18からのPAN係数を含めたも
のであるが、これらはどのような音響効果あるいは多重
音源効果を楽音に要求するかによって適宜選定すべきも
のであるからその詳細については説明を省略する。
次のクロックの立下がり、すなわちクロックφ
の立上がりで上記累算器75はクリアされるが、このとき
クロックφも“1"となるのでセレクタ71は入力端子Cに
印加されているアドレスSAD2をアドレスデータADとして
波形メモリ72に送り、エンベロープデータEVDと乗算さ
れた#2系列の楽音データが上記のようにクリアされた
累算器75に供給される。
続いてクロックが“1"に立上がったときにセレク
タ71の入力端子Dに印加されているアドレスmADによっ
て同様に読出されてエンベロープデータEVDと乗算器73
で乗算された共通系列の楽音データとがこの累算器75に
おいて加算され、その加算結果はクロックφの立上が
りでフリップ・フロップ762にラッチされる。
したがって、フリップ・フロップ761には#1系列の
楽音データと共通系列と楽音データとが加算された楽音
データがラッチされ、また、フリップ・フロップ762
は#2系列の楽音データと共通系列の楽音データとが加
算された楽音データがラッチされるので、これらフリッ
プ・フロップ761,762がラッチしているデータをDA変換
してからサウンドシステムによって楽音を発生させるこ
とによって、前述の実施例におけると同様にステレオ効
果などの本発明による多重音源効果を得ることができ
る。
以上の実施例の説明では、強いもしくは弱い鍵タッチ
に対する楽音を#1および#2チャンネルに振り分けて
モノラルとして出力するとともに、中間程度の鍵タッチ
に対する楽音をこの#1および#2チャンネルに分配し
てステレオとして出力するものとして説明したが、その
逆に、強いもしくは弱いタッチに対する楽音をステレオ
に、中間程度の鍵タッチに対する楽音をモノラルとして
合成してもよい。
また、例えばピアノなどの鍵盤楽器の演奏の際にステ
レオ効果を得ようとする場合には、押鍵された鍵が低音
側の鍵であるときには演奏者の左手側に相当するチャン
ネルから、また、高音側の鍵が押鍵されたときには右手
側に相当するチャンネルからそれぞれの楽音が出力され
るようにすることができる。
前記の波形メモリに格納する波形データは、前述のよ
うにエンベロープレベルを正規化したものに限らず、ア
タック、ディケイなどのエンベロープ情報を含むもので
あってもよく、この場合にはエンベロープ発生器からの
エンベロープ波形信号は押鍵中は一定レベルを維持し、
離鍵後はリリースエンベロープ特性を示すものとするこ
とができる。
また、波形メモリに格納する波形は、上述の実施例の
ような繰返し読出しを行わずに発音開始から終了までの
全波形を格納するようにすることができ、複数周期波
形、1周期波形あるいは1/2周期波形等であってもよ
く、さらに、波形メモリに波形の各サンプル点における
波形情報をすべて格納することなく、飛び飛びのサンプ
ル点の波形情報だけを格納しておいて中間のサンプルの
波形情報を補間演算によって算出するようにしてもよ
い。
上記のように複数周期波形を格納する場合には連続す
る複数周期ばかりでなく、例えば特開昭60−147793号に
示されたもののように、楽音の立上りから立下がりまで
を複数フレームに分割し、各フレーム毎に代表的な1周
期または2周期分の波形の波形データのみを格納してこ
の波形データを順次切換えながら繰返し読み出すように
してもよく、必要に応じてこの波形切換え時に前の波形
と次の新たな波形とから補間演算することによって滑ら
かに変化する波形データを形成するようにしてもよい。
さらに、波形メモリに1つの波形データだけを完全な
データとして格納するとともに、他の波形についてはこ
の完全な波形のデータを基準とした差分を格納するよう
にすればデータ量を減少させることができる。
このように波形メモリに格納する波形データの符号化
方式としては、前述のPCM方式以外の差分PCM(DPCM),
適応DPCM(ADPCM),デルタ変調(DM),ADM,LPCなど適
宜のデータ圧縮方式を用いることができる。
前記の実施例ではff,mf,pの3種類の鍵タッチ強度に
対応する波形を波形メモリに格納しているが、例えばフ
ォルテシモff、メゾフォルテmf、メゾピアノmp、ピアニ
シモppなどの4種類以上の鍵タッチ強度に対応する波形
データを波形メモリに格納するようにしてもよい。
さらに、各系列における楽音信号の発生は、上述のよ
うな波形メモリ読出し方式に限らず、高調波合成方式や
FMまたはAM変調演算方式、その他の方式であってもよ
く、この場合にはパラメータ割当て回路から発生するパ
ラメータは、その楽音信号発生方式に応じたものとなる
ことは明らかであろう。
さらに、前述の実施例では、波形読出し用のアドレス
はノートクロックパルスをカウントすることにより形成
しているが、押圧された鍵の音高に対応した周波数ナン
バを累算あるいは加減算することにより形成するように
してもよく、また、アドレス発生回路を各系列毎に設け
ているがこれは共通のハード回路を時分割で使用するこ
とができるが、さらに、全般的にマイクロプロセッサを
用いたソフトウェア処理によって行うようにしてもよい
ことは明らかであろう。
さらに、前述の実施例では単音の例を示したが、時分
割処理によって複音を発生させることも可能である。
また、合成比率を押鍵からの時間経過に応じて変える
ようにしてもよい。
〔発明の効果〕
本発明によれば、多数の波形を形成したり格納するこ
となく、ステレオ効果、サラウンド効果などの多重音源
効果が得られるとともに定位感を与えられるという格別
の効果が達成される。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の原理を示す図、 第2図は本発明における楽音合成の例を示す図、 第3図は従来例を示す図、 第4図は本発明の原理的実施例を示す図、 第5図は本発明の実施例を示すブロック図、 第6図は第5図の実施例の動作を説明するための図、 第7図は第5図の実施例を変形した他の実施例を示すブ
ロック図である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも2系列のサウンドシステムと、 前記少なくとも2系列のサウンドシステムにそれぞれ対
    応して設けられ、対応する系列のサウンドシステムにそ
    れぞれ供給するための互いに異なる楽音信号を形成する
    複数の楽音形成手段と、 この少なくとも2系列のサウンドシステムに対して共通
    に供給するための楽音信号を形成する共通楽音形成手段
    と、 前記複数の楽音形成手段のそれぞれの楽音形成手段から
    の楽音信号と前記共通楽音形成手段からの楽音信号との
    合成比率をそれぞれ制御するための複数の制御パラメー
    タを生成する制御パラメータ発生手段と、 前記少なくとも2系列のサウンドシステムにそれぞれ対
    応して設けられ、当該サウンドシステムにそれぞれ対応
    する楽音形成手段からの楽音信号と前記共通楽音形成手
    段からの楽音信号とを前記制御パラメータ発生手段から
    のそれぞれの制御パラメータにしたがって合成する複数
    の楽音合成手段と、 を備えることを特徴とする楽音発生装置。
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