JP3257520B2 - 楽音信号発生装置 - Google Patents
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、鍵タッチ等の音
色変更制御パラメータに応じて制御された音色を持つ楽
音信号を発生するようにした楽音信号発生装置に関す
る。 【0002】 【従来の技術】鍵タッチに応じて制御された音色を有す
る楽音を発生するために、波形メモリから互いに異なる
複数の波形を読み出し、これらの波形を鍵タッチに応じ
た比率で補間合成することが行われている。例えば、特
公昭60ー4994号では、補間の対象となる波形とし
て、3系列の波形メモリから異なる波形をそれぞれ並列
的に読み出し、各系列毎に独立に係数パラメータを発生
してそれに対応する係数の波形の合成比率をこの係数パ
ラメータによって夫々独立に設定することが示されてい
る。この場合、すべての系列について楽音波形を発生す
ると共に、すべての系列について、1対1で対応して補
間演算用の乗算器と補間係数発生回路とを設けるように
している。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】上述したような従来の
技術では、補間の対象となる複数の波形すべてに1対1
で対応して補間演算のための系列を設けているため、補
間演算用の乗算器と補間係数発生回路とが補間の対象と
なる波形の数だけ必要であり、回路規模が大きくなって
しまうという問題点があった。また、各系列ごとに発生
される補間対象となる波形の種類が固定されているた
め、補間の対象となる波形の種類を増したい場合は、補
間系列数を増さねばならないので、その点でも、回路構
成が増してしまうという不都合があり、多彩な音色変更
制御を行なうことが困難であった。この発明は上述の点
に鑑みてなされたもので、異なる波形特性を有する3種
類以上の楽音信号を対象として音色変更制御パラメータ
に応じた補間演算を行うことにより複雑な音色変更制御
を実現する場合において、従来に比べて簡単な回路構成
によりこれを実現することができ、更に、回路構成を増
すことなく、補間の対象となる波形の種類を増し、多彩
な音色変更制御を容易に実現できるようにした楽音信号
発生装置を提供しようとするものである。 【0004】 【課題を解決するための手段】 この発明に係る楽音信
号発生装置は、複数種類の音色の楽音信号を発生可能な
楽音信号発生装置において、各音色毎にM(Mは3以上
の整数)種類の楽音波形データを記憶した楽音波形記憶
手段と、音色を選択する音色選択手段と、音色変更制御
パラメータを発生する音色変更制御パラメータ発生手段
と、前記音色選択手段で選択された音色に対応するM種
類の楽音波形データの中から、前記音色変更制御パラメ
ータに応じて2種類の楽音波形データを選択して前記楽
音波形記憶手段から読み出す読出手段と、各音色毎にM
種類のエンベロープデータを記憶したエンベロープデー
タ記憶手段と、前記音色選択手段で選択された音色に対
応するM種類のエンベロープデータの中から、前記音色
変更制御パラメータに応じて2種類のエンベロープデー
タを選択して前記エンベロープデータ記憶手段から読み
出す手段と、前記読み出された2種類の楽音波形データ
を前記音色変更制御パラメータと前記2種類のエンベロ
ープデータに応じて補間すると共にその音量時間変化を
制御し、その結果を楽音信号として出力する補間手段と
を具えたものである。 【0005】 楽音波形記憶手段においては、各音色毎
にM(Mは3以上の整数)種類の楽音波形データを記憶
しており、選択された音色に対応するM種類の楽音波形
データの中から、音色変更制御パラメータに応じて2種
類の楽音波形データが選択されて該楽音波形記憶手段か
ら読み出される。一方、エンベロープデータ記憶手段に
おいては、各音色毎にM種類のエンベロープデータを記
憶しており、選択された音色に対応するM種類のエンベ
ロープデータの中から、音色変更制御パラメータに応じ
て2種類のエンベロープデータを選択してエンベロープ
データ記憶手段から読み出される。補間手段では、読み
出された2種類の楽音波形データを該音色変更制御パラ
メータと前記2種類のエンベロープデータに応じて補間
すると共にその音量時間変化を制御し、その結果を楽音
信号として出力する。従って、2系列の補間演算によっ
て、それよりも多いM種類の楽音波形データを対象にし
て、その中から所要の2種類の楽音波形データを選択し
て波形補間を行なうことができ、回路構成を増すことな
く、補間の対象となる波形の種類を増すことができ、多
彩な音色変更制御を容易に実現できるものとなるもので
あり、更に、補間にあたっては選択された音色と音色変
更制御パラメータに応じた2種類のエンベロープデータ
をも使用しているので、選択された音色及び音色変更制
御パラメータに最適な音色及び音量の時間変化を得るこ
とができると共に、2種類のエンベロープデータを使用
して音量時間変化を制御しているため、音量時間変化を
高品位に制御することができる。 【0006】 【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照してこの発
明の一実施例を詳細に説明しよう。図1において、押鍵
検出回路11は、鍵盤10で押圧された鍵を検出し、該
押圧鍵を識別するキーコードKCとキーオン信号KON
(押鍵中“1”を維持する信号)及びキーオンパルスK
ONP(鍵の押し始めで一時的に“1”となるパルス)
を出力する。なお、説明の簡単化のために、図示された
電子楽器は単音楽器であるとし、複数鍵が同時に押圧さ
れたときは所定の単音優先選択基準に従って1つの押圧
鍵についてKC,KON,KONPを出力するものとす
る。各信号KC,KON,KONPの出力タイミングは
所定のクロックパルスφに同期しているものとする。 【0007】ノートクロック発生回路12は、与えられ
たキーコードKCに基づき、押圧鍵の音高に対応した周
波数のノートクロックパルスNCKを発生するものであ
る。このノートクロックパルスNCKは、2系列のアド
レス信号発生回路13、14に与えられる。このアドレ
ス信号発生回路13、14からセレクタ15、波形メモ
リ16、ラッチ回路17、18に至る部分が2つの楽音
信号発生系列を構成している。波形メモリ読出し用のア
ドレス信号AD1,AD2は各系列別に設けられたアド
レス信号発生回路13、14において並列的に発生され
るが、セレクタ15で両系列のアドレス信号AD1,A
D2を時分割多重化し、1個の波形メモリ16を両系列
で時分割共用するようにしている。ラッチ回路17、1
8は波形メモリ16から時分割的に読み出された2系列
の楽音信号を並列変換するためのものである。並列化さ
れた2系列の楽音信号は補間回路19において適宜の比
率で補間合成され、ディジタル/アナログ変換回路20
を経由してサウンドシステム21に至る。 【0008】タッチ検出回路22は鍵盤10で押圧され
た鍵の押下速度、押圧力等に基づき鍵タッチを検出する
ものであり、例えば押下速度に応じたイニシャルタッチ
を検出するものとして説明を進める。タッチ検出回路2
2からは検出した鍵タッチを示すタッチデータTDが出
力される。この実施例においてはこのタッチデータTD
を音色変更制御パラメータとして用いる。 【0009】タッチグループ判別回路23とパラメータ
発生回路24とによってパラメータ割当て回路25が構
成されている。パラメータ割当て回路25は、3種類の
鍵タッチの強さ(これをフォルテシモff,メゾフォルテ
mf,ピアノpで区別する)に対応する互いに異なる3つ
の波形特性に関するパラメータのうち2つの波形特性パ
ラメータをタッチデータTDに応じて選択し前述の2つ
の楽音信号発生系列に割当てるものである。 【0010】パラメータ発生回路24は、上述の3種類の
鍵タッチff,mf,pに対応する3種類の波形特性パラメ
ータを音色選択回路26で選択可能な各音色種類毎に夫々
記憶したテーブルを持っており、このテーブルにはこの
3種類の波形特性パラメータをタッチデータTDの属す
る範囲に応じてどの系列に割当てるべきかということも
記憶されている。 【0011】タッチグループ判別回路23はタッチデー
タTDを所定の範囲で2つのグループA,Bに分類する
ものであり、タッチ検出回路22から与えられるタッチ
データTDの値がどちらのグループ(範囲)に属するか
に応じてタッチグループデータを出力する。タッチグル
ープデータはパラメータ発生回路24に入力され、上述
のテーブルを読み出すために使用される。パラメータ発
生回路24における上述のテーブルの一例を示すと次表
のようである。 【0012】 【表1】【0013】入力1は、音色選択コードTCによって指
示される音色の種類であり、音色1からNまでのN種類
であるとする。入力2は、タッチグループ判別回路23
から与えられるタッチグループデータであり、グループ
Aは強いタッチに対応し、グループBは弱いタッチに対
応する。出力のうちSA1〜EGP1は第1の系列のた
めのパラメータ、SA2〜EPG2は第2の系列のため
のパラメータである。出力されるパラメータのうち、S
Aはスタートアドレスデータ、RAは繰返しアドレスデ
ータ、EAはエンドアドレスデータであり、波形メモリ
16に記憶されている波形データのアドレスを指示する
ものである。EGPはエンベロープパラメータであり、
その内訳は、アタックレートAR、ディケイレートD
R、サスティンレベルSL、レリースレートRRの各パ
ラメータデータからなる。ff,mf,pは、前述の通り、
鍵タッチの強さを示すものであり、これらのパラメータ
の内容が夫々の鍵タッチ強度に対応していることを示
す。 【0014】表1の場合、音色1が選択されたとき、タ
ッチデータTDが強タッチグループAに属しているなら
ば、第1の系列用の波形特性パラメータSA1〜EA
1,EGP1としてフォルテシモffに対応する波形アド
レスデータSA〜EA及びエンベロープパラメータデー
タAR〜RRが出力され、第2の系列用の波形特性パラ
メータSA2〜EA2,EGP2としてメゾフォルテmf
に対応する波形アドレスデータSA〜EA及びエンベロ
ープパラメータデータAR〜RRが出力される。また、
タッチデータTDが弱タッチグループBに属しているな
らば、第1の系列用のSA1〜EA1,EGP1として
ピアノpに対応するSA〜EA、AR〜RRが出力さ
れ、第2の系列用のSA2〜EA2,EGP2としてメ
ゾフォルテmfに対応するSA〜EA、AR〜RRが出力
される。他の音色に関しても同様にタッチグループA,
Bに対応する第1及び第2の系列用のパラメータが記憶
されている。 【0015】ここで、波形メモリ16における楽音波形
の記憶フォーマットの一例を示すと図2のようである。
音色1からNまでの波形が順次記憶されており、1つの
音色に関してはff,mf,pの3種類の異なる音色特性に
対応する波形が順次記憶されている。1つの音色特性
(例えばff)の波形に関しては、楽音の立上りから持続
部に至る複数周期波形のデータが所定の符号化形式(例
えばパルスコード変調:PCM)で記憶されている。こ
こにおいて立上り部の波形の最初のサンプル点データを
記憶したアドレスがスタートアドレス(SA)であり、
その特性に対応する複数周期波形の最後のサンプルデー
タ点データを記憶したアドレスがエンドアドレス(E
A)である。また、繰返し読み出しの先頭のアドレスが
繰返しアドレス(RA)である。パラメータ発生回路2
4から発生される前述のスタートアドレスデータSA、
繰返しアドレスデータRA、エンドアドレスデータEA
は、波形メモリ16から読み出すべき波形の上述のスタ
ートアドレス、繰返しアドレス、エンドアドレスを絶対
アドレスにて指示するものである。なお、知られている
ように、このような複数周期波形の読み出し方法は、ス
タートアドレス(SA)からエンドアドレス(EA)ま
での波形を1回読み出した後、繰返しアドレス(RA)
からエンドアドレス(EA)までの波形の読み出しを繰
り返す。なお、図2では便宜上振幅エンベロープを持つ
波形が波形メモリ16に記憶されるように示したが、実
際は振幅レベルを一定レベルに規格化した波形データを
記憶し、これを読み出した後に適宜の振幅エンベロープ
を付与するものとする。 【0016】パラメータ発生回路24から発生された第
1系列用の波形アドレスデータSA1〜EA1、つまり
第1系列に割当てられた波形特性のアドレスデータSA
〜EAは第1系列用のアドレス発生回路13に供給され
る。第2系列用のデータSA2〜EA2、つまり第2系
列に割当てられた波形特性のアドレスデータSA〜EA
は第2系列用のアドレス発生回路14に供給される。一
方のアドレス発生回路13のみ内部を図示したが他方の
回路14も同一構成である。 【0017】アドレス発生回路13について説明する
と、スタートアドレスデータSA1と繰返しアドレスデ
ータRA1がセレクタ27のA,B入力に夫々加えら
れ、このセレクタ27の出力がプリセットカウンタ28
のプリセットデータ入力PDに与えられる。プリセット
カウンタ28のプリセット制御入力PSにはオア回路2
9を介してキーオンパルスKONPまたは遅延フリップ
フロップ30の出力が加わり、カウント入力CKにはノ
ートクロックパルスNCKが加わる。プリセットカウン
タ28のカウント出力とエンドアドレスデータEA1が
比較器31に与えられ、両者の値が一致したとき信号
“1”が出力される。この比較出力信号は遅延フリップ
フロップ30でクロックパルスφの1周期分遅延され、
オア回路29及びセレクタ27のB選択制御入力BSに
与えられると共に、インバータ32で反転されてセレク
タ27のA選択制御入力ASに与えられる。プリセット
カウンタ28のカウント出力が第1系列の波形読出し用
アドレス信号AD1としてセレクタ15のA入力に与え
られる。 【0018】通常は遅延フリップフロップ30の出力信
号は“0”であり、セレクタ27はA入力に加わるスタ
ートアドレスデータSA1を選択している。鍵が押圧さ
れると、押圧された鍵の音高周波数に対応するノートク
ロツクパルスNCKの発生が開始される。同時に、鍵の
押し始めで発生されるキーオンパルスKONPによって
スタートアドレスデータSA1がカウンタ28にプリセ
ットされる。(なお、プリセット動作はノートクロック
パルスNCKの入力に同期して行われるものとする)。
従って、プリセットカウンタ28ではスタートアドレス
データSA1を初期値としてノートクロックパルスNC
Kのカウントを開始し、アドレス信号AD1の値がSA
1を初期値として押圧鍵の音高に対応するレートで順次
増加する。やがて、このアドレス信号AD1の値がエン
ドアドレスデータEA1と同じ値になると、比較器31
の出力信号が“1”となり、セレクタ27でB入力の繰
返しアドレスデータRA1が選択され、かつこれが次の
ノートクロックパルスNCKの到来に同期してカウンタ
28にプリセットされる。これにより、アドレス信号A
D1の値はRA1に戻り、そこからノートクロックパル
スNCKに応じた増加を再開する。以後、AD1の値が
エンドアドレスデータEA1に到達する毎に繰返しアド
レスデータRA1に戻って増加を繰返す。このようなア
ドレス信号AD1の変化により前述したような波形読出
し、つまりスタートアドレス(SA)からエンドアドレ
ス(EA)までの波形を1回読み出した後繰返しアドレ
ス(RA)からエンドアドレス(EA)までの波形を繰
返し読み出すこと、が行われる。 【0019】もう一方のアドレス発生回路14も同様に
してアドレスパラメータSA2〜EA2及びノートクロ
ックパルスNCKに応じてアドレス信号AD2を発生
し、セレクタ15のB入力に与える。 【0020】セレクタ15はクロックパルスφが“1”
のときA入力のアドレス信号AD1を選択し、“0”の
ときB入力のアドレス信号AD2を選択する。クロック
パルスφのデューティ比は1/2であるとする。こうし
て時分割多重化された2系列のアドレス信号AD1,A
D2が波形メモリ16に入力され、これに応じて2系列
の波形データ(楽音信号)が時分割的に読み出される。
ラッチ回路17はクロックパルスφが“1”のとき波形
メモリ16の読出し出力(つまりAD1に対応して読み
出された第1系列の楽音信号の波形サンプル値)をラッ
チし、ラッチ回路18はクロックパルスφが“0”のと
き波形メモリ16の読出し出力(つまりAD2に対応し
て読み出された第2系列の楽音信号の波形サンプル値)
をラッチする。 【0021】ラッチ回路17にラッチされた第1系列の
楽音信号サンプル値データは補間回路19の乗算器33
に入力され、ラッチ回路18にラッチされた第2系列の
楽音信号サンプル値データは補間回路19の乗算器34
に入力される。乗算器33の他の入力にはエンベロープ
発生器35及びタッチカーブテーブル36からなる回路
から補間用の第1の係数CE1が与えられる。乗算器3
4の他の入力にはエンベロープ発生器37及びタッチカ
ーブテーブル38からなる回路から補間用の第2の係数
CE2が与えられる。 【0022】タッチカーブテーブル36及び38はタッ
チデータTDに応じた係数LE1,LE2を発生するも
ので、エンベロープ発生器35、37ではこれにエンベ
ロープ波形レベルを加味して鍵タッチに応じたエンベロ
ープ波形状の係数CE1,CE2を夫々発生する。 【0023】タッチカーブテーブル36、38において
は、各タッチグループA,Bに対応する固有の補間関数
カーブをタッチデータTDをアドレス入力情報とする連
続するアドレス領域に順次記憶している。一例を示す
と、第1系列に対応するタッチカーブテーブル36の記
憶内容は図3(a)のようであり、タッチグループAに
対応するタッチデータTDのアドレス範囲においてフォ
ルテシモffに対応する補間関数カーブを記憶しており、
タッチグループBに対応するタッチデータTDのアドレ
ス範囲においてピアノpに対応する補間関数カーブを記
憶している。第2系列に対応するタッチカーブテーブル
38の記憶内容は図3(b)のようであり、タッチグル
ープAに対応するタッチデータTDのアドレス範囲にお
いてメゾフォルテmfに対応する補間関数カーブを記憶し
ており、タッチグループBに対応するタッチデータTD
のアドレス範囲においてもメゾフォルテmfに対応する補
間関数カーブを記憶している。各テーブル36、38
は、タッチデータTDをアドレス信号として該当する補
間関数カーブ上から係数LE1,LE2を夫々読み出
す。 【0024】なお、図3(a),(b)に示した補間関
数カーブは、鍵タッチに応じた音量変化も考慮に入れた
ものである。因みに、両者を合成した総合的なタッチカ
ーブ特性は図3(c)のようである。なお、各音色種類
毎に特有のテーブルを有しており、音色選択コードTC
によってテーブルが選択される。 【0025】図3(a)を見ると明らかなように、異な
る波形特性(ffとp)に関する補間関数カーブを共通の
テーブルの連続するアドレス領域に夫々記憶することが
できる。従って、各波形特性毎に別々にテーブルを設け
る必要がないので、構成が簡単である。補間対象とする
波形特性の数がどんなに増えても、タッチカーブテーブ
ルは2系列分あればよいことはここから明らかであろ
う。 【0026】エンベロープ発生器35、37にはパラメ
ータ発生回路24から発生された系列別のエンベロープ
パラメータEGP1,EGP2と、上述のタッチデータ
TDに応じた補間係数LE1,LE2と、キーオン信号
KONが入力される。エンベロープパラメータEGP
1,EGP2に含まれる各パラメータAR〜RRの値に
応じて発生すべきエンベロープ波形の特性が設定され
る。 【0027】図4はエンベロープ波形の設定例を示すも
ので、(a)はサスティンレベルSLが0のとき、つま
りパーカッシブ系エンベロープの設定例であり、(b)
はサスティンレベルSLが0以外の値をもつとき、つま
り持続音系エンベロープの設定例を示す。(a)の場
合、第1系列のエンベロープ波形(係数CE1)はフォ
ルテシモffのパラメータによって設定され、第2系列の
エンベロープ波形(係数CE2)はメゾフォルテmfのパ
ラメータによって設定されている。(b)の場合、CE
1はピアノpのパラメータによって設定される。キーオ
ン信号KONの立上りに応答してアタックレートARで
アタックレベルALまで立上り、次にディケイレートD
RでサステインレベルSLまで減哀し、キーオン信号K
ONが“0”になるとレリースレートRRでレベル0ま
で減哀する。このとき、アタックレベルALとして、タ
ッチデータTDに応じて発生された係数LE1,LE2
が使用される。従って、エンベロープ波形状の補間用係
数CE1,CE2のピークレベルが鍵タッチに応じて制
御されることになる。これにより、補間回路19におい
ては、タッチカーブテーブル36、38に記憶した補間
関数カーブ(例えば図3(a)、(b))に従う補間が
可能である。 【0028】補間回路19において、乗算器33、34
で係数CE1,CE2に応じてレベル制御された楽音信
号は加算器39に入力され、合成される。こうして補間
合成された楽音信号は加算器39からディジタル/アナ
ログ変換器20に与えられる。 【0029】図1の実施例では、タッチカーブテーブル
36、38に記憶した補間関数カーブは鍵タッチに応じ
た音量変化をも考慮に入れたものであり、そこから読み
出した係数LE1,LE2によりエンベロープ波形信号
のアタックレベルを制御し、補間回路19においては鍵
タッチに応じた2系列の楽音信号の補間演算(つまり音
色変更制御)と鍵タッチに応じた音量制御を一緒に行っ
ている。しかし、そうせずに、鍵タッチに応じた音色制
御と音量制御を別々に行うようにしてもよい。図5はそ
の場合の実施例を示すものである。 【0030】各系列に対応するタッチカーブテーブル3
6’、38’には鍵タッチに応じた音量変化を全く考慮
に入れず音色制御用の補間関数のみに対応するカーブを
記憶している。その場合も、前述と同様に、タッチグル
ープ毎のアドレス範囲に対応して固有の補間関数カーブ
を記憶している(図6(a)、(b))。タッチデータ
TDに応じて各テーブル36’、38’から読み出され
た係数LE1’,LE2’は補間回路19の乗算器3
3、34に直接入力される。エンベロープ発生器41は
1系列分だけ設けられており、音色選択コードTC及び
タッチデータTDに応じたADSR特性を持つエンベロ
ープ波形信号をキーオン信号KONに応答して発生す
る。補間回路19で補間合成された楽音信号は乗算器4
0に与えられ、エンベロープ発生器41からのエンベロ
ープ波形信号が乗算される。なお、この場合には、パラ
メータ発生回路24は第1表に示したアドレスデータS
A、RA、EAだけを記憶すればよく、またエンベロー
プ発生器41はエンベロープパラメータAR、DR、S
L、RRを各音色毎でかつ各鍵タッチ強度毎に記憶した
メモリを有するものとする。 【0031】上記実施例ではff、mf、pの3種類の鍵タ
ッチ強度に対応する波形から2つを選択して2系列に割
当てて補間するようにしているが、2系列に割当てる対
象とする波形は4種類以上であってもよい。例えば4種
類の場合は、フォルテシモff、メゾフォルテmf、メゾピ
アノmp、ピアニシモppの4種類の鍵タッチ強度に対応す
る波形データを波形メモリ16に記憶する。そして、タ
ッチグループ判別回路23におけるタッチデータTDの
グループ分けをA,B,Cの3グループとし、パラメー
タ発生回路24ではこの3グループの各々に対応して第
1及び第2系列に割当てるべきパラメータを予めテープ
ルに記憶しておく。割当てるべきパラメータの波形特性
は、強タッチグループAの場合は第1系列がff、第2系
列がmfであり、中タッチグループBの場合は第1系列が
mp、第2系列がmfであり、弱タッチグループCの場合は
第1系列がmp、第2系列がppである。これに伴ない、各
系列のタッチデータテーブル36、38(または3
6’、38’)に記憶する補間関数カーブは、第1系列
が図7(a)、第2系列が同図(b)のようにする。割
当て対象波形特性が5種類以上の場合の実施例も上述か
ら容易に類推できるであろう。 【0032】また、タッチグループ判別回路23に点線
で示すように音色選択コードTCを入力し、各タッチグ
ループA,Bの範囲を音色に応じて切換えるようにして
もよい。その場合、タッチカーブテーブル36、38、
36’、38’における各タッチグループA、Bに対応
する補間関数カーブのアドレス範囲(つまり補間の分解
能)も音色種類に対応して切換えられるようにする。 【0033】図1ではアドレス発生回路13、14が各
系列毎に並列に設けられているが、これは共通のハード
回路と時分割使用するようにしてもよい。また、波形メ
モリ16に記憶する波形データは、前述のようにエンベ
ロープレベルを一定レベルに規格化したものに限らず、
アタック、ディケイ等のエンベロープレベル特性が付与
された状態のものであってもよい。その場合はエンベロ
ープ発生器から発生するエンベロープ波形信号は、押鍵
中は一定レベルを維持し、離鍵後はレリースエンベロー
プ特性を示すものとする。波形メモリに記憶する波形デ
ータの符号化方式は前述のPCM方式に限らず、DPC
M(差分PCM)、ADPCM(適応DPCM)、DM
(デルタ変調)、ADM、LPCなど適宜のデータ圧縮
方式を用いてよい。 【0034】また、波形メモリに記憶する波形は複数周
期波形に限らず、1周期波形あるいは1/2周期波形等
であってもよい。また、繰返し読出しを行わずに、発音
開始から終了までの全波形を記憶するようにしてもよ
い。また、波形メモリには記憶すべき波形の各サンプル
点における波形情報を全て記憶させるのではなく、飛び
飛びのサンプル点の波形情報だけを記憶させ、中間のサ
ンプル点の波形情報は補間演算によって算出するように
してもよい。また、波形メモリに記憶する複数周期波形
は、連続する複数周期ばかりでなく、飛び飛びの複数周
期から成るものであってもよい。例えば、特開昭60ー
147793号に示されたもののように、楽音の立上り
から立下がりまでを複数フレームに分割し、各フレーム
毎に代表的な1周期または2周期分の波形の波形データ
のみを記憶させ、この波形データを順次切換えながら繰
り返し読み出すようにしてもよく、さらに必要に応じて
この波形切換え時に前の波形と次の新たな波形とを補間
演算して滑らかに変化する波形データを形成するように
してもよい。 【0035】さらに、各系列における楽音信号の発生
は、上述のような波形メモリ読出し方式に限らず、高調
波合成方式やFMまたはAM変調演算方式、その他の方
式であってもよい。その場合、パラメータ割当て回路か
ら発生するパラメータは、その楽音信号発生方式に応じ
て所望の波形特性を設定するものとする。さらに、実施
例では、波形読出し用のアドレス信号はノートクロック
パルスをカウントすることにより形成しているが、押圧
鍵の音高に対応した周波数ナンバを累算あるいは加減算
することにより形成するようにしてもよい。また、アド
レス発生演算や、パラメータ発生演算は、ハードワイヤ
ード回路によらずに、マイクロプログラム等によるソフ
トウェア処理によって行うようにしてもよい。また、上
記実施例では、各音高に共通の波形をその読出しレート
を音高に応じて変えることにより読み出すようにしてい
るが、各鍵毎に又は各音域毎に異なる波形を波形メモリ
に記憶し、これを読み出すようにしてもよい。 【0036】また、上記実施例では、音色変更制御パラ
メータとして鍵タッチデータ特にイニシャルタッチデー
タを用いているが、押圧力に対応するアフタータッチデ
ータ、発生すべき楽音の音高又は音域に対応するキース
ケーリングデータ、ブリリアンス操作子等演奏者によっ
て操作可能な適宜の操作子の出力データ、などを個別に
若しくは適宜組合わせて音色変更制御パラメータとして
用いてもよい。さらに、この発明は、単音楽器に限らず
複音楽器においても適用することができるのは勿論であ
り、また、鍵盤式電子楽器に限らず、単体の音源モジュ
ールやリズム音源装置などにおいても適用することがで
きる。 【0037】 【発明の効果】 以上の通り、この発明によれば、2系
列の補間演算によって、それよりも多いM種類の楽音波
形データを対象にして、その中から所要の2種類の楽音
波形データを選択して波形補間を行なうことができ、回
路構成を増すことなく、補間の対象となる波形の種類を
増すことができ、多彩な音色変更制御を容易に実現でき
る、という優れた効果を奏するものであり、更に、補間
にあたっては選択された音色と音色変更制御パラメータ
に応じた2種類のエンベロープデータをも使用している
ので、選択された音色及び音色変更制御パラメータに最
適な音色及び音量の時間変化を得ることができると共
に、2種類のエンベロープデータを使用して音量時間変
化を制御しているため、音量時間変化を高品位に制御す
ることができる、という優れた効果を奏する。
色変更制御パラメータに応じて制御された音色を持つ楽
音信号を発生するようにした楽音信号発生装置に関す
る。 【0002】 【従来の技術】鍵タッチに応じて制御された音色を有す
る楽音を発生するために、波形メモリから互いに異なる
複数の波形を読み出し、これらの波形を鍵タッチに応じ
た比率で補間合成することが行われている。例えば、特
公昭60ー4994号では、補間の対象となる波形とし
て、3系列の波形メモリから異なる波形をそれぞれ並列
的に読み出し、各系列毎に独立に係数パラメータを発生
してそれに対応する係数の波形の合成比率をこの係数パ
ラメータによって夫々独立に設定することが示されてい
る。この場合、すべての系列について楽音波形を発生す
ると共に、すべての系列について、1対1で対応して補
間演算用の乗算器と補間係数発生回路とを設けるように
している。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】上述したような従来の
技術では、補間の対象となる複数の波形すべてに1対1
で対応して補間演算のための系列を設けているため、補
間演算用の乗算器と補間係数発生回路とが補間の対象と
なる波形の数だけ必要であり、回路規模が大きくなって
しまうという問題点があった。また、各系列ごとに発生
される補間対象となる波形の種類が固定されているた
め、補間の対象となる波形の種類を増したい場合は、補
間系列数を増さねばならないので、その点でも、回路構
成が増してしまうという不都合があり、多彩な音色変更
制御を行なうことが困難であった。この発明は上述の点
に鑑みてなされたもので、異なる波形特性を有する3種
類以上の楽音信号を対象として音色変更制御パラメータ
に応じた補間演算を行うことにより複雑な音色変更制御
を実現する場合において、従来に比べて簡単な回路構成
によりこれを実現することができ、更に、回路構成を増
すことなく、補間の対象となる波形の種類を増し、多彩
な音色変更制御を容易に実現できるようにした楽音信号
発生装置を提供しようとするものである。 【0004】 【課題を解決するための手段】 この発明に係る楽音信
号発生装置は、複数種類の音色の楽音信号を発生可能な
楽音信号発生装置において、各音色毎にM(Mは3以上
の整数)種類の楽音波形データを記憶した楽音波形記憶
手段と、音色を選択する音色選択手段と、音色変更制御
パラメータを発生する音色変更制御パラメータ発生手段
と、前記音色選択手段で選択された音色に対応するM種
類の楽音波形データの中から、前記音色変更制御パラメ
ータに応じて2種類の楽音波形データを選択して前記楽
音波形記憶手段から読み出す読出手段と、各音色毎にM
種類のエンベロープデータを記憶したエンベロープデー
タ記憶手段と、前記音色選択手段で選択された音色に対
応するM種類のエンベロープデータの中から、前記音色
変更制御パラメータに応じて2種類のエンベロープデー
タを選択して前記エンベロープデータ記憶手段から読み
出す手段と、前記読み出された2種類の楽音波形データ
を前記音色変更制御パラメータと前記2種類のエンベロ
ープデータに応じて補間すると共にその音量時間変化を
制御し、その結果を楽音信号として出力する補間手段と
を具えたものである。 【0005】 楽音波形記憶手段においては、各音色毎
にM(Mは3以上の整数)種類の楽音波形データを記憶
しており、選択された音色に対応するM種類の楽音波形
データの中から、音色変更制御パラメータに応じて2種
類の楽音波形データが選択されて該楽音波形記憶手段か
ら読み出される。一方、エンベロープデータ記憶手段に
おいては、各音色毎にM種類のエンベロープデータを記
憶しており、選択された音色に対応するM種類のエンベ
ロープデータの中から、音色変更制御パラメータに応じ
て2種類のエンベロープデータを選択してエンベロープ
データ記憶手段から読み出される。補間手段では、読み
出された2種類の楽音波形データを該音色変更制御パラ
メータと前記2種類のエンベロープデータに応じて補間
すると共にその音量時間変化を制御し、その結果を楽音
信号として出力する。従って、2系列の補間演算によっ
て、それよりも多いM種類の楽音波形データを対象にし
て、その中から所要の2種類の楽音波形データを選択し
て波形補間を行なうことができ、回路構成を増すことな
く、補間の対象となる波形の種類を増すことができ、多
彩な音色変更制御を容易に実現できるものとなるもので
あり、更に、補間にあたっては選択された音色と音色変
更制御パラメータに応じた2種類のエンベロープデータ
をも使用しているので、選択された音色及び音色変更制
御パラメータに最適な音色及び音量の時間変化を得るこ
とができると共に、2種類のエンベロープデータを使用
して音量時間変化を制御しているため、音量時間変化を
高品位に制御することができる。 【0006】 【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照してこの発
明の一実施例を詳細に説明しよう。図1において、押鍵
検出回路11は、鍵盤10で押圧された鍵を検出し、該
押圧鍵を識別するキーコードKCとキーオン信号KON
(押鍵中“1”を維持する信号)及びキーオンパルスK
ONP(鍵の押し始めで一時的に“1”となるパルス)
を出力する。なお、説明の簡単化のために、図示された
電子楽器は単音楽器であるとし、複数鍵が同時に押圧さ
れたときは所定の単音優先選択基準に従って1つの押圧
鍵についてKC,KON,KONPを出力するものとす
る。各信号KC,KON,KONPの出力タイミングは
所定のクロックパルスφに同期しているものとする。 【0007】ノートクロック発生回路12は、与えられ
たキーコードKCに基づき、押圧鍵の音高に対応した周
波数のノートクロックパルスNCKを発生するものであ
る。このノートクロックパルスNCKは、2系列のアド
レス信号発生回路13、14に与えられる。このアドレ
ス信号発生回路13、14からセレクタ15、波形メモ
リ16、ラッチ回路17、18に至る部分が2つの楽音
信号発生系列を構成している。波形メモリ読出し用のア
ドレス信号AD1,AD2は各系列別に設けられたアド
レス信号発生回路13、14において並列的に発生され
るが、セレクタ15で両系列のアドレス信号AD1,A
D2を時分割多重化し、1個の波形メモリ16を両系列
で時分割共用するようにしている。ラッチ回路17、1
8は波形メモリ16から時分割的に読み出された2系列
の楽音信号を並列変換するためのものである。並列化さ
れた2系列の楽音信号は補間回路19において適宜の比
率で補間合成され、ディジタル/アナログ変換回路20
を経由してサウンドシステム21に至る。 【0008】タッチ検出回路22は鍵盤10で押圧され
た鍵の押下速度、押圧力等に基づき鍵タッチを検出する
ものであり、例えば押下速度に応じたイニシャルタッチ
を検出するものとして説明を進める。タッチ検出回路2
2からは検出した鍵タッチを示すタッチデータTDが出
力される。この実施例においてはこのタッチデータTD
を音色変更制御パラメータとして用いる。 【0009】タッチグループ判別回路23とパラメータ
発生回路24とによってパラメータ割当て回路25が構
成されている。パラメータ割当て回路25は、3種類の
鍵タッチの強さ(これをフォルテシモff,メゾフォルテ
mf,ピアノpで区別する)に対応する互いに異なる3つ
の波形特性に関するパラメータのうち2つの波形特性パ
ラメータをタッチデータTDに応じて選択し前述の2つ
の楽音信号発生系列に割当てるものである。 【0010】パラメータ発生回路24は、上述の3種類の
鍵タッチff,mf,pに対応する3種類の波形特性パラメ
ータを音色選択回路26で選択可能な各音色種類毎に夫々
記憶したテーブルを持っており、このテーブルにはこの
3種類の波形特性パラメータをタッチデータTDの属す
る範囲に応じてどの系列に割当てるべきかということも
記憶されている。 【0011】タッチグループ判別回路23はタッチデー
タTDを所定の範囲で2つのグループA,Bに分類する
ものであり、タッチ検出回路22から与えられるタッチ
データTDの値がどちらのグループ(範囲)に属するか
に応じてタッチグループデータを出力する。タッチグル
ープデータはパラメータ発生回路24に入力され、上述
のテーブルを読み出すために使用される。パラメータ発
生回路24における上述のテーブルの一例を示すと次表
のようである。 【0012】 【表1】【0013】入力1は、音色選択コードTCによって指
示される音色の種類であり、音色1からNまでのN種類
であるとする。入力2は、タッチグループ判別回路23
から与えられるタッチグループデータであり、グループ
Aは強いタッチに対応し、グループBは弱いタッチに対
応する。出力のうちSA1〜EGP1は第1の系列のた
めのパラメータ、SA2〜EPG2は第2の系列のため
のパラメータである。出力されるパラメータのうち、S
Aはスタートアドレスデータ、RAは繰返しアドレスデ
ータ、EAはエンドアドレスデータであり、波形メモリ
16に記憶されている波形データのアドレスを指示する
ものである。EGPはエンベロープパラメータであり、
その内訳は、アタックレートAR、ディケイレートD
R、サスティンレベルSL、レリースレートRRの各パ
ラメータデータからなる。ff,mf,pは、前述の通り、
鍵タッチの強さを示すものであり、これらのパラメータ
の内容が夫々の鍵タッチ強度に対応していることを示
す。 【0014】表1の場合、音色1が選択されたとき、タ
ッチデータTDが強タッチグループAに属しているなら
ば、第1の系列用の波形特性パラメータSA1〜EA
1,EGP1としてフォルテシモffに対応する波形アド
レスデータSA〜EA及びエンベロープパラメータデー
タAR〜RRが出力され、第2の系列用の波形特性パラ
メータSA2〜EA2,EGP2としてメゾフォルテmf
に対応する波形アドレスデータSA〜EA及びエンベロ
ープパラメータデータAR〜RRが出力される。また、
タッチデータTDが弱タッチグループBに属しているな
らば、第1の系列用のSA1〜EA1,EGP1として
ピアノpに対応するSA〜EA、AR〜RRが出力さ
れ、第2の系列用のSA2〜EA2,EGP2としてメ
ゾフォルテmfに対応するSA〜EA、AR〜RRが出力
される。他の音色に関しても同様にタッチグループA,
Bに対応する第1及び第2の系列用のパラメータが記憶
されている。 【0015】ここで、波形メモリ16における楽音波形
の記憶フォーマットの一例を示すと図2のようである。
音色1からNまでの波形が順次記憶されており、1つの
音色に関してはff,mf,pの3種類の異なる音色特性に
対応する波形が順次記憶されている。1つの音色特性
(例えばff)の波形に関しては、楽音の立上りから持続
部に至る複数周期波形のデータが所定の符号化形式(例
えばパルスコード変調:PCM)で記憶されている。こ
こにおいて立上り部の波形の最初のサンプル点データを
記憶したアドレスがスタートアドレス(SA)であり、
その特性に対応する複数周期波形の最後のサンプルデー
タ点データを記憶したアドレスがエンドアドレス(E
A)である。また、繰返し読み出しの先頭のアドレスが
繰返しアドレス(RA)である。パラメータ発生回路2
4から発生される前述のスタートアドレスデータSA、
繰返しアドレスデータRA、エンドアドレスデータEA
は、波形メモリ16から読み出すべき波形の上述のスタ
ートアドレス、繰返しアドレス、エンドアドレスを絶対
アドレスにて指示するものである。なお、知られている
ように、このような複数周期波形の読み出し方法は、ス
タートアドレス(SA)からエンドアドレス(EA)ま
での波形を1回読み出した後、繰返しアドレス(RA)
からエンドアドレス(EA)までの波形の読み出しを繰
り返す。なお、図2では便宜上振幅エンベロープを持つ
波形が波形メモリ16に記憶されるように示したが、実
際は振幅レベルを一定レベルに規格化した波形データを
記憶し、これを読み出した後に適宜の振幅エンベロープ
を付与するものとする。 【0016】パラメータ発生回路24から発生された第
1系列用の波形アドレスデータSA1〜EA1、つまり
第1系列に割当てられた波形特性のアドレスデータSA
〜EAは第1系列用のアドレス発生回路13に供給され
る。第2系列用のデータSA2〜EA2、つまり第2系
列に割当てられた波形特性のアドレスデータSA〜EA
は第2系列用のアドレス発生回路14に供給される。一
方のアドレス発生回路13のみ内部を図示したが他方の
回路14も同一構成である。 【0017】アドレス発生回路13について説明する
と、スタートアドレスデータSA1と繰返しアドレスデ
ータRA1がセレクタ27のA,B入力に夫々加えら
れ、このセレクタ27の出力がプリセットカウンタ28
のプリセットデータ入力PDに与えられる。プリセット
カウンタ28のプリセット制御入力PSにはオア回路2
9を介してキーオンパルスKONPまたは遅延フリップ
フロップ30の出力が加わり、カウント入力CKにはノ
ートクロックパルスNCKが加わる。プリセットカウン
タ28のカウント出力とエンドアドレスデータEA1が
比較器31に与えられ、両者の値が一致したとき信号
“1”が出力される。この比較出力信号は遅延フリップ
フロップ30でクロックパルスφの1周期分遅延され、
オア回路29及びセレクタ27のB選択制御入力BSに
与えられると共に、インバータ32で反転されてセレク
タ27のA選択制御入力ASに与えられる。プリセット
カウンタ28のカウント出力が第1系列の波形読出し用
アドレス信号AD1としてセレクタ15のA入力に与え
られる。 【0018】通常は遅延フリップフロップ30の出力信
号は“0”であり、セレクタ27はA入力に加わるスタ
ートアドレスデータSA1を選択している。鍵が押圧さ
れると、押圧された鍵の音高周波数に対応するノートク
ロツクパルスNCKの発生が開始される。同時に、鍵の
押し始めで発生されるキーオンパルスKONPによって
スタートアドレスデータSA1がカウンタ28にプリセ
ットされる。(なお、プリセット動作はノートクロック
パルスNCKの入力に同期して行われるものとする)。
従って、プリセットカウンタ28ではスタートアドレス
データSA1を初期値としてノートクロックパルスNC
Kのカウントを開始し、アドレス信号AD1の値がSA
1を初期値として押圧鍵の音高に対応するレートで順次
増加する。やがて、このアドレス信号AD1の値がエン
ドアドレスデータEA1と同じ値になると、比較器31
の出力信号が“1”となり、セレクタ27でB入力の繰
返しアドレスデータRA1が選択され、かつこれが次の
ノートクロックパルスNCKの到来に同期してカウンタ
28にプリセットされる。これにより、アドレス信号A
D1の値はRA1に戻り、そこからノートクロックパル
スNCKに応じた増加を再開する。以後、AD1の値が
エンドアドレスデータEA1に到達する毎に繰返しアド
レスデータRA1に戻って増加を繰返す。このようなア
ドレス信号AD1の変化により前述したような波形読出
し、つまりスタートアドレス(SA)からエンドアドレ
ス(EA)までの波形を1回読み出した後繰返しアドレ
ス(RA)からエンドアドレス(EA)までの波形を繰
返し読み出すこと、が行われる。 【0019】もう一方のアドレス発生回路14も同様に
してアドレスパラメータSA2〜EA2及びノートクロ
ックパルスNCKに応じてアドレス信号AD2を発生
し、セレクタ15のB入力に与える。 【0020】セレクタ15はクロックパルスφが“1”
のときA入力のアドレス信号AD1を選択し、“0”の
ときB入力のアドレス信号AD2を選択する。クロック
パルスφのデューティ比は1/2であるとする。こうし
て時分割多重化された2系列のアドレス信号AD1,A
D2が波形メモリ16に入力され、これに応じて2系列
の波形データ(楽音信号)が時分割的に読み出される。
ラッチ回路17はクロックパルスφが“1”のとき波形
メモリ16の読出し出力(つまりAD1に対応して読み
出された第1系列の楽音信号の波形サンプル値)をラッ
チし、ラッチ回路18はクロックパルスφが“0”のと
き波形メモリ16の読出し出力(つまりAD2に対応し
て読み出された第2系列の楽音信号の波形サンプル値)
をラッチする。 【0021】ラッチ回路17にラッチされた第1系列の
楽音信号サンプル値データは補間回路19の乗算器33
に入力され、ラッチ回路18にラッチされた第2系列の
楽音信号サンプル値データは補間回路19の乗算器34
に入力される。乗算器33の他の入力にはエンベロープ
発生器35及びタッチカーブテーブル36からなる回路
から補間用の第1の係数CE1が与えられる。乗算器3
4の他の入力にはエンベロープ発生器37及びタッチカ
ーブテーブル38からなる回路から補間用の第2の係数
CE2が与えられる。 【0022】タッチカーブテーブル36及び38はタッ
チデータTDに応じた係数LE1,LE2を発生するも
ので、エンベロープ発生器35、37ではこれにエンベ
ロープ波形レベルを加味して鍵タッチに応じたエンベロ
ープ波形状の係数CE1,CE2を夫々発生する。 【0023】タッチカーブテーブル36、38において
は、各タッチグループA,Bに対応する固有の補間関数
カーブをタッチデータTDをアドレス入力情報とする連
続するアドレス領域に順次記憶している。一例を示す
と、第1系列に対応するタッチカーブテーブル36の記
憶内容は図3(a)のようであり、タッチグループAに
対応するタッチデータTDのアドレス範囲においてフォ
ルテシモffに対応する補間関数カーブを記憶しており、
タッチグループBに対応するタッチデータTDのアドレ
ス範囲においてピアノpに対応する補間関数カーブを記
憶している。第2系列に対応するタッチカーブテーブル
38の記憶内容は図3(b)のようであり、タッチグル
ープAに対応するタッチデータTDのアドレス範囲にお
いてメゾフォルテmfに対応する補間関数カーブを記憶し
ており、タッチグループBに対応するタッチデータTD
のアドレス範囲においてもメゾフォルテmfに対応する補
間関数カーブを記憶している。各テーブル36、38
は、タッチデータTDをアドレス信号として該当する補
間関数カーブ上から係数LE1,LE2を夫々読み出
す。 【0024】なお、図3(a),(b)に示した補間関
数カーブは、鍵タッチに応じた音量変化も考慮に入れた
ものである。因みに、両者を合成した総合的なタッチカ
ーブ特性は図3(c)のようである。なお、各音色種類
毎に特有のテーブルを有しており、音色選択コードTC
によってテーブルが選択される。 【0025】図3(a)を見ると明らかなように、異な
る波形特性(ffとp)に関する補間関数カーブを共通の
テーブルの連続するアドレス領域に夫々記憶することが
できる。従って、各波形特性毎に別々にテーブルを設け
る必要がないので、構成が簡単である。補間対象とする
波形特性の数がどんなに増えても、タッチカーブテーブ
ルは2系列分あればよいことはここから明らかであろ
う。 【0026】エンベロープ発生器35、37にはパラメ
ータ発生回路24から発生された系列別のエンベロープ
パラメータEGP1,EGP2と、上述のタッチデータ
TDに応じた補間係数LE1,LE2と、キーオン信号
KONが入力される。エンベロープパラメータEGP
1,EGP2に含まれる各パラメータAR〜RRの値に
応じて発生すべきエンベロープ波形の特性が設定され
る。 【0027】図4はエンベロープ波形の設定例を示すも
ので、(a)はサスティンレベルSLが0のとき、つま
りパーカッシブ系エンベロープの設定例であり、(b)
はサスティンレベルSLが0以外の値をもつとき、つま
り持続音系エンベロープの設定例を示す。(a)の場
合、第1系列のエンベロープ波形(係数CE1)はフォ
ルテシモffのパラメータによって設定され、第2系列の
エンベロープ波形(係数CE2)はメゾフォルテmfのパ
ラメータによって設定されている。(b)の場合、CE
1はピアノpのパラメータによって設定される。キーオ
ン信号KONの立上りに応答してアタックレートARで
アタックレベルALまで立上り、次にディケイレートD
RでサステインレベルSLまで減哀し、キーオン信号K
ONが“0”になるとレリースレートRRでレベル0ま
で減哀する。このとき、アタックレベルALとして、タ
ッチデータTDに応じて発生された係数LE1,LE2
が使用される。従って、エンベロープ波形状の補間用係
数CE1,CE2のピークレベルが鍵タッチに応じて制
御されることになる。これにより、補間回路19におい
ては、タッチカーブテーブル36、38に記憶した補間
関数カーブ(例えば図3(a)、(b))に従う補間が
可能である。 【0028】補間回路19において、乗算器33、34
で係数CE1,CE2に応じてレベル制御された楽音信
号は加算器39に入力され、合成される。こうして補間
合成された楽音信号は加算器39からディジタル/アナ
ログ変換器20に与えられる。 【0029】図1の実施例では、タッチカーブテーブル
36、38に記憶した補間関数カーブは鍵タッチに応じ
た音量変化をも考慮に入れたものであり、そこから読み
出した係数LE1,LE2によりエンベロープ波形信号
のアタックレベルを制御し、補間回路19においては鍵
タッチに応じた2系列の楽音信号の補間演算(つまり音
色変更制御)と鍵タッチに応じた音量制御を一緒に行っ
ている。しかし、そうせずに、鍵タッチに応じた音色制
御と音量制御を別々に行うようにしてもよい。図5はそ
の場合の実施例を示すものである。 【0030】各系列に対応するタッチカーブテーブル3
6’、38’には鍵タッチに応じた音量変化を全く考慮
に入れず音色制御用の補間関数のみに対応するカーブを
記憶している。その場合も、前述と同様に、タッチグル
ープ毎のアドレス範囲に対応して固有の補間関数カーブ
を記憶している(図6(a)、(b))。タッチデータ
TDに応じて各テーブル36’、38’から読み出され
た係数LE1’,LE2’は補間回路19の乗算器3
3、34に直接入力される。エンベロープ発生器41は
1系列分だけ設けられており、音色選択コードTC及び
タッチデータTDに応じたADSR特性を持つエンベロ
ープ波形信号をキーオン信号KONに応答して発生す
る。補間回路19で補間合成された楽音信号は乗算器4
0に与えられ、エンベロープ発生器41からのエンベロ
ープ波形信号が乗算される。なお、この場合には、パラ
メータ発生回路24は第1表に示したアドレスデータS
A、RA、EAだけを記憶すればよく、またエンベロー
プ発生器41はエンベロープパラメータAR、DR、S
L、RRを各音色毎でかつ各鍵タッチ強度毎に記憶した
メモリを有するものとする。 【0031】上記実施例ではff、mf、pの3種類の鍵タ
ッチ強度に対応する波形から2つを選択して2系列に割
当てて補間するようにしているが、2系列に割当てる対
象とする波形は4種類以上であってもよい。例えば4種
類の場合は、フォルテシモff、メゾフォルテmf、メゾピ
アノmp、ピアニシモppの4種類の鍵タッチ強度に対応す
る波形データを波形メモリ16に記憶する。そして、タ
ッチグループ判別回路23におけるタッチデータTDの
グループ分けをA,B,Cの3グループとし、パラメー
タ発生回路24ではこの3グループの各々に対応して第
1及び第2系列に割当てるべきパラメータを予めテープ
ルに記憶しておく。割当てるべきパラメータの波形特性
は、強タッチグループAの場合は第1系列がff、第2系
列がmfであり、中タッチグループBの場合は第1系列が
mp、第2系列がmfであり、弱タッチグループCの場合は
第1系列がmp、第2系列がppである。これに伴ない、各
系列のタッチデータテーブル36、38(または3
6’、38’)に記憶する補間関数カーブは、第1系列
が図7(a)、第2系列が同図(b)のようにする。割
当て対象波形特性が5種類以上の場合の実施例も上述か
ら容易に類推できるであろう。 【0032】また、タッチグループ判別回路23に点線
で示すように音色選択コードTCを入力し、各タッチグ
ループA,Bの範囲を音色に応じて切換えるようにして
もよい。その場合、タッチカーブテーブル36、38、
36’、38’における各タッチグループA、Bに対応
する補間関数カーブのアドレス範囲(つまり補間の分解
能)も音色種類に対応して切換えられるようにする。 【0033】図1ではアドレス発生回路13、14が各
系列毎に並列に設けられているが、これは共通のハード
回路と時分割使用するようにしてもよい。また、波形メ
モリ16に記憶する波形データは、前述のようにエンベ
ロープレベルを一定レベルに規格化したものに限らず、
アタック、ディケイ等のエンベロープレベル特性が付与
された状態のものであってもよい。その場合はエンベロ
ープ発生器から発生するエンベロープ波形信号は、押鍵
中は一定レベルを維持し、離鍵後はレリースエンベロー
プ特性を示すものとする。波形メモリに記憶する波形デ
ータの符号化方式は前述のPCM方式に限らず、DPC
M(差分PCM)、ADPCM(適応DPCM)、DM
(デルタ変調)、ADM、LPCなど適宜のデータ圧縮
方式を用いてよい。 【0034】また、波形メモリに記憶する波形は複数周
期波形に限らず、1周期波形あるいは1/2周期波形等
であってもよい。また、繰返し読出しを行わずに、発音
開始から終了までの全波形を記憶するようにしてもよ
い。また、波形メモリには記憶すべき波形の各サンプル
点における波形情報を全て記憶させるのではなく、飛び
飛びのサンプル点の波形情報だけを記憶させ、中間のサ
ンプル点の波形情報は補間演算によって算出するように
してもよい。また、波形メモリに記憶する複数周期波形
は、連続する複数周期ばかりでなく、飛び飛びの複数周
期から成るものであってもよい。例えば、特開昭60ー
147793号に示されたもののように、楽音の立上り
から立下がりまでを複数フレームに分割し、各フレーム
毎に代表的な1周期または2周期分の波形の波形データ
のみを記憶させ、この波形データを順次切換えながら繰
り返し読み出すようにしてもよく、さらに必要に応じて
この波形切換え時に前の波形と次の新たな波形とを補間
演算して滑らかに変化する波形データを形成するように
してもよい。 【0035】さらに、各系列における楽音信号の発生
は、上述のような波形メモリ読出し方式に限らず、高調
波合成方式やFMまたはAM変調演算方式、その他の方
式であってもよい。その場合、パラメータ割当て回路か
ら発生するパラメータは、その楽音信号発生方式に応じ
て所望の波形特性を設定するものとする。さらに、実施
例では、波形読出し用のアドレス信号はノートクロック
パルスをカウントすることにより形成しているが、押圧
鍵の音高に対応した周波数ナンバを累算あるいは加減算
することにより形成するようにしてもよい。また、アド
レス発生演算や、パラメータ発生演算は、ハードワイヤ
ード回路によらずに、マイクロプログラム等によるソフ
トウェア処理によって行うようにしてもよい。また、上
記実施例では、各音高に共通の波形をその読出しレート
を音高に応じて変えることにより読み出すようにしてい
るが、各鍵毎に又は各音域毎に異なる波形を波形メモリ
に記憶し、これを読み出すようにしてもよい。 【0036】また、上記実施例では、音色変更制御パラ
メータとして鍵タッチデータ特にイニシャルタッチデー
タを用いているが、押圧力に対応するアフタータッチデ
ータ、発生すべき楽音の音高又は音域に対応するキース
ケーリングデータ、ブリリアンス操作子等演奏者によっ
て操作可能な適宜の操作子の出力データ、などを個別に
若しくは適宜組合わせて音色変更制御パラメータとして
用いてもよい。さらに、この発明は、単音楽器に限らず
複音楽器においても適用することができるのは勿論であ
り、また、鍵盤式電子楽器に限らず、単体の音源モジュ
ールやリズム音源装置などにおいても適用することがで
きる。 【0037】 【発明の効果】 以上の通り、この発明によれば、2系
列の補間演算によって、それよりも多いM種類の楽音波
形データを対象にして、その中から所要の2種類の楽音
波形データを選択して波形補間を行なうことができ、回
路構成を増すことなく、補間の対象となる波形の種類を
増すことができ、多彩な音色変更制御を容易に実現でき
る、という優れた効果を奏するものであり、更に、補間
にあたっては選択された音色と音色変更制御パラメータ
に応じた2種類のエンベロープデータをも使用している
ので、選択された音色及び音色変更制御パラメータに最
適な音色及び音量の時間変化を得ることができると共
に、2種類のエンベロープデータを使用して音量時間変
化を制御しているため、音量時間変化を高品位に制御す
ることができる、という優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の一実施例に係る電子楽器の全体構
成ブロック図。 【図2】 図1の波形メモリにおける記憶フォーマット
の一例を示す図。 【図3】 (a)、(b)は、図1の各系列毎のタッチ
カーブテーブルに記憶する補間関数カーブの一例を示す
グラフ、(c)は(a)、(b)の関数を合成した総合
的なタッチカーブ特性を示すグラフ。 【図4】 図1のエンベロープ発生器から発生するエン
ベロープ波形信号状の補間用係数の一例を示す図。 【図5】 図1の変更例を示すブロック図。 【図6】 図5のタッチカーブテーブルに記憶する補間
関数カーブの一例を示すグラフ。 【図7】 補間の対象とする波形特性をff、mf、mp、pp
の4種類としたときの第1及び第2の系列に対応するタ
ッチカーブテーブルに記憶する補間関数の一例を示すグ
ラフ。 【符号の説明】 10 鍵盤 11 押鍵検出回路 13、14 アドレス発生回路 16 波形メモリ 19 補間回路 22 タッチ検出回路 23 タッチグループ判別回路 24 パラメータ発生回路 25 パラメータ割当て回路 26 音色選択回路 36、36'、38、38’ タッチカーブテーブル
成ブロック図。 【図2】 図1の波形メモリにおける記憶フォーマット
の一例を示す図。 【図3】 (a)、(b)は、図1の各系列毎のタッチ
カーブテーブルに記憶する補間関数カーブの一例を示す
グラフ、(c)は(a)、(b)の関数を合成した総合
的なタッチカーブ特性を示すグラフ。 【図4】 図1のエンベロープ発生器から発生するエン
ベロープ波形信号状の補間用係数の一例を示す図。 【図5】 図1の変更例を示すブロック図。 【図6】 図5のタッチカーブテーブルに記憶する補間
関数カーブの一例を示すグラフ。 【図7】 補間の対象とする波形特性をff、mf、mp、pp
の4種類としたときの第1及び第2の系列に対応するタ
ッチカーブテーブルに記憶する補間関数の一例を示すグ
ラフ。 【符号の説明】 10 鍵盤 11 押鍵検出回路 13、14 アドレス発生回路 16 波形メモリ 19 補間回路 22 タッチ検出回路 23 タッチグループ判別回路 24 パラメータ発生回路 25 パラメータ割当て回路 26 音色選択回路 36、36'、38、38’ タッチカーブテーブル
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(56)参考文献 特開 昭59−231595(JP,A)
特開 昭57−92399(JP,A)
特開 昭60−55398(JP,A)
特開 昭53−139520(JP,A)
特開 昭58−211786(JP,A)
特開 昭59−109090(JP,A)
特開 昭59−105694(JP,A)
実開 昭60−3892(JP,U)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
G10H 1/053 - 1/057
G10H 1/043 - 1/047
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 1.複数種類の音色の楽音信号を発生可能な楽音信号発
生装置において、 各音色毎にM(Mは3以上の整数)種類の楽音波形デー
タを記憶した楽音波形記憶手段と、 音色を選択する音色選択手段と、 音色変更制御パラメータを発生する音色変更制御パラメ
ータ発生手段と、 前記音色選択手段で選択された音色に対応するM種類の
楽音波形データの中から、前記音色変更制御パラメータ
に応じて2種類の楽音波形データを選択して前記楽音波
形記憶手段から読み出す読出手段と、 各音色毎にM種類のエンベロープデータを記憶したエン
ベロープデータ記憶手段と、 前記音色選択手段で選択された音色に対応するM種類の
エンベロープデータの中から、前記音色変更制御パラメ
ータに応じて2種類のエンベロープデータを選択して前
記エンベロープデータ記憶手段から読み出す手段と、 前記読み出された2種類の楽音波形データを前記音色変
更制御パラメータと前記2種類のエンベロープデータに
応じて補間すると共にその音量時間変化を制御し、その
結果を楽音信号として出力する補間手段とを具えた楽音
信号発生装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10-257072A JP3257520B2 (ja) | 1986-02-28 | 楽音信号発生装置 |
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61043036A JPH0778676B2 (ja) | 1986-02-28 | 1986-02-28 | 楽音信号発生装置 |
JP10-257072A JP3257520B2 (ja) | 1986-02-28 | 楽音信号発生装置 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP61043036A Division JPH0778676B2 (ja) | 1986-02-28 | 1986-02-28 | 楽音信号発生装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11143468A JPH11143468A (ja) | 1999-05-28 |
JP3257520B2 true JP3257520B2 (ja) | 2002-02-18 |
Family
ID=
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