JP2621234B2 - 電子楽器の制御信号発生装置 - Google Patents

電子楽器の制御信号発生装置

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JP2621234B2 JP62259199A JP25919987A JP2621234B2 JP 2621234 B2 JP2621234 B2 JP 2621234B2 JP 62259199 A JP62259199 A JP 62259199A JP 25919987 A JP25919987 A JP 25919987A JP 2621234 B2 JP2621234 B2 JP 2621234B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、ビブラートやトレモロなどその他変調制
御用の変調信号及びエンベロープ設定・制御用のエンベ
ロープ波形信号など複数種類の楽音制御用の制御信号を
発生する電子楽器の制御信号発生装置に関し、特に、エ
ンベロープ波形の変化レートを設定・制御するためのク
ロック信号を発生する手段及び変調信号の周波数を設定
するためのクロック信号を発生する手段を簡略化したこ
とに関する。
〔従来の技術〕 一般に、電子楽器では、楽音の音量エンベロープや制
御信号のエンベロープなどを設定・制御するためのエン
ベロープ波形を発生するエンベロープ波形発生回路が設
けられている。このようなエンベロープ波形発生回路で
は、発生するエンベロープ波形のアタック、ディケイ等
の変化レートを設定・制御するために、クロック信号発
生回路が設けられる。
一方、ビブラートやトレモロなどの変調制御のために
変調信号を発生する場合、変調信号発生装置において変
調信号の周波数を設定するためのクロック信号を発生す
る回路を更に設けなければならない。従来、そのような
変調信号用のクロック信号発生回路は、エンベロープ波
形発生用のクロック信号発生回路とは別に設けられてい
た(特公昭58−9434号公報参照)。エンベロープ波形発
生用と変調信号用とでは夫々独立したクロック周波数調
整・制御が要求されるので、両者のクロック信号発生回
路は別々に設けられていたのである。
〔発明が解決しようとする問題点〕
ところで、変調信号用のクロック信号発生回路は、一
般に低周波数のクロック信号を発生するように構成され
ており、分周回路が多く用いられる。また、エンベロー
プ波形発生用のクロック信号発生回路でも分周回路が多
く用いられる。このように分周回路が多く用いられる
と、全体の回路構成が大型化するという問題点があっ
た。また、分周回路を用いなかったとしても、エンベロ
ープ波形発生用と変調信号用とで別々のクロック信号発
生回路を設けなければならなかったため、全体の回路構
成が大型化するという問題点があった。
この発明は上述の点に鑑みてなされたもので、変調信
号用のクロック信号発生回路をエンベロープ波形発生用
のクロック信号発生回路とは別途に設けなければならな
かったという問題点を解決し、構成の小型化を図った電
子楽器の制御信号発生装置を提供しようとするものであ
る。
〔問題点を解決するための手段〕
この発明に係る電子楽器の制御信号発生装置は、異な
る周波数の複数のクロック信号を発生するものであっ
て、各周波数に対応するクロック信号のパルス発生タイ
ミングが重ならないように、これらのクロック信号を発
生するマルチクロック信号発生手段と、前記マルチクロ
ック信号発生手段で発生されたクロック信号に基づきエ
ンベロープ波形変形レートを制御し、エンベロープ波形
信号を発生するエンベロープ波形発生手段と、前記マル
チクロック信号発生手段で発生されたクロック信号の1
又は複数所望の変調周波数に対応して選択し、これを多
重化することにより該所望の変調周波数に対応するクロ
ック信号を出力する制御手段と、この制御手段により出
力されたクロック信号に基づき変調信号を形成する変調
信号形成手段とを具え、前記エンベロープ波形発生手段
で発生したエンベロープ波形信号及び前記変調信号形成
手段で形成した変調信号により楽音を制御するようにし
たものである。
〔作用〕
マルチクロック信号発生手段は、異なる周波数の複数
のクロック信号を発生し、エンベロープ波形発生手段で
は、このクロック信号に基づきエンベロープ波形変化レ
ートを制御し、エンベロープ波形信号を発生する。マル
チクロック信号発生手段で発生されたクロック信号は制
御手段にも入力される。制御手段では、入力されたクロ
ック信号に基づき所望の変調周波数に対応するクロック
信号を出力する。変調信号形成手段では、制御手段によ
り出力されたクロック信号に基づき変調信号を形成す
る。
マルチクロック信号発生手段により異なる周波数の複
数のクロック信号を発生するので、これらのクロック信
号の所望の1つ又は複数を選択合成することにより任意
の所望周波数のクロック信号を得るようにすることがで
きる。その場合に、マルチクロック信号発生手段では、
各周波数に対応するクロック信号のパルス発生タイミン
グが重ならないように、これらのクロック信号を発生す
るようにしているので、制御手段は、該マルチクロック
信号発生手段で発生されたクロック信号の1又は複数を
所望の変調周波数に対応して選択してこれを多重化する
だけで該所望の変調周波数に対応するクロック信号を出
力する構成とすることができる。
従って、所望の変調周波数に対応するクロック信号の
合成を、選択と多重化のみの単純な構成で行うことがで
きるので、構成が簡単となる、という優れた効果を奏す
る。また、マルチクロック信号発生手段で発生された複
数のクロック信号は、夫々所定の周波数しか持たないに
もかかわらず、上記選択と多重化による合成によって、
多様な変調周波数のクロック信号を生成することがで
き、精密な周波数選択・設定が可能となる、という優れ
た効果を奏する。例えば、マルチクロック信号発生手段
で発生するクロック信号の数が8通りであるとすると、
それらの組合せによって合成可能な変調周波数の数は25
5通りとなる。
また、マルチクロック信号発生手段の発振周波数その
ものを、エンベロープ波形発生用と変調信号用とで個別
に調整・制御する必要がなく、使用する側で、これらの
異なる周波数の複数のクロック信号に基づき所望の周波
数のクロック信号を得るようにすればよい。従って、エ
ンベロープ波形発生手段と共通のマルチクロック信号発
生手段を変調信号発生のために使用することができるの
である。
これにより、変調信号用のクロック信号発生手段をエ
ンベロープ波形発生用のクロック信号発生手段とは別途
に設ける必要がなくなり、装置構成の小型化を図ること
ができる。
〔実施例〕 以下、添付図面を参照してこの発明の一実施例を詳細
に説明しよう。
第1図においては、ビブラートのための変調信号を発
生し、ビブラート効果の付与された楽音を発生する電子
楽器の一実施例が示されている。
まず、この実施例の電子楽器の全体構成につき説明す
る。押鍵検出回路11は、鍵盤10で押圧された鍵を検出
し、押圧鍵を示すキーコードKCと鍵押圧中であることを
示すキーオン信号KONを出力する。周波数ナンバメモリ1
2は、キーコードKCを入力し、これに応じて押圧鍵の楽
音周波数に対応する周波数ナンバFを発生する。この周
波数ナンバFは乗算器13に与えられ、ビブラート信号発
生回路14から与えられりビブラート信号と乗算される。
これにより、周波数ナンバFがビブラート信号により変
調される。乗算器13の出力はアキュムレータ15に加わ
り、規則的時間間隔で繰返し累算される。このアキュム
レータ15の出力が、発生すべき楽音信号の瞬時位相を指
示する位相アドレスデータとして、楽音波形発生回路16
に与えられる。この楽音波形発生回路16には音色設定回
路24から着色コードTCが与えられており、該回路16では
この音色コードTCに対応する音色を持つ楽音波形のサン
プル点振幅データを上記位相アドレスデータに応じて発
生する。この楽音波形サンプル点振幅データに対応する
楽音は、周波数ナンバFに応じた音階周波数をもち、か
つビブラート信号に応じてビブラート変調されているも
のである。この楽音波形サンプル点振幅データは乗算器
17に与えられ、エンベロープ波形発生回路18から与えら
れるエンベロープ波形信号と乗算される。これにより、
楽音波形サンプル点振幅データに対してエンベロープ波
形信号に応じた振幅エンベロープが付与される。振幅エ
ンベロープが付与済みの楽音波形サンプル点振幅データ
はディジタル/アナログ変換回路19でアナログ信号に変
換された後、サウンドシステム20に入力される。
エンベロープ波形発生回路18は、上記キーコードKC、
キーオン信号KON、音色コードTCを入力し、キーコードK
Cによって示された音高及び音色コードTCによって示さ
れた音色に応じて決定される波形形状を持つエンベロー
プ波形信号を、押鍵操作を示すキーオン信号KONに応じ
て発生する。このエンベロープ波形発生回路18に付属し
て、マルチクロック信号発生手段としての確率信号発生
回路21が設けられている。
確率信号発生回路21は、異なる周波数の複数のクロッ
ク信号CK1〜CKnを発生するためのものであり、具体的に
は、夫々のパルス発生確率が異なっている複数の確率信
号を発生し、これをクロック信号CK1〜CKnとして出力す
る。この各確率信号つまりクロック信号CK1〜CKnは、好
ましくは、各周波数に対応するクロック信号CK1〜CKnの
パルス発生タイミングが重ならないように発生されるよ
うにする。そのようにすると、所望の1又は複数のクロ
ック信号CK1〜CKnを選択して多重化するだけで、各クロ
ック信号CK1〜CKnそのものの周波数以外の様々な周波数
のクロック信号を合成することができるので、有利であ
る。
エンベロープ波形発生回路18は、確率信号発生回路21
から発生されたクロック信号CK1〜CKnを入力し、これに
基づきアタック、ディケイ等のエンベロープ波形変化レ
ートを設定・制御してエンベロープ波形信号を発生す
る。
ビブラート信号発生回路14は、確率信号発生回路21か
ら発生されたクロック信号CK1〜CKnを入力し、これに基
づき所望の変調周波数(ビブラート周波数)に対応する
クロック信号を出力する制御手段14aと、この制御手段1
4aにより出力されたクロック信号に基づきビブラート信
号を形成するビブラート信号形成手段14bとを含んでい
る。なお、この例では、ディレイビブラートも可能であ
り、そのため、キーオン信号KONがビブラート信号発生
回路14に与えられている。
ビブラート周波数設定装置22は、所望のビブラート周
波数を設定するものであり、周波数設定データFRを出力
する。ビブラート周波数の設定は、音色コードTC等のデ
ータに応じて行われるようにしてもよいし、手動操作子
の操作に応じて行われるようにしてもよい。
ビブラート深さ設定装置23は、所望のビブラート深さ
を設定するものであり、深さ設定データDPを出力する。
ビブラート深さの設定も、音色コードTC等のデータに応
じて行われるようにしてもよいし、手動操作子の操作に
応じて行われるようにしてもよい。
ビブラート信号発生回路14では、上記周波数設定デー
タFRに応じた周波数と深さ設定データDPに応じた深さを
持つビブラート信号を形成する。その場合、周波数設定
データFRは、制御手段14aにおいて所望のビブラート周
波数に対応するクロック信号を出力する際に、該所望の
ビブラート周波数を、指示するために使用される。
次に、第2図を参照して、確率信号発生回路21の一例
につき説明する。
確率信号発生回路21は、8ビツトカウンタ25、優先選
択エンコーダ26、デコーダ27を有する。8ビツトカウン
タ25は所定周期のマスタクロツクパルスφをカウント
し、その2進出力Sinを優先選択エンイコーダ26の入力
端に出力する。
優先選択エンコーダ26は、第3図に示すように、8ビ
ツトのカウント出力Sinを入力端子T10〜T17に受けて、
インバータIN1〜IN4、アンド回路AD11〜AD15、オア回路
OR11〜OR13で構成される論理回路によつて、第4図の優
先選択エンコーダ26の欄に示すように、入力端子T10〜T
17のうち、下位ビツト側から見て最初に論理「1」とな
つている端子番号を優先的に選択して対応する出力端子
T20〜T22に所定の2進コードのエンコード出力Spreを送
出する。
このよにすれば、8ビツトカウンタ25の第0ビツトの
出力端子T0、第1ビツトの出力端子T1、第2ビツトの出
力端子T2……第7ビツトの出力端子T7が論理「1」レベ
ルになり、かつその下位ビツトが論理「0」になる状態
が発生する確率は、順次1/21=1/2、1/22=1/4、1/23
1/8、…1/28=1/256となる。
なお、この実施例の場合、優先選択エンコーダ26は、
第7番目のビツトについて、論理“1"及び“0"になる確
率が1/128である確率信号を出力し得るようになされて
いる。
このことは、所定の演算時間Trefとして例えば128個
のクロツクパルスが到来する時間を基準に考えると、優
先選択エンコーダ26の出力端子T22、T21、T20に論理「1
11」の出力が得られるタイミングは当該所定の演算時間
Trefの1/2の時間の間であり、従つて当該演算時間Tref
の間に64回論理「111」の出力が得られることになる。
同様にして優先選択エンコーダ26の出力端子T22
T21、T20に論理「110」、「101」……「001」、「000」
が得られるタイミングは、順次1/4の時間(32個のパル
スに相当する)、1/8の時間(16個のパルスに相当す
る)……1/128の時間(1個のパルスに相当する)、1/1
28の時間(1個のパルスに相当する)の確率になること
を意味しており、かくして確率1/2、1/4、1/8……1/12
8、1/128を表すデータを、優先選択エンコーダ26の出力
端子T22、T21、T20から送出されるエンコード出力Spre
によつて得ることができることになる。
デコーダ27は、このエンコード出力Spreを受けて、エ
ンコード出力Spreのコードに対応して出力端子T40〜T47
のうちの1つに論理「1」レベルのデータを出力する。
かくしてデコーダ27の出力端子T47、T46、T45……T41
T40が論理「1」になる確率は、それぞれ1/2、1/4、1/8
……1/128、1/128になる。
このことは、デコーダ27の出力端子T47、T46、T45
…T41、T40が論理「1」になる周期は、端子T47の周期
を基準にして21倍、22倍……27倍、27倍になることを表
している。
このデコーダ27の出力端子T47、T46、T45……T41、T
40に得られる確率出力は、確率信号発生回路21の出力確
率信号つまり出力クロツク信号CK1〜CK8として出力され
る。
次に、第5図を参照して、エンベロープ波形発生回路
18の一例につき説明する。
レートデータ発生回路30は、アタック、ディケイ、サ
ステイン等のエンベロープ波形の各部分の変化レート
(アタックレートAR,ディケイレートDR,サステインヱー
トSR;第6図参照)、すなわち立上り又は立下りの傾
き、を設定するレートデータRDをキーコードKC及び音色
コードTCに応じて発生するものであり、エンベロープ波
形のどの部分のレートデータRDを発生すべきかは、ステ
ート制御回路31から与えられるステート信号STによって
指示される。
レベルデータ発生回路32は、アタックレベルAL及びサ
ステインレベルSL(第6図参照)を設定するレベルデー
タをキーコードKC及び音色コードTCに応じて発生するも
のであり、エンベロープ波形のどの部分のレベルデータ
を発生すべきかは、上記ステート信号STによって指示さ
れる。
レートデータRDは、変化幅データ発生回路33と選択信
号発生回路34に入力される。変化幅データ発生回路33
は、与えられたレートデータRDの内容に対応する変化幅
データCDを発生する。選択信号発生回路34は、与えられ
たレートデータRDの内容に対応する周波数選択信号FRE
を発生する。変化幅データCDは、エンベロープ波形形成
演算の1演算タイミング当りのエンベロープ波形データ
変化幅を指示するデータである。周波数選択信号FRE
は、エンベロープ波形形成演算の1演算タイミングの周
期を設定する周波数を選択するものである。
上述の確率信号発生回路21から与えられた各確率信号
つまり1/2nの周波数比の関係にある各クロック信号CK1
〜CK8は、周波数選択回路35に入力される。周波数選択
回路35は、選択信号発生回路34から与えられる周波数選
択信号FREに応じて、所望の1又は複数のクロック信号C
K1〜CK8を選択し、これらを多重化することにより、該
周波数選択信号FREにより選択された周波数を持つクロ
ック信号CLK′を出力する。この周波数選択回路35は、
第8図に示したビブラート信号発生回路14内の制御手段
14aと同様の回路構成である。つまり、周波数選択信号F
REは、8ビットバイナリのデータであり、その各ビット
によってその重みに対応する周波数を持つクロック信号
CK1〜CK8をアンド回路AD0〜AD7において夫々選択し、こ
れをオア回路OR1において多重化し、クロック信号CLK′
として出力する。これにより、入力するクロック信号CK
1〜CK8は8通りの周波数しか持たないにもかかわらず、
出力クロック信号CLK′として選択(若しくは合成)可
能な周波数は255通りとなり、精密な周波数選択・設定
が可能となる。
第5図に戻り、周波数選択回路35から出力したクロッ
ク信号CLK′によりゲート36が開放され、変化幅データ
発生回路33から与えられた変化幅データCDが該ゲート36
を通る。このゲート36を経由した変化幅データCDは、演
算回路37とレジスタ(若しくは遅延フリップフロップ又
はシストレジスタ)38からなるカウンタに与えられ、加
減演算される。演算回路37にはステート制御回路31から
ステート信号STが与えられており、例えば、アタック時
は加算、ディケイ及びレリース時は演算を行う。演算結
果はレジスタ38で一時保持され、演算回路37に帰還され
る。こうして、変化幅データCDがクロック信号CLK′の
タイミングで繰返し加算交しくは減算され、その演算出
力として、アタック、ディケイ、サステイン、レリース
等の部分からなるエンベロープ波形信号が得られる。こ
のように、レートデータRDによって、繰返し演算の周期
(クロック信号CLK′の周波数)と1回の演算当たりの
データ変化幅(変化幅データCD)の両方を制御するよう
にしたことにより、エンベロープ波形の各部分の変化レ
ートの制御範囲を拡張することができる。
なお、ステート制御回路31は、キーオン信号KON、音
色コードTC、アタックレベルデータAL、サステインレベ
ルデータSL、レジスタ38から出力されるエンベロープ波
形信号の現在値データ、に基づき、アタック、ディケ
イ、サステイン、レリースの切換えを制御し、それに対
応するステート信号STを出力する。また、レジスタ38は
キーオン信号KONの立上りによって鍵の押し始めでリセ
ットされる。
次に、第7図を参照してビブラート信号発生回路14の
一例につき説明する。
ビブラート信号発生回路14において、制御手段14a
は、前述の確率信号発生回路21から与えられた各確率信
号つまり1/2nの周波数比の関係にある各クロック信号CK
1〜CK8を入力し、ビブラート周波数設定装置22から与え
られた周波数設定データFRに応じて、所望の1又は複数
のクロック信号CK1〜CK8を選択し、これらの多重化する
ことにより、該周波数設定データFRにより選択された周
波数を持つクロック信号CLKを出力する。この制御手段1
4aの一例は第8図に示されており、エンベロープ波形発
生回路18内の周波数選択回路35と同様の回路構成であ
り、その構成及び動作については前述と同様である。つ
まり、周波数設定データFRは、8ビットバイナリのデー
タであり、その各ビットによってその重みに対応する周
波数を持つクロック信号CK1〜CK8をアンド回路AD0〜AD7
において夫々選択し、これをオア回路OR1において多重
化し、クロック信号CLKとして出力する。これにより、
入力するクロック信号CK1〜CK8は8通りの周波数しか持
たないにもかかわらず、出力クロック信号CLKとして選
択(若しくは合成)可能な周波数は255通りとなり、精
密な周波数選択・設定が可能となる。
この制御手段14aにより出力されたクロック信号CLK
は、ビブラート信号形成手段14b内のカウンタ40に入力
される。カウンタ40はキーオン信号KONの立上りによっ
て一旦リセットされ、それからクロック信号CLKのカウ
ントを行う。カウンタ40の複数ビットのカウント出力の
うち所定の下位ビットデータLSBCNは波形変換回路41に
与えられる。波形変換回路41は、例えば第9図に示すよ
うに鋸歯状波状に繰返し変化する入力データLSBCNを三
角波状に繰返し変化するように波形変換を行うものであ
り、波形変換したデータをビブラート信号VIBとして出
力する。
一方、カウンタ40の複数ビットのカウント出力のうち
所定の上位ビットデータMSBCNは、オア回路群42を経由
して、ディレイビブラート用のエンベロープ波形(ビブ
ラート深さエンベロープ波形)ENVとして乗算器43に与
えられる。また、このデータMSBCNの全ビットがアンド
回路45に入力されている。キーオン信号KONによってフ
リップフロップ46がリセットされ、アンド回路45の出力
が“1"になったとき該フリップフロップ46がセットされ
る。このフリップフロップ46のセット出力がオア回路群
42の各オア回路に共通に入力される。
従って、オア回路群42の出力つまりディレイビブラー
ト用のエンベロープ波形ENVは、鍵の押し始めでは、カ
ウンタ40のカウントデータMSBCNに従って徐々に増加す
るが、データMSBCNが一旦全ビット“1"になると、以後
は全ビット“1"を保持する。一方、カウンタ40そのもの
のカウント動作は続行されるため、そのカウント内容は
クロック信号CLKに従って変化し、ビブラート信号VIBの
方は依然として発生し続ける。
乗算器43の他の入力にはビブラート深さ設定装置23か
ら深さ設定データDPが与えられる。乗算器43の出力は乗
算器44に与えられ、波形変換回路41から与えられるビブ
ラート信号VIBに乗算される。これにより、ビブラート
信号VIBに対してディレイビブラート用の時間的に変化
する深さ制御と深さ設定データDPに応じた定常的な深さ
制御とが施される。こうして、第10図のようにディレイ
ビブラート制御が施されたビブラート信号VIB′が乗算
器44から出力され、これが乗算器13(第1図)に与えら
れる。このように、1つのカウンタ40の出力を用いて、
ビブラート信号VIBの発生とディレイビブラート用のエ
ンベロープ波形ENの発生の両方を行うようにすると、別
々の回路で発生する場合に比べて回路構成をかなり簡単
にすることができる。
なお、ディレイビブラートを行わない場合は、ディレ
イビブラート用の回路42,43,45,46を省略することがで
きる。
なお、ビブラート変調の方式は、第1図のように周波
数ナンバを変調するものに限らず、どのようなものでも
よい。また、電子楽器の全体構成も第1図のように限ら
ず、どのようなものであってもよい。
また、ビブラート変調に限らず、トレモロのような音
量変調あるいは音色変調など、どのような変調に用いる
変調信号でも、上記実施例に準じて、この発明に従って
発生するようにすることができる。その場合、変調信号
形成手段は、第7図のようにカウンタと適宜の波形変換
手段を用いたものを同様に用いることができる。
勿論、ビブラート信号形成手段14bを含めて変調信号
形成手段は、第7図のようにカウンタと適宜の波形変換
手段を用いたものに限らず、その他任意の構成を用いて
よい。例えば、変調信号形成手段は変調信号波形を記憶
したメモリを制御手段の出力に基づき読み出すような構
成であってもよい。同様に、エンベロープ波形発生手段
も、第5図に示したような変化幅データの加減演算によ
るものに限らず、その他の構成、例えば、エンベロープ
波形メモリを読み出す構成、であってもよい。
また、確率信号発生回路の構成は第2図に示したもの
に限らず、例えば、各確率信号の周波数に対応する信号
を発振する発振器を夫々独立に設けた構成など、その他
の構成であってもよい。
また、マルチクロック発生手段として、確率信号発生
回路に限らず、その他の複数クロック信号発生手段を用
いてもよい。
更に、入力された複数クロック信号に基づき所望の変
調周波数に対応するクロック信号を出力する制御手段
は、第8図のように1又は複数のクロック信号を選択し
て多重化するものに限らず、1つのクロック信号だけを
選択するものであってもよい。
〔発明の効果〕
以上の通り、この発明によれば、エンベロープ波形発
生手段と共通のマルチクロック信号発生手段を変調信号
発生のために使用するようにしたので、変調信号用のク
ロック信号発生手段をエンベロープ波形発生用のクロッ
ク信号発生手段とは別途に設ける必要がなくなり、装置
構成の小型化を図ることができる、という優れた効果を
奏する。
また、マルチクロック信号発生手段では、各周波数に
対応するクロック信号のパルス発生タイミングが重なら
ないように、これらのクロック信号を発生するようにし
ているので、制御手段は、該マルチクロック信号発生手
段で発生されたクロック信号の1又は複数を所望の変調
周波数に対応して選択してこれを多重化するだけで該所
望の変調周波数に対応するクロック信号を出力する構成
とすることができる。従って、所望の変調周波数に対応
するクロック信号の合成を、選択と多重化のみの単純な
構成で行うことができるので、構成が簡単となる、とい
う優れた効果を奏する。また、マルチクロック信号発生
手段で発生された複数のクロック信号は、夫々所定の周
波数しか持たないにもかかわらず、上記選択と多重化に
よる合成によって、多様な変調周波数のクロック信号を
生成することができ、精密な周波数選択・設定が可能と
なる、という優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明に係る制御信号発生装置を適用した電
子楽器の一実施例の全体構成を示すブロック図、 第2図は第1図における確率信号発生回路の一例を示す
ブロック図、 第3図は第2図における優先選択エンコーダの詳細例を
示すブロック図、 第4図は第2図における優先選択エンコーダの入出力関
係とこれに対応してデコーダから出力される確率信号の
発生確率すなわち周波数比を示す表図、 第5図は第1図におけるエンベロープ波形発生回路の一
例を示すブロック図、 第6図はエンベロープ波形の典型例を示す図、 第7図は第1図におけるビブラート信号発生回路の一例
を示すブロック図、 第8図は第7図における制御手段(若しくは第5図にお
ける周波数選択回路)の詳細例を示すブロック図、 第9図は第7図各部の出力データの波形を例示する図、 第10図は第7図のビブラート信号発生回路から出力され
るディレイビブラートの施されたビブラート信号の波形
を例示する図、である。 14……ビブラート信号発生回路、14a……制御手段、14b
……ビブラート信号形成手段、18……エンベロープ波形
発生回路、21……確率信号発生回路、22……ビブラート
周波数設定装置、23……ビブラート深さ設定装置。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】異なる周波数の複数のクロック信号を発生
    するものであって、各周波数に対応するクロック信号の
    パルス発生タイミングが重ならないように、これらのク
    ロック信号を発生するマルチクロック信号発生手段と、 前記マルチクロック信号発生手段で発生されたクロック
    信号に基づきエンベロープ波形変化レート制御し、エン
    ベロープ波形信号を発生するエンベロープ波形発生手段
    と、 前記マルチクロック信号発生手段で発生されたクロック
    信号の1又は複数を所望の変調周波数に対応して選択
    し、これを多重化することにより該所望の変調周波数に
    対応するクロック信号を出力する制御手段と、 この制御手段により出力されたクロック信号に基づき変
    調信号を形成する変調信号形成手段と を具え、前記エンベロープ波形発生手段で発生したエン
    ベロープ波形信号及び前記変調信号形成手段で形成した
    変調信号により楽音を制御するようにした電子楽器の制
    御信号発生装置。
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