JP2684833B2 - 楽音信号発生装置 - Google Patents

楽音信号発生装置

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JP2684833B2
JP2684833B2 JP2241659A JP24165990A JP2684833B2 JP 2684833 B2 JP2684833 B2 JP 2684833B2 JP 2241659 A JP2241659 A JP 2241659A JP 24165990 A JP24165990 A JP 24165990A JP 2684833 B2 JP2684833 B2 JP 2684833B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】
本発明は、音量と音色を時間的に変化させて楽音信号
を発生する楽音信号発生装置に関する。
【従来技術】
従来の楽音信号発生装置は、音量を時間的に変化させ
る音量制御波形信号を形成して発生する楽音の音量を制
御するとともに、同音量制御波形信号と同種の音色制御
波形信号を形成し、同音色制御波形信号に基づいて音色
を変化させていた。 また、持続部の波形を時間経過に従って次々とクロス
フェードさせながら切り換えていく楽音信号発生装置と
しては特公平2−30033号公報に示すものが知られてい
る。
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の楽音信号発生装置では、音色を時間的
に変化させることができるものの、その変化は、演奏操
作態様に無関係で一定であったり、音量の変化とほぼ同
等であったため、時間経過または音量に対応して変化す
る波形を再現することができるものの、依然、実際の演
奏に即した波形の微妙な変化は再現できなかった。 実際の演奏では、音量を徐々に増加せしめたり、音量
を徐々に減少せしめていくと、波形は音量の変化度合い
に応じて微妙に変化する。 従来の楽音信号発生装置では、このような音量の変化
度合いには対応していなかったため、音量を徐々に増加
させたり音量を徐々に減少させたりするときにおける波
形の変化過程を再現することができなかった。 本発明は、かかる課題を解決するためになされたもの
で、時間的に音量が変化していく過程における微妙な波
形を再現することが可能な楽音信号発生装置を提供する
ことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1にかかる発明の
構成上の特徴は、演奏者により操作されて楽音の発生を
指示するとともに発生楽音の音高を指示する演奏操作手
段と、演奏操作手段の操作に応答して同操作により指示
された音高を有する波形信号を発生する波形信号発生手
段と、演奏操作手段の操作に応答して時間的に変化する
第1の制御波形信号を形成して出力する第1の制御波形
信号発生手段と、第1の制御波形信号を入力して演算に
より同第1の制御波形信号のレベルの時間的変化率を表
す変化率信号を一定時間毎に出力する変化率信号発生手
段と、第1の制御波形信号発生手段から出力される第1
の制御波形信号のレベルと変化率信号発生手段から出力
される変化率信号とに基づいて波形信号発生手段から発
生される波形信号を変更制御する音色制御手段と、演奏
操作手段の操作に応答して時間的に変化する第2の制御
波形信号を形成して出力する第2の制御波形信号発生手
段と、波形信号発生手段から発生された波形信号の振幅
を第2の制御波形信号に応じて制御して波形信号に音量
エンベロープを付与するエンベロープ付与手段とを備え
たことにある。 また、請求項2に係る発明の構成上の特徴は、上記音
色制御手段が、上記第1の制御波形信号と上記変化率信
号とに対応した音色パラメータを記憶するテーブルを有
し、上記第1の制御波形信号と上記変化率信号とに基づ
いて同テーブルを参照して音色パラメータを読出し、同
読出した音色パラメータに基づいて上記波形信号発生手
段から発生される波形信号を変更制御するようにしたこ
とにある。 また、請求項3に係る発明の構成上の特徴は、上記波
形信号発生手段が異なる楽音波形を表す複数組のサンプ
ルデータ群を記憶する記憶手段を有するとともに、上記
第1の制御波形信号及び変化率信号は整数部及び少数部
によりそれぞれ構成されており、上記音色制御手段は、
上記第1の制御波形信号及び変化率信号の各整数部によ
り上記記憶手段に記憶されたサンプルデータ群を選択的
に読み出すとともに、同読み出したサンプルデータ群を
上記第1の制御波形信号及び変化率信号の各少数部によ
り補間演算して出力するようにしたことにある。
【発明の作用】
上記のように構成した請求項1に係る発明において
は、演奏者によって演奏操作手段が操作されると、波形
信号発生手段が演奏操作手段の操作に応答して上記指示
された音高を有する波形信号を発生する。一方、第1の
制御波形信号発生手段は演奏操作手段の操作に応答して
時間的に変化する第1の制御波形信号を形成して出力
し、変化率信号発生手段は第1の制御波形信号を入力し
て演算により同第1の制御波形信号のレベルの時間的変
化率を表す変化率信号を一定時間毎に出力し、音色制御
手段が、第1の制御波形信号のレベルと変化率信号とに
基づいて波形信号発生手段から発生される波形信号を変
更制御する。また、これと同時に、第2の制御波形信号
発生手段は演奏操作手段の操作に応答して時間的に変化
する第2の制御波形信号を形成して出力し、エンベロー
プ付与手段が波形信号発生手段から発生された波形信号
の振幅を第2の制御波形信号に応じて制御して波形信号
に音量エンベロープを付与する。したがって、波形信号
発生手段から発生される波形信号により定まって発生さ
れる楽音信号の音色が、第1の制御波形信号と同第1の
制御波形信号の変化度合いとの両者に連動して継続して
変更制御されるとともに、同楽音信号の音量エンベロー
プが第2の制御波形信号により制御される。 また、請求項2に係る発明においては、音色制御手段
が、第1の制御波形信号及び変化率信号により音色パラ
メータをテーブルから読み出し、同読み出した音色パラ
メータに基づいて波形信号を変更制御することにより、
上記音色変化が実現される。 また、請求項3に係る発明においては、音色制御手段
が、第1の制御波形信号及び変化率信号の各整数部によ
り記憶手段に記憶されたサンプルデータ群を選択的に読
み出すとともに、同読み出したサンプルデータ群を第1
の制御波形信号及び変化率信号の各少数部により補間演
算して出力することにより、上記音色変化が実現され
る。
【発明の効果】
上記のように構成した本発明(請求項1〜3に係る発
明)によれば、演奏操作手段の操作に応答して時間的に
変化する制御波形手段と、制御波形信号のレベルの時間
的変化率を表す変化率信号とにより、楽音信号の音色が
2次元的に制御されるので、複雑かつ微妙な音色の変化
が実現され、実際の演奏時における表現力を向上させる
ことができる。また、変化率信号は、制御波形信号のレ
ベルの時間的変化率の計算により形成されるので、簡単
な構成で上記複雑かつ微妙な音色の変化を実現できる。
さらに、第1の制御波形信号と第2の制御波形信号とは
独立していて、前記音色の制御は楽音信号の音量エンベ
ロープの制御と独立して行われるので、同音量エンベロ
ープの制御に依存しないで楽音信号の音色を自由に変化
させることができる。
【実施例】
以下、本発明の一実施例を図面を用いて説明する。 第1図は、本発明が適用される電子楽器の全体を概略
的に示しており、同電子楽器は楽音波形メモリに記憶さ
れた各1周期分の楽音波形を繰り返し読み出すいわゆる
PCM方式で楽音信号を発生する。 この電子楽器は鍵盤とスイッチなどからなる演奏操作
子群10とペダルとセンサとからなるイクスプレッション
ペダル20を有している。 演奏操作子群10は鍵盤による演奏操作に応じて鍵盤演
奏データKDを操作子制御部30に出力し、同操作子制御部
30は同演奏操作子群10から鍵盤演奏データKDが入力され
ると同データKDより押鍵された鍵を表すキーコード、押
鍵中であることを示すキーオン、押鍵されたときの速度
を示すイニシャルタッチ、及び押鍵された鍵の押圧を示
すアフタータッチを検出し、発音チャンネルごとにそれ
ぞれを表すキーコード信号KC、キーオン信号KON、イニ
シャルタッチ信号IT、及びアフタータッチ信号ATを出力
する。 また、イクスプレッションペダル20は演奏者による音
量の大小を指示するペダル操作に応じてペダル演奏デー
タPDを同操作子制御部30に出力し、同操作子制御部30は
同イクスプレッションペダル20より同データPDが入力さ
れると同データPDより音量の大小を表すペダル信号EPを
出力する。 操作子制御部30には音色選択設定操作子群40も接続さ
れ、同操作子群40は予め用意された音色を選択したり任
意の音色となるよう設定を行なう各種操作子が設けられ
ている。音色選択設定操作子群40はかかる操作子の操作
状況に応じて音色選択設定データSETを操作子制御部30
に出力し、同操作子制御部30は同データSETに基づいて
音色信号TCを出力している。 操作子制御部30から出力される各種信号のうち、キー
コード信号KCは周波数ナンバ変換部50に入力され、同周
波数ナンバ変換部50はキーコード信号KCが表す音高に対
応した周波数ナンバ信号FNをアドレス発生部60に出力す
る。この周波数ナンバ信号FNはサンプル波形を求める際
の位相増分値を表しており、アドレス発生部60はクロッ
ク信号のタイミングに応じて同周波数ナンバ信号FNを累
積し、同累積値の整数部をアドレス信号ADRSとして波形
信号発生回路70に出力する。整数部を出力するのは波形
間の補間を省略する構成としたためであるが、アドレス
信号ADRSに基づくサンプル波形データとアドレス信号AD
RS+1に基づくサンプル波形データとを求めた後、小数
部を利用して補間演算を行なうようにしてもよい。ま
た、同整数部は位相の「2π」に対応する所定値を越え
るとオーバーフローして再度「0」からの値を示すこと
になる。 波形信号発生回路70は位相情報と音色情報とに応じて
サンプル波形データを出力するものであり、音量用エン
ベロープは発生器80が出力する対数値の音量用エンベロ
ープ信号EDtを対数常数変換回路90にて常数値に変換し
た後、乗算器100にて当該サンプル波形データに乗算す
ることにより所定のエンベロープを付与された楽音信号
が得られる。 音量用エンベロープ発生器80には、第2図に示すよう
に、キーオン信号KONとともに、音色信号TCとキーコー
ド信号KC、及びペダル信号EPとイニシャルタッチ信号IT
とアフタータッチ信号ATとが入力されており、基本エン
ベロープを発生する基本エンベロープ発生回路(EG_B)
80aと、イニシャルタッチエンベロープを発生するイニ
シャルタッチエンベロープ発生回路(EG_IT)80bと、ア
フタータッチエンベロープを発生するアフタータッチエ
ンベロープ発生回路(EG_AT)80cと、ペダルエンベロー
プを発生するペダルエンベロープ発生回路(EG_EP)80d
とを有している。 各エンベロープ発生回路は、キーオン信号KONとキー
コード信号KCと音色信号TCとに基づいてエンベロープ波
形と出力タイミングとが制御され、さらにイニシャルタ
ッチエンベロープ発生回路80bとアフタータッチエンベ
ロープ発生回路80cとペダルエンベロープ発生回路80dに
ついては、それぞれ乗算器80e〜80gにて出力エンベロー
プにイニシャルタッチ信号ITとアフタータッチ信号ATと
ペダル信号EPとが乗算されるようになっている。 なお、各エンベロープ発生回路はエンベロープの記憶
されたメモリを有しており、各エンベロープ発生回路が
発生するエンベロープは、第3図〜第6図に示すよう
に、アタック部と、ループ部と、リリース部(アフター
タッチエンベロープは除く)とからなり、キーオン信号
KONに基づいて押鍵直後にはアタック部のエンベロープ
が出力され、アタック部を出力したあと離鍵されるまで
ループ部が繰り返し出力され、離鍵されたときにはリリ
ース部が出力される。むろん、メモリからの読み出しに
限らず、演算によってエンベロープを決定する構成とし
てもよい。なお、リリース部が出力されるときはそれま
での音量レベルが変化することのないように、それまで
の音量レベルと同じレベルの部分から後のエンベロープ
波形が出力される。また、音色信号TCに基づいて基本的
なエンベロープ波形が選択され、キーコード信号KCに基
づいてキースケーリングが施される。 各エンベロープ波形より明らかなように、イニシャル
タッチとアフタタッチとペダル操作量のそれぞの操作量
の組み合わせでエンベロープの形が多様に変化する。ま
た、押鍵直後はイニシャルタッチがよく効き、やがてア
フタタッチによる効果が大きくなるという現実の状況に
かなった特性を実現できる。さらに、アフタタッチエン
ベロープのループ部によりビブラートの効果を付与して
いる。 基本エンベロープと上記乗算後のイニシャルタッチエ
ンベロープとアフタータッチエンベロープとペダルエン
ベロープは加算器80hに入力されており、同加算器80hは
各エンベロープを加算して補間回路80iに出力する。エ
ンベロープは時間経過に対して離散的な値であるため、
同補間回路80iにて補間を施し、音量用エンベロープ信
号EDtを出力する。 これまでのエンベロープが示す値は対数値となってお
り、波形データにエンベロープを付与する際には常数値
となっている方がよいので対数常数変換回路90によって
常数値の音量用エンベロープ信号EDzに変換してから乗
算器100に入力せしめる。 なお、以上の例ではエンベロープ発生回路を計4個使
用しているが、基本エンベロープ波形をイニシャルタッ
チで選択するようにして3個のエンベロープ発生回路で
構成することもできる。具体的には、第7図に示すよう
にキーオン信号KONとキーコード信号KCと音色信号TCと
ともにイニシャルタッチ信号ITを基本エンベロープ制御
80jに入力し、同基本エンベロープ制御回路80jによって
基本エンベロープ発生回路80kによる基本エンベロープ
の発生を制御せしめる構成とする。また、1つのエンベ
ロープ発生回路を時分割的に使用してもよい。 本実施例では、この音量用エンベロープ発生器80とと
もに音色を制御するための制御波形信号を発生する音色
用エンベロープ発生器110も備えており、同音色用エン
ベロープ発生器110は第7図に示す音量用エンベロープ
発生器80と同様に3個のエンベロープ発生回路を使用し
て構成されている。 ただし、それぞれのエンベロープ発生回路(基本エン
ベロープ発生回路と、アフタータッチエンベロープ発生
回路と、ペダルエンベロープ発生回路)が出力するエン
ベロープ波形は第8図〜第10図に示すような波形となっ
ており、キーオン信号KONに基づいて出力タイミングが
制御され、音色信号TCに基づいて基本的なエンベロープ
波形が選択され、キーコード信号KCに基づいてキースケ
ーリングが施されている。 音色用エンベロープ発生器110が出力する対数値の音
色用エンベロープ信号TEDはそのまま波形信号発生回路7
0に入力されるとともに、レベル変化率計算部120に入力
されてレベル変化率信号ΔTEDが計算され、同レベル変
化率信号ΔTEDとして波形信号発生回路70に入力されて
いる。 同レベル変化率計算部120は、1つのサンプル波形デ
ータを演算するタイミングに対応してレベル変化率信号
ΔTEDを計算するものであり、第11図に示すように1ク
ロックビットの遅延回路121と減算器122とを有してお
り、遅延回路121にて遅延された1クロックビット前の
音色用エンベロープ信号TEDと現在の音色用エンベロー
プ信号TEDとの差を減算器122で計算している。 なお、第11図に示すレベル変化率計算部120は音色用
エンベロープ信号TEDの傾きだけを求めるものである
が、音色用エンベロープ信号TEDの変化の加速度を加味
する構成としても良い。具体的には、第12図に示すよう
に、遅延回路121a,121bを直列に接続して1クロックビ
ット遅れの音色用エンベロープ信号TED1と2クロックビ
ット遅れの音色用エンベロープ信号TED2とを保持すると
ともに、係数発生回路123の発生する係数α,(1−
α)を乗算器124a,124bにて音色用エンベロープ信号TED
と2クロックビット遅れの音色用エンベロープ信号TED2
とを乗算せしめ、加算器125にて乗算後の音色用エンベ
ロープ信号TEDと音色用エンベロープ信号TED2とを加算
するとともに1クロックビット遅れの音色用エンベロー
プ信号TED1を減算する。かかる構成とする場合には、係
数発生回路123の発生する係数αに応じて加速度を加味
したものと、加速度を加味しないものとを選択すること
もできる。 例えば、α=0.5の場合、 TED=ed(t) TED1=ed(t−Δt) TED2=ed(t−2Δt) とすると、 ΔTED=0.5ed(t) −ed(t−Δt) +0.5ed(t−2Δt) =1/2{(ed(t)−ed(t−Δt)) −(ed(t−Δt)−ed(t−2Δt))} となるから加速度となり、α=1の場合は、 ΔTED=ed(t)−ed(t−Δt) となるから、第11図に示すものと同様に傾きだけを考慮
したものとなる。 波形信号発生回路70は、このようにして求められた音
色用エンベロープ信号TEDとレベル変化率信号ΔTED、お
よびアドレス発生部60の出力するアドレス信号ADRSと、
音色信号TCとキーコード信号KCとに基づいて、選択され
た音色と演奏された音高とに応じた波形信号を発生する
ものであり、第13図に示すように楽音波形メモリ71から
楽音波形を読み出してサンプル波形データを出力する。 楽音波形メモリ71は音色の異なる複数の波形群のサン
プル波形データを記憶してなり、読み出しメモリ選択回
路72が出力する波形群選択信号SLで所定の音色の波形群
が選択されると同選択された波形群における上記アドレ
ス信号ADRSに対応する位相値のサンプル波形データが読
み出される。 しかし、楽音波形メモリ71に記憶されている波形群は
音色用エンベロープ信号TEDとレベル変化率信号ΔTEDと
が表す値に対して離散的な値に対応するものであるた
め、入力される音色用エンベロープ信号TEDとレベル変
化率信号ΔTEDとが、記憶された波形群とに対応する値
とは正確に一致しない状態が生じる。このため、読み出
しメモリ選択回路72はかかる場合の波形を上記記憶され
ている波形群によって補間演算して算出すべく、マトリ
クス状に配設された波形群から同中間値を包含する4つ
の波形を選択して波形群選択信号SLを出力する。すなわ
ち、音色用エンベロープ信号TEDとレベル変化率信号ΔT
EDの整数位I,Jに基づいて楽音波形メモリ71から4つの
波形サンプルデータを読み出し、同音色用エンベロープ
信号TEDとレベル変化率信号ΔTEDの小数位i,jに基づい
て波形群間補間器74が補間を行なう。 例えば、整数位の音色用エンベロープ信号xと整数位
のレベル変化率信号yに応じて楽音波形メモリ71内で二
次元状に配列された各波形群をW(x,y)で特定すると
すると、選択される4つの波形群はW(I,J),W(I,J+
1),W(I+1,J),W(I+1,J+1)であり、波形群間
における補間演算は、次のようになる。 w(I,i,J,j) =(1−i)×(1−j)×W(I,J) +(1−i)×j×W(I,J+1) +i×(1−j)×W(I+1,J) +i×j×W(I+1,J+1) そして、補間カウンタ73が補間タイミング信号「0」
〜「5」を繰り返し出力するにつれ、読み出しメモリ選
択回路72と波形群間補間器74は、「リセット」、「波形
群W(I,J)選択」、「波形群W(I,J+1)選択」、
「波形群W(I+1,J)選択」、「波形群W(I+1,J+
1)選択」、「補間演算及び演算結果出力」という処理
を繰り返す。 なお、楽音波形メモリ71内では、第14図に示すよう
に、音色用エンベロープ信号TEDとレベル変化率信号ΔT
EDとに対応して音量用エンベロープにおける各ステート
の音色を表す波形群が二次元状に配列されている。すな
わち、音色用エンベロープ信号TEDが正の大なる値でレ
ベル変化率信号ΔTEDも正の大なる値の状態に対しては
第15図に示すアタック部(AT)の音色に対応する波形群
が記憶され、音色用エンベロープ信号TEDが正の大なる
値でレベル変化率信号ΔTEDが負の大なる値の状態に対
しては同図に示す第1ディケイ部(1stD)の音色に対応
する波形群が記憶され、音色用エンベロープ信号TEDが
負の大なる値でレベル変化率信号ΔTEDが正の大なる値
の状態に対しては同図に示すスラー部(SL)の音色に対
応する波形群が記憶され、音色用エンベロープ信号TED
が負の大なる値でレベル変化率信号ΔTEDも負の大なる
値の状態に対しては同図に示すリリース部(RL)の音色
に対応する波形群が記憶されている。 また、音色用エンベロープ信号TEDが正の小なる値で
レベル変化率信号ΔLEDも正の小なる値の状態に対して
はビブラート時の周波数が大きな部分の波形群(V+)
が記憶され、音色用エンベロープ信号TEDが負の小なる
値でレベル変化率信号ΔTEDも負の小なる値の状態に対
してはビブラート時の周波数が小なな部分の波形群(V
−)が記憶され、音色用エンベロープ信号TEDが正の小
なる値でレベル変化率信号ΔTEDが負の小なる値の状態
に対してはビブラートにおける周波数の大きな状態から
小さな状態へ移行する間の音色に対応する波形群((V
+)+(V−))が記憶され、音色用エンベロープ信号
TEDが負の小なる値でレベル変化率信号ΔTEDが正の小な
る値の状態に対してはビブラートにおける周波数の小さ
な状態から大きな状態へ移行する間の音色に対応する波
形群((V−)+(V+))が記憶されている。ただ
し、各区画の境界周辺では、図中に“+”で示している
ように特性の混じりあった波形の波形群となっており、
また、アタック部からリリース部に至るに従って高調波
成分が徐々に減衰している。 以上のようにして波形信号発生回路70はサンプル波形
データを算出するが、当該波形信号発生回路70について
は、上記入力信号に基づいて楽音波形を再現するもので
あれば他の構成とすることもできる。 例えば、第16図には高調波成分を合成して楽音波形を
再現するものの構成を示している。 この場合、アドレス信号ADRSに対して音色用エンベロ
ープ信号TEDとレベル変化率信号ΔTEDと音色信号TCとキ
ーコード信号KCとが入力されたとすると、倍音スロット
カウンタ201の出力するスロット信号kに応じて係数発
生回路202が高調波成分のレベルに対応する混合比Lk(T
ED,ΔTED,TC,KC)と位相偏差φk(TED,ΔTED,TC,KC)
を出力し、正弦波発生器203がアドレス信号ADRSとスロ
ット信号kと位相偏差φk(TED,ΔTED,TC,KC)に応じ
て w0(ADRS,k,φk(EDt,ΔEDt,TC,KC)) =sin(k・ADRS+φk(EDt,TC,KC)) を出力し、乗算器204にて混合比Lkを乗算して合成器205
にて合成することにより、 なる演算式に従った高調波合成を行なう。すなわち、倍
音スロットカウンタ201はスロット信号kを出力して係
数発生回路202と正弦波発生器203と合成器205を制御す
るときに、「m」を高調波合成の倍音数とすると、同ス
ロット信号kは繰り返し「0」〜「m+1」と変化し
て、「0」にてリセットを表し、「1」〜「m」にて各
高調波成分の演算及び累算を表し、「m+1」にて合成
値の出力を表している。 また、第17図に示すように共振の鋭さ(以下、「Q」
という。)とカットオフ周波数を変更可能なディジタル
フィルタ301に波形メモリ302から読み出された楽音波形
信号を通過せしめ、所望の楽音波形を再現する構成とす
ることもできる。 この例では、アドレス信号ADRSとキーコード信号KCと
音色信号TCとに応じて読み出し制御回路303が波形メモ
リ302の読み出しアドレスを出力し、同読み出しアドレ
スに記憶された楽音波形信号をディジタルフィルタ301
に入力せしめる。一方、音色用エンベロープ信号TEDと
レベル変化率信号ΔTEDはQパラメータ変換回路(FQ_E
G)303とカットオフ周波数変換回路(FC_EG)304に入力
されており、それぞれの場合に応じたQとカットオフ周
波数をディジタルフィルタ301に出力している。このた
め、波形メモリ302から読み出された楽音波形信号は上
記指定されたQとカットオフ周波数の特性を有するディ
ジタルフィルタ301を通過して所望の楽音波形信号とな
る。 さらに、第18図には周波数変調方式にて波形信号を形
成する周波数変調楽音合成演算回路401における演算用
パラメータを変更する例を示している。 周波数変調楽音合成演算は、 w=Acos(ωc・t+m・sin(ωs・t)+φ) の演算式に基づく楽音波形を演算・出力するものであ
り、音色や音高に応じて当該演算式におけるパラメータ
を適宜選択し、所定の音高及び音色の楽音信号を発生す
る。 ここで、第18図に示すものでは、パラメータ読み出し
制御回路402は音色信号TCとキーコード信号KCに応じて
パラメータバンク403からパラメータを読み出すにあた
り、音色用エンベロープ信号TEDとレベル変化率信号ΔT
EDに応じて読み出しパラメータを適宜選択している。 このように、波形信号発生回路70は音色用エンベロー
プ信号TEDとレベル変化率信号ΔTEDとに基づいて異なる
音色の波形を選択しており、具体的には第13図に示すも
のでは楽音波形メモリ71における波形サンプルデータを
選択し、第16図に示すものではスペクトルデータを選択
し、第17図に示すものではディジタルフィルタの特性パ
ラメータを選択し、第18図に示すものでは演算式におけ
るパラメータを選択している。そして、これらのパラメ
ータは楽音波形メモリ71における波形群の配置と同様、
音色用エンベロープ信号TEDとレベル変化率信号ΔTEDに
対しては二次元状に配列されている。 この波形信号発生回路70から出力されるサンプル波形
データは乗算器100にて音量用エンベロープ信号EDzと乗
算され、所定のエンベロープを付与された楽音信号が得
られると、同楽音信号はミキサ部130にて複数の発音チ
ャンネル分の楽音信号が加算されてD/Aコンバータ140に
入力され、同D/Aコンバータ140にてデジタルからアナロ
グ信号に変換されてアンプやスピーカなどからなるサウ
ンドシステム150が楽音に変換して出力する。 次に、上記構成からなる楽音信号発生装置の動作を説
明する。 演奏者が当該電子楽器の図示しない電源スイッチをオ
ンにして演奏を開始したとする。 いま、通常の音量となるようにイクスプレッションペ
ダルを踏み込んでいるとすると、音量のレベルとしては
中程度の値となっている。また、演奏者が鍵盤を操作し
て演奏を開始すると演奏操作子群10から鍵盤演奏データ
KDが出力され、操作子制御部30が同鍵盤演奏に対応して
キーコード信号KCを周波数ナンバ変換部50に出力する。
周波数ナンバ変換部50では同キーコード信号KCに対応し
た周波数ナンバ信号FNをアドレス発生部60に出力し、同
アドレス発生部60はクロック信号が入力されるごとに同
周波数ナンバ信号FNが表す位相増分値を累算する。 一方、操作子制御部30は、鍵盤の操作に対応したキー
オン信号KONとキーコード信号KCとイニシャルタッチ信
号ITとアフタータッチ信号ATとともに、イクスプレッシ
ョンペダルの踏み込み量に対応したペダル信号EPと、音
色選択設定操作子群40における音色操作子の操作に対応
した音色信号TCとを音量用エンベロープ発生器80と音色
用エンベロープ発生器110に出力し、同音量用エンベロ
ープ発生器80における各エンベロープ発生回路80a〜80d
はキーオン信号KONとキーコード信号KCと音色信号TCと
に基づいてそれぞれのエンベロープを発生する。かかる
エンベロープのうち、イニシャルタッチエンベロープと
アフタータッチエンベロープとペダルエンベロープにつ
いては乗算器80e〜80gにて各エンベロープ発生回路80b
〜80dの出力に絶対的な音量を表すイニシャルタッチ信
号ITとアフタータッチ信号ATとペダル信号EPを乗算し、
乗算後のエンベロープ信号と基本エンベロープ発生回路
80aの出力する基本エンベロープを加算器80hにて加算す
る。 加算器80hの出力するエンベロープは補間回路80iにて
連続的なエンベロープに補間され、対数常数変換回路90
を介して常数に変換された後、第15図に示すような波形
となって乗算器100に入力する。 一方、音色用エンベロープ発生器110においては、基
本エンベロープ発生回路110kとアフタータッチエンベロ
ープ発生回路110cとペダルエンベロープ発生回路110dが
第8図〜第10図に示す着色用エンベロープ信号を出力し
ており、それぞれの音色用エンベロープ信号が加算器11
0hにて加算されている。 アフタータッチエンベロープとペダルエンベロープに
ついては、乗算器110f,110gにてアフタータッチ信号AT
とペダル信号EPが乗算されて基本エンベロープに加算さ
れるものの、概略の波形は基本エンベロープに似たもの
となる。 そこで、第8図に示す基本エンベロープ波形を参照し
て音色用エンベロープ信号TEDとレベル変化率信号ΔTED
との変化過程をみてみる。 発音直後は、楽音の立ち上がり部に対応して音色用エ
ンベロープ信号TEDは「0」から正の大なる値へと増加
し、レベル変化率信号ΔTEDは同増加傾向に対応した正
の値となって波形信号発生回路70に入力される。 一方、演奏操作子群10にて押鍵された鍵の音高に対応
するキーコード信号KCは周波数ナンバ変換部50に入力さ
れ、同キーコード信号KCに対応した所定の周波数ナンバ
信号FNがアドレス発生部60に入力される。アドレス発生
部60は同周波数ナンバ信号FNを累算してアドレス信号AD
RSを波形信号発生回路70に出力しており、同波形信号発
生回路70では同アドレス信号ADRSが楽音波形メモリ71に
入力されるとともに、上記音色用エンベロープ信号TED
とレベル変化率信号ΔTED、及び音色信号TCとキーコー
ド信号KCが読み出しメモリ選択回路72に入力される。 読み出しメモリ選択回路72は、音色信号TCにて指定さ
れた音色に関する波形群であってキーコード信号KCによ
って指定される音域の波形群の範囲内で、上記音色用エ
ンベロープ信号TEDとレベル変化率信号ΔTEDの整数部I,
Jと補間カウンタ73の出力を補間タイミング信号kに従
って楽音波形メモリ71の読み出し波形を選択する。 すなわち、第14図に示す二次元状の波形データテーブ
ルにおいて、補間タイミング信号kが「0」〜「5」ま
で変化するときに、「1」で波形群W(I,J)を選択
し、「2」で波形群W(I,J+1)を選択し、「3」で
波形群Wは(I+1,J)を選択し、「4」で波形群W
(I+1,J+1)を選択する。なお、「0」はリセット
を表し、「5」では補間演算と演算結果出力が行なわれ
る。 しかして、楽音の立ち上がり部では音色用エンベロー
プ信号TEDが正の大なる値であるとともにレベル変化率
信号ΔTEDも正の値であるため、波形データテーブルに
示すようにアタック部の波形を表す波形データが選択さ
れることになる。同選択された波形データはアドレス発
生部60が出力するアドレス信号ADRSに対応して順次楽音
波形メモリ71より読み出され、波形群間補間器74にて補
間カウンタ73の出力する補間タイミング信号kに応じて
音色用エンベロープ信号TEDとレベル変化率信号ΔTEDの
小数部i,jより上述した補間を行なう。 波形群間補間器74から出力される波形信号は乗算器10
0にて対数常数変換回路90が出力するエンベロープが付
与され、ミキサ部130とD/Aコンバータ140とサウンドシ
ステム150を経て楽音として出力される。 従って、楽音の立ち上がり部においてはアタック部の
波形データが選択されて楽音として再現されたことにな
る。 これに続き、アタック部のピークを越えると音色用エ
ンベロープ信号TEDはそれまで増加していた状態から増
加が止まり、さらには徐々に減少し始める。これに従っ
て、レベル変化率信号ΔTEDは正の大なる値から「0」
を経て負の値へと変化していく。従って、波形データテ
ーブルからはアタック部の波形を表す波形データから、
アタック部と第1ディケイ部を混合した波形を経て、第
1ディケイ部の波形を表す波形データへと順次変化しつ
つ同波形データが出力されることになる。 そして、アタック部が終了する頃には、エンベロープ
の変化が少なくなり、音色用エンベロープ信号TEDは
「0」付近で交互に正の値となったり負の値となったり
する状態を繰り返す。これにより、音色用エンベロープ
信号TEDとレベル変化率信号ΔTEDはともに「0」付近で
変動し、より具体的には、音色用エンベロープ信号TED
が正の値でレベル変化率信号ΔTEDも正の値→音色用エ
ンベロープ信号TEDが正の値でレベル変化率信号ΔTEDが
負の値→音色用エンベロープ信号TEDが負の値でレベル
変化率信号ΔTEDも負の値→音色用エンベロープ信号TED
が負の値でレベル変化率信号ΔTEDが正の値→・・・と
いった状態を繰り返す。 すると、波形データテーブルからは、(V+)→(V
+)+(V−)→(V−)→(V−)+(V+)→・・
・の領域の波形データが読み出され、ビブラートのかか
った楽音が得られる。 また、ループ部が終了すると音色用エンベロープ信号
TEDの値は負の値となって減少していき、またレベル変
化率信号ΔTEDも音色用エンベロープ信号TEDの減少にと
もなって負の値となる。従って、波形データテーブルか
らはリリース部の波形を表す波形データが出力されるこ
とになり、この状態から音色用エンベロープ信号TEDが
やや増加するとレベル変化率信号ΔTEDが正となって同
テーブルにおけるスラー部の波形を表す波形データが出
力されることになる。 このようにして各種の押鍵にともなってアタック部か
ら第1ディケイ部、ループ部、リリース部からスラー部
へと至るまでにそれぞれの場合における波形が再現され
て楽音として出力される。 これまでは、音量を特に変化させることなく、通常の
発音過程を前提としていた。しかしながら、演奏者がク
レッシェンドさせるためにイクスプレッションペダルを
徐々に踏み込んでいったり、鍵の押圧を変えて音量のレ
ベルを増加させると波形データテーブルにおける波形デ
ータの選択に差異が生じる。 例えば、アタック部が普通に発音されてループ部を発
音しているときに演奏者がイクスプレッションペダルを
踏み込んでいったとする。 ペダルエンベロープは第10図に示すように、正負の値
を繰り返す波形のエンベロープとなっているので乗算器
80gにて増加しつつあるペダル信号EPと乗算されたペダ
ルエンベロープは変動の幅が大きくなる。従って、加算
器80hにて同ペダルエンベロープが加算される音色用エ
ンベロープ信号TEDも同様に大きく変動し、レベル変化
率信号ΔTEDは同変動程度に対応して同様に正負の間で
大きく変動する。すると、波形データテーブルでは
「0」点を中心として大きな円を描いて読み出される波
形群が変動する。 円を描く周期は変わらないので、描く円が大きくなる
ほど波形は早く変動することになり、現実の演奏におけ
る音圧が増加する場合の波形の変動をよりよく再現する
ことになる。このため、上述したようにループ部を発音
しているときに波形の変動を大きくしていくことにより
クレッシェンド演奏に即した波形が再現されることにな
る。 一方、これとは逆にアタック部が普通に発音されてル
ーブ部を発音しているときに演奏者がイクスプレッショ
ンペダルの踏み込み量を徐々に戻っていったとする。 減少しつつあるペダル信号EPが第10図に示すようなペ
ダルエンベロープに乗算されると同ペダルエンベロープ
の変動の幅も減少し、同ペダルエンベロープが加算され
る音色用エンベロープ信号TEDの変動も同様に減少す
る。従って、音色用エンベロープ信号TEDとレベル変化
率信号ΔTEDはともに正負の間で僅かに変動を繰り返
し、波形データテーブルでは「0」点を中心として小さ
な円を描くように波形群が選択される。 この場合も、円を描く周期は変わらないので、描く円
が小さくなるほど波形の変動は遅くなり、現実の演奏に
おいて音圧が減少していく場合の波形の変動をよりよく
再現することになる。このため、上述したようにループ
部を発音しているときに波形の変動を小さくしていくこ
とによりデクレッシェンド演奏に即した波形が再現する
ことになる。 アフタータッチエンベロープについては第9図に示す
ように、ペダルエンベロープと同様のループ部を有して
いるため、上述した場合と同様な波形が得られることに
なる。 以上の例では波形メモリから波形データを再現する場
合について説明していたが、高調波合成の混合比を変化
させて楽音波形を再現したり、ディジタルフィルタの特
性を変化させて楽音波形を再現したり、周波数変調方式
で波形信号を形成する場合もパラメータテーブルから読
み出すパラメータを上述した波形データテーブルの特性
と同様としておけば、同様の効果が生じる。 例えば、高調波合成の場合は混合比と位相のパラメー
タを波形データテーブルと同様のテーブルに記憶し、デ
ィジタルフィルタの場合はQパラメータとカットオフ周
波数を波形データテーブルと同様のテーブルに記憶し、
周波数変調方式の場合は演算パラメータを波形データテ
ーブルと同様のテーブルに記憶すればよい。 なお、上記実施例においては、鍵盤楽器の例を示して
いるが、他の管楽器や弦楽器などに適用する構成として
もよい。また、音高を変化させる楽器について説明して
いるが、音高を変化しない楽器音を再現するものであっ
てもよく、例えば、ドラム、マラカスなどの楽音を再現
するものであってもよい。さらに、電子楽器に限らず、
効果音などを形成する装置や玩具などであってもよい。 同様に、音量を調整する手段としては、鍵盤やイクス
プレッションペダルに限るものでもなく、プレスセン
サ、ドラムパッド、ポルタメントバー、ホイール、ジョ
イスティック等の操作をボリュームや位置センサや角度
センサ等で検出するようにしてもよい。 また、波形間における補間演算は、直線補間(1次補
間)のみならず、さらに高次の補間(多項式による補
間、ラグランジュ補間など)や、ディジタルフィルタに
よる補間など、種々の補間演算が可能であり、システム
構成や必要な補間精度に応じて選択すればよい。 その他、波形信号発生回路において音色を変化させる
にあたっても、上記実施例に限られず、他の方法によっ
て楽音信号を発生するものであってもよい。例えば、ア
ナログ回路の電圧制御発振器によって発生した周期信号
をフィルタに通して楽音信号を得る場合に、同フィルタ
の特性をアナログ的に変化させるようにしてもよい。ま
た、楽音信号に限らず、音声信号を発生するものに適用
してもよい。 また、音量に応じて音色を制御するようにしてもよ
い。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一の実施例にかかる楽音信号発生装置
が適用される電子楽器の概略構成を示すブロック図、第
2図は音量用エンベロープ発生器の構成を示すブロック
図、第3図〜第6図は音量用エンベロープ発生回路の発
生するエンベロープ波形を示す図、第7図は音量用エン
ベロープ発生器の他の構成を示すブロック図、第8図〜
第10図は音色用エンベロープ発生回路の発生するエンベ
ロープ波形を示す図、第11図はレベル変化率計算部の構
成例を示すブロック図、第12図はレベル変化率計算部の
他の構成例を示すブロック図、第13図は楽音波形メモリ
を使用して楽音信号を発生する楽音信号発生回路のブロ
ック図、第14図は音色用エンベロープ信号とレベル変化
率信号に対する楽音波形メモリの波形データテーブルの
関係を示す図、第15図はエンベロープ波形と波形データ
テーブルの領域との関係を示す図、第16図は高調波合成
による波形信号発生回路のブロック図、第17図はディジ
タルフィルタを用いた波形信号発生回路のブロック図、
第18図は周波数変調楽音合成演算によって楽音信号を発
生する波形信号発生回路のブロック図である。 符号の説明 10……演奏操作子群、20……イクスプレッションペダ
ル、30……操作子制御部、50……周波数ナンバ変換部、
60……アドレス発生部、70……波形信号発生回路、80…
…音量用エンベロープ発生器、90……対数常数変換回
路、100……乗算器、110……音色用エンベロープ発生
器、120……レベル変化率計算部、130……ミキサ部、14
0……D/Aコンバータ、150……サウンドシステム。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−184495(JP,A) 特開 平2−97(JP,A) 特開 昭62−129892(JP,A) 特開 昭61−93495(JP,A) 特公 昭58−32388(JP,B2) 特許2580860(JP,B2)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】演奏者により操作されて楽音の発生を指示
    するとともに発生楽音の音高を指示する演奏操作手段
    と、 上記演奏操作手段の操作に応答して同操作により指示さ
    れた音高を有する波形信号を発生する波形信号発生手段
    と、 上記演奏操作手段の操作に応答して時間的に変化する第
    1の制御波形信号を形成して出力する第1の制御波形信
    号発生手段と、 上記第1の制御波形信号を入力して演算により同第1の
    制御波形信号のレベルの時間的変化率を表す変化率信号
    を一定時間毎に出力する変化率信号発生手段と、 上記第1の制御波形信号発生手段から出力される第1の
    制御波形信号のレベルと上記変化率信号発生手段から出
    力される変化率信号とに基づいて上記波形信号発生手段
    から発生される波形信号を変更制御する音色制御手段
    と、 上記演奏操作手段の操作に応答して時間的に変化する第
    2の制御波形信号を形成して出力する第2の制御波形信
    号発生手段と、 上記波形信号発生手段から発生された波形信号の振幅を
    上記第2の制御波形信号に応じて制御して同波形信号に
    音量エンベロープを付与するエンベロープ付与手段と を備えたことを特徴とする楽音信号発生装置。
  2. 【請求項2】上記請求項1に記載の楽音信号発生装置に
    おいて、上記音色制御手段は、上記第1の制御波形信号
    と上記変化率信号とに対応した音色パラメータを記憶す
    るテーブルを有し、上記第1の制御波形信号と上記変化
    率信号とに基づいて同テーブルを参照して音色パラメー
    タを読出し、同読出した音色パラメータに基づいて上記
    波形信号発生手段から発生される波形信号を変更制御す
    るようにした楽音信号発生装置。
  3. 【請求項3】上記請求項1に記載の楽音信号発生装置に
    おいて、上記波形信号発生手段は異なる楽音波形を表す
    複数組のサンプルデータ群を記憶する記憶手段を有する
    とともに、上記第1の制御波形信号及び変化率信号は整
    数部及び少数部によりそれぞれ構成されており、上記音
    色制御手段は、上記第1の制御波形信号及び変化率信号
    の各整数部により上記記憶手段に記憶されたサンプルデ
    ータ群を選択的に読み出すとともに、同読み出したサン
    プルデータ群を上記第1の制御波形信号及び変化率信号
    の各少数部により補間演算して出力するようにした楽音
    信号発生装置。
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