がん免疫療法を改善する
一態様では、本明細書に記載される組成物および方法を使用して、例えば、FAS、BID、CTLA4、PDCD1、CBLB、PTPN6、TRACおよび/またはTRBC遺伝子などの1つまたは複数の(one ore more)T細胞発現遺伝子を改変することで、遺伝子操作T細胞の増殖に影響を及ぼし得る。遺伝子操作T細胞が効果的な抗腫瘍応答をするためには、それらは、1)対象への移入に続いて適切に増殖し、十分な数の特異的腫瘍標的化T細胞を提供し;2)対象において必要な抗腫瘍活性を維持するのに十分な時間生存し;3)遺伝子操作T細胞が機能性抗腫瘍表現型を維持するように、腫瘍環境内で免疫細胞、腫瘍細胞、およびその他の細胞によって産生される抑制因子の影響を回避する必要がある。不十分な増殖および/または生存、ならびに阻害因子感受性は、がんに罹患している対象における、遺伝子操作T細胞の有効性の欠如の一因たり得る。本明細書で開示される方法および組成物は、がん治療法としての遺伝子操作T細胞の有効性を改善するために、これらの問題に対処する。
一実施形態では、本明細書に記載される組成物および方法を使用して、CBLB遺伝子を改変することで、遺伝子操作T細胞の増殖に影響を及ぼし得る。理論による拘束は望まないが、Casitas B系統リンパ腫bタンパク質(CBLBによってコードされる)発現の低下または不在は、対象への移入に続く、遺伝子操作T細胞の増殖を促進するための外来性インターロイキンシグナル伝達に対する必要性を低下させると考えられる(Stromnes,I.M.et al.,2010 J.Clin.Invest.120,3722-3734)。
一実施形態では、本明細書に記載される組成物および方法を使用して、PTPN6遺伝子を改変することで、遺伝子操作T細胞の増殖に影響を及ぼし得る。理論による拘束は望まないが、Src相同性領域2ドメイン含有ホスファターゼ-1タンパク質(PTPN6によってコードされる)の発現低下または不在は、移入されたT細胞の短期蓄積の増大をもたらし、それは引き続いて抗腫瘍活性を改善すると考えられる(Stromnes,I.M.et al.,2012 J.Immunol.189,1812-1825)。
一実施形態では、本明細書に記載される組成物および方法を使用して、FAS遺伝子を改変することで、遺伝子操作T細胞の増殖に影響を及ぼし得る。理論による拘束は望まないが、Fasタンパク質発現の低下または不在が、多くのがん型によって発現される因子であるFasリガンドによるT細胞アポトーシスの誘導を阻害すると考えられる(Dotti,G.et al.,2005 Blood 105,4677-4684)。
一実施形態では、本明細書に記載される組成物および方法を使用して、BID遺伝子を改変することで、遺伝子操作T細胞の増殖に影響を及ぼし得る。理論による拘束は望まないが、Bidタンパク質発現の低下または不在が、Fas経路活性化に続くT細胞アポトーシスの誘導を妨げると考えられる(Lei,X.Y.et al.,2009 Immunol.Lett.122,30-36)。
一実施形態では、本明細書に記載される組成物および方法を使用して、CTLA4遺伝子を改変することで、遺伝子操作T細胞に対する免疫抑制性因子の効果を低下させ得る。理論による拘束は望まないが、細胞毒性Tリンパ球関連抗原4(CTLA4によってコードされる)発現の低下または不在が、腫瘍環境内で抗原提示細胞によって発現されるCD80またはCD86の結合に続く、非応答性状態(「アネルギー」)の誘導を抑止すると考えられる(Shrikant,P.et al,1999 Immunity 11,483-493)。
一実施形態では、本明細書に記載される組成物および方法を使用して、PDCD1遺伝子を改変することで、遺伝子操作T細胞に対する免疫抑制性因子の効果を低下させ得る。理論による拘束は望まないが、プログラム細胞死タンパク質1(PDCD1によってコードされる)発現の低下または不在が、腫瘍環境内で腫瘍細胞または細胞によって発現されるPD1リガンドの結合によって、T細胞アポトーシス誘導を妨げると考えられる(Topalian,S.L.et al.,2012 N.Engl.J.Med.366,2443-2454)。
一実施形態では、本明細書に記載される組成物および方法を使用して、TRACおよび/またはTRBC遺伝子を改変することで、T細胞特異性および安全性が改善され得る。理論による拘束は望まないが、T細胞受容体(TRACおよびTRBCによってコードされる)発現の低下または不在が、T細胞受容体認識および宿主組織応答を排除することで、移植片対宿主病を妨げると考えられる。したがってこのアプローチを使用して、「汎用」T細胞が生成され得る(Torikai et al.,2012 Blood 119,5697-5705)。また、理論による拘束は望まないが、TRACおよび/またはTRBC遺伝子発現の低下または不在は、内在性T細胞受容体と外来性導入遺伝子操作T細胞受容体との誤った対合形成を低下させまたは排除し、ひいては治療効果を好転させると考えられる(Provasi et al.,2012,Nature Medicine 18,807-815)。
一実施形態では、本明細書に記載される組成物および方法を使用して、遺伝子操作T細胞を使用することで、FAS、BID、CTLA4、PDCD1、CBLB、PTPN6、TRAC、およびTRBC遺伝子の1つまたは複数を低下させて、がん免疫療法の処置を改善させ得る。
本明細書で開示されるのは、本明細書に記載される組成物および方法を使用して、がん経由免疫療法を処置するアプローチである。
1つのアプローチでは、FAS、BID、CTLA4、PDCD1、CBLB、PTPN6、TRAC、およびTRBC遺伝子の1つまたは複数が、標的ノックアウトまたはノックダウンとして標的化され、例えば、T細胞の増殖、生存および/または機能に影響を及ぼす。一実施形態では、前記アプローチは、1つのT細胞発現遺伝子(例えば、FAS、BID、CTLA4、PDCD1、CBLB、PTPN6、TRACまたはTRBC遺伝子)をノックアウトまたはノックダウンするステップを含んでなる。別の実施形態では、アプローチは、例えば、FAS、BID、CTLA4、PDCD1、CBLB、PTPN6、TRAC、およびTRBC遺伝子の内2つなどのT細胞が発現する2つの遺伝子をそれぞれノックアウトまたはノックダウンするステップを含んでなる。別の実施形態では、アプローチは、例えば、FAS、BID、CTLA4、PDCD1、CBLB、PTPN6、TRAC、およびTRBC遺伝子の内3つなどのT細胞が発現する3つの遺伝子をそれぞれノックアウトまたはノックダウンするステップを含んでなる。別の実施形態では、アプローチは、例えば、FAS、BID、CTLA4、PDCD1、CBLB、PTPN6、TRAC、およびTRBC遺伝子の内4つなどのT細胞が発現する4つの遺伝子をそれぞれノックアウトまたはノックダウンするステップを含んでなる。別の実施形態では、アプローチは、例えば、FAS、BID、CTLA4、PDCD1、CBLB、PTPN6、TRAC、およびTRBC遺伝子の内5つなどのT細胞が発現する5つの遺伝子をそれぞれノックアウトまたはノックダウンするステップを含んでなる。別の実施形態では、アプローチは、例えば、FAS、BID、CTLA4、PDCD1、CBLB、PTPN6、TRAC、およびTRBC遺伝子の内6つなどのT細胞が発現する6つの遺伝子をそれぞれノックアウトまたはノックダウンするステップを含んでなる。別の実施形態では、アプローチは、例えば、FAS、BID、CTLA4、PDCD1、CBLB、PTPN6、TRAC、およびTRBC遺伝子の内7つなどのT細胞が発現する7つの遺伝子をそれぞれノックアウトまたはノックダウンするステップを含んでなる。別の実施形態では、アプローチは、例えば、FAS、BID、CTLA4、PDCD1、CBLB、PTPN6、TRAC、およびTRBC遺伝子などのT細胞が発現する8つの遺伝子をそれぞれノックアウトまたはノックダウンするステップを含んでなる。
一実施形態では、方法は、疾患発症後に対象の治療を開始するステップを含んでなる。一実施形態では、方法は、例えば、がんの発症後1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、24、または36ヶ月間などの疾患発症の十分後に、対象への治療を開始するステップを含んでなる。
一実施形態では、方法は、進行した病期にある対象の治療開始を含んでなる。
全体的に、全ての病期における対象の治療開始は、対象に恩恵をもたらすことが期待される。
本明細書で開示される組成物および方法を使用して治療されてもよいがんとしては、血液のがんおよび固形腫瘍が挙げられる。例えば、本明細書で開示される組成物および方法を使用して治療されてもよいがんとしては、リンパ腫、慢性リンパ球性白血病(CLL)、B細胞急性リンパ球性白血病(B-ALL)、急性リンパ芽球性白血病、急性骨髄性白血病、非ホジキンリンパ腫(NHL)、びまん性大細胞リンパ腫(DELL)、多発性骨髄腫、腎細胞がん(RCC)、神経芽細胞腫、結腸直腸がん、乳がん、卵巣がん、メラノーマ、肉腫、前立腺がん、肺がん、食道がん、肝細胞がん、膵臓がん、星細胞腫、中皮腫、頭頸部がん、および髄芽細胞腫が挙げられるが、これに限定されるものではない。
例えば、FAS、BID、CTLA4、PDCD1、CBLB、PTPN6、TRACおよび/またはTRBC遺伝子などの1つまたは複数のT細胞発現遺伝子を改変する方法
本明細書で開示されるように、例えば、FAS、BID、CTLA4、PDCD1、CBLB、PTPN6、TRACおよび/またはTRBC遺伝子などの1つまたは複数のT細胞発現遺伝子が、例えば、本明細書に記載されるようなCRISPR-Cas9媒介法を使用して、遺伝子編集によって標的化(例えば、改変)され得る。
本明細書で考察される方法および組成物は、例えば、FAS、BID、CTLA4、PDCD1、CBLB、PTPN6、TRACおよび/またはTRBC遺伝子などの1つまたは複数のT細胞発現遺伝子中のT細胞標的位置の標的化(例えば、改変)を提供する。T細胞標的位置は、例えば、CRISPR-Cas9媒介法を使用して、例えば、FAS、BID、CTLA4、PDCD1、CBLB、PTPN6、TRACおよび/またはTRBC遺伝子などの1つまたは複数のT細胞発現遺伝子を標的化(例えば、改変)するなどの、遺伝子編集によって、標的化(例えば、改変)され得る。
本明細書で開示されるのは、例えば、FAS、BID、CTLA4、PDCD1、CBLB、PTPN6、TRACおよび/またはTRBC遺伝子などの1つまたは複数のT細胞発現遺伝子中のT細胞標的位置を標的化(例えば、改変)する方法である。
T細胞標的位置の標的化(例えば、改変)は、例えば、
(1)例えば、FAS、BID、CTLA4、PDCD1、CBLB、PTPN6、TRACおよび/またはTRBC遺伝子などをノックアウトする1つまたは複数のT細胞発現遺伝子:
(a)例えば、FAS、BID、CTLA4、PDCD1、CBLB、PTPN6、TRACおよび/またはTRBC遺伝子の1つまたは複数のT細胞発現遺伝子のコード領域近傍またはその内部の1つまたは複数のヌクレオチドの挿入または欠失(例えば、NHEJ媒介挿入または欠失)、または
(b)例えば、FAS、BID、CTLA4、PDCD1、CBLB、PTPN6、TRACおよび/またはTRBC遺伝子などの1つまたは複数のT細胞発現遺伝子の少なくとも一部をはじめとするゲノム配列の欠失(例えば、NHEJ媒介欠失)、または
(2)例えば、遺伝子のプロモーター領域などの非コード領域を標的化することで、酵素的に不活性なCas9(eiCas9)分子またはeiCas9融合タンパク質によって媒介される、例えば、FAS、BID、CTLA4、PDCD1、CBLB、および/またはPTPN6遺伝子などの1つまたは複数のT細胞発現遺伝子のノックダウン
によって達成される。
全てのアプローチは、例えば、FAS、BID、CTLA4、PDCD1、CBLB、PTPN6、TRACおよび/またはTRBC遺伝子などの1つまたは複数のT細胞発現遺伝子の標的化(例えば、改変)を生じる。
一実施形態では、本明細書に記載される方法は、例えば、FAS、BID、CTLA4、PDCD1、CBLB、PTPN6、TRACおよび/またはTRBC遺伝子などの1つまたは複数のT細胞発現遺伝子の少なくとも1つの対立遺伝子のコード領域の近くに、1つまたは複数の切断を導入する。別の実施形態では、本明細書に記載される方法は、例えば、FAS、BID、CTLA4、PDCD1、CBLB、PTPN6、TRACおよび/またはTRBC遺伝子などの1つまたは複数のT細胞発現遺伝子の少なくとも一部の側面に位置する、2つ以上の切断を導入する。2つ以上の切断は、例えば、FAS、BID、CTLA4、PDCD1、CBLB、PTPN6、TRACおよび/またはTRBC遺伝子などの1つまたは複数のT細胞発現遺伝子の少なくとも一部を含むゲノム配列を除去する(例えば、欠失させる)。別の実施形態では、本明細書に記載される方法は、T細胞標的化ノックダウン位置のプロモーター領域を標的化することで、酵素的に不活性なCas9(eiCas9)分子またはeiCas9融合タンパク質によって媒介される、例えば、FAS、BID、CTLA4、PDCD1、CBLB、および/またはPTPN6遺伝子などの1つまたは複数のT細胞発現遺伝子をノックダウンするステップを含んでなる。全ての本明細書に記載される方法は、例えば、FAS、BID、CTLA4、PDCD1、CBLB、PTPN6、TRACおよび/またはTRBC遺伝子などの1つまたは複数のT細胞発現遺伝子の標的化(例えば、改変)をもたらす。
例えば、FAS、BID、CTLA4、PDCD1、CBLB、PTPN6、TRACおよび/またはTRBC遺伝子などの1つまたは複数のT細胞発現遺伝子の標的化(例えば、改変)は、任意の機序により媒介され得る。例えば、FAS、BID、CTLA4、PDCD1、CBLB、PTPN6、TRACおよび/またはTRBC遺伝子などの1つまたは複数のT細胞発現遺伝子の改変に関連し得る代表的機序としては、非相同末端結合(例えば、古典的または代替)、マイクロホモロジー媒介末端結合(MMEJ)、相同指向修復(例えば、内在性供与体テンプレート媒介性)、SDSA(合成依存性鎖アニーリング)、一本鎖アニーリングまたは一本鎖浸潤が挙げられるが、これに限定されるものではない。
例えば、FAS、BID、CTLA4、PDCD1、CBLB、PTPN6、TRACおよび/またはTRBC遺伝子などの1つまたは複数のT細胞発現遺伝子中のインデルまたは欠失の導入による、例えば、FAS、BID、CTLA4、PDCD1、CBLB、PTPN6、TRACおよび/またはTRBC遺伝子などの1つまたは複数のT細胞発現遺伝子のノックアウト
一実施形態では、方法は、例えば、FAS、BID、CTLA4、PDCD1、CBLB、PTPN6、TRACおよび/またはTRBC遺伝子遺伝子(gene genes)などの1つまたは複数のT細胞発現遺伝子のT細胞標的ノックアウト位置の近傍(例えば、初期コード領域)に、もう1つのヌクレオチドの挿入または欠失を導入するステップを含んでなる。本明細書に記載されるように、一実施形態では、方法は、例えば、FAS、BID、CTLA4、PDCD1、CBLB、PTPN6、TRACおよび/またはTRBC遺伝子などの1つまたは複数のT細胞発現遺伝子のコード領域(例えば、開始コドンから500bp内などの初期コード領域、または例えば、開始コドンからの最初の500bp下流などの残りのコード配列)などのT細胞標的ノックアウト位置に、1つまたは複数の切断(例えば、一本鎖切断または二本鎖切断)を導入するステップを含んでなる。理論による拘束は望まないが、切断のNHEJ媒介修復は、T細胞標的ノックアウト位置内近傍へのインデルのNHEJ媒介性導入を可能にすると考えられる。
一実施形態では、例えば、FAS、BID、CTLA4、PDCD1、CBLB、PTPN6、TRACおよび/またはTRBC遺伝子などの1つまたは複数のT細胞発現遺伝子中のT細胞標的ノックアウト位置に、またはその近傍に、(例えば、1つのgRNA分子によって配置される)一本鎖切断が導入される。一実施形態では、(例えば、Cas9ニッカーゼがある)単一gRNA分子が使用されて、例えば、コード領域(例えば、開始コドンから500bp内などの初期コード領域、または例えば、開始コドンからの最初の500bp下流などの残りのコード配列)などのT細胞標的ノックアウト位置に、またはその近傍に、一本鎖切断が生じる。一実施形態では、切断は、例えば、Alu反復などの反復要素などである、望まれない標的染色体要素を回避するように位置する。
一実施形態では、例えば、FAS、BID、CTLA4、PDCD1、CBLB、PTPN6、TRACおよび/またはTRBC遺伝子などの1つまたは複数のT細胞発現遺伝子中のT細胞標的ノックアウト位置に、またはその近傍に、二本鎖切断(例えば、1つのgRNA分子によって配置される)が導入される。一実施形態では、(例えば、Cas9ニッカーゼ以外のCas9ヌクレアーゼがある)単一gRNA分子が使用されて、例えば、コード領域(例えば、開始コドンから500bp内などの初期コード領域、または例えば、開始コドンからの最初の500bp下流などの残りのコード配列)などのT細胞標的ノックアウト位置に、またはその近傍に、二本鎖切断が生じる。一実施形態では、切断は、例えば、Alu反復などの反復要素などである、望まれない標的染色体要素を回避するように位置する。
一実施形態では、例えば、FAS、BID、CTLA4、PDCD1、CBLB、PTPN6、TRACおよび/またはTRBC遺伝子などの1つまたは複数のT細胞発現遺伝子中のT細胞標的ノックアウト位置に、またはその近傍に、(例えば、2つのgRNA分子によって配置される)2つの一本鎖切断が導入される。一実施形態では、(例えば、1つまたは2つのCas9ニッカーゼ(nickcases)がある)2つのgRNA分子が使用されて、例えば、コード領域(例えば、開始コドンから500bp内などの初期コード領域、または例えば、開始コドンからの最初の500bp下流などの残りのコード配列)などのT細胞標的ノックアウト位置に、またはその近傍に、2つの一本鎖切断が生じる。一実施形態では、gRNAs分子は、双方の一本鎖切断が、T細胞標的ノックアウト位置の上流または下流に位置するように構成される。別の実施形態では、 (例えば、2つのCas9ニッカーゼ(nickcases)がある)2つのgRNA分子が使用されて、T細胞標的ノックアウト位置に、またはその近傍に、2つの一本鎖切断が生じ、例えば、gRNA分子は、1つの一本鎖切断がT細胞標的ノックアウト位置の上流に位置し、第2の一本鎖切断が下流に位置するように構成される。一実施形態では、切断は、例えば、Alu反復などの反復要素などである、望まれない標的染色体要素を回避するように位置する。
一実施形態では、2つの切断セット(例えば、2つの二本鎖切断)が、例えば、FAS、BID、CTLA4、PDCD1、CBLB、PTPN6、TRACおよび/またはTRBC遺伝子中の1つまたは複数のT細胞発現遺伝子中のT細胞標的ノックアウト位置に導入され(例えば、2つのgRNA分子によって配置され)、またはその近傍にある。一実施形態では、(例えば、Cas9ニッカーゼでない1つまたは2つのCas9ヌクレアーゼがある)2つのgRNA分子が使用されて、例えば、コード領域(例えば、開始コドンから500bp内などの初期コード領域、または例えば、開始コドンからの最初の500bp下流などの残りのコード配列)などのT細胞標的ノックアウト位置の側面に位置する、2つの二本鎖切断が生じる。一実施形態では、gRNAs分子は、切断セットの双方が、T細胞標的ノックアウト位置の上流または下流に位置するように構成される。一実施形態では、gRNA分子は、1つの切断セットがT細胞標的ノックアウト位置上流に位置して、第2の切断セットが下流に位置するように構成される。一実施形態では、切断は、例えば、Alu反復などの反復要素などである、望まれない標的染色体要素を回避するように位置する。
一実施形態では、例えば、FAS、BID、CTLA4、PDCD1、CBLB、PTPN6、TRACおよび/またはTRBC遺伝子などの1つまたは複数のT細胞発現遺伝子のT細胞標的ノックアウト位置に、またはその近傍に、2つの切断セット(例えば、1つの二本鎖切断および1対の一本鎖切断)が導入される(例えば、3つのgRNA分子によって配置される)。一実施形態では、3つのgRNA分子(例えば、Cas9ヌクレアーゼおよび1つまたは2つのCas9ニッカーゼがある)が使用されて、例えば、コード領域(例えば、開始コドンから500bp内などの初期コード領域、または例えば、開始コドンからの最初の500bp下流などの残りのコード配列)などのT細胞標的ノックアウト位置の側面に位置する、2つの切断セットが生じる。一実施形態では、gRNAs分子は、切断セットの双方が、T細胞標的ノックアウト位置の上流または下流に位置するように構成される。一実施形態では、gRNA分子は、1つの切断セットがT細胞標的ノックアウト位置上流に位置して、第2の切断セットが下流に位置するように構成される。一実施形態では、切断は、例えば、Alu反復などの反復要素などである、望まれない標的染色体要素を回避するように位置する。
一実施形態では、2つの切断セット(例えば、2対の一本鎖切断)が、例えば、FAS、BID、CTLA4、PDCD1、CBLB、PTPN6、TRACおよび/またはTRBC遺伝子中の1つまたは複数のT細胞発現遺伝子中のT細胞標的ノックアウト位置に導入され(例えば、4つのgRNA分子によって配置される)、またはその近傍にある。一実施形態では、(例えば、1つまたは複数のCas9ニッカーゼがある)4つのgRNA分子が使用されて、例えば、コード領域(例えば、開始コドンから500bp内などの初期コード領域、または例えば、開始コドンからの最初の500bp下流などの残りのコード配列)などのT細胞標的ノックアウト位置の側面に位置する、2つの切断セットが生じる。一実施形態では、gRNAs分子は、切断セットの双方が、T細胞標的ノックアウト位置の上流または下流に位置するように構成される。一実施形態では、gRNA分子は、1つの切断セットがT細胞標的ノックアウト位置上流に位置して、第2の切断セットが下流に位置するように構成される。一実施形態では、切断は、例えば、Alu反復などの反復要素などである、望まれない標的染色体要素を回避するように位置する。
一実施形態では、2つ以上(例えば、3つまたは4つ)のgRNA分子が、1つのCas9分子と共に使用される。別の実施形態では、2つ以上(two ore more)(例えば、3つまたは4つ)のgRNAが、2つ以上のCas9分子と共に使用される場合、少なくとも1つのCas9分子は、他のCas9分子とは異なる生物種に由来する。例えば、2つのgRNA分子が2つのCas9分子と共に使用される場合、1つのCas9分子は1つの生物種に由来し得て、もう1つCas9分子は異なる生物種に由来し得る。双方のCas9種が使用されて、所望通りに、一本または二本鎖切断が生じる。
細胞内で2つ以上の遺伝子が改変のために標的化される場合、標的化核酸は、例えば、1つまたは複数のCas9タンパク質による切断によって改変されてもよい。例えば、2つの遺伝子がノックアウトのために標的化されるなど、例えば2つの遺伝子が改変のために標的化される場合、同一または異なるCas9タンパク質を使用して、各遺伝子が標的化されてもよい。一実施形態では、双方の遺伝子(または細胞内で標的化される各遺伝子)は、Cas9ヌクレアーゼによって切断されて二本鎖切断が生じる。別の実施形態では、双方の遺伝子(または細胞内で標的化される各遺伝子)は、Cas9ヌクレアーゼによって切断されて二本鎖切断が生じる。別の実施形態では、細胞内の1つまたは複数の遺伝子が、Cas9ヌクレアーゼでの切断によって改変されてもよく、同一細胞内の1つまたは複数の遺伝子が、Cas9ニッカーゼでの切断によって改変されてもよい。2つ以上のCas9タンパク質を使用して、細胞内で、例えば異なる遺伝子などの標的核酸が切断される場合、Cas9タンパク質は、異なる細菌種に由来してもよい。例えば、細胞内の1つまたは複数の遺伝子は、1つの細菌種に由来するCas9タンパク質による切断によって改変されてもよく、同一細胞内の1つまたは複数の遺伝子は、異なる細菌種に由来するCas9タンパク質による切断によって改変されてもよい。異なる生物種に由来する2つ以上のCas9タンパク質が使用される場合、それらは、同時送達されまたは順次送達されて、標的核酸の所望の位置における所望の遺伝子中の切断特異性が制御されてもよいことが検討される。
いくつかの実施形態では、第1のgRNA分子の標的化ドメインおよび第2のgRNA分子の標的化ドメインは、対向する標的鎖核酸分子と相補的である。いくつかの実施形態では、gRNA分子および第2のgRNA分子は、PAMが外側を向くように構成される。
例えば、FAS、BID、CTLA4、PDCD1、CBLB、PTPN6、TRACおよび/またはTRBC遺伝子遺伝子(gene genes)などの1つまたは複数のT細胞発現遺伝子の少なくとも一部をはじめとするゲノム配列を欠失させることで(例えば、NHEJ媒介欠失)、例えば、FAS、BID、CTLA4、PDCD1、CBLB、PTPN6、TRACおよび/またはTRBC遺伝子などの1つまたは複数のT細胞発現遺伝子をノックアウトする
一実施形態では、方法は、例えば、FAS、BID、CTLA4、PDCD1、CBLB、PTPN6、TRACおよび/またはTRBC遺伝子遺伝子(gene genes)などの1つまたは複数のT細胞発現遺伝子の少なくとも一部を含んでなるゲノム配列の欠失を導入するステップを含んでなる。本明細書に記載されるように、一実施形態では、方法は、1つはT細胞標的ノックアウト位置の5’およびもう1つは3’に(すなわち、側面に位置する)2つの二本鎖切断を導入するステップを含んでなる。一実施形態では、例えば、単分子(またはキメラ)またはモジュラーgRNA分子などの2つのgRNAは、2つの切断セット(例えば、2つの二本鎖切断、1つの二本鎖切断および1対の一本鎖切断または2対の一本鎖切断)が、例えば、FAS、BID、CTLA4、PDCD1、CBLB、PTPN6、TRACおよび/またはTRBC遺伝子などの1つまたは複数のT細胞発現遺伝子中のT細胞標的ノックアウト位置の対向する側に位置するように設計される。
一実施形態では、方法は、例えば、FAS、BID、CTLA4、PDCD1、CBLB、PTPN6、TRACおよび/またはTRBC遺伝子遺伝子(gene genes)などの1つまたは複数のT細胞発現遺伝子の少なくとも一部を含むゲノム配列を除去する(例えば、NHEJ媒介欠失)ステップを含んでなる。本明細書に記載されるように、一実施形態では、方法は、例えば、FAS、BID、CTLA4、PDCD1、CBLB、PTPN6、TRACおよび/またはTRBC遺伝子遺伝子(gene genes)など(例えば、FAS、BID、CTLA4、PDCD1、CBLB、PTPN6、TRACおよび/またはTRBC遺伝子遺伝子(gene genes)などの1つまたは複数のT細胞発現遺伝子の例えば初期コード領域などのコード領域、または例えばプロモーター、エンハンサー、イントロン、3’UTR、および/またはポリアデニル化シグナルなどの非コード配列などの非コード領域)の1つまたは複数のT細胞発現遺伝子中の領域の側面に位置する、2つの切断セット(例えば1対の二本鎖切断、1つの二本鎖切断または1対の一本鎖切断、または2対の一本鎖切断)を導入するステップを含んでなる。理論による拘束は望まないが、切断のNHEJ媒介修復は、例えば、本明細書に記載されるようなFAS、BID、CTLA4、PDCD1、CBLB、PTPN6、TRACおよび/またはTRBC遺伝子遺伝子(gene genes)などの1つまたは複数のT細胞発現遺伝子の改変を可能にして、遺伝子の発現を低下させまたは排除して、例えば、FAS、BID、CTLA4、PDCD1、CBLB、PTPN6、TRACおよび/またはTRBC遺伝子遺伝子(gene genes)などの例えば1つまたは複数のT細胞発現遺伝子の対立遺伝子の片方または双方をノックアウトすると考えられる。
一実施形態では、2つの切断セット(例えば、2つの二本鎖切断)が、例えば、FAS、BID、CTLA4、PDCD1、CBLB、PTPN6、TRACおよび/またはTRBC遺伝子中の1つまたは複数のT細胞発現遺伝子中のT細胞標的ノックアウト位置に導入され(例えば、2つのgRNA分子によって配置され)、またはその近傍にある。一実施形態では、(例えば、Cas9ニッカーゼでない1つまたは2つのCas9ヌクレアーゼがある)2つのgRNA分子が使用されて、T細胞標的ノックアウト位置の側面に位置する2つの切断セットが生じ、例えば、gRNA分子は、1つの切断のセットが、T細胞標的ノックアウト位置の上流に位置して、第2の切断セットが下流に位置するように構成される。一実施形態では、切断は、例えば、Alu反復などの反復要素などである、望まれない標的染色体要素を回避するように位置する。
一実施形態では、例えば、FAS、BID、CTLA4、PDCD1、CBLB、PTPN6、TRACおよび/またはTRBC遺伝子などの1つまたは複数のT細胞発現遺伝子のT細胞標的ノックアウト位置に、またはその近傍に、2つの切断セット(例えば、1つの二本鎖切断および1対の一本鎖切断)が導入される(例えば、3つのgRNA分子によって配置される)。一実施形態では、3つのgRNA分子(例えば、Cas9ヌクレアーゼおよび1つまたは2つのCas9ニッカーゼがある)が使用されて、T細胞標的ノックアウト位置の側面に位置する2つ切断セットを生じ、例えば、gRNA分子は、1つの切断セットがT細胞標的ノックアウト位置の上流に位置し、第2の切断のセットが下流に位置するように構成される。一実施形態では、切断は、例えば、Alu反復などの反復要素などである、望まれない標的染色体要素を回避するように位置する。
一実施形態では、2つの切断セット(例えば、2対の一本鎖切断)が、例えば、FAS、BID、CTLA4、PDCD1、CBLB、PTPN6、TRACおよび/またはTRBC遺伝子中の1つまたは複数のT細胞発現遺伝子中のT細胞標的ノックアウト位置に導入され(例えば、4つのgRNA分子によって配置され)、またはその近傍にある。一実施形態では、(例えば、Cas9ヌクレアーゼおよび1つまたは2つのCas9ニッカーゼがある)4つのgRNA分子が使用されて、T細胞標的ノックアウト位置の側面に位置する2つ切断セットを生じ、例えば、gRNA分子は、1つの切断セットがT細胞標的ノックアウト位置の上流に位置し、第2の切断のセットが下流に位置するように構成される。一実施形態では、切断は、例えば、Alu反復などの反復要素などである、望まれない標的染色体要素を回避するように位置する。
一実施形態では、2つ以上(例えば、3つまたは4つ)のgRNA分子が、1つのCas9分子と共に使用される。別の実施形態では、2つ以上(two ore more)(例えば、3つまたは4つ)のgRNAが、2つ以上のCas9分子と共に使用される場合、少なくとも1つのCas9分子は、他のCas9分子とは異なる生物種に由来する。例えば、2つのgRNA分子が2つのCas9分子と共に使用される場合、1つのCas9分子は1つの生物種に由来し得て、もう1つCas9分子は異なる生物種に由来し得る。双方のCas9種が使用されて、所望通りに、一本または二本鎖切断が生じる。
細胞内で2つ以上の遺伝子が改変のために標的化される場合、標的化核酸は、例えば、1つまたは複数のCas9タンパク質による切断によって改変されてもよい。例えば、2つの遺伝子がノックアウトのために標的化されるなど、例えば2つの遺伝子が改変のために標的化される場合、同一または異なるCas9タンパク質を使用して、各遺伝子が標的化されてもよい。一実施形態では、双方の遺伝子(または細胞内で標的化される各遺伝子)は、Cas9ヌクレアーゼによって切断されて、二本鎖切断が生じる。別の実施形態では、双方の遺伝子(または細胞内で標的化される各遺伝子)は、Cas9ヌクレアーゼによって切断されて、二本鎖切断が生じる。別の実施形態では、細胞内の1つまたは複数の遺伝子が、Cas9ヌクレアーゼでの切断によって改変されてもよく、同一細胞内の1つまたは複数の遺伝子が、Cas9ニッカーゼでの切断によって改変されてもよい。2つ以上のCas9タンパク質を使用して、細胞内で、例えば異なる遺伝子などの標的核酸が切断される場合、Cas9タンパク質は、異なる細菌種に由来してもよい。例えば、細胞内の1つまたは複数の遺伝子は、1つの細菌種に由来するCas9タンパク質による切断によって改変されてもよく、同一細胞内の1つまたは複数の遺伝子は、異なる細菌種に由来するCas9タンパク質による切断によって改変されてもよい。異なる生物種に由来する2つ以上のCas9タンパク質が使用される場合、それらが、同時送達されまたは順次送達されて、標的核酸の所望の位置における所望の遺伝子中の切断特異性が制御されてもよいことが検討される。
いくつかの実施形態では、第1のgRNA分子の標的化ドメインおよび第2のgRNA分子の標的化ドメインは、対向する標的鎖核酸分子と相補的である。いくつかの実施形態では、gRNA分子および第2のgRNA分子は、PAMが外側を向くように構成される。
酵素的に不活性なCas9(eiCas9)分子によって媒介される、例えば、FAS、BID、CTLA4、PDCD1、CBLB、および/またはPTPN6遺伝子などの1つまたは複数のT細胞発現遺伝子のノックダウン
標的化ノックダウンアプローチは、機能性FAS、BID、CTLA4、PDCD1、CBLB、および/またはPTPN6遺伝子産物の発現を低下させまたは排除する。本明細書に記載されるように、一実施形態では、標的化ノックダウンは、酵素的に不活性なCas9(eiCas9)分子または転写リプレッサードメインまたはクロマチン改変タンパク質に融合されたeiCas9を標的化することで媒介されて、例えばFAS、BID、CTLA4、PDCD1、CBLB、Pおよび/またはPTPN6遺伝子などの1つまたは複数のT細胞発現遺伝子の転写を例えば妨げ、低下させ、または低減させるなど、転写を改変する。
本明細書で考察される方法および組成物を使用して、例えば、FAS、BID、CTLA4、PDCD1、CBLBおよび/またはPTPN6遺伝子などの1つまたは複数のT細胞発現遺伝子の発現を改変して、例えば、FAS、BID、CTLA4、PDCD1、CBLB、および/またはPTPN6遺伝子などの1つまたは複数のT細胞発現遺伝子のプロモーター領域を標的化することで、HIV感染症またはAIDSが治療または予防されてもよい。一実施形態では、プロモーター領域は、例えば、FAS、BID、CTLA4、PDCD1、CBLB、および/またはPTPN6遺伝子などの1つまたは複数のT細胞発現遺伝子の発現ノックダウンを標的化する。標的化ノックダウンアプローチは、機能性FAS、BID、CTLA4、PDCD1、CBLB、および/またはPTPN6遺伝子産物の発現を低下させまたは排除する。本明細書に記載されるように、一実施形態では、標的化ノックダウンは、酵素的に不活性なCas9(eiCas9)またはeiCas9融合タンパク質(例えば、転写リプレッサードメインまたはクロマチン修飾タンパク質に融合されたeiCas9)を標的化することで媒介されて、例えばFAS、BID、CTLA4、PDCD1、CBLB、Pおよび/またはPTPN6遺伝子などの1つまたは複数のT細胞発現遺伝子の転写を例えば妨げ、低下させ、または低減させるなど、転写を改変する。
一実施形態では、1つまたは複数のeiCas9を使用して、1つまたは複数の内在性転写因子の結合が妨げられてもよい。別の実施形態では、eiCas9は、クロマチン修飾タンパク質に融合され得る。クロマチン状態を改変することは、標的遺伝子の発現低下をもたらし得る。1つまたは複数のクロマチン修飾タンパク質に融合した1つまたは複数のeiCas9を使用して、クロマチン状態が改変されてもよい。
2つ以上の遺伝子が細胞内で改変の標的になる場合、標的核酸は、例えば、1つまたは複数のeiCas9タンパク質またはeiCas9融合タンパク質によって改変されてもよい。2つ以上のeiCas9タンパク質またはeiCas9融合タンパク質が使用される場合、eiCas9タンパク質またはeiCas9融合タンパク質は、異なる細菌種に由来してもよい。例えば、細胞内の1つまたは複数の遺伝子は、1つの細菌種に由来するeiCas9タンパク質またはeiCas9融合タンパク質によって改変されてもよく、同一細胞内の1つまたは複数の遺伝子は、異なる細菌種に由来するeiCas9タンパク質またはeiCas9融合タンパク質によって改変されてもよい。異なる生物種に由来する2つ以上のeiCas9タンパク質またはeiCas9融合タンパク質が使用される場合、それらが、同時送達されまたは順次送達されて、標的核酸の所望の位置における所望の遺伝子中の切断特異性が制御されてもよいことが検討される。
理論による拘束は望まないが、遺伝子操作T細胞の養子免疫伝達は、がんの可能な治療法を提供してもよいと考えられる。細胞表面受容体をコードする遺伝子が、T細胞中に挿入される。遺伝子操作T細胞は、大部分の正常組織から腫瘍細胞を識別するのに使用され得る、腫瘍関連抗原を検出できる。
標的遺伝子(例えば、FAS、BID、CTLA4、PDCD1、CBLB、PTPN6、TRACまたはTRBC遺伝子)の1つまたは2つの対立遺伝子のノックアウトまたはノックダウンは疾患発症後に実施されてもよいが、好ましくは疾患経過の早期に実施される。
I.gRNA分子
gRNA分子は、本明細書での用法では、gRNA分子/Cas9分子複合体の標的核酸への特異的標的化または自動誘導を促進する核酸を指す。gRNA分子は、本明細書で「キメラ」gRNAと称されることもある単分子(単一RNA分子を有する)、またはモジュラー(2つ以上、典型的に2つの別々のRNA分子を含んでなる)であり得る。gRNA分子は、いくつかのドメインを含んでなる。gRNA分子ドメインは、下で詳述される。
その上にドメインが示されるいくつかの代表的なgRNA構造は、図1に提供される。理論による拘束は望まないが、gRNAの活性形態の三次元形態、または鎖内または鎖間相互作用に関して、高度相補性領域は、図1で時に二本鎖として示され、その他の描写は、本明細書で提供される。
一実施形態では、単分子gRNAまたはキメラgRNAは、好ましくは、5’から3方向に、
標的化ドメイン(例えば、表1A~I、表2A~I、表3A~H、表4A~I、表5A~I、表6A~I、表7A~H、表8A~H、表9A~I、表10A~I、表11A~I、表12A~I、表13A~K、表14A~K、表15A~F、表16A~K、表17A~K、表18A~K、表19A~J、表20A~J、表21A~K、表22A~K、表23A~J、表24A~K、表25A~G、表26A~G、表27、表29、表31、または表32のいずれかからの標的化ドメインなどのFAS、BID、CTLA4、PDCD1、CBLB、PTPN6、TRACまたはTRBC遺伝子中の標的核酸と相補的な;
第1の相補的ドメイン;
連結ドメイン;
(第1の相補性ドメインと相補的な)第2の相補性ドメイン;
隣接ドメイン;および
任意選択的に、テールドメイン
を含んでなる。
一実施形態では、モジュラーgRNAは、
好ましくは、5’から3’方向に、標的化ドメイン(例えば、表1A~I、表2A~I、表3A~H、表4A~I、表5A~I、表6A~I、表7A~H、表8A~H、表9A~I、表10A~I、表11A~I、表12A~I、表13A~K、表14A~K、表15A~F、表16A~K、表17A~K、表18A~K、表19A~J、表20A~J、表21A~K、表22A~K、表23A~J、表24A~K、表25A~G、表26A~G、表27、表29、表31、または表32からの標的化ドメインなどのFAS、BID、CTLA4、PDCD1、CBLB、PTPN6、TRACまたはTRBC遺伝子中の標的核酸と相補的な;および
第1の相補的ドメインを含んでなる第1の鎖、および
好ましくは、5’から3’方向に、任意選択的に、5’伸長ドメイン;
第2の相補的ドメイン;
隣接ドメイン;および
任意選択的に、テールドメインを含んでなる第2の鎖
を含んでなる。
ドメインは、下で簡単に考察される。
標的化ドメイン
図1は、標的化ドメインの配置の例を提供する。
標的化ドメインは、標的核酸の標的配列と、例えば、少なくとも80、85、90、95、98または99%相補的であり、例えば、完全に相補的である、相補的なヌクレオチド配列を含んでなる。標的化ドメインはRNA分子の一部であり、したがって塩基ウラシル(U)を含んでなる一方で、gRNA分子をコードする任意のDNAは、塩基チミン(T)を含んでなる。理論による拘束は望まないが、一実施形態において、標的配列と標的化ドメインとの相補性は、標的核酸とgRNA分子/Cas9分子複合体との相互作用の特異性に寄与すると考えられる。標的化ドメインおよび標的配列対合中では、標的化ドメイン中のウラシル塩基が、標的配列中のアデニン塩基と対合するものと理解される。一実施形態では、標的ドメインそれ自体が、5’から3’方向に、任意選択の二次ドメイン、およびコアドメインを含んでなる。一実施形態では、コアドメインは、標的配列と完全に相補的である。一実施形態では、標的化ドメインは、5~50ヌクレオチド長である。標的化ドメインがそれと相補的である標的核酸の鎖は、本明細書で相補鎖と称される。ドメインのヌクレオチドの一部または全部は、例えば、本明細書のセクションVIIIに見られる修飾などの修飾を有し得る。
一実施形態では、標的化ドメインは、16ヌクレオチド長である。
一実施形態では、標的化ドメインは、17ヌクレオチド長である。
一実施形態では、標的化ドメインは、18ヌクレオチド長である。
一実施形態では、標的化ドメインは、19ヌクレオチド長である。
一実施形態では、標的化ドメインは、20ヌクレオチド長である。
一実施形態では、標的化ドメインは、21ヌクレオチド長である。
一実施形態では、標的化ドメインは、22ヌクレオチド長である。
一実施形態では、標的化ドメインは、23ヌクレオチド長である。
一実施形態では、標的化ドメインは、24ヌクレオチド長である。
一実施形態では、標的化ドメインは、25ヌクレオチド長である。
一実施形態では、標的化ドメインは、26ヌクレオチド長である。
一実施形態では、標的化ドメインは、16ヌクレオチドを含んでなる。
一実施形態では、標的化ドメインは、17ヌクレオチドを含んでなる。
一実施形態では、標的化ドメインは、18ヌクレオチドを含んでなる。
一実施形態では、標的化ドメインは、19ヌクレオチドを含んでなる。
一実施形態では、標的化ドメインは、20ヌクレオチドを含んでなる。
一実施形態では、標的化ドメインは、21ヌクレオチドを含んでなる。
一実施形態では、標的化ドメインは、22ヌクレオチドを含んでなる。
一実施形態では、標的化ドメインは、23ヌクレオチドを含んでなる。
一実施形態では、標的化ドメインは、24ヌクレオチドを含んでなる。
一実施形態では、標的化ドメインは、25ヌクレオチドを含んでなる。
一実施形態では、標的化ドメインは、26ヌクレオチドを含んでなる。
標的化ドメインは、下でより詳細に考察される。
第1の相補的ドメイン
図1A~1Gは、第1の相補的ドメインの例を提供する。
第1の相補的ドメインは、第2の相補的ドメインと相補的であり、一実施形態では、第2の相補的ドメインと、少なくともいくつかの生理的条件下で二重鎖領域を形成するのに十分な相補性を有する。一実施形態では、第1の相補的ドメインは、5~30ヌクレオチド長である。一実施形態では、第1の相補的ドメインは、5~25ヌクレオチド長である。一実施形態では、第1の相補的ドメインは、7~25ヌクレオチド長である。一実施形態では、第1の相補的ドメインは、7~22ヌクレオチド長である。一実施形態では、第1の相補的ドメインは、7~18ヌクレオチド長である。一実施形態では、第1の相補的ドメインは、7~15ヌクレオチド長である。一実施形態では、第1の相補的ドメインは、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、または25ヌクレオチド長である。
一実施形態では、第1の相補的ドメインは、5’から3’方向に、5’サブドメイン、中心サブドメイン、および3’サブドメインである、3つのサブドメインを含んでなる。一実施形態では、5’サブドメインは、例えば、4、5、6、7、8または9など、4~9ヌクレオチド長である。一実施形態では、中心サブドメインは、例えば、1など、1、2、または3ヌクレオチド長である。一実施形態では、3’サブドメインは、例えば、4~22、4~18、または4~10、または3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、または25など、3~25ヌクレオチド長である。
第1の相補的ドメインは、天然起源の第1の相補的ドメインとの相同性を共有し、またはそれに由来し得る。一実施形態では、それは、例えば、S.ピオゲネス(S.pyogenes)、S.アウレウス(S.aureus)、N.メニンジチディス(N.meningitidis)、またはS.サーモフィルス(S.thermophilus)の第1の相補的ドメインなどの本明細書で開示される第1の相補的ドメインと、少なくとも50%の相同性を有する。
第1の相補的ドメインのヌクレオチドの一部または全部は、例えば、本明細書のセクションVIIIに見られる修飾などの修飾を有し得る。
第1の相補的ドメインは、下でより詳細に考察される。
連結ドメイン
図1A~1Gは、連結ドメインの例を提供する。
連結ドメインは、単分子gRNAの第1の相補的ドメインと第2の相補的ドメインとを連結するのに役立つ。連結ドメインは、第1および第2の相補的ドメインを共有結合的にまたは非共有結合的に連結し得る。一実施形態では、連結は、共有結合である。一実施形態では、連結ドメインは、第1および第2の相補的ドメインと共有結合的に連結し、例えば、図1B~1Eを参照されたい。一実施形態では、連結ドメインは、第1の相補的ドメインと第2の相補的ドメインの間に挿入された共有結合であり、またはそれを含んでなる。典型的に、連結ドメインは、例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、または10などの1つまたは複数のヌクレオチドを含んでなる。
モジュラーgRNA分子中では、相補的ドメインのハイブリダイゼーションによって、2つの分子が結合され、例えば、図1Aを参照されたい。
多種多様な連結ドメインが、単分子gRNA分子中で使用するのに適する。連結ドメインは、共有結合からなり得て、または例えば、1、2、3、4、または5ヌクレオチド長などの1つまたは少数のヌクレオチド程度に短くあり得る。一実施形態では、連結ドメインは、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、または25ヌクレオチド長以上である。一実施形態では、連結ドメインは、2~50、2~40、2~30、2~20、2~10、または2~5ヌクレオチド長である。一実施形態では、連結ドメインは、例えば、第2の相補的ドメインに対して5’であるtracrRNAの配列などの天然起源配列と相同性を共有し、またはそれに由来する。一実施形態では、連結ドメインは、本明細書で開示される連結ドメインと、少なくとも50%の相同性を有する。
連結ドメインのヌクレオチドの一部または全部は、例えば、本明細書のセクションVIIIに見られる修飾などの修飾を有し得る。
連結ドメインは、下でより詳細に考察される。
5’伸長ドメイン
一実施形態では、モジュラーgRNAは、本明細書で5’伸長ドメインと称される、第2の相補的ドメインに対して5’の追加的な配列を含んでなり得て、例えば、図1Aを参照されたい。一実施形態では、5’伸長ドメインは、2~10、2~9、2~8、2~7、2~6、2~5、または2~4ヌクレオチド長である。一実施形態では、5’伸長ドメインは、2、3、4、5、6、7、8、9、または10ヌクレオチド長以上である。
第2の相補的ドメイン
図1A~1Gは、第2の相補的ドメインの例を提供する。
第2の相補的ドメインは、第1の相補的ドメインと相補的であり、一実施形態では、第2の相補的ドメインと、少なくともいくつかの生理的条件下で二重鎖領域を形成するのに十分な相補性を有する。例えば、図1A~図1Bに示されるように、一実施形態では、第2の相補的ドメインは、例えば、二重鎖領域からループアウトする配列などの第1の相補的ドメインとの相補性を欠く配列を含み得る。一実施形態では、第2の相補的ドメインは、5~27ヌクレオチド長である。一実施形態では、それは、第1の相補性領域より長い。
一実施形態では、第2の相補的ドメインは、7~27ヌクレオチド長である。一実施形態では、第2の相補的ドメインは、7~25ヌクレオチド長である。一実施形態では、第2の相補的ドメインは、7~20ヌクレオチド長である。一実施形態では、第2の相補的ドメインは、7~17ヌクレオチド長である。一実施形態では、相補的ドメインは、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25または26ヌクレオチド長である。
一実施形態では、第2の相補的ドメインは、5’から3’方向に、5’サブドメイン、中心サブドメイン、および3’サブドメインである、3つのサブドメインを含んでなる。一実施形態では、5’サブドメインは、例えば、4~22、4~18、または4~10、または3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、または25など、3~25ヌクレオチド長である。一実施形態では、中心サブドメインは、例えば、3など、1、2、3、4または5ヌクレオチド長である。一実施形態では、3’サブドメインは、例えば、4、5、6、7、8または9など、4~9ヌクレオチド長である。
一実施形態では、第1の相補的ドメインの5’サブドメインおよび3’サブドメインは、第2の相補的ドメインの3’サブドメインおよび5’サブドメインとそれぞれ相補的であり、例えば、完全に相補的である。
第2の相補的ドメインは、天然起源の第2の相補的ドメインとの相同性を共有し、またはそれに由来し得る。一実施形態では、それは、例えば、S.ピオゲネス(S.pyogenes)、S.アウレウス(S.aureus)、N.メニンジチディス(N.meningitidis)、またはS.サーモフィルス(S.thermophilus)の第1の相補的ドメインなどの本明細書で開示される第2の相補的ドメインと、少なくとも50%の相同性を有する。
第2の相補的ドメインのヌクレオチドの一部または全部は、例えば、本明細書のセクションVIIIに見られる修飾などの修飾を有し得る。
隣接ドメイン
図1A~1Gは、隣接ドメインの例を提供する。
一実施形態では、隣接ドメインは、5~20ヌクレオチド長である。一実施形態では、隣接ドメインは、天然起源隣接ドメインと相同性を共有し、またはそれに由来し得る。一実施形態では、それは、例えば、S.ピオゲネス(S.pyogenes)、S.アウレウス(S.aureus)、N.メニンジチディス(N.meningitidis)、またはS.サーモフィルス(S.thermophilus)隣接ドメインなどの本明細書で開示される隣接ドメインと、少なくとも50%の相同性を有する。
隣接ドメインのヌクレオチドの一部または全部は、例えば、本明細書のセクションVIIIに見られる修飾などの修飾を有し得る。
7)テールドメイン
図1A~1Gは、テールドメインの例を提供する。
図1Aおよび図1B~1Fのテールドメインの検査によって見られるように、広範囲のテールドメインが、gRNA分子で使用するのに適する。一実施形態では、テールドメインは、0(不在)、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10ヌクレオチド長である。一実施形態では、テールドメインヌクレオチドは、天然起源テールドメインの5’末端からの配列に由来し、またはそれと相同性を共有し、例えば、図1Dまたは図1Eを参照されたい。一実施形態では、テールドメインは、互いに相補的で、少なくともいくつかの生理的条件下では、二重鎖領域を形成する配列を含む。
一実施形態では、テールドメインは、不在であり、または1~50ヌクレオチド長である。一実施形態では、テールドメインは、天然起源隣接テールドメインと相同性を共有し、またはそれに由来し得る。一実施形態では、それは、例えば、S.ピオゲネス(S.pyogenes)、S.アウレウス(S.aureus)、N.メニンジチディス(N.meningitidis)、またはS.サーモフィルス(S.thermophilus)テールドメインなどの本明細書で開示されるテールドメインと、少なくとも50%の相同性を有する。
一実施形態では、テールドメインは、生体外または生体内転写法に関連する、3’末端のヌクレオチドを含む。gRNAの生体外転写のためにT7プロモーターが使用される場合、これらのヌクレオチドは、DNAテンプレートの3’末端の前に存在する、任意のヌクレオチドであってもよい。生体内転写のためにU6プロモーターが使用される場合、これらのヌクレオチドは、UUUUUU配列であってもよい。交互の(alternate)pol-IIIプロモーターが利用される場合、これらのヌクレオチドは、様々な数であってもまたはウラシル塩基であってもよく、または交互の(alternate)塩基を含んでもよい。
gRNA分子のドメインは、下で詳述される。
標的化ドメイン
gRNAの「標的化ドメイン」は、標的核酸上の「標的ドメイン」と相補的である。コアドメイン標的を含んでなる標的核酸鎖は、本明細書で標的核酸の「相補鎖」と称される。標的化ドメインの選択の指標は、例えば、Fu Y et al.,Nat Biotechnol 2014(doi:10.1038/nbt.2808)およびSternberg SH et al.,Nature 2014(doi:10.1038/nature13011)にある。
一実施形態では、標的化ドメインは、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25または26ヌクレオチド長である。
一実施形態では、標的化ドメインは、16ヌクレオチド長である。
一実施形態では、標的化ドメインは、17ヌクレオチド長である。
一実施形態では、標的化ドメインは、18ヌクレオチド長である。
一実施形態では、標的化ドメインは、19ヌクレオチド長である。
一実施形態では、標的化ドメインは、20ヌクレオチド長である。
一実施形態では、標的化ドメインは、21ヌクレオチド長である。
一実施形態では、標的化ドメインは、22ヌクレオチド長である。
一実施形態では、標的化ドメインは、23ヌクレオチド長である。
一実施形態では、標的化ドメインは、24ヌクレオチド長である。
一実施形態では、標的化ドメインは、25ヌクレオチド長である。
一実施形態では、標的化ドメインは、26ヌクレオチド長である。
一実施形態では、標的化ドメインは、16ヌクレオチドを含んでなる。
一実施形態では、標的化ドメインは、17ヌクレオチドを含んでなる。
一実施形態では、標的化ドメインは、18ヌクレオチドを含んでなる。
一実施形態では、標的化ドメインは、19ヌクレオチドを含んでなる。
一実施形態では、標的化ドメインは、20ヌクレオチドを含んでなる。
一実施形態では、標的化ドメインは、21ヌクレオチドを含んでなる。
一実施形態では、標的化ドメインは、22ヌクレオチドを含んでなる。
一実施形態では、標的化ドメインは、23ヌクレオチドを含んでなる。
一実施形態では、標的化ドメインは、24ヌクレオチドを含んでなる。
一実施形態では、標的化ドメインは、25ヌクレオチドを含んでなる。
一実施形態では、標的化ドメインは、26ヌクレオチドを含んでなる。一実施形態では、標的化ドメインは、10+/-5、20+/-5、30+/-5、40+/-5、50+/-5、60+/-5、70+/-5、80+/-5、90+/-5、または100+/-5ヌクレオチド長である。
一実施形態では、標的化ドメインは、20+/-5ヌクレオチド長である。
一実施形態では、標的化ドメインは、20+/-10、30+/-10、40+/-10、50+/-10、60+/-10、70+/-10、80+/-10、90+/-10、または100+/-10ヌクレオチド長である。
一実施形態では、標的化ドメインは、30+/-10ヌクレオチド長である。
一実施形態では、標的化ドメインは、10~100、10~90、10~80、10~70、10~60、10~50、10~40、10~30、10~20または10~15ヌクレオチド長である。
他の実施形態では、標的化ドメインは、20~100、20~90、20~80、20~70、20~60、20~50、2040、20~30、または20~25ヌクレオチド長である。
典型的に標的化ドメインは、標的配列との完全相補性を有する。いくつかの実施形態では標的化ドメインは、標的化ドメインの対応するヌクレオチドと相補的でない、1、2、3、4、5、6、7または8ヌクレオチドを有し、またはそれを含む。
一実施形態では、標的ドメインは、その5’末端の5ヌクレオチド以内にある、標的化ドメインの対応するヌクレオチドと相補的な1、2、3、4または5ヌクレオチドを含む。一実施形態では、標的ドメインは、その3’末端の5ヌクレオチド以内にある、標的化ドメインの対応するヌクレオチドと相補的な1、2、3、4または5ヌクレオチドを含む。
一実施形態では、標的ドメインは、その5’末端の5ヌクレオチド以内にある、標的化ドメインの対応するヌクレオチドと相補的でない、1、2、3または4ヌクレオチドを含む。一実施形態では、標的ドメインは、その3’末端の5ヌクレオチド以内にある、標的化ドメインの対応するヌクレオチドと相補的でない、1、2、3または4ヌクレオチドを含む。
一実施形態では、相補性の程度は、gRNAのその他の性質と合わせて、Cas9分子の標的核酸への標的化を可能にするのに十分である。
いくつかの実施形態では、標的化ドメインは、例えば、標的化ドメインの5’末端の5ヌクレオチド以内にあり、標的化ドメインの3’末端の5ヌクレオチド以内にあり、または標的化ドメインの片方または双方の末端から5ヌクレオチドを超えて離れた、2つの連続する非相補的ヌクレオチドなどの標的ドメインと相補的でない2連続ヌクレオチド(「非相補的ヌクレオチド」)を含んでなる。
一実施形態では、標的化ドメインの5’末端の5ヌクレオチド以内にあり、標的化ドメインの3’末端の5ヌクレオチド以内にあり、または標的化ドメインの片方または双方の末端から5ヌクレオチドを超えて離れた領域内にある2連続ヌクレオチドは、いずれも標的化ドメインと相補的でない。
一実施形態では、標的化ドメインの5’末端の5ヌクレオチド以内、標的化ドメインの3’末端の5ヌクレオチド以内、または標的化ドメインの片方または双方の末端から5ヌクレオチドを超えて離れた領域内に、非相補的ヌクレオチドはない。
一実施形態では、標的化ドメインヌクレオチドは、例えば、セクションVIIIで提供されるタイプの修飾などの修飾を含まない。しかし、一実施形態では、標的化ドメインは、例えば、分解の影響を受けにくくする、または例えば、より低い免疫原性などより生体適合性にする修飾などの1つまたは複数の修飾を含んでなる。一例として、標的化ドメインの骨格は、ホスホロチオエートで、またはセクションVIIIからのその他の修飾で、修飾され得る。一実施形態では、標的化ドメインのヌクレオチドは、例えば、2-アセチル化、例えば、2’メチル化、またはセクションVIIIからのその他の修飾などの2’修飾を含んでなり得る。
いくつかの実施形態では、標的化ドメインは、1、2、3、4、5、6、7または8つ以上の修飾を含む。一実施形態では、標的化ドメインは、その5’末端の5ヌクレオチド以内にある、1、2、3、または4つの修飾を含む。一実施形態では、標的化ドメインは、その3’末端の5ヌクレオチド以内にある、1、2、3、または4程度の数の修飾を含んでなる。
いくつかの実施形態では、標的化ドメインは、例えば、標的化ドメインの5’末端の5ヌクレオチド以内にあり、標的化ドメインの3’末端の5ヌクレオチド以内にあり、または標的化ドメインの片方または双方の末端から5ヌクレオチドを超えて離れた2連続ヌクレオチドなどの2連続ヌクレオチドの修飾を含んでなる。
一実施形態では、標的化ドメインの5’末端の5ヌクレオチド以内にあり、標的化ドメインの3’末端の5ヌクレオチド以内にあり、または標的化ドメインの片方または双方の末端から5ヌクレオチドを超えて離れた領域内にある2連続ヌクレオチドは、いずれも修飾されていない。一実施形態では、標的化ドメインの5’末端の5ヌクレオチド以内にあり、標的化ドメインの3’末端の5ヌクレオチド以内にあり、または標的化ドメインの片方または双方の末端から5ヌクレオチドを超えて離れた領域内にあるヌクレオチドは、いずれも修飾されていない。
標的化ドメイン中の修飾は、セクションIVに記載されるシステム中で候補修飾を試験することで評価され得る標的化効率を妨げないように、選択され得る。選択された長さ、配列、相補性程度、または修飾程度を有する候補標的化ドメインを有するgRNAは、セクションIVのシステム中で評価され得る。候補標的化ドメインは、選択された標的について機能的であることが知られているgRNA分子/Cas9分子システム中に、単独で配置され、または1つまたは複数のその他の候補変化と共に配置されて、評価され得る。
いくつかの実施形態では、全ての修飾ヌクレオチドは、標的ドメイン中に存在する対応するヌクレオチドと相補的であり、ハイブリダイズできる。他の実施形態では、1、2、3、4、5、6、7または8つ以上の修飾ヌクレオチドは、標的ドメイン中に存在する対応するヌクレオチドと相補的でなくまたはハイブリダイズできない。
一実施形態では、標的化ドメインは、好ましくは、5’→3’方向に、二次ドメインおよびコアドメインを含んでなる。これらのドメインは、下でより詳細に考察される。
標的化ドメインのコアドメインおよび二次ドメイン
標的化ドメインの「コアドメイン」は、標的核酸上の「コアドメイン標的」と相補的である。一実施形態では、コアドメインは、標的化ドメインの3’末端から約8~約13ヌクレオチド(例えば、標的化ドメインの最も3’側の8~13ヌクレオチド)を含んでなる。
一実施形態では、二次ドメインは不在であり、または任意選択である。
一実施形態では、コアドメインおよび標的化ドメインは、独立して6+/-2、7+/-2、8+/-2、9+/-2、10+/-2、11+/-2、12+/-2、13+/-2、14+/-2、15+/-2、または16+-2ヌクレオチド長である。
一実施形態では、コアドメインおよび標的化ドメインは、独立して10+/-2ヌクレオチド長である。
一実施形態では、コアドメインおよび標的化ドメインは、独立して10+/-4ヌクレオチド長である。
一実施形態では、コアドメインおよび標的化ドメインは、独立して6、7、8、9、10、11、12、13、14、15または16ヌクレオチド長である。
一実施形態では、コアおよび標的化ドメインは、独立して3~20、4~20、5~20、6~20、7~20、8~20、9~20、10~20または15~20ヌクレオチド長である。
一実施形態では、コアおよび標的化ドメインは、独立して、例えば、6~15、7~14、7~13、6~12、7~12、7~11、7~10、8~14、8~13、8~12、8~11、8~10または8~9など3~15ヌクレオチド長である。
コアドメインは、コアドメイン標的と相補的である。典型的に、コアドメインは、コアドメイン標的との正確な相補性を有する。いくつかの実施形態では、コアドメインは、コアドメインの対応するヌクレオチドと相補的でない、1、2、3、4または5ヌクレオチドを有し得る。一実施形態では、相補性の程度は、gRNAのその他の性質と合わせて、Cas9分子の標的核酸への標的化を可能にするのに十分である。
gRNAの標的化ドメインの「二次ドメイン」は、標的核酸の「二次ドメイン標的」と相補的である。
一実施形態では、二次ドメインは、コアドメインに対して5’に配置される。
一実施形態では、二次ドメインは不在であり、または任意選択である。
一実施形態では、標的化ドメインが、26ヌクレオチド長であり、コアドメイン(標的化ドメインの3’末端から数えられる)が、8~13ヌクレオチド長であれば、二次ドメインは、12~17ヌクレオチド長である。
一実施形態では、標的化ドメインが、25ヌクレオチド長であり、コアドメイン(標的化ドメインの3’末端から数えられる)が、8~13ヌクレオチド長であれば、二次ドメインは、12~17ヌクレオチド長である。
一実施形態では、標的化ドメインが、24ヌクレオチド長であり、コアドメイン(標的化ドメインの3’末端から数えられる)が、8~13ヌクレオチド長であれば、二次ドメインは、11~16ヌクレオチド長である。
一実施形態では、標的化ドメインが、23ヌクレオチド長であり、コアドメイン(標的化ドメインの3’末端から数えられる)が、8~13ヌクレオチド長であれば、二次ドメインは、10~15ヌクレオチド長である。
一実施形態では、標的化ドメインが、22ヌクレオチド長であり、コアドメイン(標的化ドメインの3’末端から数えられる)が、8~13ヌクレオチド長であれば、二次ドメインは、9~14ヌクレオチド長である。
一実施形態では、標的化ドメインが、21ヌクレオチド長であり、コアドメイン(標的化ドメインの3’末端から数えられる)が、8~13ヌクレオチド長であれば、二次ドメインは、8~13ヌクレオチド長である。
一実施形態では、標的化ドメインが、20ヌクレオチド長であり、コアドメイン(標的化ドメインの3’末端から数えられる)が、8~13ヌクレオチド長であれば、二次ドメインは、7~12ヌクレオチド長である。
一実施形態では、標的化ドメインが、19ヌクレオチド長であり、コアドメイン(標的化ドメインの3’末端から数えられる)が、8~13ヌクレオチド長であれば、二次ドメインは、6~11ヌクレオチド長である。
一実施形態では、標的化ドメインが、18ヌクレオチド長であり、コアドメイン(標的化ドメインの3’末端から数えられる)が、8~13ヌクレオチド長であれば、二次ドメインは、5~10ヌクレオチド長である。
一実施形態では、標的化ドメインが、17ヌクレオチド長であり、コアドメイン(標的化ドメインの3’末端から数えられる)が、8~13ヌクレオチド長であれば、二次ドメインは、4~9ヌクレオチド長である。
一実施形態では、標的化ドメインが、16ヌクレオチド長であり、コアドメイン(標的化ドメインの3’末端から数えられる)が、8~13ヌクレオチド長であれば、二次ドメインは、3~8ヌクレオチド長である。
一実施形態では、二次ドメインは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14または15ヌクレオチド長である。
二次ドメインは、二次ドメイン標的と相補的である。典型的に、二次ドメインは、二次ドメイン標的との正確な相補性を有する。いくつかの実施形態では、二次ドメインは、二次ドメインの対応するヌクレオチドと相補的でない、1、2、3、4または5ヌクレオチドを有し得る。一実施形態では、相補性の程度は、gRNAのその他の性質と合わせて、Cas9分子の標的核酸への標的化を可能にするのに十分である。
一実施形態では、コアドメインヌクレオチドは、例えば、セクションVIIIで提供されるタイプの修飾などの修飾を含まない。しかし、一実施形態では、コアドメインは、例えば、分解の影響を受けにくくする、または例えば、より低い免疫原性などより生体適合性にする修飾などの1つまたは複数の修飾を含んでなる。一例として、コアドメインの骨格は、ホスホロチオエートで、またはセクションVIIIからのその他の修飾で、修飾され得る。一実施形態では、コアドメインのヌクレオチドは、例えば、2-アセチル化、例えば、2’メチル化、またはセクションVIIIからのその他の修飾などの2’修飾(例えば、リボース上の2’位における修飾)を含んでなり得る。典型的に、コアドメインは、1、2、または3つ以下の修飾を含有する。
コアドメイン中の修飾は、セクションIVに記載されるシステム中で候補修飾を試験することで評価され得る標的化効率を妨げないように、選択され得る。選択された長さ、配列、相補性程度、または修飾程度を有する候補コアドメインを有するgRNAは、セクションIVに記載されるシステム中で評価され得る。候補コアドメインは、選択された標的について機能的であることが知られているgRNA分子/Cas9分子システム中に、単独で配置され、または1つまたは複数のその他の候補変化と共に配置されて、評価され得る。
一実施形態では、二次ドメインヌクレオチドは、例えば、セクションVIIIで提供されるタイプの修飾などの修飾を含まない。しかし、一実施形態では、二次ドメインは、例えば、分解の影響を受けにくくする、または例えば、より低い免疫原性などより生体適合性にする修飾などの1つまたは複数の修飾を含んでなる。一例として、二次ドメインの骨格は、ホスホロチオエートで、またはセクションVIIIからのその他の修飾で、修飾され得る。一実施形態では、二次ドメインのヌクレオチドは、例えば、2-アセチル化、例えば、2’メチル化、またはセクションVIIIからのその他の修飾などの2’修飾を含んでなり得る。典型的に、二次ドメインは、1、2、または3つ以下の修飾を含有する。
二次ドメイン中の修飾は、セクションIVに記載されるシステム中で候補修飾を試験することで評価され得る標的化効率を妨げないように、選択され得る。選択された長さ、配列、相補性程度、または修飾程度を有する候補二次ドメインを有するgRNAは、セクションIVに記載されるシステム中で評価され得る。候補二次ドメインは、選択された標的について機能的であることが知られているgRNA分子/Cas9分子システム中に、単独で配置され、または1つまたは複数のその他の候補変化と共に配置されて、評価され得る。
一実施形態では、(1)コアドメインとその標的の間の相補性程度、および(2)二次ドメインとその標的の間の相補性程度は、異なってもよい。一実施形態では、(1)が、(2)を上回ってもよい。一実施形態では、(1)が、(2)を下回ってもよい。一実施形態では、(1)および(2)が同一であってもよく、例えば、それぞれが、その標的と完全に相補的であってもよい。
一実施形態では、(1)コアドメインのヌクレオチドの修飾数(例えば、セクションVIIIからの修飾)、および(2)二次ドメインのヌクレオチドの修飾数(例えば、セクションVIIIからの修飾)は、異なってもよい。一実施形態では、(1)が、(2)を下回ってもよい。一実施形態では、(1)が、(2)を上回ってもよい。一実施形態では、(1)および(2)が同一であり、例えば、それぞれが、修飾を含まなくてもよい。
第1および第2の相補的ドメイン
第1の相補的ドメインは、第2の相補的ドメインと相補的である。
典型的に第1の相補的ドメインは、第2の相補的ドメイン標的との正確な相補性を有しない。いくつかの実施形態では、第1の相補的ドメインは、第2の相補的ドメインの対応するヌクレオチドと相補的でない1、2、3、4または5ヌクレオチドを有し得る。一実施形態では、例えば、3ヌクレオチドなどの1、2、3、4、5または6ヌクレオチドは、二本鎖中で対合せず、例えば、非二重鎖領域またはループアウト領域を形成する。一実施形態では、例えば、3ヌクレオチドのループアウトなどの不対またはループアウト領域が、第2の相補的ドメイン上に存在する。一実施形態では、不対領域は、第2の相補的ドメインの5’末端から例えば、4番目などの1、2、3、4、5、または6番目のヌクレオチドで開始する。
一実施形態では、相補性の程度は、gRNAのその他の性質と合わせて、Cas9分子の標的核酸への標的化を可能にするのに十分である。
一実施形態では、第1および第2の相補的ドメインは、
独立して、6+/-2、7+/-2、8+/-2、9+/-2、10+/-2、11+/-2、12+/-2、13+/-2、14+/-2、15+/-2、16+/-2、17+/-2、18+/-2、19+/-2、または20+/-2、21+/-2、22+/-2、23+/-2、または24+/-2ヌクレオチド長;
独立して、6、7、8、9、10、11、12、13、14、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、または26ヌクレオチド長;または
独立して、5~24、5~23、5~22、5~21、5~20、7~18、9~16、または10~14ヌクレオチド長
である。
一実施形態では、第2の相補的ドメインは、例えば、第1の相補的ドメインよりもヌクレオチドが6個分より長いなど、例えば、2、3、4、5、または6個分より長い。
一実施形態では、第1および第2の相補的ドメインは、独立して、例えば、セクションVIIIで提供されるタイプの修飾などの修飾を含まない。
一実施形態では、第1および第2の相補的ドメインは、独立して、例えば、ドメインが分解の影響を受けにくくする、または例えば、それをより低い免疫原性などより生体適合性にする修飾などの1つまたは複数の修飾を含んでなる。一例として、ドメインの骨格は、ホスホロチオエートで、またはセクションVIIIからのその他の修飾で、修飾され得る。一実施形態では、ドメインのヌクレオチドは、例えば、2-アセチル化、例えば、2’メチル化、またはセクションVIIIからのその他の修飾などの2’修飾を含んでなり得る。
一実施形態では、第1および第2の相補的ドメインは、独立して、1、2、3、4、5、6、7または8つ以上の修飾を含む。一実施形態では、第1および第2の相補的ドメインは、独立して、その5’末端の5ヌクレオチド以内に、1、2、3、または4つの修飾を含む。一実施形態では、第1および第2の相補的ドメインは、独立して、その3’末端の2ヌクレオチド以内に、1、2、3、または4程度の数の修飾を含む。
一実施形態では、第1および第2の相補的ドメインは、独立して、例えば、ドメインの5’末端の5ヌクレオチド以内にあり、ドメインの3’末端の5ヌクレオチド以内にあり、またはドメインの片方または双方の末端から5ヌクレオチドを超えて離れた2連続ヌクレオチドなどの2連続ヌクレオチドに、修飾を含む。一実施形態では、第1および第2の相補的ドメインは、独立して、ドメインの5’末端の5ヌクレオチド以内にあり、ドメインの3’末端の5ヌクレオチド以内にあり、またはドメインの片方または双方の末端から5ヌクレオチドを超えて離れた領域内にある修飾された2連続ヌクレオチドを含まない。一実施形態では、第1および第2の相補的ドメインは、独立して、ドメインの5’末端の5ヌクレオチド以内にあり、ドメインの3’末端の5ヌクレオチド以内にあり、またはドメインの片方または双方の末端から5ヌクレオチドを超えて離れた領域内にある、修飾されたヌクレオチドを含まない。
相補的ドメイン中の修飾は、セクションIVに記載されるシステム中で候補修飾を試験することで評価され得る標的化効率を妨げないように、選択され得る。選択された長さ、配列、相補性程度、または修飾程度を有する候補相補的ドメインを有するgRNAは、セクションIVに記載されるシステム中で評価され得る。候補相補的ドメインは、選択された標的について機能的であることが知られているgRNA分子/Cas9分子システム中に、単独で配置され、または1つまたは複数のその他の候補変化と共に配置されて、評価され得る。
一実施形態では、第1の相補的ドメインは、例えば、S.ピオゲネス(S.pyogenes)、S.アウレウス(S.aureus)、N.メニンジチディス(N.meningitidis)、またはS.サーモフィルス(S.thermophilus)などの天然起源の第1の相補的ドメイン、または例えば、図1A~1Gなどで本明細書に記載される第1の相補的ドメインなどの、参照の第1の相補的ドメインと、少なくとも60、70、80、85%、90%または95%の相同性を有し、またはそれと1、2、3、4、5、または6個以下のヌクレオチドが異なる。
一実施形態では、第2の相補的ドメインは、例えば、S.ピオゲネス(S.pyogenes)、S.アウレウス(S.aureus)、N.メニンジチディス(N.meningitidis)、またはS.サーモフィルス(S.thermophilus)などの天然起源の第2の相補的ドメイン、または例えば、図1A~1Gなどで本明細書に記載される第2の相補的ドメインなどの、参照の第2の相補的ドメインと、少なくとも60、70、80、85%、90%、または95%の相同性を有し、またはそれと1、2、3、4、5、または6個以下のヌクレオチドが異なる。
第1および第2の相補的ドメインによって形成される二重鎖領域は、典型的に6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21または22塩基対長である(任意のループアウトまたは不対ヌクレオチドを除いて)。
いくつかの実施形態では、第1および第2の相補的ドメインは、二重鎖化した際に、例えば、gRNA配列中の11の対形成ヌクレオチドを含んでなる(1つの対形成鎖は下線付き、1つは太字)。
いくつかの実施形態では、第1および第2の相補的ドメインは、二重鎖化した際に、例えば、gRNA配列の15の対形成ヌクレオチドを含んでなる(1つの対形成鎖は下線付き、1つは太字)。
いくつかの実施形態では、第1および第2の相補的ドメインは、二重鎖化した際に、例えば、gRNA配列中の16の対形成ヌクレオチドを含んでなる(1つの対形成鎖は下線付き、1つは太字)。
いくつかの実施形態では、第1および第2の相補的ドメインは、二重鎖化した際に、例えば、gRNA配列中の21の対形成ヌクレオチドを含んでなる(1つの対形成鎖は下線付き、1つは太字)。
いくつかの実施形態では、ヌクレオチドは、交換されて、例えばgRNA配列中のポリ-U配列が除去される(交換ヌクレオチドは下線付き)。
5’伸長ドメイン
一実施形態では、モジュラーgRNAは、第2の相補的ドメインに対して5’の追加的な配列を含んでなり得る。一実施形態では、5’伸長ドメインは、2~10、2~9、2~8、2~7、2~6、2~5、または2~4ヌクレオチド長である。一実施形態では、5’伸長ドメインは、2、3、4、5、6、7、8、9、または10ヌクレオチド長以上である。
一実施形態では、5’伸長ドメインヌクレオチドは、例えば、セクションVIIIで提供されるタイプの修飾などの修飾を含まない。しかし、一実施形態では、5’伸長ドメインは、例えば、分解の影響を受けにくくする、または例えば、より低い免疫原性などより生体適合性にする修飾などの1つまたは複数の修飾を含んでなる。一例として、5’伸長ドメインの骨格は、ホスホロチオエートで、またはセクションVIIIからのその他の修飾で、修飾され得る。一実施形態では、5’伸長ドメインのヌクレオチドは、例えば、2-アセチル化、例えば、2’メチル化、またはセクションVIIIからのその他の修飾などの2’修飾を含んでなり得る。
いくつかの実施形態では、5’伸長ドメインは、1、2、3、4、5、6、7または8程度の数の修飾を含んでなり得る。一実施形態では、5’伸長ドメインは、例えば、モジュラーgRNA分子中などのその5’末端の5ヌクレオチド以内に、1、2、3、または4程度の数の修飾を含んでなる。一実施形態では、5’伸長ドメインは、例えば、モジュラーgRNA分子中などのその3’末端の5ヌクレオチド以内に、1、2、3、または4程度の数の修飾を含んでなる。
いくつかの実施形態では、5’伸長ドメインは、例えば、5’伸長ドメインの5’末端の5ヌクレオチド以内にあり、5’伸長ドメインの3’末端の5ヌクレオチド以内にあり、または5’伸長ドメインの片方または双方の末端から5ヌクレオチドを超えて離れた2連続ヌクレオチドなどの2連続ヌクレオチドに、修飾を含んでなる。一実施形態では、5’伸長ドメインの5’末端の5ヌクレオチド以内にあり、5’伸長ドメインの3’末端の5ヌクレオチド以内にあり、または5’伸長ドメインの片方または双方の末端から5ヌクレオチドを超えて離れた2連続ヌクレオチドは、修飾されていない。一実施形態では、5’伸長ドメインの5’末端の5ヌクレオチド以内にあり、5’伸長ドメインの3’末端の5ヌクレオチド以内にあり、または5’伸長ドメインの片方または双方の末端から5ヌクレオチドを超えて離れたクレオチドは、修飾されていない。
5’伸長ドメイン中の修飾は、セクションIVに記載されるシステム中で候補修飾を試験することで評価されるgRNA分子効率を妨げないように、選択され得る。選択された長さ、配列、相補性程度、または修飾程度を有する候補5’伸長ドメインを有するgRNAは、セクションIVに記載されるシステム中で評価され得る。候補5’伸長ドメインは、選択された標的について機能的であることが知られているgRNA分子/Cas9分子システム中に、単独で配置され、または1つまたは複数のその他の候補変化と共に配置されて、評価され得る。
一実施形態では、5’伸長ドメインは、例えば、S.ピオゲネス(S.pyogenes)、S.アウレウス(S.aureus)、N.メニンジチディス(N.meningitidis)、またはS.サーモフィルス(S.thermophilus)などの天然起源の5’伸長ドメインと、例えば、図1Aおよび図1Gで本明細書に記載される5’伸長ドメインなどの参照5’伸長ドメインと、少なくとも60、70、80、85、90、95、98または99%の相同性を有し、またはそれと1、2、3、4、5、または6個以下のヌクレオチドが異なる。
連結ドメイン
単分子gRNA分子中では、連結ドメインは、第1および第2の相補的ドメインの間に配置される。モジュラーgRNA分子中では、2つの分子は、互いに相補的ドメインによって結合する。
一実施形態では、連結ドメインは、10+/-5、20+/-5、30+/-5、40+/-5、50+/-5、60+/-5、70+/-5、80+/-5、90+/-5、または100+/-5ヌクレオチド長である。
一実施形態では、連結ドメインは、20+/-10、30+/-10、40+/-10、50+/-10、60+/-10、70+/-10、80+/-10、90+/-10、または100+/-10ヌクレオチド長である。
一実施形態では、連結ドメインは、10~100、10~90、10~80、10~70、10~60、10~50、10~40、10~30、10~20または10~15ヌクレオチド長である。他の実施形態では、連結ドメインは、20~100、20~90、20~80、20~70、20~60、20~50、20~40、20~30、または20~25ヌクレオチド長である。
一実施形態では、連結ドメインは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20ヌクレオチド長である。
一実施形態では、連結ドメインは、共有結合である。
一実施形態では、連結ドメインは、典型的に、第1の相補的ドメインの3’末端、および/または第2の相補的ドメインの5-末端に隣接する、またはそれから1、2、または3ヌクレオチド以内である、二重鎖領域を含んでなる。一実施形態では、二重鎖領域は、20+/-10塩基対の長さであり得る。一実施形態では、二重鎖領域は、10+/-5、15+/-5、20+/-5、または30+/-5塩基対の長さであり得る。一実施形態では、二重鎖領域は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、または15塩基対の長さであり得る。
典型的に、二重鎖領域を形成する配列は、互いに正確な相補性を有するが、いくつかの実施形態では1、2、3、4、5、6、7または8個程度の数のヌクレオチドが、対応するヌクレオチドと相補的でない。
一実施形態では、連結ドメインヌクレオチドは、例えば、セクションVIIIで提供されるタイプの修飾などの修飾を含まない。しかし、一実施形態では、連結ドメインは、例えば、分解の影響を受けにくくする、または例えば、より低い免疫原性などより生体適合性にする修飾などの1つまたは複数の修飾を含んでなる。一例として、連結ドメインの骨格は、ホスホロチオエートで、またはセクションVIIIからのその他の修飾で、修飾され得る。一実施形態では、連結ドメインのヌクレオチドは、例えば、2-アセチル化、例えば、2’メチル化、またはセクションVIIIからのその他の修飾などの2’修飾を含んでなり得る。いくつかの実施形態では、連結ドメインは、1、2、3、4、5、6、7または8程度の数の修飾を含んでなり得る。
連結ドメイン中の修飾は、セクションIVに記載されるシステム中で候補修飾を試験することで評価され得る標的化効率を妨げないように、選択され得る。選択された長さ、配列、相補性程度、または修飾程度を有する候補連結ドメインを有するgRNAは、セクションIVに記載されるシステム中で評価され得る。候補連結ドメインは、選択された標的について機能的であることが知られているgRNA分子/Cas9分子システム中に、単独で配置され、または1つまたは複数のその他の候補変化と共に配置されて、評価され得る。
一実施形態では、連結ドメインは、例えば、図1A~1Gで本明細書に記載される連結ドメインなどの参照連結ドメインと、少なくとも60、70、80、85、90、95、98または99%の相同性を有し、またそれと1、2、3、4、5,または6個以下のヌクレオチドが異なる。
隣接ドメイン
一実施形態では、隣接ドメインは、6+/-2、7+/-2、8+/-2、9+/-2、10+/-2、11+/-2、12+/-2、13+/-2、14+/-2、14+/-2、16+/-2、17+/-2、18+/-2ヌクレオチド長である。
一実施形態では、隣接ドメインは、6、7、8、9、10、11、12、13、14、14、16、17、18、19、または20ヌクレオチド長である。
一実施形態では、隣接ドメインは、5~20、7~18、9~16、または10~14ヌクレオチド長である。
一実施形態では、隣接ドメインヌクレオチドは、例えば、セクションVIIIで提供されるタイプの修飾などの修飾を含まない。しかし、一実施形態では、隣接ドメインは、例えば、分解の影響を受けにくくする、または例えば、より低い免疫原性などより生体適合性にする修飾などの1つまたは複数の修飾を含んでなる。一例として、隣接ドメインの骨格は、ホスホロチオエートで、またはセクションVIIIからのその他の修飾で、修飾され得る。一実施形態では、隣接ドメインのヌクレオチドは、例えば、2-アセチル化、例えば、2’メチル化、またはセクションVIIIからのその他の修飾などの2’修飾を含んでなり得る。
いくつかの実施形態では、隣接ドメインは、1、2、3、4、5、6、7または8程度の数の修飾を含んでなり得る。一実施形態では、隣接ドメインは、例えば、モジュラーgRNA分子中などのその5’末端の5ヌクレオチド以内に、1、2、3、または4程度の数の修飾を含んでなる。一実施形態では、標的ドメインは、例えば、モジュラーgRNA分子中などのその3’末端の5ヌクレオチド以内に、1、2、3、または4程度の数の修飾を含んでなる。
いくつかの実施形態では、隣接ドメインは、例えば、隣接ドメインの5’末端の5ヌクレオチド以内にあり、隣接ドメインの3’末端の5ヌクレオチド以内にあり、または隣接ドメインの片方または双方の末端から5ヌクレオチドを超えて離れた2連続ヌクレオチドなどの2連続ヌクレオチドの修飾を含んでなる。一実施形態では、隣接ドメインの5’末端の5ヌクレオチド以内にあり、隣接ドメインの3’末端の5ヌクレオチド以内にあり、または隣接ドメインの片方または双方の末端から5ヌクレオチドを超えて離れた2連続ヌクレオチドは、修飾されていない。一実施形態では、隣接ドメインの5’末端の5ヌクレオチド以内にあり、隣接ドメインの3’末端の5ヌクレオチド以内にあり、または隣接ドメインの片方または双方の末端から5ヌクレオチドを超えて離れたヌクレオチドは、修飾されていない。
隣接ドメイン中の修飾は、セクションIVに記載されるシステム中で候補修飾を試験することで評価されるgRNA分子効率を妨げないように、選択され得る。選択された長さ、配列、相補性程度、または修飾程度を有する候補隣接ドメインを有するgRNAは、セクションIVに記載されるシステム中で評価され得る。候補隣接ドメインは、選択された標的について機能的であることが知られているgRNA分子/Cas9分子システム中に、単独で配置され、または1つまたは複数のその他の候補変化と共に配置されて、評価され得る。
一実施形態では、隣接ドメインは、例えば、S.ピオゲネス(S.pyogenes)、S.アウレウス(S.aureus)、N.メニンジチディス(N.meningitidis)、またはS.サーモフィルス(S.thermophilus)などの天然起源の隣接ドメインと、または例えば、図1A~1Gで本明細書に記載される隣接ドメインなどの参照隣接ドメインと、少なくとも60、70、80、85、90、95、98または99%の相同性を有し、またはそれと1、2、3、4、5,または6個以下のヌクレオチドが異なる。
テールドメイン
一実施形態では、テールドメインは、10+/-5、20+/-5、30+/-5、40+/-5、50+/-5、60+/-5、70+/-5、80+/-5、90+/-5、または100+/-5ヌクレオチド長である。
一実施形態では、テールドメインは、20+/-5ヌクレオチド長である。
一実施形態では、テールドメインは、20+/-10、30+/-10、40+/-10、50+/-10、60+/-10、70+/-10、80+/-10、90+/-10、または100+/-10ヌクレオチド長である。
一実施形態では、テールドメインは、25+/-10ヌクレオチド長である。
一実施形態では、テールドメインは、10~100、10~90、10~80、10~70、10~60、10~50、10~40、10~30、10~20または10~15ヌクレオチド長である。
他の実施形態では、テールドメインは、20~100、20~90、20~80、20~70、20~60、20~50、20~40、20~30、または20~25ヌクレオチド長である。
一実施形態では、テールドメインは、1~20、1~1、1~10、または1~5ヌクレオチド長である。
一実施形態では、テールドメインヌクレオチドは、例えば、セクションVIIIで提供されるタイプの修飾などの修飾を含まない。しかし、一実施形態では、テールドメインは、例えば、分解の影響を受けにくくする、または例えば、より低い免疫原性などより生体適合性にする修飾などの1つまたは複数の修飾を含んでなる。一例として、テールドメインの骨格は、ホスホロチオエートで、またはセクションVIIIからのその他の修飾で、修飾され得る。一実施形態では、テールドメインのヌクレオチドは、例えば、2-アセチル化、例えば、2’メチル化、またはセクションVIIIからのその他の修飾などの2’修飾を含んでなり得る。
いくつかの実施形態では、テールドメインは、1、2、3、4、5、6、7または8程度の数の修飾を有し得る。一実施形態では、標的ドメインは、その5’末端の5ヌクレオチド以内に、1、2、3、または4程度の数の修飾を含んでなる。一実施形態では、標的ドメインは、その3’末端の5ヌクレオチド以内に、1、2、3、または4程度の数の修飾を含んでなる。
一実施形態では、テールドメインは、テール二重鎖領域を形成し得る、テール二本鎖ドメインを含んでなる。一実施形態では、テール二重鎖領域は、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12塩基対の長さであり得る。一実施形態では、テール二重鎖ドメインに対して3’に、さらなる一本鎖ドメインが存在する。一実施形態では、このドメインは、3、4、5、6、7、8、9、または10ヌクレオチド長である。一実施形態では、これは、4~6ヌクレオチド長である。
一実施形態では、テールドメインは、例えば、S.ピオゲネス(S.pyogenes)、S.アウレウス(S.aureus)、N.メニンジチディス(N.meningitidis)、またはS.サーモフィルス(S.thermophilus)の天然起源のテールドメイン、または例えば、図1A~1Gで本明細書に記載されるテールドメインなどの参照テールドメインと、少なくとも60、70、80、90、95、98または99%の相同性を有し、または1、2、3、4、5,または6個以下のヌクレオチドが異なる。
一実施形態では、隣接およびテールドメインは、一緒になって、以下の配列を構成する。
一実施形態では、テールドメインは、例えば、転写のためにU6プロモーターが使用される場合などに、3’配列UUUUUUを含んでなる。
一実施形態では、テールドメインは、例えば、転写のためにH1プロモーターが使用される場合などに、3’配列UUUUを含んでなる。
一実施形態では、テールドメインは、例えば、使用されるpol-IIIプロモーターの終結シグナル次第で、変動する3’Uの数を含んでなる。
一実施形態では、テールドメインは、T7プロモーターが使用される場合、DNAテンプレートに由来する変動する3’配列を含んでなる。
一実施形態では、テールドメインは、例えば、RNA分子を生成するために、生体外転写が使用される場合などに、DNAテンプレートに由来する変動する3’配列を含んでなる。
一実施形態では、テールドメインは、例えば、転写を駆動するために、pol-IIプロモーターが使用される場合などに、DNAテンプレートに由来する変動する3’配列を含んでなる。
テールドメイン中の修飾は、セクションIVに記載されるシステム中で候補修飾を試験することで評価され得る標的化効率を妨げないように、選択され得る。選択された長さ、配列、相補性程度、または修飾程度を有する候補テールドメインを有するgRNAは、セクションIVに記載されるシステム中で評価され得る。候補テールドメインは、選択された標的について機能的であることが知られているgRNA分子/Cas9分子システム中に、単独で配置され、または1つまたは複数のその他の候補変化と共に配置されて、評価され得る。
いくつかの実施形態では、テールドメインは、例えば、テールドメインの5’末端の5ヌクレオチド以内にあり、テールドメインの3’末端の5ヌクレオチド以内にあり、またはテールドメインの片方または双方の末端から5ヌクレオチドを超えて離れた2連続ヌクレオチドなどの2連続ヌクレオチドの修飾を含んでなる。一実施形態では、テールドメインの5’末端の5ヌクレオチド以内にあり、テールドメインの3’末端の5ヌクレオチド以内にあり、またはテールドメインの片方または双方の末端から5ヌクレオチドを超えて離れた2連続ヌクレオチドは、修飾されていない。一実施形態では、テールドメインの5’末端の5ヌクレオチド以内にあり、テールドメインの3’末端の5ヌクレオチド以内にあり、またはテールドメインの片方または双方の末端から5ヌクレオチドを超えて離れたヌクレオチドは、修飾されていない。
一実施形態では、gRNAは、
5’[標的化ドメイン]-[第1の相補的ドメイン]-[連結ドメイン]-[第2の相補的ドメイン]-[隣接ドメイン]-[テールドメイン]-3’の構造を有し、
式中、
標的化ドメインは、コアドメインおよび任意選択的に二次ドメインを含んでなり、10~50ヌクレオチド長であり;
第1の相補的ドメインは、5~25ヌクレオチド長であり、一実施形態では、本明細書で開示される参照の第1の相補的ドメインと、少なくとも50、60、70、80、85、90、95、98または99%の相同性を有し;
連結ドメインは、1~5ヌクレオチド長であり;
隣接ドメインは、5~20ヌクレオチド長であり、一実施形態では、本明細書で開示される参照隣接相補的ドメインと、少なくとも50、60、70、80、85、90、95、98または99%の相同性を有し;
および
テールドメインは不在であり、またはヌクレオチド配列は、1~50ヌクレオチド長であり、一実施形態では、本明細書で開示される参照テールドメインと、少なくとも50、60、70、80、85、90、95、98または99%の相同性を有する。
代表的なキメラgRNA
一実施形態では、単分子gRNAまたはキメラgRNAは、好ましくは、5’から3方向に、
例えば、(標的核酸と相補的な)15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、または26ヌクレオチドなどを含んでなる標的化ドメイン;
第1の相補的ドメイン;
連結ドメイン;
(第1の相補的ドメインと相補的な)第2の相補的ドメイン;
隣接ドメイン;および
テールドメイン
を含んでなり、
式中、
(a)隣接およびテールドメインは、一緒になって、少なくとも15、18、20、25、30、31、35、40、45、49、50、または53ヌクレオチドを含んでなり;
(b)第2の相補的ドメインの最後のヌクレオチドに対して3’に、少なくとも15、18、20、25、30、31、35、40、45、49、50、または53ヌクレオチドがあり;または
(c)第1の相補的ドメインのその対応するヌクレオチドと相補的な第2の相補的ドメインの最後のヌクレオチドに対して3’に、少なくとも16、19、21、26、31、32、36、41、46、50、51、または54ヌクレオチドがある。
一実施形態では、(a)、(b)、または(c)からの配列は、天然起源gRNAの対応する配列と、または本明細書に記載されるgRNAと、少なくとも60、75、80、85、90、95、または99%の相同性を有する。
一実施形態では、隣接およびテールドメインは、一緒になって、少なくとも15、18、20、25、30、31、35、40、45、49、50、または53ヌクレオチドを含んでなる。
一実施形態では、第2の相補的ドメインの最後のヌクレオチドに対して3’に、少なくとも15、18、20、25、30、31、35、40、45、49、50、または53ヌクレオチドがある。
一実施形態では、第1の相補的ドメインのその対応するヌクレオチドと相補的な第2の相補的ドメインの最後のヌクレオチドに対して3’に、少なくとも16、19、21、26、31、32、36、41、46、50、51、または54ヌクレオチドがある。
一実施形態では、標的化ドメインは、標的ドメインとの相補性を有する、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25または26ヌクレオチド(例えば、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25または26連続ヌクレオチド)を含んでなり、それを有し、またはそれからなり、例えば、標的化ドメインは、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25または26ヌクレオチド長である。
一実施形態では、標的化ドメインは、標的ドメインとの相補性を有する、16ヌクレオチド(例えば、16連続ヌクレオチド)を含んでなり、それを有し、またはそれからなり、例えば、標的化ドメインは、16ヌクレオチド長である。
一実施形態では、標的化ドメインは、標的ドメインとの相補性を有する、17ヌクレオチド(例えば、17連続ヌクレオチド)を含んでなり、それを有し、またはそれからなり、例えば、標的化ドメインは、17ヌクレオチド長である。
一実施形態では、標的化ドメインは、標的ドメインとの相補性を有する、18ヌクレオチド(例えば、18連続ヌクレオチド)を含んでなり、それを有し、またはそれからなり、例えば、標的化ドメインは、18ヌクレオチド長である。
一実施形態では、標的化ドメインは、標的ドメインとの相補性を有する、19ヌクレオチド(例えば、19連続ヌクレオチド)を含んでなり、それを有し、またはそれからなり、例えば、標的化ドメインは、19ヌクレオチド長である。
一実施形態では、標的化ドメインは、標的ドメインとの相補性を有する、20ヌクレオチド(例えば、20連続ヌクレオチド)を含んでなり、それを有し、またはそれからなり、例えば、標的化ドメインは、20ヌクレオチド長である。
一実施形態では、標的化ドメインは、標的ドメインとの相補性を有する、21ヌクレオチド(例えば、21連続ヌクレオチド)を含んでなり、それを有し、またはそれからなり、例えば、標的化ドメインは、21ヌクレオチド長である。
一実施形態では、標的化ドメインは、標的ドメインとの相補性を有する、22ヌクレオチド(例えば、22連続ヌクレオチド)を含んでなり、それを有し、またはそれからなり、例えば、標的化ドメインは、22ヌクレオチド長である。
一実施形態では、標的化ドメインは、標的ドメインとの相補性を有する、23ヌクレオチド(例えば、23連続ヌクレオチド)を含んでなり、それを有し、またはそれからなり、例えば、標的化ドメインは、23ヌクレオチド長である。
一実施形態では、標的化ドメインは、標的ドメインとの相補性を有する、24ヌクレオチド(例えば、24連続ヌクレオチド)を含んでなり、それを有し、またはそれからなり、例えば、標的化ドメインは、24ヌクレオチド長である。
一実施形態では、標的化ドメインは、標的ドメインとの相補性を有する、25ヌクレオチド(例えば、25連続ヌクレオチド)を含んでなり、それを有し、またはそれからなり、例えば、標的化ドメインは、25ヌクレオチド長である。
一実施形態では、標的化ドメインは、標的ドメインとの相補性を有する、26ヌクレオチド(例えば、26連続ヌクレオチド)を含んでなり、それを有し、またはそれからなり、例えば、標的化ドメインは、26ヌクレオチド長である。
一実施形態では、標的化ドメインは、標的ドメインとの相補性を有する、16ヌクレオチド(例えば、16連続ヌクレオチド)を含んでなり、それを有し、またはそれからなり、例えば、標的化ドメインは、16ヌクレオチド長である。隣接およびテールドメインは、一緒になって、少なくとも15、18、20、25、30、31、35、40、45、49、50、または53ヌクレオチドを含んでなる。
一実施形態では、標的化ドメインは、標的ドメインとの相補性を有する、16ヌクレオチド(例えば、16連続ヌクレオチド)を含んでなり、それを有し、またはそれからなり、例えば、標的化ドメインは、16ヌクレオチド長である。第2の相補的ドメインの最後のヌクレオチドに対して3’に、少なくとも15、18、20、25、30、31、35、40、45、49、50、または53ヌクレオチドがある。
一実施形態では、標的化ドメインは、標的ドメインとの相補性を有する、16ヌクレオチド(例えば、16連続ヌクレオチド)を含んでなり、それを有し、またはそれからなり、例えば、標的化ドメインは、16ヌクレオチド長である。第1の相補的ドメインのその対応するヌクレオチドと相補的な第2の相補的ドメインの最後のヌクレオチドに対して3’に、少なくとも16、19、21、26、31、32、36、41、46、50、51、または54ヌクレオチドがある。
一実施形態では、標的化ドメインは、標的ドメインとの相補性を有する、17ヌクレオチド(例えば、17連続ヌクレオチド)を含んでなり、それを有し、またはそれからなり、例えば、標的化ドメインは、17ヌクレオチド長である。隣接およびテールドメインは、一緒になって、少なくとも15、18、20、25、30、31、35、40、45、49、50、または53ヌクレオチドを含んでなる。
一実施形態では、標的化ドメインは、標的ドメインとの相補性を有する、17ヌクレオチド(例えば、17連続ヌクレオチド)を含んでなり、それを有し、またはそれからなり、例えば、標的化ドメインは、17ヌクレオチド長である。第2の相補的ドメインの最後のヌクレオチドに対して3’に、少なくとも15、18、20、25、30、31、35、40、45、49、50、または53ヌクレオチドがある。
一実施形態では、標的化ドメインは、標的ドメインとの相補性を有する、17ヌクレオチド(例えば、17連続ヌクレオチド)を含んでなり、それを有し、またはそれからなり、例えば、標的化ドメインは、17ヌクレオチド長である。第1の相補的ドメインのその対応するヌクレオチドと相補的な第2の相補的ドメインの最後のヌクレオチドに対して3’に、少なくとも16、19、21、26、31、32、36、41、46、50、51、または54ヌクレオチドがある。
一実施形態では、標的化ドメインは、標的ドメインとの相補性を有する、18ヌクレオチド(例えば、18連続ヌクレオチド)を含んでなり、それを有し、またはそれからなり、例えば、標的化ドメインは、18ヌクレオチド長である。隣接およびテールドメインは、一緒になって、少なくとも15、18、20、25、30、31、35、40、45、49、50、または53ヌクレオチドを含んでなる。
一実施形態では、標的化ドメインは、標的ドメインとの相補性を有する、18ヌクレオチド(例えば、18連続ヌクレオチド)を含んでなり、それを有し、またはそれからなり、例えば、標的化ドメインは、18ヌクレオチド長である。第2の相補的ドメインの最後のヌクレオチドに対して3’に、少なくとも15、18、20、25、30、31、35、40、45、49、50、または53ヌクレオチドがある。
一実施形態では、標的化ドメインは、標的ドメインとの相補性を有する、18ヌクレオチド(例えば、18連続ヌクレオチド)を含んでなり、それを有し、またはそれからなり、例えば、標的化ドメインは、18ヌクレオチド長である。第1の相補的ドメインのその対応するヌクレオチドと相補的な第2の相補的ドメインの最後のヌクレオチドに対して3’に、少なくとも16、19、21、26、31、32、36、41、46、50、51、または54ヌクレオチドがある。
一実施形態では、標的化ドメインは、標的ドメインとの相補性を有する、19ヌクレオチド(例えば、19連続ヌクレオチド)を含んでなり、それを有し、またはそれからなり、例えば、標的化ドメインは、19ヌクレオチド長である。隣接およびテールドメインは、一緒になって、少なくとも15、18、20、25、30、31、35、40、45、49、50、または53ヌクレオチドを含んでなる。
一実施形態では、標的化ドメインは、標的ドメインとの相補性を有する、19ヌクレオチド(例えば、19連続ヌクレオチド)を含んでなり、それを有し、またはそれからなり、例えば、標的化ドメインは、19ヌクレオチド長である。第2の相補的ドメインの最後のヌクレオチドに対して3’に、少なくとも15、18、20、25、30、31、35、40、45、49、50、または53ヌクレオチドがある。
一実施形態では、標的化ドメインは、標的ドメインとの相補性を有する、19ヌクレオチド(例えば、19連続ヌクレオチド)を含んでなり、それを有し、またはそれからなり、例えば、標的化ドメインは、19ヌクレオチド長である。第1の相補的ドメインのその対応するヌクレオチドと相補的な第2の相補的ドメインの最後のヌクレオチドに対して3’に、少なくとも16、19、21、26、31、32、36、41、46、50、51、または54ヌクレオチドがある。
一実施形態では、標的化ドメインは、標的ドメインとの相補性を有する、20ヌクレオチド(例えば、20連続ヌクレオチド)を含んでなり、それを有し、またはそれからなり、例えば、標的化ドメインは、20ヌクレオチド長であり;隣接およびテールドメインは、一緒になって、少なくとも15、18、20、25、30、31、35、40、45、49、50、または53ヌクレオチドを含んでなる。
一実施形態では、標的化ドメインは、標的ドメインとの相補性を有する、20ヌクレオチド(例えば、20連続ヌクレオチド)を含んでなり、それを有し、またはそれからなり、例えば、標的化ドメインは、20ヌクレオチド長である。第2の相補的ドメインの最後のヌクレオチドに対して3’に、少なくとも15、18、20、25、30、31、35、40、45、49、50、または53ヌクレオチドがある。
一実施形態では、標的化ドメインは、標的ドメインとの相補性を有する、20ヌクレオチド(例えば、20連続ヌクレオチド)を含んでなり、それを有し、またはそれからなり、例えば、標的化ドメインは、20ヌクレオチド長である。第1の相補的ドメインのその対応するヌクレオチドと相補的な第2の相補的ドメインの最後のヌクレオチドに対して3’に、少なくとも16、19、21、26、31、32、36、41、46、50、51、または54ヌクレオチドがある。
一実施形態では、標的化ドメインは、標的ドメインとの相補性を有する、21ヌクレオチド(例えば、21連続ヌクレオチド)を含んでなり、それを有し、またはそれからなり、例えば、標的化ドメインは、21ヌクレオチド長である。隣接およびテールドメインは、一緒になって、少なくとも15、18、20、25、30、31、35、40、45、49、50、または53ヌクレオチドを含んでなる。
一実施形態では、標的化ドメインは、標的ドメインとの相補性を有する、21ヌクレオチド(例えば、21連続ヌクレオチド)を含んでなり、それを有し、またはそれからなり、例えば、標的化ドメインは、21ヌクレオチド長である。第2の相補的ドメインの最後のヌクレオチドに対して3’に、少なくとも15、18、20、25、30、31、35、40、45、49、50、または53ヌクレオチドがある。
一実施形態では、標的化ドメインは、標的ドメインとの相補性を有する、21ヌクレオチド(例えば、21連続ヌクレオチド)を含んでなり、それを有し、またはそれからなり、例えば、標的化ドメインは、21ヌクレオチド長である。第1の相補的ドメインのその対応するヌクレオチドと相補的な第2の相補的ドメインの最後のヌクレオチドに対して3’に、少なくとも16、19、21、26、31、32、36、41、46、50、51、または54ヌクレオチドがある。
一実施形態では、標的化ドメインは、標的ドメインとの相補性を有する、22ヌクレオチド(例えば、22連続ヌクレオチド)を含んでなり、それを有し、またはそれからなり、例えば、標的化ドメインは、22ヌクレオチド長である。隣接およびテールドメインは、一緒になって、少なくとも15、18、20、25、30、31、35、40、45、49、50、または53ヌクレオチドを含んでなる。
一実施形態では、標的化ドメインは、標的ドメインとの相補性を有する、22ヌクレオチド(例えば、22連続ヌクレオチド)を含んでなり、それを有し、またはそれからなり、例えば、標的化ドメインは22ヌクレオチド長である。第2の相補的ドメインの最後のヌクレオチド対して3’に、少なくとも15、18、20、25、30、31、35、40、45、49、50、または53ヌクレオチドがある。
一実施形態では、標的化ドメインは、標的ドメインとの相補性を有する、22ヌクレオチド(例えば、22連続ヌクレオチド)を含んでなり、それを有し、またはそれからなり、例えば、標的化ドメインは22ヌクレオチド長である。第1の相補的ドメインのその対応するヌクレオチドと相補的な第2の相補的ドメインの最後のヌクレオチドに対して3’に、少なくとも16、19、21、26、31、32、36、41、46、50、51、または54ヌクレオチドがある。
一実施形態では、標的化ドメインは、標的ドメインとの相補性を有する、23ヌクレオチド(例えば、23連続ヌクレオチド)を含んでなり、それを有し、またはそれからなり、例えば、標的化ドメインは、23ヌクレオチド長である。隣接およびテールドメインは、一緒になって、少なくとも15、18、20、25、30、31、35、40、45、49、50、または53ヌクレオチドを含んでなる。
一実施形態では、標的化ドメインは、標的ドメインとの相補性を有する、23ヌクレオチド(例えば、23連続ヌクレオチド)を含んでなり、それを有し、またはそれからなり、例えば、標的化ドメインは、23ヌクレオチド長である。第2の相補的ドメインの最後のヌクレオチドに対して3’に、少なくとも15、18、20、25、30、31、35、40、45、49、50、または53ヌクレオチドがある。
一実施形態では、標的化ドメインは、標的ドメインとの相補性を有する、23ヌクレオチド(例えば、23連続ヌクレオチド)を含んでなり、それを有し、またはそれからなり、例えば、標的化ドメインは、23ヌクレオチド長である。第1の相補的ドメインのその対応するヌクレオチドと相補的な第2の相補的ドメインの最後のヌクレオチドに対して3’に、少なくとも16、19、21、26、31、32、36、41、46、50、51、または54ヌクレオチドがある。
一実施形態では、標的化ドメインは、標的ドメインとの相補性を有する、24ヌクレオチド(例えば、24連続ヌクレオチド)を含んでなり、それを有し、またはそれからなり、例えば、標的化ドメインは、24ヌクレオチド長である。隣接およびテールドメインは、一緒になって、少なくとも15、18、20、25、30、31、35、40、45、49、50、または53ヌクレオチドを含んでなる。
一実施形態では、標的化ドメインは、標的ドメインとの相補性を有する、24ヌクレオチド(例えば、24連続ヌクレオチド)を含んでなり、それを有し、またはそれからなり、例えば、標的化ドメインは、24ヌクレオチド長である。第2の相補的ドメインの最後のヌクレオチドに対して3’に、少なくとも15、18、20、25、30、31、35、40、45、49、50、または53ヌクレオチドがある。
一実施形態では、標的化ドメインは、標的ドメインとの相補性を有する、24ヌクレオチド(例えば、24連続ヌクレオチド)を含んでなり、それを有し、またはそれからなり、例えば、標的化ドメインは、24ヌクレオチド長である。第1の相補的ドメインのその対応するヌクレオチドと相補的な第2の相補的ドメインの最後のヌクレオチドに対して3’に、少なくとも16、19、21、26、31、32、36、41、46、50、51、または54ヌクレオチドがある。
一実施形態では、標的化ドメインは、標的ドメインとの相補性を有する、25ヌクレオチド(例えば、25連続ヌクレオチド)を含んでなり、それを有し、またはそれからなり、例えば、標的化ドメインは、25ヌクレオチド長である。隣接およびテールドメインは、一緒になって、少なくとも15、18、20、25、30、31、35、40、45、49、50、または53ヌクレオチドを含んでなる。
一実施形態では、標的化ドメインは、標的ドメインとの相補性を有する、25ヌクレオチド(例えば、25連続ヌクレオチド)を含んでなり、それを有し、またはそれからなり、例えば、標的化ドメインは25ヌクレオチド長である。第2の相補的ドメインの最後のヌクレオチド対して3’に、少なくとも15、18、20、25、30、31、35、40、45、49、50、または53ヌクレオチドがある。
一実施形態では、標的化ドメインは、標的ドメインとの相補性を有する、25ヌクレオチド(例えば、25連続ヌクレオチド)を含んでなり、それを有し、またはそれからなり、例えば、標的化ドメインは25ヌクレオチド長である。第1の相補的ドメインのその対応するヌクレオチドと相補的な第2の相補的ドメインの最後のヌクレオチドに対して3’に、少なくとも16、19、21、26、31、32、36、41、46、50、51、または54ヌクレオチドがある。
一実施形態では、標的化ドメインは、標的ドメインとの相補性を有する、26ヌクレオチド(例えば、26連続ヌクレオチド)を含んでなり、それを有し、またはそれからなり、例えば、標的化ドメインは、26ヌクレオチド長である。隣接およびテールドメインは、一緒になって、少なくとも15、18、20、25、30、31、35、40、45、49、50、または53ヌクレオチドを含んでなる。
一実施形態では、標的化ドメインは、標的ドメインとの相補性を有する、26ヌクレオチド(例えば、26連続ヌクレオチド)を含んでなり、それを有し、またはそれからなり、例えば、標的化ドメインは、26ヌクレオチド長である。第2の相補的ドメインの最後のヌクレオチドに対して3’に、少なくとも15、18、20、25、30、31、35、40、45、49、50、または53ヌクレオチドがある。
一実施形態では、標的化ドメインは、標的ドメインとの相補性を有する、26ヌクレオチド(例えば、26連続ヌクレオチド)を含んでなり、それを有し、またはそれからなり、例えば、標的化ドメインは、26ヌクレオチド長である。第1の相補的ドメインのその対応するヌクレオチドと相補的な第2の相補的ドメインの最後のヌクレオチドに対して3’に、少なくとも16、19、21、26、31、32、36、41、46、50、51、または54ヌクレオチドがある。
一実施形態では、単分子またはキメラのgRNA分子(標的化ドメイン、第1の相補的ドメイン、連結ドメイン、第2の相補的ドメイン、隣接ドメイン、および任意選択的に、テールドメインを含んでなる)は以下の配列を含んでなり、その中では標的化ドメインが20個のNとして描写されるが、それは任意の配列および16~26ヌクレオチド長の範囲であり得て、その中ではgRNA配列に6個のUが続き、それはU6プロモーターの終結シグナルの役割を果たすが、それは不在またはより少数のどちらかであり得る:
一実施形態では、単分子またはキメラのgRNA分子は、S.ピオゲネス(S.pyogenes)gRNA分子である。
いくつかの実施形態では、単分子またはキメラのgRNA分子(標的化ドメイン、第1の相補的ドメイン、連結ドメイン、第2の相補的ドメイン、隣接ドメイン、および任意選択的に、テールドメインを含んでなる)は以下の配列を含んでなり、その中では標的化ドメインが20個のNとして描写されるが、それは任意の配列および16~26ヌクレオチド長の範囲であり得て、その中ではgRNA配列に6個のUが続き、それはU6プロモーターの終結シグナルの役割を果たすが、それは不在またはより少数のどちらかであり得る:
一実施形態では、単分子またはキメラのgRNA分子は、S.アウレウス(S.aureus)gRNA分子である。
代表的なキメラgRNAの配列および構造体もまた、図10A~10Bに示される。
代表的なモジュラーgRNA
一実施形態では、モジュラーgRNAは、
好ましくは、5’から3’方向に、
例えば、15、16、17、18、19、20,21、22、23、24、25、または26ヌクレオチドを含んでなる標的化ドメイン、
第1の相補的ドメイン
を含んでなる第1の鎖と;
好ましくは、5’から3’方向に、
任意選択的に、5’伸長ドメイン、
第2の相補的ドメイン、
隣接ドメイン、および
テールドメイン
を含んでなる第2の鎖と
を含んでなり、
式中、
(a)隣接およびテールドメインは、一緒になって、少なくとも15、18、20、25、30、31、35、40、45、49、50、または53ヌクレオチドを含んでなり;
(b)第2の相補的ドメインの最後のヌクレオチドに対して3’に、少なくとも15、18、20、25、30、31、35、40、45、49、50、または53ヌクレオチドがあり;または
(c)第1の相補的ドメインのその対応するヌクレオチドと相補的な第2の相補的ドメインの最後のヌクレオチドに対して3’に、少なくとも16、19、21、26、31、32、36、41、46、50、51、または54ヌクレオチドがある。
一実施形態では、(a)、(b)、または(c)からの配列は、天然起源gRNAの対応する配列と、または本明細書に記載されるgRNAと、少なくとも60、75、80、85、90、95、または99%の相同性を有する。
一実施形態では、隣接およびテールドメインは、一緒になって、少なくとも15、18、20、25、30、31、35、40、45、49、50、または53ヌクレオチドを含んでなる。
一実施形態では、第2の相補的ドメインの最後のヌクレオチドに対して3’に、少なくとも15、18、20、25、30、31、35、40、45、49、50、または53ヌクレオチドがある。
一実施形態では、第1の相補的ドメインのその対応するヌクレオチドと相補的な第2の相補的ドメインの最後のヌクレオチドに対して3’に、少なくとも16、19、21、26、31、32、36、41、46、50、51、または54ヌクレオチドがある。
一実施形態では、標的化ドメインは、標的ドメインとの相補性を有する、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25または26ヌクレオチド(例えば、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25または26連続ヌクレオチド)を有し、またはそれからなり、例えば、標的化ドメインは、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25または26ヌクレオチド長である。
一実施形態では、標的化ドメインは、標的ドメインとの相補性を有する、16ヌクレオチド(例えば、16連続ヌクレオチド)を含んでなり、それを有し、またはそれからなり、例えば、標的化ドメインは、16ヌクレオチド長である。
一実施形態では、標的化ドメインは、標的ドメインとの相補性を有する、17ヌクレオチド(例えば、17連続ヌクレオチド)を含んでなり、それを有し、またはそれからなり、例えば、標的化ドメインは、17ヌクレオチド長である。
一実施形態では、標的化ドメインは、標的ドメインとの相補性を有する、18ヌクレオチド(例えば、18連続ヌクレオチド)を含んでなり、それを有し、またはそれからなり、例えば、標的化ドメインは、18ヌクレオチド長である。
一実施形態では、標的化ドメインは、標的ドメインとの相補性を有する、19ヌクレオチド(例えば、19連続ヌクレオチド)を含んでなり、それを有し、またはそれからなり、例えば、標的化ドメインは、19ヌクレオチド長である。
一実施形態では、標的化ドメインは、標的ドメインとの相補性を有する、20ヌクレオチド(例えば、20連続ヌクレオチド)を含んでなり、それを有し、またはそれからなり、例えば、標的化ドメインは、20ヌクレオチド長である。
一実施形態では、標的化ドメインは、標的ドメインとの相補性を有する、21ヌクレオチド(例えば、21連続ヌクレオチド)を含んでなり、それを有し、またはそれからなり、例えば、標的化ドメインは、21ヌクレオチド長である。
一実施形態では、標的化ドメインは、標的ドメインとの相補性を有する、22ヌクレオチド(例えば、22連続ヌクレオチド)を含んでなり、それを有し、またはそれからなり、例えば、標的化ドメインは、22ヌクレオチド長である。
一実施形態では、標的化ドメインは、標的ドメインとの相補性を有する、23ヌクレオチド(例えば、23連続ヌクレオチド)を含んでなり、それを有し、またはそれからなり、例えば、標的化ドメインは、23ヌクレオチド長である。
一実施形態では、標的化ドメインは、標的ドメインとの相補性を有する、24ヌクレオチド(例えば、24連続ヌクレオチド)を含んでなり、それをを有し、またはそれからなり、例えば、標的化ドメインは、24ヌクレオチド長である。
一実施形態では、標的化ドメインは、標的ドメインとの相補性を有する、25ヌクレオチド(例えば、25連続ヌクレオチド)を含んでなり、それを有し、またはそれからなり、例えば、標的化ドメインは、25ヌクレオチド長である。
一実施形態では、標的化ドメインは、標的ドメインとの相補性を有する、26ヌクレオチド(例えば、26連続ヌクレオチド)を含んでなり、それを有し、またはそれからなり、例えば、標的化ドメインは、26ヌクレオチド長である。
一実施形態では、標的化ドメインは、標的ドメインとの相補性を有する、16ヌクレオチド(例えば、16連続ヌクレオチド)を含んでなり、それを有し、またはそれからなり、例えば、標的化ドメインは、16ヌクレオチド長である。隣接およびテールドメインは、一緒になって、少なくとも15、18、20、25、30、31、35、40、45、49、50、または53ヌクレオチドを含んでなる。
一実施形態では、標的化ドメインは、標的ドメインとの相補性を有する、16ヌクレオチド(例えば、16連続ヌクレオチド)を含んでなり、それを有し、またはそれからなり、例えば、標的化ドメインは16ヌクレオチド長である。第2の相補的ドメインの最後のヌクレオチド対して3’に、少なくとも15、18、20、25、30、31、35、40、45、49、50、または53ヌクレオチドがある。
一実施形態では、標的化ドメインは、標的ドメインとの相補性を有する、16ヌクレオチド(例えば、16連続ヌクレオチド)を含んでなり、それを有し、またはそれからなり、例えば、標的化ドメインは16ヌクレオチド長である。第1の相補的ドメインのその対応するヌクレオチドと相補的な第2の相補的ドメインの最後のヌクレオチドに対して3’に、少なくとも16、19、21、26、31、32、36、41、46、50、51、または54ヌクレオチドがある。
一実施形態では、標的化ドメインは、標的ドメインとの相補性を有する、17ヌクレオチド(例えば、17連続ヌクレオチド)を含んでなり、それを有し、またはそれからなり、例えば、標的化ドメインは、17ヌクレオチド長である。隣接およびテールドメインは、一緒になって、少なくとも15、18、20、25、30、31、35、40、45、49、50、または53ヌクレオチドを含んでなる。
一実施形態では、標的化ドメインは、標的ドメインとの相補性を有する、17ヌクレオチド(例えば、17連続ヌクレオチド)を含んでなり、それを有し、またはそれからなり、例えば、標的化ドメインは、17ヌクレオチド長である。第2の相補的ドメインの最後のヌクレオチドに対して3’に、少なくとも15、18、20、25、30、31、35、40、45、49、50、または53ヌクレオチドがある。
一実施形態では、標的化ドメインは、標的ドメインとの相補性を有する、17ヌクレオチド(例えば、17連続ヌクレオチド)を含んでなり、それを有し、またはそれからなり、例えば、標的化ドメインは、17ヌクレオチド長である。第1の相補的ドメインのその対応するヌクレオチドと相補的な第2の相補的ドメインの最後のヌクレオチドに対して3’に、少なくとも16、19、21、26、31、32、36、41、46、50、51、または54ヌクレオチドがある。
一実施形態では、標的化ドメインは、標的ドメインとの相補性を有する、18ヌクレオチド(例えば、18連続ヌクレオチド)を含んでなり、それを有し、またはそれからなり、例えば、標的化ドメインは、18ヌクレオチド長である。隣接およびテールドメインは、一緒になって、少なくとも15、18、20、25、30、31、35、40、45、49、50、または53ヌクレオチドを含んでなる。
一実施形態では、標的化ドメインは、標的ドメインとの相補性を有する、18ヌクレオチド(例えば、18連続ヌクレオチド)を含んでなり、それを有し、またはそれからなり、例えば、標的化ドメインは、18ヌクレオチド長である。第2の相補的ドメインの最後のヌクレオチドに対して3’に、少なくとも15、18、20、25、30、31、35、40、45、49、50、または53ヌクレオチドがある。
一実施形態では、標的化ドメインは、標的ドメインとの相補性を有する、18ヌクレオチド(例えば、18連続ヌクレオチド)を含んでなり、それを有し、またはそれからなり、例えば、標的化ドメインは、18ヌクレオチド長である。第1の相補的ドメインのその対応するヌクレオチドと相補的な第2の相補的ドメインの最後のヌクレオチドに対して3’に、少なくとも16、19、21、26、31、32、36、41、46、50、51、または54ヌクレオチドがある。
一実施形態では、標的化ドメインは、標的ドメインとの相補性を有する、19ヌクレオチド(例えば、19連続ヌクレオチド)を含んでなり、それを有し、またはそれからなり、例えば、標的化ドメインは、19ヌクレオチド長である。隣接およびテールドメインは、一緒になって、少なくとも15、18、20、25、30、31、35、40、45、49、50、または53ヌクレオチドを含んでなる。
一実施形態では、標的化ドメインは、標的ドメインとの相補性を有する、19ヌクレオチド(例えば、19連続ヌクレオチド)を含んでなり、それを有し、またはそれからなり、例えば、標的化ドメインは、19ヌクレオチド長である。第2の相補的ドメインの最後のヌクレオチドに対して3’に、少なくとも15、18、20、25、30、31、35、40、45、49、50、または53ヌクレオチドがある。
一実施形態では、標的化ドメインは、標的ドメインとの相補性を有する、19ヌクレオチド(例えば、19連続ヌクレオチド)を含んでなり、それを有し、またはそれからなり、例えば、標的化ドメインは、19ヌクレオチド長である。第1の相補的ドメインのその対応するヌクレオチドと相補的な第2の相補的ドメインの最後のヌクレオチドに対して3’に、少なくとも16、19、21、26、31、32、36、41、46、50、51、または54ヌクレオチドがある。
一実施形態では、標的化ドメインは、標的ドメインとの相補性を有する、20ヌクレオチド(例えば、20連続ヌクレオチド)を含んでなり、それを有し、またはそれからなり、例えば、標的化ドメインは、20ヌクレオチド長である。隣接およびテールドメインは、一緒になって、少なくとも15、18、20、25、30、31、35、40、45、49、50、または53ヌクレオチドを含んでなる。
一実施形態では、標的化ドメインは、標的ドメインとの相補性を有する、20ヌクレオチド(例えば、20連続ヌクレオチド)を含んでなり、それを有し、またはそれからなり、例えば、標的化ドメインは、20ヌクレオチド長である。第2の相補的ドメインの最後のヌクレオチドに対して3’に、少なくとも15、18、20、25、30、31、35、40、45、49、50、または53ヌクレオチドがある。
一実施形態では、標的化ドメインは、標的ドメインとの相補性を有する、20ヌクレオチド(例えば、20連続ヌクレオチド)を含んでなり、それを有し、またはそれからなり、例えば、標的化ドメインは、20ヌクレオチド長である。第1の相補的ドメインのその対応するヌクレオチドと相補的な第2の相補的ドメインの最後のヌクレオチドに対して3’に、少なくとも16、19、21、26、31、32、36、41、46、50、51、または54ヌクレオチドがある。
一実施形態では、標的化ドメインは、標的ドメインとの相補性を有する、21ヌクレオチド(例えば、21連続ヌクレオチド)を含んでなり、それを有し、またはそれからなり、例えば、標的化ドメインは、21ヌクレオチド長である。隣接およびテールドメインは、一緒になって、少なくとも15、18、20、25、30、31、35、40、45、49、50、または53ヌクレオチドを含んでなる。
一実施形態では、標的化ドメインは、標的ドメインとの相補性を有する、21ヌクレオチド(例えば、21連続ヌクレオチド)を含んでなり、それを有し、またはそれからなり、例えば、標的化ドメインは、21ヌクレオチド長である。第2の相補的ドメインの最後のヌクレオチドに対して3’に、少なくとも15、18、20、25、30、31、35、40、45、49、50、または53ヌクレオチドがある。
一実施形態では、標的化ドメインは、標的ドメインとの相補性を有する、21ヌクレオチド(例えば、21連続ヌクレオチド)を含んでなり、それを有し、またはそれからなり、例えば、標的化ドメインは、21ヌクレオチド長である。第1の相補的ドメインのその対応するヌクレオチドと相補的な第2の相補的ドメインの最後のヌクレオチドに対して3’に、少なくとも16、19、21、26、31、32、36、41、46、50、51、または54ヌクレオチドがある。
一実施形態では、標的化ドメインは、標的ドメインとの相補性を有する、22ヌクレオチド(例えば、22連続ヌクレオチド)を含んでなり、それを有し、またはそれからなり、例えば、標的化ドメインは、22ヌクレオチド長である。隣接およびテールドメインは、一緒になって、少なくとも15、18、20、25、30、31、35、40、45、49、50、または53ヌクレオチドを含んでなる。
一実施形態では、標的化ドメインは、標的ドメインとの相補性を有する、22ヌクレオチド(例えば、22連続ヌクレオチド)を含んでなり、それを有し、またはそれからなり、例えば、標的化ドメインは、22ヌクレオチド長である。第2の相補的ドメインの最後のヌクレオチドに対して3’に、少なくとも15、18、20、25、30、31、35、40、45、49、50、または53ヌクレオチドがある。
一実施形態では、標的化ドメインは、標的ドメインとの相補性を有する、22ヌクレオチド(例えば、22連続ヌクレオチド)を含んでなり、それを有し、またはそれからなり、例えば、標的化ドメインは、22ヌクレオチド長である。第1の相補的ドメインのその対応するヌクレオチドと相補的な第2の相補的ドメインの最後のヌクレオチドに対して3’に、少なくとも16、19、21、26、31、32、36、41、46、50、51、または54ヌクレオチドがある。
一実施形態では、標的化ドメインは、標的ドメインとの相補性を有する、23ヌクレオチド(例えば、23連続ヌクレオチド)を含んでなり、それを有し、またはそれからなり、例えば、標的化ドメインは、23ヌクレオチド長である。隣接およびテールドメインは、一緒になって、少なくとも15、18、20、25、30、31、35、40、45、49、50、または53ヌクレオチドを含んでなる。
一実施形態では、標的化ドメインは、標的ドメインとの相補性を有する、23ヌクレオチド(例えば、23連続ヌクレオチド)を含んでなり、それを有し、またはそれからなり、例えば、標的化ドメインは、23ヌクレオチド長である。第2の相補的ドメインの最後のヌクレオチドに対して3’に、少なくとも15、18、20、25、30、31、35、40、45、49、50、または53ヌクレオチドがある。
一実施形態では、標的化ドメインは、標的ドメインとの相補性を有する、23ヌクレオチド(例えば、23連続ヌクレオチド)を含んでなり、それを有し、またはそれからなり、例えば、標的化ドメインは、23ヌクレオチド長である。第1の相補的ドメインのその対応するヌクレオチドと相補的な第2の相補的ドメインの最後のヌクレオチドに対して3’に、少なくとも16、19、21、26、31、32、36、41、46、50、51、または54ヌクレオチドがある。
一実施形態では、標的化ドメインは、標的ドメインとの相補性を有する、24ヌクレオチド(例えば、24連続ヌクレオチド)を含んでなり、それを有し、またはそれからなり、例えば、標的化ドメインは、24ヌクレオチド長である。隣接およびテールドメインは、一緒になって、少なくとも15、18、20、25、30、31、35、40、45、49、50、または53ヌクレオチドを含んでなる。
一実施形態では、標的化ドメインは、標的ドメインとの相補性を有する、24ヌクレオチド(例えば、24連続ヌクレオチド)を含んでなり、それを有し、またはそれからなり、例えば、標的化ドメインは、24ヌクレオチド長である。第2の相補的ドメインの最後のヌクレオチドに対して3’に、少なくとも15、18、20、25、30、31、35、40、45、49、50、または53ヌクレオチドがある。
一実施形態では、標的化ドメインは、標的ドメインとの相補性を有する、24ヌクレオチド(例えば、24連続ヌクレオチド)を含んでなり、それを有し、またはそれからなり、例えば、標的化ドメインは、24ヌクレオチド長である。第1の相補的ドメインのその対応するヌクレオチドと相補的な第2の相補的ドメインの最後のヌクレオチドに対して3’に、少なくとも16、19、21、26、31、32、36、41、46、50、51、または54ヌクレオチドがある。
一実施形態では、標的化ドメインは、標的ドメインとの相補性を有する、25ヌクレオチド(例えば、25連続ヌクレオチド)を含んでなり、それを有し、またはそれからなり、例えば、標的化ドメインは、25ヌクレオチド長である。隣接およびテールドメインは、一緒になって、少なくとも15、18、20、25、30、31、35、40、45、49、50、または53ヌクレオチドを含んでなる。
一実施形態では、標的化ドメインは、標的ドメインとの相補性を有する、25ヌクレオチド(例えば、25連続ヌクレオチド)を含んでなり、それを有し、またはそれからなり、例えば、標的化ドメインは、25ヌクレオチド長である。第2の相補的ドメインの最後のヌクレオチドに対して3’に、少なくとも15、18、20、25、30、31、35、40、45、49、50、または53ヌクレオチドがある。
一実施形態では、標的化ドメインは、標的ドメインとの相補性を有する、25ヌクレオチド(例えば、25連続ヌクレオチド)を含んでなり、それを有し、またはそれからなり、例えば、標的化ドメインは、25ヌクレオチド長である。第1の相補的ドメインのその対応するヌクレオチドと相補的な第2の相補的ドメインの最後のヌクレオチドに対して3’に、少なくとも16、19、21、26、31、32、36、41、46、50、51、または54ヌクレオチドがある。
一実施形態では、標的化ドメインは、標的ドメインとの相補性を有する、26ヌクレオチド(例えば、26連続ヌクレオチド)を含んでなり、それを有し、またはそれからなり、例えば、標的化ドメインは、26ヌクレオチド長である。隣接およびテールドメインは、一緒になって、少なくとも15、18、20、25、30、31、35、40、45、49、50、または53ヌクレオチドを含んでなる。
一実施形態では、標的化ドメインは、標的ドメインとの相補性を有する、26ヌクレオチド(例えば、26連続ヌクレオチド)を含んでなり、それを有し、またはそれからなり、例えば、標的化ドメインは、26ヌクレオチド長である。第2の相補的ドメインの最後のヌクレオチドに対して3’に、少なくとも15、18、20、25、30、31、35、40、45、49、50、または53ヌクレオチドがある。
一実施形態では、標的化ドメインは、標的ドメインとの相補性を有する、26ヌクレオチド(例えば、26連続ヌクレオチド)を含んでなり、それを有し、またはそれからなり、例えば、標的化ドメインは、26ヌクレオチド長である。第1の相補的ドメインのその対応するヌクレオチドと相補的な第2の相補的ドメインの最後のヌクレオチドに対して3’に、少なくとも16、19、21、26、31、32、36、41、46、50、51、または54ヌクレオチドがある。
II.gRNAをデザインする方法
標的ドメインを選択し、デザインし、検証する方法をはじめとする、gRNAをデザインする方法が本明細書に記載される。代表的な標的化ドメインもまた、本明細書で提供される。本明細書で考察される標的化ドメインは、本明細書に記載されるgRNAに組み込み得る。
標的配列の選択および検証、ならびにオフターゲット分析の方法は、例えば、Mali et al.,2013 SCIENCE 339(6121):823-826;Hsu et al.,NAT BIOTECHNOL,31(9):827-32;Fu et al.,2014 NAT BIOTECHNOL,doi:10.1038/nbt.2808.PubMed PMID:24463574;Heigwer et al.,2014 NAT METHODS 11(2):122-3.doi:10.1038/nmeth.2812.PubMed PMID:24481216;Bae et al.,2014 BIOINFORMATICS PubMed PMID:24463181;Xiao A et al.,2014 BIOINFORMATICS PubMed PMID:24389662に記載される。
いくつかの実施形態では、ソフトウェアツールが利用されて、例えば、ゲノム全体にわたる総オフターゲット活性の最小化など、使用者の標的配列中のgRNAの選択が最適化され得る。オフターゲット活性は、切断以外であってもよい。例えば、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9を使用するそれぞれの可能なgRNA選択肢では、ソフトウェアツールが、特定数(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10)のミスマッチ塩基対を含有するゲノム全域で、全ての可能なオフターゲット配列(NAGまたはNGG PAMのどちらかに先行する)を同定し得る。各オフターゲット配列における切断効率は、例えば、実験的に誘導される重みづけスキームを使用して予測され得る。それぞれの可能なgRNAは、次に、その全予測オフターゲット切断に従って格付けされ得て;最高位のgRNAは、最大のオンターゲットと最小のオフターゲット切断を有する可能性が高いものに相当する。例えば、gRNAベクター構築のための自動化された試薬デザイン、オンターゲットサーベイヤーアッセイ用のプライマー設計、および次世代シーケンシングを介したオフターゲット切断のハイスループット検出と定量化のためのプライマーデザインなどのその他の機能もまた、ツールに包含され得る。候補gRNA分子は、当該技術分野で周知の方法によって、または本明細書のセクションIVに記載されようにして、評価され得る。
いくつかの実施形態では、S.ピオゲネス(S.pyogenes)、S.アウレウス(S.aureus)、およびN.メニンジチディス(N.meningitidis)Cas9と共に使用されるgRNAが、例えば、公共ツールcas-offinderに基づく特定用途向けgRNA設計ソフトウェアを使用するなど、DNA配列検索アルゴリズムを使用して同定される(Bae et al.Bioinformatics.2014;30(10):1473-1475)。前記特定用途向けgRNA設計ソフトウェアは、それらの全ゲノムでのオフターゲット性向を計算した後に、ガイドをスコアする。典型的に、完全な一致から7つのミスマッチに至るマッチが、17~24の長さに至るガイドのために検討される。ひとたびオフターゲット部位が計算的に判定されたら、各ガイドについて集約スコアが計算されて、ウェブインタフェースを使用して、表形式の出力に要約された。PAM配列に隣接する可能なgRNA部位を同定するのに加えて、ソフトウェアはまた、選択されたgRNA部位と、1、2、3つ以上のヌクレオチドが異なる、全てのPAM隣接配列も同定する。各遺伝子のゲノムのDNA配列は、UCSCゲノムブラウザから得られ、配列は、公的に利用可能なRepeatMaskerプログラムを使用して、反復要素についてスクリーニングされる。RepeatMaskerは、反復要素および低複雑度領域について、供試DNA配列を検索する。結果は、所与のクエリー配列中に存在する反復の詳細な注釈である。
同定に続いて、gRNAは、標的部位に対するそれらの距離、それらの直交性、および5’Gの存在の1つまたは複数に基づいて階層に格付けされた(例えばS.ピオゲネス(S.pyogenes)の場合はNGG PAM、S.アウレウス(S.aureus)の場合はNNGRR(例えばNNGRRTまたはNNGRRV)PAM、およびN.メニンジチディス(N.meningtidis)の場合は、NNNNGATTまたはNNNNGCTTPAMなどの妥当な(relavant)PAMを含有するヒトゲノム中の近いマッチの同定に基づく)。直交性は、標的配列に対する最小数のミスマッチを含有するヒトゲノム中の配列数を指す。「高レベルの直交性」または「良好な直交性」は、例えば、ヒトゲノム中に意図される標的以外の同一配列を有さず、または標的配列中に1つまたは2つのミスマッチを含有する任意の配列を有さない、20量体標的化ドメインを指してもよい。良好な直交性がある標的化ドメインが選択されて、オフターゲットDNA切断が最小化される。これは、非限定的例であり、多様なストラテジーを利用して、S.ピオゲネス(S.pyogenes)、S.アウレウス(S.aureus)、およびN.メニンジチディス(N.meningitidis)またはその他のCas9酵素と共に使用される、gRNAを同定し得るものと理解される。
2つの設計および階層化ストラテジーを利用して、S.ピオゲネス(S.pyogenes)、S.アウレウス(S.aureus)、およびN.メニンジチディス(N.meningitidis)Cas9酵素と共に使用される、代表的gRNAが同定される。
gRNAを設計および階層化する第1のストラテジー
第1のストラテジーでは、公的に利用可能なウェブベースのZiFiTサーバを使用して、gRNAと共に使用されるS.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9が同定された(Fu et al.,Improving CRISPR-Cas nuclease specificity using truncated guide RNAs.Nat Biotechnol.2014 Jan 26.doi:10.1038/nbt.2808.PubMed PMID:24463574、オリジナルの参考文献については、Sander et al.,2007,NAR 35:W599-605;Sander et al.,2010,NAR 38:W462-8を参照されたい)。PAM配列に隣接する可能なgRNA部位を同定するのに加えて、ソフトウェアはまた、選択されたgRNA部位と、1、2、3つ以上のヌクレオチドが異なる、全てのPAM隣接配列も同定する。各遺伝子のゲノムのDNA配列は、UCSCゲノムブラウザから得られ、配列は、公的に利用可能なRepeat-Maskerプログラムを使用して、反復要素についてスクリーニングされた。RepeatMaskerは、反復要素および低複雑度領域について、供試DNA配列を検索する。結果は、所与のクエリー配列中に存在する反復の詳細な注釈である。同定に続いて、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9と共に使用されるgRNAが、5階層に格付けされた。
第1階層gRNA分子の標的化ドメインは、標的部位に対するそれらの距離、それらの直交性、および5’G(NGG PAMを含有するヒトゲノム中の近いマッチのZiFiT同定に基づく)の存在に基づいて選択された。直交性は、標的配列に対する最小数のミスマッチを含有するヒトゲノム中の配列数を指す。「高レベルの直交性」または「良好な直交性」は、例えば、ヒトゲノム中に同一配列を有さず、または標的配列中に1つまたは2つのミスマッチを含有する任意の配列を有さない、20量体gRNAを指してもよい。良好な直交性がある標的化ドメインが選択されて、オフターゲットDNA切断が最小化される(miminize)。全ての標的では、17量体および20量体双方のgRNAが設計された。gRNAはまた、単一gRNAヌクレアーゼ切断および二重gRNAニッカーゼストラテジーの双方について選択された。gRNAを選択する基準、およびいずれのストラテジーに対していずれのgRNAが使用され得るかという判定は、いくつかの考察に基づく:
単一gRNAヌクレアーゼ切断および二重gRNA対形成「ニッカーゼ」ストラテジーの双方で、gRNAが同定された。gRNAを選択する基準、およびそれに対してgRNAが使用され得る、二重gRNA対形成「ニッカーゼ」ストラテジーの判定は2つの考察に基づく:
1.
gRNA対は、DNA上で、PAM上が外側を向き、D10A Cas9ニッカーゼによる切断が、5’オーバーハングをもたらすような配向であるべきである。
2.
二重ニッカーゼ対による切断が、妥当な出現頻度で全介在配列の欠失をもたらすという仮説。しかし、二重ニッカーゼ対による切断はまた、多くの場合、gRNAの1つのみの部位にインデル変異をもたらし得る。候補ペア構成要素は、1つのgRNA部位に単にインデル変異を引き起こす場合と比較して、全配列をいかに効率的に除去するかについて試験され得る。
第1階層のgRNA分子のための標的化ドメインは(1)例えば、開始コドン下流の最初の500bpのコード配列中などの標的位置からの妥当な距離、(2)高レベルの直交性、および(3)5’Gの存在に基づいて選択された。第2階層のgRNAの選択のためには、5’Gに対する必要性が除外されたが、距離制限が要求され、高レベルの直交性が要求された。第3階層の選択は、同一距離制限と5’Gに対する必要性を使用したが、良好な直交性の必要条件が除外された。第4階層の選択は、同一距離制限を使用したが、良好な直交性および5’Gから開始するという必要条件が除去された。第5階層の選択は、良好な直交性およびさ5’Gの必要条件が除外されて、より長い配列(例えば、追加的転写標的部位の500bp上流または下流などのコード配列の残りの部分)がスキャンされた。階層は、非包括的であることに留意されたい(各gRNAisは、1回のみ列挙される)。場合によっては、gRNAは、特定の階層基準に基づいて同定されなかった。
上で考察されるように、gRNAは、示されるように、単一gRNAヌクレアーゼ切断について、ならびに二重gRNA対形成「ニッカーゼ」ストラテジーについて同定された。
N.メニンジチディス(N.meningitidis)およびS.アウレウス(S.aureus)Cas9と共に使用されるgRNAは、PAM配列の存在についてゲノムDNA配列をスキャンすることにより手動で同定された。これらのgRNAは、2つの階層に区別された。第1階層gRNAでは、標的化ドメインは、開始コドン下流の最初の500bpのコード配列中で選択された。第2階層gRNAでは、標的化ドメインは、残りのコード配列中(第1の500bpの下流)で選択された。階層は、非包括的であることに留意されたい(各gRNAは、ストラテジーについて1回のみ列挙される)。場合によっては、gRNAは、特定の階層基準に基づいて同定されなかった。
代表的標的化ドメイン(第1のストラテジー)
以下は、第1の設計および階層化ストラテジーに従った代表的標的化ドメインを提供する表である。一例として、S.ピオゲネス(S.pyogenes)、S.アウレウス(S.aureus)、およびN.メニンジチディス(N.meningtidis)標的では、17量体または20量体標的化ドメインが設計された。
表1Aは、第1階層パラメータに従って選択された、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9を使用した、FAS遺伝子ノックアウトの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、開始コドン下流の最初の500bpのコード配列中で結合し、良好な直交性を有して、Gから開始する。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、二本鎖切断(Cas9ヌクレアーゼ)または一本鎖切断(Cas9ニッカーゼ)を生じる、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9分子と共に使用され得る。一実施形態では、二重標的化が使用されて、対向するDNA鎖と相補的な2つの標的化ドメインと共に、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9ニッカーゼが使用されて対向するDNA鎖上に2つのニックが生じ、例えば、任意のマイナス鎖標的化ドメインを含んでなるgRNAが、2つのgRNAが、PAMが外側を向きgRNAの5’末端間の距離が0~50bpであるようにDNA上で配向するという条件で、プラス鎖標的化ドメインを含んでなる任意のgRNAと対にされてもよい。一実施形態では、2つのgRNAを使用して、2つのCas9ヌクレアーゼまたは2つのCas9ニッカーゼが標的化され、例えば、表1に示される、A群からの標的化ドメインがあるgRNAが、B群からの任意の標的化ドメインがあるgRNAと対にされ得る。
表1Bは、第2階層パラメータに従って選択された、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9を使用した、FAS遺伝子ノックアウトの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、開始コドン下流の最初の500bpのコード配列中で結合して、良好な直交性を有し、Gから開始しない。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、二本鎖切断(Cas9ヌクレアーゼ)または一本鎖切断(Cas9ニッカーゼ)を生じる、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9分子と共に使用され得る。一実施形態では、二重標的化が使用されて、対向するDNA鎖と相補的な2つの標的化ドメインと共に、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9ニッカーゼが使用されて対向するDNA鎖上に2つのニックが生じ、例えば、任意のマイナス鎖標的化ドメインを含んでなるgRNAが、2つのgRNAが、PAMが外側を向きgRNAの5’末端間の距離が0~50bpであるようにDNA上で配向するという条件で、プラス鎖標的化ドメインを含んでなる任意のgRNAと対にされてもよい。
表1Cは、第3階層パラメータに従って選択された、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9を使用した、FAS遺伝子ノックアウトの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、開始コドン下流の最初の500bpのコード配列中で結合して、Gから開始する。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、二本鎖切断(Cas9ヌクレアーゼ)または一本鎖切断(Cas9ニッカーゼ)を生じる、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9分子と共に使用され得る。一実施形態では、二重標的化が使用されて、対向するDNA鎖と相補的な2つの標的化ドメインと共に、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9ニッカーゼが使用されて対向するDNA鎖上に2つのニックが生じ、例えば、任意のマイナス鎖標的化ドメインを含んでなるgRNAが、2つのgRNAが、PAMが外側を向きgRNAの5’末端間の距離が0~50bpであるようにDNA上で配向するという条件で、プラス鎖標的化ドメインを含んでなる任意のgRNAと対にされてもよい。
表1Dは、第4階層パラメータに従って選択された、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9を使用した、FAS遺伝子ノックアウトの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、開始コドン下流の最初の500bpのコード配列中で結合して、Gから開始しない。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、二本鎖切断(Cas9ヌクレアーゼ)または一本鎖切断(Cas9ニッカーゼ)を生じる、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9分子と共に使用され得る。一実施形態では、二重標的化が使用されて、対向するDNA鎖と相補的な2つの標的化ドメインと共に、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9ニッカーゼが使用されて対向するDNA鎖上に2つのニックが生じ、例えば、任意のマイナス鎖標的化ドメインを含んでなるgRNAが、2つのgRNAが、PAMが外側を向きgRNAの5’末端間の距離が0~50bpであるようにDNA上で配向するという条件で、プラス鎖標的化ドメインを含んでなる任意のgRNAと対にされてもよい。
表1Eは、第5階層パラメータに従って選択された、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9を使用した、FAS遺伝子ノックアウトの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、残りのコード配列中で結合する(最初の500bpの下流)。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、二本鎖切断(Cas9ヌクレアーゼ)または一本鎖切断(Cas9ニッカーゼ)を生じる、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9分子と共に使用され得る。一実施形態では、二重標的化が使用されて、対向するDNA鎖と相補的な2つの標的化ドメインと共に、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9ニッカーゼが使用されて対向するDNA鎖上に2つのニックが生じ、例えば、任意のマイナス鎖標的化ドメインを含んでなるgRNAが、2つのgRNAが、PAMが外側を向きgRNAの5’末端間の距離が0~50bpであるようにDNA上で配向するという条件で、プラス鎖標的化ドメインを含んでなる任意のgRNAと対にされてもよい。
表1Fは、第1階層パラメータに従って選択された、S.アウレウス(S.aureus)Cas9を使用した、FAS遺伝子ノックアウトの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、開始コドン下流の最初の500bpのコード配列中で結合する。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、二本鎖切断(Cas9ヌクレアーゼ)または一本鎖切断(Cas9ニッカーゼ)を生じる、S.アウレウス(S.aureus)Cas9分子と共に使用され得る。一実施形態では、二重標的化が使用されて、対向するDNA鎖と相補的な2つの標的化ドメインと共に、S.アウレウス(S.aureus)Cas9ニッカーゼが使用されて対向するDNA鎖上に2つのニックが生じ、例えば、任意のマイナス鎖標的化ドメインを含んでなるgRNAが、2つのgRNAが、PAMが外側を向きgRNAの5’末端間の距離が0~50bpであるようにDNA上で配向するという条件で、プラス鎖標的化ドメインを含んでなる任意のgRNAと対にされてもよい。
表1Gは、第2階層パラメータに従って選択された、S.アウレウス(S.aureus)Cas9を使用した、FAS遺伝子ノックアウトの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、残りのコード配列中で結合する(最初の500bpの下流)。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、二本鎖切断(Cas9ヌクレアーゼ)または一本鎖切断(Cas9ニッカーゼ)を生じる、S.アウレウス(S.aureus)Cas9分子と共に使用され得る。一実施形態では、二重標的化が使用されて、対向するDNA鎖と相補的な2つの標的化ドメインと共に、S.アウレウス(S.aureus)Cas9ニッカーゼが使用されて対向するDNA鎖上に2つのニックが生じ、例えば、任意のマイナス鎖標的化ドメインを含んでなるgRNAが、2つのgRNAが、PAMが外側を向きgRNAの5’末端間の距離が0~50bpであるようにDNA上で配向するという条件で、プラス鎖標的化ドメインを含んでなる任意のgRNAと対にされてもよい。
表1Hは、第1階層パラメータに従って選択された、N.メニンジチディス(N.meningitidis)Cas9を使用した、FAS遺伝子ノックアウトの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、開始コドン下流の最初の500bpのコード配列中で結合する。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、二本鎖切断(Cas9ヌクレアーゼ)または一本鎖切断(Cas9ニッカーゼ)を生じる、N.メニンジチディス(N.meningitidis)Cas9分子と共に使用され得る。一実施形態では、二重標的化が使用されて、対向するDNA鎖と相補的な2つの標的化ドメインと共に、N.メニンジチディス(N.meningitidis)Cas9ニッカーゼが使用されて対向するDNA鎖上に2つのニックが生じ、例えば、任意のマイナス鎖標的化ドメインを含んでなるgRNAが、2つのgRNAが、PAMが外側を向きgRNAの5’末端間の距離が0~50bpであるようにDNA上で配向するという条件で、プラス鎖標的化ドメインを含んでなる任意のgRNAと対にされてもよい。
表1Iは、第2階層パラメータに従って選択された、N.メニンジチディス(N.meningitidis)Cas9を使用した、FAS遺伝子ノックアウトの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、残りのコード配列中で結合する(最初の500bpの下流)。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、二本鎖切断(Cas9ヌクレアーゼ)または一本鎖切断(Cas9ニッカーゼ)を生じる、N.メニンジチディス(N.meningitidis)Cas9分子と共に使用され得る。一実施形態では、二重標的化が使用されて、対向するDNA鎖と相補的な2つの標的化ドメインと共に、N.メニンジチディス(N.meningitidis)Cas9ニッカーゼが使用されて対向するDNA鎖上に2つのニックが生じ、例えば、任意のマイナス鎖標的化ドメインを含んでなるgRNAが、2つのgRNAが、PAMが外側を向きgRNAの5’末端間の距離が0~50bpであるようにDNA上で配向するという条件で、プラス鎖標的化ドメインを含んでなる任意のgRNAと対にされてもよい。
表2Aは、第1階層パラメータに従って選択された、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9を使用した、FAS遺伝子ノックダウンの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、転写開始部位の500bp上流および下流内で結合して、良好な直交性を有し、Gから開始する。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、例えば、本明細書に記載されるようなeiCas9融合タンパク質などのS.ピオゲネス(S.pyogenes)eiCas9分子と共に使用され得る。
表2Bは、第2階層パラメータに従って選択された、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9を使用した、FAS遺伝子ノックダウンの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、転写開始部位の500bp上流および下流内で結合して、良好な直交性を有し、Gから開始しない。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、例えば、本明細書に記載されるようなeiCas9融合タンパク質などのS.ピオゲネス(S.pyogenes)eiCas9分子と共に使用され得る。
表2Cは、第3階層パラメータに従って選択された、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9を使用した、FAS遺伝子ノックダウンの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、転写開始部位の500bp上流および下流内で結合して、Gから開始する。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、例えば、本明細書に記載されるようなeiCas9融合タンパク質などのS.ピオゲネス(S.pyogenes)eiCas9分子と共に使用され得る。
表2Dは、第4階層パラメータに従って選択された、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9を使用した、FAS遺伝子ノックダウンの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、転写開始部位の500bp上流および下流内で結合して、Gから開始しない。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、例えば、本明細書に記載されるようなeiCas9融合タンパク質などのS.ピオゲネス(S.pyogenes)eiCas9分子と共に使用され得る。
表2Eは、第5階層パラメータに従って選択された、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9を使用した、FAS遺伝子ノックダウンの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、転写開始部位のさらに500bp上流および下流内(転写開始部位の上流および下流の1kbに及ぶ)で結合する。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、例えば、本明細書に記載されるようなeiCas9融合タンパク質などのS.ピオゲネス(S.pyogenes)eiCas9分子と共に使用され得る。
表2Fは、第1階層パラメータに従って選択された、S.アウレウス(S.aureus)Cas9を使用した、FAS遺伝子ノックダウンの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、転写開始部位の500bp上流および下流内で結合する。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、例えば、本明細書に記載されるようなeiCas9融合タンパク質などのS.アウレウス(S.aureus)eiCas9分子と共に使用され得る。
表2Gは、第2階層パラメータに従って選択された、S.アウレウス(S.aureus)Cas9を使用したFAS遺伝子ノックダウンの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、転写開始部位のさらに500bp上流および下流内(転写開始部位の上流および下流の1kbに及ぶ)で結合する。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、例えば、本明細書に記載されるようなeiCas9融合タンパク質などのS.アウレウス(S.aureus)eiCas9分子と共に使用され得る。
表2Hは、第1階層パラメータに従って選択された、N.メニンジチディス(N.meningitidis)Cas9を使用した、FAS遺伝子ノックダウンの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、転写開始部位の500bp上流および下流内で結合する。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、例えば、本明細書に記載されるようなeiCas9融合タンパク質などのN.メニンジチディス(N.meningitidis)eiCas9分子と共に使用され得る。
表2Iは、第2階層パラメータに従って選択された、N.メニンジチディス(N.meningitidis)Cas9を使用した、FAS遺伝子ノックダウンの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、転写開始部位のさらに500bp上流および下流内(転写開始部位の上流および下流の1kbに及ぶ)で結合する。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、例えば、本明細書に記載されるようなeiCas9融合タンパク質などのN.メニンジチディス(N.meningitidis)eiCas9分子と共に使用され得る。
表3Aは、第1階層パラメータに従って選択された、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9を使用した、BID遺伝子ノックアウトの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、開始コドン下流の最初の500bpのコード配列中で結合して、良好な直交性を有し、Gから開始する。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、二本鎖切断(Cas9ヌクレアーゼ)または一本鎖切断(Cas9ニッカーゼ)を生じる、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9分子と共に使用され得る。一実施形態では、二重標的化が使用されて、対向するDNA鎖と相補的な2つの標的化ドメインと共に、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9ニッカーゼが使用されて対向するDNA鎖上に2つのニックが生じ、例えば、任意のマイナス鎖標的化ドメインを含んでなるgRNAが、2つのgRNAが、PAMが外側を向きgRNAの5’末端間の距離が0~50bpであるようにDNA上で配向するという条件で、プラス鎖標的化ドメインを含んでなる任意のgRNAと対にされてもよい。一実施形態では、2つのgRNAが使用されて、2つのCas9ヌクレアーゼまたは2つのCas9ニッカーゼが標的化され、例えば、表3に示される、A群からの標的化ドメインがあるgRNが、B群からの任意の標的化ドメインがあるgRNAと対にされ得て、または表3に示される、C群からの標的化ドメインがあるgRNAが、D群からの任意の標的化ドメインがあるgRNAと対にされ得る。
表3Bは、第2階層パラメータに従って選択された、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9を使用した、BID遺伝子ノックアウトの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、開始コドン下流の最初の500bpのコード配列中で結合して、良好な直交性を有し、Gから開始しない。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、二本鎖切断(Cas9ヌクレアーゼ)または一本鎖切断(Cas9ニッカーゼ)を生じる、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9分子と共に使用され得る。一実施形態では、二重標的化が使用されて、対向するDNA鎖と相補的な2つの標的化ドメインと共に、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9ニッカーゼが使用されて対向するDNA鎖上に2つのニックが生じ、例えば、任意のマイナス鎖標的化ドメインを含んでなるgRNAが、2つのgRNAが、PAMが外側を向きgRNAの5’末端間の距離が0~50bpであるようにDNA上で配向するという条件で、プラス鎖標的化ドメインを含んでなる任意のgRNAと対にされてもよい。
表3Cは、第3階層パラメータに従って選択された、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9を使用した、BID遺伝子ノックアウトの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、開始コドン下流の最初の500bpのコード配列中で結合して、Gから開始する。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、二本鎖切断(Cas9ヌクレアーゼ)または一本鎖切断(Cas9ニッカーゼ)を生じる、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9分子と共に使用され得る。一実施形態では、二重標的化が使用されて、対向するDNA鎖と相補的な2つの標的化ドメインと共に、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9ニッカーゼが使用されて対向するDNA鎖上に2つのニックが生じ、例えば、任意のマイナス鎖標的化ドメインを含んでなるgRNAが、2つのgRNAが、PAMが外側を向きgRNAの5’末端間の距離が0~50bpであるようにDNA上で配向するという条件で、プラス鎖標的化ドメインを含んでなる任意のgRNAと対にされてもよい。
表3Dは、第4階層パラメータに従って選択された、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9を使用した、BID遺伝子ノックアウトの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、開始コドン下流の最初の500bpのコード配列中で結合して、Gから開始しない。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、二本鎖切断(Cas9ヌクレアーゼ)または一本鎖切断(Cas9ニッカーゼ)を生じる、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9分子と共に使用され得る。一実施形態では、二重標的化が使用されて、対向するDNA鎖と相補的な2つの標的化ドメインと共に、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9ニッカーゼが使用されて対向するDNA鎖上に2つのニックが生じ、例えば、任意のマイナス鎖標的化ドメインを含んでなるgRNAが、2つのgRNAが、PAMが外側を向きgRNAの5’末端間の距離が0~50bpであるようにDNA上で配向するという条件で、プラス鎖標的化ドメインを含んでなる任意のgRNAと対にされてもよい。
表3Eは、第5階層パラメータに従って選択された、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9を使用した、BID遺伝子ノックアウトの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、残りのコード配列中で結合する(最初の500bpの下流)。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、二本鎖切断(Cas9ヌクレアーゼ)または一本鎖切断(Cas9ニッカーゼ)を生じる、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9分子と共に使用され得る。一実施形態では、二重標的化が使用されて、対向するDNA鎖と相補的な2つの標的化ドメインと共に、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9ニッカーゼが使用されて対向するDNA鎖上に2つのニックが生じ、例えば、任意のマイナス鎖標的化ドメインを含んでなるgRNAが、2つのgRNAが、PAMが外側を向きgRNAの5’末端間の距離が0~50bpであるようにDNA上で配向するという条件で、プラス鎖標的化ドメインを含んでなる任意のgRNAと対にされてもよい。
表3Fは、第1階層パラメータに従って選択された、S.アウレウス(S.aureus)Cas9を使用した、BID遺伝子ノックアウトの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、開始コドン下流の最初の500bpのコード配列中で結合する。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、二本鎖切断(Cas9ヌクレアーゼ)または一本鎖切断(Cas9ニッカーゼ)を生じる、S.アウレウス(S.aureus)Cas9分子と共に使用され得る。一実施形態では、二重標的化が使用されて、対向するDNA鎖と相補的な2つの標的化ドメインと共に、S.アウレウス(S.aureus)Cas9ニッカーゼが使用されて対向するDNA鎖上に2つのニックが生じ、例えば、任意のマイナス鎖標的化ドメインを含んでなるgRNAが、2つのgRNAが、PAMが外側を向きgRNAの5’末端間の距離が0~50bpであるようにDNA上で配向するという条件で、プラス鎖標的化ドメインを含んでなる任意のgRNAと対にされてもよい。
表3Gは、第2階層パラメータに従って選択された、S.アウレウス(S.aureus)Cas9を使用したBID遺伝子ノックアウトの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、残りのコード配列中で結合する(最初の500bpの下流)。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、二本鎖切断(Cas9ヌクレアーゼ)または一本鎖切断(Cas9ニッカーゼ)を生じる、S.アウレウス(S.aureus)Cas9分子と共に使用され得る。一実施形態では、二重標的化が使用されて、対向するDNA鎖と相補的な2つの標的化ドメインと共に、S.アウレウス(S.aureus)Cas9ニッカーゼが使用されて対向するDNA鎖上に2つのニックが生じ、例えば、任意のマイナス鎖標的化ドメインを含んでなるgRNAが、2つのgRNAが、PAMが外側を向きgRNAの5’末端間の距離が0~50bpであるようにDNA上で配向するという条件で、プラス鎖標的化ドメインを含んでなる任意のgRNAと対にされてもよい。
表3Hは、第1階層パラメータに従って選択された、N.メニンジチディス(N.meningitidis)Cas9を使用した、BID遺伝子ノックアウトの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、開始コドン下流の最初の500bpのコード配列中で結合する。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、二本鎖切断(Cas9ヌクレアーゼ)または一本鎖切断(Cas9ニッカーゼ)を生じる、N.メニンジチディス(N.meningitidis)Cas9分子と共に使用され得る。一実施形態では、二重標的化が使用されて、対向するDNA鎖と相補的な2つの標的化ドメインと共に、N.メニンジチディス(N.meningitidis)Cas9ニッカーゼが使用されて対向するDNA鎖上に2つのニックが生じ、例えば、任意のマイナス鎖標的化ドメインを含んでなるgRNAが、2つのgRNAが、PAMが外側を向きgRNAの5’末端間の距離が0~50bpであるようにDNA上で配向するという条件で、プラス鎖標的化ドメインを含んでなる任意のgRNAと対にされてもよい。
表4Aは、第1階層パラメータに従って選択された、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9を使用した、BID遺伝子ノックダウンの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、転写開始部位の500bp上流および下流内で結合して、良好な直交性を有し、Gから開始する。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、例えば、本明細書に記載されるようなeiCas9融合タンパク質などのS.ピオゲネス(S.pyogenes)eiCas9分子と共に使用され得る。
表4Bは、第2階層パラメータに従って選択された、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9を使用した、BID遺伝子ノックダウンの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、転写開始部位の500bp上流および下流内で結合して、良好な直交性を有し、Gから開始しない。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、例えば、本明細書に記載されるようなeiCas9融合タンパク質などのS.ピオゲネス(S.pyogenes)eiCas9分子と共に使用され得る。
表4Cは、第3階層パラメータに従って選択された、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9を使用した、BID遺伝子ノックダウンの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、転写開始部位の500bp上流および下流内で結合して、Gから開始する。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、例えば、本明細書に記載されるようなeiCas9融合タンパク質などのS.ピオゲネス(S.pyogenes)eiCas9分子と共に使用され得る。
表4Dは、第4階層パラメータに従って選択された、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9を使用した、BID遺伝子ノックダウンの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、転写開始部位の500bp上流および下流内で結合して、Gから開始しない。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、例えば、本明細書に記載されるようなeiCas9融合タンパク質などのS.ピオゲネス(S.pyogenes)eiCas9分子と共に使用され得る。
表4Eは、第5階層パラメータに従って選択された、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9を使用した、BID遺伝子ノックダウンの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、転写開始部位のさらに500bp上流および下流内(転写開始部位の上流および下流の1kbに及ぶ)で結合する。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、例えば、本明細書に記載されるようなeiCas9融合タンパク質などのS.ピオゲネス(S.pyogenes)eiCas9分子と共に使用され得る。
表4Fは、第1階層パラメータに従って選択された、S.アウレウス(S.aureus)Cas9を使用した、BID遺伝子ノックダウンの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、転写開始部位の500bp上流および下流内で結合する。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、例えば、本明細書に記載されるようなeiCas9融合タンパク質などのS.アウレウス(S.aureus)eiCas9分子と共に使用され得る。
表4Gは、第2階層パラメータに従って選択された、S.アウレウス(S.aureus)Cas9を使用したBID遺伝子ノックダウンの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、転写開始部位のさらに500bp上流および下流内(転写開始部位の上流および下流の1kbに及ぶ)で結合する。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、例えば、本明細書に記載されるようなeiCas9融合タンパク質などのS.アウレウス(S.aureus)eiCas9分子と共に使用され得る。
表4Hは、第1階層パラメータに従って選択された、N.メニンジチディス(N.meningitidis)Cas9を使用した、BID遺伝子ノックダウンの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、転写開始部位の500bp上流および下流内で結合する。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、例えば、本明細書に記載されるようなeiCas9融合タンパク質などのN.メニンジチディス(N.meningitidis)eiCas9分子と共に使用され得る。
表4Iは、第2階層パラメータに従って選択された、N.メニンジチディス(N.meningitidis)Cas9を使用した、BID遺伝子ノックダウンの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、転写開始部位のさらに500bp上流および下流内(転写開始部位の上流および下流の1kbに及ぶ)で結合する。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、例えば、本明細書に記載されるようなeiCas9融合タンパク質などのN.メニンジチディス(N.meningitidis)eiCas9分子と共に使用され得る。
表5Aは、第1階層パラメータに従って選択された、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9を使用した、CTLA4遺伝子ノックアウトの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、開始コドン下流の最初の500bpのコード配列中で結合して、良好な直交性を有し、Gから開始する。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、二本鎖切断(Cas9ヌクレアーゼ)または一本鎖切断(Cas9ニッカーゼ)を生じる、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9分子と共に使用され得る。一実施形態では、二重標的化が使用されて、対向するDNA鎖と相補的な2つの標的化ドメインと共に、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9ニッカーゼが使用されて対向するDNA鎖上に2つのニックが生じ、例えば、任意のマイナス鎖標的化ドメインを含んでなるgRNAが、2つのgRNAが、PAMが外側を向きgRNAの5’末端間の距離が0~50bpであるようにDNA上で配向するという条件で、プラス鎖標的化ドメインを含んでなる任意のgRNAと対にされてもよい。一実施形態では、2つのgRNAが使用されて、2つのCas9ヌクレアーゼまたは2つのCas9ニッカーゼが標的化され、例えば、表5に示される、A群からの標的化ドメインがあるgRNAが、B群からの任意の標的化ドメインがあるgRNAと対にされ得て、または表5に示される、C群からの標的化ドメインがあるgRNAが、D群からの任意の標的化ドメインがあるgRNAと対にされ得る。
表5Bは、第2階層パラメータに従って選択された、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9を使用した、CTLA4遺伝子ノックアウトの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、開始コドン下流の最初の500bpのコード配列中で結合して、良好な直交性を有し、Gから開始しない。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、二本鎖切断(Cas9ヌクレアーゼ)または一本鎖切断(Cas9ニッカーゼ)を生じる、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9分子と共に使用され得る。一実施形態では、二重標的化が使用されて、対向するDNA鎖と相補的な2つの標的化ドメインと共に、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9ニッカーゼが使用されて対向するDNA鎖上に2つのニックが生じ、例えば、任意のマイナス鎖標的化ドメインを含んでなるgRNAが、2つのgRNAが、PAMが外側を向きgRNAの5’末端間の距離が0~50bpであるようにDNA上で配向するという条件で、プラス鎖標的化ドメインを含んでなる任意のgRNAと対にされてもよい。
表5Cは、第3階層パラメータに従って選択された、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9を使用した、CTLA4遺伝子ノックアウトの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、開始コドン下流の最初の500bpのコード配列中で結合して、Gから開始する。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、二本鎖切断(Cas9ヌクレアーゼ)または一本鎖切断(Cas9ニッカーゼ)を生じる、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9分子と共に使用され得る。一実施形態では、二重標的化が使用されて、対向するDNA鎖と相補的な2つの標的化ドメインと共に、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9ニッカーゼが使用されて対向するDNA鎖上に2つのニックが生じ、例えば、任意のマイナス鎖標的化ドメインを含んでなるgRNAが、2つのgRNAが、PAMが外側を向きgRNAの5’末端間の距離が0~50bpであるようにDNA上で配向するという条件で、プラス鎖標的化ドメインを含んでなる任意のgRNAと対にされてもよい。
表5Dは、第4階層パラメータに従って選択された、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9を使用した、CTLA4遺伝子ノックアウトの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、開始コドン下流の最初の500bpのコード配列中で結合して、Gから開始しない。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、二本鎖切断(Cas9ヌクレアーゼ)または一本鎖切断(Cas9ニッカーゼ)を生じる、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9分子と共に使用され得る。一実施形態では、二重標的化が使用されて、対向するDNA鎖と相補的な2つの標的化ドメインと共に、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9ニッカーゼが使用されて対向するDNA鎖上に2つのニックが生じ、例えば、任意のマイナス鎖標的化ドメインを含んでなるgRNAが、2つのgRNAが、PAMが外側を向きgRNAの5’末端間の距離が0~50bpであるようにDNA上で配向するという条件で、プラス鎖標的化ドメインを含んでなる任意のgRNAと対にされてもよい。
表5Eは、第5階層パラメータに従って選択された、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9を使用した、CTLA4遺伝子ノックアウトの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、残りのコード配列中で結合する(最初の500bpの下流)。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、二本鎖切断(Cas9ヌクレアーゼ)または一本鎖切断(Cas9ニッカーゼ)を生じる、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9分子と共に使用され得る。一実施形態では、二重標的化が使用されて、対向するDNA鎖と相補的な2つの標的化ドメインと共に、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9ニッカーゼが使用されて対向するDNA鎖上に2つのニックが生じ、例えば、任意のマイナス鎖標的化ドメインを含んでなるgRNAが、2つのgRNAが、PAMが外側を向きgRNAの5’末端間の距離が0~50bpであるようにDNA上で配向するという条件で、プラス鎖標的化ドメインを含んでなる任意のgRNAと対にされてもよい。
表5Fは、第1階層パラメータに従って選択された、S.アウレウス(S.aureus)Cas9を使用した、CTLA4遺伝子ノックアウトの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、開始コドン下流の最初の500bpのコード配列中で結合する。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、二本鎖切断(Cas9ヌクレアーゼ)または一本鎖切断(Cas9ニッカーゼ)を生じる、S.アウレウス(S.aureus)Cas9分子と共に使用され得る。一実施形態では、二重標的化が使用されて、対向するDNA鎖と相補的な2つの標的化ドメインと共に、S.アウレウス(S.aureus)Cas9ニッカーゼが使用されて対向するDNA鎖上に2つのニックが生じ、例えば、任意のマイナス鎖標的化ドメインを含んでなるgRNAが、2つのgRNAが、PAMが外側を向きgRNAの5’末端間の距離が0~50bpであるようにDNA上で配向するという条件で、プラス鎖標的化ドメインを含んでなる任意のgRNAと対にされてもよい。
表5Gは、第2階層パラメータに従って選択された、S.アウレウス(S.aureus)Cas9を使用したCTLA4遺伝子ノックアウトの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、残りのコード配列中で結合する(最初の500bpの下流)。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、二本鎖切断(Cas9ヌクレアーゼ)または一本鎖切断(Cas9ニッカーゼ)を生じる、S.アウレウス(S.aureus)Cas9分子と共に使用され得る。一実施形態では、二重標的化が使用されて、対向するDNA鎖と相補的な2つの標的化ドメインと共に、S.アウレウス(S.aureus)Cas9ニッカーゼが使用されて対向するDNA鎖上に2つのニックが生じ、例えば、任意のマイナス鎖標的化ドメインを含んでなるgRNAが、2つのgRNAが、PAMが外側を向きgRNAの5’末端間の距離が0~50bpであるようにDNA上で配向するという条件で、プラス鎖標的化ドメインを含んでなる任意のgRNAと対にされてもよい。
表5Hは、第1階層パラメータに従って選択された、N.メニンジチディス(N.meningitidis)Cas9を使用した、CTLA4遺伝子ノックアウトの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、開始コドン下流の最初の500bpのコード配列中で結合する。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、二本鎖切断(Cas9ヌクレアーゼ)または一本鎖切断(Cas9ニッカーゼ)を生じる、N.メニンジチディス(N.meningitidis)Cas9分子と共に使用され得る。一実施形態では、二重標的化が使用されて、対向するDNA鎖と相補的な2つの標的化ドメインと共に、N.メニンジチディス(N.meningitidis)Cas9ニッカーゼが使用されて対向するDNA鎖上に2つのニックが生じ、例えば、任意のマイナス鎖標的化ドメインを含んでなるgRNAが、2つのgRNAが、PAMが外側を向きgRNAの5’末端間の距離が0~50bpであるようにDNA上で配向するという条件で、プラス鎖標的化ドメインを含んでなる任意のgRNAと対にされてもよい。
表5Iは、第2階層パラメータに従って選択された、N.メニンジチディス(N.meningitidis)Cas9を使用したCTLA4遺伝子ノックアウトの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、残りのコード配列中で結合する(最初の500bpの下流)。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、二本鎖切断(Cas9ヌクレアーゼ)または一本鎖切断(Cas9ニッカーゼ)を生じる、N.メニンジチディス(N.meningitidis)Cas9分子と共に使用され得る。一実施形態では、二重標的化が使用されて、対向するDNA鎖と相補的な2つの標的化ドメインと共に、N.メニンジチディス(N.meningitidis)Cas9ニッカーゼが使用されて対向するDNA鎖上に2つのニックが生じ、例えば、任意のマイナス鎖標的化ドメインを含んでなるgRNAが、2つのgRNAが、PAMが外側を向きgRNAの5’末端間の距離が0~50bpであるようにDNA上で配向するという条件で、プラス鎖標的化ドメインを含んでなる任意のgRNAと対にされてもよい。
表6Aは、第1階層パラメータに従って選択された、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9を使用した、CTLA4遺伝子ノックダウンの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、転写開始部位の500bp上流および下流内で結合して、良好な直交性を有し、Gから開始する。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、例えば、本明細書に記載されるようなeiCas9融合タンパク質などのS.ピオゲネス(S.pyogenes)eiCas9分子と共に使用され得る。
表6Bは、第2階層パラメータに従って選択された、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9を使用した、CTLA4遺伝子ノックダウンの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、転写開始部位の500bp上流および下流内で結合して、良好な直交性を有し、Gから開始しない。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、例えば、本明細書に記載されるようなeiCas9融合タンパク質などのS.ピオゲネス(S.pyogenes)eiCas9分子と共に使用され得る。
表6Cは、第3階層パラメータに従って選択された、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9を使用した、CTLA4遺伝子ノックダウンの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、転写開始部位の500bp上流および下流内で結合して、Gから開始する。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、例えば、本明細書に記載されるようなeiCas9融合タンパク質などのS.ピオゲネス(S.pyogenes)eiCas9分子と共に使用され得る。
表6Dは、第4階層パラメータに従って選択された、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9を使用した、CTLA4遺伝子ノックダウンの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、転写開始部位の500bp上流および下流内で結合して、Gから開始しない。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、例えば、本明細書に記載されるようなeiCas9融合タンパク質などのS.ピオゲネス(S.pyogenes)eiCas9分子と共に使用され得る。
表6Eは、第5階層パラメータに従って選択された、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9を使用した、CTLA4遺伝子ノックダウンの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、転写開始部位のさらに500bp上流および下流内(転写開始部位の上流および下流の1kbに及ぶ)で結合する。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、例えば、本明細書に記載されるようなeiCas9融合タンパク質などのS.ピオゲネス(S.pyogenes)eiCas9分子と共に使用され得る。
表6Fは、第1階層パラメータに従って選択された、S.アウレウス(S.aureus)Cas9を使用した、CTLA4遺伝子ノックダウンの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、転写開始部位の500bp上流および下流内で結合する。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、例えば、本明細書に記載されるようなeiCas9融合タンパク質などのS.アウレウス(S.aureus)eiCas9分子と共に使用され得る。
表6Gは、第2階層パラメータに従って選択された、S.アウレウス(S.aureus)Cas9を使用したCTLA4遺伝子ノックダウンの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、転写開始部位のさらに500bp上流および下流内(転写開始部位の上流および下流の1kbに及ぶ)で結合する。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、例えば、本明細書に記載されるようなeiCas9融合タンパク質などのS.アウレウス(S.aureus)eiCas9分子と共に使用され得る。
表6Hは、第1階層パラメータに従って選択された、N.メニンジチディス(N.meningitidis)Cas9を使用した、CTLA4遺伝子ノックダウンの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、転写開始部位の500bp上流および下流内で結合する。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、例えば、本明細書に記載されるようなeiCas9融合タンパク質などのN.メニンジチディス(N.meningitidis)eiCas9分子と共に使用され得る。
表6Iは、第2階層パラメータに従って選択された、N.メニンジチディス(N.meningitidis)Cas9を使用した、CTLA4遺伝子ノックダウンの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、転写開始部位のさらに500bp上流および下流内(転写開始部位の上流および下流の1kbに及ぶ)で結合する。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、例えば、本明細書に記載されるようなeiCas9融合タンパク質などのN.メニンジチディス(N.meningitidis)eiCas9分子と共に使用され得る。
表7Aは、第1階層パラメータに従って選択された、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9を使用した、PDCD1遺伝子ノックアウトの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、開始コドン下流の最初の500bpのコード配列中で結合して、良好な直交性を有し、Gから開始する。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、二本鎖切断(Cas9ヌクレアーゼ)または一本鎖切断(Cas9ニッカーゼ)を生じる、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9分子と共に使用され得る。一実施形態では、二重標的化が使用されて、対向するDNA鎖と相補的な2つの標的化ドメインと共に、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9ニッカーゼが使用されて対向するDNA鎖上に2つのニックが生じ、例えば、任意のマイナス鎖標的化ドメインを含んでなるgRNAが、2つのgRNAが、PAMが外側を向きgRNAの5’末端間の距離が0~50bpであるようにDNA上で配向するという条件で、プラス鎖標的化ドメインを含んでなる任意のgRNAと対にされてもよい。一実施形態では、2つのgRNAが使用されて、2つのCas9ヌクレアーゼまたは2つのCas9ニッカーゼが標的化され、例えば、表7に示される、A群からの標的化ドメインがあるgRNAが、B群からの任意の標的化ドメインがあるgRNAと対にされ得て、または表7に示される、C群からの標的化ドメインがあるgRNAが、D群からの任意の標的化ドメインがあるgRNAと対にされ得る。
表7Bは、第2階層パラメータに従って選択された、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9を使用した、PDCD1遺伝子ノックアウトの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、開始コドン下流の最初の500bpのコード配列中で結合して、良好な直交性を有し、Gから開始しない。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、二本鎖切断(Cas9ヌクレアーゼ)または一本鎖切断(Cas9ニッカーゼ)を生じる、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9分子と共に使用され得る。一実施形態では、二重標的化が使用されて、対向するDNA鎖と相補的な2つの標的化ドメインと共に、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9ニッカーゼが使用されて対向するDNA鎖上に2つのニックが生じ、例えば、任意のマイナス鎖標的化ドメインを含んでなるgRNAが、2つのgRNAが、PAMが外側を向きgRNAの5’末端間の距離が0~50bpであるようにDNA上で配向するという条件で、プラス鎖標的化ドメインを含んでなる任意のgRNAと対にされてもよい。
表7Cは、第3階層パラメータに従って選択された、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9を使用した、PDCD1遺伝子ノックアウトの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、開始コドン下流の最初の500bpのコード配列中で結合して、Gから開始する。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、二本鎖切断(Cas9ヌクレアーゼ)または一本鎖切断(Cas9ニッカーゼ)を生じる、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9分子と共に使用され得る。一実施形態では、二重標的化が使用されて、対向するDNA鎖と相補的な2つの標的化ドメインと共に、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9ニッカーゼが使用されて対向するDNA鎖上に2つのニックが生じ、例えば、任意のマイナス鎖標的化ドメインを含んでなるgRNAが、2つのgRNAが、PAMが外側を向きgRNAの5’末端間の距離が0~50bpであるようにDNA上で配向するという条件で、プラス鎖標的化ドメインを含んでなる任意のgRNAと対にされてもよい。
表7Dは、第4階層パラメータに従って選択された、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9を使用した、PDCD1遺伝子ノックアウトの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、開始コドン下流の最初の500bpのコード配列中で結合して、Gから開始しない。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、二本鎖切断(Cas9ヌクレアーゼ)または一本鎖切断(Cas9ニッカーゼ)を生じる、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9分子と共に使用され得る。一実施形態では、二重標的化が使用されて、対向するDNA鎖と相補的な2つの標的化ドメインと共に、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9ニッカーゼが使用されて対向するDNA鎖上に2つのニックが生じ、例えば、任意のマイナス鎖標的化ドメインを含んでなるgRNAが、2つのgRNAが、PAMが外側を向きgRNAの5’末端間の距離が0~50bpであるようにDNA上で配向するという条件で、プラス鎖標的化ドメインを含んでなる任意のgRNAと対にされてもよい。
表7Eは、第5階層パラメータに従って選択された、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9を使用した、PDCD1遺伝子ノックアウトの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、残りのコード配列中で結合する(最初の500bpの下流)。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、二本鎖切断(Cas9ヌクレアーゼ)または一本鎖切断(Cas9ニッカーゼ)を生じる、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9分子と共に使用され得る。一実施形態では、二重標的化が使用されて、対向するDNA鎖と相補的な2つの標的化ドメインと共に、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9ニッカーゼが使用されて対向するDNA鎖上に2つのニックが生じ、例えば、任意のマイナス鎖標的化ドメインを含んでなるgRNAが、2つのgRNAが、PAMが外側を向きgRNAの5’末端間の距離が0~50bpであるようにDNA上で配向するという条件で、プラス鎖標的化ドメインを含んでなる任意のgRNAと対にされてもよい。
表7Fは、第1階層パラメータに従って選択された、S.アウレウス(S.aureus)Cas9を使用した、PDCD1遺伝子ノックアウトの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、開始コドン下流の最初の500bpのコード配列中で結合する。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、二本鎖切断(Cas9ヌクレアーゼ)または一本鎖切断(Cas9ニッカーゼ)を生じる、S.アウレウス(S.aureus)Cas9分子と共に使用され得る。一実施形態では、二重標的化が使用されて、対向するDNA鎖と相補的な2つの標的化ドメインと共に、S.アウレウス(S.aureus)Cas9ニッカーゼが使用されて対向するDNA鎖上に2つのニックが生じ、例えば、任意のマイナス鎖標的化ドメインを含んでなるgRNAが、2つのgRNAが、PAMが外側を向きgRNAの5’末端間の距離が0~50bpであるようにDNA上で配向するという条件で、プラス鎖標的化ドメインを含んでなる任意のgRNAと対にされてもよい。
表7Gは、第2階層パラメータに従って選択された、S.アウレウス(S.aureus)Cas9を使用した、PDCD1遺伝子ノックアウトの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、残りのコード配列中で結合する(最初の500bpの下流)。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、二本鎖切断(Cas9ヌクレアーゼ)または一本鎖切断(Cas9ニッカーゼ)を生じる、S.アウレウス(S.aureus)Cas9分子と共に使用され得る。一実施形態では、二重標的化が使用されて、対向するDNA鎖と相補的な2つの標的化ドメインと共に、S.アウレウス(S.aureus)Cas9ニッカーゼが使用されて対向するDNA鎖上に2つのニックが生じ、例えば、任意のマイナス鎖標的化ドメインを含んでなるgRNAが、2つのgRNAが、PAMが外側を向きgRNAの5’末端間の距離が0~50bpであるようにDNA上で配向するという条件で、プラス鎖標的化ドメインを含んでなる任意のgRNAと対にされてもよい。
表7Hは、第2階層パラメータに従って選択された、N.メニンジチディス(N.meningitidis)Cas9を使用した、PDCD1遺伝子ノックアウトの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、残りのコード配列中で結合する(最初の500bpの下流)。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、二本鎖切断(Cas9ヌクレアーゼ)または一本鎖切断(Cas9ニッカーゼ)を生じる、N.メニンジチディス(N.meningitidis)Cas9分子と共に使用され得る。一実施形態では、二重標的化が使用されて、対向するDNA鎖と相補的な2つの標的化ドメインと共に、N.メニンジチディス(N.meningitidis)Cas9ニッカーゼが使用されて対向するDNA鎖上に2つのニックが生じ、例えば、任意のマイナス鎖標的化ドメインを含んでなるgRNAが、2つのgRNAが、PAMが外側を向きgRNAの5’末端間の距離が0~50bpであるようにDNA上で配向するという条件で、プラス鎖標的化ドメインを含んでなる任意のgRNAと対にされてもよい。
表8Aは、第1階層パラメータに従って選択された、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9を使用した、PDCD1遺伝子ノックダウンの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、転写開始部位の500bp上流および下流内で結合して、良好な直交性を有し、Gから開始する。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、例えば、本明細書に記載されるようなeiCas9融合タンパク質などのS.ピオゲネス(S.pyogenes)eiCas9分子と共に使用され得る。
表8Bは、第2階層パラメータに従って選択された、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9を使用した、PDCD1遺伝子ノックダウンの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、転写開始部位の500bp上流および下流内で結合して、良好な直交性を有し、Gから開始しない。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、例えば、本明細書に記載されるようなeiCas9融合タンパク質などのS.ピオゲネス(S.pyogenes)eiCas9分子と共に使用され得る。
表8Cは、第3階層パラメータに従って選択された、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9を使用した、PDCD1遺伝子ノックダウンの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、転写開始部位の500bp上流および下流内で結合して、Gから開始する。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、例えば、本明細書に記載されるようなeiCas9融合タンパク質などのS.ピオゲネス(S.pyogenes)eiCas9分子と共に使用され得る。
表8Dは、第4階層パラメータに従って選択された、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9を使用した、PDCD1遺伝子ノックダウンの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、転写開始部位の500bp上流および下流内で結合して、Gから開始しない。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、例えば、本明細書に記載されるようなeiCas9融合タンパク質などのS.ピオゲネス(S.pyogenes)eiCas9分子と共に使用され得る。
表8Eは、第5階層パラメータに従って選択された、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9を使用した、PDCD1遺伝子ノックダウンの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、転写開始部位のさらに500bp上流および下流内(転写開始部位の上流および下流の1kbに及ぶ)で結合する。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、例えば、本明細書に記載されるようなeiCas9融合タンパク質などのS.ピオゲネス(S.pyogenes)eiCas9分子と共に使用され得る。
表8Fは、第1階層パラメータに従って選択された、S.アウレウス(S.aureus)Cas9を使用した、PDCD1遺伝子ノックダウントの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、転写開始部位の500bp上流および下流内で結合する。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、例えば、本明細書に記載されるようなeiCas9融合タンパク質などのS.アウレウス(S.aureus)eiCas9分子と共に使用され得る。
表8Gは、第2階層パラメータに従って選択された、S.アウレウス(S.aureus)Cas9を使用した、PDCD1遺伝子ノックダウンの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、転写開始部位のさらに500bp上流および下流内(転写開始部位の上流および下流の1kbに及ぶ)で結合する。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、例えば、本明細書に記載されるようなeiCas9融合タンパク質などのS.アウレウス(S.aureus)eiCas9分子と共に使用され得る。
表8Hは、第2階層パラメータに従って選択された、N.メニンジチディス(N.meningitidis)Cas9を使用した、PDCD1遺伝子ノックダウンの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、転写開始部位のさらに500bp上流および下流内(転写開始部位の上流および下流の1kbに及ぶ)で結合する。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、例えば、本明細書に記載されるようなeiCas9融合タンパク質などのN.メニンジチディス(N.meningitidis)eiCas9分子と共に使用され得る。
表9Aは、第1階層パラメータに従って選択された、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9を使用した、CBLB遺伝子ノックアウトの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、開始コドン下流の最初の500bpのコード配列中で結合して、良好な直交性を有し、Gから開始する。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、二本鎖切断(Cas9ヌクレアーゼ)または一本鎖切断(Cas9ニッカーゼ)を生じる、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9分子と共に使用され得る。一実施形態では、二重標的化が使用されて、対向するDNA鎖と相補的な2つの標的化ドメインと共に、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9ニッカーゼが使用されて対向するDNA鎖上に2つのニックが生じ、例えば、任意のマイナス鎖標的化ドメインを含んでなるgRNAが、2つのgRNAが、PAMが外側を向きgRNAの5’末端間の距離が0~50bpであるようにDNA上で配向するという条件で、プラス鎖標的化ドメインを含んでなる任意のgRNAと対にされてもよい。一実施形態では、2つのgRNAが使用されて、2つのCas9ヌクレアーゼまたは2つのCas9ニッカーゼが標的化され、例えば、表9に示される、A群からの標的化ドメインがあるgRNAが、B群からの任意の標的化ドメインがあるgRNAと対にされ得て、または表9に示される、C群からの標的化ドメインがあるgRNAが、D群からの任意の標的化ドメインがあるgRNAと対にされ得る。
表9Bは、第2階層パラメータに従って選択された、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9を使用した、CBLB遺伝子ノックアウトの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、開始コドン下流の最初の500bpのコード配列中で結合して、良好な直交性を有し、Gから開始しない。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、二本鎖切断(Cas9ヌクレアーゼ)または一本鎖切断(Cas9ニッカーゼ)を生じる、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9分子と共に使用され得る。一実施形態では、二重標的化が使用されて、対向するDNA鎖と相補的な2つの標的化ドメインと共に、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9ニッカーゼが使用されて対向するDNA鎖上に2つのニックが生じ、例えば、任意のマイナス鎖標的化ドメインを含んでなるgRNAが、2つのgRNAが、PAMが外側を向きgRNAの5’末端間の距離が0~50bpであるようにDNA上で配向するという条件で、プラス鎖標的化ドメインを含んでなる任意のgRNAと対にされてもよい。
表9Cは、第3階層パラメータに従って選択された、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9を使用した、CBLB遺伝子ノックアウトの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、開始コドン下流の最初の500bpのコード配列中で結合して、Gから開始する。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、二本鎖切断(Cas9ヌクレアーゼ)または一本鎖切断(Cas9ニッカーゼ)を生じる、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9分子と共に使用され得る。一実施形態では、二重標的化が使用されて、対向するDNA鎖と相補的な2つの標的化ドメインと共に、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9ニッカーゼが使用されて対向するDNA鎖上に2つのニックが生じ、例えば、任意のマイナス鎖標的化ドメインを含んでなるgRNAが、2つのgRNAが、PAMが外側を向きgRNAの5’末端間の距離が0~50bpであるようにDNA上で配向するという条件で、プラス鎖標的化ドメインを含んでなる任意のgRNAと対にされてもよい。
表9Dは、第4階層パラメータに従って選択された、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9を使用した、CBLB遺伝子ノックアウトの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、開始コドン下流の最初の500bpのコード配列中で結合して、Gから開始しない。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、二本鎖切断(Cas9ヌクレアーゼ)または一本鎖切断(Cas9ニッカーゼ)を生じる、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9分子と共に使用され得る。一実施形態では、二重標的化が使用されて、対向するDNA鎖と相補的な2つの標的化ドメインと共に、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9ニッカーゼが使用されて対向するDNA鎖上に2つのニックが生じ、例えば、任意のマイナス鎖標的化ドメインを含んでなるgRNAが、2つのgRNAが、PAMが外側を向きgRNAの5’末端間の距離が0~50bpであるようにDNA上で配向するという条件で、プラス鎖標的化ドメインを含んでなる任意のgRNAと対にされてもよい。
表9Eは、第5階層パラメータに従って選択された、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9を使用した、CBLB遺伝子ノックアウトの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、残りのコード配列中で結合する(最初の500bpの下流)。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、二本鎖切断(Cas9ヌクレアーゼ)または一本鎖切断(Cas9ニッカーゼ)を生じる、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9分子と共に使用され得る。一実施形態では、二重標的化が使用されて、対向するDNA鎖と相補的な2つの標的化ドメインと共に、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9ニッカーゼが使用されて対向するDNA鎖上に2つのニックが生じ、例えば、任意のマイナス鎖標的化ドメインを含んでなるgRNAが、2つのgRNAが、PAMが外側を向きgRNAの5’末端間の距離が0~50bpであるようにDNA上で配向するという条件で、プラス鎖標的化ドメインを含んでなる任意のgRNAと対にされてもよい。
表9Fは、第1階層パラメータに従って選択された、S.アウレウス(S.aureus)Cas9を使用した、CBLB遺伝子ノックアウトの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、開始コドン下流の最初の500bpのコード配列中で結合する。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、二本鎖切断(Cas9ヌクレアーゼ)または一本鎖切断(Cas9ニッカーゼ)を生じる、S.アウレウス(S.aureus)Cas9分子と共に使用され得る。一実施形態では、二重標的化が使用されて、対向するDNA鎖と相補的な2つの標的化ドメインと共に、S.アウレウス(S.aureus)Cas9ニッカーゼが使用されて対向するDNA鎖上に2つのニックが生じ、例えば、任意のマイナス鎖標的化ドメインを含んでなるgRNAが、2つのgRNAが、PAMが外側を向きgRNAの5’末端間の距離が0~50bpであるようにDNA上で配向するという条件で、プラス鎖標的化ドメインを含んでなる任意のgRNAと対にされてもよい。
表9Gは、第2階層パラメータに従って選択された、S.アウレウス(S.aureus)Cas9を使用した、CBLB遺伝子ノックアウトの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、残りのコード配列中で結合する(最初の500bpの下流)。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、二本鎖切断(Cas9ヌクレアーゼ)または一本鎖切断(Cas9ニッカーゼ)を生じる、S.アウレウス(S.aureus)Cas9分子と共に使用され得る。一実施形態では、二重標的化が使用されて、対向するDNA鎖と相補的な2つの標的化ドメインと共に、S.アウレウス(S.aureus)Cas9ニッカーゼが使用されて対向するDNA鎖上に2つのニックが生じ、例えば、任意のマイナス鎖標的化ドメインを含んでなるgRNAが、2つのgRNAが、PAMが外側を向きgRNAの5’末端間の距離が0~50bpであるようにDNA上で配向するという条件で、プラス鎖標的化ドメインを含んでなる任意のgRNAと対にされてもよい。
表9Hは、第1階層パラメータに従って選択された、N.メニンジチディス(N.meningitidis)Cas9を使用した、CBLB遺伝子ノックアウトの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、開始コドン下流の最初の500bpのコード配列中で結合する。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、二本鎖切断(Cas9ヌクレアーゼ)または一本鎖切断(Cas9ニッカーゼ)を生じる、N.メニンジチディス(N.meningitidis)Cas9分子と共に使用され得る。一実施形態では、二重標的化が使用されて、対向するDNA鎖と相補的な2つの標的化ドメインと共に、N.メニンジチディス(N.meningitidis)Cas9ニッカーゼが使用されて対向するDNA鎖上に2つのニックが生じ、例えば、任意のマイナス鎖標的化ドメインを含んでなるgRNAが、2つのgRNAが、PAMが外側を向きgRNAの5’末端間の距離が0~50bpであるようにDNA上で配向するという条件で、プラス鎖標的化ドメインを含んでなる任意のgRNAと対にされてもよい。
表9Iは、第2階層パラメータに従って選択された、N.メニンジチディス(N.meningitidis)Cas9を使用した、CBLB遺伝子ノックアウトの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、残りのコード配列中で結合する(最初の500bpの下流)。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、二本鎖切断(Cas9ヌクレアーゼ)または一本鎖切断(Cas9ニッカーゼ)を生じる、N.メニンジチディス(N.meningitidis)Cas9分子と共に使用され得る。一実施形態では、二重標的化が使用されて、対向するDNA鎖と相補的な2つの標的化ドメインと共に、N.メニンジチディス(N.meningitidis)Cas9ニッカーゼが使用されて対向するDNA鎖上に2つのニックが生じ、例えば、任意のマイナス鎖標的化ドメインを含んでなるgRNAが、2つのgRNAが、PAMが外側を向きgRNAの5’末端間の距離が0~50bpであるようにDNA上で配向するという条件で、プラス鎖標的化ドメインを含んでなる任意のgRNAと対にされてもよい。
表10Aは、第1階層パラメータに従って選択された、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9を使用した、CBLB遺伝子ノックダウンの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、転写開始部位の500bp上流および下流内で結合して、良好な直交性を有し、Gから開始する。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、例えば、本明細書に記載されるようなeiCas9融合タンパク質などのS.ピオゲネス(S.pyogenes)eiCas9分子と共に使用され得る。
表10Bは、第2階層パラメータに従って選択された、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9を使用した、CBLB遺伝子ノックダウンの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、転写開始部位の500bp上流および下流内で結合して、良好な直交性を有し、Gから開始しない。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、例えば、本明細書に記載されるようなeiCas9融合タンパク質などのS.ピオゲネス(S.pyogenes)eiCas9分子と共に使用され得る。
表10Cは、第3階層パラメータに従って選択された、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9を使用した、CBLB遺伝子ノックダウンの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、転写開始部位の500bp上流および下流内で結合して、Gから開始する。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、例えば、本明細書に記載されるようなeiCas9融合タンパク質などのS.ピオゲネス(S.pyogenes)eiCas9分子と共に使用され得る。
表10Dは、第4階層パラメータに従って選択された、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9を使用した、CBLB遺伝子ノックダウンの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、転写開始部位の500bp上流および下流内で結合して、Gから開始しない。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、例えば、本明細書に記載されるようなeiCas9融合タンパク質などのS.ピオゲネス(S.pyogenes)eiCas9分子と共に使用され得る。
表10Eは、第5階層パラメータに従って選択された、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9を使用した、CBLB遺伝子ノックダウンの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、転写開始部位のさらに500bp上流および下流内(転写開始部位の上流および下流の1kbに及ぶ)で結合する。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、例えば、本明細書に記載されるようなeiCas9融合タンパク質などのS.ピオゲネス(S.pyogenes)eiCas9分子と共に使用され得る。
表10Fは、第1階層パラメータに従って選択された、S.アウレウス(S.aureus)Cas9を使用した、CBLB遺伝子ノックダウンの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、転写開始部位の500bp上流および下流内で結合する。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、例えば、本明細書に記載されるようなeiCas9融合タンパク質などのS.アウレウス(S.aureus)eiCas9分子と共に使用され得る。
表10Gは、第2階層パラメータに従って選択された、S.アウレウス(S.aureus)Cas9を使用した、CBLB遺伝子ノックダウンの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、転写開始部位のさらに500bp上流および下流内(転写開始部位の上流および下流の1kbに及ぶ)で結合する。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、例えば、本明細書に記載されるようなeiCas9融合タンパク質などのS.アウレウス(S.aureus)eiCas9分子と共に使用され得る。
表10Hは、第1階層パラメータに従って選択された、N.メニンジチディス(N.meningitidis)Cas9を使用した、CBLB遺伝子ノックダウンの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、転写開始部位の500bp上流および下流内で結合する。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、例えば、本明細書に記載されるようなeiCas9融合タンパク質などのN.メニンジチディス(N.meningitidis)eiCas9分子と共に使用され得る。
表10Iは、第2階層パラメータに従って選択された、N.メニンジチディス(N.meningitidis)Cas9を使用した、CBLB遺伝子ノックダウンの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、転写開始部位のさらに500bp上流および下流内(転写開始部位の上流および下流の1kbに及ぶ)で結合する。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、例えば、本明細書に記載されるようなeiCas9融合タンパク質などのN.メニンジチディス(N.meningitidis)eiCas9分子と共に使用され得る。
表11Aは、第1階層パラメータに従って選択された、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9を使用した、PTPN6遺伝子ノックアウトの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、開始コドン下流の最初の500bpのコード配列中で結合して、良好な直交性を有し、Gから開始する。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、二本鎖切断(Cas9ヌクレアーゼ)または一本鎖切断(Cas9ニッカーゼ)を生じる、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9分子と共に使用され得る。一実施形態では、二重標的化が使用されて、対向するDNA鎖と相補的な2つの標的化ドメインと共に、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9ニッカーゼが使用されて対向するDNA鎖上に2つのニックが生じ、例えば、任意のマイナス鎖標的化ドメインを含んでなるgRNAが、2つのgRNAが、PAMが外側を向きgRNAの5’末端間の距離が0~50bpであるようにDNA上で配向するという条件で、プラス鎖標的化ドメインを含んでなる任意のgRNAと対にされてもよい。一実施形態では、2つのgRNAを使用して、2つのCas9ヌクレアーゼまたは2つのCas9ニッカーゼが標的化され、例えば、表11に示される、A群からの標的化ドメインがあるgRNAが、B群からの任意の標的化ドメインがあるgRNAと対にされ得る。
表11Bは、第2階層パラメータに従って選択された、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9を使用した、PTPN6遺伝子ノックアウトの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、開始コドン下流の最初の500bpのコード配列中で結合して、良好な直交性を有し、Gから開始しない。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、二本鎖切断(Cas9ヌクレアーゼ)または一本鎖切断(Cas9ニッカーゼ)を生じる、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9分子と共に使用され得る。一実施形態では、二重標的化が使用されて、対向するDNA鎖と相補的な2つの標的化ドメインと共に、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9ニッカーゼが使用されて対向するDNA鎖上に2つのニックが生じ、例えば、任意のマイナス鎖標的化ドメインを含んでなるgRNAが、2つのgRNAが、PAMが外側を向きgRNAの5’末端間の距離が0~50bpであるようにDNA上で配向するという条件で、プラス鎖標的化ドメインを含んでなる任意のgRNAと対にされてもよい。
表11Cは、第3階層パラメータに従って選択された、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9を使用した、PTPN6遺伝子ノックアウトの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、開始コドン下流の最初の500bpのコード配列中で結合して、Gから開始する。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、二本鎖切断(Cas9ヌクレアーゼ)または一本鎖切断(Cas9ニッカーゼ)を生じる、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9分子と共に使用され得る。一実施形態では、二重標的化が使用されて、対向するDNA鎖と相補的な2つの標的化ドメインと共に、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9ニッカーゼが使用されて対向するDNA鎖上に2つのニックが生じ、例えば、任意のマイナス鎖標的化ドメインを含んでなるgRNAが、2つのgRNAが、PAMが外側を向きgRNAの5’末端間の距離が0~50bpであるようにDNA上で配向するという条件で、プラス鎖標的化ドメインを含んでなる任意のgRNAと対にされてもよい。
表11Dは、第4階層パラメータに従って選択された、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9を使用した、PTPN6遺伝子ノックアウトの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、開始コドン下流の最初の500bpのコード配列中で結合して、Gから開始しない。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、二本鎖切断(Cas9ヌクレアーゼ)または一本鎖切断(Cas9ニッカーゼ)を生じる、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9分子と共に使用され得る。一実施形態では、二重標的化が使用されて、対向するDNA鎖と相補的な2つの標的化ドメインと共に、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9ニッカーゼが使用されて対向するDNA鎖上に2つのニックが生じ、例えば、任意のマイナス鎖標的化ドメインを含んでなるgRNAが、2つのgRNAが、PAMが外側を向きgRNAの5’末端間の距離が0~50bpであるようにDNA上で配向するという条件で、プラス鎖標的化ドメインを含んでなる任意のgRNAと対にされてもよい。
表11Eは、第5階層パラメータに従って選択された、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9を使用した、PTPN6遺伝子ノックアウトの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、残りのコード配列中で結合する(最初の500bpの下流)。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、二本鎖切断(Cas9ヌクレアーゼ)または一本鎖切断(Cas9ニッカーゼ)を生じる、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9分子と共に使用され得る。一実施形態では、二重標的化が使用されて、対向するDNA鎖と相補的な2つの標的化ドメインと共に、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9ニッカーゼが使用されて対向するDNA鎖上に2つのニックが生じ、例えば、任意のマイナス鎖標的化ドメインを含んでなるgRNAが、2つのgRNAが、PAMが外側を向きgRNAの5’末端間の距離が0~50bpであるようにDNA上で配向するという条件で、プラス鎖標的化ドメインを含んでなる任意のgRNAと対にされてもよい。
表11Fは、第1階層パラメータに従って選択された、S.アウレウス(S.aureus)Cas9を使用した、PTPN6遺伝子ノックアウトの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、開始コドン下流の最初の500bpのコード配列中で結合する。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、二本鎖切断(Cas9ヌクレアーゼ)または一本鎖切断(Cas9ニッカーゼ)を生じる、S.アウレウス(S.aureus)Cas9分子と共に使用され得る。一実施形態では、二重標的化が使用されて、対向するDNA鎖と相補的な2つの標的化ドメインと共に、S.アウレウス(S.aureus)Cas9ニッカーゼが使用されて対向するDNA鎖上に2つのニックが生じ、例えば、任意のマイナス鎖標的化ドメインを含んでなるgRNAが、2つのgRNAが、PAMが外側を向きgRNAの5’末端間の距離が0~50bpであるようにDNA上で配向するという条件で、プラス鎖標的化ドメインを含んでなる任意のgRNAと対にされてもよい。
表11Gは、第2階層パラメータに従って選択された、S.アウレウス(S.aureus)Cas9を使用した、PTPN6遺伝子ノックアウトの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、残りのコード配列中で結合する(最初の500bpの下流)。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、二本鎖切断(Cas9ヌクレアーゼ)または一本鎖切断(Cas9ニッカーゼ)を生じる、S.アウレウス(S.aureus)Cas9分子と共に使用され得る。一実施形態では、二重標的化が使用されて、対向するDNA鎖と相補的な2つの標的化ドメインと共に、S.アウレウス(S.aureus)Cas9ニッカーゼが使用されて対向するDNA鎖上に2つのニックが生じ、例えば、任意のマイナス鎖標的化ドメインを含んでなるgRNAが、2つのgRNAが、PAMが外側を向きgRNAの5’末端間の距離が0~50bpであるようにDNA上で配向するという条件で、プラス鎖標的化ドメインを含んでなる任意のgRNAと対にされてもよい。
表11Hは、第1階層パラメータに従って選択された、N.メニンジチディス(N.meningitidis)Cas9を使用した、PTPN6遺伝子ノックアウトの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、開始コドン下流の最初の500bpのコード配列中で結合する。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、二本鎖切断(Cas9ヌクレアーゼ)または一本鎖切断(Cas9ニッカーゼ)を生じる、N.メニンジチディス(N.meningitidis)Cas9分子と共に使用され得る。一実施形態では、二重標的化が使用されて、対向するDNA鎖と相補的な2つの標的化ドメインと共に、N.メニンジチディス(N.meningitidis)Cas9ニッカーゼが使用されて対向するDNA鎖上に2つのニックが生じ、例えば、任意のマイナス鎖標的化ドメインを含んでなるgRNAが、2つのgRNAが、PAMが外側を向きgRNAの5’末端間の距離が0~50bpであるようにDNA上で配向するという条件で、プラス鎖標的化ドメインを含んでなる任意のgRNAと対にされてもよい。
表11Iは、第2階層パラメータに従って選択された、N.メニンジチディス(N.meningitidis)Cas9を使用した、PTPN6遺伝子ノックアウトの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、残りのコード配列(最初の500bpの下流)内で結合する。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、二本鎖切断(Cas9ヌクレアーゼ)または一本鎖切断(Cas9ニッカーゼ)を生じる、N.メニンジチディス(N.meningitidis)Cas9分子と共に使用され得る。一実施形態では、二重標的化が使用されて、対向するDNA鎖と相補的な2つの標的化ドメインと共に、N.メニンジチディス(N.meningitidis)Cas9ニッカーゼが使用されて対向するDNA鎖上に2つのニックが生じ、例えば、任意のマイナス鎖標的化ドメインを含んでなるgRNAが、2つのgRNAが、PAMが外側を向きgRNAの5’末端間の距離が0~50bpであるようにDNA上で配向するという条件で、プラス鎖標的化ドメインを含んでなる任意のgRNAと対にされてもよい。
表12Aは、第1階層パラメータに従って選択された、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9を使用した、PTPN6遺伝子ノックダウンの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、転写開始部位の500bp上流および下流内で結合して、良好な直交性を有し、Gから開始する。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、例えば、本明細書に記載されるようなeiCas9融合タンパク質などのS.ピオゲネス(S.pyogenes)eiCas9分子と共に使用され得る。
表12Bは、第2階層パラメータに従って選択された、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9を使用した、PTPN6遺伝子ノックダウンの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、転写開始部位の500bp上流および下流内で結合して、良好な直交性を有し、Gから開始しない。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、例えば、本明細書に記載されるようなeiCas9融合タンパク質などのS.ピオゲネス(S.pyogenes)eiCas9分子と共に使用され得る。
表12Cは、第3階層パラメータに従って選択された、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9を使用した、PTPN6遺伝子ノックダウンの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、転写開始部位の500bp上流および下流内で結合して、Gから開始する。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、例えば、本明細書に記載されるようなeiCas9融合タンパク質などのS.ピオゲネス(S.pyogenes)eiCas9分子と共に使用され得る。
表12Dは、第4階層パラメータに従って選択された、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9を使用した、PTPN6遺伝子ノックダウンの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、転写開始部位の500bp上流および下流内で結合して、Gから開始しない。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、例えば、本明細書に記載されるようなeiCas9融合タンパク質などのS.ピオゲネス(S.pyogenes)eiCas9分子と共に使用され得る。
表12Eは、第5階層パラメータに従って選択された、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9を使用した、PTPN6遺伝子ノックダウンの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、転写開始部位のさらに222bp上流および下流内(転写開始部位の722bp上流および1kb下流に及ぶ)で結合する。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、例えば、本明細書に記載されるようなeiCas9融合タンパク質などのS.ピオゲネス(S.pyogenes)eiCas9分子と共に使用され得る。
表12Fは、第1階層パラメータに従って選択された、S.アウレウス(S.aureus)Cas9を使用した、PTPN6遺伝子ノックダウンの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、転写開始部位の500bp上流および下流内で結合する。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、例えば、本明細書に記載されるようなeiCas9融合タンパク質などのS.アウレウス(S.aureus)eiCas9分子と共に使用され得る。
表12Gは、第2階層パラメータに従って選択された、S.アウレウス(S.aureus)Cas9を使用した、PTPN6遺伝子ノックダウンの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、転写開始部位のさらに222bp上流および下流内(転写開始部位の722bp上流および1kb下流に及ぶ)で結合する。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、例えば、本明細書に記載されるようなeiCas9融合タンパク質などのS.アウレウス(S.aureus)eiCas9分子と共に使用され得る。
表12Hは、第1階層パラメータに従って選択された、N.メニンジチディス(N.meningitidis)Cas9を使用した、PTPN6遺伝子ノックダウンの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、転写開始部位の500bp上流および下流内で結合する。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、例えば、本明細書に記載されるようなeiCas9融合タンパク質などのN.メニンジチディス(N.meningitidis)eiCas9分子と共に使用され得る。
表12Iは、第2階層パラメータに従って選択された、N.メニンジチディス(N.meningitidis)Cas9を使用した、PTPN6遺伝子ノックダウンの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、転写開始部位のさらに222bp上流および下流内(転写開始部位の722bp上流および1kb下流に及ぶ)で結合する。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、例えば、本明細書に記載されるようなeiCas9融合タンパク質などのN.メニンジチディス(N.meningitidis)eiCas9分子と共に使用され得る。
本明細書で開示される標的化ドメインは、表1A~I、表2A~I、表3A~H、表4A~I、表5A~I、表6A~I、表7A~H、表8A~H、表9A~I、表10A~I、表11A~I、表12A~Iに記載される17量体を含んでなってもよく、例えば、18ヌクレオチド以上の標的化ドメインは、表1A~I、表2A~I、表3A~H、表4A~I、表5A~I、表6A~I、表7A~H、表8A~H、表9A~I、表10A~I、表11A~I、表12A~Iに記載される17量体gRNAを含んでなってもよい。
本明細書で開示される標的化ドメインは、表1A~I、表2A~I、表3A~H、表4A~I、表5A~I、表6A~I、表7A~H、表8A~H、表9A~I、表10A~I、表11A~I、表12A~Iに記載される20量体gRNAを含んでなってもよく、例えば、21ヌクレオチド以上の標的化ドメインは、表1A~I、表2A~I、表3A~H、表4A~I、表5A~I、表6A~I、表7A~H、表8A~H、表9A~I、表10A~I、表11A~I、表12A~Iに記載される20量体gRNAを含んでなってもよい。
gRNAを設計および階層化する第2のストラテジー
S.ピオゲネス(S.pyogenes)、S.アウレウス(S.aureus)、およびN.メニンジチディス(N.meningtidis)Cas9酵素と共に使用されるgRNAを同定するために使用された第2のストラテジーは、第1のストラテジーとは、次のように異なった。
ガイドRNA(gRNA)と共に使用されるS.ピオゲネス(S.pyogenes)、S.アウレウス(S.aureus)、およびN.メニンジチディス(N.meningtidis)Cas9は、DNA配列検索アルゴリズムを使用して同定された。ガイドRNA設計は、公共ツールcas-offinderに基づく、特定用途向けガイドRNA設計ソフトウェアを使用して実施された(参考文献:Cas-OFFinder:a fast and versatile algorithm that searches for potential off-target sites of Cas9 RNA-guided endonucleases.,Bioinformatics.2014 Feb 17.Bae S,Park J,Kim JS.PMID:24463181)。前記特定用途向けガイドRNA設計ソフトウェアは、それらの全ゲノムでのオフターゲット性向を計算した後に、ガイドをスコアする。典型的に、完全な一致から7つのミスマッチに至るマッチが、17~24の長さに至るガイドのために検討される。ひとたびオフターゲット部位が計算的に評価されたら、各ガイドについて集約スコアが計算されて、ウェブインタフェースを使用して、表形式の出力に要約される。PAM配列に隣接する可能なgRNA部位を同定するのに加えて、ソフトウェアはまた、選択されたgRNA部位と、1、2、3つ以上のヌクレオチドが異なる、全てのPAM隣接配列も同定する。各遺伝子のゲノムのDNA配列は、UCSCゲノムブラウザから得られ、配列は、公的に利用可能なRepeatMaskerプログラムを使用して、反復要素についてスクリーニングされる。RepeatMaskerは、反復要素および低複雑度領域について、供試DNA配列を検索する。結果は、所与のクエリー配列中に存在する反復の詳細な注釈である。
同定に続いて、gRNAは、標的部位に対するそれらの距離またはそれらの直交性に基づいて、階層に格付けされた(例えば、S.ピオゲネス(S.pyogenes)の場合はNGGPAM、S.アウレウス(S.aureus)の場合はNNGRR(例えば、NNGRRTまたはNNGRRV)PAM、およびN.メニンジチディス(N.meningtidiss)の場合はNNNNGATTまたはNNNNGCTT PAMなどの妥当な(relavant)PAMを含有するヒトゲノム中の近いマッチの同定に基づく。直交性は、標的配列に対する最小数のミスマッチを含有するヒトゲノム中の配列数を指す。「高レベルの直交性」または「良好な直交性」は、例えば、ヒトゲノム中に意図される標的以外の同一配列を有さず、または標的配列中に1つまたは2つのミスマッチを含有する任意の配列を有さない、20量体gRNAを指してもよい。良好な直交性がある標的化ドメインが選択されて、オフターゲットDNA切断が最小化される。
一例として、S.ピオゲネス(S.pyogenes)およびN.メニンジチディス(N.meningtidiss)標的では、17量体、または20量体gRNAが設計された。別の例として、18量体、19量体、20量体、21量体、22量体、23量体、および24量体gRNAを標的化するS.アウレウス(S.aureus)が設計された。本明細書で開示される標的化ドメインは、本明細書で開示される標的化ドメインに記載される17量体を含んでなってもよく、表13A~K、表14A~K、表15A~F、表16A~K、表17A~K、表18A~K、表19A~J、表20A~J、表21A~K、表22A~K、表23A~J、表24A~K、表25A~G、表26A~G、表27、表29、表31、または表32に記載される17量体を含んでなってもよく、例えば、18ヌクレオチド以上の標的化ドメインは、表13A~K、表14A~K、表15A~F、表16A~K、表17A~K、表18A~K、表19A~J、表20A~J、表21A~K、表22A~K、表23A~J、表24A~K、表25A~G、表26A~G、表27、表29、表31、または表32に記載される17量体gRNAを含んでなってもよい。
本明細書で開示される標的化ドメインは、表13A~K、表14A~K、表15A~F、表16A~K、表17A~K、表18A~K、表19A~J、表20A~J、表21A~K、表22A~K、表23A~J、表24A~K、表25A~G、表26A~G、表27、表29、表31、または表32に記載される18量体を含んでなってもよく、例えば、19ヌクレオチド以上の標的化ドメインは、表13A~K、表14A~K、表15A~F、表16A~K、表17A~K、表18A~K、表19A~J、表20A~J、表21A~K、表22A~K、表23A~J、表24A~K、表25A~G、表26A~G、表27、表29、表31、または表32、表25A~G、表26A~G、表27、表29、表31、または表32に記載される18量体gRNを含んでなってもよい。
本明細書で開示される標的化ドメインは、表13A~K、表14A~K、表15A~F、表16A~K、表17A~K、表18A~K、表19A~J、表20A~J、表21A~K、表22A~K、表23A~J、表24A~K、表25A~G、表26A~G、表27、表29、表31、または表32に記載される19量体を含んでなってもよく、例えば、20ヌクレオチド以上の標的化ドメインは、表13A~K、表14A~K、表15A~F、表16A~K、表17A~K、表18A~K、表19A~J、表20A~J、表21A~K、表22A~K、表23A~J、表24A~K、表25A~G、表26A~G、表27、表29、表31、または表32に記載される19量体gRNAを含んでなってもよい。
本明細書で開示される標的化ドメインは、表13A~K、表14A~K、表15A~F、表16A~K、表17A~K、表18A~K、表19A~J、表20A~J、表21A~K、表22A~K、表23A~J、表24A~K、表25A~G、表26A~G、表27、表29、表31、または表32に記載される20量体gRNAを含んでなってもよく、例えば、21ヌクレオチド以上の標的化ドメインは、表13A~K、表14A~K、表15A~F、表16A~K、表17A~K、表18A~K、表19A~J、表20A~J、表21A~K、表22A~K、表23A~J、表24A~K、表25A~G、表26A~G、表27、表29、表31、または表32に記載される20量体gRNAを含んでなってもよい。
本明細書で開示される標的化ドメインは、表13A~K、表14A~K、表15A~F、表16A~K、表17A~K、表18A~K、表19A~J、表20A~J、表21A~K、表22A~K、表23A~J、表24A~K、表25A~G、表26A~G、表27、表29、表31、または表32に記載される21量体を含んでなってもよく、例えば、22ヌクレオチド以上の標的化ドメインは、表13A~K、表14A~K、表15A~F、表16A~K、表17A~K、表18A~K、表19A~J、表20A~J、表21A~K、表22A~K、表23A~J、表24A~K、表25A~G、表26A~G、表27、表29、表31、または表32に記載される21量体gRNAを含んでなってもよい。
本明細書で開示される標的化ドメインは、表13A~K、表14A~K、表15A~F、表16A~K、表17A~K、表18A~K、表19A~J、表20A~J、表21A~K、表22A~K、表23A~J、表24A~K、表25A~G、表26A~G、表27、表29、表31、または表32に記載される22量体を含んでなってもよく、例えば、23ヌクレオチド以上の標的化ドメインは、表13A~K、表14A~K、表15A~F、表16A~K、表17A~K、表18A~K、表19A~J、表20A~J、表21A~K、表22A~K、表23A~J、表24A~K、表25A~G、表26A~G、表27、表29、表31、または表32に記載される22量体gRNAを含んでなってもよい。
本明細書で開示される標的化ドメインは、表13A~K、表14A~K、表15A~F、表16A~K、表17A~K、表18A~K、表19A~J、表20A~J、表21A~K、表22A~K、表23A~J、表24A~K、表25A~G、表26A~G、表27、表29、表31、または表32に記載される23量体を含んでなってもよく、例えば、24ヌクレオチド以上の標的化ドメインは、表13A~K、表14A~K、表15A~F、表16A~K、表17A~K、表18A~K、表19A~J、表20A~J、表21A~K、表22A~K、表23A~J、表24A~K、表25A~G、表26A~G、表27、表29、表31、または表32に記載される23量体gRNAを含んでなってもよい。
本明細書で開示される標的化ドメインは、表13A~K、表14A~K、表15A~F、表16A~K、表17A~K、表18A~K、表19A~J、表20A~J、表21A~K、表22A~K、表23A~J、表24A~K、表25A~G、表26A~G、表27、表29、表31、または表32に記載される24量体を含んでなってもよく、例えば、25ヌクレオチド以上の標的化ドメインは、表13A~K、表14A~K、表15A~F、表16A~K、表17A~K、表18A~K、表19A~J、表20A~J、表21A~K、表22A~K、表23A~J、表24A~K、表25A~G、表26A~G、表27、表29、表31、または表32に記載される24量体gRNAを含んでなってもよい。
単一gRNAヌクレアーゼ切断および二重gRNA対形成「ニッカーゼ」ストラテジーの双方で、gRNAが同定された。gRNAを選択する基準、およびいずれのストラテジーに対していずれのgRNAが使用され得るかという判定は、いくつかの考察に基づく:
1.gRNA対は、DNA上で、PAM上が外側を向き、D10A Cas9ニッカーゼによる切断が、5’オーバーハングをもたらすような配向であるべきである。
2.二重ニッカーゼ対による切断が、妥当な出現頻度で全介在配列の欠失をもたらすという仮説。しかし、それはまたgRNAの1つのみの部位にインデル変異をもたらすことが多い。候補ペア構成要素は、1つのgRNA部位に単にインデル変異を引き起こす場合と比較して、全配列をいかに効率的に除去するかについて試験され得る。
本明細書で考察される標的化ドメインは、本明細書に記載されるgRNAに組み込み得る。
ノックアウトストラテジーを設計するために、いくつかの実施形態では、S.ピオゲネス(S.pyogenes)の階層1 gRNA分子の標的化ドメインが、標的部位からのそれらの距離およびそれらの直交性に基づいて選択された(PAMはNGGである)。階層1 gRNA分子の標的化ドメインは、(1)例えば、開始コドン下流の最初の500bpのコード配列中などの標的位置との妥当な距離、および(2)高レベルの直交性に基づいて選択された。階層2 gRNAの選択では、高レベルの直交性は要求されなかった。階層3 gRNAは、良好な直交性の要求が除外され、より長い配列(例えば、コード配列の残りの部分)がスキャンされた。階層は、非包括的であることに留意されたい(各gRNAisは、1回のみ列挙される)。場合によっては、gRNAは、特定の階層基準に基づいて同定されなかった。
ノックアウトストラテジー設計するために、いくつかの実施形態では、N.メニンジチディス(N.meningtidis)のための階層1 gRNA分子の標的化ドメインは、コード配列の最初の500bp内で選択されて、高レベルの直交性を有した。N.メニンジチディス(N.meningtidis)のための階層2 gRNA分子の標的化ドメインは、コード配列の最初の500bp内で選択され、高い直交性は要求されなかった。N.メニンジチディス(N.meningtidis)のための階層3 gRNA分子の標的化ドメインは、500bp下流の残りのコード配列中で選択された。階層は、非包括的であることに留意されたい(各gRNAisは、1回のみ列挙される)。場合によっては、gRNAは、特定の階層基準に基づいて同定されなかった。
ノックアウトストラテジーを設計するために、いくつかの実施形態では、S.アウレウス(S.aureus)の階層1 grNA分子の標的化ドメインが、コード配列の最初の500bp内で選択され、高レベルの直交性を有し、NNGRRT PAMを含んだ。S.アウレウス(S.aureus)の階層2 grNA分子の標的化ドメインは、コード配列の最初の500bp内で選択され、いかなる直交性レベルも要求されず、NNGRRT PAMを含んだ。S.アウレウス(S.aureus)の階層3 gRNA分子の標的化ドメインは、残りの下流コード配列中で選択されて、NNGRRT PAMを含んだ。S.アウレウス(S.aureus)の階層4 gRNA分子の標的化ドメインは、コード配列の最初の500bp内で選択され、NNGRRV PAMを含んだ。S.アウレウス(S.aureus)の階層5gRNA分子の標的化ドメインは、残りの下流コード配列中で選択されて、NNGRRV PAMを含んだ。階層は、非包括的であることに留意されたい(各gRNAisは、1回のみ列挙される)。場合によっては、gRNAは、特定の階層基準に基づいて同定されなかった。
ノックダウンストラテジーのためのgRNA分子を設計するために、いくつかの実施形態では、S.ピオゲネス(S.pyogenes)のための階層1 gRNA分子の標的化ドメインが、転写開始部位の上流および下流の最初の500bp内で選択され、高レベルの直交性を有した。S.ピオゲネス(S.pyogenes)のための階層2 gRNA分子の標的化ドメインは、転写開始部位の上流および下流の最初の500bp内で選択され、高い直交性は要求されなかった。S.ピオゲネス(S.pyogenes)のための階層3 gRNA分子の標的化ドメインは、転写開始部位の上流および下流のさらに500bp内(例えば、転写開始部位上流および下流の1kbに及ぶ)で選択された。階層は、非包括的であることに留意されたい(各gRNAisは、1回のみ列挙される)。場合によっては、gRNAは、特定の階層基準に基づいて同定されなかった。
ノックダウンストラテジーのためのgRNA分子を設計するために、いくつかの実施形態では、N.メニンジチディス(N.meningtidis)のための階層1 gRNA分子の標的化ドメインが、転写開始部位の上流および下流の最初の500bp内で選択され、高レベルの直交性を有した。N.メニンジチディス(N.meningtidis)のための階層2 gRNA分子の標的化ドメインは、転写開始部位の上流および下流の最初の500bp内で選択され、高い直交性は要求されなかった。N.メニンジチディス(N.meningtidis)のための階層3 gRNA分子の標的化ドメインは、転写開始部位の上流および下流のさらに500bp内(例えば、転写開始部位の上流および下流の1kbに及ぶ)で選択された。階層は、非包括的であることに留意されたい(各gRNAisは、1回のみ列挙される)。場合によっては、gRNAは、特定の階層基準に基づいて同定されなかった。
ノックダウンストラテジーのためのgRNA分子を設計するために、いくつかの実施形態では、S.アウレウス(S.aureus)の階層1 gRNA分子の標的化ドメインが、転写開始部位の500bp上流および下流内で選択されて、高レベルの直交性、およびPAMはNNGRRTである。S.アウレウス(S.aureus)の階層2 gRNA分子の標的化ドメインは、転写開始部位の500bp上流および下流内で選択され、直交性は要求されず、PAMはNNGRRTである。S.アウレウス(S.aureus)のための階層3 gRNA分子の標的化ドメインは、転写開始部位の上流および下流のさらに500bp内(例えば、転写開始部位上流および下流の1kbに及ぶ)で選択され、PAMはNNGRRTである。S.アウレウス(S.aureus)の階層4 gRNA分子の標的化ドメインは、転写開始部位の500bp上流および下流内で選択され、PAMはNNGRRVである。S.アウレウス(S.aureus)のための階層5 gRNA分子の標的化ドメインは、転写開始部位の上流および下流のさらに500bp内(転写開始部位上流および下流の1kbに及ぶ)で選択され、PAMはNNGRRVである。階層は、非包括的であることに留意されたい(各gRNAisは、1回のみ列挙される)。場合によっては、gRNAは、特定の階層基準に基づいて同定されなかった。
代表的標的化ドメイン(第2のストラテジー)
以下は、第2の設計および階層化ストラテジーに従った代表的標的化ドメインを提供する表である。一例として、S.ピオゲネス(S.pyogenes)およびN.メニンジチディス(N.meningtidis)標的では、17量体、または20量体gRNAが設計された。別の例として、18量体、19量体、20量体、21量体、22量体、23量体、および24量体gRNAを標的化するS.アウレウス(S.aureus)が設計された。
表13Aは、第1階層パラメータに従って選択された、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9を使用した、FAS遺伝子ノックアウトの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、開始コドン下流の最初の500bpのコード配列中で結合して、良好な直交性を有した。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、二本鎖切断(Cas9ヌクレアーゼ)または一本鎖切断(Cas9ニッカーゼ)を生じる、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9分子と共に使用され得る。一実施形態では、二重標的化が使用されて、対向するDNA鎖と相補的な2つの標的化ドメインと共に、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9ニッカーゼが使用されて対向するDNA鎖上に2つのニックが生じ、例えば、任意のマイナス鎖標的化ドメインを含んでなるgRNAが、2つのgRNAが、PAMが外側を向きgRNAの5’末端間の距離が0~50bpであるようにDNA上で配向するという条件で、プラス鎖標的化ドメインを含んでなる任意のgRNAと対にされてもよい。
表13Bは、第2階層パラメータに従って選択された、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9を使用した、FAS遺伝子ノックアウトの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、開始コドン下流の最初の500bpのコード配列中で結合して、良好な直交性は要求されなかった。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、二本鎖切断(Cas9ヌクレアーゼ)または一本鎖切断(Cas9ニッカーゼ)を生じる、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9分子と共に使用され得る。一実施形態では、二重標的化が使用されて、対向するDNA鎖と相補的な2つの標的化ドメインと共に、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9ニッカーゼが使用されて対向するDNA鎖上に2つのニックが生じ、例えば、任意のマイナス鎖標的化ドメインを含んでなるgRNAが、2つのgRNAが、PAMが外側を向きgRNAの5’末端間の距離が0~50bpであるようにDNA上で配向するという条件で、プラス鎖標的化ドメインを含んでなる任意のgRNAと対にされてもよい。
表13Cは、第3階層パラメータに従って選択された、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9を使用した、FAS遺伝子ノックアウトの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、開始コドン下流の最初の500bpのコード配列を超えて、良好な直交性は要求されなかった。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、二本鎖切断(Cas9ヌクレアーゼ)または一本鎖切断(Cas9ニッカーゼ)を生じる、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9分子と共に使用され得る。一実施形態では、二重標的化が使用されて、対向するDNA鎖と相補的な2つの標的化ドメインと共に、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9ニッカーゼが使用されて対向するDNA鎖上に2つのニックが生じ、例えば、任意のマイナス鎖標的化ドメインを含んでなるgRNAが、2つのgRNAが、PAMが外側を向きgRNAの5’末端間の距離が0~50bpであるようにDNA上で配向するという条件で、プラス鎖標的化ドメインを含んでなる任意のgRNAと対にされてもよい。
表13Dは、第1階層パラメータに従って選択された、S.アウレウス(S.aureus)Cas9を使用した、FAS遺伝子ノックアウトの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、コード配列の最初の500bp内で選択され、高レベルの直交性を有し、NNGRRT PAMを含んだ。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、二本鎖切断(Cas9ヌクレアーゼ)または一本鎖切断(Cas9ニッカーゼ)を生じる、S.アウレウス(S.aureus)Cas9分子と共に使用され得る。一実施形態では、二重標的化が使用されて、対向するDNA鎖と相補的な2つの標的化ドメインと共に、S.アウレウス(S.aureus)Cas9ニッカーゼが使用されて対向するDNA鎖上に2つのニックが生じ、例えば、任意のマイナス鎖標的化ドメインを含んでなるgRNAが、2つのgRNAが、PAMが外側を向きgRNAの5’末端間の距離が0~50bpであるようにDNA上で配向するという条件で、プラス鎖標的化ドメインを含んでなる任意のgRNAと対にされてもよい。
表13Eは、第2階層パラメータに従って選択された、S.アウレウス(S.aureus)Cas9を使用した、FAS遺伝子ノックアウトの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、コード配列の最初の500bp内から選択され、直交性のレベルは要求されず、NNGRRT PAMを含んだ。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、二本鎖切断(Cas9ヌクレアーゼ)または一本鎖切断(Cas9ニッカーゼ)を生じる、S.アウレウス(S.aureus)Cas9分子と共に使用され得る。一実施形態では、二重標的化が使用されて、対向するDNA鎖と相補的な2つの標的化ドメインと共に、S.アウレウス(S.aureus)Cas9ニッカーゼが使用されて対向するDNA鎖上に2つのニックが生じ、例えば、任意のマイナス鎖標的化ドメインを含んでなるgRNAが、2つのgRNAが、PAMが外側を向きgRNAの5’末端間の距離が0~50bpであるようにDNA上で配向するという条件で、プラス鎖標的化ドメインを含んでなる任意のgRNAと対にされてもよい。
表13Fは、第3階層パラメータに従って選択された、S.アウレウス(S.aureus)Cas9を使用した、FAS遺伝子ノックアウトの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、残りの下流コード配列中で選択され、NNGRRT PAMを含んだ。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、二本鎖切断(Cas9ヌクレアーゼ)または一本鎖切断(Cas9ニッカーゼ)を生じる、S.アウレウス(S.aureus)Cas9分子と共に使用され得る。一実施形態では、二重標的化が使用されて、対向するDNA鎖と相補的な2つの標的化ドメインと共に、S.アウレウス(S.aureus)Cas9ニッカーゼが使用されて対向するDNA鎖上に2つのニックが生じ、例えば、任意のマイナス鎖標的化ドメインを含んでなるgRNAが、2つのgRNAが、PAMが外側を向きgRNAの5’末端間の距離が0~50bpであるようにDNA上で配向するという条件で、プラス鎖標的化ドメインを含んでなる任意のgRNAと対にされてもよい。
表13Gは、第4階層パラメータに従って選択された、S.アウレウス(S.aureus)Cas9を使用した、FAS遺伝子ノックアウトの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、コード配列の最初の500bp内で選択され、NNGRRV PAMを含んだ。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、二本鎖切断(Cas9ヌクレアーゼ)または一本鎖切断(Cas9ニッカーゼ)を生じる、S.アウレウス(S.aureus)Cas9分子と共に使用され得る。一実施形態では、二重標的化が使用されて、対向するDNA鎖と相補的な2つの標的化ドメインと共に、S.アウレウス(S.aureus)Cas9ニッカーゼが使用されて対向するDNA鎖上に2つのニックが生じ、例えば、任意のマイナス鎖標的化ドメインを含んでなるgRNAが、2つのgRNAが、PAMが外側を向きgRNAの5’末端間の距離が0~50bpであるようにDNA上で配向するという条件で、プラス鎖標的化ドメインを含んでなる任意のgRNAと対にされてもよい。
表13Hは、第5階層パラメータに従って選択された、S.アウレウス(S.aureus)Cas9を使用した、FAS遺伝子ノックアウトの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、残りの下流コード配列中で選択され、NNGRRV PAMを含んだ。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、二本鎖切断(Cas9ヌクレアーゼ)または一本鎖切断(Cas9ニッカーゼ)を生じる、S.アウレウス(S.aureus)Cas9分子と共に使用され得る。一実施形態では、二重標的化が使用されて、対向するDNA鎖と相補的な2つの標的化ドメインと共に、S.アウレウス(S.aureus)Cas9ニッカーゼが使用されて対向するDNA鎖上に2つのニックが生じ、例えば、任意のマイナス鎖標的化ドメインを含んでなるgRNAが、2つのgRNAが、PAMが外側を向きgRNAの5’末端間の距離が0~50bpであるようにDNA上で配向するという条件で、プラス鎖標的化ドメインを含んでなる任意のgRNAと対にされてもよい。
表13Iは、第1階層パラメータに従って選択された、N.メニンジチディス(N.meningitidis)Cas9を使用した、FAS遺伝子ノックアウトの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、開始コドン下流の最初の500bpのコード配列中で結合して、良好な直交性を有した。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、二本鎖切断(Cas9ヌクレアーゼ)または一本鎖切断(Cas9ニッカーゼ)を生じる、N.メニンジチディス(N.meningitidis)Cas9分子と共に使用され得る。一実施形態では、二重標的化が使用されて、対向するDNA鎖と相補的な2つの標的化ドメインと共に、N.メニンジチディス(N.meningitidis)ニッカーゼが使用されて対向するDNA鎖上に2つのニックが生じ、例えば、任意のマイナス鎖標的化ドメインを含んでなるgRNAが、2つのgRNAが、PAMが外側を向きgRNAの5’末端間の距離が0~50bpであるようにDNA上で配向するという条件で、プラス鎖標的化ドメインを含んでなる任意のgRNAと対にされてもよい。
表13Jは、第2階層パラメータに従って選択された、N.メニンジチディス(N.meningitidis)Cas9を使用した、FAS遺伝子ノックアウトの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、開始コドン下流の最初の500bpのコード配列中で結合して、良好な直交性は要求されなかった。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、二本鎖切断(Cas9ヌクレアーゼ)または一本鎖切断(Cas9ニッカーゼ)を生じる、N.メニンジチディス(N.meningitidis)Cas9分子と共に使用され得る。一実施形態では、二重標的化が使用されて、対向するDNA鎖と相補的な2つの標的化ドメインと共に、N.メニンジチディス(N.meningitidis)Cas9ニッカーゼが使用されて対向するDNA鎖上に2つのニックが生じ、例えば、任意のマイナス鎖標的化ドメインを含んでなるgRNAが、2つのgRNAが、PAMが外側を向きgRNAの5’末端間の距離が0~50bpであるようにDNA上で配向するという条件で、プラス鎖標的化ドメインを含んでなる任意のgRNAと対にされてもよい。
表13Kは、第3階層パラメータに従って選択された、N.メニンジチディス(N.meningitidis)Cas9を使用した、FAS遺伝子ノックアウトの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、開始コドン下流の最初の500bpのコード配列を超えて、良好な直交性は要求されなかった。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、二本鎖切断(Cas9ヌクレアーゼ)または一本鎖切断(Cas9ニッカーゼ)を生じる、N.メニンジチディス(N.meningitidis)Cas9分子と共に使用され得る。一実施形態では、二重標的化が使用されて、対向するDNA鎖と相補的な2つの標的化ドメインと共に、N.メニンジチディス(N.meningitidis)Cas9ニッカーゼが使用されて対向するDNA鎖上に2つのニックが生じ、例えば、任意のマイナス鎖標的化ドメインを含んでなるgRNAが、2つのgRNAが、PAMが外側を向きgRNAの5’末端間の距離が0~50bpであるようにDNA上で配向するという条件で、プラス鎖標的化ドメインを含んでなる任意のgRNAと対にされてもよい。
表14Aは、第1階層パラメータに従って選択された、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9を使用した、FAS遺伝子ノックダウンの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、転写開始部位の最初の500bp上流および下流内で選択され、高レベルの直交性を有した。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、例えば、本明細書に記載されるようなeiCas9融合タンパク質などのS.ピオゲネス(S.pyogenes)eiCas9分子と共に使用され得る。
表14Bは、第2階層パラメータに従って選択された、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9を使用した、FAS遺伝子ノックダウンの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、転写開始部位の最初の500bp上流および下流内で選択されて、高い直交性は要求されなかった。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、例えば、本明細書に記載されるようなeiCas9融合タンパク質などのS.ピオゲネス(S.pyogenes)eiCas9分子と共に使用され得る。
表14Cは、第3階層パラメータに従って選択された、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9を使用した、FAS遺伝子ノックダウンの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、転写開始部位のさらに500bp上流および下流内(例えば、転写開始部位の1kb上流および下流に及ぶ)で選択される。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、例えば、本明細書に記載されるようなeiCas9融合タンパク質などのS.ピオゲネス(S.pyogenes)eiCas9分子と共に使用され得る。
表14Dは、第1階層パラメータに従って選択された、S.アウレウス(S.aureus)Cas9を使用した、FAS遺伝子ノックダウンの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、転写開始部位の500bp上流および下流内で選択され、高レベルの直交性、PAMはNNGRRTである。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、例えば、本明細書に記載されるようなeiCas9融合タンパク質などのS.アウレウス(S.aureus)eiCas9分子と共に使用され得る。
表14Eは、第2階層パラメータに従って選択された、S.アウレウス(S.aureus)Cas9を使用した、FAS遺伝子ノックダウンの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、転写開始部位の500bp上流および下流内で選択され、直交性は要求されず、PAMはNNGRRTである。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、例えば、本明細書に記載されるようなeiCas9融合タンパク質などのS.アウレウス(S.aureus)eiCas9分子と共に使用され得る。
表14Fは、第3階層パラメータに従って選択された、S.アウレウス(S.aureus)Cas9を使用した、FAS遺伝子ノックダウンの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、転写開始部位のさらに500bp上流および下流内(例えば、転写開始部位の1kb上流および下流に及ぶ)で選択され、PAMはNNGRRTである。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、例えば、本明細書に記載されるようなeiCas9融合タンパク質などのS.アウレウス(S.aureus)eiCas9分子と共に使用され得る。
表14Gは、第4階層パラメータに従って選択された、S.アウレウス(S.aureus)Cas9を使用した、FAS遺伝子ノックダウンの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、転写開始部位の500bp上流および下流内で選択され、PAMはNNGRRVである。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、例えば、本明細書に記載されるようなeiCas9融合タンパク質などのS.アウレウス(S.aureus)eiCas9分子と共に使用され得る。
表14Hは、第5階層パラメータに従って選択された、S.アウレウス(S.aureus)Cas9を使用した、FAS遺伝子ノックダウンの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、転写開始部位のさらに500bp上流および下流内(転写開始部位の1kb上流および下流に及ぶ)で選択され、PAMはNNGRRVである。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、例えば、本明細書に記載されるようなeiCas9融合タンパク質などのS.アウレウス(S.aureus)eiCas9分子と共に使用され得る。
表14Iは、第1階層パラメータに従って選択された、N.メニンジチディス(N.meningitidis)Cas9を使用した、FAS遺伝子ノックダウンの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、転写開始部位の最初の500bp上流および下流内で選択され、高レベルの直交性を有した。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、例えば、本明細書に記載されるようなeiCas9融合タンパク質などのN.メニンジチディス(N.meningitidis)eiCas9分子と共に使用され得る。
表14Jは、第2階層パラメータに従って選択された、N.メニンジチディス(N.meningitidis)Cas9を使用した、FAS遺伝子ノックダウンの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、転写開始部位の最初の500bp上流および下流内で選択されて、高い直交性は要求されなかった。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、例えば、本明細書に記載されるようなeiCas9融合タンパク質などのN.メニンジチディス(N.meningitidis)eiCas9分子と共に使用され得る。
表14Kは、第3階層パラメータに従って選択された、N.メニンジチディス(N.meningitidis)Cas9を使用した、FAS遺伝子ノックダウンの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、転写開始部位のさらに500bp上流および下流内(例えば、転写開始部位の1kb上流および下流に及ぶ)で選択される。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、例えば、本明細書に記載されるようなeiCas9融合タンパク質などのN.メニンジチディス(N.meningitidis)eiCas9分子と共に使用され得る。
表15Aは、第1階層パラメータに従って選択された、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9を使用した、BID遺伝子ノックアウトの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、開始コドン下流の最初の500bpのコード配列中で結合して、良好な直交性を有した。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、二本鎖切断(Cas9ヌクレアーゼ)または一本鎖切断(Cas9ニッカーゼ)を生じる、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9分子と共に使用され得る。一実施形態では、二重標的化が使用されて、対向するDNA鎖と相補的な2つの標的化ドメインと共に、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9ニッカーゼが使用されて対向するDNA鎖上に2つのニックが生じ、例えば、任意のマイナス鎖標的化ドメインを含んでなるgRNAが、2つのgRNAが、PAMが外側を向きgRNAの5’末端間の距離が0~50bpであるようにDNA上で配向するという条件で、プラス鎖標的化ドメインを含んでなる任意のgRNAと対にされてもよい。
表15Bは、第2階層パラメータに従って選択された、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9を使用した、BID遺伝子ノックアウトの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、開始コドン下流の最初の500bpのコード配列中で結合して、良好な直交性は要求されなかった。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、二本鎖切断(Cas9ヌクレアーゼ)または一本鎖切断(Cas9ニッカーゼ)を生じる、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9分子と共に使用され得る。一実施形態では、二重標的化が使用されて、対向するDNA鎖と相補的な2つの標的化ドメインと共に、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9ニッカーゼが使用されて対向するDNA鎖上に2つのニックが生じ、例えば、任意のマイナス鎖標的化ドメインを含んでなるgRNAが、2つのgRNAが、PAMが外側を向きgRNAの5’末端間の距離が0~50bpであるようにDNA上で配向するという条件で、プラス鎖標的化ドメインを含んでなる任意のgRNAと対にされてもよい。
表15Cは、第1階層パラメータに従って選択された、S.アウレウス(S.aureus)Cas9を使用した、BID遺伝子ノックアウトの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、コード配列の最初の500bp内で選択され、高レベルの直交性を有し、NNGRRT PAMを含んだ。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、二本鎖切断(Cas9ヌクレアーゼ)または一本鎖切断(Cas9ニッカーゼ)を生じる、S.アウレウス(S.aureus)Cas9分子と共に使用され得る。一実施形態では、二重標的化が使用されて、対向するDNA鎖と相補的な2つの標的化ドメインと共に、S.アウレウス(S.aureus)Cas9ニッカーゼが使用されて対向するDNA鎖上に2つのニックが生じ、例えば、任意のマイナス鎖標的化ドメインを含んでなるgRNAが、2つのgRNAが、PAMが外側を向きgRNAの5’末端間の距離が0~50bpであるようにDNA上で配向するという条件で、プラス鎖標的化ドメインを含んでなる任意のgRNAと対にされてもよい。
表15Dは、第2階層パラメータに従って選択された、S.アウレウス(S.aureus)Cas9を使用したBID遺伝子ノックアウトの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、コード配列の最初の500bp内から選択され、直交性のレベルは要求されず、NNGRRT PAMを含んだ。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、二本鎖切断(Cas9ヌクレアーゼ)または一本鎖切断(Cas9ニッカーゼ)を生じる、S.アウレウス(S.aureus)Cas9分子と共に使用され得る。一実施形態では、二重標的化が使用されて、対向するDNA鎖と相補的な2つの標的化ドメインと共に、S.アウレウス(S.aureus)Cas9ニッカーゼが使用されて対向するDNA鎖上に2つのニックが生じ、例えば、任意のマイナス鎖標的化ドメインを含んでなるgRNAが、2つのgRNAが、PAMが外側を向きgRNAの5’末端間の距離が0~50bpであるようにDNA上で配向するという条件で、プラス鎖標的化ドメインを含んでなる任意のgRNAと対にされてもよい。
表15Eは、第3階層パラメータに従って選択された、S.アウレウス(S.aureus)Cas9を使用したBID遺伝子ノックアウトの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、残りの下流コード配列中で選択され、NNGRRT PAMを含んだ。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、二本鎖切断(Cas9ヌクレアーゼ)または一本鎖切断(Cas9ニッカーゼ)を生じる、S.アウレウス(S.aureus)Cas9分子と共に使用され得る。一実施形態では、二重標的化が使用されて、対向するDNA鎖と相補的な2つの標的化ドメインと共に、S.アウレウス(S.aureus)Cas9ニッカーゼが使用されて対向するDNA鎖上に2つのニックが生じ、例えば、任意のマイナス鎖標的化ドメインを含んでなるgRNAが、2つのgRNAが、PAMが外側を向きgRNAの5’末端間の距離が0~50bpであるようにDNA上で配向するという条件で、プラス鎖標的化ドメインを含んでなる任意のgRNAと対にされてもよい。
表15Fは、第1階層パラメータに従って選択された、N.メニンジチディス(N.meningitidis)Cas9を使用した、BID遺伝子ノックアウトの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、開始コドン下流の最初の500bpのコード配列中で結合して、良好な直交性を有した。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、二本鎖切断(Cas9ヌクレアーゼ)または一本鎖切断(Cas9ニッカーゼ)を生じる、N.メニンジチディス(N.meningitidis)Cas9分子と共に使用され得る。一実施形態では、二重標的化が使用されて、対向するDNA鎖と相補的な2つの標的化ドメインと共に、N.メニンジチディス(N.meningitidis)ニッカーゼが使用されて対向するDNA鎖上に2つのニックが生じ、例えば、任意のマイナス鎖標的化ドメインを含んでなるgRNAが、2つのgRNAが、PAMが外側を向きgRNAの5’末端間の距離が0~50bpであるようにDNA上で配向するという条件で、プラス鎖標的化ドメインを含んでなる任意のgRNAと対にされてもよい。
表16Aは、第1階層パラメータに従って選択された、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9を使用した、BID遺伝子ノックダウンの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、転写開始部位の最初の500bp上流および下流内で選択され、高レベルの直交性を有した。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、例えば、本明細書に記載されるようなeiCas9融合タンパク質などのS.ピオゲネス(S.pyogenes)eiCas9分子と共に使用され得る。
表16Bは、第2階層パラメータに従って選択された、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9を使用した、BID遺伝子ノックダウンの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、転写開始部位の最初の500bp上流および下流内で選択されて、高い直交性は要求されなかった。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、例えば、本明細書に記載されるようなeiCas9融合タンパク質などのS.ピオゲネス(S.pyogenes)eiCas9分子と共に使用され得る。
表16Cは、第3階層パラメータに従って選択された、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9を使用した、BID遺伝子ノックダウンの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、転写開始部位のさらに500bp上流および下流内(例えば、転写開始部位の1kb上流および下流に及ぶ)で選択される。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、例えば、本明細書に記載されるようなeiCas9融合タンパク質などのS.ピオゲネス(S.pyogenes)eiCas9分子と共に使用され得る。
表16Dは、第1階層パラメータに従って選択された、S.アウレウス(S.aureus)Cas9を使用した、BID遺伝子ノックダウンの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、転写開始部位の500bp上流および下流内で選択され、高レベルの直交性、PAMはNNGRRTである。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、例えば、本明細書に記載されるようなeiCas9融合タンパク質などのS.アウレウス(S.aureus)eiCas9分子と共に使用され得る。
表16Eは、第2階層パラメータに従って選択された、S.アウレウス(S.aureus)Cas9を使用した、BID遺伝子ノックダウンの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、転写開始部位の500bp上流および下流内で選択され、直交性は要求されず、PAMはNNGRRTである。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、例えば、本明細書に記載されるようなeiCas9融合タンパク質などのS.アウレウス(S.aureus)eiCas9分子と共に使用され得る。
表16Fは、第3階層パラメータに従って選択された、S.アウレウス(S.aureus)Cas9を使用した、BID遺伝子ノックダウンの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、転写開始部位のさらに500bp上流および下流内(例えば、転写開始部位の1kb上流および下流に及ぶ)で選択され、PAMはNNGRRTである。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、例えば、本明細書に記載されるようなeiCas9融合タンパク質などのS.アウレウス(S.aureus)eiCas9分子と共に使用され得る。
表16Gは、第4階層パラメータに従って選択された、S.アウレウス(S.aureus)Cas9を使用した、BID遺伝子ノックダウンの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、コード配列の最初の500bp内で選択され、NNGRRV PAMを含んだ。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、二本鎖切断(Cas9ヌクレアーゼ)または一本鎖切断(Cas9ニッカーゼ)を生じる、S.アウレウス(S.aureus)Cas9分子と共に使用され得る。一実施形態では、二重標的化が使用されて、対向するDNA鎖と相補的な2つの標的化ドメインと共に、S.アウレウス(S.aureus)Cas9ニッカーゼが使用されて対向するDNA鎖上に2つのニックが生じ、例えば、任意のマイナス鎖標的化ドメインを含んでなるgRNAが、2つのgRNAが、PAMが外側を向きgRNAの5’末端間の距離が0~50bpであるようにDNA上で配向するという条件で、プラス鎖標的化ドメインを含んでなる任意のgRNAと対にされてもよい。
表16Hは、第5階層パラメータに従って選択された、S.アウレウス(S.aureus)Cas9を使用した、BID遺伝子ノックダウンの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、残りの下流コード配列中で選択され、NNGRRV PAMを含んだ。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、二本鎖切断(Cas9ヌクレアーゼ)または一本鎖切断(Cas9ニッカーゼ)を生じる、S.アウレウス(S.aureus)Cas9分子と共に使用され得る。一実施形態では、二重標的化が使用されて、対向するDNA鎖と相補的な2つの標的化ドメインと共に、S.アウレウス(S.aureus)Cas9ニッカーゼが使用されて対向するDNA鎖上に2つのニックが生じ、例えば、任意のマイナス鎖標的化ドメインを含んでなるgRNAが、2つのgRNAが、PAMが外側を向きgRNAの5’末端間の距離が0~50bpであるようにDNA上で配向するという条件で、プラス鎖標的化ドメインを含んでなる任意のgRNAと対にされてもよい。
表16Iは、第1階層パラメータに従って選択された、N.メニンジチディス(N.meningitidis)Cas9を使用した、BID遺伝子ノックダウンの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、転写開始部位の最初の500bp上流および下流内で選択され、高レベルの直交性を有した。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、例えば、本明細書に記載されるようなeiCas9融合タンパク質などのN.メニンジチディス(N.meningitidis)eiCas9分子と共に使用され得る。
表16Jは、第2階層パラメータに従って選択された、N.メニンジチディス(N.meningitidis)Cas9を使用した、BID遺伝子ノックダウンの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、転写開始部位の最初の500bp上流および下流内で選択されて、高い直交性は要求されなかった。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、例えば、本明細書に記載されるようなeiCas9融合タンパク質などのN.メニンジチディス(N.meningitidis)eiCas9分子と共に使用され得る。
表16Kは、第3階層パラメータに従って選択された、N.メニンジチディス(N.meningitidis)Cas9を使用した、BID遺伝子ノックダウンの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、転写開始部位のさらに500bp上流および下流内(例えば、転写開始部位の1kb上流および下流に及ぶ)で選択される。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、例えば、本明細書に記載されるようなeiCas9融合タンパク質などのN.メニンジチディス(N.meningitidis)eiCas9分子と共に使用され得る。
表17Aは、第1階層パラメータに従って選択された、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9を使用した、CTLA4遺伝子ノックアウトの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、開始コドン下流の最初の500bpのコード配列中で結合して、良好な直交性を有した。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、二本鎖切断(Cas9ヌクレアーゼ)または一本鎖切断(Cas9ニッカーゼ)を生じる、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9分子と共に使用され得る。一実施形態では、二重標的化が使用されて、対向するDNA鎖と相補的な2つの標的化ドメインと共に、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9ニッカーゼが使用されて対向するDNA鎖上に2つのニックが生じ、例えば、任意のマイナス鎖標的化ドメインを含んでなるgRNAが、2つのgRNAが、PAMが外側を向きgRNAの5’末端間の距離が0~50bpであるようにDNA上で配向するという条件で、プラス鎖標的化ドメインを含んでなる任意のgRNAと対にされてもよい。
表17Bは、第2階層パラメータに従って選択された、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9を使用した、CTLA4遺伝子ノックアウトの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、開始コドン下流の最初の500bpのコード配列中で結合して、良好な直交性は要求されなかった。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、二本鎖切断(Cas9ヌクレアーゼ)または一本鎖切断(Cas9ニッカーゼ)を生じる、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9分子と共に使用され得る。一実施形態では、二重標的化が使用されて、対向するDNA鎖と相補的な2つの標的化ドメインと共に、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9ニッカーゼが使用されて対向するDNA鎖上に2つのニックが生じ、例えば、任意のマイナス鎖標的化ドメインを含んでなるgRNAが、2つのgRNAが、PAMが外側を向きgRNAの5’末端間の距離が0~50bpであるようにDNA上で配向するという条件で、プラス鎖標的化ドメインを含んでなる任意のgRNAと対にされてもよい。
表17Cは、第3階層パラメータに従って選択された、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9を使用した、CTLA4遺伝子ノックアウトの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、開始コドン下流の最初の500bpのコード配列を超えて、良好な直交性は要求されなかった。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、二本鎖切断(Cas9ヌクレアーゼ)または一本鎖切断(Cas9ニッカーゼ)を生じる、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9分子と共に使用され得る。一実施形態では、二重標的化が使用されて、対向するDNA鎖と相補的な2つの標的化ドメインと共に、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9ニッカーゼが使用されて対向するDNA鎖上に2つのニックが生じ、例えば、任意のマイナス鎖標的化ドメインを含んでなるgRNAが、2つのgRNAが、PAMが外側を向きgRNAの5’末端間の距離が0~50bpであるようにDNA上で配向するという条件で、プラス鎖標的化ドメインを含んでなる任意のgRNAと対にされてもよい。
表17Dは、第1階層パラメータに従って選択された、S.アウレウス(S.aureus)Cas9を使用した、CTLA4遺伝子ノックアウトの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、コード配列の最初の500bp内で選択され、高レベルの直交性を有し、NNGRRT PAMを含んだ。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、二本鎖切断(Cas9ヌクレアーゼ)または一本鎖切断(Cas9ニッカーゼ)を生じる、S.アウレウス(S.aureus)Cas9分子と共に使用され得る。一実施形態では、二重標的化が使用されて、対向するDNA鎖と相補的な2つの標的化ドメインと共に、S.アウレウス(S.aureus)Cas9ニッカーゼが使用されて対向するDNA鎖上に2つのニックが生じ、例えば、任意のマイナス鎖標的化ドメインを含んでなるgRNAが、2つのgRNAが、PAMが外側を向きgRNAの5’末端間の距離が0~50bpであるようにDNA上で配向するという条件で、プラス鎖標的化ドメインを含んでなる任意のgRNAと対にされてもよい。
表17Eは、第2階層パラメータに従って選択された、S.アウレウス(S.aureus)Cas9を使用した、CTLA4遺伝子ノックアウトの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、コード配列の最初の500bp内から選択され、直交性のレベルは要求されず、NNGRRT PAMを含んだ。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、二本鎖切断(Cas9ヌクレアーゼ)または一本鎖切断(Cas9ニッカーゼ)を生じる、S.アウレウス(S.aureus)Cas9分子と共に使用され得る。一実施形態では、二重標的化が使用されて、対向するDNA鎖と相補的な2つの標的化ドメインと共に、S.アウレウス(S.aureus)Cas9ニッカーゼが使用されて対向するDNA鎖上に2つのニックが生じ、例えば、任意のマイナス鎖標的化ドメインを含んでなるgRNAが、2つのgRNAが、PAMが外側を向きgRNAの5’末端間の距離が0~50bpであるようにDNA上で配向するという条件で、プラス鎖標的化ドメインを含んでなる任意のgRNAと対にされてもよい。
表17Fは、第3階層パラメータに従って選択された、S.アウレウス(S.aureus)Cas9を使用した、CTLA4遺伝子ノックアウトの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、残りの下流コード配列中で選択され、NNGRRT PAMを含んだ。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、二本鎖切断(Cas9ヌクレアーゼ)または一本鎖切断(Cas9ニッカーゼ)を生じる、S.アウレウス(S.aureus)Cas9分子と共に使用され得る。一実施形態では、二重標的化が使用されて、対向するDNA鎖と相補的な2つの標的化ドメインと共に、S.アウレウス(S.aureus)Cas9ニッカーゼが使用されて対向するDNA鎖上に2つのニックが生じ、例えば、任意のマイナス鎖標的化ドメインを含んでなるgRNAが、2つのgRNAが、PAMが外側を向きgRNAの5’末端間の距離が0~50bpであるようにDNA上で配向するという条件で、プラス鎖標的化ドメインを含んでなる任意のgRNAと対にされてもよい。
表17Gは、第4階層パラメータに従って選択された、S.アウレウス(S.aureus)Cas9を使用した、CTLA4遺伝子ノックアウトの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、コード配列の最初の500bp内で選択され、NNGRRV PAMを含んだ。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、二本鎖切断(Cas9ヌクレアーゼ)または一本鎖切断(Cas9ニッカーゼ)を生じる、S.アウレウス(S.aureus)Cas9分子と共に使用され得る。一実施形態では、二重標的化が使用されて、対向するDNA鎖と相補的な2つの標的化ドメインと共に、S.アウレウス(S.aureus)Cas9ニッカーゼが使用されて対向するDNA鎖上に2つのニックが生じ、例えば、任意のマイナス鎖標的化ドメインを含んでなるgRNAが、2つのgRNAが、PAMが外側を向きgRNAの5’末端間の距離が0~50bpであるようにDNA上で配向するという条件で、プラス鎖標的化ドメインを含んでなる任意のgRNAと対にされてもよい。
表17Hは、第5階層パラメータに従って選択された、S.アウレウス(S.aureus)Cas9を使用した、CTLA4遺伝子ノックアウトの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、残りの下流コード配列中で選択され、NNGRRV PAMを含んだ。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、二本鎖切断(Cas9ヌクレアーゼ)または一本鎖切断(Cas9ニッカーゼ)を生じる、S.アウレウス(S.aureus)Cas9分子と共に使用され得る。一実施形態では、二重標的化が使用されて、対向するDNA鎖と相補的な2つの標的化ドメインと共に、S.アウレウス(S.aureus)Cas9ニッカーゼが使用されて対向するDNA鎖上に2つのニックが生じ、例えば、任意のマイナス鎖標的化ドメインを含んでなるgRNAが、2つのgRNAが、PAMが外側を向きgRNAの5’末端間の距離が0~50bpであるようにDNA上で配向するという条件で、プラス鎖標的化ドメインを含んでなる任意のgRNAと対にされてもよい。
表17Iは、第1階層パラメータに従って選択された、N.メニンジチディス(N.meningitidis)Cas9を使用した、CTLA4遺伝子ノックアウトの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、開始コドン下流の最初の500bpのコード配列中で結合して、良好な直交性を有した。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、二本鎖切断(Cas9ヌクレアーゼ)または一本鎖切断(Cas9ニッカーゼ)を生じる、N.メニンジチディス(N.meningitidis)Cas9分子と共に使用され得る。一実施形態では、二重標的化が使用されて、対向するDNA鎖と相補的な2つの標的化ドメインと共に、N.メニンジチディス(N.meningitidis)ニッカーゼが使用されて対向するDNA鎖上に2つのニックが生じ、例えば、任意のマイナス鎖標的化ドメインを含んでなるgRNAが、2つのgRNAが、PAMが外側を向きgRNAの5’末端間の距離が0~50bpであるようにDNA上で配向するという条件で、プラス鎖標的化ドメインを含んでなる任意のgRNAと対にされてもよい。
表17Jは、第2階層パラメータに従って選択された、N.メニンジチディス(N.meningitidis)Cas9を使用した、CTLA4遺伝子ノックアウトの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、開始コドン下流の最初の500bpのコード配列中で結合して、良好な直交性は要求されなかった。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、二本鎖切断(Cas9ヌクレアーゼ)または一本鎖切断(Cas9ニッカーゼ)を生じる、N.メニンジチディス(N.meningitidis)Cas9分子と共に使用され得る。一実施形態では、二重標的化が使用されて、対向するDNA鎖と相補的な2つの標的化ドメインと共に、N.メニンジチディス(N.meningitidis)Cas9ニッカーゼが使用されて対向するDNA鎖上に2つのニックが生じ、例えば、任意のマイナス鎖標的化ドメインを含んでなるgRNAが、2つのgRNAが、PAMが外側を向きgRNAの5’末端間の距離が0~50bpであるようにDNA上で配向するという条件で、プラス鎖標的化ドメインを含んでなる任意のgRNAと対にされてもよい。
表17Kは、第3階層パラメータに従って選択された、N.メニンジチディス(N.meningitidis)Cas9を使用した、CTLA4遺伝子ノックアウトの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、開始コドン下流の最初の500bpのコード配列を超えて、良好な直交性は要求されなかった。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、二本鎖切断(Cas9ヌクレアーゼ)または一本鎖切断(Cas9ニッカーゼ)を生じる、N.メニンジチディス(N.meningitidis)Cas9分子と共に使用され得る。一実施形態では、二重標的化が使用されて、対向するDNA鎖と相補的な2つの標的化ドメインと共に、N.メニンジチディス(N.meningitidis)Cas9ニッカーゼが使用されて対向するDNA鎖上に2つのニックが生じ、例えば、任意のマイナス鎖標的化ドメインを含んでなるgRNAが、2つのgRNAが、PAMが外側を向きgRNAの5’末端間の距離が0~50bpであるようにDNA上で配向するという条件で、プラス鎖標的化ドメインを含んでなる任意のgRNAと対にされてもよい。
表18Aは、第1階層パラメータに従って選択された、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9を使用した、CTLA4遺伝子ノックダウンの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、転写開始部位の最初の500bp上流および下流内で選択され、高レベルの直交性を有した。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、例えば、本明細書に記載されるようなeiCas9融合タンパク質などのS.ピオゲネス(S.pyogenes)eiCas9分子と共に使用され得る。
表18Bは、第2階層パラメータに従って選択された、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9を使用した、CTLA4遺伝子ノックダウンの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、転写開始部位の最初の500bp上流および下流内で選択されて、高い直交性は要求されなかった。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、例えば、本明細書に記載されるようなeiCas9融合タンパク質などのS.ピオゲネス(S.pyogenes)eiCas9分子と共に使用され得る。
表18Cは、第3階層パラメータに従って選択された、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9を使用した、CTLA4遺伝子ノックダウンの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、転写開始部位のさらに500bp上流および下流内(例えば、転写開始部位の1kb上流および下流に及ぶ)で選択される。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、例えば、本明細書に記載されるようなeiCas9融合タンパク質などのS.ピオゲネス(S.pyogenes)eiCas9分子と共に使用され得る。
表18Dは、第1階層パラメータに従って選択された、S.アウレウス(S.aureus)Cas9を使用した、CTLA4遺伝子ノックダウンの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、転写開始部位の500bp上流および下流内で選択され、高レベルの直交性、PAMはNNGRRTである。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、例えば、本明細書に記載されるようなeiCas9融合タンパク質などのS.アウレウス(S.aureus)eiCas9分子と共に使用され得る。
表18Eは、第2階層パラメータに従って選択された、S.アウレウス(S.aureus)Cas9を使用した、CTLA4遺伝子ノックダウンの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、転写開始部位の500bp上流および下流内で選択され、直交性は要求されず、PAMはNNGRRTである。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、例えば、本明細書に記載されるようなeiCas9融合タンパク質などのS.アウレウス(S.aureus)eiCas9分子と共に使用され得る。
表18Fは、第3階層パラメータに従って選択された、S.アウレウス(S.aureus)Cas9を使用した、CTLA4遺伝子ノックダウンの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、転写開始部位のさらに500bp上流および下流内(例えば、転写開始部位の1kb上流および下流に及ぶ)で選択され、PAMはNNGRRTである。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、例えば、本明細書に記載されるようなeiCas9融合タンパク質などのS.アウレウス(S.aureus)eiCas9分子と共に使用され得る。
表18Gは、第4階層パラメータに従って選択された、S.アウレウス(S.aureus)Cas9を使用した、CTLA4遺伝子ノックダウンの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、転写開始部位の500bp上流および下流内で選択され、PAMはNNGRRVである。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、例えば、本明細書に記載されるようなeiCas9融合タンパク質などのS.アウレウス(S.aureus)eiCas9分子と共に使用され得る。
表18Hは、第5階層パラメータに従って選択された、S.アウレウス(S.aureus)Cas9を使用した、CTLA4遺伝子ノックダウンの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、転写開始部位のさらに500bp上流および下流内(転写開始部位の1kb上流および下流に及ぶ)で選択され、PAMはNNGRRVである。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、例えば、本明細書に記載されるようなeiCas9融合タンパク質などのS.アウレウス(S.aureus)eiCas9分子と共に使用され得る。
表18Iは、第1階層パラメータに従って選択された、N.メニンジチディス(N.meningitidis)Cas9を使用した、CTLA4遺伝子ノックダウンの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、転写開始部位の最初の500bp上流および下流内で選択され、高レベルの直交性を有した。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、例えば、本明細書に記載されるようなeiCas9融合タンパク質などのN.メニンジチディス(N.meningitidis)eiCas9分子と共に使用され得る。
表18Jは、第2階層パラメータに従って選択された、N.メニンジチディス(N.meningitidis)Cas9を使用した、CTLA4遺伝子ノックダウンの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、転写開始部位の最初の500bp上流および下流内で選択されて、高い直交性は要求されなかった。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、例えば、本明細書に記載されるようなeiCas9融合タンパク質などのN.メニンジチディス(N.meningitidis)eiCas9分子と共に使用され得る。
表18Kは、第3階層パラメータに従って選択された、N.メニンジチディス(N.meningitidis)Cas9を使用した、CTLA4遺伝子ノックダウンの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、転写開始部位のさらに500bp上流および下流内(例えば、転写開始部位の1kb上流および下流に及ぶ)で選択される。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、例えば、本明細書に記載されるようなeiCas9融合タンパク質などのN.メニンジチディス(N.meningitidis)eiCas9分子と共に使用され得る。
表19Aは、第1階層パラメータに従って選択された、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9を使用した、PDCD1遺伝子ノックアウトの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、開始コドン下流の最初の500bpのコード配列中で結合して、良好な直交性を有した。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、二本鎖切断(Cas9ヌクレアーゼ)または一本鎖切断(Cas9ニッカーゼ)を生じる、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9分子と共に使用され得る。一実施形態では、二重標的化が使用されて、対向するDNA鎖と相補的な2つの標的化ドメインと共に、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9ニッカーゼが使用されて対向するDNA鎖上に2つのニックが生じ、例えば、任意のマイナス鎖標的化ドメインを含んでなるgRNAが、2つのgRNAが、PAMが外側を向きgRNAの5’末端間の距離が0~50bpであるようにDNA上で配向するという条件で、プラス鎖標的化ドメインを含んでなる任意のgRNAと対にされてもよい。
表19Bは、第2階層パラメータに従って選択された、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9を使用した、PDCD1遺伝子ノックアウトの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、開始コドン下流の最初の500bpのコード配列中で結合して、良好な直交性は要求されなかった。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、二本鎖切断(Cas9ヌクレアーゼ)または一本鎖切断(Cas9ニッカーゼ)を生じる、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9分子と共に使用され得る。一実施形態では、二重標的化が使用されて、対向するDNA鎖と相補的な2つの標的化ドメインと共に、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9ニッカーゼが使用されて対向するDNA鎖上に2つのニックが生じ、例えば、任意のマイナス鎖標的化ドメインを含んでなるgRNAが、2つのgRNAが、PAMが外側を向きgRNAの5’末端間の距離が0~50bpであるようにDNA上で配向するという条件で、プラス鎖標的化ドメインを含んでなる任意のgRNAと対にされてもよい。
表19Cは、第3階層パラメータに従って選択された、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9を使用した、PDCD1遺伝子ノックアウトの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、開始コドン下流の最初の500bpのコード配列を超えて、良好な直交性は要求されなかった。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、二本鎖切断(Cas9ヌクレアーゼ)または一本鎖切断(Cas9ニッカーゼ)を生じる、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9分子と共に使用され得る。一実施形態では、二重標的化が使用されて、対向するDNA鎖と相補的な2つの標的化ドメインと共に、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9ニッカーゼが使用されて対向するDNA鎖上に2つのニックが生じ、例えば、任意のマイナス鎖標的化ドメインを含んでなるgRNAが、2つのgRNAが、PAMが外側を向きgRNAの5’末端間の距離が0~50bpであるようにDNA上で配向するという条件で、プラス鎖標的化ドメインを含んでなる任意のgRNAと対にされてもよい。
表19Dは、第1階層パラメータに従って選択された、S.アウレウス(S.aureus)Cas9を使用した、PDCD1遺伝子ノックアウトの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、コード配列の最初の500bp内で選択され、高レベルの直交性を有し、NNGRRT PAMを含んだ。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、二本鎖切断(Cas9ヌクレアーゼ)または一本鎖切断(Cas9ニッカーゼ)を生じる、S.アウレウス(S.aureus)Cas9分子と共に使用され得る。一実施形態では、二重標的化が使用されて、対向するDNA鎖と相補的な2つの標的化ドメインと共に、S.アウレウス(S.aureus)Cas9ニッカーゼが使用されて対向するDNA鎖上に2つのニックが生じ、例えば、任意のマイナス鎖標的化ドメインを含んでなるgRNAが、2つのgRNAが、PAMが外側を向きgRNAの5’末端間の距離が0~50bpであるようにDNA上で配向するという条件で、プラス鎖標的化ドメインを含んでなる任意のgRNAと対にされてもよい。
表19Eは、第2階層パラメータに従って選択された、S.アウレウス(S.aureus)Cas9を使用した、PDCD1遺伝子ノックアウトの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、コード配列の最初の500bp内から選択され、直交性のレベルは要求されず、NNGRRT PAMを含んだ。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、二本鎖切断(Cas9ヌクレアーゼ)または一本鎖切断(Cas9ニッカーゼ)を生じる、S.アウレウス(S.aureus)Cas9分子と共に使用され得る。一実施形態では、二重標的化が使用されて、対向するDNA鎖と相補的な2つの標的化ドメインと共に、S.アウレウス(S.aureus)Cas9ニッカーゼが使用されて対向するDNA鎖上に2つのニックが生じ、例えば、任意のマイナス鎖標的化ドメインを含んでなるgRNAが、2つのgRNAが、PAMが外側を向きgRNAの5’末端間の距離が0~50bpであるようにDNA上で配向するという条件で、プラス鎖標的化ドメインを含んでなる任意のgRNAと対にされてもよい。
表19Fは、第3階層パラメータに従って選択された、S.アウレウス(S.aureus)Cas9を使用した、PDCD1遺伝子ノックアウトの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、残りの下流コード配列中で選択され、NNGRRT PAMを含んだ。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、二本鎖切断(Cas9ヌクレアーゼ)または一本鎖切断(Cas9ニッカーゼ)を生じる、S.アウレウス(S.aureus)Cas9分子と共に使用され得る。一実施形態では、二重標的化が使用されて、対向するDNA鎖と相補的な2つの標的化ドメインと共に、S.アウレウス(S.aureus)Cas9ニッカーゼが使用されて対向するDNA鎖上に2つのニックが生じ、例えば、任意のマイナス鎖標的化ドメインを含んでなるgRNAが、2つのgRNAが、PAMが外側を向きgRNAの5’末端間の距離が0~50bpであるようにDNA上で配向するという条件で、プラス鎖標的化ドメインを含んでなる任意のgRNAと対にされてもよい。
表19Gは、第4階層パラメータに従って選択された、S.アウレウス(S.aureus)Cas9を使用した、PDCD1遺伝子ノックアウトの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、コード配列の最初の500bp内で選択され、NNGRRV PAMを含んだ。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、二本鎖切断(Cas9ヌクレアーゼ)または一本鎖切断(Cas9ニッカーゼ)を生じる、S.アウレウス(S.aureus)Cas9分子と共に使用され得る。一実施形態では、二重標的化が使用されて、対向するDNA鎖と相補的な2つの標的化ドメインと共に、S.アウレウス(S.aureus)Cas9ニッカーゼが使用されて対向するDNA鎖上に2つのニックが生じ、例えば、任意のマイナス鎖標的化ドメインを含んでなるgRNAが、2つのgRNAが、PAMが外側を向きgRNAの5’末端間の距離が0~50bpであるようにDNA上で配向するという条件で、プラス鎖標的化ドメインを含んでなる任意のgRNAと対にされてもよい。
表19Hは、第5階層パラメータに従って選択された、S.アウレウス(S.aureus)Cas9を使用した、PDCD1遺伝子ノックアウトの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、残りの下流コード配列中で選択され、NNGRRV PAMを含んだ。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、二本鎖切断(Cas9ヌクレアーゼ)または一本鎖切断(Cas9ニッカーゼ)を生じる、S.アウレウス(S.aureus)Cas9分子と共に使用され得る。一実施形態では、二重標的化が使用されて、対向するDNA鎖と相補的な2つの標的化ドメインと共に、S.アウレウス(S.aureus)Cas9ニッカーゼが使用されて対向するDNA鎖上に2つのニックが生じ、例えば、任意のマイナス鎖標的化ドメインを含んでなるgRNAが、2つのgRNAが、PAMが外側を向きgRNAの5’末端間の距離が0~50bpであるようにDNA上で配向するという条件で、プラス鎖標的化ドメインを含んでなる任意のgRNAと対にされてもよい。
表19Iは、第1階層パラメータに従って選択された、N.メニンジチディス(N.meningitidis)Cas9を使用した、PDCD1遺伝子ノックアウトの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、開始コドン下流の最初の500bpのコード配列中で結合して、良好な直交性を有した。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、二本鎖切断(Cas9ヌクレアーゼ)または一本鎖切断(Cas9ニッカーゼ)を生じる、N.メニンジチディス(N.meningitidis)Cas9分子と共に使用され得る。一実施形態では、二重標的化が使用されて、対向するDNA鎖と相補的な2つの標的化ドメインと共に、N.メニンジチディス(N.meningitidis)ニッカーゼが使用されて対向するDNA鎖上に2つのニックが生じ、例えば、任意のマイナス鎖標的化ドメインを含んでなるgRNAが、2つのgRNAが、PAMが外側を向きgRNAの5’末端間の距離が0~50bpであるようにDNA上で配向するという条件で、プラス鎖標的化ドメインを含んでなる任意のgRNAと対にされてもよい。
表19Jは、第3階層パラメータに従って選択された、N.メニンジチディス(N.meningitidis)Cas9を使用した、PDCD1遺伝子ノックアウトの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、開始コドン下流の最初の500bpのコード配列を超えて、良好な直交性は要求されなかった。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、二本鎖切断(Cas9ヌクレアーゼ)または一本鎖切断(Cas9ニッカーゼ)を生じる、N.メニンジチディス(N.meningitidis)Cas9分子と共に使用され得る。一実施形態では、二重標的化が使用されて、対向するDNA鎖と相補的な2つの標的化ドメインと共に、N.メニンジチディス(N.meningitidis)Cas9ニッカーゼが使用されて対向するDNA鎖上に2つのニックが生じ、例えば、任意のマイナス鎖標的化ドメインを含んでなるgRNAが、2つのgRNAが、PAMが外側を向きgRNAの5’末端間の距離が0~50bpであるようにDNA上で配向するという条件で、プラス鎖標的化ドメインを含んでなる任意のgRNAと対にされてもよい。
表20Aは、第1階層パラメータに従って選択された、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9を使用した、PDCD1遺伝子ノックダウンの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、転写開始部位の最初の500bp上流および下流内で選択され、高レベルの直交性を有した。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、例えば、本明細書に記載されるようなeiCas9融合タンパク質などのS.ピオゲネス(S.pyogenes)eiCas9分子と共に使用され得る。
表20Bは、第2階層パラメータに従って選択された、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9を使用した、PDCD1遺伝子ノックダウンの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、転写開始部位の最初の500bp上流および下流内で選択されて、高い直交性は要求されなかった。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、例えば、本明細書に記載されるようなeiCas9融合タンパク質などのS.ピオゲネス(S.pyogenes)eiCas9分子と共に使用され得る。
表20Cは、第3階層パラメータに従って選択された、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9を使用した、PDCD1遺伝子ノックダウンの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、転写開始部位のさらに500bp上流および下流内(例えば、転写開始部位の1kb上流および下流に及ぶ)で選択される。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、例えば、本明細書に記載されるようなeiCas9融合タンパク質などのS.ピオゲネス(S.pyogenes)eiCas9分子と共に使用され得る。
表20Dは、第1階層パラメータに従って選択された、S.アウレウス(S.aureus)Cas9を使用した、PDCD1遺伝子ノックダウンの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、転写開始部位の500bp上流および下流内で選択され、高レベルの直交性、PAMはNNGRRTである。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、例えば、本明細書に記載されるようなeiCas9融合タンパク質などのS.アウレウス(S.aureus)eiCas9分子と共に使用され得る。
表20Eは、第2階層パラメータに従って選択された、S.アウレウス(S.aureus)Cas9を使用した、PDCD1遺伝子ノックダウンの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、転写開始部位の500bp上流および下流内で選択され、直交性は要求されず、PAMはNNGRRTである。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、例えば、本明細書に記載されるようなeiCas9融合タンパク質などのS.アウレウス(S.aureus)eiCas9分子と共に使用され得る。
表20Fは、第3階層パラメータに従って選択された、S.アウレウス(S.aureus)Cas9を使用した、PDCD1遺伝子ノックダウンの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、転写開始部位のさらに500bp上流および下流内(例えば、転写開始部位の1kb上流および下流に及ぶ)で選択され、PAMはNNGRRTである。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、例えば、本明細書に記載されるようなeiCas9融合タンパク質などのS.アウレウス(S.aureus)eiCas9分子と共に使用され得る。
表20Gは、第4階層パラメータに従って選択された、S.アウレウス(S.aureus)Cas9を使用した、PDCD1遺伝子ノックダウンの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、転写開始部位の500bp上流および下流内で選択され、PAMはNNGRRVである。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、例えば、本明細書に記載されるようなeiCas9融合タンパク質などのS.アウレウス(S.aureus)eiCas9分子と共に使用され得る。
表20Hは、第5階層パラメータに従って選択された、S.アウレウス(S.aureus)Cas9を使用した、PDCD1遺伝子ノックダウンの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、転写開始部位のさらに500bp上流および下流内(転写開始部位の1kb上流および下流に及ぶ)で選択され、PAMはNNGRRVである。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、例えば、本明細書に記載されるようなeiCas9融合タンパク質などのS.アウレウス(S.aureus)eiCas9分子と共に使用され得る。
表20Iは、第1階層パラメータに従って選択された、N.メニンジチディス(N.meningitidis)Cas9を使用した、PDCD1遺伝子ノックダウンの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、転写開始部位の最初の500bp上流および下流内で選択され、高レベルの直交性を有した。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、例えば、本明細書に記載されるようなeiCas9融合タンパク質などのN.メニンジチディス(N.meningitidis)eiCas9分子と共に使用され得る。
表20Jは、第3階層パラメータに従って選択された、N.メニンジチディス(N.meningitidis)Cas9を使用した、PDCD1遺伝子ノックダウンの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、転写開始部位のさらに500bp上流および下流内(例えば、転写開始部位の1kb上流および下流に及ぶ)で選択される。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、例えば、本明細書に記載されるようなeiCas9融合タンパク質などのN.メニンジチディス(N.meningitidis)eiCas9分子と共に使用され得る。
表21Aは、第1階層パラメータに従って選択された、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9を使用した、CBLB遺伝子ノックアウトの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、開始コドン下流の最初の500bpのコード配列中で結合して、良好な直交性を有した。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、二本鎖切断(Cas9ヌクレアーゼ)または一本鎖切断(Cas9ニッカーゼ)を生じる、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9分子と共に使用され得る。一実施形態では、二重標的化が使用されて、対向するDNA鎖と相補的な2つの標的化ドメインと共に、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9ニッカーゼが使用されて対向するDNA鎖上に2つのニックが生じ、例えば、任意のマイナス鎖標的化ドメインを含んでなるgRNAが、2つのgRNAが、PAMが外側を向きgRNAの5’末端間の距離が0~50bpであるようにDNA上で配向するという条件で、プラス鎖標的化ドメインを含んでなる任意のgRNAと対にされてもよい。
表21Bは、第2階層パラメータに従って選択された、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9を使用した、CBLB遺伝子ノックアウトの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、開始コドン下流の最初の500bpのコード配列中で結合して、良好な直交性は要求されなかった。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、二本鎖切断(Cas9ヌクレアーゼ)または一本鎖切断(Cas9ニッカーゼ)を生じる、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9分子と共に使用され得る。一実施形態では、二重標的化が使用されて、対向するDNA鎖と相補的な2つの標的化ドメインと共に、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9ニッカーゼが使用されて対向するDNA鎖上に2つのニックが生じ、例えば、任意のマイナス鎖標的化ドメインを含んでなるgRNAが、2つのgRNAが、PAMが外側を向きgRNAの5’末端間の距離が0~50bpであるようにDNA上で配向するという条件で、プラス鎖標的化ドメインを含んでなる任意のgRNAと対にされてもよい。
表21Cは、第3階層パラメータに従って選択された、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9を使用した、CBLB遺伝子ノックアウトの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、開始コドン下流の最初の500bpのコード配列を超えて、良好な直交性は要求されなかった。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、二本鎖切断(Cas9ヌクレアーゼ)または一本鎖切断(Cas9ニッカーゼ)を生じる、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9分子と共に使用され得る。一実施形態では、二重標的化が使用されて、対向するDNA鎖と相補的な2つの標的化ドメインと共に、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9ニッカーゼが使用されて対向するDNA鎖上に2つのニックが生じ、例えば、任意のマイナス鎖標的化ドメインを含んでなるgRNAが、2つのgRNAが、PAMが外側を向きgRNAの5’末端間の距離が0~50bpであるようにDNA上で配向するという条件で、プラス鎖標的化ドメインを含んでなる任意のgRNAと対にされてもよい。
表21Dは、第1階層パラメータに従って選択された、S.アウレウス(S.aureus)Cas9を使用した、CBLB遺伝子ノックアウトの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、コード配列の最初の500bp内で選択され、高レベルの直交性を有し、NNGRRT PAMを含んだ。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、二本鎖切断(Cas9ヌクレアーゼ)または一本鎖切断(Cas9ニッカーゼ)を生じる、S.アウレウス(S.aureus)Cas9分子と共に使用され得る。一実施形態では、二重標的化が使用されて、対向するDNA鎖と相補的な2つの標的化ドメインと共に、S.アウレウス(S.aureus)Cas9ニッカーゼが使用されて対向するDNA鎖上に2つのニックが生じ、例えば、任意のマイナス鎖標的化ドメインを含んでなるgRNAが、2つのgRNAが、PAMが外側を向きgRNAの5’末端間の距離が0~50bpであるようにDNA上で配向するという条件で、プラス鎖標的化ドメインを含んでなる任意のgRNAと対にされてもよい。
表21Eは、第2階層パラメータに従って選択された、S.アウレウス(S.aureus)Cas9を使用した、CBLB遺伝子ノックアウトの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、コード配列の最初の500bp内から選択され、直交性のレベルは要求されず、NNGRRT PAMを含んだ。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、二本鎖切断(Cas9ヌクレアーゼ)または一本鎖切断(Cas9ニッカーゼ)を生じる、S.アウレウス(S.aureus)Cas9分子と共に使用され得る。一実施形態では、二重標的化が使用されて、対向するDNA鎖と相補的な2つの標的化ドメインと共に、S.アウレウス(S.aureus)Cas9ニッカーゼが使用されて対向するDNA鎖上に2つのニックが生じ、例えば、任意のマイナス鎖標的化ドメインを含んでなるgRNAが、2つのgRNAが、PAMが外側を向きgRNAの5’末端間の距離が0~50bpであるようにDNA上で配向するという条件で、プラス鎖標的化ドメインを含んでなる任意のgRNAと対にされてもよい。
表21Fは、第3階層パラメータに従って選択された、S.アウレウス(S.aureus)Cas9を使用した、CBLB遺伝子ノックアウトの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、残りの下流コード配列中で選択され、NNGRRT PAMを含んだ。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、二本鎖切断(Cas9ヌクレアーゼ)または一本鎖切断(Cas9ニッカーゼ)を生じる、S.アウレウス(S.aureus)Cas9分子と共に使用され得る。一実施形態では、二重標的化が使用されて、対向するDNA鎖と相補的な2つの標的化ドメインと共に、S.アウレウス(S.aureus)Cas9ニッカーゼが使用されて対向するDNA鎖上に2つのニックが生じ、例えば、任意のマイナス鎖標的化ドメインを含んでなるgRNAが、2つのgRNAが、PAMが外側を向きgRNAの5’末端間の距離が0~50bpであるようにDNA上で配向するという条件で、プラス鎖標的化ドメインを含んでなる任意のgRNAと対にされてもよい。
表21Gは、第4階層パラメータに従って選択された、S.アウレウス(S.aureus)Cas9を使用した、CBLB遺伝子ノックアウトの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、コード配列の最初の500bp内で選択され、NNGRRV PAMを含んだ。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、二本鎖切断(Cas9ヌクレアーゼ)または一本鎖切断(Cas9ニッカーゼ)を生じる、S.アウレウス(S.aureus)Cas9分子と共に使用され得る。一実施形態では、二重標的化が使用されて、対向するDNA鎖と相補的な2つの標的化ドメインと共に、S.アウレウス(S.aureus)Cas9ニッカーゼが使用されて対向するDNA鎖上に2つのニックが生じ、例えば、任意のマイナス鎖標的化ドメインを含んでなるgRNAが、2つのgRNAが、PAMが外側を向きgRNAの5’末端間の距離が0~50bpであるようにDNA上で配向するという条件で、プラス鎖標的化ドメインを含んでなる任意のgRNAと対にされてもよい。
表21Hは、第5階層パラメータに従って選択された、S.アウレウス(S.aureus)Cas9を使用した、CBLB遺伝子ノックアウトの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、残りの下流コード配列中で選択され、NNGRRV PAMを含んだ。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、二本鎖切断(Cas9ヌクレアーゼ)または一本鎖切断(Cas9ニッカーゼ)を生じる、S.アウレウス(S.aureus)Cas9分子と共に使用され得る。一実施形態では、二重標的化が使用されて、対向するDNA鎖と相補的な2つの標的化ドメインと共に、S.アウレウス(S.aureus)Cas9ニッカーゼが使用されて対向するDNA鎖上に2つのニックが生じ、例えば、任意のマイナス鎖標的化ドメインを含んでなるgRNAが、2つのgRNAが、PAMが外側を向きgRNAの5’末端間の距離が0~50bpであるようにDNA上で配向するという条件で、プラス鎖標的化ドメインを含んでなる任意のgRNAと対にされてもよい。
表21Iは、第1階層パラメータに従って選択された、N.メニンジチディス(N.meningitidis)Cas9を使用した、CBLB遺伝子ノックアウトの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、開始コドン下流の最初の500bpのコード配列中で結合して、良好な直交性を有した。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、二本鎖切断(Cas9ヌクレアーゼ)または一本鎖切断(Cas9ニッカーゼ)を生じる、N.メニンジチディス(N.meningitidis)Cas9分子と共に使用され得る。一実施形態では、二重標的化が使用されて、対向するDNA鎖と相補的な2つの標的化ドメインと共に、N.メニンジチディス(N.meningitidis)ニッカーゼが使用されて対向するDNA鎖上に2つのニックが生じ、例えば、任意のマイナス鎖標的化ドメインを含んでなるgRNAが、2つのgRNAが、PAMが外側を向きgRNAの5’末端間の距離が0~50bpであるようにDNA上で配向するという条件で、プラス鎖標的化ドメインを含んでなる任意のgRNAと対にされてもよい。
表21Jは、第2階層パラメータに従って選択された、N.メニンジチディス(N.meningitidis)Cas9を使用した、CBLB遺伝子ノックアウトの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、開始コドン下流の最初の500bpのコード配列中で結合して、良好な直交性は要求されなかった。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、二本鎖切断(Cas9ヌクレアーゼ)または一本鎖切断(Cas9ニッカーゼ)を生じる、N.メニンジチディス(N.meningitidis)Cas9分子と共に使用され得る。一実施形態では、二重標的化が使用されて、対向するDNA鎖と相補的な2つの標的化ドメインと共に、N.メニンジチディス(N.meningitidis)Cas9ニッカーゼが使用されて対向するDNA鎖上に2つのニックが生じ、例えば、任意のマイナス鎖標的化ドメインを含んでなるgRNAが、2つのgRNAが、PAMが外側を向きgRNAの5’末端間の距離が0~50bpであるようにDNA上で配向するという条件で、プラス鎖標的化ドメインを含んでなる任意のgRNAと対にされてもよい。
表21Kは、第3階層パラメータに従って選択された、N.メニンジチディス(N.meningitidis)Cas9を使用した、CBLB遺伝子ノックアウトの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、開始コドン下流の最初の500bpのコード配列を超えて、良好な直交性は要求されなかった。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、二本鎖切断(Cas9ヌクレアーゼ)または一本鎖切断(Cas9ニッカーゼ)を生じる、N.メニンジチディス(N.meningitidis)Cas9分子と共に使用され得る。一実施形態では、二重標的化が使用されて、対向するDNA鎖と相補的な2つの標的化ドメインと共に、N.メニンジチディス(N.meningitidis)Cas9ニッカーゼが使用されて対向するDNA鎖上に2つのニックが生じ、例えば、任意のマイナス鎖標的化ドメインを含んでなるgRNAが、2つのgRNAが、PAMが外側を向きgRNAの5’末端間の距離が0~50bpであるようにDNA上で配向するという条件で、プラス鎖標的化ドメインを含んでなる任意のgRNAと対にされてもよい。
表22Aは、第1階層パラメータに従って選択された、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9を使用した、CBLB遺伝子ノックダウンの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、転写開始部位の最初の500bp上流および下流内で選択され、高レベルの直交性を有した。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、例えば、本明細書に記載されるようなeiCas9融合タンパク質などのS.ピオゲネス(S.pyogenes)eiCas9分子と共に使用され得る。
表22Bは、第2階層パラメータに従って選択された、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9を使用した、CBLB遺伝子ノックダウンの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、転写開始部位の最初の500bp上流および下流内で選択されて、高い直交性は要求されなかった。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、例えば、本明細書に記載されるようなeiCas9融合タンパク質などのS.ピオゲネス(S.pyogenes)eiCas9分子と共に使用され得る。
表22Cは、第3階層パラメータに従って選択された、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9を使用した、CBLB遺伝子ノックダウンの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、転写開始部位のさらに500bp上流および下流内(例えば、転写開始部位の1kb上流および下流に及ぶ)で選択される。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、例えば、本明細書に記載されるようなeiCas9融合タンパク質などのS.ピオゲネス(S.pyogenes)eiCas9分子と共に使用され得る。
表22Dは、第1階層パラメータに従って選択された、S.アウレウス(S.aureus)Cas9を使用した、CBLB遺伝子ノックダウンの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、転写開始部位の500bp上流および下流内で選択され、高レベルの直交性、PAMはNNGRRTである。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、例えば、本明細書に記載されるようなeiCas9融合タンパク質などのS.アウレウス(S.aureus)eiCas9分子と共に使用され得る。
表22Eは、第2階層パラメータに従って選択された、S.アウレウス(S.aureus)Cas9を使用した、CBLB遺伝子ノックダウンの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、転写開始部位の500bp上流および下流内で選択され、直交性は要求されず、PAMはNNGRRTである。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、例えば、本明細書に記載されるようなeiCas9融合タンパク質などのS.アウレウス(S.aureus)eiCas9分子と共に使用され得る。
表22Fは、第3階層パラメータに従って選択された、S.アウレウス(S.aureus)Cas9を使用した、CBLB遺伝子ノックダウンの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、転写開始部位のさらに500bp上流および下流内(例えば、転写開始部位の1kb上流および下流に及ぶ)で選択され、PAMはNNGRRTである。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、例えば、本明細書に記載されるようなeiCas9融合タンパク質などのS.アウレウス(S.aureus)eiCas9分子と共に使用され得る。
表22Gは、第4階層パラメータに従って選択された、S.アウレウス(S.aureus)Cas9を使用した、CBLB遺伝子ノックダウンの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、転写開始部位の500bp上流および下流内で選択され、PAMはNNGRRVである。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、例えば、本明細書に記載されるようなeiCas9融合タンパク質などのS.アウレウス(S.aureus)eiCas9分子と共に使用され得る。
表22Hは、第5階層パラメータに従って選択された、S.アウレウス(S.aureus)Cas9を使用した、CBLB遺伝子ノックダウンの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、転写開始部位のさらに500bp上流および下流内(転写開始部位の1kb上流および下流に及ぶ)で選択され、PAMはNNGRRVである。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、例えば、本明細書に記載されるようなeiCas9融合タンパク質などのS.アウレウス(S.aureus)eiCas9分子と共に使用され得る。
表22Iは、第1階層パラメータに従って選択された、N.メニンジチディス(N.meningitidis)Cas9を使用した、CBLB遺伝子ノックダウンの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、転写開始部位の最初の500bp上流および下流内で選択され、高レベルの直交性を有した。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、例えば、本明細書に記載されるようなeiCas9融合タンパク質などのN.メニンジチディス(N.meningitidis)eiCas9分子と共に使用され得る。
表22Jは、第2階層パラメータに従って選択された、N.メニンジチディス(N.meningitidis)Cas9を使用した、CBLB遺伝子ノックダウンの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、転写開始部位の最初の500bp上流および下流内で選択されて、高い直交性は要求されなかった。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、例えば、本明細書に記載されるようなeiCas9融合タンパク質などのN.メニンジチディス(N.meningitidis)eiCas9分子と共に使用され得る。
表22Kは、第3階層パラメータに従って選択された、N.メニンジチディス(N.meningitidis)Cas9を使用した、CBLB遺伝子ノックダウンの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、転写開始部位のさらに500bp上流および下流内(例えば、転写開始部位の1kb上流および下流に及ぶ)で選択される。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、例えば、本明細書に記載されるようなeiCas9融合タンパク質などのN.メニンジチディス(N.meningitidis)eiCas9分子と共に使用され得る。
表23Aは、第1階層パラメータに従って選択された、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9を使用した、PTPN6遺伝子ノックアウトの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、開始コドン下流の最初の500bpのコード配列中で結合して、良好な直交性を有した。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、二本鎖切断(Cas9ヌクレアーゼ)または一本鎖切断(Cas9ニッカーゼ)を生じる、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9分子と共に使用され得る。一実施形態では、二重標的化が使用されて、対向するDNA鎖と相補的な2つの標的化ドメインと共に、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9ニッカーゼが使用されて対向するDNA鎖上に2つのニックが生じ、例えば、任意のマイナス鎖標的化ドメインを含んでなるgRNAが、2つのgRNAが、PAMが外側を向きgRNAの5’末端間の距離が0~50bpであるようにDNA上で配向するという条件で、プラス鎖標的化ドメインを含んでなる任意のgRNAと対にされてもよい。
表23Bは、第2階層パラメータに従って選択された、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9を使用した、PTPN6遺伝子ノックアウトの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、開始コドン下流の最初の500bpのコード配列中で結合して、良好な直交性は要求されなかった。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、二本鎖切断(Cas9ヌクレアーゼ)または一本鎖切断(Cas9ニッカーゼ)を生じる、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9分子と共に使用され得る。一実施形態では、二重標的化が使用されて、対向するDNA鎖と相補的な2つの標的化ドメインと共に、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9ニッカーゼが使用されて対向するDNA鎖上に2つのニックが生じ、例えば、任意のマイナス鎖標的化ドメインを含んでなるgRNAが、2つのgRNAが、PAMが外側を向きgRNAの5’末端間の距離が0~50bpであるようにDNA上で配向するという条件で、プラス鎖標的化ドメインを含んでなる任意のgRNAと対にされてもよい。
表23Cは、第3階層パラメータに従って選択された、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9を使用した、PTPN6遺伝子ノックアウトの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、開始コドン下流の最初の500bpのコード配列を超えて、良好な直交性は要求されなかった。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、二本鎖切断(Cas9ヌクレアーゼ)または一本鎖切断(Cas9ニッカーゼ)を生じる、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9分子と共に使用され得る。一実施形態では、二重標的化が使用されて、対向するDNA鎖と相補的な2つの標的化ドメインと共に、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9ニッカーゼが使用されて対向するDNA鎖上に2つのニックが生じ、例えば、任意のマイナス鎖標的化ドメインを含んでなるgRNAが、2つのgRNAが、PAMが外側を向きgRNAの5’末端間の距離が0~50bpであるようにDNA上で配向するという条件で、プラス鎖標的化ドメインを含んでなる任意のgRNAと対にされてもよい。
表23Dは、第1階層パラメータに従って選択された、S.アウレウス(S.aureus)Cas9を使用した、PTPN6遺伝子ノックアウトの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、コード配列の最初の500bp内で選択され、高レベルの直交性を有し、NNGRRT PAMを含んだ。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、二本鎖切断(Cas9ヌクレアーゼ)または一本鎖切断(Cas9ニッカーゼ)を生じる、S.アウレウス(S.aureus)Cas9分子と共に使用され得る。一実施形態では、二重標的化が使用されて、対向するDNA鎖と相補的な2つの標的化ドメインと共に、S.アウレウス(S.aureus)Cas9ニッカーゼが使用されて対向するDNA鎖上に2つのニックが生じ、例えば、任意のマイナス鎖標的化ドメインを含んでなるgRNAが、2つのgRNAが、PAMが外側を向きgRNAの5’末端間の距離が0~50bpであるようにDNA上で配向するという条件で、プラス鎖標的化ドメインを含んでなる任意のgRNAと対にされてもよい。
表23Eは、第2階層パラメータに従って選択された、S.アウレウス(S.aureus)Cas9を使用した、PTPN6遺伝子ノックアウトの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、コード配列の最初の500bp内から選択され、直交性のレベルは要求されず、NNGRRT PAMを含んだ。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、二本鎖切断(Cas9ヌクレアーゼ)または一本鎖切断(Cas9ニッカーゼ)を生じる、S.アウレウス(S.aureus)Cas9分子と共に使用され得る。一実施形態では、二重標的化が使用されて、対向するDNA鎖と相補的な2つの標的化ドメインと共に、S.アウレウス(S.aureus)Cas9ニッカーゼが使用されて対向するDNA鎖上に2つのニックが生じ、例えば、任意のマイナス鎖標的化ドメインを含んでなるgRNAが、2つのgRNAが、PAMが外側を向きgRNAの5’末端間の距離が0~50bpであるようにDNA上で配向するという条件で、プラス鎖標的化ドメインを含んでなる任意のgRNAと対にされてもよい。
表23Fは、第3階層パラメータに従って選択された、S.アウレウス(S.aureus)Cas9を使用した、PTPN6遺伝子ノックアウトの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、残りの下流コード配列中で選択され、NNGRRT PAMを含んだ。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、二本鎖切断(Cas9ヌクレアーゼ)または一本鎖切断(Cas9ニッカーゼ)を生じる、S.アウレウス(S.aureus)Cas9分子と共に使用され得る。一実施形態では、二重標的化が使用されて、対向するDNA鎖と相補的な2つの標的化ドメインと共に、S.アウレウス(S.aureus)Cas9ニッカーゼが使用されて対向するDNA鎖上に2つのニックが生じ、例えば、任意のマイナス鎖標的化ドメインを含んでなるgRNAが、2つのgRNAが、PAMが外側を向きgRNAの5’末端間の距離が0~50bpであるようにDNA上で配向するという条件で、プラス鎖標的化ドメインを含んでなる任意のgRNAと対にされてもよい。
表23Gは、第4階層パラメータに従って選択された、S.アウレウス(S.aureus)Cas9を使用した、PTPN6遺伝子ノックアウトの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、コード配列の最初の500bp内で選択され、NNGRRV PAMを含んだ。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、二本鎖切断(Cas9ヌクレアーゼ)または一本鎖切断(Cas9ニッカーゼ)を生じる、S.アウレウス(S.aureus)Cas9分子と共に使用され得る。一実施形態では、二重標的化が使用されて、対向するDNA鎖と相補的な2つの標的化ドメインと共に、S.アウレウス(S.aureus)Cas9ニッカーゼが使用されて対向するDNA鎖上に2つのニックが生じ、例えば、任意のマイナス鎖標的化ドメインを含んでなるgRNAが、2つのgRNAが、PAMが外側を向きgRNAの5’末端間の距離が0~50bpであるようにDNA上で配向するという条件で、プラス鎖標的化ドメインを含んでなる任意のgRNAと対にされてもよい。
表23Hは、第5階層パラメータに従って選択された、S.アウレウス(S.aureus)Cas9を使用した、PTPN6遺伝子ノックアウトの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、残りの下流コード配列中で選択され、NNGRRV PAMを含んだ。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、二本鎖切断(Cas9ヌクレアーゼ)または一本鎖切断(Cas9ニッカーゼ)を生じる、S.アウレウス(S.aureus)Cas9分子と共に使用され得る。一実施形態では、二重標的化が使用されて、対向するDNA鎖と相補的な2つの標的化ドメインと共に、S.アウレウス(S.aureus)Cas9ニッカーゼが使用されて対向するDNA鎖上に2つのニックが生じ、例えば、任意のマイナス鎖標的化ドメインを含んでなるgRNAが、2つのgRNAが、PAMが外側を向きgRNAの5’末端間の距離が0~50bpであるようにDNA上で配向するという条件で、プラス鎖標的化ドメインを含んでなる任意のgRNAと対にされてもよい。
表23Iは、第1階層パラメータに従って選択された、N.メニンジチディス(N.meningitidis)Cas9を使用した、PTPN6遺伝子ノックアウトの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、開始コドン下流の最初の500bpのコード配列中で結合して、良好な直交性を有した。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、二本鎖切断(Cas9ヌクレアーゼ)または一本鎖切断(Cas9ニッカーゼ)を生じる、N.メニンジチディス(N.meningitidis)Cas9分子と共に使用され得る。一実施形態では、二重標的化が使用されて、対向するDNA鎖と相補的な2つの標的化ドメインと共に、N.メニンジチディス(N.meningitidis)ニッカーゼが使用されて対向するDNA鎖上に2つのニックが生じ、例えば、任意のマイナス鎖標的化ドメインを含んでなるgRNAが、2つのgRNAが、PAMが外側を向きgRNAの5’末端間の距離が0~50bpであるようにDNA上で配向するという条件で、プラス鎖標的化ドメインを含んでなる任意のgRNAと対にされてもよい。
表23Jは、第3階層パラメータに従って選択された、N.メニンジチディス(N.meningitidis)Cas9を使用した、PTPN6遺伝子ノックアウトの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、開始コドン下流の最初の500bpのコード配列を超えて、良好な直交性は要求されなかった。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、二本鎖切断(Cas9ヌクレアーゼ)または一本鎖切断(Cas9ニッカーゼ)を生じる、N.メニンジチディス(N.meningitidis)Cas9分子と共に使用され得る。一実施形態では、二重標的化が使用されて、対向するDNA鎖と相補的な2つの標的化ドメインと共に、N.メニンジチディス(N.meningitidis)Cas9ニッカーゼが使用されて対向するDNA鎖上に2つのニックが生じ、例えば、任意のマイナス鎖標的化ドメインを含んでなるgRNAが、2つのgRNAが、PAMが外側を向きgRNAの5’末端間の距離が0~50bpであるようにDNA上で配向するという条件で、プラス鎖標的化ドメインを含んでなる任意のgRNAと対にされてもよい。
表24Aは、第1階層パラメータに従って選択された、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9を使用した、PTPN6遺伝子ノックダウンの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、転写開始部位の最初の500bp上流および下流内で選択され、高レベルの直交性を有した。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、例えば、本明細書に記載されるようなeiCas9融合タンパク質などのS.ピオゲネス(S.pyogenes)eiCas9分子と共に使用され得る。
表24Bは、第2階層パラメータに従って選択された、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9を使用した、PTPN6遺伝子ノックダウンの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、転写開始部位の最初の500bp上流および下流内で選択されて、高い直交性は要求されなかった。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、例えば、本明細書に記載されるようなeiCas9融合タンパク質などのS.ピオゲネス(S.pyogenes)eiCas9分子と共に使用され得る。
表24Cは、第3階層パラメータに従って選択された、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9を使用した、PTPN6遺伝子ノックダウンの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、転写開始部位のさらに73bp上流および500bp下流内(転写開始部位の573bp上流および1kb下流に及ぶ)で選択される。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、例えば、本明細書に記載されるようなeiCas9融合タンパク質などのS.ピオゲネス(S.pyogenes)eiCas9分子と共に使用され得る。
表24Dは、第1階層パラメータに従って選択された、S.アウレウス(S.aureus)Cas9を使用した、PTPN6遺伝子ノックダウンの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、転写開始部位の500bp上流および下流内で選択され、高レベルの直交性、PAMはNNGRRTである。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、例えば、本明細書に記載されるようなeiCas9融合タンパク質などのS.アウレウス(S.aureus)eiCas9分子と共に使用され得る。
表24Eは、第2階層パラメータに従って選択された、S.アウレウス(S.aureus)Cas9を使用した、PTPN6遺伝子ノックダウンの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、転写開始部位の500bp上流および下流内で選択され、直交性は要求されず、PAMはNNGRRTである。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、例えば、本明細書に記載されるようなeiCas9融合タンパク質などのS.アウレウス(S.aureus)eiCas9分子と共に使用され得る。
表24Fは、第3階層パラメータに従って選択された、S.アウレウス(S.aureus)Cas9を使用した、PTPN6遺伝子ノックダウンの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、転写開始部位のさらに500bp上流および下流内(例えば、転写開始部位の1kb上流および下流に及ぶ)で選択され、PAMはNNGRRTである。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、例えば、本明細書に記載されるようなeiCas9融合タンパク質などのS.アウレウス(S.aureus)eiCas9分子と共に使用され得る。
表24Gは、第4階層パラメータに従って選択された、S.アウレウス(S.aureus)Cas9を使用した、PTPN6遺伝子ノックダウンの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、転写開始部位のさらに73bp上流および500bp下流内(転写開始部位の573bp上流および1kb下流に及ぶ)で選択され、PAMはNNGRRTである。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、例えば、本明細書に記載されるようなeiCas9融合タンパク質などのS.アウレウス(S.aureus)eiCas9分子と共に使用され得る。
表24Hは、第5階層パラメータに従って選択された、S.アウレウス(S.aureus)Cas9を使用した、PTPN6遺伝子ノックダウンの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、転写開始部位のさらに73bp上流および500bp下流内(転写開始部位の573bp上流および1kb下流に及ぶ)で選択され、PAMはNNGRRVである。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、例えば、本明細書に記載されるようなeiCas9融合タンパク質などのS.アウレウス(S.aureus)eiCas9分子と共に使用され得る。
表24Iは、第1階層パラメータに従って選択された、N.メニンジチディス(N.meningitidis)Cas9を使用した、PTPN6遺伝子ノックダウンの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、転写開始部位の最初の500bp上流および下流内で選択され、高レベルの直交性を有した。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、例えば、本明細書に記載されるようなeiCas9融合タンパク質などのN.メニンジチディス(N.meningitidis)eiCas9分子と共に使用され得る。
表24Jは、第2階層パラメータに従って選択された、N.メニンジチディス(N.meningitidis)Cas9を使用した、PTPN6遺伝子ノックダウンの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、転写開始部位の最初の500bp上流および下流内で選択されて、高い直交性は要求されなかった。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、例えば、本明細書に記載されるようなeiCas9融合タンパク質などのN.メニンジチディス(N.meningitidis)eiCas9分子と共に使用され得る。
表24Kは、第3階層パラメータに従って選択された、N.メニンジチディス(N.meningitidis)Cas9を使用した、PTPN6遺伝子ノックダウンの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、転写開始部位のさらに73bp上流および500bp下流内(転写開始部位の573bp上流および1kb下流に及ぶ)で選択される。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、例えば、本明細書に記載されるようなeiCas9融合タンパク質などのN.メニンジチディス(N.meningitidis)eiCas9分子と共に使用され得る。
表25Aは、第1階層パラメータに従って選択された、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9を使用した、TRAC遺伝子ノックアウトの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、開始コドン下流の最初の500bpのコード配列中で結合して、良好な直交性を有した。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、二本鎖切断(Cas9ヌクレアーゼ)または一本鎖切断(Cas9ニッカーゼ)を生じる、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9分子と共に使用され得る。一実施形態では、二重標的化が使用されて、対向するDNA鎖と相補的な2つの標的化ドメインと共に、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9ニッカーゼが使用されて対向するDNA鎖上に2つのニックが生じ、例えば、任意のマイナス鎖標的化ドメインを含んでなるgRNAが、2つのgRNAが、PAMが外側を向きgRNAの5’末端間の距離が0~50bpであるようにDNA上で配向するという条件で、プラス鎖標的化ドメインを含んでなる任意のgRNAと対にされてもよい。一実施形態では、2つのgRNAを使用して、2つのCas9ヌクレアーゼまたは2つのCas9ニッカーゼが標的化され、例えば、表25-1に示される、A群からの標的化ドメインがあるgRNAが、B群からの標的化ドメインがあるgRNAと対にされ得る。
表25Bは、第2階層パラメータに従って選択された、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9を使用した、TRAC遺伝子ノックアウトの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、開始コドン下流の最初の500bpのコード配列中で結合して、良好な直交性は要求されなかった。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、二本鎖切断(Cas9ヌクレアーゼ)または一本鎖切断(Cas9ニッカーゼ)を生じる、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9分子と共に使用され得る。一実施形態では、二重標的化が使用されて、対向するDNA鎖と相補的な2つの標的化ドメインと共に、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9ニッカーゼが使用されて対向するDNA鎖上に2つのニックが生じ、例えば、任意のマイナス鎖標的化ドメインを含んでなるgRNAが、2つのgRNAが、PAMが外側を向きgRNAの5’末端間の距離が0~50bpであるようにDNA上で配向するという条件で、プラス鎖標的化ドメインを含んでなる任意のgRNAと対にされてもよい。
表25Cは、第1階層パラメータに従って選択された、S.アウレウス(S.aureus)Cas9を使用した、TRAC遺伝子ノックアウトの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、コード配列の最初の500bp内で選択され、高レベルの直交性を有し、NNGRRT PAMを含んだ。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、二本鎖切断(Cas9ヌクレアーゼ)または一本鎖切断(Cas9ニッカーゼ)を生じる、S.アウレウス(S.aureus)Cas9分子と共に使用され得る。一実施形態では、二重標的化が使用されて、対向するDNA鎖と相補的な2つの標的化ドメインと共に、S.アウレウス(S.aureus)Cas9ニッカーゼが使用されて対向するDNA鎖上に2つのニックが生じ、例えば、任意のマイナス鎖標的化ドメインを含んでなるgRNAが、2つのgRNAが、PAMが外側を向きgRNAの5’末端間の距離が0~50bpであるようにDNA上で配向するという条件で、プラス鎖標的化ドメインを含んでなる任意のgRNAと対にされてもよい。一実施形態では、2つのgRNAを使用して、2つのCas9ヌクレアーゼまたは2つのCas9ニッカーゼが標的化され、例えば、表25-2に示される、A群からの標的化ドメインがあるgRNAが、B群からの標的化ドメインがあるgRNAと対にされ得る。
表25Dは、第2階層パラメータに従って選択された、S.アウレウス(S.aureus)Cas9を使用したTRAC遺伝子ノックアウトの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、コード配列の最初の500bp内から選択され、直交性のレベルは要求されず、NNGRRT PAMを含んだ。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、二本鎖切断(Cas9ヌクレアーゼ)または一本鎖切断(Cas9ニッカーゼ)を生じる、S.アウレウス(S.aureus)Cas9分子と共に使用され得る。一実施形態では、二重標的化が使用されて、対向するDNA鎖と相補的な2つの標的化ドメインと共に、S.アウレウス(S.aureus)Cas9ニッカーゼが使用されて対向するDNA鎖上に2つのニックが生じ、例えば、任意のマイナス鎖標的化ドメインを含んでなるgRNAが、2つのgRNAが、PAMが外側を向きgRNAの5’末端間の距離が0~50bpであるようにDNA上で配向するという条件で、プラス鎖標的化ドメインを含んでなる任意のgRNAと対にされてもよい。
表25Eは、第3階層パラメータに従って選択された、S.アウレウス(S.aureus)Cas9を使用したTRAC遺伝子ノックアウトの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、残りの下流コード配列中で選択され、NNGRRT PAMを含んだ。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、二本鎖切断(Cas9ヌクレアーゼ)または一本鎖切断(Cas9ニッカーゼ)を生じる、S.アウレウス(S.aureus)Cas9分子と共に使用され得る。一実施形態では、二重標的化が使用されて、対向するDNA鎖と相補的な2つの標的化ドメインと共に、S.アウレウス(S.aureus)Cas9ニッカーゼが使用されて対向するDNA鎖上に2つのニックが生じ、例えば、任意のマイナス鎖標的化ドメインを含んでなるgRNAが、2つのgRNAが、PAMが外側を向きgRNAの5’末端間の距離が0~50bpであるようにDNA上で配向するという条件で、プラス鎖標的化ドメインを含んでなる任意のgRNAと対にされてもよい。
表25Fは、第1階層パラメータに従って選択された、N.メニンジチディス(N.meningitidis)Cas9を使用した、TRAC遺伝子ノックアウトの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、開始コドン下流の最初の500bpのコード配列中で結合して、良好な直交性を有した。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、二本鎖切断(Cas9ヌクレアーゼ)または一本鎖切断(Cas9ニッカーゼ)を生じる、N.メニンジチディス(N.meningitidis)Cas9分子と共に使用され得る。一実施形態では、二重標的化が使用されて、対向するDNA鎖と相補的な2つの標的化ドメインと共に、N.メニンジチディス(N.meningitidis)ニッカーゼが使用されて対向するDNA鎖上に2つのニックが生じ、例えば、任意のマイナス鎖標的化ドメインを含んでなるgRNAが、2つのgRNAが、PAMが外側を向きgRNAの5’末端間の距離が0~50bpであるようにDNA上で配向するという条件で、プラス鎖標的化ドメインを含んでなる任意のgRNAと対にされてもよい。
表25Gは、第2階層パラメータに従って選択された、N.メニンジチディス(N.meningitidis)Cas9を使用した、TRAC遺伝子ノックアウトの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、開始コドン下流の最初の500bpのコード配列中で結合して、良好な直交性は要求されなかった。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、二本鎖切断(Cas9ヌクレアーゼ)または一本鎖切断(Cas9ニッカーゼ)を生じる、N.メニンジチディス(N.meningitidis)Cas9分子と共に使用され得る。一実施形態では、二重標的化が使用されて、対向するDNA鎖と相補的な2つの標的化ドメインと共に、N.メニンジチディス(N.meningitidis)Cas9ニッカーゼが使用されて対向するDNA鎖上に2つのニックが生じ、例えば、任意のマイナス鎖標的化ドメインを含んでなるgRNAが、2つのgRNAが、PAMが外側を向きgRNAの5’末端間の距離が0~50bpであるようにDNA上で配向するという条件で、プラス鎖標的化ドメインを含んでなる任意のgRNAと対にされてもよい。
表26Aは、第1階層パラメータに従って選択された、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9を使用した、TRBC遺伝子ノックアウトの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、開始コドン下流の最初の500bpのコード配列中で結合して、良好な直交性を有した。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、二本鎖切断(Cas9ヌクレアーゼ)または一本鎖切断(Cas9ニッカーゼ)を生じる、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9分子と共に使用され得る。一実施形態では、二重標的化が使用されて、対向するDNA鎖と相補的な2つの標的化ドメインと共に、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9ニッカーゼが使用されて対向するDNA鎖上に2つのニックが生じ、例えば、任意のマイナス鎖標的化ドメインを含んでなるgRNAが、2つのgRNAが、PAMが外側を向きgRNAの5’末端間の距離が0~50bpであるようにDNA上で配向するという条件で、プラス鎖標的化ドメインを含んでなる任意のgRNAと対にされてもよい。一実施形態では、2つのgRNAを使用して、2つのCas9ヌクレアーゼまたは2つのCas9ニッカーゼが標的化され、例えば、表26-1に示される、A群からの標的化ドメインがあるgRNAが、B群からの標的化ドメインがあるgRNAと対にされ得る。
表26Bは、第2階層パラメータに従って選択された、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9を使用した、TRBC遺伝子ノックアウトの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、開始コドン下流の最初の500bpのコード配列中で結合して、良好な直交性は要求されなかった。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、二本鎖切断(Cas9ヌクレアーゼ)または一本鎖切断(Cas9ニッカーゼ)を生じる、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9分子と共に使用され得る。一実施形態では、二重標的化が使用されて、対向するDNA鎖と相補的な2つの標的化ドメインと共に、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9ニッカーゼが使用されて対向するDNA鎖上に2つのニックが生じ、例えば、任意のマイナス鎖標的化ドメインを含んでなるgRNAが、2つのgRNAが、PAMが外側を向きgRNAの5’末端間の距離が0~50bpであるようにDNA上で配向するという条件で、プラス鎖標的化ドメインを含んでなる任意のgRNAと対にされてもよい。
表26Cは、第1階層パラメータに従って選択された、S.アウレウス(S.aureus)Cas9を使用した、TRBC遺伝子ノックアウトの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、コード配列の最初の500bp内で選択され、高レベルの直交性を有し、NNGRRT PAMを含んだ。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、二本鎖切断(Cas9ヌクレアーゼ)または一本鎖切断(Cas9ニッカーゼ)を生じる、S.アウレウス(S.aureus)Cas9分子と共に使用され得る。一実施形態では、二重標的化が使用されて、対向するDNA鎖と相補的な2つの標的化ドメインと共に、S.アウレウス(S.aureus)Cas9ニッカーゼが使用されて対向するDNA鎖上に2つのニックが生じ、例えば、任意のマイナス鎖標的化ドメインを含んでなるgRNAが、2つのgRNAが、PAMが外側を向きgRNAの5’末端間の距離が0~50bpであるようにDNA上で配向するという条件で、プラス鎖標的化ドメインを含んでなる任意のgRNAと対にされてもよい。一実施形態では、2つのgRNAを使用して、2つのCas9ヌクレアーゼまたは2つのCas9ニッカーゼが標的化され、例えば、表26-2に示される、A群からの標的化ドメインがあるgRNAが、B群からの標的化ドメインがあるgRNAと対にされ得る。
表26Dは、第2階層パラメータに従って選択された、S.アウレウス(S.aureus)Cas9を使用したTRBC遺伝子ノックアウトの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、コード配列の最初の500bp内から選択され、直交性のレベルは要求されず、NNGRRT PAMを含んだ。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、二本鎖切断(Cas9ヌクレアーゼ)または一本鎖切断(Cas9ニッカーゼ)を生じる、S.アウレウス(S.aureus)Cas9分子と共に使用され得る。一実施形態では、二重標的化が使用されて、対向するDNA鎖と相補的な2つの標的化ドメインと共に、S.アウレウス(S.aureus)Cas9ニッカーゼが使用されて対向するDNA鎖上に2つのニックが生じ、例えば、任意のマイナス鎖標的化ドメインを含んでなるgRNAが、2つのgRNAが、PAMが外側を向きgRNAの5’末端間の距離が0~50bpであるようにDNA上で配向するという条件で、プラス鎖標的化ドメインを含んでなる任意のgRNAと対にされてもよい。
表26Eは、第3階層パラメータに従って選択された、S.アウレウス(S.aureus)Cas9を使用したTRBC遺伝子ノックアウトの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、残りの下流コード配列中で選択され、NNGRRT PAMを含んだ。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、二本鎖切断(Cas9ヌクレアーゼ)または一本鎖切断(Cas9ニッカーゼ)を生じる、S.アウレウス(S.aureus)Cas9分子と共に使用され得る。一実施形態では、二重標的化が使用されて、対向するDNA鎖と相補的な2つの標的化ドメインと共に、S.アウレウス(S.aureus)Cas9ニッカーゼが使用されて対向するDNA鎖上に2つのニックが生じ、例えば、任意のマイナス鎖標的化ドメインを含んでなるgRNAが、2つのgRNAが、PAMが外側を向きgRNAの5’末端間の距離が0~50bpであるようにDNA上で配向するという条件で、プラス鎖標的化ドメインを含んでなる任意のgRNAと対にされてもよい。
表26Fは、第1階層パラメータに従って選択された、N.メニンジチディス(N.meningitidis)Cas9を使用した、TRBC遺伝子ノックアウトの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、開始コドン下流の最初の500bpのコード配列中で結合して、良好な直交性を有した。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、二本鎖切断(Cas9ヌクレアーゼ)または一本鎖切断(Cas9ニッカーゼ)を生じる、N.メニンジチディス(N.meningitidis)Cas9分子と共に使用され得る。一実施形態では、二重標的化が使用されて、対向するDNA鎖と相補的な2つの標的化ドメインと共に、N.メニンジチディス(N.meningitidis)ニッカーゼが使用されて対向するDNA鎖上に2つのニックが生じ、例えば、任意のマイナス鎖標的化ドメインを含んでなるgRNAが、2つのgRNAが、PAMが外側を向きgRNAの5’末端間の距離が0~50bpであるようにDNA上で配向するという条件で、プラス鎖標的化ドメインを含んでなる任意のgRNAと対にされてもよい。
表26Gは、第2階層パラメータに従って選択された、N.メニンジチディス(N.meningitidis)Cas9を使用した、TRBC遺伝子ノックアウトの標的化ドメインを提供する。標的化ドメインは、開始コドン下流の最初の500bpのコード配列中で結合して、良好な直交性は要求されなかった。標的化ドメインは、相補的塩基対形成を通じて標的ドメインにハイブリダイズすることが、本明細書で検討される。表中の標的化ドメインのいずれでも、二本鎖切断(Cas9ヌクレアーゼ)または一本鎖切断(Cas9ニッカーゼ)を生じる、N.メニンジチディス(N.meningitidis)Cas9分子と共に使用され得る。一実施形態では、二重標的化が使用されて、対向するDNA鎖と相補的な2つの標的化ドメインと共に、N.メニンジチディス(N.meningitidis)Cas9ニッカーゼが使用されて対向するDNA鎖上に2つのニックが生じ、例えば、任意のマイナス鎖標的化ドメインを含んでなるgRNAが、2つのgRNAが、PAMが外側を向きgRNAの5’末端間の距離が0~50bpであるようにDNA上で配向するという条件で、プラス鎖標的化ドメインを含んでなる任意のgRNAと対にされてもよい。
本明細書で開示される標的化ドメインは、表13A~K、表14A~K、表15A~F、表16A~K、表17A~K、表18A~K、表19A~J、表20A~J、表21A~K、表22A~K、表23A~J、表24A~K、表25A~G、表26A~G、表27、表29、表31、または表32に記載される17量体を含んでなってもよく、例えば、18ヌクレオチド以上の標的化ドメインは、表13A~K、表14A~K、表15A~F、表16A~K、表17A~K、表18A~K、表19A~J、表20A~J、表21A~K、表22A~K、表23A~J、表24A~K、表25A~G、表26A~G、表27、表29、表31、または表32に記載される17量体gRNAを含んでなってもよい。
本明細書で開示される標的化ドメインは、表13A~K、表14A~K、表15A~F、表16A~K、表17A~K、表18A~K、表19A~J、表20A~J、表21A~K、表22A~K、表23A~J、表24A~K、表25A~G、表26A~G、表27、表29、表31、または表32に記載される18量体を含んでなってもよく、例えば、19ヌクレオチド以上の標的化ドメインは、表13A~K、表14A~K、表15A~F、表16A~K、表17A~K、表18A~K、表19A~J、表20A~J、表21A~K、表22A~K、表23A~J、表24A~K、表25A~G、表26A~G、表27、表29、表31、または表32、表25A~G、表26A~G、表27、表29、表31、または表32に記載される18量体gRNを含んでなってもよい。
本明細書で開示される標的化ドメインは、表13A~K、表14A~K、表15A~F、表16A~K、表17A~K、表18A~K、表19A~J、表20A~J、表21A~K、表22A~K、表23A~J、表24A~K、表25A~G、表26A~G、表27、表29、表31、または表32に記載される19量体を含んでなってもよく、例えば、20ヌクレオチド以上の標的化ドメインは、表13A~K、表14A~K、表15A~F、表16A~K、表17A~K、表18A~K、表19A~J、表20A~J、表21A~K、表22A~K、表23A~J、表24A~K、表25A~G、表26A~G、表27、表29、表31、または表32に記載される19量体gRNAを含んでなってもよい。
本明細書で開示される標的化ドメインは、表13A~K、表14A~K、表15A~F、表16A~K、表17A~K、表18A~K、表19A~J、表20A~J、表21A~K、表22A~K、表23A~J、表24A~K、表25A~G、表26A~G、表27、表29、表31、または表32に記載される20量体gRNAを含んでなってもよく、例えば、21ヌクレオチド以上の標的化ドメインは、表13A~K、表14A~K、表15A~F、表16A~K、表17A~K、表18A~K、表19A~J、表20A~J、表21A~K、表22A~K、表23A~J、表24A~K、表25A~G、表26A~G、表27、表29、表31、または表32に記載される20量体gRNAを含んでなってもよい。
本明細書で開示される標的化ドメインは、表13A~K、表14A~K、表15A~F、表16A~K、表17A~K、表18A~K、表19A~J、表20A~J、表21A~K、表22A~K、表23A~J、表24A~K、表25A~G、表26A~G、表27、表29、表31、または表32に記載される21量体を含んでなってもよく、例えば、22ヌクレオチド以上の標的化ドメインは、表13A~K、表14A~K、表15A~F、表16A~K、表17A~K、表18A~K、表19A~J、表20A~J、表21A~K、表22A~K、表23A~J、表24A~K、表25A~G、表26A~G、表27、表29、表31、または表32に記載される21量体gRNAを含んでなってもよい。
本明細書で開示される標的化ドメインは、表13A~K、表14A~K、表15A~F、表16A~K、表17A~K、表18A~K、表19A~J、表20A~J、表21A~K、表22A~K、表23A~J、表24A~K、表25A~G、表26A~G、表27、表29、表31、または表32に記載される22量体を含んでなってもよく、例えば、23ヌクレオチド以上の標的化ドメインは、表13A~K、表14A~K、表15A~F、表16A~K、表17A~K、表18A~K、表19A~J、表20A~J、表21A~K、表22A~K、表23A~J、表24A~K、表25A~G、表26A~G、表27、表29、表31、または表32に記載される22量体gRNAを含んでなってもよい。
本明細書で開示される標的化ドメインは、表13A~K、表14A~K、表15A~F、表16A~K、表17A~K、表18A~K、表19A~J、表20A~J、表21A~K、表22A~K、表23A~J、表24A~K、表25A~G、表26A~G、表27、表29、表31、または表32に記載される23量体を含んでなってもよく、例えば、24ヌクレオチド以上の標的化ドメインは、表13A~K、表14A~K、表15A~F、表16A~K、表17A~K、表18A~K、表19A~J、表20A~J、表21A~K、表22A~K、表23A~J、表24A~K、表25A~G、表26A~G、表27、表29、表31、または表32に記載される23量体gRNAを含んでなってもよい。
本明細書で開示される標的化ドメインは、表13A~K、表14A~K、表15A~F、表16A~K、表17A~K、表18A~K、表19A~J、表20A~J、表21A~K、表22A~K、表23A~J、表24A~K、表25A~G、表26A~G、表27、表29、表31、または表32に記載される24量体を含んでなってもよく、例えば、25ヌクレオチド以上の標的化ドメインは、表13A~K、表14A~K、表15A~F、表16A~K、表17A~K、表18A~K、表19A~J、表20A~J、表21A~K、表22A~K、表23A~J、表24A~K、表25A~G、表26A~G、表27、表29、表31、または表32に記載される24量体gRNAを含んでなってもよい。
III.Cas9分子
多様な生物種のCas9分子が、本明細書に記載される方法および組成物で使用され得る。S.ピオゲネス(S.pyogenes)、S.アウレウス(S.aureus)、N.メニンジチディス(N.meningitidis)、およびS.サーモフィルス(S.thermophilus)Cas9分子が、本明細書の開示の多くの対象である一方で、本明細書で列挙されるその他の生物種からの、それに由来する、またはそのCas9タンパク質をベースとする、Cas9分子もまた使用され得る。換言すれば、本明細書の記述の多くが、S.ピオゲネス(S.pyogenes)、S.アウレウス(S.aureus)、N.メニンジチディス(N.meningitidis)、およびS.サーモフィルス(S.thermophilus)Cas9分子を利用する一方で、その他の生物種からのCas9分子が、それらを置き換え得る。そのような種としては、アシドボラクス・アベナエ(Acidovorax avenae)、アクチノバチルス・プルロニューモニアエ(Actinobacillus pleuropneumoniae)、アクチノバチルス・サクシノゲネス(Actinobacillus succinogenes)、アクチノバチルス・スイス(Actinobacillus suis)、アクチノミセス属(Actinomyces)種、アリシクリフィルス・デニトリフィカンス(Cycliphilus denitrificans)、アミノモナス・パウシボランス(Aminomonas paucivorans)、バチルス・セレウス(Bacillus cereus)、バチルス・スミシイ(Bacillus smithii)、バチルス・チューリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)、バクテロイデス属(Bacteroides)種、ブラストピレルラ・マリナ(Blastopirellula marina)、ブラディリゾビウム属(Bradyrhizobium)種、ブレビバチルス・ラテロスポラス(Brevibacillus laterosporus)、カンピロバクター・コリ(Campylobacter coli)、カンピロバクター・ジェジュニ(Campylobacter jejuni)、カンピロバクター・ラリ(Campylobacter lari)、カンジダツス・プニセイスピリルム(Candidatus puniceispirillum)、クロストリジウム・セルロリチカム(Clostridium cellulolyticum)、クロストリジウム・パーフリンゲンス(Clostridium perfringens)、コリネバクテリウム・アクコレンス(Corynebacterium accolens)、コリネバクテリウム・ジフテリア(Corynebacterium diphtheria)、コリネバクテリウム・マトルコチイ(Corynebacterium matruchotii)、ディノロセオバクター・シバエ(Dinoroseobacter shibae)、ユウバクテリウム・ドリクム(Eubacterium dolichum)、ガンマプロテオバクテリア綱(Gammaproteobacterium)、グルコンアセトバクター・ジアゾトロフィクス(Gluconacetobacter diazotrophicus)、ヘモフィルス・パラインフルエンザエ(Haemophilus parainfluenzae)、ヘモフィルス・スプトラム(Haemophilus sputorum)、ヘリコバクター・カナデンシス(Helicobacter canadensis)、ヘリコバクター・シナエディ(Helicobacter cinaedi)、ヘリコバクター・ムステラエ(Helicobacter mustelae)、イリオバクター・ポリトロパス(Ilyobacter polytropus)、キンゲラ・キンガエ(Kingella kingae)、ラクトバチルス・クリスパータス(Lactobacillus crispatus)、リステリア・イバノビイ(Listeria ivanovii)、リステリア・モノサイトゲネス(Listeria monocytogenes)、リステリア科(Listeriaceae)細菌、メチロシスチス科(Methylocystis)種、メチロシナス・トリコスポリウム(Methylosinus trichosporium)、モビルンカス・ムリエリス(Mobiluncus mulieris)、ナイセリア・バシリフォルミス(Neisseria bacilliformis)、ナイセリア・シネレア(Neisseria cinerea)、ナイセリア・フラベッセンス(Neisseria flavescens)、ナイセリア・ラクタミカ(Neisseria lactamica)、ナイセリア・メニンジチディス(Neisseria meningitidis)、ナイセリア属(Neisseria)種、ナイセリア・ワズワーシイ(Neisseria wadsworthii)、ニトロソモナス属(Nitrosomonas)種、パルビバクラム・ラバメンチボランス(Parvibaculum lavamentivorans)、パスツレラ・ムルトシダ(Pasteurella multocida)、ファスコラークトバクテリウム・スクシナテュテンス(Phascolarctobacterium succinatutens)、ラルストニア・シジジイ(Ralstonia syzygii)、ロドシュードモナス・パルストリス(Rhodopseudomonas palustris)、ロドブラム属(Rhodovulum)種、シモンシエラ・ムエレリ(Simonsiella muelleri)、スフィンゴモナス属(Sphingomonas)種、スポロラクトバチルス・ビネア(Sporolactobacillus vineae)、スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)、スタフィロコッカス・ルグドゥネンシス(Staphylococcus lugdunensis)、ストレプトコッカス属(Streptococcus)種、サブドリグラヌルム属(Subdoligranulum)種、チストレラ・モビリス(Tistrella mobilis)、トレポネーマ属(Treponema)種、またはベルミネフロバクター・エイセニア(Verminephrobacter eiseniae)が挙げられる。
Cas9分子、またはCas9ポリペプチドは、本明細書での用法では、gRNA分子と相互作用し得て、gRNA分子と協調して、標的ドメインおよびPAM配列を含んでなる部位に復帰または局在する分子、またはポリペプチドを指す。Cas9分子およびCas9ポリペプチドと言う用語は、本明細書の用法では、天然Cas9分子を指し、例えば、表100の最も良く似た天然Cas9分子または配列などの参照配列と、例えば、少なくとも1つのアミノ酸残基が異なる、遺伝子操作、改変、または修飾されたCas9分子、またはCas9ポリペプチドを指す。
Cas9ドメイン
結晶構造は、2つの異なる天然細菌Cas9分子(Jinek et al.,Science,343(6176):1247997,2014)について、およびガイドRNAがあるS.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9(例えば、crRNAとtracrRNAの合成融合物)(Nishimasu et al.,Cell,156:935-949,2014;およびAnders et al.,Nature,2014,doi:10.1038/nature13579)について評価された。
天然Cas9分子は、認識(REC)ローブおよびヌクレアーゼ(NUC)ローブの2つのローブを含んでなり;そのそれぞれは、本明細書に記載されるドメインをさらに含んでなる。図8A~8Bは、一次構造中の重要なCas9ドメイン構成の概略図を提供する。本開示全体を通じて使用されるドメイン命名法および各ドメインに包含されるアミノ酸残基の番号付与は、Nishimasu et al.に記載されるようである。アミノ酸残基の番号付与は、S.ピオゲネス(S.pyogenes)に由来するCas9を参照する。
RECローブは、アルギニンに富む架橋らせん(BH)、REC1ドメイン、およびREC2ドメインを含んでなる。RECローブは、その他の既知のタンパク質と構造的類似性を有せず、それがCas9特異的機能ドメインであることが示唆される。BHドメインは、長いα-らせんおよびアルギニンに富む領域であり、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9配列のアミノ酸60~93を含んでなる。REC1ドメインは、例えば、gRNAまたはatracrRNAなどの反復:抗反復二本鎖の認識に重要であり、したがって標的配列を認識することでCas9活性に重要である。REC1ドメインは、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9配列のアミノ酸94~179および308~717に、2つのREC1モチーフを含んでなる。これらの2つのREC1ドメインは、直鎖一次構造内ではREC2ドメインによって隔てられるが、三次構造に構築されてREC1ドメインを形成する。REC2ドメインまたはその部分はまた、反復:抗反復二本鎖の認識における役割を有してもよい。REC2ドメインは、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9配列のアミノ酸180~307を含んでなる。
NUCローブは、RuvCドメイン(本明細書ではRuvC様ドメインとも称される)、HNHドメイン(本明細書ではHNH様ドメインとも称される)、およびPAM相互作用(PI)ドメインを含んでなる。RuvCドメインは、レトロウイルスインテグラーゼスーパーファミリー構成要素との構造類似性を有して、例えば、標的核酸分子の非相補鎖などの一本鎖を切断する。RuvCドメインは、それぞれS.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9配列のアミノ酸1~59、718~769、および909~1098にある、3つの分割RuvCモチーフ(RuvCI、RuvCII、およびRuvCIII、当該技術分野で一般にRuvCIドメイン、またはN末端RuvCドメイン、RuvCIIドメイン、およびRuvCIIIドメインと称されることが多い)から構築される。REC1ドメインと同様に、3つのRuvCモチーフは、一次構造内ではその他のドメインによって直線的に隔離されるが、三次構造内では、3つのRuvCモチーフに構築されてRuvCドメインが形成する。HNHドメインは、HNHエンドヌクレアーゼとの構造的類似性を有し、例えば、標的核酸分子の相補鎖などの一本鎖を切断する。HNHドメインは、RuvCII~IIIモチーフの間にあり、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9配列のアミノ酸775~908を含んでなる。PIドメインは、標的核酸分子のPAMと相互作用し、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9.配列のアミノ酸1099~1368を含んでなる。
RuvC様ドメインおよびHNH様ドメイン
一実施形態では、Cas9分子またはCas9ポリペプチドは、HNH様ドメインおよびRuvC様ドメインを含んでなる。一実施形態では、切断活性は、RuvC様ドメインおよびHNH様ドメインに依存する。例えば、eaCas9分子またはeaCas9ポリペプチドなどのCas9分子またはCas9ポリペプチドは、RuvC様ドメインおよびHNH様ドメインのドメインの1つまたは複数を含んでなり得る。一実施形態では、Cas9分子またはCas9ポリペプチドは、eaCas9分子またはeaCas9ポリペプチドであり、eaCas9分子またはeaCas9ポリペプチドは、例えば、以下に記載されるRuvC様ドメイン、および/または例えば、以下に記載されるHNH様ドメインなどのHNH様ドメインなどのRuvC様ドメインを含んでなる。
RuvC様ドメイン
一実施形態では、RuvC様ドメインは、例えば、標的核酸分子の非相補鎖などの一本鎖を切断する。Cas9分子またはCas9ポリペプチドは、2つ以上のRuvC様ドメイン(例えば、1、2、3つ以上のRuvC様ドメイン)を含み得る。一実施形態では、RuvC様ドメインは、少なくとも5、6、7、8アミノ酸長であるが、20、19、18、17、16または15アミノ酸長以下である。一実施形態では、Cas9分子またはCas9ポリペプチドは、例えば、約15アミノ酸長などの約10~20個のアミノ酸のN末端RuvC様ドメインを含んでなる。
N末端RuvC様ドメイン
いくつかの天然Cas9分子は、2つ以上のRuvC様ドメインを含んでなり、切断はN末端RuvC様ドメインに依存する。したがって、Cas9分子またはCas9ポリペプチドは、N末端RuvC様ドメインを含んでなり得る。代表的なN末端RuvC様ドメインは、以下に記載される。
一実施形態では、eaCas9分子またはeaCas9ポリペプチドは、式I、
D-X1-G-X2-X3-X4-X5-G-X6-X7-X8-X9(配列番号8)
のアミノ酸配列を含んでなる、N末端RuvC様ドメインを含んでなり、
式中、
X1は、I、V、M、L、およびTから選択され(例えば、I、V、およびLから選択され);
X2は、T、I、V、S、N、Y、E、およびLから選択され(例えば、T、V、およびIから選択され);
X3は、N、S、G、A、D、T、R、M、およびF(例えば、AまたはN)から選択され;
X4は、S、Y、N、およびF(例えば、S)から選択され;
X5は、V、I、L、C、T、およびFから選択され(例えば、V、I、およびLから選択され);
X6は、W、F、V、Y、S、およびL(例えば、W)から選択され;
X7は、A、S、C、V、およびGから選択され(例えば、AおよびSから選択され);
X8は、V、I、L、A、M、およびHから選択され(例えば、V、I、M、およびLから選択され);
X9は、Δ(例えば、T、V、I、L、Δ、F、S、A、Y、M、およびRから選択され、または、例えば、T、V、I、L、およびΔから選択される)で表記される、任意のアミノ酸から選択され、または不在である。
一実施形態では、N末端RuvC様ドメインは、配列番号8の配列と、1つ程度であるが、2、3、4、または5つ以下の残基が異なる。
実施形態では、N末端RuvC様ドメインは、切断能力がある。
実施形態では、N末端RuvC様ドメインは、切断能力がない。
一実施形態では、eaCas9分子またはeaCas9ポリペプチドは、式II、
D-X1-G-X2-X3-S-X5-G-X6-X7-X8-X9(配列番号9)
のアミノ酸配列を含んでなる、N末端RuvC様ドメインを含んでなり、
式中、
X1は、I、V、M、L、およびTから選択され(例えば、I、V、およびLから選択され);
X2は、T、I、V、S、N、Y、E、およびLから選択され(例えば、T、V、およびIから選択され);
X3は、N、S、G、A、D、T、R、M、およびF(例えば、AまたはN)から選択され;
X5は、V、I、L、C、T、およびFから選択され(例えば、V、I、およびLから選択され);
X6は、W、F、V、Y、S、およびL(例えば、W)から選択され;
X7は、A、S、C、V、およびGから選択され(例えば、AおよびSから選択され);
X8は、V、I、L、A、M、およびHから選択され(例えば、V、I、M、およびLから選択され);
X9は、任意のアミノ酸から選択されまたは不在であり(例えば、T、V、I、L、Δ、F、S、A、Y、M、およびRから選択され、または例えば、T、V、I、L、およびΔから選択される)。
一実施形態では、N末端RuvC様ドメインは、配列番号9の配列と、1つ程度であるが、2、3、4、または5つ以下の残基が異なる。
一実施形態では、N末端RuvC様ドメインは、式III、
D-I-G-X2-X3-S-V-G-W-A-X8-X9(配列番号10)
のアミノ酸配列を含んでなり、
式中、
X2は、T、I、V、S、N、Y、E、およびLから選択され(例えば、T、V、およびIから選択され);
X3は、N、S、G、A、D、T、R、M、およびF(例えば、AまたはN)から選択され;
X8は、V、I、L、A、M、およびHから選択され(例えば、V、I、M、およびLから選択され);
X9は、任意のアミノ酸から選択されまたは不在であり(例えば、T、V、I、L、Δ、F、S、A、Y、M、およびRから選択され、または例えば、T、V、I、L、およびΔから選択される)。
一実施形態では、N末端RuvC様ドメインは、配列番号10の配列と、1つ程度であるが、2、3、4、または5つ以下の残基が異なる。
一実施形態では、N末端RuvC様ドメインは、式III、
D-I-G-T-N-S-V-G-W-A-V-X(配列番号11)
のアミノ酸配列を含んでなり、
式中、
Xは、非極性アルキルアミノ酸またはヒドロキシルアミノ酸であり、例えば、Xは、V、I、L、およびTから選択される(例えば、eaCas9分子は、図2A~2Gに示されるN末端RuvC様ドメインを含んでなり得る(Yとして示される))。
一実施形態では、N末端RuvC様ドメインは、配列番号11の配列と、1つ程度であるが、2、3、4、または5つ以下の残基が異なる。
一実施形態では、N末端RuvC様ドメインは、例えば、図3A~3Bまたは図7A~7Bなどの本明細書で開示される、N末端RuvC様ドメインの配列と、1つ程度であるが、2、3、4、または5つ以下の残基が異なる。一実施形態では、図3A~3Bまたは図7A~7Bで同定された高度に保存された残基の内、1つ、2つ、または3つ全てが存在する。
一実施形態では、N末端RuvC様ドメインは、例えば、図4A~4Bまたは図7A~7Bなどの本明細書で開示される、N末端RuvC様ドメインの配列と、1つ程度であるが、2、3、4、または5つ以下の残基が異なる。一実施形態では、図4A~4Bまたは図7A~7Bで同定された高度に保存された残基の内、1つ、2つ、3つまたは4つ全てが存在する。
追加的RuvC様ドメイン
N末端RuvC様ドメインに加えて、例えば、eaCas9分子またはeaCas9ポリペプチドなどのCas9分子またはCas9ポリペプチドは、1つまたは複数の追加的RuvC様ドメインを含んでなり得る。一実施形態では、Cas9分子またはCas9ポリペプチドは、2つの追加的RuvC様ドメインを含んでなり得る。好ましくは、追加的RuvC様ドメインは、例えば、15未満のアミノ酸長、例えば、5~10アミノ酸長、例えば、8アミノ酸長などの少なくとも5アミノ酸長である。
追加的RuvC様ドメインは、
I-X1-X2-E-X3-A-R-E(配列番号12)
のアミノ酸配列を含んでなり得て、
式中、
X1はVまたはHであり,
X2はI、LまたはV(例えば、IまたはV)であり;
X3はMまたはTである。
一実施形態では、追加的RuvC様ドメインは、
I-V-X2-E-M-A-R-E(配列番号13)
のアミノ酸配列を含んでなり、
式中、
X2はI、LまたはV(例えば、IまたはV)である(例えば、eaCas9分子またはeaCas9ポリペプチドは、図2A~2Gまたは図7A~7Bに示される、追加的RuvC様ドメインを含んでなり得る(Bとして示される))。
追加的RuvC様ドメインは、H-H-A-X1-D-A-X2-X3(配列番号14)のアミノ酸配列を含んでなり得て、
式中、
X1はHまたはLであり;
X2はRまたはVであり;および
X3はEまたはVである。
一実施形態では、追加的RuvC様ドメインは、
H-H-A-H-D-A-Y-L(配列番号15)
のアミノ酸配列を含んでなる。
一実施形態では、追加的RuvC様ドメインは、配列番号12、13、14または15の配列と、1つ程度であるが、2、3、4、または5つ以下の残基が異なる。
いくつかの実施形態では、N末端RuvC様ドメインの側面に位置する配列は、式V:K-X1’-Y-X2’-X3’-X4’-Z-T-D-X9’-Y(配列番号:16)の配列であり、
式中、
X1’は、KおよびPから選択され、
X2’はV、L、I、およびF(例えばV、I、およびL)から選択され;
X3’は、G、A、およびS(例えば、G)から選択され、
X4’はL、I、V、およびF(例えば、L)から選択され;
X9’は、D、E、N、およびQから選択され;
Zは、例えば、上述されるようなN末端RuvC様ドメインである。
HNH様ドメイン
一実施形態では、HNH様ドメインは、例えば、二本鎖核酸分子の相補鎖などの一本鎖相補的ドメインを切断する。一実施形態では、HNH様ドメインは、少なくとも15、20、25アミノ酸長であるが、40、35または30以下のアミノ酸長であり、例えば、20~35アミノ酸長、例えば、25~30アミノ酸長である。代表的なHNH様ドメインは、以下に記載される。
一実施形態では、eaCas9分子またはeaCas9ポリペプチドは、式VI:X1-X2-X3-H-X4-X5-P-X6-X7-X8-X9-X10-X11-X12-X13-X14-X15-N-X16-X17-X18-X19-X20-X21-X22-X23-N(配列番号17)のアミノ酸配列を有するHNH様ドメインを含んでなり、
式中、
X1は、D、E、Q、およびN(例えば、DおよびE)から選択され;
X2は、L、I、R、Q、V、M、およびKから選択され;
X3は、DおよびEから選択され;
X4は、I、V、T、A、およびL(例えば、A、I、およびV)から選択され;
X5は、V、Y、I、L、F、およびW(例えば、V、I、およびL)から選択され;
X6は、Q、H、R、K、Y、I、L、F、およびWから選択され;
X7は、S、A、D、T、およびK(例えば、SおよびA)から選択され;
X8は、F、L、V、K、Y、M、I、R、A、E、D、およびQ(例えば、F)から選択され;
X9は、L、R、T、I、V、S、C、Y、K、F、およびGから選択され;
X10は、K、Q、Y、T、F、L、W、M、A、E、G、およびSから選択され;
X11は、D、S、N、R、L、およびT(例えば、D)から選択され;
X12は、D、N、およびSから選択され;
X13は、S、A、T、G、およびR(例えば、S)から選択され;
X14は、I、L、F、S、R、Y、Q、W、D、K、およびH(例えば、I、L、およびF)から選択され;
X15は、D、S、I、N、E、A、H、F、L、Q、M、G、Y、およびVから選択され;
X16は、K、L、R、M、T、およびF(例えば、L、R、およびK)から選択され;
X17は、V、L、I、A、およびTから選択され;
X18は、L、I、V、およびA(例えば、LおよびI)から選択され;
X19は、T、V、C、E、S、およびA(例えば、TおよびV)から選択され;
X20は、R、F、T、W、E、L、N、C、K、V、S、Q、I、Y、H、およびAから選択され;
X21は、S、P、R、K、N、A、H、Q、G、およびLから選択され;
X22は、D、G、T、N、S、K、A、I、E、L、Q、R、およびYから選択され;
X23は、K、V、A、E、Y、I、C、L、S、T、G、K、M、D、およびFから選択される。
一実施形態では、HNH様ドメインは、配列番号17の配列と、少なくとも1つであるが、2、3、4、または5つ以下の残基が異なる。
一実施形態では、HNH様ドメインは、切断能力がある。
一実施形態では、HNH様ドメインは、切断能力がない。
一実施形態では、eaCas9分子またはeaCas9ポリペプチドは、式VII、
X1-X2-X3-H-X4-X5-P-X6-S-X8-X9-X10-D-D-S-X14-X15-N-K-V-L-X19-X20-X21-X22-X23-N(配列番号18)
のアミノ酸配列を含んでなるHNH様ドメインを含んでなり、
式中、
X1は、DおよびEから選択され;
X2は、L、I、R、Q、V、M、およびKから選択され;
X3は、DおよびEから選択され;
X4は、I、V、T、A、およびL(例えば、A、I、およびV)から選択され;
X5は、V、Y、I、L、F、およびW(例えば、V、I、およびL)から選択され;
X6は、Q、H、R、K、Y、I、L、F、およびWから選択され;
X8は、F、L、V、K、Y、M、I、R、A、E、D、およびQ(例えば、F)から選択され;
X9は、L、R、T、I、V、S、C、Y、K、F、およびGから選択され;
X10は、K、Q、Y、T、F、L、W、M、A、E、G、およびSから選択され;
X14は、I、L、F、S、R、Y、Q、W、D、K、およびH(例えば、I、L、およびF)から選択され;
X15は、D、S、I、N、E、A、H、F、L、Q、M、G、Y、およびVから選択され;
X19は、T、V、C、E、S、およびA(例えば、TおよびV)から選択され;
X20は、R、F、T、W、E、L、N、C、K、V、S、Q、I、Y、H、およびAから選択され;
X21は、S、P、R、K、N、A、H、Q、G、およびLから選択され;
X22は、D、G、T、N、S、K、A、I、E、L、Q、R、およびYから選択され;
X23は、K、V、A、E、Y、I、C、L、S、T、G、K、M、D、およびFから選択される。
一実施形態では、HNH様ドメインは、配列番号18の配列と、1、2、3、4、または5つの残基が異なる。
一実施形態では、eaCas9分子またはeaCas9ポリペプチドは、式VII、
X1-V-X3-H-I-V-P-X6-S-X8-X9-X10-D-D-S-X14-X15-N-K-V-L-T-X20-X21-X22-X23-N(配列番号19)のアミノ酸配列を含んでなるHNH様ドメインを含んでなる。
式中、
X1は、DおよびEから選択され;
X3は、DおよびEから選択され;
X6は、Q、H、R、K、Y、I、L、およびWから選択され;
X8は、F、L、V、K、Y、M、I、R、A、E、D、およびQ(例えば、F)から選択され;
X9は、L、R、T、I、V、S、C、Y、K、F、およびGから選択され;
X10は、K、Q、Y、T、F、L、W、M、A、E、G、およびSから選択され;
X14は、I、L、F、S、R、Y、Q、W、D、K、およびH(例えば、I、L、およびF)から選択され;
X15は、D、S、I、N、E、A、H、F、L、Q、M、G、Y、およびVから選択され;
X20は、R、F、T、W、E、L、N、C、K、V、S、Q、I、Y、H、およびAから選択され;
X21は、S、P、R、K、N、A、H、Q、G、およびLから選択され;
X22は、D、G、T、N、S、K、A、I、E、L、Q、R、およびYから選択され;
X23は、K、V、A、E、Y、I、C、L、S、T、G、K、M、D、およびFから選択される。
一実施形態では、HNH様ドメインは、配列番号19の配列と、1、2、3、4、または5つの残基が異なる。
一実施形態では、eaCas9分子またはeaCas9ポリペプチドは、式VIII、D-X2-D-H-I-X5-P-Q-X7-F-X9-X10-D-X12-S-I-D-N-X16-V-L-X19-X20-S-X22-X23-N(配列番号20)
のアミノ酸配列を有するHNH様ドメインを含んでなる。
式中、
X2は、IおよびVから選択され;
X5は、IおよびVから選択され;
X7は、AおよびSから選択され;
X9は、IおよびLから選択され;
X10は、KおよびTから選択され;
X12は、DおよびNから選択され;
X16は、R、K、およびLから選択され;X19は、TおよびVから選択され;
X20は、SおよびRから選択され;
X22は、K、D、およびAから選択され;
X23は、E、K、G、およびNから選択される(例えば、eaCas9分子またはeaCas9ポリペプチドは、本明細書に記載されるようなHNH様ドメインを含んでなり得る)。
一実施形態では、HNH様ドメインは、配列番号20の配列と、1つ程度であるが、2、3、4、または5つ以下の残基が異なる。
一実施形態では、eaCas9分子またはeaCas9ポリペプチドは、式IX、
L-Y-Y-L-Q-N-G-X1’-D-M-Y-X2’-X3’-X4’-X5’-L-D-I-X6’-X7’-L-S-X8’-Y-Z-N-R-X9’-K-X10’-D-X11’-V-P(配列番号21)
のアミノ酸配列を含んでなる。
式中、
X1’は、KおよびRから選択され;
X2’は、VおよびTから選択され;
X3’は、GおよびDから選択され;
X4’は、E、Q、およびDから選択され;
X5’は、EおよびDから選択され;
X6’は、D、N、およびHから選択され;
X7’は、Y、R、およびNから選択され;
X8’は、Q、D、およびNから選択され;X9’は、GおよびEから選択され;
X10’は、SおよびGから選択され;
X11’は、DおよびNから選択され;および
Zは、例えば、上述されるようなHNH様ドメインである。
一実施形態では、eaCas9分子またはeaCas9ポリペプチドは、配列番号21の配列と、1つ程度であるが、2、3、4、または5つ以下の残基が異なる、アミノ酸配列を含んでなる。
一実施形態では、HNH様ドメインは、例えば、図5A~5Cまたは図7A~7Bなどの本明細書で開示されるHNH様ドメインの配列と、1つ程度であるが、2、3、4、または5つ以下の残基が異なる。一実施形態では、図5A~5Cまたは図7A~7B1で同定された高度に保存された残基の内、片方または双方が存在する。
一実施形態では、HNH様ドメインは、例えば、図6A~6Bまたは図7A~7Bなどの本明細書で開示されるHNH様ドメインの配列と、1つ程度であるが、2、3、4、または5つ以下の残基が異なる。一実施形態では、図6A~6B、または図7A~7Bで同定された高度に保存された残基の内、1つ、2つ、3つ全てが存在する。
Cas9機能
ヌクレアーゼおよびヘリカーゼ機能
一実施形態では、Cas9分子またはCas9ポリペプチドは、標的核酸分子を切断する能力がある。典型的に野性型Cas9分子は、標的核酸分子の双方の鎖を切断する。Cas9分子およびCas9ポリペプチドを遺伝子操作して、ヌクレアーゼ切断(またはその他の性質)を改変して、例えば、ニッカーゼである、または標的核酸を切断する能力を欠く、Cas9分子またはCas9ポリペプチド(peolypeptide)を提供し得る。標的核酸分子を切断する能力があるCas9分子またはCas9ポリペプチドは、本明細書でeaCas9分子またはeaCas9ポリペプチドと称される。
一実施形態では、eaCas9分子またはeaCas9ポリペプチドは、以下の機能の1つまたは複数を含んでなる:
ニッカーゼ活性、すなわち、例えば、核酸分子の非相補鎖または相補鎖などの一本鎖を切断する能力;
一実施形態では2つのニッカーゼ活性の存在である、二本鎖ヌクレアーゼ活性、すなわち、二本鎖核酸の双方の鎖を切断して、二本鎖切断を生成する能力;
エンドヌクレアーゼ活性;
エキソヌクレアーゼ活性;および
ヘリカーゼ活性、すなわち、二本鎖核酸のらせん構造を巻き戻す能力。
一実施形態では、酵素的に活性なまたはeaCas9分子またはeaCas9ポリペプチドは、双方の鎖を切断して、二本鎖切断をもたらす。一実施形態では、eaCas9分子は、例えば、それに対してgRNAがハイブリダイズする鎖、またはgRNAとハイブリダイズする鎖と相補的な鎖などの1本の鎖のみを切断する。一実施形態では、eaCas9分子またはeaCas9ポリペプチドは、HNH様ドメインに関連する切断活性を含んでなる。一実施形態では、eaCas9分子またはeaCas9ポリペプチドは、N末端RuvC様ドメインに関連する切断活性を含んでなる。一実施形態では、eaCas9分子またはeaCas9ポリペプチドは、HNHドメインに関連する切断活性およびN末端RuvC様ドメインに関連する切断活性を含んでなる。一実施形態では、eaCas9分子またはeaCas9ポリペプチドは、活性のまたは切断能力があるHNH様ドメインと、不活性のまたは切断能力がないN末端RuvC様ドメインとを含んでなる一実施形態では、eaCas9分子またはeaCas9ポリペプチドは、不活性のまたは切断能力がないHNH様ドメインと、活性のまたは切断能力があるN末端RuvC様ドメインとを含んでなる。
いくつかのCas9分子またはCas9ポリペプチドは、gRNA分子と相互作用する能力を有し、gRNA分子と連結してコア標的ドメインに局在するが、標的核酸を切断できず、あるいは効率的な速度で切断できない。皆無のまたはほぼ皆無の切断活性を有するCas9分子は、本明細書でeiCas9分子またはeiCas9ポリペプチドと称される。例えば、eiCas9分子またはeiCas9ポリペプチドは、切断活性が欠損し得て、または本明細書に記載されるアッセイによる測定で、例えば、標準Cas9分子またはeiCas9ポリペプチドの20、10、5、1または0.1%未満などの実質的により低い切断活性を有する。
標的化およびPAM
ACas9分子またはCas9ポリペプチドは、ガイドRNA(gRNA)分子と相互作用し得るポリペプチドであり、gRNA分子と協調して、標的ドメインおよびaPAM配列を含んでなる部位に局在する。
一実施形態では、標的核酸と相互作用して切断するeaCas9分子またはeaCas9ポリペプチドの能力は、PAM配列依存性である。PAM配列は、標的核酸中の配列である。一実施形態では、標的核酸の切断は、PAM配列の上流で起こる。異なる細菌種からのeaCas9分子は、異なる配列モチーフ(例えば、PAM配列)を認識し得る。一実施形態では、S.ピオゲネス(S.pyogenes)のeaCas9分子は、配列モチーフNGG,NAG、NGAを認識して、その配列から、例えば、3~5塩基対などの1~10塩基対上流で、標的核酸配列の切断を誘導する。例えば、Mali et al.,SCIENCE 2013;339(6121):823-826を参照されたい。一実施形態では、S.サーモフィルス(S.thermophilus)のeaCas9分子は、配列モチーフNGGNGおよび/またはNNAGAAW(W=AまたはT)を認識して、これらの配列の例えば、3~5塩基対などの1~10塩基対上流で、標的核酸配列の切断を誘導する。例えば、Horvath et al.,SCIENCE 2010;327(5962):167-170,and Deveau et al.,J BACTERIOL 2008;190(4):1390-1400を参照されたい。一実施形態では、S.ミュータンス(S.mutans)のeaCas9分子は、配列モチーフNGGおよび/またはNAAR(R=AまたはG))を認識して、この配列の例えば、3~5塩基対など1~10塩基対上流で、コア標的核酸配列切断を誘導する。例えば、Deveau et al.,J BACTERIOL 2008;190(4):1390-1400を参照されたい。一実施形態では、S.アウレウス(S.aureus)のCas9分子は、配列モチーフNNGRR((R)=AまたはG)を認識して、例えば、その配列から3~5塩基対上流などの1~10塩基対上流の標的核酸配列の切断を誘導する。一実施形態では、S.アウレウス(S.aureus)のCas9分子は、配列モチーフNNGRRT(R)=AまたはG)を認識して、例えば、その配列から3~5塩基対上流などの1~10塩基対上流の標的核酸配列の切断を誘導する。一実施形態では、S.アウレウス(S.aureus)のCas9分子は、配列モチーフNNGRRV(R)=AまたはG)を認識して、例えば、その配列から3~5塩基対上流などの1~10塩基対上流の標的核酸配列の切断を誘導する。一実施形態では、N.メニンジチディス(N.meningitidis)のeaCas9分子は、配列モチーフNNNNGATTまたはNNNGCTT(R=AまたはG、V=A、GまたはCを認識して、例えば、その配列から3~5塩基対上流などの1~10塩基対上流の標的核酸配列の切断を誘導する。例えば、Hou et al.,PNAS EARLY EDITION 2013,1-6を参照されたい。Cas9分子が、PAM配列を認識する能力は、例えば、Jinek et al.,SCIENCE 2012,337:816に記載される形質転換アッセイを使用して判定され得る。前述の実施形態では、Nは、例えば、A、G、CまたはTのいずれかの任意のヌクレオチド残基であり得る。
本明細書で考察されるように、Cas9分子は遺伝子操作されて、Cas9分子のPAM特異性が改変され得る。
代表的な天然起源Cas9分子は、Chylinski et al.,RNA Biology 2013 10:5,727-737に記載される。このようなCas9分子としては、クラスター1細菌科、クラスター2細菌科、クラスター3細菌科、クラスター4細菌科、クラスター5細菌科、クラスター6細菌科、クラスター7細菌科、クラスター8細菌科、クラスター9細菌科、クラスター10細菌科、クラスター11細菌科、クラスター12細菌科、クラスター13細菌科、クラスター14細菌科、クラスター15細菌科、クラスター16細菌科、クラスター17細菌科、クラスター18細菌科、クラスター19細菌科、クラスター20細菌科、クラスター21細菌科、クラスター22細菌科、クラスター23細菌科、クラスター24細菌科、クラスター25細菌科、クラスター26細菌科、クラスター27細菌科、クラスター28細菌科、クラスター29細菌科、クラスター30細菌科、クラスター31細菌科、クラスター32細菌科、クラスター33細菌科、クラスター34細菌科、クラスター35細菌科、クラスター36細菌科、クラスター37細菌科、クラスター38細菌科、クラスター39細菌科、クラスター40細菌科、クラスター41細菌科、クラスター42細菌科、クラスター43細菌科、クラスター44細菌科、クラスター45細菌科、クラスター46細菌科、クラスター47細菌科、クラスター48細菌科、クラスター49細菌科、クラスター50細菌科、クラスター51細菌科、クラスター52細菌科、クラスター53細菌科、クラスター54細菌科、クラスター55細菌科、クラスター56細菌科、クラスター57細菌科、クラスター58細菌科、クラスター59細菌科、クラスター60細菌科、クラスター61細菌科、クラスター62細菌科、クラスター63細菌科、クラスター64細菌科、クラスター65細菌科、クラスター66細菌科、クラスター67細菌科、クラスター68細菌科、クラスター69細菌科、クラスター70細菌科、クラスター71細菌科、クラスター72細菌科、クラスター73細菌科、クラスター74細菌科、クラスター75細菌科、クラスター76細菌科、クラスター77細菌科、またはクラスター78細菌科のCas9分子が挙げられる。
代表的な天然起源Cas9分子としては、クラスター1細菌科のCas9分子が挙げられる。例としては、S.ピオゲネス(S.pyogenes)(例えば、SF370、MGAS10270、MGAS10750、MGAS2096、MGAS315、MGAS5005、MGAS6180、MGAS9429、NZ131およびSSI-1株)、S.サーモフィルス(S.thermophilus)(例えば、LMD-9株)、S.シュードポルシヌス(S.pseudoporcinus)(例えば、SPIN 20026株)、S.ミュータンス(S.mutans)(例えば、UA159、NN2025株)、S.マカカエ(S.macacae)(例えば、NCTC11558株)、S.ガロリチカス(S.gallolyticus)(例えば、UCN34、ATCCBAA-2069株)、S.エクイヌス(S.equines)(例えば、ATCC9812、MGCS124株)、S.ディスガラクチアエ(S.dysdalactiae)(例えば、GGS124株)、S.ボビス(S.bovis)(例えば、ATCC700338株)、S.アンギノーサス(S.anginosus)(例えば、F0211株)、S.アガラクチアエ(S.agalactiae)(例えば、NEM316、A909株)、リステリア・モノサイトゲネス(Listeria monocytogenes)(例えば、F6854株)、リステリア・イノキュア(Listeria innocua)(L.イノキュア(L.innocua))、例えば、Clip11262株)、エンテロコッカス・イタリクス(Enterococcus italicus)(例えば、DSM 15952株)、またはエンテロコッカス・フェシウム(Enterococcus faecium)(例えば、1,231,408株)のCas9分子が挙げられる。その他の例示的Cas9分子は、ナイセリア・メニンジチディス(Neisseria meningitidis)(Hou et al.,PNAS Early Edition 2013,1-6)のCas9分子である。
一実施形態では、例えば、eaCas9分子またはeaCas9ポリペプチドなどのCas9分子またはCas9ポリペプチドは、
配列番号1~4と、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%の相同性を有し;
比較すると、2、5、10、15、20、30、または40%以下のアミノ酸残基が異なり;
少なくとも1、2、5、10または20個のアミノ酸であるが、100、80、70、60、50、40または30個以下のアミノ酸が異なり;または
本明細書に記載される任意のCas9分子配列、または例えば、本明細書で列挙され、またはChylinski et al.,RNA Biology 2013 10:5,727-737;Hou et al.,PNAS Early Edition 2013,1-6に記載される生物種に由来するCas9分子などの天然Cas9分子配列と同一であるアミノ酸配列を含んでなる。一実施形態では、Cas9分子またはCas9ポリペプチドは、以下の機能の1つまたは複数を含んでなる:ニッカーゼ活性;二本鎖切断活性(例えば、エンドヌクレアーゼおよび/またはエキソヌクレアーゼ活性);ヘリカーゼ活性;またはgRNA分子と一緒に、標的核酸に局在する能力。
一実施形態では、Cas9分子またはCas9ポリペプチドは、図2A~2Gのコンセンサス配列のアミノ酸配列を含んでなり、その中では、「*」は、S.ピオゲネス(S.pyogenes)、S.サーモフィルス(S.thermophilus)、S.ミュータンス(S.mutans)、およびL.イノキュア(L.innocua)のCas9分子のアミノ酸配列中の対応する位置に見られる任意のアミノ酸を示し、「-」は、任意のアミノ酸を示す。一実施形態では、Cas9分子またはCas9ポリペプチドは、図2A~2Gで開示されるコンセンサス配列の配列と、少なくとも1個であるが、2、3、4、5、6、7、8、9、または10個以下のアミノ酸残基が異なる。一実施形態では、Cas9分子またはCas9ポリペプチドは、図7A~7Bの配列番号7のアミノ酸配列を含んでなり、その中では、「*」は、S.ピオゲネス(S.pyogenes)、またはN.メニンジチディス(N.meningitidis)のCas9分子のアミノ酸配列中の対応する位置に見られる任意のアミノ酸を示し、「-」は、任意のアミノ酸を示し、「-」は任意のアミノ酸または不在を示す。一実施形態では、Cas9分子またはCas9ポリペプチドは、図7A~7Bで開示される配列番号6または7の配列と、少なくとも1個であるが、2、3、4、5、6、7、8、9、または10個以下のアミノ酸残基が異なる。
いくつかのCas9分子の配列の比較は、特定領域が保存されていることを示唆する。これらは、次のように同定される。
領域1(残基1~180、または領域1’の場合は残基120~180)
領域2(残基360~480);
領域3(残基660~720);
領域4(残基817~900);および
領域5(残基900~960)。
一実施形態では、Cas9分子またはCas9ポリペプチドは、領域1~5を含んでなり、十分な追加的Cas9分子配列と共に、例えば、本明細書に記載される少なくとも1つの活性を有するCas9分子などの生物活性分子を提供する。一実施形態では、領域1~6のそれぞれは、独立して、例えば、図2A~2Gまたは図7A~7Bからの配列などの本明細書に記載されるCas9分子またはCas9ポリペプチドの対応する残基と、50%、60%、70%、または80%の相同性を有する。
一実施形態では、例えば、eaCas9分子またはeaCas9ポリペプチドなどのCas9分子またはCas9ポリペプチドは、領域1と称されるアミノ酸配列を含んでなり:S.ピオゲネス(S.pyogenes)のCas9のアミノ酸配列のアミノ酸1~180と、50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%または99%の相同性を有し(番号付与は図2A~2Gのモチーフ配列に準拠する;図2A~2GのCas9配列中の残基の52%が保存されている);
S.ピオゲネス(S.pyogenes)、S.サーモフィルス(S.thermophilus)、S.ミュータンス(S.mutans)、またはL.イノキュア(L.innocua)のCas9のアミノ酸配列のアミノ酸1~180と、少なくとも1、2、5、10または20個のアミノ酸であるが、90、80、70、60、50、40または30個以下のアミノ酸が異なり;または
S.ピオゲネス(S.pyogenes)、S.サーモフィルス(S.thermophilus)、S.ミュータンス(S.mutans)またはL.イノキュア(L.innocua)のCas9のアミノ酸配列の1~180と同一である。
一実施形態では、例えば、eaCas9分子またはeaCas9ポリペプチドなどのCas9分子またはCas9ポリペプチドは、領域1’と称されるアミノ酸配列を含んでなり、
S.ピオゲネス(S.pyogenes)、S.サーモフィルス(S.thermophilus)、S.ミュータンス(S.mutans)またはL.イノキュア(L.innocua)のCas9のアミノ酸配列のアミノ酸120~180と55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%または99%の相同性を有し(図2A~2Gの4つのCas9配列中の残基の55%が保存されている);
S.ピオゲネス(S.pyogenes)、S.サーモフィルス(S.thermophilus)、S.ミュータンス(S.mutans)または、L.イノキュア(L.innocua)のCas9のアミノ酸配列のアミノ酸120~180と、少なくとも1、2、または5個のアミノ酸であるが、35、30、25、20または10個以下のアミノ酸が異なり;または
S.ピオゲネス(S.pyogenes)、S.サーモフィルス(S.thermophilus)、S.ミュータンス(S.mutans)またはL.イノキュア(L.innocua)のCas9のアミノ酸配列の120~180と同一である。
一実施形態では、例えば、eaCas9分子またはeaCas9ポリペプチドなどのCas9分子またはCas9ポリペプチドは、領域2と称されるアミノ酸配列を含んでなり:
S.ピオゲネス(S.pyogenes)、S.サーモフィルス(S.thermophilus)、S.ミュータンス(S.mutans)またはL.イノキュア(L.innocua)のCas9のアミノ酸配列のアミノ酸360~480と50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%または99%の相同性を有し(図2A~2Gの4つのCas9配列中の残基の52%が保存されている);
S.ピオゲネス(S.pyogenes)、S.サーモフィルス(S.thermophilus)、S.ミュータンス(S.mutans)または、L.イノキュア(L.innocua)のCas9のアミノ酸配列のアミノ酸360~480と、少なくとも1、2、または5個のアミノ酸であるが、35、30、25、20または10個以下のアミノ酸が異なり;または
S.ピオゲネス(S.pyogenes)、S.サーモフィルス(S.thermophilus)、S.ミュータンス(S.mutans)またはL.イノキュア(L.innocua)のCas9のアミノ酸配列の360~480と同一である。
一実施形態では、例えば、eaCas9分子またはeaCas9ポリペプチドなどのCas9分子またはCas9ポリペプチドは、領域3と称されるアミノ酸配列を含んでなり:
S.ピオゲネス(S.pyogenes)、S.サーモフィルス(S.thermophilus)、S.ミュータンス(S.mutans)またはL.イノキュア(L.innocua)のCas9のアミノ酸配列のアミノ酸660~720と55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%または99%の相同性を有し(図2A~2Gの4つのCas9配列中の残基の56%が保存されている);
S.ピオゲネス(S.pyogenes)、S.サーモフィルス(S.thermophilus)、S.ミュータンス(S.mutans)または、L.イノキュア(L.innocua)のCas9のアミノ酸配列のアミノ酸660~720と、少なくとも1、2、または5個のアミノ酸であるが、35、30、25、20または10個以下のアミノ酸が異なり;または
S.ピオゲネス(S.pyogenes)、S.サーモフィルス(S.thermophilus)、S.ミュータンス(S.mutans)またはL.イノキュア(L.innocua)のCas9のアミノ酸配列の660~720と同一である。
一実施形態では、例えば、eaCas9分子またはeaCas9ポリペプチドなどのCas9分子またはCas9ポリペプチドは、領域4と称されるアミノ酸配列を含んでなり:
S.ピオゲネス(S.pyogenes)、S.サーモフィルス(S.thermophilus)、S.ミュータンス(S.mutans)またはL.イノキュア(L.innocua)のCas9のアミノ酸配列のアミノ酸817~900と50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%または99%の相同性を有し(図2A~2Gの4つのCas9配列中の残基の55%が保存されている);
S.ピオゲネス(S.pyogenes)、S.サーモフィルス(S.thermophilus)、S.ミュータンス(S.mutans)または、L.イノキュア(L.innocua)のCas9のアミノ酸配列のアミノ酸817~900と、少なくとも1、2、または5個のアミノ酸であるが、35、30、25、20または10個以下のアミノ酸が異なり;または
S.ピオゲネス(S.pyogenes)、S.サーモフィルス(S.thermophilus)、S.ミュータンス(S.mutans)またはL.イノキュア(L.innocua)のCas9のアミノ酸配列の817~900と同一である。
一実施形態では、例えば、eaCas9分子またはeaCas9ポリペプチドなどのCas9分子またはCas9ポリペプチドは、領域5と称されるアミノ酸配列を含んでなり:
S.ピオゲネス(S.pyogenes)、S.サーモフィルス(S.thermophilus)、S.ミュータンス(S.mutans)またはL.イノキュア(L.innocua)のCas9のアミノ酸配列のアミノ酸900~960と50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%または99%の相同性を有し(図2A~2Gの4つのCas9配列中の残基の60%が保存されている);
S.ピオゲネス(S.pyogenes)、S.サーモフィルス(S.thermophilus)、S.ミュータンス(S.mutans)または、L.イノキュア(L.innocua)のCas9のアミノ酸配列のアミノ酸900~960と、少なくとも1、2、または5個のアミノ酸であるが、35、30、25、20または10個以下のアミノ酸が異なり;または
S.ピオゲネス(S.pyogenes)、S.サーモフィルス(S.thermophilus)、S.ミュータンス(S.mutans)またはL.イノキュア(L.innocua)のCas9のアミノ酸配列の900~960と同一である。
遺伝子操作または改変Cas9分子およびCas9ポリペプチド
例えば、天然Cas9分子などの本明細書に記載されるCas9分子およびCas9ポリペプチドは、ニッカーゼ活性、ヌクレアーゼ活性(例えば、エンドヌクレアーゼおよび/またはエキソヌクレアーゼ活性);ヘリカーゼ活性;gRNA分子と機能的に結合する能力;および核酸上の部位を標的化する(またはそれに局在する)能力(例えば、PAM認識および特異性)をはじめとするいくつかの性質のいずれかを有し得る。一実施形態では、Cas9分子またはCas9ポリペプチドは、これらの性質の全てまたは一部を含み得る。典型的な実施形態では、Cas9分子またはCas9ポリペプチドは、gRNA分子と相互作用し、gRNA分子と協調して核酸中の部位に局在する能力を有する。例えば、PAM特異性、切断活性、またはヘリカーゼ活性などのその他機能は、Cas9分子およびCas9ポリペプチド中でより幅広く変動し得る。
Cas9分子は、遺伝子操作Cas9分子および遺伝子操作Cas9ポリペプチドを含む(遺伝子操作は、この文脈の用法では、単にCas9分子またはCas9ポリペプチドが参照配列と異なることを意味して、プロセスまたは起源制限を暗示しない)。遺伝子操作Cas9分子またはCas9ポリペプチドは、例えば、(天然またはその他の標準Cas9分子と比較して)改変されたヌクレアーゼ活性、または改変されヘリカーゼ活性などの改変された酵素的性質を含んでなり得る。本明細書で考察されるように、遺伝子操作Cas9分子またはCas9ポリペプチドは、ニッカーゼ活性(二本鎖ヌクレアーゼ活性との対比で)を有し得る。一実施形態では、遺伝子操作Cas9分子またはCas9ポリペプチドは、例えば、1つまたは複数のまたは任意のCas9活性に対する顕著な影響なしに、例えば、そのサイズを減少させるアミノ酸配列の欠失などの、そのサイズを変化させる改変を有し得る。一実施形態では、遺伝子操作Cas9分子またはCas9ポリペプチドは、PAM認識に影響を及ぼす改変を含んでなり得る。例えば、遺伝子操作Cas9分子は、内在性野生型PIドメインによって認識されるもの以外のPAM配列を認識するように改変され得る。一実施形態では、Cas9分子またはCas9ポリペプチドは、天然Cas9分子と、配列が異なり得るが、1つまたは複数のCas9機能に顕著な改変を有しない。
所望の性質があるCas9分子またはCas9ポリペプチドは、例えば、天然Cas9分子またはCas9ポリペプチドなどの親ポリペプチドの改変などの、いくつかの様式で生成されて、所望の性質を有する改変Cas9分子またはCas9ポリペプチドが提供され得る。例えば、例えば、天然または遺伝子操作Cas9分子などの親Cas9分子との1つまたは複数の変異または差異が導入され得る。このような変異および差異としては、置換(例えば、非必須アミノ酸の保存的置換または置換);挿入;または欠失が挙げられる。一実施形態では、Cas9分子またはCas9ポリペプチドは、例えば、親Cas9分子などの標準と比較して、少なくとも1、2、3、4、5、10、15、20、30、40または50の変異であるが、200、100、または80未満の変異などの1つまたは複数の変異または差異を含んでなり得る。
一実施形態では、単数の変異または複数の変異は、例えば、本明細書に記載されるCas9活性などのCas9活性に対する実質的効果を有しない。一実施形態では、単数の変異または複数の変異は、例えば、本明細書に記載されるCas9活性などのCas9活性に対する実質的効果を有する。
非切断および修飾切断Cas9分子およびCas9ポリペプチド
一実施形態では、Cas9分子またはCas9ポリペプチドは、天然Cas9分子と異なる切断特性を含んでなり、例えば、それは最も近い相同性を有する天然Cas9分子と異なる。例えば、Cas9分子またはCas9ポリペプチドは、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9分子などの天然Cas9分子と、例えば、次のように異なり得る:例えば、天然Cas9分子(例えば、S.ピオゲネス(S.pyogenes)のCas9分子)と比較して二本鎖核酸切断(エンドヌクレアーゼおよび/またはエキソヌクレアーゼ活性)の低下または増大を調節するその能力;例えば、天然Cas9分子(例えば、S.ピオゲネス(S.pyogenes)のCas9分子)と比較して、核酸分子の非相補鎖または核酸分子の相補鎖などの核酸の一本鎖切断(ニッカーゼ活性)の低下または増大を調節するその能力;または例えば、二本鎖または一本鎖核酸分子などの核酸分子を切断する能力が、除去され得る。
修飾切断eaCas9分子およびeaCas9ポリペプチド
一実施形態では、eaCas9分子またはeaCas9ポリペプチドは、以下の機能の1つまたは複数を含んでなる:N末端RuvC様ドメインに関連する切断活性;HNH様ドメインに関連する切断活性;HNHドメインに関連する切断活性およびN末端RuvC様ドメインに関連する切断活性。
一実施形態ではeaCas9分子またはeaCas9ポリペプチドは、活性のまたは切断能力があるHNH様ドメイン(例えば、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号20または配列番号21などの本明細書に記載されるHNH様ドメイン)と、不活性なまたは切断能力がないN末端RuvC様ドメインとを含んでなる。代表的な不活性のまたは切断能力がないN末端RuvC様ドメインは、N末端RuvC様ドメインにアスパラギン酸の変異を有し得て、例えば、図2A~2Gで開示されるコンセンサス配列の9位のアスパラギン酸、または配列番号7の10位のアスパラギン酸が、例えば、アラニンで置換され得る。一実施形態では、eaCas9分子またはeaCas9ポリペプチドは、N末端RuvC様ドメインにおいて野性型と異なり、標的核酸を切断せず、または例えば、本明細書に記載されるアッセイによる測定で、参照Cas9分子の切断活性の20、10、5、1または.1%未満の有意により低い効率で切断する。参照Cas9分子は、例えば、S.ピオゲネス(S.pyogenes)、またはS.サーモフィルス(S.thermophilus)のCas9分子のような、天然Cas9分子などの天然未修飾Cas9分子であり得る(can by)。一実施形態では、参照Cas9分子は、最も近い配列同一性または相同性を有する天然Cas9分子である。
一実施形態では、eaCas9分子またはeaCas9ポリペプチドは、不活性のまたは切断能力がないHNHドメインと、活性のまたは切断能力があるN末端RuvC様ドメインとを含んでなる。(例えば、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、または配列番号16などの本明細書に記載されるN末端RuvC様ドメイン)。代表的な不活性のまたは切断能力がないHNH様ドメインは、以下の1つまたは複数の変異を有し得る:例えば、図2A~2Gの位置856に示されるヒスチジンなどのHNH様ドメインのヒスチジンが、例えば、アラニンで置換され得て;例えば、図2A~2Gの位置870および/または図2A~2Gの位置879に示されるアスパラギンなどのHNH様ドメインの1つまたは複数のアスパラギンが、例えば、アラニンで置換され得る。一実施形態では、eaCas9は、HNH様ドメインにおいて野性型と異なり、標的核酸を切断せず、または例えば、本明細書に記載されるアッセイによる測定で、参照Cas9分子の切断活性の20、10、5、1または0.1%未満の有意により低い効率で切断する。参照Cas9分子は、例えば、S.ピオゲネス(S.pyogenes)、またはS.サーモフィルス(S.thermophilus)のCas9分子のような、天然Cas9分子などの天然未修飾Cas9分子であり得る(can by)。一実施形態では、参照Cas9分子は、最も近い配列同一性または相同性を有する天然Cas9分子である。
一実施形態では、eaCas9分子またはeaCas9ポリペプチドは、不活性のまたは切断能力がないHNHドメインと、活性のまたは切断能力があるN末端RuvC様ドメインとを含んでなる。(例えば、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、または配列番号16などの本明細書に記載されるN末端RuvC様ドメイン)。代表的な不活性のまたは切断能力がないHNH様ドメインは、以下の1つまたは複数の変異を有し得る:例えば、図2A~2Gの位置856に示されるヒスチジンなどのHNH様ドメインのヒスチジンが、例えば、アラニンで置換され得て;例えば、図2A~2Gの位置870および/または図2A~2Gの位置879に示されるアスパラギンなどのHNH様ドメインの1つまたは複数のアスパラギンが、例えば、アラニンで置換され得る。一実施形態では、eaCas9は、HNH様ドメインにおいて野性型と異なり、標的核酸を切断せず、または例えば、本明細書に記載されるアッセイによる測定で、参照Cas9分子の切断活性の20、10、5、1または0.1%未満の有意により低い効率で切断する。参照Cas9分子は、例えば、S.ピオゲネス(S.pyogenes)、またはS.サーモフィルス(S.thermophilus)のCas9分子のような、天然Cas9分子などの天然未修飾Cas9分子であり得る(can by)。一実施形態では、参照Cas9分子は、最も近い配列同一性または相同性を有する天然Cas9分子である。
標的核酸の片方または双方の鎖を切断する能力の改変
一実施形態では、代表的なCas9機能は、PAM特異性、切断活性、およびヘリカーゼ活性の9つまたは複数を含んでなる。変異は、例えば、例えば、N末端RuvC様ドメインなどの1つまたは複数のRuvC様ドメイン;HNH様ドメイン;RuvC様ドメインおよびHNH様ドメイン外の領域に存在し得る。いくつかの実施形態では、変異は、例えば、N末端RuvC様などのRuvC様ドメインに存在する。いくつかの実施形態では、変異(s)は、HNH様ドメインに存在する。いくつかの実施形態では、変異は、例えば、N末端RuvC様ドメインおよびHNH様ドメインなどの双方のRuvC様ドメインに存在する。
S.ピオゲネス(S.pyogenes)配列に関してRuvCドメインまたはHNHドメインに起きてもよい代表的変異としては、D10A、E762A、H840A、N854A、N863Aおよび/またはD986Aが挙げられる。
一実施形態では、Cas9分子またはCas9ポリペプチドは、RuvCドメイン中に、および/またはHNHドメイン中に、標準Cas9分子と比較して1つまたは複数の差異を含んでなる、eiCas9分子またはeiCas9ポリペプチドであり、eiCas9分子またはeiCas9ポリペプチドは、核酸を切断せず、または野生型(wildype)よりも有意により低い効率で切断し、例えば、本明細書に記載されるような切断アッセイにおける野性型と比較して、本明細書に記載されるアッセイによる測定で、標準Cas9分子の50、25、10、または1%未満で切断する。
例えば、置換などの特定の配列が、標的化活性、切断活性などの1つまたは複数の活性に影響を及ぼしてもよいかどうかは、例えば、変異が保存的であるかどうかを評価することで、またはセクションIVに記載される方法によって、評価または予測され得る。一実施形態では、Cas9分子の文脈で使用されるような「非必須」アミノ酸残基は、Cas9活性(例えば、切断活性)を無効化することなく、またはより好ましくは、実質的に改変することなく、例えば、eaCas9分子のような天然起源Cas9分子などのCas9分子の野生型配列から改変され得る残基である一方で、「必須」アミノ酸残基の変更は、実質的な活性(例えば、切断活性)喪失をもたらす。
一実施形態では、Cas9分子またはCas9ポリペプチドは、天然Cas9分子と異なる切断特性を含んでなり、例えば、それは最も近い相同性を有する天然Cas9分子と異なる。例えば、Cas9分子またはCas9ポリペプチドは、例えば、S.アウレウス(S.aureus)、S.ピオゲネス(S.pyogenes)、またはC.ジェジュニ(C.jejuni)Cas9分子などの天然Cas9分子と、次のように異なり得る:例えば、天然Cas9分子(例えば、S.アウレウス(S.aureus)、S.ピオゲネス(S.pyogenes)、またはC.ジェジュニ(C.jejuni)のCas9分子)と比較して二本鎖切断の切断(cleavage of a double stranded break)(エンドヌクレアーゼおよび/またはエキソヌクレアーゼ活性)の低下または増大を調節するその能力;例えば、天然Cas9分子(例えば、S.アウレウス(S.aureus)、S.ピオゲネス(S.pyogenes)、またはC.ジェジュニ(C.jejuni)のCas9分子)と比較して、核酸分子の非相補鎖または核酸分子の相補鎖などの核酸の一本鎖切断(ニッカーゼ活性)の低下または増大を調節するその能力;または例えば、二本鎖または一本鎖核酸分子などの核酸分子を切断する能力が、除去され得る。
一実施形態では、改変Cas9分子またはCas9ポリペプチドは、以下の機能の1つまたは複数を含んでなる、eaCas9分子またはeaCas9ポリペプチドである:RuvCドメインに関連する切断活性;HNHドメインに関連する切断活性;HNHドメインに関連する切断活性およびRuvCドメインに関連する切断活性。
一実施形態では、改変Cas9分子またはCas9ポリペプチドは、核酸分子(二本鎖のまたは一本鎖核酸分子のいずれも)を切断せず、または例えば、本明細書に記載されるアッセイによる測定で、参照Cas9分子の切断活性の20、10、5、1または0.1%未満の有意により低い効率で核酸分子を切断する、eiCas9分子またはCas9ポリペプチドである。参照Cas9分子は、例えば、S.ピオゲネス(S.pyogenes)、S.サーモフィルス(S.thermophilus)、S.アウレウス(S.aureus)、C.ジェジュニ(C.jejuni)またはN.メニンジチディス(N.meningitidis)のCas9分子のような、天然Cas9分子などの天然未修飾Cas9分子であり得る。一実施形態では、参照Cas9分子は、最も近い配列同一性または相同性を有する天然Cas9分子である。一実施形態では、eiCas9分子またはeiCas9ポリペプチドは、RuvCドメインに関連する実質的切断活性およびHNHドメインに関連する切断活性を欠く。
一実施形態では、改変Cas9分子またはCas9ポリペプチドは、図2A~2Gで開示されるコンセンサス配列に示されるS.ピオゲネス(S.pyogenes)の固定アミノ酸残基を含んでなる、eaCas9分子またはeaCas9ポリペプチドであり、1つまたは複数の残基(例えば、2、3、5、10、15、20、30、50、70、80、90、100、200アミノ酸残基)に、図2A~2Gまたは配列番号7で開示されるコンセンサス配列中の「-」によって表示される、S.ピオゲネス(S.pyogenes)のアミノ酸配列と異なる、1つまたは複数のアミノ酸を有する(例えば、置換を有する)。
一実施形態では、改変Cas9分子またはCas9ポリペプチドは、図2A~2Gで開示されるコンセンサス配列の固定配列に対応する配列が、図2A~2Gで開示されるコンセンサス配列中の固定残基と1、2、3、4、5、10、15、または20%以下異なり、図2A~2Gで開示されるコンセンサス配列中の「*」によって同定される残基に対応する配列が、例えば、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9分子などの天然Cas9分子の対応する配列からの「*」残基と、1、2、3、4、5、10、15、20、25、30、35、または40%以下異なり;図2A~2Gで開示されるコンセンサス配列中の「-」によって同定される残基に対応する配列が、例えば、S.ピオゲネス(S.pyogenes))Cas9分子などの天然Cas9分子の対応する配列からの「-」残基と、5、10、15、20、25、30、35、40、45、55、または60%以下異なる配列を含んでなる。
一実施形態では、改変Cas9分子またはCas9ポリペプチドは、図2A~2Gで開示されるコンセンサス配列に示されるS.サーモフィルス(S.thermophilus)の固定アミノ酸残基を含んでなる、eaCas9分子またはeaCas9ポリペプチドであり、1つまたは複数の残基(例えば、2、3、5、10、15、20、30、50、70、80、90、100、200アミノ酸残基)に、図2A~2Gで開示されるコンセンサス配列中で「-」によって表示される、S.サーモフィルス(S.thermophilus)のアミノ酸配列と異なる、1つまたは複数のアミノ酸を有する(例えば、置換を有する)。
一実施形態では、改変Cas9分子またはCas9ポリペプチドは、図2A~2Gで開示されるコンセンサス配列の固定配列に対応する配列が、図2A~2Gで開示されるコンセンサス配列中の固定残基と1、2、3、4、5、10、15、または20%以下異なり、図2A~2Gで開示されるコンセンサス配列中の「*」によって同定される残基に対応する配列が、例えば、S.サーモフィルス(S.thermophilus)Cas9分子などの天然Cas9分子の対応する配列からの「*」残基と、1、2、3、4、5、10、15、20、25、30、35、または40%以下異なり;図2A~2Gで開示されるコンセンサス配列中の「-」によって同定される残基に対応する配列が、例えば、S.サーモフィルス(S.thermophilus)Cas9分子などの天然Cas9分子の対応する配列からの「-」残基と、5、10、15、20、25、30、35、40、45、55、または60%以下異なる配列を含んでなる。
一実施形態では、改変Cas9分子またはCas9ポリペプチドは、図2A~2Gで開示されるコンセンサス配列に示されるS.ミュータンス(S.mutans)の固定アミノ酸残基を含んでなる、eaCas9分子またはeaCas9ポリペプチドであり、1つまたは複数の残基(例えば、2、3、5、10、15、20、30、50、70、80、90、100、200アミノ酸残基)に、図2A~2Gで開示されるコンセンサス配列中で「-」によって表示される、S.ミュータンス(S.mutans)のアミノ酸配列と異なる、1つまたは複数のアミノ酸を有する(例えば、置換を有する)。
一実施形態では、改変Cas9分子またはCas9ポリペプチドは、図2A~2Gで開示されるコンセンサス配列の固定配列に対応する配列が、図2A~2Gで開示されるコンセンサス配列中の固定残基と1、2、3、4、5、10、15、または20%以下異なり、
図2A~2Gで開示されるコンセンサス配列中の「*」によって同定される残基に対応する配列が、例えば、S.ミュータンス(S.mutans)Cas9分子などの天然Cas9分子の対応する配列からの「*」残基と、1、2、3、4、5、10、15、20、25、30、35、または40%以下異なり;
図2A~2Gで開示されるコンセンサス配列中の「-」によって同定される残基に対応する配列が、例えば、S.ミュータンス(S.mutans)Cas9分子などの天然Cas9分子の対応する配列からの「-」残基と、5、10、15、20、25、30、35、40、45、55、または60%以下異なる、配列を含んでなる。
一実施形態では、改変Cas9分子またはCas9ポリペプチドは、図2A~2Gで開示されるコンセンサス配列に示されるL.イノキュア(L.innocula)の固定アミノ酸残基を含んでなる、eaCas9分子またはeaCas9ポリペプチドであり、1つまたは複数の残基(例えば、2、3、5、10、15、20、30、50、70、80、90、100、200アミノ酸残基)に、図2A~2Gで開示されるコンセンサス配列中で「-」によって表示される、L.イノキュア(L.innocula)アミノ酸配列と異なる、1つまたは複数のアミノ酸を有する(例えば、置換を有する)。
一実施形態では、改変Cas9分子またはCas9ポリペプチドは、図2A~2Gで開示されるコンセンサス配列の固定配列に対応する配列が、図2A~2Gで開示されるコンセンサス配列中の固定残基と1、2、3、4、5、10、15、または20%以下異なり、図2A~2Gで開示されるコンセンサス配列中の「*」によって同定される残基に対応する配列が、例えば、L.イノキュア(L.innocula)Cas9分子などの天然Cas9分子の対応する配列からの「*」残基と、1、2、3、4、5、10、15、20、25、30、35、または40%以下異なり、
図2A~2Gで開示されるコンセンサス配列中の「-」によって同定される残基に対応する配列が、例えば、L.イノキュア(L.innocula)Cas9分子などの天然Cas9分子の対応する配列からの「-」残基と、5、10、15、20、25、30、35、40、45、55、または60%以下異なる、配列を含んでなる。
一実施形態では、例えば、eaCas9分子などの改変Cas9分子またはCas9ポリペプチドは、例えば、異なる生物種の2つ以上の天然Cas9分子などの、例えば、2つ以上の(two of more)異なるCas9分子またはCas9ポリペプチドなどの融合物であり得る。例えば、1つの生物種の天然Cas9分子断片が、第2の生物種のCas9分子断片に融合され得る。一例として、N末端RuvC様ドメインを含んでなるS.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9分子の断片が、HNH様ドメインを含んでなるS.ピオゲネス(S.pyogenes)以外の生物種(例えば、S.サーモフィルス(S.thermophilus)のCas9分子の断片に融合され得る。
PAM認識が改変されたまたはPAM認識がないCas9分子
天然起源Cas9分子は、例えば、S.ピオゲネス(S.pyogenes)、S.サーモフィルス(S.thermophilus)、S.ミュータンス(S.mutans)、S.アウレウス(S.aureus)、およびN.メニンジチディス(N.meningitidis)について、上に記載されるPAM認識配列などの特定のPAM配列を認識し得る。
一実施形態では、Cas9分子またはCas9ポリペプチドは、天然Cas9分子と同一PAM特異性を有する。その他の実施形態では、Cas9分子またはCas9ポリペプチドは、それに最も近い配列相同性を有する天然Cas9分子に関連しないPAM特異性、または天然Cas9分子に関連しないPAM特異性を有する。例えば、天然Cas9分子は改変され得て、例えば、PAM認識が改変されて、例えば、Cas9分子またはCas9ポリペプチドが認識するPAM配列が改変されて、オフターゲット部位が減少されおよび/または特異性が改善され;またはPAM認識要求が排除される。一実施形態では、Cas9分子は改変され得て、例えば、PAM認識配列の長さが増大され、および/またはCas9特異性が高い同一性レベルに改善されて、例えば、オフターゲット部位が減少されて特異性が増大される。一実施形態では、PAM認識配列の長さは、少なくとも4、5、6、7、8、9、10または15アミノ酸長である。
異なるPAM配列を認識しおよび/またはオフターゲット活性の低下を有するCas9分子またはCas9ポリペプチドは、指向性進化を使用して作成され得る。Cas9分子の指向性進化のために使用され得る代表的な方法およびシステムは、例えば、Esvelt et al.Nature 2011,472(7344):499-503に記載される。候補Cas9分子は、例えば、セクションIVに記載される方法によって評価され得る。
PAM認識を媒介するPIドメインの改変が、下で考察される。
改変PIドメインがある合成Cas9分子およびCas9ポリペプチド
現行のゲノム編集法は、使用されるCas9分子が認識するPAM配列によって標的化され得る標的配列の多様性に限りがある。合成Cas9分子(またはSyn-Cas9分子)、または合成Cas9ポリペプチド(またはSyn-Cas9ポリペプチド)は、本明細書での用法では、1つの細菌種に由来するCas9コアドメインと、機能改変PIドメイン、すなわち、例えば、異なる細菌種に由来する、Cas9コアドメインに天然に関連する以外のPIドメインとを含んでなるCas9分子またはCas9ポリペプチドを指す。
一実施形態では、改変PIドメインは、Cas9コアドメインがそれに由来する天然Cas9によって認識されるPAM配列と、異なるPAM配列を認識する。一実施形態では、改変PIドメインは、Cas9コアドメインがそれに由来する天然Cas9によって認識される同一PAM配列を認識するが、異なる親和性または特異性で認識する。Syn-Cas9分子またはSyn-Cas9ポリペプチド(polypetide)は、それぞれ、Syn-eaCas9分子またはSyn-eaCas9ポリペプチドまたはSyn-eiCas9分子、Syn-eiCas9ポリペプチドであり得る。
Syn-Cas9分子またはSyn-Cas9ポリペプチド(polypetide)の例は、
a)例えば、aS.アウレウス(S.aureus)、S.ピオゲネス(S.pyogenes)、またはC.ジェジュニ(C.jejuni)Cas9コアドメインなどの表100または200からのCas9コアドメインなどのCas9コアドメイン;
b)表400および500から選択される生物種XCas9配列に由来する改変PIドメインを含んでなる。
一実施形態では、前記改変PIドメインのRKRモチーフ(PAM結合モチーフ)は、Cas9コアドメインに関連する天然または内在性PIドメインのRKRモチーフの配列と比較した、1、2、または3つのアミノ酸残基における差異;第1、第2、または第3の位置におけるアミノ酸配列の差異;第1および第2の位置、第1および第3の位置、または第2および第3の位置におけるアミノ酸配列の差異を含んでなる。
一実施形態では、Cas9コアドメインは、表100からの生物種X Cas9に由来するCas9コアドメインを含んでなり、前記改変PIドメインは、表100からの生物種Y Cas9に由来するPIドメインを含んでなる。
一実施形態では、生物種X Cas9のRKRモチーフは、生物種Y Cas9のRKRモチーフ以外である。
一実施形態では、改変PIドメインのRKRモチーフは、XXY、XNG、およびXNQから選択される。
一実施形態では、改変PIドメインは、表100からの前記生物種Yの天然PIドメインのアミノ酸配列と、少なくとも60、70、80、90、95、または100%相同性を有する。
一実施形態では、改変PIドメインは、前記表100からの第2の生物種の天然PIドメインのアミノ酸配列と、50、40、30、25、20、15、10、5、4、3、2、または1以下のアミノ酸残基が異なる。
一実施形態では、Cas9コアドメインはS.アウレウス(S.aureus)コアドメインを含んでなり、改変PIドメインは、A.デニトリフィカンス(A.denitrificans)PIドメイン;C.ジェジュニ(C.jejuni)PIドメイン;H.ムステラエ(H.mustelae)PIドメイン;または表500から選択される生物種XPIドメインの改変PIドメインを含んでなる。
一実施形態では、Cas9コアドメインはS.ピオゲネス(S.pyogenes)コアドメインを含んでなり、改変PIドメインは、A.デニトリフィカンス(A.denitrificans)PIドメイン;C.ジェジュニ(C.jejuni)PIドメイン;H.ムステラエ(H.mustelae)PIドメイン;または表500から選択される生物種XPIドメインの改変PIドメインを含んでなる。
一実施形態では、Cas9コアドメインはC.ジェジュニ(C.jejuni)コアドメインを含んでなり、改変PIドメインは、A.デニトリフィカンス(A.denitrificans)PIドメイン;H.ムステラエ(H.mustelae)PIドメイン;または表500から選択される生物種XPIドメインの改変PIドメインを含んでなる。
一実施形態では、Cas9分子またはCas9ポリペプチドは、前記Cas9コアドメインと前記改変PIドメインの間に配置されるリンカーをさらに含んでなる。
一実施形態では、リンカーは、本明細書の他の箇所に記載される、Cas9コアドメインと異種PIドメインの間に配置されるリンカーを含んでなる。適切なリンカーは、セクションVにさらにに記載される。
Syn-Cas9分子で使用される代表的改変PIドメインは、表400および500に記載される。表400および500で言及される83Cas9オルソログの配列は、表100に提供される。表300は、既知のPAM配列があるCas9オルソログ、および対応するRKRモチーフを提供する。
一実施形態では、Syn-Cas9分子またはSyn-Cas9ポリペプチドはまた、サイズ最適化されてもよく、例えば、Syn-Cas9分子またはSyn-Cas9ポリペプチドは、1つまたは複数の欠失、および任意選択的に欠失側面に位置するアミノ酸残基間に配置される1つまたは複数のリンカーを含んでなる。一実施形態では、Syn-Cas9分子またはSyn-Cas9ポリペプチドは、REC欠失を含んでなる。
サイズ最適化Cas9分子およびCas9ポリペプチド
本明細書に記載される遺伝子操作Cas9分子および遺伝子操作Cas9ポリペプチドとしては、例えば、本質的に天然立体配座、Cas9ヌクレアーゼ活性、および/または標的核酸分子認識などの所望のCas9特性をなおも保つ一方で、分子サイズを低下させる欠失を含んでなる、Cas9分子またはCas9ポリペプチドが挙げられる。本明細書で提供されるのは、1つまたは複数の欠失および任意選択的に1つまたは複数のリンカーを含んでなる、Cas9分子またはCas9ポリペプチドであり、リンカーは、欠失側面に位置するアミノ酸残基間に配置される。参照Cas9分子中の適切な欠失を同定する方法、欠失およびリンカーがあるCas9分子を生成する方法、およびこのようなCas9分子を使用する方法は、この文献を検討することにより当業者には明らかであろう。
例えば、S.アウレウス(S.aureus)、S.ピオゲネス(S.pyogenes)、またはC.ジェジュニ(C.jejuni)Cas9分子などの欠失があるCas9分子は、例えば、低下したアミノ酸数を有するなど、対応する天然Cas9分子よりも小型である。Cas9分子のより小さなサイズは、送達方法の融通性を増大させ、その結果ゲノム編集の有用性を高める。Cas9分子またはCas9ポリペプチドは、結果として生じる本明細書に記載されるCas9分子またはCas9ポリペプチドの活性に実質的に影響を及ぼさず、またはそれを低下させない、1つまたは複数の欠失を含んでなり得る。本明細書に記載される欠失を含んでなるCas9分子またはCas9ポリペプチド中で維持される機能としては、ニッカーゼ活性、すなわち、例えば、核酸分子の非相補鎖または相補鎖などの一本鎖を切断する能力;
一実施形態では2つのニッカーゼ活性の存在である、二本鎖ヌクレアーゼ活性、すなわち、二本鎖核酸の双方の鎖を切断して、二本鎖切断を生成する能力;
エンドヌクレアーゼ活性;
エキソヌクレアーゼ活性;
ヘリカーゼ活性、すなわち、二本鎖核酸のらせん構造を巻き戻す能力;
および例えば、標的核酸またはagRNAなどの核酸分子の認識活性
の1つまたは複数が挙げられる。
本明細書に記載されるCas9分子またはCas9ポリペプチドの活性は、本明細書または当該技術分野で記載される、活性アッセイを使用して評価され得る。
欠失に適する領域を同定する
Cas9分子の欠失に適する領域は、多様な方法によって同定され得る。例えば、表100に列挙されるもののいずれか1つなどの様々な細菌種に由来する天然オルソロガスCas9分子は、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9の結晶構造にモデル化され得て(Nishimasu et al.,Cell,156:935-949,2014)、タンパク質の三次元立体構造と比較して、選択されたCas9オルソログ全域の保存レベルが調べられる。例えば、標的核酸分子および/またはgRNAとの境界面などのCas9活性に関与する領域から空間的に遠位に位置する、低保存または非保存領域は、Cas9活性に実質的に影響を及ぼさずまたは低下させない欠失の候補領域またはドメインに相当する。
REC最適化Cas9分子およびCas9ポリペプチド
REC最適化Cas9分子、またはREC最適化Cas9ポリペプチドは、本明細書での用法では、REC2ドメインおよびRE1CTドメインの片方または双方に欠失(集合的にREC欠失)を含んでなるCas9分子またはCas9ポリペプチドを指し、欠失は、同族ドメイン中のアミノ酸残基の少なくとも10%を構成する。REC最適化Cas9分子またはCas9ポリペプチドは、eaCas9分子またはeaCas9ポリペプチド(polypetide)、またはeiCas9分子またはeiCas9ポリペプチドであり得る。代表的REC最適化Cas9分子またはREC最適化Cas9ポリペプチドは、
a)i)REC2欠失;
ii)REC1CT欠失;または
iii)REC1SUB欠失
から選択される欠失を含んでなる。
任意選択的に、リンカーは、欠失側面に位置するアミノ酸残基間に配置される。一実施形態では、Cas9分子またはCas9ポリペプチドは、1つの欠失のみまたは2つの欠失のみを含む。Cas9分子またはCas9ポリペプチドは、REC2欠失およびREC1CT欠失を含んでなり得る。Cas9分子またはCas9ポリペプチドは、REC2欠失およびREC1SUB欠失を含んでなり得る。
概して、欠失は、同族ドメインのアミノ酸の少なくとも10%を含有し、例えば、REC2欠失は、REC2ドメイン中のアミノ酸の少なくとも10%を含む。欠失は、その同族ドメインのアミノ酸残基の少なくとも10、20、30、40、50、60、70、80、または90%;その同族ドメインの全てのアミノ酸残基;その同族ドメインの外部のアミノ酸残基;その同族ドメインの外部の複数のアミノ酸残基;その同族ドメインのN末端に隣接するアミノ酸残基;その同族ドメインのC末端に隣接するアミノ酸残基;その同族のN末端に隣接するアミノ酸残基、およびその同族ドメインのC末端に隣接するアミノ酸残基;その同族ドメインのN末端の例えば、最高5、10、15、または20個などの複数のアミノ酸残基;その同族ドメインのC末端の例えば、最高5、10、15、または20個などの複数のアミノ酸残基;その同族ドメインのN末端の例えば、最高5、10、15、または20個などの複数のアミノ酸残基、およびその同族ドメインのC末端の例えば、最高5、10、15、または20個などの複数のアミノ酸残基を含んでなり得る。
一実施形態では、欠失は、その同族ドメイン;その同族ドメインのN末端アミノ酸残基;その同族ドメインのC末端アミノ酸残基を越えない。
REC最適化Cas9分子またはREC最適化Cas9ポリペプチドは、欠失側面に位置する、アミノ酸残基間に配置されるリンカーを含み得る。REC最適化Cas9分子中のREC欠失側面に位置するアミノ酸残基(resides)間で使用される適切なリンカーは、セクションVで開示される。
一実施形態では、REC最適化Cas9分子またはREC最適化Cas9ポリペプチドは、任意のREC欠失および結合リンカー以外のアミノ酸配列を含んでなり、例えば、S.アウレウス(S.aureus)Cas9分子、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9分子、またはC.ジェジュニ(C.jejuni)Cas9分子などの天然Cas9などの表100に記載されるCas9分子のアミノ酸配列と、少なくとも50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、99、または100%の相同性を有する。
一実施形態では、REC最適化Cas9分子またはREC最適化Cas9ポリペプチドは、任意のREC欠失および結合リンカー以外のアミノ酸配列を含んでなり、例えば、S.アウレウス(S.aureus)Cas9分子、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9分子、またはC.ジェジュニ(C.jejuni)Cas9分子などの表100に記載されるCas9分子などの天然Cas9のアミノ酸配列と、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、または25以下のアミノ酸残基が異なる。
一実施形態では、REC最適化Cas9分子またはREC最適化Cas9ポリペプチドは、任意のREC欠失および結合リンカー以外のアミノ酸配列を含んでなり、例えば、S.アウレウス(S.aureus)Cas9分子、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9分子、またはC.ジェジュニ(C.jejuni)Cas9分子などの表100に記載されるCas9分子などの天然Cas9のアミノ酸配列と、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、または25%以下のアミノ酸残基が異なる。
配列比較のために、典型的に1つの配列が参照配列の役割を果たし、それと試験配列とが比較される。配列比較アルゴリズムを使用する場合、試験および参照配列がコンピュータに入力されて、必要ならば部分配列座標が指定され、配列アルゴリズムプログラムパラメータが指定される。デフォルトプログラムパラメータが使用され得てまたは代案のパラメータてが指定され得る。次に配列比較アルゴリズムが、プログラムパラメータに基づいて、標準配列と比較して、試験配列のパーセント配列同一性を計算する。比較のための配列アラインメント法は、当該技術分野で周知である。比較のための最適配列アラインメントは、例えば、Smith and Waterman,(1970)Adv.Appl.Math.2:482cの局所相同性アルゴリズムによって、Needleman and Wunsch,(1970)J.Mol.Biol.48:443の相同性アライメントアルゴリズムによって、Pearson and Lipman,(1988)Proc.Nat’l.Acad.Sci.USA85:2444の類似性検索法によって、これらのアルゴリズムのコンピュータ処理実装(Wisconsin Genetics Software Package,Genetics Computer Group,575 Science Dr.,Madison,WI中のGAP、BESTFIT、FASTA、およびTFASTA)によって、または手動アライメントおよび目視検査(例えば、Brent et al.,(2003)Current Protocols in Molecular Biologyを参照されたい)によって、実施され得る。
配列同一性百分率および配列類似性を判定するのに適するアルゴリズムの2つの例は、それぞれ、Altschul et al.,(1977)Nuc.Acids Res.25:3389-3402;およびAltschul et al.,(1990)J.Mol.Biol.215:403-410に記載される、BLASTおよびBLAST 2.0アルゴリズムである。BLAST分析実施するためのソフトウェアは、National Center for Biotechnology Informationを通じて公的に利用可能である。
2つのアミノ酸配列間の同一性百分率はまた、ALIGNプログラム(バージョン2.0)に組み込まれている、E.Meyers and W.Miller,(1988)Comput.Appl.Biosci.4:11-17)のアルゴリズムを使用して、PAM120重み残基表、ギャップ長ペナルティ12およびギャップペナルティ4を使用して、評価され得る。さらに、2つのアミノ酸配列間の同一性百分率は、GCGソフトウェアパッケージ(www.gcg.comで利用可能)のGAPプログラムに組み込まれている、Needleman and Wunsch(1970)J.Mol.Biol.48:444-453)アルゴリズムを使用して、Blossom62マトリックスまたはPAM250マトリックスのどちらか、およびギャップ重み付け16、14、12、10、8、6、または4および長さ重み付け1、2、3、4、5、または6を使用して、判定され得る。
83個の天然Cas9オルソログについて、代表的REC欠失の配列情報が表100に提供される。異なる細菌種に由来する代表的Cas9分子のアミノ酸配列は、下に示される。
PIドメインは、表400および500に提供される。
以下は、表100に列挙されるCas9オルソログのアミノ酸配列である。
配列番号304
配列番号305
配列番号306
配列番号307
配列番号308
配列番号309
配列番号310
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配列番号378
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配列番号380
配列番号381
配列番号382
配列番号383
配列番号384
配列番号385
配列番号386
Cas9分子をコードする核酸
例えば、eaCas9分子またはeaCas9ポリペプチドなどのCas9分子またはCas9ポリペプチドをコードする核酸は、本明細書で提供される。
代表的Cas9分子をコードする核酸またはCas9ポリペプチドは、Cong et al.,Science 2013,399(6121):819-823;Wang et al.,Cell 2013,153(4):910-918;Mali et al.,Science 2013,399(6121):823-826;Jinek et al.,Science 2012,337(6096):816-821に記載される。Cas9分子またはCas9ポリペプチドをコードする別の代表的核酸は、図8に黒色で示される。
一実施形態では、Cas9分子またはCas9ポリペプチドをコードする核酸は、合成核酸配列であり得る。例えば、合成核酸分子は、例えば、セクションVIIIに記載されるようにして、化学修飾され得る。一実施形態では、Cas9 mRNAは、(例えば、以下の全てなどの1つまたは複数の特性を有する:それは、キャッピングされ、ポリアデニル化され、5-メチルシチジンおよび/またはプソイドウリジンで置換される。
それに加えてまたは代案としては、合成核酸配列は、コドン最適化され得て、例えば、少なくとも1つの一般的でないコドンあまり一般的でないコドンは、一般的コドンによって置換されている。例えば、合成核酸は、例えば、本明細書に記載される哺乳類発現系内での発現のために最適化された、最適化メッセンジャーmRNAの合成を誘導し得る。
さらに、または代案としては、aCas9分子またはCas9ポリペプチドをコードする核酸は、核局在化配列(NLS)を含んでなってもよい。核局在化配列は、当該技術分野で公知である。
以下に提供されるのは、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9分子をコードする代表的なコドン最適化核酸配列である。
配列番号22
以下に提供されるのは、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9分子の対応するアミノ酸配列である。
配列番号23
以下に提供されるのは、N.メニンジチディス(N.meningitidis)Cas9分子をコードする代表的なコドン最適化核酸配列である。
配列番号24
以下に提供されるのは、N.メニンジチディス(N.meningitidis)Cas9分子の対応するアミノ酸配列である。
配列番号25
以下に提供されるのは、S.アウレウス(S.aureus)Cas9分子のアミノ酸配列である。
配列番号26
以下に提供されるのは、S.アウレウス(S.aureus)Cas9のCas9分子(Cas9 molecule of S.aureus Cas9)をコードする代表的なコドン最適化核酸配列である。
配列番号39
上記Cas9配列のいずれかが、C末端でペプチドまたはポリペプチドと融合する場合、停止コドンは除外されるものと理解される。
その他のCas分子およびCasポリペプチド
本明細書で開示される発明を実施するために、様々なタイプのCas分子またはCasポリペプチドが使用され得る。いくつかの実施形態では、II型CasシステムのCas分子が使用される。その他の実施形態では、その他のCasシステムのCas分子が使用される。例えば、I型またはIII型Cas分子が使用されてもよい。代表的なCas分子(およびCasシステム)は、例えば、Haft et al.,PLoS Computational Biology 2005,1(6):e60およびMakarova et al.,Nature Review Microbiology 2011,9:467-477に記載され、双方の参考文献は、その内容全体が参照により本明細書に援用される。代表的なCas分子(およびCasシステム)は、表600にもまた示される。
IV.候補分子の機能解析
候補Cas9分子、候補gRNA分子、候補Cas9分子/gRNA分子複合体は、当該技術分野で周知の方法によって、または本明細書に記載されるように評価され得る。例えば、Cas9分子のエンドヌクレアーゼ活性評価する代表的な方法は、例えば、Jinek et al.,SCIENCE 2012,337(6096):816-821に記載される。
結合および切断アッセイ:Cas9分子のエンドヌクレアーゼ活性を試験する
Cas9分子/gRNA分子複合体が、標的核酸を結合および切断する能力は、プラスミド切断アッセイで評価され得る。このアッセイでは、合成または生体外転写gRNA分子が、95℃に加熱して緩慢に室温に冷却することで、反応に先だってプレアニールされる。天然または制限消化直線化プラスミドDNA(300ng(約8nM))が、10mMのMgCl2存在下または不在下において、Cas9プラスミド切断緩衝液(20mMのHEPES pH7.5、150mMのKCl、0.5mMのDTT、0.1mMのEDTA)中の精製Cas9タンパク質分子(50~500nM)およびgRNA(50~500nM、1:1)と共に、37℃で60分間インキュベートされる。反応は、5×DNAローディングバッファー(30%グリセロール、1.2%SDS、250mMのEDTA)によって停止され、0.8または1%アガロースゲル電気泳動法によって分離され、臭化エチジウム染色によって視覚化される。得られた分解産物は、Cas9分子が、双方のDNA鎖を切断するか、または二本鎖の1本のみを切断するかどうかを示す。例えば、直鎖DNA生成物は、双方のDNA鎖の切断を示す。ニックの入った開環状生成物は、二本鎖の1本のみが切断されていることを示す。
代案としては、Cas9分子/gRNA分子複合体が、標的核酸に結合して切断する能力は、オリゴヌクレオチドDNA切断アッセイで評価され得る。このアッセイでは、DNAオリゴヌクレオチド(10pmol)が、1×T4ポリヌクレオチドキナーゼ反応緩衝液中の5単位のT4ポリヌクレオチドキナーゼおよび約3~6pmol(約20~40mCi)の[γ-32P]-ATPと、50μLの反応物中で37℃で30分間インキュベートすることで、放射性標識される。加熱不活性化(65℃で20分間)後、カラムに通して反応物が精製され、組み込まれていない標識が除去される。標識オリゴヌクレオチドと、等モル量の未標識相補的オリゴヌクレオチドとの95℃で3分間のアニーリングによって、二本鎖基質(100nM)が生成され、室温への緩慢な冷却がそれに続く。切断アッセイでは、95℃で30秒間加熱することでgRNA分子がアニールされ、室温への緩慢な冷却がそれに続く。Cas9(500nM最終濃度)が、切断アッセイ緩衝液(20mMのHEPES pH7.5、100mMのKCl、5mMのMgCl2、1mMのDTT、5%グリセロール)中のアニールされたgRNA分子(500nM)と共に、総容積9μlでプレインキュベートされる。1μlの標的DNA(10nM)の添加によって反応が開始され、37℃で1時間インキュベートされる。20μlのローディング色素(ホルムアミド中の5mMのEDTA、0.025%SDS、5%グリセロール)の添加によって反応物がクエンチされ、95℃で5分間加熱される。分解産物は、7M尿素を含有する12%変性ポリアクリルアミドゲル上で分離され、ホスホロイメージングによって視覚化される。得られた分解産物は、相補鎖、非相補鎖、またはその双方が切断されたかどうかを示す。
これらのアッセイの片方または双方を使用して、候補gRNA分子または候補Cas9分子の適合性が評価され得る。
結合アッセイ:Cas9分子の標的DNAへの結合を試験する
Cas9分子の標的DNAへの結合を評価する代表的な方法は、例えば、Jinek et al.,SCIENCE 2012;337(6096):816-821に記載される。
例えば、電気泳動移動度シフト解析では、脱イオン水中で各鎖(10nmol)を混合して、95℃で3分間加熱し、室温に緩慢に冷却することで、標的DNA二本鎖が形成される。全てのDNAは、1×TBEを含有する8%天然ゲル上で精製される。DNAバンドは、UVシャドーイングによって視覚化され、切除されて、ゲル小片をDEPC処理H2Oに浸漬することで溶出される。溶出されDNAは、エタノール沈殿されて、DEPC処理H2Oに溶解される。DNAサンプルは、[γ-32P]-ATPを使用して、T4ポリヌクレオチドキナーゼで37℃で30分間にわたり5’末端標識される。ポリヌクレオチドキナーゼは、65℃で20分間加熱変性され、カラムを使用して、組み込まれていない放射性標識が除去される。結合アッセイは、20mMのHEPES pH7.5、100mMのKCl、5mMのMgCl2、1mMのDTT、および10%グリセロールを含有する緩衝液中で、総容積10μlで実施される。Cas9タンパク質分子は、等モル量のプレアニールgRNA分子でプログラムされて、100pMから1μMに滴定される。放射性標識DNAが、20pMの最終濃度に添加される。サンプルは、37℃で1時間インキュベートされ、1×TBEおよび5mMのMgCl2を含有する8%天然ポリアクリルアミドゲル上で、4℃で分離される。ゲルは乾燥されて、DNAはホスホロイメージングによって視覚化される。
示差走査型蛍光定量法(Flourimetry)(DSF)
Cas9-gRNAリボ核タンパク質(RNP)複合体の熱安定性は、DSFによって測定され得る。この技術は、例えば、gRNAなどの結合RNA分子の添加などの好ましい条件下で増大され得る、タンパク質の熱安定性を測定する。
アッセイは、1つはgRNA:Cas9タンパク質の最良の化学量論比を試験し、もう1つはRNP形成のための最良の溶液条件を判定する、2つの異なるプロトコルを使用して実施される。
RNP複合体を形成するための最良の溶液を判定するために、Cas9の2uM水溶液+10×SYPRO Orange(登録商標)(Life Techonologiesカタログ番号S-6650)が384ウェルプレート内に分注される。次に、様々なpHの溶液中で希釈された等モル量のgRNA、および塩が添加される。室温で10秒間インキュベートし、短時間遠心分離してあらゆる気泡を除去いた後、 Bio-Rad CFX Manager ソフトウェアと共に、Bio-Rad CFX384(商標)Real-Time System C1000 Touch(商標)サーマルサイクラーを使用して、10秒毎に1℃の温度増大で20℃から90℃への勾配が実行される。
第2のアッセイは、上記アッセイ1からの最適緩衝液中で、様々な濃度のgRNAと2uM Cas9を混合して、384ウェルプレート内で、室温で10秒間インキュベートすることからなる。等容積の最適緩衝液+10×SYPRO Orange(登録商標)(Life Techonologiesカタログ番号S-6650)が添加され、プレートはMicroseal(登録商標)B粘着剤(MSB-1001)で密封される。あらゆる気泡を除去するための短時間遠心分離に続いて、Bio-Rad CFX Managerソフトウェアと共に、Bio-Rad CFX384(商標)Real-Time System C1000 Touch(商標)サーマルサイクラーを使用して、10秒毎に1℃の温度増大で20℃から90℃への勾配が実行される。
V.ゲノム編集アプローチ
一般に、本明細書に記載される方法に従った任意の遺伝子の改変は、任意の機序によって媒介され得て、任意の方法は特定の機序に限定されないものと理解される。遺伝子改変に関連し得る代表的機序としては、非相同末端結合(例えば、古典的または代替)、マイクロホモロジー媒介末端結合(MMEJ)、相同指向修復(例えば、内在性供与体テンプレート媒介性)、SDSA(合成依存性鎖アニーリング)、一本鎖アニーリングまたは一本鎖浸潤が挙げられるが、これに限定されるものではない。本明細書に記載されるのは、NHEJを使用して、FAS、BID、CTLA4、PDCD1、CBLBまたは、PTPN66、TRACまたはTRBC遺伝子の対立遺伝子の片方または双方を標的ノックアウトする代表的方法である(セクションV.1を参照されたい)。別の実施形態では、FAS、BID、CTLA4、PDCD1、CBLB、またはPTPN6遺伝子の標的化ノックダウンの代表的方法が提供される(セクションV.2を参照されたい)。ノックダウンまたはノックアウトまたはそれらの組み合わせのために、開示される方法が、FAS、BID、CTLA4、PDCD1、CBLB、またはPTPN6遺伝子の2つ以上を標的化してもよいことがさらに検討される。
V.1 遺伝子ターゲッティングのためのNHEJアプローチ
本明細書に記載されるように、ヌクレアーゼ誘導非相同末端結合(NHEJ)を使用して、標的遺伝子特異的ノックアウトが実施され得る。ヌクレアーゼ誘導NHEJはまた、対象遺伝子中の配列挿入を除去す(例えば、欠失させ)るのにも使用され得る。
理論による拘束は望まないが、一実施形態では、本明細書に記載される方法に関連するゲノムの改変は、ヌクレアーゼ誘導NHEJと、NHEJ修復経路の誤りがちな性質とに依存すると考えられる。NHEJは、2つの末端を共に連結することで、DNA中の二本鎖切断を修復する;しかし、通常、元の配列は、それらが二本鎖切断によって形成された真にその通りの2つの適合性末端が、完璧にライゲートされた場合に限り、復元される。二本鎖切断のDNA末端は、しばしば酵素的プロセッシングの対象であり、末端の再結合に先だって、片方または双方の鎖に、ヌクレオチドの付加または除去がもたらされる。これは、NHEJ修復部位におけるDNA配列の挿入および/または欠失(インデル)変異の存在をもたらす。これらの変異の3分の2は、典型的に、読み枠を改変し、したがって、非機能性タンパク質が生じる。それに加えて、読み枠を維持するが、顕著な量の配列を挿入または欠失させる変異は、タンパク質の機能性を破壊し得る。タンパク質の重要な機能ドメインの変異は、重要でない領域の変異よりもおそらく許容性が低いので、これは遺伝子座依存性である。
NHEJによって生成されるインデル変異は、自然界では予測不可能である;しかし、所与の切断部位では、おそらく小規模なマイクロホモロジー領域のために、特定のインデル配列が好まれ、母集団中で大きな比率を占める。欠失の長さは、幅広く変動し得て;最も一般的には、1~50bpの範囲であるが、それらは100~200bpを超える範囲に容易に達し得る。挿入はより短い傾向があり、多くの場合、切断部位に隣接して取り囲む、短い配列重複を含む。しかし、大きな挿入を得ることが可能であり、これらの場合、挿入配列は、多くの場合、ゲノムのその他の領域に、または細胞内に存在するプラスミドDNAにトレースされている。
NHEJは変異原性過程であるので、特定の最終配列の生成が要求されない限り、それはまた小規模な配列モチーフを欠失させるのにも使用され得る。二本鎖切断が、短い標的配列の近くで標的化される場合、NHEJによって引き起こされる修復欠失変異は、頻繁に望まれないヌクレオチドに及び、したがってそれを除去する。より大型のDNA断片の欠失では、配列の両側に1つずつ2つの二本鎖切断が導入されて、介在配列全体が除去され、末端の間にNHEJがもたらされ得る。これらのアプローチの双方を使用して、特定のDNA配列が欠失され得る;しかし、NHEJの誤りがちな性質は、修復部位に、インデル変異をなおも生成してもよい。
二本鎖切断eaCas9分子と、一本鎖、またはニッカーゼ、eaCas9分子との双方を本明細書に記載される方法および組成物で使用して、NHEJ媒介インデルが生成され得る。例えば、対象遺伝子の早期コード領域のようなコード領域などの遺伝子に標的化されるNHEJ媒介インデルを使用して、対象遺伝子がノックアウト(すなわち発現排除)され得る。例えば、対象遺伝子の早期コード領域は、コード配列の第1のエクソン内の、または転写開始部位の500bp以内(例えば、500、450、400、350、300、250、200、150、100または50bp未満)の転写開始部位直後の配列を含む。
一実施形態では、NHEJ媒介インデルが、1つまたは複数のT細胞発現遺伝子中に導入される。Cas9二本鎖ヌクレアーゼまたはCas9一本鎖ニッカーゼを使用して、例えば、FAS、BID、CTLA4、PDCD1、CBLB、PTPN6、TRACまたはTRBC遺伝子の任意の2つなどの2つのT細胞発現遺伝子中に変異体が導入される一実施形態では、Cas9二本鎖ヌクレアーゼまたは一本鎖ニッカーゼに加えて、双方の遺伝子を標的化する個々のgRNAまたはgRNA対が提供される。Cas9二本鎖ヌクレアーゼまたはCas9一本鎖ニッカーゼを使用して、例えば、FAS、BID、CTLA4、PDCD1、CBLB、PTPN6、TRACまたはTRBC遺伝子の任意の3つなどの3つのT細胞発現遺伝子中に変異体が導入される一実施形態では、Cas9二本鎖ヌクレアーゼまたは一本鎖ニッカーゼに加えて、全ての3つの遺伝子を標的化する個々のgRNAまたはgRNA対が提供される。Cas9二本鎖ヌクレアーゼまたはCas9一本鎖ニッカーゼを使用して、例えば、FAS、BID、CTLA4、PDCD1、CBLB、PTPN6、TRACまたはTRBC遺伝子の任意の4つなどの4つのT細胞発現遺伝子中に変異体が導入される一実施形態では、Cas9二本鎖ヌクレアーゼまたは一本鎖ニッカーゼに加えて、全ての4つの遺伝子を標的化する個々のgRNAまたはgRNA対が提供される。Cas9二本鎖ヌクレアーゼまたはCas9一本鎖ニッカーゼを使用して、例えば、FAS、BID、CTLA4、PDCD1、CBLB、PTPN6、TRACまたはTRBC遺伝子の任意の5つなどの5つのT細胞発現遺伝子中に変異体が導入される一実施形態では、Cas9二本鎖ヌクレアーゼまたは一本鎖ニッカーゼに加えて、全ての5つの遺伝子を標的化する個々のgRNAまたはgRNA対が提供される。Cas9二本鎖ヌクレアーゼまたはCas9一本鎖ニッカーゼを使用して、例えば、FAS、BID、CTLA4、PDCD1、CBLB、PTPN6、TRACまたはTRBC遺伝子の任意の6つなどの6つのT細胞発現遺伝子中に変異体が導入される一実施形態では、Cas9二本鎖ヌクレアーゼまたは一本鎖ニッカーゼに加えて、全ての6つの遺伝子を標的化する個々のgRNAまたはgRNA対が提供される。Cas9二本鎖ヌクレアーゼまたはCas9一本鎖ニッカーゼを使用して、例えば、FAS、BID、CTLA4、PDCD1、CBLB、PTPN6、TRACまたはTRBC遺伝子の任意の7つなどの7つのT細胞発現遺伝子中に変異体が導入される一実施形態では、Cas9二本鎖ヌクレアーゼまたは一本鎖ニッカーゼに加えて、全ての7つの遺伝子を標的化する個々のgRNAまたはgRNA対が提供される。Cas9二本鎖ヌクレアーゼまたはCas9一本鎖ニッカーゼを使用して、例えば、FAS、BID、CTLA4、PDCD1、CBLB、PTPN6、TRAC、およびTRBC遺伝子の任意の8つなどの8つのT細胞発現遺伝子中に変異体が導入される一実施形態では、Cas9二本鎖ヌクレアーゼまたは一本鎖ニッカーゼに加えて、全ての8つの遺伝子を標的化する個々のgRNAまたはgRNA対が提供される。
標的位置に対する二本鎖または一本鎖切断の配置
NHEJ媒介インデルを誘導する目的で、gRNAおよびCas9ヌクレアーゼが二本鎖切断を生じる一実施形態では、例えば、単分子(またはキメラ)またはモジュラーgRNA分子などのgRNAが、1つの二本鎖切断を標的位置のヌクレオチド近傍に配置させるように構成される。一実施形態では、切断部位は、標的位置から0~30bp(例えば、標的位置から30、25、20、15、10、9、8、7、6、5、4、3、2または1bp未満)離れている。
NHEJ媒介インデルを誘導する目的でCas9ニッカーゼと複合体形成する2つのgRNAが、2つの一本鎖切断を誘導する一実施形態では、例えば、独立して、単分子(またはキメラ)またはモジュラーgRNAである2つのgRNAが、標的位置のヌクレオチドにNHEJ修復を提供するように、2つの一本鎖切断を配置させるように構成される。一実施形態では、gRNAは、切断を異なる鎖上の同一位置に、または互いに少数のヌクレオチド以内に、配置させるように構成されて、二本鎖切断が本質的に模倣される。一実施形態では、より近いニックは、標的位置から0~30bp(例えば、標的位置から30、25、20、15、10、9、8、7、6、5、4、3、2または1bp未満)離れており、2つのニックは、互いに25~55bp以内(例えば、25~50、25~45、25~40、25~35、25~30、50~55、45~55、40~55、35~55、30~55、30~50、35~50、40~50、45~50、35~45、または40~45bp)であり、互いに100bp以下(例えば、90、80、70、60、50、40、30、20または10bp以下)離れている。一実施形態では、gRNAは、一本鎖切断を標的位置のヌクレオチドのどちらかの側に配置させるように構成される。
二本鎖切断eaCas9分子と、一本鎖、またはニッカーゼ、eaCas9分子との双方を本明細書に記載される方法および組成物で使用して、標的位置の両側に切断が生成され得る。二本鎖または対形成一本鎖切断は、標的位置の両側に生成されて、2つの切断で核酸配列が除去されてもよい(例えば、2つの切断間の領域が欠失される)。一実施形態では、例えば、独立して、単分子(またはキメラ)またはモジュラーgRNAである2つのgRNAは、二本鎖切断を標的位置の両側に配置させるように構成される。交互の実施形態では、例えば、独立して、単分子(またはキメラ)またはモジュラーgRNAである3つのgRNAは、二本鎖切断(すなわち、1つのgRNAがcas9ヌクレアーゼと複合体形成する)と、2つの一本鎖切断または対の一本鎖切断(すなわち、2つのgRNAがCas9ニッカーゼと複合体形成する)とが、標的位置の両側に配置されるように構成される。別の実施形態では、例えば、独立して、単分子(またはキメラ)またはモジュラーgRNAである4つのgRNAは、2対の一本鎖切断(すなわち、2対の2つのgRNAがCas9ニッカーゼと複合体形成する)が、標的位置の両側に生じるように構成される。二本鎖切断、または対の2つの一本鎖ニックのより近い方は、理想的には、標的位置の0~500bp以内(例えば、標的位置から450、400、350、300、250、200、150、100、50または25bp以下)にある。ニッカーゼが使用される場合、対の2つのニックは、互いに25~55bp以内(例えば、25~50、25~45、25~40、25~35、25~30、50~55、45~55、40~55、35~55、30~55、30~50、35~50、40~50、45~50、35~45、または40~45bpの間)であり、互いに100bp以下(例えば、90、80、70、60、50、40、30、20または10bp以下)離れている。
V.2 標的化ノックダウン
遺伝子をDNAレベルで変異させることで発現を恒久的に排除するまたは減少させるCRISPR/Cas媒介遺伝子ノックアウトとは異なり、CRISPR/Casノックダウンは、人工転写因子の使用を通じて、一時的な遺伝子発現低下を可能にする。Cas9タンパク質の双方のDNA切断ドメインで重要な残基を変異させることは(例えば、D10AおよびH840A変異)、触媒能のないCas9(eiCas9、死滅Cas9またはdCas9としてもまた知られている)の生成をもたらす。触媒能のないCas9はgRNAと複合体形成して、gRNAの標的化ドメインによって特定化されたDNA配列に局在するが、それは標的DNAを切断しない。dCas9と、例えば、転写抑制ドメインなどのエフェクタードメインとの融合は、gRNAによって特定化された任意のDNA部位へのエフェクターの動員を可能にする。eiCas9それ自体は、コード配列中の早期領域に動員された場合に、転写を妨げ得ることが示されている一方で、より堅固な抑制は、転写抑制ドメイン(例えばKRAB、SIDまたはERD)をCas9に融合させて、それを遺伝子のプロモーター領域に動員することで達成され得る。プロモーターのDNAseI高感受性領域は、Cas9タンパク質にアクセスできる可能性が高く、また内在性転写因子のための部位を保有する可能性も高いので、これらの領域を標的化することで、おそらくより効率的な遺伝子抑制または活性化がもたらされてもよい。特に遺伝子抑制については、内在性転写因子の結合部位をブロックすることで、遺伝子発現の下方制御を助けることが、本明細書で検討される。別の実施形態では、eiCas9は、クロマチン改変タンパク質に融合され得る。改変クロマチン状態は、標的遺伝子の発現低下をもたらし得る。
一実施形態では、gRNA分子は、既知の転写応答要素(例えば、プロモーター、エンハンサーなど)に、既知の上流活性化配列(UAS)に、および/または標的DNAの発現を調節できることが疑われる未知のまたは既知の機能がある配列に、標的化され得る。
CRISPR/Cas媒介遺伝子ノックダウンを使用して、望まれない対立遺伝子または転写物の発現を低下させ得る。本明細書で検討されるのは、遺伝子の恒久的な破壊が、理想的でない筋書きである。これらの筋書きでは、部位特異的抑制を使用して、発現が一時的に低下または排除されてもよい。ヌクレアーゼが任意のDNA配列を切断して変異を引き起こし得るのに対し、Casリプレッサーは、活発に転写される遺伝子のプロモーター領域に標的化された場合にのみ効果を有してもよいので、Casリプレッサーのオフターゲット効果が、Casヌクレアーゼのものよりも重篤性が低いこともまた本明細書で検討される。しかし、ヌクレアーゼ媒介ノックアウトが恒久的である一方で、抑制は、Casリプレッサーが細胞内に存在する場合に限り持続してもよい。リプレッサーがもはや存在しなくなると、内在性転写因子および遺伝子制御要素は、発現をその天然状態に復元する可能性が高い。
一実施形態では、CRISPR/Cas媒介遺伝子ノックダウンを使用して、1つまたは複数のT細胞発現遺伝子の発現が低下され得る。本明細書に記載されるeiCas9またはeiCas9融合タンパク質を使用して、例えば、FAS、BID、CTLA4、PDCD1、CBLB、またはPTPN6遺伝子の任意の2つなどの2つのT細胞発現遺伝子がノックダウンされる一実施形態では、eiCas9またはeiCas9融合タンパク質に加えて、双方の遺伝子を標的化する個々のgRNAまたはgRNA対が提供される。eiCas9またはeiCas9融合タンパク質を使用して、例えば、FAS、BID、CTLA4、PDCD1、CBLB、またはPTPN6遺伝子の任意の3つなどの3つのT細胞発現遺伝子がノックダウンされる一実施形態では、eiCas9またはeiCas9融合タンパク質に加えて、全ての3つの遺伝子を標的化する個々のgRNAまたはgRNA対が提供される。eiCas9またはeiCas9融合タンパク質を使用して、例えば、FAS、BID、CTLA4、PDCD1、CBLB、またはPTPN6遺伝子の任意の4つなどの4つのT細胞発現遺伝子がノックダウンされる一実施形態では、eiCas9またはeiCas9融合タンパク質に加えて、全ての4つの遺伝子を標的化する個々のgRNAまたはgRNA対が提供される。eiCas9またはeiCas9融合タンパク質を使用して、例えば、FAS、BID、CTLA4、PDCD1、CBLB、またはPTPN6遺伝子の任意の5つなどの5つのT細胞発現遺伝子がノックダウンされる一実施形態では、eiCas9またはeiCas9融合タンパク質に加えて、全ての5つの遺伝子を標的化する個々のgRNAまたはgRNA対が提供される。eiCas9またはeiCas9融合タンパク質を使用して、例えば、FAS、BID、CTLA4、PDCD1、CBLB、またはPTPN6遺伝子の任意の6つなどの6つのT細胞発現遺伝子がノックダウンされる一実施形態では、eiCas9またはeiCas9融合タンパク質に加えて、全ての6つの遺伝子を標的化する個々のgRNAまたはgRNA対が提供される。
V.3 一本鎖アニーリング
一本鎖アニーリング(SSA)は、標的核酸中に存在する2つの反復配列間の二本鎖切断を修復する、別のDNA修復プロセスである。SSA経路によって使用される反復配列は、一般に30ヌクレオチド長を超える。切断末端に切除が生じて、標的核酸の双方の鎖上の反復配列が示される。切除後、反復配列を含有する一本鎖オーバーハングをRPAタンパク質で被覆して、反復配列が、例えばそれ自体などと不適切にアニーリングするのを妨げる。RAD52は、オーバーハング上の反復配列のそれぞれと結合し、配列を整列させて、相補的反復配列のアニーリングを可能にする。アニーリング後、オーバーハングの一本鎖フラップは切断される。新しいDNA合成があらゆるギャップを充填し、ライゲーションがDNA二本鎖を回復させる。プロセッシングの結果として、2つの反復間のDNA配列が欠失する。欠失の長さは、使用される2つの反復の位置、および切除の経路または処理能力をはじめとする、多くの要素に左右され得る。
HDR経路とは対照的に、SSAは、標的核酸配列を改変または修正するのにテンプレート核酸を必要としない。それに代えて、相補的反復配列が使用される。
V.4 その他のDNA修復経路
SSBR(一本鎖切断修復)
ゲノム内の一本鎖切断(SSB)は、上で論じたDSB修復機序とは別個の機序であるSSBR経路によって修復される。SSBR経路は、SSB検出、DNA末端プロセッシング、DNAギャップ充填、およびDNAライゲーションの4つの主要な段階を有する。より詳細な説明は、Caldecott, Nature Reviews Genetics 9,619-631(August 2008)に記載され、概要は本明細書に記載される。
SSBが形成する第1段階では、PARP1および/またはPARP2は、切断を認識して修復機構を動員する。DNA切断におけるPARP1の結合および活性は一過性であり、損傷におけるSSBrタンパク質複合体の巣状滞留または安定性を促進することで、SSBrを加速するようである。議論の余地はあるが、これらのSSBrタンパク質中で最重要であるのはXRCC1であり、これは、DNAの3’および5’末端のクリーニングに関与するタンパク質をはじめとする、SSBrプロセスの複数の酵素的構成要素と相互作用して、安定化し刺激する分子スキャフォールドとして機能する。例えば、XRCC1は、末端プロセッシングを促進するいくつかのタンパク質(DNAポリメラーゼβ、PNK、および3つのヌクレアーゼ、APE1、APTX、およびAPLF)と相互作用する。APE1は、エンドヌクレアーゼ活性を有する。APLFは、エンドヌクレアーゼおよび3’から5’方向エキソヌクレアーゼ機能を示す。APTXは、エンドヌクレアーゼおよび3’から5’方向エキソヌクレアーゼ活性を有する。
全部ではないとしても大多数のSSBの3’および/または5’末端は「損傷を受け」ているため、この末端プロセッシングはSSBRの重要な段階である。末端プロセッシングは、一般に、末端がライゲーションできるように、損傷を受けた3’末端をヒドロキシル化状態に回復させ、およびおよび/または(and and/or)損傷を受けた5’末端をリン酸部分に、回復させることを伴う。損傷を受けた3’末端をプロセスできる酵素としては、PNKP、APE1、およびTDP1が挙げられる。損傷を受けた5’末端をプロセスできる酵素としては、PNKP、DNAポリメラーゼβ、およびAPTXが挙げられる。LIG3(DNAリガーゼIII)はまた、末端プロセッシングにも関与する。ひとたび末端がクリーニングされたら、ギャップ充填が起こり得る。
DNAギャップ充填段階では、典型的に存在するタンパク質は、PARP1、DNAポリメラーゼβ、XRCC1、FEN1(フラップエンドヌクレアーゼ(endonculease)1)、DNAポリメラーゼδ/ε、PCNA、およびLIG1である。短いパッチ修復および長いパッチ修復の2つのギャップ充填様式がある。短いパッチ修復は、欠損している単一ヌクレオチドを挿入することを伴う。いくつかのSSBでは、「ギャップ充填」は、2つ以上のヌクレオチドを転置し続けるかもしれない(最高12塩基の転置が報告されている)。FEN1は、転置された5’残基を除去するエンドヌクレアーゼである。Polβをはじめとする複数のDNAポリメラーゼは、SSBの修復に関与し、DNAポリメラーゼの選択は、SSBの起源とタイプによって影響を受ける。
第4段階では、LIG1(リガーゼI)またはLIG3(リガーゼIII)などのDNAリガーゼが、末端の連結を触媒する。短いパッチ修復はリガーゼIIIを利用して、長いパッチ修復はリガーゼIを利用する。
時に、SSBRは、複製-共役する。この経路には、CtIP、MRN、ERCC1、およびFEN1の1つまたは複数が関与し得る。SSBRを促進してもよい追加的要素としては、aPARP、PARP1、PARP2、PARG、XRCC1、DNAポリメラーゼb、DNAポリメラーゼd、DNAポリメラーゼe、PCNA、LIG1、PNK、PNKP、APE1、APTX、APLF、TDP1、LIG3、FEN1、CtIP、MRN、およびERCC1が挙げられる。
MMR(ミスマッチ修復)
細胞は、MMR、BER、およびNERの3つの切除修復経路を包含する:切除修復経路は、典型的に、DNAの1本鎖上の損傷を認識して、次にエキソ/エンドヌクレアーゼ(endonucleaseases)が損傷を除去し、DNAポリメラーゼによって順次充填され、最終的にリガーゼによってシールされる、1~30ヌクレオチドのギャップを残すという共通の特徴を有する(hace)。より詳細な全体像は、Li,Cell Research(2008)18:85-98に記載され、概要は、本明細書で提供される。
ミスマッチ修復(MMR)は、誤対合DNA塩基上で機能する。
MSH2/6またはMSH2/3複合体は、どちらもミスマッチ認識および修復開始に重要な役割を果たすATPアーゼ活性を有する。MSH2/6が、塩基-塩基ミスマッチを優先的に認識して、1または2ヌクレオチドの誤対合を同定する一方で、MSH2/3は、より大型のID誤対合を優先的に認識する。
hMLH1は、hPMS2とヘテロ二量体化して、ATPアーゼ活性を有しMMRの複数の段階で重要であるhMutLαを形成する。これは、EXO1が関与する3’ニック誘導MMRにおいて重要な役割を果たす、PCNA/複製因子C(RFC)依存性エンドヌクレアーゼ活性を有する。(EXO1は、HRおよびMMRの双方に参加する。)これは、ミスマッチが誘発する切除の終了を制御する。リガーゼIは、この経路の関連リガーゼである。MMRを促進してもよい追加的要素としては、EXO1、MSH2、MSH3、MSH6、MLH1、PMS2、MLH3、DNA Pold、RPA、HMGB1、RFC、およびDNAリガーゼIが挙げられる。
塩基切除修復(BER)
塩基切除修復(BER)経路は、細胞周期全体を通じて活性であり;それは、ゲノムからの小型非らせん歪み塩基損傷を除去する主な原因となる。対照的に、関連ヌクレオチド切除修復経路(次のセクションで考察される)は、嵩高いらせん歪み損傷を修復する。より詳細な説明は、Caldecott,Nature Reviews Genetics 9,619-631(August 2008)に記載され、概要は本明細書に記載される。
DNA塩基損傷に際して、塩基切除修復(BER)が開始されて、プロセスは、5つの主要な段階に簡略化され得る:(a)損傷を受けたDNA塩基の除去;(b)後続の塩基部位の切開;(c)DNA末端のクリーンアップ;(d)修復ギャップ内への修正ヌクレオチド挿入;および(e)DNA骨格内の残りのニックのライゲーション。これらの最終段階は、SSBRと類似する。
第1段階では、損傷特異的DNAグリコシラーゼが、塩基を糖リン酸骨格に結合するNグリコシド連結の切断を通じて、損傷を受けた塩基を切除する。次に、関連リアーゼ活性があるAPエンドヌクレアーゼ-1(APE1)または二機能性DNAグリコシラーゼがリン酸ジエステル骨格を切開して、DNA一本鎖切断(SSB)を生じた。BERの第3段階は、DNA末端のクリーンアップを伴う。BERの第4段階は、新規相補的ヌクレオチドを修復ギャップ内に付加するPolβによって実施され、最終段階で、XRCC1/リガーゼIIIがDNA骨格内の残りのニックをシールする。これで、損傷を受けたDNA塩基の大部分(約80%)が修復される、短いパッチBER経路が完了する。しかし、段階3の5’末端が、末端プロセッシング活性に対して抵抗性であれば、Polβによる1個のヌクレオチド挿入に続いて、ポリメラーゼは複製的DNAポリメラーゼであるPolδ/εに切り替わり、次にそれは、DNA修復ギャップに約2~8個のヌクレオチドを付加する。これは、5’フラップ構造を作り出し、それは、処理能力要素である増殖性細胞核抗原(PCNA)に結合する、フラップエンドヌクレアーゼ-1(FEN-1)によって認識され切除される。次にDNAリガーゼIが、DNA骨格内の残りのニックをシールして、長いパッチBERを完了する。BER経路を促進してもよい追加的要素としては、DNAグリコシラーゼ、APE1、Polb、Pold、Pole、XRCC1、リガーゼIII、FEN-1、PCNA、RECQL4、WRN、MYH、PNKP、およびAPTXが挙げられる。
ヌクレオチド切除修復(NER)
ヌクレオチド切除修復(NER)は、DNAから嵩高いらせん歪み損傷を除去する重要な切除機序である。NERに関する加的な詳細は、Marteijn et al.,Nature Reviews Molecular Cell Biology 15,465-481(2014)にあり、概要は本明細書に記載される。広域経路NERは、2つのより小型の経路である、全ゲノムNER(GG-NER)と、転写と共役する修復NER(TC-NER)とを包含する。GG-NERおよびTC-NERは、DNA損傷を認識するために異なる要素を使用する。しかし、それらは、損傷切開、修復、およびライゲーションのための同一機構を利用する。
ひとたび障害が認識されたら、細胞は、損傷を含有する短い一本鎖DNA断片を除去する。エンドヌクレアーゼXPF/ERCC1およびXPG(ERCC5によってコードされる)は、損傷のどちらかの側で損傷を受けた鎖を切断し、22~30ヌクレオチドの一本鎖ギャップを生成することで、損傷を除去する。次に、細胞は、DNAギャップ充填合成およびライゲーションを実行するこのプロセスに関与するのは、PCNA、RFC、DNA Polδ、DNA PolεまたはDNA Polκ、およびDNAリガーゼIまたはXRCC1/リガーゼIIIである。ライゲーションステップの実行のために、自己複製細胞が、DNA PolεおよびDNAリガーゼIを利用する傾向がある一方で、非自己複製細胞は、DNA Polδ、DNA Polκ、およびtheXRCC1/リガーゼIII複合体を利用する傾向がある。
NERは、XPA-G、POLH、XPF、ERCC1、XPA-G、およびLIG1の要素を伴い得る。転写共役NER(TC-NER)は、CSA、CSB、XPB、XPD、XPG、ERCC1、およびTTDAの要素を伴い得る。NER修復経路を促進してもよい追加的要素としては、XPA-G、POLH、XPF、ERCC1、XPA-G、LIG1、CSA、CSB、XPA、XPB、XPC、XPD、XPF、XPG、TTDA、UVSSA、USP7、CETN2、RAD23B、UV-DDB、CAK部分複合体、RPA、およびPCNAが挙げられる。
鎖間架橋(ICL)
ICL修復経路と称される専用経路が、鎖間架橋を修復する。異なるDNA鎖中の塩基間の鎖間架橋、または共有結合架橋が、複製または転写中に起こり得る。ICL修復は、具体的には、核酸分解活性、損傷乗り越え合成(TLS)、およびHDRである、複数の修復プロセスの協調を伴う。ヌクレアーゼが、架橋塩基のどちらかの側のICLを切除するように動員される一方で、TLSおよびHDRは、協調して切断された鎖を修復する。ICL修復は、以下の要素を伴い得る:例えば、XPFおよびRAD51Cなどのエンドヌクレアーゼ、RAD51などのエンドヌクレアーゼ、例えば、DNAポリメラーゼζおよびRev1)などの損傷乗り越えポリメラーゼ、および例えば、FancJなどのファンコーニ貧血(FA)タンパク質。
その他の経路
哺乳類には、いくつかのその他のDNA修復経路が存在する。
損傷乗り越え合成(TLS)は、欠陥複製事象後に残される一本鎖切断の修復経路であり、例えば、DNA polζおよびRev1などの損傷乗り越えポリメラーゼが関与する。
誤りのない複製後修復(PRR)は、欠陥複製事象後に残される一本鎖切断修復の別の経路である。
V.5 ゲノム編集法におけるgRNAの例
本明細書に記載されるようなgRNA分子を二本鎖切断または一本鎖切断を生成するCas9分子と共に使用して、例えば、標的位置または標的遺伝子シグネチャなどの標的核酸の配列が改変され得る。これらの方法で有用なgRNA分子は、以下に記載される。
一実施形態では、例えば、キメラgRNAなどのgRNAは、それが以下の特性の1つまたは複数を含んでなるように構成される;
a)それは、例えば、二本鎖切断を生じるCas9分子の標的化に際して、二本鎖切断が、(i)標的位置の50、100、150、200、250、300、350,400、450、または500ヌクレオチド以内にあるように、または(ii)十分に密接しているので標的位置が末端切除領域内にあるように配置され得る;
b)それは、例えば、(i)16、(ii)17、(iii)18、(iv)19、(v)20、(vi)21、(vii)22、(viii)23、(ix)24、(x)25、または(xi)26ヌクレオチドの標的化ドメインなどの少なくとも16ヌクレオチドの標的化ドメインを有する;
c)(i)隣接およびテールドメインは、一緒になって、例えば、天然起源S.ピオゲネス(S.pyogenes)、S.サーモフィルス(S.thermophilus)、S.アウレウス(S.aureus)、またはN.メニンジチディス(N.meningitidis)テールおよび隣接ドメインからの少なくとも15、18、20、25、30、31、35、40、45、49、50、または53個のヌクレオチドなどの少なくとも15、18、20、25、30、31、35、40、45、49、50、または53個のヌクレオチドを含んでなり、またはそれと、1、2、3、4、5;6、7、8、9または10個以下のヌクレオチドが異なる配列を含んでなる;
(ii)第2の相補的ドメインの最後のヌクレオチドの3’に、例えば、天然起源S.ピオゲネス(S.pyogenes)、S.サーモフィルス(S.thermophilus)、S.アウレウス(S.aureus)、またはN.メニンジチディス(N.meningitidis)gRNAの対応する配列からの少なくとも15、18、20、25、30、31、35、40、45、49、50、または53個のヌクレオチドなどの少なくとも15、18、20、25、30、31、35、40、45、49、50、または53個のヌクレオチドがあり、またはそれと、1、2、3、4、5;6、7、8、9または10個以下のヌクレオチドが異なる配列がある;
(iii)第2の相補的ドメインの最後のヌクレオチドの3’に、例えば、天然起源S.ピオゲネス(S.pyogenes)、S.サーモフィルス(S.thermophilus)、S.アウレウス(S.aureus)、またはN.メニンジチディス(N.meningitidis)gRNAの対応する配列からの少なくとも16、19、21、26、31、32、36、41、46、50、51、または54個のヌクレオチドなどの第1の相補的ドメインのその対応するヌクレオチドと相補的な、少なくとも16、19、21、26、31、32、36、41、46、50、51、または54個のヌクレオチドがあり、またはそれと、1、2、3、4、5;6、7、8、9または10個以下のヌクレオチドが異なる配列がある;
(iv)テールドメインが、少なくとも10、15、20、25、30、35または40ヌクレオチド長であり、例えば、それは、天然起源S.ピオゲネス(S.pyogenes)、S.サーモフィルス(S.thermophilus)、S.アウレウス(S.aureus)、またはN.メニンジチディス(N.meningitidis)テールドメインからの少なくとも10、15、20、25、30、35または40個のヌクレオチドを含んでなり;またはそれと、1、2、3、4、5;6、7、8、9または10個以下のヌクレオチドが異なる配列を含んでなり;または
(v)テールドメインが、例えば、天然起源S.ピオゲネス(S.pyogenes)、S.サーモフィルス(S.thermophilus)、S.アウレウス(S.aureus)、またはN.メニンジチディス(N.meningitidis)テールドメインなどの天然起源テールドメインの15、20、25、30、35、40ヌクレオチド、または全ての対応する部分を含んでなる。
一実施形態では、gRNAは、それがaおよびb(i)の特性を含んでなるように構成される。
一実施形態では、gRNAは、それがaおよびb(ii)の特性を含んでなるように構成される。
一実施形態では、gRNAは、それがaおよびb(iii)の特性を含んでなるように構成される。
一実施形態では、gRNAは、それがaおよびb(iv)の特性を含んでなるように構成される。
一実施形態では、gRNAは、それがaおよびb(v)の特性を含んでなるように構成される。
一実施形態では、gRNAは、それがaおよびb(vi)の特性を含んでなるように構成される。
一実施形態では、gRNAは、それがaおよびb(vii)の特性を含んでなるように構成される。
一実施形態では、gRNAは、それがaおよびb(viii)の特性を含んでなるように構成される。
一実施形態では、gRNAは、それがaおよびb(ix)の特性を含んでなるように構成される。
一実施形態では、gRNAは、それがaおよびb(x)の特性を含んでなるように構成される。
一実施形態では、gRNAは、それがaおよびb(xi)の特性を含んでなるように構成される。
一実施形態では、gRNAは、それがaおよびcの特性を含んでなるように構成される。
一実施形態では、gRNAは、それが(in)a、b、およびcの特性を含んでなるように構成される。
一実施形態では、gRNAは、それが(in)a(i)、b(i)、およびc(i)の特性を含んでなるように構成される。
一実施形態では、gRNAは、それが(in)a(i)、b(i)、およびc(ii)の特性を含んでなるように構成される。
一実施形態では、gRNAは、それが(in)a(i)、b(ii)、およびc(i)の特性を含んでなるように構成される。
一実施形態では、gRNAは、それが(in)a(i)、b(ii)、およびc(ii)の特性を含んでなるように構成される。
一実施形態では、gRNAは、それが(in)a(i)、b(iii)、およびc(i)の特性を含んでなるように構成される。
一実施形態では、gRNAは、それが(in)a(i)、b(iii)、およびc(ii)の特性を含んでなるように構成される。
一実施形態では、gRNAは、それが(in)a(i)、b(iv)、およびc(i)の特性を含んでなるように構成される。
一実施形態では、gRNAは、それが(in)a(i)、b(iv)、およびc(ii)の特性を含んでなるように構成される。
一実施形態では、gRNAは、それが(in)a(i)、b(v)、およびc(i)の特性を含んでなるように構成される。
一実施形態では、gRNAは、それが(in)a(i)、b(v)、およびc(ii)の特性を含んでなるように構成される。
一実施形態では、gRNAは、それが(in)a(i)、b(vi)、およびc(i)の特性を含んでなるように構成される。
一実施形態では、gRNAは、それが(in)a(i)、b(vi)、およびc(ii)の特性を含んでなるように構成される。
一実施形態では、gRNAは、それが(in)a(i)、b(vii)、およびc(i)の特性を含んでなるように構成される。
一実施形態では、gRNAは、それが(in)a(i)、b(vii)、およびc(ii)の特性を含んでなるように構成される。
一実施形態では、gRNAは、それが(in)a(i)、b(viii)、およびc(i)の特性を含んでなるように構成される。
一実施形態では、gRNAは、それが(in)a(i)、b(viii)、およびc(ii)の特性を含んでなるように構成される。
一実施形態では、gRNAは、それが(in)a(i)、b(ix)、およびc(i)の特性を含んでなるように構成される。
一実施形態では、gRNAは、それが(in)a(i)、b(ix)、およびc(ii)の特性を含んでなるように構成される。
一実施形態では、gRNAは、それが(in)a(i)、b(x)、およびc(i)の特性を含んでなるように構成される。
一実施形態では、gRNAは、それが(in)a(i)、b(x)、およびc(ii)の特性を含んでなるように構成される。
一実施形態では、gRNAは、それが(in)a(i)、b(xi)、およびc(i)の特性を含んでなるように構成される。
一実施形態では、gRNAは、それが(in)a(i)、b(xi)、およびc(ii)の特性を含んでなるように構成される。
一実施形態では、例えば、キメラgRNAなどのgRNAは、それが以下の特性の1つまたは複数を含んでなるように構成される;
a)gRNAの片方または双方が、例えば、一本鎖切断を生じるCas9分子の標的化に際して、一本鎖切断が、(i)標的位置の50、100、150、200、250、300、350、400、450、または500ヌクレオチド以内にあるように、または(ii)十分に密接しているので標的位置が末端切除領域内にあるように位置し得る;
b)片方または双方が、例えば、(i)16、(ii)、17、(iii)18、(iv)19、(v)20、(vi)21、(vii)22、(viii)23、(ix)24、(x)25、または(xi)26ヌクレオチドの標的化ドメインなどの少なくとも16ヌクレオチドの標的化ドメインを有し;
c)(i)隣接およびテールドメインは、一緒になって、例えば、天然起源S.ピオゲネス(S.pyogenes)、S.サーモフィルス(S.thermophilus)、S.アウレウス(S.aureus)、またはN.メニンジチディス(N.meningitidis)テールおよび隣接ドメインからの少なくとも15、18、20、25、30、31、35、40、45、49、50、または53個のヌクレオチドなどの少なくとも15、18、20、25、30、31、35、40、45、49、50、または53個のヌクレオチドを含んでなり、またはそれと、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10個以下のヌクレオチドが異なる配列を含んでなる;
(ii)第2の相補的ドメインの最後のヌクレオチドの3’に、例えば、天然起源S.ピオゲネス(S.pyogenes)、S.サーモフィルス(S.thermophilus)、S.アウレウス(S.aureus)、またはN.メニンジチディス(N.meningitidis)gRNAの対応する配列からの少なくとも15、18、20、25、30、31、35、40、45、49、50、または53個のヌクレオチドなどの少なくとも15、18、20、25、30、31、35、40、45、49、50、または53個のヌクレオチドがあり、またはそれと、1、2、3、4、5;6、7、8、9または10個以下のヌクレオチドが異なる配列がある;
(iii)第2の相補性ドメインの最後のヌクレオチドの3’に、例えば、天然起源S.ピオゲネス(S.pyogenes)、S.サーモフィルス(S.thermophilus)、S.アウレウス(S.aureus)、またはN.メニンジチディス(N.meningitidis)gRNAの対応する配列からの少なくとも16、19、21、26、31、32、36、41、46、50、51、または個の54ヌクレオチドなどの第1の相補性ドメインのその対応するヌクレオチドと相補的な、少なくとも16、19、21、26、31、32、36、41、46、50、51、または54ヌクレオチドがあり、またはそれと、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10個以下のヌクレオチドが異なる配列がある;
iv)テールドメインが、少なくとも10、15、20、25、30、35または40ヌクレオチド長であり、例えば、それは、天然起源S.ピオゲネス(S.pyogenes)、S.サーモフィルス(S.thermophilus)、S.アウレウス(S.aureus)、またはN.メニンジチディス(N.meningitidis)テールドメインからの少なくとも10、15、20、25、30、35または40個のヌクレオチドを含んでなり;またはそれと、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10個以下のヌクレオチドが異なる配列を含んでなり;または
(v)テールドメインが、例えば、天然S.ピオゲネス(S.pyogenes)、S.サーモフィルス(S.thermophilus)、S.アウレウス(S.aureus)、またはN.メニンジチディス(N.meningitidis)テールドメインなどの天然テールドメインの15、20、25、30、35、40ヌクレオチド、または全ての対応する部分を含んでなる。
一実施形態では、gRNAは、それがaおよびb(i)の特性を含んでなるように構成される。
一実施形態では、gRNAは、それがaおよびb(ii)の特性を含んでなるように構成される。
一実施形態では、gRNAは、それがaおよびb(iii)の特性を含んでなるように構成される。
一実施形態では、gRNAは、それがaおよびb(iv)の特性を含んでなるように構成される。
一実施形態では、gRNAは、それがaおよびb(v)の特性を含んでなるように構成される。
一実施形態では、gRNAは、それがaおよびb(vi)の特性を含んでなるように構成される。
一実施形態では、gRNAは、それがaおよびb(vii)の特性を含んでなるように構成される。
一実施形態では、gRNAは、それがaおよびb(viii)の特性を含んでなるように構成される。
一実施形態では、gRNAは、それがaおよびb(ix)の特性を含んでなるように構成される。
一実施形態では、gRNAは、それがaおよびb(x)の特性を含んでなるように構成される。
一実施形態では、gRNAは、それがaおよびb(xi)の特性を含んでなるように構成される。
一実施形態では、gRNAは、それがaおよびcの特性を含んでなるように構成される。
一実施形態では、gRNAは、それが(in)a、b、およびcの特性を含んでなるように構成される。
一実施形態では、gRNAは、それが(in)a(i)、b(i)、およびc(i)の特性を含んでなるように構成される。
一実施形態では、gRNAは、それが(in)a(i)、b(i)、およびc(ii)の特性を含んでなるように構成される。
一実施形態では、gRNAは、それが(in)a(i)、b(ii)、およびc(i)の特性を含んでなるように構成される。
一実施形態では、gRNAは、それが(in)a(i)、b(ii)、およびc(ii)の特性を含んでなるように構成される。
一実施形態では、gRNAは、それが(in)a(i)、b(iii)、およびc(i)の特性を含んでなるように構成される。
一実施形態では、gRNAは、それが(in)a(i)、b(iii)、およびc(ii)の特性を含んでなるように構成される。
一実施形態では、gRNAは、それが(in)a(i)、b(iv)、およびc(i)の特性を含んでなるように構成される。
一実施形態では、gRNAは、それが(in)a(i)、b(iv)、およびc(ii)の特性を含んでなるように構成される。
一実施形態では、gRNAは、それが(in)a(i)、b(v)、およびc(i)の特性を含んでなるように構成される。
一実施形態では、gRNAは、それが(in)a(i)、b(v)、およびc(ii)の特性を含んでなるように構成される。
一実施形態では、gRNAは、それが(in)a(i)、b(vi)、およびc(i)の特性を含んでなるように構成される。
一実施形態では、gRNAは、それが(in)a(i)、b(vi)、およびc(ii)の特性を含んでなるように構成される。
一実施形態では、gRNAは、それが(in)a(i)、b(vii)、およびc(i)の特性を含んでなるように構成される。
一実施形態では、gRNAは、それが(in)a(i)、b(vii)、およびc(ii)の特性を含んでなるように構成される。
一実施形態では、gRNAは、それが(in)a(i)、b(viii)、およびc(i)の特性を含んでなるように構成される。
一実施形態では、gRNAは、それが(in)a(i)、b(viii)、およびc(ii)の特性を含んでなるように構成される。
一実施形態では、gRNAは、それが(in)a(i)、b(ix)、およびc(i)の特性を含んでなるように構成される。
一実施形態では、gRNAは、それが(in)a(i)、b(ix)、およびc(ii)の特性を含んでなるように構成される。
一実施形態では、gRNAは、それが(in)a(i)、b(x)、およびc(i)の特性を含んでなるように構成される。
一実施形態では、gRNAは、それが(in)a(i)、b(x)、およびc(ii)の特性を含んでなるように構成される。
一実施形態では、gRNAは、それが(in)a(i)、b(xi)、およびc(i)の特性を含んでなるように構成される。
一実施形態では、gRNAは、それが(in)a(i)、b(xi)、およびc(ii)の特性を含んでなるように構成される。
一実施形態では、gRNAは、例えば、D10A変異などの変異をD10に有するCas9分子のような、RuvC活性が不活性化されているCas9分子などのHNH活性を有するCas9ニッカーゼ分子と共に使用される。
一実施形態では、gRNAは、例えば、H840Aなどの変異をH840に有するCas9分子のような、HNH活性が不活性化されているCas9分子などのRuvC活性を有するCas9ニッカーゼ分子と共に使用される。
一実施形態では、例えば、第1および第2のgRNAを含んでなる1対のキメラgRNAなどの1対のgRNAは、それらが、以下の特性の1つまたは複数を含んでなるように構成される;
a)gRNAの片方または双方が、例えば、一本鎖切断を生じるCas9分子の標的化に際して、一本鎖切断が、(i)標的位置の50、100、150、200、250、300、350,400、450、または500ヌクレオチド以内にあるように、または(ii)十分に密接しているので標的位置が末端切除領域内にあるように位置し得る;
b)片方または双方が、例えば、(i)16、(ii)17、(iii)18、(iv)19、(v)20、(vi)21、(vii)22、(viii)23、(ix)24、(x)25、または(xi)26ヌクレオチドの標的化ドメインなどの少なくとも16ヌクレオチドの標的化ドメインを有する;
c)以下の片方または双方:
(i)隣接およびテールドメインは、一緒になって、例えば、天然起源S.ピオゲネス(S.pyogenes)、S.サーモフィルス(S.thermophilus)、S.アウレウス(S.aureus)、またはN.メニンジチディス(N.meningitidis)テールおよび隣接ドメインからの少なくとも15、18、20、25、30、31、35、40、45、49、50、または53個のヌクレオチドなどの少なくとも15、18、20、25、30、31、35、40、45、49、50、または53個のヌクレオチドを含んでなり、またはそれと、1、2、3、4、5;6、7、8、9または10個以下のヌクレオチドが異なる配列を含んでなる;
(ii)第2の相補的ドメインの最後のヌクレオチドの3’に、例えば、天然起源S.ピオゲネス(S.pyogenes)、S.サーモフィルス(S.thermophilus)、S.アウレウス(S.aureus)、またはN.メニンジチディス(N.meningitidis)gRNAの対応する配列からの少なくとも15、18、20、25、30、31、35、40、45、49、50、または53個のヌクレオチドなどの少なくとも15、18、20、25、30、31、35、40、45、49、50、または53個のヌクレオチドがあり、またはそれと、1、2、3、4、5;6、7、8、9または10個以下のヌクレオチドが異なる配列がある;
(iii)第2の相補的ドメインの最後のヌクレオチドの3’に、例えば、天然起源S.ピオゲネス(S.pyogenes)、S.サーモフィルス(S.thermophilus)、S.アウレウス(S.aureus)、またはN.メニンジチディス(N.meningitidis)gRNAの対応する配列からの少なくとも16、19、21、26、31、32、36、41、46、50、51、または54個のヌクレオチドなどの第1の相補的ドメインのその対応するヌクレオチドと相補的な、少なくとも16、19、21、26、31、32、36、41、46、50、51、または54ヌクレオチドがあり、またはそれと、1、2、3、4、5;6、7、8、9または10個以下のヌクレオチドが異なる配列がある;
(iv)テールドメインが、少なくとも10、15、20、25、30、35または40ヌクレオチド長であり、例えば、それは、天然起源S.ピオゲネス(S.pyogenes)、S.サーモフィルス(S.thermophilus)、S.アウレウス(S.aureus)、またはN.メニンジチディス(N.meningitidis)テールドメインからの少なくとも10、15、20、25、30、35または40個のヌクレオチドを含んでなり;または(or,or)それと、1、2、3、4、5;6、7、8、9または10個以下のヌクレオチドが異なる配列を含んでなり;または
(v)テールドメインが、例えば、天然起源S.ピオゲネス(S.pyogenes)、S.サーモフィルス(S.thermophilus)、S.アウレウス(S.aureus)、またはN.メニンジチディス(N.meningitidis)テールドメインなどの天然起源テールドメインの15、20、25、30、35、40個のヌクレオチド、または全ての対応する部分を含んでなる;
d)gRNAが、標的核酸とハイブリダイズする際に、それらが、0~50、0~100、0~200、少なくとも10、少なくとも20、少なくとも30または少なくとも50ヌクレオチドによって隔てられるように構成される;
e)第1のgRNAおよび第2のgRNAによって生成される切断が、異なる鎖上にある;
f)PAMが外側を向く。
一実施形態では、gRNAの片方または双方は、それがaおよびb(i)の特性を含んでなるように構成される。
一実施形態では、gRNAの片方または双方は、それがaおよびb(ii)の特性を含んでなるように構成される。
一実施形態では、gRNAの片方または双方は、それがaおよびb(iii)の特性を含んでなるように構成される。
一実施形態では、gRNAの片方または双方は、それがaおよびb(iv)の特性を含んでなるように構成される。
一実施形態では、gRNAの片方または双方は、それがaおよびb(v)の特性を含んでなるように構成される。
一実施形態では、gRNAの片方または双方は、それがaおよびb(vi)の特性を含んでなるように構成される。
一実施形態では、gRNAの片方または双方は、それがaおよびb(vii)の特性を含んでなるように構成される。
一実施形態では、gRNAの片方または双方は、それがaおよびb(viii)の特性を含んでなるように構成される。
一実施形態では、gRNAの片方または双方は、それがaおよびb(ix)の特性を含んでなるように構成される。
一実施形態では、gRNAの片方または双方は、それがaおよびb(x)の特性を含んでなるように構成される。
一実施形態では、gRNAの片方または双方は、それがaおよびb(xi)の特性を含んでなるように構成される。
一実施形態では、gRNAの片方または双方は、それがaおよびcの特性を含んでなるように構成される。
一実施形態では、gRNAの片方または双方は、それがa、b、およびcの特性を含んでなるように構成される。
一実施形態では、gRNAの片方または双方は、それがa(i)、b(i)、およびc(i)の特性を含んでなるように構成される。
一実施形態では、gRNAの片方または双方は、それがa(i)、b(i)、およびc(ii)の特性を含んでなるように構成される。
一実施形態では、gRNAの片方または双方は、それがa(i)、b(i)、c、およびdの特性を含んでなるように構成される。
一実施形態では、gRNAの片方または双方は、それがa(i)、b(i)、c、およびeの特性を含んでなるように構成される。
一実施形態では、gRNAの片方または双方は、それがa(i)、b(i)、c、d、およびeの特性を含んでなるように構成される。
一実施形態では、gRNAの片方または双方は、それがa(i)、b(ii)、およびc(i)の特性を含んでなるように構成される。
一実施形態では、gRNAの片方または双方は、それがa(i)、b(ii)、およびc(ii)の特性を含んでなるように構成される。
一実施形態では、gRNAの片方または双方は、それがa(i)、b(ii)、c、およびdの特性を含んでなるように構成される。
一実施形態では、gRNAの片方または双方は、それがa(i)、b(ii)、c、およびeの特性を含んでなるように構成される。
一実施形態では、gRNAの片方または双方は、それがa(i)、b(ii)、c、d、およびeの特性を含んでなるように構成される。
一実施形態では、gRNAの片方または双方は、それがa(i)、b(iii)、およびc(i)の特性を含んでなるように構成される。
一実施形態では、gRNAの片方または双方は、それがa(i)、b(iii)、およびc(ii)の特性を含んでなるように構成される。
一実施形態では、gRNAの片方または双方は、それがa(i)、b(iii)、c、およびdの特性を含んでなるように構成される。
一実施形態では、gRNAの片方または双方は、それがa(i)、b(iii)、c、およびeの特性を含んでなるように構成される。
一実施形態では、gRNAの片方または双方は、それがa(i)、b(iii)、c、d、およびeの特性を含んでなるように構成される。
一実施形態では、gRNAの片方または双方は、それがa(i)、b(iv)、およびc(i)の特性を含んでなるように構成される。
一実施形態では、gRNAの片方または双方は、それがa(i)、b(iv)、およびc(ii)の特性を含んでなるように構成される。
一実施形態では、gRNAの片方または双方は、それがa(i)、b(iv)、c、およびdの特性を含んでなるように構成される。
一実施形態では、gRNAの片方または双方は、それがa(i)、b(iv)、c、およびeの特性を含んでなるように構成される。
一実施形態では、gRNAの片方または双方は、それがa(i)、b(iv)、c、d、およびeの特性を含んでなるように構成される。
一実施形態では、gRNAの片方または双方は、それがa(i)、b(v)、およびc(i)の特性を含んでなるように構成される。
一実施形態では、gRNAの片方または双方は、それがa(i)、b(v)、およびc(ii)の特性を含んでなるように構成される。
一実施形態では、gRNAの片方または双方は、それがa(i)、b(v)、c、およびdの特性を含んでなるように構成される。
一実施形態では、gRNAの片方または双方は、それがa(i)、b(v)、c、およびeの特性を含んでなるように構成される。
一実施形態では、gRNAの片方または双方は、それがa(i)、b(v)、c、d、およびeの特性を含んでなるように構成される。
一実施形態では、gRNAの片方または双方は、それがa(i)、b(vi)、およびc(i)の特性を含んでなるように構成される。
一実施形態では、gRNAの片方または双方は、それがa(i)、b(vi)、およびc(ii)の特性を含んでなるように構成される。
一実施形態では、gRNAの片方または双方は、それがa(i)、b(vi)、c、およびdの特性を含んでなるように構成される。
一実施形態では、gRNAの片方または双方は、それがa(i)、b(vi)、c、およびeの特性を含んでなるように構成される。
一実施形態では、gRNAの片方または双方は、それがa(i)、b(vi)、c、d、およびeの特性を含んでなるように構成される。
一実施形態では、gRNAの片方または双方は、それがa(i)、b(vii)、およびc(i)の特性を含んでなるように構成される。
一実施形態では、gRNAの片方または双方は、それがa(i)、b(vii)、およびc(ii)の特性を含んでなるように構成される。
一実施形態では、gRNAの片方または双方は、それがa(i)、b(vii)、c、およびdの特性を含んでなるように構成される。
一実施形態では、gRNAの片方または双方は、それがa(i)、b(vii)、c、およびeの特性を含んでなるように構成される。
一実施形態では、gRNAの片方または双方は、それがa(i)、b(vii)、c、d、およびeの特性を含んでなるように構成される。
一実施形態では、gRNAの片方または双方は、それがa(i)、b(viii)、およびc(i)の特性を含んでなるように構成される。
一実施形態では、gRNAの片方または双方は、それがa(i)、b(viii)、およびc(ii)の特性を含んでなるように構成される。
一実施形態では、gRNAの片方または双方は、それがa(i)、b(viii)、c、およびdの特性を含んでなるように構成される。
一実施形態では、gRNAの片方または双方は、それがa(i)、b(viii)、c、およびeの特性を含んでなるように構成される。
一実施形態では、gRNAの片方または双方は、それがa(i)、b(viii)、c、d、およびeの特性を含んでなるように構成される。
一実施形態では、gRNAの片方または双方は、それがa(i)、b(ix)、およびc(i)の特性を含んでなるように構成される。
一実施形態では、gRNAの片方または双方は、それがa(i)、b(ix)、およびc(ii)の特性を含んでなるように構成される。
一実施形態では、gRNAの片方または双方は、それがa(i)、b(ix)、c、およびdの特性を含んでなるように構成される。
一実施形態では、gRNAの片方または双方は、それがa(i)、b(ix)、c、およびeの特性を含んでなるように構成される。
一実施形態では、gRNAの片方または双方は、それがa(i)、b(ix)、c、d、およびeの特性を含んでなるように構成される。
一実施形態では、gRNAの片方または双方は、それがa(i)、b(x)、およびc(i)の特性を含んでなるように構成される。
一実施形態では、gRNAの片方または双方は、それがa(i)、b(x)、およびc(ii)の特性を含んでなるように構成される。
一実施形態では、gRNAの片方または双方は、それがa(i)、b(x)、c、およびdの特性を含んでなるように構成される。
一実施形態では、gRNAの片方または双方は、それがa(i)、b(x)、c、およびeの特性を含んでなるように構成される。
一実施形態では、gRNAの片方または双方は、それがa(i)、b(x)、c、d、およびeの特性を含んでなるように構成される。
一実施形態では、gRNAの片方または双方は、それがa(i)、b(xi)、およびc(i)の特性を含んでなるように構成される。
一実施形態では、gRNAの片方または双方は、それがa(i)、b(xi)、およびc(ii)の特性を含んでなるように構成される。
一実施形態では、gRNAの片方または双方は、それがa(i)、b(xi)、c、およびdの特性を含んでなるように構成される。
一実施形態では、gRNAの片方または双方は、それがa(i)、b(xi)、c、およびeの特性を含んでなるように構成される。
一実施形態では、gRNAの片方または双方は、それがa(i)、b(xi)、c、d、およびeの特性を含んでなるように構成される。
一実施形態では、gRNAは、例えば、D10A変異などの変異をD10に有するCas9分子のような、RuvC活性が不活性化されているCas9分子などのHNH活性を有するCas9ニッカーゼ分子と共に使用される。
一実施形態では、gRNAは、例えば、H840Aなどの変異をH840に有するCas9分子のような、HNH活性が不活性化されているCas9分子などのRuvC活性を有するCas9ニッカーゼ分子と共に使用される。一実施形態では、gRNAは、例えば、N863Aなどの変異をN863に有するCas9分子のような、HNN活性が不活性化されているCas9分子などのRuvC活性を有するCas9ニッカーゼ分子と共に使用される。
VI.標的細胞
例えば、Cas9分子/gRNA分子複合体などのCas9分子およびgRNA分子を使用して、例えば、多種多様な細胞内で標的核酸を編集するなど、細胞が操作され得る。
一実施形態では、細胞は、例えば、本明細書に記載されるような1つまたは複数の標的遺伝子を編集する(例えば、変異を誘導する)ことで操作される。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の標的遺伝子(例えば、FAS、BID、CTLA4、PDCD1、CBLB、PTPN6、TRACまたはTRBC遺伝子)の発現が調節される。別の実施形態では、細胞は、1つまたは複数の標的遺伝子を編集する(例えば、変異を誘導する)ことで、および/または例えば、FAS、BID、CTLA4、PDCD1、CBLB、PTPN6、TRACまたはTRBC遺伝子などの1つまたは複数の標的遺伝子の発現を調節することで、生体外で操作されて、対象に投与される。生体外操作のための標的細胞の起源としては、例えば、対象の血液、対象の臍帯血、または対象の骨髄が挙げられる。生体外操作のための標的細胞の起源としては、例えば、異種供与者血液、臍帯血、または骨髄もまた挙げられる。
分子本明細書に記載されるCas9およびgRNAは、標的細胞に送達され得る。一実施形態では、標的細胞は、例えば、CD8+T細胞(例えば、CD8+未感作T細胞、中枢記憶T細胞、またはエフェクター記憶T細胞)、CD4+T細胞、ナチュラルキラーT細胞(NKT細胞)、制御性T細胞(Treg)、幹細胞記憶T細胞、リンパ系前駆細胞、造血幹細胞、ナチュラルキラー細胞(NK細胞)または樹状細胞などのT細胞である。一実施形態では、標的細胞は、例えば、対象から作成されて、操作され、改変された(例えば、変異誘導された)、または例えば、FAS、BID、CTLA4、PDCD1、CBLB、PTPN6、TRACまたはTRBC遺伝子などの1つまたは複数の標的遺伝子の発現が操作されて、例えば、CD8+T細胞(例えば、CD8+未感作T細胞、中枢記憶T細胞、またはエフェクター記憶T細胞)、CD4+T細胞、幹細胞記憶T細胞などのT細胞、リンパ系前駆細胞または造血幹細胞に分化した、誘導多能性幹(iPS)細胞などの、iPS細胞、またはiPS細胞に由来する細胞である。
一実施形態では、標的細胞は、特異的T細胞受容体(TCR)遺伝子(例えば、TRACおよびTRBC遺伝子)を含有するように改変されている。別の実施形態では、TCRは、例えば、がん胎児性抗原(CEA)、GP100、T細胞1によって認識されるメラノーマ抗原(MART1)、メラノーマ抗原A3(MAGEA3)、NYESO1またはp53などの腫瘍関連抗原に対する結合特異性を有する。
一実施形態では、標的細胞は、特異的キメラ抗原受容体(CAR)を含有するように改変されている。一実施形態では、CARは、例えば、CD19、CD20、炭酸脱水酵素IX(CAIX)、CD171、CEA、ERBB2、GD2、α-葉酸受容体、ルイスY抗原、前立腺特異的膜抗原(PSMA)または腫瘍関連糖タンパク質72(TAG72)などの腫瘍関連抗原に対する結合特異性を有する。
別の実施形態では、標的細胞は、例えば、TCRまたはCARなどによって、以下の腫瘍抗原の1つまたは複数に結合するように改変されている。腫瘍抗原としては、AD034、AKT1、BRAP、CAGE、CDX2、CLP、CT-7、CT8/HOM-TES-85、cTAGE-1、フィビュリン-1、HAGE、HCA587/MAGE-C2、hCAP-G、HCE661、HER2/neu、HLA-Cw、HOM-HD-21/ガレクチン9、HOM-MEEL-40/SSX2、HOM-RCC-3.1.3/CAXII、HOXA7、HOXB6、Hu、HUB1、KM-HN-3、KM-KN-1、KOC1、KOC2、KOC3、KOC3、LAGE-1、MAGE-1、MAGE-4a、MPP11、MSLN、NNP-1、NY-BR-1、NY-BR-62、NY-BR-85、NY-CO-37、NY-CO-38、NY-ESO-1、NY-ESO-5、NY-LU-12、NY-REN-10、NY-REN-19/LKB/STK11、NY-REN-21、NY-REN-26/BCR、NY-REN-3/NY-CO-38、NY-REN-33/SNC6、NY-REN-43、NY-REN-65、NY-REN-9、NY-SAR-35、OGFr、PLU-1、Rab38、RBPJκ、RHAMM、SCP1、SCP-1、SSX3、SSX4、SSX5、TOP2A、TOP2B、またはチロシナーゼが挙げられるが、これに限定されるものではない。
VII.構成要素の標的細胞への生体外送達
例えば、Cas9分子およびgRNA分子などの構成要素は、多様な送達方法および調合物を使用して、多様な形態で標的細胞内に導入され得て、例えば、表700および800を参照されたい。Cas9またはgRNA構成要素が、送達のためにDNAとしてコードされる場合、DNAは、必須ではないが典型的に制御領域を含んでもよく、例えば、プロモーターを含んでなり、発現をもたらす。Cas9分子配列の有用なプロモーターとしては、例えば、CMV、EF-1a、EFS、MSCV、PGK、またはCAGプロモーターが挙げられる。gRNAの有用なプロモーターとしては、例えば、H1、EF-1a、tRNAまたはU6プロモーターが挙げられる。同様のまたは異なる強度があるプロモーターを選択して、構成要素の発現が調整され得る。Cas9分子をコードする配列は、例えば、SV40NLSなどの核局在化シグナル(NLS)を含んでなってもよい。一実施形態では、Cas9分子またはgRNA分子のプロモーターは、独立して、誘導性、組織特異的、または細胞特異的であってもよい。
表700は、構成要素が標的細胞に送達され得る形式の例を提供する。
表800は、例えば、本明細書に記載されるようなCas9分子構成要素およびgRNA分子構成要素などのCasシステム構成要素の様々な送達方法を要約する。
Cas9分子および/またはgRNA分子のDNAベースの送達
Cas9分子(例えば、eaCas9分子)および/またはgRNA分子をコードするDNAは、当該技術分野で周知の方法によって、または本明細書に記載されるようにして、細胞内に送達され得る。例えば、Cas9をコードするおよび/またはgRNAをコードするDNAは、例えば、ベクター(例えば、ウイルスまたは非ウイルスベクター)、非ベクターベースの方法(例えば、裸のDNAまたはDNA複合体を使用して)、またはそれらの組み合わせによって、送達され得る。
いくつかの実施形態では、Cas9をコードするDNAおよび/またはgRNAをコードするDNAは、ベクター(例えば、ウイルスベクター/ウイルスまたはプラスミド)によって送達される。
ベクターは、Cas9分子および/またはgRNA分子をコードする配列を含んでなり得る。ベクターはまた、例えば、Cas9分子配列と融合した、(例えば、核局在化、核小体局在化、ミトコンドリア局在化のための)シグナルペプチドをコードする配列を含んでなり得る。例えば、ベクターは、Cas9分子をコードする配列に融合された、核局在化配列(例えば、SV40からの)を含んでなり得る。
例えば、プロモーター、エンハンサー、イントロン、ポリアデニル化シグナル、コザックコンセンサス配列、内部リボソーム侵入部位(IRES)、2A配列、およびスプライス受容体またはドナーなどの1つまたは複数の調節的/制御要素が、ベクターに包含され得る。一実施形態では、プロモーターは、RNAポリメラーゼII(例えば、CMVプロモーター)によって認識される。別の実施形態では、プロモーターは、RNAポリメラーゼIII(例えば、U6プロモーター)によって認識される。別の実施形態では、プロモーターは、調節プロモーター(例えば、誘導性プロモーター)である。別の実施形態では、プロモーターは、構成的プロモーターである。別の実施形態では、プロモーターは、組織特異的プロモーターである。別の実施形態では、プロモーターは、ウイルスプロモーターである。別の実施形態では、プロモーターは、非ウイルスプロモーターである。
一実施形態では、ベクターまたは送達ビヒクルは、ウイルスベクター(例えば、組換えウイルス生成のための)である。一実施形態では、ウイルスは、DNAウイルス(例えば、dsDNAまたはssDNAウイルス)である。一実施形態では、ウイルスは、RNAウイルス(例えば、ssRNAウイルス)である。代表的なウイルスベクター/ウイルスとしては、例えば、レトロウイルス、レンチウイルス、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス(AAV)、ワクシニアウイルス、ポックスウイルス、および単純ヘルペスウイルスが挙げられる。
一実施形態では、ウイルスは、分裂細胞に感染する。別の実施形態では、ウイルスは、非分裂細胞に感染する。別の実施形態では、ウイルスは、分裂および非分裂細胞の双方に感染する。別の実施形態では、ウイルスは、宿主ゲノムに組み込まれ得る。別の実施形態では、ウイルスは、例えば、ヒトにおいて免疫低下を有するように改変される。別の実施形態では、ウイルスは、複製能力がある。別の実施形態では、ウイルスは複製欠陥であり、例えば、ビリオン複製および/またはパッケージングの追加的なラウンドに必要な遺伝子のための1つまたは複数のコード領域が、その他の遺伝子で置換されまたは欠失される。別の実施形態では、ウイルスは、Cas9分子および/またはgRNA分子の一過性の発現を引き起こす。別の実施形態では、ウイルスは、Cas9分子および/またはgRNA分子の例えば、少なくとも1週間、2週間、1ヶ月間、2ヶ月間、3ヶ月間、6ヶ月間、9ヶ月間、1年間、2年間、または恒久的などの持続性の発現を引き起こす。ウイルスのパッケージング容量は、例えば、少なくとも約4kb~少なくとも約30kb、例えば、少なくとも約5kb、10kb、15kb、20kb、25kb、30kb、35kb、40kb、45kb、または50kbなどで変動してもよい。
一実施形態では、Cas9をコードするDNAおよび/またはgRNAをコードするDNAは、組換えレトロウイルスによって送達される。別の実施形態では、レトロウイルス(例えば、モロニーマウス白血病ウイルス)は、例えば、宿主ゲノムへの組み込みを可能にするものなどの逆転写酵素を含んでなる。一実施形態では、レトロウイルスは、複製能力がある。別の実施形態では、レトロウイルスは複製欠陥であり、例えば、ビリオン複製およびパッケージングの追加的なラウンドに必要な遺伝子のための1つまたは複数のコード領域が、その他の遺伝子で置換されまたは欠失される。
一実施形態では、Cas9をコードするDNAおよび/またはgRNAをコードするDNAは、組換えレンチウイルスによって送達される。例えば、レンチウイルスは、例えば、ウイルス複製に必要な1つまたは複数の遺伝子を含まないなど、複製欠陥である。
一実施形態では、Cas9をコードするDNAおよび/またはgRNAをコードするDNAは、組換えアデノウイルスによって送達される。別の実施形態では、アデノウイルスは、ヒトにおいて免疫低下を有するように改変される。
一実施形態では、Cas9をコードするDNAおよび/またはgRNAをコードするDNAは、組換えAAVによって送達される。一実施形態では、AAVは、例えば、本明細書に記載されるような標的細胞などの宿主細胞に、そのゲノムを組み込み得る。別の実施形態では、AAVは、例えば、共にアニールされて二本鎖DNAを形成する双方の鎖をパッケージするscAAVなどの、自己相補的アデノ随伴ウイルス(scAAV)である。AAV1、AAV2、修飾AAV2(例えば、Y444F、Y500F、Y730Fおよび/またはS662Vにおける修飾)、AAV3、修飾AAV3(例えば、Y705F、Y731Fおよび/またはT492Vにおける修飾)、AAV4、AAV5、AAV6、修飾AAV6(例えば、S663Vおよび/またはT492Vにおける修飾)、AAV8、AAV8.2、AAV9、AAV rh10、そしてAAV2/8、AAV2/5、およびAAV2/6などの偽型AAVをはじめとする、開示される方法で使用されてもよいAAV血清型はまた、開示される方法で使用され得る。
一実施形態では、Cas9をコードするDNAおよび/またはgRNAをコードするDNAは、例えば、本明細書に記載されるウイルスの1つまたは複数のハイブリッドなどのハイブリッドウイルスによって送達される。
パッケージング細胞が使用されて、標的細胞を感染させる能力があるウイルス粒子が形成される。このような細胞としては、アデノウイルスをパッケージし得る293細胞、およびレトロウイルスをパッケージし得るψ2細胞またはPA317細胞が挙げられる。遺伝子治療で使用されるウイルスベクターは、通常は、核酸ベクターをウイルス粒子内にパッケージする産生細胞株によって生成される。ベクターは、典型的に、パッケージングと(妥当な場合)引き続く宿主または標的細胞への組み込みに必要な最小のウイルス配列を含有し、その他のウイルス配列は、例えばCas9などの発現されるタンパク質をコードする発現カセットによって置換される。例えば、遺伝子治療で使用されるAAVベクターは、典型的に、パッケージングおよび宿主または標的細胞内の遺伝子発現に必要なAAVゲノムからの逆方向末端反復(ITR)配列のみを有する。欠損しているウイルス機能は、パッケージング細胞株によってトランスに提供される。この後、ウイルスDNAは、他のAAV遺伝子、すなわちrepおよびcapをコードするが、ITR配列が欠如しているヘルパープラスミドを含有する、細胞株内にパッケージされる。細胞株はまた、ヘルパーとしてのアデノウイルスに感染する。ヘルパーウイルスは、ヘルパープラスミドからのAAVベクター複製とAAV遺伝子発現を促進する。ヘルパープラスミドは、ITR配列の欠如のために、顕著な量でパッケージされない。アデノウイルスの混入は、例えば、それに対してアデノウイルスがAAVよりも感受性が高い、加熱処理によって低下させ得る。
一実施形態では、ウイルスベクターは、細胞型および/または組織型の認識能力を有する。例えば、ウイルスベクターは、異なる/代案のウイルス外被糖タンパク質による偽型であり得て;細胞型特異的受容体によって改変され(例えば、ペプチドリガンド、一本鎖抗体、成長因子などの標的化リガンドに組み込むためのウイルス外被糖タンパク質の遺伝子修飾);および/または改変されて、一端がウイルス糖タンパク質を認識して、もう一方の末端が標的細胞表面部分を認識する、二重特異性がある分子ブリッジを有する(例えば、リガンド受容体、モノクローナル抗体、アビジン-ビオチン、および化学的結合)。
一実施形態では、ウイルスベクターは、細胞型特異的発現を達成する。例えば、組織特異的プロモーターが構築されて、特異的標的細胞のみで導入遺伝子(Cas9およびgRNA)の発現が制限され得る。ベクターの特異性はまた、導入遺伝子発現のマイクロRNA依存性調節によって媒介され得る。一実施形態では、ウイルスベクターは、ウイルスベクターと標的細胞膜との融合効率の増大を有する。例えば、融合能力がある赤血球凝集素(HA)などのが組み込みまれて、細胞内へのウイルス取り込みが増大され得る。一実施形態では、ウイルスベクターは、核局在化能力を有する。例えば、(細胞分裂中に)核膜の分解を要し、したがって非分裂細胞に感染しない特定のウイルスは、ウイルスのマトリックスタンパク質に核局在化ペプチドを組み込むように改変され得て、それによって非増殖性細胞への形質導入が可能になる。
一実施形態では、Cas9をコードするDNAおよび/またはgRNAをコードするDNAは、(例えば、裸のDNAまたはDNA複合体を使用して)非ベクターベースの方法によって送達される。例えば、DNAは、例えば、有機修飾シリカまたはケイ酸塩(Ormosil)、電気穿孔、一過性細胞圧縮または圧搾(例えば、Lee, et al [2012] Nano Lett 12:6322-27に記載されるような)、遺伝子銃、ソノポレーション、マグネトフェクション、脂質媒介形質移入、デンドリマー、無機ナノ粒子、カルシウムリン酸塩、またはそれらの組み合わせによって送達され得る。
一実施形態では、電気穿孔を通じた送達は、カートリッジ、チャンバーまたはキュベット内で、細胞をCas9および/またはgRNAをコードするDNAと混合し、規定の時間と振幅で1回または複数回の電気インパルスを適用するステップを含んでなる。一実施形態では、電気穿孔を通じた送達は、カートリッジ、チャンバーまたはキュベットに混合物を供給する装置(例えばポンプ)と連結する容器内で、細胞がCas9および/またはgRNAをコードするDNAと混合され、カートリッジ、チャンバーまたはキュベット内では、規定の時間と振幅で1回または複数回の電気インパルスが適用され、その後、細胞が第2の容器に送達される、システムを使用して実施される。
一実施形態では、Cas9をコードするDNAおよび/またはgRNAをコードするDNAは、ベクターおよび非ベクターベースの方法の組み合わせによって送達される。例えば、ビロソームは、不活性化ウイルス(例えば、HIVまたはインフルエンザウイルス)と組み合わされたリポソームを含んでなり、それはウイルスまたはリポソーム法単独のどちらよりも効率的な遺伝子移入をもたらし得る。
一実施形態では、送達ビヒクルは、非ウイルスベクターである。一実施形態では、非ウイルスベクターは、無機ナノ粒子である。代表的な無機ナノ粒子としては、例えば、磁性ナノ粒子(例えば、Fe3MnO2)、およびシリカが挙げられる。ナノ粒子の外面は、ペイロードの付着(例えば、コンジュゲーションまたは捕捉)を可能にする正荷電ポリマー(例えば、ポリエチレンイミン、ポリリジン、ポリセリン)にコンジュゲートされ得る。一実施形態では、非ウイルスベクターは、有機ナノ粒子である。代表的有機ナノ粒子としては、例えば、ポリエチレングリコール(PEG)で被覆された中性ヘルパー脂質、および脂質で被覆されたプロタミン核酸複合体に加えて、カチオン性脂質を含有するSNALPリポソームが挙げられる。
遺伝子移入のための代表的脂質は、下で表900に示される。
遺伝子移入のための代表的なポリマーは、下で表1000に示される。
一実施形態では、ビヒクルは、標的化修飾を有して、例えば、細胞特異的抗原、モノクローナル抗体、一本鎖抗体、アプタマー、ポリマー、糖、および細胞透過性ペプチドなどのナノ粒子およびリポソームの標的細胞アップデート(update)が増大される。一実施形態では、ビヒクルは、融合性およびエンドソーム不安定化ペプチド/ポリマーを利用する。一実施形態では、ビヒクルは、酸誘発性立体構造変化を受ける(例えば、カーゴのエンドソーム漏出を加速するために)。一実施形態では、例えば、細胞区画内の放出のために、刺激切断可能ポリマーが使用される。例えば、還元性細胞環境内で切断されるジスルフィドベースのカチオン性ポリマーが、使用され得る。
一実施形態では、送達ビヒクルは、生物学的非ウイルス送達ビヒクルである。一実施形態では、ビヒクルは、弱毒型細菌(例えば、侵入性であるが弱毒化されて発病を予防して導入遺伝子を発現するように、天然にまたは人工的に改変されている(例えば、リステリア・モノサイトゲネス(Listeria monocytogenes)、特定のサルモネラ属(Salmonella)株、ビフィドバクテリウム・ロングム(Bifidobacterium longum)、および改変大腸菌(Escherichiacoli);栄養および組織特異的親和性を有して特定細胞を標的化する細菌;修飾表面タンパク質を有して標的細胞特異性を改変する細菌)である。一実施形態では、ビヒクルは、遺伝子修飾されたバクテリオファージである(例えば、改変ファージは、大きなパッケージング容量を有し、免疫原性がより低く、哺乳類プラスミド維持配列を含有して、組み込まれた標的化リガンドを有する)。一実施形態では、ビヒクルは、哺乳類ウイルス様粒子である。例えば、修飾ウイルス粒子が生成され得る(例えば、「空の」粒子精製と、それに続く、所望のカーゴがあるウイルスの生体外構築によって)。ビヒクルはまた改変されて、標的化リガンドが組み込まれ、標的組織特異性が改変され得る。一実施形態では、ビヒクルは、生物学的リポソームである。例えば、生物学的リポソームは、ヒト細胞(例えば、対象に由来する球状構造に分解された赤血球である赤血球ゴーストに由来するリン脂質ベースの粒子(例えば、組織標的化が、様々な組織または細胞特異的リガンドの付着によって達成され得る);またはエンドサイトーシス起源の分泌型エキソソーム-対象由来膜結合ナノ小胞(30~100nm)(例えば、様々な細胞型から生成され得て、したがってリガンド標的化の必要なしに細胞に取り込まれ得る)である。
一実施形態では、例えば、本明細書に記載されるCas9分子構成要素および/またはgRNA分子構成要素などの、Casシステムの構成要素以外の1つまたは複数の核酸分子(例えば、DNA分子)が送達される。一実施形態では、核酸分子は、Casシステムの構成要素の1つまたは複数と同時に、送達される。一実施形態では、核酸分子は、Casシステムの構成要素の1つまたは複数が送達される(例えば、約30分間、1時間、2時間、3時間、6時間、9時間、12時間、1日、2日間、3日間、1週間、2週間、または4週間未満)前または後に送達される。一実施形態では、核酸分子は、例えば、Cas9分子構成要素および/またはgRNA分子構成要素などのCasシステムの構成要素の1つまたは複数とは、異なる手段によって送達される。核酸分子は、本明細書に記載される送達方法のいずれかによって送達され得る。例えば、核酸分子は、例えば、レトロウイルスまたはレンチウイルスなどのウイルスベクターによって送達され得て、Cas9分子構成要素および/またはgRNA分子構成要素は、電気穿孔によって送達され得る。一実施形態では、核酸分子は、TRAC遺伝子、TRBC遺伝子またはCAR遺伝子をコードする。
Cas9分子をコードするRNAの送達
Cas9分子(例えば、eaCas9分子、eiCas9分子またはeiCas9融合タンパク質)をコードするRNAおよび/またはgRNA分子は、当該技術分野で周知の方法によって、または本明細書に記載されるようにして、例えば、本明細書に記載される標的細胞などの細胞内に送達され得る。例えば、Cas9をコードするおよび/またはgRNAをコードするRNAは、例えば、マイクロインジェクション、電気穿孔、一過性細胞圧縮または圧搾(例えば、Lee,et al[2012]Nano Lett 12:6322-27に記載されるような)、脂質媒介形質移入、ペプチド媒介送達、またはそれらの組み合わせによって送達され得る。
一実施形態では、電気穿孔を通じた送達は、カートリッジ、チャンバーまたはキュベット内で、細胞をCas9分子(例えば、eaCas9分子、eiCas9分子またはeiCas9融合物タンパク質(protiens))をコードするRNAおよび/またはgRNA分子と混合し、規定の時間と振幅で1回または複数回の電気インパルスを適用するステップを含んでなる。一実施形態では、電気穿孔を通じた送達は、カートリッジ、チャンバーまたはキュベットに混合物を供給する装置(例えばポンプ)と連結する容器内で、容器内で、細胞がCas9分子(例えば、eaCas9分子、eiCas9分子またはeiCas9融合物タンパク質(protiens))をコードするRNAおよび/またはgRNA分子と混合され、カートリッジ、チャンバーまたはキュベット内では、規定の時間と振幅で1回または複数回の電気インパルスが適用され、その後、細胞が第2の容器に送達される、システムを使用して実施される。
Cas9分子タンパク質の送達
Cas9分子(例えば、eaCas9分子、eiCas9分子またはeiCas9融合タンパク質)は、当該技術分野で周知の方法によって、または本明細書に記載されるようにして、細胞内に送達され得る。例えば、Cas9タンパク質分子は、例えば、byマイクロインジェクション、電気穿孔、一過性細胞圧縮または圧搾(例えば、Lee,et al[2012]Nano Lett 12:6322-27に記載されるような)、脂質媒介形質移入、ペプチド媒介送達、またはそれらの組み合わせによって送達され得る。送達は、gRNAをコードするDNA、またはgRNAを伴い得る。
一実施形態では、電気穿孔を通じた送達は、カートリッジ、チャンバーまたはキュベット内で、細胞をCas9分子(例えば、eaCas9分子、eiCas9分子またはeiCas9融合物タンパク質)とgRNA分子ありまたはなしで混合し、規定の時間と振幅で1回または複数回の電気インパルスを適用するステップを含んでなる。一実施形態では、電気穿孔を通じた送達は、カートリッジ、チャンバーまたはキュベットに混合物を供給する装置(例えばポンプ)と連結する容器内で、容器内で、細胞がCas9分子(例えば、eaCas9分子、eiCas9分子またはeiCas9融合物タンパク質(protiens))とgRNA分子ありまたはなしで混合され、カートリッジ、チャンバーまたはキュベット内では、規定の時間と振幅で1回または複数回の電気インパルスが適用され、その後、細胞が第2の容器に送達される、システムを使用して実施される。
VIII.修飾ヌクレオシド、ヌクレオチド、および核酸
修飾ヌクレオシドおよび修飾ヌクレオチドは、例えば、特にgRNAなどの核酸中に存在し得るが、例えば、mRNA、RNAi、またはsiRNAなどのその他の形態のRNAにもまた存在し得る。本明細書に記載される「ヌクレオシド」は、5つの炭素砂糖分子(ペントースまたはリボース)またはその誘導体と、1つの有機塩基、プリンまたはピリミジン、またはその誘導体とを含有する化合物と定義される。本明細書に記載される「ヌクレオチド」は、リン酸基をさらに含んでなるヌクレオシドと定義される。
修飾ヌクレオシドおよびヌクレオチドは、以下の1つまたは複数を含み得る:
(i)例えば、リン酸ジエステル骨格結合中の非結合リン酸酸素の片方または双方および/または結合リン酸酸素の1つまたは複数の置換などの改変;
(ii)例えば、リボース糖上の2’ヒドロキシルなどのリボース糖の構成要素の置換などの改変;
(iii)リン酸部分の「デホスホ」リンカーによる徹底的な置換;
(iv)天然起源核酸塩基の修飾または置換;
(v)リボースリン酸骨格の置換または修飾;
(vi)例えば、末端リン酸基の除去、修飾または置換または部分のコンジュゲーションなどのオリゴヌクレオチドの3’末端または5’末端の修飾;および
(vii)糖の修飾。
上に列挙される修飾を混合して、2、3、4つ以上の修飾を有し得る、修飾ヌクレオシドおよびヌクレオチドが提供され得る。例えば、修飾ヌクレオシドまたはヌクレオチドは、修飾糖および修飾核酸塩基を有し得る。一実施形態では、gRNAの各塩基は修飾され、例えば、全ての塩基が、例えば、全てホスホロチオエート基であるなど、修飾リン酸基を有する。一実施形態では、単分子またはモジュラーgRNA分子の全ての、または実質的に全てのリン酸基は、ホスホロチオエート基で置換される。
一実施形態では、例えば、本明細書に記載されるような修飾を有するヌクレオチドなどの修飾ヌクレオチドが、例えば、「修飾核酸」などの核酸に組み込まれ得る。いくつかの実施形態では、修飾核酸は、1、2、3つ以上の修飾ヌクレオチドを含んでなる。いくつかの実施形態では、修飾核酸内の位置の少なくとも5%(例えば、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または約100%)は、修飾ヌクレオチドである。
未修飾核酸は、例えば、細胞ヌクレアーゼによって分解され易くあり得る。例えば、ヌクレアーゼは、核酸リン酸ジエステル結合を加水分解し得る。したがって、一態様では、本明細書に記載される修飾核酸は、1つまたは複数の修飾ヌクレオシドまたはヌクレオチドを含有し得て、例えば、ヌクレアーゼに安定性が導入される。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される修飾ヌクレオシド、修飾ヌクレオチド、および修飾核酸は、細胞集団内に導入されると、先天性免疫応答の低下を示し得る。「先天性免疫応答」という用語は、一般にウイルス性または細菌起源である、一本鎖核酸をはじめとする外来性核酸に対する細胞性応答を含み、それは、具体的にはインターフェロンであるサイトカインの発現と放出の誘導、および細胞死を内包する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される修飾ヌクレオシド、修飾ヌクレオチド、および修飾核酸は、主溝相互作用パートナーの核酸との結合を妨害し得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される修飾ヌクレオシド、修飾ヌクレオチド、および修飾核酸は、細胞集団内に導入されると、先天性免疫応答の低下を示して、そしてまた主溝相互作用パートナーの核酸との結合も妨害し得る。
化学基の定義
本明細書の用法では、「アルキル」は、直鎖または分枝鎖の飽和炭化水素基を指すことが意図される。アルキル基の例としては、メチル(Me)、エチル(Et)、プロピル(例えば、n-プロピルおよびイソプロピル)、ブチル(例えば、n-ブチル、イソブチル、t-ブチル)、ペンチル(例えば、n-ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル)などが挙げられる。アルキル基は、1~約20個、2~約20個、1~約12個、1~約8個、1~約6個、1~約4個、または1~約3個の炭素原子を含有し得る。
本明細書の用法では、「アリール」は、例えば、フェニル、ナフチル、アントラセニル、フェナントレニル、インダニル、インデニルなどの単環または多環(例えば、2、3または4つの融合環を有する)芳香族炭化水素を指す。いくつかの実施形態では、アリール基は、6~約20個の炭素原子を有する。
本明細書の用法では、「アルケニル」は、少なくとも1つの二重結合を含有する脂肪族基を指す。
本明細書の用法では、「アルキニル」は、2~12個の炭素原子を含有し、1つまたは複数の三重結合を有することで特徴付けられる、直鎖または分枝炭化水素鎖を指す。アルキニル基の例としては、エチニル、プロパルギル、および3-ヘキシニルが挙げられるが、これに限定されるものではない。
本明細書の用法では、「アリールアルキル」または「アラルキル」は、アルキル水素原子がアリール基で置換された、アルキル部分を指す。アラルキルは、2つ以上の水素原子がアリール基で置換されている基を含む。「アリールアルキル」または「アラルキル」の例としては、ベンジル、2-フェニルエチル、3-フェニルプロピル、9-フルオレニル、ベンズヒドリル、およびトリチル基が挙げられる。
本明細書の用法では、「シクロアルキル」は、3~12個の炭素を有する環式、二環式、三環式、または多環式非芳香族炭化水素基を指す。シクロアルキル部分の例としては、シクロプロピル、シクロペンチル、およびシクロヘキシルが挙げられるが、これに限定されるものではない。
本明細書の用法では、「ヘテロシクリル」は、複素環系の一価の基を指す。典型的なヘテロシクリルとしては、制限なしに、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、ピロリジニル、ピロリドニル、ピペリジニル、ピロリニル、ピペラジニル、ジオキサニル、ジオキソラニル、ジアゼピニル、オキサゼピニル、チアゼピニル、およびモルホリニルが挙げられる。
本明細書の用法では、「ヘテロアリール」は、複素環式芳香族環系の一価の基を指す。ヘテロアリール部分の例としては、イミダゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、トリアゾリル、ピロリル、フラニル、インドリル、チオフェニルピラゾリル、ピリジニル、ピラジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、インドリジニル、プリニル、ナフチリジニル、キノリル、およびプテリジニルが挙げられる、が、これに限定されるものではない。
リン酸塩骨格修飾
リン酸基
いくつかの実施形態では、修飾ヌクレオチドのリン酸基は、異なる置換基による、1つまたは複数の酸素の置換によって修飾され得る。さらに、例えば、内修飾核酸に存在する修飾ヌクレオチドなどの修飾ヌクレオチドは、本明細書に記載されるような修飾リン酸塩による、未修飾リン酸部分の徹底的な置換を含み得る。いくつかの実施形態では、リン酸骨格の修飾は、非荷電リンカーまたは非相称の電荷分布がある荷電リンカーのどちらかをもたらす改変を含み得る。
修飾リン酸基の例としては、ホスホロチオエート、ホスホロセレネート、ボラノリン酸、ボラノリン酸エステル、ホスホン酸水素、ホスホロアミデート、アルキルまたはアリールホスホネートおよびホスホトリエステルが挙げられる。いくつかの実施形態では、リン酸骨格部分中の非架橋リン酸酸素原子の1つが、以下の基のいずれかによって置換され得る:イオウ(S)、セレン(Se)、BR3(式中、Rは、例えば、水素、アルキル、またはアリールであり得る)、C(例えば、アルキル基、アリール基など)、H、NR2(式中、Rは、例えば、水素、アルキル、またはアリールであり得る)、またはOR(式中、Rは、例えば、アルキルまたはアリールであり得る)。未修飾リン酸基中の亜リン酸原子は、アキラルである。しかし、上の原子または原子群の1つによる非架橋酸素の1つの置換は、亜リン酸原子をキラルにし得て;すなわち、このようにして修飾されたリン酸基中の亜リン酸原子が、立体中心である。ステレオジェン亜リン酸原子は、「R」構造(本明細書のRp)または「S」構造(本明細書のSp)のどちらかを有し得る。
ホスホロジチオエートは、双方の非架橋酸素がイオウで置換されている。ホスホロジチオエートのリン中心はアキラルであり、それは、オリゴリボヌクレオチドジアステレオマーの形成を排除する。いくつかの実施形態では、非架橋酸素の片方または双方の修飾はまた、S、Se、B、C、H、N、およびOR(Rは、例えば、アルキルまたはアリールであり得る)から独立して選択される基による、非架橋酸素の置換も含み得る。
リン酸塩リンカーはまた、窒素(架橋ホスホロアミデート)、イオウ(架橋ホスホロチオエート)、および炭素(架橋メチレンホスホネート)による、架橋酸素(すなわち、リン酸をヌクレオシドに連結する酸素)の置換によって修飾され得る。置換は、どちらかの連結酸素で、または双方の連結酸素で起こり得る。
リン酸基の置換
リン酸基は、リン非含有コネクターによって置換され得る。いくつかの実施形態では、荷電リン酸基は、中性部分によって置換され得る。
リン酸基を置換し得る部分の例としては、制限なしに、例えば、メチルホスホネート、ヒドロキシルアミノ、シロキサン、炭酸塩、カルボキシメチル、カルバメート、アミド、チオエーテル、酸化エチレンリンカー、スルホネート、スルホンアミド、チオホルムアセタール、ホルムアセタール、オキシム、メチレンイミノ、メチレンメチルイミノ、メチレンヒドラゾ、メチレンジメチルヒドラゾ、およびメチレンオキシメチルイミノが挙げられる。
リボリン酸骨格の置換
核酸を模倣し得るスキャフォールドもまた構築され得て、その中では、リン酸リンカーおよびリボース糖が、ヌクレアーゼ耐性ヌクレオシドまたはヌクレオチドサロゲートによって置換される。いくつかの実施形態では、核酸塩基は、サロゲート骨格によって係留され得る。例としては、制限なしに、モルホリノ、シクロブチル、ピロリジン、およびペプチド核酸(PNA)ヌクレオシドサロゲートが挙げられる。
糖修飾
修飾ヌクレオシドおよび修飾ヌクレオチドは、糖類に1つまたは複数の修飾を含み得る。例えば、2’ヒドロキシル基(OH)は、いくつかの異なる「オキシ」または「デオキシ」置換基で、修飾または置換され得る。いくつかの実施形態では、2’ヒドロキシル基の修飾は核酸の安定性を高め得るが、それは、ヒドロキシルが、もはや脱プロトン化して、2’-アルコキシドイオンを形成し得ないためである。2’-アルコキシドは、リンカーリン原子上の分子内求核攻撃によって、分解を触媒し得る。
「オキシ」-2’ヒドロキシル基修飾の例としては、アルコキシまたはアリールオキシ(OR、式中、「R」は、例えば、アルキル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリールまたは糖であり得る);ポリエチレングリコール(PEG)、O(CH2CH2O)nCH2CH2OR(式中、Rは、例えば、Hまたは任意選択的に置換されたアルキルであり得て、nは、0~20(例えば、0~4、0~8、0~10、0~16、1~4、1~8、1~10、1~16、1~20、2~4、2~8、2~10、2~16、2~20、4~8、4~10、4~16、および4~20)の整数であり得る)が挙げられる。いくつかの実施形態では、「オキシ」-2’ヒドロキシル基修飾は、「ロックド」核酸(LNA)を含み得て、その中では、2’ヒドロキシルが、例えば、C1~6アルキレンまたはC1~6ヘテロアルキレン架橋によって同一リボース糖の4’炭素に連結され得て、代表的な架橋としては、メチレン、プロピレン、エーテル、またはアミノ架橋;O-アミノ(式中、アミノは、例えば、NH2;アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヘテロシクリル、アリールアミノ、ジアリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、またはジヘテロアリールアミノ、エチレンジアミン、またはポリアミノであり得る)、およびアミノアルコキシ、O(CH2)n-アミノ、(式中、アミノは、例えば、NH2;アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヘテロシクリル、アリールアミノ、ジアリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、またはジヘテロアリールアミノ、エチレンジアミン、またはポリアミノであり得る)が挙げられる。いくつかの実施形態では、「オキシ」-2’ヒドロキシル基修飾としては、メトキシエチル基(MOE)、(OCH2CH2OCH3、例えば、PEG誘導体)が挙げられる。
「デオキシ」修飾としては、水素(すなわち、例えば、部分的dsRNAのオーバーハング部分のデオキシリボース糖);ハロ(例えば、ブロモ、クロロ、フルオロ、またはヨード);アミノ(式中、アミノは、例えば、NH2;アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヘテロシクリル、アリールアミノ、ジアリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、ジヘテロアリールアミノ、またはアミノ酸であり得る);NH(CH2CH2NH)nCH2CH2-アミノ(式中、アミノは、例えば、本明細書に記載されるようであり得る)、-NHC(O)R(式中、Rは、例えば、アルキル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリールまたは糖であり得る)、シアノ;メルカプト;アルキル-チオ-アルキル;チオアルコキシ;および本明細書に記載されるようなアミノで任意選択的に置換されてもよい、アルキル、シクロアルキル、アリール、アルケニル、およびアルキニルが挙げられる。
糖類は、リボース中の対応する炭素と逆の立体化学的配置を有する、1つまたは複数の炭素もまた含有し得る。したがって、修飾核酸としては、例えば、糖としてアラビノースを含有するヌクレオチドが挙げられる。ヌクレオチド「単量体」は、例えば、αヌクレオシドなど、糖の1’位にα結合を有し得る。修飾核酸としては、C-1’の核酸塩基を欠失している「脱塩基」糖もまた挙げられる。これらの脱塩基糖はまた、構成糖原子の1つまたは複数でさらに修飾され得る。修飾核酸はとしてはまた、例えばL-ヌクレオシドなどのL形態の1つまたは複数の糖も挙げられる。
一般に、RNAは、酸素を有する5員環である糖類リボースを含む。代表的な修飾ヌクレオシドおよび修飾ヌクレオチドとしては、制限なしに、リボース中の酸素の置換(例えば、イオウ(S)、セレン(Se)、または例えば、メチレンまたはエチレンなどのアルキレンによる);二重結合の付加(例えば、リボースをシクロペンテニルまたはシクロヘキセニルで置換する);リボース環縮小(例えば、シクロブタンまたはオキセタンの4員環を形成する);リボース環拡大(例えば、アンヒドロヘキシトール、アルトリトール、マンニトール、シクロヘキサニル、シクロヘキセニル、ホスホロアミダート骨格もまた有するモルホリノなどの追加的な炭素またはヘテロ原子を有する6または7員環を形成する)が挙げられる。いくつかの実施形態では、修飾ヌクレオチドとしては、多環形態(例えば、トリシクロ;および(例えば、リボースがリン酸ジエステル結合に付着するグリコール単位で置換されるR-GNAまたはS-GNAなどの)グリコール核酸(GNA)などの「アンロックド」形態、トレオース核酸(TNA、リボースがα-L-トレオフラノシル-(3’→2’)で置換される)が挙げられる。
核酸塩基上の修飾
修飾核酸に組み込まれ得る、本明細書に記載される修飾ヌクレオシドおよび修飾ヌクレオチドは、修飾核酸塩基を含み得る。核酸塩基の例としては、アデニン(A)、グアニン(G)、シトシン(C)、およびウラシル(U)が挙げられるが、これに限定されるものではない。これらの核酸塩基は、修飾または完全に置換されて、修飾核酸に組み込まれ得る、修飾ヌクレオシドおよび修飾ヌクレオチドを提供し得る。ヌクレオチドの核酸塩基は、プリン、ピリミジン、プリンまたはピリミジンアナログから独立して選択され得る。いくつかの実施形態では、核酸塩基としては、例えば、天然に存在する塩基の合成誘導体が挙げられる。
ウラシル
いくつかの実施形態では、修飾核酸塩基は、修飾ウラシルである。修飾ウラシルを有する代表的な核酸塩基およびヌクレオシドとしては、制限なしに、プソイドウリジン(ψ)、ピリジン-4-オンリボヌクレオシド、5-アザ-ウリジン、6-アザ-ウリジン、2-チオ-5-アザ-ウリジン、2-チオ-ウリジン(s2U)、4-チオ-ウリジン(s4U)、4-チオ-プソイドウリジン、2-チオ-プソイドウリジン、5-ヒドロキシ-ウリジン(ho5U)、5-アミノアリル-ウリジン、5-ハロ-ウリジン(例えば、5-ヨード-ウリジンまたは5-ブロモ-ウリジン)、3-メチル-ウリジン(m3U)、5-メトキシ-ウリジン(mo5U)、ウリジン5-オキシ酢酸(cmo5U)、ウリジン5-オキシ酢酸メチルエステル(mcmo5U)、5-カルボキシメチル-ウリジン(cm5U)、1-カルボキシメチル-プソイドウリジン、5-カルボキシヒドロキシメチル-ウリジン(chm5U)、5-カルボキシヒドロキシメチル-ウリジンメチルエステル(mchm5U)、5-メトキシカルボニルメチル-ウリジン(mcm5U)、5-メトキシカルボニルメチル-2-チオ-ウリジン(mcm5s2U)、5-アミノメチル-2-チオ-ウリジン(nm5s2U)、5-メチルアミノメチル-ウリジン(mnm5U)、5-メチルアミノメチル-2-チオ-ウリジン(mnm5s2U)、5-メチルアミノメチル-2-セレン含有-ウリジン(mnm5se2U)、5-カルバモイルメチル-ウリジン(ncm5U)、5-カルボキシメチルアミノメチル-ウリジン(cmnm5U)、5-カルボキシメチルアミノメチル-2-チオ-ウリジン(cmnm5s2U)、5-プロピニル-ウリジン、1-プロピニル-プソイドウリジン、5-タウリノメチル-ウリジン(τcm5U)、1-タウリノメチル-プソイドウリジン、5-タウリノメチル-2-チオ-ウリジン(τm5s2U)、1-タウリノメチル-4-チオ-プソイドウリジン、5-メチル-ウリジン(m5U、すなわち、核酸塩基デオキシチミジン(deoxythymine)を有する)、1-メチル-プソイドウリジン(m1ψ)、5-メチル-2-チオ-ウリジン(m5s2U)、1-メチル-4-チオ-プソイドウリジン(m1s4ψ)、4-チオ-1-メチル-プソイドウリジン、3-メチル-プソイドウリジン(m3ψ)、2-チオ-1-メチル-プソイドウリジン、1-メチル-1-デアザ-プソイドウリジン、2-チオ-1-メチル-1-デアザ-プソイドウリジン、ジヒドロウリジン(D)、ジヒドロプソイドウリジン、5,6-ジヒドロウリジン、5-メチル-ジヒドロウリジン(m5D)、2-チオ-ジヒドロウリジン、2-チオ-ジヒドロプソイドウリジン、2-メトキシ-ウリジン、2-メトキシ-4-チオ-ウリジン、4-メトキシ-プソイドウリジン、4-メトキシ-2-チオ-プソイドウリジン、N1-メチル-プソイドウリジン、3-(3-アミノ-3-カルボキシプロピル)ウリジン(acp3U)、1-メチル-3-(3-アミノ-3-カルボキシプロピル)プソイドウリジン(acp3ψ)、5-(イソペンテニルアミノメチル)ウリジン(inm5U)、5-(イソペンテニルアミノメチル)-2-チオ-ウリジン(inm5s2U)、α-チオ-ウリジン、2’-O-メチル-ウリジン(Um)、5,2’-O-ジメチル-ウリジン(m5Um)、2’-O-メチル-プソイドウリジン(ψm)、2-チオ-2’-O-メチル-ウリジン(s2Um)、5-メトキシカルボニルメチル-2’-O-メチル-ウリジン(mcm5Um)、5-カルバモイルメチル-2’-O-メチル-ウリジン(ncm5Um)、5-カルボキシメチルアミノメチル-2’-O-メチル-ウリジン(cmnm5Um)、3,2’-O-ジメチル-ウリジン(m3Um)、5-(イソペンテニルアミノメチル)-2’-O-メチル-ウリジン(inm5Um)、1-チオ-ウリジン、デオキシチミジン、2’-F-アラ-ウリジン、2’-F-ウリジン、2’-OH-アラ-ウリジン、5-(2-カルボメトキシビニル)ウリジン、5-[3-(1-E-プロペニルアミノ)ウリジン、ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン、キサンチン、およびヒポキサンチンが挙げられる。
シトシン
いくつかの実施形態では、修飾核酸塩基は、修飾シトシンである。修飾シトシンを有する代表的な核酸塩基およびヌクレオシドとしては、制限なしに、5-アザ-シチジン、6-アザ-シチジン、プソイドイソシチジン、3-メチル-シチジン(m3C)、N4-アセチル-シチジン(act)、5-ホルミル-シチジン(f5C)、N4-メチル-シチジン(m4C)、5-メチル-シチジン(m5C)、5-ハロ-シチジン(例えば、5-ヨード-シチジン)、5-ヒドロキシメチル-シチジン(hm5C)、1-メチル-プソイドイソシチジン、ピロロ-シチジン、ピロロ-プソイドイソシチジン、2-チオ-シチジン(s2C)、2-チオ-5-メチル-シチジン、4-チオ-プソイドイソシチジン、4-チオ-1-メチル-プソイドイソシチジン、4-チオ-1-メチル-1-デアザ-プソイドイソシチジン、1-メチル-1-デアザ-プソイドイソシチジン、ゼブラリン、5-アザ-ゼブラリン、5-メチル-ゼブラリン、5-アザ-2-チオ-ゼブラリン、2-チオ-ゼブラリン、2-メトキシ-シチジン、2-メトキシ-5-メチル-シチジン、4-メトキシ-プソイドイソシチジン、4-メトキシ-1-メチル-プソイドイソシチジン、リシジン(k2C)、α-チオ-シチジン、2’-O-メチル-シチジン(Cm)、5,2’-O-ジメチル-シチジン(m5Cm)、N4-アセチル-2’-O-メチル-シチジン(ac4Cm)、N4,2’-O-ジメチル-シチジン(m4Cm)、5-ホルミル-2’-O-メチル-シチジン(f5Cm)、N4,N4,2’-O-トリメチル-シチジン(m4
2Cm)、1-チオ-シチジン、2’-F-アラ-シチジン、2’-F-シチジン、および2’-OH-アラ-シチジンが挙げられる。
アデニン
いくつかの実施形態では、修飾核酸塩基は、修飾アデニンである。修飾アデニンを有する代表的な核酸塩基およびヌクレオシドとしては、制限なしに、2-アミノ-プリン、2,6-ジアミノプリン、2-アミノ-6-ハロ-プリン(例えば、2-アミノ-6-クロロ-プリン)、6-ハロ-プリン(例えば、6-クロロ-プリン)、2-アミノ-6-メチル-プリン、8-アジド-アデノシン、7-デアザ-アデノシン、7-デアザ-8-アザ-アデノシン、7-デアザ-2-アミノ-プリン、7-デアザ-8-アザ-2-アミノ-プリン、7-デアザ-2,6-ジアミノプリン、7-デアザ-8-アザ-2,6-ジアミノプリン、1-メチル-アデノシン(m1A)、2-メチル-アデノシン(m2A)、N6-メチル-アデノシン(m6A)、2-メチルチオ-N6-メチル-アデノシン(ms2m6A)、N6-イソペンテニル-アデノシン(i6A)、2-メチルチオ-N6-イソペンテニル-アデノシン(ms2i6A)、N6-(シス-ヒドロキシイソペンテニル)アデノシン(io6A)、2-メチルチオ-N6-(シス-ヒドロキシイソペンテニル)アデノシン(ms2io6A)、N6-グリシジルカルバモイル(glycinylcarbamoyl)-アデノシン(g6A)、N6-スレオニルカルバモイル-アデノシン(t6A)、N6-メチル-N6-スレオニルカルバモイル-アデノシン(m6t6A)、2-メチルチオ-N6-スレオニルカルバモイル-アデノシン(ms2g6A)、N6,N6-ジメチル-アデノシン(m6
2A)、N6-ヒドロキシノルバリルカルバモイル-アデノシン(hn6A)、2-メチルチオ-N6-ヒドロキシノルバリルカルバモイル-アデノシン(ms2hn6A)、N6-アセチル-アデノシン(ac6A)、7-メチル-アデノシン、2-メチルチオ-アデノシン、2-メトキシ-アデノシン、α-チオ-アデノシン、2’-O-メチル-アデノシン(Am)、N6,2’-O-ジメチル-アデノシン(m6Am)、N6-メチル-2’-デオキシアデノシン、N6,N6,2’-O-トリメチル-アデノシン(m6
2Am)、1,2’-O-ジメチル-アデノシン(m1Am)、2’-O-リボシルアデノシン(リン酸塩)(Ar(p))、2-アミノ-N6-メチル-プリン、1-チオ-アデノシン、8-アジド-アデノシン、2’-F-アラ-アデノシン、2’-F-アデノシン、2’-OH-アラ-アデノシン、およびN6-(19-アミノ-ペンタオキサノンアデシル)-アデノシンが挙げられる。
グアニン
いくつかの実施形態では、修飾核酸塩基は、修飾グアニンである。修飾グアニンを有する代表的な核酸塩基およびヌクレオシドとしては、制限なしに、イノシン(I)、1-メチル-イノシン(m1I)、ワイオシン(imG)、メチルワイオシン(mimG)、4-デメチル-ワイオシン(imG-14)、イソワイオシン(imG2)、ウィブトシン(yW)、ペルオキシウィブトシン(o2yW)、ヒドロキシウィブトシン(OHyW)、低修飾ヒドロキシウィブトシン(OHyW*)、7-デアザ-グアノシン、クエオシン(Q)、エポキシクエオシン(oQ)、ガラクトシル-クエオシン(galQ)、マンノシル-クエオシン(manQ)、7-シアノ-7-デアザ-グアノシン(preQ0)、7-アミノメチル-7-デアザ-グアノシン(preQ1)、アルカエオシン(G+)、7-デアザ-8-アザ-グアノシン、6-チオ-グアノシン、6-チオ-7-デアザ-グアノシン、6-チオ-7-デアザ-8-アザ-グアノシン、7-メチル-グアノシン(m7G)、6-チオ-7-メチル-グアノシン、7-メチル-イノシン、6-メトキシ-グアノシン、1-メチル-グアノシン(m’G)、N2-メチル-グアノシン(m2G)、N2,N2-ジメチル-グアノシン(m2
2G)、N2,7-ジメチル-グアノシン(m2,7G)、N2、N2,7-ジメチル-グアノシン(m2,2,7G)、8-オキソ-グアノシン、7-メチル-8-オキソ-グアノシン、1-メチル-6-チオ-グアノシン、N2-メチル-6-チオ-グアノシン、N2,N2-ジメチル-6-チオ-グアノシン、α-チオ-グアノシン、2’-O-メチル-グアノシン(Gm)、N2-メチル-2’-O-メチル-グアノシン(m2Gm)、N2,N2-ジメチル-2’-O-メチル-グアノシン(m2
2Gm)、1-メチル-2’-O-メチル-グアノシン(m’Gm)、N2,7-ジメチル-2’-O-メチル-グアノシン(m2,7Gm)、2’-O-メチル-イノシン(Im)、1,2’-O-ジメチル-イノシン(m’Im)、O6-フェニル-2’-デオキシイノシン、2’-O-リボシルグアノシン(リン酸塩)(Gr(p))、1-チオ-グアノシン、O6-メチル-グアノシン、O6-メチル-2’-デオキシグアノシン、2’-F-アラ-グアノシン、および2’-F-グアノシンが挙げられる。
代表的修飾gRNA
いくつかの実施形態では、修飾核酸は修飾gRNAであり得る。表1A~I、表2A~I、表3A~H、表4A~I、表5A~I、表6A~I、表7A~H、表8A~H、表9A~I、表10A~I、表11A~I、表12A~I、表13A~K、表14A~K、表15A~F、表16A~K、表17A~K、表18A~K、表19A~J、表20A~J、表21A~K、表22A~K、表23A~J、表24A~K、表25A~G、表26A~G、表27、表29、表31、または表32からの標的化ドメインを含んでなる任意のgRNAをはじめとする、本明細書に記載されるgRNAのいずれでも、このセクションに従って修飾され得るものと理解される。本明細書で考察されるように、一過性に発現されまたは送達される核酸は、例えば、細胞ヌクレアーゼによって分解を起こし易くあり得る。したがって、一態様では、本明細書に記載される修飾gRNAは、ヌクレアーゼに対する安定性を導入する、1つまたは複数の修飾ヌクレオシドまたはヌクレオチドを含有し得る。理論による拘束は望まないが、本明細書に記載される特定の修飾gRNAはまた、特定の細胞から、特に本発明の細胞(例えば、T細胞)の先天性免疫応答低下を引き起こし得ると考えられている。上述のように「先天性免疫応答」という用語は、一般にウイルス性または細菌起源である、一本鎖核酸をはじめとする外来性核酸に対する細胞性応答を含み、それは、具体的にはインターフェロンであるサイトカインの発現と放出の誘導、および細胞死を内包する。
例えば、本明細書で考察されるように、本発明者らは、gRNAの5’末端が、真核生物mRNAキャップ構造またはキャップアナログの組み入れによって修飾された場合に、特定の細胞型(例えば、T細胞)における生体外遺伝子編集における改善を見た。本発明は、5’キャッピングgRNAで観察された改善が、その他の様式で修飾されたgRNAに拡張されて、同一タイプの構造的または機能的結果が達成され得るという認識を包含する(例えば、修飾ヌクレオシドまたはヌクレオチドの組み入れによって、3’ポリA配列の組み入れによっておよび/または生体外転写gRNAが仔ウシ腸管アルカリホスファターゼなどのホスファターゼによる処理によって修飾され、5’三リン酸基が除去される場合など)。
したがって、いくつかの実施形態では、本明細書で考察される方法および組成物は、gRNAがそれらの5’末端でまたはその近く(例えば、それらの5’末端の1~10、1~5、または1~2ヌクレオチド以内)で修飾されている、方法および組成物を提供する。一実施形態では、gRNAの5’末端は、図19に示されるように、真核生物mRNAキャップ構造またはキャップアナログ(例えば、G(5’)ppp(5’)Gキャップアナログ、m7G(5’)ppp(5’)Gキャップアナログ、または3’-O-Me-m7G(5’)ppp(5’)G抗逆転キャップアナログ(ARCA))の組み入れによって修飾される。キャップまたはキャップアナログは、gRNAの化学合成または生体外転写のどちらかの間に組み入れ得る。一実施形態では、生体外転写gRNAは、ホスファターゼ(例えば、仔ウシ腸管アルカリホスファターゼ)による処理によって修飾され、5’三リン酸基が除去される。
いくつかの実施形態では、gRNAは、その3’末端にまたはその近く(例えば、その3’末端の1~10、1~5、または1~2ヌクレオチド以内)に修飾を含んでなる。例えば、いくつかの実施形態では、gRNAの3’末端は、1つまたは複数の(例えば、25~200個の)アデニン(A)残基の付加によって修飾される。ポリA配列は、gRNAをコードする核酸(例えば、プラスミド、PCR産物、ウイルスゲノム)に含まれ得て、または化学合成中に、またはポリアデノシンポリメラーゼ(例えば、大腸菌(E.coli)ポリ(A)ポリメラーゼ)を使用した生体外転写に続いて、gRNAに付加され得る。いくつかの実施形態では、gRNAは、3’末端Uリボースで修飾され得る。例えば、Uリボースの2つの末端ヒドロキシル基が、アルデヒド基に酸化され得て、同時のリボース環の開環が、下に示される(下に示される)修飾ヌクレオシドをもたらす:
式中、「U」は、未修飾または修飾ウリジンであり得る。別の実施形態では、3’末端Uが、下で示されるように2’3’環状リン酸エステルで修飾され得る:
式中、「U」は、未修飾または修飾ウリジンであり得る。いくつかの実施形態では、gRNA分子は、例えば、本明細書に記載される修飾ヌクレオチドの1つまたは複数を組み込むことで、分解に対して安定化され得る、3’ヌクレオチドを含有してもよい。この実施形態では、例えば、ウリジンは、例えば、5-(2-アミノ)プロピルウリジン、および5-ブロモウリジンで、または本明細書に記載される修飾ウリジンのいずれかなどの修飾ウリジンで置換され得て;アデノシンおよびグアノシンは、例えば、8-ブロモグアノシンなどの8位に修飾がある修飾アデノシンまたはグアノシンによって、または本明細書に記載される修飾アデノシンおよびグアノシンのいずれかによって置換され得る。
いくつかの実施形態では、gRNAは、その5’末端またはその近くの修飾と、その3’末端またはその近くの修飾との双方を含んでなる。一実施形態では、生体外転写gRNAは、5’キャップ構造またはキャップアナログと、3’ポリA配列との双方を含有する。一実施形態では、生体外転写gRNAは、ホスファターゼ(例えば、仔ウシ腸管アルカリホスファターゼ)による処理によって修飾されて5’三リン酸基が除去され、3’ポリA配列を含んでなる。
前述の事項が末端修飾に焦点を合わせる一方で、本明細書で考察される方法および組成物は、gRNA配列中の1つまたは複数の非末端位置および/または1つまたは複数の末端位置に、1つまたは複数の修飾ヌクレオシドまたはヌクレオチドを含む、gRNAを使用してもよいものと理解される。
いくつかの実施形態では、糖修飾リボヌクレオチドがgRNAに組み込まれ得て、例えば、2’OH基が、H、OR、R(式中、Rは、例えば、アルキル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリールまたは糖であり得る)、ハロ、SH、SR(式中、Rは、例えば、アルキル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリールまたは糖であり得る)、アミノ(式中、アミノは、例えば、NH2;アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヘテロシクリル、アリールアミノ、ジアリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、ジヘテロアリールアミノ、またはアミノ酸であり得る);またはシアノ(CN)から選択される基によって置換される。いくつかの実施形態では、リン酸骨格は、例えば、ホスホロチオエート(phosphothioate)基で、本明細書に記載されるように修飾され得る。いくつかの実施形態では、gRNAのヌクレオチドの1つまたは複数は、それぞれ独立して、2’-O-メチル、2’-O-メトキシエチルなどの2’-糖修飾;または例えば、2’-Fまたは2’-O-メチル、アデノシン(A)、2’-Fまたは2’-O-メチル、シチジン(C)、2’-Fまたは2’-O-メチル、ウリジン(U)、2’-Fまたは2’-O-メチル、チミジン(T)、2’-Fまたは2’-O-メチルをはじめとする2’-フルオロ修飾;グアノシン(G)、2’-O-メトキシエチル-5-メチルウリジン(Teo)、2’-O-メトキシエチルアデノシン(Aeo)、2’-O-メトキシエチル-5-メチルシチジン(m5Ceo)、および任意のそれらの組み合わせをはじめとするが、これに限定されるものではない、修飾または未修飾ヌクレオチドであり得る。
いくつかの実施形態では、gRNAとしては「ロックド」核酸(LNA)が挙げられ、その中では、2’OH基が、例えばC1~6アルキレンまたはC1~6ヘテロアルキレン架橋によって、同一リボース糖上の4’炭素と結合し得て代表的架橋としては、メチレン、プロピレン、エーテル、またはアミノ架橋;O-アミノ(アミノは、例えば、NH2;アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヘテロシクリル、アリールアミノ、ジアリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、またはジヘテロアリールアミノ、エチレンジアミン、またはポリアミノであり得る)、およびアミノアルコキシまたはO(CH2) n-アミノ(アミノは、例えば、NH2;アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヘテロシクリル、アリールアミノ、ジアリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、またはジヘテロアリールアミノ、エチレンジアミン、またはポリアミノであり得る)が挙げられる。。
いくつかの実施形態では、gRNAとしては、多環である修飾ヌクレオチド(例えば、トリシクロ;およびグリコール核酸(GNA)などの「アンロックド」形態(例えば、リボースが、リン酸ジエステル結合に付着するグリコール単位によって置換される、R-GNAまたはS-GNA)、またはトレオース核酸(リボースが、α-L-トレオフラノシル-(3’→2’)で置換される、TNA)が挙げられる。
一般に、gRNA分子としては、酸素を有する5員環である、糖類リボースが挙げられる。代表的な修飾gRNAsとしては、制限なしに、リボース中の酸素の置換(例えば、イオウ(S)、セレン(Se)、または例えば、メチレンまたはエチレンなどのアルキレンによる);二重結合付加(例えば、リボースをシクロペンテニルまたはシクロヘキセニルで置換する);リボース環縮小(例えば、シクロブタンまたはオキセタンの4員環を形成する);リボース環拡大(例えば、アンヒドロヘキシトール、アルトリトール、マンニトール、シクロヘキサニル、シクロヘキセニル、例えば、ホスホロアミダート骨格もまた有するモルホリノなどの追加的炭素またはヘテロ原子を有する6または7員環を形成する)が挙げられる。糖アナログ改変の大部分は2’位置に局在するが、4’位置をはじめとするその他の部位も修飾の対象となる。一実施形態では、gRNAは、4’-S、4’-Seまたは4’-C-アミノメチル-2’-O-Me修飾を含んでなる。
いくつかの実施形態では、例えば、7-デアザ-アデノシンなどのデアザヌクレオチドが、gRNAに組み込まれ得る。いくつかの実施形態では、例えば、N6-メチルアデノシンなどのO-およびN-アルキル化ヌクレオチドが、gRNAに組み込まれ得る。いくつかの実施形態では、gRNA分子中の1つまたは複数のまたは全てのヌクレオチドが、デオキシリボヌクレオチドである。
miRNA結合部位
マイクロRNA(またはmiRNAs)は、天然細胞性19~25ヌクレオチド長の非コードRNAである。それらは、例えば、mRNAの3’UTRなどで、適切なmiRNA結合部位を有する核酸分子に結合し、遺伝子発現を下方制御する。理論による拘束は望まないが、下方制御は、核酸分子安定性の低下または翻訳阻害のどちらかによると考えられる。例えば、Cas9をコードするmRNAなどの本明細書で開示されるRNA種は、例えば、その3’UTRなどに、miRNA結合部位を含んでなり得る。miRNA結合部位は、選択された細胞型内の発現(expression is)の下方制御を促進するように選択され得る。一例として、肝臓に豊富なマイクロRNAであるmiR-122に対する結合部位の組み込みは、肝臓における対象遺伝子の発現を阻害し得る。
XI.支配gRNA分子およびCas9システムの活性を制限するためのその使用
例えば、Cas9分子またはgRNA分子をコードするDNAなどの核酸を使用しまたはそれを含む、方法および組成物は、「支配gRNA分子」をさらに使用しまたはそれを含み得る。支配gRNAは、細胞または対象に導入されたその他のCRISPR/Cas構成要素の活性を制限し得る。一実施形態では、gRNA分子は、細胞または対象に導入されたCRISPR/Casシステムの構成要素をコードする配列を含んでなる、核酸上の標的ドメインと相補的な標的化ドメインを含んでなる。一実施形態では、支配gRNA分子は、(a)Cas9分子をコードする核酸上;(b)FAS、BID、CTLA4、PDCD1、CBLB、PTPN6、TRACまたはTRBC遺伝子を標的化する標的化ドメインを含んでなるgRNAをコードする核酸(標的遺伝子gRNA)上;または例えば(a)および(b)の双方などの2つ以上の上のCRISPR/Cas構成要素をコードする核酸上の標的配列と相補的な標的化ドメインを含んでなる。支配gRNA分子は、Cas9分子と複合体形成して、システムの構成要素を不活性化し得る。一実施形態では、Cas9分子/支配gRNA分子複合体は、Cas9分子をコードする配列を含んでなる、核酸を不活性化する。一実施形態では、Cas9分子/支配gRNA分子複合体は、標的遺伝子gRNA分子をコードする配列を含んでなる、核酸を不活性化する。一実施形態では、Cas9分子/支配gRNA分子複合体は、Cas9分子/標的遺伝子gRNA分子複合体の活性に、時間的、発現レベル、またはその他の制限を課す。一実施形態では、Cas9分子/支配gRNA分子複合体は、オフターゲットまたはその他の望まれない活性を低下させる。一実施形態では、支配gRNA分子は、CRISPR/Casシステム構成要素を負制御するために、コード配列、または例えば、プロモーターなどの制御領域を標的化する。例えば、支配gRNAは、Cas9分子のコード配列を、または例えば、Cas9分子コード配列の発現を制御するプロモーターなどの制御領域を、またはそれらの2つの間に配置される配列を標的化し得る。一実施形態では、支配gRNA分子は、コード配列を、または例えば、プロモーターなどの標的遺伝子gRNAの制御領域を標的化する。一実施形態では、例えば、Cas9標的化または標的遺伝子gRNA標的化、支配gRNA分子、またはそれをコードする核酸などの支配gRNAは、例えば、Cas9分子またはそれをコードする核酸よりも後に別々に導入される。例えば、AAVベクターなどのウイルスベクターなどの第1のベクターは、Cas9分子および1つまたは複数の標的遺伝子gRNA分子をコードする核酸を導入し得て、例えば、AAVベクターなどのウイルスベクターなどの第2のベクターは、例えば、Cas9標的化または標的遺伝子gRNA標的化、gRNA分子などの支配gRNA分子をコードする核酸を導入し得る。一実施形態では、第2のベクターは、第1のベクターの後に導入され得る。その他の実施形態では、例えば、Cas9標的化または標的遺伝子gRNA標的化、支配gRNA分子、またはそれをコードする核酸などの支配gRNA分子は、例えば、同時にまたは同一ベクター内で、Cas9分子またはそれをコードする核酸と共に導入され得るが、例えば、しばらくするとCas9転写が低下するように、後から活性化される、プロモーターまたはエンハンサーなどの転写制御要素の下にある。一実施形態では、転写制御因子は、内因的に活性化される。一実施形態では、転写要素は、外部トリガーの導入を通じて活性化される。
典型的に、例えば、Cas9標的化gRNA分子などの支配gRNA分子をコードする核酸配列は、例えば、Cas9分子をコードする核酸などのそれが負に調節する構成要素とは異なる、例えば、プロモーターなどの制御領域の制御下にある。一実施形態では、「異なる制御領域」は、単に、例えば、調節される双方の配列と機能的に(機能的に)連結するプロモーターなどの1つの制御領域の制御下にないことを指す。一実施形態では、異なるは、制御領域の種類またはタイプが「異なる制御領域」を指す。例えば、Cas9標的化gRNA分子などの支配gRNA分子をコードする配列は、例えば、Cas9分子をコードする核酸などのそれが負に調節する構成要素をコードする(encodes is)配列よりも低い発現レベルを有し、またはそれよりも後に発現される、例えば、プロモーターなどの制御領域の制御下にある。
一例として、例えば、Cas9標的化支配gRNA分子などの支配gRNA分子をコードする配列は、例えば、ヒトU6核内低分子プロモーター、またはヒトH1プロモーターなどの本明細書に記載される制御領域(例えば、プロモーター)の制御下にあり得る。一実施形態では、例えば、Cas9分子をコードする核酸などのそれが負に制御する構成要素をコードする配列は、例えば、CMV、EF-1a、MSCV、PGK、CAG制御プロモーターなどの本明細書に記載される制御領域(例えば、プロモーター)の制御下にあり得る。
以下の実施例は単なる例示であり、本発明の範囲または内容をどのようにも限定することは意図されない。
実施例1:gRNAのクローニングおよび最初のスクリーニング
候補gRNAの適合性は、本実施例に記載されるように評価され得る。キメラgRNAについて記載されるが、アプローチはまた、モジュラーgRNAを評価するのにも使用され得る。
ベクターにgRNAをクローニングする
各gRNA毎に、1対の重複オリゴヌクレオチドが設計されて入手される。オリゴヌクレオチドは、アニールされて、長いキメラgRNAの上流U6プロモーターおよび残りの配列を含有する、消化ベクター骨格にライゲートされる。プラスミドは配列確認されて、十分な量の形質移入品質のDNAを生成するために準備される。交互の(Alternate)プロモーターを使用して、生体内転写(例えば、H1プロモーター)または生体外転写(例えば、T7プロモーター)が駆動されてもよい。
直鎖dsDNA分子中でgRNAをクローニングする(STITCHR)
各gRNA毎に、単一オリゴヌクレオチドが設計されて入手される。U6プロモーターおよびgRNAスキャフォールド(例えば、第1の相補的ドメイン;連結ドメイン;第2の相補的ドメイン;隣接ドメイン;およびテールドメインをはじめとする、crRNAおよびtracrRNAに由来する配列をはじめとする、標的化ドメイン以外の全てを含む)は、別々にPCR増幅されて、dsDNA分子として精製される。gRNA特異的オリゴヌクレオチドがPCR反応で使用されて、オリゴヌクレオチド中で特定化された標的化ドメインによって連結する、U6およびgRNAスキャフォールドを縫い合わせる。結果として生じるdsDNA分子(STITCHR生成物)は、形質移入のために精製される。交互の(Alternate)プロモーターを使用して、生体内転写(例えば、H1プロモーター)または生体外転写(例えば、T7プロモーター)が駆動されてもよい。任意のgRNAスキャフォールドを使用して、任意の細菌種に由来するCas9と適合性のgRNAが生成されてもよい。
最初のgRNAスクリーニング
試験される各gRNAは、プラスミド発現Cas9および小量のGFP発現プラスミドと共に、ヒト細胞に形質移入される。予備実験では、これらの細胞は、93T、K562またはU2OSなどの不死化ヒト細胞株であり得る。代案としては、初代ヒト細胞が使用されてもよい。この場合、細胞は、最終的な治療細胞標的(例えば、赤血球系細胞)に関連があってもよい。可能な治療標的細胞集団と類似した初代細胞の使用は、内在性クロマチンおよび遺伝子発現の文脈で、遺伝子標的化比率に関する重要な情報を提供してもよい。
形質移入は、(リポフェクタミンまたはFugeneなどの)脂質移入を使用して、または(Lonzaヌクレオフェクションなどの)電気穿孔によって実施されてもよい。形質移入に続いて、GFP発現は、蛍光顕微鏡検査またはフローサイトメトリーのどちらかによって判定され、一貫した高レベルの形質移入が確認され得る。これらの予備形質移入は、異なるgRNAおよび異なる標的化アプローチ(17量体、20量体、ヌクレアーゼ、二重ニッカーゼなど)を含んでなり、いずれのgRNA/gRNA組み合わせが最大活性を与えるかが判定され得る。
各gRNAの切断効率は、T7E1タイプアッセイまたは配列決定によって、標的遺伝子座におけるNHEJ誘導インデル形成を測定することで、評価されてもよい。代案としては、CelI/Surveyorヌクレアーゼなどのその他のミスマッチ感受性酵素もまた使用されてもよい。
T7E1アッセイでは、PCRアンプリコンは、およそ500~700bpであり、意図される切断部位は、アンプリコン中に非対称的に配置される。PCR産物の増幅、精製、およびサイズ検証に続いて、95℃に加熱して、次に、緩慢に冷却することで、DNAは変性され再ハイブリダイズされる。ハイブリダイズPCR産物は、次に、非完全にマッチするDNAを認識して切断する、T7エンドヌクレアーゼI(またはその他のミスマッチ感受性酵素)で消化される。最初のテンプレートDNA中にインデルが存在する場合、アンプリコンは変性されて再アニールされ、それは異なるインデルを有するDNA鎖のハイブリダイゼーションをもたらし、ひいては完全にはマッチしない二本鎖DNAをもたらす。消化産物は、ゲル電気泳動またはキャピラリー電気泳動法によって視覚化されてもよい。切断されたDNAの割合(切断および比切断密度で除した分解産物密度)を使用して、次の方程式を使用して、パーセントNHEJが推定されてもよい:%NHEJ=(1-(1-切断割合) 1/2)。T7E1アッセイは、約2~5%NHEJに至るまで感受性である。
T7E1アッセイの代わりに、またはそれに加えて、配列決定が使用されてもよい。サンガー配列決定では、精製PCRアンプリコンがプラスミド骨格にクローン化され、形質転換されて、単一プライマーでミニプレップされて配列決定される。T7E1によってNHEJ比率を判定した後に、サンガー配列決定を使用して、インデルの正確な性質が判定されてもよい。
配列決定はまた、次世代配列決定技術を使用して実施されてもよい。次世代配列決定を使用する場合、アンプリコンは300~500bpであってもよく、意図される切断部位は非対称的に配置される。PCRに続いて、例えば、(例えば、Illumina MiSeq上の)ハイスループット配列決定で使用される次世代配列決定アダプターおよびバーコード(例えばIllumina多重アダプターおよびインデクス)が、アンプリコンの末端に付加されてもよい。この方法は、非常に低いNHEJ比率の検出を可能にする。
実施例2:NHEJによる遺伝子標的化の評価
遺伝子標的化効率のさらなる評価のために、最初の試験で最大レベルのNHEJを誘導するgRNAが選択され得る。この場合、細胞は疾病対象に由来し、したがって関連変異を有する。
形質移入に続いて(通常は形質移入の2~3日後)、ゲノムDNAが形質移入細胞の混合集団から単離されてもよく、PCRを使用して標的領域が増幅されてもよい。PCRに続いて、所望の変異体(標的遺伝子のノックアウトまたは標的配列モチーフの除去のどちらか)を生成する遺伝子標的化効率が、配列決定によって判定されてもよい。サンガー配列決定では、PCRアンプリコンは、500~700bp長であってもよい。次世代配列決定では、PCRアンプリコンは、300~500bp長であってもよい。遺伝子機能のノックアウトが目的である場合、配列決定を使用して、遺伝子機能を破壊することが予期されるフレームシフトまたは大規模な欠失または挿入をもたらすNHEJ誘導インデルを、対立遺伝子の何パーセントが受けたかが評価されてもよい。特定の配列モチーフの除去が目的であれば、配列決定を使用して、この配列に広がる対立遺伝子の何パーセントが、NHEJ誘導欠失を受けたかが評価されてもよい。
実施例3:293個の細胞内のgRNAのスクリーニング
T細胞受容体β(TRBC)のgRNAのスクリーニング
標的NHEJ効率が最大のgRNAを同定するために、42個のS.ピオゲネス(S.pyogenes)および27個のS.アウレウス(S.aureus)gRNAが選択された(表27)。U6プロモーター、gRNA標的領域、および適切なTRACR配列(S.ピオゲネス(S.pyogenes)またはS.アウレウス(S.aureus))から構成されるDNAテンプレートは、PCR STITCHR反応によって作成された。引き続いて、このDNAテンプレートは、CMVプロモーター下流で、適切なCas9(S.ピオゲネス(S.pyogenes)またはS.アウレウス(S.aureus)をコードするDNAプラスミドと共にリポフェクタミン3000を使用して、293個の細胞に形質移入された。ゲノムDNAは、形質移入の48~72時間後に細胞から単離された。T細胞受容体β遺伝子(TRBC)における修飾比率を判定するために、表28に列挙されるプライマーによる遺伝子座PCRを使用して、標的領域が増幅された。PCR増幅後、PCR産物上でT7E1アッセイが実施された。簡単に述べると、このアッセイは、PCR産物の融解と、それに続く再アニーリングステップを伴う。遺伝子修飾が起こった場合、挿入または欠失のいくらかの出現頻度のために、完全なマッチではない二本鎖生成物が存在する。これらの二本鎖生成物は、ミスマッチ部位におけるT7エンドヌクレアーゼ1酵素による切断に対して感受性である。したがって、T7E1切断の量を分析することで、Cas9/gRNA複合体による切断効率を判定することが可能である。T7E1切断から%NHEJ測定値を提供するために使用される式は、次のとおりである:(100*(1-((1-(切断割合))^0.5)))。この分析の結果は、図11および図12に示される。
T細胞受容体α(TRAC)のgRNAのスクリーニング
標的NHEJ効率が最大のgRNAを同定するために、18個のS.ピオゲネス(S.pyogenes)および13個のS.アウレウス(S.aureus)gRNAが選択された(表29)。U6プロモーター、gRNA標的領域、および適切なTRACR配列(S.ピオゲネス(S.pyogenes)またはS.アウレウス(S.aureus))から構成されるDNAテンプレートは、PCR STITCHR反応によって作成された。引き続いて、このDNAテンプレートは、CMVプロモーター下流で、適切なCas9(S.ピオゲネス(S.pyogenes)またはS.アウレウス(S.aureus)をコードするDNAプラスミドと共にリポフェクタミン3000を使用して、293個の細胞に形質移入された。ゲノムDNAは、形質移入の48~72時間後に細胞から単離された。T細胞受容体α遺伝子(TRAC)における修飾比率を判定するために、表30に列挙されるプライマーによる遺伝子座PCRを使用して、標的領域が増幅された。PCR増幅後、PCR産物上でT7E1アッセイが実施された。簡単に述べると、このアッセイは、PCR産物の融解と、それに続く再アニーリングステップを伴う。遺伝子修飾が起こった場合、挿入または欠失のいくらかの出現頻度のために、完全なマッチではない二本鎖生成物が存在する。これらの二本鎖生成物は、ミスマッチ部位におけるT7エンドヌクレアーゼ1酵素による切断に対して感受性である。したがって、T7E1切断の量を分析することで、Cas9/gRNA複合体による切断効率を判定することが可能である。T7E1切断から%NHEJ測定値を提供するために使用される式は、次のとおりである:(100*(1-((1-(切断割合))^0.5)))。この分析の結果は、図13および図14に示される。
PD-1受容体のgRNAのスクリーニング
標的NHEJ効率が最大のRNAを同定するために、48個のS.ピオゲネス(S.pyogenes)および27個のS.アウレウス(S.aureus)gRNAが選択された(表31および32を参照されたい)。U6プロモーター、gRNA標的領域、および適切なTRACR配列(S.ピオゲネス(S.pyogenes)またはS.アウレウス(S.aureus))から構成されるDNAテンプレートは、PCR STITCHR反応によって作成された。引き続いて、このDNAテンプレートは、CMVプロモーター下流で、適切なCas9(S.ピオゲネス(S.pyogenes)またはS.アウレウス(S.aureus))をコードするDNAプラスミドと共にリポフェクタミン3000を使用して、293個の細胞に形質移入された。ゲノムDNAは、形質移入の48~72時間後に細胞から単離された。PD-1遺伝子(PDCD1)における修飾比率を判定するために、表33に列挙されるプライマーによる遺伝子座PCRを使用して標的領域が増幅された。PCR増幅後、PCR産物上でT7E1アッセイが実施された。簡単に述べると、このアッセイは、PCR産物の融解と、それに続く再アニーリングステップを伴う。遺伝子修飾が起こった場合、挿入または欠失のいくらかの出現頻度のために、完全なマッチではない二本鎖生成物が存在する。これらの二本鎖生成物は、ミスマッチ部位におけるT7エンドヌクレアーゼ1酵素による切断に対して感受性である。したがって、T7E1切断の量を分析することで、Cas9/gRNA複合体による切断効率を判定することが可能である。T7E1切断から%NHEJ測定値を提供するために使用される式は、次のとおりである:(100*(1-((1-(切断割合))^0.5)))。表31に示されるこのgRNAの分析結果は、図15および図16に示される。同様の実験は、表32で示されるものをはじめとする、本明細書に記載される(descrinbed)その他のgRNAで実施され得る。
実施例4:酵素合成および初代T細胞へのgRNAの送達
RNA分子としてのCas9mRNAおよびgRNAのT細胞への送達
初代CD4+T細胞内のCas9媒介切断を実証するために、TCRβ鎖(TRBC-210(GCGCUGACGAUCUGGGUGAC)(配列番号413))またはTCRα鎖(TRAC-4(GCUGGUACACGGCAGGGUCA)(配列番号453))に対して設計された、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9およびgRNAが、電気穿孔を通じてRNA分子としてT細胞に送達された。この実施形態では、Cas9およびgRNAの双方が、T7ポリメラーゼを使用して生体外転写された。5’ARCAキャップが転写と同時に双方のRNA種に付加された一方で、ポリAテールは、大腸菌(E.coli)ポリAポリメラーゼによって、転写後にRNA種の3’末端に付加された。TRBC1およびTRBC2遺伝子座にCD4+T細胞修飾を生成するために、10μgのCas9mRNAおよび10μgのTRBC-210(GCGCUGACGAUCUGGGUGAC)(配列番号413)gRNAが、電気穿孔によって細胞に導入された。同一実験において、本発明者らはまた、10μgのTRAC-4(GCUGGUACACGGCAGGGUCA)(配列番号453)gRNAと共に、10μgのCas9mRNAを導入することで、TRAC遺伝子を標的化した。AAVS1(GUCCCCUCCACCCCACAGUG)(配列番号51201)ゲノム部位を標的化するgRNAが、実験対照として使用された。電気穿孔に先だって、T細胞は、10%FBSおよび組換え体IL-2が添加されたRPMI 1640中で培養された。細胞は、CD3/CD28ビーズを使用して活性化され、少なくとも3日間増殖された。活性化T細胞へのmRNAの導入に引き続いて、電気穿孔の24、48、および72時間後に、CD3に対して特異的なフルオレセイン(APC)コンジュゲート抗体を使用したフローサイトメトリーによって、細胞上のCD3発現がモニターされた。72時間目に、CD3陰性細胞集団が観察された(図17Aおよび図17B)。CD3陰性細胞の発生が、TRBC遺伝子座におけるゲノム編集の結果であることを確認するために、TゲノムDNAが収集されてT7E1アッセイが実施された。確かに、データは、TRBC2遺伝子座およびTRAC遺伝子座におけるDNA修飾の存在を確認する(図17C)。
T細胞へのCas9/gRNA RNPの送達
Jurkat T細胞内のCas9媒介切断を実証するために、TCRα鎖(TRAC-233(GUGAAUAGGCAGACAGACUUGUCA)(配列番号474))に対して設計されたS.アウレウス(S.aureus)Cas9およびgRNAが、電気穿孔によってリボ核酸タンパク質複合体(RNP)として送達された。この実施形態では、Cas9は、大腸菌(E.coli)で発現され精製された。具体的には、Cas9をコードするHJ29プラスミドが、Rosetta(商標)2(DE3)化学コンピテント細胞(EMD Millipore#71400-4)に形質転換され、選択のための適切な抗生物質と共にLBプレート上に播種され、37℃で一晩培養された。適切な抗生物質が添加された脳心臓浸出物ブロス(Teknova#B9993)の10mLのスタータ培養に4つのコロニーが接種されて、220rpmで振盪しながら37°Cで培養された。一晩の培養後、スタータ培養が、補給剤に加えて適切な抗生物質が添加された1LのTerrific Broth Complete(Teknova#T7060)に添加されて、220rpmで振盪しながら37℃で培養された。温度が18℃に徐々に低下されて、OD600が2.0を超えたら、0.5mMのIPTGの添加によって遺伝子の発現が誘導された。誘導は一晩継続され、遠心分離による細胞の収集と、TG300(50mM Tris、pH8.0、300mM NaCl、20%グリセロール、1mM TCEP、プロテアーゼ阻害剤錠剤(Thermo Scientific#88266))中への再懸濁がそれに続き、-80℃で保存された。
細胞は冷凍懸濁液の解凍によって溶解され、18000psiに設定されたLM10 Microfluidizer(登録商標)の2回の通過がそれに続いた。抽出物は、遠心分離を通じて清澄化され、4℃でのNi-NTAアガロース樹脂(Qiagen#30230)とのバッチ培養を通じて、可溶性抽出物が捕捉された。スラリーを重力流カラム内に注ぎ入れ、TG300+30mMイミダゾールで洗浄し、次に、TG300+300mMイミダゾールで関心のあるタンパク質が溶出された。Ni溶出剤は、等容積のHG100(50mM HepespH7.5、100mM NaCl、10%グリセロール、0.5mM TCEP)で希釈されて、HiTrap SP HPカラム(GE Healthcare Life Sciences#17-1152-01)上に装入されて、30カラム容積でHG100からHG1000(50mM Hepes pH7.5、1000mM NaCl、10%グリセロール、0.5mM TCEP)への勾配で溶出された。SDS-PAGEゲルでのアッセイ後、適切な画分が貯留され、HG150(10mM Hepes、pH7.5、150mM NaCl、20%グリセロール、1mM TCEP)で平衡化されたSRT10 SEC300カラム(Sepax#225300-21230)上への装入のために濃縮された。画分は、SDS-PAGEによってアッセイされ、適切に貯留され、少なくとも5mg/mlに濃縮された。
gRNAは、T7ポリメラーゼを使用した生体外転写によって生成された。5’ ARCAキャップが転写と同時にRNAに付加された一方で、ポリAテールは、大腸菌(E.coli)ポリAポリメラーゼによって、転写後にRNA種の3’末端に付加された。細胞への導入前に、精製Cas9とgRNAを混合して、10分間にわたり複合体を形成させた。RNP溶液は、引き続いて電気穿孔によってJurkat T細胞内に導入された。電気穿孔の前後に、細胞は、10%FBSが添加されたRPMI1640培地中で培養された。細胞上のCD3発現は、CD3に対して特異的なフルオレセインコンジュゲート抗体を使用したフローサイトメトリーによって、電気穿孔の24、48、および72時間後にモニターされた。48および72時間目に、CD3陰性細胞集団が観察された(図18Aおよび図18B)。CD3陰性細胞の発生が、TRAC遺伝子座におけるゲノム編集の結果であることを確認するために、TゲノムDNAが収集されてT7E1アッセイが実施された。確かに、データは、TRAC遺伝子座におけるDNA修飾の存在を確認する(図18C)。
実施例5:T細胞生存に対するgRNA修飾の影響を評価する
gRNA修飾がT細胞生存にどのような影響を及ぼすかを評価するために、修飾存在下または不在下で、AAVS1 gRNA(GUCCCCUCCACCCCACAGUG)(配列番号51201)と組み合わせて、S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9 mRNAが、Jurkat T細胞に送達された。具体的には、(1)5’抗逆転キャップアナログ(ARCA)キャップ(図19を参照されたい)およびポリAテールがあるgRNA、(2)5’ ARCAキャップのみがあるgRNA、(3)ポリAテールのみがあるgRNA、(4)いかなる修飾もないgRNAの4つの異なる修飾の組み合わせが分析された。全ての4つの上述の(aforemention)修飾gRNAバージョンを生成するために、DNAテンプレートは、T7プロモーター、AAVS1 gRNA標的配列(GUCCCCUCCACCCCACAGUG)(配列番号51201)、およびS.ピオゲネス(S.pyogenes)TRACR配列を含んでなる。全てのgRNAについて、7.5mM UTP、7.5mM GTP、7.5mM CTP、および7.5mM ATPの存在下で、T7ポリメラーゼが使用されて、gRNAが生成された。gRNAを5’ ARCAキャップで修飾するために、6.0mMのARCAアナログが、NTPプールに添加された。その結果、1.5mMのGTPのみが添加された一方で、NTPプールの残りは、7.5mM UTP、7.5mM CTP、および7.5mM ATPの同一濃度のままであった。gRNAにポリAテールを付加するために、生体外ポリメラーゼ反応終了後に、大腸菌(E.coli)から精製された組換えポリAポリメラーゼを使用して、転写されたgRNA末端に一連のAが付加された。終止は、DNase IによるDNAテンプレートの排除によって達成された。ポリAテール反応は、およそ40分間にわたり実施された。gRNA修飾にかかわりなく、全てのgRNA調製品は、フェノール:クロロホルム(choroform)抽出と、それに続くイソプロパノール沈殿によって精製された。ひとたびgRNAが生成したら、Jurkat T細胞は、(5’ ARCAキャップおよびポリAテールにより修飾された)S.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9 mRNAおよび4つの異なる修飾AAVS1特異的gRNAの1つで電気穿孔された。電気穿孔に続いて、アネクシンVおよびヨウ化プロピジウム二重染色を実施することで、細胞生存率が評価された。アネクシンVおよびPI染色されない生細胞画分が、フローサイトメトリーによって判定された。結果は、図20に定量化される。生細胞画分に基づいて、電気穿孔によって導入された場合に、5’ ARCAキャップおよびポリAテールの双方で(wuth)修飾されたgRNAが、Jurkat T細胞に対して最も毒性が低いと結論付けられる。
実施例6:未感作T細胞へのCas9/gRNA RNPの送達
未感作T細胞内のCas9媒介切断を実証するために、TCRα鎖に対して設計された、標的化ドメインGUGAAUAGGCAGACAGACUUGUCA(配列番号474)があるS.アウレウス(S.aureus)Cas9およびgRNAが、電気穿孔によってリボ核酸タンパク質複合体(RNP)として送達された。この実施形態では、Cas9は、大腸菌(E.coli)で発現され精製された。具体的には、Cas9をコードするHJ29プラスミドが、Rosetta(商標)2(DE3)化学コンピテント細胞(EMD Millipore#71400-4)に形質転換され、選択のための適切な抗生物質と共にLBプレート上に播種され、37℃で一晩培養された。適切な抗生物質が添加された脳心臓浸出物ブロス(Teknova#B9993)の10mLのスタータ培養に4つのコロニーが接種されて、220rpmで振盪しながら37℃で培養された。一晩の培養後、スタータ培養が、補給剤に加えて適切な抗生物質が添加された1LのTerrific Broth Complete(Teknova#T7060)に添加されて、220rpmで振盪しながら37℃で培養された。温度が18℃に徐々に低下されて、OD600が2.0を超えたら、0.5mMのIPTGの添加によって遺伝子の発現が誘導された。誘導は一晩継続され、遠心分離による細胞の収集と、TG300(50mM Tris、pH8.0、300mM NaCl、20%グリセロール、1mM TCEP、プロテアーゼ阻害剤錠剤(Thermo Scientific#88266))中への再懸濁がそれに続き、-80℃で保存された。
細胞は冷凍懸濁液の解凍によって溶解され、18000psiに設定されたLM10 Microfluidizer(登録商標)の2回の通過がそれに続いた。抽出物は、遠心分離を通じて清澄化され、4℃でのNi-NTAアガロース樹脂(Qiagen#30230)とのバッチ培養を通じて、可溶性抽出物が捕捉された。スラリーを重力流カラム内に注ぎ入れ、TG300+30mMイミダゾールで洗浄し、次にTG300+300mMイミダゾールで関心のあるタンパク質が溶出された。Ni溶出剤は、等容積のHG100(50mM HepespH7.5、100mM NaCl、10%グリセロール、0.5mM TCEP)で希釈されて、HiTrap SP HPカラム(GE Healthcare Life Sciences#17-1152-01)上に装入されて、30カラム容積でHG100からHG1000(50mM Hepes pH7.5、1000mM NaCl、10%グリセロール、0.5mM TCEP)への勾配で溶出された。SDS-PAGEゲルでのアッセイ後、適切な画分が貯留され、HG150(10mM Hepes、pH7.5、150mM NaCl、20%グリセロール、1mM TCEP)で平衡化されたSRT10 SEC300カラム(Sepax#225300-21230)上への装入のために濃縮された。画分は、SDS-PAGEによってアッセイされ、適切に貯留され、少なくとも5mg/mlに濃縮された。
標的化ドメインGUGAAUAGGCAGACAGACUUGUCA(配列番号474)があるgRNAは、T7ポリメラーゼを使用した生体外転写によって生成された。5’ARCAキャップが転写と同時にRNAに付加された一方で、ポリAテールは、大腸菌(E.coli)ポリAポリメラーゼによって、転写後にRNA種の3’末端に付加された。この実施形態では、T細胞は、フィコール勾配と、それに続くCD3磁性ビーズを使用した正の選択によって新鮮臍帯血から単離された。細胞は、引き続いて、10%FBS、IL-7(5ng/ml)、およびIL-15(5ng/ml)が添加されたRPMI1640培地中で培養された。単離の24時間後、細胞は、精製Cas9およびgRNAを室温で10分間インキュベートすることで生成された、RNP溶液で電気穿孔された。細胞上のCD3発現は、電気穿孔の96時間後に、CD3に対して特異的なAPCコンジュゲート抗体を使用したフローサイトメトリーによってモニターされた。CD3陰性細胞集団が細胞内で観察され、その中では、gRNAおよび非機能性Cas9が投与された陰性対照と対比して、機能性RNP複合体が提供された(図21Aおよび図21B)。CD3陰性細胞の発生が、TRAC遺伝子座におけるゲノム編集の結果であることを確認するために、TゲノムDNAが収集されてT7E1アッセイが実施された。確かに、データは、TRAC遺伝子座におけるDNA修飾の存在を確認する(図21C)。
実施例7:RNA分子としてのまたはCas9/gRNA RNPとしてのCas9 mRNAおよびgRNAのJurkat T細胞への送達によってPDCD1遺伝子座を標的化する
RNA分子としてのCas9mRNAおよびgRNAのJurkat T細胞への送達
Jurkat T細胞中のPDCD1遺伝子座におけるCas9媒介切断を実証するために、PDCD1遺伝子座に対して設計された標的化ドメインGUCUGGGCGGUGCUACAACU(配列番号508)があるS.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9およびagRNAが、電気穿孔を通じてRNA分子としてT細胞に送達された。この実施形態では、Cas9およびgRNAの双方が、T7ポリメラーゼを使用して生体外転写された。5’ARCAキャップが転写と同時に双方のRNA種に付加された一方で、ポリAテールは、大腸菌(E.coli)ポリAポリメラーゼによって、転写後にRNA種の3’末端に付加された。PDCD1遺伝子座におけるJurkat T細胞修飾を生成するために、標的化ドメインGUCUGGGCGGUGCUACAACU(配列番号508)がある10μgのCas9mRNAおよび10μgのgRNAが、電気穿孔によって細胞に導入された。電気穿孔に先だって、T細胞は、10%FBSが添加されたRPMI 1640中で培養された。24、48、および72時間目に、ゲノムDNAが単離されて、PDCD1遺伝子座においてT7E1アッセイが実施された。確かに、データは、PDCD1遺伝子座におけるDNA修飾の存在を確認する(図22)。
Jurkat T細胞へのCas9/gRNA RNPの送達
Jurkat T細胞内のPDCD1遺伝子座におけるCas9媒介切断を実証するために、標的化ドメインGUCUGGGCGGUGCUACAACU(配列番号508)があるPDCD1遺伝子座に対してS.ピオゲネス(S.pyogenes)Cas9およびgRNAが設計されて、電気穿孔によってリボ核酸タンパク質複合体(RNP)として送達された。この実施形態では、Cas9は、大腸菌(E.coli)で発現され精製された。具体的には、Cas9をコードするHJ29プラスミドが、Rosetta(商標)2(DE3)化学コンピテント細胞(EMD Millipore#71400-4)に形質転換され、選択のための適切な抗生物質と共にLBプレート上に播種され、37℃で一晩培養された。適切な抗生物質が添加された脳心臓浸出物ブロス(Teknova#B9993)の10mLのスタータ培養に4つのコロニーが接種されて、220rpmで振盪しながら37℃で培養された。一晩の培養後、スタータ培養が、補給剤に加えて適切な抗生物質が添加された1LのTerrific Broth Complete(Teknova#T7060)に添加されて、220rpmで振盪しながら37℃で培養された。温度が18℃に徐々に低下されて、OD600が2.0を超えたら、0.5mMのIPTGの添加によって遺伝子の発現が誘導された。誘導は一晩継続され、遠心分離による細胞の収集と、TG300(50mM Tris、pH8.0、300mM NaCl、20%グリセロール、1mM TCEP、プロテアーゼ阻害剤錠剤(Thermo Scientific#88266))中への再懸濁がそれに続き、-80℃で保存された。
細胞は冷凍懸濁液の解凍によって溶解され、18000psiに設定されたLM10 Microfluidizer(登録商標)の2回の通過がそれに続いた。抽出物は、遠心分離を通じて清澄化され、4℃でのNi-NTAアガロース樹脂(Qiagen#30230)とのバッチ培養を通じて、可溶性抽出物が捕捉された。スラリーを重力流カラム内に注ぎ入れ、TG300+30mMイミダゾールで洗浄し、次にTG300+300mMイミダゾールで関心のあるタンパク質が溶出された。Ni溶出剤は、等容積のHG100(50mM HepespH7.5、100mM NaCl、10%グリセロール、0.5mM TCEP)で希釈されて、HiTrap SP HPカラム(GE Healthcare Life Sciences#17-1152-01)上に装入されて、30カラム容積でHG100からHG1000(50mM Hepes pH7.5、1000mM NaCl、10%グリセロール、0.5mM TCEP)への勾配で溶出された。SDS-PAGEゲルでのアッセイ後、適切な画分が貯留され、HG150(10mM Hepes、pH7.5、150mM NaCl、20%グリセロール、1mM TCEP)で平衡化されたSRT10 SEC300カラム(Sepax#225300-21230)上への装入のために濃縮された。画分は、SDS-PAGEによってアッセイされ、適切に貯留され、少なくとも5mg/mlに濃縮された。
標的化ドメインGUCUGGGCGGUGCUACAACU(配列番号508)があるgRNAは、T7ポリメラーゼを使用した生体外転写によって生成された。5’ARCAキャップが転写と同時にRNAに付加された一方で、ポリAテールは、大腸菌(E.coli)ポリAポリメラーゼによって、転写後にRNA種の3’末端に付加された。細胞への導入前に、精製Cas9とgRNAを混合して、10分間にわたり複合体を形成させた。RNP溶液は、引き続いて電気穿孔によってJurkat T細胞内に導入された。電気穿孔の前後に、細胞は、10%FBSが添加されたRPMI1640培地中で培養された。24、48、および72時間目に、ゲノムDNAが単離されて、PDCD1遺伝子座においてT7E1アッセイが実施された。確かに、データは、PDCD1遺伝子座におけるDNA修飾の存在を確認する(図22)。
参照による援用
全本明細書で言及されるての文献、特許、配列表、および特許出願は、あたかも個々の出版物、特許、配列表、または特許出願が、具体的にそして個別に、参照により援用されると示されるかのように、その内容全体を参照により本明細書に援用する。矛盾する場合は、本明細書の任意の定義をはじめとして、本出願が優先される。
同等物
当業者は、単に通例の実験法を使用して、本明細書に記載される本発明の特定の実施形態の多くの同等物を認識し、または見極めることができるであろう。このような同等物は、以下の特許請求の範囲に包含されることが意図される。その他の実施形態もまた、以下の特許請求の範囲内である。