JP3362867B2 - ヒト細胞表面抗原をコードするdna - Google Patents

ヒト細胞表面抗原をコードするdna

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JP3362867B2
JP3362867B2 JP10732392A JP10732392A JP3362867B2 JP 3362867 B2 JP3362867 B2 JP 3362867B2 JP 10732392 A JP10732392 A JP 10732392A JP 10732392 A JP10732392 A JP 10732392A JP 3362867 B2 JP3362867 B2 JP 3362867B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ヒト細胞表面抗原(以
下、FasまたはFas抗原と称する)およびFasをコー
ドするDNAに関する。
【従来技術】Fasは、様々な細胞表面に存在するポリペ
プチドであって、細胞の自滅(アポトーシス)に深くか
かわっていると考えられている。アポトーシスはいわゆ
る細胞の壊死(necrosis)と区別される細胞の死の1形
態であり、胚形成、変態、内分泌依存性組織萎縮症およ
び正常組織のターンオーバー等、種々の細胞の交替、死
滅に際して観察されている[ウイリーら(Wyllie et a
l.)Int. Rev. Cytol.68: 251-306(1980); ウオーカー
ら(Walker et al.)Meth. Achiev. Exp. Pathol.13:
18-54(1988);シュミットら(Schmid, et al.)Proc. N
atl. Acad. Sci.USA 83: 1881ー1885(1986); アッカー
ら(Ucker)Nature 327:62-64(1987); スミスら(Smith
et al.)Nature 337:181-184(1989); ウイリアムスら
(Williamset al.)Nature 343:76-79(1990)]。アポト
ーシスにおける細胞の形態学的および生化学的分析の結
果、以下の特徴が指摘されている。
【0002】例えば、細胞質の収縮、原形質膜絨毛の消
失、核分裂および広範な染色体DNAの分解(約180
塩基対単位のオリゴマーへ)、さらにはアポトーシス体
の形成[ウイリーら(Wyllie, et al.) 1980、前
掲]。アポトーシスが生理学的および医学的に興味深い
現象であることは、それが免疫細胞(胸腺細胞)の死や
腫瘍細胞の死滅の形態であることに関連する。通常、腫
瘍の寛解(腫瘍の軽減)に際しては、ナチュラルキラー
細胞または細胞毒性Tリンパ細胞と標的細胞との相互作
用[デュークら(Duke et al.)Proc. Natl. Acad. Sc
i. USA 80: 6361ー6365(1983); シュミットら(Schmid
et al.)(1986)、前掲; アッカー(Ucker)(1987) 前
掲]、あるいは標的細胞に対する腫瘍壊死因子−α(T
NF−α)またはその近縁のサイトカインリンホトキシ
ン(TNF−β)の作用[シュミットら(Schmid et a
l.)(1986)前掲; デールトリーら(Dealtry et al.)Eu
r.J.Immunol. 17: 689-693(1987); ラリック(Larric
k)およびライト( Wright)FASEBJ. 4: 3215-3223(199
0)]により、アポトーシスが誘導され、標的細胞が死滅
する。
【0003】ところで、TNFとFas抗原とはダウンレ
ギュレーションの関係にあることから、TNFの細胞毒
性作用の発現にFas抗原が加担している可能性が推測さ
れた。例えば、細胞表面のTNFレセプターと細胞表面
のFas抗原決定基とが密接な関係にあることが示唆され
ていた。細胞表面のTNFレセプター(I型およびII
型)、神経成長因子(NGF)レセプター、B細胞抗原
CD40およびT細胞抗原OX40等は、すべて生理学
的に重要な細胞表面膜タンパク質群を構成しておりNG
FR/TNFRファミリーと称される。
【0004】Fas抗原とアポトーシスとの関係につい
て、本発明者らは先に、ヒトFas抗原に対するマウスモ
ノクローナル抗体がFas抗原を発現しているヒト細胞に
対して溶解作用を示すが、マウス細胞には作用しないこ
とを明らかにした[ヨネハラら、J. Exp. Med. 169: 174
7-1756(1989)]また、トラウスらはFas抗体に類似した
抗体、抗Apo−1同様の効果をもつことを示した;[ト
ラウスら(Trauth et al.)Science 245: 301-305(198
9)]。
【0005】さらに本発明者らは最近の研究で、ヒト免
疫不全ウイルス(HIV)感染細胞では、該抗Fasモノ
クローナル抗体の細胞死滅作用に対する感受性が、非感
染細胞よりも高いことを見いだした[コバヤシら(Koba
yasi et al.)Proc. Natl. Acad. Sci. USA 87:9620ー9
624(1990)]。感染細胞での優勢なFas抗原の発現がヒ
ト免疫不全ウイルス感染により誘導されたのか、あるい
は一般的な形質転換によりもたらされたのかは不明であ
る。しかしながら、Fasに特異的なモノクローナル抗体
を用いればHIV感染細胞を特異的にアポトーシスに導
き死滅させることが可能であると考えられる。
【0006】また、本発明者らはヒト結腸がんHT−2
9細胞をインターフェロン−γ(INF−γ)で処理す
ると細胞表面Fas抗原が誘導され、該腫瘍細胞の抗Fas
抗体の細胞毒性作用に対する感受性がより高くなること
を見いだした(ヨネハラら、1989、前掲)。このよ
うに、Fas抗原がアポトーシスに密接な関係にあること
は指摘されているが、まだ不明な点が多く残されてい
る。従ってFas抗原の完全な構造を明らかにし、機能を
解明することは生理学的および病理学的に意義あると言
える。また、Fas抗原の構造を明らかにすることで、F
asと特異的に反応するモノクローナル抗体を得ることが
でき、例えばHIV感染に基づく疾患や悪性腫瘍の治療
の途が開けると考えられる。
【0007】上記の目的を達成するためにはFasポリペ
プチドを十分量供給し得る手段を確立することが必要で
ある。近年、生理学的に活性な物質の調製方法として、
DNA組換え技術が利用されるようになったが、Fas抗
原を該技術を用いて調製するには、Fasタンパク質をコ
ードするDNAを単離し、クローニングする必要があ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ヒトFa
s抗原を純粋なかたちで大量に入手し得る手段を提供す
ることに成功した。すなわち本発明者らは、ヒトFas
抗原の遺伝子を解明するとともに、そのFas抗原遺伝
子を遺伝子工学的に操作する道を始めて提供した。した
がって本発明は、ヒトFas抗原をコードするDNAあ
るいはそれから誘導されるDNA、さらにはそのDNA
断片を提供する。このようなものには、そのアンチセン
ス配列を持つものも包含される。また、本発明は上記F
as抗原をコードするDNAあるいはその誘導体を用い
て産生された各種蛋白質やペプチド等の産物をも提供す
る。本発明は、上記Fas抗原をコードするDNAある
いはそれから誘導されたDNA、その断片を含有するプ
ラスミドあるいはベクターをも提供する。さらに、それ
らプラスミドあるいはベクターを増殖可能にあるいは発
現可能に保持する各種形質転換体をも提供するものであ
る。本発明は、上記Fas抗原をコードするDNAの塩
基配列情報を利用して作製された各種の産物をも意図す
るものである。本発明に従えば、上記cDNAクローン
(pF58)の塩基配列あるいはそれから誘導される断
片あるいはその塩基配列についての情報を利用して、ヒ
ト細胞を含めた各種の細胞におけるFas遺伝子あるい
はFas遺伝子類縁体を検索することが可能となるが、
本発明は、このようにして最終的に得られたものをも意
図し得ることが理解されよう。このような検索にあたっ
ては本願明細書中に記載の方法あるいはその方法を適宜
改変して行うことができる。本発明者らは種々のヒト細
胞株をFas抗原の発現に関してスクリーニングしてヒト
Tリンパ腫細胞系KT−3が他の細胞株の約20倍のF
as抗原を発現することを見い出した。次いで、この細胞
株を用い、Fas抗原決定基をコードするcDNAの単離
とクローニングに成功した。得られた1つのcDNAク
ローン(pF58)のヌクレオチド配列および推定のア
ミノ酸配列を図1および図2に示す。また制限酵素地図
を図3に示す。
【0009】上記のpF58cDNAクローンは335
アミノ酸からなるタンパク質をコードすることができる
オープンリーディングフレームを有する。推定のアミノ
酸配列から、成熟Fas抗原は319アミノ酸からなるタ
ンパク質であり、細胞外領域、トランスメンブラン(膜
貫通)領域、および細胞質領域で構成されていると推定
される。このような構成は多くの細胞表面レセプターと
共通している。後述するように、Fasタンパク質のアミ
ノ酸配列を他の細胞表面タンパク質のアミノ酸配列と比
較し、該タンパク質も細胞表面膜タンパク質群の一つN
GFR/TNFRファミリーに属することが確認され
た。
【0010】本発明のFas抗原をコードするpF58c
DNAをヒトペプチド鎖延長因子1α遺伝子のプロモー
ターのコントロール下に含有する発現プラスミド(pE
FF−58)を構築し、該プラスミドでマウスT−細胞
リンパ腫細胞WR19Lおよびマウス線維芽細胞腫細胞
L929を形質転換した。形質転換体をフローサイトメ
トリー分析で試験した結果、いずれも表面に極めて多量
のFas抗原を発現することが示された。また、これらの
形質転換された細胞株は抗Fas抗体に濃度依存性の応答
を示し死滅することが認められた。これら細胞の死滅は
細胞の形態学的な変化および染色体の断片化等の観察か
らアポトーシスによることが明らかになった。
【0011】即ち、本発明はヒト細胞表面抗原Fasをコ
ードするDNAおよび該DNAを担持する発現ベクター
を提供するものである。本発明のcDNA(pF58)
は受託番号、微工研条寄第3826号の下、通商産業省
工業技術院微生物工業技術研究所に寄託されているEsc
herichia coli,pF58から常法通り単離することがで
きる(受託日:平成3年4月12日)
【0012】本発明のヒトFas抗原をコードするcDN
Aのクローニングは当該技術分野で既知の方法により行
われた。即ち、KT−3細胞から全RNAを調製し、po
ly(A)RNAを選択した。次いで逆転写酵素等を用い
て2本鎖cDNAを合成し、哺乳類発現ベクターpCE
V4(イトウら、1990)に導入してcDNAライブラリー
を調製した。約8x105個の独立したクローンを用
い、スフェロプラスト融合法でCOS−7細胞をトラン
スフェクションした。トランスフェクションの72時間
後、COS−7細胞をマウス抗Fas抗体(IgM)と一
緒にインキュベーションし、Fas抗原を発現しているC
OS細胞を、ヤギ抗マウスIgMを用いてパニング法
(Panning法)[シード(Seed)およびアルフロ(Aruf
fo)Proc. Natl. Acad. Sci. USA 84: 3365ー3369(198
7)]で回収した。
【0013】ハート[Hirt、 J. Biol. Chem. 264: 14929
-14934(1967)]の方法で付着COS細胞から細胞外DN
Aを調製し大腸菌(Escherichia coli)に導入した。
得られたコロニーを分取しCOS細胞とのスフェロプラ
スト融合に用い上記と同様にパニングした。3回の繰り
返し操作の後14個の別個のクローンを得、その内、
3.0kbの挿入(インサート)を有するpF1と1.5kbの
挿入を有するpF3を用いてCOS細胞をトランススフ
ェクションした。得られた形質転換細胞を抗Fas抗体を
用いるフローサイトメトリーで分析した。その結果2個
のcDNAはFas抗原決定基をコードしていることが
分かった。これらpF1およびpF3を制限酵素マッピ
ングとDNA配列決定に付したところ5’末端の約50
0塩基は同一配列であるが、3’末端の配列は完全に異
なることが分かった(図3A参照)。
【0014】次いで元のKT−3細胞のcDNAライブ
ラリーをpF3の5’末端のXhoI-BamHIDNA断
片を用いるコロニーハイブリダイゼーションでスクリー
ニングした。その結果、同一の制限酵素地図を持ち、互
いにオーバーラップする1.8〜2.6kbのcDNAを含
有する10個のクローンが得られ、最長のcDNAクロ
ーン(pF58)を選択した。該cDNAの制限地図を
図3に、ヌクレオチド配列および推定のアミノ酸配列を
図1および図2、並びに配列番号1に示す。
【0015】pF58cDNAは335アミノ酸をコー
ドし得る1,008ヌクレオチドの長いオープンリーデ
ィングフレームを有する。推定のアミノ酸配列のヒドロ
パシー分析の結果、N−末端にシグナル配列が存在して
おり(図3B)、成熟Fas抗原はその部分が切断され、
分子量計算値36,000の319アミノ酸からなるタ
ンパク質と推定される。このタンパク質は上記のごとく
157アミノ酸からなる細胞外領域、17アミノ酸から
なる膜貫通領域および145アミノ酸からなる細胞質領
域で構成されている。
【0016】Fas抗原を発現するKT−3細胞、既述の
Fas抗原を発現するWR19L形質転換体クローンであ
るF58−12Aの膜フラクションを、抗Fas抗体を用
いるウエスタンブロッティング分析に付したところ、見
掛けの分子量43,000に特異的なバンドが現れた。
この値は、Fas抗原の細胞外領域に存在する2個のN−
グリコシル化部位(図1)に糖鎖が結合した状態を考慮
すると、上記計算値(36,000)とよく一致する。
【0017】さらに、KT−3細胞をFascDNAをプ
ローブとするノーザンハイブリダイゼーションに付し、
2.7および1.9kbの2個のバンドを検出した。poly
(A)テイルの存在を考慮すると、大きいmRNAは、上
記pF58cDNAとほぼ同一のサイズであると考えら
れる。従って、pF58は大きいmRNAの完全長cD
NAであると考えられる。なお、ヒト結腸がんHT−2
9細胞を300μl/mlのヒトIFN−γで7時間処理
してから収穫すると、Fas抗原の大きいmRNAと小さ
いmRNAの両方の発現が顕著に誘導された。
【0018】コロニーハイブリダイゼーションでKT−
3cDNAライブラリーから単離されたcDNAクロー
ンの40%が約1,800bpの長さであった。pF58
cDNAの3’非コード領域(塩基番号1.831〜
1.836)には、ポリ(A)付加シグナルが存在する
ことから(図2)、ノーザンハイブリダイゼーションで
見いだされた2種のサイズのFasmRNAは2個の異
なるpoly(A)付加シグナルを使用することで生成
すると思われる。
【0019】本発明により、ヒトFasをコードするcD
NAがクローニングされ、そのヌクレオチド配列が明ら
かになったので、適当な宿主系内で組換えFasを発現す
る発現ベクターを構築することは当業者にとって通常の
技術範囲である。次いで、構築した発現ベクターで宿主
細胞を形質転換し、得られた形質転換体をFasをコード
するDNAの発現に適した条件下で培養することによ
り、組換えヒトFasを製造することができる。このよう
にして得られた組換えヒトFasは、免疫細胞等、様々な
細胞のアポトーシス機構の解明、あるいは腫瘍の診断や
治療に有用な、Fasを発現する腫瘍細胞に特異的に作用
するモノクローナル抗体の調製、あるいはTNFの細胞
溶解作用関係の究明等、研究および臨床面で有用であ
る。さらに、現在の当該化学分野の技術水準を持ってす
れば、当該蛋白質の基本的な性質(物性、活性、免疫学
的活性等)を変化させることなく、そのアミノ酸配列に
欠失、付加あるいは置換といった変異を導入することは
容易に考え得る。例えば、疎水性アミノ酸残基の他の疎
水性アミノ酸残基への置換、陽性電荷を持つアミノ酸の
他の陽性電荷を持つアミノ酸への置換、GluとAsp
あるいはLysとHisとArgでの相互置換、または
Ile、Val、Met、Leuの群間、Gly、Al
a、Ser、Cysの群間、およびTrp、Tyr、P
heの群間での置換は充分に推定できる。さらに本発明
の蛋白質の精製を容易にする為に本蛋白質のN末端側や
C末端側に別の蛋白質、例えば大腸菌のβ−ガラクトシ
ダーゼ、マウスIgG Fcフラグメントを遺伝子工学
的手法等を用いて付加すること、あるいは本蛋白質の機
能をより深く解析する為に同様の方法を用いてアミノ酸
配列の一部を欠失、置換することなどは当業者にとって
極めて容易である。従って、このようなヒトFas抗原
アミノ酸変異体も本発明に包含される。例えば、アミノ
酸番号1ないし157で示される可溶型Fas抗原は、
このような変異体として好適である。
【0020】本発明のヒトFasをコードするcDNAの
ヌクレオチド配列は図1および図2に記載されている
が、当業者ならば、該DNAから、ヌクレオチドの挿
入、置換または欠失により、天然のFas抗原決定基と同
様の機能を有する誘導体を導くことができるということ
を理解するであろう。従って、そのようにして導かれる
DNAも本発明の範囲に包含されるものである。このよ
うなヌクレオチドの挿入、置換または欠失法としては、
例えば、特定部位指定突然変異誘発法(サイトディレク
ティッドミュータジェネシス)あるいは遺伝子相同組換
え法(ホモロガスリコンビネーション)や、制限酵素に
よる切断並びにリガーゼによる結合を組み合わせるなど
して行うことができる。また、合成DNA断片をプライ
マーとしたプライマー伸長法(プライマーエクステンシ
ョン)やポリメラーゼ連鎖増幅法(ポリメラーゼチェー
ンリアクション)を上記方法に適宜組み合わせて実施す
ることもできる。これらの方法は、例えばサムブルック
等編[モレキュラークローニング,ア ラボラトリーマ
ニュアル 第2版]コールドスプリングハーバーラボラ
トリー,1989、村松正實編[ラボマニュアル遺伝子
工学]丸善株式会社,1988、エールリッヒ,HE.
編[PCRテクノロジー,DNA増幅の原理と応用]ス
トックトンプレス,1989等の成書に記載の方法に準
じて、あるいはそれらの方法を改変して実施することが
できる。さらに遺伝子工学の技術分野では、それがコー
ドするアミノ酸配列を変化させることなくその塩基配列
中の塩基を別の塩基配列と置換することが可能であるこ
とが知られている。すなわち、ほとんどのアミノ酸は複
数個の遺伝暗号でコードされており、例えばValはG
TT、GTA、GTC、GTGの何れか、AlaはGC
A、GCT、GCC、GCGの何れかで各々コードされ
る。従って本発明の遺伝子塩基配列は、このような遺伝
暗号の縮重に伴う塩基配列の置換変異体も包含する。ま
た本発明が開示されれば、この塩基配列にコードされる
蛋白質の形質転換体での産生量を増大させるためにその
5’末端側にプロモーターやエンハンサーといった塩基
配列を付加することや、転写後のmRNAを安定化させ
る為に3’末端側にポリA付加シグナル塩基配列を付加
すること、あるいは本発明の塩基配列にコードされる蛋
白質のより深い機能解析のための部分的にそのアミノ酸
を欠失あるいは付加した変異蛋白質を得るために、本発
明の塩基配列内に塩基の欠失や挿入を行うことなどは当
業者にとっては極めて容易なことである。従って、本発
明の塩基配列の5’末端側や3’末端側および/または
それらの間に1つ以上の塩基の付加、欠失、挿入を有す
る塩基配列も本発明の塩基配列に包含される。さらに本
発明のDNAは、本発明のDNAに相補的なDNA、本
発明のDNAと相補的なDNAにハイブリダイズするD
NAおよびヒトFas抗原cDNA断片とハイブリダイ
ズするDNAをも包含する。
【0021】本発明のヒトFasをコードするDNAを含
有する発現ベクターは当業者既知の方法で構築すること
ができる。ヒトFasDNAの発現に適したベクターは、
該DNAの挿入部位の直ぐ上流に転写開始のためのプロ
モーターを有するものであろう。適当なプロモーターも
当該技術分野で既知であり、宿主細胞内での機能特性に
応じて選択することができる。例えば、SV40ウィル
ス初期遺伝子のプロモーター、ペプチド鎖延長因EF−
1αのプロモーター、メタロチオネイン遺伝子のプロモ
ーター、β−アクチンのプロモーター、CMVウィルス
のプロモーター等を動物細胞系での発現で、T7ポリメ
ラーゼのプロモーターやβ−ガラクトシダーゼ遺伝子の
プロモーター等を細菌、大腸菌での発現で、グリセルア
ルデヒドリン酸脱水素酵素やアルコール脱水素酵素のプ
ロモーター等を酵母での発現に用いることができる。ヒ
トFasDNAの挿入部位下流には転写終結シグナルがあ
ることが望ましい。これは動物細胞での発現においては
ヒトFas配列から得られたものでも、他の遺伝子起源の
ものであってもよいが大腸菌のどでの発現の場合は大腸
菌の遺伝子由来のものが望ましい。
【0022】ベクター中には薬物耐性マーカーのような
選択可能マーカーが存在することが望ましい。特に望ま
しいマーカーとしてネオマイシン耐性遺伝子を挙げるこ
とができる。あるいは、FasDNAを含有する発現ベク
ターと別個の抗生物質等の薬物耐性をコードするプラス
ミドを用いて同時に形質転換してもよい。
【0023】発現ベクターを構築するには本発明のヒト
FasをコードするDNAを適当なベクターに挿入する。
適当なベクターは、プロモーター、転写終結シグナル、
選択マーカーその他の条件を考慮し、当該技術分野で既
知のものから選択する。本発明のcDNAを挿入し、培
養細胞に導入してこのcDNAを発現する目的に用いる
ことができるDNAベクターとして、例えば動物細胞で
の発現においてはpKCR,pEF−BOS,CDM
8,pCEV4ウシパピローマウィルスDNAなど、大
腸菌においてはpGEMEX,pUCなど、酵母におい
てはpYG100,YCpAD1等を挙げることができ
る。
【0024】本発明のヒトFas抗原の発現に用いる培
養細胞は、自己増殖が可能で、本発明のDNAを発現し
得るものなら如何なるものでもよい。例えば、原核微生
物である大腸菌や真核微生物である酵母(サッカロミセ
ス セレビシエ等)、さらには真核生物由来の組織培養
細胞が使用できる。宿主として適した大腸菌株として
は、例えば、HB101、DH1、χ1776、JM1
01、JM109などが挙げられ、これらは薬剤耐性や
酵素活性によって容易に形質転換体を選別することがで
きるので便利である。組織培養細胞としては、昆虫由
来、トリ由来、マウス由来、ラット由来、ハムスター由
来、サル由来あるいはヒト由来の培養細胞が含まれる。
例えば、L細胞、3T3細胞、FM3A細胞、CHO細
胞、COS細胞、Vero細胞、Hela細胞あるいは
初代培養線維芽細胞等が好適である。適当な宿主−ベク
ター系の選択および使用方法等は、当業者にとっては既
知であり、それらの中から本発明のDNAの発現に適し
た系を任意に選択することができる。そのような系で本
発明の蛋白質を産生させるには、その増殖に好適な条件
下で宿主(形質転換体)を培養し、その宿主が保有する
ベクターのプロモーターが機能し得るような条件を与え
てやればよい。これらも当業者にとって既知の技術から
適宜選択して実施することができる。
【0025】以下に実施例を挙げ、本発明をさらに詳し
く説明するが、これらの実施例は本発明を制限するもの
ではない。なお、実施例中の学術用語、略号等は特に断
らない限り当該技術分野で一般的に使用されているもの
に従った。また、各種操作は、サムブルック等編[モレ
キュラークローニング,ア ラボラトリーマニュアル第
2版]コールドスプリングハーバーラボラトリー,19
89、今本文男等編[組換え遺伝子の細胞への導入と発
現]蛋白質核酸酵素臨時増刊28(14)1983、岡
田善男監修[細胞工学的技術総集編]実験医学臨時増刊
(13)1989等を参考として実施した。実施例1 ヒトFasをコードするcDNAのクローニ
ング (1)細胞および抗体 ヒトリンパ腫細胞系KT−3(金沢医科大学清水博士よ
り供与)8X104細胞/mlを10%ウシ胎児血清
(FCS)と5ng/mlの組換えヒトIL−6(味の素株
式会社より供与)を補充したRPMI1640培地で培
養した。総培養量は2lとし、5%CO2/95%空気
下、37℃にて2日間培養した。(以下同様) 既述の方法(ヨネハラら、(1989)前掲)と同様にしてマ
ウス抗Fasモノクローナル抗体(IgM)を調製しヒ
ドロキシアパタイトによるカラムクロマトグラフィーで
精製した。
【0026】(2)cDNAライブラリーの構築 グアニジンイソチオシアナート/酸フェノール法[チョ
モジンスキー(Chomczynski)およびサッチ(Sacchi)A
nal. Biochem. 162: 156-159(1987)]により1.2X1
9個のKT−3細胞から2.7mgのtotalRNAを調
製し、oligo(dT)-セルロースカラムクロマトグラフィー
を用いて137μgのpoly(A)RNAを選択した。その
うちの5μgを用いて、ランダムヘキサマーオリゴヌク
レオチド(pdN6)またはoligo(dT)でプライムされたc
DANを、AMV逆転写酵素ではなくM−MLVRNas
eH-逆転写酵素を用いる外は文献記載[フクナガら(Fu
kunaga et al.)Cell 61: 341-350 (1990)]の方法と同
様にして合成した。
【0027】この反応液にさらに2μgのBstXI非
回文性アダプター、350単位のDNAリガーゼ(宝酒
造社)および終濃度1.0mMのATPを加えて4℃、
18時間反応させることにより、合成された2本鎖cD
NAの両末端にアダプターを付加した。2kb以上のcD
NAを常法に従ってアガロースゲルから回収し、そのう
ちの0.25μgを0.5μgのBstXI消化哺乳類
発現ベクターpCEV4[イトウら(Itoh et al.)Sci
ence 247; 324-327 (1990)]に結合させてcDNAライ
ブラリーを調製した。このcDNAを用い、電気穿孔法
[ダウエルら(Dower et al.)Nucleic Acids Res. 16:
6127-6145 (1988)]でE. coli VM1100細胞を形質転換
した。oligo(dT)でプライムしたcDNAライブラリー
から得た約4.3x105の独立クローンを、ランダムヘ
キサマーでプライムしたcDNAライブラリーから得た
約4.0x105のクローンと混合し、以下のごとくCO
S−7細胞をトランスフェクションし、cDNAクロー
ンを回収した。
【0028】(3)パニング法によるcDNAクローン
の回収 パニング用のプレート(パニングデイッシュ)を以下の
ごとくにして調製した。細菌用6cmデイッシュ(プレー
ト)(Falcon 1007)を、10μg/mlヤギ抗マウスIg
M(Cappel)含有50mM Tris−HCl(pH9.5)3
mlと共に室温で90分間インキュベーションした。プレ
ートを0.15M NaClで3回洗浄し、りん酸緩衝化
食塩水(PBS)3mlと共に室温で1夜インキュベーシ
ョンした。
【0029】10%FCS含有ダルベッコ改良イーグル
培地(Dulbecco's modified Eaglemedium:DMDM)
を用いて全面増殖の50%まで増殖させたサルCOS−
7細胞(ATCC CRL1651)を含有する108
個の6cmデイッシュを、上記の約8x105個の独立し
たクローンから成るKT3cDNAライブラリーを用い
てスフェロプラスト融合法[サンドリ−ゴールドリンら
(Sandri-Goldrin et al.)Mol. Cell. Biol. 1: 743-7
52(1981)]でトランスフェクション(形質転換)した。
【0030】トランスフェクションの72時間後、0.
5mM EDTAおよび0.02%NaN3含有PBS(P
BS/EDTA/NaN3)中で細胞を37℃において
30分間インキュベーションして分散した。分散した細
胞をプールし、遠心して集めた後、抗Fas抗体10μg
/ml含有冷PBS/EDTA/NaN3 9mlに懸濁し
た。氷上で60分間インキュベーションした後、細胞を
等量のPBS/EDTA/NaN3で希釈し、2%Ficol
l 400含有PBS/EDTA/NaN3を通して1,00
0rpm5分間遠心した。ペレット化した細胞を5%FC
Sを補充したPBS/EDTA/NaN327mlに再懸
濁しナイロンメッシュ(孔径100μm)でろ過して凝
集物を除いた。次いで、細胞を、各5mlのPBS/ED
TA/NaN3および5%FCSを含有する54個のパ
ニングプレートに分散させた。室温で2−3時間処理し
てFasを発現している細胞をプレートに付着させた後、
5%FCS含有PBS/EDTA/NaN32mlで3
回、静かに洗浄して非付着細胞を除去した。
【0031】次いでハート[(Hirt)(1967)、 前掲]の
方法で付着COS細胞から染色体外DNAを調製した。
即ち、各プレートに10mMEDTA含有0.6%SDS
溶液0.4mlを入れ、室温で20分間インキュベーショ
ンした。ライゼートをマイクロヒュージ試験管に入れ、
NaClを1Mまで加え、少なくとも5時間氷上に置い
た。13.000rpmで5分間遠心した後、上清をフェ
ノール/クロロホルムで抽出し、DNAをエタノール沈
澱法で回収した。第1回のパニングで回収したDNAで
Escherichia coli VM1100を形質転換すると、約3.2
x105個のコロニーが得られた。これらを48個の6c
mプレート中でCOS細胞とスフェロプラスト融合させ
た。上記と同様に24プレートを用いてパニングし、付
着細胞からDNAを調製した。回収したDNAでE.co
li VM1100を形質転換すると、約10,000個のコロ
ニーが得られた。これらを用いて3回目のCOS細胞と
のスフェロプラスト融合(24個の6cmプレート)を行
い、12個の6cmプレートでパニングし、付着細胞から
DNAを調製した。
【0032】この3回の操作で得られたDNAを用いて
大腸菌VM1100を形質転換し、得られた2.8x1
5個のクローンのうち14個(pF1−pF14)に
関して解析した。これら14個のプラスミドDNAの制
限酵素消化によって、1つの群は同一の3.0kbの挿入
(インサート)を有し(pF1、2、5、11)、他の群
は同一の1.5kbの挿入を有する(pF3、4、6、
7、9)ことが分かった。
【0033】これらの内、pF1およびpF3を用いて
COS細胞をトランスフェクションし、細胞を抗Fas抗
体を用いるフローサイトメトリーで分析しこれら2個の
cDNAがFas抗原決定基をコードしていることを確
認した。制限マッピングとDNA配列決定により、pF
1およびpF3は、5’末端0.57kbまでは同一配列
を有するが、3’末端の配列は完全に異なることが明ら
かになった。
【0034】次いで、上記のKT−3細胞のcDNAラ
イブラリーをpF3の5’末端のXhoI-BamHIDNA断片
(約520bp)をプローブとして用いるコロニーハイ
ブリダイゼーションでスクリーニングした。その結果、
2x105個のクローンから、同一の制限酵素 地図を持
ち、互いにオーバーラップする1.8〜2.6kbのcDN
Aを含有する10個のクローンを得た。最も長いcDN
Aクローンを選択しpF58と命名した。このpF58
および上記pF1およびpF3の模式図および制限地図
を図3Aに示す。
【0035】図3Aにおいて、箱で囲んだ範囲はオープ
ンリーディングフレームを表す。斜線を引いた箱はシグ
ナル配列、黒い箱はトランスメンブラン領域を表す。p
F1およびpF3に関する図で、実線部分はいずれもp
F58と同配列であるが点線部分は異なることを意味す
る。ただしpF3cDNAの実線部分の矢印で示した一
個所の塩基(T)が欠失されており、この点でpF58
cDNAと異なる。なお図3Bはカイトおよびドーリト
ルの方法[Kite and Doolittle、 J. Mol. Biol. 157:
105-132(1982)]で得たヒトFas抗原のヒドロパシープ
ロットであり、プロット下方の数字は前駆体タンパク質
のアミノ酸残基の位置を示唆している。次いで、pF5
8クローンのヌクレオチド配列および推定のアミノ酸配
列を決定した。結果を図1および図2に示す。
【0036】このcDNAの解析により、以下の点が明
らかになった。 1)cDNAは2,534bpからなり3’末端にポリ
(A)付加シグナル(ATTAAA)を有する。 2)長いオープンリーディングフレーム(1,008ヌ
クレオチド)が存在する。このオープンリーディングフ
レームはヌクレオチド位置195〜197の開始コドン
から始まり1200〜1202位のTAG終止コドンに
至り、335アミノ酸からなるタンパク質をコードする
ことができる。
【0037】アミノ酸配列のヒドロパシー分析の結果は
N−末端にシグナル配列が存在することを示唆するもの
である(図3B)。典型的なシグナルペプチド開裂部位
との比較で、成熟タンパク質は第17番目のアミノ酸
(Arg)から始まることが示唆された。従って、成熟Fa
s抗原は分子量計算値36,000の319アミノ酸か
らなるタンパク質であり、leu158からVal174まで
の17個の非電荷アミノ酸からなるトランスメンブラン
領域を有する。そして、他の膜貫通タンパク質で見られ
るように、その細胞質側には3個の塩基性アミノ酸がつ
らなっている。
【0038】以上から、このタンパク質は157アミノ
酸からなる細胞外領域と17アミノ酸からなる膜貫通領
域と145アミノ酸からなる細胞質領域からなる。細胞
外領域はシステインに富み(157アミノ酸中18残
基)、細胞質領域は電荷アミノ酸がやや多い(145ア
ミノ酸中、塩基性アミノ酸が24個、酸性アミノ酸が1
9個)ことが分かった。Fasタンパク質のヌクレオチド
配列およびアミノ酸配列を示した図1および図2におい
て、ヌクレオチド番号は上、アミノ酸番号は下に記され
ている。アミノ酸番号は成熟Fasタンパク質のArg1を
1とする。トランスメンブラン領域には下線を、2個の
潜在的N−結合グリコシル化部位(Asn-X-Ser/Thr)に
はアストリスクを付した。3カ所のpoly(A)付加シグナ
ル(ATTAAA)を上線で示した。pF3のヌクレオ
チド欠失箇所を矢印で示した。
【0039】3)Fas抗原と他のNGFR/TNFRフ
ァミリーのメンバーの配列の比較 上記のFas抗原のア
ミノ酸配列を他のNGFR/TNFRファミリーのメン
バーの配列と比較した。結果を図7〜9に示す。図7:
細胞外領域のシステイン豊富リピートの模式図である。
箱内にシステインを示す線が付されている。細胞質領域
の斜線を施した箱はFas抗原、TNFレセプタータイプ
IおよびCD40抗原の保存領域である。この図から、
TNFレセプター、NGFレセプターおよびCD40抗
原の細胞外領域は4個のシステイン豊富サブ領域に分け
られるが、Fas抗原とOX40抗原は3個のサブ領域か
らなることが分かる。
【0040】図8:ヒトFas(hFas)、ヒトTNFレ
セプタータイプI(hTNFR1)[シャールら(Scha
ll et al.) 1990]、ヒトTNFレセプタータイプII
(hTNFR2)[スミスら(Smith et al.)Cell 61:
361-370(1990)]、ヒトNGFレセプター(hNGF
R)[ジョンソンら(Johnson et al.)Science 248: 10
19-1023 (1986)]、ヒトCD40(hCD40)[スタ
メンコビックら(Stamenkovic et al.)EMBO J. 8: 1403
-1410(1989)]、ラットOX40(rOX40)[マレ
ットら(Mallett et al.)EMBO J. 9: 1063-1068(199
0)]の細胞外領域のアミノ酸配列を示す。相同性が多く
なるようにギャップ(−)を導入した。同一のアミノ酸は
箱で囲んでいる。この図から、システイン残基の位置が
よく保存されていることが分かる。残基番号はそれぞれ
の文献による。システイン豊富リピート単位におけるア
ミノ酸残基の保存は配列の下方に記載した。
【0041】図9:Fas、TNFレセプタータイプIお
よびCD40の細胞質領域の比較図である。hCD4
0、hFasおよびhTNFR1の対応する領域のアミノ
酸配列を比較し同一、および保存アミノ酸をそれぞれ、
実線および点線の箱で囲んだ。上記の各図から、本発明
のFasがこれらの細胞表面タンパク質群に属することが
確認された。実施例2 Fas抗原を発現する形質転換体の調製 2μgのプラスミドpF58からFascDNAを含有
する2.6kbXhoI断片を調製し、それを哺乳類発現
プラスミドpEF−BOS[ミズシマ(Mizusima)およ
びナガタ(Nagata)Nucleic Acids Res. 18: 5322(199
0)]のBstXIサイトにBstXIアダプターを用
いて導入し、ヒトペプチド鎖延長因子1α遺伝子のプロ
モーターのコントロール下にFasをコードするcDNA
を含有する発現ベクターpEFF58を構築した。
【0042】1) マウス線維芽細胞腫L929細胞の
形質転換は以下の方法で行った。10%FCS含有DM
EMにて増殖させたL929細胞1x106個を10cm
プレート中で、ネオマイシン耐性付与遺伝子を含有する
pSTneoB 0.2μgおよびApaL1消化pEFF5
8 20μgを用いて、サムブルック等編 モレキュラ
ークローニング,ア ラボラトリーマニュアル 第2版
コールドスプリングハーバーラボラトリー,1989
に従ってリン酸Ca共沈澱法によりコトランスフェクシ
ョン(同時形質転換)し、グリセリン処理した。形質転
換12時間後、細胞をトリプシン処理した後10倍希釈
し、0.4mg/mlG−418含有培地でネオマイシン耐
性細胞株を選択した。それらのクローンを充分に増殖さ
せた後、細胞を5%FCS含有PBS/EDTA/Na
3中で洗浄し、マウス抗Fas 抗体10μg/mlを含有
する同緩衝液中、氷上で60分間インキュベーションし
て形質転換体におけるFas抗原の発現を、以下のように
して調べた。
【0043】細胞を洗浄して結合しなかった抗Fas抗体
を除去し、氷上で30分間、10μg/mlのFITC−
結合ヤギ抗マウスIgM(Cappel)で染色した。細胞を2
%Ficoll含有PBS/EDTA/NaN3のクッションを
通して5分間。1,000rpmで遠心しFACScan(Be
cton Dickson Instruments, USA)で分析した。
【0044】2) マウスT−細胞リンパ腫WR19L
細胞の形質転換は以下の方法で行った。10%FCS含
有RPMI1640培地で増殖させたWR19L細胞
(ATCC TIB52)[キネブチ(T. Kinebuchi)
Tokyo Institute for Immunopharmacology, Inc. よ
り供与]1x107個(0.8ml中)を、EcoRI消
化pMAMneo(Clontech)2.5μg/mlおよびVspI
消化pEFF58 25μg/mlで、電気穿 孔法[ポ
ッターら(Potter et al.)Proc. Natl. Acad. Sci. US
A 81: 7161-7165(1984)]により同時形質転換した[2
90ボルト、キャパシタンス:950μ F;Gene Puls
er(Bio-Rad)]。細胞を96ウエルのマイクロタイター
プレートを用い増殖培地(0.1ml/ウエル)で2日間
培養し、最終濃度900μg/mlで G−418を含有
する培地でネオマイシン耐性クローンを選択した。9日
後、個々のG−418耐性形質転換体におけるFas抗
原の発現をマウス抗Fasモノクローナル抗体(前掲)
を用いてサイトフルオロメーターで分析し、Fas陽性
細胞を限界希釈法でクローン化した。次いで、Fas抗原
を発現するWR19L形質転換体クローン、F58−1
2aをウエスタンブロッティング法で分析した。 2) マウスT−細胞リンパ腫WR19L細胞の形質転
換は以下の方法で行った。WR19L細胞1x107
(0.8ml中)9日後、個々のG−418耐性形質転換
体におけるFas抗原の発現をフローサイトフルオロメー
ターで分析し、Fas陽性細胞を制限希釈法でクローン化
した。
【0045】3) F58−12Aのウエスタンブロッ
ティング分析。マウスWR19L細胞系、その形質転換
体であってFas抗原を発現する形質転換体クローン(5
8−12a)の膜フラクション、ヒトKT−3(90μ
g)を抗Fas抗体または対照IgMを用いて分析した結
果、58−12aクローンに関して、見掛けの分子量4
3,000に特異的なバンドが現れた。この値は、上記
図2に示したFas抗原の細胞外領域の2個のN−グリコ
シル化部位に糖鎖が結合しているか否かの相違を考慮す
ると、互いによく一致した値である。
【0046】実験例1 Fas発現細胞に対する抗Fas抗
体の細胞溶解作用 既述のごとくマウス抗Fasモノクローナル抗体はヒト細
胞(U−937、HL−60、A637またはFL細
胞)に対しては細胞溶解作用を現すが、マウス細胞には
作用しない(ヨネハラら、1989、前掲)。本実験例
では本発明のpF58cDNAによってコードされてい
るポリペプチドが抗Fas抗体の細胞毒性作用を媒介する
か否かを試験した。実施例2記載のごとくマウスWR1
9LおよびマウスL929を形質転換し、Fas抗原を発
現する形質転換細胞を調製した。これらの細胞の相違点
は、L929細胞はアクチノマイシンDの存在下でTN
Fによって死滅されるが、WR19L細胞は代謝阻害物
質の有無にかかわらずTNFの細胞溶解作用を受ける点
にある。
【0047】上記のごとく、発現プラスミドpEFF−
58をneo−耐性遺伝子を担持するプラスミドと一緒に
用いてWR19L細胞またはL929細胞を形質転換
し、G−418の存在下で選択して数個のG−418耐
性クローンを得た。次いで、親細胞WR19LおよびL
929、WR19Lから導かれた2個の形質転換体(5
8−12aおよび58−80d)およびL929由来の
2クローン(LB1及びLB11)を抗Fas抗体(Ig
M)およびFITCと結合した抗マウスIgM抗体で染
め、フローフルオロメトリーにかけた。結果を図4に示
す。A:WR19L;B:58−12a;C:58−8
0d;D:L929;E:LB1;F:LB11。
【0048】図から明らかなように、親細胞であるマウ
スWR19LおよびL929細胞はFas抗原を発現しな
いが、WR19L形質転換細胞(F58−12a,F5
8−80d)およびL929細胞(LB1およびLB1
1)は、表面に極めて多量のFas抗原を発現した。次い
で、Fas抗体の細胞溶解作用を、Fas抗原を発現してい
る細胞を用いて調べた。マウスWR19L細胞および形
質転換体クローン(58−12aおよび58−80d)
を種々の濃度の抗Fas抗体(0〜1μg/ml)と共に3
7℃で24時間インキュベーションした。生存および死
滅細胞の数をトリパンブルー排除法で数え、生存細胞の
%をプロットした。結果を図5に示す。図中、白四角は
WR19L、黒丸は58−12a、黒四角は58−80
dを表す。図から明らかなように、F58−12aおよ
びF58−80d細胞系は抗Fas抗体に濃度依存性の応
答を示した。1/2最大応答は抗Fas抗体濃度0.1μ
g/mlで得られ、同抗体1μg/ml存 在下、24時間
インキュベーションすると細胞の完全な死滅が認められ
た。
【0049】抗Fas抗体のL929形質転換体クローン
に対する細胞溶解作用は以下の方法で調べた。L929
細胞および組換えヒトFas抗原を発現している形質転換
体クローン(LB1およびLB11)を25,000細
胞/ウエルの割合で96ウエルのマイクロタイタープレ
ートに撒き24時間培養した。最終濃度0.5μg/ml
でアクチノマイシンを加え、細胞を種々の濃度の抗Fas
抗体(30ng〜2μg/ml)と共に37℃で17時間イ
ンキュベーションした。次いで、50%エタノール中で
0.75%クリスタルバイオレット、0.25%NaClお
よび1.75%ホルムアルデヒドを含む溶液により室温
で20分間染色した。染料の取り込みをMicro-ELISA オ
ートリーダーを用い、540nmのOD値を測定して評価
した。抗Fas抗体を用いない場合のOD測定値に対する
%で表した。結果を図6に示す。図中、白四角はL92
9、黒丸はLB1、黒四角はLB11を表す。図から明
らかなように、LB11およびLB1細胞系はアクチノ
マイシンDの存在下、Fas抗体に対してFasを発現して
いるWR19L細胞と同様の濃度依存性応答を示した。
いずれの場合も親細胞マウスWR19LおよびL929
は同一条件下、濃度1μg/mlの抗Fas抗体の影響を受
けなかった。
【0050】実験例2 抗−Fas抗体により誘導される
アポプトーシス Fasによって誘導される細胞の自滅(アポトーシス)を
以下の方法で証明した。 1)染色体の断片化 WR19L細胞、その形質転換体クローン58−12a
細胞および58−80d細胞の各々を300ng/mlの抗
Fas抗体の存在下またはマウスTNFα60ng/mlの存
在下でインキュベーションした。インキュベーション前
およびインキュベーション後1時間、2時間、3時間目
に、全DNAを細胞から調製し、0.5μg/mlの臭化
エチジウムの存在下、2%アガロースゲル電気泳動によ
り解析した。染色体DNAの断片化が認められた。断片
化DNAは階段状に分離し、その最小サイズはほぼ18
0bpであった。この階段状DNA断片はインキュベーシ
ョン後1時間以内に認められ、3時間後には60%以上
の染色体DNAが断片化された。他方、親株であるWR
19L細胞からの染色体は抗Fas抗体と一緒にインキュ
ベーションした後も高分子のままであった。
【0051】TNF60ng/mlと一緒にインキュベーシ
ョンした親株WR19L細胞および形質転換細胞でも同
様のDNA断片化が認められた。これはL929細胞に
おいても同様であった。これらの結果は細胞表面のFas
抗原とFas抗体との特異的結合が染色体DNAを消化す
るエンドヌクレアーゼを誘導することを示唆している。
これは様々な系で観察されたアポトーシスの特徴と一致
する[シュミットら(Schmid, et al.)(1987); アッカ
ー(Ucker)(1987); スミスら(Smith et al.)(1989);
ウイリアムスら(Williams et al.)(1990)、いずれも
前掲]。また、マウスWR19LおよびL929細胞に
おけるFas抗原の発現はTNFによる細胞死滅作用にな
んら影響せず、形質転換細胞でも親細胞と全く同様の濃
度のネズミTNF−αで死滅された。
【0052】2)形態学的変化 Fas抗原を発現するL929形質転換体の形態の変化を
追跡した。LB1細胞の形態学的変化は0.5μg/ml
のアクチノマイシンの存在下、1μg/mlの抗Fas抗体
の存在下、3時間インキュベーションした時点で開始さ
れ、5時間後、多くの典型的なアポトーシス体が細胞表
面に現れた。そして24時間以内に大多数の細胞がプレ
ートから剥離した。このようなLB1細胞の形態学的変
化は、アクチノマイシン存在下であってもFas抗体の非
存在下では認められなかった。また、抗Fas抗体は、親
のL929細胞には何らの形態学的変化をもたらさなか
った。
【0053】本発明で得たヒトFas抗原は以上の実験例
に記載のごとく、細胞のアポトーシスを仲介することが
明らかとなった。本発明のcDNAを用いてDNA組換
え法により、組換えヒトFasを製造することができる。
また、ヒトFasに特異的に作用するモノクローナル抗体
をも組換えFasを用いて、公知の方法により容易に製造
することができるので、Fas抗原を発現する細胞が関与
する疾患、異常の診断や治療手段が得られることにな
る。
【0054】配列表 配列番号:1 配列の長さ:2534 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA to mRNA 起源:ヒト(Homo sapiens) 配列の特徴 特徴を表す記号:CDS 存在位置:195..1202 特徴を決定した方法:S 特徴を表す記号:sig peptide 存在位置:195..242 特徴を決定した方法:S 特徴を表す記号:mat peptide 存在位置:243..1199 特徴を決定した方法:S 特徴を表す記号:polyA signal 存在位置:1831..1836 特徴を決定した方法:S 特徴を表す記号:polyA signal 存在位置:2352..2357 特徴を決定した方法:S 特徴を表す記号:polyA signal 存在位置:2518..2523 特徴を決定した方法:S 配列 GACGCTTCTG GGGAGTGAGG GAAGCGGTTT ACGAGTGACT TGGCTGGAGC CTCAGGGGCG 60 GGCACTGGCA CGGAACACAC CCTGAGGCCA GCCCTGGCTG CCCAGGCGGA GCTGCCTCTT 120 CTCCCGCGGG TTGGTGGACC CGCTCAGTAC GGAGTTGGGG AAGCTCTTTC ACTTCGGAGG 180 ATTGCTCAAC AACC ATG CTG GGC ATC TGG ACC CTC CTA CCT CTG GTT CTT 230 Met Leu Gly Ile Trp Thr Leu Leu Pro Leu Val Leu -15 -10 -5 ACG TCT GTT GCT AGA TTA TCG TCC AAA AGT GTT AAT GCC CAA GTG ACT 278 Thr Ser Val Ala Arg Leu Ser Ser Lys Ser Val Asn Ala Gln Val Thr 1 5 10 GAC ATC AAC TCC AAG GGA TTG GAA TTG AGG AAG ACT GTT ACT ACA GTT 326 Asp Ile Asn Ser Lys Gly Leu Glu Leu Arg Lys Thr Val Thr Thr Val 15 20 25 GAG ACT CAG AAC TTG GAA GGC CTG CAT CAT GAT GGC CAA TTC TGC CAT 374 Glu Thr Gln Asn Leu Glu Gly Leu His His Asp Gly Gln Phe Cys His 30 35 40 AAG CCC TGT CCT CCA GGT GAA AGG AAA GCT AGG GAC TGC ACA GTC AAT 422 Lys Pro Cys Pro Pro Gly Glu Arg Lys Ala Arg Asp Cys Thr Val Asn 45 50 55 60 GGG GAT GAA CCA GAC TGC GTG CCC TGC CAA GAA GGG AAG GAG TAC ACA 470 Gly Asp Glu Pro Asp Cys Val Pro Cys Gln Glu Gly Lys Glu Tyr Thr 65 70 75 GAC AAA GCC CAT TTT TCT TCC AAA TGC AGA AGA TGT AGA TTG TGT GAT 518 Asp Lys Ala His Phe Ser Ser Lys Cys Arg Arg Cys Arg Leu Cys Asp 80 85 90 GAA GGA CAT GGC TTA GAA GTG GAA ATA AAC TGC ACC CGG ACC CAG AAT 566 Glu Gly His Gly Leu Glu Val Glu Ile Asn Cys Thr Arg Thr Gln Asn 95 100 105 ACC AAG TGC AGA TGT AAA CCA AAC TTT TTT TGT AAC TCT ACT GTA TGT 614 Thr Lys Cys Arg Cys Lys Pro Asn Phe Phe Cys Asn Ser Thr Val Cys 110 115 120 GAA CAC TGT GAC CCT TGC ACC AAA TGT GAA CAT GGA ATC ATC AAG GAA 662 Glu His Cys Asp Pro Cys Thr Lys Cys Glu His Gly Ile Ile Lys Glu 125 130 135 140 TGC ACA CTC ACC AGC AAC ACC AAG TGC AAA GAG GAA GGA TCC AGA TCT 710 Cys Thr Leu Thr Ser Asn Thr Lys Cys Lys Glu Glu Gly Ser Arg Ser 145 150 155 AAC TTG GGG TGG CTT TGT CTT CTT CTT TTG CCA ATT CCA CTA ATT GTT 758 Asn Leu Gly Trp Leu Cys Leu Leu Leu Leu Pro Ile Pro Leu Ile Val 160 165 170 TGG GTG AAG AGA AAG GAA GTA CAG AAA ACA TGC AGA AAG CAC AGA AAG 806 Trp Val Lys Arg Lys Glu Val Gln Lys Thr Cys Arg Lys His Arg Lys 175 180 185 GAA AAC CAA GGT TCT CAT GAA TCT CCA ACC TTA AAT CCT GAA ACA GTG 854 Glu Asn Gln Gly Ser His Glu Ser Pro Thr Leu Asn Pro Glu Thr Val 190 195 200 GCA ATA AAT TTA TCT GAT GTT GAC TTG AGT AAA TAT ATC ACC ACT ATT 902 Ala Ile Asn Leu Ser Asp Val Asp Leu Ser Lys Tyr Ile Thr Thr Ile 205 210 215 220 GCT GGA GTC ATG ACA CTA AGT CAA GTT AAA GGC TTT GTT CGA AAG AAT 950 Ala Gly Val Met Thr Leu Ser Gln Val Lys Gly Phe Val Arg Lys Asn 225 230 235 GGT GTC AAT GAA GCC AAA ATA GAT GAG ATC AAG AAT GAC AAT GTC CAA 998 Gly Val Asn Glu Ala Lys Ile Asp Glu Ile Lys Asn Asp Asn Val Gln 240 245 250 GAC ACA GCA GAA CAG AAA GTT CAA CTG CTT CGT AAT TGG CAT CAA CTT 1046 Asp Thr Ala Glu Gln Lys Val Gln Leu Leu Arg Asn Trp His Gln Leu 255 260 265 CAT GGA AAG AAA GAA GCG TAT GAC ACA TTG ATT AAA GAT CTC AAA AAA 1094 His Gly Lys Lys Glu Ala Tyr Asp Thr Leu Ile Lys Asp Leu Lys Lys 270 275 280 GCC AAT CTT TGT ACT CTT GCA GAG AAA ATT CAG ACT ATC ATC CTC AAG 1142 Ala Asn Leu Cys Thr Leu Ala Glu Lys Ile Gln Thr Ile Ile Leu Lys 285 290 295 300 GAC ATT ACT AGT GAC TCA GAA AAT TCA AAC TTC AGA AAT GAA ATC CAA 1190 Asp Ile Thr Ser Asp Ser Glu Asn Ser Asn Phe Arg Asn Glu Ile Gln 305 310 315 AGC TTG GTC TAG AGTGAAAAAC AACAAATTCA GTTCTGAGTA TATGCAATTA 1242 Ser Leu Val 319 GTGTTTGAAA AGATTCTTAA TAGCTGGCTG TAAATACTGC TTGGTTTTTT ACTGGGTACA 1302 TTTTATCATT TATTAGCGCT GAAGAGCCAA CATATTTGTA GATTTTTAAT ATCTCATGAT 1362 TCTGCCTCCA AGGATGTTTA AAATCTAGTT GGGAAAACAA ACTTCATCAA GAGTAAATGC 1422 AGTGGCATGC TAAGTACCCA AATAGGAGTG TATGCAGAGG ATGAAAGATT AAGATTATGC 1482 TCTGGCATCT AACATATGAT TCTGTAGTAT GAATGTAATC AGTGTATGTT AGTACAAATG 1542 TCTATCCACA GGCTAACCCC ACTCTATGAA TCAATAGAAG AAGCTATGAC CTTTTGCTGA 1602 AATATCAGTT ACTGAACAGG CAGGCCACTT TGCCTCTAAA TTACCTCTGA TAATTCTAGA 1662 GATTTTACCA TATTTCTAAA CTTTGTTTAT AACTCTGAGA AGATCATATT TATGTAAAGT 1722 ATATGTATTT GAGTGCAGAA TTTAAATAAG GCTCTACCTC AAAGACCTTT GCACAGTTTA 1782 TTGGTGTCAT ATTATACAAT ATTTCAATTG TGAATTCACA TAGAAAACAT TAAATTATAA 1842 TGTTTGACTA TTATATATGT GTATGCATTT TACTGGCTCA AAACTACCTA CTTCTTTCTC 1902 AGGCATCAAA AGCATTTTGA GCAGGAGAGT ATTACTAGAG CTTTGCCACC TCTCCATTTT 1962 TGCCTTGGTG CTCATCTTAA TGGCCTAATG CACCCCCAAA CATGGAAATA TCACCAAAAA 2022 ATACTTAATA GTCCACCAAA AGGCAAGACT GCCCTTAGAA ATTCTAGCCT GGTTTGGAGA 2082 TACTAACTGC TCTCAGAGAA AGTAGCTTTG TGACATGTCA TGAACCCATG TTTGCAATCA 2142 AAGATGATAA AATAGATTCT TATTTTTCCC CCACCCCCGA AAATGTTCAA TAATGTCCCA 2202 TGTAAAACCT GCTACAAATG GCAGCTTATA CATAGCAATG GTAAAATCAT CATCTGGATT 2262 TAGGAATTGC TCTTGTCATA CCCTCAAGTT TCTAAGATTT AAGATTCTCC TTACTACTAT 2322 CCTACGTTTA AATATCTTTG AAAGTTTGTA TTAAATGTGA ATTTTAAGAA ATAATATTTA 2382 TATTTCTGTA AATGTAAACT GTGAAGATAG TTATAAACTG AAGCAGATAC CTGGAACCAC 2442 CTAAAGAACT TCCATTTATG GAGGATTTTT TTGCCCCTTG TGTTTGGAAT TATAAAATAT 2502 AGGTAAAAGT ACGTAATTAA ATAATGTTTT TG 2534
【図面の簡単な説明】
【図1】 ヒトFasタンパク質をコードするcDNAの
ヌクレオチド配列および推定のアミノ酸配列(アミノ酸
番号284まで)。
【図2】 ヒトFasタンパク質をコードするcDNAの
ヌクレオチド配列および推定のアミノ酸配列(アミノ酸
番号284以後)。
【図3】 ヒトFascDNAの(pF58)の模式図お
よび制限地図。
【図4】 ヒトFas発現ベクターで形質転換されたマウ
ス細胞におけるヒトFas抗原の発現をフローフルオロメ
トリーで調べた結果を表すグラフ。
【図5】 抗Fas抗体のWR19L形質転換体クローン
への細胞溶解作用を示すグラフ。
【図6】 抗Fas抗体のL929形質転換体クローンに
対する細胞溶解作用を示すグラフ。
【図7】 Fas抗原と他のNGFR/TNFRファミリ
ーのメンバーのアミノ酸配列を比較した模式図。
【図8】 ヒトFasと他のNGFR/TNFRファミリ
ーのメンバーの細胞外領域のアミノ酸配列の比較図。
【図9】 Fas、TNFレセプタータイプIおよびCD
40の細胞質領域アミノ酸配列の比較図。
フロントページの続き (56)参考文献 国際公開88/7549(WO,A1) 国際公開91/10448(WO,A1) 欧州特許出願公開330191(EP,A 2) Cell,Vol.66,P.233−243 (July 1991) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12N 15/09 ZNA C07K 14/705 C07K 16/28 C12P 21/02 SwissProt/PIR/GeneS eq GenBank/EMBL/DDBJ/G eneSeq BIOSIS/WPI(DIALOG)

Claims (16)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記のいずれかのポリペプチドをコード
    するDNA: 配列表の配列番号1に記載のアミノ酸配列中、アミノ
    酸番号−16〜319もしくはアミノ酸番号1〜319
    のアミノ酸配列で示されるポリペプチド; 前記のポリペプチドを含有するポリペプチド、また
    は前記のアミノ酸配列において1から数個のアミノ
    酸が欠失、置換、付加あるいは挿入されたアミノ酸配列
    で示されかつ前記のポリペプチドと実質的に同一の機
    能を有するポリペプチド。
  2. 【請求項2】 下記の何れかのポリペプチドをコードす
    るDNA; 配列表の配列番号1に記載のアミノ酸配列中、アミノ
    酸番号−16〜157もしくはアミノ酸番号1〜157
    のアミノ酸配列で示されるポリペプチド; 前記のポリペプチドを含有するポリペプチド; 前記のポリペプチドを含有するヒトFas断片であ
    るポリペプチド;または前記のアミノ酸配列におい
    て1から数個のアミノ酸が欠失、置換、付加あるいは挿
    入されたアミノ酸配列で示されかつ前記のポリペプチ
    ドと実質的に同一の機能を有するポリペプチド。
  3. 【請求項3】 下記の何れかのポリペプチドをコードす
    るDNA; 配列表の配列番号1に記載のアミノ酸配列中、アミノ
    酸番号175〜319のアミノ酸配列で示されるポリペ
    プチド; 前記のポリペプチドを含有するポリペプチド; 前記のポリペプチドを含有するヒトFas断片であ
    るポリペプチド;または前記のアミノ酸配列におい
    て1から数個のアミノ酸が欠失、置換、付加あるいは挿
    入されたアミノ酸配列で示されかつ前記のポリペプチ
    ドと実質的に同一の機能を有するポリペプチド。
  4. 【請求項4】 下記の何れかのポリペプチドをコードす
    るDNA; 配列表の配列番号1に記載のアミノ酸配列中、アミノ
    酸番号−16〜174もしくはアミノ酸番号1〜174
    のアミノ酸配列で示されるポリペプチド; 前記のポリペプチドを含有するポリペプチド; 前記のポリペプチドを含有するヒトFas断片であ
    るポリペプチド、または前記のアミノ酸配列におい
    て1から数個のアミノ酸が欠失、置換、付加あるいは挿
    入されたアミノ酸配列で示されかつ前記のポリペプチ
    ドと実質的に同一の機能を有するポリペプチド。
  5. 【請求項5】 下記の何れかのポリペプチドをコードす
    るDNA; 配列表の配列番号1に記載のアミノ酸配列中、アミノ
    酸番号158〜319のアミノ酸配列で示されるポリペ
    プチド; 前記のポリペプチドを含有するポリペプチド; 前記のポリペプチドを含有するヒトFas断片であ
    るポリペプチド、または前記のアミノ酸配列におい
    て1から数個のアミノ酸が欠失、置換、付加あるいは挿
    入されたアミノ酸配列で示されかつ前記のポリペプチ
    ドと実質的に同一の機能を有するポリペプチド。
  6. 【請求項6】 下記の何れかのポリペプチドをコードす
    るDNA; 配列表の配列番号1に記載のアミノ酸配列中、アミノ
    酸番号−16〜157もしくはアミノ酸番号1〜157
    と、アミノ酸番号175〜319のアミノ酸配列からな
    るアミノ酸配列で示されるポリペプチド; 前記のポリペプチドを含有するポリペプチド; 前記のポリペプチドを含有するヒトFas断片であ
    るポリペプチド、または前記のアミノ酸配列におい
    て1から数個のアミノ酸が欠失、置換、付加あるいは挿
    入されたアミノ酸配列で示されかつ前記のポリペプチ
    ドと実質的に同一の機能を有するポリペプチド。
  7. 【請求項7】 配列表の配列番号1に記載の塩基配列
    中、以下の群: 塩基番号1〜2534;塩基番号195〜1199;塩
    基番号243〜1199;塩基番号195〜713;塩
    基番号243〜713;塩基番号765〜1199;塩
    基番号195〜764;塩基番号243〜764;塩基
    番号714〜1199;塩基番号195〜713;塩基
    番号765〜1199;および塩基番号243〜713
    および塩基番号765〜1199から選択される塩基配
    列で示されるDNA、該塩基配列で示されるDNAを含
    有するDNA、または該塩基配列において1から数個の
    塩基が欠失、置換、付加あるいは挿入された塩基配列で
    示されるDNAである請求項1〜6の何れかに記載のD
    NA。
  8. 【請求項8】 下記のいずれかのDNAとストリンジェ
    ントな条件下でハイブリダイズし、かつ請求項1〜6の
    に記載のいずれかのポリペプチドと実質的に同一の機
    能を有するポリペプチドをコードするDNA: 配列表の配列番号1に記載の塩基配列中、塩基番号1
    〜2534;塩基番号195〜1199;塩基番号24
    3〜1199;塩基番号195〜713;塩基番号24
    3〜713;塩基番号765〜1199;塩基番号19
    5〜764;塩基番号243〜764;塩基番号714
    〜1199;塩基番号195〜713;塩基番号765
    〜1199;および塩基番号243〜713および塩基
    番号765〜1199から選択される塩基配列で示され
    るDNA、 前記のDNAを含有するDNA、および前記お
    よびに記載のいずれかのDNAの相補鎖からなるDN
    A。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8のいずれかに記載のDNA
    を含有するベクター。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載のベクターによって形
    質転換された形質転換体。
  11. 【請求項11】 形質転換体が、大腸菌、酵母、昆虫細
    胞または哺乳動物培養細胞であることを特徴とする請求
    項10に記載の形質転換体。
  12. 【請求項12】 請求項1〜8の何れかに記載のDNA
    によりコードされるポリペプチド。
  13. 【請求項13】 請求項10または11に記載の形質転
    換体を適当な条件下で培養することからなる請求項12
    に記載のポリペプチドの製造方法。
  14. 【請求項14】 請求項13に記載の方法によって得ら
    れたポリペプチド。
  15. 【請求項15】 請求項12若しくは14に記載のポリ
    ペプチド又は請求項10若しくは11に記載の形質転換
    体又はその培養物を抗原として用いることを特徴とす
    る、請求項12に記載のポリペプチドに特異的な抗体の
    製造方法。
  16. 【請求項16】 請求項1〜8の何れかに記載のDNA
    を細胞に導入する工程を含むことを特徴とする、細胞に
    アポトーシスを誘導する方法。
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