JP7491121B2 - 作業機械の起伏シリンダ支持装置および作業機械の起伏シリンダ支持方法、作業機械の輸送方法 - Google Patents

作業機械の起伏シリンダ支持装置および作業機械の起伏シリンダ支持方法、作業機械の輸送方法 Download PDF

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Description

本発明は、作業機械の起伏シリンダ支持装置および作業機械の起伏シリンダ支持方法、作業機械の輸送方法に関する。
従来、機械本体と当該機械本体に水平な回動中心軸回りに起伏方向に回動可能に支持されたブーム基端部を含むブームと前記ブームを下方から支持するとともに前記ブームを起伏させる起伏シリンダとを有する作業機械が知られている。起伏シリンダは、円筒状のシリンダ本体と当該シリンダ本体に対して相対移動可能なように前記シリンダ本体に挿入されたシリンダロッドとを有する。シリンダ本体の基端部は機械本体に回動可能に装着されており、シリンダロッドの先端部はブームに回動可能に装着されている。シリンダ本体内に形成されたヘッド油室およびロッド油室に対する作動油の給排に応じて、シリンダロッドがシリンダ本体に対して相対移動することで、起伏シリンダが伸縮しブームを起伏させる。
特許文献1には、作業機械を輸送する際に、予めブーム基端部を機械本体から取り外すとともに起伏シリンダのシリンダロッドの先端部をブームから取り外すことで、ブームを機械本体から切り離し、機械本体とブームとを別々に輸送する技術が開示されている。また、当該技術では、ブームを機械本体から切り離す前に作業者が機械本体にシリンダ受台を固定し、機械本体の輸送時には当該シリンダ受台が起伏シリンダを支持する。シリンダ受台の上面部は、円筒状の起伏シリンダの外周面を支持可能なようにU字形状または円弧形状を有している。
特許第6222179号公報
特許文献1に記載された技術では、機械本体を輸送車両によって輸送する際の振動や衝撃によって起伏シリンダが左右に揺さぶられると起伏シリンダの外周面とシリンダ受台の上面部とが強く摺擦する結果、起伏シリンダの外周面が損傷しその表面に施された塗装が剥がれてしまうという問題があった。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、輸送時の振動や衝撃によって起伏シリンダの外周面が損傷することを抑止することが可能な、作業機械の起伏シリンダ支持装置および作業機械の起伏シリンダ支持方法、作業機械の輸送方法を提供することにある。
本発明によって提供されるのは、機械本体と左右方向に延びる回動中心軸周りに回動可能なように前記機械本体に着脱可能に支持されるブーム基端部を含むブームとを有する作業機械に備えられる起伏シリンダ支持装置である。当該起伏シリンダ支持装置は、円筒状のシリンダ外周面と前記機械本体に左右方向に延びる回動中心軸周りに回動可能に支持されるシリンダ基端部と前記ブームのうち前記ブーム基端部よりも先端側の部分に左右方向に延びる回動中心軸周りに回動可能かつ着脱可能に接続されるシリンダ先端部とを有し前記ブームを起伏させるように伸縮可能な起伏シリンダと、上方を向く載置面を含み前記起伏シリンダの下方において前記機械本体の一部を構成し前記起伏シリンダの荷重を受けることが可能な荷重受け部と、前記荷重受け部の前記載置面に着脱可能に載置され前記シリンダ基端部を中心に倒伏した前記起伏シリンダを支持することが可能なシリンダ受台と、を備える。前記シリンダ受台は、上下方向に延びる受台中心線と、前後方向から見て前記シリンダ外周面を上方から受け入れ可能なように下方に向かって凸状の受入部を画定する左右一対の傾斜面であって前記受台中心線の左右両側で当該受台中心線に向かって先下がりにそれぞれ傾斜するとともに前記シリンダ外周面にそれぞれ当接可能な左右一対の傾斜面を含み前記起伏シリンダを支持することが可能なシリンダ支持面と、上下方向において前記シリンダ支持面とは反対側に配置され前記荷重受け部の前記載置面に載置される摺動面であって前記起伏シリンダの前記シリンダ外周面が前記一対の傾斜面うちの一方の傾斜面を左右方向に押圧することに伴って前後方向から見て前記受台中心線が前記起伏シリンダの中心に近づくように前記載置面に対して左右方向に相対的に摺動することが可能な摺動面と、を有する。
本構成によれば、輸送時の振動や衝撃によって起伏シリンダが左右に揺さぶられると、シリンダ外周面がシリンダ支持面の一方の傾斜面を押圧することに伴ってシリンダ受台の摺動面が荷重受け部の載置面に対して左右に摺動するため、起伏シリンダに対するシリンダ受台の相対変位を抑制することができる。この結果、起伏シリンダのシリンダ外周面とシリンダ受台のシリンダ支持面との間の擦れが抑制され、シリンダ外周面の損傷や塗装剥がれを抑止することができる。また、シリンダ受台の摺動面が荷重受け部の載置面に対して左右に摺動可能であるため、載置面の損傷や塗装剥がれを抑制することができる。
上記の構成において、前記シリンダ受台の前記左右一対の傾斜面は下方に向かって凸状の湾曲面からそれぞれ構成されることが望ましい。
本構成によれば、左右一対の傾斜面がそれぞれ平面から構成される場合と比較して、シリンダ外周面と傾斜面との擦れが更に抑制され、シリンダ外周面の損傷を更に抑止することができる。
上記の構成において、前記湾曲面は、前後方向から見て前記起伏シリンダの半径よりも大きな曲率半径を有する曲面であることが望ましい。
本構成によれば、起伏シリンダの倒伏時に、起伏シリンダの中心と受台中心線とが左右方向にずれている場合でも、起伏シリンダをシリンダ受台のシリンダ支持面に容易に載置することができる。
上記の構成において、前記荷重受け部は、前記載置面の前後方向の一端部から下方に延びるように当該一端部に接続される側面を更に有し、前記シリンダ受台は、前記摺動面よりも下方に配置され、前記荷重受け部の前記側面に当接することで前後方向のうちの一の方向において前記シリンダ受台を前記荷重受け部に対して位置決めする当接面を更に有し、前記当接面は、前記起伏シリンダの前記シリンダ外周面が前記一対の傾斜面のうちの前記一方の傾斜面を左右方向に押圧することに伴って、前記側面に対して左右方向に相対的に摺動することが可能であることが望ましい。
本構成によれば、作業者はシリンダ受台の当接面を荷重受け部の側面に当接することで、シリンダ受台を前後方向の一の方向において位置決めすることができるため、シリンダ受台を荷重受け部に容易に設置することができる。また、輸送時に起伏シリンダが左右に揺さぶられると、当接面が側面に対して左右に摺動することができるため、側面に当接した当接面がシリンダ受台の左右への移動を妨げることを防止することができる。
上記の構成において、前記シリンダ受台は、木材によって一体で構成されていることが望ましい。
本構成によれば、木材の表面性を利用してシリンダ受台の摺動面が荷重受け部の載置面に対してスムーズに摺動することができる。この結果、載置面の損傷や塗装剥がれが更に防止される。また、シリンダ支持面の木材の特性を利用してシリンダ外周面の損傷および塗装剥がれを更に防止することができる。
上記の構成において、前記シリンダ受台は、無垢材によって一体で構成されていることが望ましい。
本構成によれば、シリンダ受台が集成材によって構成される場合と比較して、シリンダ受台の剛性を高めることが可能となり、輸送時におけるシリンダ受台の破損を防止することができる。
上記の構成において、前記シリンダ受台のうちの少なくとも前記シリンダ支持面において前記無垢材の木目が左右方向に沿って延びていることが望ましい。
本構成によれば、無垢材の木目が左右方向に沿って延びているため、シリンダ支持面に木目に沿った割れが生じた場合であっても前後に割れたシリンダ支持面によって起伏シリンダを支持することが可能となる。このため、木目が前後方向に延びている場合と比較して、起伏シリンダがシリンダ受台から脱落することを防止することができる。
上記の構成において、前記シリンダ受台は、前記シリンダ支持面の下方に配置される受台本体と左右方向に間隔をおいて配置され前後方向に延びる回転中心軸周りに回転可能なように前記受台本体にそれぞれ支持された複数のローラーとを更に有し、前記摺動面は、前記複数のローラーの外周面の下端部によって構成され、前記起伏シリンダの前記シリンダ外周面が前記一対の傾斜面うちの一方の傾斜面を左右方向に押圧することに伴って前記複数のローラーが前記載置面上を左右方向に転動することで、前記摺動面が前記載置面に対して左右方向に相対的に摺動することが望ましい。
本構成によれば、複数のローラーが載置面上を転動することができるため、起伏シリンダに対するシリンダ受台の相対変位を容易に抑制し、シリンダ外周面の損傷や塗装剥がれが更に防止される。また、各ローラーが載置面の同じ部分にそれぞれ強く当接することがなく、載置面の損傷や塗装剥がれを防止することができる。
上記の構成において、前記荷重受け部は、前記載置面の前後方向の一端部から下方に延びるように当該一端部に接続される側面を更に有し、前記シリンダ受台は、前記摺動面よりも下方に配置され、前記荷重受け部の前記側面に当接することで前後方向のうちの一の方向において前記シリンダ受台を前記荷重受け部に対して位置決めする当接面を更に有し、前記当接面は、前記起伏シリンダの前記シリンダ外周面が前記一対の傾斜面のうちの前記一方の傾斜面を左右方向に押圧することに伴って、前記側面に対して左右方向に相対的に摺動することが可能であることが望ましい。
本構成によれば、作業者はシリンダ受台の当接面を荷重受け部の側面に当接することで、シリンダ受台を前後方向の一の方向において位置決めすることができるため、シリンダ受台を荷重受け部に容易に設置することができる。また、輸送時に起伏シリンダが左右に揺さぶられると、当接面が側面に対して左右に摺動することができるため、側面に当接した当接面がシリンダ受台の左右への移動を妨げることを防止することができる。
上記の構成において、前記シリンダ受台は、上下方向に延びる回転中心軸周りに回転可能なように前記受台本体にそれぞれ支持され前記側面に当接する外周面を含む複数の補助ローラーを含み、前記当接面は前記複数の補助ローラーの前記外周面によって構成され、前記起伏シリンダの前記シリンダ外周面が前記一対の傾斜面のうちの前記一方の傾斜面を左右方向に押圧することに伴って前記複数の補助ローラーが前記側面に沿って左右方向に転動することで、前記当接面が前記側面に対して左右方向に相対的に摺動することが望ましい。
本構成によれば、複数の補助ローラーが側面に沿って転動することで各補助ローラーが側面の同じ部分にそれぞれ強く当接することがないため、側面の損傷や塗装剥がれを防止することができる。また、このような複数の補助ローラーの転動によってシリンダ受台の移動が促進されることによってシリンダ外周面とシリンダ支持面とが強く干渉することがないため、シリンダ外周面の損傷や塗装剥がれが更に防止される。
上記の構成において、前記シリンダ支持面は、樹脂材料によって構成されていることが望ましい。
本構成によれば、シリンダ支持面における樹脂の特性を利用して、シリンダ外周面の損傷および塗装剥がれを更に防止することができる。
上記の構成において、前記シリンダ支持面および前記摺動面は、それぞれ樹脂材料によって構成されていることが望ましい。
本構成によれば、シリンダ受台の摺動面における樹脂の表面性を利用して摺動面が荷重受け部の載置面に対してスムーズに摺動することができる。この結果、載置面の損傷や塗装剥がれが更に防止される。また、シリンダ支持面においても樹脂の特性を利用して、シリンダ外周面の損傷および塗装剥がれを更に防止することができる。
また、本発明によって提供されるのは、機械本体と左右方向に延びる回動中心軸周りに回動可能なように前記機械本体に着脱可能に支持されるブーム基端部を含むブームと筒状のシリンダ外周面を含み前記ブームを前記回動中心軸周りに起伏させるように伸縮可能な起伏シリンダとを有する作業機械において、前記起伏シリンダを前記ブームから切り離し前記機械本体によって支持するための、作業機械の起伏シリンダ支持方法であって、前記起伏シリンダを支持可能なシリンダ受台として上下方向に延びる受台中心線と前後方向から見て前記受台中心線の左右両側で当該受台中心線に向かって先下がりにそれぞれ傾斜する左右一対の傾斜面を含み前記起伏シリンダを支持することか可能なシリンダ支持面と上下方向において前記シリンダ支持面とは反対側に配置される摺動面とを有するものを準備する準備工程と、前記起伏シリンダが前記機械本体に対して起立した状態で前記機械本体のうち前記起伏シリンダの下方に位置する載置面に前記摺動面が載置されるように前記シリンダ受台を設置する受台設置工程と、前記起伏シリンダを前記機械本体に対して倒伏させながら前記起伏シリンダの前記シリンダ外周面を前記一対の傾斜面うちの一方の傾斜面に当接させ、前記起伏シリンダの荷重によって前記一方の傾斜面を左右方向に押圧することで前記受台中心線が前記起伏シリンダの中心に近づくように前記シリンダ受台の前記摺動面を前記機械本体の前記載置面に対して左右方向に相対的に摺動させ、前記シリンダ支持面によって前記起伏シリンダを支持するシリンダ支持工程と、を備える。
本方法によれば、起伏シリンダをブームから切り離し機械本体によって支持する際に、起伏シリンダがシリンダ支持面の傾斜面を押圧する力を利用してシリンダ受台を左右に移動させることができる。このため、シリンダ外周面および機械本体の載置面における損傷および塗装剥がれを防止しながら、起伏シリンダの中心線と受台中心線とを近づけて、起伏シリンダを一対の傾斜面の間で安定して支持することができる。
上記の方法において、前記準備工程は、前記シリンダ受台として木材によって一体で構成されたものを準備することを含み、前記シリンダ支持工程は、前記木材の表面によって構成される前記一方の傾斜面を前記起伏シリンダの荷重によって左右方向に押圧することで、前記受台中心線が前記起伏シリンダの中心に近づくように前記木材の表面によって構成される前記摺動面を前記載置面に対して左右方向に摺動させることを含むことが望ましい。
本方法によれば、起伏シリンダをブームから切り離し機械本体によって支持する際に、木材の表面性を利用してシリンダ受台の摺動面が荷重受け部の載置面に対してスムーズに摺動することができる。この結果、起伏シリンダに対するシリンダ受台の左右方向の相対変位を容易に抑制し、シリンダ外周面の損傷や塗装剥がれが更に防止される。
上記の方法において、前記準備工程は、前記シリンダ受台として、無垢材によって一体で構成されたものを準備することを含むことが望ましい。
本方法によれば、シリンダ受台が集成材によって構成される場合と比較して、シリンダ受台の剛性を高めることが可能となり、起伏シリンダをブームから切り離し機械本体によって支持する際にシリンダ受台の破損を防止することができる。
上記の方法において、前記準備工程は、前記シリンダ受台として、少なくとも前記シリンダ支持面において前記無垢材の木目が左右方向に沿って延びているものを準備することを含むことが望ましい。
本方法によれば、無垢材の木目が左右方向に沿って延びているため、シリンダ支持面に割れが生じた場合であっても、前後に割れたシリンダ支持面によって起伏シリンダを支持することが可能となる。このため、木目が前後方向に延びている場合と比較して、起伏シリンダがシリンダ受台から脱落することが防止される。
上記の方法において、前記準備工程は、前記シリンダ受台として、前記シリンダ支持面の下方に配置される受台本体と左右方向に間隔をおいて配置され前後方向に延びる回転中心軸周りに回転可能なように前記受台本体にそれぞれ支持され前記摺動面を構成する外周面を含む複数のローラーとを有するものを準備することを含み、前記シリンダ支持工程は、前記起伏シリンダの荷重によって前記一方の傾斜面を左右方向に押圧することで、前記受台中心線が前記起伏シリンダの中心に近づくように前記複数のローラーを前記載置面上で左右方向に転動させることを含むことが望ましい。
本方法によれば、複数のローラーが載置面に沿って転動することで、起伏シリンダに対するシリンダ受台の左右方向の相対変位を容易に抑制し、シリンダ外周面の損傷や塗装剥がれが更に防止される。また、各ローラーが載置面の同じ部分にそれぞれ強く当接することがなく、載置面の損傷や塗装剥がれが防止される。
更に、本発明によって提供されるのは作業機械の輸送方法であって、上記の何れかに記載の作業機械の起伏シリンダ支持方法を用いて前記シリンダ受台を介して前記起伏シリンダを前記機械本体で支持するとともに前記起伏シリンダのうち少なくとも前記シリンダ受台よりも先端側の部分を所定の固定具によって前記機械本体に固定するシリンダ固定工程と、前記起伏シリンダを支持した前記機械本体を輸送車両によって輸送する輸送工程であって前記起伏シリンダの横揺れによって前記シリンダ外周面が前記一方の傾斜面を左右方向に押圧することに伴って前記シリンダ受台が前記載置面上を左右方向に摺動することで前記起伏シリンダに対する前記シリンダ受台の相対変位を抑制しながら前記機械本体を輸送する輸送工程と、を備える。
本方法によれば、起伏シリンダをブームから切り離し機械本体とともに輸送する際に、輸送時の横揺れによって起伏シリンダがシリンダ支持面の傾斜面を押圧する力を利用してシリンダ受台を左右に移動させることができる。このため、起伏シリンダに対するシリンダ受台の左右方向の相対変位を容易に抑制し、シリンダ外周面および機械本体の載置面における損傷および塗装剥がれを防止しながら、起伏シリンダおよび機械本体を安全に輸送することができる。
本発明によれば、輸送時の振動や衝撃によって起伏シリンダの外周面や機械本体の表面面が損傷することを抑止することが可能な、作業機械の起伏シリンダ支持装置および作業機械の起伏シリンダ支持方法、作業機械の輸送方法が提供される。
本発明の第1実施形態に係るクレーンの側面図である。 本発明の第1実施形態に係るクレーンのブームが倒伏され補助クレーンによって吊り上げられる様子を示す側面図である。 図2のクレーンにおける起伏シリンダ周辺の拡大側面図である。 本発明の第1実施形態に係るクレーンのウインチフレームの斜視図である。 本発明の第1実施形態に係るシリンダ受台の斜視図である。 本発明の第1実施形態に係るシリンダ受台の正面図である。 本発明の第1実施形態に係るシリンダ受台の側面図である。 本発明の第1実施形態に係るクレーンにおいて、起伏シリンダがシリンダ受台に支持された様子を示す側面図である。 本発明の第1実施形態に係るクレーンにおいて起伏シリンダがシリンダ受台に支持される様子を示す背面図である。 本発明の第1実施形態に係るクレーンにおいて起伏シリンダがシリンダ受台に支持され輸送時に横揺れが発生する様子を示す背面図である。 本発明の第2実施形態に係るシリンダ受台の斜視図である。 本発明の第2実施形態に係るシリンダ受台の後方断面図である。 本発明の第2実施形態に係るクレーンにおいて、起伏シリンダがシリンダ受台に支持された様子を示す側面図である。 本発明の第2実施形態に係るクレーンにおいて起伏シリンダがシリンダ受台に支持され輸送時に横揺れが発生する様子を示す背面図である。 本発明の第3実施形態に係るシリンダ受台の後方断面図である。 本発明の第4実施形態に係るシリンダ受台の斜視図である。 本発明の第4実施形態に係るクレーンにおいて、起伏シリンダがシリンダ受台に支持された様子を示す側面図である。 本発明の第5実施形態に係るクレーンにおける起伏シリンダ周辺の拡大側面図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の各実施形態について説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係るクレーン1(作業機械)の側面図である。図2は、本実施形態に係るクレーン1のブーム13が倒伏され補助クレーン100によって吊り上げられる様子を示す側面図である。図3は、図2のクレーン1における起伏シリンダ14周辺の拡大側面図である。なお、以後、各図には、「上」、「下」、「左」、「右」、「前」および「後」の方向が示されているが、当該方向は、本実施形態に係るクレーン1の構造、分解方法および輸送方法などを説明するために便宜上示すものであり、本発明に係るシリンダ支持装置の構造および使用態様などを限定するものではない。
クレーン1は、本発明の機械本体に相当する上部旋回体11と、この上部旋回体11を上下方向に延びる旋回中心軸周りに旋回可能に支持する下部走行体10と、起伏部材としてのブーム13と、を備える。更に、クレーン1は、キャブ12と、起伏シリンダ14と、ウインチ15と、吊りロープ16と、主フック17と、ガントリ18と、補助フック19と、を有する。
キャブ12は、クレーン1の運転席に相当し、作業者が搭乗することを許容する。
図1に示されるブーム13は、上部旋回体11の前部に起伏方向に回動可能となるように支持される。ブーム13は、ブームフット13S(ブーム基端部)を有する。ブームフット13Sは、ブーム13の回動における支点部となる。ブームフット13Sは、ブーム13の起伏における左右方向(横方向)に延びる水平な回転中心軸を形成する。ブームフット13Sは、不図示の連結ピンによって旋回フレーム11Sに着脱可能に支持される。本実施形態では、ブーム13はテレスコピック構造を有しており、メインブーム13Aと、第1伸縮部13Bと、第2伸縮部13Cと、第3伸縮部13Dとを有する。メインブーム13Aは、前記ブームフット13Sを含み旋回フレーム11Sに起伏可能に支持されている。第1伸縮部13B、第2伸縮部13Cおよび第3伸縮部13Dは、メインブーム13Aの先端側に順に伸縮可能に装着されている。
起伏シリンダ14は、ブーム13を起伏させるための油圧シリンダである。起伏シリンダ14は、シリンダロッド141と、シリンダ本体142とを有する。シリンダロッド141は、起伏シリンダ14の先端部に相当するシリンダ先端部14T(図8)を有する。また、シリンダ本体142は、円筒状のシリンダ外周面14P(図3)と、起伏シリンダ14の基端部に相当するシリンダ基端部14S(図3)とを有する。シリンダ外周面14Pは、鋼製のシリンダ本体142の外周面であって、その表面には不図示の塗装が施されている。
シリンダ基端部14Sは、上部旋回体11の旋回フレーム11Sに左右方向に延びる回動中心軸周りに回動可能に支持される(図3)。
シリンダ先端部14Tは、ブーム13のシリンダ連結部13Tに、左右方向に延びる回動中心軸周りに回動可能かつ着脱可能に接続される。なお、シリンダ連結部13Tは、ブーム13のうちのブームフット13Sよりも先端側の部分に配置されており、シリンダ先端部14Tおよびシリンダ連結部13Tは、連結ピンP(図3)によって着脱可能に連結(接続)される。
上記のような起伏シリンダ14では、シリンダ本体142内にそれぞれ形成されたヘッド油室およびロッド油室に対する作動油の給排によって、シリンダロッド141がシリンダ本体142に対して相対移動することで、起伏シリンダ14が伸縮しブーム13を起伏させる。より詳しくは、起伏シリンダ14が伸長するとブーム13が上部旋回体11に対して起立し、起伏シリンダ14が収縮するとブーム13が上部旋回体11に対して倒伏する。
ウインチフレーム15S(荷重受け部)は、旋回フレーム11Sの前端部に配置された箱型状の部材であって、鋼板が溶接されることで形成されている。図4は、本実施形態に係るクレーン1のウインチフレーム15Sの斜視図である。ウインチフレーム15Sは、ウインチ15を回転可能に支持するとともに、起伏シリンダ14の下方において上部旋回体11(旋回フレーム11S)の一部を構成し、クレーン1の分解時に起伏シリンダ14の荷重を受けることが可能とされている。ウインチフレーム15Sは、設置面150と、設置側面150T(図8参照)と、左右一対のベルト固定部151と、ウインチ装着部15Tとを有する。
設置面150(載置面)は、ウインチフレーム15Sの後端部の上面部を構成する。設置面150は、水平かつ上方を向く平面からなる。設置側面150Tは、設置面150の後端部(前後方向の一端部)から下方に延びるように当該後端部に接続される側面(背面)である。
一対のベルト固定部151(吊環)は、設置面150上において左右方向に間隔をおいて配置されている。当該ベルト固定部151には、起伏シリンダ14を固定するための後記のシリンダ固定ベルト60が固定される。なお、設置面150、設置側面150Tおよび一対のベルト固定部151を含むウインチフレーム15Sの表面にも、不図示の塗装が施されている。
ウインチ装着部15Tは、ウインチ15の前端部に形成されており、前述のウインチ15がウインチ装着部15Tに回転可能に装着される。
吊りロープ16は、ウインチ15から引き出されるとともに、不図示のシーブブロックなどを通じてブーム13の先端部から垂下され主フック17に接続される。ウインチ15が吊りロープ16の巻き取りおよび繰り出しを行うことによって、主フック17の巻き上げおよび巻き下げが行われ、吊り荷の吊り上げ作業が可能となる。なお、ウインチ15は、前述のようにウインチフレーム15Sに回転可能に支持されている。また、上記のような主フック17を用いた吊り荷の吊り上げ作業は、図1のブームフット13Sに隣接する他のウインチでも可能である。この場合、前記ウインチから引き出された吊りロープは、ガントリ18に設けられたアイドラシーブを介してブーム13の先端側に引き回され、主フック17に接続される。
ガントリ18は、キャブ12の後方において旋回フレーム11Sから斜め後方に向かって立設されている。上部旋回体11に設けられた不図示のウインチから引き出されたロープが、ガントリ18に設けられたアイドラシーブを介してブーム13の先端側に引き回されている。当該ロープは、不図示のシーブブロックなどを通じて補助フック19に接続されている。
本実施形態に係る受台50(シリンダ受台、以下同様)は、図4に示すように、ウインチフレーム15Sの設置面150に着脱可能に載置される。当該受台50は、ブーム13のブームフット13Sが上部旋回体11から脱離され、かつ、起伏シリンダ14のシリンダ先端部14Tがブーム13のシリンダ連結部13Tから脱離された状態で、シリンダ基端部14Sを中心に倒伏した起伏シリンダ14を支持することが可能とされている。なお、受台50は、起伏シリンダ14およびウインチフレーム15Sとともに、本実施形態におけるシリンダ支持装置5(起伏シリンダ支持装置)を構成する。シリンダ支持装置5は、倒伏した起伏シリンダ14を支持可能な装置である。図5、図6および図7は、それぞれ本実施形態に係る受台50の斜視図、正面図および側面図である。
受台50は、木材によって一体で構成されており、より詳しくは、無垢材によって一体で構成されている。前後方向から見て、受台50は、上下方向に延びる受台中心線50Cを有し、当該受台中心線50Cを中心に左右対称の形状を有している。受台50は、前面部501と、後面部502と、左右一対の側面部503と、底面部504と、上面部505とを有する。更に、受台50は、左右一対の把持部50Mと、位置決め突起50Tとを有する。
前面部501、後面部502は、受台50の前面および後面をそれぞれ構成する。同様に、左右一対の側面部503、底面部504および上面部505は、受台50の左右側面、底面および上面をそれぞれ構成する。左右一対の把持部50Mは、左右一対の側面部503の上端部から左右方向外側にそれぞれ突出しており、作業者が受台50を持ち運ぶ際に両手で把持される。位置決め突起50Tは、底面部504の後端部から下方に直方体形状をもって突出しており、底面部504の左右方向の幅に対応して左右に連続して延びている。位置決め突起50Tの前面は突起当接面50T1(当接面)を構成している(図7)。
また、上面部505には、起伏シリンダ14を支持することが可能なシリンダ支持面50Sが形成されている。シリンダ支持面50Sは、受台中心線50Cを中心として下方に向かって凸状の湾曲面であり、特に、受台中心線50C上に中心を有する円弧面(曲面)からなる。当該円弧面の曲率半径は、起伏シリンダ14のシリンダ外周面14Pの半径よりも大きく設定されている。
また、このようなシリンダ支持面50Sは、左右一対の左傾斜面50S1および右傾斜面50S2(左右一対の傾斜面)を含む。左傾斜面50S1および右傾斜面50S2は、図6に示すように、前後方向から見てシリンダ外周面14Pを上方から受け入れ可能なように下方に向かって凸状の受入部50Pを画定する。また、左傾斜面50S1および右傾斜面50S2は、受台中心線50Cの左右両側で当該受台中心線50Cに向かって先下がりにそれぞれ傾斜するとともに起伏シリンダ14のシリンダ外周面14Pにそれぞれ当接可能とされている。左傾斜面50S1および右傾斜面50S2のそれぞれも、下方に向かって凸状の湾曲面かつ円弧面(曲面)からなる。
一方、底面部504は、本実施形態の摺動面として機能する。底面部504は、上下方向においてシリンダ支持面50Sとは反対側に配置され、ウインチフレーム15Sの設置面150に載置される(接触する)ことが可能である。また、当該底面部504は、起伏シリンダ14のシリンダ外周面14Pが左傾斜面50S1および右傾斜面50S2うちの一方の傾斜面を左右方向に押圧することに伴って前後方向から見て受台中心線50Cがシリンダ中心線14C(起伏シリンダ14の中心)に近づくように設置面150に対して左右方向に相対的に摺動することが可能とされている。
また、前述の位置決め突起50Tの突起当接面50T1(当接面)は、底面部504よりも下方に配置され、ウインチフレーム15Sの設置側面150T(側面)に当接することで、前方向(前後方向のうちの一の方向)において受台50をウインチフレーム15Sに対して位置決めする(拘束する)。更に、当該突起当接面50T1は、起伏シリンダ14のシリンダ外周面14Pが左傾斜面50S1および右傾斜面50S2のうちの前記一方の傾斜面を左右方向に押圧することに伴って、受台中心線50Cがシリンダ中心線14C(起伏シリンダ14の中心)に近づくように、設置側面150Tに対して左右方向に相対的に摺動することが可能である。
なお、上記のような受台50が設置面150に対して着脱可能とされることで、クレーン1の分解輸送時のみに必要な受台50が、クレーン1の通常作業時に設置面150に装着されることを防止することができる。また、図4において、受台50を取り外すことで設置面150の中央部がフラットな面となるため、起伏シリンダ14のメンテナンスなどに際して、作業者が設置面150を足場として利用し起伏シリンダ14の基端側に容易にアクセスすることができる。
次に、上記のような受台50を用いて、クレーン1の分解、輸送時に、起伏シリンダ14をシリンダ支持装置5によって支持する作業について詳述する。図8は、本実施形態に係るクレーン1において、起伏シリンダ14が受台50に支持された様子を示す側面図である。図9は、倒伏される起伏シリンダ14が受台50に支持される様子を示す背面図である。図10は、起伏シリンダ14が受台50に支持され輸送時に横揺れが発生する様子を示す背面図である。
本実施形態では、クレーン1の分解輸送時に、ブーム13が上部旋回体11から取り外され、上部旋回体11(機械本体)とは別に輸送されることが可能とされている。図1に示すように、ブーム13が上部旋回体11に対して所定の起伏角で起立した状態で、起伏シリンダ14の下方の設置面150(ウインチフレーム15S)上に、作業者が受台50を載置する。この際、作業者は、起伏シリンダ14のシリンダ中心線14Cと受台50の受台中心線50Cとを大まかに合わせておけばよい。また、図8に示すように、作業者は受台50の位置決め突起50Tを設置面150の設置側面150Tに後方から突き当てることで、受台50を前後方向において位置決めすることができる。
なお、直前のクレーン1に作業によっては、図1に示す状態よりもブーム13が倒伏している場合もあるが、この場合は、起伏シリンダ14に対する作動油の給排を制御し、起伏シリンダ14と設置面150との間に受台50を設置可能なように、ブーム13を起立させればよい。
次に、作業者は起伏シリンダ14に対する作動油の給排を制御し、ブーム13(起伏シリンダ14)を倒伏させ、起伏シリンダ14のシリンダ外周面14Pを受台50のシリンダ支持面50Sに上から接触させる。なお、この段階では、起伏シリンダ14がブーム13の荷重を受けている。図9を参照して、事前に受台50を設置面150に設置した際に受台中心線50Cがシリンダ中心線14Cに対して右にずれている場合には、倒伏するシリンダ外周面14Pは右傾斜面50S2に接触する。この際、右傾斜面50S2には、少なくとも起伏シリンダ14の自重を含む荷重Wが矢印のように付与される。当該荷重Wは、下方向および右方向(水平方向)においてそれぞれ荷重W1、W2に分解される。そして、木製の受台50の底面部504は、荷重W2を受けて鋼材からなる設置面150上を右方向に移動する、すなわち、設置面150に対して右方に摺動する。この結果、図9における受台中心線50Cがシリンダ中心線14Cに近づくまたは合致する。したがって、起伏シリンダ14の下方において作業者が受台50を手動で左右方向に移動させる必要がなく、シリンダ支持面50Sの中央部において受台50が起伏シリンダ14を安定して支持することができる。
次に、作業者は、図2に示すように、補助クレーン100のフックに接続されたロープ101をブーム13に取り付け、補助クレーン100によってブーム13を僅かに吊り上げ、起伏シリンダ14に掛かっているブーム13の荷重を取り除く。この結果、起伏シリンダ14のヘッド側油室の圧力(ヘッド圧)が下がり、連結ピンPに掛かる剪断力が下がることで、連結ピンPが抜けやすくなる。この状態で、作業者は、連結ピンPを引き抜き、ブーム13(シリンダ連結部13T)と起伏シリンダ14(シリンダ先端部14T)との連結を解除する。この結果、ブーム13は補助クレーン100によって完全に吊られた状態となる一方、起伏シリンダ14の自重が受台50に預けられるが、前述のように、受台中心線50Cとシリンダ中心線14Cとがほぼ合致しているため、起伏シリンダ14を安定して支持することができる。このように、本実施形態では、受台50の設置面150に対する摺動性によって、受台50を起伏シリンダ14に対して左右方向に容易に位置合わせすることができる。
次に、作業者は、ブームフット13Sに挿入された不図示のピンを抜き、ブーム13を上部旋回体11から取り外す。ブーム13は、補助クレーン100によって所定の場所に移動される。この際、起伏シリンダ14に対する作動油の供給は維持されている。なお、作業者が上記の連結ピンPとブームフット13Sに挿入された不図示のピンとを抜く順番は上記と逆であってもよく、どちらのピンを先に抜く態様でもよい。
次に、作業者は、シリンダ固定ベルト60をシリンダ先端部14Tのピン孔141Tに通し、その両端部に配置されたベルト接続部61を左右一対のベルト固定部151(吊環)にそれぞれ固定する。その後、シリンダ固定ベルト60に設けられたベルトロック部62によってシリンダ固定ベルト60の長さを調整(短縮)し、シリンダ先端部14Tを固定する。
次に、ブーム13が取り外された状態のクレーン1(機械本体)を不図示の輸送車両(輸送移動体)に搭載し、所定の移動先まで輸送する。この際、輸送車両の振動によって、起伏シリンダ14が前後左右に揺さぶられる場合がある。前述のように、起伏シリンダ14のシリンダ先端部14Tがシリンダ固定ベルト60によって固定されているため、起伏シリンダ14の前後方向(軸方向)における揺れは小さい。しかしながら、このような前後揺れが発生したとしても、木製の受台50のシリンダ支持面50Sに沿って起伏シリンダ14のシリンダ外周面14Pが前後に揺れることができるため、シリンダ外周面14Pに前後方向に沿った傷や塗装剥がれが発生することが抑止される。一方、上記のような輸送時に起伏シリンダ14に横揺れ(左右方向の揺れ)が生じた場合について、図10を参照して説明する。
起伏シリンダ14は、そのシリンダ基端部14Sが上部旋回体11の旋回フレーム11Sに支持されているため、当該シリンダ基端部14Sを支点としてシリンダ先端部14T側が左右に横揺れしやすい。この際、図10において、起伏シリンダ14が矢印R1で示すように右方向に揺れた場合、シリンダ外周面14Pが受台50の右傾斜面50S2を矢印R2で示すように右方向に押圧する。この結果、受台50が設置面150と摺動しながら矢印R3で示すように右方向に移動する。起伏シリンダ14が矢印L1で示すように左方向に揺れた場合、シリンダ外周面14Pが受台50の左傾斜面50S1を矢印L2で示すように左方向に押圧する。この結果、受台50が設置面150と摺動しながら矢印L3で示すように左方向に移動する。この結果、左右に揺さぶられる起伏シリンダ14の移動に受台50が追従し、起伏シリンダ14に対する受台50の相対変位を抑制することが可能となる。したがって、輸送時にシリンダ中心線14Cと受台中心線50Cとが大きくずれることがなく、受台50の左傾斜面50S1および右傾斜面50S2、更にはこれらの傾斜面と接触するシリンダ外周面14Pに大きな負荷が掛かることが抑止される。この結果、シリンダ外周面14Pに左右方向に沿った傷や塗装剥がれが発生することが抑止される。更に、起伏シリンダ14から受台50に掛かる左右方向の力に応じて、木製の受台50の底面部504が設置面150上を左右にスムーズに移動することができるため、設置面150に左右方向に沿った傷や塗装剥がれが発生することが抑止される。なお、輸送時に振動が発生した場合には、起伏シリンダ14に対して上下方向の揺れも発生する。このため、一時的に起伏シリンダ14の受台50に対する下方向の荷重が弱まるため、受台50が左右方向に沿って更に移動しやくなる。本実施形態では、木製の受台50の底面部504が設置面150に対して高い摺動性を有しているため、底面部504が金属製の場合などと比較して、受台50の移動が極めてスムーズとなり、設置面150の損傷が抑止される。また、このように受台50が左右方向に移動しやすいため、シリンダ外周面14Pとシリンダ支持面50S(左傾斜面50S1、右傾斜面50S2)との間の摩擦を速やかに解放することが可能となり、シリンダ外周面14Pの損傷が確実に抑止される。
更に、本実施形態では、図8に示すように、木製の受台50の位置決め突起50Tの突起当接面50T1(図7)が、設置側面150Tに当接しているため、受台50の前後方向の移動を規制しながら、受台50の左右方向の移動をガイドすることができる。この際、位置決め突起50Tが木製であるため、設置側面150Tにおいて傷や塗装剥がれが発生することも抑止される。
以上のように、本実施形態では、輸送時に起伏シリンダ14の揺れが発生した場合でも、作業者が輸送車両を停止させて起伏シリンダ14と受台50との位置合わせを行う必要がなく、起伏シリンダ14のシリンダ外周面14Pおよび上部旋回体11の一部を構成するウインチフレーム15Sの設置面150の損傷をそれぞれ防止しながら、安全にクレーン1の輸送を行うことが可能となる。
特に、本実施形態では、ブームフット13Sが上部旋回体11から脱離されかつ起伏シリンダ14のシリンダ先端部14Tがブーム13のシリンダ連結部13Tから脱離されると、受台50によって起伏シリンダ14を支持しながら上部旋回体11(機械本体)を輸送することができる。輸送時の振動や衝撃によって起伏シリンダ14が左右に揺さぶられると、シリンダ外周面14Pがシリンダ支持面50Sの一方の傾斜面を押圧することに伴って受台50の底面部504がウインチフレーム15Sの設置面150に対して左右に摺動するため、起伏シリンダ14に対する受台50の左右方向における相対変位を抑制することができる。この結果、起伏シリンダ14のシリンダ外周面14Pと受台50のシリンダ支持面50Sとの間の擦れが抑制され、シリンダ外周面14Pの損傷や塗装剥がれを防止することができる。また、受台50の底面部504がウインチフレーム15Sの設置面150に対して摺動可能であるため、設置面150の損傷や塗装剥がれを抑制することができる。
また、本実施形態では、受台50の左右一対の傾斜面は下方に向かって凸状の湾曲面からそれぞれ構成されている。このような構成によれば、左右一対の傾斜面がそれぞれ平面から構成される場合と比較して、シリンダ外周面14Pと各傾斜面との擦れが更に抑制され、シリンダ外周面14Pの損傷を抑止することができる。
また、本実施形態では、前記湾曲面は、前後方向から見て起伏シリンダ14の半径よりも大きな曲率半径を有する曲面である。このような構成によれば、起伏シリンダ14の倒伏時に、受台50の受台中心線50Cが起伏シリンダ14の中心(シリンダ中心線14C)に対して左右方向にずれている場合でも、起伏シリンダ14を受台50のシリンダ支持面50Sに容易に載置することができる。
更に、本実施形態では、作業者は受台50の突起当接面50T1をウインチフレーム15Sの設置側面150Tに当接することで、受台50を前後方向の一の方向において位置決めすることができるため、受台50をウインチフレーム15Sに容易に設置することができる。また、輸送時に起伏シリンダ14が左右に揺さぶられると、突起当接面50T1が設置側面150Tに対して左右に摺動することができるため、設置側面150Tに当接した突起当接面50T1が受台50の左右への移動を妨げることを防止することができる。また、受台50が設置側面150Tに強く擦れることがなく、設置側面150Tの損傷や塗装剥がれを抑止することができる。
また、本実施形態では、受台50は、木材によって一体で構成されている。このような構成によれば、木材の表面性を利用して受台50の底面部504がウインチフレーム15Sの設置面150に対してスムーズに摺動することができる。この結果、設置面150の損傷や塗装剥がれが更に防止される。また、シリンダ外周面14Pに当接するシリンダ支持面50Sにおいても木材の特性(起伏シリンダ14の鋼に対する柔らかさ)を利用して、シリンダ外周面14Pの損傷および塗装剥がれを更に防止することができる。
また、本実施形態では、受台50は、無垢材によって一体で構成されている。このような構成によれば、受台50が集成材によって構成される場合と比較して、受台50の剛性を高めることが可能となり、輸送時における受台50の破損を更に防止することができる。
なお、図5を参照して、本実施形態では、受台50を構成する無垢材の木目が左右方向に沿って延びている。この場合、通常の分解輸送作業では生じないような突発的な荷重が起伏シリンダ14から受台50に付与され、受台50の表面に木目に沿った亀裂、割れが生じたとしても、受台50が前後に分離する(割れる)のみであり起伏シリンダ14を引き続き支持することができる。したがって、シリンダ支持面50Sにおいて木目が前後方向に沿って延びている場合と比較して、受台50が左右に分離することがなく、起伏シリンダ14の突発的な脱落が防止される。なお、上記の木目は少なくともシリンダ支持面50Sにおいて左右方向に延びていることが望ましい。
次に、本発明の第2実施形態に係る受台51を含むシリンダ支持装置5について説明する。なお、クレーン1の起伏シリンダ14およびウインチフレーム15Sの構造については先の第1実施形態と同様である。図11は、本実施形態に係る受台51の斜視図である。図12は、受台52の後方断面図である。図13は、起伏シリンダ14が受台52に支持された様子を示す側面図である。図14は、起伏シリンダ14が受台52に支持され輸送時に横揺れが発生する様子を示す背面図である。
図11、図12を参照して、受台51は、受台本体510と、上摺動部511と、4つ(複数)の摺動ローラー513と、2つ(複数)の位置決めローラー51Tと、左右一対の把持部51Mと、を有する。
受台本体510は、受台51の本体部分であり、鋼板を溶接することで形成された箱型状の部材である。受台本体510の左右側面の上端部には、左右一対の把持部51Mがそれぞれ固定されている。把持部51Mは、作業者によって把持される。
上摺動部511は、受台本体510の上面部に複数のボルトで固定されている。上摺動部511は、前後および左右方向に延びる扁平の直方体形状を有する。上摺動部511は、樹脂材料から構成されている(樹脂パッド)。上摺動部511の上面部には第1実施形態と同様のシリンダ支持面51Sが形成されている。換言すれば、受台本体510は、シリンダ支持面51S(上摺動部511)の下方に配置されている。なお、上摺動部511は木製であってもよく、受台本体510への固定方法も上記のボルトによる固定に限定されるものではない。
4つの摺動ローラー513(複数のローラー)は、受台本体510の内部において、左右方向に間隔をおいて配置され、前後方向に延びる回転中心軸周りに回転可能なように受台本体510にそれぞれ支持されている。図12に示すように、4つの摺動ローラー513の外周面の下端部は、受台本体510の下端部510Lよりも僅かに下方に配置されている。すなわち、4つの摺動ローラー513の外周面の下端部は、本実施形態において、設置面150に載置される摺動面514(図12)を構成する。また、各摺動ローラー513の外周面は、樹脂材料から構成され、設置面150に対して高い摺動性を有している。
2つの位置決めローラー51T(複数の補助ローラー)は、受台本体510の後面部において、その左右両端部に設けられたローラー支持部51Jによって支持されている。各位置決めローラー51Tは、前述の摺動面514よりも下方に配置され、上下方向に延びる回転中心軸周りに回転可能なように受台本体510のローラー支持部51Jにそれぞれ支持され、設置側面150Tに当接可能な外周面を含む。当該2つの位置決めローラー51Tの外周面は、本発明の当接面を形成する。すなわち、2つの位置決めローラー51Tは、設置側面150Tに当接することで前方向において受台51をウインチフレーム15Sに対して位置決めする。また、各位置決めローラー51Tの外周面は、樹脂材料から構成され、設置側面150Tに対して高い摺動性を有している。
図13を参照して、本実施形態においても、作業者は受台51の位置決めローラー51Tを設置側面150Tに突き当てることで、受台51を前後方向において位置決めすることができる。
また、クレーン1の分解時に起伏シリンダ14が倒伏し受台51に接触した際、または、輸送時に起伏シリンダ14が主に左右方向に横揺れした際には、起伏シリンダ14のシリンダ外周面14Pがシリンダ支持面51Sの一対の傾斜面のうちの前記一方の傾斜面を左右方向に押圧することに伴って、起伏シリンダ14に対する受台51の相対変位を抑制するように、4つの摺動ローラー513が設置面150上を左右方向に転動することが可能である。
図14を参照して、起伏シリンダ14が矢印R1で示すように右方向に揺れた場合、シリンダ外周面14Pが受台51の右傾斜面50S2を矢印R2で示すように右方向に押圧する。この結果、4つの摺動ローラー513が設置面150上を転動し、受台51が設置面150と摺動しながら矢印R3で示すように右方向に移動する。左方向への移動も同様である。このように、本実施形態においても、クレーン1の分解輸送時に、起伏シリンダ14のシリンダ外周面14Pやウインチフレーム15Sの設置面150における損傷や塗装剥がれが防止される。
また、本実施形態では、4つの摺動ローラー513の軸方向が固定されているため、受台51が前後方向に移動することが防止される。特に、輸送時の振動によって、受台51が後方向に移動し設置面150から脱落することが防止される。
更に、本実施形態では、起伏シリンダ14を受台51によって支持する際には受台51の中心線がシリンダ中心線14Cに近づくように、また、輸送時には起伏シリンダ14に対する受台51の相対変位を抑制するように、2つの位置決めローラー51Tが設置側面150Tに沿って左右方向に転動することが可能である。したがって、受台51の左右方向における移動を2つの位置決めローラー51Tが安定してガイドすることができるとともに、設置側面150Tにおける損傷や塗装剥がれが防止される。
以上のように、本実施形態では、複数の摺動ローラー513が設置面150上を転動することで、起伏シリンダ14に対する受台51の相対変位を容易に抑制し、シリンダ外周面14Pの損傷や塗装剥がれが防止される。また、受台51が設置面150に固定される場合と比較して、各摺動ローラー513が設置面150の同じ部分に強く当接することがなく、設置面150の損傷や塗装剥がれを防止することができる。
また、本実施形態では、作業者は受台51の2つの位置決めローラー51T(当接面)をウインチフレーム15Sの設置側面150Tに当接することで、受台51を前後方向の一の方向において位置決めすることができるため、受台51をウインチフレーム15Sに容易に設置することができる。また、輸送時に起伏シリンダ14が左右に揺さぶられると、前記当接面が設置側面150Tに対して左右に摺動することができるため、各位置決めローラー51Tが設置側面150Tの同じ部分に強く当接することがなく、設置側面150Tの損傷や塗装剥がれを抑止することができる。特に、複数の位置決めローラー51Tが設置側面150Tに沿って転動することで、受台51が設置側面150Tに強く擦れることがなく、設置側面150Tの損傷や塗装剥がれを更に防止することができる。また、2つの位置決めローラー51Tが転動可能であるため、各位置決めローラー51Tが受台51の左右への移動を妨げることが防止される。更に、このような2つの位置決めローラー51Tの転動を伴う受台51の移動によってシリンダ外周面14Pとシリンダ支持面51Sとが強く干渉することがないため、シリンダ外周面14Pの損傷や塗装剥がれが更に防止される。
更に、本実施形態では、受台51のシリンダ支持面51Sは、樹脂材料によって構成されている。このような構成によれば、シリンダ支持面51Sにおける樹脂の特性を利用してシリンダ外周面14Pがシリンダ支持面51Sから受ける力を弱めることができるため、シリンダ外周面14Pの損傷および塗装剥がれを更に防止することができる。
次に、本発明の第3実施形態に係る受台52を含むシリンダ支持装置5について説明する。なお、クレーン1の起伏シリンダ14およびウインチフレーム15Sの構造については先の第1実施形態と同様である。図15は、本実施形態に係る受台52の後方断面図である。本実施形態では、先の第2実施形態に係る受台51と比較して、4つの摺動ローラー513が備えられていない代わりに受台52が下摺動部522を有する。また、受台52は、第2実施形態と同様の受台本体520および上摺動部521をそれぞれ有する。下摺動部522は、受台本体520の下面部に固定され、上摺動部521と同様に、樹脂材料から構成される(樹脂パッド)。下摺動部522は、設置面150上を摺動可能である。すなわち、本実施形態では、シリンダ支持面52Sおよび下摺動部522の摺動面がそれぞれ樹脂材料から構成されている。なお、他の実施形態において、上摺動部521および下摺動部522は木製であってもよい。また、上摺動部521および下摺動部522のうちの一方が樹脂製であり他方が木製であってもよい。
このような構成によれば、受台52の下摺動部522(摺動面)における樹脂の特性を利用して、下摺動部522がウインチフレーム15Sの設置面150に対してスムーズに摺動することができる。この結果、設置面150の損傷や塗装剥がれが更に防止される。また、シリンダ外周面14Pに当接するシリンダ支持面52Sにおいても、上摺動部521の樹脂の特性を利用してシリンダ外周面14Pが受ける力を弱め、シリンダ外周面14Pの損傷および塗装剥がれを更に防止することができる。
なお、本実施形態においても、第2実施形態と同様に受台52が2つ(複数)の位置決めローラー51Tを有してもよい。また、下摺動部522が、第1実施形態と同様の位置決め突起50Tを有してもよい。このような構成においても、クレーン1の分解輸送時に、起伏シリンダ14のシリンダ外周面14Pやウインチフレーム15Sの設置面150および設置側面150Tにおける損傷や塗装剥がれが防止される。
次に、本発明の第4実施形態に係る受台53を含むシリンダ支持装置5について説明する。なお、クレーン1の起伏シリンダ14およびウインチフレーム15Sの構造については先の第1実施形態と同様である。図16は、本実施形態に係る受台53の斜視図である。図17は、本実施形態に係るクレーン1において、起伏シリンダ14が受台53に支持された様子を示す側面図である。
図16および図17に示すように、受台53は、前面部531と、後面部532と、左右一対の側面部533と、底面部534と、上面部535と、左右一対の把持部53Mと、を有する。また、本実施形態では、受台53が先の第1実施形態の位置決め突起50Tを有していない。一方、受台53の底面部534には凹部53Tが形成されている。凹部53Tは受台53の左右方向の幅に対応して連続して形成されており、凹部53Tの表面には底面部534と同様に摺動性の高い材料が採用されている。一例として、受台53は、第1実施形態と同様に、木材によって一体で構成されており、特に、無垢材によって一体で構成されている。
一方、設置面150には、上記の凹部53Tに嵌合することが可能な凸部150Sが左右方向に沿って延びるように突設されている(図17)。当該凸部150Sの表面にも塗装が施されている。
本実施形態では、作業者は受台53の凹部53Tを設置面150の凸部150Sに嵌め込むように、受台53を設置面150に設置する。この際、受台53の底面部534が設置面150に接触する(載置される)。
本実施形態においても、クレーン1の分解輸送時に、起伏シリンダ14から受台53に掛かる左右方向の力に応じて、受台53の底面部534が設置面150上を左右にスムーズに移動することができる。このため、起伏シリンダ14のシリンダ外周面14Pやウインチフレーム15Sの設置面150における損傷や塗装剥がれが防止される。
また、受台53の凹部53Tが設置面150の凸部150Sに嵌合することで、受台53を設置面150(ウインチフレーム15S)に対して前後方向(前方向および後方向)において位置決め(拘束)することができる。このため、輸送時に生じる振動や衝撃によって受台53が設置面150から前後に脱落することが防止される。
次に、本発明の第5実施形態に係る受台50を含むシリンダ支持装置5について説明する。図18は、本実施形態に係るクレーン1における起伏シリンダ14周辺の拡大側面図である。上記の各実施形態では、ウインチ15を支持するウインチフレーム15S(図3)が本発明の載置面を含む荷重受け部を構成する態様にて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。本実施形態では、クレーン1がウインチ15およびウインチフレーム15Sを有することなく、旋回フレーム11Sに設けられた左右一対の縦板161の間に架け渡された横板162が、本発明の載置面を含む荷重受け部を構成する。横板は、前記載置面を構成する上面部を有する。なお、縦板161および横板162にも旋回フレーム11Sと同様の塗装が施されている。このような構成においても、クレーン1の分解輸送時に、起伏シリンダ14から受台50に掛かる左右方向の力に応じて、受台50の底面部が横板162の上面部上を左右にスムーズに移動することができる。このため、起伏シリンダ14のシリンダ外周面14Pや横板162における損傷や塗装剥がれが防止される。
なお、本実施形態では、旋回フレーム11S上に縦板161および横板162が設けられる態様にて説明したが、本発明の載置面を含む荷重受け部は、旋回フレーム11Sから上方に延びる他の部材でもよいし、旋回フレーム11Sの一部であってもよく、クレーン1の分解輸送時に受台を介して起伏シリンダ14を支持可能な部分であればよい。
上記の各実施形態に係る受台50、51、52、53を含むシリンダ支持装置5では、以下のような起伏シリンダの支持方法が可能となる。以下では、受台50を例として当該支持方法について説明する。当該方法は、上部旋回体11を含む機械本体と、左右方向に延びる回動中心軸周りに回動可能なように前記機械本体に着脱可能に支持されるブームフット13Sを含むブーム13と、筒状のシリンダ外周面14Pを含みブーム13を前記回動中心軸周りに起伏させるように伸縮可能な起伏シリンダ14と、を有する作業機械において、起伏シリンダ14をブーム13から切り離し前記機械本体によって支持するための、作業機械の起伏シリンダの支持方法である。
当該支持方法は、準備工程と、受台設置工程と、シリンダ支持工程とを有する。
準備工程では、起伏シリンダ14を支持可能な受台(シリンダ受台)として、上下方向に延びる受台中心線50Cと、前後方向から見て受台中心線50Cの左右両側で当該受台中心線50Cに向かって先下がりにそれぞれ傾斜する左右一対の傾斜面(左傾斜面50S1、右傾斜面50S2)を含み起伏シリンダ14を支持することか可能なシリンダ支持面50Sと、上下方向においてシリンダ支持面50Sとは反対側に配置される底面部504(摺動面)とを有する受台50を準備する。
また、受台設置工程では、起伏シリンダ14が前記機械本体に対して起立した状態で、前記機械本体のうち起伏シリンダ14の下方に位置する設置面150に底面部504が載置されるように受台50を設置する。
また、シリンダ支持工程では、起伏シリンダ14を前記機械本体に対して倒伏させながら起伏シリンダ14のシリンダ外周面14Pを前記一対の傾斜面うちの一方の傾斜面に当接させ、起伏シリンダ14の荷重によって前記一方の傾斜面を左右方向に押圧することでシリンダ中心線14Cと受台中心線50Cとが近づくように受台50を設置面150に対して左右方向に相対的に摺動させ、シリンダ支持面50Sによって起伏シリンダ14を支持する。
このような方法によれば、起伏シリンダ14をブーム13から切り離し上部旋回体11によって支持する際に、起伏シリンダ14がシリンダ支持面50Sの傾斜面を押圧する力を利用して受台50を左右に移動させることができる。このため、シリンダ外周面14Pおよび上部旋回体11の設置面150における損傷および塗装剥がれを防止しながら、シリンダ中心線14Cと受台中心線50Cとを近づけて、起伏シリンダ14を安定して支持することができる。
また、先の第1実施形態に係る受台50を用いた場合、当該支持方法における前記準備工程は、受台50として木材によって一体で構成されたものを準備することを含む。また、前記シリンダ支持工程は、前記木材の表面によって構成される前記一方の傾斜面を起伏シリンダ14の荷重によって左右方向に押圧することで、受台中心線50Cが起伏シリンダ14のシリンダ中心線14C(中心)に近づくように、前記木材の表面によって構成される底面部504を設置面150に対して左右方向に摺動させることを含む。
このような方法によれば、起伏シリンダ14をブーム13から切り離し上部旋回体11によって支持する際に、木材の表面性(滑らかさ)を利用して、受台50の底面部504がウインチフレーム15Sの設置面150に対してスムーズに摺動することができる。この結果、起伏シリンダ14に対する受台50の相対変位を容易に抑制し、シリンダ外周面14Pの損傷や塗装剥がれが更に防止されるとともに、設置面150の損傷や塗装剥がれが更に防止される。また、シリンダ支持面50Sにおける木材の特性を利用してシリンダ外周面14Pが受ける力を弱めることができるため、シリンダ外周面14Pの損傷および塗装剥がれを更に防止することができる。
また、前記準備工程は、受台50として、無垢材によって一体で構成されたものを準備することを含む。
このような方法によれば、受台50が集成材によって構成される場合と比較して、受台50の剛性を高めることが可能となり、起伏シリンダ14をブーム13から切り離し上部旋回体11によって支持する際に受台50の破損を防止することができる。
また、前記準備工程は、受台50として、少なくともシリンダ支持面50Sにおいて前記無垢材の木目が左右方向に沿って延びているものを準備することを含む。
このような方法によれば、無垢材の木目が左右方向に沿って延びているため、シリンダ支持面50Sに割れが生じた場合であっても、前後に割れたシリンダ支持面50Sによって起伏シリンダ14を支持することが可能となる。このため、木目が前後方向に延びている場合と比較して、起伏シリンダ14が受台50から脱落することが防止される。
また、先の第2実施形態に係る受台51を用いた場合、上記の支持方法における前記準備工程は、受台として、シリンダ支持面51Sの下方に配置される受台本体510と、左右方向に間隔をおいて配置され前後方向に延びる回転中心軸周りに回転可能なように前記受台本体510にそれぞれ支持され摺動面514を構成する外周面を含む複数の摺動ローラー513とを有するものを準備することを含む。また、前記シリンダ支持工程は、起伏シリンダ14の荷重によって前記一方の傾斜面を左右方向に押圧することで、受台中心線50Cとシリンダ中心線14Cとが近づくように複数の摺動ローラー513を設置面150上で左右方向に転動させることを含む。
このような方法によれば、複数の摺動ローラー513が設置面150に沿って転動することで、起伏シリンダ14に対する受台51の相対変位を容易に抑制し、シリンダ外周面14Pの損傷や塗装剥がれが更に防止される。また、各摺動ローラー513が設置面150の同じ部分にそれぞれ強く当接することがなく、設置面150の損傷や塗装剥がれが防止される。
また、上記の各実施形態に係る受台50、51、52、53を含むシリンダ支持装置5では、以下の作業機械の輸送方法が可能となる。当該輸送方法は、シリンダ固定工程と、輸送工程とを有する。シリンダ固定工程では、上記の何れかの作業機械の起伏シリンダ支持方法を用いて前記受台を介して起伏シリンダ14を前記機械本体で支持するとともに、起伏シリンダ14のうち少なくとも前記受台よりも先端側の部分をシリンダ固定ベルト60(固定具)によって前記機械本体に固定する。また、輸送工程は、前記機械本体を輸送車両などの輸送移動体によって輸送する工程であって、起伏シリンダ14の横揺れによってシリンダ外周面14Pが前記一方の傾斜面を左右方向に押圧することに伴って前記受台が設置面150上を左右方向に摺動することで、起伏シリンダ14に対する前記受台の相対変位を抑制しながら、前記機械本体を輸送する。
このような方法によれば、起伏シリンダ14をブーム13から切り離し上部旋回体11とともに輸送する際に、輸送時の横揺れによって起伏シリンダ14がシリンダ支持面50Sの傾斜面を押圧する力を利用して受台50を左右に移動させることができる。このため、起伏シリンダ14に対する受台50の左右方向における相対変位を容易に抑制し、シリンダ外周面14Pおよび上部旋回体11の設置面150における損傷および塗装剥がれを防止しながら、起伏シリンダ14および上部旋回体11(機械本体)を安全に輸送することができる。
以上、本発明の実施形態に係る作業機械の起伏シリンダ支持装置および作業機械の起伏シリンダ支持方法、作業機械の輸送方法についてそれぞれ説明した。なお、本発明はこれらの形態に限定されるものではない。本発明は、例えば以下のような変形実施形態を取ることができる。
(1)上記の実施形態では、本発明に係る作業機械の一例として、図1に示されるクレーン1を例に説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。作業機械は、クレーン以外の掘削機、破砕機、昇降機などでもよい。
(2)また、上記の第1実施形態では、受台50が無垢材からなる態様にて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。受台50は、集成材からなるものでもよい。この場合、集成材を構成するための接着剤は風雨、温度変化などに対して耐性があることが望ましい。
(3)また、上記の第2実施形態では、受台51が一対の位置決めローラー51Tを有する態様にて説明したが本発明はこれに限定されるものではない。受台51は、第1実施形態と同様に位置決め突起50Tを有するものでもよい。
(4)上記の実施形態では、受台50のシリンダ支持面50Sが円弧面(湾曲面)から構成される態様にて説明したが本発明はこれに限定されるものではない。シリンダ支持面50Sの左傾斜面50S1、右傾斜面50S2はそれぞれ平面でもよいし、互いに異なる中心を有する円弧面(湾曲面)でもよい。また、左傾斜面50S1と右傾斜面50S2との間でシリンダ外周面14Pを支持する部分は水平な平面でもよい。また、このような水平な平面を備えることなく、左傾斜面50S1と右傾斜面50S2とによって起伏シリンダ14を支持するものでもよい。
(5)また、上記の実施形態では、本発明に係る荷重受け部としてウインチフレーム15Sをもって説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。前述のように上部旋回体11の旋回フレーム11Sやウエイトなどの他の部分が荷重受け部を構成するものでもよい。
1 クレーン(作業機械)
10 下部走行体
11 上部旋回体(機械本体)
11S 旋回フレーム
12 キャブ
13 ブーム
13S ブームフット(ブーム基端部)
14 起伏シリンダ
141 シリンダロッド
142 シリンダ本体
14C シリンダ中心線
14P シリンダ外周面
14S シリンダ基端部
14T シリンダ先端部
15 ウインチ
150 設置面(載置面)
150T 設置側面(側面)
15S ウインチフレーム(荷重受け部)
15T ウインチ装着部
161 縦板
162 横板(載置面、荷重受け部)
5 シリンダ支持装置
50、51、52、53 受台(シリンダ受台)
504 底面部(摺動面)
505 上面部
50C 受台中心線
50M 把持部
50P 受入部
50S、51S、52S シリンダ支持面
50S1 左傾斜面(傾斜面)
50S2 右傾斜面(傾斜面)
510、520 受台本体
510L 本体下面部
511、521 上摺動部
513 摺動ローラー(ローラー)
51S シリンダ支持面
50T 位置決め突起
50T1 突起当接面(当接面)
51J ローラー支持部
51M 把持部
51T 位置決めローラー(補助ローラー)
522 下摺動部
100 補助クレーン
101 ロープ
P 連結ピン

Claims (19)

  1. 機械本体と左右方向に延びる回動中心軸周りに回動可能なように前記機械本体に着脱可能に支持されるブーム基端部を含むブームとを有する作業機械に備えられる起伏シリンダ支持装置であって、
    円筒状のシリンダ外周面と前記機械本体に左右方向に延びる回動中心軸周りに回動可能に支持されるシリンダ基端部と前記ブームのうち前記ブーム基端部よりも先端側の部分に左右方向に延びる回動中心軸周りに回動可能かつ着脱可能に接続されるシリンダ先端部とを有し、前記ブームを起伏させるように伸縮可能な起伏シリンダと、
    上方を向く載置面を含み、前記起伏シリンダの下方において前記機械本体の一部を構成し前記起伏シリンダの荷重を受けることが可能な荷重受け部と、
    前記荷重受け部の前記載置面に着脱可能に載置され、前記シリンダ基端部を中心に倒伏した前記起伏シリンダを支持することが可能なシリンダ受台と、
    を備え、
    前記シリンダ受台は、
    上下方向に延びる受台中心線と、
    前後方向から見て前記シリンダ外周面を上方から受け入れ可能なように下方に向かって凸状の受入部を画定する左右一対の傾斜面であって前記受台中心線の左右両側で当該受台中心線に向かって先下がりにそれぞれ傾斜するとともに前記シリンダ外周面にそれぞれ当接可能な左右一対の傾斜面を含み、前記起伏シリンダを支持することが可能なシリンダ支持面と、
    上下方向において前記シリンダ支持面とは反対側に配置されるとともに前記荷重受け部の前記載置面に当接して載置され、前記載置面に対して左右方向に移動することが可能な被載置部と、を有していて、
    前記シリンダ支持面に支持された起伏シリンダが、前後方向から見て当該起伏シリンダの中心が前記受台中心線上に位置するような配置状態から、左右方向のいずれか一方側に移動することにより当該起伏シリンダの中心が前記受台中心線から該一方側にずれた場合に、当該起伏シリンダの前記シリンダ外周面が前記左右一対の傾斜面うちの前記一方の傾斜面を該一方側に押圧することで当該傾斜面に作用する該一方側に向かう荷重により、前記シリンダ受台が前記起伏シリンダの移動側である前記一方側に移動するように、前記被載置部が前記載置面に対して左右方向の前記一方側に移動するように構成されている、作業機械の起伏シリンダ支持装置。
  2. 機械本体と左右方向に延びる回動中心軸周りに回動可能なように前記機械本体に着脱可能に支持されるブーム基端部を含むブームとを有する作業機械に備えられる起伏シリンダ支持装置であって、
    円筒状のシリンダ外周面と前記機械本体に左右方向に延びる回動中心軸周りに回動可能に支持されるシリンダ基端部と前記ブームのうち前記ブーム基端部よりも先端側の部分に左右方向に延びる回動中心軸周りに回動可能かつ着脱可能に接続されるシリンダ先端部とを有し、前記ブームを起伏させるように伸縮可能な起伏シリンダと、
    上方を向く載置面を含み、前記起伏シリンダの下方において前記機械本体の一部を構成し前記起伏シリンダの荷重を受けることが可能な荷重受け部と、
    前記荷重受け部の前記載置面に着脱可能に載置され、前記シリンダ基端部を中心に倒伏した前記起伏シリンダを支持することが可能なシリンダ受台と、
    を備え、
    前記シリンダ受台は、
    上下方向に延びる受台中心線と、
    前後方向から見て前記シリンダ外周面を上方から受け入れ可能なように下方に向かって凸状の受入部を画定する左右一対の傾斜面であって前記受台中心線の左右両側で当該受台中心線に向かって先下がりにそれぞれ傾斜するとともに前記シリンダ外周面にそれぞれ当接可能な左右一対の傾斜面を含み、前記起伏シリンダを支持することが可能なシリンダ支持面と、
    上下方向において前記シリンダ支持面とは反対側に配置され前記荷重受け部の前記載置面に当接して載置され、前記載置面に対して左右方向に移動することが可能な被載置部と、を有していて、
    前記起伏シリンダが、前記シリンダ基端部を中心に前記シリンダ受台の上方から倒伏することで前記シリンダ外周面が前記シリンダ支持面に当接する際に、前後方向から見て当該起伏シリンダの中心が前記受台中心線から左右方向のいずれか一方側に位置ずれした状態にある場合に前記シリンダ外周面が前記左右一対の傾斜面うちの前記一方の傾斜面を下方に押圧することで当該傾斜面が受ける荷重の前記一方側に向かう分解荷重により、前記シリンダ受台が前記起伏シリンダの中心の位置ずれ側である前記一方側に移動して前後方向から見て前記受台中心線が前記起伏シリンダの中心に近づくように、前記被載置部が前記載置面に対して左右方向の前記一方側に移動するように構成されている、作業機械の起伏シリンダ支持装置。
  3. 前記シリンダ受台の前記左右一対の傾斜面は下方に向かって凸状の湾曲面からそれぞれ構成される、請求項1又は2に記載の作業機械の起伏シリンダ支持装置。
  4. 前記湾曲面は、前後方向から見て前記起伏シリンダの半径よりも大きな曲率半径を有する曲面である、請求項に記載の作業機械の起伏シリンダ支持装置。
  5. 前記荷重受け部は、前記載置面の前後方向の一端部から下方に延びるように当該一端部に接続される側面を更に有し、
    前記シリンダ受台は、前記被載置部よりも下方に配置され、前記荷重受け部の前記側面に当接することで前後方向のうちの一の方向において前記シリンダ受台を前記荷重受け部に対して位置決めする当接を更に有し、
    前記当接は、前記シリンダ受台が前記一方側に移動する際に、前記側面に対して当接しながら左右方向の前記一方側動することが可能である、請求項1乃至の何れか1項に記載の作業機械の起伏シリンダ支持装置。
  6. 前記シリンダ受台は、木材によって一体で構成されている、請求項1乃至5の何れか1項に記載の作業機械の起伏シリンダ支持装置。
  7. 前記シリンダ受台は、無垢材によって一体で構成されている、請求項6に記載の作業機械の起伏シリンダ支持装置。
  8. 前記シリンダ受台のうちの少なくとも前記シリンダ支持面において前記無垢材の木目が左右方向に沿って延びている、請求項7に記載の作業機械の起伏シリンダ支持装置。
  9. 前記シリンダ受台は、
    前記シリンダ支持面の下方に配置される受台本体と、
    左右方向に間隔をおいて配置され、前後方向に延びる回転中心軸周りに回転可能なように前記受台本体にそれぞれ支持され、且つ、前記載置面に対して転動しながら左右方向に移動することが可能な前記被載置部としての複数のローラーと、
    を更に有していて
    前記シリンダ受台が前記一方側に移動する際に、前記複数のローラーが前記載置面に対して転動しながら左右方向の前記一方側動するように構成されている、請求項1乃至の何れか1項に記載の作業機械の起伏シリンダ支持装置。
  10. 前記荷重受け部は、前記載置面の前後方向の一端部から下方に延びるように当該一端部に接続される側面を更に有し、
    前記シリンダ受台は、前記被載置部よりも下方に配置され、前記荷重受け部の前記側面に当接することで前後方向のうちの一の方向において前記シリンダ受台を前記荷重受け部に対して位置決めする当接を更に有し、
    前記当接は、前記シリンダ受台が前記一方側に移動する際に、前記側面に対して当接しながら左右方向の前記一方側動することが可能である、請求項に記載の作業機械の起伏シリンダ支持装置。
  11. 前記シリンダ受台は、
    上下方向に延びる回転中心軸周りに回転可能なように前記受台本体にそれぞれ支持され、前記側面に当接しながら転動して左右方向に移動可能な前記当接部としての複数の補助ローラーを含んでいて
    前記シリンダ受台が前記一方側に移動する際に、前記複数の補助ローラーが前記側面に対して転動しながら左右方向の前記一方側動するように構成されている、請求項10に記載の作業機械の起伏シリンダ支持装置。
  12. 前記シリンダ支持面は、樹脂材料によって構成されている、請求項8乃至11の何れか1項に記載の作業機械の起伏シリンダ支持装置。
  13. 前記シリンダ支持面および前記被載置部における前記載置面と当接する面は、それぞれ樹脂材料によって構成されている、請求項1乃至4の何れか1項に記載の作業機械の起伏シリンダ支持装置。
  14. 機械本体と左右方向に延びる回動中心軸周りに回動可能なように前記機械本体に着脱可能に支持されるブーム基端部を含むブームと筒状のシリンダ外周面を含み前記ブームを前記回動中心軸周りに起伏させるように伸縮可能な起伏シリンダとを有する作業機械において、前記起伏シリンダを前記ブームから切り離し前記機械本体によって支持するための、作業機械の起伏シリンダ支持方法であって、
    前記起伏シリンダを支持可能なシリンダ受台として、上下方向に延びる受台中心線と、前後方向から見て前記受台中心線の左右両側で当該受台中心線に向かって先下がりにそれぞれ傾斜する左右一対の傾斜面を含み前記起伏シリンダを支持することか可能なシリンダ支持面と、上下方向において前記シリンダ支持面とは反対側に配置される被載置部とを有するものを準備する準備工程と、
    前記起伏シリンダが前記機械本体に対して起立した状態で、前記機械本体のうち前記起伏シリンダの下方に位置する載置面に前記被載置部が載置されるように、且つ、前後方向から見て前記起伏シリンダの中心が前記シリンダ受台の前記受台中心線に対して左右方向のいずれか一方側にずれた位置ずれ状態となるように当該シリンダ受台を設置する受台設置工程と、
    前記位置ずれ状態において、前記起伏シリンダを前記機械本体に対して倒伏させながら前記起伏シリンダの前記シリンダ外周面を前記シリンダ受台における前記左右一対の傾斜面うちの前記一方の傾斜面に上側から当接させ、該当接に伴い当該傾斜面に作用する前記起伏シリンダからの荷重の前記一方側に向かう分解荷重により、前記シリンダ受台が該一方側に移動して前後方向から見て前記受台中心線が前記起伏シリンダの中心に近づくように前記シリンダ受台の前記被載置部を前記機械本体の前記載置面に対して左右方向に移動させ、前記シリンダ支持面によって前記起伏シリンダを支持するシリンダ支持工程と、
    を備える、作業機械の起伏シリンダ支持方法。
  15. 前記準備工程にて準備される前記シリンダ受台は、木材によって一体で構成されている、請求項1に記載の作業機械の起伏シリンダ支持方法。
  16. 前記準備工程にて準備される前記シリンダ受台は、無垢材によって一体で構成されたものを準備することを含む、請求項1に記載の作業機械の起伏シリンダ支持方法。
  17. 前記準備工程は、前記シリンダ受台として、少なくとも前記シリンダ支持面において前記無垢材の木目が左右方向に沿って延びているものを準備することを含む、請求項1に記載の作業機械の起伏シリンダ支持方法。
  18. 前記準備工程は、前記シリンダ受台として、前記シリンダ支持面の下方に配置される受台本体と、左右方向に間隔をおいて配置され前後方向に延びる回転中心軸周りに回転可能なように前記受台本体にそれぞれ支持され前記被載置部を構成する複数のローラーとを有するものを準備することを含み、
    前記シリンダ支持工程において、前記シリンダ受台の前記被載置部を前記機械本体の前記載置面に対して左右方向に移動させる際には、前記複数のローラーを前記載置面に対して転動させながら左右方向に移動させる、請求項1に記載の作業機械の起伏シリンダ支持方法。
  19. 請求項13乃至1の何れか1項に記載の作業機械の起伏シリンダ支持方法を用いて前記シリンダ受台を介して前記起伏シリンダを前記機械本体で支持するとともに、前記起伏シリンダのうち少なくとも前記シリンダ受台よりも先端側の部分を所定の固定具によって前記機械本体に固定するシリンダ固定工程と、
    前記起伏シリンダを支持した前記機械本体を輸送車両によって輸送する輸送工程であって、前記起伏シリンダの横揺れによって前記シリンダ外周面が前記左右一対の傾斜面のうち左右方向のいずれか一方の傾斜面を該一方側に押圧することに伴って前記シリンダ受台が前記載置面に対して該一方側動することで、前記起伏シリンダに対する前記シリンダ受台の左右方向の相対変位を抑制しながら、前記機械本体を輸送する輸送工程と、
    を備える、作業機械の輸送方法。
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