JP6348471B2 - 移動式クレーンの組立方法および分解方法 - Google Patents

移動式クレーンの組立方法および分解方法 Download PDF

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Description

本発明は、移動式クレーンの組立方法および分解方法に関する。
走行体と、旋回体と、旋回体に回動可能に支持された多段式ブームとを備えるクレーンが知られている(特許文献1参照)。
特開2006−137558号公報
移動式クレーンを輸送する場合、輸送の制約上、旋回体とブームとに分解されて輸送されることがある。この場合には、旋回体とブームとがそれぞれ作業現場に搬入された後、ブームが再び旋回体に取り付けられる。上述した特許文献に記載のクレーンでは、旋回体からブームを取り外す輸送前の分解作業時や、旋回体にブームを取り付ける輸送後の組立作業時に、大型の補助クレーンでブームを吊る必要がある。大型の補助クレーンを配置するため、旋回とブームとの分解組立時に広い占有スペースを必要としている。
本発明に係る移動式クレーンの組立方法は、走行体と、走行体上に旋回可能に設けられる旋回体と、旋回体にフートピンを支点として起伏装置により起伏可能に取り付けられる多段式ブームとを備える移動式クレーンの組立方法であって、輸送車両の荷台に載置された多段式ブームの伸縮用アクチュエータに圧油を供給することで、多段式ブームの基端部が旋回体に接近するように多段式ブームを伸長させる工程と、多段式ブームの基端部を旋回体に設けられた基端側吊装置により吊り上げ、かつ、多段式ブームの先端部を輸送車両の荷台に設けられた先端側吊装置により吊り上げた状態で、多段式ブームのピン挿入孔と、旋回体のピン挿入孔にフートピンを挿入する工程と、起伏装置により、多段式ブームをフートピンを支点として起立させて輸送車両の荷台から離間させる工程と、を含む。
本発明によれば、ブームを吊るための大型の補助クレーンが不要となるので、大型の補助クレーンを配置するための広い占有スペースが不要となる。
クレーンの側面図。 ブームが取り外された状態のクレーンの斜視図。 (a)はブームが載置された状態のトレーラを示す斜視図、(b)はブームが載置されていない状態のトレーラを示す斜視図。 ベースブームの基端近傍を示す図。 前側ブーム輸送用架台のブーム固定部に固定されたブームヘッドを示す斜視図。 基端側吊装置の斜視図。 メインフレームにおける支持台の取付部およびブームにおけるチェーンブロックの取付部について説明する図。 基端側吊装置をクレーンの右側から見た図。 基端側吊装置をクレーンの前側から見た図。 基端側吊装置を構成する各構成部品を示す分解斜視図。 ブームの先端部を吊った状態の先端側吊装置の斜視図。 先端側吊装置をクレーンの前側から見た図。 先端側吊装置の斜視図。 先端側吊装置を構成する各構成部品を示す分解斜視図。 先端側吊装置を補助クレーンで吊りあげた状態の斜視図。 クレーンの組立手順を示すフローチャート。 クレーン本体とブームの組み立て作業を説明する図。 クレーン本体とブームの組み立て作業を説明する図。 (a)は軸支持部に軸固定リンクが取り付けられた状態のブーム固定部を示す側面図、(b)は軸支持部から軸固定リンクが取り外された状態のブーム固定部を示す側面図。 (a)は軸支持部に軸固定リンクが取り付けられた状態のブーム固定部を示す斜視図、(b)は軸支持部から軸固定リンクが取り外された状態のブーム固定部を示す斜視図。 クレーンの分解手順を示すフローチャート。 変形例2に係る先端側吊装置の模式図。 変形例3に係る先端側吊装置の模式図。
以下、図面を参照して、本発明に係る移動式クレーンの組立方法および分解方法の一実施の形態について説明する。
図1は移動式クレーン(以下、単にクレーン10と記す)の側面図であり、図2はブーム4が取り外された状態のクレーン10の斜視図である。図3(a)はブーム4が載置された状態のトレーラ90を示す斜視図であり、図3(b)はブーム4が載置されていない状態のトレーラ90を示す斜視図である。なお、図1では、荷物を吊るためのフックや、フックとクレーン本体11に設けられるウインチに接続されるフックロープについての図示を省略している。また、図2では、説明の便宜上、走行体1および運転室(キャブ)の図示を省略し、図3では、トラクターヘッドの図示を省略している。以下では、図示するように、ブーム4を倒伏させた姿勢において、クレーン10の上下および前後、左右方向を規定する。
図1に示すように、クレーン10は、クレーン本体11と、クレーン本体11の旋回体3に起伏可能に取り付けられるブーム4とを備えている。クレーン本体11は、走行体1と、旋回輪を介して走行体1の上部に旋回可能に設けられた旋回体3とを備えている。走行体1は、トラックフレーム(不図示)と、トラックフレームの左右両側に設けられたサイドフレーム1aとを有し、サイドフレーム1aには無限軌道履帯(クローラベルト)1bが装着されている。
図2に示すように、旋回体3は、メインフレーム3aを備え、メインフレーム3aに矩形箱状の建屋カバー80が固着されている。メインフレーム3aには、複数のウインチ(不図示)が搭載される。
メインフレーム3aには、ブーム4を回動可能に軸支する左右一対のブーム取付部31が設けられている。各ブーム取付部31は、フートピン81を支持する部分であり、各ブーム取付部31には、フートピン81が挿入されるフートピン挿入孔31aが左右方向に延在するように設けられている。フートピン81は、ブーム4をメインフレーム3aのブーム取付部31で回動可能に軸支する軸状部材である。メインフレーム3aには、ブーム4を起伏する起伏装置を構成する油圧シリンダ(以下、ブームシリンダ7と記す)が取り付けられている。
図3(a)に示すように、ブーム4は、多段式ブーム、すなわち、伸縮可能なテレスコピックブームである。ブーム4は、基端側のブームおよび基端側のブームに対して伸縮可能な先端側のブームの少なくとも2段の多段式ブームである。ブーム4は、多段式ブームの基端側のブームであって最も外側に位置する外筒であるベースブーム41と、ベースブーム41の内周側に長さ方向に伸縮可能(移動可能)に収容された複数段の内筒45とを有する。ベースブーム41の基端には、フートピン81が挿入されるフートピン挿入孔41aが左右方向に延在するように設けられている。ブーム取付部31のフートピン挿入孔31a(図2参照)およびベースブーム41のフートピン挿入孔41a(図3(a)参照)にフートピン81が挿入されると、図1に示すように、旋回体3のメインフレーム3aに、フートピン81を支点としてブームシリンダ7により起伏可能にブーム4が取り付けられる。
ベースブーム41の腹面、すなわち、倒伏させたベースブーム41における地面と対向する面には、ブームシリンダ7のシリンダロッドの先端部74(図2参照)が取り付けられるシリンダロッド取付部42が設けられている。シリンダロッド取付部42には、シリンダピンが挿入されるシリンダピン挿入孔42a(図3(a)参照)が設けられている。
図2に示すように、ブームシリンダ7のシリンダロッドの先端部74には、シリンダピンを挿入するためのシリンダピン挿入孔74aが設けられている。シリンダピンは、シリンダロッド取付部42とブームシリンダ7のシリンダロッドの先端部74とを接続するための軸状部材であり、シリンダピン挿入孔42aおよびシリンダピン挿入孔74aに挿入される。
図3(a)に示すように、複数段の内筒45のうち、最も先端側に位置する内筒45の先端部分であるブームヘッド46には、不図示の巻き上げロープが巻掛けられる複数のシーブが設けられている。ブームヘッド46の背面側(上側)には、ガイドシーブ47が配設されている。ガイドシーブ47を支持する支軸47aは、両端がブームヘッド46の両側にそれぞれ突出するように設けられている。ブームヘッド46の腹面側(下側)には、トップシーブ48(図1参照)が配設されている。トップシーブ48を支持する支軸48aは、両端がブームヘッド46の両側にそれぞれ突出するように設けられている。各支軸47a,48aは、ブームヘッド46に固定されている。ブームヘッド46の前側には、補助フックシーブ49が配設されている。補助フックシーブ49は、トップシーブ48よりも前方の位置で、ブームヘッド46に固定された支持部材により支持されている。
図3(a)に示すように、ブーム4の基端部における左右両端部には、一対の吊り具ブラケット141が設けられている。吊り具ブラケット141は、ブーム4の基端部に固着される固着部と、ブーム4の上面(背面)から上方に突出する三角形状の突出部とを備えている。突出部は、平板状であり、頂部近傍に、後述するチェーンブロック50の下フック50dに取り付けられるシャックル59のボルト(図6参照)が挿通されるボルト挿通孔141aが設けられている。
図4は、ベースブーム41の基端近傍を示す図である。図4(a)は基端側から見たベースブーム41の基端近傍の断面図であり、図4(b)はベースブーム41の基端近傍を側方から見た図である。図4では、図1の姿勢と同じように、ブーム4の延在方向が水平となるように、ブーム4を倒伏させた状態を示している。
ブーム4には、最も基端側に位置する内筒45をベースブーム41に対して伸縮させるための油圧シリンダ70や、隣接する内筒45同士を互いに伸縮させるための油圧シリンダ71,72が設けられている。各油圧シリンダ70〜72には、ブーム4を伸縮するためにクレーン本体11から油圧ホース(不図示)を介して圧油が供給される。ベースブーム41の基端近傍には、油圧ホース(不図示)の接続部76が設けられており、クレーン作業時には接続部76に接続される油圧ホース(不図示)を介して、クレーン本体11の油圧源から圧油が供給される。
本実施の形態のブーム4では、後述するように、クレーン本体11とブーム4との分解時、および組み立て時にベースブーム41を伸縮させる。その際、クレーン本体11の油圧源(不図示)から分解組立専用の油圧ホース(不図示)を介して圧油が油圧シリンダ70〜72に供給される。そのため、ベースブーム41の基端近傍には、上述した接続部76とは異なる、分解組立専用の油圧ホース(不図示)を接続する接続部77が設けられている。接続部77は、油圧シリンダ70〜72を伸長させるための圧油を供給する接続部77aと、油圧シリンダ70〜72を縮退させるための圧油を供給する接続部77bとを有する。
ところで、クレーン10では、輸送上の重量や長さ等の制約から、クレーン本体11とブーム4とに分解されて、それぞれ別々に輸送され、作業現場で組み立てられる。
図3(b)に示すように、輸送車両であるトレーラ90には、ブーム輸送用固定装置100が設けられている。ブーム輸送用固定装置100は、前側ブーム輸送用架台101Aと、後側ブーム輸送用架台101Bと、前側ブーム輸送用架台101Aと後側ブーム輸送用架台101Bとを連結する架台連結部材101Cとを備えている。前側ブーム輸送用架台101Aにはブーム固定部110が設けられ、後側ブーム輸送用架台101Bには前側ブームスライド部120Aおよび後側ブームスライド部120Bが設けられている。前側ブーム輸送用架台101Aおよび後側ブーム輸送用架台101Bは、それぞれトレーラ90の荷台91に載置されて、たとえばワイヤロープなどによって荷台91に固定される。
図5は、図3のブーム4の先端側を拡大して示す斜視図であり、前側ブーム輸送用架台101Aのブーム固定部110に固定されたブームヘッド46を示している。図5に示すように、ブーム固定部110は、ブームヘッド46を前側ブーム輸送用架台101Aに固定するための固定部であり、左右一対の軸支持部111と、左右一対の軸支持部111のそれぞれに取り付けられる軸固定リンク112とを備えている。左右一対の軸支持部111は、同様の形状とされている。軸支持部111は、ブームヘッド46の両側面から突出する支軸48aの延在方向、すなわち、クレーン10の左右方向となるブーム4の幅方向の外側に位置するように配設されている。
軸支持部111の上端部には、ブームヘッド46の側方から突出した支軸48aを下方から受けて支持するように、前後方向の中央近傍が低くなっている軸受け凹部111a(図14参照)が形成されている。図14に示すように、軸支持部111の軸受け凹部111aの前後側面を構成する前後両側の側板には、固定ピン113が挿通される挿通孔が設けられている。この挿通孔に固定ピン113が挿通されると、固定ピン113により軸固定リンク112が軸支持部111に固定される。
軸固定リンク112は、軸支持部111の上部に取り付けられて、軸支持部111の軸受け凹部111aとの間で支軸48aを挟持する板状の部材である。軸固定リンク112の前後両側端部には、上述した固定ピン113が挿通される挿通孔が設けられている。
軸固定リンク112の下端にはプラスチック製の当て板114が設けられ、軸受け凹部11aの底面にはプラスチック製の当て板115(図19(a)参照)が設けられている。つまり、支軸48aは、当て板114,115を介して、軸受け凹部111aと軸固定リンク112とにより挟まれた状態で固定されている。
図5に示すように、ブーム固定部110は、軸固定リンク112が固定ピン113によって軸支持部111の上部に固定されると、軸支持部111の軸受け凹部111aと軸固定リンク112との間で支軸48aが保持され(図19(a)参照)、ブームヘッド46が固定される。
上述したように、支軸48aは、当て板114,115を介して軸受け凹部111a(図19(a)参照)と軸固定リンク112とによって固定されているが、金属製の支軸48aとプラスチック製の当て板114,115との間の摩擦係数は、当て板114,115を金属製とした場合の摩擦係数に比べて小さい。このため、支軸48aは、当て板114,115の表面上を滑ることで回動可能であり、ブームヘッド46は、当て板114と当て板115とに挟持された支軸48aを中心に回動可能である。すなわち、ブームヘッド46の支軸48aがブーム固定部110で固定されていても、支軸48aを中心としたベースブーム41の揺動が許容されている。
図3(b)に示すように、前側ブームスライド部120Aおよび後側ブームスライド部120Bは、後側ブーム輸送用架台101B上において、前後方向に離間して設けられている。
前側ブームスライド部120Aと後側ブームスライド部120Bは、同じ構造とされ、それぞれスライドローラ127を備えている。スライドローラ127は、ベースブーム41の腹面に当接して前後方向に滑動可能にブーム4を支持する。前側ブームスライド部120Aおよび後側ブームスライド部120Bは、それぞれ前後方向に延在するように配設されるピン125を回動支点として、スライドローラ側(上側)のフレームが、架台側(下側)のフレームに対して回動し、左右外側に開く構成とされている。このような構成とすることで、スライドローラ127上でブーム4を伸縮する際に、適宜、ブーム4の構成部材との干渉を避けることができる。
図3(a)に示すように、ブーム輸送用固定装置100に搭載されたブーム4は、後述する組立方法により、旋回体3のメインフレーム3a(図2参照)に取り付けられる。図17に示すように、後述の組立方法において、ブーム4は、基端側吊装置5により基端部が吊り上げられ、先端側吊装置6により先端部が吊り上げられる。これにより、旋回体3に対するブーム4の位置の調整が容易となり、ブーム4を旋回体3に容易に接続することができる。
図6〜図10を参照して、基端側吊装置5について説明する。図6は基端側吊装置5の斜視図である。図7は、図6において、支持台51とチェーンブロック50の図示を省略した図であり、メインフレーム3aにおける支持台51の取付部およびブーム4におけるチェーンブロック50の取付部について説明する図である。図8は基端側吊装置5をクレーン10の右側から見た図であり、図9は基端側吊装置5をクレーン10の前側から見た図である。図10は、基端側吊装置5を構成する各構成部品を示す分解斜視図である。なお、基端側吊装置5を構成する各構成部品は、20kg未満となるように形成されている。
図6に示すように、メインフレーム3aには、ブーム4をメインフレーム3aに取り付ける際、あるいは、メインフレーム3aからブーム4を取り外す際に、ブーム4の基端部を吊り上げる基端側吊装置5が取り付けられている。基端側吊装置5は、ブーム4の基端部を昇降可能に吊り下げ支持する左右一対のチェーンブロック50L,50Rと、一対のチェーンブロック50L,50Rを支持する支持台51とを備えている。一対のチェーンブロック50L,50Rは、それぞれ独立して動作させることのできる構成とされている。以下、基端側吊装置5について詳細に説明する。
チェーンブロック50Lおよびチェーンブロック50Rは同様の構成とされ、以下、総称してチェーンブロック50と記す。チェーンブロック50は、支持台51への取付用の上フック50aと、本体50bと、ロードチェーン(不図示)と、ブーム4への取付用の下フック50dと、手鎖(不図示)とを備えた、周知の懸垂形のチェーンブロックである。図示しないが、本体50bには、ロードシーブ(ロードホイルともいう)と手鎖車(ハンドホイルともいう)とが同軸上に設けられている。
支持台51は、左右両側のそれぞれにおいて、逆V字状に開いた二本の支柱152を備えている。逆V字状に開いた二本の支柱152は、上端部において、支持ブラケット151によって連結されている。
図10に示すように、支持ブラケット151は、側面視で三角形状の平板状部材である。支持ブラケット151は、前後方向中央部において、U字状の凹部151cが形成されている。支持ブラケット151には、凹部151cの前後両側に所定の間隔X1をおいて、連結ピン155が挿通されるピン挿通孔151hが設けられている。
図6に示すように、一の支持ブラケット151によって固定される二本の支柱152の下端部は、支持台ブラケット135に固定されている。図7に示すように、支持台ブラケット135は、側面視で逆U字状の平板状部材であって、前後水平方向に延在する水平部135aと、水平部135aの前後両端部のそれぞれから下方に延在する取付部135bとを有している。支持台ブラケット135は、取付部135bがメインフレーム3aのブーム取付部31の上端面に溶接されている。水平部135aには、前後両側に所定の間隔X2をおいて、連結ピン156(図6および図10参照)が挿通されるピン挿通孔135hが設けられている。
図6に示すように、四本の支柱152のうち、後側に配置される左右一対の支柱152は、2本のサポートパイプ153と、斜材154とによって連結されている。図10に示すように、2本のサポートパイプ153のうちの一方は、左右一対の支柱152のそれぞれにおける上端部近傍に溶接され、2本のサポートパイプ153のうちの他方は、左右一対の支柱152のそれぞれにおける下端部近傍に溶接されている。2本のサポートパイプ153は、フートピン81の中心軸方向、すなわちブーム4の幅方向に対して平行に配置されている。
斜材154は、一端が右側に配置される支柱152の上端部近傍に溶接され、他端が左側に配置される支柱152の下端部近傍に溶接されている。サポートパイプ153と斜材154とによって後側の左右一対の支柱152が連結されると、各部品が一体とされた溶接構造物が形成される。この溶接構造物は、基端側吊装置5を構成する一構成部品であり、上述したように、質量が20kg未満とされている。
図10に示すように、支柱152の両端部には、二股形状の接続板を有する二股接続部が設けられている。支柱152の上端部に設けられる二股接続部(以下、上側二股接続部152Uと記す)には、支持ブラケット151が挿入される。支柱152の下端部に設けられる二股接続部(以下、下側二股接続部152Lと記す)には、支持台ブラケット135(図6および図7参照)が挿入される。
上側二股接続部152Uには、連結ピン155が挿通される円形状のピン挿通孔152hが設けられている。下側二股接続部152Lには、連結ピン156が挿通される円形状のピン挿通孔152hが設けられている。
連結ピン155を上側二股接続部152Uのピン挿通孔152hおよび支持ブラケット151のピン挿通孔151hに挿通することで、上側二股接続部152Uと支持ブラケット151とが連結される。なお、連結ピン155には、一端にピン挿通孔151h,152hよりも径が大きい端板が設けられ、他端に松葉ピンなどの止めピンが挿通される貫通孔が設けられている。
連結ピン156を下側二股接続部152Lのピン挿通孔152hおよび支持台ブラケット135のピン挿通孔135hに挿通することで、下側二股接続部152Lと支持台ブラケット135とが連結される。なお、連結ピン156には、一端にピン挿通孔135h,152hよりも径が大きい端板が設けられ、他端に松葉ピンなどの止めピンが挿通される貫通孔が設けられている。
図10に示すように、バー150は、円柱状の棒状部材である。バー150の円柱部150aの両端部には、凹部151cの前後幅寸法よりも長い直径を有する円環形状の脱落防止板150cが配置されている。脱落防止板150cから内側に所定距離離れた位置に、バー150の円柱部150aよりも径が大きい円環形状の位置決め板150dが設けられている。図9に示すように、左側の位置決め板150dの左側側面と、右側の位置決め板150dの右側側面との間の寸法Y1は、ブーム4の基端部の左右幅寸法Y2とほぼ同じになるように設定されている(Y1≒Y2)。
図6に示すように、バー150は左右両側の支持ブラケット151の凹部151c(図10参照)に載置されると、左右一対の支持ブラケット151によりバー150が水平に懸架される。バー150は、フートピン81の中心軸方向に対して平行となるように配置されている。
図8に示すように、連結ピン156のピン間距離である間隔X2は、連結ピン155のピン間距離である間隔X1に比べて大きく設定されており、四本の支柱152によって台形柱形状の配置空間が画成されている。間隔X1および間隔X2は、この配置空間に一対のチェーンブロック50R,50Lを配置したときに、サポートパイプ153や斜材154が一対のチェーンブロック50R,50Lの本体50bの後面に干渉するのを防止するために設定されている。
図9に示すように、右側のチェーンブロック50Rは、上フック50aが右側の位置決め板150dの右側面に接触するように配置される。左側のチェーンブロック50Lは、上フック50aが左側の位置決め板150dの左側面に接触するように配置される。これにより、バー150におけるチェーンブロック50の上フック50aを支持する点P1と、チェーンブロック50に取り付けられるシャックル59が吊り具ブラケット141を支持する点P2とを鉛直線上に位置させることができる。これにより、点P1と点P2とを鉛直線上に位置させることができない場合に比べて、チェーンブロック50に作用する負荷を低減することができるので、チェーンブロック50や支持台51を簡素な構造とすることができる。その結果、基端側吊装置5の製造コストを低減することができる。
図11〜図15を参照して、先端側吊装置6について説明する。図11はブーム4の先端部を吊った状態の先端側吊装置6の斜視図であり、図12は図11に示す先端側吊装置6をクレーン10の前側から見た図である。図13は先端側吊装置6の斜視図であり、図14は先端側吊装置6を構成する各構成部品を示す分解斜視図である。図15は、先端側吊装置6を補助クレーンで吊りあげた状態の斜視図である。
図11および図12に示すように、先端側吊装置6は、前側ブーム輸送用架台101Aに設けられた左右一対の取付枠120に取り付けられ、ワイヤースリング92およびレバーブロック(登録商標)93によりトレーラ90の荷台91に固縛されている。
図5に示すように、各取付枠120は、一対の縦板120aと、一対の縦板120a同士を連結する一対の横板120bとを有している。一対の縦板120a、および一対の横板120bは、それぞれ、前側ブーム輸送用架台101Aのベースに垂設されている。一対の縦板120aは前後上下方向に延在する平板状部材であって、一対の横板120bは左右上下方向に延在する平板状部材である。
一対の縦板120aと一対の横板120bで囲まれる平面視矩形状の領域は、後述する先端側吊装置6の支柱161が挿入される領域であり、矩形筒形状の支柱161に合わせた直方体形状の領域とされている。取付枠120に支柱161が挿入されると、取付枠120を構成する縦板120aと横板120bによって支柱161の前後左右方向の移動が規制され、先端側吊装置6が前側ブーム輸送用架台101Aに立設される。
図13および図14に示すように、先端側吊装置6は、昇降装置61と、昇降装置61を支持する門型フレーム160とを備えている。門型フレーム160は、上下方向に延在する左右一対の支柱161と、支柱161の上端部において左右一対の支柱161同士を接続する吊りビーム162と、昇降装置61の前後方向の移動を規制する前後一対の規制板163とを備えている。
各支柱161は、矩形筒形状とされている。各規制板163は、不等辺アングル鋼(L形鋼)であり、左右方向に延在するように、支柱161に溶接されている。各支柱161の前面に両端部が溶接された前側の規制板163と、各支柱161の後面に両端部が溶接された後側の規制板163とは、対向して配置されている。
吊りビーム162は、左右方向に延在する上面板162aと、上面板162aの前端部近傍および上面板162aの後端部近傍のそれぞれから下方に向かって延在する一対の平板162bとを有し、側面視断面形状が、下側を開口とするコ字状とされている。一対の平板162bは、前後方向に離間して配置されている。一対の平板162bは、中央に貫通孔が設けられており(図14参照)、この貫通孔に支持ピン166が挿着されている(図13参照)。
支持ピン166には、チェーンブロック60の上フック60aが取り付けられ、支持ピン166により昇降装置61が支持されている。なお、上フック60aは、吊りビーム162の下側の開口から挿入され、支持ピン166に吊り下げられる。昇降装置61は、チェーンブロック60と、チェーンブロック60の下フック60dが取り付けられる吊天秤66とを備えている。
図14に示すように、チェーンブロック60は、吊りビーム162への取付用の上フック60aと、本体60bと、ロードチェーン(不図示)と、吊天秤66への取付け用の下フック60dと、手鎖(不図示)とを備えた、周知の懸垂形のチェーンブロックである。図示しないが、本体60bには、ロードシーブ(ロードホイルともいう)と手鎖車(ハンドホイルともいう)とが同軸上に設けられている。
図13および図14に示すように、吊天秤66は、前後一対の平板状部材67aが複数のピンにより結合されてなる天秤本体67と、天秤本体67の左右両端部にシャックル69を介して吊り下げられた吊環68とを備えている。天秤本体67は、左右方向中央部に、下フック60dが取り付けられるピンが設けられている。左右一対のシャックル69は、天秤本体67の左右両端部に設けられたピンに接続されている。吊環68は、ガイドシーブ47の支軸47aが挿通される円形状の開口部68aが設けられ、開口部68aの上方にシャックル69のボルトが挿通される挿通孔が設けられている。
図13に示すように、天秤本体67の前後幅は、前後一対の規制板163間の寸法よりも僅かに小さい寸法とされている。吊りビーム162にチェーンブロック60を取り付けると、天秤本体67が一対の規制板163間に配置される。このため、天秤本体67が前後方向に移動することが規制板163によって規制され、昇降装置61の前後方向の揺動が規制される。
図14に示すように、上面板162aの左右端部のそれぞれには、ブラケット165が溶接されている。各ブラケット165の前後両端部には、シャックルを介してワイヤースリング92(計4本)が接続されている。
一対の支柱161の内側面には、内方に突出する保持片164が設けられている。保持片164は、シャックル69のボルトが挿通される挿通孔が設けられている。
作業現場まで別々に輸送されたクレーン本体11とブーム4とを組み立てる方法について説明する。以下の説明では、クレーン10の組み立て作業のうち、クレーン本体11へブーム4を取り付ける作業について説明する。図16は、クレーン10の組立手順を示すフローチャートである。図16に示すように、クレーン10の組立方法は、組立準備工程S100、基端側吊装置取付工程S110、ブーム・トレーラ位置合わせ工程S115、ブーム固定解除工程S120、油圧ホース接続工程S130、先端側吊装置取付工程S140、ブーム伸長工程S150、フートピン取付工程S160、吊装置等取外し工程S170、ブームシリンダ取付工程S180、および、ブーム起立工程S190を順に行う。図17および図18は、クレーン本体11とブーム4の組み立て作業を説明する図である。
−組立準備工程−
組立準備工程S100では、図17に示すように、クレーン本体11の前部と、ブーム4が載置されたトレーラ90の荷台91の後部とを向かい合わせて、クレーン本体11とブーム4とを一直線上に配置する。図5に示すように、ブームヘッド46の支軸47aには、予め吊環68を装着しておく。
−基端側吊装置取付工程−
基端側吊装置取付工程S110では、図17に示すように、基端側吊装置5を旋回体3のメインフレーム3aに取り付ける。なお、基端側吊装置5を構成する各構成部品は、20kg未満の質量であるので、作業者は各構成部品を旋回体3の上に容易に持って上ることができ、作業者は治具を使うことなく組立作業を行うことができる。
−ブーム・トレーラ位置合わせ工程−
ブーム・トレーラ位置合わせ工程S115では、トレーラ90の荷台91から後方に延在するガイドバー99を利用するなどして、トレーラ90を後進して、旋回体3とブーム4とが平行となるように、位置を合わせる。走行体1のトラックフレーム(不図示)に設けられたジャッキ装置(不図示)によりクレーン本体11の上下方向の高さを調整する。
−ブーム固定解除工程−
ブーム固定解除工程S120では、ブーム4を荷台91に固定するためのロープ(不図示)や金具(不図示)を取り外す。
−油圧ホース接続工程−
油圧ホース接続工程S130では、クレーン本体11に設けられた油圧源(不図示)と、ベースブーム41内の油圧シリンダ70〜72の接続部77(図4参照)とを分解組立専用の油圧ホース(不図示)で接続する。
−先端側吊装置取付工程−
先端側吊装置取付工程S140では、先端側吊装置6を荷台91上の前側ブーム輸送用架台101Aに取り付ける。図15に示すように、補助クレーンのフック(不図示)を先端側吊装置6の上部に接続された2本のワイヤースリング92に取り付け、補助クレーンにより先端側吊装置6を吊り上げる。先端側吊装置6の門型フレーム160の脚部である一対の支柱161の下端部を取付枠120(図5参照)の上部開口からら差し込む。
2本のワイヤースリング92を補助クレーンのフックから取り外し、図11に示すように、4本のワイヤースリング92をレバーブロック(登録商標)93を介して荷台91に接続し、先端側吊装置6を荷台91に固縛する。
−ブーム伸長工程−
ブーム伸長工程S150では、クレーン本体11の油圧源(不図示)からの圧油をブーム4内に搭載される油圧シリンダ70〜72に供給することで、ブーム4の基端部が旋回体3に接近するように(すなわち図17の状態から図18の状態へ移行するように)、ブーム4を伸長させる。なお、図17および図18に示すように、ベースブーム41は、前側ブームスライド部120Aまたは後側ブームスライド部120Bで支持されている。前側ブームスライド部120Aによるブーム4の支持と、後側ブームスライド部120Bによるブーム4の支持とを切り換えることで、ブームスライド部120A,120Bとブーム4に固着される部材(たとえば、シリンダロッド取付部42)との干渉を避けることができる。
図18に示すように、ブーム4を所定量伸長させ、ベースブーム41のフートピン挿入孔41a(図3(a)参照)とブーム取付部31のフートピン挿入孔31a(図2参照)とを接近させる。
−フートピン取付工程−
フートピン取付工程S160では、ブーム4の基端部を基端側吊装置5で吊り上げ、かつ、ブーム4の先端部を先端側吊装置6で吊り上げた状態で、ベースブーム41のフートピン挿入孔41aと旋回体3におけるブーム取付部31のフートピン挿入孔31aとの位置合わせを行った後、フートピン81をフートピン挿入孔31a,41aに挿入する。フートピン取付工程S160の詳細な手順は、以下の(手順1A)〜(手順8A)のとおりである。
(手順1A)図6に示すように、ベースブーム41の吊り具ブラケット141にシャックル59を取付ける。
(手順2A)基端側吊装置5のチェーンブロック50の下フック50dにシャックル59を取付け、手鎖(チェーン)を引くことによってチェーンブロック50のロードチェーンに荷重をかける。ここでは、地切り寸前まで荷重をかける。
(手順3A)図11に示すように、支軸47aに装着されている吊環68にシャックル69を取り付ける。
(手順4A)図19(a)および図20(a)に示すように、軸支持部111には、軸固定リンク112が取り付けられている。このため、図19(b)および図20(b)に示すように、軸支持部111に取り付けられた軸固定リンク112を取り外し、ブーム固定部110によるブームヘッド46の拘束を解く。軸固定リンク112が取り外されることで、ブームヘッド46が上方へ移動することが可能となる。
(手順5A)先端側吊装置6のチェーンブロック60の手鎖(チェーン)を引くことによって、ブーム4の先端部を吊り上げる。すなわち、ブーム4の先端部を地切りする。
(手順6A)図6に示すように、チェーンブロック50の手鎖(チェーン)を引くことによって、ブーム4の基端部をチェーンブロック50によって吊る。すなわち、ブーム4の基端部を地切りする。これにより、ブーム4の先端部および基端部が宙に浮いた状態となり、ブーム4の移動の自由度が向上する。なお、図19(b)に示すように、軸受け凹部111aの前側面と支軸48aとの間には、寸法dの隙間が設けられており、ブームヘッド46の前後方向の移動が軸受け凹部111a間において、許容されている。
(手順7A)左側のチェーンブロック50Lおよび右側のチェーンブロック50Rを個別に動作させ、ブーム4の左右の高さを調整する。すなわち、ブーム4の左右の傾きを調整して、フートピン挿入孔41a(図3(a)参照)とフートピン挿入孔31a(図2参照)との位置を合わせる。
(手順8A)フートピン挿入孔41aとフートピン挿入孔31aとの位置合わせが完了したら、治具(不図示)により、フートピン81をフートピン挿入孔41aとフートピン挿入孔31aに挿入する。これにより、ブーム4が旋回体3に回動可能に軸支される。
−吊装置等取外し工程−
吊装置等取外し工程S170では、基端側吊装置5および先端側吊装置6を撤去する。図6に示すチェーンブロック50の下フック50dをシャックル59から取り外し、シャックル59をベースブーム41の吊り具ブラケット141から取り外す。基端側吊装置5を分解し、メインフレーム3aから基端側吊装置5を取り外す。なお、基端側吊装置5を構成する各構成部品は、20kg未満の質量であるので、作業者は治具を使うことなく分解作業を行うことができ、作業者は分解した各構成部品を旋回体3の上から地面へ容易に持って下りることができる。
図11に示す吊環68をシャックル69から取り外す。シャックル69は、図15に示すように、保持片164に取り付けられて、昇降装置61が門型フレーム160に固定される。これにより、補助クレーンにより門型フレーム160を移動する際、および輸送車両により門型フレーム160を輸送する際に、昇降装置61が揺動することを防止できる。レバーブロック(登録商標)93を荷台91から取り外し、2本のワイヤースリング92を補助クレーンのフック(不図示)に取り付け、補助クレーンにより先端側吊装置6を吊り上げて、取付枠120から支柱161を引き抜き、先端側吊装置6を所定の場所に載置する。吊環68を支軸47aから取り外す。フートピン取付工程S160で取り外された軸固定リンク112を、軸支持部111に取り付ける。
分解組立専用の油圧ホース(不図示)を、ベースブーム41内の油圧シリンダ70〜72の接続部77から取り外す。クレーン作業時にブーム4を伸長させるために、油圧ホース(不図示)を、クレーン本体11の油圧源(不図示)とベースブーム41内の油圧シリンダ70〜72の接続部76(図4参照)に接続する。
−ブームシリンダ取付工程−
ブームシリンダ取付工程S180では、図18に示すように、ブームシリンダ7をジャッキ(不図示)により揺動させ、ブームシリンダ7のシリンダロッドの伸縮を行うことで、シリンダロッド取付部42のシリンダピン挿入孔42aと、ブームシリンダ7のシリンダロッドの先端部74のシリンダピン挿入孔74aとの位置合わせを行う。シリンダピン挿入孔42aとシリンダピン挿入孔74aとの位置合わせが完了したら、シリンダピン(不図示)を挿入し、ブームシリンダ7をブーム4に取り付ける。
−ブーム起立工程−
ブーム起立工程S190では、ブームシリンダ7に圧油を供給し、ブームシリンダ7を伸長させることで、ブーム4をフートピン81を支点として起立させてトレーラ90の荷台91から離間させ、クレーン本体11へブーム4を取り付ける作業が完了する。
クレーン本体11からブーム4を取り外す場合、その作業手順は、上述した、クレーン本体11へのブーム4の取り付けにおける作業手順と略逆の手順となる。図21は、クレーン10の分解手順を示すフローチャートである。図21に示すように、クレーン10の分解方法は、分解準備工程S200、ブーム載置工程S210、ブームシリンダ取外し工程S220、基端側吊装置取付工程S230、先端側吊装置取付工程S240、フートピン取外し工程S250、ブーム固定工程S260、油圧ホース接続工程S270、ブーム収縮工程S280、および、吊装置等取外し工程S290を順に行う。
−分解準備工程−
分解準備工程S200では、フック(不図示)やフックロープ(不図示)を取り外す。ブームシリンダ7を伸縮させ、ブーム4を水平から所定角度上方に起立させた状態にする。トレーラ90をクレーン10の前方に配置する。トレーラ90の荷台91から後方に延在するガイドバー99を利用するなどして、トレーラ90を後進して、ブーム4とブーム輸送用固定装置100とが平行となるように、位置を合わせる。走行体1のトラックフレーム(不図示)に設けられたジャッキ装置(不図示)によりクレーン本体11の上下方向の高さを調整する。軸固定リンク112を、軸支持部111から取り外しておく。
−ブーム載置工程−
ブーム載置工程S210では、ブームシリンダ7により、ブーム4をフートピン81を支点として倒伏させてトレーラ90の荷台91に載置する。ブーム載置工程S210では、図19(b)に示すように、ブーム4を、適宜、伸縮させて、ブーム4の長さを調整し、ブームヘッド46の支軸48aを軸受け凹部111aの底部に載置する。
−ブームシリンダ取外し工程−
ブームシリンダ取外し工程S220では、ブームシリンダ7をジャッキ(不図示)により支持し、シリンダピン挿入孔42aおよびシリンダピン挿入孔74aからシリンダピンを取り外す。クレーン本体11の油圧源(不図示)とベースブーム41内の油圧シリンダ70〜72の接続部76(図4参照)に接続されている油圧ホース(不図示)を取り外す。
−基端側吊装置取付工程−
基端側吊装置取付工程S230は、上述した組立方法における基端側吊装置取付工程S110と同様であるので、説明を省略する。
−先端側吊装置取付工程−
先端側吊装置取付工程S240は、上述した組立方法における先端側吊装置取付工程S140と同様であるので、説明を省略する。
−フートピン取外し工程−
フートピン取外し工程S250では、ブーム4の基端部を基端側吊装置5で吊り上げ、かつ、ブーム4の先端部を先端側吊装置6で吊り上げた状態で、ベースブーム41のフートピン挿入孔41aと旋回体3におけるブーム取付部31のフートピン挿入孔31aに挿入されているフートピン81を取り外す。フートピン取外し工程S250の詳細な手順は、以下の(手順1B)〜(手順7B)のとおりである。
(手順1B)図6に示すように、ベースブーム41の吊り具ブラケット141にシャックル59を取付ける。
(手順2B)基端側吊装置5のチェーンブロック50の下フック50dにシャックル59を取付け、手鎖(チェーン)を引くことによってチェーンブロック50のロードチェーンに荷重をかける。
(手順3B)図19(b)に示すように、支軸47aに装着されている吊環68にシャックル69を取り付ける。
(手順4B)先端側吊装置6のチェーンブロック60の手鎖(チェーン)を引くことによって、ブーム4の先端部を吊り上げる。すなわち、ブーム4の先端部を地切りする。
(手順5B)図6に示すように、チェーンブロック50の手鎖(チェーン)を引くことによって、ブーム4の基端部をチェーンブロック50によって吊り上げる。すなわち、ブーム4の基端部を地切りする。
(手順6B)フートピン81の取り外しに用いる治具(不図示)により、フートピン81に引き抜き力(荷重)を作用させる。
(手順7B)引き抜き力を作用させた状態で、左側のチェーンブロック50Lおよび右側のチェーンブロック50Rを個別に動作させ、左側のチェーンブロック50Lおよび右側のチェーンブロック50Rのそれぞれに作用する荷重を調整する。チェーンブロック50L,50Rを操作することで、フートピン81に作用する鉛直方向のブーム4の荷重を低減させる。治具(不図示)により引き抜き力を作用させておくことで、フートピン81に作用する鉛直方向のブーム4の荷重がある程度低減された時点で、フートピン81が治具(不図示)により引き抜かれる。これにより、ブーム4が旋回体3から分離する。
−ブーム固定工程−
ブーム固定工程S260では、図19(a)および図20(a)に示すように、軸支持部111に、軸固定リンク112を取り付け、ブームヘッド46をブーム固定部110に固定する。
−油圧ホース接続工程−
油圧ホース接続工程S270では、クレーン本体11に設けられた油圧源(不図示)と、ベースブーム41内の油圧シリンダ70〜72の接続部77(図4参照)とを分解組立専用の油圧ホース(不図示)で接続する。
−ブーム収縮工程−
ブーム収縮工程S280では、クレーン本体11の油圧源(不図示)からの圧油をブーム4内に搭載される油圧シリンダ70〜72に供給することで、ブーム4の基端部が旋回体3から離間するように(すなわち図18の状態から図17の状態へ移行するように)、ブーム4を収縮させる。なお、図18および図17に示すように、ベースブーム41は、前側ブームスライド部120Aまたは後側ブームスライド部120Bで支持されている。前側ブームスライド部120Aによるブーム4の支持と、後側ブームスライド部120Bによるブーム4の支持とを切り換えることで、ブームスライド部120A,120Bとブーム4に固着される部材(たとえば、シリンダロッド取付部42)との干渉を避けることができる。
−吊装置等取外し工程−
吊装置等取外し工程S290では、上述した吊装置等取外し工程S170と同様に、基端側吊装置5および先端側吊装置6を撤去する。分解組立専用の油圧ホース(不図示)を、ベースブーム41内の油圧シリンダ70〜72の接続部77から取り外す。ブーム4をトレーラ90の荷台91に固縛し、クレーン本体11からブーム4を取り外す作業が完了する。
上述した実施の形態によれば、次の作用効果が得られる。
(1)本実施の形態に係るクレーンの組立方法は、トレーラ90の荷台91に載置されたブーム4の油圧シリンダ70〜72に圧油を供給することで、ブーム4の基端部が旋回体3に接近するようにブーム4を伸長させるブーム伸長工程S150と、ブーム4の基端部を旋回体3に設けられた基端側吊装置5により吊り上げ、かつ、ブーム4の先端部をトレーラ90の荷台91に設けられた先端側吊装置6により吊り上げた状態で、ブーム4のフートピン挿入孔41aと、旋回体3のフートピン挿入孔31aにフートピン81を挿入するフートピン取付工程S160と、ブームシリンダ7により、ブーム4をフートピン81を支点として起立させてトレーラ90の荷台91から離間させるブーム起立工程S190と、を含む。
これにより、クレーン本体11とブーム4の組立作業において、ブーム4を吊るための大型の補助クレーンを準備する必要がないので、大型の補助クレーンを配置するための広い占有スペースが不要となる。なお、先端側吊装置取付工程S140では、補助クレーンを用いて先端側吊装置6を吊り上げるが、先端側吊装置6はブーム4に比べて重量が小さいので、工程S140で用いる補助クレーンは小型のものでよい。たとえば、ブーム4の質量は10トン(メトリックトン)程度であるのに対し、先端側吊装置6の質量は0.5トン(メトリックトン)程度である。つまり、先端側吊装置6の質量は、ブーム4の質量の1/20程度であり、小型の補助クレーン(たとえば、最大吊荷重3トン程度の車両搭載型クレーン(ユニック(登録商標))にて吊り上げることが可能である。
(2)基端側吊装置5は、ブーム4の基端部を昇降可能に吊り下げ支持する左右一対のチェーンブロック50R,50Lを備えている。本実施の形態に係るクレーン10の組立方法では、フートピン81をフートピン挿入孔31a,41aに挿入するフートピン取付工程S160において、左右一対のチェーンブロック50R,50Lのそれぞれを独立して動作させることで、ブーム4の左右の傾きを調整するようにした。これにより、クレーン10が平坦な地面に載置されていない場合であっても、ブーム4をメインフレーム3aに容易に取り付けることができる。
図示しないが、ブーム4を大型の補助クレーンで四点吊りして、作業者がブーム4の基端側の位置合わせを行う場合、作業者がブーム4を左右に傾かせて、位置を調整することは困難である。これに対して、本実施形態によれば、ブーム4の左右の傾きの調整を容易に行うことができるので、大型の補助クレーンを用いる場合に比べて容易にブーム4をメインフレーム3aに取り付けることができる。
(3)ところで、ブームに取り付けられた支持ピンを旋回体上のフートブラケットのピン受け座上に載置したとき、フートピンがフートブラケットのボス孔とブームのフート部のボス孔とを貫通できるように構成されたクレーンが知られている(特開2006−282287号公報(以下、特許文献2と記す)参照)。支持ピンは、ブームのフート部の上面に設けられた突起、あるいは、ブームのフート部の上面に設けられた受け座に取り付けられる。このため、支持ピン、ブームのフート部の上面に設けられた突起あるいは受け座、旋回体上のフートブラケットのピン受け座などを精度よく加工する必要があり、ブームや旋回体の製造に手間がかかり、クレーンの製造コストが高くなる。
これに対して、本実施の形態では、チェーンブロック50R,50Lを個別に操作して、吊り下げ支持されるブーム4を左右へ傾けることにより、フートピン挿入孔の位置合わせを行う。このため、特許文献2に記載されている、フートブラケットのボス孔(フートピン挿入孔)とブームのフート部のボス孔(フートピン挿入孔)との位置を合わせるための精度の高い構造(支持ピンや、支持ピンを受ける受け座、支持ピンとブームとの取付部など)を必要としない。その結果、本実施の形態では、クレーン10の製造コストの低減を図ることができる。
(4)作業者は、クレーン本体11上で、フートピン挿入孔41aとフートピン挿入孔31aとの位置合わせ作業を行うことができる。これに対して、クレーン本体11をジャッキアップして、フートピン挿入孔41aとフートピン挿入孔31aとの位置合わせを行う場合、安全上、ジャッキを動作させる度に、クレーン本体11から作業者が降りる必要があり、手間がかかっていた。本実施の形態によれば、ジャッキを用いる場合に比べて容易にブーム4をメインフレーム3aに取り付けることができる。
(5)支持台51は、チェーンブロック50が取り付けられるバー150と、バー150の左右端部を支持する左右一対の支持ブラケット151と、左右一対の支持ブラケット151のそれぞれの前後を支持する四本の支柱152と、左右の支柱152同士を連結するサポートパイプ153および斜材154とを備えている。支持ブラケット151は、バー150が載置される凹部151cの前後両側に所定の間隔X1をおいて支柱152が取り付けられている。所定の間隔X1は、四本の支柱152で画成される台形柱形状の配置空間内に一対のチェーンブロック50R,50Lを配置したときに、サポートパイプ153や斜材154がチェーンブロック50に干渉するのを防止するために設定されている。これにより、チェーンブロック50による、ブーム4の位置合わせ作業性が向上する。
(6)フートピン取付工程S160において、ブーム4の先端側が先端側吊装置6により吊持されているので、ブーム4の先端側が載置されている場合に比べて、ブーム4の移動自由度が高く、フートピン挿入孔31aとフートピン挿入孔41aの位置合わせを容易に行うことができる。
(7)本実施の形態に係るクレーンの分解方法は、ブームシリンダ7により、ブーム4をフートピン81を支点として倒伏させてトレーラ90の荷台91に載置するブーム載置工程S210と、ブーム4の基端部を旋回体3に設けられた基端側吊装置5により吊り上げ、かつ、ブーム4の先端部をトレーラ90の荷台91に設けられた先端側吊装置6により吊り上げた状態で、ブーム4のフートピン挿入孔41aと、旋回体3のフートピン挿入孔31aに挿入されているフートピン81を取り外すフートピン取外し工程S250と、トレーラ90の荷台91に載置されたブーム4の油圧シリンダ70〜72に圧油を供給することで、ブーム4の基端部が旋回体3から離間するようにブーム4を収縮させる工程と、を含む。
これにより、クレーン本体11とブーム4の組立作業において、ブーム4を吊るための大型の補助クレーンを準備する必要がないので、大型の補助クレーンを配置するための広い占有スペースが不要となる。
(8)本実施の形態に係るクレーン10の分解方法では、フートピン81を取り外すフートピン取外し工程S250において、ブーム4のフートピン挿入孔41aおよび旋回体3のフートピン挿入孔31aからフートピン81を引き抜く力を作用させた状態で、左右一対のチェーンブロック50R,50Lのそれぞれを独立して動作させることでフートピン81を取り外すようにした。
チェーンブロック50R,50Lを個別に操作することで、フートピン81に作用する鉛直方向のブーム4の荷重を低減することができる。治具により引き抜き力を作用させておくことで、フートピン81に作用する鉛直方向のブーム4の荷重がある程度低減された時点で、フートピン81が引き抜かれる。このため、チェーンブロック50R,50Lにより、フートピン81に作用するブーム4の荷重を低減させる荷重抜き作業と、フートピン81に引き抜き荷重を与える引き抜き作業とを繰り返し行う場合に比べて、作業時間を短縮できる。また、フートピン81に過大な引き抜き力を作用させることを防止できる。
次のような変形も本発明の範囲内であり、変形例の一つ、もしくは複数を上述の実施形態と組み合わせることも可能である。
(変形例1)
上述した実施の形態では、先端側吊装置6における昇降装置61の構成部材としてチェーンブロック60を採用し、基端側吊装置5の昇降装置としてチェーンブロック50を採用する例について説明したが、本発明はこれに限定されない。チェーンブロック50,60に代えて、レバーブロック(登録商標)を採用してもよい。
手動式のチェーンブロック50,60に代えて、電気モータを駆動源とする電気チェーンブロックを昇降装置として採用してもよい。チェーンブロック50,60に代えて、油圧シリンダなどの直線作動可能なアクチュエータを用いた昇降装置や、ウインチでワイヤロープを巻き上げるホイストなどの昇降装置を採用してもよい。なお、油圧シリンダを用いる場合、油圧シリンダのロッド端部を球面ブッシュを介して取り付ける。
(変形例2)
図22は、変形例2に係る先端側吊装置6Bの模式図であり、先端側吊装置6Bをクレーン10の前側から見た図である。図22に示すように、昇降装置として、たとえば、左右一対の油圧シリンダ83Bを採用した先端側吊装置6Bにより、ブーム4の先端部を吊り下げ支持してもよい。先端側吊装置6Bは、左右一対の油圧シリンダ83Bと、支持台84Bと、左右一対のリンク85Bとを備えている。
油圧シリンダ83Bは、下端部が支持台84Bに軸着され、上端部がリンク85Bの左右方向中央部に軸着されている。リンク85Bの外側端部は、ピン86Bによって、支持台84Bの上端部に軸着されている。リンク85Bは、油圧シリンダ83Bの伸縮により、ピン86Bを支点として回動する。
リンク85Bの内側端部には、シャックル69が取り付けられている。各シャックル69には支軸47aに取り付けられた吊環68が接続されている。このように構成することで、ブーム4の先端部が先端側吊装置6Bにより吊り下げ支持され、手動の油圧ポンプ等により、油圧シリンダ83Bを伸縮させることで、ブーム4の先端部を昇降することができる。
上述した第1の実施の形態では、一対の支柱161同士を接続する吊りビーム162(図13参照)が設けられていたので、クレーン10の組立・分解手順において、ブーム4の起立工程(S190)や載置工程(S210)を実施するためには、先端側吊装置6が荷台91から取り外されていなければならなかった。
これに対して、本変形例では、ブーム4の起立・載置工程において、ブーム4と干渉する部材(第1実施形態の吊りビーム162相当の部材)が無い。このため、クレーン10の組立時には、フートピン取付工程(S160)が完了した後、先端側吊装置6Bを取り外すことなくブーム4の起立工程(S190)を実施できる。なお、油圧シリンダ83Bを最伸長状態まで伸長させることで、リンク85Bの内側端部が上方に移動するので、リンク85Bとブーム4とが干渉することなく、ブーム4を起立させることができる。
また、油圧シリンダ83Bを最伸長の状態にしておくことで、荷台91に予め先端側吊装置6Bが取り付けられた状態であってもブーム載置工程(S210)を実施することができる。このため、クレーン10の分解・組立作業時において、先端側吊装置6Bを補助クレーンで吊る必要が無く、小型の補助クレーンのための占有スペースも不要となる。
さらに、本変形例では、先端側吊装置6Bが荷台91に積載された状態で、地面からの高さ寸法が3.8m以下となるので、輸送制限も満足できる。このため、トレーラ90の走行の際に、荷台91から先端側吊装置6Bを取り外す必要もない。
(変形例3)
図23は、変形例3に係る先端側吊装置6Cの模式図であり、先端側吊装置6Cをクレーン10の前側から見た図である。図23(a)および図23(b)に示すように、昇降装置として、単一の油圧シリンダ83Cを採用した先端側吊装置6Cにより、ブーム4の先端部を吊り下げ支持してもよい。先端側吊装置6Cは、単一の油圧シリンダ83Cと、門型支持台84Cと、リンク85Cとを備えている。先端側吊装置6Cは、上述した実施の形態と同様、ブーム4よりも質量が小さく、小型の補助クレーンにて吊り上げることが可能な構成である。
油圧シリンダ83Cは、下端部が門型支持台84Cの左側脚部に設けられたブラケット89Cに軸着され、上端部がリンク85Cの一端部に軸着されている。リンク85Cの他端部は、ピン86Cによって、門型支持台84Cの右側脚部に設けられたブラケット88Cに軸着されている。リンク85Cは、油圧シリンダ83Cの伸縮により、ピン86Cを支点として回動する。
リンク85Cの左右中央部には、天秤87Cが軸着されており、天秤87Cの両端部にシャックル69が取り付けられている。各シャックル69には支軸47aに取り付けられた吊環68が接続されている。このように構成することで、ブーム4の先端部が先端側吊装置6Cにより吊り下げ支持され、手動の油圧ポンプ等により、油圧シリンダ83Cを伸縮させることで、ブーム4の先端部を昇降することができる。
(変形例4)
上述した実施の形態では、基端側吊装置5の支持台51として、左右に二本の支柱を逆V字状に配設し、逆V字状の二本の支柱152を連結する支持ブラケット151上に載置されるバー150によってチェーンブロック50を吊り下げ支持する構成としたが、本発明はこれに限定されない。ブーム4が吊り下げ支持されたチェーンブロック50を動作させたときに、ブーム4を保持できる構成であればよい。
(変形例5)
上述した実施の形態では、走行体1のトラックフレーム(不図示)にクローラ、すなわちサイドフレーム1aおよびクローラベルト1bが取り付けられている状態で、クレーン本体11とブーム4とを組立・分解する例について説明したが、本発明はこれに限定されない。クローラを取り外した状態で、クレーン本体11とブーム4とを組立・分解してもよい。
(変形例6)
上述した実施の形態では、工程S110→S115→S120→S130→S140→S150→S160→S170→S180→S190の順でクレーン10を組み立てる例について説明したが、本発明はこれに限定されない。たとえば、基端側吊装置取付工程S110、ブーム・トレーラ位置合わせ工程S115およびブーム固定解除工程S120、油圧ホース接続工程S130、先端側取付工程S140は、ブーム伸長工程S150の前に行われるのであれば、どのような順番であってもよいし、同時並行で作業を行ってもよい。
(変形例7)
上述した実施の形態では、工程S200→S210→S220→S230→S240→S250→S260→S270→S280→S290の順でクレーン10を分解する例について説明したが、本発明はこれに限定されない。たとえば、基端側吊装置取付工程S230、先端側吊装置取付工程S240は、いずれが先であってもよいし、同時並行で作業を行ってもよい。基端側吊装置取付工程S230は、ブーム載置工程S210の前に行ってもよい。
(変形例8)
上述した実施の形態では、フートピン取外し工程S250において、フートピン81に対して引き抜き力を作用させた状態で、左右一対のチェーンブロック50R,50Lのそれぞれを独立して動作させることでフートピン81を取り外す例について説明したが、本発明はこれに限定されない。左右一対のチェーンブロック50R,50Lの動作を完了させてから、フートピン81に引き抜く力を作用させて引き抜いてもよい。この場合、フートピン81に作用するブーム4の荷重が大きいほど、フートピン81を引き抜く力を大きくする必要ある。このため、チェーンブロック50R,50Lを操作することによる荷重抜き作業と、治具により引き抜き力を発生させる引き抜き作業とを繰り返し行って、引き抜き力がなるべく小さくなるように荷重抜き作業を行うことが好ましい。
本発明の特徴を損なわない限り、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の形態についても、本発明の範囲内に含まれる。
1 走行体、3 旋回体、4 ブーム(多段式ブーム)、5 基端側吊装置、6,6B,6C 先端側吊装置、7 ブームシリンダ(起伏装置)、10 クレーン(移動式クレーン)、31a フートピン挿入孔(旋回体のピン挿入孔)、41a フートピン挿入孔(多段式ブームのピン挿入孔)、50L,50R チェーンブロック(昇降装置)、60 チェーンブロック、61 昇降装置、66 吊天秤、70〜72 油圧シリンダ(伸縮用アクチュエータ)、81 フートピン、83B 油圧シリンダ、83C 油圧シリンダ、90 トレーラ(輸送車両)、91 荷台

Claims (4)

  1. 走行体と、前記走行体上に旋回可能に設けられる旋回体と、前記旋回体にフートピンを支点として起伏装置により起伏可能に取り付けられる多段式ブームとを備える移動式クレーンの組立方法であって、
    輸送車両の荷台に載置された前記多段式ブームの伸縮用アクチュエータに圧油を供給することで、前記多段式ブームの基端部が前記旋回体に接近するように前記多段式ブームを伸長させる工程と、
    前記多段式ブームの基端部を前記旋回体に設けられた基端側吊装置により吊り上げ、かつ、前記多段式ブームの先端部を前記輸送車両の荷台に設けられた先端側吊装置により吊り上げた状態で、前記多段式ブームのピン挿入孔と、前記旋回体のピン挿入孔にフートピンを挿入する工程と、
    前記起伏装置により、前記多段式ブームを前記フートピンを支点として起立させて輸送車両の荷台から離間させる工程と、
    を含む、移動式クレーンの組立方法。
  2. 請求項1に記載の移動式クレーンの組立方法において、
    前記基端側吊装置を、前記旋回体における前記フートピンを支持するブーム取付部に取り付ける工程をさらに含む、移動式クレーンの組立方法。
  3. 請求項1または2に記載の移動式クレーンの組立方法において、
    前記多段式ブームを伸長させる工程の前に、前記輸送車両と前記旋回体とをガイドバーにより連結して、前記旋回体と前記多段式ブームとが平行になるように位置合わせする工程をさらに含む、移動式クレーンの組立方法。
  4. 走行体と、前記走行体上に旋回可能に設けられる旋回体と、前記旋回体にフートピンを支点として起伏装置により起伏可能に取り付けられる多段式ブームとを備える移動式クレーンの分解方法であって、
    前記起伏装置により、前記多段式ブームを前記フートピンを支点として倒伏させて輸送車両の荷台に載置する工程と、
    前記多段式ブームの基端部を前記旋回体に設けられた基端側吊装置により吊り上げ、かつ、前記多段式ブームの先端部を前記輸送車両の荷台に設けられた先端側吊装置により吊り上げた状態で、前記多段式ブームのピン挿入孔と、前記旋回体のピン挿入孔に挿入されているフートピンを取り外す工程と、
    前記輸送車両の荷台に載置された前記多段式ブームの伸縮用アクチュエータに圧油を供給することで、前記多段式ブームの基端部が前記旋回体から離間するように前記多段式ブームを収縮させる工程と、
    を含む、移動式クレーンの分解方法。


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