JP7427264B2 - 亜鉛-ニッケル-シリカ複合めっき浴及び該浴を用いるめっき方法 - Google Patents

亜鉛-ニッケル-シリカ複合めっき浴及び該浴を用いるめっき方法 Download PDF

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Description

本発明は、亜鉛-ニッケル-シリカ複合めっき浴に関するものである。腐食防止のための一般的な表面処理として、特に、形状物品や形状部品に利用できる(以下、形状部品を含めて形状物品という)、つきまわり性(covering power)が良好な電気亜鉛-ニッケル-シリカ複合めっき浴及び該浴を用いるめっき方法に関するものである。
亜鉛ニッケル合金めっきが、優れた耐食性を有していることはよく知られている。その原料の亜鉛やニッケルは希少金属であり資源が限られていること及びニッケルは高価であることから、めっき膜厚を減らしても高耐食性が得られる亜鉛ニッケル合金めっきの開発が求められている。換言すると、原料である亜鉛やニッケルの使用量の減少による低コスト化、省資源化が望まれている。その解決方法として、電気めっき鋼板では、一般的な酸性タイプのコロイダルシリカを使用したpH2に調整された硫酸浴による高速酸性亜鉛-ニッケル-シリカ複合めっき方法も検討されてきた(非特許文献1)。しかし、この方法では硫酸浴のpHが低いばかりでなく、硫酸浴の為につきまわりが非常に悪く、形状物品へのめっきには適さないとの欠点があった。これに対して、めっき浴のpHが高い方がつきまわり性が改善する傾向にあるが、一般的な酸性タイプのコロイダルシリカを用いたのでは、めっき浴中で凝集が起こるため、めっき浴のpHを下げざるを得ず、めっき浴のpHを高くすることが出来なかった。
これに対して、非特許文献2には、市販のシリカコロイド・酸性タイプシリカゾル水溶液(日産化学工業製スノーテック-O)を亜鉛ニッケルめっき浴に添加すると、浴中でニッケルイオンが、負に帯電したシリカコロイドに優先的に吸着し、ニッケルイオンを吸着したシリカコロイドはカチオンとして働き、電解を開始するとともに陰極側に泳動し、皮膜にシリカが取り込まれることが開示されている。そして、このシリカ共析によって、耐赤さび性は向上するが、耐白さび性は不十分であるので、亜鉛-ニッケル-シリカ複合めっき皮膜表面にアミン系シランカップリング処理を施している。
日本金属学会誌 第78巻 第1号(2014)31-36 表面技術Vol.57,No12,p860-p865(2006)
本発明は、複雑な形状物品のつきまわり性と膜厚が薄い低電流密度部の耐食性の両方を改善した亜鉛-ニッケル-シリカ複合めっき浴を提供することを目的とする。
本発明は、また、複雑な形状物品のつきまわり性と膜厚が薄い低電流密度部の耐食性の両方を改善した亜鉛-ニッケル-シリカ複合めっき方法を提供することを目的とする。
本発明は、3価~7価の群から選ばれる少なくとも1種の金属カチオンをその表面に有しているカチオン性コロイダルシリカをコロイダルシリカとして使用し、中酸性域の特定のめっき浴を用いることにより、上記課題を解決できるとの知見に基づいてなされたものである。
すなわち、本発明は、以下の態様を有するものである。
1. 亜鉛-ニッケル-シリカ複合めっき浴であって、めっき浴のpHが3.5~6.9、亜鉛イオン、ニッケルイオン、コロイダルシリカ及び塩化物イオンを含有し、コロイダルシリカが、3価~7価の群から選ばれる少なくとも1種の金属カチオンをその表面に有しているカチオン性コロイダルシリカであることを特徴とする亜鉛-ニッケル-シリカ複合めっき浴。
2. コロイダルシリカが、3価の鉄カチオン、3価のアルミニウムカチオン、3価のチタンカチオン、4価のジルコニウムカチオン、4価のバナジウムカチオン及び5価のアンチモンカチオンから選ばれる少なくとも1種の金属カチオンをその表面に有しているカチオン性コロイダルシリカである上記1記載の亜鉛-ニッケル-シリカ複合めっき浴。
3. めっき浴のpHが4.5~6.0である上記1又は2記載の亜鉛-ニッケル-シリカ複合めっき浴。
4. アミン系キレート剤を含有する上記1~3のいずれかに記載の亜鉛-ニッケル-シリカ複合めっき浴。
5. ナフトールまたはクミルフェノールにエチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイドまたはエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドのブロック共重合体を付加したスルホン酸塩を含有する上記1~4のいずれかに記載の亜鉛-ニッケル-シリカ複合めっき浴。
6. 芳香族カルボン酸及び/又はその塩を含有する上記1~5のいずれかに記載の亜鉛-ニッケル-シリカ複合めっき浴。
7. 芳香族カルボン酸及び/又はその塩が、安息香酸、安息香酸塩又はこれらの組み合わせである上記6記載の亜鉛-ニッケル-シリカ複合めっき浴。
8. 芳香族アルデヒド及び/又は芳香族ケトンを含有する上記1~7のいずれかに記載の亜鉛-ニッケル-シリカ複合めっき浴。
9. 芳香族アルデヒド及び芳香族ケトンが、それぞれo-クロルベンズアルデヒド、ベンザールアセトンである上記8記載の亜鉛-ニッケル-シリカ複合めっき浴。
10. アンモニア、アンモニウム塩、酢酸、酢酸塩、ホウ酸及びホウ酸塩からなる群から選ばれる少なくとも一種以上の緩衝剤を含有する上記1~9のいずれかに記載の亜鉛-ニッケル-シリカ複合めっき浴。
11. 硫酸イオンを含有しない上記1~10のいずれかに記載の亜鉛-ニッケル-シリカ複合めっき浴。
12. 被めっき体を陰極とし、亜鉛とニッケルを陽極とし、上記1~11のいずれかに記載の亜鉛-ニッケル-シリカ複合めっき浴を用いて、被めっき体に亜鉛-ニッケル-シリカ複合めっきを施すことを特徴とするめっき方法。
13. 被めっき体を陰極とし、亜鉛、ニッケル、又はこれらの両方を陽極とし、亜鉛陽極の一部または全部をイオン交換隔膜で隔てた陽極室内に設置し、上記1~11のいずれかに記載の亜鉛-ニッケル-シリカ複合めっき浴を用いて、被めっき体に亜鉛-ニッケル-シリカ複合めっきを施すことを特徴とするめっき方法。
本発明のめっき浴は、形状物品に対してもつきまわりが良く、低膜厚でも高耐食性を有していることから、省資源、低コストで自動車部品、家電部品等、幅広い用途で用いることができる。
また、電気亜鉛-ニッケル-シリカ複合めっきのめっき皮膜の厚みは通常5μm以上であるが、本発明によればめっき膜厚を減らして2~3μm程度としても高耐食性が得られるとの利点がある。また、つき回り性の良い物品についても、従来の亜鉛-ニッケル合金めっきより膜厚を薄くしてもシリカを使用することで高耐食性が得られるとの利点がある。
表面に亜鉛-ニッケル-シリカ複合めっき皮膜を形成されるために、実施例及び比較例で使用したブレーキキャリパーの正面図である。 図1のII-II断面図である。
本発明の電気亜鉛-ニッケル-シリカ複合めっき浴は、つきまわりを良くする為にpHが3.5~6.9の酸性めっき浴を用いる。このうち、塩化浴が最も好ましい。また、めっき浴のpHは、好ましくは4.5~6.0、最も好ましくは5.2~5.8である。尚、めっき浴のpHは、塩酸、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液、アンモニア水、炭酸ナトリウム水溶液、炭酸カリウム水溶液、酢酸、酢酸ナトリウム水溶液、酢酸カリウム水溶液などを用いて容易に調整できる。
本発明の複合めっき浴は、亜鉛イオン、ニッケルイオン、コロイダルシリカ及び塩化物イオン(Cl-)を必須成分として含有する。
亜鉛イオンは水溶性亜鉛塩からもたらされ、水溶性亜鉛塩としては塩化亜鉛が好ましい。その濃度は40~130g/Lが好ましい。さらに好ましくは、60~110g/Lである。
ニッケルイオンは水溶性ニッケル塩からもたらされ、水溶性ニッケル塩としては塩化ニッケルが好ましい。その濃度は、塩化ニッケル6水和物換算で、70~150g/Lが好ましい。さらに好ましいのは、75~120g/Lである。
塩化物イオンは、上記塩化亜鉛や塩化ニッケルからもたらされるが、めっき浴に添加されたこれ以外の水溶性塩化物からももたらされる。塩化物イオンの量は、めっき浴中の水溶性塩化物からもたらされる塩化物イオンの合計量である。その濃度は100~300g/Lが好ましい。さらに好ましいのは、120~240g/Lである。
本発明に使用されるコロイダルシリカは、ゼータ電位がカチオン性であり、3価~7価の群から選ばれる少なくとも1種の金属カチオンをその表面に有しているコロイダルシリカである。その粒子径(BET)はナノサイズが好ましく、5nm~100nmが適している。さらに好ましくは、10nm~65nmである。その使用濃度は、1~100g/Lであり、好ましくは10~80g/Lである。
ここで、3価~7価の群から選ばれる少なくとも1種の金属カチオンの例として、3価の鉄、アルミニウム、チタン、ニオブ、モリブデン、タンタル、マンガン、インジウム、アンチモン、ビスマス、スカンジウム、ガリウム、及びコバルト、4価のジルコニウム、バナジウム、タングステン、チタン、ニオブ、モリブデン、タンタル、マンガン、スズ及びテルル、5価のアンチモン、タングステン、ニオブ、モリブデン、タンタル及びビスマス、6価のタングステン、モリブデン、マンガン、及びテルル、7価のマンガンがあげられる。これらのうち、3価、4価、及び5価の群から選ばれる少なくとも1種の金属カチオンが好ましく、3価の鉄、3価のアルミニウム、3価のチタン、4価のジルコニウム、4価のバナジウム及び5価のアンチモンなどが好ましく、特に、アルミニウムが好ましい。
このような特定の金属カチオンをその表面に有しているコロイダルシリカは、例えば、特開2014-144908号公報及び特許5505620号公報に記載の多価金属元素Mの平均含有率がM/Siモル比として0.001ないし0.02である5ないし40nmの平均一次粒子径を有するシリカコロイド粒子であって、前記コロイド粒子の最表層に存在する多価金属元素Mの量が前記コロイド粒子の表面積1nm2当たり0ないし0.003個であるシリカコロイド粒子をあげることができる。このようなコロイダルシリカは、例えば、特開2014-144908号公報[0064]~[0067]に記載の製造方法により製造することができる。また、特開昭63-123807号公報及び特開昭50-44195号公報に記載の方法により製造することができる。ここで、3価~7価の群から選ばれる少なくとも1種の金属カチオンの製造原料として、例えば、これらの金属の塩基性塩、酸化物、水酸化物、水和金属酸化物などを用いることができる。
さらに、特許5141908号公報に記載の微小コロイダルアルミナ水和物粒子で被覆されたコロイダルシリカ粒子と該コロイダルシリカ粒子の一次粒子径の10倍以上の長径及び2ないし10nmの短径を有するコロイダルアルミナ水和物粒子とが結合した複合コロイド粒子を含有するシリカアルミナ複合ゾルを用いることもできる。
特開2014-144908号公報、特許5505620号公報、特開昭63-123807号公報、特開昭50-44195号公報及び特許5141908号公報の記載は、本件明細書の記載に含まれるものとする。
本発明で用いる特定の金属カチオンをその表面に有しているコロイダルシリカは、例えば、日産化学株式会社製のAKタイプのコロイダルシリカ(スノーテックスST-AK)(スノーテックスST-AK―L)、(スノーテックスST-AK―YL)などとして、市場から容易に入手することができる。
本発明の複合めっき浴は、一種以上の導電性塩を含んでいてもよい。導電性塩を用いることにより、通電時の電圧を低下させ、電流効率を向上させることができる。本発明に使用される導電性塩は、例えば、塩化物、硫酸塩、炭酸塩などがある。その中でも、塩化カリウム、塩化アンモニウム、及び塩化ナトリウムのうち、少なくとも一種以上の塩化物を用いるのが好ましい。特に塩化カリウム、塩化アンモニウムの単独もしくは併用が好ましい。塩化カリウムの濃度は、単独の場合150~250g/Lが好ましく、塩化アンモニウムの濃度は、単独の場合150~300g/Lが好ましい。塩化カリウムと塩化アンモニウム併用の場合は、塩化カリウム70~200g/Lが好ましく、塩化アンモニウム15~150g/Lが好ましい。塩化アンモニウムは緩衝剤としての効果もある。塩化アンモ二ウムを用いない場合は、緩衝剤として、アンモニア、アンモニウム塩、ホウ酸やホウ酸塩、酢酸や酢酸カリウム、酢酸ナトリウムなどの酢酸塩を用いるのが好ましい。ホウ酸及び/又はホウ酸塩の合計濃度は15~90g/Lが好ましい。酢酸及び/又は酢酸塩の合計濃度は5~140g/Lが好ましく、より好ましくは7~140g/L、さらに好ましいのは、8~120g/Lである。
本発明の複合めっき浴は、めっき皮膜のつきまわり性のさらなる改善と皮膜の緻密化の為に、ナフトールまたはクミルフェノールにエチレンオキサイドまたは/およびプロピレンオキサイドを合計で3~65モル、好ましくは8~62モル付加したスルホン酸塩と炭素数7~15の芳香族カルボン酸及びその誘導体及びそれらの塩を単独又は併用して含有するのが好ましい。ナフトールは、特にβ-ナフトールが好ましい。スルホン酸塩としては、カリウム塩、ナトリウム塩、アミン塩等が挙げられる。具体的には、[(3-スルホプロポキシ)-ポリエトキシ―ポリイソプロポキシ]-ベーターナフチルエーテル]カリウム塩(EO及び/又はPO合計付加モル数3~65モル、好ましくは8~62モル)、ポリオキシエチレンp-クミルフェニルエーテル硫酸エステルナトリウム塩(EO付加モル数3~65モル、好ましくは8~62モル)などがあげられる。
ナフトールまたはクミルフェノールにエチレンオキサイドまたは/及びプロピレンオキサイドを付加したスルホン酸塩のめっき浴中の濃度は、0.1~10g/Lが好ましく、さらに好ましくは0.2~5g/Lである。芳香族カルボン酸及びその誘導体及びそれらの塩としては、例えば、安息香酸、安息香酸ナトリウム、テレフタル酸、テレフタル酸ナトリウム、安息香酸エチルなどが挙げられる。その濃度は、0.5~5g/Lが好ましく、さらに好ましくは1~3g/Lが好ましい。
これらのナフトール系アニオン界面活性剤は、市場から、例えば、Raschig社製RALUFON NAPE 14-90(EO,PO合計付加モル数17)、日華化学(株)製サンレックスBNS(EO 27モル)、サンレックスBNS6(EO 6モル)などとして容易に入手することができる。
又、クミルフェノール系アニオン界面活性剤は、市場から、例えば、日本乳化剤株式会社のニューコールCMP-4-SN(EO付加モル4モル)、CMP-11-SN(EO付加モル11モル)、CMP-40-SN(EO付加モル40モル)、CMP-60-SN(EO付加モル60モル)などとして容易に入手することができる。
さらに、電流密度に依存されずニッケルを均一に共析させる為に、本発明の複合めっき浴は、アミン系キレート剤を含有するのが好ましい。アミン系キレート剤としては、例えばエチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン等のアルキレンアミン化合物、前記アルキレンアミンのエチレンオキサイド付加物、プロピレンオキサイド付加物;N-(2-アミノエチル)エタノールアミン、2-ヒドロキシエチルアミノプロピルアミンなどのアミノアルコール;N-2(-ヒドロキシエチル)-N,N’,N’-トリエチルエチレンジアミン、N,N’-ジ(2-ヒドロキシエチル)-N,N’-ジエチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’-テトラキス(2-ヒドロキシエチル)プロピレンジアミン、N,N,N’,N’-テトラキス(2-ヒドロキシプロピル)エチレンジアミンなどのポリ(ヒドロキシアルキル)アルキレンジアミン;エチレンイミン、1,2-プロピレンイミンなどから得られるポリ(アルキレンイミン)、エチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、エタノールアミン、ジエタノールアミンなどから得られるポリ(アルキレンアミン)又はポリ(アミノアルコール)などが挙げられる。これらのうち、炭素数1~12(好ましくは炭素数2~10)で窒素原子数2~7(好ましくは窒素原子数2~6)のアルキレンアミン化合物、そのエチレンオキサイド付加物及びプロピレンオキサイド付加物が好ましい。これらのアミン系キレート剤は、単独で用いてもよく、又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。アミン系キレート剤のめっき浴中の濃度は、0.5~50g/Lが好ましく、さらに好ましくは1~5g/Lである。
なお、本発明の複合めっき浴にアミン系キレート剤を含有させることにより、ニッケル共析率を調整して高ニッケル共析率を得ることができるとの利点がある。
複合皮膜の緻密化と光沢が必要な場合は、本発明の複合めっき浴は、炭素数7~10の芳香族アルデヒドや炭素数8~14の芳香族ケトンを含有するのが好ましい。芳香族アルデヒドとしては、例えば、o-カルボキシベンズアルデヒド、ベンズアルデヒド、o-クロルベンズアルデヒド、p-トルアルデヒド、アニスアルデヒド、p-ジメチルアミノベンズアルデヒド、テレフタルアルデヒドなどが挙げられる。芳香族ケトンとしては、例えば、ベンザールアセトン、ベンゾフェノン、アセトフェノン、塩化テレフタロイルベンジルなどが挙げられる。ここで、特に好ましい化合物は、ベンザールアセトンとo-クロルベンズアルデヒドである。それぞれの浴中濃度は、0.1~20mg/Lが好ましく、より好ましくは0.3~10mg/Lである。
本発明の複合めっき浴の残部は、水である。
なお、本発明の複合めっき浴では、3価~7価の群から選ばれる少なくとも1種の金属カチオンをその表面に有しているカチオン性コロイダルシリカの作用によりめっき浴中の成分が安定化するため、分散剤を用いなくともよい。
本発明の亜鉛-ニッケル-シリカ複合めっき浴を用いるめっき方法として電気めっきが用いられる。電気めっきは、直流もしくはパルス電流により行うことができる。
浴温は、通常、25~50℃の範囲、好ましくは30~45℃の範囲である。電流密度は、通常、0.1~15A/dm2の範囲、好ましくは0.5~10A/dm2の範囲の電解条件で行うのが良い。また、めっきを実施する場合は、エアーブローやジェット噴流により液撹拌をすることが好ましい。そうすることで電流密度をさらに高くすることができる。
陽極としては、亜鉛板、ニッケル板、亜鉛ボール、ニッケルチップ等の単独又はこれらの組み合わせが望ましい。
陰極には、本発明の亜鉛-ニッケル-シリカ複合めっき皮膜を施す金属物品を用いる。この金属物品としては、鉄、ニッケル、銅などの各種金属、及びこれらの合金、あるいは亜鉛置換処理を施したアルミニウムなどの金属や合金などの電気伝導性物品を用いるが、その形状は、プレ-トなどの平板状のものや複雑な外見を有する形状物品など任意のものを用いることができる。本発明では特にめっき皮膜のつきまわり性が良好であるため、ボルト、ナット等の締結部品やブレーキキャリパー等の各種鋳物部品のような形状物品に利用できる。
本発明では、さらに、被めっき体を陰極とし、亜鉛とニッケルを陽極とし、亜鉛陽極の一部または全部をイオン交換隔膜で隔てた陽極室内に設置し、上記亜鉛-ニッケル-シリカ複合めっき浴を用いて、被めっき体に亜鉛-ニッケル-シリカ複合めっきを施すことができる。この方法によると、稼働に伴うめっき液中の金属濃度(特に亜鉛濃度)の上昇を抑制・制御できるため、品質の安定しためっき皮膜が得られるという利点がある。
本発明の電気亜鉛-ニッケル-シリカ複合めっき浴を用いて得られる亜鉛-ニッケル-シリカ複合めっき皮膜中のニッケル共析率は、好ましくは5~18重量%であり、より好ましくは10~18重量%であり、最も好ましくは12~15重量%である。SiO2の含有率は、0.3~5重量%が好ましく、さらに好ましくは1.5~4重量%である。このようなニッケル共析率とSiO2含有率にすることにより、めっき皮膜の耐食性が良好となる。尚、残部が亜鉛であるのが好ましい。
次に実施例により本発明を一層具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
実施例1
塩化亜鉛73g/L(亜鉛濃度として35g/L)、塩化ニッケル6水和物89g/L(ニッケル濃度として22g/L)、塩化カリウム160g/L(全塩素濃度140g/L)、ジエチレントリアミン2.5g/L、安息香酸ナトリウム1.5g/L、酢酸カリウム105g/L、[(3-スルホプロポキシ)-ポリエトキシ―ポリイソプロポキシ]-ベーターナフチルエーテル]カリウム塩(EO及びPO合計付加モル17モル、以下同じ)4g/L、ベンザールアセトン6mg/Lを水に混合溶解させ、塩酸を用いてpH5.4に調整してめっき浴(350リットル)を調製した。
その浴に、粒子径12nm(BET)であって、表面にAl3+を有するカチオン性コロイダルシリカ(スノーテックスST-AK)50g/Lを撹拌混合して溶解させた。この際、浴成分の凝集は生じなかった。
次に、図1に示すブレーキキャリパーに対し、アルカリ脱脂、水洗、酸洗、水洗、アルカリ電解洗浄、水洗、塩酸活性化、水洗の工程で前処理を行い、これを陰極として用いた。陽極として亜鉛板とニッケル板を用い、浴温を35℃、直流電源で陰極電流密度2A/dm2で38分間めっきを実施した。尚、めっき浴はエアーバブリング(エアーの量:約2,400リットル/分)した。
尚、図1に示すブレーキキャリパーの大きさは図中に数字(mm)として示した通りであり、亜鉛板とニッケル板は、亜鉛板が縦800mm、横100mm、厚さ20mm、ニッケル板が縦700mm、横150mm、厚さ15mmのプレートである。
この実施例において、亜鉛-ニッケル-シリカ複合めっき皮膜のニッケル共析率(%)、SiO2含有率(%)、膜厚分布と耐食性等を下記の方法により評価した。評価結果を表1に示す。
(Ni共析率(%)及び厚さの測定方法)
めっき皮膜のニッケル共析率(%)及び厚さは、蛍光X線分析装置(エスアイアイ・ナノテクノロジー(株)製、マイクロエレメントモニターSEA5120)を用いて測定した。
(SiO2含有率(%))
日本電子製電子顕微鏡SEM-EDSで分析した。
(SSTでの赤錆発生時間の測定方法)
SSTでの赤錆発生時間は、塩水噴霧試験方法(JIS Z2371)に従い、観察箇所に関して判断した。具体的には、中性塩水噴霧試験(NSS)にて目視により確認した。
実施例2
塩化亜鉛73g/L(亜鉛濃度として35g/L)、塩化ニッケル6水和物89g/L(ニッケル濃度として22g/L)、塩化カリウム160g/L(全塩素濃度140g/L)、ジエチレントリアミン2.5g/L、安息香酸ナトリウム1.5g/L、酢酸カリウム105g/L、[(3-スルホプロポキシ)-ポリエトキシ―ポリイソプロポキシ]-ベーターナフチルエーテル]カリウム塩4g/L、ベンザールアセトン6mg/Lを水に混合溶解させ、実施例1と同様にpH5.4に調整してめっき浴を調製した。
その浴に、粒子径45nm(BET)であって、表面にAl3+を有するカチオン性コロイダルシリカ(スノーテックスST-AK―L)50g/Lを撹拌混合して溶解させた。この際、浴成分の凝集は生じなかった。
次に、実施例1と同様の陰極及び陽極を用い、実施例1と同じ条件でめっきを行い、実施例1と同様に得られた亜鉛-ニッケル-シリカ複合めっき皮膜のニッケル共析率(%)、SiO2含有率(%)、膜厚分布と耐食性等を評価し、その評価結果を表1に示す。
実施例3
塩化亜鉛73g/L(亜鉛濃度として35g/L)、塩化ニッケル6水和物89g/L(ニッケル濃度として22g/L)、塩化カリウム160g/L(全塩素濃度140g/L)、ジエチレントリアミン2.5g/L、安息香酸ナトリウム1.5g/L、酢酸カリウム105g/L、[(3-スルホプロポキシ)-ポリエトキシ―ポリイソプロポキシ]-ベーターナフチルエーテル]カリウム塩4g/L、o-クロルベンズアルデヒド0.5mg/Lを水に混合溶解させ、実施例1と同様にpH5.4に調整してめっき浴を調製した。
その浴に、粒子径60nm(BET)であって、表面にAl3+を有するカチオン性コロイダルシリカ(スノーテックスST-AK-YL)50g/Lを撹拌混合して溶解させた。この際、浴成分の凝集は生じなかった。
次に、実施例1と同様の陰極及び陽極を用い、実施例1と同じ条件でめっきを行い、実施例1と同様に得られた亜鉛-ニッケル-シリカ複合めっき皮膜のニッケル共析率(%)、SiO2含有率(%)、膜厚分布と耐食性等を評価し、その評価結果を表1に示す。
実施例4
塩化亜鉛94g/L(亜鉛濃度として45g/L)、塩化ニッケル6水和物89g/L(ニッケル濃度として22g/L)、塩化カリウム165g/L、塩化アンモニウム100g/L(全塩素濃度220g/L)、ジエチレントリアミン2.5g/L、安息香酸ナトリウム1.5g/L、酢酸カリウム19g/L、ポリオキシエチレンp-クミルフェニルエーテル硫酸エステルナトリウム塩(EO付加モル11モル:日本乳化剤株式会社のニューコールCMP-11-SN)2g/L、ベンザールアセトン6mg/Lを水に混合溶解させ、実施例1と同様にpH5.6に調整してめっき浴を調製した。
その浴に粒子径12nm(BET)であって、表面にAl3+を有するカチオン性コロイダルシリカ(スノーテックスST-AK)50g/Lを撹拌混合して溶解させた。この際、浴成分の凝集は生じなかった。
次に、実施例1と同様の陰極及び陽極を用い、陰極電流密度5A/dm2-15分間めっき条件以外は実施例1と同じ条件でめっきを行い、実施例1と同様に得られた亜鉛-ニッケル-シリカ複合めっき皮膜のニッケル共析率(%)、SiO2含有率(%)、膜厚分布と耐食性等を評価し、その評価結果を表1に示す。
比較例1
塩化亜鉛73g/L(亜鉛濃度として35g/L)、塩化ニッケル6水和物89g/L(ニッケル濃度として22g/L)、塩化カリウム160g/L(全塩素濃度140g/L)、ジエチレントリアミン2.5g/L、安息香酸ナトリウム1.5g/L、酢酸カリウム105g/L、[(3-スルホプロポキシ)-ポリエトキシ―ポリイソプロポキシ]-ベーターナフチルエーテル]カリウム塩4g/L、ベンザールアセトン6mg/Lを水に混合溶解させ、実施例1と同様にpH5.4に調整してめっき浴を調製した。
次に、実施例1と同様の陰極及び陽極を用い、実施例1と同じ条件でめっきを行い、実施例1と同様に得られた亜鉛-ニッケル-シリカ複合めっき皮膜のニッケル共析率(%)、SiO2含有率(%)、膜厚分布と耐食性等を評価し、その評価結果を表1に示す。
比較例2
塩化亜鉛73g/L(亜鉛濃度として35g/L)、塩化ニッケル6水和物89g/L(ニッケル濃度として22g/L)、塩化カリウム160g/L(全塩素濃度140g/L)、ジエチレントリアミン2.5g/L、安息香酸ナトリウム1.5g/L、酢酸カリウム105g/L、[(3-スルホプロポキシ)-ポリエトキシ―ポリイソプロポキシ]-ベーターナフチルエーテル]カリウム塩4g/L、ベンザールアセトン6mg/Lを水に混合溶解させ、実施例1と同様にpH5.4に調整してめっき浴を調製した。
その浴に、粒子径12nm(BET)のアニオン性コロイダルシリカ(スノーテックスST-O)50g/Lを添加して撹拌混合したが、コロイダルシリカが凝集して浴に溶解しなかったことから、めっき試験は実施しなかった。この比較例の結果を表1に示す。
比較例3
硫酸亜鉛7水和物86.3g/L(亜鉛濃度として19.6g/L)、硫酸ニッケル6水和物184g/L(ニッケル濃度として41.1g/L)、硫酸ナトリウム71g/Lを水に混合溶解させ、硫酸を用いてpH2.0に調整してめっき浴を調製した(350リットル)。
その浴に、粒子径12nm(BET)のアニオン性コロイダルシリカ(スノーテックスST-O)50g/Lを添加して撹拌混合、溶解させた。この際、浴成分の凝集は生じなかった。
次に、実施例1と同様の陰極及び陽極を用い、浴温を50℃、直流電源で陰極電流密度2A/dm2で38分間めっきを実施した(比較例3-1)。尚、めっき浴は実施例1と同様にエアーバブリングした。
さらに、膜厚測定箇所cの膜厚が実施例と同じくらいの18μm程度となるようにめっき時間を延長した(57分間めっき:比較例3-2)
この比較例3-1及び3-2において、実施例1と同様にして亜鉛-ニッケル-シリカ複合めっき皮膜のニッケル共析率(%)、SiO2含有率(%)、膜厚分布と耐食性等を測定した。その評価結果を表1に示す。
表1 亜鉛-ニッケル-シリカ複合めっき皮膜のニッケル共析率(%)、SiO2含有率(%)、膜厚分布と耐食性等の測定結果
Figure 0007427264000001
表1に示す結果から明らかなように、本発明によれば、陰極電流密度2A/dm2-38分間めっき(実施例1~3)及び陰極電流密度5A/dm2-15分間めっき(実施例4)により、形状物品の窪み部aのめっき皮膜の厚みを3μm以上とすることができ、つきまわり性良好な電気亜鉛-ニッケル-シリカ複合めっきを形成できることがわかる(実施例)。さらに、めっき浴のpHを3.5~6.9の範囲、特に、pH4.5~6.0の範囲で、3価~7価の群から選ばれる少なくとも1種の金属カチオンをその表面に有しているカチオン性コロイダルシリカがめっき液中に沈殿することなく安定に溶解し、赤錆発生時間(h)が720時間以上の高耐食性の電気亜鉛-ニッケル-シリカ複合めっき皮膜を形成できることがわかる。
一方、コロイダルシリカを含有しない比較例1では、窪み部aの赤錆発生時間(h)が360時間と、720時間を下回るものであった。尚、比較例1は塩化浴なので窪み部aに3μm以上膜厚がつくものの、シリカ成分で補わないと全体的に耐食性が下がり、窪み部aで720時間以上確保できない。
また、3価~7価の群から選ばれる少なくとも1種の金属カチオンをその表面に有していないアニオン性コロイダルシリカ(スノーテックスST-O)を用いた比較例2では、めっき浴を十分撹拌混合したものの、コロイダルシリカが凝集して浴に溶解せず、めっき試験を行うことができなかった。
これに対して、比較例2で用いたpH5.4の塩化物浴とは異なるpH2.0の硫酸めっき浴を用いた比較例3では、アニオン性コロイダルシリカ(スノーテックスST-O)は、硫酸めっき浴にコロイダルシリカが沈殿することなく安定に溶解した。しかしながら、実施例1乃至3と同じ陰極電流密度2A/dm238分間めっきでは、形状物品の窪み部aのめっき皮膜の厚みが0.5μmと極めて薄く、つきまわり性が不良で、赤錆発生時間(h)が24時間未満と高耐食性の電気亜鉛-ニッケル-シリカ複合めっき皮膜を形成できなかった(比較例3-1)。
さらに、めっき時間を延長したが(57分間めっき:比較例3-2)、膜厚測定箇所cの膜厚は17.5μmと厚くなったものの、形状物品の窪み部aのめっき皮膜の厚みが0.8μmと極めて薄く、つきまわり性が不良で、赤錆発生時間(h)が48時間未満と高耐食性の電気亜鉛-ニッケル-シリカ複合めっき皮膜を形成できなかった(比較例3-2)。

Claims (12)

  1. 亜鉛-ニッケル-シリカ複合めっき浴であって、めっき浴のpHが4.5~6.9であり、亜鉛イオン、ニッケルイオン、コロイダルシリカ及び塩化物イオンを含有し、コロイダルシリカが、3価の鉄カチオン、3価のアルミニウムカチオン、3価のチタンカチオン、4価のジルコニウムカチオン、4価のバナジウムカチオン、及び5価のアンチモンカチオンから選ばれる少なくとも1種の金属カチオンをその表面に有しているカチオン性コロイダルシリカであることを特徴とする亜鉛-ニッケル-シリカ複合めっき浴。
  2. めっき浴のpHが4.5~6.0である請求項1記載の亜鉛-ニッケル-シリカ複合めっき浴。
  3. アミン系キレート剤を含有する請求項1又は2に記載の亜鉛-ニッケル-シリカ複合めっき浴。
  4. ナフトールまたはクミルフェノールにエチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイドまたはエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドのブロック共重合体を付加したスルホン酸塩を含有する請求項1~のいずれか1項記載の亜鉛-ニッケル-シリカ複合めっき浴。
  5. 芳香族カルボン酸及び/又はその塩を含有する請求項1~のいずれか1項記載の亜鉛-ニッケル-シリカ複合めっき浴。
  6. 芳香族カルボン酸及び/又はその塩が、安息香酸、安息香酸塩又はこれらの組み合わせである請求項5に記載の亜鉛-ニッケル-シリカ複合めっき浴。
  7. 芳香族アルデヒド及び/又は芳香族ケトンを含有する請求項1~のいずれか1項記載の亜鉛-ニッケル-シリカ複合めっき浴。
  8. 芳香族アルデヒド及び芳香族ケトンが、それぞれo-クロルベンズアルデヒド、ベンザールアセトンである請求項7に記載の亜鉛-ニッケル-シリカ複合めっき浴。
  9. アンモニア、アンモニウム塩、酢酸、酢酸塩、ホウ酸及びホウ酸塩からなる群から選ばれる少なくとも一種以上の緩衝剤を含有する請求項1~のいずれか1項記載の亜鉛-ニッケル-シリカ複合めっき浴。
  10. 硫酸イオンを含有しない請求項1~のいずれか1項記載の亜鉛-ニッケル-シリカ複合めっき浴。
  11. 被めっき体を陰極とし、亜鉛、ニッケル又はこれらの両方を陽極とし、請求項1~10のいずれか1項記載の亜鉛-ニッケル-シリカ複合めっき浴を用いて、被めっき体に亜鉛-ニッケル-シリカ複合めっきを施すことを特徴とするめっき方法。
  12. 被めっき体を陰極とし、亜鉛とニッケルを陽極とし、亜鉛陽極の一部または全部をイオン交換隔膜で隔てた陽極室内に設置し、請求項1~10のいずれか1項記載の亜鉛-ニッケル-シリカ複合めっき浴を用いて、被めっき体に亜鉛-ニッケル-シリカ複合めっきを施すことを特徴とするめっき方法。
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