JP7394839B2 - 中空デバイス用ドライフィルム、硬化物および電子部品 - Google Patents

中空デバイス用ドライフィルム、硬化物および電子部品 Download PDF

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Description

本発明は、中空デバイス用ドライフィルム、硬化物および電子部品に関する。
近年の小型化により機能素子が樹脂で封止された電子部品がある。樹脂で封止された電子部品のなかでも、SAWデバイス、水晶振動子、圧電振動子等は、機能素子を振動可能にするためにパッケージ内に中空部分を有している。このような樹脂パッケージ内に中空部分を有する電子部品を本明細書では中空デバイスという。中空デバイスは、一般に、機能素子がバンプを介して基板に接続され、このバンプの高さによりパッケージ内に中空部分が形成された構造を有している。
中空デバイスにおける機能素子の封止に、ドライフィルムを用いた技術がある(特許文献1)。ドライフィルムを用いることにより、液状封止材料を用いたディスペンス法では困難な、機能素子のアクティブ面に対向して形成された中空部分に封止材料が流入することを抑制することができるとされている。
特開2006-19714号公報
特許文献1に記載の技術によっても、中空デバイスの中空部分に封止材料が流入することを必ずしも抑制することはできなかった。一方で、封止の際に機能素子端部より外側に空間が大きく形成されると封止が不十分となり、ダイシング時に機能素子間の隔壁が薄くなって剥れやすくなってしまうという問題もある。
そこで本発明の目的は、中空デバイスの中空部分に封止材料が流入することを抑制し、良好に封止することができる中空デバイス用ドライフィルム、該ドライフィルムの樹脂層の硬化物、該硬化物を有する電子部品を提供することにある。
本発明者らは上記を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、中空デバイスの封止に用いられるドライフィルムについて、溶剤を含む硬化性樹脂組成物からなる樹脂層が、厚さ方向に溶剤の残含有量が相対的に多い領域と、相対的に少ない領域とを有することにより、当該樹脂層(封止材料ともいう)が中空デバイスの中空部分に流入することを効果的に抑制し、良好に封止することができることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明の中空デバイス用ドライフィルムは、キャリアフィルム上に溶剤を含む硬化性樹脂組成物からなる樹脂層を備え、該樹脂層は厚さ方向に溶剤の残含有量が相対的に多い領域と、相対的に少ない領域とを、それぞれ少なくとも一つ備えるドライフィルムであって、前記溶剤の残含有量が相対的に多い領域の該溶剤の残含有量と、前記相対的に少ない領域の該溶剤の残含有量との差が、0.2質量%以上であることを特徴とするものである。
本発明の前記中空デバイス用ドライフィルムにおいては、前記樹脂層の厚さが40μm以上であることが好ましく、
更に、前記溶剤が、沸点が60℃以上130℃未満の溶剤と沸点が130℃以上250℃以下の溶剤とをそれぞれ含むことが好ましい。
本発明の硬化物は、前記中空デバイス用ドライフィルムの樹脂層を硬化して得られることを特徴とするものである。
本発明の電子部品は、前記硬化物を有することを特徴とするものである。
本発明によれば、中空デバイスを製造する際に、中空デバイスの中空部分に封止材料が流入することを抑制し、良好に封止することができる。また、本発明によれば、機能素子を封止する際、機能素子に対するドライフィルムの位置ずれを防止することもできる。
本発明の中空デバイス用ドライフィルムの一実施形態の模式的断面図である。 本発明の中空デバイス用ドライフィルムを用いた中空デバイスを、時系列的な製造工程で説明した模式的断面図である。 本発明の中空デバイス用ドライフィルムの樹脂層の別の態様を示す模式的断面図である。
本発明の中空デバイス用ドライフィルム(以下、「ドライフィルム」と略称することがある。)を、図面を用いつつより具体的に説明する。
本発明の中空デバイス用ドライフィルムは、キャリアフィルム上に溶剤を含む硬化性樹脂組成物からなる樹脂層を備え、該樹脂層は厚さ方向に前記硬化性樹脂組成物中の溶剤の残含有量が相対的に多い領域と、相対的に少ない領域とを、それぞれ少なくとも一つ備えるドライフィルムであって、前記溶剤の残含有量が相対的に多い領域の該溶剤の残含有量と、前記相対的に少ない領域の該溶剤の残含有量との差が、0.2質量%以上である。
図1は、本発明の中空デバイス用ドライフィルムの一実施形態の模式的断面図である。図1のドライフィルム1は、キャリアフィルム2上に形成された樹脂層3を備えている。樹脂層3は、硬化性樹脂組成物を塗布乾燥して得られるものであり、溶剤の残含有量が相対的に多い領域3aと、溶剤の残含有量が相対的に少ない領域3bと備え、領域3aの溶剤の残含有量と、領域3bの溶剤の残含有量との差が、0.2質量%以上である。中空デバイス用ドライフィルム1の使用前において樹脂層3を保護する保護フィルム4が樹脂層3を覆って形成されている。なお、図1においては、溶剤の残含有量が相対的に多い領域3aと、溶剤の残含有量が相対的に少ない領域3bとを、理解の容易のために線分で区分けしているが、実際の樹脂層3は、明確な境界があるとは限られない。溶剤の残含有量が樹脂層3の厚さ方向の一方の表面から他方の表面に向けて、段階的に又は連続的に減少するような、樹脂層3の厚さ方向に溶剤の残含有量の濃度勾配を有するものであってもよい。
図1の中空デバイス用ドライフィルム1が用いられる中空デバイス10を、図2(a)~(d)に示す模式的断面図を用いた時系列的な製造工程で説明する。
図2(a)は、ドライフィルム1で封止する前の状態を示していて、基板11上に設けられた電極パット(図に現れない)と機能素子12とが、バンプ13を介して接続されている。バンプの高さは、およそ20μm、機能素子12の高さは、およそ200~250μmのものがある。
次に、図2(b)に示されるように、図1の中空デバイス用ドライフィルム1の保護フィルム4を剥離して、樹脂層3の表面を機能素子12に対向させる。
次に、図2(c)に示されるように、中空デバイス用ドライフィルム1の樹脂層3を機能素子12及び基板11に向けて加熱しつつ押圧し、機能素子12の周囲に樹脂層3を流動させて機能素子12を封止する。
次に、図2(d)に示されるように、樹脂層3が硬化した後にキャリアフィルム2を剥離し、ダイシングにより個々の中空デバイス10に分離する。中空デバイス10は、樹脂層3が硬化した樹脂パッケージ14により封止され、基板11と機能素子12と両バンプ13との間が中空になっている構造を有している。
中空デバイス10は、図2(c)で樹脂層3を流動させるときに、バンプ13よりも外側で流動を止め、内側の中空部分に樹脂層3が入り込まないようにすることが重要であり、機能素子12端部より外側の空間が大きくならないようにすることも重要である。
そこで本発明の中空デバイス用ドライフィルムは、樹脂層は、溶剤を含む硬化性樹脂組成物からなり、溶剤の残含有量が相対的に多い領域と、溶剤の残含有量が相対的に少ない領域と備え、前記溶剤の残含有量が相対的に多い領域の該溶剤の残含有量と、前記相対的に少ない領域の該溶剤の残含有量との差が、0.2質量%以上である。樹脂層中の溶剤の残含有量が相対的に多い領域は封止時に流動性が高く、樹脂層中の溶剤の残含有量が相対的に少ない領域は封止時に流動性が低い。したがって、樹脂層中の溶剤の残含有量が相対的に低い領域は、封止時に、樹脂層の言わば芯部となって、樹脂層中の溶剤の残含有量が相対的に多い領域の流動を規制するように作用する。そのために本発明の中空デバイス用ドライフィルムは、中空デバイスを製造する際に、中空デバイスの中空部分に封止材料が流入することを抑制することができる。また、溶剤の残含有量が相対的に多い領域によって機能素子端部より外側に大きな空間が形成されることもなく良好な封止を実現することができる。
中空デバイスの中空部分に封止材料が流入することを抑制し、良好に封止するには、ドライフィルムの樹脂層の溶剤の残含有量を全体的に少なくすることでは達成できず、本発明に従い、樹脂層中に溶剤の残含有量が相対的に多い領域と、溶剤の残含有量が相対的に少ない領域とを有し、かつ、溶剤の残含有量が相対的に多い領域の該溶剤の残含有量と、相対的に少ない領域の該溶剤の残含有量との差が0.2質量%以上であることが肝要である。
中空デバイス用ドライフィルムの樹脂層は、溶剤の残含有量が相対的に多い領域と、硬化性樹脂組成物中の溶剤の残含有量が相対的に少ない領域とを、それぞれ少なくとも一つ備えている。これらの領域は、それぞれ樹脂層中に2個以上あってもよい。
図3に、中空デバイス用ドライフィルムの別の例を、本発明の特徴部分である樹脂層のみで示す。ドライフィルムのキャリアフィルムや保護フィルムは図示を省略している。
図3に示す樹脂層31は、溶剤の残含有量が相対的に多い領域31aと、溶剤の残含有量が相対的に少ない領域31bとが、それぞれ2か所あり、かつ、2か所の樹脂層中の溶剤の残含有量が相対的に少ない領域31b同士が接するように配置されている。これにより樹脂層31は、全体として厚さ方向の中心部に、溶剤の残含有量が相対的に少ない領域31bを備え、表面を含む厚さ方向の両端部に、溶剤の残含有量が相対的に多い領域31aを備えている。なお、本発明の中空デバイス用ドライフィルムは、全体として厚さ方向の中心部に溶剤の残含有量が相対的に多い領域を備え、表面を含む厚さ方向の両端部に溶剤の残含有量が相対的に少ない領域を備えていてもよい。
中空デバイス用ドライフィルムは、好ましい一例として、溶剤の残含有量が相対的に多い領域の該溶剤の残含有量が0.5質量%以上、より好ましくは、0.6質量%以上5質量%以下であり、相対的に少ない領域の該溶剤の残含有量が0.5質量%未満、より好ましくは、0.1質量%以上0.4質量%以下であるものとすることができる。このようなドライフィルムにおいては、領域の境界の残含有量を0.5質量%とすることにより、溶剤の残含有量が相対的に少ない領域によって中空デバイスの中空部分に封止材料が流入することの抑制が、効果的に行われる。また、他の好ましい例として、溶剤の残含有量が相対的に多い領域の該溶剤の残含有量が2.8質量%以上、より好ましくは、3.0質量%以上5質量%以下であり、相対的に少ない領域の該溶剤の残含有量が2.8質量%未満、より好ましくは、0.1質量%以上2.5質量%以下であるものとすることができる。このようなドライフィルムにおいても溶剤の残含有量が相対的に少ない領域によって中空デバイスの中空部分に封止材料が流入することの抑制が、効果的に行われる。
中空デバイス用ドライフィルムは、溶剤の残含有量が相対的に多い領域の該溶剤の残含有量と、相対的に少ない領域の該溶剤の残含有量との差が、0.2質量%以上である。0.2質量%以上であることにより、樹脂層中の溶剤の残含有量が相対的に少ない領域によって中空デバイスの中空部分に封止材料が流入することの抑制と良好な封止が、効果的に行われる。より好ましい差は、0.4質量%以上4質量%以下である。
中空デバイス用ドライフィルムは、樹脂層のキャリアフィルム側の表面と、該キャリアフィルム側とは反対側(保護フィルム側)の表面との少なくとも一方が、樹脂層中の溶剤の残含有量が相対的に多い領域であることが好ましい。樹脂層の少なくとも一方の表面が、樹脂層中の溶剤の残含有量が相対的に多い領域であることにより、図2(b)に示されるように、当該樹脂層中の溶剤の残含有量が相対的に多い領域3aの表面を機能素子12に対向させることができる。樹脂層中の溶剤の残含有量が相対的に多い領域3aは、タッキング性(貼り付き性)が高いことから、ドライフィルムと機能素子12との位置ずれを抑制することができ、ひいては封止時の作業性を向上させることができる。
中空デバイス用ドライフィルムの樹脂層の厚さは、特に限定されないが、およそ40μm以上であることが好ましい。40μm以上であることにより、樹脂層の一方の表面から溶剤を揮発させて当該表面及びその近傍の領域の溶剤の残含有量が、それ以外の領域に比べて0.2質量%以上低くなるように作製することができる。樹脂層の厚さの上限値は、例えば、300μmである。
なお、中空デバイス用ドライフィルムの樹脂層の厚さは、機能素子の高さとバンプの高さとを合わせた高さと、ほぼ同じ厚さにすることができる。所定の厚さを有する樹脂層の複数個をロールラミネーターや真空ラミネーターを用いて積層させて、機能素子の高さとバンプの高さとを合わせた高さと、ほぼ同じ厚さにすることもできる。
本発明の中空デバイス用ドライフィルムを製造するには、例えば、キャリアフィルム上に塗布して形成した樹脂層を乾燥させる際の乾燥条件を制御して、樹脂層の一方の表面から溶剤を揮発させて当該表面及びその近傍の領域の溶剤の残含有量を、それ以外の領域に比べて0.2質量%以上低くすることができる。キャリアフィルム上に硬化性樹脂組成物を塗布する方法は特に限定されず、樹脂組成物を有機溶剤で希釈して適切な粘度に調整し、バーコーター、ダイコーター、コンマコーター、ブレードコーター、リップコーター、ロッドコーター、スクイズコーター、リバースコーター、トランスファロールコーター、グラビアコーター、スプレーコーター等で均一な厚さに塗布すればよい。また、樹脂組成物の塗布後、例えば、50~130℃の温度で1~200分間乾燥することにより、溶剤の残含有量を調整することができる。
塗布される硬化性樹脂組成物の溶剤として、沸点が60℃以上130℃未満の溶剤と沸点が130℃以上250℃以下の溶剤とをそれぞれ含むようにすることができ、これにより、樹脂層中の溶剤の残含有量が相対的に多い領域と、溶剤の残含有量が相対的に少ない領域との溶剤の残含有量の差を、0.2質量%以上に容易に形成することができる。沸点が60℃以上130℃未満の溶剤として、例えば、メチルエチルケトン、1‐メトキシ‐2‐プロパノール、エタノール等が挙げられる。沸点が130℃以上250℃以下の溶剤として、例えば、シクロヘキサノン、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート等が挙げられる。
また、溶剤の残含有量の少ない硬化性樹脂組成物と、溶剤の残含有量の多い硬化性樹脂組成物とを用意して、一方の硬化性樹脂組成物をキャリアフィルムに塗布した後、乾燥させ又は乾燥させることなく他方の硬化性樹脂組成物を重ねて塗布した後、全体的に乾燥させることにより、樹脂層において、溶剤の残含有量が相対的に多い領域と、溶剤の残含有量が相対的に少ない領域を、溶剤の残含有量の差が0.2質量%以上となるように形成することもできる。
更に、キャリアフィルム上に、溶剤の残含有量が相対的に多い樹脂層を形成し、これとは別途に用意したキャリアフィルム上に、溶剤の残含有量が相対的に少ない樹脂層を形成し、得られた溶剤の残含有量が相対的に少ない樹脂層を、上述した溶剤の残含有量が相対的に多い樹脂層に重ねて積層することにより、樹脂層において、溶剤の残含有量が相対的に多い領域と、溶剤の残含有量が相対的に少ない領域を、溶剤の残含有量の差が0.2質量%以上となるように形成することもできる。
[樹脂層の成分組成]
樹脂層の成分組成は、溶剤及びその残含有量の差以外については特に限定されないが、樹脂層の例示的な成分組成を説明すると、無機フィラーと、エポキシ樹脂と、溶剤とを含むものである。
[エポキシ樹脂]
エポキシ樹脂は、エポキシ基を有する樹脂であり、従来公知のものをいずれも使用できる。分子中にエポキシ基を2個有する2官能性エポキシ樹脂、分子中にエポキシ基を3個以上有する多官能エポキシ樹脂等が挙げられる。なお、水素添加されたエポキシ樹脂であってもよい。例えば、前記樹脂層は、固形エポキシ樹脂や液状エポキシ樹脂、半固形エポキシ樹脂や結晶性エポキシ樹脂等を含有してもよい。本明細書において、固形エポキシ樹脂とは40℃で固体状であるエポキシ樹脂をいい、半固形エポキシ樹脂とは20℃で固体状であり、40℃で液状であるエポキシ樹脂をいい、液状エポキシ樹脂とは20℃で液状のエポキシ樹脂をいう。液状の判定は、危険物の試験及び性状に関する省令(平成元年自治省令第1号)の別紙第2の「液状の確認方法」に準じて行う。例えば、特開2016-079384号公報の段落23~25に記載の方法にて行なう。また、結晶性エポキシ樹脂とは、結晶性の強いエポキシ樹脂を意味し、融点以下の温度では、高分子鎖が規則正しく配列し、固形樹脂でありながらも、溶融時には液状樹脂並みの低粘度となる熱硬化性のエポキシ樹脂をいう。
半固形エポキシ樹脂としては、DIC社製EPICLON860、EPICLON900-IM、EPICLON EXA―4816、EPICLON EXA-4822、東都化成社製エポトートYD-134、三菱ケミカル社製jER834、jER872、住友化学社製ELA-134等のビスフェノールA型エポキシ樹脂;DIC社製EPICLON HP-4032等のナフタレン型エポキシ樹脂;DIC社製EPICLON N-740等のフェノールノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。
結晶性エポキシ樹脂としては、例えば、ビフェニル構造、スルフィド構造、フェニレン構造、ナフタレン構造等を有する結晶性エポキシ樹脂を用いることができる。ビフェニルタイプのエポキシ樹脂は、例えば、三菱ケミカル社製jER YX4000、jER YX4000H、jER YL6121H、jER YL6640、jER YL6677として提供されており、ジフェニルスルフィド型エポキシ樹脂は、例えば、東都化成社製エポトートYSLV-120TEとして提供されており、フェニレン型エポキシ樹脂は、例えば、東都化成社製エポトートYDC-1312として提供されており、ナフタレン型エポキシ樹脂は、例えば、DIC社製EPICLON HP-4032D、EPICLON HP-4700として提供されている。また、結晶性エポキシ樹脂として東都化成社製エポトートYSLV-90C、日産化学社製TEPIC-S(トリグリシジルイソシアヌレート)を用いることもできる。
固形エポキシ樹脂としては、DIC社製EPICLON HP-4700(ナフタレン型エポキシ樹脂)、日本化薬社製NC-7000(ナフタレン骨格含有多官能固形エポキシ樹脂)等のナフタレン型エポキシ樹脂;日本化薬社製EPPN-502H(トリスフェノールエポキシ樹脂)等のフェノール類とフェノール性水酸基を有する芳香族アルデヒドとの縮合物のエポキシ化物(トリスフェノール型エポキシ樹脂);DIC社製EPICLON HP-7200H(ジシクロペンタジエン骨格含有多官能固形エポキシ樹脂)等のジシクロペンタジエンアラルキル型エポキシ樹脂;日本化薬社製NC-3000H(ビフェニル骨格含有多官能固形エポキシ樹脂)等のビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂;日本化薬社製NC-3000L等のビフェニル/フェノールノボラック型エポキシ樹脂;DIC社製EPICLON N660、EPICLON N690、N770、日本化薬社製EOCN-104S等のノボラック型エポキシ樹脂;新日鉄住金化学社製TX0712等のリン含有エポキシ樹脂;日産化学社製TEPIC等のトリス(2,3-エポキシプロピル)イソシアヌレート等が挙げられる。
液状エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、tert-ブチル-カテコール型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、アミノフェノール型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂等が挙げられる。
本発明のドライフィルムの樹脂層は、エポキシ樹脂以外の熱硬化性樹脂として、例えば、イソシアネート化合物、ブロックイソシアネート化合物、アミノ樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、カルボジイミド樹脂、シクロカーボネート化合物、多官能オキセタン化合物、エピスルフィド樹脂などの公知慣用の熱硬化性樹脂を含有していてもよい。
[無機フィラー]
前記樹脂層は、無機フィラーを含有してもよい。無機フィラーを配合することによって、得られる硬化物の硬化収縮を抑制し、密着性、硬度、クラック耐性等の熱特性を向上させることができる。無機フィラーとしては従来公知の無機フィラーが使用でき、特定のものに限定されないが、例えば、硫酸バリウム、チタン酸バリウム、無定形シリカ、結晶性シリカ、溶融シリカ、球状シリカなどのシリカ、タルク、クレー、ノイブルグ珪土粒子、ベーマイト、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、ジルコン酸カルシウム等の体質顔料や、銅、錫、亜鉛、ニッケル、銀、パラジウム、アルミニウム、鉄、コバルト、金、白金等の金属粉体が挙げられる。無機フィラーは球状粒子であることが好ましい。無機フィラーの平均粒子径(メディアン径、D50)は、0.01~20μmであることが好ましい。なお、本明細書において、無機フィラーの平均粒子径は、一次粒子の粒径だけでなく、二次粒子(凝集体)の粒径も含めた平均粒子径である。平均粒子径は、レーザー回折式粒子径分布測定装置と動的光散乱法による測定装置により求めることができる。レーザー回折法による測定装置としては、マイクロトラック・ベル社製のMicrotrac MT3300EXII、動的光散乱法による測定装置としては、マイクロトラック・ベル社製のNanotracWave II UT151が挙げられる。
前記無機フィラーは、表面処理されていてもよい。表面処理としては、カップリング剤による表面処理や、アルミナ処理等の有機基を導入しない表面処理がされていてもよい。無機フィラーの表面処理方法は特に限定されず、公知慣用の方法を用いればよく、硬化性反応基を有する表面処理剤、例えば、硬化性反応基を有機基として有するカップリング剤等で無機フィラーの表面を処理すればよい。
無機フィラーは、1種を単独で用いてもよく、2種以上の混合物として用いてもよい。無機フィラーの配合量は、ドライフィルムの樹脂層の固形分全量基準で、10~90質量%であることが好ましい。
[硬化剤]
前記樹脂層は、硬化剤を含有してもよい。硬化剤としては、フェノール性水酸基を有する化合物、ポリカルボン酸およびその酸無水物、シアネートエステル基を有する化合物、活性エステル基を有する化合物、マレイミド基を有する化合物、脂環式オレフィン重合体等が挙げられる。硬化剤は1種を単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。
前記フェノール性水酸基を有する化合物としては、フェノールノボラック樹脂、アルキルフェノールボラック樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂、ジシクロペンタジエン型フェノール樹脂、Xylok型フェノール樹脂、テルペン変性フェノール樹脂、クレゾール/ナフトール樹脂、ポリビニルフェノール類、フェノール/ナフトール樹脂、α-ナフトール骨格含有フェノール樹脂、トリアジン骨格含有クレゾールノボラック樹脂、ビフェニルアラルキル型フェノール樹脂、ザイロック型フェノールノボラック樹脂等の従来公知のものを用いることができる。
前記シアネートエステル基を有する化合物は、一分子中に2個以上のシアネートエステル基(-OCN)を有する化合物であることが好ましい。シアネートエステル基を有する化合物は、従来公知のものをいずれも使用することができる。シアネートエステル基を有する化合物としては、例えば、フェノールノボラック型シアネートエステル樹脂、アルキルフェノールノボラック型シアネートエステル樹脂、ジシクロペンタジエン型シアネートエステル樹脂、ビスフェノールA型シアネートエステル樹脂、ビスフェノールF型シアネートエステル樹脂、ビスフェノールS型シアネートエステル樹脂が挙げられる。また、一部がトリアジン化したプレポリマーであってもよい。
市販されているシアネートエステル基を有する化合物としては、フェノールノボラック型多官能シアネートエステル樹脂(ロンザジャパン社製、PT30S)、ビスフェノールAジシアネートの一部又は全部がトリアジン化され三量体となったプレポリマー(ロンザジャパン社製、BA230S75)、ジシクロペンタジエン構造含有シアネートエステル樹脂(ロンザジャパン社製、DT-4000、DT-7000)等が挙げられる。
前記活性エステル基を有する化合物は、一分子中に2個以上の活性エステル基を有する化合物であることが好ましい。活性エステル基を有する化合物は、一般に、カルボン酸化合物とヒドロキシ化合物との縮合反応によって得ることができる。中でも、ヒドロキシ化合物としてフェノール化合物またはナフトール化合物を用いて得られる活性エステル基を有する化合物が好ましい。フェノール化合物またはナフトール化合物としては、ハイドロキノン、レゾルシン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フェノールフタリン、メチル化ビスフェノールA、メチル化ビスフェノールF、メチル化ビスフェノールS、フェノール、o-クレゾール、m-クレゾール、p-クレゾール、カテコール、α-ナフトール、β-ナフトール、1,5-ジヒドロキシナフタレン、1,6-ジヒドロキシナフタレン、2,6-ジヒドロキシナフタレン、ジヒドロキシベンゾフェノン、トリヒドロキシベンゾフェノン、テトラヒドロキシベンゾフェノン、フロログルシン、ベンゼントリオール、ジシクロペンタジエニルジフェノール、フェノールノボラック等が挙げられる。また、活性エステル基を有する化合物としては、ナフタレンジオールアルキル/安息香酸型でもよい。
市販されている活性エステル基を有する化合物としては、ジシクロペンタジエン型のジフェノール化合物、例えば、HPC8000-65T(DIC社製)、HPC8100-65T(DIC社製)、HPC8150-65T(DIC社製)が挙げられる。
硬化剤の配合量は、例えば、エポキシ樹脂100質量部に対し20~100質量部である。
前記樹脂層は、硬化促進剤を含有してもよい。硬化促進剤は、熱硬化反応を促進させるものであり、密着性、耐薬品性、耐熱性等の特性をより一層向上させるために使用される。このような硬化促進剤の具体例としては、イミダゾールおよびその誘導体;アセトグアナミン、ベンゾグアナミン等のグアナミン類;ジアミノジフェニルメタン、m-フェニレンジアミン、m-キシレンジアミン、ジアミノジフェニルスルフォン、ジシアンジアミド、尿素、尿素誘導体、メラミン、多塩基ヒドラジド等のポリアミン類;これらの有機酸塩および/またはエポキシアダクト;三フッ化ホウ素のアミン錯体;エチルジアミノ-S-トリアジン、2,4-ジアミノ-S-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-キシリル-S-トリアジン等のトリアジン誘導体類;トリメチルアミン、トリエタノールアミン、N,N-ジメチルオクチルアミン、N-ベンジルジメチルアミン、ピリジン、N-メチルモルホリン、ヘキサ(N-メチル)メラミン、2,4,6-トリス(ジメチルアミノフェノール)、テトラメチルグアニジン、m-アミノフェノール等のアミン類;ポリビニルフェノール、ポリビニルフェノール臭素化物、フェノールノボラック、アルキルフェノールノボラック等のポリフェノール類;トリブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリス-2-シアノエチルホスフィン等の有機ホスフィン類;トリ-n-ブチル(2,5-ジヒドロキシフェニル)ホスホニウムブロマイド、ヘキサデシルトリブチルホスホニウムクロライド等のホスホニウム塩類;ベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、フェニルトリブチルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩類;前記多塩基酸無水物;ジフェニルヨードニウムテトラフルオロボロエート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、2,4,6-トリフェニルチオピリリウムヘキサフルオロホスフェート等の光カチオン重合触媒;スチレン-無水マレイン酸樹脂;フェニルイソシアネートとジメチルアミンの等モル反応物や、トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の有機ポリイソシアネートとジメチルアミンの等モル反応物、金属触媒等の従来公知の硬化促進剤が挙げられる。
硬化促進剤は、1種を単独または2種以上混合して用いることができる。硬化促進剤の使用は必須ではないが、特に硬化を促進したい場合には、例えば、エポキシ樹脂100質量部に対して0.01~5質量部の範囲で用いることができる。金属触媒の場合、シアネートエステル基を有する化合物100質量部に対して金属換算で10~550ppmが好ましく、25~200ppmがより好ましい。
本発明のドライフィルムの樹脂層は、有機溶剤等の溶剤を含む。有機溶剤としては、特に制限はないが、例えば、ケトン類、芳香族炭化水素類、グリコールエーテル類、グリコールエーテルアセテート類、エステル類、アルコール類、脂肪族炭化水素、石油系溶剤などを挙げることができる。具体的には、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルブチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;セロソルブ、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、カルビトール、メチルカルビトール、ブチルカルビトール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールブチルエーテルアセテートなどのエステル類;エタノール、プロパノール、2-メトキシプロパノール、n-ブタノール、イソブチルアルコール、イソペンチルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール類;オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素;石油エーテル、石油ナフサ、水添石油ナフサ、ソルベントナフサ等の石油系溶剤等の他、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、テトラクロロエチレン、テレビン油等が挙げられる。また、丸善石油化学社製スワゾール1000、スワゾール1500、三共化学社製ソルベント#100、ソルベント#150、シェルケミカルズジャパン社製シェルゾールA100、シェルゾールA150、出光興産社製イプゾール100番、イプゾール150番等の有機溶剤を用いてもよい。有機溶剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上の混合物として用いることができる。本発明のドライフィルムの樹脂層においては、沸点が60℃以上130℃未満の溶剤と沸点が130℃以上250℃以下の溶剤とをそれぞれ含むことが好ましい。なお、本発明のドライフィルムの樹脂層は、必要に応じて沸点250℃超の溶剤をさらに含んでいてもよい。
(エラストマー)
前記樹脂層は、エラストマーを含有してもよい。エラストマーとしては、熱可塑性樹脂、ゴム状粒子、ガラス転移点が20℃以下かつ重量平均分子量が1万以上の高分子樹脂等を用いることができる。エラストマーとしては、ナガセケムテックス社製「SG-P3」、「SG-80H」、「SG-600LB」、「SG-280」、「SG-790」、「SG-K2」等が挙げられる。
前記樹脂層は、さらに必要に応じて、フタロシアニン・ブルー、フタロシアニン・グリーン、アイオジン・グリーン、ジスアゾイエロー、クリスタルバイオレット、酸化チタン、カーボンブラック、ナフタレンブラック等の従来公知の着色剤、アスベスト、オルベン、ベントン、微紛シリカ等の従来公知の増粘剤、シリコーン系、フッ素系、高分子系等の消泡剤および/またはレベリング剤、チアゾール系、トリアゾール系、シランカップリング剤等の密着性付与剤、難燃剤、チタネート系、アルミニウム系の従来公知の添加剤類を用いることができる。
[キャリアフィルム]
キャリアフィルムは、例えば、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルム、ポリイミドフィルム、ポリアミドイミドフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリテトラフルオロエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリスチレンフィルム等の熱可塑性樹脂からなるフィルム、および、表面処理した紙等を用いることができる。キャリアフィルムの厚さは、特に制限されるものではないが概ね10~150μmの範囲で用途に応じて適宜選択される。キャリアフィルムの樹脂層を設ける面には、離型処理が施されていてもよい。
(保護フィルム)
本発明のドライフィルムは、必要に応じて、樹脂層上に保護フィルムを設けてもよい。保護フィルムとは、ドライフィルムの樹脂層の表面に塵等が付着するのを防止するとともに取扱性を向上させる目的で、樹脂層のキャリアフィルムとは反対の面に設けられるものである。保護フィルムとしては、例えば、前記キャリアフィルムで例示した熱可塑性樹脂からなるフィルム、および、表面処理した紙等を用いることができるが、保護フィルムの厚さは、特に制限されるものではないが概ね10~150μmの範囲で用途に応じて適宜選択される。保護フィルムの樹脂層を設ける面には、離型処理が施されていてもよい。
以下、本発明の実施例、比較例および試験例を示して本発明について具体的に説明するが、本発明がこれらの実施例に限定されるものでないことはもとよりである。なお、表中の成分組成は、特に断りのない限り全て質量部である。
〈熱硬化性樹脂組成物の作製〉
表1に示す処方の溶剤を容器に入れ、溶剤が揮発しないように50℃に加温し、それぞれのエポキシ樹脂を加え十分に攪拌し溶解した。その後、添加剤および無機フィラーを加え3本ロールミルにて混練し、さらに硬化剤、硬化促進剤、高分子樹脂を加え撹拌機により十分に攪拌して熱硬化性樹脂組成物を得た。
Figure 0007394839000001
※1:ビスフェノールA型エポキシ樹脂;三菱ケミカル社製
※2:フェノールノボラック型エポキシ樹脂;DIC社製
※3:フェノールノボラック型エポキシ樹脂;DIC社製
※4:フェノールノボラック樹脂;明和化成社製
※5:シラン化合物;信越化学社製
※6:球状シリカ;アドマテックス社製
※7:2-エチル-4-メチルイミダゾール;四国化成工業社製
※8:テイサンレジン、固形分15%のMEK(メチルケトンケトン)溶液;ナガセケムテックス社製。この溶液中のメチルケトンケトンは、沸点が60℃以上130℃未満の溶剤として活用される。
実施例1:1層型ドライフィルムの作製
得られた熱硬化性樹脂組成物を、バーコーターを用いてPETフィルム(離型処理PETフィルム;TN200:厚さ38μm)に塗布し、熱風循環式乾燥炉で100℃で20分間乾燥して厚さ200μmの片面(PETフィルムと逆側の面)で溶剤の残含有量が少ないドライフィルムを得た。なお、実施例1のドライフィルムについては、樹脂層のPETフィルムと逆側に保護フィルムを積層した。
〈溶剤の残含有量の測定〉
TG/DTA(TA Instruments社製TGA 5500)を用いて、ドライフィルムの樹脂層のPETフィルム側と保護フィルム側をそれぞれ5mg程度削ぎ取り、30℃から250℃まで10℃/分で昇温し、250℃で30分保持した後の重量減少を測定することにより、樹脂層両面の溶剤の残含有量を測定したところ片側の残溶剤がそれぞれ0.2質量%(PETフィルムと逆側、即ち、保護フィルム側)、1.9質量%(PETフィルム側)であることを確認した。
実施例2:2層型ドライフィルムの作製
得られた熱硬化性樹脂組成物を、バーコーターを用いてPETフィルム(離型処理PETフィルム;TN200:厚さ38μm)に塗布し、熱風循環式乾燥炉で110℃で15分間乾燥して厚さ130μmの片面(PETフィルムと逆側の面)で溶剤の残含有量が少ないドライフィルムを得た。
実施例1と同様にしてTG/DTAを用いてドライフィルムの樹脂層両面の溶剤の残含有量を測定したところ片側の残溶剤量がそれぞれ0.3質量%(PETフィルムと逆側、即ち、保護フィルム側)、1.8質量%(PETフィルム側)であることを確認した。
得られたドライフィルムの溶剤の残含有量が少ない樹脂層の面同士を真空加圧ラミネーターMVLP-500(名機社製)を用いて、5kgf/cm、50℃、30秒、4hPaの条件にて重ね合わせ厚さ260μmの中心部で溶剤の残含有量が少ない樹脂層を有するドライフィルムを得た。
実施例3:1層型ドライフィルムの作製
得られた熱硬化性樹脂組成物を、バーコーターを用いてPETフィルム(離型処理PETフィルム;TN201:厚さ50μm)に塗布し、熱風循環式乾燥炉で100℃で15分間乾燥して厚さ200μmの片面(PETフィルムと逆側の面)で溶剤の残含有量が少ないドライフィルムを得た。
実施例1と同様にしてTG/DTAを用いてドライフィルムの樹脂層両面の残溶剤を測定したところ片側の残溶剤がそれぞれ2.3質量%(PETフィルムと逆側)、3.3質量%(PETフィルム側)であることを確認した。
比較例1:1層型ドライフィルムの作製
得られた熱硬化性樹脂組成物を、バーコーターを用いてPETフィルム(離型処理PETフィルム;TN200:厚さ38μm)に塗布し、熱風循環式乾燥炉で80℃で20分間乾燥して厚さ200μmの溶剤の残含有量が多い樹脂層を有するドライフィルムを得た。
実施例1と同様にしてTG/DTAを用いてドライフィルムの樹脂層両面の残溶剤量を測定したところ片側の残溶剤量がそれぞれ2.5質量%(PETフィルムと逆側、即ち、保護フィルム側)、2.6質量%(PETフィルム側)であることを確認した。
比較例2:1層型ドライフィルムの作製
得られた熱硬化性樹脂組成物を、バーコーターを用いてPETフィルム(離型処理PETフィルム;TN200:厚さ38μm)に塗布し、熱風循環式乾燥炉で、80℃で45分間十分に乾燥して厚さ200μmの溶剤の残含有量が少ない樹脂層を有するドライフィルムを得た。
実施例1と同様にしてTG/DTAを用いてドライフィルムの樹脂層両面の溶剤の残含有量を測定したところ片側の残溶剤がそれぞれ0.3質量%(PETフィルムと逆側、即ち、保護フィルム側)、0.35質量%(PETフィルム側)であることを確認した。
<試験用基板(チップ部品モデル)の作製>
厚さ1.2mmのガラス板に太陽インキ製のドライフィルムPSR-4000AUS410(厚さ:20μm)を真空加圧ラミネーターMVLP-500((株)名機製作所社製)を用いて、0.1MPa、75℃、1分、4hPaの条件にて加熱ラミネートした。ついでメタルハライドランプ((株)オーク社製HMW680GW)を用いて500mJ/cmの露光量でパターン露光した。さらに1質量%のNaCO水溶液で現像を行い、1mm角の硬化物をガラス板上に9個形成した。この1mm角の硬化物は、中空デバイスのバンプの代わりである。
形成した9個の硬化物上に18mm角の厚さ0.15mmのカバーガラス(MATSUNAMI製)を真空加圧ラミネーターMVLP-500(名機社製)を用いて、試験用基板に0.1MPa、100℃、1分、4hPaの条件にて加熱ラミネートし、熱風循環式乾燥炉にて150℃で30分間加熱し、試験用基板を得た。上記カバーガラスは、機能素子、すなわち、チップ部品の代わりである。
<評価基板の作製>
実施例2および比較例1,2のドライフィルムについては、真空加圧ラミネーターMVLP-500(名機社製)を用いて、試験用基板のカバーガラスに樹脂層が接するように0.5MPa、100℃、1分、4hPaの条件にて加熱ラミネートし、熱風循環式乾燥炉にて100℃で30分間加熱し、その後、PETフィルムを剥がし、熱風循環式乾燥炉にて180℃で60分間加熱し、樹脂層を硬化させて、試験用基板を得た。実施例1、3のドライフィルムについては、PETフィルムを剥がした後、試験用基板のカバーガラスに樹脂層が接するように加熱ラミートし、その後保護フィルムを剥がした以外は実施例2と同様の手順で試験用基板を得た。
<位置合わせ性>
ラミネート前後のドライフィルムの位置ずれについて目視にて確認した。評価基準は下記の通りである。
〇:ズレ無
×:ズレ有
<埋め込み性>
ラミネート後のチップ部品裏側への樹脂層の埋め込み性について光学顕微鏡にて確認した。評価基準は下記の通りである。
〇:チップ下部への流れ込み100μm未満
×:チップ下部への流れ込み100μm以上、またはチップ端部より外側に100μm以上の空間が有る
Figure 0007394839000002
上記表2に示す結果から、実施例1、2、3のドライフィルムは、ドライフィルムの位置合わせ性に優れ、チップ下部への樹脂の流れ込みが少ない。一方で比較例1、は、樹脂層の流れ込みが多い。また比較例2は、ドライフィルムの位置合わせが困難であり、しかも埋め込み性が不十分であった。
1 ドライフィルム
2 キャリアフィルム
3 樹脂層
4 保護フィルム

Claims (5)

  1. キャリアフィルム上に溶剤を含む硬化性樹脂組成物からなる樹脂層を備え、
    該樹脂層は厚さ方向に溶剤の残含有量が相対的に多い領域と、相対的に少ない領域とを、それぞれ少なくとも一つ備えるドライフィルムであって、
    前記溶剤の残含有量が相対的に多い領域の該溶剤の残含有量と、前記相対的に少ない領域の該溶剤の残含有量との差が、0.2質量%以上であることを特徴とする中空デバイス用ドライフィルム。
  2. 前記樹脂層の厚さが40μm以上である請求項1記載の中空デバイス用ドライフィルム。
  3. 前記溶剤が、沸点が60℃以上130℃未満の溶剤と沸点が130℃以上250℃以下の溶剤とをそれぞれ含む請求項1または2に記載の中空デバイス用ドライフィルム。
  4. 請求項1~3のいずれか一項に記載の中空デバイス用ドライフィルムを用いて封止する工程を有することを特徴とする中空デバイスの製造方法。
  5. 前記封止する工程が、前記中空デバイス用ドライフィルムの樹脂層中の溶剤の残含有量が相対的に多い領域の表面を、基板上に設けられた電極パッドと機能素子とがバンプを介して接続されている構造のデバイスにおける前記機能素子に対向させ、加熱しつつ押圧し、前記機能素子の周囲に前記樹脂層を流動させて前記機能素子を封止することを特徴とする、請求項4に記載の中空デバイスの製造方法。
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