WO2020158202A1 - 硬化性樹脂組成物、ドライフィルム、硬化物、および、電子部品 - Google Patents

硬化性樹脂組成物、ドライフィルム、硬化物、および、電子部品 Download PDF

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Abstract

リフローなどの高温条件下においてフクレの発生を抑制し、指触乾燥性、反りの抑制およびスリット加工性に優れたドライフィルムの作製が可能な硬化性樹脂組成物等を提供する。リフローなどの高温条件下においてフクレの発生を抑制し、かつ、低Dkの硬化物が得られる硬化性樹脂組成物等を提供する。(A)数平均分子量が10,000超であり、末端にマレイミド環またはベンゾオキサジン環を有するポリイミドと、(B-1)熱硬化性樹脂成分とを含むことを特徴とする硬化性樹脂組成物等である。(A)数平均分子量が10,000超であり、末端にマレイミド環またはベンゾオキサジン環を有するポリイミドと(B-2)マレイミド基を有する化合物とを含むことを特徴とする硬化性樹脂組成物等である。

Description

硬化性樹脂組成物、ドライフィルム、硬化物、および、電子部品
 本発明は、硬化性樹脂組成物、ドライフィルム、硬化物、および、電子部品に関する。
 近年、多層プリント配線板として、内層回路板の導体層上に樹脂絶縁層と導体層を交互に積み上げていくビルドアップ方式により製造してなるものが注目されている。例えば、回路形成された内層回路板に硬化性樹脂組成物を塗布し、加熱硬化した後、レーザー加工により開口部を形成し、デスミア液により樹脂絶縁層表面に凸凹状の粗化面を形成し、導体層をめっきにより形成してなる多層プリント配線板が提案されている。また、回路形成された内層回路板に硬化性樹脂組成物のドライフィルムをラミネートし、加熱硬化した後、上記と同様に導体層を形成してなる多層プリント配線板も提案されている。
 このような多層プリント配線板の樹脂絶縁層に用いる組成物としては、例えば、エポキシ樹脂と硬化剤としてフェノール樹脂を配合した硬化性樹脂組成物が知られている(例えば、特許文献1)。
特開平11-001547号公報
 しかしながら、上記のようなエポキシ樹脂とフェノール樹脂を組合せた組成物の場合は、耐熱性が不十分であるため、はんだリフロー工程において高温に曝されることによって、特にビア周辺でフクレが発生し、外観不良やデラミの原因となっていた。そこで、耐熱性の高いポリイミド樹脂を含む組成物に変更することが考えられるが、一般なポリイミド樹脂は溶剤溶解性が乏しいため、ドライフィルムの反りが生じやすい上、スリット加工性が低下しやすいという問題があった。即ち、近年は、ドライフィルムの製造工程において、コスト面等の観点から、大面積のドライフィルムを製造してから販売サイズに裁断する製法が望まれているが、そのような大面積のドライフィルムの製造には、従来よりもドライフィルムの反りを低減する必要があった。また、そのような大面積のドライフィルムをスリット加工すると、加工中にカッターの切れ味が徐々に悪くなり、塗膜の割れや保護フィルムの浮きが発生するという問題があった。
 さらに、基板へのドライフィルムのラミネート時に、気泡の噛込み抑制のため指触乾燥性に優れていることも求められている。
 そこで本発明の第一の目的は、リフローなどの高温条件下においてフクレの発生を抑制し、指触乾燥性、反りの抑制およびスリット加工性に優れたドライフィルムの作製が可能な硬化性樹脂組成物、該組成物から得られる樹脂層を有するドライフィルム、該組成物または該ドライフィルムの樹脂層の硬化物、および、該硬化物を有する電子部品を提供することにある。
 また、上述のように、上記のようなエポキシ樹脂とフェノール樹脂を組合せた組成物の場合は、耐熱性が不十分であるため、はんだリフロー工程において高温に曝されることによって、特にビア周辺でフクレが発生し、外観不良やデラミの原因となっていた。さらに、上記のような電子部品においては、近年では、高周波領域で通信する場合に、電気信号の遅延や損失の問題が生じるようになってきたことから、絶縁材料(硬化物)の誘電率(Dk)を低くすることが求められてきている。
 そこで本発明の第二の目的は、リフローなどの高温条件下においてフクレの発生を抑制し、かつ、低Dkの硬化物が得られる硬化性樹脂組成物、該組成物から得られる樹脂層を有するドライフィルム、該組成物または該ドライフィルムの樹脂層の硬化物、および、該硬化物を有する電子部品を提供することにある。
 本発明者等は上記を鑑み鋭意検討した結果、高分子量かつ末端にマレイミド環またはベンゾオキサジン環を有するポリアミド樹脂を、熱硬化性樹脂成分と組み合わせて配合することによって、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
 即ち、本発明の第一の態様の硬化性樹脂組成物は、(A)数平均分子量が10,000超であり、末端にマレイミド環またはベンゾオキサジン環を有するポリイミドと、(B-1)熱硬化性樹脂成分とを含むことを特徴とするものである。
 本発明の第一の態様のドライフィルムは、前記硬化性樹脂組成物をフィルムに塗布、乾燥して得られる樹脂層を有することを特徴とするものである。
 本発明の第一の態様の硬化物は、前記硬化性樹脂組成物、または、前記ドライフィルムの樹脂層を硬化して得られることを特徴とするものである。
 本発明の第一の態様の電子部品は、前記硬化物を有することを特徴とするものである。
 また、本発明者等は上記を鑑み鋭意検討した結果、高分子量かつ末端にマレイミド環またはベンゾオキサジン環を有するポリアミド樹脂を、マレイミド基を有する化合物と組み合わせて配合することによって、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
 即ち、本発明の第二の態様の硬化性樹脂組成物は、(A)数平均分子量が10,000超であり、末端にマレイミド環またはベンゾオキサジン環を有するポリイミドと(B-2)マレイミド基を有する化合物とを含むことを特徴とするものである。
 本発明の第二の態様のドライフィルムは、前記硬化性樹脂組成物をフィルムに塗布、乾燥して得られる樹脂層を有することを特徴とするものである。
 本発明の第二の態様の硬化物は、前記硬化性樹脂組成物、または、前記ドライフィルムの樹脂層を硬化して得られることを特徴とするものである。
 本発明の第二の態様の電子部品は、前記硬化物を有することを特徴とするものである。
 第一に、本発明によれば、リフローなどの高温条件下においてフクレの発生を抑制し、指触乾燥性、反りの抑制およびスリット加工性に優れたドライフィルムの作製が可能な硬化性樹脂組成物、該組成物から得られる樹脂層を有するドライフィルム、該組成物または該ドライフィルムの樹脂層の硬化物、および、該硬化物を有する電子部品を提供することができる。
 第二に、本発明によれば、リフローなどの高温条件下においてフクレの発生を抑制し、かつ、低Dkの硬化物が得られる硬化性樹脂組成物、該組成物から得られる樹脂層を有するドライフィルム、該組成物または該ドライフィルムの樹脂層の硬化物、および、該硬化物を有する電子部品を提供することができる。
 以下、本発明の硬化性樹脂組成物が含有する成分について詳述する。
[(A)数平均分子量が10,000超であり、末端にマレイミド環またはベンゾオキサジン環を有するポリイミド]
 本発明の硬化性樹脂組成物は、(A)数平均分子量が10,000超であり、末端にマレイミド環またはベンゾオキサジン環を有するポリイミド(以下、単に「(A)ポリイミド」とも称する)を含有する。
 (A)ポリイミドは、末端、好ましくは主鎖末端、より好ましくは主鎖の両末端に官能基としてマレイミド環およびベンゾオキサジン環を有する。ポリイミドの末端にマレイミド環またはベンゾオキサジン環を形成する方法は特に限定されず、公知技術に基づいて形成すればよい。例えば、マレイミド環を形成する方法としては、1級アミンと無水マレイミン酸を反応させればよい。また、ベンゾオキサジン環を形成する方法としては、例えば、1級アミンとフェノールとホルムアルデヒドを反応させればよく、日本接着学会誌Vol.39、No.11(2003)「二官能性ベンゾオキサジン樹脂の硬化温度特性および耐熱特性」に基づき形成すればよい。
 (A)ポリイミドの数平均分子量(Mn)は、20,000以上であることが好ましく、30,000~100万であることが好ましく、30,000~10万であることがより好ましい。
 (A)ポリイミドのポリイミド骨格は特に限定されず、例えば、ポリアミック酸やポリアミック酸エステルの繰り返し単位を有するポリイミド前駆体を、加熱処理等によって環化し、ポリイミド骨格を形成すればよい。ポリアミック酸やポリアミック酸エステルは、従来公知の手法を適用することにより調製可能であり、例えば、ポリアミック酸は、酸二無水物とジアミンを溶液中で混合するのみで調製できる。
 上記酸二無水物としては、例えば、エチレンテトラカルボン酸二無水物、ブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、メチルシクロブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物などの脂肪族テトラカルボン酸二無水物;ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3’,3,4’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3’,3,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,6,6’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2-ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、1,1-ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン二無水物、2,2-ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン二無水物、1,3-ビス〔(3,4-ジカルボキシ)ベンゾイル〕ベンゼン二無水物、1,4-ビス〔(3,4-ジカルボキシ)ベンゾイル〕ベンゼン二無水物、2,2-ビス{4-〔4-(1,2-ジカルボキシ)フェノキシ〕フェニル}プロパン二無水物、2,2-ビス{4-〔3-(1,2-ジカルボキシ)フェノキシ〕フェニル}プロパン二無水物、ビス{4-〔4-(1,2-ジカルボキシ)フェノキシ〕フェニル}ケトン二無水物、ビス{4-〔3-(1,2-ジカルボキシ)フェノキシ〕フェニル}ケトン二無水物、4,4’-ビス〔4-(1,2-ジカルボキシ)フェノキシ〕ビフェニル二無水物、4,4’-ビス〔3-(1,2-ジカルボキシ)フェノキシ〕ビフェニル二無水物、ビス{4-〔4-(1,2-ジカルボキシ)フェノキシ〕フェニル}ケトン二無水物、ビス{4-〔3-(1,2-ジカルボキシ)フェノキシ〕フェニル}ケトン二無水物、ビス{4-〔4-(1,2-ジカルボキシ)フェノキシ〕フェニル}スルホン二無水物、ビス{4-〔3-(1,2-ジカルボキシ)フェノキシ〕フェニル}スルホン二無水物、ビス{4-〔4-(1,2-ジカルボキシ)フェノキシ〕フェニル}スルフィド二無水物、ビス{4-〔3-(1,2-ジカルボキシ)フェノキシ〕フェニル}スルフィド二無水物、2,2-ビス{4-〔4-(1,2-ジカルボキシ)フェノキシ〕フェニル}-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン二無水物、2,2-ビス{4-〔3-(1,2-ジカルボキシ)フェノキシ〕フェニル}-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン二無水物、2,3,6,7-ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2,2-ビス(2,3-又は3,4-ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、1,4,5,8-ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6-ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4-ベンゼンテトラカルボン酸二無水物、3,4,9,10-ぺリレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7-アントラセンテトラカルボン酸二無水物、1,2,7,8-フェナントレンテトラカルボン酸二無水物、ピリジンテトラカルボン酸二無水物、スルホニルジフタル酸無水物、m-ターフェニル-3,3’,4,4’-テトラカルボン酸二無水物、p-ターフェニル-3,3’,4,4’-テトラカルボン酸二無水物、1,3-イソベンゾフランジオン,5,5’-[(1-メチルエチリデン)ビス(4,1-フェニレンオキシ)]ビス-などの芳香族テトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。
 上記ジアミンとしては、パラフェニレンジアミン、3,3’-ジメチル-4,4’-ジアミノビフェニル、2,2’-ジメチル-4,4’-ジアミノビフェニル、3,3’-ジメトキシ-4,4’-ジアミノビフェニル、3,3’-ジクロロ-4,4’-ジアミノビフェニル、9,10-ビス(4-アミノフェニル)アントラセン、4,4’-ジアミノベンゾフェノン、4,4’-ジアミノジフェニルスルホン、3,3’-ジアミノジフェニルスルホン、4,4’-ジアミノジフェニルスルフォキシド、1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン、ビス〔4-(4-アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4-(3-アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、4,4’-ビス(4-アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’-ビス(3-アミノフェノキシビフェニル、ビス〔4-(4-アミノフェノキシ)フェニル〕エーテル、1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2,2-ビス(4-アミノフェニル)プロパン、1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2,2-ビス〔4-(4-アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2,2-ビス(3-アミノ-4-メチルフェニル)プロパン、メタフェニレンジアミン、4,4’-ジアミノジフェニルエーテル、4,4’-ジアミノジフェニルスルフィド、3,4’-ジアミノジフェニルエーテル、1,4-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’-メチレンビス(2,6-ジエチルベンゼンアミン)、4,4’-[(1-メチルエチリデン)ビス(4,1-フェニレンオキシ)]ビス[ベンゼンアミン]等の芳香族基を有するジアミン、1,1-メタキシリレンジアミン、1,3-プロパンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、4,4-ジアミノヘプタメチレンジアミン、1,4-ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミン、テトラヒドロジシクロペンタジエニレンジアミン、ヘキサヒドロ-4,7-メタノインダニレンジメチレンジアミン、トリシクロ[6.2.1.02,7]-ウンデシレンジメチルジアミン、4,4’-メチレンビス(シクロヘキシルアミン)、イソホロンジアミン等の脂肪族基を有するジアミンを挙げることができる。
 (A)ポリイミドは、アニソール等の沸点が120℃以上の溶剤に可溶性であることが好ましい。
 (A)ポリイミドは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。(A)ポリイミドの配合量は、組成物の固形分全量基準で5~25質量%であることが好ましい。(A)ポリイミドの配合量が25質量%以下であると、ドライフィルムの樹脂層の基板への貼り付けが良好になり密着性が向上する。一方で5質量%以上であると、リフローなどの高温条件下においてフクレの発生を抑制し、指触乾燥性、反りの抑制およびスリット加工性が良好になる。
[(B-1)熱硬化性樹脂成分]
 本発明の第一の態様の硬化性樹脂組成物は、(B-1)熱硬化性樹脂成分を含有する。また、本発明の第二の態様の硬化性樹脂組成物は、(B-1)熱硬化性樹脂成分を含有してもよい。熱硬化性樹脂成分は、熱による硬化反応が可能な官能基を有する樹脂である。熱硬化性樹脂成分は特に限定されず、エポキシ化合物、多官能オキセタン化合物、分子内に2個以上のチオエーテル基を有する化合物(すなわちエピスルフィド樹脂)、フェノール性水酸基を有する化合物、尿素(ユリア)樹脂、メラミン樹脂などのトリアジン環含有樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、シリコーン樹脂、ベンゾオキサジン環を有する樹脂、ノルボルネン系樹脂、活性エステル基を有する化合物、シアネートエステル基を有する化合物、イソシアネート樹脂、ウレタン樹脂、ベンゾシクロブテン樹脂、ポリアゾメチン樹脂、熱硬化性ポリイミド、エチレン性不飽和基を有するポリフェニレンエーテル化合物等が挙げられる。(B-1)熱硬化性樹脂成分は1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよく、また、後述の実施例の態様に限定されないのはもとよりである。エポキシ化合物との組み合わせで好ましい熱硬化性樹脂成分としては、フェノール性水酸基を有する化合物、活性エステル基を有する化合物、シアネートエステル基を有する化合物が挙げられる。
 上記エポキシ化合物は、エポキシ基を有する化合物であり、従来公知のものをいずれも使用できる。分子中にエポキシ基を2個有する2官能性エポキシ化合物、分子中にエポキシ基を多数有する多官能エポキシ化合物等が挙げられる。なお、水素添加された2官能エポキシ化合物であってもよい。
 エポキシ化合物としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAのノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族鎖状エポキシ樹脂、リン含有エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、ノルボルネン型エポキシ樹脂、アダマンタン型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂、アミノフェノール型エポキシ樹脂、アミノクレゾール型エポキシ樹脂、アルキルフェノール型エポキシ樹脂等が用いられる。
 エポキシ化合物は、固形エポキシ樹脂、半固形エポキシ樹脂、液状エポキシ樹脂の何れであってもよい。本明細書において、固形エポキシ樹脂とは40℃で固体状であるエポキシ樹脂をいい、半固形エポキシ樹脂とは20℃で固体状であり、40℃で液状であるエポキシ樹脂をいい、液状エポキシ樹脂とは20℃で液状のエポキシ樹脂をいう。液状の判定は、危険物の試験及び性状に関する省令(平成元年自治省令第1号)の別紙第2の「液状の確認方法」に準じて行う。例えば、特開2016-079384号公報の段落23~25に記載の方法にて行なう。
 前記フェノール性水酸基を有する化合物としては、フェノールノボラック樹脂、アルキルフェノールボラック樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂、ジシクロペンタジエン型フェノール樹脂、Xylok型フェノール樹脂、テルペン変性フェノール樹脂、クレゾール/ナフトール樹脂、ポリビニルフェノール類、フェノール/ナフトール樹脂、α-ナフトール骨格含有フェノール樹脂、トリアジン骨格含有クレゾールノボラック樹脂、ビフェニルアラルキル型フェノール樹脂、ザイロック型フェノールノボラック樹脂等の従来公知のものを用いることができる。フェノール性水酸基を有する化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。フェノール性水酸基を有する化合物としては、保存安定性の観点から、トリアジン環を含まないフェノール性水酸基を有する化合物を使用することが好ましい。
 前記フェノール性水酸基を有する化合物の中でも、水酸基当量が100g/eq.以上のものが好ましい。水酸基当量が100g/eq.以上のフェノール性水酸基を有する化合物としては、例えば、ジシクロペンタジエン骨格フェノールノボラック樹脂(GDPシリーズ、群栄化学社製)、ザイロック型フェノールノボラック樹脂(MEH-7800、明和化成社製)、ビフェニルアラルキル型ノボラック樹脂(MEH-7851、明和化成社製)、ナフトールアラルキル型硬化剤(SNシリーズ、新日鉄住金社製)、トリアジン骨格含有クレゾールノボラック樹脂(LA-3018-50P、DIC社製)、トリアジン骨格含有フェノールノボラック樹脂(LA-705N、DIC社製)などが挙げられる。
 シアネートエステル基を有する化合物としては、一分子中に2個以上のシアネートエステル基(-OCN)を有する化合物であることが好ましい。シアネートエステル基を有する化合物は、従来公知のものをいずれも使用することができる。シアネートエステル基を有する化合物としては、例えば、フェノールノボラック型シアネートエステル樹脂、アルキルフェノールノボラック型シアネートエステル樹脂、ジシクロペンタジエン型シアネートエステル樹脂、ビスフェノールA型シアネートエステル樹脂、ビスフェノールF型シアネートエステル樹脂、ビスフェノールS型シアネートエステル樹脂が挙げられる。また、一部がトリアジン化したプレポリマーであってもよい。シアネートエステル基を有する化合物としては、反応性と耐熱性の観点からノボラック構造を有するものが好ましい。
 市販されているシアネートエステル基を有する化合物としては、フェノールノボラック型多官能シアネートエステル樹脂(ロンザジャパン社製、PT30S)、ビスフェノールAジシアネートの一部又は全部がトリアジン化され三量体となったプレポリマー(ロンザジャパン社製、BA230S75)、ジシクロペンタジエン構造含有シアネートエステル樹脂(ロンザジャパン社製、DT-4000、DT-7000)等が挙げられる。
 前記活性エステル基を有する化合物は、一分子中に2個以上の活性エステル基を有する化合物であることが好ましい。活性エステル基を有する化合物は、一般に、カルボン酸化合物とヒドロキシ化合物との縮合反応によって得ることができる。中でも、ヒドロキシ化合物としてフェノール化合物またはナフトール化合物またはナフチレンエーテル化合物を用いて得られる活性エステル基を有する化合物が好ましい。フェノール化合物またはナフトール化合物としては、ハイドロキノン、レゾルシン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フェノールフタリン、メチル化ビスフェノールA、メチル化ビスフェノールF、メチル化ビスフェノールS、フェノール、o-クレゾール、m-クレゾール、p-クレゾール、カテコール、α-ナフトール、β-ナフトール、1,5-ジヒドロキシナフタレン、1,6-ジヒドロキシナフタレン、2,6-ジヒドロキシナフタレン、ジヒドロキシベンゾフェノン、トリヒドロキシベンゾフェノン、テトラヒドロキシベンゾフェノン、フロログルシン、ベンゼントリオール、ジシクロペンタジエニルジフェノール、フェノールノボラック等が挙げられる。また、活性エステル基を有する化合物としては、ナフタレンジオールアルキル/安息香酸型でもよい。活性エステル基を有する化合物としては、α-ナフトール、β-ナフトールおよびジシクロペンタジエン骨格のいずれかを有するものが好ましい。
 市販されている活性エステル基を有する化合物としては、シクロペンタジエン型のジフェノール化合物、例えば、HPC8000-65T(DIC社製)、HPC8100-65T(DIC社製)、HPC8150-65T(DIC社製)が挙げられる。
 エチレン性不飽和基を有するポリフェニレンエーテル化合物としては、三菱瓦斯化学社製のOPEシリーズなどが挙げられ、例えば、OPE-2st1200、OPE-2st2200である。
 (B-1)熱硬化性樹脂成分の配合量は、本発明の第一の態様の硬化性樹脂組成物においては、組成物の固形分全量基準で3~30質量%であることが好ましい。本発明の第二の態様の硬化性樹脂組成物においては、例えば、組成物の固形分全量基準で、好ましくは1~30質量%であり、より好ましくは、2~20質量%である。
[(B-2)マレイミド基を有する化合物]
 本発明の第二の態様の硬化性樹脂組成物は、(B-2)マレイミド基を有する化合物を含有する。(B-2)マレイミド基を有する化合物は、マレイミド骨格を有する化合物であり、従来公知のものをいずれも使用できる。マレイミド基を有する化合物は、2以上のマレイミド骨格を有することが好ましく、N,N’-1,3-フェニレンジマレイミド、N,N’-1,4-フェニレンジマレイミド、N,N’-4,4-ジフェニルメタンビスマレイミド、1,2-ビス(マレイミド)エタン、1,6-ビスマレイミドヘキサン、1,6-ビスマレイミド-(2,2,4-トリメチル)ヘキサン、2,2’-ビス-[4-(4-マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパン、3,3’-ジメチル-5,5’-ジエチル-4,4’-ジフェニルメタンビスマレイミド、4-メチル-1,3-フェニレンビスマレイミド、ビス(3-エチル-5-メチル-4-マレイミドフェニル)メタン、ビスフェノールAジフェニルエーテルビスマレイミド、ポリフェニルメタンマレイミド、およびこれらのオリゴマー、ならびにマレイミド骨格を有するジアミン縮合物のうちの少なくとも何れか1種であることがより好ましい。前記オリゴマーは、上述のマレイミド基を有する化合物のうちのモノマーであるマレイミド基を有する化合物を縮合させることにより得られたオリゴマーである。マレイミド基を有する化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
 市販されているマレイミド基を有する化合物としては、BMI-689(炭素数3以上の長鎖脂肪鎖を有するビスマレイミド化合物、Designer Molecules社製)、BMI-1000(4,4’-ジフェニルメタンビスマレイミド、大和化成工業社製)、BMI-2300(フェニルメタンビスマレイミド、大和化成工業社製)、BMI-3000(m-フェニレンビスマレイミド、大和化成工業社製)、MIR-3000(ビフェニル骨格含有ビスマレイミド、日本化薬社製)、BMI-5000(マレイミド樹脂、Designer Molecules社製)、BMI-5100(3,3’-ジメチル-5,5’-ジメチル-4,4’-ジフェニルメタンビスマレイミド、大和化成工業社製)、BMI-7000(4-メチル-1,3,-フェニレンビスマレイミド、大和化成工業社製)、BMI-TMH((1,6-ビスマレイミド-2,2,4-トリメチル)ヘキサン、大和化成工業社製)などが挙げられる。
 マレイミド基を有する化合物の中でも、炭素数3以上の脂肪鎖を有するビスマレイミド化合物がより好ましく、(A)ポリイミドとの組み合わせによって、吸湿リフロー耐性をより向上させることができる。
 (B-2)マレイミド基を有する化合物の数平均分子量は、(A)成分の数平均分子量と異なり、好ましくは5000未満であり、より好ましくは3000以下であり、さらに好ましくは1000以下である。
 (B-2)マレイミド基を有する化合物の配合量は、組成物の固形分全量基準で、好ましくは1~30質量%であり、より好ましくは、2~20質量%である。
(無機フィラー)
 本発明の硬化性樹脂組成物は、無機フィラーを含有することができる。無機フィラーを配合することによって、得られる硬化物の硬化収縮を抑制し、密着性、硬度、絶縁層の周囲にある銅等の導体層と熱強度を合わせることによるクラック耐性等の熱特性を向上させることができる。無機フィラーとしては従来公知の無機フィラーが使用でき、特定のものに限定されないが、例えば、硫酸バリウム、チタン酸バリウム、無定形シリカ、結晶性シリカ、溶融シリカ、球状シリカなどのシリカ、タルク、クレー、ノイブルグ珪土粒子、ベーマイト、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、ジルコン酸カルシウム等の体質顔料や、銅、錫、亜鉛、ニッケル、銀、パラジウム、アルミニウム、鉄、コバルト、金、白金等の金属粉体が挙げられる。無機フィラーは球状粒子であることが好ましい。中でもシリカが好ましく、硬化性組成物の硬化物の硬化収縮を抑制し、より低CTEとなり、また、密着性、硬度などの特性を向上させる。無機フィラーの平均粒子径(メディアン径、D50)は、0.01~10μmであることが好ましい。無機フィラーとしては、スリット加工性の観点から、平均粒子径が0.01~3μmのシリカであることが好ましい。なお、本明細書において、無機フィラーの平均粒子径は、一次粒子の粒径だけでなく、二次粒子(凝集体)の粒径も含めた平均粒子径である。平均粒子径は、レーザー回折式粒子径分布測定装置により求めることができる。レーザー回折法による測定装置としては、マイクロトラック・ベル社製Nanotrac waveなどが挙げられる。
 前記無機フィラーは、表面処理されていてもよい。表面処理としては、カップリング剤による表面処理や、アルミナ処理等の有機基を導入しない表面処理がされていてもよい。無機フィラーの表面処理方法は特に限定されず、公知慣用の方法を用いればよく、硬化性反応基を有する表面処理剤、例えば、硬化性反応基を有機基として有するカップリング剤等で無機フィラーの表面を処理すればよい。
 無機フィラーの表面処理は、カップリング剤による表面処理であることが好ましい。カップリング剤としては、シラン系、チタネート系、アルミネート系およびジルコアルミネート系等のカップリング剤が使用できる。中でもシラン系カップリング剤が好ましい。かかるシラン系カップリング剤の例としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、N-(2-アミノメチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-アニリノプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン等を挙げることができ、これらは単独で、あるいは併用して使用することができる。これらのシラン系カップリング剤は、予め無機フィラーの表面に吸着あるいは反応により固定化されていることが好ましい。ここで、無機フィラー100質量部に対するカップリング剤の処理量は、例えば、0.1~10質量部である。
 硬化性反応基としては熱硬化性反応基が好ましい。熱硬化性反応基としては、水酸基、カルボキシル基、イソシアネート基、アミノ基、イミノ基、エポキシ基、オキセタニル基、メルカプト基、メトキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシメチル基、エトキシエチル基、オキサゾリン基等が挙げられる。中でも、アミノ基およびエポキシ基のいずれか少なくとも1種が好ましい。なお、表面処理された無機フィラーは、熱硬化性反応基に加え、光硬化性反応基を有していてもよい。
 なお、表面処理がされた無機フィラーは、表面処理された状態で前記組成物に含有されていればよく、前記組成物に無機フィラーと表面処理剤とを別々に配合して組成物中で無機フィラーが表面処理されてもよいが、予め表面処理した無機フィラーを配合することが好ましい。予め表面処理した無機フィラーを配合することによって、別々に配合した場合に残存しうる表面処理で消費されなかった表面処理剤によるクラック耐性等の低下を防ぐことができる。予め表面処理する場合は、溶剤や樹脂成分に無機フィラーを予備分散した予備分散液を配合することが好ましく、表面処理した無機フィラーを溶剤に予備分散し、該予備分散液を組成物に配合するか、表面未処理の無機フィラーを溶剤に予備分散する際に十分に表面処理した後、該予備分散液を組成物に配合することがより好ましい。
 無機フィラーは、粉体または固体状態で樹脂成分等と配合してもよく、溶剤や分散剤と混合してスラリーとした後で熱硬化性樹脂成分等と配合してもよい。
 無機フィラーは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。無機フィラーの配合量は、組成物の固形分全量基準で、10~90質量%であることが好ましく、50~90質量%であることがより好ましく、60~90質量%であることがさらにより好ましい。無機フィラーの配合量が10質量%以上の場合、熱膨張を抑制して耐熱性が向上し、一方、90質量%以下の場合、クラックの発生を抑制できる。
(有機フィラー)
 本発明の硬化性樹脂組成物は、有機フィラーを含有することができる。有機フィラーとしては従来公知の有機フィラーが使用でき、特定のものに限定されないが、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、および、テトラフルオロエチレンと下記一般式(1)で表されるエチレン性不飽和化合物との共重合体のようなフッ素含有共重合樹脂が挙げられる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-I000001
(一般式(1)中、R~Rは、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、アルキル基、または、-ORfであり、前記Rfは、少なくともフッ素原子を含むアルキル基である。ただし、前記R~Rが全てフッ素原子である場合を除く)。
 上記の有機フィラーとしては、公知慣用のものを用いればよく、例えば、ダイキン工業社製ルブロンL-2、L-5、L-5F、LDW-410、ネオフロンPFAのAS-201、202、210、230、210AS(テトラフルオロエチエチレンとパーフルオロアルキルビニルエーテルの共重合物)、ネオフロンETFEのEP506、526、610(テトラフルオロエチレンとエチレンの共重合物)等の市販品を用いてもよい。
 また、テフロンファインパウダー(例えば、三井・デュポン社製の6-J、62-J、6C-J、640-J、TLP10F-1、MP1300-J)をジェットミルなどの気流式微粉砕機を用い、平均粒子径数μmサイズに微粉砕したものを用いてもよい。
 なお、本発明の硬化性樹脂組成物においては、さらに、ネオフロンFEPのNP101、102、NP20、NP30(フッ化メチル基構造を有するポリテトラフルオロエチレン)やネオフロンPVDFのVP825(CFとCHが交互に結合した直鎖状構造をもつフッ化ビニリデン重合体)などのフッ素樹脂を含んでいてもよい。
 有機フィラーの中でも、フッ素含有共重合樹脂が好ましい。
 上記の有機フィラーは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。上記の有機フィラーの配合量は、組成物の固形分100質量部に対し1~20質量部であることが好ましい。
 上記の有機フィラー以外の有機フィラーとしては、シリコンパウダー、ナイロンパウダー、フッ素パウダー等が挙げられる。
(高分子樹脂)
 本発明の硬化性樹脂組成物は、高分子樹脂を含有することができる。高分子樹脂としては、下記の熱可塑性樹脂、ゴム状粒子、および、ガラス転移点が20℃以下かつ重量平均分子量が1万以上の高分子樹脂を用いることが好ましい。
(熱可塑性樹脂)
 本発明の硬化性樹脂組成物には、得られる硬化膜の機械的強度を向上させるために、さらに熱可塑性樹脂を含有することができる。熱可塑性樹脂は、溶剤に可溶であることが好ましい。溶剤に可溶である場合、ドライフィルム化した場合に柔軟性が向上し、クラックの発生や粉落ちを抑制できる。熱可塑性樹脂としては、熱可塑性ポリヒドロキシポリエーテル樹脂や、エピクロルヒドリンと各種2官能フェノール化合物の縮合物であるフェノキシ樹脂或いはその骨格に存在するヒドロキシエーテル部の水酸基を各種酸無水物や酸クロリドを使用してエステル化したフェノキシ樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ブロック共重合体等が挙げられる。熱可塑性樹脂は1種を単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。耐熱性の観点からフェノキシ樹脂が好ましい。デスミア後の硬化物表面の粗度を小さくする観点から、ポリビニルアセタール樹脂が好ましい。
 ポリビニルアセタール樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール樹脂をアルデヒドでアセタール化することで得られる。前記アルデヒドとしては、特に限定されず、例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、アミルアルデヒド、ヘキシルアルデヒド、ヘプチルアルデヒド、2-エチルヘキシルアルデヒド、シクロヘキシルアルデヒド、フルフラール、ベンズアルデヒド、2-メチルベンズアルデヒド、3-メチルベンズアルデヒド、4-メチルベンズアルデヒド、p-ヒドロキシベンズアルデヒド、m-ヒドロキシベンズアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、β-フェニルプロピオンアルデヒド等が挙げられ、ブチルアルデヒドが好ましい。
 フェノキシ樹脂の具体例としては、東都化成社製のFX280、FX293、三菱ケミカル社製のYX8100、YX6954、YL6954、YL6974等が挙げられる。また、ポリビニルアセタール樹脂の具体例としては、積水化学工業社製のエスレックKSシリーズ、ポリアミド樹脂としては、日立化成社製のKS5000シリーズ、日本化薬社製のBPシリーズ、さらに、ポリアミドイミド樹脂としては、日立化成社製のKS9000シリーズ等が挙げられる。
 熱可塑性樹脂の配合量は、組成物固形分全量100質量部に対し0.5~10質量部であることが好ましく、0.5~5質量部であることがより好ましい。
(ゴム状粒子)
 本発明の熱硬化性樹脂組成物は、必要に応じてゴム状粒子を含有することができる。このようなゴム状粒子としては、ポリブタジエンゴム、ポリイソプロピレンゴム、ウレタン変性ポリブタジエンゴム、エポキシ変性ポリブタジエンゴム、アクリロニトリル変性ポリブタジエンゴム、カルボキシル基変性ポリブタジエンゴム、カルボキシル基または水酸基で変性したアクリロニトリルブタジエンゴム、およびそれらの架橋ゴム粒子、コアシェル型ゴム粒子等が挙げられ、1種を単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。これらのゴム状粒子は、得られる硬化膜の柔軟性を向上させたり、クラック耐性が向上したり、酸化剤による表面粗化処理を可能とし、銅箔等との密着強度を向上させるために添加される。
 ゴム状粒子の平均粒子径は0.005~1μmの範囲が好ましく、0.2~1μmの範囲がより好ましい。本発明におけるゴム状粒子の平均粒子径は、レーザー回折式粒子径分布測定装置により求めることができる。例えば、適当な有機溶剤にゴム状粒子を超音波などにより均一に分散させ、日機装社製Nanotrac waveを用いて、ゴム状粒子の粒度分布を質量基準で作成し、そのメディアン径を平均粒子径とすることで測定することができる。
 ゴム状粒子の配合量は、組成物の固形分全量基準で、0.5~10質量%であることが好ましく、1~5質量%であることがより好ましい。0.5質量%以上の場合、クラック耐性が得られ、導体パターン等との密着強度を向上できる。10質量%以下の場合、熱膨張係数(CTE)が低下し、ガラス転移温度(Tg)が上昇して硬化特性が向上する。
(ガラス転移点が20℃以下かつ重量平均分子量が1万以上の高分子樹脂)
 本発明の硬化性樹脂組成物は、ガラス転移点が20℃以下かつ重量平均分子量が1万以上の高分子樹脂を含有することができる。前記高分子樹脂のガラス転移点は、-40~20℃であることが好ましく、-15~15℃であることがより好ましく、-5~15℃であることが特に好ましい。-5~15℃であると、硬化物の反りを良好に抑制することができる。
 また、前記高分子樹脂の重量平均分子量は高いほど無機フィラーの沈降防止効果が大きいことから、10万以上であることが好ましく、20万以上であることがより好ましい。上限値としては、例えば、100万以下である。
 前記高分子樹脂としては、ブタジエン骨格、アミド骨格、イミド骨格、アセタール骨格、カーボネート骨格、エステル骨格、ウレタン骨格、アクリル骨格及びシロキサン骨格から選択される1種以上の骨格を有する高分子樹脂などが挙げられる。例えば、ブタジエン骨格を有する高分子樹脂(日本曹達社製「G-1000」、「G-3000」、「GI-1000」、「GI-3000」、出光興産社製「R-45EPI」、ダイセル社製「PB3600」、「エポフレンドAT501」、クレイバレー社製「Ricon130」、「Ricon142」、「Ricon150」、「Ricon657」、「Ricon130MA」)、ブタジエン骨格とポリイミド骨格を有する高分子樹脂(特開2006-37083号公報記載のもの)、アクリル骨格を有する高分子樹脂(ナガセケムテックス社製「SG-P3」、「SG-600LB」、「SG-280」、「SG-790」、「SG-K2」、根上工業社製「SN-50」、「AS-3000E」、「ME-2000」)、エステル骨格を有する高分子樹脂(DIC社製「OD-X-3100M」)などが挙げられる。
 前記高分子樹脂としては、硬化物の平坦性の観点からガラス転移点が20℃以下かつ重量平均分子量が1万以上のアクリル酸エステル共重合体であることが好ましい。また、組成物の沈降を抑制する観点から、ガラス転移点が20℃以下かつ重量平均分子量が10万~100万のアクリル酸エステル共重合体であることが好ましい。さらに、2軸延伸ポリプロピレンフィルム(OPP)との接着性および低粗度基材や回路との接着性の観点から、ガラス転移点が-5~15℃かつ重量平均分子量が20万~50万のアクリル共重合体であることがより好ましい。
 前記アクリル酸エステル共重合体は、官能基を有していてもよく、官能基としては例えば、カルボキシル基、水酸基、エポキシ基、アミド基等が挙げられる。
 前記アクリル酸エステル共重合体は、エポキシ基を有することが好ましく、エポキシ基およびアミド基を有することがさらに好ましい。エポキシ基を有することにより、硬化物の反りを抑制することができる。
 前記アクリル酸エステル共重合体としては、ナガセケムテックス社製のテイサンレジンSG-70L、SG-708-6、WS-023 EK30、SG-P3、SG-80H、SG-280 EK23、SG-600TEA、SG-790が挙げられる。前記アクリル酸エステル共重合体は合成して得てもよく、合成方法としては、例えば、特開2016-102200号公報記載の合成方法が挙げられる。
 前記高分子樹脂は、1種を単独または2種類以上を組合せて用いることができる。前記高分子樹脂の配合量は、組成物の固形分全量基準で0.5~10質量%であることが好ましく、1.0~7.0質量%であることがより好ましく、2.0~7.0質量%であることがさらに好ましい。
 なお、本明細書において、重量平均分子量(Mw)の値は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー法(GPC)法(ポリスチレン標準)により、下記測定装置、測定条件にて測定できる。
 測定装置:Waters製「Waters 2695」
 検出器:Waters製「Waters2414」、RI(示差屈折率計)
 カラム:Waters製「HSPgel Column,HR MB-L,3μm,6mm×150mm」×2+Waters製「HSPgel Column,HR1,3μm,6mm×150mm」×2
 測定条件:
 カラム温度:40℃
 RI検出器設定温度:35℃
 展開溶媒:テトラヒドロフラン
 流速:0.5ml/分
 サンプル量:10μl
 サンプル濃度:0.7wt%
(硬化促進剤)
 本発明の熱硬化性樹脂組成物は、硬化促進剤を含有することができる。硬化促進剤は、熱硬化反応を促進させるものであり、密着性、耐薬品性、耐熱性等の特性をより一層向上させるために使用される。このような硬化促進剤の具体例としては、イミダゾールおよびその誘導体;アセトグアナミン、ベンゾグアナミン等のグアナミン類;ジアミノジフェニルメタン、4,4’-ジアミノ-3,3’-ジエチルジフェニルメタン、m-フェニレンジアミン、m-キシレンジアミン、ジアミノジフェニルスルフォン、ジシアンジアミド、尿素、尿素誘導体、メラミン、多塩基ヒドラジド等のポリアミン類;これらの有機酸塩および/またはエポキシアダクト;三フッ化ホウ素のアミン錯体;エチルジアミノ-S-トリアジン、2,4-ジアミノ-S-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-キシリル-S-トリアジン等のトリアジン誘導体類;トリメチルアミン、トリエタノールアミン、N,N-ジメチルオクチルアミン、N-ベンジルジメチルアミン、ピリジン、N-メチルモルホリン、ヘキサ(N-メチル)メラミン、2,4,6-トリス(ジメチルアミノフェノール)、テトラメチルグアニジン、m-アミノフェノール等のアミン類;ポリビニルフェノール、ポリビニルフェノール臭素化物、フェノールノボラック、アルキルフェノールノボラック等のポリフェノール類;トリブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリス-2-シアノエチルホスフィン等の有機ホスフィン類;トリ-n-ブチル(2,5-ジヒドロキシフェニル)ホスホニウムブロマイド、ヘキサデシルトリブチルホスホニウムクロライド等のホスホニウム塩類;ベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、フェニルトリブチルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩類;多塩基酸無水物;ジフェニルヨードニウムテトラフルオロボロエート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、2,4,6-トリフェニルチオピリリウムヘキサフルオロホスフェート等の光カチオン重合触媒;スチレン-無水マレイン酸樹脂;フェニルイソシアネートとジメチルアミンの等モル反応物や、トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の有機ポリイソシアネートとジメチルアミンの等モル反応物、金属触媒等の従来公知の硬化促進剤が挙げられる。硬化促進剤の中でも、BHAST(Biased Highly Accelerated Stress Test)耐性が得られることから、ホスホニウム塩類が好ましい。反応性と保存安定性の両立の観点からDSCによる反応のピーク温度が100℃以上のイミダゾールまたはイミダゾール誘導体が好ましい。なお、DSCによる反応のピーク温度とは、本発明の硬化性樹脂組成物10mgをアルミパンに入れ室温から10℃/分で300℃まで昇温したとき生じるピーク温度をいう。
 硬化促進剤は、1種を単独または2種以上混合して用いることができる。硬化促進剤の使用は必須ではないが、特に硬化を促進したい場合には、第一の態様の硬化性樹脂組成物においては、組成物の固形分全量基準で0.01~5質量%であることが好ましい。第二の態様の硬化性樹脂組成物においては、組成物の固形分全量基準で、0.5~5質量%であることが好ましい。
(増感剤)
 本発明の硬化性樹脂組成物は、増感剤を含有することができる。増感剤を配合することによって、レーザー加工性だけでなく、デスミア後の粗度と低Dkにも優れる硬化性樹脂組成物を得ることができる。増感剤としては、例えば、チオキサントン、2-エチルチオキサントン、2-イソプロピルチオキサントン、2,4-ジメチルチオキサントン、2,4-ジエチルチオキサントン、2-クロロチオキサントン、2,4-ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン系化合物;ベンゾフェノン、p-メチルベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、メチルベンゾフェノン、4,4’-ジクロロベンゾフェノン、4,4’-ビスジエチルアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物が挙げられる。増感剤は、1種を単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。レーザー加工性の観点からチオキサントン系化合物およびベンゾフェノン系化合物が好ましい。
 増感剤の配合量は、組成物の固形分100質量部に対し、0.1~5質量部であることが好ましい。
(有機溶剤)
 有機溶剤としては、特に制限はないが、例えば、ケトン類、芳香族炭化水素類、グリコールエーテル類、グリコールエーテルアセテート類、エステル類、アルコール類、脂肪族炭化水素、石油系溶剤などが挙げることができる。より具体的には、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルブチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;セロソルブ、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、カルビトール、メチルカルビトール、ブチルカルビトール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールブチルエーテルアセテートなどのエステル類;エタノール、プロパノール、2-メトキシプロパノール、n-ブタノール、イソブチルアルコール、イソペンチルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール類;オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素;石油エーテル、石油ナフサ、水添石油ナフサ、ソルベントナフサ等の石油系溶剤等の他、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、テトラクロロエチレン、テレビン油等が挙げられる。また、丸善石油化学社製スワゾール1000、スワゾール1500、三共化学社製ソルベント#100、ソルベント#150、シェルケミカルズジャパン社製シェルゾールA100、シェルゾールA150、出光興産社製イプゾール100番、イプゾール150番等の有機溶剤を用いてもよい。有機溶剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上の混合物として用いることができる。
 ドライフィルム化した場合、樹脂層中の残留溶剤量が、0.5~7.0質量%であることが好ましい。残留溶剤が7.0質量%以下であると、熱硬化時の突沸を抑え、表面の平坦性がより良好となる。また、溶融粘度が下がり過ぎて樹脂が流れてしまうことを抑制でき、平坦性が良好となる。残留溶剤が0.5質量%以上であると、ラミネート時の流動性が良好で、平坦性および埋め込み性がより良好となる。
(その他の成分)
 本発明の硬化性樹脂組成物は、さらに必要に応じて、フタロシアニン・ブルー、フタロシアニン・グリーン、アイオジン・グリーン、ジスアゾイエロー、クリスタルバイオレット、酸化チタン、カーボンブラック、ナフタレンブラック等の従来公知の着色剤、アスベスト、オルベン、ベントン、微紛シリカ等の従来公知の増粘剤、シリコーン系、フッ素系、高分子系等の消泡剤および/またはレベリング剤、チアゾール系、トリアゾール系、シランカップリング剤等の密着性付与剤、難燃剤、チタネート系、アルミニウム系の従来公知の添加剤類を用いることができる。
 本発明の硬化性樹脂組成物は、ドライフィルム化して用いても液状として用いてもよい。液状として用いる場合は、1液性でも2液性以上でもよいが、保存安定性の観点から2液性以上であることが好ましい。
[ドライフィルム]
 本発明のドライフィルムは、キャリアフィルム上に、本発明の硬化性樹脂組成物を塗布し、乾燥して、乾燥塗膜としての樹脂層を形成することにより、製造することができる。樹脂層上には、必要に応じて、保護フィルムをラミネートすることができる。
 キャリアフィルムとは、ドライフィルムの樹脂層を支持する役割を有するものであり、該樹脂層を形成する際に、硬化性樹脂組成物が塗布されるフィルムである。キャリアフィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルム、ポリイミドフィルム、ポリアミドイミドフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリテトラフルオロエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリスチレンフィルム等の熱可塑性樹脂からなるフィルム、および、表面処理した紙等を用いることができる。これらの中でも、耐熱性、機械的強度、取扱性等の観点から、ポリエステルフィルムを好適に使用することができる。キャリアフィルムの厚さは、特に制限されるものではないが概ね10~150μmの範囲で用途に応じて適宜選択される。キャリアフィルムの樹脂層を設ける面には、離型処理が施されていてもよい。また、キャリアフィルムの樹脂層を設ける面には、スパッタもしくは極薄銅箔が形成されていてもよい。
 保護フィルムとは、ドライフィルムの樹脂層の表面に塵等が付着するのを防止するとともに取扱性を向上させる目的で、樹脂層のキャリアフィルムとは反対の面に設けられる。保護フィルムとしては、例えば、前記キャリアフィルムで例示した熱可塑性樹脂からなるフィルム、および、表面処理した紙等を用いることができるが、これらの中でも、ポリエステルフィルムおよびポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルムが好ましい。保護フィルムの厚さは、特に制限されるものではないが概ね10~150μmの範囲で用途に応じて適宜選択される。保護フィルムの樹脂層を設ける面には、離型処理が施されていてもよい。
 本発明の硬化性樹脂組成物を用いたプリント配線板の製造方法としては、従来公知の方法を用いればよい。例えば、キャリアフィルムと保護フィルムとの間に樹脂層が挟まれた三層構造のドライフィルムの場合、下記のような方法でプリント配線板を製造することができる。ドライフィルムからキャリアフィルムまたは保護フィルムのどちらかを剥離し、回路パターンが形成された回路基板に加熱ラミネートした後、熱硬化させる。熱硬化は、オーブン中で硬化、もしくは熱板プレスで硬化させてもよい。回路が形成された基材と本発明のドライフィルムをラミネートもしくは熱板プレスする際に、銅箔もしくは回路形成された基材を同時に積層することもできる。回路パターンが形成された基板上の所定の位置に対応する位置に、レーザー照射またはドリルでパターンやビアホールを形成し、回路配線を露出させることで、プリント配線板を製造することができる。この際、パターンやビアホール内の回路配線上に除去しきれないで残留した成分(スミア)が存在する場合にはデスミア処理を行う。キャリアフィルムまたは保護フィルムのうち残った方は、ラミネート後、熱硬化後、レーザー加工後またはデスミア処理後のいずれかに、剥離すればよい。なお、層間回路の接続方法は、カッパーピラーによる接続でもよい。
 本発明の硬化性樹脂組成物は、プリント配線板の永久保護膜の形成に好ましく用いることができ、中でもソルダーレジスト層、層間絶縁層、フレキシブルプリント配線板のカバーレイの形成に好ましく用いることができる。また、プリント配線板の永久穴埋め、例えば、スルーホールやビアホール等の穴埋めにも好適に用いることができる。また、半導体チップ用の封止材、バッファーコート膜や再配線層等の絶縁材料としても用いることができる。本発明のドライフィルムを用いて、配線を貼り合わせることによって配線板を形成してもよい。電子部品としては、プリント配線板以外の用途、例えば、インダクタなど受動部品でもよい。
 以下、本発明の実施例および比較例を示して本発明について具体的に説明するが、本発明が下記実施例に限定されるものでないことはもとよりである。なお、以下において「部」および「%」とあるのは、特に断りのない限り全て質量基準である。
<第一実施例>
<硬化性樹脂組成物の調製>
 表1~3中の実施例および比較例に記載の有機溶剤を容器に入れ、50℃に加温しながら撹拌し、ついでそれぞれ樹脂およびカップリング剤を加えた。樹脂が溶解したことを確認したのちに、フィラー成分を加え十分に撹拌をおこなった。その後、3本ロールミルにて混練して硬化性樹脂組成物を調製した。
<ドライフィルムの作製>
 調製した硬化性樹脂組成物を、粘度0.5~20dPa・s(回転粘度計5rpm、25℃)になるように溶剤の量を調整して、それぞれバーコーターを用いて、樹脂層の膜厚が乾燥後40μmになるようにキャリアフィルム(PETフィルム;東洋紡TN-200,厚さ38μm、大きさ30cm×30cm)に塗布した。次いで、熱風循環式乾燥炉にて樹脂層の残留溶剤が0.5~2.5質量%となるように70~120℃(平均100℃)にて5~10分間乾燥し、キャリアフィルム上に樹脂層を形成した。ついで、作製したドライフィルムの表面に80℃の温度に設定したロールラミネーターを用いてOPP(アルファンFG-201、フィッシュアイレス、王子エフテック)の張りあわせを行い3層構造のドライフィルム(以下、「DF」とも称する)を作製した。
<DFの指触乾燥性>
 得られた3層構造のドライフィルムの保護フィルムを剥がし、JIS K 5400に記載されている指蝕乾燥性テストを実施した。ポリアミド短繊維でおられたガーゼ5cm×5cmをフィルムの中央部に置き、ガーゼの上に荷重50gの重りを乗せ、30sec放置した。その後、重り、ガーゼを取り除き塗膜表面の状態を目視にて観察した。
評価基準は下記通り。
〇:ガーゼの跡は確認されない
△:1cm×1cm未満のサイズでわずかにガーゼの跡が確認された。
×:1cm×1cm以上のサイズでガーゼの跡が確認された。
<DFのカール>
 得られた3層構造のドライフィルムについて、ドライフィルムの4隅の反り状態(反り形状は、全てスマイル)をノギスにて計測した。評価基準は以下のとおり。
〇:反りなし
△:4隅のうち、1番反りの大きい部分の反り量が1mm以上10mm未満。
×:4隅のうち、1番反りの大きい部分の反り量が10mm以上。
<DFのスリット>
 得られた3層構造のドライフィルムについて、ドライフィルムについてOPP面側からカッターにて端部を切断し、25cm×25cmのサイズにスリットシート加工を行い、塗膜の割れ、OPPの浮き状態を確認した。評価基準は以下のとおり。
〇:端部のOPPの浮き、樹脂層の割れなし
△:切断面から1mm未満OPPの浮きが確認された。
×:3mm以上のOPPの浮きに合わせて、樹脂層の割れが確認された。
<吸湿リフロー>
 銅厚12μm、板厚0.2mmの銅べた基板(MCL-E-770G、日立化成社製、サイズ10×10cm)を、電解銅めっき(アトテック社製、めっき後の表面粗さ100nm以下)処理して銅厚を合計で20μmにした。ついで、前処理としてフラットボンド処理(処理後の表面粗さ100nm以下、メック社製)を行った。その後、OPPを剥離したドライフィルムを、基板上の表裏に、2チャンバー式真空ラミネーターCVP-600(ニチゴーモートン製)を用い張りあわせた。条件は、ラミネート、プレスそれぞれ、温度80~110℃、圧力0.5MPaにて行った。ついで、キャリアフィルムを剥離し、熱風循環式乾燥炉にて100℃×30min+180℃×30min+200℃×60minの条件で材料を硬化させた。
 基板上に形成された硬化膜に、COレーザー加工機(日立ビアメカニクス社製)を用いて、トップ径65μm、ボトム径50μmになるように合計100穴のビア形成を行い、下記に従いレーザー加工性を評価した。ビアの形成条件は以下の通りである。
アパチャー(マスク径):3.1mm/パルス幅:20μsec/出力:2W/周波数:5kHz/ショット数:バースト3ショット
 ついで、得られた硬化基板について、アトテックジャパン社製の粗化液(スウェリング・ディップ・セキュリガンスP(膨潤)、コンセントレート・コンパクトCP(酸化)、リダクションソリューション・セキュリガントP(中和))を用いて、膨潤60℃×5分、酸化80℃×20分、中和40℃×5分の順でデスミア処理を行った。次いで、無電解銅めっき(スルカップPEA、上村工業社製)、電解銅めっき処理の順に処理を行い、銅厚み25μmになるように銅めっき処理を施した。次いで熱風循環式乾燥炉にて200℃で60分間硬化を行い、完全硬化させた銅めっき処理を施した試験基板を得た。
 その後、表面のめっき銅を半分のみエッチングを行った。ついで、100℃で煮沸した純水に基板を1時間浸漬させ、エッチング部分から吸湿処理を行った。その後、基板表面に付着した水分をウエスでふき取り、5分以内に、ピーク温度280℃、275℃以上での曝露時間10秒以上に設定したリフロー処理15サイクルを行い、その後、ビア100穴を基板の表面から観察と断面観察を行い、下記判断基準に従い評価をおこなった。
〇:表面からはビア周辺でフクレなし。断面観察の結果、ビア部分のめっき接続も問題なし。
×:ビア周辺部分でフクレが5穴以上観察された。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000002
*1-1:Designer Molecules社製DMI-7005(主鎖末端にマレイミド環を有するポリイミド、沸点120℃以上の溶剤に可溶性、数平均分子量(Mn)=45,000)(1,3-イソベンゾフランジオン,5,5’-[(1-メチルエチリデン)ビス(4,1-フェニレンオキシ)]ビス-と、4,4’-メチレンビス[2,6-ジエチルベンゼンアミン]とのポリマーと、4,4’-[(1-メチルエチリデン)ビス(4,1-フェニレンオキシ)]ビス[ベンゼンアミン]との反応物を主鎖として末端に無水マレイン酸を脱水縮合させたもの)
*1-2:Designer Molecules社製DMI-7006(主鎖末端にベンゾオキサジン環を有するポリイミド、沸点120℃以上の溶剤に可溶性、数平均分子量(Mn)=45,000)(1,3-イソベンゾフランジオン,5,5’-[(1-メチルエチリデン)ビス(4,1-フェニレンオキシ)]ビス-と、4,4’-メチレンビス[2,6-ジエチルベンゼンアミン]とのポリマーと、4,4’-[(1-メチルエチリデン)ビス(4,1-フェニレンオキシ)]ビス[ベンゼンアミン]との反応物を主鎖として末端にフェノールとホルマリンを脱水縮合させたもの)
*1-3:Designer Molecules社製BMI-689(ビスマレイミド化合物、液状、分子量689)
*1-4:Designer Molecules社製BMI-5000、マレイミド樹脂、液状、分子量5,000)
*1-5:ピーアイ技術研究所社製Q-AD-X0516(溶剤可溶性ポリイミド、反応性なし、溶剤:NMPとBAME、固形分10%、表中の量は固形分量)
*1-6:三菱ケミカル社製jER828(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量190g/eq、液状)
*1-7:DIC社製LA-1356(ノボラック型フェノール樹脂、水酸基当量146g/eq、窒素含有量19%)
*1-8:ロンザジャパン社製プリマセットPT-30(ノボラック型シアネート樹脂、シアネート当量130g/eq、液状)
*1-9:DIC社製HPC-8150(ナフチレンエーテル型活性エステル樹脂、活性エステル当量245g/eq)
*1-10:三菱ガス化学社製OPE-2st(末端スチレンの二官能ポリフェニレンエーテルオリゴマー、数平均分子量1,200)
*1-11:東京化成工業社製CO(II)コバルト(II)アセチルアセトナート(粉末)
*1-12:四国化成社製2E4MZ、2-エチル-4-メチルイミダゾール
*1-13:アドマテックス社製SO-C2(球状シリカ、平均粒子径(D50)=0.5μm)
*1-14:信越化学工業社製KBM-573(アミノシラン、アミノ基1つ)
*1-15:シクロヘキサノン(沸点155℃)
*1-16:トルエン(沸点110℃)
*1-17:アニソール(沸点155℃)
*1-18:N-メチル-2-ピロリドンおよび安息香酸メチル
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000003
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000004
 上記表1~3に示す結果から、第一実施例の硬化性樹脂組成物の場合、リフローなどの高温条件下においてフクレの発生を抑制し、指触乾燥性、反りの抑制およびスリット加工性に優れたドライフィルムの作製が可能であることが分かる。
<第二実施例>
<硬化性樹脂組成物の調製>
 表4~8中の実施例および比較例に記載の溶剤を容器に入れ、50℃に加温しながら撹拌し、ついでそれぞれ樹脂およびカップリング剤を加えた。樹脂が溶解したことを確認したのちに、フィラー成分を加え十分に撹拌をおこなった。その後、3本ロールミルにて混練して硬化性樹脂組成物を調製した。
<ドライフィルムの作製>
 調整した硬化性樹脂組成物を、粘度0.5~20dPa・s(回転粘度計5rpm、25℃)になるように溶剤の量を調整して、それぞれバーコーターを用いて、樹脂層の膜厚が乾燥後40μmになるようにキャリアフィルム(PETフィルム;東洋紡社製TN-200,厚さ38μm、大きさ30cm×30cm)に塗布した。次いで、熱風循環式乾燥炉にて樹脂層の残留溶剤が0.5~2.5質量%となるように70~120℃(平均100℃)にて5~10分間乾燥し、キャリアフィルム上に樹脂層を形成した。ついで、作製したドライフィルムの表面に80℃の温度に設定したロールラミネーターを用いて保護フィルム(OPPフィルム;アルファンFG-201、フィッシュアイレス、王子エフテック社製)の張りあわせを行い3層構造のドライフィルムを作製した。
<誘電率>
 下記硬化条件で得られた硬化物について、SPDR法により誘電正接の評価を行った。測定周波数は10GHz、測定環境は23℃、湿度60%RH。誘電率の測定値を表中に示す。
<硬化条件>
 GTS-MP箔(古河サーキットフォイル社製)の光沢面側(銅箔)上に、保護フィルムを剥離したドライフィルムを、バッチ式真空加圧ラミネーターMVLP-500(名機社製)を用いて、5kgf/cm、80℃、1分、1Torrの条件にて加熱ラミネートし、次いで熱板プレス機で10kgf/cm、80℃、1分の条件にてレベリングさせた銅箔上にラミネートした。
 次いで、キャリアフィルムを剥がし、熱風循環式乾燥炉にて220℃で60分間加熱して、硬化物を得た。
<吸湿リフロー>
 銅厚12μm、板厚0.2mmの銅べた基板(MCL-E-770G、日立化成社製、サイズ10×10cm)を、電解銅めっき(アトテック社製、めっき後の表面粗さ100nm以下)処理して銅厚を合計で20μmにした。ついで、前処理としてフラットボンド処理(処理後の表面粗さ100nm以下、メック社製)を行った。その後、OPPを剥離したドライフィルムを、基板上の表裏に、2チャンバー式真空ラミネーターCVP-600(ニチゴーモートン製)を用い張りあわせた。条件は、ラミネート、プレスそれぞれ、温度80~110℃、圧力0.5MPaにて行った。ついで、キャリアフィルムを剥離し、熱風循環式乾燥炉にて100℃×30min+180℃×30min+200℃×60minの条件で材料を硬化させた。
 基板上に形成された硬化膜に、COレーザー加工機(日立ビアメカニクス社製)を用いて、トップ径65μm、ボトム径50μmになるように合計100穴のビア形成を行い、下記に従いレーザー加工性を評価した。ビアの形成条件は以下の通りである。
アパチャー(マスク径):3.1mm/パルス幅:20μsec/出力:2W/周波数:5kHz/ショット数:バースト3ショット
 ついで、得られた硬化基板について、アトテックジャパン社製の粗化液(スウェリング・ディップ・セキュリガンスP(膨潤)、コンセントレート・コンパクトCP(酸化)、リダクションソリューション・セキュリガントP(中和))を用いて、膨潤60℃×5分、酸化80℃×20分、中和40℃×5分の順で処理を行った。次いで、無電解銅めっき(スルカップPEA、上村工業社製)、電解銅めっき処理の順に処理を行い、銅厚み25μmになるように銅めっき処理を施した。次いで熱風循環式乾燥炉にて200℃で60分間硬化を行い、完全硬化させた銅めっき処理を施した試験基板を得た。
 その後、表面のめっき銅を半分のみエッチングを行った。ついで、100℃で煮沸した純水に基板を1時間浸漬させ、エッチング部分から吸湿処理を行った。その後、基板表面に付着した水分をウエスでふき取り、5分以内に、ピーク温度280℃、275℃以上での曝露時間10秒以上に設定したリフロー処理15サイクルを行い、その後、ビア100穴を基板の表面から観察と断面観察を行い、下記判断基準に従い評価をおこなった。
〇:表面からはビア周辺でフクレなし。断面観察の結果、ビア部分のめっき接続も問題なし。
×:ビア周辺部分でフクレが5穴以上観察された。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000005
*2-1:Designer Molecules社製DMI-7005(主鎖末端にマレイミド環を有するポリイミド、沸点120℃以上の溶剤に可溶性、数平均分子量(Mn)=45,000)(1,3-イソベンゾフランジオン,5,5’-[(1-メチルエチリデン)ビス(4,1-フェニレンオキシ)]ビス-と、4,4’-メチレンビス[2,6-ジエチルベンゼンアミン]とのポリマーと、4,4’-[(1-メチルエチリデン)ビス(4,1-フェニレンオキシ)]ビス[ベンゼンアミン]との反応物を主鎖として末端に無水マレイン酸を脱水縮合させたもの)
*2-2:Designer Molecules社製DMI-7006(主鎖末端にベンゾオキサジン環を有するポリイミド、沸点120℃以上の溶剤に可溶性、数平均分子量(Mn)=45,000)(1,3-イソベンゾフランジオン,5,5’-[(1-メチルエチリデン)ビス(4,1-フェニレンオキシ)]ビス-と、4,4’-メチレンビス[2,6-ジエチルベンゼンアミン]とのポリマーと、4,4’-[(1-メチルエチリデン)ビス(4,1-フェニレンオキシ)]ビス[ベンゼンアミン]との反応物を主鎖として末端にフェノールとホルマリンを脱水縮合させたもの)
*2-3:Designer Molecules社製BMI-689(ビスマレイミド化合物、液状、分子量689)
*2-4:日本化薬社製MIR-3000、ビフェニル骨格含有ビスマレイミド、固形、マレイミド当量:275g/eq、数平均分子量600、重量平均分子量800)
*2-5:Designer Molecules社製BMI-5000、マレイミド樹脂、液状、分子量5,000)
*2-6:ピーアイ技術研究所社製Q-AD-X0516(溶剤可溶性ポリイミド、反応性なし、溶剤:NMPとBAME、固形分10%、表中の量は固形分量)
*2-7:日本化薬社製カヤハードA-A(ジアミン、液状)
*2-8:アドマテックス社製SO-C2(球状シリカ、平均粒子径(D50)=0.5μm)
*2-9:AGC社製JBA-001(フッ素含有共重合樹脂、平均粒子径(D50)=2~3μm)
*2-10:ナガセケムテックス社製テイサンレジンSG-P3(MEKカット品、固形分15質量%、アクリル酸エステル共重合体(官能基:エポキシ基)、重量平均分子量850,000、Tg=12℃)
*2-11:三菱ケミカル社製YL-7213B35(フェノキシ樹脂、Tg=150℃)
*2-12:DIC社製OD-X-3100M(ポリエステル樹脂)
*2-13:信越化学工業社製KBM-573(アミノシラン、アミノ基1つ)
*2-14:保土ヶ谷化学社製EAB、4,4’-ジエチルアミノベンゾフェノン
*2-15:シクロヘキサノン(沸点155℃)
*2-16:トルエン(沸点110℃)
*2-17:アニソール(沸点155℃)
*2-18:メチルエチルケトン(沸点80℃)
*2-19:N-メチル-2-ピロリドンおよび安息香酸メチル
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000006
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000007
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000008
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000009
 上記表4~8に示す結果から、第二実施例の硬化性樹脂組成物の場合、リフローなどの高温条件下においてフクレの発生を抑制し、かつ、低Dkの硬化物が得られることが分かる。
 

Claims (7)

  1.  (A)数平均分子量が10,000超であり、末端にマレイミド環またはベンゾオキサジン環を有するポリイミドと、
     (B-1)熱硬化性樹脂成分とを含むことを特徴とする硬化性樹脂組成物。
  2.  (A)数平均分子量が10,000超であり、末端にマレイミド環またはベンゾオキサジン環を有するポリイミドと、
     (B-2)マレイミド基を有する化合物とを含むことを特徴とする硬化性樹脂組成物。
  3.  請求項1または2に記載の硬化性樹脂組成物をフィルムに塗布、乾燥して得られる樹脂層を有することを特徴とするドライフィルム。
  4.  請求項1または2に記載の硬化性樹脂組成物を硬化して得られることを特徴とする硬化物。
  5.  請求項3記載のドライフィルムの樹脂層を硬化して得られることを特徴とする硬化物。
  6.  請求項4記載の硬化物を有することを特徴とする電子部品。
  7.  請求項5記載の硬化物を有することを特徴とする電子部品。
     
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