JP2020090576A - 熱硬化性樹脂組成物、ドライフィルム、樹脂付き銅箔、硬化物、電子部品、および、電子部品の製造方法 - Google Patents

熱硬化性樹脂組成物、ドライフィルム、樹脂付き銅箔、硬化物、電子部品、および、電子部品の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高耐熱性と低誘電正接と低線熱膨張係数とを兼ね備えた硬化物が得られる熱硬化性樹脂組成物、該組成物から得られる樹脂層を有するドライフィルム、該組成物から得られる樹脂層を有する樹脂付き銅箔、該組成物、該ドライフィルムの樹脂層または該樹脂付き銅箔の樹脂層の硬化物、該硬化物を有する電子部品、電子部品の製造方法を提供する。【解決手段】(A)エポキシ樹脂、および、(B)活性エステル基を有する化合物を含有する組成物であって、組成物中の前記(A)エポキシ樹脂のエポキシ基の総量/前記(B)活性エステル基を有する化合物の活性エステル基の総量の比が0.2〜0.6であることを特徴とする熱硬化性樹脂組成物等である。【選択図】なし

Description

本発明は、熱硬化性樹脂組成物、ドライフィルム、樹脂付き銅箔、硬化物、電子部品、および、電子部品の製造方法に関する。
従来、プリント配線板などの電子部品を形成する材料として、エポキシ樹脂を主成分として含有する熱硬化性樹脂組成物が用いられており、通常、硬化物に様々な特性を付与するために、種々の硬化剤がエポキシ樹脂と併用されている(例えば、特許文献1)。このような電子部品形成用の熱硬化性樹脂組成物には、信頼性等の観点から、耐熱性に優れ、また、クラックや反りを抑制するために熱膨張係数(CTE)が低い硬化物を形成できることが求められている。近年はさらに、高速通信の採用、即ち、高周波化に伴い、伝送損失が増加傾向にあり、電子部品の材料には伝送損失を抑制できる低誘電正接化も要求されている。
特許5396805号公報
そこで本発明の目的は、高耐熱性と低誘電正接と低線熱膨張係数とを兼ね備えた硬化物が得られる熱硬化性樹脂組成物、該組成物から得られる樹脂層を有するドライフィルム、該組成物から得られる樹脂層を有する樹脂付き銅箔、該組成物、該ドライフィルムの樹脂層または該樹脂付き銅箔の樹脂層の硬化物、該硬化物を有する電子部品、および、電子部品の製造方法を提供することにある。
低誘電正接化のために、硬化剤として活性エステル基を有する化合物を配合することが考えられるが、一般に、活性エステル基を有する化合物を多量に配合すると硬化物の架橋密度が低下して、硬化物のガラス転移温度(Tg)が低下し、耐熱性が悪化すると考えられることから、通常は組成物中のエポキシ樹脂のエポキシ当量を超えて過剰に活性エステル基を有する化合物を配合することはなかった。しかしながら、本発明者等は、上記目的の実現に向け、鋭意検討した結果、意外にも活性エステル基を有する化合物を、エポキシ樹脂のエポキシ当量を超えた特定の量で配合してもガラス転移温度(Tg)が高く、熱膨張係数および誘電特性に優れた硬化物が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の熱硬化性樹脂組成物は、(A)エポキシ樹脂、および、(B)活性エステル基を有する化合物を含有する組成物であって、組成物中の前記(A)エポキシ樹脂のエポキシ基の総量/前記(B)活性エステル基を有する化合物の活性エステル基の総量の比が0.2〜0.6であることを特徴とするものである。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、前記(B)活性エステル基を有する化合物が、
下記一般式(1)
Figure 2020090576
(式中、Xはベンゼン環またはナフタレン環を有する基であり、kは0または1を表し、nは繰り返し単位の平均で0.25〜1.5である。)で表される化合物であることが好ましい。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、前記(B)活性エステル基を有する化合物が、下記一般式(2)
Figure 2020090576
(式(2)中、Xはそれぞれ独立的に下記式(3):
Figure 2020090576
で表される基または下記式(4):
Figure 2020090576
で表される基であり、
mは1〜6の整数であり、nはそれぞれ独立的に1〜5の整数であり、qはそれぞれ独立的に1〜6の整数であり、
式(3)中、kはそれぞれ独立的に1〜5の整数であり、
式(4)中、Yは上記式(3)で表される基(kはそれぞれ独立的に1〜5の整数)であり、tはそれぞれ独立的に0〜5の整数である)
で表される構造部位を有し、その両末端が一価のアリールオキシ基である樹脂構造を有する活性エステル樹脂であることが好ましい。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、さらに、無機フィラーを含有することが好ましい。
本発明のドライフィルムは、前記熱硬化性樹脂組成物をフィルムに塗布、乾燥して得られる樹脂層を有することを特徴とするものである。
本発明の樹脂付き銅箔は、前記熱硬化性樹脂組成物をキャリア付き極薄銅箔に塗布、乾燥して得られる樹脂層を有することを特徴とするものである。
本発明の硬化物は、前記熱硬化性樹脂組成物、前記ドライフィルムの樹脂層、または、前記樹脂付き銅箔の樹脂層を硬化して得られることを特徴とするものである。
本発明の電子部品は、前記硬化物を有することを特徴とするものである。
本発明の電子部品の製造方法は、前記熱硬化性樹脂組成物、前記ドライフィルムの樹脂層、または、前記樹脂付き銅箔の樹脂層を硬化する工程を含むことを特徴とするものである。
本発明によれば、高耐熱性と低誘電正接と低線熱膨張係数とを兼ね備えた硬化物が得られる熱硬化性樹脂組成物、該組成物から得られる樹脂層を有するドライフィルム、該組成物から得られる樹脂層を有する樹脂付き銅箔、該組成物、該ドライフィルムの樹脂層または該樹脂付き銅箔の樹脂層の硬化物、該硬化物を有する電子部品、電子部品の製造方法を提供することができる。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、(A)エポキシ樹脂、および、(B)活性エステル基を有する化合物を含有する組成物であって、組成物中の前記(A)エポキシ樹脂のエポキシ基の総量/前記(B)活性エステル基を有する化合物の活性エステル基の総量の比が0.2〜0.6であることを特徴とするものである。上記のとおり、硬化剤として活性エステル基を有する化合物を多量に配合すると耐熱性が悪化すると考えられたが、意外なことに、ガラス転移温度(Tg)が高く、低誘電正接かつ低線熱膨張係数の硬化物を得ることができる。詳しいメカニズムは明らかではないが、活性エステル基を有する化合物、好ましくは上記一般式(1)または(2)の構造を有する活性エステル基を有する化合物の割合を多くすると、活性エステルの構造、即ち、剛直かつ分子配向性が高い芳香族エステル構造の体積比率が大きくなることで、架橋点間の鎖状部分の運動が制御される為、ガラス転移温度が向上したと考えられる。
前記(A)エポキシ樹脂のエポキシ基の総量は、組成物中に含まれる(A)エポキシ樹脂の配合量を、(A)エポキシ樹脂のエポキシ当量で除して求めることができる。前記(B)活性エステル基を有する化合物の活性エステル基の総量は、組成物中に含まれる(B)活性エステル基を有する化合物の配合量を、(B)活性エステル基を有する化合物の活性エステル当量で除して求めることができる。
本発明において、前記総量の比は、より低誘電正接の硬化物が得られることから、前記総量の比の上限が0.5以下であることが好ましく、0.4以下であることがより好ましく、0.3以下であることが特に好ましい。
以下に、本発明の熱硬化性樹脂組成物が含有する各成分について説明する。なお、本明細書において、数値範囲を「〜」で表記する場合、それらの数値を含む範囲(即ち、・・・以上・・・以下)を意味するものとする。
[(A)エポキシ樹脂]
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、(A)エポキシ樹脂を含む。(A)エポキシ樹脂は、エポキシ基を有する樹脂であり、従来公知のものをいずれも使用できる。分子中にエポキシ基を2個有する2官能性エポキシ樹脂、分子中にエポキシ基を多数有する多官能エポキシ樹脂等が挙げられる。なお、水素添加された2官能エポキシ樹脂であってもよい。また、(A)エポキシ樹脂は、固形エポキシ樹脂、半固形エポキシ樹脂、液状エポキシ樹脂の何れであってもよい。本明細書において、固形エポキシ樹脂とは40℃で固体状であるエポキシ樹脂をいい、半固形エポキシ樹脂とは20℃で固体状であり、40℃で液状であるエポキシ樹脂をいい、液状エポキシ樹脂とは20℃で液状のエポキシ樹脂をいう。液状の判定は、危険物の試験及び性状に関する省令(平成元年自治省令第1号)の別紙第2の「液状の確認方法」に準じて行う。例えば、特開2016−079384の段落23〜25に記載の方法にて行なう。
本発明においては、(A)エポキシ樹脂が3官能以上の液状エポキシ樹脂および3官能以上の半固形エポキシ樹脂の少なくともいずれかを含むことが好ましい。3官能以上の液状エポキシ樹脂や3官能以上の半固形エポキシ樹脂を含むと、誘電正接を低く維持したまま、ガラス転移温度を向上させることができる。このような3官能以上の液状エポキシ樹脂の市販品としては、例えば、日産化学社製TEPIC−VL、三菱ケミカル社製jER630などを用いることができる。また、このような3官能以上の半固形エポキシ樹脂の市販品としては、例えば、三菱ケミカル社製jER604などを用いることができる。
固形エポキシ樹脂としては、DIC社製HP−4700(ナフタレン型エポキシ樹脂)、DIC社製EXA4700(4官能ナフタレン型エポキシ樹脂)、日本化薬社製NC−7000(ナフタレン骨格含有多官能固形エポキシ樹脂)、新日鐵化学社製ESN−475V等のナフタレン型エポキシ樹脂;日本化薬社製EPPN−502H(トリスフェノールエポキシ樹脂)等のフェノール類とフェノール性水酸基を有する芳香族アルデヒドとの縮合物のエポキシ化物(トリスフェノール型エポキシ樹脂);DIC社製エピクロンHP−7200H(ジシクロペンタジエン骨格含有多官能固形エポキシ樹脂)等のジシクロペンタジエンアラルキル型エポキシ樹脂;日本化薬社製NC−3000H(ビフェニル骨格含有多官能固形エポキシ樹脂)等のビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂;日本化薬社製NC−3000L等のビフェニル/フェノールノボラック型エポキシ樹脂;DIC社製エピクロンN660、エピクロンN690、日本化薬社製EOCN−104S等のノボラック型エポキシ樹脂;三菱ケミカル社製YX−4000等のビフェニル型エポキシ樹脂;新日鉄住金化学社製TX0712等のリン含有エポキシ樹脂;日産化学工業社製TEPIC等のトリス(2,3−エポキシプロピル)イソシアヌレート等が挙げられる。固形エポキシ樹脂を含むことで、硬化物のガラス転移温度が高くなり耐熱性に優れる。固形エポキシ樹脂の中でも、より高Tgかつ低誘電正接の硬化物が得られることから、ESN−475VやNC3000Hのように、芳香族化合物と、フェノールやナフトールがメチレン鎖で繋がった骨格を有するエポキシ樹脂が好ましい。
半固形エポキシ樹脂としては、DIC社製エピクロン860、エピクロン900−IM、エピクロンEXA―4816、エピクロンEXA−4822、旭チバ社製アラルダイトAER280、東都化成社製エポトートYD−134、三菱ケミカル社製jER834、jER872、住友化学工業社製ELA−134等のビスフェノールA型エポキシ樹脂;DIC社製エピクロンHP−4032等のナフタレン型エポキシ樹脂;DIC社製エピクロンN−740等のフェノールノボラック型エポキシ樹脂、三菱ケミカル社製jER604等の芳香族アミノエポキシ樹脂等が挙げられる。半固形状エポキシ樹脂を含むことにより、硬化物のガラス転移温度(Tg)が高く、線熱膨張係数(CTE)が低くなり、クラック耐性に優れる。半固形エポキシ樹脂を含むことで、ドライフィルムの保存安定性に優れ、割れや剥がれを防止することができる。
液状エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、tert−ブチル−カテコール型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、アミノフェノール型エポキシ樹脂等の芳香族アミノエポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂等が挙げられる。液状エポキシ樹脂を含むことで、ドライフィルムのしなやかさに優れる。
エポキシ樹脂は、固形エポキシ樹脂と、液状エポキシ樹脂および半固形エポキシ樹脂の少なくともいずれか一方とを併用することが好ましい。また、固形エポキシ樹脂と液状エポキシ樹脂と半固形エポキシ樹脂とを併用してもよい。
(A)エポキシ樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。(A)エポキシ樹脂の配合量は、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、より低誘電正接の硬化物が得られることから、40質量%以下であることが好ましく、35質量%以下であることがより好ましく、30質量%以下であることが特に好ましい。また、硬化物の強度の観点から、下限が1質量%以上であることが好ましく、3質量%以上であることがより好ましい。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、(A)エポキシ樹脂以外の熱硬化性樹脂を含有してもよく、例えば、イソシアネート化合物、ブロックイソシアネート化合物、アミノ樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、カルボジイミド樹脂、シクロカーボネート化合物、多官能オキセタン化合物、エピスルフィド樹脂、マレイミド樹脂などの公知慣用の熱硬化性樹脂が使用できる。
[(B)活性エステル基を有する化合物]
(B)活性エステル基を有する化合物は、一分子中に2個以上の活性エステル基を有する化合物であることが好ましい。活性エステル基を有する化合物は、一般に、カルボン酸化合物とヒドロキシ化合物との縮合反応によって得ることができる。中でも、ヒドロキシ化合物としてフェノール化合物またはナフトール化合物を用いて得られる活性エステル基を有する化合物が好ましい。フェノール化合物またはナフトール化合物としては、ハイドロキノン、レゾルシン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フェノールフタリン、メチル化ビスフェノールA、メチル化ビスフェノールF、メチル化ビスフェノールS、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、カテコール、α−ナフトール、β−ナフトール、1,5−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、ジヒドロキシベンゾフェノン、トリヒドロキシベンゾフェノン、テトラヒドロキシベンゾフェノン、フロログルシン、ベンゼントリオール、ジシクロペンタジエニルジフェノール、フェノールノボラック等が挙げられる。また、(B)活性エステル基を有する化合物としては、ナフタレンジオールアルキル/安息香酸型でもよい。(B)活性エステル基を有する化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。(B)活性エステル基を有する化合物としては、ベンゼン、α−ナフトール、β−ナフトールおよびジシクロペンタジエン骨格のいずれかを有するものが好ましい。
(B)活性エステル基を有する化合物の配合量は、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、硬化物の強度の観点から、上限が50質量%以下であることが好ましく、45質量%以下であることがより好ましく、40質量%以下であることが特に好ましい。また、より低誘電正接の硬化物が得られることから、下限が5質量%以上であることが好ましく、10質量%以上であることがより好ましい。
(B)活性エステル基を有する化合物の中でも、下記(B1)および(B2)の活性エステル基を有する化合物を好適に用いることができる。
(B1)
(B1)の活性エステル基を有する化合物は、(b1)脂肪族環状炭化水素基を介してフェノール類が結節された分子構造を有するフェノール樹脂、(b2)芳香族ジカルボン酸またはそのハライド、および、(b3)芳香族モノヒドロキシ化合物を反応させて得られる構造を有するものである。前記(b2)芳香族ジカルボン酸またはそのハライド中のカルボキシル基または酸ハライド基1モルに対して、前記(b1)フェノール樹脂中のフェノール性水酸基が0.05〜0.75モル、前記(b3)芳香族モノヒドロキシ化合物が0.25〜0.95モルとなる割合で反応させて得られる構造を有するものが好ましい。
ここで(b1)フェノール樹脂において、脂肪族環状炭化水素基を介してフェノール類が結節された分子構造とは、1分子中に二重結合を2個含有する不飽和脂肪族環状炭化水素化合物とフェノール類とを重付加反応させて得られる構造が挙げられる。ここで、フェノール類としては、フェノール、およびアルキル基、アルケニル基、アリル基、アリール基、アラルキル基或いはハロゲン基等が1個または複数個置換した置換フェノール類が挙げられる。具体的には、クレゾール、キシレノール、エチルフェノール、イソプロピルフェノール、ブチルフェノール、オクチルフェノール、ノニルフェノール、ビニルフェノール、イソプロペニルフェノール、アリルフェノール、フェニルフェノール、ベンジルフェノール、クロルフェノール、ブロムフェノール、ナフトール、ジヒドロキシナフタレン等が例示されるが、これらに限定されるものではない。またこれらの混合物を用いても構わない。これらの中でも流動性および硬化性が優れる点からフェノールが特に好ましい。
また、不飽和脂環族環状炭化水素化合物としては、具体的には、ジシクロペンタジエン、テトラヒドロインデン、4−ビニルシクロヘキセン、5−ビニルノルボナ−2−エン、α−ピネン、β−ピネン、リモネン等が挙げられる。これらの中でも特性バランス、特に耐熱性、吸湿性の点からジシクロペンタジエンが好ましい。またジシクロペンタジエンは石油留分中に含まれることから、工業用ジシクロペンタジエンには他の脂肪族或いは芳香族性ジエン類等が不純物として含有されることがあるが、耐熱性、硬化性、成形性等を考慮すると、ジシクロペンタジエンの純度90質量%以上の製品であることが望ましい。
次に、前記(b2)芳香族ジカルボン酸またはそのハライドは、イソフタル酸、テレフタル酸、1,4−、2,3−、あるいは2,6−ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、およびこれらの酸フッ化物、酸塩化物、酸臭化物、酸ヨウ化物等の酸ハロゲン化物が挙げられる。これらのなかでも特に反応性が良好である点から芳香族ジカルボン酸の酸塩化物であること、なかでもイソフタル酸のジクロライド、テレフタル酸のジクロライドが好ましく、特にイソフタル酸のジクロライドが好ましい。
次に、芳香族モノヒドロキシ化合物としては、例えば、フェノール;o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、3,5−キシレノール等のアルキルフェノール類;o−フェニルフェノール、p−フェニルフェノール、2−ベンジルフェノール、4−ベンジルフェノール、4−(α−クミル)フェノール等のアラルキルフェノール類;α−ナフトール、β−ナフトール等のナフトール類が挙げられる。これらのなかでも、特に硬化物の誘電正接が低くなる点からα−ナフトール、β−ナフトールが好ましい。
(B1)活性エステル化合物は、(b1)フェノール樹脂、(b2)芳香族ジカルボン酸またはそのハライド、および、(b3)芳香族モノヒドロキシ化合物を反応させて得られる構造を有するものであるが、特に、下記一般式(1)
Figure 2020090576
(式中、Xはベンゼン環またはナフタレン環を有する基であり、kは0または1を表し、nは繰り返し単位の平均値で0.05〜2.5である。)
で表される構造のものがとりわけ硬化物の誘電正接が低く、かつ、有機溶剤に溶解させた際の溶液粘度が低くなる点から好ましい。前記ベンゼン環またはナフタレン環を有する基は、特に限定されず、フェニル基、ナフチル基等でもよく、また、他の原子を介してベンゼン環またはナフタレン環が分子末端に結合していてもよく、置換基を有していてもよい。また、(B1)活性エステル化合物は、その分子末端にナフタレン環を有するものであることが好ましい。
特に、上記一般式(1)においてnの値、即ち、繰り返し単位の平均値が0.25〜1.5の範囲にあるものが、溶液粘度が低くビルドアップ用ドライフィルムへの製造が容易となる点から好ましい。また、上記一般式(1)中、kの値は0であることが、高耐熱性と低誘電正接の観点から好ましい。
ここで上記一般式(1)中のnは以下の様にして求めることができる。
[一般式(1)中のnの求め方]
下記の条件にて行ったGPC測定によりn=1、n=2、n=3、n=4のそれぞれに対応するスチレン換算分子量(α1、α2、α3、α4)と、n=1、n=2、n=3、n=4のそれぞれの理論分子量(β1、β2、β3、β4)との比率(β1/α1、β2/α2、β3/α3、β4/α4)を求め、これら(β1/α1〜β4/α4)の平均値を求める。GPCで求めた数平均分子量(Mn)にこの平均値を掛け合わせた数値を平均分子量とする。次いで、前記一般式(1)の分子量を前記平均分子量としてnの値を算出する。
(GPC測定条件)
測定装置:東ソー社製「HLC−8220 GPC」、
カラム:東ソー社製ガードカラム「HXL−L」
+東ソー社製「TSK−GEL G2000HXL」
+東ソー社製「TSK−GEL G2000HXL」
+東ソー社製「TSK−GEL G3000HXL」
+東ソー社製「TSK−GEL G4000HXL」
検出器:RI(示差屈折径)
データ処理:東ソー社製「GPC−8020モデルIIバージョン4.10」
測定条件:カラム温度 40℃
展開溶媒 テトラヒドロフラン
流速 1.0ml/分
標準:前記「GPC−8020モデルIIバージョン4.10」の測定マニュアルに準拠して、分子量が既知の下記の単分散ポリスチレンを用いた。
(使用ポリスチレン)
東ソー社製「A−500」
東ソー社製「A−1000」
東ソー社製「A−2500」
東ソー社製「A−5000」
東ソー社製「F−1」
東ソー社製「F−2」
東ソー社製「F−4」
東ソー社製「F−10」
東ソー社製「F−20」
東ソー社製「F−40」
東ソー社製「F−80」
東ソー社製「F−128」
試料:樹脂固形分換算で1.0質量%のテトラヒドロフラン溶液をマイクロフィルターでろ過したもの(50μl)。
(b1)フェノール樹脂、(b2)芳香族ジカルボン酸またはそのハライド、および、(b3)芳香族モノヒドロキシ化合物を反応させる方法は、具体的には、これらの各成分をアルカリ触媒の存在下に反応させることができる。
ここで使用し得るアルカリ触媒としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、トリエチルアミン、ピリジン等が挙げられる。これらのなかでも特に水酸化ナトリウム、水酸化カリウムが水溶液の状態で使用することができ、生産性が良好となる点から好ましい。
前記反応は、具体的には有機溶媒の存在下、(b1)フェノール樹脂、(b2)芳香族ジカルボン酸またはそのハライド、および、(b3)芳香族モノヒドロキシ化合物を混合し、前記アルカリ触媒またはその水溶液を連続的乃至断続的に滴下しながら反応させる方法が挙げられる。その際、アルカリ触媒の水溶液の濃度は、3.0〜30%の範囲であることが好ましい。また、ここで使用し得る有機溶媒としては、トルエン、ジクロロメタンなどが挙げられる。
反応終了後は、アルカリ触媒の水溶液を用いている場合には、反応液を静置分液し、水層を取り除き、残った有機層を洗浄後の水層がほぼ中性になるまで繰り返し、目的とする樹脂を得ることができる。
このようにして得られる(B1)の活性エステル基を有する化合物は、通常、有機溶媒溶液として得られる為、積層板用ワニスやビルドアップ用ドライフィルムとして用いる場合には、そのままで他の配合成分と混合し、更に、適宜、有機溶媒量を調節して目的とする熱硬化性樹脂組成物を製造することができる。なお、(B1)の活性エステル化合物は、有機溶媒に溶解させて樹脂溶液とした際の溶融粘度が低いことを特徴としており、具体的には、不揮発分65%のトルエン溶液の活性エステル樹脂にした場合の溶液粘度が300〜10,000mPa・s(25℃)となる。
(B2)
(B2)の活性エステル基を有する化合物は、下記一般式(2):
Figure 2020090576
で表される構造部位を有し且つその両末端が一価のアリールオキシ基である樹脂構造を有するものである。
(式(2)中、Xはそれぞれ独立的に下記式(3):
Figure 2020090576
で表される基または下記式(4):
Figure 2020090576
で表される基であり、mは1〜6の整数であり、nはそれぞれ独立的に1〜5の整数であり、qはそれぞれ独立的に0〜6の整数であり、式(3)中、kはそれぞれ独立的に1〜5の整数であり、式(4)中、Yは上記式(3)で表される基(kはそれぞれ独立的に1〜5の整数)であり、tはそれぞれ独立的に0〜5の整数である)
(B2)の活性エステル基を有する化合物は、前記一般式(2)中の
Figure 2020090576
で表される部分構造が、水酸基当量が170〜200グラム/当量の変性ナフタレン化合物の由来構造であることが好ましい。
式(2)中、mとnの関係を明確にするために、以下、いくつかのパターンを例示するが(B2)の活性エステル樹脂はこれらに限定されるものではない。
たとえば、m=1のとき、式(2)は下記式(2−I)の構造を表す。
Figure 2020090576
式(2−I)中、nは1〜5の整数であり、qはそれぞれ独立的に0〜6の整数である。なお、mとnの関係と同様に、qについてもnが2以上の場合には、それぞれのqは独立的に0〜6の整数であることを示す。
また、たとえば、m=2のとき、式(2)は下記式(2−II)の構造を表す。
Figure 2020090576
式(2−II)中、nはそれぞれ独立的に1〜5の整数であり、qはそれぞれ独立的に0〜6の整数である。なお、mとnの関係と同様に、qについてもnが2以上の場合には、それぞれのqは独立的に0〜6の整数であることを示す。
(B2)の活性エステル基を有する化合物は、分子主骨格にナフチレンエーテル構造部位を有することから、より優れた耐熱性および難燃性を硬化物に付与できると共に、該構造部位が下記式(5)で表される構造部位で結合した構造を有することから、硬化物により優れた誘電特性を兼備させることができる。また、(B2)の活性エステル基を有する化合物の樹脂構造中、両末端の構造としてアリールオキシ基を有するものとしたことで、多層プリント基板用途においても十分高度な硬化物の耐熱分解性の向上が得られる。
Figure 2020090576
(B2)の活性エステル基を有する化合物は、特に、硬化物の耐熱性に優れる点から、その軟化点が100〜200℃の範囲、特に100〜190℃の範囲にあるものが好ましい。
(B2)の活性エステル基を有する化合物において、式(2)中のmは1〜6の整数であるものが挙げられる。なかでも、mが1〜5の整数であるものが好ましい。また、式(2)中のnはそれぞれ独立的に1〜5の整数であるものが挙げられる。なかでも、nが1〜3の整数であるものが好ましい。
式(2)中、mとnの関係を念のため記載するに、例えば、mが2以上の整数である場合、2以上のnが生じるが、その際、nはそれぞれ独立的な値である。前記nの数値範囲内であるかぎり、同じ値であってもよいし、異なる値であってもよい。
(B2)の活性エステル基を有する化合物において、式(2)中、qが1以上の場合、Xはナフタレン環構造中のいずれの位置に置換していてもよい。
前記樹脂構造の両末端のアリールオキシ基は、フェノール、クレゾール、p−t−ブチルフェノール(パラ−ターシャリーブチルフェノール)、1−ナフトール、2−ナフトールなどの一価フェノール系化合物由来のものが挙げられる。なかでも、硬化物の耐熱分解性の観点から、フェノキシ基、トリルオキシ基または1−ナフチルオキシ基が好ましく、1−ナフチルオキシ基がさらに好ましい。
以下、(B2)の活性エステル基を有する化合物の製造方法について詳述する。
(B2)の活性エステル基を有する化合物の製造方法は、ジヒドロキシナフタレン化合物とベンジルアルコールとを、酸触媒の存在下に反応させてベンジル変性ナフタレン化合物を得る工程(以下、この工程を「工程1」と略記する場合がある)、次いで、得られたベンジル変性ナフタレン化合物と芳香族ジカルボン酸塩化物と一価フェノール系化合物とを反応させる工程(以下、この工程を「工程2」と略記する場合がある)とから構成される。
即ち、まず工程1において前記ジヒドロキシナフタレン化合物と、ベンジルアルコールとを酸触媒の存在下に反応させることにより、ナフチレン構造を主骨格としてその両末端にフェノール性水酸基を有し、かつ、該ナフチレン構造の芳香核上にベンジル基がペンダント状に結合した構造のベンジル変性ナフタレン化合物を得ることができる。ここで、特筆すべきは、一般に、ジヒドロキシナフタレン化合物を酸触媒下にナフチレンエーテル化した場合、分子量の調節は極めて困難で、高分子量のものとなるのに対し、上記製造方法は、ベンジルアルコールを併用することによって、このような高分子量化を抑制でき、電子材料用途に好適な樹脂を得ることができる。
更に、ベンジルアルコールの使用量を調節することによって、目的とする前記ベンジル変性ナフタレン化合物中のベンジル基の含有率を調節できることに加え、前記ベンジル変性ナフタレン化合物の溶融粘度自体も調節することが可能となる。即ち、通常、前記ジヒドロキシナフタレン化合物と、ベンジルアルコールとの反応割合は、モル基準で前記ジヒドロキシナフタレン化合物とベンジルアルコールとの反応比率(ジヒドロキシナフタレン化合物)/(ベンジルアルコール)が1/0.1〜1/10となる範囲から選択することができるが、耐熱性、難燃性、誘電特性、耐熱分解性とのバランスから、モル基準で前記ジヒドロキシナフタレン化合物とベンジルアルコールとの反応比率(ジヒドロキシナフタレン化合物)/(ベンジルアルコール)は1/0.5〜1/4.0となる範囲であることが好ましい。
ここで使用し得るジヒドロキシナフタレン化合物は、例えば、1,2−ジヒドロキシナフタレン、1,3−ジヒドロキシナフタレン、1,4−ジヒドロキシナフタレン、1,5−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、1,7−ジヒドロキシナフタレン、1,8−ジヒドロキシナフタレン、2,3−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレンなどが挙げられる。これらの中でも、得られるベンジル変性ナフタレン化合物の硬化物の難燃性が一層良好なものとなり、また、該硬化物の誘電正接も低くなり誘電特性が良好になる点から、1,6−ジヒドロキシナフタレンまたは2,7−ジヒドロキシナフタレンが好ましく、2,7−ジヒドロキシナフタレンがより好ましい。
前記工程1におけるジヒドロキシナフタレン化合物とベンジルアルコールとの反応において使用し得る酸触媒は、例えばリン酸、硫酸、塩酸などの無機酸、シュウ酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、フルオロメタンスルホン酸などの有機酸、塩化アルミニウム、塩化亜鉛、塩化第2錫、塩化第2鉄、ジエチル硫酸などのフリーデルクラフツ触媒が挙げられる。
また、上記した酸触媒の使用量は、目標とする変性率などにより適宜選択することができるが、例えば無機酸や有機酸の場合はジヒドロキシナフタレン化合物100質量部に対し、0.001〜5.0質量部、好ましくは0.01〜3.0質量部なる範囲であり、フリーデルクラフツ触媒の場合はジヒドロキシナフタレン化合物1モルに対し、0.2〜3.0モル、好ましくは0.5〜2.0モルとなる範囲であることが好ましい。
前記工程1におけるジヒドロキシナフタレン化合物とベンジルアルコールとの反応は、無溶媒下で行うこともでき、反応系内の均一性を高める点から溶媒下で行うこともできる。かかる溶媒としては、例えば、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルなどのエチレングリコールやジエチレングリコールのモノまたはジエーテル;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの非極性芳香族溶媒;ジメチルホルムアミドやジメチルスルホキシドなどの非プロトン性極性溶媒;クロロベンゼンなどが挙げられる。
前記工程1の反応を行う具体的方法は、無溶媒下で、或いは前記溶媒存在下でジヒドロキシナフタレン化合物、ベンジルアルコールおよび前記酸触媒を溶解させ、60〜180℃、好ましくは80〜160℃程度の温度条件下に行うことができる。また、反応時間は特に限定されるものではないが、1〜10時間であることが好ましい。よって、当該反応は、具体的には、前記温度を1〜10時間保持することによって行うことができる。また、反応中に生成する水を系外に分留管などを用いて留去することが、反応が速やかに進行して生産性が向上する点から好ましい。
また、得られるベンジル変性ナフタレン化合物の着色が大きい場合は、それを抑制するために、反応系に酸化防止剤や還元剤を添加しても良い。酸化防止剤としては、例えば2,6−ジアルキルフェノール誘導体などのヒンダードフェノール系化合物、2価のイオウ系化合物、3価のリン原子を含む亜リン酸エステル系化合物などが挙られる。還元剤としては、例えば次亜リン酸、亜リン酸、チオ硫酸、亜硫酸、ハイドロサルファイトまたはこれらの塩などが挙げられる。
反応終了後は、酸触媒を中和処理、水洗処理あるいは分解することにより除去し、抽出、蒸留などの一般的な操作により、目的とするフェノール性水酸基を有する樹脂を分離することができる。中和処理や水洗処理は常法に従って行えばよく、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、アンモニア、トリエチレンテトラミン、アニリンなどの塩基性物質を中和剤として用いることができる。
ここで、前記芳香族ジカルボン酸塩化物としては、具体的には、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸の酸塩化物などが挙げられる。なかでも、溶剤溶解性と耐熱性のバランスの点からイソフタル酸クロリド、テレフタル酸クロリドが好ましい。
前記一価フェノール系化合物としては、具体的には、フェノール、クレゾール、p−t−ブチルフェノール、1−ナフトール、2−ナフトールなどが挙げられる。なかでも、フェノール、クレゾール、1−ナフトールが、カルボン酸クロリドとの反応性が良好である点から好ましく、耐熱分解性が良好である点から1−ナフトールがさらに好ましい。
ここで、前記ベンジル変性ナフタレン化合物、芳香族ジカルボン酸塩化物、更に一価フェノール系化合物を反応させる方法は、具体的には、これらの各成分をアルカリ触媒の存在下に反応させることができる。
ここで使用し得るアルカリ触媒としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、トリエチルアミン、ピリジン等が挙げられる。これらのなかでも特に水酸化ナトリウム、水酸化カリウムが水溶液の状態で使用することができ、生産性が良好となる点から好ましい。
前記反応は、具体的には有機溶媒の存在下、前記した各成分を混合し、前記アルカリ触媒またはその水溶液を連続的または断続的に滴下しながら反応させることができる。その際、アルカリ触媒の水溶液の濃度は、3.0〜30質量%の範囲であることが好ましい。また、ここで使用し得る有機溶媒としては、トルエン、ジクロロメタン、クロロホルムなどが挙げられる。
反応終了後は、アルカリ触媒の水溶液を用いている場合には、反応液を静置分液し、水層を取り除き、残った有機層を洗浄後の水層がほぼ中性になるまで繰り返し、目的とする樹脂を得ることができる。
このようにして得られる(B2)の活性エステル基を有する化合物は、その軟化点が100〜200℃であると、有機溶剤への溶解性が高くなるため好ましい。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、(B)活性エステル基を有する化合物以外の硬化剤を含有してもよく、例えば、フェノール性水酸基を有する化合物、ポリカルボン酸およびその酸無水物、シアネートエステル基を有する化合物、マレイミド基を有する化合物、脂環式オレフィン重合体等が挙げられる。
(無機フィラー)
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、無機フィラーを含有することが好ましい。無機フィラーを配合することによって、得られる硬化物の硬化収縮を抑制し、より低CTEとなり、密着性、硬度、絶縁層の周囲にある銅等の導体層と熱強度を合わせることによるクラック耐性等の熱特性を向上させることができる。無機フィラーとしては従来公知の無機フィラーが使用でき、特定のものに限定されないが、例えば、硫酸バリウム、チタン酸バリウム、無定形シリカ、結晶性シリカ、溶融シリカ、球状シリカなどのシリカ、タルク、クレー、ノイブルグ珪土粒子、ベーマイト、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、ジルコン酸カルシウム等の体質顔料や、銅、錫、亜鉛、ニッケル、銀、パラジウム、アルミニウム、鉄、コバルト、金、白金等の金属粉体が挙げられる。無機フィラーは球状粒子であることが好ましい。中でもシリカが好ましく、硬化性組成物の硬化物の硬化収縮を抑制し、より低CTEとなり、また、密着性、硬度などの特性を向上させる。無機フィラーの平均粒子径(メディアン径、D50)は、0.01〜10μmであることが好ましい。無機フィラーとしては、スリット加工性の観点から、平均粒子径が0.01〜3μmのシリカであることが好ましい。なお、本明細書において、無機フィラーの平均粒子径は、一次粒子の粒径だけでなく、二次粒子(凝集体)の粒径も含めた平均粒子径である。平均粒子径は、レーザー回折式粒子径分布測定装置により求めることができる。レーザー回折法による測定装置としては、日機装社製Nanotrac waveなどが挙げられる。
前記無機フィラーは、表面処理された無機フィラーであることが好ましい。表面処理としては、カップリング剤による表面処理や、アルミナ処理等の有機基を導入しない表面処理がされていてもよい。無機フィラーの表面処理方法は特に限定されず、公知慣用の方法を用いればよく、硬化性反応基を有する表面処理剤、例えば、硬化性反応基を有機基として有するカップリング剤等で無機フィラーの表面を処理すればよい。
無機フィラーの表面処理は、カップリング剤による表面処理であることが好ましい。カップリング剤としては、シラン系、チタネート系、アルミネート系およびジルコアルミネート系等のカップリング剤が使用できる。中でもシラン系カップリング剤が好ましい。かかるシラン系カップリング剤の例としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、N−(2−アミノメチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アニリノプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン等を挙げることができ、これらは単独で、あるいは併用して使用することができる。これらのシラン系カップリング剤は、予め無機フィラーの表面に吸着あるいは反応により固定化されていることが好ましい。ここで、無機フィラー100質量部に対するカップリング剤の処理量は、例えば、0.5〜10質量部である。
硬化性反応基としては熱硬化性反応基が好ましい。熱硬化性反応基としては、水酸基、カルボキシル基、イソシアネート基、アミノ基、イミノ基、エポキシ基、オキセタニル基、メルカプト基、メトキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシメチル基、エトキシエチル基、オキサゾリン基等が挙げられる。中でも、アミノ基およびエポキシ基のいずれか少なくとも1種が好ましい。なお、表面処理された無機フィラーは、熱硬化性反応基に加え、光硬化性反応基を有していてもよい。
なお、表面処理がされた無機フィラーは、表面処理された状態で前記樹脂層に含有されていればよく、前記樹脂層を形成する熱硬化性樹脂組成物に無機フィラーと表面処理剤とを別々に配合して組成物中で無機フィラーが表面処理されてもよいが、予め表面処理した無機フィラーを配合することが好ましい。予め表面処理した無機フィラーを配合することによって、別々に配合した場合に残存しうる表面処理で消費されなかった表面処理剤によるクラック耐性等の低下を防ぐことができる。予め表面処理する場合は、溶剤や硬化性樹脂に無機フィラーを予備分散した予備分散液を配合することが好ましく、表面処理した無機フィラーを溶剤に予備分散し、該予備分散液を組成物に配合するか、表面未処理の無機フィラーを溶剤に予備分散する際に十分に表面処理した後、該予備分散液を組成物に配合することがより好ましい。
無機フィラーは、粉体または固体状態でエポキシ樹脂等と配合してもよく、溶剤や分散剤と混合してスラリーとした後でエポキシ樹脂等と配合してもよい。
無機フィラーは、1種を単独で用いてもよく、2種以上の混合物として用いてもよい。無機フィラーの配合量は、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、低CTE化の観点から、50質量%以上が好ましく、60質量%以上がより好ましく、65質量%以上がさらに好ましい。また、硬化膜の靭性の観点から、85質量%以下が好ましく、80質量%以下がより好ましい。
(硬化促進剤)
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、硬化促進剤を含有することができる。硬化促進剤は、熱硬化反応を促進させるものであり、密着性、耐薬品性、耐熱性等の特性をより一層向上させるために使用される。このような硬化促進剤の具体例としては、イミダゾールおよびその誘導体;アセトグアナミン、ベンゾグアナミン等のグアナミン類;ジアミノジフェニルメタン、m−フェニレンジアミン、m−キシレンジアミン、ジアミノジフェニルスルフォン、ジシアンジアミド、尿素、尿素誘導体、メラミン、多塩基ヒドラジド等のポリアミン類;これらの有機酸塩および/またはエポキシアダクト;三フッ化ホウ素のアミン錯体;エチルジアミノ−S−トリアジン、2,4−ジアミノ−S−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−キシリル−S−トリアジン等のトリアジン誘導体類;トリメチルアミン、トリエタノールアミン、N,N−ジメチルオクチルアミン、N−ベンジルジメチルアミン、ピリジン、ジメチルアミノピリジン、N−メチルモルホリン、ヘキサ(N−メチル)メラミン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノフェノール)、テトラメチルグアニジン、m−アミノフェノール等のアミン類;ポリビニルフェノール、ポリビニルフェノール臭素化物、フェノールノボラック、アルキルフェノールノボラック等のポリフェノール類;トリブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリス−2−シアノエチルホスフィン等の有機ホスフィン類;トリ−n−ブチル(2,5−ジヒドロキシフェニル)ホスホニウムブロマイド、ヘキサデシルトリブチルホスホニウムクロライド等のホスホニウム塩類;ベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、フェニルトリブチルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩類;前記多塩基酸無水物;ジフェニルヨードニウムテトラフルオロボロエート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、2,4,6−トリフェニルチオピリリウムヘキサフルオロホスフェート等の光カチオン重合触媒;スチレン−無水マレイン酸樹脂;フェニルイソシアネートとジメチルアミンの等モル反応物や、トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の有機ポリイソシアネートとジメチルアミンの等モル反応物、金属触媒等の従来公知の硬化促進剤が挙げられる。硬化促進剤の中でも、イミダゾールおよびその誘導体、ジメチルアミノピリジンが好ましく、より高Tgかつ低誘電正接の硬化物が得られることから、ジメチルアミノピリジンがより好ましい。
硬化促進剤は、1種を単独または2種以上混合して用いることができる。硬化促進剤の配合量は、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、熱硬化反応前の樹脂組成物の保存安定性の観点から、5質量%以下が好ましく、3質量%以下がより好ましい、また、硬化性の観点から、0.01質量%以上が好ましく、0.1質量%以上がより好ましい。
(熱可塑性樹脂(高分子樹脂))
本発明の熱硬化性樹脂組成物には、得られる硬化膜の機械的強度を向上させるために、さらに熱可塑性樹脂を含有することができる。熱可塑性樹脂は、溶剤に可溶であることが好ましい。溶剤に可溶である場合、ドライフィルム化した場合に柔軟性が向上し、クラックの発生や粉落ちを抑制できる。熱可塑性樹脂としては、熱可塑性ポリヒドロキシポリエーテル樹脂や、エピクロルヒドリンと各種2官能フェノール化合物の縮合物であるフェノキシ樹脂或いはその骨格に存在するヒドロキシエーテル部の水酸基を各種酸無水物や酸クロリドを使用してエステル化したフェノキシ樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ブロック共重合体等が挙げられる。熱可塑性樹脂は1種を単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。これら熱可塑性樹脂の中でも、誘電正接を低く維持したまま、ガラス転移温度を向上させることができるので、フェノキシ樹脂が好ましい。デスミア後の硬化物表面の粗度を小さくする観点から、ポリビニルアセタール樹脂が好ましい。
ポリビニルアセタール樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール樹脂をアルデヒド
でアセタール化することで得られる。前記アルデヒドとしては、特に限定されず、例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、アミルアルデヒド、ヘキシルアルデヒド、ヘプチルアルデヒド、2−エチルヘキシルアルデヒド、シクロヘキシルアルデヒド、フルフラール、ベンズアルデヒド、2−メチルベンズアルデヒド、3−メチルベンズアルデヒド、4−メチルベンズアルデヒド、p−ヒドロキシベンズアルデヒド、m−ヒドロキシベンズアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、β−フェニルプロピオンアルデヒド等が挙げられ、ブチルアルデヒドが好ましい。
フェノキシ樹脂の具体例としては、東都化成社製のFX280、FX293、三菱ケミカル社製のYX8100、YX6954、YL6954、YL6974、YX7200等が挙げられる。また、ポリビニルアセタール樹脂の具体例としては、積水化学工業社製のエスレックKSシリーズ、ポリアミド樹脂としては、日立化成工業社製のKS5000シリーズ、日本化薬社製のBPシリーズ、さらに、ポリアミドイミド樹脂としては、日立化成工業社製のKS9000シリーズ等が挙げられる。前記熱可塑性樹脂の配合量は、樹脂組成物中の(A)エポキシ樹脂および(B)活性エステル基を有する化合物の合計を100質量%とした場合、得られる硬化膜の機械的強度の観点から、0.1質量%以上が好ましく、0.3質量%以上がより好ましい。また、硬化膜の誘電特性の観点から、15質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましい。
(ゴム状粒子)
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、必要に応じてゴム状粒子を含有することができる。このようなゴム状粒子としては、ポリブタジエンゴム、ポリイソプロピレンゴム、ウレタン変性ポリブタジエンゴム、エポキシ変性ポリブタジエンゴム、アクリロニトリル変性ポリブタジエンゴム、カルボキシル基変性ポリブタジエンゴム、カルボキシル基または水酸基で変性したアクリロニトリルブタジエンゴム、およびそれらの架橋ゴム粒子、コアシェル型ゴム粒子等が挙げられ、1種を単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。これらのゴム状粒子は、得られる硬化膜の柔軟性を向上させたり、クラック耐性が向上したり、酸化剤による表面粗化処理を可能とし、銅箔等との密着強度を向上させるために添加される。
ゴム状粒子の平均粒子径は0.005〜1μmの範囲が好ましく、0.2〜1μmの範囲がより好ましい。本発明におけるゴム状粒子の平均粒子径は、レーザー回折式粒子径分布測定装置により求めることができる。例えば、適当な有機溶剤にゴム状粒子を超音波などにより均一に分散させ、日機装社製Nanotrac waveを用いて、ゴム状粒子の粒度分布を質量基準で作成し、そのメディアン径を平均粒子径とすることで測定することができる。
(難燃剤)
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、難燃剤を含有することができる。難燃剤としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の水和金属系、赤燐、燐酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、ホウ酸亜鉛、錫酸亜鉛、モリブデン化合物系、臭素化合物系、塩素化合物系、燐酸エステル、含燐ポリオール、含燐アミン、メラミンシアヌレート、メラミン化合物、トリアジン化合物、グアニジン化合物、シリコンポリマー等が使用できる。難燃剤は、1種を単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。
(有機溶剤)
有機溶剤としては、特に制限はないが、例えば、ケトン類、芳香族炭化水素類、グリコールエーテル類、グリコールエーテルアセテート類、エステル類、アルコール類、脂肪族炭化水素、石油系溶剤などが挙げることができる。より具体的には、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルブチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;セロソルブ、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、カルビトール、メチルカルビトール、ブチルカルビトール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールブチルエーテルアセテートなどのエステル類;エタノール、プロパノール、2−メトキシプロパノール、n−ブタノール、イソブチルアルコール、イソペンチルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール類;オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素;石油エーテル、石油ナフサ、水添石油ナフサ、ソルベントナフサ等の石油系溶剤等の他、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、テトラクロロエチレン、テレビン油等が挙げられる。また、丸善石油化学社製スワゾール1000、スワゾール1500、スタンダード石油大阪発売所社製ソルベッソ100、ソルベッソ150、三共化学社製ソルベント#100、ソルベント#150、シェルケミカルズジャパン社製シェルゾールA100、シェルゾールA150、出光興産社製イプゾール100番、イプゾール150番等の有機溶剤を用いてもよい。有機溶剤は、1種を単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。
ドライフィルム化した場合、樹脂層中の残留溶剤量が、0.5〜10.0質量%であることが好ましくい。残留溶剤が10.0質量%以下であると、熱硬化時の突沸を抑え、表面の平坦性がより良好となる。また、溶融粘度が下がり過ぎて樹脂が流れてしまうことを抑制でき、平坦性が良好となる。残留溶剤が0.5質量%以上であると、ラミネート時の流動性が良好で、平坦性および埋め込み性がより良好となる。
(その他の成分)
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、さらに必要に応じて、シリコンパウダー、フッ素パウダー、ナイロンパウダー等の有機フィラー、フタロシアニン・ブルー、フタロシアニン・グリーン、アイオジン・グリーン、ジスアゾイエロー、クリスタルバイオレット、酸化チタン、カーボンブラック、ナフタレンブラック等の従来公知の着色剤、アスベスト、オルベン、ベントン、微紛シリカ等の従来公知の増粘剤、シリコーン系、フッ素系、高分子系等の消泡剤および/またはレベリング剤、チアゾール系、トリアゾール系、シランカップリング剤等の密着性付与剤、チタネート系、アルミニウム系の従来公知の添加剤類を用いることができる。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、ドライフィルム化して用いても液状として用いても良い。液状として用いる場合は、1液性でも2液性以上でもよいが、保存安定性の観点から2液性以上であることが好ましい。
[ドライフィルム]
本発明のドライフィルムは、キャリアフィルム上に、本発明の熱硬化性樹脂組成物を塗布し、乾燥して、乾燥塗膜としての樹脂層を形成することにより、製造することができる。樹脂層上には、必要に応じて、保護フィルムをラミネートすることができる。
キャリアフィルムとは、ドライフィルムの樹脂層を支持する役割を有するものであり、該樹脂層を形成する際に、熱硬化性樹脂組成物が塗布されるフィルムである。キャリアフィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルム、ポリイミドフィルム、ポリアミドイミドフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリテトラフルオロエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリスチレンフィルム等の熱可塑性樹脂からなるフィルム、および、表面処理した紙等を用いることができる。これらの中でも、耐熱性、機械的強度、取扱性等の観点から、ポリエステルフィルムを好適に使用することができる。キャリアフィルムの厚さは、特に制限されるものではないが概ね10〜150μmの範囲で用途に応じて適宜選択される。キャリアフィルムの樹脂層を設ける面には、離型処理が施されていてもよい。また、キャリアフィルムの樹脂層を設ける面には、スパッタもしくは極薄銅箔が形成されていてもよい。
保護フィルムとは、ドライフィルムの樹脂層の表面に塵等が付着するのを防止するとともに取扱性を向上させる目的で、樹脂層のキャリアフィルムとは反対の面に設けられる。保護フィルムとしては、例えば、前記キャリアフィルムで例示した熱可塑性樹脂からなるフィルム、および、表面処理した紙等を用いることができるが、これらの中でも、ポリエステルフィルムおよびポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルムが好ましい。保護フィルムの厚さは、特に制限されるものではないが概ね10〜150μmの範囲で用途に応じて適宜選択される。保護フィルムの樹脂層を設ける面には、離型処理が施されていてもよい。
[樹脂付き銅箔]
本発明の樹脂付き銅箔は、本発明の熱硬化性樹脂組成物をキャリア付き極薄銅箔に塗布、乾燥して得られる樹脂層を有する。
キャリア付き極薄銅箔は、キャリア箔および極薄銅箔をこの順に備えた構成であればよく、本発明の熱硬化性樹脂組成物からなる樹脂層は、極薄銅箔と接するように積層されていればよい。
キャリア箔としては、銅箔、アルミニウム箔、ステンレス(SUS)箔、表面をメタルコーティングした樹脂フィルム等が挙げられ、銅箔であることが好ましい。銅箔は、電解銅箔でも圧延銅箔でもよい。キャリア箔の厚さは、通常は250μm以下であり、好ましくは9〜200μmである。なお、キャリア箔と極薄銅箔との間に、必要に応じて剥離層を形成してもよい。
極薄銅箔の形成方法は特に限定されず、無電解銅めっき法、電解銅めっき法等の湿式成膜法、スパッタリング、化学蒸着等の乾式成膜法、また、これらの組合せにより形成することができる。極薄銅箔の厚さは、0.1〜7.0μmであることが好ましく、0.5〜5.0μmであることがより好ましく、1.0〜3.0μmであることがさらに好ましい。
本発明の電子部品の製造方法は、本発明の熱硬化性樹脂組成物、本発明のドライフィルムの樹脂層、または、本発明の樹脂付き銅箔の樹脂層を硬化する工程を含む。硬化する方法は特に限定されず、従来公知の方法で硬化させればよく、例えば、150〜230℃で加熱して硬化すればよい。熱硬化性樹脂組成物を用いたプリント配線板の製造方法としては、例えば、キャリアフィルムと保護フィルムとの間に樹脂層が挟まれた三層構造のドライフィルムの場合、下記のような方法でプリント配線板を製造することができる。ドライフィルムからキャリアフィルムまたは保護フィルムのどちらかを剥離し、回路パターンが形成された回路基板に加熱ラミネートした後、熱硬化させる。熱硬化は、オーブン中で硬化、もしくは熱板プレスで硬化させてもよい。回路が形成された基材と本発明のドライフィルムをラミネートもしくは熱板プレスする際に、銅箔もしくは回路形成された基材を同時に積層することもできる。回路パターンが形成された基板上の所定の位置に対応する位置に、レーザー照射またはドリルでパターンやビアホールを形成し、回路配線を露出させることで、プリント配線板を製造することができる。この際、パターンやビアホール内の回路配線上に除去しきれないで残留した成分(スミア)が存在する場合にはデスミア処理を行う。キャリアフィルムまたは保護フィルムのうち残った方は、ラミネート後、熱硬化後、レーザー加工後またはデスミア処理後のいずれかに、剥離すればよい。なお、層間回路の接続方法は、カッパーピラーによる接続でもよい。
また、本発明の樹脂付き銅箔を用いてプリント配線板を製造する場合、樹脂層を回路パターンが形成された回路基板に積層し、極薄銅箔を配線層の全部または一部としてモディファイド・セミアディティブプロセス(MSAP)法で回路を形成し、ビルドアップ配線板を製造してもよい。また、極薄銅箔を除去してセミアディティブプロセス(SAP)法で回路を形成したビルドアップ配線板を製造してもよい。また、半導体集積回路上へ樹脂付銅箔の積層と回路形成を交互に繰りかえすダイレクト・ビルドアップ・オン・ウェハーでプリント配線板を製造してもよい。また、コア基板を用いずに、樹脂層と導体層とが交互に積層されたコアレスビルドアップ法を用いてもよい。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、電子部品、特にプリント配線板の永久保護膜の形成に好ましく用いることができ、中でもソルダーレジスト層、層間絶縁層、フレキシブルプリント配線板のカバーレイの形成に好ましく用いることができる。また、プリント配線板の永久穴埋め、例えば、スルーホールやビアホール等の穴埋めにも好適に用いることができる。また、半導体チップ用の封止材や、銅張積層板(CCL)やプリプレグの材料としても用いることができる。本発明の熱硬化性樹脂組成物の硬化物は誘電特性に優れることから、伝送損失が課題になる高周波用途に好適に用いることができる。高周波用途の具体例としては、例えば、自動運転向けミリ波レーダーやミリ波センサー用基板、高速通信対応モバイル用マザーボードやモディファイド・セミアディティブプロセス(MSAP)法で回路を形成するSLP(Substrate−Like PCB)、モバイルおよびパソコン用アプリケーションプロセッサ(AP)、基地局用サーバーやルーター向け高多層基板、アンテナ向け基板や半導体封止材料などが挙げられる。本発明のドライフィルムを用いて、配線を貼り合わせることによって配線板を形成してもよい。電子部品としては、プリント配線板以外の用途、例えば、インダクタなど受動部品でもよい。
本発明の熱硬化性樹脂組成物を用いた回路形成材料の形態は、モディファイド・セミアディティブプロセス(MSAP)対応の樹脂付き銅箔(RCC:Resin−Coated−Copper)やセミアディティブプロセス(SAP)対応のビルドアップフィルムであってもよい。
本発明の硬化物の誘電正接は特に限定されないが、本発明によれば低い誘電正接の硬化物を得ることが可能であり、例えば、0.003以下、さらには0.002以下、またさらには0.001以下とすることも可能である。
以下、本発明の実施例および比較例を示して本発明について具体的に説明するが、本発明が下記実施例に限定されるものではないことはもとよりである。なお、以下において「部」および「%」とあるのは、特に断りのない限り全て質量基準である。
<活性エステル基を有する化合物の合成>
(合成例1:(B1)の活性エステル基を有する化合物の合成)
温度計、滴下ロート、冷却管、分留管、撹拌器を取り付けたフラスコにイソフタル酸クロリド203.0g(酸クロリド基のモル数:2.0モル)とトルエン1338gを仕込み系内を減圧窒素置換し溶解させた。次いで、α−ナフトール96.0g(0.67モル)、ジシクロペンタジエンフェノール樹脂220g(フェノール性水酸基のモル数:1.33モル)を仕込み、系内を減圧窒素置換し溶解させた。その後、テトラブチルアンモニウムブロマイド 1.12gを溶解させ、窒素ガスパージを施しながら、系内を60℃以下に制御して、20%水酸化ナトリウム水溶液400gを3時間かけて滴下した。
次いでこの条件下で1.0時間撹拌を続けた。反応終了後、静置分液し、水層を取り除いた。更に反応物が溶解しているトルエン相に水を投入して約15分間撹拌混合し、静置分液して水層を取り除いた。水層のpHが7になるまでこの操作を繰り返した。その後、デカンタ脱水で水分を除去し不揮発分65%のトルエン溶液状態にある活性エステル樹脂(B−1)を得た。得られた活性エステル樹脂(B−1)の固形分換算のエステル基当量は223g/molであった。
(合成例2:(B2)の活性エステル基を有する化合物の合成)
温度計、滴下ロート、冷却管、分留管、撹拌器を取り付けたフラスコに、2,7−ジヒドロキシナフタレン320g(2.0モル)、ベンジルアルコール184g(1.7モル)、パラトルエンスルホン酸・1水和物5.0gを仕込み、室温下、窒素を吹き込みながら撹拌した。その後、150℃に昇温し、生成する水を系外に留去しながら4時間攪拌した。反応終了後、メチルイソブチルケトン900g、20%水酸化ナトリウム水溶液 5.4gを添加して中和した後、分液により水層を除去し、水280gで3回水洗を行い、メチルイソブチルケトンを減圧下除去してベンジル変性ナフタレン化合物(B−2中間体)を460g得た。得られたベンジル変性ナフタレン化合物(B−2中間体)は黒色固体であり、水酸基当量は180グラム/当量であった。
温度計、滴下ロート、冷却管、分留管、撹拌器を取り付けたフラスコに、イソフタル酸クロリド203.0g(酸クロリド基のモル数:2.0モル)とトルエン1400gを仕込み、系内を減圧窒素置換し溶解させた。次いで、α−ナフトール96.0g(0.67モル)、ベンジル変性ナフタレン化合物(B−2中間体)240g(フェノール性水酸基のモル数:1.33モル)を仕込み、系内を減圧窒素置換し溶解させた。その後、テトラブチルアンモニウムブロマイド0.70gを溶解させ、窒素ガスパージを施しながら、系内を60℃以下に制御して、20%水酸化ナトリウム水溶液 400gを3時間かけて滴下した。次いでこの条件下で1.0時間撹拌を続けた。反応終了後、静置分液し、水層を取り除いた。更に反応物が溶解しているトルエン層に水を投入して15分間撹拌混合し、静置分液して水層を取り除いた。水層のpHが7になるまでこの操作を繰り返した。その後、デカンタ脱水で水分を除去し不揮発分65質量%のトルエン溶液状態にある活性エステル樹脂(B−2)を得た。得られた活性エステル樹脂(B−2)の固形分換算のエステル基当量は230g/molであった。
<熱硬化性樹脂組成物の調製>
下記表1〜4の実施例、比較例に示す種々の成分と共に表1〜4に示す割合(質量部)にて混錬混合し、硬化後フィルム作製用の熱硬化性樹脂組成物を調製した。なお、表中の数値は質量部(不揮発分換算)を示す。
<硬化後フィルムの作製>
フィルムアプリケーターを用いて、熱硬化性樹脂組成物を実施例および比較例ごとに銅箔(古河電気工業社製F2−WS、18μm厚)の光沢面上に塗布し、熱風循環式乾燥炉にて90℃で10分間乾燥後、続けて200℃で60分間硬化させた後、銅箔を剥離し、厚み約40μmの硬化後フィルム(硬化膜)を作製した。
<ガラス転移温度(Tg)および線熱膨張係数(CTE(α1))の測定>
前記<硬化後フィルムの作製>で得られたサンプルを測定サイズ(3mm×10mmのサイズ)に切り出し、ティー・エイ・インスツルメント社製TMA Q400EMを用いて、ガラス転移温度(Tg)および線熱膨張係数(CTE(α1))を測定した。10℃/minの昇温速度で室温より昇温、連続して2回測定し、2回目における線熱膨張係数の異なる2接線の交点であるガラス転移温度(Tg)と、30℃〜100℃までの線熱膨張係数(CTE(α1))を評価した。
ガラス転移温度は、180℃以上を◎、180℃未満170℃以上を〇、170℃未満を×と評価した。
<誘電正接(Df)の測定>
前記<硬化後フィルムの作製>で得られたサンプルを測定サイズ(50mm×60mmのサイズ)に切り出し、SPDR誘電体共振器とネットワークアナライザー(ともにアジレント社製)を用い、23℃における10GHzの誘電正接の測定を行った。
Figure 2020090576
*1:DIC社製EXA−835LV(ビスフェノールA型エポキシ樹脂とビスフェノールF型エポキシ樹脂の混合品、液状、エポキシ当量:165g/eq)
*2:日産化学社製TEPIC−VL(複素環式エポキシ樹脂、3官能、液状、エポキシ当量:128g/eq)
*3:三菱ケミカル社製jER630(芳香族アミノエポキシ樹脂、3官能、液状、エポキシ当量:97g/eq)

*4:三菱ケミカル社製jER604(芳香族アミノエポキシ樹脂、4官能、半固形、エポキシ当量:118g/eq)
*5:日本化薬社製NC−3000H(ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂、固形、エポキシ当量:290g/eq)
*6:新日鐵化学社製ESN−475V(ナフタレン型エポキシ樹脂、固形、エポキシ当量:322g/eq)
*7:上記合成例1で合成した活性エステル樹脂B−1(活性エステル当量:223g/eq)
*8:上記合成例2で合成した活性エステル樹脂B−2(活性エステル当量:230g/eq)
*9:フェニルアミノシラン処理したアドマテックス社製SO−C2(球状シリカ、平均粒径:0.5μm、単位質量あたりのカーボン量0.18)
*10:三菱ケミカル社製jER YX6954BH30(フェノキシ樹脂)
*11:三菱ケミカル社製jER YX7200B35(フェノキシ樹脂)
*12:組成物中の(A)エポキシ樹脂のエポキシ基の総量/(B)活性エステル基を有する化合物の活性エステル基の総量の比
Figure 2020090576
Figure 2020090576
Figure 2020090576
*13:得られる硬化物が脆い為、強度不足により測定不可
上記表に示す結果から、実施例の熱硬化性樹脂組成物は、高耐熱性と低誘電正接と低線熱膨張係数とを兼ね備えた硬化物を得ることができることが分かる。

Claims (9)

  1. (A)エポキシ樹脂、および、(B)活性エステル基を有する化合物を含有する組成物であって、
    組成物中の前記(A)エポキシ樹脂のエポキシ基の総量/前記(B)活性エステル基を有する化合物の活性エステル基の総量の比が0.2〜0.6であることを特徴とする熱硬化性樹脂組成物。
  2. 前記(B)活性エステル基を有する化合物が、下記一般式(1)
    Figure 2020090576
    (式中、Xはベンゼン環またはナフタレン環を有する基であり、kは0または1を表し、nは繰り返し単位の平均で0.25〜1.5である。)で表される化合物であることを特徴とする請求項1記載の熱硬化性樹脂組成物。
  3. 前記(B)活性エステル基を有する化合物が、下記一般式(2)
    Figure 2020090576
    (式(2)中、Xはそれぞれ独立的に下記式(3):
    Figure 2020090576
    で表される基または下記式(4):
    Figure 2020090576
    で表される基であり、
    mは1〜6の整数であり、nはそれぞれ独立的に1〜5の整数であり、qはそれぞれ独立的に1〜6の整数であり、
    式(3)中、kはそれぞれ独立的に1〜5の整数であり、
    式(4)中、Yは上記式(3)で表される基(kはそれぞれ独立的に1〜5の整数)であり、tはそれぞれ独立的に0〜5の整数である)
    で表される構造部位を有し、その両末端が一価のアリールオキシ基である樹脂構造を有する活性エステル樹脂であることを特徴とする請求項1記載の熱硬化性樹脂組成物。
  4. さらに、無機フィラーを含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載の熱硬化性樹脂組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項記載の熱硬化性樹脂組成物をフィルムに塗布、乾燥して得られる樹脂層を有することを特徴とするドライフィルム。
  6. 請求項1〜4のいずれか一項記載の熱硬化性樹脂組成物をキャリア付き極薄銅箔に塗布、乾燥して得られる樹脂層を有することを特徴とする樹脂付き銅箔。
  7. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の熱硬化性樹脂組成物、請求項5記載のドライフィルムの樹脂層、または、請求項6記載の樹脂付き銅箔の樹脂層を硬化して得られることを特徴とする硬化物。
  8. 請求項7記載の硬化物を有することを特徴とする電子部品。
  9. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の熱硬化性樹脂組成物、請求項5記載のドライフィルムの樹脂層、または、請求項6記載の樹脂付き銅箔の樹脂層を硬化する工程を含むことを特徴とする電子部品の製造方法。
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