JP7333736B2 - 硬化性樹脂組成物、ドライフィルム、樹脂付き銅箔、硬化物、及び電子部品 - Google Patents

硬化性樹脂組成物、ドライフィルム、樹脂付き銅箔、硬化物、及び電子部品 Download PDF

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Description

本発明は、硬化性樹脂組成物、ドライフィルム、樹脂付き銅箔、硬化物、及び電子部品に関し、特にエポキシ樹脂を含む熱硬化性の硬化性樹脂組成物、ドライフィルム、樹脂付き銅箔、硬化物、及び電子部品に関する。
プリント配線板などの電子部品を形成する絶縁材料として、従来よりエポキシ樹脂を含有する熱硬化性樹脂組成物が用いられており、通常、硬化物に様々な特性を付与するために、種々の硬化剤がエポキシ樹脂と併用されている。
例えば、特許文献1は、エポキシ樹脂と、硬化剤としての活性エステル基を有する化合物及びトリアジン含有フェノール樹脂と、マレイミド化合物と、フェノキシ化合物と、を含むエポキシ樹脂組成物を開示する。特許文献1のエポキシ樹脂組成物によれば、得られた硬化物はめっき導体に対する高い密着力を示し、線膨張率が低い絶縁層を達成し得ることが開示されている。
特許第5396805号公報
しかし、電子部品の絶縁層形成用の硬化性樹脂組成物には、めっき導体に対する高い密着性等のほか、信頼性の観点からその硬化物に高い耐熱性を付与することも求められる。さらに、近年、高速通信の採用、すなわち、高周波化に伴い、伝送損失が増加傾向にあるため、電子部品の絶縁材料には伝送損失を抑制できる低誘電正接化が要求されている。
しかし、従来の硬化性樹脂組成物により各特性の何れか一つを向上させることは比較的容易だが、全ての特性をまんべんなく向上させることは困難である。例えば、エポキシ樹脂は硬化物の強度やめっき導体に対する高い密着性に寄与する成分であるが、エポキシ樹脂の配合量によっては硬化物の誘電正接を増加させてしまったり、めっき導体に対する密着性が低下するなど、それらの特性を同時に満足させることが困難になることが発明者らの検討によりわかってきている。
前記課題を鑑みた本発明の目的は、高い耐熱性、低誘電正接、及び導体に対する高い密着性を備えた硬化物が得られる熱硬化性樹脂組成物、該組成物から得られる樹脂層を有するドライフィルム、樹脂付き銅箔、硬化物、及び電子部品を提供することにある。
本発明の目的は、
(A)エポキシ樹脂と、
(B)活性エステル基を有する化合物と、
(C)フェノキシ樹脂と、
(D)無機フィラーと、
を含有する硬化性樹脂組成物であって、
前記(C)フェノキシ樹脂の第二級水酸基当量が300g/eq.以上であり、かつ
前記(A)エポキシ樹脂におけるエポキシ基の総量の、前記(B)活性エステル基を有する化合物におけるエステル基の総量に対する比が0.2~0.6であることを特徴とする硬化性樹脂組成物により達成されることが見出された。
本発明の硬化性樹脂組成物で用いられる(B)活性エステル基を有する化合物は、下記一般式(1)
Figure 0007333736000001
(式中、Xはそれぞれ独立的にベンゼン環またはナフタレン環を有する基であり、kは0または1を表し、nは繰り返し単位の平均で0.25~1.5である。)で表される化合物であること、または
下記一般式(2):
Figure 0007333736000002
(式(2)中、Xはそれぞれ独立的に下記式(3):
Figure 0007333736000003
で表される基または下記式(4):
Figure 0007333736000004
で表される基であり、
mは1~6の整数であり、nはそれぞれ独立的に1~5の整数であり、qはそれぞれ独立的に1~6の整数であり、
式(3)中、kはそれぞれ独立的に1~5の整数であり、
式(4)中、Yは上記式(3)で表される基(kはそれぞれ独立的に1~5の整数)であり、tはそれぞれ独立的に0~5の整数である)
で表される構造部位を有し、その両末端が一価のアリールオキシ基である構造を有する活性エステル樹脂であることが好ましい。
さらに、本発明の目的は、上記硬化性樹脂組成物を樹脂層として有することを特徴とするドライフィルム、
銅箔またはキャリア付き銅箔上に、上記の硬化性樹脂組成物を樹脂層として有することを特徴とする樹脂付き銅箔、
上記硬化性樹脂組成物、ドライフィルムの樹脂層、又は樹脂付き銅箔の樹脂層の硬化物、および
上記の硬化物を有することを特徴とする電子部品によっても、それぞれ達成される。
本発明の硬化性樹脂組成物によれば、得られた硬化物は高い耐熱性、低誘電正接、及び導体に対する高い密着性を兼ね備えたものとなる。また、本発明の硬化性樹脂組成物から得られる樹脂層を有する、ドライフィルム、本発明の硬化性樹脂組成物から得られる樹脂層を有する樹脂付き銅箔、本発明の硬化性樹脂組成物、ドライフィルムの樹脂層または樹脂付き銅箔の樹脂層の硬化物、この硬化物を有する電子部品についても、それぞれ同様に高い耐熱性、低誘電正接、及び導体に対する高い密着性を兼ね備えたものとなる。
<硬化性樹脂組成物>
本発明の硬化性樹脂組成物は、
(A)エポキシ樹脂(A成分ともいう)と、
(B)活性エステル基を有する化合物(B成分ともいう)と、
(C)フェノキシ樹脂(C成分ともいう)と、
(D)無機フィラーと、
を含有し、
(C)フェノキシ樹脂の第二級水酸基当量が300g/eq.以上であり、かつ
前記(A)エポキシ樹脂におけるエポキシ基の総量の、前記(B)活性エステル基を有する化合物におけるエステル基の総量に対する比を0.2~0.6とするものである。
上述のエポキシ基の総量とは、組成物中に含まれる(A)エポキシ樹脂の配合量を、(A)エポキシ樹脂のエポキシ当量で除した値である。また、(B)活性エステル基を有する化合物の活性エステル基の総量は、組成物中に含まれる(B)活性エステル基を有する化合物の配合量を、(B)活性エステル基を有する化合物の活性エステル当量で除して求めることができる。なお、A、B成分は、それぞれ後述のようにそれぞれ複数種類の化合物を含むものであってもよいが、その場合には化合物ごとに、配合量をエポキシ当量または活性エステル当量で除して、エポキシ基の総量またはエステル基の総量を求める。
本発明の硬化性樹脂組成物において、エポキシ基の総量のエステル基の総量に対する比(以下、単に、総量の比ともいう)が上記範囲であり、かつ、(C)上記第二級水酸基当量のフェノキシ樹脂および(D)無機フィラーを含有することにより、高い耐熱性、低誘電正接、及び導体に対する高い密着性を兼ね備えた硬化物を得ることができる。上記総量の比は、導体に対する高い密着性を有しながら、ガラス転移温度(Tg)が高く、低誘電正接の硬化物が得られることから、0.2以上0.5以下であることがより好ましく、0.2以上0.4以下であることが特に好ましい。
一般に、活性エステル基を有する化合物は、フェノール系硬化剤よりも導体に対する密着性が低いことが知られているため、上記比率のようにエポキシ基よりも活性エステル基の方が多い硬化性樹脂組成物においては、導体に対する密着性が悪くなると考えられていた。しかしながら、本発明においては、活性エステル基の方が多い上記比率の硬化性樹脂組成物においても、導体に対する高い密着性、高い耐熱性、及び低誘電正接を全て兼ね備えた硬化物を得ることができる。
以下に、本発明の熱硬化性樹脂組成物が含有する各成分について説明する。なお、本明細書において、数値範囲を「~」で表記する場合、それらの数値を含む範囲(即ち、・・・以上・・・以下)を意味するものとする。
[(A)エポキシ樹脂]
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、(A)エポキシ樹脂を含む。(A)エポキシ樹脂は、エポキシ基を有する樹脂であり、従来公知のものをいずれも使用することができる。好ましくは、分子中にエポキシ基を2個有する2官能性エポキシ樹脂、分子中にエポキシ基を3個以上有する多官能エポキシ樹脂等が挙げられる。なお、水素添加された2官能エポキシ樹脂であってもよい。また、(A)エポキシ樹脂は、固形エポキシ樹脂、半固形エポキシ樹脂、液状エポキシ樹脂のいずれか一種または2種以上であってもよい。(A)エポキシ樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。本明細書において、固形エポキシ樹脂とは40℃で固体状であるエポキシ樹脂をいい、半固形エポキシ樹脂とは20℃で固体状であり、40℃で液状であるエポキシ樹脂をいい、液状エポキシ樹脂とは20℃で液状のエポキシ樹脂をいう。液状の判定は、危険物の試験及び性状に関する省令(平成元年自治省令第1号)の別紙第2の「液状の確認方法」に準じて行う。例えば、特開2016-079384の段落23~25に記載の方法にて行なう。
固形エポキシ樹脂としては、DIC社製EPICLON HP-4700(ナフタレン型エポキシ樹脂)、日本化薬社製NC-7000L(ナフタレン骨格含有多官能固形エポキシ樹脂)、新日鐵化学社製ESN-475V等のナフタレン型エポキシ樹脂;日本化薬社製EPPN-502H(トリスフェノールエポキシ樹脂)等のフェノール類とフェノール性水酸基を有する芳香族アルデヒドとの縮合物のエポキシ化物(トリスフェノール型エポキシ樹脂);DIC社製EPICLONHP-7200H(ジシクロペンタジエン骨格含有多官能固形エポキシ樹脂)等のジシクロペンタジエンアラルキル型エポキシ樹脂;日本化薬社製NC-3000H、NC-3000L(ビフェニル骨格含有多官能固形エポキシ樹脂)等のビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂;DIC社製EPICLON N660、EPICLON N690、日本化薬社製EOCN-104S等のノボラック型エポキシ樹脂;三菱ケミカル社製YX-4000等のビフェニル型エポキシ樹脂;新日鉄住金化学社製TX0712等のリン含有エポキシ樹脂;日産化学社製TEPIC等のトリス(2,3-エポキシプロピル)イソシアヌレート等が挙げられる。固形エポキシ樹脂を含むことで、硬化物のガラス転移温度が高くなり耐熱性に優れる。固形エポキシ樹脂の中でも、より高Tgかつ低誘電正接の硬化物が得られることから、ESN-475VやNC3000Hのように、芳香族化合物と、フェノールやナフトールがメチレン鎖で繋がった骨格を有するエポキシ樹脂が好ましい。
半固形エポキシ樹脂としては、DIC社製EPICLON 860、EPICLON 900-IM、EPICLON EXA―4816、EPICLON EXA-4822、東都化成社製エポトートYD-134、三菱ケミカル社製jER834、jER872、住友化学工業社製ELA-134等のビスフェノールA型エポキシ樹脂;DIC社製EPICLON HP-4032等のナフタレン型エポキシ樹脂;DIC社製EPICLON N-740等のフェノールノボラック型エポキシ樹脂、三菱ケミカル社製jER604等のグリシジルアミン型エポキシ樹脂;ADEKA社製EPU-73B等のウレタン変性エポキシ樹脂等が挙げられる。半固形状エポキシ樹脂を含むことにより、硬化物のガラス転移温度(Tg)が高く、線熱膨張係数(CTE)が低くなり、クラック耐性に優れる。半固形エポキシ樹脂を含むことで、ドライフィルムの保存安定性に優れ、割れや剥がれを防止することができる。
液状エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、tert-ブチル-カテコール型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、アミノフェノール型エポキシ樹脂等の芳香族アミノエポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂等が挙げられる。液状エポキシ樹脂を含むことで、ドライフィルムのしなやかさに優れる。
液状エポキシ樹脂の市販品の例としては、三官能以上の液状エポキシ樹脂、例えば日産化学社製TEPIC-VL;三菱ケミカル社製jER(登録商標)630およびJER(登録商標)630LSD、またはADEKA社製EP-3950SおよびEP-3950SL;2官能グリシジルアミン、例えばN,N-ビス(オキシラニルメチル)-2-(メチルアニリン)(ADEKA社製 EP-3980S)、ナフタレン型4官能エポキシ樹脂、例えばDIC社製EPICLON(登録商標)EXA-835LVなどを用いることができる。
本発明においては、(A)エポキシ樹脂が液状エポキシ樹脂および半固形エポキシ樹脂の少なくともいずれかを含むことが好ましい。液状エポキシ樹脂や半固形エポキシ樹脂を含むことにより、誘電正接を低く維持したまま、ガラス転移温度を向上させることができる。
また、ドライフィルムや樹脂付き銅箔の作製の際に柔軟性とタック性の調整の点で液状または半固形のエポキシ樹脂を用いること、特に液状または半固形のグリシジルアミン型のエポキシ樹脂を用いることも適している。
さらに、(A)エポキシ樹脂として、固形エポキシ樹脂と、液状エポキシ樹脂および半固形エポキシ樹脂の少なくともいずれか一方とを併用することが好ましい。また、固形エポキシ樹脂と液状エポキシ樹脂と半固形エポキシ樹脂とを併用してもよい。いずれの場合にも、液状エポキシ樹脂と半固形状のエポキシ樹脂の割合を5%~50%の範囲にすることが好ましい。これによりドライフィルムの樹脂層のタックフリー性および柔軟性のバランスが良好となる。
(A)エポキシ樹脂の配合量は、樹脂組成物中の固形分100質量%に対して、より低熱膨張係数かつ低吸湿性の硬化物が得られることから、40質量%以下であることが好ましく、35質量%以下であることがより好ましく、30質量%以下であることがさらにより好ましく、20質量%以下であることが特に好ましい。また、硬化性の観点から、下限が1質量%以上であることが好ましく、3質量%以上であることがより好ましい。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、(A)エポキシ樹脂以外の熱硬化性樹脂を含有してもよく、例えば、イソシアネート化合物、ブロックイソシアネート化合物、アミノ樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、カルボジイミド樹脂、シクロカーボネート化合物、多官能オキセタン化合物、エピスルフィド樹脂、マレイミド樹脂などの公知慣用の熱硬化性樹脂を使用することができる。
[(B)活性エステル基を有する化合物]
本発明の硬化性樹脂組成物は、(A)エポキシ樹脂の硬化剤として(B)活性エステル基を有する化合物を含む。
(B)活性エステル基を有する化合物は、一分子中に1個以上、好ましくは2個以上の活性エステル基を有する化合物である。活性エステル基を有する化合物は、一般に、カルボン酸化合物とヒドロキシ化合物との縮合反応によって得ることができる。中でも、ヒドロキシ化合物としてフェノール化合物またはナフトール化合物を用いて得られる活性エステル基を有する化合物が好ましい。フェノール化合物またはナフトール化合物としては、ハイドロキノン、レゾルシン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フェノールフタリン、メチル化ビスフェノールA、メチル化ビスフェノールF、メチル化ビスフェノールS、フェノール、o-クレゾール、m-クレゾール、p-クレゾール、カテコール、α-ナフトール、β-ナフトール、1,5-ジヒドロキシナフタレン、1,6-ジヒドロキシナフタレン、2,6-ジヒドロキシナフタレン、ジヒドロキシベンゾフェノン、トリヒドロキシベンゾフェノン、テトラヒドロキシベンゾフェノン、フロログルシン、ベンゼントリオール、ジシクロペンタジエニルジフェノール、フェノールノボラック等が挙げられる。また、(B)活性エステル基を有する化合物としては、ナフタレンジオールアルキル/安息香酸型でもよい。(B)活性エステル基を有する化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。(B)活性エステル基を有する化合物としては、ベンゼン、α-ナフトール、β-ナフトールおよびジシクロペンタジエン骨格のいずれかを有するものが好ましい。
(B)活性エステル基を有する化合物の配合量は、樹脂組成物中の固形分100質量%に対して、硬化物の強度の観点から、上限が40質量%以下であることが好ましく、30質量%以下であることがより好ましい。また、より低誘電正接の硬化物が得られることから、下限が3質量%以上であることが好ましく、5質量%以上であることがより好ましい。
(B)活性エステル基を有する化合物の中でも、下記(B1)および(B2)の活性エステル基を有する化合物を好適に用いることができる。
(B1)
(B1)活性エステル基を有する化合物は、(b1)脂肪族環状炭化水素基を介してフェノール類が結節された分子構造を有するフェノール樹脂、(b2)芳香族ジカルボン酸またはそのハライド、および、(b3)芳香族モノヒドロキシ化合物を反応させて得られる構造を有するものである。前記(b2)芳香族ジカルボン酸またはそのハライド中のカルボキシル基または酸ハライド基1モルに対して、前記(b1)フェノール樹脂中のフェノール性水酸基が0.05~0.75モル、前記(b3)芳香族モノヒドロキシ化合物が0.25~0.95モルとなる割合で反応させて得られる構造を有するものが好ましい。
ここで(b1)フェノール樹脂において、脂肪族環状炭化水素基を介してフェノール類が結節された分子構造とは、1分子中に二重結合を2個含有する不飽和脂肪族環状炭化水素化合物とフェノール類とを重付加反応させて得られる構造が挙げられる。ここで、フェノール類としては、無置換フェノール、およびアルキル基、アルケニル基、アリル基、アリール基、アラルキル基或いはハロゲン基等が1個または複数個置換した置換フェノール類が挙げられる。置換フェノールの具体的としては、クレゾール、キシレノール、エチルフェノール、イソプロピルフェノール、ブチルフェノール、オクチルフェノール、ノニルフェノール、ビニルフェノール、イソプロペニルフェノール、アリルフェノール、フェニルフェノール、ベンジルフェノール、クロルフェノール、ブロムフェノール、ナフトール、ジヒドロキシナフタレン等が例示されるが、これらに限定されるものではない。またこれらの混合物を用いても構わない。これらの中でも流動性および硬化性が優れる点から無置換フェノールが特に好ましい。
また、不飽和脂環族環状炭化水素化合物としては、具体的には、ジシクロペンタジエン、テトラヒドロインデン、4-ビニルシクロヘキセン、5-ビニルノルボナ-2-エン、α-ピネン、β-ピネン、リモネン等が挙げられる。これらの中でも特性バランス、特に耐熱性、吸湿性の点からジシクロペンタジエンが好ましい。またジシクロペンタジエンは石油留分中に含まれることから、工業用ジシクロペンタジエンには他の脂肪族或いは芳香族性ジエン類等が不純物として含有されることがあるが、耐熱性、硬化性、成形性等を考慮すると、ジシクロペンタジエンの純度90質量%以上の製品であることが望ましい。
次に、前記(b2)芳香族ジカルボン酸またはそのハライドは、イソフタル酸、テレフタル酸、1,4-、2,3-、あるいは2,6-ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、およびこれらの酸フッ化物、酸塩化物、酸臭化物、酸ヨウ化物等の酸ハロゲン化物が挙げられる。これらのなかでも特に反応性が良好である点から芳香族ジカルボン酸の酸塩化物であること、なかでもイソフタル酸のジクロライド、テレフタル酸のジクロライドが好ましく、特にイソフタル酸のジクロライドが好ましい。
次に、(b3)芳香族モノヒドロキシ化合物としては、例えば、フェノール;o-クレゾール、m-クレゾール、p-クレゾール、3,5-キシレノール等のアルキルフェノール類;o-フェニルフェノール、p-フェニルフェノール、2-ベンジルフェノール、4-ベンジルフェノール、4-(α-クミル)フェノール等のアラルキルフェノール類;α-ナフトール、β-ナフトール等のナフトール類が挙げられる。これらのなかでも、特に硬化物の誘電正接が低くなる点からα-ナフトール、β-ナフトールが好ましい。
(B1)活性エステル基を有する化合物は、(b1)フェノール樹脂、(b2)芳香族ジカルボン酸またはそのハライド、および、(b3)芳香族モノヒドロキシ化合物を反応させて得られる構造を有するものであるが、特に、下記一般式(1)
Figure 0007333736000005
(式中、Xはベンゼン環またはナフタレン環を有する基であり、kは0または1を表し、nは繰り返し単位の平均値で0.05~2.5である。)
で表される構造のものがとりわけ硬化物の誘電正接が低く、かつ、有機溶剤に溶解させた際の溶液粘度が低くなる点から好ましい。前記ベンゼン環またはナフタレン環を有する基は、特に限定されず、フェニル基、ナフチル基等でもよく、また、他の原子を介してベンゼン環またはナフタレン環が分子末端に結合していてもよく、置換基を有していてもよい。また、(B1)活性エステル基を有する化合物は、その分子末端にナフタレン環を有するものであることが好ましい。
特に、上記一般式(1)においてnの値、即ち、繰り返し単位の平均値が0.25~1.5の範囲にあるものが、溶液粘度が低くビルドアップ用ドライフィルムへの製造が容易となる点から好ましい。また、上記一般式(1)中、kの値は0であることが、高耐熱性と低誘電正接の観点から好ましい。
ここで上記一般式(1)中のnは以下の様にして求めることができる。
[一般式(1)中のnの求め方]
下記の条件にて行ったGPC測定によりn=1、n=2、n=3、n=4のそれぞれに対応するスチレン換算分子量(α1、α2、α3、α4)と、n=1、n=2、n=3、n=4のそれぞれの理論分子量(β1、β2、β3、β4)との比率(β1/α1、β2/α2、β3/α3、β4/α4)を求め、これら(β1/α1~β4/α4)の平均値を求める。GPCで求めた数平均分子量(Mn)にこの平均値を掛け合わせた数値を平均分子量とする。次いで、前記一般式(1)の分子量を前記平均分子量としてnの値を算出する。
(GPC測定条件)
測定装置:東ソー社製「HLC-8220 GPC」、
カラム:東ソー社製ガードカラム「HXL-L」
+東ソー社製「TSK-GEL G2000HXL」
+東ソー社製「TSK-GEL G2000HXL」
+東ソー社製「TSK-GEL G3000HXL」
+東ソー社製「TSK-GEL G4000HXL」
検出器:RI(示差屈折径)
データ処理:東ソー社製「GPC-8020モデルIIバージョン4.10」
測定条件:カラム温度 40℃
展開溶媒 テトラヒドロフラン
流速 1.0ml/分
標準:前記「GPC-8020モデルIIバージョン4.10」の測定マニュアルに準拠して、分子量が既知の下記の単分散ポリスチレンを用いた。
(使用ポリスチレン)
東ソー社製「A-500」
東ソー社製「A-1000」
東ソー社製「A-2500」
東ソー社製「A-5000」
東ソー社製「F-1」
東ソー社製「F-2」
東ソー社製「F-4」
東ソー社製「F-10」
東ソー社製「F-20」
東ソー社製「F-40」
東ソー社製「F-80」
東ソー社製「F-128」
試料:樹脂固形分換算で1.0質量%のテトラヒドロフラン溶液をマイクロフィルターでろ過したもの(50μl)。
(b1)フェノール樹脂、(b2)芳香族ジカルボン酸またはそのハライド、および、(b3)芳香族モノヒドロキシ化合物を反応させる方法は、具体的には、これらの各成分をアルカリ触媒の存在下に反応させることができる。
ここで使用し得るアルカリ触媒としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、トリエチルアミン、ピリジン等が挙げられる。これらのなかでも特に水酸化ナトリウム、水酸化カリウムが水溶液の状態で使用することができ、生産性が良好となる点から好ましい。
前記反応は、具体的には有機溶媒の存在下、(b1)フェノール樹脂、(b2)芳香族ジカルボン酸またはそのハライド、および、(b3)芳香族モノヒドロキシ化合物を混合し、前記アルカリ触媒またはその水溶液を連続的乃至断続的に滴下しながら反応させる方法が挙げられる。その際、アルカリ触媒の水溶液の濃度は、3.0~30%の範囲であることが好ましい。また、ここで使用し得る有機溶媒としては、トルエン、ジクロロメタンなどが挙げられる。
反応終了後は、アルカリ触媒の水溶液を用いている場合には、反応液を静置分液し、水層を取り除き、残った有機層を洗浄後の水層がほぼ中性になるまで繰り返し、目的とする樹脂を得ることができる。
このようにして得られる(B1)活性エステル基を有する化合物は、通常、有機溶媒溶液として得られる為、積層板用ワニスやビルドアップ用ドライフィルムとして用いる場合には、そのままで他の配合成分と混合し、更に、適宜、有機溶媒量を調節して目的とする熱硬化性樹脂組成物を製造することができる。なお、(B1)活性エステル基を有する化合物は、有機溶媒に溶解させて樹脂溶液とした際の溶融粘度が低いことを特徴としており、具体的には、固形分65%のトルエン溶液の活性エステル樹脂にした場合の溶液粘度が300~10,000mPa・s(25℃)となる。
(B2)
(B2)の活性エステル基を有する化合物は、下記一般式(2):
Figure 0007333736000006
で表される構造部位を有し且つその両末端が一価のアリールオキシ基である構造を有するものである。
(式(2)中、Xはそれぞれ独立的に下記式(3):
Figure 0007333736000007
で表される基または下記式(4):
Figure 0007333736000008
で表される基であり、mは1~6の整数であり、nはそれぞれ独立的に1~5の整数であり、qはそれぞれ独立的に0~6の整数であり、式(3)中、kはそれぞれ独立的に1~5の整数であり、式(4)中、Yは上記式(3)で表される基(kはそれぞれ独立的に1~5の整数)であり、tはそれぞれ独立的に0~5の整数である)
(B2)の活性エステル基を有する化合物は、前記一般式(2)中の
Figure 0007333736000009
で表される部分構造が、水酸基当量が170~200グラム/当量の変性ナフタレン化合物の由来構造であることが好ましい。
式(2)中、mとnの関係を明確にするために、以下、いくつかのパターンを例示するが(B2)の活性エステル樹脂はこれらに限定されるものではない。
たとえば、m=1のとき、式(2)は下記式(2-I)の構造を表す。
Figure 0007333736000010
式(2-I)中、nは1~5の整数であり、nが2以上の場合にはqはそれぞれ独立的に0~6の整数である。.
また、たとえば、m=2のとき、式(2)は下記式(2-II)の構造を表す。
Figure 0007333736000011
式(2-II)中、nはそれぞれ独立的に1~5の整数であり、nが2以上の場合には、qはそれぞれ独立的に0~6の整数である。.
(B2)の活性エステル基を有する化合物は、分子主骨格にナフチレンエーテル構造部位を有することから、より優れた耐熱性および難燃性を硬化物に付与できると共に、該構造部位が下記式(5)で表される構造部位で結合した構造を有することから、硬化物により優れた誘電特性を兼備させることができる。また、(B2)の活性エステル基を有する化合物の構造中、両末端の構造としてアリールオキシ基を有するものとしたことで、多層プリント基板用途においても十分高度な硬化物の耐熱分解性の向上が得られる。
Figure 0007333736000012
(B2)の活性エステル基を有する化合物は、特に、硬化物の耐熱性に優れる点から、その軟化点が100~200℃の範囲、特に100~190℃の範囲にあるものが好ましい。
(B2)の活性エステル基を有する化合物において、式(2)中のmは1~6の整数であるものが挙げられる。なかでも、mが1~5の整数であるものが好ましい。また、式(2)中のnはそれぞれ独立的に1~5の整数であるものが挙げられる。なかでも、nが1~3の整数であるものが好ましい。
式(2)中、mとnの関係を念のため記載するに、例えば、mが2以上の整数である場合、2以上のnが生じるが、その際、nはそれぞれ独立的な値である。すなわち、前記nの数値範囲内であるかぎり、同じ値であってもよいし、異なる値であってもよい。
(B2)の活性エステル基を有する化合物において、式(2)中、qが1以上の場合、Xはナフタレン環構造中のいずれの位置に置換していてもよい。
前記構造の両末端のアリールオキシ基は、フェノール、クレゾール、p-t-ブチルフェノール(パラ-ターシャリーブチルフェノール)、1-ナフトール、2-ナフトールなどの一価フェノール系化合物由来のものが挙げられる。なかでも、硬化物の耐熱分解性の観点から、フェノキシ基、トリルオキシ基または1-ナフチルオキシ基が好ましく、1-ナフチルオキシ基がさらに好ましい。
以下、(B2)の活性エステル基を有する化合物の製造方法について詳述する。
(B2)の活性エステル基を有する化合物の製造方法は、ジヒドロキシナフタレン化合物とベンジルアルコールとを、酸触媒の存在下に反応させてベンジル変性ナフタレン化合物を得る工程(以下、この工程を「工程1」と略記する場合がある)、次いで、得られたベンジル変性ナフタレン化合物と芳香族ジカルボン酸塩化物と一価フェノール系化合物とを反応させる工程(以下、この工程を「工程2」と略記する場合がある)とから構成される。
即ち、まず工程1において前記ジヒドロキシナフタレン化合物と、ベンジルアルコールとを酸触媒の存在下に反応させることにより、ナフチレン構造を主骨格としてその両末端にフェノール性水酸基を有し、かつ、該ナフチレン構造の芳香核上にベンジル基がペンダント状に結合した構造のベンジル変性ナフタレン化合物を得ることができる。ここで、特筆すべきは、一般に、ジヒドロキシナフタレン化合物を酸触媒下にナフチレンエーテル化した場合、分子量の調節は極めて困難で、高分子量のものとなるのに対し、上記製造方法は、ベンジルアルコールを併用することによって、このような高分子量化を抑制でき、電子材料用途に好適な樹脂を得ることができる。
更に、ベンジルアルコールの使用量を調節することによって、目的とする前記ベンジル変性ナフタレン化合物中のベンジル基の含有率を調節できることに加え、前記ベンジル変性ナフタレン化合物の溶融粘度自体も調節することが可能となる。即ち、通常、前記ジヒドロキシナフタレン化合物と、ベンジルアルコールとの反応割合は、モル基準で前記ジヒドロキシナフタレン化合物とベンジルアルコールとの反応比率(ジヒドロキシナフタレン化合物)/(ベンジルアルコール)が1/0.1~1/10となる範囲から選択することができるが、耐熱性、難燃性、誘電特性、耐熱分解性とのバランスから、モル基準で前記ジヒドロキシナフタレン化合物とベンジルアルコールとの反応比率(ジヒドロキシナフタレン化合物)/(ベンジルアルコール)は1/0.5~1/4.0となる範囲であることが好ましい。
ここで使用し得るジヒドロキシナフタレン化合物は、例えば、1,2-ジヒドロキシナフタレン、1,3-ジヒドロキシナフタレン、1,4-ジヒドロキシナフタレン、1,5-ジヒドロキシナフタレン、1,6-ジヒドロキシナフタレン、1,7-ジヒドロキシナフタレン、1,8-ジヒドロキシナフタレン、2,3-ジヒドロキシナフタレン、2,6-ジヒドロキシナフタレン、2,7-ジヒドロキシナフタレンなどが挙げられる。これらの中でも、得られるベンジル変性ナフタレン化合物の硬化物の難燃性が一層良好なものとなり、また、該硬化物の誘電正接も低くなり誘電特性が良好になる点から、1,6-ジヒドロキシナフタレンまたは2,7-ジヒドロキシナフタレンが好ましく、2,7-ジヒドロキシナフタレンがより好ましい。
前記工程1におけるジヒドロキシナフタレン化合物とベンジルアルコールとの反応において使用し得る酸触媒は、例えばリン酸、硫酸、塩酸などの無機酸、シュウ酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、フルオロメタンスルホン酸などの有機酸、塩化アルミニウム、塩化亜鉛、塩化第2錫、塩化第2鉄、ジエチル硫酸などのフリーデルクラフツ触媒が挙げられる。
また、上記した酸触媒の使用量は、目標とする変性率などにより適宜選択することができるが、例えば無機酸や有機酸の場合はジヒドロキシナフタレン化合物100質量部に対し、0.001~5.0質量部、好ましくは0.01~3.0質量部なる範囲であり、フリーデルクラフツ触媒の場合はジヒドロキシナフタレン化合物1モルに対し、0.2~3.0モル、好ましくは0.5~2.0モルとなる範囲であることが好ましい。
前記工程1におけるジヒドロキシナフタレン化合物とベンジルアルコールとの反応は、無溶媒下で行うこともでき、反応系内の均一性を高める点から溶媒下で行うこともできる。かかる溶媒としては、例えば、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルなどのエチレングリコールやジエチレングリコールのモノまたはジエーテル;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの非極性芳香族溶媒;ジメチルホルムアミドやジメチルスルホキシドなどの非プロトン性極性溶媒;クロロベンゼンなどが挙げられる。
前記工程1の反応を行う具体的方法は、無溶媒下で、或いは前記溶媒存在下でジヒドロキシナフタレン化合物、ベンジルアルコールおよび前記酸触媒を溶解させ、60~180℃、好ましくは80~160℃程度の温度条件下に行うことができる。また、反応時間は特に限定されるものではないが、1~10時間であることが好ましい。よって、当該反応は、具体的には、前記温度を1~10時間保持することによって行うことができる。また、反応中に生成する水を系外に分留管などを用いて留去することが、反応が速やかに進行して生産性が向上する点から好ましい。
また、得られるベンジル変性ナフタレン化合物の着色が大きい場合は、それを抑制するために、反応系に酸化防止剤や還元剤を添加しても良い。酸化防止剤としては、例えば2,6-ジアルキルフェノール誘導体などのヒンダードフェノール系化合物、2価のイオウ系化合物、3価のリン原子を含む亜リン酸エステル系化合物などが挙られる。還元剤としては、例えば次亜リン酸、亜リン酸、チオ硫酸、亜硫酸、ハイドロサルファイトまたはこれらの塩などが挙げられる。
反応終了後は、酸触媒を中和処理、水洗処理あるいは分解することにより除去し、抽出、蒸留などの一般的な操作により、目的とするフェノール性水酸基を有する樹脂を分離することができる。中和処理や水洗処理は常法に従って行えばよく、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、アンモニア、トリエチレンテトラミン、アニリンなどの塩基性物質を中和剤として用いることができる。
ここで、前記芳香族ジカルボン酸塩化物としては、具体的には、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、1,6-ナフタレンジカルボン酸、2,7-ナフタレンジカルボン酸の酸塩化物などが挙げられる。なかでも、溶剤溶解性と耐熱性のバランスの点からイソフタル酸クロリド、テレフタル酸クロリドが好ましい。
前記一価フェノール系化合物としては、具体的には、フェノール、クレゾール、p-t-ブチルフェノール、1-ナフトール、2-ナフトールなどが挙げられる。なかでも、フェノール、クレゾール、1-ナフトールが、カルボン酸クロリドとの反応性が良好である点から好ましく、耐熱分解性が良好である点から1-ナフトールがさらに好ましい。
ここで、前記ベンジル変性ナフタレン化合物、芳香族ジカルボン酸塩化物、更に一価フェノール系化合物を反応させる方法は、具体的には、これらの各成分をアルカリ触媒の存在下に反応させることができる。
ここで使用し得るアルカリ触媒としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、トリエチルアミン、ピリジン等が挙げられる。これらのなかでも特に水酸化ナトリウム、水酸化カリウムが水溶液の状態で使用することができ、生産性が良好となる点から好ましい。
前記反応は、具体的には有機溶媒の存在下、前記した各成分を混合し、前記アルカリ触媒またはその水溶液を連続的または断続的に滴下しながら反応させることができる。その際、アルカリ触媒の水溶液の濃度は、3.0~30質量%の範囲であることが好ましい。また、ここで使用し得る有機溶媒としては、トルエン、ジクロロメタン、クロロホルムなどが挙げられる。
反応終了後は、アルカリ触媒の水溶液を用いている場合には、反応液を静置分液し、水層を取り除き、残った有機層を洗浄後の水層がほぼ中性になるまで繰り返し、目的とする樹脂を得ることができる。
このようにして得られる(B2)の活性エステル基を有する化合物は、その軟化点が100~200℃であると、有機溶剤への溶解性が高くなるため好ましい。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、本発明の目的を損なわない限り、(B)活性エステル基を有する化合物以外の硬化剤を含有してもよく、例えば、フェノール性水酸基を有する化合物、ポリカルボン酸およびその酸無水物、シアネートエステル基を有する化合物、マレイミド基を有する化合物、脂環式オレフィン重合体等が挙げられる。
[(C)フェノキシ樹脂]
本発明の硬化性樹脂組成物は、(C)第二級水酸基当量が300g/eq.以上のフェノキシ樹脂(単に(C)フェノキシ樹脂という)を含む。
(C)フェノキシ樹脂は後述の方法等により合成可能なポリヒドロキシポリエーテルであり、本発明では第二級水酸基当量が300g/eq.以上フェノキシ樹脂1種類または2種類以上を使用することができる。
(C)フェノキシ樹脂は、下記一般式(3)または(4)
Figure 0007333736000013
で表される化合物であると好ましい。
式(3)中、
Aは、下式(3a)~(3e)の何れかの架橋基であり、
Figure 0007333736000014
Xは、単結合、炭素数1~7の2価の炭化水素基、例えば直鎖状アルキレン基または分岐状のアルキレン基、例えば-CH-、-CH(CH)-、-C(CH-、-C(CH)(C)-、-C(CH)(CHCH(CH)-、直鎖状または分岐状のフルオロアルキル基、例えば-CH(CF-炭素数6~12の脂環式基、例えば炭素数1~3アルキル等の置換基を有してもよい、シクロヘキシリデン、シクロドデシリデン、例えば
Figure 0007333736000015
または-O-、-S-、-SO-、-CO-であり、
Rは互いに同一であっても異なっていてもよく、水素原子、炭素数1~10の炭化水素基、好ましくは炭素数1~6の直鎖状又は分岐状アルキル基またはアルコキシ基、特に水素、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、i-ブチル、ハロゲン元素(F,Cl,Br,I)、またはヒドロキシル基であり、
は互いに同一であっても異なっていてもよく水素原子、炭素数1~10の炭化水素基、好ましくは炭素数1~6の直鎖状又は分岐状アルキル基またはアルコキシ基、特に水素またはメチルから選ばれる基であり、特にメチル、ハロゲン元素(F,Cl,Br,I)、またはヒドロキシル基であり、
は水素原子又は炭素数1~10の炭化水素基であり、
は互いに同一であっても異なっていてもよく水素原子、炭素数1~10の炭化水素基又はハロゲン元素から選ばれる基であり
が水素以外の原子または基を意味する場合のpは0~5の整数であり、
が水素以外の原子または基を意味する場合のqは0~4の整数であり、
mは平均で、1~200、好ましくは10~100である。
さらに、式(4)中、B1およびB2は、(4a)または(4b)の何れかの架橋基であり、
Figure 0007333736000016

式(4a)、(4b)中、X、R、R、qは上記(3a)~(3e)における定義と同じであり、
nは1~200、好ましくは10~100である。
また(c)フェノキシ樹脂の上記各架橋基がそれぞれ下記の構造を有することが好ましい。
Figure 0007333736000017
(式(a)~(c)中、
Xは単結合、-CH-、-CH(CH)-、-C(CH-、-O-、-S-、-SO-、-CO-、
Rは互いに同一であっても異なっていてもよく水素または-CH
は互いに同一であっても異なっていてもよく水素または-CH
が-CHである場合のqは0~2であることが好ましい)。
(C)フェノキシ樹脂は、ポリスチレンを標準としたGPC法測定により算出質量平均分子量(Mw)が20,000~100,000、好ましくは30,000~800,00、特に35,000~60,000であると好ましい。
(C)フェノキシ樹脂の製造方法には、エピクロルヒドリンやエピブロムヒドリン等のエピハロヒドリンと上記式(3a)~(3e)、(4a)又は(4b)の化学構造を有するビスフェノール類等の2価フェノール化合物の少なくとも1種類とをアルカリ存在下に反応させて製造する一段法と、式(3a)~(3e)、(4a)又は(4b)の化学構造を含有する2官能エポキシ樹脂の少なくとも1種類と式(3a)~(3e)、(4a)又は(4b)の化学構造を含有する2価フェノール化合物の少なくとも1種以上とを一般に触媒の存在下に反応させて製造する二段法がある。例えば、後述の共重合型の(C)フェノキシ樹脂を製造する場合には、2種類の2価フェノールが使用される。
このほか、ビスフェノールのフェノール性水酸基がグリシジルエーテル化した化合物、例えば、9,9-ビス(4-グリシジルオキシ-3-メチルフェニル)フルオレンなどの9,9-ビス(炭素数1~4のいずれかのアルキル-グリシジルオキシフェニル)フルオレン)と、例えば、ジヒドロキシアレーン、ビスフェノール類などのジオール成分との反応等によっても製造可能である。
上述の製造法のうち、その二段法の原料の2官能エポキシ樹脂として使用されるものの例にはビフェノール型エポキシ樹脂、ビスフェノールアセトフェノン型エポキシ樹脂、ビスフェノールフルオレノン型エポキシ樹脂を挙げることができる。
ビフェノール型エポキシ樹脂の例としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂、好ましくはビスフェノールA、ビスフェノールF、4,4‘-ビフェノール及び3,3’,5,5‘-テトラメチル-4,4’-ビフェノールのジグリシジルエーテルがある。ビスフェノールアセトフェノン型エポキシ樹脂の例としては、特にビスフェノールアセトフェノンのジグリシジルエーテルが好ましい。
特にビスフェノールフルオレノンのジグリシジルエーテルが好ましい。
また、これら以外に併用しても良い2官能エポキシ樹脂としては、脂環式エポキシ樹脂、カテコール、レゾルシン、ハイドロキノンなどの単環2価フェノールのジグリシジルエーテル、ジヒドロキシナフタレンのジグリシジルエーテル、2価アルコールのジグリシジルエーテル、フタル酸、イソフタル酸、テトラハイドロフタル酸、ヘキサハイドロフタル酸などの2価カルボン酸のジグリシジルエステル等が挙げられる。これらのエポキシ樹脂はアルキル基、アリール基、エーテル基、エステル基などの悪影響のない置換基で置換されていても良い。これらのエポキシ樹脂は複数種を併用して使用することもできる。
本発明の目的を損なわない限りこれ以外の分子内に芳香族環に結合した水酸基を2個持つ化合物を併用しても良い。
上述の触媒としては、エポキシ基とフェノール性水酸基、アルコール性水酸基やカルボキシル基との反応を進めるような触媒能を持つ化合物であればどのようなものでもよい。例えば、アルカリ金属化合物、有機リン化合物、第3級アミン、第4級アンモニウム塩、環状アミン類、イミダゾール類等があげられる。アルカリ金属化合物の具体例としては、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム、等のアルカリ金属水酸化物、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化リチウム、塩化カリウム、等のアルカリ金属塩、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、等のアルカリ金属アルコキシド、アルカリ金属フェノキシド、水素化ナトリウム、水素化リチウム、等、酢酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、等の有機酸のアルカリ金属塩が挙げられる。有機リン化合物の具体例としては、トリ-n-プロピルホスフィン、トリ-n-ブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、テトラメチルホスフォニウムブロマイド、テトラメチルホスフォニウムアイオダイド、テトラメチルホスフォニウムハイドロオキサイド、トリメチルシクロヘキシルホスホニウムクロライド、トリメチルシクロヘキシルホスホニウムブロマイド、トリメチルベンジルホスホニウムクロライド、トリメチルベンジルホスホニウムブロマイド、テトラフェニルホスホニウムブロマイド、トリフェニルメチルホスホニウムブロマイド、トリフェニルメチルホスホニウムアイオダイド、トリフェニルエチルホスホニウムクロライド、トリフェニルエチルホスホニウムブロマイド、トリフェニルエチルホスホニウムアイオダイド、トリフェニルベンジルホスホニウムクロライド、トリフェニルベンジルホスホニウムブロマイド、などが挙げられる。第3級アミンの具体例としては、トリエチルアミン、トリ-n-プロピルアミン、トリ-n-ブチルアミン、トリエタノールアミン、ベンジルジメチルアミンなどが挙げられる。第4級アンモニウム塩の具体例としては、テトラメチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムブロマイド、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、トリエチルメチルアンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニウムブロマイド、テトラエチルアンモニウムアイオダイド、テトラプロピルアンモニウムブロマイド、テトラプロピルアンモニウムハイドロオキサイド、テトラブチルアンモニウムクロライド、テトラブチルアンモニウムブロマイド、テトラブチルアンモニウムアイオダイド、ベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリメチルアンモニウムブロマイド、ベンジルトリメチルアンモニウムハイドロオキサイド、ベンジルトリブチルアンモニウムクロライド、フェニルトリメチルアンモニウムクロライド、などが挙げられる。イミダゾール類の具体例としては、2-メチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、2-フェニルイミダゾールなどが挙げられる。環状アミン類の具体例としては、1,8-ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン-7,1,5-ジアザビシクロ(4,3,0)ノネン-5等が挙げられる。これらの触媒は併用することができる。
通常、触媒の使用量は反応固形分に対して0.001~1質量%である。
(C)第二級水酸基当量が300g/eq以上のフェノキシ樹脂の好ましい具体例としては、下式(3-2)
Figure 0007333736000018
(式(3-2)中、Rは水素又はメチルであることが好ましく、k1は1~200である。)のビスフェノールフルオレノン型のフェノキシ樹脂を挙げることができる。
ビスフェノールフルオレノン型のフェノキシ樹脂の市販品としては、FX-293(日鉄ケミカル&マテリアル社製、質量平均分子量(Mw)45000)FX-280S(日鉄ケミカル&マテリアル社製、質量平均分子量(Mw)42000)を挙げることができる。
この他、(C)第二級水酸基当量が300g/eq以上のフェノキシ樹脂の具体例としては、下記式(4-1)の共重合型のフェノキシ樹脂を挙げることができる。
Figure 0007333736000019
式中、
Q1は-CH-または-C(CH-、
Q2は-CH-または-C(CH-又は-O-、-S-、-SO-、-CO-であり、
Q1とQ2は相互に異なり、
R’は互いに同一であっても異なっていてもよく水素原子またはメチルであり、
R’がメチルを意味する場合のn’は0~4である。
kは20~30の範囲である。
なお、共重合型のフェノキシ樹脂とは、式(4-1)に示されるようにフェノキシ樹脂の繰り返し単位中、複数種類、例えば2種類の異なるビスフェノール又はビフェニル骨格を有するフェノキシ樹脂を意味する。例えば式4-1のフェノキシ樹脂は、Q1とQ2は相互に異なる2価の基であることから、共重合型のビスフェノールである。
共重合タイプのフェノキシ樹脂の市販品としては、jER(登録商標)YX6954 (三菱化学社製、330g/eq)、jER(登録商標)YX8100 (三菱化学社製、311g/eq)、jER(登録商標)YX7200 (三菱化学社製、340g/eq))、YPS-007(日鉄ケミカル&マテリアル社製)を挙げることができる。
その中でもビスフェノールフルオレノン型フェノキシである上記FX-293、FX-280Sが特に好ましい。
(C)フェノキシ樹脂を含有することにより、優れた成形性および柔軟性を維持しつつ、ブリードアウトが生じにくい硬化物を得ることができる。
フェノキシ樹脂は、極性基である第二級水酸基を繰り返し構造として有することから、誘電特性を悪化させると考えられてきたが、本発明の硬化性樹脂組成物によれば、意外にも(C)フェノキシ樹脂を用いることによってもその硬化物において、高い耐熱性、低誘電正接および及び導体に対する高い密着性を備える。
(C)フェノキシ樹脂の第二級水酸基当量は、上述のとおり300g/eq.以上であるが、300~1000g/eq.であることが好ましい。(C)フェノキシ樹脂の分子内の水酸基の量が上記第二級水酸基当量の範囲内であることにより、上記の相反する各特性を同時に満足させることができたと考えられる。
(A) エポキシ樹脂と、(B)活性エステル基を有する化合物合計を100質量%とした場合、これに対する(C)フェノキシ樹脂の配合量は、得られる硬化膜の機械的強度の観点から、0.1質量%以上が好ましく、0.3質量%以上がより好ましい。また、硬化膜の誘電特性の観点から、15質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましい。
なお、フェノキシ樹脂のうち、第二級水酸基当量が300g/eq.未満の化合物は、本発明の効果が得られる範囲であれば、硬化性樹脂組成物に含まれていてもよい。
[(D)無機フィラー]
本発明の硬化性樹脂組成物には、(D)無機フィラーが配合される。(D)無機フィラーを配合することによって、得られる硬化物の硬化収縮を抑制し、より低CTEとなり、密着性、硬度、絶縁層の周囲にある銅等の導体層と熱強度を合わせることによるクラック耐性等の熱特性を向上させることができる。(D)無機フィラーとしては従来公知の無機フィラーが使用でき、特定のものに限定されないが、例えば、硫酸バリウム、チタン酸バリウム、無定形シリカ、結晶性シリカ、溶融シリカ、球状シリカなどのシリカ、タルク、クレー、ノイブルグ珪土粒子、ベーマイト、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、ジルコン酸カルシウム等の体質顔料や、銅、錫、亜鉛、ニッケル、銀、パラジウム、アルミニウム、鉄、コバルト、金、白金等の金属粉体が挙げられる。(D)無機フィラーは球状粒子であることが好ましい。中でもシリカが好ましく、硬化性樹脂組成物の硬化物の硬化収縮を抑制し、より低CTEとなり、また、密着性、硬度などの特性を向上させることができる。(D)無機フィラーの平均粒子径(メディアン径、D50)は、0.01~10μmであることが好ましく、無機フィラーとしては0.01~3μmのシリカであることが好ましい。なお、本明細書において、(D)無機フィラーの平均粒子径は、一次粒子の粒径だけでなく、二次粒子(凝集体)の粒径も含めた平均粒子径である。平均粒子径は、レーザー回折式粒子径分布測定装置により求めることができる。レーザー回折法による測定装置としては、マイクロトラック・ベル社製マイクロトラックMT3000IIなどが挙げられる。
(D)無機フィラーは、表面処理された無機フィラーであることが好ましい。表面処理としては、カップリング剤による表面処理や、アルミナ処理等の有機基を導入しない表面処理がされていてもよい。(D)無機フィラーの表面処理方法は特に限定されず、公知慣用の方法を用いればよく、硬化性反応基を有する表面処理剤、例えば、硬化性反応基を有するカップリング剤等で(D)無機フィラーの表面を処理すればよい。
(D)無機フィラーの表面処理は、カップリング剤による表面処理であることが好ましい。カップリング剤としては、シラン系、チタネート系、アルミネート系およびジルコアルミネート系等のカップリング剤が使用できる。中でもシラン系カップリング剤が好ましい。かかるシラン系カップリング剤の例としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、N-(2-アミノメチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-アニリノプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、N-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン等を挙げることができ、これらは単独で、あるいは併用して使用することができる。これらのシラン系カップリング剤は、予め無機フィラーの表面に吸着あるいは反応により固定化されていることが好ましい。ここで、無機フィラー100質量部に対するカップリング剤の処理量は、例えば、0.1~10質量部である。
硬化性反応基としては熱硬化性反応基が好ましい。熱硬化性反応基としては、水酸基、カルボキシル基、イソシアネート基、アミノ基、イミノ基、エポキシ基、オキセタニル基、メルカプト基、メトキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシメチル基、エトキシエチル基、オキサゾリン基等が挙げられる。中でも、アミノ基およびエポキシ基のいずれか少なくとも1種が好ましい。なお、表面処理された無機フィラーは、熱硬化性反応基に加え、光硬化性反応基を有していてもよい。
なお、表面処理がされた無機フィラーは、表面処理された状態で硬化性樹脂組成物からの樹脂層に含有されていればよく、前記樹脂層を形成する硬化性樹脂組成物に無機フィラーと表面処理剤とを別々に配合して組成物中で無機フィラーが表面処理されてもよいが、予め表面処理した無機フィラーを配合することが好ましい。予め表面処理した無機フィラーを配合することによって、別々に配合した場合に残存しうる表面処理で消費されなかった表面処理剤によるクラック耐性等の低下を防ぐことができる。予め表面処理する場合は、溶剤や硬化性樹脂に無機フィラーを予備分散した予備分散液を配合することが好ましく、表面処理した無機フィラーを溶剤に予備分散し、該予備分散液を組成物に配合するか、表面未処理の無機フィラーを溶剤に予備分散する際に十分に表面処理した後、該予備分散液を組成物に配合することがより好ましい。
(D)無機フィラーは、粉体または固体状態でエポキシ樹脂等と配合してもよく、溶剤や分散剤と混合してスラリーとした後でエポキシ樹脂等と配合してもよい。
(D)無機フィラーは、1種を単独で用いてもよく、2種以上の混合物として用いてもよい。(D)無機フィラーの配合量は、樹脂組成物中の固形分を100質量%とした場合、低CTE化の観点から、50質量%以上が好ましく、60質量%以上がより好ましく、65質量%以上がさらに好ましい。また、硬化膜の靭性の観点から、90質量%以下が好ましく、80質量%以下がより好ましく、75質量%以下が特に好ましい。
なお、本明細書において、樹脂組成物中の固形分とは有機溶剤を除く成分を意味する。
[熱可塑性樹脂]
本発明の硬化性樹脂組成物には、得られる硬化膜の機械的強度を向上させるために、上記の(C)フェノキシ樹脂の他に、さらに熱可塑性樹脂を含有することができる。熱可塑性樹脂は、溶剤に可溶であることが好ましい。溶剤に可溶である場合、ドライフィルム化した場合に柔軟性が向上し、クラックの発生や粉落ちを抑制できる。熱可塑性樹脂としては、熱可塑性ポリヒドロキシポリエーテル樹脂や、ポリビニルアセタール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ブロック共重合体等が挙げられる。熱可塑性樹脂は1種を単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。
ポリビニルアセタール樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール樹脂をアルデヒドでアセタール化することで得られる。前記アルデヒドとしては、特に限定されず、例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、アミルアルデヒド、ヘキシルアルデヒド、ヘプチルアルデヒド、2-エチルヘキシルアルデヒド、シクロヘキシルアルデヒド、フルフラール、ベンズアルデヒド、2-メチルベンズアルデヒド、3-メチルベンズアルデヒド、4-メチルベンズアルデヒド、p-ヒドロキシベンズアルデヒド、m-ヒドロキシベンズアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、β-フェニルプロピオンアルデヒド等が挙げられ、ブチルアルデヒドが好ましい。
ポリビニルアセタール樹脂の具体例としては、積水化学工業社製のエスレックKSシリーズ、ポリアミド樹脂としては、日立化成社製のKS5000シリーズ、日本化薬社製のBPシリーズ、さらに、ポリアミドイミド樹脂としては、日立化成社製のKS9000シリーズ等が挙げられる。
[硬化促進剤]
本発明の硬化性樹脂組成物は、硬化促進剤を含有することができる。硬化促進剤は、熱硬化反応を促進させるものであり、密着性、耐薬品性、耐熱性等の特性をより一層向上させるために使用される。
(A)エポキシ樹脂と(B)活性エステル樹脂等との硬化反応の硬化促進剤の具体例としては、2-エチル‐4-メチルイミダゾール等のイミダゾールおよびその誘導体;アセトグアナミン、ベンゾグアナミン等のグアナミン類;ジアミノジフェニルメタン、m-フェニレンジアミン、m-キシレンジアミン、ジアミノジフェニルスルフォン、ジシアンジアミド、尿素、尿素誘導体、メラミン、多塩基ヒドラジド等のポリアミン類;これらの有機酸塩および/またはエポキシアダクト;三フッ化ホウ素のアミン錯体;エチルジアミノ-S-トリアジン、2,4-ジアミノ-S-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-キシリル-S-トリアジン等のトリアジン誘導体類;トリメチルアミン、トリエタノールアミン、N,N-ジメチルオクチルアミン、N-ベンジルジメチルアミン、ピリジン、ジメチルアミノピリジン、N-メチルモルホリン、ヘキサ(N-メチル)メラミン、2,4,6-トリス(ジメチルアミノフェノール)、テトラメチルグアニジン、m-アミノフェノール等のアミン類;ポリビニルフェノール、ポリビニルフェノール臭素化物、フェノールノボラック、アルキルフェノールノボラック等のポリフェノール類;トリブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリス-2-シアノエチルホスフィン等の有機ホスフィン類;トリ-n-ブチル(2,5-ジヒドロキシフェニル)ホスホニウムブロマイド、ヘキサデシルトリブチルホスホニウムクロライド等のホスホニウム塩類;ベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、フェニルトリブチルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩類;前記多塩基酸無水物;ジフェニルヨードニウムテトラフルオロボロエート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、2,4,6-トリフェニルチオピリリウムヘキサフルオロホスフェート等の光カチオン重合触媒;スチレン-無水マレイン酸樹脂;フェニルイソシアネートとジメチルアミンの等モル反応物や、トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の有機ポリイソシアネートとジメチルアミンの等モル反応物、金属触媒等の従来公知の硬化促進剤が挙げられる。硬化促進剤の中でも、イミダゾールおよびその誘導体、ジメチルアミノピリジンが好ましく、より高Tgかつ低誘電正接の硬化物が得られることから、ジメチルアミノピリジンがより好ましい。
硬化促進剤は、1種を単独または2種以上混合して用いることができる。硬化促進剤が本発明の硬化性樹脂組成物に配合される場合、その配合量は、(A)成分と(B)成分の合計量を100質量%とした場合、熱硬化反応前の樹脂組成物の保存安定性の観点から、5質量%以下が好ましく、3質量%以下がより好ましい、また、硬化性の観点から、0.01質量%以上が好ましく、0.1質量%以上がより好ましい。
[ゴム状粒子]
本発明の硬化性樹脂組成物は、必要に応じてゴム状粒子を含有することができる。このようなゴム状粒子としては、ポリブタジエンゴム、ポリイソプロピレンゴム、ウレタン変性ポリブタジエンゴム、エポキシ変性ポリブタジエンゴム、アクリロニトリル変性ポリブタジエンゴム、カルボキシル基変性ポリブタジエンゴム、カルボキシル基または水酸基で変性したアクリロニトリルブタジエンゴム、およびそれらの架橋ゴム粒子、コアシェル型ゴム粒子等が挙げられ、1種を単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。これらのゴム状粒子は、得られる硬化膜の柔軟性を向上させたり、クラック耐性が向上したり、酸化剤による表面粗化処理を可能とし、銅箔等との密着強度を向上させるために添加される。
ゴム状粒子の平均粒子径は0.005~1μmの範囲が好ましく、0.2~1μmの範囲がより好ましい。本発明におけるゴム状粒子の平均粒子径は、レーザー回折式粒子径分布測定装置により求めることができる。例えば、適当な有機溶剤にゴム状粒子を超音波などにより均一に分散させ、日機装社製Nanotrac waveを用いて、ゴム状粒子の粒度分布を質量基準で作成し、そのメディアン径を平均粒子径とすることで測定することができる。
[難燃剤]
本発明の硬化性樹脂組成物は、難燃剤を含有することができる。難燃剤としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の水和金属系、赤燐、燐酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、ホウ酸亜鉛、錫酸亜鉛、モリブデン化合物系、臭素化合物系、塩素化合物系、燐酸エステル、含燐ポリオール、含燐アミン、メラミンシアヌレート、メラミン化合物、トリアジン化合物、グアニジン化合物、シリコンポリマー等が使用できる。難燃剤は、1種を単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。
[有機溶剤]
有機溶剤としては、特に制限はないが、例えば、ケトン類、芳香族炭化水素類、グリコールエーテル類、グリコールエーテルアセテート類、エステル類、アルコール類、脂肪族炭化水素、石油系溶剤などが挙げることができる。より具体的には、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルブチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;セロソルブ、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、カルビトール、メチルカルビトール、ブチルカルビトール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールブチルエーテルアセテートなどのエステル類;エタノール、プロパノール、2-メトキシプロパノール、n-ブタノール、イソブチルアルコール、イソペンチルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール類;オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素;石油エーテル、石油ナフサ、水添石油ナフサ、ソルベントナフサ等の石油系溶剤等の他、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、テトラクロロエチレン、テレビン油等が挙げられる。また、丸善石油化学社製スワゾール1000、スワゾール1500、三共化学社製ソルベント#100、ソルベント#150、シェルケミカルズジャパン社製シェルゾールA100、シェルゾールA150、出光興産社製イプゾール100番、イプゾール150番等の有機溶剤を用いてもよい。有機溶剤は、1種を単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。
ドライフィルム化した場合、樹脂層中の残留溶剤量が、0.1~10.0質量%であることが好ましくい。残留溶剤が10.0質量%以下であると、熱硬化時の突沸を抑え、表面の平坦性がより良好となる。また、溶融粘度が下がり過ぎて樹脂が流れてしまうことを抑制でき、平坦性が良好となる。残留溶剤が0.1質量%以上であると、ラミネート時の流動性が良好で、平坦性および埋め込み性がより良好となる。
[その他の成分]
本発明の硬化性樹脂組成物は、さらに必要に応じて、シリコンパウダー、フッ素パウダー、ナイロンパウダー等の有機フィラー、フタロシアニン・ブルー、フタロシアニン・グリーン、アイオジン・グリーン、ジスアゾイエロー、クリスタルバイオレット、酸化チタン、カーボンブラック、ナフタレンブラック等の従来公知の着色剤、アスベスト、オルベン、ベントン、微紛シリカ等の従来公知の増粘剤、シリコーン系、フッ素系、高分子系等の消泡剤および/またはレベリング剤、チアゾール系、トリアゾール系、シランカップリング剤等の密着性付与剤、チタネート系、アルミニウム系の従来公知の添加剤類を用いることができる。
本発明の硬化性樹脂組成物は、ドライフィルム化して用いても液状として用いても良い。液状として用いる場合は、1液性でも2液性以上でもよいが、保存安定性の観点から2液性以上であることが好ましい。
<ドライフィルム>
本発明のドライフィルムは、本発明の硬化性樹脂組成物をキャリアフィルム状に塗布し、乾燥して、乾燥塗膜としての樹脂層を形成することにより、製造することができる。樹脂層上には、必要に応じて、保護フィルムをラミネートすることができる。
キャリアフィルムとは、ドライフィルムの樹脂層を支持する役割を有するものであり、該樹脂層を形成する際に、硬化性樹脂組成物が塗布されるフィルムである。キャリアフィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルム、ポリイミドフィルム、ポリアミドイミドフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリテトラフルオロエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリスチレンフィルム等の熱可塑性樹脂からなるフィルム、および、表面処理した紙等を用いることができる。これらの中でも、耐熱性、機械的強度、取扱性等の観点から、ポリエステルフィルムを好適に使用することができる。キャリアフィルムの厚さは、特に制限されるものではないが概ね10~150μmの範囲で用途に応じて適宜選択される。キャリアフィルムの樹脂層を設ける面には、離型処理が施されていてもよい。また、キャリアフィルムの樹脂層を設ける面には、スパッタもしくは銅箔が形成されていてもよい。
保護フィルムとは、ドライフィルムの樹脂層の表面に塵等が付着するのを防止するとともに取扱性を向上させる目的で、樹脂層のキャリアフィルムとは反対の面に設けられる。保護フィルムとしては、例えば、前記キャリアフィルムで例示した熱可塑性樹脂からなるフィルム、および、表面処理した紙等を用いることができるが、これらの中でも、ポリエステルフィルムおよびポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルムが好ましい。保護フィルムの厚さは、特に制限されるものではないが概ね10~150μmの範囲で用途に応じて適宜選択される。保護フィルムの樹脂層を設ける面には、離型処理が施されていてもよい。
<樹脂付き銅箔>
本発明の樹脂付き銅箔は、本発明の硬化性樹脂組成物を銅箔またはキャリア付き銅箔の銅箔面に塗布、乾燥して得られる樹脂層を有する。
[キャリア付き銅箔]
キャリア付き銅箔は、キャリア箔および銅箔をこの順に備えた構成であればよく、本発明の硬化性樹脂組成物からなる樹脂層は、銅箔と接するように積層されていればよい。銅箔としては極薄銅箔を用いることが好ましい。
キャリア箔としては、銅箔、アルミニウム箔、ステンレス(SUS)箔、表面をメタルコーティングした樹脂フィルム等が挙げられ、銅箔であることが好ましい。銅箔は、電解銅箔でも圧延銅箔でもよい。キャリア箔の厚さは、通常は250μm以下であり、好ましくは9~200μmである。なお、キャリア箔と銅箔との間に、必要に応じて剥離層を形成してもよい。
銅箔の形成方法は特に限定されないが、極薄銅箔とすることが好ましく、無電解銅めっき法、電解銅めっき法等の湿式成膜法、スパッタリング、化学蒸着等の乾式成膜法、また、これらの組合せにより形成することができる。極薄銅箔の厚さは、0.1~7.0μmであることが好ましく、0.5~5.0μmであることがより好ましく、1.0~3.0μmであることがさらに好ましい。
<硬化物>
本発明の硬化物は、本発明の硬化性樹脂組成物、本発明のドライフィルムの樹脂層、又は本発明の樹脂付き銅箔の樹脂層を硬化して得られる。
硬化する方法は特に限定されず、従来公知の方法で硬化させればよく、例えば、150~230℃で加熱して硬化すればよい。硬化性樹脂組成物を用いたプリント配線板の製造方法としては、例えば、キャリアフィルムと保護フィルムとの間に樹脂層が挟まれた三層構造のドライフィルムの場合、下記のような方法でプリント配線板を製造することができる。ドライフィルムからキャリアフィルムまたは保護フィルムのどちらかを剥離し、回路パターンが形成された回路基板に加熱ラミネートした後、熱硬化させる。熱硬化は、オーブン中で硬化、もしくは熱板プレスで硬化させてもよい。回路が形成された基材と本発明のドライフィルムをラミネートもしくは熱板プレスする際に、銅箔もしくは回路形成された基材を同時に積層することもできる。回路パターンが形成された基板上の所定の位置に対応する位置に、レーザー照射またはドリルでパターンやビアホールを形成し、回路配線を露出させることで、プリント配線板を製造することができる。この際、パターンやビアホール内の回路配線上に除去しきれないで残留した成分(スミア)が存在する場合にはデスミア処理を行う。キャリアフィルムまたは保護フィルムのうち残った方は、ラミネート後、熱硬化後、レーザー加工後またはデスミア処理後のいずれかに、剥離すればよい。
また、本発明の樹脂付き銅箔を用いてプリント配線板を製造する場合、樹脂層を回路パターンが形成された回路基板に積層し、銅箔を配線層の全部または一部としてモディファイド・セミアディティブプロセス(MSAP)法で回路を形成し、ビルドアップ配線板を製造してもよい。また、銅箔を除去してセミアディティブプロセス(SAP)法で回路を形成したビルドアップ配線板を製造してもよい。また、半導体集積回路上へ樹脂付銅箔の積層と回路形成を交互に繰りかえすダイレクト・ビルドアップ・オン・ウェハーでプリント配線板を製造してもよい。また、コア基板を用いずに、樹脂層と導体層とが交互に積層されたコアレスビルドアップ法を用いてもよい。
<電子部品>
本発明の電子部品は、本発明の硬化物、すなわち、本発明の硬化性樹脂組成物、本発明のドライフィルムの樹脂層、又は本発明の樹脂付き銅箔の樹脂層の硬化物を有する。
電子部品としては、例えば、プリント配線板の永久保護膜が挙げられ、中でもソルダーレジスト層、層間絶縁層、フレキシブルプリント配線板のカバーレイが挙げられる。また、プリント配線板以外の用途、例えば、インダクタなどの受動部品も電子部品に含まれる。
本発明の硬化性樹脂組成物は、上述の用途以外に、プリント配線板の永久穴埋め、例えば、スルーホールやビアホール等の穴埋めにも好適に用いることができる。また、半導体チップ用の封止材や、銅張積層板(CCL)やプリプレグの材料としても用いることができる。
また、本発明の硬化性樹脂組成物の硬化物は誘電特性に優れることから、これを用いることにより高周波用途においても伝送品質が良好とされる。高周波用途の具体例としては、例えば、自動運転向けミリ波レーダーやミリ波センサー用基板、高速通信対応モバイル用マザーボードやモディファイド・セミアディティブプロセス(MSAP)法で回路を形成するSLP(Substrate-Like PCB)、モバイルおよびパソコン用アプリケーションプロセッサ(AP)、基地局用サーバーやルーター向け高多層基板、アンテナ向け基板や半導体封止材料などが挙げられる。
さらに、本発明のドライフィルムを用いて、配線を貼り合わせることによって配線板を形成してもよい。
本発明の硬化性樹脂組成物を用いた回路形成材料の形態は、モディファイド・セミアディティブプロセス(MSAP)対応の樹脂付き銅箔(RCC:Resin-Coated-Copper)やセミアディティブプロセス(SAP)対応のビルドアップフィルムであってもよい。
本発明の硬化物の誘電正接は特に限定されないが、本発明によれば低い誘電正接の硬化物を得ることが可能であり、例えば、周波数10GHz、23℃にて、0.003以下、さらには0.002以下、またさらには0.001以下とすることも可能である。
以下、実施例を示して本発明について具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、以下において特に断りのない限り、「部」、「%」は、質量部、質量%を意味するものとする。
((B)活性エステル基を有する化合物の合成)
[合成例1]
温度計、滴下ロート、冷却管、分留管、撹拌器を取り付けたフラスコにイソフタル酸クロリド 203.0g(酸クロリド基のモル数:2.0モル)とトルエン 1338gを、仕込み系内を減圧窒素置換し溶解させた。次いで、α-ナフトール96.0g(0.67モル)、ジシクロペンタジエンフェノール樹脂220g(フェノール性水酸基のモル数:1.33モル)を仕込み、系内を減圧窒素置換し溶解させた。その後、テトラブチルアンモニウムブロマイド 1.12gを溶解させ、窒素ガスパージを施しながら、系内を60℃以下に制御して、20%水酸化ナトリウム水溶液400gを3時間かけて滴下した。次いでこの条件下で1.0時間撹拌を続けた。反応終了後、静置分液し、水層を取り除いた。更に反応物が溶解しているトルエン相に水を投入して約15分間撹拌混合し、静置分液して水層を取り除いた。水層のpHが7になるまでこの操作を繰り返した。その後、デカンタ脱水で水分を除去し固形分65%のトルエン溶液状態にある活性エステル樹脂(B-1)を得た。
得られた活性エステル樹脂(B-1)の固形分換算のエステル基当量は223g/molであった。
[合成例2]
温度計、滴下ロート、冷却管、分留管、撹拌器を取り付けたフラスコに、2,7-ジヒドロキシナフタレン 320g(2.0モル)、ベンジルアルコール 184g(1.7モル)、パラトルエンスルホン酸・1水和物 5.0gを仕込み、室温下、窒素を吹き込みながら撹拌した。その後、150℃に昇温し、生成する水を系外に留去しながら4時間攪拌した。反応終了後、メチルイソブチルケトン 900g、20%水酸化ナトリウム水溶液 5.4gを添加して中和した後、分液により水層を除去し、水280gで3回水洗を行い、メチルイソブチルケトンを減圧下除去してベンジル変性ナフタレン化合物(B-2中間体)を460g得た。得られたベンジル変性ナフタレン化合物(B-2中間体)は黒色固体であり、水酸基当量は180グラム/当量であった。
次いで、温度計、滴下ロート、冷却管、分留管、撹拌器を取り付けた別のフラスコに、イソフタル酸クロリド 203.0g(酸クロリド基のモル数:2.0モル)とトルエン 1400gを仕込み、系内を減圧窒素置換し溶解させた。次いで、α-ナフトール 96.0g(0.67モル)、ベンジル変性ナフタレン化合物(B-2中間体) 240g(フェノール性水酸基のモル数:1.33モル)を仕込み、系内を減圧窒素置換し溶解させた。その後、テトラブチルアンモニウムブロマイド 0.70gを溶解させ、窒素ガスパージを施しながら、系内を60℃以下に制御して、20%水酸化ナトリウム水溶液 400gを3時間かけて滴下した。次いでこの条件下で1.0時間撹拌を続けた。反応終了後、静置分液し、水層を取り除いた。更に反応物が溶解しているトルエン層に水を投入して15分間撹拌混合し、静置分液して水層を取り除いた。水層のpHが7になるまでこの操作を繰り返した。その後、デカンタ脱水で水分を除去し固形分65質量%のトルエン溶液状態にある活性エステル樹脂(B-2)を得た。得られた活性エステル樹脂(B-2)の固形分換算のエステル基当量は230g/molであった。
<1.実施例1~13および比較例1~3の硬化性樹脂組成物の調製>
下記表1の実施例、比較例に示す種々の成分と共に表1に示す割合(質量部)にて混錬混合し、硬化後フィルム(硬化膜)作製用の硬化性樹脂組成物を調製した。なお、表中の数値は質量部(固形分換算)を示す。
前記各硬化性樹脂組成物について、以下に示すように、試験用試料を作成し、ガラス転移温度(Tg)、誘電正接、及びピール強度の評価を行った。その結果を表1に示す。
<硬化後フィルムの作製>
フィルムアプリケーターを用いて、硬化性樹脂組成物を実施例および比較例ごとに銅箔(古河電気工業社製F2-WS、18μm厚)の光沢面上に塗布し、熱風循環式乾燥炉にて90℃で10分間乾燥後、続けて200℃で60分間硬化させた後、銅箔を剥離し、厚み約40μmの硬化後フィルム(硬化膜)を作製した。
<ガラス転移温度(Tg)の測定>
前記<硬化後フィルムの作製>で得られたサンプルを測定サイズ(3mm×10mmのサイズ)に切り出し、ティー・エイ・インスツルメント社製TMA Q400EMを用いて、ガラス転移温度(Tg)を測定した。10℃/minの昇温速度で室温より昇温、連続して2回測定し、2回目における線熱膨張係数の異なる2接線の交点であるガラス転移温度(Tg)を下記の基準で評価した。
◎:175℃以上
○:175℃未満~170℃以上
×:170℃未満
-:得られる硬化物が脆い為、強度不足により測定不可
<誘電正接(Df)の測定>
前記<硬化後フィルムの作製>で得られたサンプルを測定サイズ(50mm×60mmのサイズ)に切り出し、SPDR誘電体共振器とネットワークアナライザー(ともにアジレント社製)を用い、23℃における10GHzの誘電正接の測定を行い、下記の基準で評価した。
◎:0.003未満
○:0.003以上~0.005未満
×:0.005以上
-:得られる硬化物が脆い為、強度不足により測定不可
<ピール強度測定用サンプルの作製>
(1)積層板の粗化処理
内層回路の形成されたガラス布基材エポキシ樹脂両面銅張積層板[銅箔の厚さ18μm、基板厚み0.3mm、パナソニック社製R5715ES]の両面をメック社製CZ8100に浸漬して銅表面の粗化処理(エッチング量:約1μm)を行った。
(2)樹脂付き銅箔の作製
フィルムアプリケーターを用いて、硬化性樹脂組成物を各実施例および比較例ごとにキャリア付き極薄銅箔(三井金属社製MT18Ex、極薄銅3μm厚)の極薄銅箔面上に塗布し、熱風循環式乾燥炉にて90℃で10分間乾燥し、樹脂層の厚み約40μmの樹脂付き銅箔を得た。
(3)樹脂付き銅箔のラミネート
バッチ式真空加圧ラミネーターMVLP-500(名機製作所社製)を用いて、粗化処理(1)を行った積層板の両面に、樹脂付き銅箔(2)の樹脂組成物塗工面をラミネートした。ラミネートは、30秒間減圧して気圧を13hPa以下とし、その後30秒間、80℃、圧力0.5MPaでプレスすることにより行った。
(4)樹脂組成物の硬化
樹脂付き銅箔をラミネートした積層板(3)を、熱風循環式乾燥炉にて170℃で30分間、硬化させた。
(5)電解銅めっき
硬化後、積層板の両面からキャリア銅箔を剥離し、電解銅めっきにより、両面の極薄銅箔(3μm)を約25μm厚にした。
(6)アニール処理
電解銅めっき後の積層板を、熱風循環式乾燥炉にて200℃で60分間、アニール処理を行った。
<ピール強度の測定>
前記の方法で作製したサンプルを用いて、JIS C6481に従って測定し、下記の基準で評価した。
◎:0.5kN/m以上
○:0.5kN/m未満0.4kN/m以上
×:0.4kN/m未満
-:得られる硬化物が脆い為、強度不足により測定不可
Figure 0007333736000020
EPICLON (登録商標) EXA-835LV: ナフタレン型4官能エポキシ樹脂 (DIC社製)
NC-3000-H: ビフェニル骨格含有多官能固形エポキシ樹脂(日本化薬社製)
B-1: 合成例1により製造
B-2: 合成例2により製造
FX-280S: ビスフェノールフルオレノン型フェノキシ樹脂(日鉄ケミカル&マテリアル社製、第二級水酸基当量:350g/eq.)
FX-293: ビスフェノールフルオレノン型フェノキシ樹脂(日鉄ケミカル&マテリアル社製、二級水酸基当量:376g/eq.)
1256B40: ビスフェノールA型フェノキシ樹脂(三菱ケミカル社製、第二級水酸基当量:280g/eq.)
4250: ビスフェノールA型フェノキシ樹脂/ビスフェノールF型フェノキシ樹脂混合タイプ(三菱ケミカル社製、第二級水酸基当量:265g/eq.)
4275: ビスフェノールA型フェノキシ樹脂/ビスフェノールF型フェノキシ樹脂混合タイプ(三菱ケミカル社製、第二級水酸基当量:258g/eq.)
SO-C2: フェニルアミノシラン処理した球状シリカ(平均粒径:0.5μm、単位質量あたりのカーボン量0.18)(アドマテックス社製)
2E4MZ: 2-エチル-4-メチルイミダゾール
実施例の硬化性樹脂組成物は、高耐熱性と高密着性と低誘電正接とを兼ね備えていることがわかる。

Claims (7)

  1. (A)エポキシ樹脂と、
    (B)活性エステル基を有する化合物と、
    (C)フェノキシ樹脂と、
    (D)無機フィラーと、
    を含有する硬化性樹脂組成物であって、
    前記(C)フェノキシ樹脂の第二級水酸基当量が300g/eq.以上であり、かつ
    前記(A)エポキシ樹脂におけるエポキシ基の総量の、前記(B)活性エステル基を有する化合物におけるエステル基の総量に対する比が0.2~0.6であり、
    前記(C)フェノキシ樹脂が、ビスフェノールフルオレノン型フェノキシ樹脂を含み、
    前記(C)フェノキシ樹脂の配合量は、前記(A)エポキシ樹脂と、前記(B)活性エステル基を有する化合物合計を100質量%とした場合、0.1質量%以上15質量%以下であり、
    前記(D)無機フィラーの配合量は、硬化性樹脂組成物中の固形分を100質量%とした場合、50質量%以上90質量%以下であることを特徴とする硬化性樹脂組成物。
  2. 前記(B)活性エステル基を有する化合物が、下記一般式(1)
    Figure 0007333736000021
    (式中、Xはそれぞれ独立的にベンゼン環またはナフタレン環を有する基であり、kは0または1を表し、nは繰り返し単位の平均で0.25~1.5である。)で表される化合物であることを特徴とする請求項1記載の熱硬化性樹脂組成物。
  3. 前記(B)活性エステル基を有する化合物が、下記一般式(2):
    Figure 0007333736000022
    (式(2)中、Xはそれぞれ独立的に下記式(3):
    Figure 0007333736000023
    で表される基または下記式(4):
    Figure 0007333736000024
    で表される基であり、
    mは1~6の整数であり、nはそれぞれ独立的に1~5の整数であり、qはそれぞれ独立的に1~6の整数であり、
    式(3)中、kはそれぞれ独立的に1~5の整数であり、
    式(4)中、Yは上記式(3)で表される基(kはそれぞれ独立的に1~5の整数)であり、tはそれぞれ独立的に0~5の整数である)
    で表される構造部位を有し、その両末端が一価のアリールオキシ基である構造を有する活性エステル樹脂であることを特徴とする請求項1記載の熱硬化性樹脂組成物。
  4. 請求項1~3の何れか一項に記載の硬化性樹脂組成物を樹脂層として有することを特徴とするドライフィルム。
  5. 銅箔またはキャリア付き銅箔上に、請求項1~3の何れか一項に記載の硬化性樹脂組成物を樹脂層として有することを特徴とする樹脂付き銅箔。
  6. 請求項1~3の何れか一項に記載の硬化性樹脂組成物、請求項4に記載のドライフィルムの樹脂層、又は請求項5に記載の樹脂付き銅箔の樹脂層の硬化物。
  7. 請求項6に記載の硬化物を有することを特徴とする電子部品。
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