JP5970521B2 - 熱硬化性組成物、ドライフィルムおよびプリント配線板 - Google Patents
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Description
以下、本発明の硬化性樹脂組成物の各成分について説明する。
本発明の熱硬化性組成物は、半固形エポキシ化合物および固形エポキシ化合物の少なくとも何れか一つを含有する。本明細書において、半固形エポキシ樹脂とは20℃で固体状であり、40℃で液状であるエポキシ樹脂をいい、固形エポキシ樹脂とは40℃で固体状であるエポキシ樹脂をいう。また、液状エポキシ樹脂とは20℃で液状のエポキシ樹脂をいう。
(1)装置
恒温水槽:
攪拌機、ヒーター、温度計、自動温度調節器(±0.1℃で温度制御が可能なもの)を備えたもので深さ150mm以上のものを用いる。
尚、後述する実施例で用いたエポキシ樹脂の判定では、いずれもヤマト科学社製の低温恒温水槽(型式BU300)と投入式恒温装置サーモメイト(型式BF500)の組み合わせを用い、水道水約22リットルを低温恒温水槽(型式BU300)に入れ、これに組み付けられたサーモメイト(型式BF500)の電源を入れて設定温度(20℃または40℃)に設定し、水温を設定温度±0.1℃にサーモメイト(型式BF500)で微調整したが、同様の調整が可能な装置であればいずれも使用できる。
試験管としては、図1に示すように、内径30mm、高さ120mmの平底円筒型透明ガラス製のもので、管底から55mmおよび85mmの高さのところにそれぞれ標線11、12が付され、試験管の口をゴム栓13aで密閉した液状判定用試験管10aと、同じサイズで同様に標線が付され、中央に温度計を挿入・支持するための孔があけられたゴム栓13bで試験管の口を密閉し、ゴム栓13bに温度計14を挿入した温度測定用試験管10bを用いる。以下、管底から55mmの高さの標線を「A線」、管底から85mmの高さの標線を「B線」という。
温度計14としては、JIS B7410(1982)「石油類試験用ガラス製温度計」に規定する凝固点測定用のもの(SOP−58目盛範囲20〜50℃)を用いるが、0〜50℃の温度範囲が測定できるものであればよい。
温度20±5℃の大気圧下で24時間以上放置した試料を、図1(a)に示す液状判定用試験管10aと図1(b)に示す温度測定用試験管10bにそれぞれA線まで入れる。2本の試験管10a、10bを低温恒温水槽にB線が水面下になるように直立させて静置する。温度計は、その下端がA線よりも30mm下となるようにする。
試料温度が設定温度±0.1℃に達してから10分間そのままの状態を保持する。10分後、液状判断用試験管10aを低温恒温水槽から取り出し、直ちに水平な試験台の上に水平に倒し、試験管内の液面の先端がA線からB線まで移動した時間をストップウォッチで測定し、記録する。試料は、設定温度において、測定された時聞が90秒以内のものを液状、90秒を超えるものを固体状と判定する。
本発明の熱硬化性組成物は、半固形または固形のエポキシ化合物と130〜220℃で加熱した時に相溶する硬化促進剤を含有する。硬化促進剤は、熱硬化反応を促進させるものであり、密着性、耐薬品性、耐熱性等の特性をより一層向上させるために使用される。また、本発明においては、前記のような硬化促進剤を配合することにより、冷熱サイクル時のクラック発生を抑制することが可能な硬化物を得ることができる。さらに、本発明の熱硬化性組成物でドライフィルムを作製すると、屈曲した際に、割れおよびキャリアフィルムからの剥がれが少ない、高い柔軟性のドライフィルムを得ることができる。
本発明の熱硬化性組成物は、組成物の調製、基板やキャリアフィルムに塗布するための粘度調整、ドライフィルムの樹脂層の形成等のために、溶剤を使用することができる。溶剤は特に限定されず、従来公知の溶剤を用いることができる。また、溶剤の配合量も限定されない。
ドライフィルムを形成する際には、溶剤としては、沸点が100℃以上、かつ、沸点が5℃以上の2種の溶剤を配合することが好ましい。沸点の差は、好ましくは10℃以上、より好ましくは20℃以上である。前記溶剤は特に限定されず、沸点が100℃以上の従来公知の溶剤を用いることができる。本明細書において、溶剤の沸点に幅がある場合は、蒸留の初留点〜終点を沸点とする。
本発明の熱硬化性組成物は、前記エポキシ化合物以外の他の熱硬化性樹脂成分を含有しても良い。他の熱硬化性樹脂成分としては、多官能オキセタン化合物、分子内に2個以上のチオエーテル基を有する化合物、すなわちエピスルフィド樹脂等が挙げられる。
また、液状エポキシ樹脂を配合すると、硬化物のガラス転移温度(Tg)が低下し、クラック耐性が悪くなる場合があるため、液状エポキシ樹脂の配合量は、熱硬化性樹脂成分全重量あたり、0〜45重量%であることが好ましく、0〜30重量%であることがより好ましく、0〜5重量%であることが特に好ましい。前記熱硬化性樹脂成分は、1種を単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の熱硬化性組成物は、フィラーを含有することができる。フィラーを含有することによって、絶縁層の周囲にある銅等の導体層と熱強度を合わせることにより、ドライフィルムの熱特性を向上することができる。フィラーとしては従来公知の全ての無機充填剤および有機充填剤が使用でき、特定のものに限定されないが、塗膜の硬化収縮を抑制し、密着性、硬度などの特性の向上に寄与する無機フィラーが好ましい。無機フィラーとしては、例えば、硫酸バリウム、チタン酸バリウム、無定形シリカ、結晶性シリカ、溶融シリカ、球状シリカ、タルク、クレー、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化アルミニウム等の体質顔料や、銅、錫、亜鉛、ニッケル、銀、パラジウム、アルミニウム、鉄、コバルト、金、白金等の金属粉体が挙げられる。これらの無機フィラーの中でも、粗化液により侵され難いシリカや硫酸バリウムが好ましく、特に比重が小さく、組成物中に高い割合で配合可能であり、低熱膨張性に優れる点から、球状シリカが好ましい。フィラーの平均粒径は3μm以下であることが好ましく、更に好ましくは1μm以下が望ましい。なお、平均粒径は、レーザ回折式粒子径分布測定装置により求めることができる。
本発明の熱硬化性組成物は、硬化剤を含有することができる。硬化剤としては、フェノール樹脂、ポリカルボン酸およびその酸無水物、シアネートエステル樹脂、活性エステル樹脂等が挙げられる。硬化剤は1種を単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。本明細書において、硬化剤とは、硬化促進剤よりも硬化作用が高いものを言い、本発明の熱硬化性組成物では、硬化剤および硬化促進剤のうちのいずれか1種のみで硬化できる。
本発明の熱可塑性組成物は、得られる硬化被膜の機械的強度を向上させるために、さらに熱可塑性樹脂を含有することができる。熱可塑性樹脂としては、熱可塑性ポリヒドロキシポリエーテル樹脂や、エピクロルヒドリンと各種2官能フェノール化合物の縮合物であるフェノキシ樹脂或いはその骨格に存在するヒドロキシエーテル部の水酸基を各種酸無水物や酸クロリドを使用してエステル化したフェノキシ樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ブロック共重合体等が挙げられる。熱可塑性樹脂は1種を単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。フェノキシ樹脂の水酸基をアシル化したものが、電気特性に優れるので好ましい。
ポリビニルアセタール樹脂の具体例としては、積水化学工業社製エスレックKSシリーズ、ポリアミド樹脂としては日立化成工業社製KS5000シリーズ、日本化薬社製BPシリーズ、さらにポリアミドイミド樹脂としては日立化成工業社製KS9000シリーズ等が挙げられる。
また、熱可塑性ポリヒドロキシポリエーテル樹脂は水酸基を有するため、基材および導体に対して良好な密着性を示すと共に、得られる硬化皮膜は粗化剤により侵され難いが、水溶液の形態の粗化液は硬化皮膜とフィラーの界面に浸透し易いので、粗化処理により硬化皮膜表面のフィラーが抜け落ち易くなり、良好な粗化面を形成し易くなる。
また、A−B−A型およびA−B−A’型ブロック共重合体のうち、AまたはA’がTgが50℃以上のポリマー単位からなり、Bがガラス転移温度(Tg)が−20℃以下であるポリマー単位からなるブロック共重合体がさらに好ましい。
また、A−B−A型およびA−B−A’型ブロック共重合体のうち、AまたはA’が上記熱硬化性成分との相溶性が高いものが好ましく、Bが上記熱硬化性成分との相溶性が低いものが好ましい。このように、両端のブロックがマトリックスに相溶であり、中央のブロックがマトリックスに不相溶であるブロック共重合体とすることで、マトリックス中において特異的な構造を示しやすくなると考えられる。
さらに、本発明のドライフィルムの樹脂層は、必要に応じてゴム状粒子を含有することができる。このようなゴム状粒子としては、ポリブタジエンゴム、ポリイソプロピレンゴム、ウレタン変性ポリブタジエンゴム、エポキシ変性ポリブタジエンゴム、アクリロニトリル変性ポリブタジエンゴム、カルボキシル基変性ポリブタジエンゴム、カルボキシル基または水酸基で変性したアクリロニトリルブタジエンゴム、およびそれらの架橋ゴム粒子、コアシェル型ゴム粒子等が挙げられ、1種を単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。コアシェル型ゴム粒子としては、ゴム状ポリマーからなるコア層を、ガラス状ポリマーのシェル層で被覆したコアシェル構造を有する粒子、ガラス状ポリマーからなるコア層とシェル層の間に、ゴム状ポリマーからなる中間層を有する粒子等が挙げられる。これらのゴム状粒子は、得られる硬化被膜の柔軟性を向上させたり、酸化剤による表面粗化処理を可能とし、銅箔等との密着強度を向上させるために添加される。
本発明の熱硬化性組成物には、難燃性を付与するために、難燃剤を配合することができる。難燃剤としては、従来公知の難燃剤であれば特に限定はされないが、樹脂との相溶性、耐熱性等の観点から、ハロゲン糸難燃剤、リン系難燃剤、水酸化アルミニウム、べーマイト、水酸化マグネシウムおよびアンチモン系難燃剤が好ましい。
本発明の熱硬化性組成物は、さらに必要に応じて、フタロシアニン・ブルー、フタロシアニン・グリーン、アイオジン・グリーン、ジスアゾイエロー、クリスタルバイオレット、酸化チタン、カーボンブラック、ナフタレンブラック等の従来公知の着色剤、アスベスト、オルベン、ベントン、微紛シリカ等の従来公知の増粘剤、シリコーン系、フッ素系、高分子系等の消泡剤および/またはレベリング剤、チアゾール系、トリアゾール系、シランカップリング剤等の密着性付与剤、チタネート系、アルミニウム系の従来公知の添加剤類を用いることができる。
保護フィルムの材質としては、キャリアフィルムに用いるものと同様のものを用いることができ、好適にはPETまたはPPである。保護フィルムの厚みは、好適には5〜50μmである。
下記表1、2に示す実施例および比較例の処方から、エポキシ化合物(液状エポキシ樹脂、固形エポキシ樹脂および半固形エポキシ樹脂)と硬化促進剤と硬化剤とを表中の割合で混合し、約100℃で加熱混練して分散させて、熱硬化性組成物を得た。得られた熱硬化性組成物を0.3ml秤量し、ゲル化試験機(井元製作所社製ゲル化試験機1563)を用いて、下記表3、4に示す熱盤温度に設定した熱盤上で硬化させて得た1mmの厚みの硬化塗膜を、室温で冷却した。エポキシ化合物と硬化促進剤と硬化剤が相溶するかどうかを、電子顕微鏡で、25倍で、1cm×1cmの範囲を観察して、20μm以上の粗大粒子が見られるかどうかで判断した。結果を下記表3、4に示す。また、実施例1および比較例1について、相溶性評価を行った硬化物をそれぞれ図2および3に示す。さらに、硬化剤を含まず、硬化促進剤とエポキシ樹脂とを表中の割合で混合して、同様に相溶性を評価した結果、同様の結果が得られた。
○:硬化物中に20μm以上の粗大粒子が存在しない。
×:硬化物中に20μm以上の粗大粒子が存在する。
下記表1、2に示す処方にて各成分を配合し、混練分散し、粘度0.5〜20dPa・s(回転粘度計5rpm、25℃)に調整し、実施例1〜8および比較例1、2の熱硬化性組成物を得た。
*2:ビスフェノールF型エポキシ樹脂(三菱化学社製;エポキシ当量160〜175g/eq;液状)
*3:ビフェニル/フェノールノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬社製;エポキシ当量272g/eq;軟化点52℃)
*4:テトラメチルビフェニル型エポキシ樹脂(三菱化学社製:エポキシ当量180〜192g/eq;軟化点105℃)
*5:ナフタレン型エポキシ樹脂(DIC社製;エポキシ当量145〜157g/eq;半固形)
*6:フェノールノボラック樹脂(明和化成社製;水酸基当量105〜109g/eq;軟化点100〜104℃)
*7:α−ナフトール骨格含有フェノール樹脂(DIC社製;水酸基当量222〜224g/eq、軟化点110〜140℃)
*8:トリアジン含有クレゾールノボラック樹脂(DIC社製;水酸基当量151g/eq;窒素含有量18%)
*9:活性エステル化合物(DIC社製;活性エステル当量223g/eq)
*10:フェノールノボラック型多官能シアネートエステル(ロンザジャパン社製;シアネート当量124g/eq)
*11:フルオレン+テトラメチルビフェニル骨格含有フェノキシ樹脂(東都化成工業社製;ガラス転移温度163℃)
*12:ポリビニルアセトアセタール(積水化学社製;ガラス転移温度107℃)
*13:コアシェルゴム粒子(アイカ工業社製)
*14:フェノール性水酸基を有するリン化合物(三光社製)
*15:球状シリカ(アドマテックス社製;平均粒径0.5μm)
*16:イミダゾール誘導体(四国化成工業社製)
*17:イミダゾール誘導体(四国化成工業社製)
*18:イミダゾール誘導体(四国化成工業社製)
*19:ホスホニウム塩(北興産業社製)
*20:4−アミノピリジン(広栄化学工業社製)
*21:2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール(四国化成工業社製、分解温度230℃)
*22:トルエン(沸点110℃)
*23:シクロヘキサノン(沸点150℃)
*24:イプゾール150(沸点184〜205℃)
各実施例および比較例のドライフィルムからキャリアフィルムおよび保護フィルムを剥離した後、約1.2gの樹脂層を採取し、密栓付の容器に入れて採取した樹脂層の質量を正確に秤量した(W)。この容器にピペットで内部標準物質として、3−エトキシプロピオン酸エチルを1滴添加し、その質量(We)を正確に秤量した。その後アセトン5mlをホールピペットにより添加して密栓し、容器を十分に振って採取した樹脂層を溶解させた。次いでこの液を目開き0.5μmのフィルターでろ過し、ろ液の組成をガスクロマトグラフィー(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製TRACEGCULTRA)により分析し、別途作成した検量線より内部標準物質1gに対する有機溶剤の質量を求めた(Ws)。これらから下式に従って有機溶剤の残含有量を計算した。
有機溶剤の残含有量(質量%)=(We×Ws/W)×100
JISK5600−5−1(ISO1519)に準拠し、BYK−Gardner社製円筒形マンドレル屈曲試験機を用いて、各実施例および比較例のドライフィルムの割れおよび素地からの剥がれが起こり始めるマンドレルの最小直径から、ドライフィルムの硬度を評価した。評価基準は以下のとおりである。
○:φ2mm超5mm未満の範囲で、樹脂層の割れおよびキャリアフィルムの剥がれの発生が無かった。樹脂層の粉落ちがなかった。また、φ2mm以下の直径でも、樹脂層の割れ、粉落ち、キャリアフィルムの剥がれが発生しなかった。
△:φ2mm超5mm未満の範囲で、樹脂層の割れ、粉落ち、およびキャリアフィルムの剥がれが発生した。
×:φ5mm以上の直径で、樹脂層の割れ、粉落ち、およびキャリアフィルムの剥がれが発生した。
前記実施例および比較例の各樹脂組成物を、GTS−MP箔(古河サーキットフォイル社製)の光沢面側(銅箔)上にドライフィルムをラミネートして、熱風循環式乾燥炉にて180℃(実施例5のみ190℃)で60分間、硬化させた。その後、硬化物を銅箔より剥離した後、測定サイズ(3mm×10mmのサイズ)にサンプルを切り出し、セイコーインスツル社製TMA6100に供した。TMA測定は、サンプルを10℃/分の昇温速度で室温より250℃まで昇温して実施し、ガラス転移温度(Tg)、およびTg以下の領域における熱膨張率CTE(α1)を測定した。
各実施例および比較例のドライフィルム厚み(樹脂厚40μm)を、バッチ式真空加圧ラミネーターMVLP−500(名機社製)を用いて、銅張積層板の銅上に5kgf/cm2、120℃、1分、1Torrの条件にてラミネートした。その後、キャリアフィルムを剥がし、熱風循環式乾燥炉にて180℃で30分間加熱し、樹脂層を硬化させた。その後、CO2レーザー加工機(日立ビアメカニクス社)にてトップ径65μm、ボトム径50μmになるようにビア形成を行った。
次いで、市販の湿式過マンガン酸デスミア(ATOTECH社製)、無電解銅めっき(スルカップPEA、上村工業社製)、電解銅めっき処理の順に処理を行い、樹脂層上に銅厚み25μm、ビア部分をフィルドするように銅めっき処理を施した。次いで熱風循環式乾燥炉にて190℃で60分間硬化を行い、完全硬化させた銅めっき処理を施した試験基板を得た。
得られた試験用基板を−65℃で30分、150℃で30分を1サイクルとして熱履歴を加えた。2000サイクル経過後、ビア底や壁面の状態を光学顕微鏡により観察するために、ビア中心部分を精密切断機で裁断、研磨し断面状態の観察を行った。
評価基準は、下記に従い評価を行った。観察ビア数は100穴とした。
○:クラック発生なし
△:クラック発生率1〜10%未満
×:クラック発生率10%以上
クシ型電極(ライン/スペース=20ミクロン/15ミクロン)が形成されたBT基板に、樹脂層の硬化被膜を形成し、評価基板を作成した。評価基板を、130℃、湿度85%の雰囲気下の高温高湿槽に入れ、電圧5.5Vを荷電し、種々の時間、槽内HAST試験を行った。樹脂層の硬化被膜の種々の時間経過時の槽内絶縁抵抗値を下記の判断基準に従い評価した。
◎:300時間経過後、108Ω以上
○:240時間経過後、108Ω以上
×:240時間経過時、108Ω未満
一方、エポキシ樹脂と硬化促進剤が相溶しない比較例1は、ガラス転移温度(Tg)が高く、線熱膨張係数(CTE)が低い硬化物を得ることができたものの、冷熱サイクル時のクラック発生を十分に抑制することができないことが分かる。また、固形エポキシ樹脂または半固形エポキシ樹脂ではなく、液状エポキシ樹脂を配合した比較例2の硬化物は、硬化促進剤がエポキシ樹脂と相溶するが、ガラス転移温度(Tg)が低く、線熱膨張係数(CTE)は高く、さらに、冷熱サイクル時のクラック発生を抑制できないことが分かる。また、比較例2の硬化物は、BHAST耐性に劣るものであった。
10b 温度測定用試験管
11 標線(A線)
12 標線(B線)
13a、13b ゴム栓
14 温度計
Claims (4)
- 20℃で固体状であり、40℃で液状である半固形のエポキシ化合物、または、40℃で固体状である固形のエポキシ化合物と、
130〜220℃で加熱した時、前記エポキシ化合物と相溶する硬化促進剤と、
少なくとも2種の溶剤と、を含有し、
前記少なくとも2種の溶剤が、いずれも沸点が100℃以上であり、かつ、沸点が5℃以上異なることを特徴とする層間絶縁層用の熱硬化性組成物。 - プリント配線板製造用であることを特徴とする請求項1記載の層間絶縁層用の熱硬化性組成物。
- 請求項1または2記載の層間絶縁層用の熱硬化性組成物から形成される樹脂層を有することを特徴とするドライフィルム。
- 請求項1または2記載の層間絶縁層用の熱硬化性組成物または請求項3に記載のドライフィルムの樹脂層を硬化して得られる硬化物を有することを特徴とするプリント配線板。
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