JP7390796B2 - チーズ含有食品及び該チーズ含有食品の製造方法 - Google Patents

チーズ含有食品及び該チーズ含有食品の製造方法 Download PDF

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Description

本技術は、チーズ含有食品及び該チーズ含有食品の製造方法に関する。
食品分野では、もちもちとした食感が消費者に好まれる傾向にあることをふまえて、様々な食品でもちもち感を実現する技術が研究されている。「もちもち」とは、食物が柔らかく粘りけのあるさまや、弾力性のあるさま、噛みごたえのあるさまなどを意味する語である。
チーズを含有する食品の分野においても、粘りや弾力性を有する食品が開発されている。例えば、特許文献1には、チーズの風味が良好で、好適な粘りと弾力性を有し、なめらかな食感の保存性レアチーズケーキの製造方法が記載されている。
特開2002-176912号公報
ところで、わらび粉を原料として製造されるわらび餅は、適度な弾力を有し、独特のもちもち感で好まれている和菓子の1種であるが、食べごたえに欠けるという一面もある。本発明者は、新規食品の開発にあたり、わらび餅特有のもちもち感(弾力)が近年の消費者の嗜好にマッチしていると考え、わらび餅の弾力感に着目する一方で、より食後の満足感の高い食品とするためには食べごたえの付与が必要であると考えた。
そこで、本技術は、わらび餅様の弾力を有しつつ、わらび餅よりも食べごたえのある食品を提供することを主目的とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、食品にチーズを配合し且つ破断強度試験により得られる物性値を特定の範囲に調整することで、上記課題を解決する食品を実現できることを見出し、本技術を完成させるに至った。
すなわち、本技術は、チーズを含み、破断強度試験における破断歪率が60~100%である、食品を提供する。
前記食品は、前記破断強度試験における最大荷重が1.5~8.0Nであってもよい。
前記食品は、前記破断強度試験における破断荷重が1.5~5.0Nであってもよい。
前記食品は、10℃に調温した前記食品からなる試験体に0.5Nの応力を1分間負荷し、その後応力を除去するクリープ試験において、歪率の最大値から応力除去後1分経過時の歪率の値を引いた差分が3~20%であってもよい。
前記食品は、厚さが4mm以上であってもよい。
前記食品は、ポーションタイプであってもよい。
前記食品は、増粘多糖類を含んでもよい。
前記食品は、前記チーズの含有量が10~75質量%であってもよい。
前記食品は、80℃での粘度が5000~15000mPa・sであってもよい。
また、本技術は、破断強度試験における破断歪率が60~100%である食品の製造方法であり、チーズを含む原料を加熱溶融して原料組成物を調製する加熱溶融工程を含む、食品の製造方法を提供する。
本技術によれば、わらび餅様の弾力を有しつつ、わらび餅よりも食べごたえのある食品を提供することができる。なお、本技術により奏される効果は、ここに記載された効果に必ずしも限定されるものではなく、本明細書中に記載されたいずれかの効果であってもよい。
以下、本技術を実施するための好適な実施形態について説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本技術の代表的な実施形態の一例を示したものであり、これにより本技術の範囲が狭く解釈されることはない。
本技術の食品は、チーズを含み、破断強度試験における破断歪率が60~100%であることを特徴とする。まずは、本技術に係る食品の物性について説明する。
<1.食品の物性>
破断強度試験における破断歪率は、本技術の食品から成形された試験体が破断荷重によって破断した時点における変形の程度を示す。破断歪率が大きいほど、変形しやすく破断しにくい物性を有し、弾力があって、もちもちとした食感を備える食品であるといえる。本技術では、弾力を有することを示す指標として破断強度試験により得られる物性値を用いている。
本技術の食品の破断歪率の下限は60%以上であり、好ましくは65%以上、より好ましくは70%以上である。このような範囲とすることで、わらび餅に近い弾力を有する食品が得られる。
上記破断強度試験は、本技術の食品を直径27mm、高さ10mmの円柱状に成形し、10℃に調温した試験体に対して、クリープメーター(RE2-33005C、株式会社山電製)を用い、1mm/sの速度で直径8mmの円柱型プランジャーを試験体の高さ99%まで押し込むことにより実施する。
破断歪率は、試験体の高さH(mm)及び試験体の表面が破断するまでのプランジャーの移動距離L(mm)から、下記式(1)に基づいて算出する。
破断歪率(%)=(L/H)×100 ・・・(1)
本技術の食品は、わらび餅の弾力により近づける観点から、上記破断強度試験における最大荷重が1.5~8.0Nであることが好ましい。最大荷重は、上記破断強度試験において試験体の高さ99%まで押し込んだ際の最大圧力である。最大荷重の下限は、より好ましくは2.5N以上、さらに好ましくは3.0N以上、特に好ましくは3.5N以上である。最大荷重の上限は、より好ましくは7.0N以下、さらに好ましくは6.5N以下、特に好ましくは6.0N以下である。
本技術の食品は、わらび餅の弾力により近づける観点から、上記破断強度試験における破断荷重が1.5~5.0Nであることが好ましい。破断荷重は、上記破断強度試験において試験体の表面が破断したときの荷重である。破断荷重の下限は、より好ましくは2.0N以上、さらに好ましくは2.5N以上、特に好ましくは3.0N以上である。破断荷重の上限は、より好ましくは4.5N以下である。
さらに、本技術の食品は、10℃に調温した当該食品からなる試験体に0.5Nの応力を1分間負荷し、その後応力を除去するクリープ試験において、歪率(単位:%)の最大値(A)から応力除去後1分経過時の歪率の値(B)を引いた差分(A-B)が3~20%であることが好ましい。歪率の差分(A-B)は、歪率の変化の度合を示す。差分の値が大きいほど、応力を取り除いた後における形状の復元力が高く、弾力のある食品であるといえる。本技術では、弾力を有することを示す指標の1つとして歪率の差分を用いている。
本技術の食品において、上記差分の下限は、わらび餅の弾力により近づける観点からは5%以上がより好ましく、8%以上がさらに好ましい。一方で、弾力感と食べごたえのバランスを考慮すると、上記差分の上限は15%以下がより好ましく、13%以下がさらに好ましく、10%以下が特に好ましい。
上記クリープ試験は、上記破断強度試験と同一形状の試験体に対して、上記破断強度試験と同一のクリープメーターと直径40mmの円柱型プランジャーを用いて実施する。
<2.食品の原料>
(1)チーズ
次に、本技術に係る食品の原料について説明する。当該食品は、チーズを必須の原料とする。チーズを配合することで食品に食べごたえを付与することができ、さらには、わらび餅様のもちもち感とチーズの風味とを兼ね備える新規な食品を提供することができる。
チーズとは、日本の乳及び乳製品の成分規格等に関する省令(以下、「乳等省令」と称する。)において規定された「チーズ」の規格に適合するものをいう。本技術で用いられるチーズは、1種でもよく2種以上であってもよい。
チーズは、ナチュラルチーズ及びプロセスチーズに大別される。本技術の食品に含まれるチーズは、食品に適度な弾力を付与するため、ナチュラルチーズが好ましい。ナチュラルチーズは、チーズから脂肪を除いた重量中の水分含量(MFFB)に基づいて、軟質チーズ、半硬質チーズ、硬質チーズ及び特別硬質チーズに分類される。これらの中でも、食品の弾力感をより向上させるためには軟質チーズが好適である。軟質チーズとしては、例えば、クリームチーズ、カッテージチーズ、マスカルポーネ、クワルク、フロマージュ・ブラン、フィオレッロ、フェタ、リコッタ、モッツァレラ、ブルソー、ブルサン、サン・マルセラン、ブリア・サヴァラン、プティ・スイスなどが挙げられる。これらの中でも、風味が良好なクリームチーズを用いることがより好ましい。
食べごたえ付与の観点からは、食品中のチーズの含有量は多い方が好ましい。一方で、チーズの含有量を上げると、食品中のタンパク質量が多くなって食品の弾力が弱まる傾向にある。このため、食べごたえとわらび餅様の弾力とを両立させる観点からは、チーズの含有量は10~75質量%が好ましく、15~60質量%がより好ましく、20~50質量%がさらに好ましい。チーズの含有量が20~50質量%である食品は、弾力感がわらび餅に近い上に食べごたえがあって、食感と食べごたえのバランスが特に良好である。
(2)溶融塩
本技術の食品は、後述するように、加熱溶融されたチーズを用いて製造されることが好ましい。このため、本技術の食品は溶融塩を含有しうる。溶融塩としては、例えば、ナチュラルチーズを加熱溶融する際に一般的に用いられるものを使用することができる。具体的には、例えば、クエン酸三ナトリウムなどのクエン酸塩;リン酸一ナトリウム、リン酸二ナトリウム、リン酸三ナトリウムなどのオルソリン酸ナトリウム;ピロリン酸ナトリウム、酸性ピロリン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウムなどの縮合リン酸塩などが挙げられる。
溶融塩の含有量は、チーズを溶融できる量であればよく、チーズの種類とタンパク質の含有量によって適宜調整されうる。通常は、溶融塩の含有量をチーズに対して2~3質量%とすることが好ましい。溶融塩を増量すればチーズの溶融性は増すが、塩味が強くなるため、溶融塩の含有量はチーズを溶解できる最小量とすることが好ましい。
(3)増粘多糖類
本技術の食品は、弾力感をわらび餅により近づけるために、増粘多糖類を含むことが好ましい。また、本技術の食品は、後述するように、加熱溶融した原料を容器に充填することにより製造されることが好ましい。増粘多糖類を配合することで、食品製造時の充填適性がより良好となるため、生産性向上の観点からも増粘多糖類を配合することが好ましい。
増粘多糖類としては、例えば、ローカストビーンガム、キサンタンガム、アラビアガム、グアーガム、カラギーナン、グルコマンナンなどが挙げられる。これらの中でも、わらび餅のもちもち感により近づける観点からは、ローカストビーンガム及び/又はキサンタンガムが好ましく、ローカストビーンガム及びキサンタンガムの併用がより好ましい。充填時の粘度を調整して充填適性を向上させる観点からは、グルコマンナンを用いることが好ましい。食感と充填適性の両方の観点からは、ローカストビーンガム、キサンタンガム及びグルコマンナンの3成分を併用することが特に好ましい。
ローカストビーンガム及びキサンタンガムを用いる場合、ローカストビーンガムとキサンタンガムとの質量比(ローカストビーンガム:キサンタンガム)は5:5~7:3であることが好ましく、5.5:4.5~6.5:3.5がより好ましい。また、本技術の食品において、ローカストビーンガム及びキサンタンガムの含有量は合計で0.3~0.7質量%であることが好ましく、0.4~0.6質量%がより好ましい。含有比率及び/又は含有量をこのような範囲に調整することで、本技術に係る食品の弾力感をよりわらび餅に近づけることができる。
グルコマンナンを用いる場合、本技術の食品におけるグルコマンナンの含有量は、0.01~0.40質量%が好ましく、0.05~0.20質量%がより好ましい。これにより、充填製造時における原料の粘度を充填に適した範囲に調整することができる。
なお、原料のチーズにローカストビーンガム、キサンタンガム及びグルコマンナンが含まれる場合、上述した含有比率及び含有量には、原料のチーズに含まれる量も合算される。
(4)その他
本技術の食品は、本技術の効果を損なわない範囲において、上記以外の原料を含むことができる。例えば、油脂類、糖類、穀粉類、でん粉類、pH調整剤、甘味料、香料、着色料、保存料などが挙げられる。
<3.食品の成分>
本技術の食品はわらび餅様の弾力を有することを特徴とするが、含まれる成分はわらび餅と相違する。わらび餅は、炭水化物が主成分であり脂質やタンパク質の含有量は少ない。一方、本技術の食品は、チーズを含有するため、わらび餅と比較して脂質とタンパク質の含有量が多く炭水化物の含有量が少ない。一般的に、タンパク質の含有量が多いと、少ない場合と比較して食感が硬くなり弾力が失われる傾向にあると考えられる。しかしながら本技術では、上述のとおり破断強度試験により得られる物性値を特定の範囲とすることにより、タンパク質の含有量が多くても弾力のある食感を実現している。
本技術の食品において、脂質の含有量は、好ましくは5~45質量%であり、より好ましくは20~40質量%であり、さらに好ましくは25~35質量%である。タンパク質の含有量は、好ましくは0.5~10質量%であり、より好ましくは1~8質量%であり、さらに好ましくは2~6質量%である。このような範囲とすることで、わらび餅様の弾力と食べごたえとのバランスがより良好な食品が得られる。
タンパク質の含有量は燃焼法を用いて測定できる。脂質の含有量は酸・アンモニア分解法を用いて測定できる。含有量の測定は、日本食品標準成分表2015年版(七訂)分析マニュアルの記載にしたがって行えばよい。
<4.食品の種類>
本技術の食品は、チーズの風味とわらび餅様の弾力とを有する新規の食品である。食品の種類としては、例えば、チーズケーキ、チーズデザートなどが挙げられる。
<5.食品の形状>
本技術の食品の形状は、特に限定されないが、厚さが4mm以上であることが好ましく、6mm以上であることがより好ましい。厚さとは、本技術の食品の外観上で最も薄い部分の厚みを意味する。厚さを4mm以上とすることで、喫食時に食品の弾力を実感しやすくなる。製造容易性の観点からは、厚さは15mm以下が好ましい。
また、本技術の食品は、製造のし易さ、保存性の高さ、喫食のし易さなどの観点から、定量で分割されたポーションタイプであることが好ましい。
<6.食品の製造方法>
上記食品の製造方法は、チーズを加熱溶融する工程を必須とし、該チーズは、好ましくはナチュラルチーズであり、より好ましくは軟質チーズである。上記製造方法は、より好ましくは、チーズを含む原料を加熱溶融して原料組成物を調製する加熱溶融工程と、原料組成物を容器に充填する充填工程と、を含む、ポーションタイプの食品の製造方法である。
加熱溶融工程では、例えば、乳化機を用いて原料を加熱溶融する。加熱溶融は、プロセスチーズ類の製造に一般的に用いられるケトル型、ステファン型の乳化機や、ジュール型加熱機、連続式乳化機などを用いて行うことができる。また、加熱殺菌専用の装置と乳化専用の装置とを組み合わせた装置を使用してもよい。
本技術の製造方法では、食品の弾力感をわらび餅に近づける観点から、原料として増粘多糖類を配合することが好ましい。増粘多糖類としては、ローカストビーンガム及び/又はキサンタンガムを用いることが好ましく、ローカストビーンガム及びキサンタンガムの併用がより好ましい。ローカストビーンガム及びキサンタンガムの質量比及び配合量の好適範囲は、上記食品の原料で説明したとおりである。
充填工程では、充填機を用いて、加熱溶融工程で得られた原料組成物を充填機のノズルから吐出して容器に充填する。充填工程において、上記原料組成物は、80℃での粘度が5000~15000mPa・sであることが好ましく、6000~10000mPa・sがより好ましい。これにより、充填工程での充填適性がより良好になる。ここで、「充填適性が良好」とは、原料組成物を充填機のノズルから容器に連続充填する際に、原料組成物の粘度に起因する問題が生じにくいことを意味する。当該問題は、具体的には、原料組成物の粘度が低すぎるためにノズルから液だれして原料組成物が容器外にはみ出すこと、及び、原料組成物の粘度が高すぎるために流動性が低下して容器の形状に沿った成形が困難になることをいう。原料組成物の粘度は、食品分野で通常用いられている粘度測定機を用いて測定することができ、例えば、実施例に記載の方法により測定することができる。
80℃での原料組成物の粘度を5000~15000mPa・sに調整するためには、原料に増粘多糖類を配合することが好ましく、増粘多糖類の中でもグルコマンナンが好ましい。グルコマンナンの配合量の好適範囲は、上記食品の原料で説明したとおりである。
充填工程で用いられる容器は、限定されないが、アルミ箔で形成されたポーション容器であることが好ましい。
充填工程後、容器を冷却して原料組成物を固化させる冷却工程を経ることで、本技術の食品が製造されうる。冷却の温度及び時間は特に限定されず、原料組成物が固化する条件であればよい。冷却工程後、得られた食品を冷蔵保管する工程を設けてもよい。
以下、実施例に基づいて本技術を更に詳細に説明する。なお、以下に説明する実施例は、本技術の代表的な実施例の一例を示したものであり、これにより本技術の範囲が狭く解釈されることはない。
<試験例>
下記表1に示す原料を用いて、以下の手順で例1~6の食品を製造した。なお、表1における配合量の数値の単位は「質量%」である。
クリームチーズ、植物油脂、砂糖、溶融塩(ポリリン酸ナトリウム、モノリン酸ナトリウム及びジリン酸ナトリウムの混合組成物)、グルコマンナン、キサンタンガム、ローカストビーンガム、pH調整剤をカッター付き乳化釜に入れた。水分調整のための水を加えて、上記乳化釜にて回転数700rpmで90℃まで加熱しながら撹拌して、乳化させ、原料組成物を調製する加熱溶融工程を行った。乳化後、釜内の原料組成物を充填機に送り、個包装充填する充填工程を行い、チーズ含有食品を得た。個包装された当該食品は、1個当たりの重量が17gで、厚さ10mm、直径100mmの円を6等分した扇形状のチーズ含有食品であった。
<原料組成物の粘度の測定>
加熱溶融工程で得られた原料組成物の粘度は、粘度計(ビスコテスタVT-06、リオン株式会社製)により測定した。具体的には、80℃の原料組成物を1号ローター(リオン株式会社製)を用いて測定した。結果を下記表1に示す。
<原料組成物のpHの測定>
原料組成物のpHは、加熱溶融した原料組成物約50gを容器に入れ、2日間5℃にて冷却した後に室温(23℃)に戻して測定した。測定には、pHメーター(D-51、堀場社製)を使用した。結果を下記表1に示す。
さらに、以下に示すように、市販の各種チーズを例7~10とした。また、市販のわらび餅を参考例1、市販のだんごを参考例2とした。
例7:市販品チーズ含有食品(チェダー風味)
例8:市販品チーズ含有食品(ゴーダ風味)
例9:市販品プロセスチーズ(モッツァレラチーズ)
例10:市販品プロセスチーズ(カマンベール風味)
参考例1:わらび餅
参考例2:だんご
<破断強度試験>
例1~10及び参考例1、2の各食品を直径27mm、高さ10mmの円柱状に成形して、試験体を用意し、クリープメーター(RE2-33005C、株式会社山電製)を用いて破断強度試験を行った。具体的には、10℃に温調した試験体に対して、直径8mmの円柱型プランジャーを1mm/sの速度にて、試験体の高さ99%まで押し込み、破断歪率、最大荷重及び破断荷重を測定した。
<クリープ試験>
例1~10及び参考例1、2の食品について、破断強度試験と同形状の試験体を用意し、破断強度試験と同一のクリープメーターを用いてクリープ試験を行った。具体的には、試験体を10℃に温調し、当該試験体を直径40mmの円柱型プランジャーを用いて0.5Nの応力を1分間負荷し、その後応力を除去する試験を行った。
各食品について、クリープ試験後、歪率の最大値(A)から応力除去後1分経過時の歪率の値(B)を引いて差分(A-B)を算出した。
<成分分析>
<官能評価>
例1~6について、定期的な官能評価試験の実施により訓練された10名のパネルが官能評価を行った。具体的には、以下の基準にしたがって、弾力感(噛んだときのもちもち感と歯ごたえ(歯にはね返ってくる感じ))及び食べごたえ(チーズ含有食品としての食後の満足感)を5段階(1~5点)で評価した。また、10名のパネルに自分が最も好きな食品を1つ選ばせ、嗜好性として人数を集計した。なお、例7~10の市販品は、わらび餅様のもちもち感を明らかに有しない食品であったため、官能評価を行わなかった。
[弾力感]
5:わらび餅に非常に近い
4:わらび餅に近い
3:わらび餅にやや近い
2:わらび餅に近いとはいえない
1:わらび餅と全く異なる(弾力感が弱い)
[食べごたえ]
5:ある
4:ややある
3:どちらでもない(食べごたえがあるともないとも判断がつかない)
2:あまりない
1:ない
破断強度試験、クリープ試験、成分分析及び官能評価の結果を下記表2に示す。下記表2における官能評価(弾力感、食べごたえ)の結果は、10名のパネル(パネルA~J)が付与した評価点の平均点である。また、10名のパネルの個別の評価点を下記表3に示す。
表2の結果から、例1~5のチーズ含有食品はわらび餅(参考例1)に近い物性を有していることが確認された。また、チーズを配合することで食べごたえを強めることができ、チーズ独特のコク等を付与することができた。嗜好性の評価では、全パネルが例2(チーズ含有量21.97質量%)又は例3(チーズ含有量46.97質量%)のどちらかを選択していたことから、総合的には例2及び3の食品が高評価であることが確認された。弾力感と食べごたえのバランスが取れた食品を得るためには、チーズの含有量を20~50質量%の範囲とすることが好ましいことが示唆された。

Claims (8)

  1. 20~50質量%のクリームチーズと、
    溶融塩と、
    ローカストビーンガム及びキサンタンガムと、を含む食品であって、
    前記ローカストビーンガム及びキサンタンガムの含有量が合計で0.3~0.7質量%であり、
    破断強度試験における破断歪率が60~100%であり、
    脂質の含有量が5~45質量%、タンパク質の含有量が0.5~10質量%であり、
    10℃に調温した前記食品からなる試験体に0.5Nの応力を1分間負荷し、その後応力を除去するクリープ試験において、歪率の最大値から応力除去後1分経過時の歪率の値を引いた差分が5~15%である、食品。
  2. 前記破断強度試験における最大荷重が1.5~8.0Nである、請求項1に記載の食品。
  3. 前記破断強度試験における破断荷重が1.5~5.0Nである、請求項1又は2に記載の食品。
  4. 厚さが4mm以上である、請求項1から3のいずれか一項に記載の食品。
  5. ポーションタイプである、請求項1から4のいずれか一項に記載の食品。
  6. タンパク質の含有量が2~6質量%である、請求項1から5のいずれか一項に記載の食品。
  7. 80℃での粘度が5000~15000mPa・sである、請求項1から6のいずれか一項に記載の食品。
  8. 20~50質量%のクリームチーズと、
    溶融塩と、
    ローカストビーンガム及びキサンタンガムと、を含み、
    前記ローカストビーンガム及びキサンタンガムを合計で0.3~0.7質量%含み、破断強度試験における破断歪率が60~100%であり、
    脂質の含有量が5~45質量%、タンパク質の含有量が0.5~10質量%である食品の製造方法であって、
    前記食品は、10℃に調温した前記食品からなる試験体に0.5Nの応力を1分間負荷し、その後応力を除去するクリープ試験において、歪率の最大値から応力除去後1分経過時の歪率の値を引いた差分が5~15%であり、
    チーズを含む原料を加熱溶融して原料組成物を調製する加熱溶融工程を含む、食品の製造方法。
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