JP7224111B2 - プロセスチーズ - Google Patents

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Description

本発明は新規な風味、および食感を有するチーズ、およびその製造方法に関する。
チーズはタンパク質、脂質、カルシウム、ビタミン、ミネラル等の各種栄養素をバランスよく含んでおり、とりわけ良質のカルシウム源として注目され、その需要は年々増加している。また、ナチュラルチーズとプロセスチーズに大別され、さらに製造方法により、多種多様の風味と物性を有している。
一般的に硬質系のナチュラルチーズの特徴は製造直後には淡白な風味で硬く口溶けが悪いが、熟成とともに旨み等、特有の風味が強くなり、口溶けの良いチーズに変化する。日本人の嗜好にあったナチュラルチーズを得るために熟成期間を調節する技術がある(特許文献1)。
また、熟度が低いチーズを110℃以上の高温で加熱乳化することにより、癖がなく脆さを低減しプロセスチーズ特有の滑らかな組織にする技術がある(特許文献2)。
一方、プロセスチーズは熟成した硬質系のナチュラルチーズを組み合わせて配合し、加熱乳化をすることにより、ナチュラルチーズよりも保存中の変化が小さく、熟成チーズ特有の濃厚感、コクのある風味となる。プロセスチーズは加熱乳化によりチーズの食感が変化し、口の中でべたつき、付着性の強い食感となる。このべたつく食感を低減させるため、ナチュラルチーズを粉砕し、再圧着することにより脆く、口溶けの良いナチュラルチーズを製造する技術がある(特許文献3)。
特開2015-12875 特許3295386 特開2014-209928
しかしながら、上述の従来のプロセスチーズは熟成風味を有することを特徴とするのが一般的であり、淡白な風味のプロセスチーズ類を製造した場合、硬い食感になるか、付着性の強い食感になる課題があった。
そこで、本発明はミルク風味が強く、軟らかく口どけの良いプロセスチーズの提供を課題とする。
本発明は、上記の課題を解決するために以下の解決手段を提供するものである。
[1]プロセスチーズの全重量基準で、乳タンパク質が15%以上、水分値が50%以下であり、pHが5.2以上6.2以下、チーズ硬度が5000g以下、付着性が25N.m以下である、プロセスチーズ。
[2]プロセスチーズは、遊離脂肪酸量が600ppm以下、遊離アミノ酸量が700mg/100g以下、熟度(STN/TN値)が12%以上である、硬質系ナチュラルチーズ及び半硬質系ナチュラルチーズの少なくとも1つを、原料チーズ中に40重量%以上含む、[1]に記載のプロセスチーズ。
[3]プロセスチーズは、乳タンパク質が18%以上、水分値が48%以下である、[1]又は[2]に記載のプロセスチーズ。
[4]プロセスチーズは、pHが5.7以上6.2以下である、[1]~[3]のいずれかに記載のプロセスチーズ。
[5]遊離脂肪酸量が600ppm以下、遊離アミノ酸量が700mg/100g以下であり、熟度(STN/TN値)が12%以上である、硬質系ナチュラルチーズ及び半硬質系ナチュラルチーズの少なくとも1つを原料チーズ中40重量%以上となるように配合する工程と、得られた原料チーズを加熱乳化する工程と、を備える、プロセスチーズの製造方法。
[6]原料チーズを加熱乳化する前に、得られるプロセスチーズが、プロセスチーズの全重量基準で、乳タンパク質が15%以上、水分値が50%以下であり、pHが5.2以上6.2以下、チーズ硬度が5000g以下、付着性が25N.m以下となるように、原料チーズの成分調整を行なう、[5]記載のプロセスチーズの製造方法。
本発明は、ミルク風味が強く、かつ軟らかく口どけの良いという特徴を兼ね合わせた新規なプロセスチーズを提供するものである。
本発明者等は、上述の課題を解決するべく鋭意研究したところ、チーズ硬度や付着性を含むチーズの物性パラメータが所定の要件を満たす場合に、上記課題が解決されることを知見した。本発明は上記知見に基づくものである。
(プロセスチーズ)
本発明において、「プロセスチーズ」とは、乳及び乳製品の成分規格等に関する省令(昭和26年12月27日厚生省令第52号)、および公正競争規約で定めるプロセスチーズとする。
(本発明プロセスチーズ)
本発明は、プロセスチーズの全重量基準で、乳タンパク質が15%以上、水分値が50%以下であり、pHが5.2以上6.2以下、チーズ硬度が5000g以下、付着性が25N.m以下である、プロセスチーズに関する。
この場合、プロセスチーズは、遊離脂肪酸量が600ppm以下、遊離アミノ酸量が700mg/100g以下、熟度(STN/TN値)が12%以上である、硬質系ナチュラルチーズ及び半硬質系ナチュラルチーズの少なくとも1種を、原料チーズ中に40重量%以上含むことが好ましい。
本発明のプロセスチーズは、硬質系ナチュラルチーズまたは半硬質系ナチュラルチーズに由来することに起因する風味を有する。この風味はカッテージチーズやモッツァレラチーズのような非熟成チーズ様の所謂ミルク風味である。また、本発明のプロセスチーズは、チーズ硬度が5,000g以下、付着性が25N.m以下であり、軟らかく口どけの良いという食感も併せ持つプロセスチーズである。
本発明のプロセスチーズは、風味や口どけとの兼ね合いから、下記パラメータを備えることがより好ましい。
乳タンパク質は18%以上がより好ましい。乳タンパク質の上限の制限は特にないが22%程度である。
水分値は48%以下がより好ましい。水分値の下限の制限は特にないが45%程度である。
pHは5.7以上6.2以下がより好ましい。
チーズ硬度は、4900g以下が好ましく、4700g以下がより好ましい。チーズ硬度の下限の制限は特にないが4500g程度である。
付着性は24N.m以下が好ましい。付着性の下限の制限は特にないが18N.m程度である。
硬質系ナチュラルチーズ及び半硬質系ナチュラルチーズの少なくとも1種を、原料チーズ中に80重量%以上含むことがより好ましい。
(ミルク風味)
本発明のプロセスチーズのミルク風味は以下の方法で評価することができる。
チーズ開発に5年以上携わった10人のパネラーにて風味の評価を実施する。評価基準、総合評価基準は以下の通りである。
<評価基準>
「ミルク風味が感じられる」、「ミルク風味が感じられない」か、を判断する。
<総合評価>
◎:「ミルク風味が感じられる」と評価したパネラーが9~10名
○:「ミルク風味が感じられる」と評価したパネラーが7~8名
△:「ミルク風味が感じられる」と評価したパネラーが5~6名
×:「ミルク風味が感じられる」と評価したパネラーが4名以下
(プロセスチーズの硬度と付着性)
本発明のプロセスチーズの硬度と付着性は以下のとおり測定することができる。
10℃に調温したチーズを10×10×10mmの立方体に切り出し、切り出したチーズをテクスチャーアナライザーを用いて日本食品工業学会誌、Vol.36,No.12,p986-992(1989)に記載の方法に従って、0.5mm/secのスピードで80%圧縮する条件で測定し、この測定で得られた応力・歪曲線から、硬さと付着性を算出する。
チーズ硬度が5,000g以下のプロセスチーズを軟らかいプロセスチーズ、付着性が25N.m以下のプロセスチーズを口どけの良いプロセスチーズとする。
(特定原料チーズ)
本発明のプロセスチーズは、主要な原料チーズとして特定原料チーズ、即ち硬質系ナチュラルチーズもしくは半硬質系ナチュラルチーズ、又は両方を用いることが好ましい。特定原料チーズとしては、遊離脂肪酸量が600ppm以下、遊離アミノ酸量が700mg/100g以下であり、熟度(STN/TN値)が12%以上である、硬質系ナチュラルチーズまたは半硬質系ナチュラルチーズを用いることがより好ましい。
遊離脂肪酸量は、450ppm以下がより好ましい。下限値の制限は特にないが200ppm程度である。
遊離アミノ酸量は、500mg/100g以下がより好ましい。下限値の制限は特にないが300mg/100g程度である。
熟度(STN/TN値)は、15%以上がより好ましい。上限値の制限は特にないが28%程度である。
本発明のプロセスチーズは、原料チーズ中に特定原料チーズを40重量%以上含むことが好ましく、60重量%以上含むことがより好ましい。特定原料チーズの上限は特に制限はないため、100重量%である。
本発明のプロセスチーズに用いる特定原料チーズは、上記した遊離脂肪酸量、遊離アミノ酸量、熟度を満たすものであればどのようなものでもよく、1種類、又は複数を用いることができる。
発明のプロセスチーズに用いる特定原料チーズは、以下の一般的な分析方法を用いて選択することができる。
遊離脂肪酸量は蛍光ラベル化HPLC法で測定することができる(分析化学Vol.45,No.10,p927-932(1996))。
遊離アミノ酸量の測定は除タンパクーアミノ酸分析計を用いて測定することができる。
チーズの熟度指標(STN/TN値)は以下の式によって計算した値である。
熟度指標(STN/TN)=(可溶性窒素量/全窒素量)×100(%)
全窒素、および可溶性窒素の測定は次の方法により行う。先ず、原料チーズ10gを採取し、それに0.5Nクエン酸ナトリウム水溶液40mlと蒸留水40mlを加え、ホモブレンダーで5分間磨砕後、メスフラスコに移し蒸留水を加えて200mlに定容し、試料液とする。次いで、試料液10mlを採取し、ケルダール法で全窒素(TN)を測定する。さらに、試料液10mlに1.41N塩酸を10ml加えた後、蒸留水で125mlに定容し、生成したタンパク質沈殿物を濾過し、濾液10mlを採取し、ケルダール法で可溶性窒素(STN)を測定する。このようにして本発明に用いる原料チーズの熟度を測定することができる。
(その他の乳原料)
本発明のプロセスチーズには、上述の特定原料チーズの他に、通常のプロセスチーズの製造に使用されるナチュラルチーズを用いることが可能であり、ゴーダチーズ、チェダーチーズ、モッツアレラチーズ、クリームチーズ等を例示することができる。また、プロセスチーズを原料チーズの一部として用いることも可能である。さらに、本発明のプロセスチーズには、脱脂粉乳、チーズホエー粉、バターミルク粉、バター、バターオイル等の乳原料を用いることができ、これらのナチュラルチーズ、プロセスチーズ、その他乳原料を用いて、本発明のプロセスチーズの乳固形分、乳タンパク質含量を調整することができる。
(溶融塩)
本発明のプロセスチーズで用いる溶融塩は、一般的にチーズ類の製造に使用されるクエン酸塩、リン酸塩等を例示することができる。これらは最終的に得られるチーズ類、および製造工程に必要な風味と物性を得るような設計、配合をすれば良く、特に限定するものではない。イオン交換作用の強弱、クリーミング作用の強弱、抗菌作用の有無等、それぞれ特徴を持った溶融塩を1種ないしは2種以上併用しても良い。また、予めそれらを配合した溶融塩も使用することができる。
(副原料)
本発明のプロセスチーズには、副原料として安定剤、澱粉、加工澱粉、香料、pH調整剤等、プロセスチーズの製造に用いられる副原料はいずれも使用可能である。
(製造方法)
本発明のプロセスチーズの製造方法は、
(イ)遊離脂肪酸量が600ppm以下、遊離アミノ酸量が700mg/100g以下であり、熟度(STN/TN値)が12%以上である、硬質系ナチュラルチーズ及び半硬質系ナチュラルチーズの少なくとも1つを原料チーズ中40重量%以上となるように配合する工程と;
(ロ)得られるプロセスチーズ中の乳タンパク質が15%以上、水分値が50%以下、pHが5.2以上6.2以下となるように、水及びその他の原材料を配合する工程と;
(ハ)得られた原料チーズを加熱乳化する工程と;
(ニ)原料チーズを冷却、充填する工程と;を備える。
上述の(ロ)工程における、その他の原材料としては、例えば、脱脂粉乳、バター、クリームチーズ等を例示することができる。(ロ)工程において、乳タンパク質量や水分値の他に、pHが5.2以上6.2以下、チーズ硬度が5000g以下、付着性が25N.m以下となるように成分調整することが好ましい。(ロ)工程は、任意の工程であり、得られるプロセスチーズが所定の物性パラメータを備えることが見込めるときは省略してもよい。
加熱乳化の温度や時間の条件は、プロセスチーズの製造で一般的に採用されているものを参考に適宜調整すればよい。冷却や使用する包装容器についても限定はない。
以下に本発明の実施例を示して詳細に説明する。ただし、実施例は本発明の態様の一つであり、本発明は実施例に限定されるものではない。なお、表中の成分比に関する「%」表示は重量基準である。
(試験例1)
遊離脂肪酸量が300ppm、遊離アミノ酸量が400mg/100gであり、熟度(STN/TN値)が12%であるチェダーチーズ10kgを粉砕した。粉砕したチェダーチーズに、脱脂粉乳、バターを所定量添加することにより、乳タンパク質と水分値が表1に示すような組成の原料チーズとしてのプロセスチーズを調製した。
原料チーズに対し、リン酸ナトリウム塩200gを添加し、高速せん断乳化釜を用いて90℃達温まで1500回転の攪拌を行い加熱乳化した。
流動性のある乳化後のチーズをカートンに充填し、冷蔵庫内で冷却した。得られたプロセスチーズについて、チーズ硬度、付着性、官能評価をそれぞれ行った。
比較例として表1に示すように乳タンパク質が13%(比較例品1―1)、水分が52%(比較例品1―2)となるように、脱脂粉乳、バターの添加量を調製したことを除き、実施例品と同様にして比較例品を製造した。
表1に示すように乳タンパク質量が15%以上であり、かつ水分値が50%以下のプロセスチーズはミルク風味が強く、軟らかく口溶けの良いチーズとなった。一方、乳たんぱく質量が13%の比較例品1-1は付着性が強く、ミルク風味の乏しいチーズとなった。また、水分値が52%の比較例品1-2も付着性が強く、ミルク風味の乏しいチーズとなった。
Figure 0007224111000001
(試験例2)
遊離脂肪酸量が300ppm、遊離アミノ酸量が500mg/100gであり、熟度(STN/TN値)が15%であるチェダーチーズ10kgを粉砕した。粉砕したチェダーチーズにクリームチーズを2kg添加することにより、乳タンパク質と水分値が表2に示すような組成の原料チーズとしてのプロセスチーズを調製した。
原料チーズに対し、リン酸ナトリウム塩200gを添加し、pHが5.2、5.7、6.2(実施例品2-1、2-2、2-3)となるように重曹を添加し、高速せん断乳化釜を用いて1000回転の攪拌を行い加熱乳化した。
流動性のある乳化後のチーズをカートンに充填し、冷蔵庫内で冷却した。得られたプロセスチーズについて、チーズ硬度、付着性、官能評価をそれぞれ行った。
比較例として表2に示すようにpHが5.0、6.4(比較例品2-1、2-2)となるように重曹を添加し、加熱乳化したプロセスチーズを得て、流動性のある乳化後のチーズをカートンに充填し、冷蔵庫内で冷却した。
表2に示すようにpHを5.2~6.2に調整した実施例品2-1、2-2、2-3はミルク風味が強く、軟らかく口溶けの良いチーズとなった。一方、pHを5.0に調整した比較例品2-1は酸味が強く、脆く口溶けの悪いチーズとなった。pH6.4に調整した比較例品2-2はミルク感が消失し、付着性が強く口溶けの悪いチーズとなった。
Figure 0007224111000002
(試験例3)
遊離脂肪酸量が600ppm、遊離アミノ酸量が700mg/100gであり、熟度(STN/TN値)が25%であるゴーダチーズA 4kgと、遊離脂肪酸量が200ppm、遊離アミノ酸量が300mg/100gであり、熟度(STN/TN値)が10%であるゴーダチーズB 6kgとを粉砕し、乳タンパク質、水分値、pHが表1に示すような組成の原料チーズとしてのプロセスチーズを調製した。
原料チーズに対し、リン酸ナトリウム塩200gを添加し、高速せん断乳化釜を用いて90℃達温まで1000回転の攪拌を行い加熱乳化した。
流動性のある乳化後のチーズをカートンに充填し、冷蔵庫内で冷却した。得られたプロセスチーズについて、チーズ硬度、付着性、官能評価をそれぞれ行った。
比較例としてゴーダチーズA 3kgとゴーダチーズB 7kgを粉砕し、同様の加熱乳化したプロセスチーズを得て、流動性のある乳化後のチーズをカートンに充填し、冷蔵庫内で冷却した。
表3に示すようにゴーダチーズAの配合率が40%の実施例品3はミルク風味が強く、軟らかく口溶けの良いチーズとなった。一方、ゴーダチーズAの配合率が30%の比較例品3はチーズが硬く、ミルク風味の乏しいチーズとなった。
Figure 0007224111000003
(試験例4)
遊離脂肪酸量が400ppm、遊離アミノ酸量が500mg/100gであり、熟度(STN/TN値)が20%であるチェダーチーズA 4kgと、遊離脂肪酸量が800ppm、遊離アミノ酸量が1200mg/100gであり、熟度(STN/TN値)が25%であるチェダーチーズB 6kgとを粉砕し、乳タンパク質、水分値、pHが表4に示すような組成のプロセスチーズを調製した。
原料チーズに対し、リン酸ナトリウム塩200gを添加し、高速せん断乳化釜を用いて90℃達温まで1000回転の攪拌を行い加熱乳化した。
流動性のある乳化後のチーズをカートンに充填し、冷蔵庫内で冷却した。得られたプロセスチーズについて、チーズ硬度、付着性、官能評価をそれぞれ行った。
比較例としてチェダーチーズA 3kgとチェダーチーズB 7kgを粉砕し、同様の加熱乳化したプロセスチーズを得て、流動性のある乳化後のチーズをカートンに充填し、冷蔵庫内で冷却した。
表4に示すようにチェダーチーズAの配合率が40%の実施例品4はミルク風味が強く、軟らかく口溶けの良いチーズとなった。一方、チェダーチーズAの配合率が30%の比較例品4はミルク感がマスキングされた熟成風味が強い通常の風味のチーズとなり、付着性が強く口溶けの悪いチーズとなった。
Figure 0007224111000004
(試験例5)
遊離脂肪酸量が600ppm、遊離アミノ酸量が700mg/100gであり、熟度(STN/TN値)が25%であるゴーダチーズ10kgを粉砕した。粉砕したゴーダチーズに、バターオイルを2kg添加することにより、乳タンパク質と水分値が表5に示すような組成の原料チーズとしてのプロセスチーズを調製した。
原料チーズに対し、リン酸ナトリウム塩200gを添加し、高速せん断乳化釜を用いて90℃達温まで1000回転の攪拌を行い加熱乳化した。
流動性のある乳化後のチーズをカートンに充填し、冷蔵庫内で冷却した。得られたプロセスチーズについて、チーズ硬度、付着性、官能評価をそれぞれ行った。
実施例品5はミルク風味が強く、軟らかく口溶けの良いチーズとなった。
Figure 0007224111000005

Claims (6)

  1. プロセスチーズの全重量基準で、乳タンパク質が15%以上、水分値が50%以下であり、pHが5.2以上6.2以下、チーズ硬度が5000g以下、付着性が25N.m以下であり、熟度(STN/TN値)が15%を超え、乳化剤を含有していない、プロセスチーズ。
  2. 前記プロセスチーズは、遊離脂肪酸量が600ppm以下、遊離アミノ酸量が700mg/100g以下である、硬質系ナチュラルチーズ及び半硬質系ナチュラルチーズの少なくとも1つを、原料チーズ中に40重量%以上含む、請求項1に記載のプロセスチーズ。
  3. 前記プロセスチーズは、乳タンパク質が18%以上、水分値が48%以下である、請求項1又は2に記載のプロセスチーズ。
  4. 前記プロセスチーズは、pHが5.7以上6.2以下である、請求項1~3のいずれか1項に記載のプロセスチーズ。
  5. 遊離脂肪酸量が600ppm以下、遊離アミノ酸量が700mg/100g以下であり、熟度(STN/TN値)が15%を超える、硬質系ナチュラルチーズ及び半硬質系ナチュラルチーズの少なくとも1つを原料チーズ中40重量%以上となるように配合する工程と、
    得られた原料チーズを加熱乳化する工程と、を備える、プロセスチーズの製造方法。
  6. 原料チーズを加熱乳化する前に、得られるプロセスチーズが、プロセスチーズの全重量基準で、乳タンパク質が15%以上、水分値が50%以下であり、pHが5.2以上6.2以下、チーズ硬度が5000g以下、付着性が25N・m以下となるように、原料チーズの成分調整を行なう、請求項5記載のプロセスチーズの製造方法。
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