JPH08256686A - プロセスチーズ - Google Patents

プロセスチーズ

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JPH08256686A
JPH08256686A JP7067620A JP6762095A JPH08256686A JP H08256686 A JPH08256686 A JP H08256686A JP 7067620 A JP7067620 A JP 7067620A JP 6762095 A JP6762095 A JP 6762095A JP H08256686 A JPH08256686 A JP H08256686A
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JP
Japan
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cheese
raw material
whey protein
milk
processed
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JP7067620A
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English (en)
Inventor
Isahiro Kawasaki
功博 川崎
Yoshito Shibauchi
好人 柴内
Yoshihiko Miyagawa
美彦 宮川
Hiroshi Kondo
浩 近藤
Ryo Sato
涼 佐藤
Tsuguaki Nishitani
紹明 西谷
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Snow Brand Milk Products Co Ltd
Original Assignee
Snow Brand Milk Products Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 摂取時に使用し易いように薄くスライスして
包装しても剥離性が良く、しかも口溶け性と風味の良好
なプロセスチーズを得ることを目的とする。 【構成】 全タンパク質中のホエータンパク質含有量を
0.15重量%以上含有させた剥離性と口溶け性の良好
なプロセスチーズ。ホエータンパク質含有量が0.15
重量%以上になるプロセスチーズを得るために、原料と
なるナチュラルチーズの原料乳を特定の条件で殺菌する
か、また原料乳の濃縮倍率を高めてナチュラルチーズを
製造し、それを原料として用いるか、さらには原料ナチ
ュラルチーズとホエータンパク質含有物を混合してそれ
をプロセスチーズの原料として用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、全タンパク質中にホエ
ータンパク質を高度に含有することからなるプロセスチ
ーズに関する。本発明のプロセスチーズは、口溶け性が
良好で、かつ薄くスライスして小片にし、これを重ね合
わせて包装した場合でも、チーズ同士の接触面の剥離性
が良好なチーズある。
【0002】
【従来の技術】近年、チーズに対する嗜好性が多様化し
ており、これに伴って、使用形態、風味、食感の面で従
来のチーズとの差別化を図る試みが多くなされている。
特に、プロセスチーズの嗜好性に影響をおよぼす要因と
しては、単なる風味ばかりでなく食感も非常に重要であ
る。風味の良好なプロセスチーズを調製する方法とし
て、原料となるナチュラルチーズの熟度の高いものを選
定するなど様々な方法が検討されているが、一方、食
感、いわゆる口溶け性を改良する方法に関して検討した
例はない。
【0003】プロセスチーズは、通常225g 程度のブ
ロック状にしてカルトンに包装されるが、このブロック
状プロセスチーズを、あらかじめ薄くスライスして複数
個の小片にし、摂取しやすい形態にしたものが上市され
ている。しかし、プロセスチーズは、粘着性を有するた
め、製造時に薄くスライスしても、保存中に隣り合うチ
ーズの切断面が付着し、一枚一枚容易に分割できないと
いった問題がある。このため、切断面の剥離性を向上さ
せる方法が種々検討されている。例えば、熟度の低い原
料チーズを主原料として使用する方法 (特開平4−17
9442号公報)、カルシウム剤を添加する方法 (特開
平5−76282号公報)、溶融塩の配合量を制御する
方法 (特開平4−304843号公報)、乳化剤を添加
する方法 (特開平5−14650号公報)等が提案され
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の特開平
4−179442号公報に記載されている熟度の低い原
料チーズを主原料として使用する方法では、チーズに期
待されている濃厚な風味を具備させることは難しく、食
感も硬く、弾力性の強いものになる。また、特開平5−
76282号公報に記載されているカルシウム剤を添加
する方法では、やはり原料チーズの持つ風味がカルシウ
ムの添加率に応じて封鎖され、組織も脆くなる等の問題
もある。また、特開平5−14650号公報に記載され
ている乳化剤を添加する方法では、乳化剤の風味が発現
し、プロセスチーズの風味を低下させるといった問題が
ある。上記したような問題点に鑑み、本発明者らは、プ
ロセスチーズにホエータンパク質を高度に含有させるこ
とにより、上記の問題点を解決できることを見出し、本
発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、良好な
剥離性と口溶け性を合わせ持つプロセスチーズを提供す
ることを課題とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、全タンパク質
中、ホエータンパク質を0.15重量%以上含有するこ
とからなる剥離性、および口溶け性の良好なプロセスチ
ーズである。また、本発明は、75℃以上80℃未満の
温度で30秒間以上保持殺菌した原料乳から製造された
ナチュラルチーズを原料として配合したことからなる上
記のプロセスチーズである。また、本発明は、80℃以
上の温度で保持殺菌した原料乳から製造されたナチュラ
ルチーズを原料として配合したことからなる上記のプロ
セスチーズである。また、本発明は、濃縮倍率を1.2
倍以上に濃縮された原料乳を用いて製造したナチュラル
チーズを配合したことからなる上記プロセスチーズであ
る。また、本発明は、ホエータンパク質を含有する乳由
来の原料を配合したことからなる上記のプロセスチーズ
である。また、本発明は、ホエータンパク質を含有する
乳由来の原料が、ホエータンパク質濃縮物、ホエータン
パク質単離物、ホエーパウダー、クリームチーズ、クワ
ルク、カッテージチーズ、ヨーグルト、およびサワーク
リームからなる群から選択された1種以上からなる上記
プロセスチーズである。
【0006】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
プロセスチーズは、全タンパク質中にホエータンパク質
を0.15重量%以上含有するものであるが、その製造
方法には大別して2通りあり、一つは、原料となるナチ
ュラルチーズ中にホエータンパク質を高度に含有させ、
そのナチュラルチーズを用いてプロセスチーズを製造す
る方法と、もう一つは、ナチュラルチーズとホエータン
パク質を混合してプロセスチーズを製造する方法であ
る。本発明のプロセスチーズの原料となるナチュラルチ
ーズを製造する原料乳としては、牛乳、ヤギ乳、ヒツジ
乳等の動物乳が用いられ、製造されるナチュラルチーズ
の種類についても、ゴーダチーズ、チェダーチーズ、エ
メンタールチーズ、、グリュエールチーズ、モザレラチ
ーズ等で特に制限されるものではない。
【0007】上記の一つ目の、ナチュラルチーズにホエ
ータンパク質を高度に含有させる製造方法は、原料乳の
殺菌を特定の条件によって行う方法と、原料乳の濃縮倍
率(固形率)を高めて用いる方法である。原料乳の殺菌
を特定の条件によって行う方法は、原料乳を、75℃以
上80℃未満の温度で30秒間以上保持殺菌した後、常
法に従って、ナチュラルチーズを製造する方法と、80
℃以上の温度で保持殺菌した後、同様に常法に従って、
ナチュラルチーズを製造する方法である。また原料乳の
濃縮倍率(固形率)を高めて用いる方法は、濃縮倍率を
1.2倍以上に濃縮し、それを原料乳として殺菌後、常
法に従って、ナチュラルチーズを製造する方法である。
【0008】上記の原料乳の殺菌に関し、一般的には、
ナチュラルチーズの製造に供される原料乳の加熱殺菌条
件は、75℃で15秒間以上で30秒間未満で行われて
いる。それ以下の温度では殺菌が不十分となり、それ以
上では乳中の主にβラクトグロブリンがκカゼインと複
合体を形成し、牛乳の熱安定性、あるいはレンネットに
よる凝乳速度に悪影響をおよぼすことが古くから知られ
ている[G.H. Mckenzie, et al,J.Dairy Res.,Vol.38,
P.343 (1971); H. Tessier, et al, J. Dairy Sci.,Vo
l.47,P.1047 (1964); W. H. Sawey, et al, J. Dairy S
ci., Vol52,P.1347 (1969)] 。このような理由から、従
来、ナチュラルチーズの原料乳を上記したような条件で
殺菌していた。従って、これらのナチュラルチーズを原
料として製造されたプロセスチーズは、全タンパク質あ
たりホエータンパク質が、0.05重量%以下しか含有
していなかった。
【0009】しかし、本発明では、上記の殺菌条件を採
用することより、ナチュラルチーズ中のホエータンパク
質の含有量が高まり、これを原料としてプロセスチーズ
を製造することより、プロセスチーズ中のホエータンパ
ク質を高度に含有させることができたのである。また、
加熱殺菌する原料乳のpHについては、pH6.7〜8
以上の範囲で行うことが好ましい。pH6.7以下にな
るとカードがスラッジ状となり、チェダーチーズの場合
ではチェダリングできなくなることがある。一方、pH
が8以上では加熱によりリジノアラニンが生成する恐れ
があり好ましくない。また、上記したようにナチュラル
チーズを製造する際、原料乳の殺菌温度を高くしたり殺
菌時間を長くしたりすると、レンネットによる凝固時間
が長くなることが知られているが、カルシウム剤を0.
01〜0.1%の範囲で添加するか、あるいは静置温度
を通常の30℃から35℃前後までの範囲で高めに制御
するなどの手段により、レンネットによる凝固時間を実
質的な許容範囲の中で遅延させることなくカードを形成
できる。
【0010】また、本発明では、上記したように濃縮し
た原料乳をレンネットにより凝固させることによってホ
エータンパク質含有量の高いナチュラルチーズを製造す
ることもでき、原料乳を1.2倍以上に濃縮するもので
ある。原料乳の濃縮方法としは、限外濾過法、逆浸透濾
過法、精密濾過法等を採用できる。濃縮倍率が1.2倍
未満だと、目的量のホエータンパク質のチーズへの取り
込みが不十分となり目的を達成し得ない。さらに、この
濃縮した乳に対して、前記の加熱殺菌方法を適用するこ
ともできる。このように原料乳を特定条件下で殺菌した
後、あるいは原料乳の濃縮倍率を高めた後は、常法に従
って、レンネットと乳酸菌スターターの添加、一定
時間静置して凝固によるカードの生成、カードとホエ
ーの分離、カードの塩水浸漬、熟成という工程を経
てナチュラルチーズが製造される。このようにして製造
されたナチュラルチーズは、カゼインとホエータンパク
質の複合体を含むものである。
【0011】このようにして得られたナチュラルチーズ
を原料として、本発明のプロセスチーズを製造するに
は、上記のカゼインとホエータンパク質の複合体を含む
ナチュラルチーズを溶融し、これに通常プロセスチーズ
の製造に用いられているのと同様の溶融塩を0.1〜5
%添加し、さらにpHが5.1〜6.5の範囲になるよ
うに重曹、乳酸等のpH調整剤を添加して75℃以上の
温度で攪拌しながら加熱乳化する。この時配合する原料
となるナチュラルチーズは、上記のホエータンパク質を
高度に含有するものだけでも良いが、通常の方法によっ
て得られたナチュラルチーズと適当に混合し、最終的に
プロセスチーズ中の全タンパク質あたりのホエータンパ
ク質が0.15重量%以上となるように配合しても良
い。また、使用する溶融塩の種類についても特に制限は
無く、クエン酸塩、アジピン酸塩、酒石酸塩などのカル
ボン酸塩、モノリン酸塩、ジリン酸塩、トリポリリン酸
塩、ポリリン酸塩等のリン酸塩を挙げることができる。
特に本発明のプロセスチーズは、風味をよく引き出すと
言われているジリン酸塩、トリポリリン酸塩、ポリリン
酸塩などの縮合リン酸塩のみでもよいため風味上好まし
い製品となる。これは、カルボン酸塩やモノリン酸塩を
使用する必要のあった従来のプロセスチーズに比べ本発
明のプロセスチーズが優れている点の一つである。さら
に乳化剤、増粘剤を添加することも何ら問題がない。そ
して乳化した溶融チーズを容器に充填後、冷却成形して
プロセスチーズとする。このようにして調製されたプロ
セスチーズは、風味は勿論のこと、後述する試験例から
も明らかなように、良好な口溶け性と剥離性を有するも
のである。
【0012】次に、本発明のホエータンパク質を高度に
含有するプロセスチーズの二つ目の製造方法を示す。そ
の方法は、常法により調製したナチュラルチーズに対し
て、ホエータンパク質を含む乳由来の原料、あるいはホ
エータンパク質を一定量配合してプロセスチーズを製造
するものである。ホエータンパク質を含む乳由来の原料
としては、例えばクリームチーズ、カッテージチーズ、
クワルク等があり、その他ヨーグルトやサワークリーム
も使用することができる。これらのホエータンパク質を
含む乳由来の原料には、加熱によって生じたカゼインと
ホエータンパク質の複合体を含むものである。また、ナ
チュラルチーズとホエータンパク質を含む乳由来の原料
を混合してプロセスチーズを製造する方法については、
特に制限はなく、通常のプロセスチーズを製造する時と
同じように、他の原料チーズと混合した後溶融塩を加え
て加熱乳化する方法が簡便で実用的である。また、本発
明のプロセスチーズは、ナチュラルチーズにホエータン
パク質濃縮物(WPC)、ホエータンパク質単離物(W
PI)、ホエーパウダーを加え、加熱乳化することでカ
ゼインとホエータンパク質の複合体を形成させる方法も
ある。この方法では加熱乳化前にこれらのホエータンパ
ク質を添加すればよい。
【0013】このようにして得られたプロセスチーズ
は、剥離性や口溶け性が良好なだけでなく、風味やその
他保形性についても従来のチーズに比べ全く遜色のない
ものとなる。本発明のプロセスチーズ、およびその原料
となるナチュラルチーズ中のホエータンパク質含量は、
ホエータンパク質に対する抗血清を用い、抗原抗体反応
を利用した酵素免疫測定法によって定量することができ
る。次に、本発明の実施例を示して詳細に説明すると共
に、本発明のプロセスチーズの効果を確認した試験例を
示す。尚、以下に示す実施例、および実験例は、本発明
をより具体的に示す例であり、これにより本発明が限定
されるものではない。
【0014】
【実施例および試験例】
【実施例1】脂肪率を2.8%に調整した牛乳200kg
をプレート殺菌機により75〜85℃で20〜80秒間
殺菌し、牛乳に対しスターター(BD-CH-normal-01、ハン
セン社製) を1%加え60分後、牛乳に対しレンネット
( 力価: 70,000単位/g、ハンセン社製) を0.003%
添加して攪拌し、32℃で静置した。その後カードとホ
エーの混合物を40℃に加温し、40℃に達してから3
0分後、カードをチーズクロスをセットしたゴーダチー
ズ用モールドに型詰めし、2時間圧搾してチーズブロッ
クを得た。得られたチーズブロックをそれぞれ500g
程度の大きさに切断し、10℃で23%の食塩水に2時
間浸漬し加塩した。その後チーズブロックを真空包装
し、10℃で3カ月間熟成させゴーダチーズを得た。こ
のようにして、12個のゴーダチーズを調製した。それ
ぞれのゴーダチーズの重量は、約18.0kgであった。
【0015】
【試験例1】上記実施例1で製造したそれぞれのゴーダ
チーズ中の全タンパク質含有量をケルダール法で、ホエ
ータンパク質含有量をホエータンパク質に対する抗血清
を用い、酵素免疫測定法[P.Tijssem著,石川賢訳,生化
学実験法II,エンザイムイムノアッセイ,pp.297, 東京
化学同人(1989)] で測定した。ゴーダチーズ製造時の加
熱殺菌条件と得られたチーズ中のホエータンパク質含量
の測定結果を表1に示す。
【0016】
【表1】
【0017】表1に示すように、殺菌温度80℃以上の
もの、および殺菌温度が75℃以上で80℃未満で、か
つ殺菌時間が30秒間以上のもので全タンパク質中のホ
エータンパク質含量は0.15重量%以上となった。
【0018】
【実施例2】脂肪率を2.8%に調整した牛乳200kg
を限外濾過法により濃縮倍率1.0〜2.0に濃縮し、
プレート殺菌機で75℃で15秒間殺菌した。この牛乳
に対して、スターター(BD-CH-normal-01、ハンセン社
製) を1%加え60分後に、牛乳に対し、レンネット(
力価: 70,000単位/g、ハンセン社製) を0.003%添
加して攪拌し、30℃で静置した。その後カードとホエ
ーの混合物を40℃まで加温し、カードとホエーを分離
した。そしてチェダリングを行いpH5.2となった時
点でカードを細断して真空包装し、10℃で3カ月間熟
成させチェダーチーズを得た。このようにして6個のチ
ェダーチーズを調製した。それぞれのチェダーチーズの
重量は、約17.1kgであった。
【0019】
【試験例2】それぞれの濃縮条件で製造したチェダーチ
ーズ中の全タンパク質含量をケルダール法で、ホエータ
ンパク質含量を試験例1と同様に酵素免疫測定法で測定
した。その結果を表2に示す。
【0020】
【表2】
【0021】表2に示すとおり、濃縮倍率1.2倍以上
濃縮した乳を用いてチーズを製造した場合、チーズ中の
全タンパク質あたりのホエータンパク質含量は0.15
重量%以上となった。
【0022】
【実施例3】上記の実施例1で製造したナチュラルチー
ズを2kg、実施例2で製造したナチュラルチーズを2kg
を混合し、この原料チーズに溶融塩としてポリリン酸N
a (BKラーデンブルグ社製:JOHA C スペシャル) を4
0g 、および水を450ml加えた。この混合物をケトル
乳化機を用いて回転数120rpmで回転させながら、
蒸気を吹き込み、85℃の温度まで昇温して乳化した。
次にこの乳化チーズをカルトンに充填し、5℃で2日間
冷蔵しプロセスチーズを18個製造した。
【0023】
【試験例3】実施例3で製造したプロセスチーズ中の全
タンパク質量をケルダール法でホエータンパク質含量を
試験例1と同様に酵素免疫測定法で測定した。またチー
ズの剥離性については以下の方法で測定した。プロセス
チーズを55×35×5mmの大きさにピアノ線で切断
し、10枚ずつ積層した。これをそれぞれ10℃で3カ
月間および20℃で3カ月間保存して、それぞれ10℃
および20℃の室温において一枚ずつ剥がした。切断時
の形状を維持したまま一枚単位で容易に分離できたもの
を良品とし、途中で折れたり分離できなかったものを不
良とした。そして良品率を%で表した。この良品率が9
0%以上のものを本発明の合格品とした。口溶け性につ
いては、パネラー30名によりチーズを食して評価し
た。下記の6段階の評価基準により、パネラー全員の点
数の平均値で結果を表した。評価点が4.0以上のもの
を本発明の合格品とした。 (評価の基準) (点数) (1) 口溶けが非常に良好 6 (2) 口溶けがかなり良好 5 (3) 口溶けがやや良好 4 (4) 口溶けがやや不良 3 (5) 口溶けがかなり不良 2 (6) 口溶けが非常に不良 1 表3にプロセスチーズ中のホエータンパク質含有量と剥
離性および口溶け性の関係を示す。なお、表3における
原料チーズのサンプル番号は、表1、2に記載のサンプ
ル番号である。
【0024】
【表3】
【0025】表3に示すように、製造したプロセスチー
ズのうち全タンパク質あたりのホエー含量が0.15重
量%以上のものについては、剥離性、口溶け性ともに良
好な結果になっていることが判る。
【0026】
【実施例4】実施例1で製造したサンプル1のゴーダチ
ーズ (全タンパク質中のホエータンパク質含量 0.06%)
2kgと実施例2で製造したサンプル13のチェダーチー
ズ (全タンパク質中のホエータンパク質含量0.04%)2kg
とを混合し、これに0.05〜0.2重量%のホエータ
ンパク質 (WPC、WPI)、またはホエータンパク質
を含有する原料チーズ(クリームチーズ、クワルク、カ
ッテージチーズ)を下記表4の配合量で混合した。この
混合物を原料として実施例3と同様の方法でプロセスチ
ーズを製造した。
【0027】
【試験例4】実施例4で製造したプロセスチーズ中の全
タンパク質量をケルダール法で、ホエータンパク質含量
を試験例1と同様に酵素免疫測定法で測定した。またチ
ーズの剥離性および口溶け性については試験例3と同様
の方法で評価した。表4にプロセスチーズ中のホエータ
ンパク質含量と剥離性および口溶け性の関係を示す。
【0028】
【表4】
【0029】表4に示すように、製造したプロセスチー
ズのうち全タンパク質中のホエー含量が、0.15重量
%以上のものについては、剥離性、口溶け性ともに良好
な結果を示すことが明らかである。
【0030】
【発明の効果】本発明のプロセスチーズは、全タンパク
質中にホエータンパク質を0.15重量%以上含有して
いるので、薄くスライスして包装しても、剥離性が非常
に優れ、しかも口溶け性の良好なプロセスチーズであ
る。さらに、本発明のプロセスチーズは、従来のプロセ
スチーズのように剥離性を向上させるために、未熟成の
ナチュラルチーズを原料チーズとして使用することもな
く、また溶融塩の使用についても種類の制限を受けない
ので、風味も良好なプロセスチーズである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 涼 埼玉県蕨市塚越4−12−27 東建ニューハ イツ812 (72)発明者 西谷 紹明 埼玉県狭山市北入曽699−3 メゾンプレ ミールB−102

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 全タンパク質中、ホエータンパク質を
    0.15重量%以上含有することを特徴とする剥離性、
    および口溶け性の良好なプロセスチーズ。
  2. 【請求項2】 75℃以上80℃未満の温度で30秒間
    以上保持殺菌した原料乳から製造されたナチュラルチー
    ズを原料として配合したことを特徴とする請求項1記載
    のプロセスチーズ。
  3. 【請求項3】 80℃以上の温度で保持殺菌した原料乳
    から製造されたナチュラルチーズを原料として配合した
    ことを特徴とする請求項1記載のプロセスチーズ。
  4. 【請求項4】 濃縮倍率を1.2倍以上に濃縮された原
    料乳を用いて製造したナチュラルチーズを配合したこと
    を特徴とする請求項1記載のプロセスチーズ。
  5. 【請求項5】 ホエータンパク質を含有する乳由来の原
    料を配合したことを特徴とする請求項1記載のプロセス
    チーズ。
  6. 【請求項6】 ホエータンパク質を含有する乳由来の原
    料が、ホエータンパク質濃縮物、ホエータンパク質単離
    物、ホエーパウダー、クリームチーズ、クワルク、カッ
    テージチーズ、ヨーグルト、およびサワークリームの群
    から選択された一種以上である請求項5記載のプロセス
    チーズ。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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