JPH1156234A - さきいか状チーズ及びその製造方法 - Google Patents

さきいか状チーズ及びその製造方法

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JPH1156234A
JPH1156234A JP9246249A JP24624997A JPH1156234A JP H1156234 A JPH1156234 A JP H1156234A JP 9246249 A JP9246249 A JP 9246249A JP 24624997 A JP24624997 A JP 24624997A JP H1156234 A JPH1156234 A JP H1156234A
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JP
Japan
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cheese
squid
fibrous structure
width
length
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JP9246249A
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English (en)
Inventor
Mamoru Tomita
守 冨田
Kazuyoshi Toyama
一吉 外山
Kazuyoshi Doi
一慶 土井
Masahisa Fujimoto
雅久 藤本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Morinaga Milk Industry Co Ltd
Original Assignee
Morinaga Milk Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 さきいか様の歯応えのある食感を有するさき
いか状チーズ及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 巾1〜10mm及び長さ10〜200m
mの大きさからなる繊維状組織を有するさきいか状チー
ズ、及び繊維状組織を有するチーズに、結着防止剤をチ
ーズ100重量部に対して0.5〜2.0重量部の割合
で添加し、いか裂機により0〜25℃の温度条件下で、
巾1〜10mm及び長さ10〜200mmの大きさに切
裂き、結着防止剤をチーズ100重量部に対して0.5
〜2.0重量部の割合で再度添加することを特徴とする
破断応力差が500〜3000g.w、及び破断ひずみ
が2〜6mmであるさきいか状チーズの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、おやつ、飲酒時の
おつまみ、サラダの付け合せ等に好適な、さきいか様の
歯応えのある食感を有するさきいか状チーズ及びその製
造方法に関するものである。
【0002】なお、本明細書において、百分率(%)の
表示は、特に断りのない限り重量による値であり、破断
応力差は、幅2mm、長さ20mmのクサビ型プランジ
ャーを装着したテンシプレッサー(タケトモ社製)によ
り試料の繊維方向に対して直角な破断応力と、繊維方向
に平行な破断応力を測定し、次式により算出した値であ
る。
【0003】破断応力差=繊維方向に対して直角な破断
応力−繊維方向に平行な破断応力 また、破断ひずみは、試料をその繊維方向に対して直角
な方向でテンシプレッサーにより測定した定速圧縮開始
点から破断点に至る長さの値である。
【0004】
【従来の技術】従来、繊維状組織を有するチーズの製造
法としては、レンネットを使用するチーズ製造工程にお
いて熟成工程前のカードのpHの調整及びカードの加熱
を行なうことにより延伸性及び可撓性が付与されたチー
ズカードを延引し、該延引方向に繊維性を付与せしめ、
冷却し、ついで圧延し、該繊維を平面的かつ網目状に構
成することを特徴とする巾約5cm×長さ約20cmの
大きさのシート状の網目状組織を有するチーズの製造法
が開示されている(特公昭58−31173号公報)。
また、原料チーズ又は少量の溶融塩と安定剤とを添加し
た原料チーズを、溶融し、成型し、延引し、のち液化ガ
スを噴霧して冷却するか又は液化ガスに浸漬して冷却
し、切断し、包装することを特徴とする直径約20mm
×長さ10cmの円筒状の長期間繊維状態を維持し得る
繊維状チーズの製造法が開示されている(特開平7−1
77848号公報)。
【0005】更に、スライサー、ダイサー等の各種市販
のカッターを使用して繊維状組織を有しないチーズブロ
ックを一定の大きさ(7×7×65mm)の短冊状に切
断したチーズが市販されている(サンケイマーケティン
グ編、「素材食品´88−´89レストランユース食材
ガイド」、サンケイ新聞データシステム・マーケティン
グ事業本部発行、第181ページ、1988年10
月)。また、スライサー、ダイサー等を使用して繊維状
組織を有しないチーズブロックを一定の形状にシュレッ
ドし、必要に応じてセルロースを添加して、チーズ相互
間の面接触を小さくしたことを特徴とする結着を防止し
たシュレッドチーズが開示されている(特公平7−95
921号公報)。
【0006】また、するめをいか裂機の一種である市販
の鯣切断機により切削し、刻みするめ、いわゆるさきい
かを製造することは公知である(食品製造装置百科辞典
編纂委員会編、「食品製造装置百科辞典」、化学工業
社、第133ページ、昭和63年3月1日)。
【0007】しかしながら、これらの従来技術には、次
に記載するとおりの不都合があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】前記のとおり、従来よ
り、繊維状組織を有するチーズは公知であったが、巾約
5cm×長さ約20cmの大きさのシート状、直径約2
0mm×長さ10cmの円筒状等の形状の繊維状チーズ
が知られているのみであって、巾1〜10mm及び長さ
10〜200mmの大きさに細かく裂かれた繊維状組織
を有するさきいか状チーズについては知られていなかっ
た。従来の繊維状組織を有するチーズは、前記のとお
り、大きな塊からできており、飲酒時のおつまみ、又は
サラダの付け合せ等に使用するためには、人手で細かく
裂く必要があり、手間が掛かるとともに、一定の形状に
揃えることが困難で、見栄えが悪く、衛生上も好ましく
ないという問題点を有していた。
【0009】更に、前記のとおり、従来より、スライサ
ー、ダイサー等を使用して繊維状組織を有しないチーズ
ブロックを一定の形状に切断等したチーズが知られてい
るが、これらのチーズは、繊維状組織を有しないことか
ら、破断応力差、及び破断ひずみにおいて劣っており、
さきいか様の歯応えのある食感を有さないという問題点
を有していた。また、繊維状組織を有するチーズに、こ
れらのカッターを使用した場合、製品の切断端面は平滑
な平面状となり、その形状的な興趣に欠け、さきいか状
の毛羽だった不規則な形状の興趣に富む破断端面を得る
ことができないという問題点を有していた。更に、繊維
状組織を有するチーズのブロックをスライサー、ダイサ
ー等で切断する場合、その繊維の方向に沿って切断する
ことができないため、一定の大きさに切断できないとい
う問題点を有していた。
【0010】また、前記鯣切断機等に代表されるいか裂
機のさきいか製造のための使用条件をそのまま繊維状組
織を有するチーズに適用すると、繊維状チーズが溶融し
て繊維状組織が破壊され、一定の大きさに切断できない
のみならず、切断片相互が結着して、好ましくないとい
う欠点を有していた。
【0011】本発明者らは、前記従来技術に鑑みて、繊
維状組織を有するチーズに、結着防止剤をチーズ100
重量部に対して0.5〜2.0重量部の割合で添加し、
いか裂機により0〜25℃の温度条件下で、巾1〜10
mm及び長さ10〜200mmの大きさに切裂き、結着
防止剤をチーズ100重量部に対して0.5〜2.0重
量部の割合で再度添加することにより、破断応力差が5
00〜3000g.w、及び破断ひずみが2〜6mmで
あるさきいか様の歯応えのある食感を有するさきいか状
チーズが製造できることを見い出した。
【0012】本発明の目的は、従来の欠点を解消したさ
きいか様の歯応えのある食感を有するさきいか状チーズ
及びその製造方法を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決する本発
明の第一の発明は、巾1〜10mm及び長さ10〜20
0mmの大きさからなる繊維状組織を有するさきいか状
チーズであり、破断応力差が500〜3000g.w、
及び破断ひずみが2〜6mmであることを望ましい態様
としてもいる。
【0014】前記課題を解決する本発明の第二の発明
は、繊維状組織を有するチーズに、結着防止剤をチーズ
100重量部に対して0.5〜2.0重量部の割合で添
加し、いか裂機により0〜25℃の温度条件下で、巾1
〜10mm及び長さ10〜200mmの大きさに切裂
き、結着防止剤をチーズ100重量部に対して0.5〜
2.0重量部の割合で再度添加することを特徴とする破
断応力差が500〜3000g.w、及び破断ひずみが
2〜6mmであるさきいか状チーズの製造方法であり、
結着防止剤が結晶セルロースであることを望ましい態様
としてもいる。
【0015】
【発明の実施の形態】次に、本発明について詳述する。
【0016】本発明の理解を容易にするために、最初に
本発明の第二の発明から説明する。
【0017】本発明の方法の出発原料としては、前記従
来の技術の項において記載した特公昭58−31173
号公報、特開平7−177848号公報等に記載の公知
方法により製造されるシート状、円筒状等の形状の大き
な塊からなる各種繊維状組織を有するチーズを使用する
ことができる。具体的には、繊維状組織を有するチーズ
は、後記する参考例に示した方法で調製することができ
る。
【0018】本発明の方法に使用される結着防止剤は、
食品に許容されるものであれば特に限定されることはな
いが、レシチン、粉末油脂(例えば大豆硬化油)、多糖
類粉末(例えばジェランガム、カードラン)等が望まし
く、特に結晶セルロースが望ましい。
【0019】本発明の方法に使用される結着防止剤を、
いか裂機を使用した切裂工程の前後に、それぞれチーズ
100重量部に対して0.5〜2.0重量部の割合で添
加することにより、チーズ切裂が円滑に実施でき、切断
片相互が結着するという問題点も解決され、一定の大き
さに切断することができる。
【0020】本発明の方法に使用されるいか裂機は、一
般にさきいか製造に使用されている装置であって、原料
を一定方向性を保持して固定する圧搾機を有し、原料を
一定方向に削りとるか又は切り裂くための刃を有する装
置であれば特に限定されず、鯣切断機、いかこがね裂機
(八木産業社製)等が例示できる。
【0021】本発明の方法に使用されるいか裂機を使用
して、圧搾機により、原料となる繊維状組織を有するチ
ーズを、その繊維の方向と鉤状の切裂刃の方向が平行と
なる方向で保持して固定し、0〜25℃の温度条件下
で、巾1〜10mm及び長さ10〜200mmの大きさ
に切裂くことにより、チーズ切裂が円滑に実施でき、繊
維状チーズが溶融して繊維状組織が破壊されるという問
題点も解決され、さきいか状の毛羽だった不規則な形状
の興趣に富む破断端面を有するさきいか状チーズを製造
することができる。
【0022】なお、さきいか状チーズの巾はさきいか状
チーズの横断面の最大巾を意味し、さきいか状チーズの
横断面は、円形、楕円形、多角形の各種形状の断面を形
成する。
【0023】前記方法により製造されたさきいか状チー
ズは、後記する実施例からも明らかなとおり、巾1〜1
0mm及び長さ10〜200mmの大きさからなり、そ
の破断応力差が500〜3000g.w、及び破断ひず
みが2〜6mmである。なお、破断応力差が500g.
w未満ではさきいか様の繊維性の歯応えが得られず、3
000g.wを超えると繊維性の食感が強すぎて好まし
くない。また、破断ひずみが2mm未満では弾力性に乏
しく、6mmを超えると弾力性が強すぎて好ましくな
い。
【0024】即ち、本発明のさきいか状チーズは、前記
のとおりの物性を有することにより、さきいか様の歯応
えのある食感を有し、おやつ、飲酒時のおつまみ、又は
サラダの付け合せに好適である。
【0025】更に、さきいか状チーズを燻煙処理等を行
うこと、又はさきいか状チーズの原料に適宜各種フレー
バー若しくは粘弾性を増強するカゼイン、アルブミン等
を添加することもできる。風味の面からも一層さきいか
に近似できることから、フレーバーとして原料にイカフ
レーバー又はイカ墨を添加することが特に好ましい。
【0026】また、さきいか状チーズに流動乾燥、マイ
クロ波真空乾燥等の乾燥処理を実施することにより、破
断応力差、及び破断ひずみ等の物性を改善し、さきいか
の歯応えに一層近似させることが望ましい。
【0027】次に試験例を示して本発明を詳記するが、
本発明においては、次の試験方法を採用した。
【0028】(1)各試料の破断応力及び破断ひずみの
測定法 破断応力及び破断ひずみの測定は、前記のとおり、一定
の大きさ(一辺の長さが6mmの立方体)に切断した試
料に対して、幅2mm、長さ20mmのクサビ型プラン
ジャーを装着したテンシプレッサー(タケトモ社製)を
使用して、定速圧縮破断速度120mm/minの条件
で実施した。
【0029】(2)各試料の破断応力差の算出法 各試料の破断応力差の算出は、前記方法で測定した各試
料の繊維方向に対して直角な破断応力と、繊維方向に平
行な破断応力を用いて、前記のとおり、次式により算出
した。 破断応力差=繊維方向に対して直角な破断応力−繊維方
向に平行な破断応力
【0030】(3)各試料の食感試験方法 一定の大きさ(巾10mm×長さ100mmで横断面が
正方形)の試料を使用して、20歳から40歳までの男
女各20人のパネルにより官能的に試験し、食感良好
(0点)、食感やや良(1点)、食感やや不良(2
点)、食感不良(3点)の4段階に評価し、評価点の平
均値から、0.5点未満を良、0.5点以上1.5点未
満をやや良、1.5点以上2.5点未満をやや不良、及
び2.5点以上3.0点未満を不良と判定した。
【0031】試験例1 この試験は、従来品と比較して本発明のさきいか状チー
ズが優れていることを示すために行った。
【0032】(1)被検試料の調製 次に示す3種類の試料を調製した。 試料1:巾10mm×長さ100mmで横断面が正方形
の市販の短冊状チーズ(森永乳業社製) 試料2:実施例1と同一の方法により調製された巾10
mm×長さ100mmで横断面が正方形の本発明のさき
いか状チーズ。 試料3:巾10mm×長さ100mmで横断面が正方形
に切断されたソフトさきいか(市販A社製) (2)試験方法 各試料の破断応力差の評価、破断ひずみの評価、及び食
感を、いずれも前記の試験方法により試験した。
【0033】(3)試験結果 この試験の結果は、表1に示すとおりである。表1から
明らかなとおり、本発明のさきいか状チーズ(試料2)
は、従来市販の短冊状チーズ(試料1)に比較して、破
断応力差、及び破断ひずみの全てにおいて優れており、
良好な食感を有することが確認された。また、本発明の
さきいか状チーズ(試料2)は、ソフトさきいか(試料
3)と比較して、破断応力差が近似し、破断ひずみにお
いて優れており、良好な食感を有することが確認され
た。
【0034】なお、被検試料の大きさを適宜変更して試
験したが、ほぼ同様の結果が得られた。
【0035】
【表1】
【0036】試験例2 この試験は、チ−ズ片のブロッキング率を指標として、
さきいか状チーズの製造方法における結着防止剤の添加
条件を調べるために行った。
【0037】(1)被検試料の調製 表2に示すとおり、製造工程における結着防止剤(結晶
セルロース)の添加時期及び添加量を変更したことを除
き、実施例1と同一の方法により、13種類のさきいか
状チーズ試料を調製した。
【0038】(2)試験方法 各試料の結着チーズの重量を測定し、次の式によりチ−
ズ片のブロッキング率を求めた。 ブロッキング率(%)=結着チーズの重量/(全チーズ
重量200g)×100
【0039】(3)試験結果 この試験の結果は、表2に示すとおりである。なお、表
中の結着防止剤の添加量はチーズ100重量部に対して
添加される結着防止剤の割合(重量部)で示した。
【0040】表2から明らかなとおり、いか裂機を使用
した場合に、チーズ切断片相互の結着を防止し、ざらつ
きのない良好な食感を維持して一定の大きさのさきいか
状チーズを製造するためには、いか裂機を使用した切裂
工程の前後に、それぞれチーズ100重量部に対して
0.5〜2.0重量部の割合で添加することが必要であ
ることが判明した。
【0041】なお、出発原料である繊維状組織を有する
チーズの種類又は結着防止剤の種類を適宜変更して試験
したが、ほぼ同様の結果が得られた。
【0042】
【表2】
【0043】試験例3 この試験は、破断応力差、破断ひずみ、チーズの溶融状
態、及びチーズの破断端面の状態を指標として、さきい
か状チーズの製造方法における切裂工程の温度条件を調
べるために行った。
【0044】(1)被検試料の調製 表3に示すとおり、いか裂機を使用した切裂工程の温度
を変更したことを除き、実施例1と同一の方法により、
7種類のさきいか状チーズ試料を調製した。
【0045】(2)試験方法 各試料の破断応力差の評価、及び破断ひずみの評価を、
いずれも前記の試験方法により試験した。
【0046】なお、各試料のチーズの溶融状態、及びチ
ーズの破断端面の状態は肉眼観察により次の方法で評価
した。
【0047】(a)チーズの溶融状態の評価方法 無作為に各試料毎にチーズ片10片を抽出し、10片中
5片以上に溶融が認められる場合に不良、10片中1乃
至4片に溶融が認められる場合にやや不良、及び10片
中全てに溶融が認められない場合には、良好と判定し
た。
【0048】(b)チーズの破断端面の状態の評価方法 無作為に各試料毎にチーズ片10片を抽出し、チーズの
破断端面の状態に応じて、10片中5片以上の破断端面
が平滑と認められる場合に不良、10片中1乃至4片の
破断端面が平滑と認められる場合にやや不良、及び10
片中全ての破断端面が平滑と認められず不規則な形状を
示す場合には、良好と判定した。
【0049】(3)試験結果 この試験の結果は、表3に示すとおりである。表3から
明らかなとおり、破断応力差の評価、破断ひずみの評
価、チーズの溶融状態の評価、及びチーズの破断端面の
状態の評価の全てにおいて優れているさきいか状チーズ
を製造するためには、いか裂機を使用した切裂工程の温
度を0〜25℃とすることが必要であることが判明し
た。
【0050】なお、出発原料である繊維状組織を有する
チーズの種類を適宜変更して試験したが、ほぼ同様の結
果が得られた。
【0051】
【表3】
【0052】なお、各実施例で出発原料として使用する
繊維状組織を有するチーズは以下の参考例と同一の方法
により調製した。
【0053】参考例1 モザレラチーズ(ニュージーランド・デイリーボード
製)18kg及びゴーダチーズ[オランダ・デー・エム
・ブイ(DMV)社製]9kgの混合物に、溶融塩(ヨ
ハ(JOHA)社製)0.03kg及び安定剤としてキ
サンタンガム(三栄源エフ・エフ・アイ社製)0.03
kgを添加し、ケトル型乳化機(クスナー社製)を使用
して80℃に加熱し、90rpmで攪拌しながら同温度
にて5分間保持して溶融し、ポンプ(トーワテクノ社
製)を使用して直径50mmの円筒状に押出して成型
し、引き延ばし機[ディマ(DIMA)社製]により直
径20mmに延引し、液化ガス噴霧装置を使用して10
秒間液体窒素を噴霧して冷却し、10cmの長さに切断
し、直径11.5cmのストンローラー一対よりなる二
段式ストンローラー(クストナー社製)のローラー間隙
を調節し、ローラー周速度8m/minで厚さ7mmに
圧延し、幅約5cm×長さ約6cmの大きさの繊維状組
織を有するチーズ約30kgを得た。
【0054】参考例2 モザレラチーズ(ニュージーランド・デイリーボード
製)18kg及びゴーダチーズ[オランダ・デー・エム
・ブイ(DMV)社製]9kgの混合物に、溶融塩(ヨ
ハ(JOHA)社製)0.03kg、安定剤としてキサ
ンタンガム(三栄源エフ・エフ・アイ社製)0.03k
g、イカエキス(三栄源エフ・エフ・アイ社製)0.0
2kg、及びイカフレーバー(三栄源エフ・エフ・アイ
社製)0.01kgを添加し、ケトル型乳化機(クスナ
ー社製)を使用して80℃に加熱し、90rpmで攪拌
しながら同温度にて5分間保持して溶融し、ポンプ(ト
ーワテクノ社製)を使用して直径50mmの円筒状に押
出して成型し、引き延ばし機[ディマ(DIMA)社
製]により直径20mmに延引し、液化ガス噴霧装置を
使用して10秒間液体窒素を噴霧して冷却し、10cm
の長さに切断し、直径11.5cmのストンローラー一
対よりなる二段式ストンローラー(クストナー社製)の
ローラー間隙を調節し、ローラー周速度8m/minで
厚さ7mmに圧延し、幅約5cm×長さ約6cmの大き
さの繊維状組織を有するイカ風味チーズ約30kgを得
た。
【0055】次に実施例を示して本発明を更に詳記する
が、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0056】
【実施例】
実施例1 参考例1で製造された繊維状組織を有するチーズ20k
gに、結晶セルロース(旭化成社製)200gを粉体自
動計量混合装置(アレンジャパン社製)を使用して添加
し、均一に混合し、いかこがね裂機(八木産業社製)の
原料台上の圧搾機により、この結晶セルロースが均一に
まぶされた繊維状組織を有するチーズを、その繊維の方
向と鉤状の切裂刃の方向が平行となる方向で保持して固
定し、15℃の温度条件下で、巾10mm及び長さ10
0mmの大きさに切裂き、これに再度結晶セルロース
(旭化成社製)200gを粉体自動計量混合装置(アレ
ンジャパン社製)を使用して添加し、均一に混合し、さ
きいか状チーズ約20kgを得た。
【0057】製造されたさきいか状チーズは、巾10m
m及び長さ100mmで横断面が正方形のほぼ均一な大
きさからなる繊維状組織を有するさきいか状チーズであ
り、その破断応力差は1180g.w、及び破断ひずみ
は4.4mmであり、さきいか状の毛羽だった不規則な
形状の興趣に富む破断端面を有し、さきいか様の歯応え
のある良好な食感を有するチーズであった。
【0058】実施例2 出発原料として参考例1で製造された繊維状組織を有す
るチーズに変えて参考例2で製造された繊維状組織を有
するイカ風味チーズ20kgを使用することを除き、実
施例1と同一の方法でイカ風味さきいか状チーズを製造
した。
【0059】製造されたイカ風味さきいか状チーズは、
巾10mm及び長さ100mmで横断面が正方形のほぼ
均一な大きさからなる繊維状組織を有するさきいか状チ
ーズであり、その破断応力差は1101g.w、及び破
断ひずみは5.2mmであり、さきいか状の毛羽だった
不規則な形状の興趣に富む破断端面を有し、イカに近似
した風味を有するさきいか様の歯応えのある良好な食感
を有するチーズであった。
【0060】実施例3 参考例1で製造された繊維状組織を有するチーズ20k
gに、粉末油脂(TP−9:日本油脂社製)100gを
粉体自動計量混合装置(アレンジャパン社製)を使用し
て添加し、均一に混合し、いかこがね裂機(八木産業社
製)の原料台上の圧搾機により、この結晶セルロースが
均一にまぶされた繊維状組織を有するチーズを、その繊
維の方向と鉤状の切裂刃の方向が平行となる方向で保持
して固定し、15℃の温度条件下で、巾10mm及び長
さ100mmの大きさに切裂き、これに再度粉末油脂
(TP−9:日本油脂社製)200gを粉体自動計量混
合装置(アレンジャパン社製)を使用して添加し、均一
に混合し、さきいか状チーズ約20kgを得た。
【0061】次いで、得られたさきいか状チーズ20k
gを流動乾燥機(大川原製作所社製)に入れ、温度10
℃で乾燥を開始し、30分間に徐々に昇温し、温度20
℃で12時間乾燥し、乾燥さきいか状チーズ約15kg
を得た。
【0062】製造された乾燥さきいか状チーズは、巾9
mm及び長さ100mmで横断面が正方形のほぼ均一な
大きさからなる繊維状組織を有するさきいか状チーズで
あり、その破断応力差は2001g.w、及び破断ひず
みは2.9mmであり、さきいか状の毛羽だった不規則
な形状の興趣に富む破断端面を有し、一層さきいか様の
歯応えに近似した良好な食感を有するチーズであった。
【0063】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明はさきいか
状チーズ及びその製造方法に関するものであり、本発明
により奏せられる効果は次のとおりである。 1)さきいか状の毛羽だった不規則な形状の興趣に富む
破断端面を有するさきいか状チーズを製造することがで
きる。 2)一定の大きさで、見栄えが良く、衛生上も好ましい
さきいか状チーズを製造することができる。 3)破断応力差が500〜3000g.w、及び破断ひ
ずみが2〜6mmであるさきいか様の歯応えのある食感
を有するさきいか状チーズを製造することができる。 4)巾1〜10mm及び長さ10〜200mmの大きさ
からなり、おやつ、飲酒時のおつまみ、又はサラダの付
け合せに好適なさきいか状チーズを製造することができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤本 雅久 神奈川県座間市東原5−1−83 森永乳業 株式会社食品総合研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 巾1〜10mm及び長さ10〜200m
    mの大きさからなる繊維状組織を有するさきいか状チー
    ズ。
  2. 【請求項2】 さきいか状チーズが、500〜3000
    g.w、の破断応力差及び2〜6mmの破断ひずみを有
    する請求項1に記載のさきいか状チーズ。
  3. 【請求項3】 繊維状組織を有するチーズに、結着防止
    剤をチーズ100重量部に対して0.5〜2.0重量部
    の割合で添加し、いか裂機により0〜25℃の温度条件
    下で、巾1〜10mm及び長さ10〜200mmの大き
    さに切裂き、結着防止剤をチーズ100重量部に対して
    0.5〜2.0重量部の割合で再度添加することを特徴
    とする破断応力差が500〜3000g.w、及び破断
    ひずみが2〜6mmであるさきいか状チーズの製造方
    法。
  4. 【請求項4】 前記結着防止剤が、結晶セルロースであ
    る請求項3に記載のさきいか状チーズの製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011019453A (ja) * 2009-07-16 2011-02-03 Matsutani Chem Ind Ltd チーズ用結着防止剤及びチーズ含有食品
JP2013530718A (ja) * 2010-07-22 2013-08-01 ホッホラント ソシエタス エウロペア 繊維状粘性食品塊の均質化方法及び装置
JP2020162422A (ja) * 2019-03-28 2020-10-08 森永乳業株式会社 チーズ含有食品及び該チーズ含有食品の製造方法

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