JP5948255B2 - 網状の乳を主成分とする生成物 - Google Patents

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Description

本発明は、網状の乳を主成分とする生成物を製造する方法、ならびに前記の方法により得られる網状の乳を主成分とする生成物に関する。さらに、本発明は、チーズ生成物などのように、乳を主成分とする生成物の絡み合う糸を含む、網状の乳を主成分とする生成物に関する。
天然の黄色いタイプのチーズ、例えばゴーダチーズなどは、低温殺菌した雌牛の乳を原料とし、乳酸を産生する微生物スターター培養物などの酸性化剤をチーズミルクに加えることで、従来、製造されてきた。凝固乳を得るために、カゼイン沈殿酵素であるレンネットをチーズミルクに添加することもあり、得た凝固乳をカットして攪拌し、加熱してチーズカードにする。
チーズカードをまとめてプレスし、凝集性のある(coherent)チーズ塊に形成される。凝集性のあるチーズ塊を1日間、水中で冷却し、その後、1日間、塩水に浸す。やがてチーズ塊は所定の期間をかけて熟成する。熟成期間はチーズのタイプによって異なる。所望の風味、テクスチャおよび外見を呈するようになったら、そのチーズは販売可能になる。例えばゴーダチーズの製造の場合、熟成期間は30日から最高では15ヶ月以上に及ぶ。
天然の黄色いタイプのチーズの製造は、主に熟成期間が長期であることが原因で、非常に時間を消費するが、本発明の発明者らは、パスタ・フィラータの製造で従来、用いられている装置を使用することにより、滑らかでクリーミーなコンシステンシーおよび任意の所望の味を有する天然のチーズ生成物を、極めて短時間で得られることを発見した。なぜなら、このチーズ生成物は熟成させる必要がないからである。本工程は、PCT出願PCT/DK2008/000056で開示されている。
PCT/DK2008/000056で開示された工程で得たナチュラルチーズ生成物(ナチュラルチーズ生成物:NCP)は、「ブラインド」ナチュラルチーズ生成物、すなわち、視認可能かつ微細な孔がほとんど存在しない、または極めて限られた量存在するチーズである。
従来の天然の黄色いタイプのチーズおよび上で開示されたブラインドナチュラルチーズ生成物は、チーズのテクスチャが原因で、重く、脂っぽい触感および味がすることがある。このため、軽いテクスチャのナチュラルチーズ生成物を提供するために、チーズのボディを開くことが望まれる。
従来、天然の黄色いタイプのチーズの構造中の孔は、チーズの熟成期間中にガスを産生するクエン酸塩および乳糖を発酵する菌により形成される。これらの孔は数、分布、大きさおよび形状にばらつきがある場合もある。菌により産生されるCOがチーズ内に存在する微細孔に閉じ込められているとき、孔が形成される。微細孔はCO量の増加とともに成長し、したがってチーズのボディを開いていく。孔の望ましい数、大きさ、分布および形状は、製造するチーズのタイプのみによって決まるが、非対称な形状および長い裂け目の欠陥がある異常な孔は慮外である。ガスを産生する菌は、基質がチーズ中に存在する限り、COを産生し続ける。
PCT/DK2008/000056に開示されたもののようなNCP(ナチュラルチーズ生成物)においては、孔形成に微生物を利用することはできない。ブラインドナチュラルチーズ生成物には微細孔がないため、添加した微生物により産生されるガスをチーズが吸収できず、したがって構造が極めてコンパクトになり、消費者からの評価が低下する。
ゴムのような繊維状組織を有するパスタ・フィラータタイプのチーズ(モツァレラなど)に関しては、これらのチーズは溶融してから使うものなので、軽いテクスチャのチーズを提供する必要は存在しなかった。溶融したチーズでは、それ以前の構造は重要性がない。
したがって、当業では、軽いテクスチャで、低カロリーの製品を求める現代の消費者および熟成/成熟期間を必要としない製品を製造することで、貯蔵容量を制限することを望む業者の両方のニーズを同時に満足する、乳を主成分とする生成物を提供する必要が存在する。
驚くべきことに、乳を主成分とする生成物を本発明で開示される方法にかけることにより、網状の乳を主成分とする生成物を得られることが明らかになった。
本発明で開示される方法を使うことにより、得られる網状の乳を主成分とする生成物の外観および食感は、重く、脂っぽい外観を有する従来の天然の黄色いタイプのチーズおよびナチュラルチーズ生成物(NCP)に比較して、大幅に向上する。この結果、従来の天然の黄色いタイプのチーズおよびブラインドナチュラルチーズ生成物に比べて、網状の乳を主成分とする生成物は、感覚およびマーケティングの点で有利になる。軽く、それほどコンパクトでないテクスチャは、網状の乳を主成分とする生成物の視覚面および網状の乳を主成分とする生成物の味の両方を向上し、同時に、生成物の一部が空気で置き換えられるため、1回分当たりの脂肪摂取量の低減にも通じる。
さらに、網状の乳を主成分とする生成物は成熟させる必要がないため、貯蔵容量の必要を大幅に減らすことができる。したがって、生成物を成熟させる必要がないため、網状の乳を主成分とする生成物は極めて短時間で製造できる。製造直後に、生成物は消費できる状態になる。
したがって、軽いテクスチャを有する網状の乳を主成分とする生成物を、本発明の方法により得ることができる。
したがって、本発明の1つの態様は、(a)乳を主成分とする生成物を押出工程にかけて、乳を主成分とする生成物の糸を得る工程と(b)前記の糸を構造化して、網状の乳を主成分とする生成物を得る工程とを含む、網状の乳を主成分とする生成物を製造する方法に関する。
本発明のもう1つの態様は、本方法により得られる網状の乳を主成分とする生成物に関する。
本発明のさらにもう1つの態様は、乳を主成分とする生成物の絡み合う糸から成る網状の乳を主成分とする生成物の規定に関する。
網状の乳を主成分とする生成物を製造する方法の工程系統図である。 NPCを主成分とする網状生成物の非配向微細ミクロ構造とモツァレラタイプ生成物の繊維構造とのミクロ構造の違いを示す図である。 ナチュラルチーズ生成物からの糸1本を立体顕微鏡で見た図である。 網状の乳を主成分とする生成物の密度を測定する方法を示す図である。 網状組織の構造の例を示す図である。 pHによって決まる糸構造の違い(例2)を示す図である。 単一層のシートとして見た網状の乳を主成分とする生成物の例である。
以下で、本発明をより詳細に記述する。
定義
本文脈において、「網状の乳を主成分とする生成物」という用語は、乳を主成分とする生成物の絡み合った複数の個別糸から成る凝集性網状組織に関する。「網状の乳を主成分とする生成物」という用語は、マクロレベル、すなわち、乳を主成分とする生成物から成る凝集性網状組織の形態を視覚的に有する乳を主成分とする生成物として理解されるべきである。したがって、本発明による「網状の乳を主成分とする生成物」には、乳を主成分とする生成物の絡み合った複数の個別糸が含まれている。ここで、前記の糸の直径は4mm未満である。
本発明において、「シート形態」という用語は、乳を主成分とする生成物の絡み合う複数の個別糸から成る、ほぼ平坦および/または薄く延伸した凝集性網状組織として理解されるべきである。
「複数の絡み合う糸」は、乳を主成分とする生成物の2本またはそれ以上の個別糸として理解されるべきである。
本文脈において、「乳を主成分とする生成物の凝集性網状組織」という用語は、網状組織中のほぼ全部の糸が網状組織内の他の糸と接触している、乳を主成分とする生成物の絡み合った複数の個別糸から成る網状組織として理解されるべきである。前記の接触は2本の糸の交差点であることもあり得る。
本文脈において、「乳を主成分とする生成物」という用語は、全体または一部が乳に由来する成分から成る生成物として理解されるべきである。複数の成分を組み合わせて、押出成形に適した粘着性のある塊にしてもよい。あるいは、複数の成分を組み合わせて、加熱および押出成形することが可能な粘着性のある主成分に形成してもよい。
本文脈において、「構造化」という用語は、マクロレベル、すなわち、乳を主成分とする生成物の複数の個別糸の構造化を視覚的に確認可能な工程として理解されるべきである。したがって、本発明によれば、「構造化」は、押出に続き、乳を主成分とする生成物の複数の個別糸が絡み合って、網状組織、すなわち「網状の乳を主成分とする生成物」となることに関係する。
本文脈において、「モツァレラタイプのチーズ生成物」という用語は、基本的に長鎖の平行配向性繊維状タンパク質構造から成る乳を主成分とする生成物として理解されるべきである。「モツァレラタイプのチーズ生成物」は、通常、乳を主成分とする生成物を(i)(例えば、温水または蒸気による)加熱工程にかけた後、(ii)延伸工程にかける方法により製造される。「モツァレラタイプのチーズ生成物」における平行配向性繊維状タンパク質構造は、タンパク質にかけられた応力(加熱とそれに続く延伸)の結果である。
本文脈において、「モツァレラではないタイプのチーズ生成物」という用語は、「モツァレラタイプのチーズ生成物」としての特徴を持たない乳を主成分とする生成物として理解されるべきである。
本文脈において、「糸」という用語は、乳を主成分とする生成物の細いストリング、スレッド、ストランドまたは線として理解されるべきである。
本文脈において、「ナチュラルチーズ生成物(NCP)」という用語は、乳化塩を使わずに製造されるチーズ生成物として理解されるべきである。「乳化塩」という用語は、タンパク質を分解して、脂肪、タンパク質および水を均一で滑らかな塊にまとめるためにチーズに添加する塩を意味する。乳化塩の主要なカテゴリーはクエン酸塩およびリン酸塩であり、例えば、クエン酸ナトリウム、オルトリン酸塩およびポリリン酸塩がある。他の種類の塩、例えば、乳酸ナトリウムおよび酒石酸ナトリウムなども、乳化塩として使用されてきたが、それらはクエン酸塩およびリン酸塩ほど魅力がない。
本文脈において、「リコンバインド・チーズ生成物」という用語は、水を添加または添加せずに、乳脂肪分および無脂乳固形分を組み合わせることから生じる乳生成物として理解されるべきである。この組合せは、生成物所定の脂肪分対固形分比率および固形分対水分比率を確立しなおすために作られることが望ましい。
本文脈において、「プロセスチーズ生成物」という用語は、タンパク質を分解して、脂肪、タンパク質および水を均一で滑らかな塊にまとめるために、溶融塩を添加したチーズとして理解されるべきである。プロセスチーズは英国では時としてチーズフード、調製チーズまたはチーズスライスとして知られる。米国では、アメリカンチーズという名称が最も一般的である。
乳化塩の2つの主要なカテゴリーは、クエン酸塩およびリン酸塩であり、例えば、クエン酸ナトリウム、オルトリン酸塩およびポリリン酸塩がある。他の種類の塩、例えば、乳酸ナトリウムおよび酒石酸ナトリウムなども、乳化塩として使用され得る。プロセスチーズは、生成物のコンシステンシーを調節するために溶融塩以外の成分、例えば、親水コロイドを含むこともある。
本文脈において、「フレッシュチーズ生成物」という用語は、限外濾過した濃縮物または熟成していないチーズまたはチーズの凝固物など、乳を主成分とする、レンネットを加えた凝固物として理解されるべきである。
本文脈において、「熟成チーズ生成物」という用語は、KosikowskiおよびMistry(1997)が記述したように、熟成により風味を発現したチーズとして理解されるべきである。
本文脈において、「アナログチーズ生成物」という用語は、乳脂肪分の一部を植物油で置換するか、または無脂乳固形分の一部を乳以外の成分で置換した、リコンバインド・チーズ生成物として理解されるべきである。
本文脈において、「密度」という用語は、原料(網状の乳を主成分とする生成物など)中の空隙の測定値として理解されるべきであり、全容量における空隙の割合である。
本発明に従う実施形態において、網状の乳を主成分とする生成物に存在する空隙は、ほぼ均一に分布する。
網状の乳を主成分とする生成物を製造する方法
1つの態様において、本発明は、以下の工程を含む、網状の乳を主成分とする生成物を製造する方法に関する:
(a)乳を主成分とする生成物を押出工程にかけて、乳を主成分とする生成物の糸を得る工程および
(b)前記の糸を構造化して、網状の乳を主成分とする生成物を得る工程。
好ましい実施形態において、本発明は、以下の工程を含む、網状の乳を主成分とする生成物を製造する方法に関する:
(a)乳を主成分とする生成物を押出工程にかけ、乳を主成分とする生成物の複数の個別糸を得る工程および
(b)前記の複数の個別糸を構造化し、乳を主成分とする生成物の複数の個別糸が絡み合った凝集性網状組織から成る、網状の乳を主成分とする生成物を得る工程であり、ここで乳を主成分とする生成物の複数の個別糸は直径が4mm未満であり、網状の乳を主成分とする生成物の密度は1.0g/cm未満であることを特徴とする工程。
もう1つの実施形態において、本発明は、以下の工程を含む、網状の乳を主成分とする生成物を製造する方法に関する:
(a)乳を主成分とする生成物を押出工程にかけ、乳を主成分とする生成物の複数の個別糸を得る工程および
(b)乳を主成分とする生成物の前記の複数の個別糸を構造化し、乳を主成分とする生成物の複数の個別糸が絡み合った、シート形態の凝集性網状組織から成る、網状の乳を主成分とする生成物を得る工程であり、ここで乳を主成分とする生成物の複数の個別糸は直径が4mm未満であり、網状の乳を主成分とする生成物の密度は1.0g/cm未満とすることを特徴とする工程。
ある実施形態において、網状の乳を主成分とする生成物は、乳を主成分とする生成物の絡み合った複数の個別糸から成る凝集性網状組織であり得る。好ましくは、乳を主成分とする生成物の絡み合った複数の個別糸から成る、シート形態の凝集性網状組織である。
従来の技術の問題を克服するため、すなわち、パスタ・フィラータタイプのチーズの持つゴムのような繊維状組織を避けるためには、乳を主成分とする生成物はモツァレラではないタイプのチーズ生成物であることが望ましい。モツァレラではないタイプのチーズ生成物を使うと、乳を主成分とする生成物の非配向性微細構造により、網状の乳生成物の食感は大幅に向上する。
網状の乳を主成分とする生成物を製造する方法において、出発原料は当業で公知の従来の方法で製造される様々な種類の乳を主成分とする生成物とすることができる。したがって、得るべき網状の乳を主成分とする生成物に応じて、乳を主成分とする生成物(すなわち、出発原料)を変えることができる。
1つの実施形態において、出発原料、すなわち乳を主成分とする生成物は、NCP(ナチュラルチーズ生成物)、リコンバインド・チーズ、プロセスチーズ、フレッシュチーズ生成物と熟成チーズ生成物との混合、アナログチーズ生成物およびこの組合せ/混合物から成る群から選択される。さらに、冷凍または冷蔵保管されていた非熟成のチーズカードを使うこともできる。
混合した網状の乳を主成分とする生成物を提供するために、1個または複数(例えば2個以上、例えば3個以上、例えば4個以上、例えば5個以上など)の乳を主成分とする生成物を押出成形してもよいことを理解されるべきである。複数の種類の乳を主成分とする生成物の組合せは、出来上がる網状の乳を主成分とする生成物の味、テクスチャおよび/または1回分当たりの脂肪摂取量を調整する目的で使用することもできる。
好ましい実施形態において、1つまたは2個以上(例えば3個以上、例えば4個以上、例えば5個以上など)の乳を主成分とする生成物は種類が異なる。1つまたは複数(例えば2個以上、例えば3個以上、例えば4個以上、例えば5個以上など)の乳を主成分とする生成物の押出成形を、異なる押出機および押出機のヘッドを使って同時に実行することもできる。
バラエティ豊かな網状の乳を主成分とする生成物を生成するために、乳を主成分とする生成物または網状の乳を主成分とする生成物に、スパイス、肉、ペストウ、塩、ナッツ、ハーブ、果物またはそのエキス、香味料、炭水化物/タンパク質およびこの組合せと組み合わせることが好ましいこともあり得る。
1つの実施形態において、香味料は、熟成チーズ生成物の香味料またはスパイスなど、さらに風味を発現させるために、押出成形の前に乳を主成分とする生成物に添加される成分としてもよい。このような香味料の例としては、熟成チーズ、酵素改質チーズ、チーズ粉末、その他の牛乳を主成分とする呈味成分およびこれらの混合物がある。熟成チーズという用語は、KosikowskiおよびMistry(1997)が記述したように、熟成、保存処理または成熟したチーズとして理解されるべきである。熟成チーズ粉末は、噴霧乾燥工程または円筒乾燥工程を通過した熟成チーズを主成分として製造された粉末である。
香味料はチリ、胡椒、パプリカなどのスパイス、またはオレガノ、バジル、タイムなどの細かく砕いたハーブ、またはローズマリーオイルなどのエキスを含むことができる。
香味料は、乳を主成分とする生成物の最大100%までの量の熟成チーズとすることができ、例えば乳を主成分とする生成物の最大90%、例えば乳を主成分とする生成物の最大80%、例えば乳を主成分とする生成物の最大70%、例えば乳を主成分とする生成物の最大60%、例えば乳を主成分とする生成物の最大50%、例えば乳を主成分とする生成物の最大40%、例えば乳を主成分とする生成物の最大30%、例えば乳を主成分とする生成物の最大20%、例えば乳を主成分とする生成物の最大10%、例えば乳を主成分とする生成物の100〜0%の範囲内、例えば乳を主成分とする生成物の90〜10%の範囲内、例えば乳を主成分とする生成物の80〜20%の範囲内、例えば乳を主成分とする生成物の70〜30%の範囲内、例えば乳を主成分とする生成物の60〜40%の範囲、例えば乳を主成分とする生成物の50〜40%の範囲内などである。
ある実施形態において、乳を主成分とする生成物は熟成チーズを20〜40%の範囲で含む。
好ましい実施形態において、乳を主成分とする生成物は熟成チーズを30%含む。
同時に、(i)出来上がる網状の乳を主成分とする生成物の1回分当たりのカロリー摂取量を低減させる、(ii)出来上がる網状の乳を主成分とする生成物の外観から脂っぽさを減らす、および(iii)乳を主成分とする生成物の弾性のある糸を作るために、乳を主成分とする生成物の脂肪含有量は、29%未満とすることが望ましいこともあり得る。例えば28%未満、例えば27%未満、 例えば26%未満、例えば25%未満、例えば24%未満、例えば23%未満、例えば22%未満、例えば21%未満、例えば20%未満、例えば19%未満、例えば18%未満、例えば17%未満、例えば16%未満、例えば15%未満、例えば14%未満、例えば13%未満、例えば12%未満、例えば11%未満、例えば10%未満、例えば9%未満、例えば8%未満、例えば7%未満、例えば6%未満、例えば5%未満、例えば4%未満、例えば3%未満、例えば2%未満、例えば1%未満、例えば0.01%〜29%の範囲内、例えば1%〜28%の範囲内、例えば2%〜27%の範囲内、例えば3%〜26%の範囲内、例えば4%〜25%の範囲内、例えば5%〜24%の範囲内、例えば6%〜23%の範囲内、例えば7〜22%の範囲内、例えば8%〜21%の範囲内、例えば9%〜20%の範囲内、例えば10%〜19%の範囲内、例えば11%〜18%の範囲内、例えば12%〜17%の範囲内、例えば13%〜16%の範囲内、例えば14%〜15%の範囲内、例えば6%〜10%の範囲内などである。
好ましい実施形態において、乳を主成分とする生成物の脂肪含有量は6%〜10%の範囲とする。 実施例4に示すように、この特定範囲では、押出成形後にその丸い形状を維持した糸が出来上がった。
糸と糸を交差点で十分に融合させて、凝集性網状組織状乳を主成分とする生成物を得るために、押出成形前の乳を主成分とする生成物の温度は、45℃より上とすることが好ましいこともあり得、例えば46℃より上、例えば47℃より上、例えば48℃より上、例えば49℃より上、例えば50℃より上、例えば51℃より上、例えば52℃より上、例えば53℃より上、例えば54℃より上、例えば55℃より上、例えば56℃より上、例えば57℃より上、例えば58℃より上、例えば59℃より上、例えば60℃より上、例えば61℃より上、例えば62℃より上、例えば63℃より上、例えば64℃より上、例えば65℃より上、例えば66℃より上、例えば67℃より上、例えば68℃より上、例えば69℃より上、例えば70℃より上、例えば71℃より上、例えば72℃より上、例えば73℃より上、例えば74℃より上、例えば75℃より上、例えば76℃より上、例えば77℃より上、例えば78℃より上、例えば79℃より上、例えば80℃より上、例えば81℃より上、例えば82℃より上、例えば83℃より上、例えば84℃より上、例えば85℃より上、例えば86℃より上、例えば87℃より上、例えば88℃より上、例えば89℃より上、例えば90℃より上、例えば91℃より上、例えば92℃より上、例えば93℃より上、例えば94℃より上、例えば95℃より上、例えば40〜95℃の範囲内、例えば45〜90℃の範囲内、例えば50〜85℃の範囲内、例えば55〜80℃の範囲内、例えば60〜75℃の範囲内、例えば65〜70℃の範囲などである。
もう1つの好ましい実施形態において、押出成形前の乳を主成分とする生成物の温度は60℃より上、例えば60〜90℃の範囲内である。
好ましい実施形態において、押出成形前のナチュラルチーズ生成物の温度は45℃より上、例えば55〜60℃の範囲内である。
細い糸を作るためには、少なくとも1つの押出機を使って、乳を主成分とする生成物に圧力を加え、押出成形を行う。押出機は、Handtmann押出機または任意の押出機とすることができる。
したがって、押出機またはポンプ装置は、乳を主成分とする生成物の糸を得るために、1つまたは複数の細いチャネルを有する押出機のヘッドに乳を主成分とする生成物を送ってもよい。
1つの実施形態において、押出機のヘッドは可動式である。
驚くべきことに、向上した食感および軽くて、従来よりコンパクトでない構造を有する網状の乳を主成分とする生成物を得ることが可能であることが明らかになった。そのような網状の乳を主成分とする生成物を得るには、糸の直径は4mm未満とすることが好ましいこともあり得る。例えば3.5mm未満、例えば3mm未満、例えば2.5mm未満、例えば2mm未満、例えば1.5mm未満、例えば1mm未満、例えば0.5mm未満、例えば0.1〜4mmの範囲内、例えば0.2〜3.5mmの範囲内、例えば0.3〜3mmの範囲内、例えば0.4〜2.5mmの範囲内、例えば0.5〜2mmの範囲内、例えば0.6〜1.9mmの範囲内、例えば0.7〜1.8mmの範囲内、例えば0.8〜1.7mmの範囲内、例えば0.9〜1.6mmの範囲内、例えば1 〜1.5mmの範囲内、例えば1.1〜1.4mmの範囲内、例えば1.2〜1.3mmの範囲内などであり、好ましくは、0.5〜2mmの範囲内である。
好ましい実施形態において、上述した方法の工程(b)における構造化は、工程(a)で得た乳を主成分とする生成物の糸を表面に落下させることで実施される。
該表面はテーブルであってよく、好ましくはエアフローテーブルである。
ある実施形態において、表面は可動式である。したがって、該表面はコンベヤベルト、振動テーブルまたはその他の可動式表面とすることができる。
糸は網、網状組織またはグリッド構造、すなわち、網状の乳を主成分とする生成物を形成できる表面上に集めてもよい。網状の乳を主成分とする生成物は糸から形成されてもよく、それらは程度の差はあれ、融解/融合している。乳を主成分とする生成物が押出時に熱すぎると、糸は融合して高すぎる温度になりやすい。したがって、糸が表面上に落下した後、十分な融解および冷却/乾燥を提供すると同時に、押出後に糸の弾力性および丸い形状を維持させることが考慮される。
得た網状の乳を主成分とする生成物のパターンは、乳を主成分とする生成物のレシピ、乳を主成分とする生成物の形成および冷却時の温度プロファイル、ならびに/または押出機のヘッドの設計および流速を調節することで調節できる。
網状の乳を主成分とする生成物の層をさらに多く組み合わせることにより、異なるパターンおよび形状を得ることもできる。
網状の乳を主成分とする生成物のパターンは、押出機の振動もしくは動きまたはコンベヤベルド上での振動もしくは動きを利用することにより変化させることもできる。押出に続いて、糸は糸の緩い束または網状になった糸の束として集めてもよい。糸と糸を分離することになっている場合は、コンベヤベルトではなく、エアフローテーブルを使用することが望ましい。
糸は型またはその他の成形工具を使って構造化することもできる。糸は断片にカットできるシートの層に構造化することもできる。したがって、もう1つの実施形態では、シート形態のとき、網状の乳を主成分とする生成物の太さは35mm以下とし、例えば0.1mm〜35mmの範囲内、例えば1mm〜34mmの範囲内、例えば2mm〜33mmの範囲内、例えば3mm〜 32mmの範囲内、例えば4mm〜 31mmの範囲内、例えば5mm〜30mmの範囲内、例えば6mm〜29mmの範囲内、例えば7mm〜28mmの範囲内、例えば8mm〜27mmの範囲内、例えば9mm〜26mmの範囲内、例えば10mm〜25mmの範囲内、例えば11mm〜24mmの範囲内、例えば12mm〜23mmの範囲内、例えば13mm〜22mmの範囲内、例えば14mm〜21mmの範囲内、例えば15mm〜20mmの範囲内、例えば16mm〜19mmの範囲内、例えば17mm〜18mmの範囲内である。
好ましい実施形態において、乳を主成分とする生成物の絡み合う複数の糸から成るシート形態の凝集性網状組織の太さは、35mm未満とし、例えば0.1mm〜35mmの範囲内、例えば1mm〜34mmの範囲内、例えば2mm〜 33mmの範囲内、例えば3mm〜32mmの範囲内、例えば4mm〜31mmの範囲内、例えば5mm〜30mmの範囲内、例えば6mm〜29mmの範囲内、例えば7mm〜28mmの範囲内、例えば8mm〜27mmの範囲内、例えば9mm〜26mmの範囲内、例えば10mm〜25mmの範囲内、例えば11mm〜24mmの範囲内、例えば12mm〜23mmの範囲内、例えば13mm〜22mmの範囲内、例えば14mm〜21mmの範囲内、例えば15mm〜20mmの範囲内、例えば16mm〜19mmの範囲内、例えば17mm〜18mmの範囲内である。
カッター装置は網状の乳を主成分とする生成物の大きさおよび形状を調節することができる。カッター装置は糸の長さを調節することができる。網状の乳を主成分とする生成物の高さは、機械的に調節することができ、これはローラーを使うことで行う可能性もある。
網状の乳を主成分とする生成物は、好ましくは、乳を主成分とする生成物の複数の絡み合う個別糸から成るシート形態の凝集性網状組織であり得る。
網状の乳を主成分とする生成物はキューブ、球体または円筒形に形成してもよい。このようなキューブ、球体または円筒形は、糸が押出機のヘッドから出た直後に形成することができる。
糸を使って10mm〜100mm寸法の網状の球体を形成することができる。
1回分当たりのカロリー摂取量を低減させることに加えて、キューブ、球体または円筒形は、非常にデコレーション性があり、これらの軽いテキスチャはサラダのようシャキっとした歯ざわりの食べ物には、完璧にマッチする。
生成物の糸を形成する間に、十分な量の糸を融解させるために、工程(a)で得た乳を主成分とする糸は、工程(b)の構造化に進む前に、冷却、加熱、コーティング、デコレーションおよび/または乾燥工程にかけられる。
好ましい実施形態において、冷却、加熱、コーティングおよび/または乾燥の工程は、乳を主成分とする生成物の糸にガス流をあてるか、または乳を主成分とする生成物の糸を放射線加熱することを含む。ガスは空気であってもよい。
上述の押出工程(a)ならびに冷却および/または乾燥工程はデコレーション工程と組み合わせることもできる。デコレーションはナッツ、スパイス、脂肪、砂糖、澱粉などの成分を使うことも考えられる。
上述した押出工程(a)ならびに冷却および/または乾燥工程は、組み合わせて1つの工程にすることもできる。
上述した押出工程(a)ならびに加熱および/または乾燥工程は、組み合わせて1つの工程にすることもできる。
冷却、加熱および/または乾燥工程は、エアフローテーブルまたは加熱/冷却プレートを使って実施してもよい。
冷却、加熱または乾燥工程を(単独または組合せで)使うことにより、糸の属性を変化させることができる。単独または組合せでこれらの工程を使うことで、糸の融解を調節してもよい。
本発明のある実施形態において、押出工程(a)は、押出に先立つ乳を主成分とする生成物の第1のpH調節(好ましくは、第1のpH調節は酸処理である)、押出に先立つ乳を主成分とする生成物の第2のpH調節(好ましくは、第2のpH調節はアルカリ処理である)、または押出に先立つ乳を主成分とする生成物の第1のpH調節および第2のpH調節を伴う。好ましくは、乳を主成分とする生成物は、押出に先立って、乳を主成分とする生成物の酸処理を受けた後、乳生成物のアリカリ処理を受ける。
本発明のある実施形態において、酸処理は、pHをpH4.0〜5.0の範囲内の値、例えばpH4.0〜5.0の範囲内、例えば約pH4.3〜4.7の範囲内、例えばpH約4.5に調節することを必要とする。
本発明のもう1つの実施形態において、酸処理は酸性成分または酸性濃縮物を添加することにより行われる。該酸性成分は、食品グレードの任意の酸、好ましくはクエン酸とすることができる。酸性濃縮物は、果実または野菜から得られる天然の濃縮物とすることができる。好ましくは、酸性濃縮物はライム、オレンジ、レモンおよびグレープフルーツなどから得る天然の濃縮物とすることができる。
本発明のさらなる実施形態において、アルカリ処理は、pHをpH5.0〜6.0の範囲内の値、例えばpH5.3〜5.7の範囲内、例えばpH約4.5に調節することを必要とする。
本発明のさらにもう1つの実施形態において、アルカリ処理は塩基を添加することにより行われる。該塩基は、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムなど、食品グレードの任意の塩基とすることができ、好ましくは水酸化ナトリウムである。
網状の乳を主成分とする生成物は包装後、冷蔵することができる。製品の保存可能期間を伸ばすためには、冷蔵が好ましい。
上で開示した方法により得られる網状の乳を主成分とする生成物
もう1つの態様において、本発明は上で開示した方法により得られる網状の乳を主成分とする生成物に関する。
網状の乳を主成分とする生成物
さらなる態様において、本発明は、個別糸の直径が4mm未満、例えば3.5mm未満、例えば3mm未満、例えば2.5mm未満、例えば2mm未満、例えば1.5mm未満、例えば1mm未満、例えば0.5mm未満、例えば0.1〜4mmの範囲内、例えば0.2〜3.5mmの範囲内、例えば0.3〜3mmの範囲内、例えば0.4〜2.5mmの範囲内、例えば0.5〜2mmの範囲内、例えば0.6〜1.9mmの範囲内、例えば0.7〜1.8mmの範囲内、例えば0.8〜1.7mmの範囲内、例えば0.9〜1.6mmの範囲内、例えば1〜1.5mmの範囲内、例えば1.1〜1.4mmの範囲内、例えば1.2〜1.3mmの範囲内であり、好ましくは、0.5〜1.5mmの範囲内であることを特徴とする、乳を主成分とする生成物の複数の絡み合った個別糸から成る凝集性網状組織を含む、網状の乳を主成分とする生成物に関する。
このような網状の乳を主成分とする生成物の外観および食感は、天然のイエロータイプのチーズおよびナチュラルチーズ生成物(NCP)などの従来のチーズ生成物と比較すると、大幅に向上する。したがって、本発明の網状の乳を主成分とする生成物は、網状の乳を主成分とする生成物の視覚面および味の両方を向上すると同時に、1回分当たりのカロリー摂取量を低減する、軽くて、従来ほどコンパクトでないテクスチャを有する。
したがって、乳を主成分とする生成物は、モツァレラではないタイプのチーズ生成物であることが好ましいこともあり得る。
1つの実施形態において、乳を主成分とする生成物は、NCP(ナチュラルチーズ生成物)、リコンバインド・チーズ、プロセスチーズ、フレッシュチーズ生成物と熟成チーズ生成物との混合、アナログチーズ生成物およびこらの組合せ/混合物から成る群から選択される。さらに、冷凍または冷蔵保存されていた非熟成のチーズカードを使うこともできる。
ある実施形態において、複数の絡み合う糸は、2本以上の個別糸である。
乳を主成分とする生成物から成る絡み合うを含む、網状の乳を主成分とする生成物の利点は、消費の前にチーズのスライスに従来、塗られてきたジャムや蜂蜜などが、絡み合う糸の間に収まるので、スライスした天然の黄色いタイプのチーズのような従来製品に塗ったときに起こる「流れ落ち」が起きないことである。
バラエティ豊かな網状の乳を主成分とする生成物を生成するためには、網状の乳を主成分とする生成物をスパイス、ハーブ、果実またはこのエキス、香味料、炭水化物/タンパク質およびこの組合せと組み合わせるか、またはそれらでコーティングすることが好ましいこともあり得る。網状の乳を主成分とする生成物は、さらに、細かく砕いたナッツ、種、ハーブおよび果実のような成分と組み合わせてもよい。
網状の乳を主成分とする生成物は、その独特の構造により、生成物の1cm当たりのカロリー摂取量を3.3kcal未満とすることができ、例えば3kcal未満、例えば2.5kcal未満、例えば2kcal未満、例えば1.9kcal未満、例えば1.7kcal未満、例えば1.5kcal未満、例えば1.3kcal未満、 例えば1.2kcal未満、例えば1.1kcal未満、例えば1kcal未満、例えば0.9kcal未満、例えば0.8kcal未満、例えば0.7kcal未満、例えば0.6kcal未満、例えば0.5kcal未満、例えば0.4kcal未満、例えば0.3kcal未満、例えば0.2kcal未満である。
好ましい実施形態において、網状の乳を主成分とする生成物の1cm当たりのカロリー摂取量は1.1kcal未満とする。
ある実施形態において、網状の乳を主成分とする生成物の1cm当たりのカロリー摂取量は、0.2〜3.2kcalの範囲内、例えば0.3〜3kcalの範囲内、 例えば0.4〜2.5kcalの範囲内、例えば0.5〜2kcalの範囲内、例えば0.6〜1.9kcal、例えば0.7〜1.7kcalの範囲内、例えば0.8〜1.5kcalの範囲内、例えば0.9〜1.3kcalの範囲内、例えば1〜1.2kcalの範囲内、例えば1〜1.1kcalの範囲内、例えば0.8〜1.2kcalの範囲内とすることができる。
カロリー摂取量は、網状の乳を主成分とする生成物の脂肪含有量および密度によって決まる.
従来のチーズ生成物と比較して、本発明は、1回分当たり(cm)のカロリー摂取量が低い網状の乳を主成分とする生成物を得ることを可能にする。
さらなる実施形態においては、網状の乳を主成分とする生成物の密度は、1g/cm未満であり、例えば0.9g/cm未満、例えば0.8g/cm未満、例えば0.7g/cm、例えば0.6g/cm未満、例えば0.5g/cm未満、例えば0.4g/cm未満、例えば0.3g/cm未満、例えば0.2g/cm未満、例えば0.1g/cm未満、例えば0.1〜1g/cmの範囲内、例えば0.2 〜 0.8g/cmの範囲内、例えば0.3〜0.7g/cmの範囲内、例えば0.4g〜0.6g/cm未満であり、好ましくは0.3〜0.6g/cmの範囲内である。
したがって、上記に基くなら、生成物が低密度であるために、味が優れ、(出発原料によっては)1回分当たりのカロリー摂取量が低い網状の乳を主成分とする生成物を提供することが可能である。
乾燥物質の含有量が高い方が、生成物はより締まったテクスチャを有するようになるため、網状の乳を主成分とする生成物の乾燥物質の含有量は、少なくとも30%とすることが好ましい場合もあり、例えば少なくとも40%、例えば少なくとも55%、例えば30〜55%の範囲内、例えば35〜50%の範囲内、例えば40〜45%の範囲内であり、好ましくは40〜50%の範囲内である。例えば親水コロイドを使って水分を結合することにより、乾燥物質の含有量を低下することが可能だが、網状の成形および形成のためには、一定の粘度が必要とされる。
消費者のニーズに適合させるためには、網状の乳製品の太さは、該製品がパンに塗られるのかどうか、または該製品が、例えばサラダに入れるために、小さなキューブ状にカットされるのかどうかにも応じて、変えることができる。
したがって、もう1つの実施形態において、網状の乳を主成分とする生成物の太さは、シート形態のときには、35mm以下であり、例えば0.1mm〜35mmの範囲内、例えば1mm〜34mmの範囲内、例えば2mm〜33mmの範囲内、例えば3mm〜32mmの範囲内、例えば4mm〜31mmの範囲内、例えば5mm〜30mmの範囲内、例えば6mm〜29mmの範囲内、例えば7mm〜28mmの範囲内、例えば8mm〜27mmの範囲内、例えば9mm〜26mmの範囲内、例えば10mm〜25mmの範囲内、例えば11mm〜24mmの範囲内、例えば12mm〜23mmの範囲内、例えば13m〜22mmの範囲内、例えば14mm〜21mmの範囲内、例えば15mm〜20mmの範囲内、例えば16mm〜19mmの範囲内、例えば17mm〜18mmの範囲内である。
好ましい実施形態において、乳を主成分とする生成物から成る複数の絡み合う糸のシート形態の凝集性網状組織の太さは、35mm未満であり、例えば0.1mm〜35mmの範囲内、例えば1mm〜34mmの範囲内、例えば2mm〜33mmの範囲内、例えば3mm〜32mmの範囲内、例えば4mm〜31mmの範囲内、例えば5mm〜30mmの範囲内、例えば6mm〜29mmの範囲内、例えば7mm〜28mmの範囲内、例えば8mm〜27mmの範囲内、例えば9mm〜26mmの範囲内、例えば10mm〜25mmの範囲内、例えば11mm〜24mmの範囲内、例えば12mm〜23mmの範囲内、例えば13mm〜22mmの範囲内、例えば14mm〜21mmの範囲内、 例えば15mm〜20mmの範囲内、例えば16mm〜19mmの範囲内、例えば17mm〜18mmの範囲内である。
網状の乳を主成分とする生成物を断片にカットすることが好ましい場合もあり得る。
本発明の態様の1つの文脈で記述された実施形態および特長は、本発明のその他の態様にも当てはまることに留意すべきである。
本出願で引用されたすべての特許および特許以外の文献は、参照により、本明細書にその全体が組み込まれる。
以下では、非制限的な例および図で、本発明についてさらに詳細に記述する、ただし、

図1
図1は、本発明で得た網状の乳を主成分とする生成物を製造する方法を示す工程系統図である。
乳を主成分とする生成物を調理器具に入れ、蒸気ジャケット付き調理器具内でおよび蒸気の直接注入により加熱しながら混合する。生成物に対して好ましいpHに調節し、任意で選択した成分を加える。生成物が所望の温度に到達した後、乳を主成分とする生成物は成形および冷却工程に回すことが可能になる。
乳を主成分とする生成物を押出機に装填し、乳を主成分とする生成物を押出機のヘッドを通過させ、糸の連続的な線を作り出す。網状の乳を主成分とする生成物の3次元構造が形成されるので、デコレーションを施し、冷却する。この後、網状の乳生成物を包装し、冷蔵する。
図2
図2は、モツァレラの構造(図2a)およびモツァレラではない構造(図2b)の共焦点レーザー走査顕微鏡(CLSM)写真である。図2aは、脂肪/水分が長いプール内(黒)に配向したモツァレラチーズの構造を示しており、画像の他の部分では、タンパク質の繊維質を確認することができる(配向タンパク質繊維)。図2bは、ナチュラルチーズ生成物を原料とする、網状の乳を主成分とする生成物では、ミクロ構造に配向性がないことを示している。脂肪は丸いプールの中に確認することができ、タンパク質は脂肪の周囲にランダムに分布している。図2aで見られるような、縦の配向はない。
図3
図3は、1本の糸の例を示す図である。
図4
図4は、網状の乳を主成分とする生成物の密度を測定する方法を示す図である(以下の測定方法に関する部分も参照されたい)。
図5
図5は、実施例1で形成された網状組織の例である。
図6
図6は、pHによる糸の弾性の違いを示している(実施例2も参照されたい)。バッチ1、pH4.6は、中程度の弾性の糸を示している。バッチ2、pH4.8は脆弱な構造の糸を示している。バッチ3、pH4.4は十分に凝集性のある糸を示している。
図7
図7は、単一層のシートとして見た網状の乳を主成分とする生成物の例である。
実施例
測定の方法
方法1 画像分析による糸の太さの測定
1本の糸を黒い表面上に垂直位置で立体顕微鏡に置いた。拡大は使わなかった。図3の説明を参照されたい。
少なくとも6つの糸の試料の画像を撮影し、「Leica IM1000」ソフトウェアを使って、画像を解析した。各々の糸に対し、画像1枚につき3回測定を実施した。
糸の太さは、標準偏差を使い、18回の測定値の平均値として、mm単位で測定した。
方法2 定義面積の計量および高さ測定による密度
網状組織からの3つの試料を使って、直径3.9cm、面積11.94cmの硬貨の形状を切り抜いた。図4に方法を示す。硬貨状試料の重量を測定した。硬貨状試料の高さを次の要領で、テクスチャ解析器、SMSを使って測定した:ペトリ皿をゼロ地点として、プローブの高さをペトリ皿上で調整した。硬貨状試料をペトリ皿に載せた。プローブを10mm/秒の定速で下方に引っ張った。プローブは2gの抵抗を測定すると、自動的に停止し、ゼロまでの距離をその試料の高さとして測定した。硬貨状試料の各々を、表面上で、プローブの3つの異なる位置で測定した。
密度はg/cmとして計算できる。密度は9回の測定値の平均値として報告された。
方法3 共焦点レーザー走査顕微鏡で視覚化された、網状組織を作り出す原料となる、糸のミクロ構造。
共焦点レーザー走査顕微鏡(CLSM)を使用することにより、糸の中での脂肪およびタンパク質の分布を視覚化することが可能である。脂肪をナイルレッドで着色し、タンパク質をFITCで着色した。この方法により、タンパク質構造の配向または非配向を検出することができる。
実施例1
これらの実験のために、チーズ(例えば50kgの低脂肪チーズ(非熟成)および8kgの熟成チーズ)を2重スクリュー直接蒸気注入調理器具に装填した。塩(0.5 %)を調理器具に入れ、30rpmで30秒間、乾燥混合した。混合後直ちに、調理器具の両側に置いてあった2つの注入器を使って、塊に直接、蒸気をあてた。蒸気は、スクリューの機械的作用(80rpm)と相まって、チーズ塊を分離した。チーズ塊の温度が55℃になるまで、加熱および混合を続けた。チーズ塊の温度が55℃になったら、クエン酸(1.042kg 93wt%)を調理器具に入れ、チーズ塊のpHをpH4.40に調節し、3分30秒間、高温のチーズと混合した(80rpm)。クエン酸をチーズ塊に混合した後、NaOHを調理器具に添加し、塊のpHをpH5.50に調節し、10分間、80rpmで混合し、均一なチーズ塊を形成した。この時点で、チーズの混合物は成形および冷却工程に回せる状態になった。
チーズ塊を1台のジャケット押出機(Handtmann製)に装填した。押出機はチーズを直径0.5mmの孔が複数(互いに位置がずれている)あるノズルヘッドに通し、糸の連続する線を作り出した。糸が1台のジャケット押出機の下に置かれた移動テーブル上に落下したときに、3次元形態を維持できるように、糸の周辺に気流をあてることで、糸の温度を下げた。その後、チーズを包装し、冷蔵した。
実施例2
チーズ塊を実施例1に記述した要領で調製した。
この実験では、糸の最適なコンシステンシーを見つけるために、pHを低い値に調節した。
バッチ1 バッチ2 バッチ3
pH4.40 pH4.60 pH4.80
最適の結果は、pHをクエン酸を使ってpH4.40に調節したバッチ1で得られた。このときに出来上がった糸は十分に凝集性があった。(図6)。それぞれpH4.60と4.80に調節したバッチ2および3では、弾性の程度が中程度から脆弱までの糸が出来上がった。
実施例3
チーズ塊を実施例1で記述した要領で調製した。
この実験では、チーズに異なる加熱温度を加えた。
バッチ1 バッチ2 バッチ3
50℃ 55℃ 60℃
最適な糸を作り出すには、ナチュラルチーズ生成物の主成分の温度は、好ましくは、55℃から60℃の間とする。50℃の温度では、脆弱な構造の糸が出来上がった。
実施例4
チーズ塊を実施例1で記述した要領で調製した。
これらの実験のために、全脂肪チーズ(脂肪含有量25%から30%)を使用し、全脂肪チーズ(脂肪含有量25%から30%)14%と低脂肪チーズ(脂肪含有量6%から30%)87%とを組み合わせた。全脂肪チーズは脂っぽすぎて、ノズルからの押出後、糸を分離することが難しいことが分かった。さらに、押出工程からの機械的処理により、チーズ塊から脂肪が搾り出された。脂肪比率が6%から10%のチーズは驚くほど優れ、最適なストリング結果になった。出来上がった糸は、十分に凝集性があった。
実施例5
この実験のために、チーズ塊を、実施例4のバッチ1に記述した要領で調製した。
最終製品を形成するための糸の最適な直径を見つけるために、孔の直径が異なる、異なるノズルヘッドをテストした。
バッチ1 バッチ2 バッチ3
孔の直径0.5mm 孔の直径1.0mm 孔の直径2.0mm
最適な結果は、0.5mmのノズルヘッドを使ったときに得られた。孔の直径が2.0mmのノズルヘッドを使ったときには、出来上がった網の外観が重くなり、冷却するのが困難だった。
実施例6
これらの実験のために、チーズ、例えば低脂肪チーズ(非成熟)172.4kgと27%脂肪熟成チーズ27.6kgとをStephan調理器具に装填した。塩(1.5%)、水(5.3%)および乳化剤(3.2%、Joha T New)を調理器具に入れ、蒸気ジャケット付き調理器具内で750rpmで82℃〜85℃に加熱し、さらに調理時間を短縮するために、直接蒸気を注入し(生成物1kg当たり0.13kgの濃縮物を添加する)、その間、混合した。生成物の好ましいpHは、5.5〜5.8の間であることが分かった。pHをさらに調節するために、クエン酸またはJoha T Newを添加してもよい。生成物の温度が82℃ から85℃に到達した後、約30秒間、システム上で空気を抜いた。この時点で、チーズの混合物は成形および冷却工程に回せる状態になった。
チーズ塊を1台のジャケット押出機(Handmann製)に装填すると、押出機はチーズを直径0.5mmの孔が複数(互いに位置がずれている)あるノズルヘッドに通し、糸の連続する線を作り出した。パターンは移動するコンベヤベルト上で形成された。その後、チーズを包装し、冷蔵した。
実施例7
この実験のために、チーズ塊を実施例1で記述した要領で調製した。押出前のナチュラルチーズ生成物の温度を55℃から58℃に変化させた。
バッチ1 バッチ2
55℃ 58℃
出来上がった網状組織、すなわち網状ナチュラルチーズ生成物は1〜3の方法により特徴づけられた。
実施例7.1および7.2の糸の太さの測定結果
Figure 0005948255
方法2による密度測定の結果。
Figure 0005948255

押出前のチーズ塊の密度、実施例7.1の比較のための測定値は1.06である。
共焦点レーザー走査顕微鏡で視覚化された、網状組織を作り出す原料となる、糸のミクロ構造の記述。
比較すると、モツァレラチーズは、脂肪/水分が長いプール内(黒)に配向した構造を示し、そこではタンパク質の繊維質を画像の緑色(グレー)の部分で確認することができる(図2a)。ナチュラルチーズ生成物の場合、チーズの構造に配向性はなく、脂肪(黒)は丸いプール内に確認でき、タンパク質(グレー)は脂肪の周囲にランダムに分布している(図2b)。典型的なモツァレラの上記の画像で確認できるような、縦の配向性はない。これらの結果は、ナチュラルチーズ生成物のモツァレラではない構造を記述するものである。
実施例8
この実験のために、押出に先立つ乳を主成分とする生成物の第1のpH調製として、レモン濃縮液(酸性濃縮物)を使用し、味および機能性への効果を調べた。
チーズ、例えば中脂肪チーズ(30+非成熟)40kgおよび成熟チーズ18kgを2重スクリュー直接蒸気注入調理器具(Almac製)に装填した。塩(1.3%)を調理器具に入れ、30秒間、30rpmで混合した。混合後、直ちに、調理器具の両側に置いてあった2つの注入器を使って、塊に直接、蒸気をあてた。蒸気は、スクリューの機械的作用(80rpm)と相まって、チーズ塊を分離した。チーズ塊の温度が55℃になるまで、加熱および混合を続けた。チーズ塊の温度が55℃になったら、2つの異なるレモン濃縮液をテストし(2580g(バッチ1)および2000g(バッチ2)、50 Brix)を調理器具に入れ、チーズ塊のpHをpH4.40に調節し、3分30秒間、高温のチーズと混合した(80rpm)。レモン濃縮液をチーズ塊に混合した後、NaOHを調理器具に添加し、塊のpHをpH5.50に調節し、10分間、80rpmで混合し、均一なチーズ塊を形成した。この時点で、チーズの混合物は成形および冷却工程に回せる状態になった。
チーズ塊を1台のジャケット押出機(Handtmann製)に装填した。押出機はチーズを直径0.5mmの孔が複数(互いに位置がずれている)あるノズルヘッドに通し、糸の連続する線を作り出した。糸が1台のジャケット押出機の下に置かれた移動テーブル上に落下したときに、3次元形態を維持できるように、糸の周辺に気流をあてることで、糸の温度を下げた。その後、チーズを包装し、冷蔵した。
チーズ塊を分析し、以下の結果が判明した:
バッチ1 バッチ2
2580g 2000g
pH4.20 pH4.35
バッチ1およびバッチ2の両方について第1のpH調節から得たpH値は、非常に低かったが、最善の結果は、pHを4.35に調節したときのバッチ2で得られた。この実験からの全体的な結論は、味および機能性に影響を及ぼさずに、第1のpH調節にレモン濃縮液などの酸性濃縮物を使用することは可能であるということだ。
参考文献
KosikowskiおよびMistry(1997);「Cheese and fermented milk foods」;第3版。
PCT/DK2008/000056

Claims (18)

  1. 網状の乳を主成分とする生成物を製造する方法であって、
    (a)乳を主成分とする生成物を押出工程にかけ、乳を主成分とする生成物の複数の個別糸を得る工程であって、押出に先立つ乳を主成分とする生成物のpHは、pH4.0〜5.0にする第1のpH調節工程、および、pH5.0〜6.0にする第2のpH調節工程によって調節される、工程
    (b)乳を主成分とする生成物の前記複数の個別糸を構造化し、乳を主成分とする生成物の複数の個別糸が絡み合った凝集性網状組織から成る、網状の乳を主成分とする生成物を得る工程であり、ここで乳を主成分とする生成物の複数の個別糸は直径が4mm未満であり、網状の乳を主成分とする生成物の密度は1.0g/cm未満であることを特徴とする工程
    を含む方法。
  2. 網状の乳を主成分とする生成物が、シート形態であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 網状の乳を主成分とする生成物が、キューブ、球体または円筒形から選択される形態に成形されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  4. 網状の乳を主成分とする生成物が、モツァレラではないタイプのチーズ生成物であることを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 乳を主成分とする生成物が、ナチュラルチーズ生成物、リコンバインド・チーズ、プロセスチーズ、フレッシュチーズ生成物と熟成チーズ生成物との混合、アナログチーズ生成物およびこれらの組合せ/混合物から成る群から選択されることを特徴とする、請求項1から4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 網状の乳を主成分とする生成物の1cm当たりのカロリー摂取量が3.3kcal未満である、請求項1から4のいずれか1項に記載の方法。
  7. 乳を主成分とする生成物のタンパク質繊維が基本的に非配向性のミクロ構造から成る、請求項1から6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 乳を主成分とする生成物の脂肪含有量が、29%未満である、請求項1から7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 乳を主成分とする生成物の複数の個別糸の直径が、3.5mm未満である、請求項1から8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 前記押出が少なくとも1台の押出機を使って、乳を主成分とする生成物に圧力を加えることで行われることを特徴とする、請求項1から9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 工程(a)で得た乳を主成分とする複数の個別糸が、冷却、加熱、コーティング、デコレーションおよび/または乾燥工程にかけられることを特徴とする、請求項1から9のいずれか1項に記載の方法。
  12. 乳を主成分とする生成物の複数の個別糸が絡み合った凝集性網状組織を含む網状の乳を主成分とする生成物であって、前記個別糸の直径が4mm未満であって、且つ前記乳を主成分とする生成物は、モツァレラではないタイプのチーズ生成物である、網状の乳を主成分とする生成物。
  13. 網状の乳を主成分とする生成物がシート形態であることを特徴とする、請求項12に記載の網状の乳を主成分とする生成物。
  14. 乳を主成分とする生成物の複数の絡み合う糸から成るシート形態の凝集性網状組織の厚さが35mm未満であることを特徴とする、請求項13に記載の網状の乳を主成分とする生成物。
  15. キューブ、球体または円筒形から選択される形態であることを特徴とする、請求項12から14に記載の網状の乳を主成分とする生成物。
  16. 乳を主成分とする生成物が、ナチュラルチーズ生成物、リコンバインド・チーズ、プロセスチーズ、フレッシュチーズ生成物と熟成チーズ生成物との混合、アナログチーズ生成物およびこれらの組合せ/混合物から成る群から選択されることを特徴とする、請求項12から15のいずれか1項に記載の網状の乳を主成分とする生成物。
  17. 1.0g/cmの密度を有する、請求項12から16のいずれか1項に記載の網状の乳を主成分とする生成物。
  18. 乾燥物質の含有量が少なくとも30%である、請求項12から17のいずれか1項に記載の網状の乳を主成分とする生成物。
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