JP7369355B2 - 圧電素子、液体吐出ヘッド、液体吐出ユニット、液体を吐出する装置、及び、圧電素子の製造方法 - Google Patents

圧電素子、液体吐出ヘッド、液体吐出ユニット、液体を吐出する装置、及び、圧電素子の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、圧電素子、液体吐出ヘッド、液体吐出ユニット、液体を吐出する装置、及び、圧電素子の製造方法に関するものである。
従来、チタン酸ジルコン酸鉛(Pb(ZrTi)O)(以下、適宜「PZT」ともいう。)を含む圧電体を下部電極と上部電極との間に備えた圧電素子が知られている。
例えば、特許文献1には、白金層からなる下部電極の上に圧電体の結晶配向性を制御するためのシード層を形成し、このシード層の上に圧電薄膜(圧電体)を形成した圧電素子が開示されている。この圧電素子では、シード層の表層部分に、結晶化している結晶化領域と、アモルファスからなるアモルファス領域との両方が存在している。
ところが、結晶化領域とアモルファス領域とが表層部分に混在したシード層では、シード層上でPZTを結晶成長させるにあたり、PZTの結晶成長が下部電極の結晶特性の影響を受けてしまい、所望の結晶構造を有するPZTを得られない。
上述した課題を解決するために、本発明は、チタン酸ジルコン酸鉛を含む圧電体を下部電極と上部電極との間に備えた圧電素子であって、前記下部電極と前記圧電体との間に、鉛を含むシード層を有し、前記シード層は、少なくとも前記圧電体側の表層部分の全域にわたってアモルファス構造であり、前記シード層の前記表層部分上に、前記チタン酸ジルコン酸鉛を目的の結晶構造に結晶成長させる核を備えることを特徴とする。
本発明によれば、所望の結晶構造をもつPZTを結晶成長させることを妨げ得る下部電極上に、所望の結晶構造をもったPZTを備える圧電素子を提供することができる。
実施形態における圧電素子の層構成の一例を示す説明図。 下部電極層上に形成したシード層の上に圧電体膜が形成された比較例1を示す説明図。 アモルファス領域と結晶化領域とが存在したシード層の上に圧電体膜が形成された比較例2を示す説明図。 全域がアモルファス領域となっているシード層の上に圧電体膜が形成された実施形態を示す説明図。 1層目のPZTの脱脂温度とPZTの(100)配向度(配向率)との関係を示すグラフ。 下部電極層及び上部電極層をそれぞれ複数層構成とした他の構成例を示す説明図。 実施形態の圧電素子を用いた液体吐出ヘッドの主要部を示す説明図。 PZTに対するX線回折法のθ-2θ測定の結果の一例を示すグラフ。 (a)は、実施形態の圧電素子に対し、絶縁保護膜や引き出し配線を作製した状態を模式的に示す断面説明図。(b)は、同図(a)の平面説明図。 同圧電素子を用いた液体吐出ヘッドのノズル配列方向と直交する方向に沿う断面説明図。 同液体吐出ヘッドの要部を拡大した断面説明図。 同液体吐出ヘッドのノズル配列方向に沿う要部の断面説明図。 複数のノズルが配列されたノズル列を有する液体吐出ヘッドを模式的に示す断面説明図。 実施形態のインクジェット記録装置を示す斜視説明図。 同インクジェット記録装置の機構部の側面説明図。 本変形例のインクジェット記録装置の要部平面説明図。 本変形例のインクジェット記録装置の要部側面説明図。 同液体吐出ユニットの要部平面説明図。 同液体吐出ユニットの正面説明図。
以下、本発明の実施形態を、圧電装置としての液体吐出ヘッドの圧力発生手段として適用される圧電素子を例に挙げて説明する。
なお、本発明の圧電素子は、特に用途が制限されることはなく、圧電アクチュエータ、圧電センサ、圧電スピーカなどの他の圧電装置にも適用可能である。
図1は、本実施形態における圧電素子100の層構成の一例を示す説明図である。
本実施形態における圧電素子100は、図1に示すように、基板101及び振動板を構成する振動板層102の上に、下部電極を構成する下部電極層103、圧電体膜104、上部電極を構成する上部電極層105、下部電極層103と圧電体膜104との間に介在しているシード層106が形成されている。
下部電極層103は、金属材料からなり、本実施形態では、高い耐熱性と低い反応性を有する白金(Pt)を用いて形成されている。圧電体膜104には、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛:Pb(ZrTi)O)を用いている。本実施形態では、PZTの結晶性配向性を制御するために、PT(チタン酸鉛:PbTiO)からなるシード層106を下部電極層103上に形成し、そのシード層106の上にPZTからなる圧電体膜104を形成している。
本実施形態は、(111)配向のPtからなる下部電極層103上に、圧電特性が良好な(100)配向のPZTからなる圧電体膜104が形成された圧電素子を得るものである。
図2は、下部電極層103上に形成したシード層106’の上に圧電体膜104’が形成された比較例1を示す説明図である。
この比較例1のシード層106’は、その表層部分を含む層全域が結晶化されたPTからなる層で構成されている。このようなシード層106’を用いた場合、シード層106’は、(111)配向のPtからなる下部電極層103からの結晶情報を受けて、(111)配向の結晶構造をもつものとなりやすい。その結果、このシード層106’の上に形成(結晶成長)されるPZTからなる圧電体膜104’も、(111)配向の結晶構造となりやすい。そのため、圧電特性が良好な(100)配向のPZTからなる所望の圧電体膜104を得ることができない。
図3は、アモルファス領域と結晶化領域とが存在したシード層106’’の上に圧電体膜104’’が形成された比較例2を示す説明図である。
この比較例2のシード層106’’は、結晶化領域とアモルファス領域とが混在したPTからなる層で構成されている。このようなシード層106’’を用いた場合、シード層106’’中のアモルファス領域に対応するPZTの部分では、(111)配向のPtからなる下部電極層103からの結晶情報の伝達がシード層106’’のアモルファス領域によって阻害される。その結果、シード層106’’上の核形成((100)配向の元となるきっかけ)を元に、(100)配向の結晶構造が得られる。
しかしながら、比較例2のシード層106’’中には、結晶化領域が存在し、その結晶化領域は、(111)配向のPtからなる下部電極層103からの結晶情報を受けて、(111)配向の結晶構造をもちやすい。その結果、このシード層106’’の上に形成(結晶成長)されるPZTからなる圧電体膜104’’は、図3に示すように、シード層106’’の結晶化領域に対応した部分107が、(111)配向の結晶構造となりやすい。
そのため、比較例2では、(100)配向の結晶構造をもつPZTからなる圧電体膜104’を形成できるものの、その一部には(111)配向の結晶構造が存在してしまい、適切に(100)配向したPZTからなる所望の圧電体膜104を得ることはできない。
図4は、全域がアモルファス領域となっているシード層106の上に圧電体膜104が形成された本実施形態を示す説明図である。
圧電体膜104の形成(結晶成長)にあたっては、図4に示すように、PTからなるシード層106からの核形成108を元に、(100)配向のPZTが膜形成(結晶成長)される。このとき、シード層106が少なくとも圧電体膜104側の表層部分の全域にわたってアモルファス構造であることが重要となる。なお、シード層106が、圧電体膜104が形成される領域以外も含む場合は、圧電体膜104が形成される圧電体膜形成領における表層部分の全域にわたってアモルファス構造である。すなわち、シード層106の少なくとも圧電体膜104側の表層部分の全域がアモルファス構造であることで、(111)配向の下部電極層103からの結晶情報の伝達が全域にわたって阻害でき、シード層106上では全体が(100)配向した結晶構造をもつPZTの圧電体膜104を得ることができる。
ここで、シード層106がアモルファス構造であるかどうかは、透過電子顕微鏡(TEM)を用いてシード層106の結晶格子像で観察することで確認することができる。この観察において、シード層106の少なくとも圧電体膜104側の表層部分の全域にわたって結晶格子像を確認できない場合に、シード層106の少なくとも圧電体膜104側の表層部分の全域がアモルファス構造であると判断することができる。
図5は、1層目のPZTの脱脂温度とPZTの(100)配向度(配向率)との関係を示すグラフである。
1層目のPZTの脱脂温度が300[℃]未満である温度領域においては、PZTの(100)配向率が若干低く、420[℃]より大きい温度領域においては、PZTの(100)配向率が大幅に低くなることがわかる。また、PTからなるシード層106の断面状態を確認したところ、300[℃]未満の温度領域では、PZTとシード層106とが混在していて、明確なシード層106を確認することができなかった。また、450[℃]以上の温度領域では、シード層106を確認することはできるが、シード層106が結晶化されていた。
一方、PZTが良好な(100)配向率を示す300[℃]以上420[℃]以下の温度領域では、シード層106がアモルファスな膜として存在していることを確認された。つまり、1層目のPZTの脱脂温度が300[℃]以上420[℃]以下の温度領域において、シード層106の少なくとも圧電体膜104側の表層部分の全域をアモルファス構造とすることができる。この確認は、透過電子顕微鏡(TEM)を用いてシード層106近傍の結晶格子像を観察するとともに、TEM-EDSによってシード層106の結晶状態を分析して、確認することができる。
次に、本実施形態の圧電素子100における他の構成について、更に説明する。
圧電素子100の下部電極層103及び上部電極層105は、電気的な抵抗が十分得られることが求められる。一方、圧電素子100が振動板層102を変位させるアクチュエータとして良好な機能を発揮するためには、連続的に駆動させ続けたときの変位等の低下が少ないことが求められる。これらが両立されるような下部電極層103及び上部電極層105を得ることが難しい場合には、下部電極層103及び上部電極層105を複数層構成としてもよい。
図6は、下部電極層103及び上部電極層105をそれぞれ複数層構成とした他の構成例を示す説明図である。
本構成例の圧電素子100は、電気的な抵抗が十分得られるような金属層からなる第一下部電極層103A及び第一上部電極層105Aと、連続的に駆動させ続けたときの変位等の低下を抑制するための導電性の酸化物電極層からなる第二下部電極層103B及び第二上部電極層105Bとを備えている。
圧電素子100が形成される基板101としては、シリコン単結晶基板を用いることが好ましく、100[μm]以上600[μm]以下の厚みを持つことが好ましい。面方位としては、(100)、(110)、(111)の3種類のうち、半導体産業で一般に広く使用されている(100)、(111)の面方位の基板が好ましい。本実施形態の基板101には、(100)の面方位を持つシリコン単結晶基板を使用する。
図7は、本実施形態の圧電素子100を用いた圧電装置としての液体吐出ヘッド110の主要部を示す説明図である。
本実施形態の液体吐出ヘッド110は、上述した圧電素子100が形成される基板101の裏面(圧電素子100とは反対側の面)に、圧力室111を形成するとともに、ノズル112aが形成されるノズル板112が接合されて構成される。液体吐出ヘッド110は、圧電素子100を駆動させて振動板層102を変位させることにより、圧力室111内に充填された液体に圧力を加え、ノズル112aから液体を吐出する。
圧力室111を作製する際、エッチングを利用してシリコン単結晶基板からなる基板101を加工していくが、この場合のエッチング方法としては、異方性エッチングを用いることが一般的である。異方性エッチングとは、結晶構造の面方位に対してエッチング速度が異なる性質を利用したものである。例えば、KOH等のアルカリ溶液に浸漬させる異方性エッチングでは、(100)面に比べて(111)面は約1/400程度のエッチング速度となる。したがって、面方位(100)では、約54°の傾斜を持つ構造体が作製できるのに対して、面方位(110)では深い溝をほることができる。そのため、より剛性を保ちつつ、配列密度を高くすることができることから、本実施形態の基板101としては、(110)の面方位を持ったシリコン単結晶基板を使用することも可能である。但し、この場合、マスク材であるSiOもエッチングされてしまうということが挙げられるため、この点も留意して利用する必要がある。
振動板層102は、圧電素子100の圧電体膜104によって発生した力を受けて変形変位して、圧力室111内の液体をノズル112aから吐出させる。そのため、振動板層102は、その変形変位に耐えうる所定の強度を有することが好ましい。振動板層102は、例えば、材料としてSi、SiO、Siを用い、CVD法により作製することができる。
また、振動板層102の材料としては、下部電極層103や圧電体膜104の線膨張係数に近い材料を選択することが好ましい。特に、本実施形態の圧電体膜104にはPZTが使用されていることから、その線膨張係数である8×10-6[1/K]に近い線膨張係数、具体的には、5×10-6~10×10-6の線膨張係数を有した材料が好ましく、7×10-6~9×10-6の線膨張係数を有した材料がより好ましい。
振動板層102の具体的な材料としては、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化イリジウム、酸化ルテニウム、酸化タンタル、酸化ハフニウム、酸化オスミウム、酸化レニウム、酸化ロジウム、酸化パラジウム及びそれらの化合物等を用いることができる。振動板層102は、これらの材料をスパッタ法もしくはSol-gel法を用いてスピンコーターにより作製することができる。
振動板層102の膜厚は、0.1[μm]以上10[μm]以下の範囲内が好ましく、0.5[μm]以上3[μm]以下の範囲内がさらに好ましい。この範囲よりも小さいと、圧力室111の加工が難しくなり、この範囲より大きいと、振動板層102が変形変位しにくくなり、液体の吐出が不安定になる。
図6に示した構成例における第一下部電極層103A及び第一上部電極層105Aの材料としては、一般に、金属材料の中で高い耐熱性と低い反応性を有する白金(Pt)が用いられる。ただし、白金(Pt)を用いる場合、鉛に対しては十分なバリア性を持つとはいえない場合があるので、イリジウムや白金-ロジウムなどの白金族元素やこれらの合金膜などを用いてもよい。また、第一下部電極層103Aとして白金を使用する場合には、その下地となる振動板層102(特にSiOの振動板層102)との密着性が悪いため、TiO、Ta、Ta、Ta等の層を介在させてもよい。この層の作製方法としては、スパッタ法や真空蒸着等の真空成膜が一般的である。この層の膜厚としては、0.05[μm]以上1[μm]以下が好ましく、0.1[μm]以上0.5[μm]以下がさらに好ましい。
図6に示した構成例における第二下部電極層103B及び第二上部電極層105Bの材料としては、例えば、SrRuOやLaNiOを用いる。第二下部電極層103Bは、その上に作製されるPZTの圧電体膜104の配向制御にも影響を与え得るため、通常は、配向優先させたい方位によっても選択される材料が異なってくる。
本実施形態においては、PZTの圧電体膜104の配向制御にも影響を与え得る下部電極層103又は第二下部電極層103Bの材料や構造にかかわらず、PZT(100)に優先配向させたいため、下部電極層103又は第二下部電極層103Bの上には、上述したように、少なくとも表層部分の全域にわたってアモルファス構造であるシード層を形成したうえで、PZTの圧電体膜104を作製する。このシード層106の材料としては、PbTiOやPZTが好ましい。
また、PbTiOのシード層106を用いる場合、PbとTiの組成比率Pb/Tiは、0.7以上1.5以下であるのが好ましく、1.0以上1.2以下であるのが更に好ましい。この範囲を外れると、圧電体膜104を構成するPZTの(100)配向率が低下する。
また、PZTのシード層106を用いる場合、その組成比率Pb/(Ti+Zr)は、0.7以上1.5以下であるのが好ましく、1.0以上1.2以下であるのが更に好ましい。この範囲を外れると、圧電体膜104を構成するPZTの(100)配向率が低下する。また、Ti/(Zr+Ti)の組成比率については、0.3以上が好ましく、さらに好ましくは0.4以上になる。この範囲を外れると、圧電体膜104を構成するPZTの(100)配向率が低下する。
本実施形態におけるシード層106の膜厚は、3[nm]以上15[nm]以下であるのが好ましく、更に好ましくは6[nm]以上12[nm]以下である。この範囲を外れると、圧電体膜104を構成するPZTの(100)配向率が低下する。
本実施形態においては、圧電体膜104を構成するPZTを(100)に優先配向させることが好ましく、その結晶配向は次の式で表される。
ρ(hkl) = I(hkl)/ΣI(hkl)
なお、「ρ(hkl)」は、(hkl)面方位の配向度であり、「I(hkl)」は、任意の配向のピーク強度であり、「ΣI(hkl)」は各ピーク強度の総和である。
(100)配向の配向度は、X線回折法のθ-2θ測定で得られる各ピーク強度の総和を1としたときの各々の配向のピーク強度の比率に基づいて算出される。本実施形態の圧電体膜104では、その(100)配向の配向度が0.99以上であることが好ましく、0.995以上であることがさらに好ましい。これ以下になるときには、圧電歪が十分得られず、変位量を十分確保できなくなるので、圧電体膜104の結晶配向バラつきが大きくなり、液体吐出ヘッド110における吐出ばらつきを生じさせる。
本実施形態の圧電体膜104には、PZTを使用している。PZTとは、ジルコン酸鉛(PbZrO)とチタン酸鉛(PbTiO)の固溶体で、その比率により特性が変化する。一般に優れた圧電特性を示す組成は、PbZrOとPbTiOの比率が53:47の割合であり、化学式で示すとPb(Zr0.53,Ti0.47)Oと表され、PZT(53/47)と示されることもある。
圧電体膜104として用いられるPZT以外の複合酸化物としては、一般に、チタン酸バリウムなどが挙げられ、この場合、バリウムアルコキシド、チタンアルコキシド化合物を出発材料にし、共通溶媒に溶解させることでチタン酸バリウム前駆体溶液を作製することも可能である。
圧電体膜104を構成するPZTのPb/(Zr+Ti)の組成比率は、0.9以上1.3以下であるのが好ましく、1.0以上1.2以下であるが更に好ましい。この範囲より下回ると、Pbが不足し、十分な変位量が確保できなくなる。また、この範囲より上回ると、過剰なPbによって絶縁破壊が発生しやすくなる。
圧電体膜104を構成するPZTのZrとTiの組成比率については、Ti/(Zr+Ti)で表したときに、0.40以上0.55以下であるのが好ましく、0.45以上0.53以下であるのがさらに好ましい。これらの組成比率を調整することによって、図8に示すようなθ-2θ測定において、PZT(200)面のピーク位置やピークの非対称性が異なってくる。Ti/(Zr+Ti)の組成比率が前記範囲を外れると、その範囲より小さいときに回転歪を伴う変位量が少なくなったり、その範囲よりも大きいときに圧電歪による変位量が少なくなったりして、変位量を十分確保できなくなる。
PZTをSol-gel法により作製する場合、出発材料に酢酸鉛、ジルコニウムアルコキシド、チタンアルコキシド化合物を用い、共通溶媒としてメトキシエタノールに溶解させて均一溶液を得ることで、PZT前駆体溶液を作製する。金属アルコキシド化合物は大気中の水分により容易に加水分解してしまうので、PZT前駆体溶液には安定剤としてアセチルアセトン、酢酸、ジエタノールアミンなどの安定化剤を適量、添加しても良い。
圧電体膜104の膜厚としては、0.5[μm]以上5[μm]以下であるのが好ましく、さらに好ましくは1[μm]以上2[μm]以下となる。この範囲より小さいと、十分な変位を発生することができなくなり、この範囲より大きいと、積層させる層数が多くなるため、工程数が多くなり、プロセス時間が長くなる。
図9(a)及び(b)は、圧電素子100に対し、絶縁保護膜113,115や引き出し配線114,116を作製した状態を示す説明図である。
第一絶縁保護膜113は、コンタクトホール113aを有しており、上部電極層105と個別引き出し配線114とが導通した状態になっている。また、第一絶縁保護膜113は、コンタクトホール113bを有しており、下部電極層103と共通引き出し配線116とが導通した状態になっている。
これらの引き出し配線114,116の上には、第二絶縁保護膜115が形成される。第二絶縁保護膜115の一部には、各引き出し配線114,116が露出する開口が設けられ、これが電極パッド114a,116aとして構成される。
第一絶縁保護膜113としては、成膜・エッチングの工程による圧電素子100へのダメージを防ぐとともに、大気中の水分が透過しづらい材料を選定する必要があるため、緻密な無機材料を用いることが好ましい。有機材料では十分な保護性能を得るためには膜厚を厚くする必要があるためである。第一絶縁保護膜113を厚い膜とした場合、振動板層102の振動変位を阻害してしまうため、液体吐出ヘッド110の吐出性能を低下させる要因となる。
薄膜で高い保護性能をもつ第一絶縁保護膜113を得るには、酸化物、窒化物、炭化膜を用いるのが好ましいが、その下地となる電極材料、圧電体材料、振動板材料との密着性が高い材料を選定する必要がある。また、成膜法も、圧電素子100を損傷しない成膜方法を選定する必要がある。すなわち、反応性ガスをプラズマ化して基板上に堆積するプラズマCVD法や、プラズマをターゲット材に衝突させて飛ばすことで成膜するスパッタリング法は好ましくない。好ましい成膜方法としては、蒸着法、ALD法などが例示できるが、使用できる材料の選択肢が広いALD法が好ましい。
以上の観点から、第一絶縁保護膜113の好ましい材料としては、Al、ZrO、Y、Ta、TiOなどのセラミクス材料に用いられる酸化膜が挙げられる。特に、これらの材料を用いてALD法により第一絶縁保護膜113を作製する場合、膜密度の非常に高い薄膜を作製でき、プロセス中でのダメージを抑制することが可能である。
第一絶縁保護膜113の膜厚は、圧電素子100の保護性能を確保できる十分な厚みの膜とする必要があると同時に、振動板層102の変位を阻害しないように可能な限り薄い膜とする必要がある。第一絶縁保護膜113の好ましい膜厚は、20[nm]以上100[nm]以下である。100[nm]より厚い場合は、振動板層102の変位が低下するため、液体吐出ヘッド110の吐出効率を低下させる。一方、20[nm]より薄い場合は、圧電素子100の保護層としての機能が不足してしまうため、圧電素子100の性能が低下してしまう。
また、第一絶縁保護膜113を2層にすることも考えられる。この場合、2層目の絶縁保護膜については、膜厚を厚くしつつ、振動板層102の振動変位を阻害しないように上部電極層105付近に開口を設けるような構成とするのが好ましい。このとき、2層目の絶縁保護膜としては、任意の酸化物、窒化物、炭化物またはこれらの複合化合物を用いることができるが、半導体デバイスで一般的に用いられるSiOを用いるのが好適である。
第一絶縁保護膜113の成膜は、任意の手法を用いることができ、例えば、CVD法、スパッタリング法を用いることができるが、引き出し配線114,116などのパターン形成部の段差被覆を考慮すると、等方的に成膜できるCVD法を用いることが好ましい。
第一絶縁保護膜113の膜厚は、下部電極層103と個別引き出し配線114に印加される電圧によって絶縁破壊されない十分な厚みの膜厚とする必要がある。すなわち、第一絶縁保護膜113に印加される電界強度を、絶縁破壊しない範囲に設定する必要がある。第一絶縁保護膜113の下地の表面性やピンホール等を考慮すると、第一絶縁保護膜113の膜厚は、200[nm]以上は必要であり、さらに好ましくは500[nm]以上である。
引き出し配線114,116は、Ag合金、Cu、Al、Au、Pt、Irのいずれかからなる金属電極材料であることが好ましい。その作製方法としては、スパッタ法、スピンコート法を用いて作製し、その後フォトリソエッチング等により所望の配線パターンを得る。引き出し配線114,116の膜厚は、0.1[μm]以上20[μm]以下であるのが好ましく、0.2[μm]以上10[μm]以下であるのがさらに好ましい。この範囲より小さいと、電気抵抗値が大きくなり、電極に十分な電流を流すことができなくなって、吐出が不安定になる。一方、この範囲より大きいと、プロセス時間が長くなる。
また、10[μm]×10[μm]のコンタクトホール113a,113bでの接触抵抗が、共通引き出し配線116では10[Ω]以下、個別引き出し配線114では1[Ω]以下であるのが好ましく、さらに好ましくは、共通引き出し配線116では5[Ω]以下、個別引き出し配線114では0.5[Ω]以下である。この範囲を超えると、十分な電流を供給することができなくなり、吐出時に不具合が発生する。
第二絶縁保護膜115は、個別引き出し配線114や共通引き出し配線116の保護層の機能を有するパシベーション層として機能する。第二絶縁保護膜115は、図9に示すとおり、個別電極パッド114a及び共通電極パッド116aを除き、個別引き出し配線114及び共通引き出し配線116の上を被覆する。そのため、これらの引き出し配線114,116の材料には、安価なAlもしくはAlを主成分とする合金材料を用いることができる。その結果、低コストかつ信頼性の高い液体吐出ヘッド110を得ることができる。
第二絶縁保護膜115の材料としては、任意の無機材料、有機材料を使用することができるが、透湿性の低い材料とすることが好ましい。無機材料としては、酸化物、窒化物、炭化物等が例示でき、有機材料としてはポリイミド、アクリル樹脂、ウレタン樹脂等が例示できる。ただし、有機材料の場合には膜厚を厚くすることが必要となるため、第二絶縁保護膜115をパターニングする際には適さない。そのため、第二絶縁保護膜115の材料としては、薄膜で、かつ、配線保護機能を発揮できる無機材料とすることが好ましい。特に、引き出し配線114,116がAlからなる場合、第二絶縁保護膜115の材料としてSiを用いることが、半導体デバイスで実績のある技術であるため、好ましい。
第二絶縁保護膜115の膜厚は、200[nm]以上とすることが好ましく、さらに好ましくは500[nm]以上である。膜厚が薄い場合は、十分なパシベーション機能を発揮できないため、配線材料の腐食による断線が発生し、液体吐出ヘッド110の信頼性を低下させてしまう。
また、第二絶縁保護膜115には、圧電素子100の上方とその周囲の振動板層102の上方に開口部を形成することが好ましい。これは、上述した第一絶縁保護膜113の圧力室111に対応する部分を薄くしていることと同様、振動板層102の変位を阻害しないようにするためである。
図10は、液体吐出ヘッド110のノズル配列方向と直交する方向に沿う断面説明図である。
図11は、液体吐出ヘッド110の要部を拡大した断面説明図である。
図12は、液体吐出ヘッド110のノズル配列方向に沿う要部の断面説明図である。
液体吐出ヘッド110は、ノズル板112と、流路板となる基板101と、振動板層102と、圧電素子100と、保持基板50と、FPCなどの配線部材である第二配線基板121と、共通液室部材70と、カバー部材45とを備えている。ここで、基板101、振動板層102及び圧電素子100で構成される部分がアクチュエータ基板20となる。
ノズル板112には、液体を吐出する複数のノズル112aが形成されている。ここでは、ノズル112aを配列したノズル列を4列配置した構成としている。流路板を構成する基板101は、ノズル板112及び振動板層102とともに、ノズル112aが通じる個別液室となる圧力室111、圧力室1116に通じる流体抵抗部7、流体抵抗部7が通じる液導入部8を形成している。この液導入部8は、振動板層102の開口9と保持基板50の流路となる開口部51を介して共通液室部材70で形成される共通液室10に通じている。
振動板層102は、圧力室111の壁面の一部を形成する変形可能な振動領域30を形成している。そして、この振動板層102の振動領域30の圧力室111と反対側の面には、振動領域30と一体的に圧電素子100が設けられ、振動領域30と圧電素子100によって圧電アクチュエータが構成される。
複数の圧電素子100の共通電極となる下部電極層103は、共通引き出し配線116に接続されている。なお、下部電極層103は、ノズル配列方向ですべての圧電素子100に跨って形成される1つの電極層である。
また、圧電素子100の個別電極となる上部電極層105は、個別引き出し配線114を介して駆動回路部である駆動IC(以下、「ドライバIC」という。)500に接続されている。個別引き出し配線114などは第二絶縁保護膜115にて被覆されている。ドライバIC500は、圧電素子列の列間の領域を覆うようにアクチュエータ基板20にフリップチップボンディングなどの工法により実装されている。第二配線基板121に設けられた配線パターンがドライバIC500と電気的に接続されており、第二配線基板121の他端側は第一配線基板を介してプリント基板に接続され、更に装置本体側の制御部に接続される。
アクチュエータ基板20の振動板層102側には、アクチュエータ基板20上の圧電素子100を覆っている保持基板50が接着剤で接合されている。保持基板50には、共通液室10と、圧力室111側に通じる流路の一部となる開口部51と、圧電素子100を収容する凹部52と、ドライバIC500を収容する開口部53が設けられている。開口部51は、ノズル配列方向に亘って延びるスリット状の貫通穴であり、ここでは共通液室10の一部を構成している。
この保持基板50は、アクチュエータ基板20と共通液室部材70との間に介在し、共通液室10の壁面の一部を形成している。共通液室部材70は、各圧力室111に液体を供給する共通液室10を形成する。なお、共通液室10は4つのノズル列に対応してそれぞれ設けられる。また、液体供給部材と通じる供給口部を介して共通液室10に所要の色の液体が供給される。共通液室部材70には、ダンパ部材150が接合されている。ダンパ部材150は、共通液室10の一部の壁面を形成する変形可能なダンパ151と、ダンパ151を補強するダンパプレート152とを有している。
共通液室部材70はノズル板112の外周部及び保持基板50と接着剤で接合され、アクチュエータ基板20及び保持基板50を収容して、ヘッドフレームを構成している。そして、ノズル板112の周縁部及び共通液室部材70の外周面の一部を覆うカバー部材を設けている。
この液体吐出ヘッド110においては、ドライバIC500から圧電素子100の上部電極層105と下部電極層103との間に駆動電圧を与えることで、圧電素子100が電極積層方向、すなわち電界方向に伸張し、振動領域30と平行な方向に収縮する。これにより、振動領域30の下部電極層103側に引っ張り応力が発生し、振動領域30が圧力室111側に撓み、圧力室111の内部の液体を加圧することで、ノズル112aから液体が吐出される。
次に、本実施形態における圧電素子100の実施例について説明する。
本実施例では、基板101として、6インチシリコンウェハ上に、振動板層102としてSiO膜(膜厚:約1.0[μm])を形成した。このSiO膜上に、スパッタ法により350[℃]でTi膜(膜厚:約20[nm])を成膜し、RTA(急速熱処理)により750[℃]で熱酸化した。引き続き、下部電極層103として、Pt膜(膜厚:約160[nm])をスパッタ法により約300[℃]で成膜した。Ti膜を熱酸化したTiO膜は、SiO膜からなる振動板層102とPt膜からなる下部電極層103との間の密着層としての役割を持つ。
下部電極層103の上には、下記の表1に示す各条件(実施例1~10、比較例1~2)でシード層106を作製した。シード層106は6[nm]となるように作製した。ここで、実施例1、2、3、4、5、9、10及び比較例1、2のシード層の組成液は、PbxTiy(x、yはPb、Tiの組成比)液である。実施例6、7、8のシード層の組成液は、PbxZrTi(x、y、zはPb、Zr、Tiの組成比)液である。
Figure 0007369355000001
また、シード層106の上に形成するPZT膜(圧電体膜104)の材料として、Pb:Zr:Ti=115:49:51の組成比で調合したPZT前駆体塗布液を3種類準備した。具体的なPZT前駆体塗布液の合成は、次のようにして行った。
まず、出発材料に酢酸鉛三水和物、イソプロポキシドチタン、イソプロポキシドジルコニウムを用い、酢酸鉛の結晶水をメトキシエタノールに溶解した後、脱水した。なお、化学量論組成に対し鉛量を過剰にしてある。これは、熱処理中のいわゆる鉛抜けによる結晶性低下を防ぐためである。また、イソプロポキシドチタン、イソプロポキシドジルコニウムをメトキシエタノールに溶解し、アルコール交換反応、エステル化反応を進め、前記の酢酸鉛を溶解したメトキシエタノール溶液と混合することで、PZT前駆体塗布液を合成した。PZT前駆体塗布液におけるPZT濃度は0.5[mol/l]にした。なお、PT塗布液に関しても、PZT前駆体塗布液と同様に合成した。
これらの塗布液を用いて、最初に、PT層をスピンコートにより成膜し、その後、ホットプレートにより120[℃]で乾燥を行った。その後、仮焼条件として前記表1に記載の仮焼温度(図5におけるPZTの1層目の脱脂熱処理温度と同じ)にて処理を実施した。その後、塗布→乾燥→仮焼を繰り返して3層形成し、3層目の熱分解処理の後に、結晶化のための熱処理(温度730[℃])をRTA(急速熱処理)にて行った。この結晶化の熱処理が終わったときのPZT膜の膜厚は、240[nm]であった。このPZT前駆体溶液の塗布、乾燥、熱分解及び結晶化の熱処理の工程を合計8回(24層)実施し、約2.0[μm]の膜厚をもつPZT膜(圧電体膜104)を得た。
次に、上部電極層105として、酸化物膜であるSrRuO膜(膜厚:40[nm])と金属膜であるPt膜(膜厚:125[nm])とをスパッタ成膜した。その後、東京応化社製フォトレジスト(TSMR8800)をスピンコート法で成膜し、通常のフォトリソグラフィーでレジストパターンを形成した後、ICPエッチング装置(サムコ社製)を用いて、図9に示すようなパターンを作製した。
次に、第一絶縁保護膜113として、ALD工法を用いて50[nm]のAl膜を成膜した。このとき、Alについては、TMA(シグマアルドリッチ社)を用い、Oについては、オゾンジェネレーターによって発生させたOを用い、これらを交互に積層させることで、成膜を進めた。そして、図9に示すように、エッチングによってコンタクトホール113a,113bを形成した後、引き出し配線114,116を形成するためにAlをスパッタ成膜し、エッチングによりパターニングした。その後、第二絶縁保護膜115として、500[nm]のSiをプラズマCVDにより成膜し、圧電素子100を作製した。
圧電素子100の作製後、XRD測定によりPZT膜(圧電体膜104)の結晶性((100)配向率)を評価し、また、シード層106の状態を断面のTEM観察により評価した。実施例1~10及び比較例1~2の条件の違いは、前記表1に記載のとおりであり、それぞれのPZT膜(圧電体膜104)の結晶性の評価結果とTEM観察結果も前記表1に示すとおりである。
実施例1~10の条件では、いずれも、TEM観察結果により、シード層106がその層全域にわたってアモルファス構造となっていることを確認し、かつ、XRD測定により、PZT膜(圧電体膜104)が良好な(100)配向率(95%以上)を示すことを確認した。特に、実施例1~8は、PZT膜(圧電体膜104)の(100)配向率が99%以上という更に良好なものとなった。
一方、比較例1~2については、シード層106が(111)配向の結晶化膜として存在していたり、アモルファス領域と結晶化領域とが混在していたりして、PZT膜(圧電体膜104)の(100)配向率は良好なものではなかった。
また、作製した実施例1~10及び比較例1~2の圧電素子100についての圧電定数の評価を行った。圧電定数を求めるための変位評価については、基板101の裏面側から掘加工を行って評価を実施し、150[kV/cm]の電界を印加したときの変形量をレーザードップラー振動計で計測した。その後、シミュレーションによる合わせ込みから圧電定数を算出した。実施例1~10の条件では、圧電定数についても良好な結果が得られているのに対して、比較例1~2については、良好な圧電定数は得られなかった。
また、圧電素子100内での変位ばらつきについても評価を実施した。実施例1~10の条件ではこの変位ばらつきについて良好な結果が得られているのに対して、比較例1~2については、変位ばらつきが大きく、良好な結果は得られなかった。
また、図13に示すように、複数のノズル112aが配列されたノズル列を有する液体吐出ヘッド110を作製し、各ノズル112aに対応する圧力室111内の液体に圧力を付与する圧力付与手段として、上述した実施例1~10で作製した圧電素子100を用いて、液体の吐出評価を行った。この評価では、液体として、粘度を5[cp]に調整したインクを用い、単純Push波形により-10[V]~-30[V]の駆動電圧を印加したときの吐出状況を確認した。その結果、すべてのノズル112aから適切に液体が吐出されていることを確認した。
次に、上述した液体吐出ヘッド110をインクジェットヘッドとして搭載した液体を吐出する装置であるインクジェット記録装置の実施形態について説明する。
図14は、本実施形態のインクジェット記録装置を示す斜視説明図である。
図15は、同インクジェット記録装置の機構部の側面説明図である。
本実施形態のインクジェット記録装置は、装置本体81の内部に、主走査方向に移動可能なキャリッジ、キャリッジに搭載したインクジェットヘッド(記録ヘッド)、記録ヘッドへ液体であるインクを供給するインクカートリッジ等で構成される印字機構部82等を収納し、装置本体81の下方には多数枚の用紙83を積載可能な給紙カセット(或いは給紙トレイでもよい。)84を抜き差し自在に装着することができ、また、用紙83を手差しで給紙するための手差しトレイ85を開倒することができ、給紙カセット84或いは手差しトレイ85から給送される用紙83を取り込み、印字機構部82によって画像を記録した後、排紙トレイ86に排紙する。
印字機構部82は、左右の側板に横架したガイド部材である主ガイドロッド91と従ガイドロッド92とでキャリッジ93を主走査方向に摺動自在に保持している。キャリッジ93には、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)の各色のインクを吐出する記録ヘッド94が搭載されている。記録ヘッド94は、複数のノズル112aを主走査方向と交差する方向に配列したノズル列を備え、インク吐出方向が下方に向くように、キャリッジ93に装着されている。また、キャリッジ93には、記録ヘッド94に各色のインクを供給するための各インクカートリッジ95が交換可能に装着されている。
インクカートリッジ95は、上方に大気と連通する大気口、下方には記録ヘッド94へインクを供給する供給口を、内部にはインクが充填された多孔質体を有しており、多孔質体の毛管力により記録ヘッド94へ供給されるインクをわずかな負圧に維持している。また、記録ヘッド94は、色ごとに個別に設けられているが、単一の記録ヘッドで構成してもよい。
ここで、キャリッジ93は用紙搬送方向下流側を主ガイドロッド91に摺動自在に嵌装し、用紙搬送方向上流側を従ガイドロッド92に摺動自在に載置している。そして、このキャリッジ93を主走査方向に移動走査するため、主走査モータ97で回転駆動される駆動プーリ98と従動プーリ99との間にタイミングベルト130を張装し、このタイミングベルト130をキャリッジ93に固定しており、主走査モータ97の正逆回転によりキャリッジ93が往復駆動される。
一方、給紙カセット84にセットした用紙83をヘッド94の下方側に搬送するために、給紙カセット84から用紙83を分離給装する給紙ローラ131及びフリクションパッド132と、用紙83を案内するガイド部材133と、給紙された用紙83を反転させて搬送する搬送ローラ134と、この搬送ローラ134の周面に押し付けられる搬送コロ135及び搬送ローラ134からの用紙83の送り出し角度を規定する先端コロ136とを設けている。搬送ローラ134は副走査モータ137によってギヤ列を介して回転駆動される。
そして、キャリッジ93の主走査方向の移動範囲に対応して搬送ローラ134から送り出された用紙83を記録ヘッド94の下方側で案内する用紙ガイド部材である印写受け部材139を設けている。この印写受け部材139の用紙搬送方向下流側には、用紙83を排紙方向へ送り出すために回転駆動される搬送コロ141、拍車142を設け、さらに用紙83を排紙トレイ86に送り出す排紙ローラ143及び拍車144と、排紙経路を形成するガイド部材145,146とを配設している。
記録時には、キャリッジ93を移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド94を駆動することにより、停止している用紙83にインクを吐出して1行分を記録し、用紙83を所定量搬送後、次の行の記録を行う。記録終了信号または用紙83の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了させ、用紙83を排紙する。
また、キャリッジ93の移動方向右端側の記録領域を外れた位置には、記録ヘッド94の吐出不良を回復するための回復装置147を配置している。回復装置147はキャップ手段と吸引手段とクリーニング手段とを有している。キャリッジ93は印字待機中にはこの回復装置147側に移動されてキャッピング手段で記録ヘッド94をキャッピングされ、ノズル112aを湿潤状態に保つことによりインクの乾燥による吐出不良を防止する。また、記録途中などに記録と関係しないインクを吐出することにより、全てのノズル112aのインク粘度を一定にし、安定した吐出性能を維持する。
吐出不良が発生した場合等には、キャッピング手段で記録ヘッド94のノズル112aを密封し、チューブを通じて吸引手段でノズル112aからインクとともに気泡等を吸い出し、ノズル面に付着したインクやゴミ等はクリーニング手段により除去され、吐出不良が回復される。また、吸引されたインクは、本体下部に設置される廃インク溜に排出され、廃インク溜内部のインク吸収体に吸収保持される。
このように、本実施形態のインクジェット記録装置においては、上述した実施例1~10の液体吐出ヘッド110からなる記録ヘッド94を搭載しているので、振動板層102の駆動不良によるインク吐出不良がなく、安定したインク吐出特性が得られて、画像品質が向上する。
次に、本実施形態に係る液体を吐出する装置としてのインクジェット記録装置の他の例(変形例)について、図16及び図17を参照して説明する。
図16は、本変形例のインクジェット記録装置の要部平面説明図である。
図17は、本変形例のインクジェット記録装置の要部側面説明図である。
本変形例のインクジェット記録装置は、シリアル型装置であり、主走査移動機構493によって、キャリッジ403は主走査方向に往復移動する。主走査移動機構493は、ガイド部材401、主走査モータ405、タイミングベルト408等を含む。ガイド部材401は、左右の側板491A、491Bに架け渡されてキャリッジ403を移動可能に保持している。そして、主走査モータ405によって、駆動プーリ406と従動プーリ407間に架け渡したタイミングベルト408を介して、キャリッジ403は主走査方向に往復移動される。
このキャリッジ403には、上述した実施形態に係る液体吐出ヘッド110と同様の液体吐出ヘッド404及びヘッドタンク441を一体にした液体吐出ユニット440を搭載している。液体吐出ユニット440の液体吐出ヘッド404は、例えば、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の各色の液体を吐出する。また、液体吐出ヘッド404は、複数のノズルからなるノズル列を主走査方向と直交する副走査方向に配置し、吐出方向を下方に向けて装着している。
液体吐出ヘッド404の外部に貯留されている液体を液体吐出ヘッド404に供給するための供給機構494により、ヘッドタンク441には、液体カートリッジ450に貯留されている液体が供給される。
供給機構494は、液体カートリッジ450を装着する充填部であるカートリッジホルダ451、チューブ456、送液ポンプを含む送液ユニット452等で構成される。液体カートリッジ450はカートリッジホルダ451に着脱可能に装着される。ヘッドタンク441には、チューブ456を介して送液ユニット452によって、液体カートリッジ450から液体が送液される。
本変形例のインクジェット記録装置は、用紙410を搬送するための搬送機構495を備えている。搬送機構495は、搬送手段である搬送ベルト412、搬送ベルト412を駆動するための副走査モータ416を含む。
搬送ベルト412は用紙410を吸着して液体吐出ヘッド404に対向する位置で搬送する。この搬送ベルト412は、無端状ベルトであり、搬送ローラ413と、テンションローラ414との間に掛け渡されている。吸着は静電吸着、あるいは、エアー吸引などで行うことができる。
そして、搬送ベルト412は、副走査モータ416によってタイミングベルト417及びタイミングプーリ418を介して搬送ローラ413が回転駆動されることによって、副走査方向に周回移動する。
さらに、キャリッジ403の主走査方向の一方側には搬送ベルト412の側方に液体吐出ヘッド404の維持回復を行う維持回復機構420が配置されている。
維持回復機構420は、例えば液体吐出ヘッド404のノズル面(ノズルが形成された面)をキャッピングするキャップ部材421、ノズル面を払拭するワイパ部材422などで構成されている。
主走査移動機構493、供給機構494、維持回復機構420、搬送機構495は、側板491A,491B、背板491Cを含む筐体に取り付けられている。
このように構成したこの装置においては、用紙410が搬送ベルト412上に給紙されて吸着され、搬送ベルト412の周回移動によって用紙410が副走査方向に搬送される。
そこで、キャリッジ403を主走査方向に移動させながら画像信号に応じて液体吐出ヘッド404を駆動することにより、停止している用紙410に液体を吐出して画像を形成する。
このように、本変形例のインクジェット記録装置では、上述した実施形態の液体吐出ヘッドを備えているので、高画質画像を安定して形成することができる。
次に、本実施形態における液体吐出ユニットの他の例について、図18を参照して説明する。
図18は、同液体吐出ユニットの要部平面説明図である。
この液体吐出ユニットは、上述したインクジェット記録装置を構成している部材のうち、側板491A、491B及び背板491Cで構成される筐体部分と、主走査移動機構493と、キャリッジ403と、液体吐出ヘッド404で構成されている。なお、この液体吐出ユニットの例えば側板491Bに、前述した維持回復機構420、及び供給機構494の少なくともいずれかを更に取り付けた液体吐出ユニットを構成することもできる。
次に、本実施形態における液体吐出ユニットの更に他の例について、図19を参照して説明する。
図19は、同液体吐出ユニットの正面説明図である。
この液体吐出ユニットは、液体供給部材である流路部品444が取付けられた液体吐出ヘッド404と、流路部品444に接続されたチューブ456で構成されている。なお、流路部品444はカバー442の内部に配置されている。流路部品444に代えてヘッドタンク441を含むこともできる。また、流路部品444の上部には液体吐出ヘッド404と電気的接続を行うコネクタ443が設けられている。
本願において、吐出される液体は、ヘッドから吐出可能な粘度や表面張力を有するものであればよく、特に限定されないが、常温、常圧下において、または加熱、冷却により粘度が30[mPa・s]以下となるものであることが好ましい。より具体的には、水や有機溶媒等の溶媒、染料や顔料等の着色剤、重合性化合物、樹脂、界面活性剤等の機能性付与材料、DNA、アミノ酸やたんぱく質、カルシウム等の生体適合材料、天然色素等の可食材料、などを含む溶液、懸濁液、エマルジョンなどであり、これらは例えば、インクジェット用インク、表面処理液、電子素子や発光素子の構成要素や電子回路レジストパターンの形成用液、3次元造形用材料液等の用途で用いることができる。
「液体吐出ユニット」は、液体吐出ヘッドに機能部品、機構が一体化したものであり、液体の吐出に関連する部品の集合体が含まれる。例えば、「液体吐出ユニット」は、ヘッドタンク、キャリッジ、供給機構、維持回復機構、主走査移動機構の構成の少なくとも一つを液体吐出ヘッドと組み合わせたものなどが含まれる。
ここで、一体化とは、例えば、液体吐出ヘッドと機能部品、機構が、締結、接着、係合などで互いに固定されているもの、一方が他方に対して移動可能に保持されているものを含む。また、液体吐出ヘッドと、機能部品、機構が互いに着脱可能に構成されていても良い。
例えば、液体吐出ユニットとして、液体吐出ヘッドとヘッドタンクが一体化されているものがある。また、チューブなどで互いに接続されて、液体吐出ヘッドとヘッドタンクが一体化されているものがある。ここで、これらの液体吐出ユニットのヘッドタンクと液体吐出ヘッドとの間にフィルタを含むユニットを追加することもできる。
また、液体吐出ユニットとして、液体吐出ヘッドとキャリッジが一体化されているものがある。
また、液体吐出ユニットとして、液体吐出ヘッドを走査移動機構の一部を構成するガイド部材に移動可能に保持させて、液体吐出ヘッドと走査移動機構が一体化されているものがある。また、液体吐出ヘッドとキャリッジと主走査移動機構が一体化されているものがある。
また、液体吐出ユニットとして、液体吐出ヘッドが取り付けられたキャリッジに、維持回復機構の一部であるキャップ部材を固定させて、液体吐出ヘッドとキャリッジと維持回復機構が一体化されているものがある。
また、液体吐出ユニットとして、ヘッドタンク若しくは流路部品が取付けられた液体吐出ヘッドにチューブが接続されて、液体吐出ヘッドと供給機構が一体化されているものがある。このチューブを介して、液体貯留源の液体が液体吐出ヘッドに供給される。
主走査移動機構は、ガイド部材単体も含むものとする。また、供給機構は、チューブ単体、装填部単体も含むものする。
「液体を吐出する装置」には、液体吐出ヘッド又は液体吐出ユニットを備え、液体吐出ヘッドを駆動させて液体を吐出させる装置が含まれる。液体を吐出する装置には、液体が付着可能なものに対して液体を吐出することが可能な装置だけでなく、液体を気中や液中に向けて吐出する装置も含まれる。
この「液体を吐出する装置」は、液体が付着可能なものの給送、搬送、排紙に係わる手段、その他、前処理装置、後処理装置なども含むことができる。
例えば、「液体を吐出する装置」として、インクを吐出させて用紙に画像を形成する装置である画像形成装置、立体造形物(三次元造形物)を造形するために、粉体を層状に形成した粉体層に造形液を吐出させる立体造形装置(三次元造形装置)がある。
また、「液体を吐出する装置」は、吐出された液体によって文字、図形等の有意な画像が可視化されるものに限定されるものではない。例えば、それ自体意味を持たないパターン等を形成するもの、三次元像を造形するものも含まれる。
前記「液体が付着可能なもの」とは、液体が少なくとも一時的に付着可能なものであって、付着して固着するもの、付着して浸透するものなどを意味する。具体例としては、用紙、記録紙、記録用紙、フィルム、布などの被記録媒体、電子基板、圧電素子などの電子部品、粉体層(粉末層)、臓器モデル、検査用セルなどの媒体であり、特に限定しない限り、液体が付着するすべてのものが含まれる。
前記「液体が付着可能なもの」の材質は、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックスなど液体が一時的でも付着可能であればよい。
また、「液体を吐出する装置」は、液体吐出ヘッドと液体が付着可能なものとが相対的に移動する装置があるが、これに限定するものではない。具体例としては、液体吐出ヘッドを移動させるシリアル型装置、液体吐出ヘッドを移動させないライン型装置などが含まれる。
また、「液体を吐出する装置」としては、他にも、用紙の表面を改質するなどの目的で用紙の表面に処理液を塗布するために処理液を用紙に吐出する処理液塗布装置、原材料を溶液中に分散した組成液を、ノズルを介して噴射させて原材料の微粒子を造粒する噴射造粒装置などがある。
なお、本願の用語における、画像形成、記録、印字、印写、印刷、造形等はいずれも同義語とする。
以上に説明したものは一例であり、次の態様毎に特有の効果を奏する。
[第1態様]
第1態様は、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)を含む圧電体(例えば圧電体膜104)を下部電極(例えば下部電極層103)と上部電極(例えば上部電極層105)との間に備えた圧電素子100であって、前記下部電極と前記圧電体との間に、鉛化合物を含むシード層106を有し、前記シード層は、少なくとも表層部分の全域にわたってアモルファス構造であることを特徴とするものである。
例えば、(111)配向の白金(Pt)層からなる下部電極上に、シード層を介して、圧電特性が良好な(100)配向のPZTを形成したい場合がある。この場合、シード層中に結晶化領域が存在すると、シード層上でPZTを結晶成長させる際に、PZTの結晶成長が下部電極の結晶特性の影響を受けて、適切に(100)配向した所望の結晶構造をもつPZTを得ることが難しい。
本態様においては、シード層が、少なくとも表層部分の全域にわたってアモルファス構造となっており、結晶化している領域が実質的に存在しない構造となっている。このようなシード層を備えることで、例えば、下部電極が、所望の結晶構造をもつPZTを結晶成長させることを妨げ得るものであっても、アモルファス構造のシード層が下部電極の影響を遮断して、PZTを所望の結晶構造へと結晶成長させることができる。よって、所望の結晶構造をもつPZTを結晶成長させることを妨げ得る下部電極上に、所望の結晶構造をもったPZTを備える圧電素子を提供することができる。
[第2態様]
第2態様は、第1態様において、前記鉛化合物は、チタン酸鉛(PbTiO)であることを特徴とするものである。
これによれば、アモルファス構造のシード層が下部電極の影響を遮断して、圧電体となるPZTを所望の結晶構造へと結晶成長させることができる。
[第3態様]
第3態様は、第2態様において、前記チタン酸鉛の組成比率Pb/Tiは0.7以上1.5以下であることを特徴とするものである。
これによれば、圧電体を構成するPZTの配向率の低下を抑制することができる。
[第4態様]
第4態様は、第2又は第3態様において、前記シード層の膜厚は、3[nm]以上15[nm]以下であることを特徴とするものである。
これによれば、圧電体を構成するPZTの配向率の低下を抑制することができる。
[第5態様]
第5態様は、第1態様において、前記鉛化合物は、チタン酸ジルコン酸鉛(Pb(ZrTi)O)であることを特徴とするものである。
これによれば、アモルファス構造のシード層が下部電極の影響を遮断して、圧電体となるPZTを所望の結晶構造へと結晶成長させることができる。
[第6態様]
第6態様は、第5態様において、前記チタン酸ジルコン酸鉛の組成比率Ti/(Zr+Ti)は0.3以上であることを特徴とするものである。
これによれば、圧電体を構成するPZTの配向率の低下を抑制することができる。
[第7態様]
第7態様は、第1乃至第6態様のいずれかにおいて、前記下部電極は、白金層と酸化チタンを含む密着層とから構成されていることを特徴とするものである。
これによれば、金属材料の中で高い耐熱性と低い反応性を有する白金(Pt)を下部電極として用いる場合でも、密着層によって下地層(振動板層)との密着性を確保することができる。
[第8態様]
第8態様は、第1乃至第7態様のいずれかにおいて、前記圧電体を構成するチタン酸ジルコン酸鉛の組成比率Ti/(Zr+Ti)は0.4以上0.55以下であることを特徴とするものである。
これによれば、圧電体を構成するPZTの配向率の低下を抑制することができる。
[第9態様]
第9態様は、第1乃至第8態様のいずれかにおいて、前記圧電体は、X線回折法でのθ-2θ測定による(100)配向の配向度(配向率)が99%以上であることを特徴とするものである。
これによれば、圧電特性が良好な圧電素子を得ることができる。
[第10態様]
第10態様は、液体吐出ヘッド110であって、第1乃至第9態様のいずれかの圧電素子100を含むことを特徴とするものである。
本態様によれば、圧電特性が良好な圧電素子によって駆動する液体吐出ヘッドを提供することができる。
[第11態様]
第11態様は、液体吐出ユニットであって、第10態様の液体吐出ヘッドを含むことを特徴とするものである。
本態様によれば、圧電特性が良好な圧電素子によって駆動する液体吐出ユニットを提供することができる。
[第12態様]
第12態様は、第11態様において、前記液体吐出ヘッドに供給する液体を貯留するヘッドタンク、前記液体吐出ヘッドを搭載するキャリッジ、前記液体吐出ヘッドに液体を供給する供給機構、前記液体吐出ヘッドの維持回復を行う維持回復機構、前記液体吐出ヘッドを主走査方向に移動させる主走査移動機構の少なくともいずれか1つと前記液体吐出ヘッドとを一体化したことを特徴とするものである。
本態様によれば、圧電特性が良好な圧電素子によって駆動する種々の液体吐出ユニットを提供することができる。
[第13態様]
第13態様は、液体を吐出する装置(例えばインクジェット記録装置)であって、第1乃至第9態様のいずれかの圧電素子、第10態様の液体吐出ヘッド、又は、第11若しくは第12態様の液体吐出ユニットの少なくともいずれかを備えていることを特徴とするものである。
本態様によれば、圧電特性が良好な圧電素子によって駆動する液体を吐出する装置を提供することができる。
[第14態様]
第14態様は、チタン酸ジルコン酸鉛を含む圧電体を下部電極と上部電極との間に備えた圧電素子の製造方法であって、前記下部電極上に、直接または他の層を介して、少なくとも表層部分の全域にわたってアモルファス構造である鉛化合物を含むシード層を形成し、前記シード層上で前記チタン酸ジルコン酸鉛の結晶を成長させて前記圧電体を形成することを特徴とするものである。
本態様においては、シード層が、少なくとも表層部分の全域にわたってアモルファス構造となっており、結晶化している領域が実質的に存在しない構造となっている。このようなシード層を設けることで、例えば、下部電極が、所望の結晶構造をもつPZTを結晶成長させることを妨げ得るものであっても、アモルファス構造のシード層が下部電極の影響を遮断して、PZTを所望の結晶構造へと結晶成長させることができる。よって、所望の結晶構造をもつPZTを結晶成長させることを妨げ得る下部電極上に、所望の結晶構造をもったPZTを備える圧電素子を製造することができる。
10 :共通液室
20 :アクチュエータ基板
30 :振動領域
94 :記録ヘッド
100 :圧電素子
101 :基板
102 :振動板層
103 :下部電極層
103A :第一下部電極層
103B :第二下部電極層
104,104’,104’’:圧電体膜
105 :上部電極層
105A :第一上部電極層
105B :第二上部電極層
106,106’,106’’:シード層
110 :液体吐出ヘッド
111 :圧力室
112 :ノズル板
112a :ノズル
113 :第一絶縁保護膜
114 :個別引き出し配線
115 :第二絶縁保護膜
116 :共通引き出し配線
403 :キャリッジ
404 :液体吐出ヘッド
440 :液体吐出ユニット
441 :ヘッドタンク
特開2013-229510号公報

Claims (14)

  1. チタン酸ジルコン酸鉛を含む圧電体を下部電極と上部電極との間に備えた圧電素子であって、
    前記下部電極と前記圧電体との間に、鉛を含むシード層を有し、
    前記シード層は、少なくとも前記圧電体側の表層部分の全域にわたってアモルファス構造であり、
    前記シード層の前記表層部分上に、前記チタン酸ジルコン酸鉛を目的の結晶構造に結晶成長させる核を備えることを特徴とする圧電素子。
  2. 請求項1に記載の圧電素子において、
    前記シード層は、チタン酸鉛であることを特徴とする圧電素子。
  3. 請求項2に記載の圧電素子において、
    前記チタン酸鉛の組成比率Pb/Tiは0.7以上1.5以下であることを特徴とする圧電素子。
  4. 請求項2又は3に記載の圧電素子において、
    前記シード層の膜厚は、3[nm]以上15[nm]以下であることを特徴とする圧電素子。
  5. 請求項1に記載の圧電素子において、
    前記シード層は、チタン酸ジルコン酸鉛であることを特徴とする圧電素子。
  6. 請求項5に記載の圧電素子において、
    前記チタン酸ジルコン酸鉛の組成比率Ti/(Zr+Ti)は0.3以上であることを特徴とする圧電素子。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の圧電素子において、
    前記下部電極は、白金層と酸化チタンを含む密着層とから構成されていることを特徴とする圧電素子。
  8. 請求項1乃至7のいずれか1項に記載の圧電素子において、
    前記圧電体を構成するチタン酸ジルコン酸鉛の組成比率Ti/(Zr+Ti)は0.4以上0.55以下であることを特徴とする圧電素子。
  9. 請求項1乃至8のいずれか1項に記載の圧電素子において、
    前記圧電体は、X線回折法でのθ-2θ測定による(100)配向の配向度が99%以上であることを特徴とする圧電素子。
  10. 請求項1乃至9のいずれか1項に記載の圧電素子を含むことを特徴とする液体吐出ヘッド。
  11. 請求項10に記載の液体吐出ヘッドを含むことを特徴とする液体吐出ユニット。
  12. 請求項11に記載の液体吐出ユニットにおいて、
    前記液体吐出ヘッドに供給する液体を貯留するヘッドタンク、前記液体吐出ヘッドを搭載するキャリッジ、前記液体吐出ヘッドに液体を供給する供給機構、前記液体吐出ヘッドの維持回復を行う維持回復機構、前記液体吐出ヘッドを主走査方向に移動させる主走査移動機構の少なくともいずれか1つと前記液体吐出ヘッドとを一体化したことを特徴とする液体吐出ユニット。
  13. 請求項1乃至9のいずれか1項に記載の圧電素子、請求項10に記載の液体吐出ヘッド、又は、請求項11若しくは12に記載の液体吐出ユニットの少なくともいずれかを備えていることを特徴とする液体を吐出する装置。
  14. チタン酸ジルコン酸鉛を含む圧電体を下部電極と上部電極との間に備えた圧電素子の製造方法であって、
    前記下部電極上に、直接または他の層を介して、少なくとも前記圧電体側の表層部分の全域にわたってアモルファス構造であり、かつ、前記表層部分上に前記チタン酸ジルコン酸鉛を目的の結晶構造に結晶成長させる核を備える、鉛を含むシード層を形成し、
    前記シード層上で前記チタン酸ジルコン酸鉛の結晶を成長させて前記圧電体を形成することを特徴とする圧電素子の製造方法。
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