JP7359662B2 - ポリイミド樹脂、ポリイミド溶液、ポリイミドフィルム - Google Patents

ポリイミド樹脂、ポリイミド溶液、ポリイミドフィルム Download PDF

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Description

本発明は、ポリイミド樹脂、ポリイミド溶液、ポリイミドフィルムに関する。
スマートフォン等の表示デバイスの軽量化やフレキシブル化のために、基板や表面の材料として従来使用されているガラスを樹脂へ代替することが求められている。代替材料の有力な候補として、耐熱性や機械特性に優れたポリイミドフィルムが挙げられる。しかしながら、ポリイミド樹脂はテトラカルボン酸二無水物とジアミンとの縮合反応、脱水閉環反応を経て得られ、一般的に分子内共役、または分子内・分子間電荷移動により強く着色している。そこで、フルオロアルキル基をポリイミド中に導入すること、また酸二無水物成分とジアミン成分の一方、または両方に脂環式化合物を使用することにより、低着色のポリイミドフィルムが得られることが提案されている。このようなポリイミドフィルムとしては、例えば特許文献1が挙げられる。
特開2006-282884
しかしながら、本発明者らの検討によれば、特許文献1のポリイミド樹脂から得られるポリイミドフィルムは機械特性が低く耐久性が求められるディスプレイ材料としては不十分であった。このように、光透過率、低着色性、かつ機械強度に優れたポリイミドフィルムを得ることが困難であった。
本発明の目的は、ジクロロメタン等の低沸点溶媒に溶解し、高透過率、低着色性、高表面硬度かつ機械強度に優れたポリイミドフィルム、ポリイミド樹脂およびポリイミド溶液とその製造方法を提供することにある。
本発明者らは鋭意検討の結果、下記構造で上記課題を解決することを見出した。
本発明は以下の構成をなす。
1).酸二無水物由来構造とジアミン由来構造とを有するポリイミド樹脂であって、
ジアミンとして、ジアミン全量100モル%に対して、フルオロアルキル置換ベンジジンを40モル%以上100モル%以下含み、
前記酸二無水物として、酸二無水物全量100モル%に対して、式(1)で表されるエステル構造を有する酸二無水物を10モル%以上65モル%以下含み、2,3,3’,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を5モル%以上35モル%以下含む、ポリイミド樹脂。(n=1またはn=2、R~Rは各々水素原子、フッ素原子、炭素原子数1~20のアルキル基またはフルオロアルキル基であり、必ず一つは水素原子である。)
Figure 0007359662000001
2).前記エステル構造を有する酸二無水物は、式(1)において、nが2、RおよびRがメチル基、RおよびRがメチル基または水素原子である、式(2)で表される化合物が用いられる、1)に記載のポリイミド樹脂。
Figure 0007359662000002
3).前記エステル構造を有する酸二無水物は、式(1)において、nが1、R~Rが水素原子である、式(3)で表される化合物が用いられる、1)に記載のポリイミド樹脂。
Figure 0007359662000003
4).前記フルオロアルキル置換ベンジジンが、2,2’-ビス(トリフルオロメチル)ベンジジンである1)~3)のいずれかに記載のポリイミド樹脂。
5).更に酸二無水物として、1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン二無水物のいずれか1種以上を含む1)~4)いずれかに記載のポリイミド樹脂。
6).ジアミンとして更に5~30モル%の4,4’-ジアミノジフェニルスルホン、または3,3’-ジアミノジフェニルスルホンを含む1)~5)のいずれかに記載のポリイミド樹脂。
7).酸二無水物由来構造とジアミン由来構造とを有するポリイミド樹脂の製造方法であって、
ジアミンとして、ジアミン全量100モル%に対して、フルオロアルキル置換ベンジジンを40モル%以上100モル%以下含み、
前記酸二無水物として、酸二無水物全量100モル%に対して、式(1)で表されるエステル構造を有する酸二無水物を10モル%以上65モル%以下含み、2,3,3’,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を5モル%以上35モル%以下含み、
下記工程(A)、(B)を含むことを特徴とするポリイミド樹脂の製造方法。
(A).式(1)で表されるエステル構造含有の酸二無水物および/または、2,3,3’,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物と、フルオロアルキル置換ベンジジンを含むジアミン成分と反応させて、酸末端またはアミン末端のポリアミド酸オリゴマーを合成する工程、
(B).(A)と(B)工程で用いた酸二無水物とジアミン成分が実質的に等モルとなるように酸二無水物または/およびジアミン成分を、前記酸末端またはアミン末端のポリアミド酸オリゴマーと反応させて、ポリアミド酸を合成する工程。(但し、式(1)中のn=1またはn=2、R~Rは各々水素原子、フッ素原子、炭素原子数1~20のアルキル基またはフルオロアルキル基であり、必ず一つは水素原子である。)
Figure 0007359662000004
8).酸二無水物由来構造とジアミン由来構造とを有するポリイミド樹脂の製造方法であって、
ジアミンとして、ジアミン全量100モル%に対して、フルオロアルキル置換ベンジジンを40モル%以上100モル%以下含み、
前記酸二無水物として、酸二無水物全量100モル%に対して、式(1)で表されるエステル構造を有する酸二無水物を10モル%以上65モル%以下含み、2,3,3’,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を5モル%以上35モル%以下含み、
下記工程(C)、(D)を含むことを特徴とするポリイミド樹脂の製造方法。
(C).全ジアミン成分、または全酸二無水物成分のどちらか一方を溶媒に溶解する工程、
(D).酸二無水物とジアミン成分が実質的に等モルとなるように(C)工程で使用しなかったもう一方の成分を添加して、ポリアミド酸を合成する工程。(但し、式(1)中のn=1またはn=2、R~Rは各々水素原子、フッ素原子、炭素原子数1~20のアルキル基またはフルオロアルキル基であり、必ず一つは水素原子である。)
Figure 0007359662000005
9).1)~6)のいずれかに記載のポリイミド樹脂を用いたポリイミドフィルム。
10).1)~6)のいずれかに記載のポリイミド樹脂をジクロロメタンに溶解させ、基材に塗工後、乾燥させることにより得られるポリイミドフィルムの製造方法。
11).引張弾性率が4.0GPa以上である、9)に記載のポリイミドフィルム。
12).鉛筆硬度がH以上である請求項9)に記載のポリイミドフィルム。
13).黄色度が2.5以下である請求項9)に記載のポリイミドフィルム。
本発明のポリイミド樹脂は、ジクロロメタン等の低沸点溶媒に溶解させることができ、低沸点溶媒から容易にフィルム化することができる。このため、乾燥後の残存溶媒低減に高温を必要とせず、容易に残存溶媒を低減でき、高光透過率、低着色性のポリイミドフィルムが得られる。さらに、本発明のポリイミドフィルムは機械強度と表面硬度が高く、膜厚が40μm以上と厚い場合であっても透明性が高いため、ディスプレイ用の基板材料や、カバーウインドウ材料等として好適に使用できる。
[ポリイミド樹脂]
ポリイミドは、一般に、テトラカルボン酸二無水物(以下、単に「酸二無水物」と記載する場合がある)とジアミンとの反応により得られるポリアミド酸を脱水環化することにより得られる。すなわち、ポリイミドは酸二無水物由来構造とジアミン由来構造とを有する。
本発明のポリイミド樹脂は、酸二無水物成分として、エステル構造を有する芳香族酸二無水物および2,3,3’,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を含み、ジアミン成分として、フルオロアルキル置換ベンジジンを含む。
エステル構造を有する芳香族酸二無水物を酸二無水物全量100モル%に対して10モル%以上65モル%以下含み、2,3,3’,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を5モル%以上35モル%以下含む。また、フルオロアルキル置換ベンジジンを、ジアミン成分の合計100モル%のうち40モル%以上100モル%以下含む。
(エステル構造を有する酸二無水物)
前記エステル構造を有する芳香族酸二無水物は、式(1)で表される。
Figure 0007359662000006
エステル構造含有芳香族酸二無水物は、式(1)中、n=1またはn=2、R~Rは各々水素原子、フッ素原子、炭素原子数1~20のアルキル基またはフルオロアルキル基であり、必ず一つは水素原子である。
アルキル基の例としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、t-ブチル基、シクロブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、シクロペンチル基、n-ヘキシル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。フルオロアルキル基としては、モノフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基などが挙げられる。
中でも、式(1)中、好ましくは、n=2かつR~Rは各々水素原子、メチル基である式(2)で表されるTAHMBPを用いることが好ましい。
Figure 0007359662000007
あるいは、式(1)中、n=1かつR~Rは各々水素原子で表されるTMHQ(式(3))を用いてもよい。
Figure 0007359662000008
式(1)で表されるエステル構造含有した芳香族酸二無水物の含有量は、10モル%以上65モル%以下である。中でも10モル%以上60モル%以下が好ましく、更に好ましくは10モル%以上55モル%以下である。10モル%以上65モル%以下とすることで、得られるポリイミド樹脂のジクロロタン等の低沸点溶媒への溶解性を担保し、ポリアミド酸合成中および/またはイミド化反応中にゲル化する等の問題を抑制することができ、当該ポリイミド樹脂を用いて作製したポリイミドフィルムの機械特性を向上させることが出来る。
(2,3,3’,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物)
酸二無水物成分の合計100モル%のうち2,3,3’,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物の含有量は、5モル%以上35モル%以下である。5モル%以上35モル%以下とすることで、着色の抑制または鉛筆硬度や弾性率の低下を抑制することができる。
(フルオロアルキル置換ベンジジン)
ジアミン成分の合計100モル%のうちフルオロアルキル置換ベンジジンの含有量は、40モル%以上100モル%以下である。中でも60モル%以上が好ましく、更に好ましくは70モル%以上である。40モル%以上とすることで、着色の抑制または鉛筆硬度や弾性率の低下を抑制することができる。
フルオロアルキル置換ベンジジンの例としては、2-フルオロベンジジン、3-フルオロベンジジン、2,3-ジフルオロベンジジン、2,5-ジフルオロベンジジン、2、6-ジフルオロベンジジン、2,3,5-トリフルオロベンジジン、2,3,6-トリフルオロベンジジン、2,3,5,6-テトラフルオロベンジジン、2,2’-ジフルオロベンジジン、3,3’-ジフルオロベンジジン、2,3’-ジフルオロベンジジン、2,2’,3-トリフルオロベンジジン、2,3,3’-トリフルオロベンジジン、2,2’,5-トリフルオロベンジジン、2,2’,6-トリフルオロベンジジン、2,3’,5-トリフルオロベンジジン、2,3’,6,-トリフルオロベンジジン、2,2’,3,3’-テトラフルオロベンジジン、2,2’,5,5’-テトラフルオロベンジジン、2,2’,6,6’-テトラフルオロベンジジン、2,2’,3,3’,6,6’-ヘキサフルオロベンジジン、2,2’,3,3’,5,5’、6,6’-オクタフルオロベンジジン、2-(トリフルオロメチル)ベンジジン、3-(トリフルオロメチル)ベンジジン、2,3-ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン、2,5-ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン、2、6-ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン、2,3,5-トリス(トリフルオロメチル)ベンジジン、2,3,6-トリス(トリフルオロメチル)ベンジジン、2,3,5,6-テトラキス(トリフルオロメチル)ベンジジン、2,2’-ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン、3,3’-ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン、2,3’-ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン、2,2’,3-ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン、2,3,3’-トリス(トリフルオロメチル)ベンジジン、2,2’,5-トリス(トリフルオロメチル)ベンジジン、2,2’,6-トリス(トリフルオロメチル)ベンジジン、2,3’,5-トリス(トリフルオロメチル)ベンジジン、2,3’,6,-トリス(トリフルオロメチル)ベンジジン、2,2’,3,3’-テトラキス(トリフルオロメチル)ベンジジン、2,2’,5,5’-テトラキス(トリフルオロメチル)ベンジジン、2,2’,6,6’-テトラキス(トリフルオロメチル)ベンジジンなどが挙げられる。
中でも、ビフェニル骨格の2位にフルオロアルキル基を有するフルオロアルキル置換ベンジジンが好ましく、2,2’-ビス(トリフルオロメチル)ベンジジンがより好ましい。ビフェニル骨格の2位にフルオロアルキル基を有することにより、フルオロアルキル基の立体障害によりビフェニル骨格の芳香族環がねじれることとフルオロアルキル基の電子吸引性により、着色を低減することができる。
(その他のモノマー)
ジクロロメタン等の低沸点溶媒への溶解性を損なわず、黄色度や機械強度、表面硬度の特性を損なわない範囲で、上記酸二水物成分及びジアミン成分以外の酸二水物成分及びジアミン成分を併用することも可能である。
併用可能な酸二無水物成分の例としては、ピロメリット酸二無水物、2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン酸二無水物、3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、9,9-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)フルオレン二無水物、エチレンテトラカルボン酸二無水物、ブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4-シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5-シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、1,1’‐ビシクロヘキサン‐3,3’,4,4’‐テトラカルボン酸‐3,4:3’,4’‐二無水物、3,3’,4,4’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2-ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、1,1-ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、1,3-ビス[(3,4-ジカルボキシ)ベンゾイル]ベンゼン二無水物、1,4-ビス[(3,4-ジカルボキシ)ベンゾイル]ベンゼン二無水物、2,2-ビス{4-[4-(1,2-ジカルボキシ)フェノキシ]フェニル}プロパン二無水物、2,2-ビス{4-[3-(1,2-ジカルボキシ)フェノキシ]フェニル}プロパン二無水物、ビス{4-[4-(1,2-ジカルボキシ)フェノキシ]フェニル}ケトン二無水物、ビス{4-[3-(1,2-ジカルボキシ)フェノキシ]フェニル}ケトン二無水物、4,4’-ビス[4-(1,2-ジカルボキシ)フェノキシ]ビフェニル二無水物、4,4’-ビス[3-(1,2-ジカルボキシ)フェノキシ]ビフェニル二無水物、ビス{4-[4-(1,2-ジカルボキシ)フェノキシ]フェニル}ケトン二無水物、ビス{4-[3-(1,2-ジカルボキシ)フェノキシ]フェニル}ケトン二無水物、ビス{4-[4-(1,2-ジカルボキシ)フェノキシ]フェニル}スルホン二無水物、ビス{4-[3-(1,2-ジカルボキシ)フェノキシ]フェニル}スルホン二無水物、ビス{4-[4-(1,2-ジカルボキシ)フェノキシ]フェニル}スルフィド二無水物、ビス{4-[3-(1,2-ジカルボキシ)フェノキシ]フェニル}スルフィド二無水物、2,2-ビス{4-[3-(1,2-ジカルボキシ)フェノキシ]フェニル}-1,1,1,3,3,3-プロパン二無水物、2,3,6,7-ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8-ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6-ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4-ベンゼンテトラカルボン酸二無水物、3,4,9,10-ペリレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7-アントラセンテトラカルボン酸二無水物、1,2,7,8-フェナントレンテトラカルボン酸二無水物等が挙げられ、これらを単独又は複数併用することができる。
中でも、機械強度や溶媒溶解性の観点から、1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物や2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン二無水物が好ましく用いられる。
特に、2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン二無水物を多量に用いると、弾性率や鉛筆硬度等の機械特性が低下する傾向にある。そのため、2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン二無水物を併用する場合、酸二無水物成分全量100モル%中45モル%以下が好ましく、30モル%以下がより好ましい。
併用可能なジアミンモノマーの例としては、p-フェニレンジアミン、m-フェニレンジアミン、o-フェニレンジアミン、3,3’-ジアミノジフェニルエーテル、3,4’-ジアミノジフェニルエーテル、4,4’-ジアミノジフェニルエーテル、3,3’-ジアミノジフェニルスルフィド、3,4’-ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’-ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’-ジアミノジフェニルスルホン、3,4’-ジアミノジフェニルスルホン、4,4’-ジアミノジフェニルスルホン、9,9-ビス(4-アミノフェニル)フルオレン、3,3’-ジアミノベンゾフェノン、4,4’-ジアミノベンゾフェノン、3,4’-ジアミノベンゾフェノン、3,3’-ジアミノジフェニルメタン、4,4’-ジアミノジフェニルメタン、3,4’-ジアミノジフェニルメタン、2,2-ジ(3-アミノフェニル)プロパン、2,2-ジ(4-アミノフェニル)プロパン、2-(3-アミノフェニル)-2-(4-アミノフェニル)プロパン、1,1-ジ(3-アミノフェニル)-1-フェニルエタン、1,1-ジ(4-アミノフェニル)-1-フェニルエタン、1-(3-アミノフェニル)-1-(4-アミノフェニル)-1-フェニルエタン、1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(3-アミノベンゾイル)ベンゼン、1,3-ビス(4-アミノベンゾイル)ベンゼン、1,4-ビス(3-アミノベンゾイル)ベンゼン、1,4-ビス(4-アミノベンゾイル)ベンゼン、1,3-ビス(3-アミノ-α,α-ジメチルベンジル)ベンゼン、1,3-ビス(4-アミノ-α,α-ジメチルベンジル)ベンゼン、1,4-ビス(3-アミノ-α,α-ジメチルベンジル)ベンゼン、1,4-ビス(4-アミノ-α,α-ジメチルベンジル)ベンゼン、2,6-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゾニトリル、2,6-ビス(3-アミノフェノキシ)ピリジン、4,4’-ビス(3-アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’-ビス(4-アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、2,2-ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,3-ビス[4-(3-アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,3-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,4-ビス[4-(3-アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,4-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,3-ビス[4-(3-アミノフェノキシ)-α,α-ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)-α,α-ジメチルベンジル]ベンゼン、1,4-ビス[4-(3-アミノフェノキシ)-α,α-ジメチルベンジル]ベンゼン、1,4-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)-α,α-ジメチルベンジル]ベンゼン、4,4’-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)ベンゾイル]ジフェニルエーテル、4,4’-ビス[4-(4-アミノ-α,α-ジメチルベンジル)フェノキシ]ベンゾフェノン、4,4’-ビス[4-(4-アミノ-α,α-ジメチルベンジル)フェノキシ]ジフェニルスルホン、4,4’-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェノキシ]ジフェニルスルホン、3,3’-ジアミノ-4,4’-ジフェノキシベンゾフェノン、3,3’-ジアミノ-4,4’-ジビフェノキシベンゾフェノン、3,3’-ジアミノ-4-フェノキシベンゾフェノン、3,3’-ジアミノ-4-ビフェノキシベンゾフェノン、6,6’-ビス(3-アミノフェノキシ)-3,3,3’,3’-テトラメチル-1,1’-スピロビインダン、6,6’-ビス(4-アミノフェノキシ)-3,3,3’,3’-テトラメチル-1,1’-スピロビインダン、1,3-ビス(3-アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン、1,3-ビス(4-アミノブチル)テトラメチルジシロキサン、α,ω-ビス(3-アミノプロピル)ポリジメチルシロキサン、α,ω-ビス(3-アミノブチル)ポリジメチルシロキサン、ビス(アミノメチル)エーテル、ビス(2-アミノエチル)エーテル、ビス(3-アミノプロピル)エーテル、ビス(2-アミノメトキシ)エチル]エーテル、ビス[2-(2-アミノエトキシ)エチル]エーテル、ビス[2-(3-アミノプロトキシ)エチル]エーテル、1,2-ビス(アミノメトキシ)エタン、1,2-ビス(2-アミノエトキシ)エタン、1,2-ビス[2-(アミノメトキシ)エトキシ]エタン、1,2-ビス[2-(2-アミノエトキシ)エトキシ]エタン、エチレングリコールビス(3-アミノプロピル)エーテル、ジエチレングリコールビス(3-アミノプロピル)エーテル、トリエチレングリコールビス(3-アミノプロピル)エーテル、エチレンジアミン、1,3-ジアミノプロパン、1,4-ジアミノブタン、1,5-ジアミノペンタン、1,6-ジアミノヘキサン、1,7-ジアミノヘプタン、1,8-ジアミノオクタン、1,9-ジアミノノナン、1,10-ジアミノデカン、1,11-ジアミノウンデカン、1,12-ジアミノドデカン、1,2-ジアミノシクロヘキサン、1,3-ジアミノシクロヘキサン、1,4-ジアミノシクロヘキサン、trans-1,4-ジアミノシクロヘキサン、1,2-ジ(2-アミノエチル)シクロヘキサン、1,3-ジ(2-アミノエチル)シクロヘキサン、1,4-ジ(2-アミノエチル)シクロヘキサン、ビス(4-アミノシクロへキシル)メタン、2,6-ビス(アミノメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、2,5-ビス(アミノメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、1,4-ジアミノ-2-フルオロベンゼン、1,4-ジアミノ-2,3-ジフルオロベンゼン、1,4-ジアミノ-2,5-ジフルオロベンゼン、1、4-ジアミノ-2,6-ジフルオロベンゼン、1,4-ジアミノ-2,3,5-トリフルオロベンゼン、1、4-ジアミノ、2,3,5,6-テトラフルオロベンゼン、1,4-ジアミノ-2-(トリフルオロメチル)ヘンゼン、1,4-ジアミノ-2,3-ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン、1,4-ジアミノ-2,5-ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン、1、4-ジアミノ-2,6-ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン、1,4-ジアミノ-2,3,5-トリス(トリフルオロメチル)ベンゼン、1、4-ジアミノ、2,3,5,6-テトラキス(トリフルオロメチル)ベンゼンが挙げられる。中でも、透明性および溶媒への溶解性の観点から、3,3’-ジアミノジフェニルスルホンや4,4’-ジアミノジフェニルスルホンが好ましく用いられる。
併用するジアミン成分はジアミン成分全量100モル%中40モル%以下が好ましく、30モル%以下がより好ましい。中でも、3,3’-ジアミノジフェニルスルホンなど溶解性の高いジアミンを併用する場合、溶解性向上の観点から、ジアミン成分全量100モル%中5モル%以上が好ましく、10モル%以上がより好ましい。また、3,3’-ジアミノジフェニルスルホンや4,4’-ジアミノジフェニルスルホンを用いる場合、機械強度の観点から40モル%以下が好ましく、30モル%以下がより好ましい。
(ポリイミド樹脂の構成)
本発明におけるポリイミド樹脂としては、酸二無水物成分として、式(1)で表されるエステル構造を有する酸二無水物、2,3,3’,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物[a-BPDAともいう]を含み、ジアミン成分として、フルオロアルキル置換ベンジジンである2,2‘-ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン[TFMBともいう]を含むことが好ましい。
中でも、エステル基含有酸二無水物として、式(2)で表される芳香族酸二無水物[TAHMBPともいう]や式(3)で表される芳香族酸二無水物[TMHQともいう]を用いることが好ましい。さらに、酸二無水物として1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸二無水物[CBDAともいう]、3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物[s-BPDAともいう]、2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン二無水物[6FDAともいう]のいずれか1種以上を用いることが好ましい。
ここで、CBDAやs-BPDAを用いた場合、機械特性が向上する傾向にあるものの、得られるポリイミド樹脂の溶解性が低下する傾向にある。そのため、これらを併用する場合、それぞれ、酸二無水物成分全量100モル%中40モル%以下が好ましく、30モル%以下がより好ましい。
また、ジアミンとして3,3’-ジアミノジフェニルスルホン[3,3’-DDSともいう]、4,4’-ジアミノジフェニルスルホン[4,4’ -DDSともいう]を用いることが好ましい。
本発明におけるポリイミド樹脂としては、酸二無水物成分として、TAHMBPあるいはTMHQを10モル%以上65モル%以下、a-BPDAを5モル%以上35モル%以下含み、ジアミン成分として、TFMBを40モル%以上100モル%以下含むことが好ましい。更に、溶媒溶解性や、フィルムの透明性を向上させる観点から、酸二無水物として6FDA、s-BPDA、CBDAを含むことが好ましい。またジアミン成分として3,3’-DDSまたは4,4’-DDSを5モル%以上30モル%以下含むことが好ましい。
上記の材料の組合せを用い、各々の酸二無水物成分とジアミン成分を上記範囲とすることにより、低沸点溶媒に溶解するため容易に残存溶媒量を低減でき、透過率、黄色度、および機械強度に優れたポリイミド樹脂を得ることができる。
[ポリイミド樹脂の作製]
本発明のポリイミド樹脂の作製方法の一例について、以下に記載する。まず、有機溶媒中で、酸二水物成分とジアミン成分を重合させ、ポリイミド前駆体であるポリアミド酸溶液を得る。次にイミド化触媒と脱水剤を添加し脱水閉環させることによりポリイミド溶液を得る。ポリイミド溶液にポリイミドの貧溶媒を加えることで、ポリイミド樹脂を析出させ、固液分離することによりポリイミド樹脂が得られる。
[ポリアミド酸の合成工程]
本発明に用いられるポリアミド酸は、ジアミンとして、ジアミン全量100モル%に対して、フルオロアルキル置換ベンジジンを40モル%以上100モル%以下含み、
前記酸二無水物として、酸二無水物全量100モル%に対して、式(1)で表されるエステル構造を有する酸二無水物を10モル%以上65モル%以下含み、2,3,3’,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を5モル%以上35モル%以下含むポリアミド酸である。下記に示す(A)と(B)の工程を有するか、(C)と(D)の工程により製造することが、得られるポリイミドの諸物性を制御することができる点で好ましい。(但し、式(1)中のn=1またはn=2、R~Rは各々水素原子、フッ素原子、炭素原子数1~20のアルキル基またはフルオロアルキル基であり、必ず一つは水素原子である。)
Figure 0007359662000009
((A)と(B)の工程を有する場合の製造方法)
(A)工程は、式(1)で表されるエステル構造含有の酸二無水物および/または2,3,3’,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を含む酸二無水物と、フルオロアルキル置換ベンジジンを含むジアミン成分と反応させて、酸末端またはアミン末端のポリアミド酸オリゴマーを合成する工程である。((但し、式(1)中のn=1またはn=2、R~Rは各々水素原子、フッ素原子、炭素原子数1~20のアルキル基またはフルオロアルキル基であり、必ず一つは水素原子である。)
Figure 0007359662000010
(B)工程は、(A)と(B)工程で用いた酸二無水物とジアミン成分が実質的に等モルとなるように酸二無水物または/およびジアミン成分を、前記酸末端またはアミン末端のポリアミド酸オリゴマーと反応させて、ポリアミド酸を合成する工程である。
((C)と(D)の工程を有する場合の製造方法)
(C)工程は、全ジアミン成分、または全酸二無水物成分のどちらか一方を溶媒に溶解する工程である。
(D)工程は、酸二無水物とジアミン成分が実質的に等モルとなるように(C)工程で使用しなかったもう一方の成分を添加して、ポリアミド酸を合成する工程である。
(ポリアミド酸の合成)
酸二水物成分とジアミン成分の重合において、酸二無水物成分とジアミン成分は実質的等モル量使用することが好ましい。すなわち、全酸二無水物成分と全ジアミン成分のモル比は95:105~105:95の範囲であることが好ましい。どちらかの成分が過剰になると高分子量体が得られず、ポリイミドフィルムの機械強度が低下する。
酸二水物成分とジアミン成分の重合において、使用可能な有機溶媒は特に限定されず、酸二無水物成分、ジアミン成分ならびに重合生成物であるポリアミド酸が溶解すればよい。有機溶媒の具体例としては、メチル尿素、N,N-ジメチルエチルウレア等のウレア系溶媒;ジメチルスルホキシド、ジフェニルスルホン、テトラメチルスルフォン等のスルホン系溶媒;N,N-ジメチルアセトアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N’-ジエチルアセトアミド、N-メチル-2-ピロリドン、γ-ブチロラクトン、ヘキサメチルリン酸トリアミド等のアミド系溶媒;クロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン化アルキル系溶媒;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素系溶媒、テトラヒドロフラン、1,3-ジオキソラン、1,4-ジオキサン、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、p-クレゾールメチルエーテル等のエーテル系溶媒が挙げられる。これらの溶媒を単独で用いるか必要に応じて2種以上を適宜組み合わせて用いても良い。これらの中でも、重合反応性およびポリアミド酸の溶解性に優れることから、N,N-ジメチルアセトアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、またはN-メチルピロリドンが好ましく用いられる。
酸二水物成分とジアミン成分の重合において、反応温度は特に限定されないが、0℃以上80℃以下が好ましく、20℃以上45℃以下がより好ましい。0℃以上とすることで反応速度の低下を抑制でき、比較的短時間で重合反応を実施することができる。また80℃以下とすることで、酸二無水物成分の開環による重合度の低下等を抑制することができる。
(イミド化反応)
イミド化反応におけるイミド化触媒としては、3級アミン化合物が用いられる。3級アミンとしては複素環式の3級アミンが好ましい。複素環式の3級アミンの好ましい具体例としてはピリジン、ピコリン、キノリン、イソキノリンなどを挙げることができる。脱水剤としてはカルボン酸無水物が用いられ、具体的には無水酢酸、プロピオン酸無水物、n-酪酸無水物、安息香酸無水物、トリフルオロ酢酸無水物等が好ましい具体例として挙げることができる。
イミド化剤や脱水触媒の添加量としては、ポリアミド酸のアミド基に対して、イミド化触媒は0.5倍モル当量~5.0倍モル当量であり、さらにはより好ましくは0.7倍モル当量~2.5倍モル当量、特には0.8倍モル当量~2.0倍モル当量が好ましい。
また、脱水剤は0.5倍モル当量~10.0倍モル当量、さらには0.7倍モル当量~5.0倍モル当量、特には0.8倍モル当量~3.0倍モル当量が好ましい。
(造粒)
ポリイミド溶液からポリイミド樹脂を析出させる貧溶媒としては、ポリイミド樹脂の貧溶媒であって、ポリイミド樹脂を溶解している溶媒と混和するものが好ましく、水、アルコール類等が挙げられる。アルコール類としては、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、エチレングリコール、トリエチレングリコール、2-ブチルアルコール、2-ヘキシルアルコール、シクロペンチルアルコール、シクロヘキシルアルコール、フェノール、t-ブチルアルコール等が挙げられる。ポリイミドの開環等が生じ難いことから、イソプロピルアルコール、2-ブチルアルコール、2-ペンチルアルコール、フェノール、シクロペンチルアルコール、シクロヘキシルアルコール、t-ブチルアルコール等のアルコールが好ましく、イソプロピルアルコールが特に好ましい。
[ポリイミドフィルム]
本発明のポリイミドフィルムは、前記ポリイミド樹脂を有機溶媒に溶解させて得られるポリイミド溶液を基材に塗布し、溶媒を乾燥除去させることにより製造できる。
ポリイミド樹脂を溶解させる有機溶媒としては、上記のポリイミド樹脂を溶解可溶なものであればよく、ポリイミド樹脂の用途に応じて適宜選択すればよいが、ジクロロメタン、酢酸メチル、テトラヒドロフラン、アセトン、及び1,3-ジオキソラン等の低沸点溶媒が好ましく、沸点が低く、溶媒の乾燥除去が容易であることからジクロロメタンがより好ましい。前述のように酸二無水物成分及びジアミン成分の組成比を所定範囲とすることにより、ジクロロメタン等の低沸点溶媒に対しても高い溶解性を示すポリイミドが得られる。
ポリイミド溶液の固形分濃度は、ポリイミドの分子量、フィルムの厚みや製膜環境等に応じて適宜設定すればよい。固形分濃度は、5~30wt%が好ましく、8~20wt%がより好ましい。
ポリイミド溶液は、ポリイミド以外の樹脂成分や添加剤を含んでいてもよい。添加剤としては、紫外線吸収剤、架橋剤、染料、界面活性剤、レベリング剤、可塑剤、微粒子等が挙げられる。ポリイミド樹脂組成物の固形分100重量部に対するポリイミド樹脂の含有量は60重量部以上が好ましく、70重量部以上がより好ましく、80重量部以上がさらに好ましい。
ポリイミド溶液を基材に塗布する方法としては、公知の方法を用いることができ、例えば、バーコーターやコンマコーターにより塗布することができる。ポリイミド溶液を塗布する基材としては、ガラス基板、SUS等の金属基板、金属ドラム、金属ベルト、プラスチックフィルム等を使用できる。生産性向上の観点から、支持体として、金属ドラム、金属ベルト等の無端支持体、または長尺プラスチックフィルム等を用い、ロールトゥーロールによりフィルムを製造することが好ましい。プラスチックフィルムを支持体として使用する場合、製膜ドープの溶媒に溶解しない材料を適宜選択すればよく、プラスチック材料としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリエチレンナフタレート等が用いられる。
ポリイミド溶液から溶媒を乾燥させることによりポリイミドフィルムを作製することができる。この際、ポリイミドフィルムに含まれる残存溶媒量は、
ポリイミドフィルムに含まれる残存溶媒量(%)=[ポリイミドフィルムに含まれる溶媒の量(g)/溶媒を含むポリイミドフィルムの量(g)]×100
としたとき、1.5%以下が好ましく、1.0%以下がより好ましい。残存溶媒量を上記範囲とすることにより、機械強度を向上させることが出来る。
溶媒の乾燥時には加熱を行うことが好ましい。加熱温度は、特に限定されないが、着色を抑えるという観点から、200℃以下が好ましく、180℃以下がより好ましい。通常、ジクロロメタン等の低沸点溶媒に溶解しないポリイミド樹脂を用いた場合、残存溶媒量を所望の範囲にするためには、200℃以上の高温加熱や、長時間加熱を行うことが必要となり、生産性の観点から課題が残る。一方、上述のように、本明細書におけるポリイミド樹脂は、ジクロロメタン等の低沸点溶媒に可溶であるため、加熱温度を低くすることが出来る。従って、残存溶媒を容易に低減でき、着色を抑えることが出来る。乾燥は、段階的に加熱温度を上昇させてもよい。さらに減圧下で乾燥させても良い。
ポリイミドフィルムの厚みは特に限定されず、用途に応じて適宜設定すればよい。ポリイミドフィルムの厚みは、例えば5~100μm程度である。耐衝撃性と透明性を両立する観点から、ポリイミドフィルムの厚みは30μm以上が好ましく、35μm以上がより好ましく、40μm以上が特に好ましい。特に、ディスプレイのカバーウィンドウ等、強度が求められる用途に用いる場合、40μm以上が好ましい。ポリイミドフィルムの厚みは、90μm以下が好ましく、85μm以下がより好ましい。本明細書におけるポリイミドフィルムは、膜厚が40μm以上と厚い場合であっても優れた透明性を有する。
[ポリイミドフィルムの特性]
ポリイミドフィルムの黄色度(YI)は、3.0以下が好ましく2.5以下がより好ましい。黄色度が3.0以下の場合、フィルムが黄色に着色することなく、ディスプレイ用等のフィルムとして好適に使用できる。
ポリイミドフィルムの全光線透過率は、80%以上が好ましく、85%以上がより好ましい。またポリイミドフィルムの波長400nmにおける光透過率は、35%以上が好ましく、40%以上が更に好ましい。ポリイミドフィルムの引張弾性率は、3.5GPa以上が好ましく、4.0GPa以上がより好ましく、更に好ましくは5.0GPa以上である。
ロールトゥーロール搬送時のロールとの接触や、巻取時のフィルム同士の接触によるフィルムの傷付きを防止する観点から、ポリイミドフィルムの鉛筆硬度はH以上が好ましく、2H以上がより好ましい。ポリイミドフィルムがディスプレイのカバーウインドウ等に用いられる場合は、外部からの接触に対する耐擦傷性が求められるため、ポリイミドフィルムの鉛筆硬度は2H以上が好ましく、3H以上がさらに好ましい。
本発明のポリイミドフィルムは、黄色度が小さく、透明性が高くディスプレイ材料として好適に用いられる。さらに、表面硬度が高いため、ディスプレイのカバーウインドウ等の表面部材への適用が可能である。
以下、実施例及び比較例に基づき、本発明について更に具体的に説明する。なお、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
((A)と(B)の工程を有する場合の製造方法:ポリアミド酸の合成)
セパラブルフラスコに合成溶媒としてN,N-ジメチルホルムアミドを投入し、窒素雰囲気下で撹拌した。セパラブルフラスコ内に、表1の工程(A)に示す比率でジアミンならびに酸二無水物を投入し、窒素雰囲気下にて12時間撹拌することにより反応させてオリゴマーを合成した後、表1の工程(B)に示す比率でジアミンならびに酸二無水物を投入し、窒素雰囲気下にて6時間撹拌することにより反応させて固形分濃度18%のポリアミド酸溶液を得た。
表1に示す原料モノマーの略称は下記の通りである。
TMHQ: p-フェニレンビストリメリット酸二無水物
6FDA:2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン酸二無水物
s-BPDA:3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
CBDA:1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸二無水物
TFMB:2,2’-ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン
3,3’-DDS:3,3’-ジアミノジフェニルスルホン
4,4’-DDS:4,4’-ジアミノジフェニルスルホン
TAHMBP:ビス(1,3-ジオキソ-1,3-ジヒドロイソベンゾフラン-5-カルボン酸)-2,2’,3,3’,5,5’-ヘキサメチルビフェニル-4,4’ジイル
a-BPDA:2,3,3’,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
Figure 0007359662000011
((C)と(D)の工程を有する場合の製造方法:ポリアミド酸の合成)
セパラブルフラスコに合成溶媒としてN,N-ジメチルホルムアミドを投入し、窒素雰囲気下で撹拌した。セパラブルフラスコ内に、表2に示す比率でジアミンならびに酸二無水物を投入し、窒素雰囲気下にて8時間撹拌することにより反応させて、固形分濃度18%のポリアミド酸溶液を得た。
Figure 0007359662000012
(イミド化およびポリイミド樹脂の分離)
ポリアミド酸溶液100gに、イミド化触媒としてピリジン6.5gを添加し、完全に分散させた。分散された溶液中に無水酢酸8.0gを添加し、90℃で3時間攪拌したのち、室温まで冷却した。冷却した溶液を攪拌しながら、2-プロピルアルコール(以下、IPAと記載)100gを2~3滴/秒となる速度で投入し、ポリイミドを析出させた。さらにIPA200gを添加し、30分程度撹拌後、桐山ロートを使用して吸引ろ過を行った。得られた固体をIPAで洗浄を行った。洗浄作業を6回繰り返した後、120℃に設定した真空オーブンで18時間乾燥させることでポリイミド樹脂を得た。
(ポリイミドフィルムの製膜)
得られたポリイミド樹脂をジクロロメタン(以下、DCMと記載)に溶解し、固形分濃度10%のポリイミド溶液を得た。バーコーターを用いて、前記ポリイミド溶液を無アルカリガラス板状に塗布し、40℃で60分、80℃で30分、150℃で30分、170℃で30分間、200℃で60分間、大気雰囲気下で乾燥し、ポリイミドフィルムを得た。
(引張弾性率の測定)
測定には島津製作所製のAUTOGRAPH AGS-Xを用いて、次の条件で測定した。サンプル測定範囲;幅10mm、つかみ具間距離100mm、引張速度;20.0mm/min、測定温度;23℃。サンプルは23℃/55%RHで1日静置して調湿したものを測定した。
(黄色度(YI)の測定)
スガ試験機株式会社製分光測色計SC-Pを用い測定した。測定は3cm角サイズのサンプルについて測定し、その値をフィルムの測定値とした。
(鉛筆硬度の測定)
JIS K-5600-5-4鉛筆引っかき試験により、フィルムの鉛筆硬度を測定し、表面硬度の指標とした。
(400nmにおける透過率の測定)
日本分光社製紫外可視分光光度計(V-560)を用いて、フィルムの300-800nmにおける光透過率を測定し、400nmの波長における光透過率を指標として用いた。
(全光線透過率およびヘイズの測定)
スガ試験機株式会社製ヘイズメーターHZ-V3により、JIS K7361-1およびJIS K7136に記載の方法により測定した。
(残存溶媒量の測定)
1,3-ジオキソラン約8.9gを溶媒として、ポリイミドフィルム約0.1gと内部標準物質DEGBME(ジエチレングリコールブチルメチルエーテル)約1gを溶解させ測定試料を調製した。この溶液をガスクロマトグラフ装置(GC,島津製作所社製)を用いて測定し、GCピーク面積と調製濃度からポリイミドフィルム中に含まれる残存溶媒量(DCM、メチルエチルケトン等)を求めた。ポリイミドフィルムは、ポリイミド樹脂を製膜用溶媒に溶解させた溶液を無アルカリガラス板状に塗布し、40℃で60分、80℃で30分、150℃で30分、170℃で30分間、200℃で60分間、大気雰囲気下で乾燥したものを用いた。
(ジクロロメタン(DCM)への溶解性確認)
ポリイミド樹脂にDCMを固形分濃度10wt%になるように加え、室温で72時間攪拌して目視で溶液を確認した。固形分が確認できる場合は不溶とした。
以上の結果を表1と表2に示す。
表1ならびに表2に示される通り、ポリイミドを構成するフルオロアルキル置換ベンジジン(TFMB)、エステル構造を有する酸二無水物(TAHMBP、TMHQ)およびa-BPDAの構成比率を適切な範囲に設定することにより、DCM可溶性、機械強度、表面硬度、透明性をバランスよく発現させ得ることがわかる。
実施例ならびに比較例では製膜時に使用する溶媒としてDCMを用いている。そのため、フィルム中の残存溶媒量(残揮)は、いずれも1.0wt%以下であった。一方、DCMよりも高沸点であるメチルエチルケトンを製膜用溶媒として用いて作製した参考例1のポリイミドフィルムでは、同乾燥条件にてフィルムを作製した場合の残揮は2.6wt% と高い値を示した。このため、参考例1では、所望の残揮量とするために、更なる高温での乾燥が必要となり、生産性の悪化につながると考えられる。
エステル構造を有する酸二無水物を含まない比較例1では、DCM可溶かつ光学特性に優れているが、弾性率や鉛筆硬度という機械特性が満足できなかった。ビフェニル構造とエステル基を併せ持つ酸二無水物のTAHMBPを多く含む比較例2では、DCM可溶かつ機械物性は良好であったが、フィルムのYIが2.7と高くなった。TAHMBPを多く用いた場合、ポリイミド樹脂において分子内・分子間の電荷移動の影響が強くなったと考えられる。比較例3ではDCM可溶のポリイミド樹脂は取得することができたが、フィルムが脆弱であり評価用のフィルムは取得出来なかった。屈曲構造を有するa-BPDAを多量に使用しており、立体障害のために重合が十分に進まなかった可能性がある。
比較例4~8では、いずれもDCMに可溶なポリイミド樹脂を取得することが出来なかった。比較例4では、直線性の高いTMHQを大量に使用しており、ポリイミド分子間の相互作用が強くなった可能性が考えられる。また、比較例5では、TFMBなどのフルオロアルキル置換ベンジジンを含まないため、DCM可溶性を示さなかった。
比較例6では、実施例9との比較からa-BPDA使用量が40mol%と多くなっているためにDCM不溶となったと考えられる。比較例7では、直線性の高いTMHQを70mol%と多く使用している、かつ、工程(B)でa-BPDAではなく6FDAを使用していることが分かる。また比較例8では実施例1、2、4と比較してa-BPDAを全く使用していない。いずれも、本発明で示す範囲、特にa-BPDAの使用割合が範囲外となっているため、DCMに不溶となったと考えられる。
以上から、ジアミン成分としてフルオロアルキル置換ベンジジン、酸二無水物としてエステル構造を有する酸二無水物(TAHMBP、TMHQ)および2,3,3’,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(a-BPDA)を本発明の構成比率で含有させることにより、残存溶媒量を容易に低減させ、機械強度、表面硬度および透明性に優れるポリイミドフィルムが得られることが明らかである。

Claims (13)

  1. 酸二無水物由来構造とジアミン由来構造とを有するポリイミド樹脂であって、
    ジアミンとして、ジアミン全量100モル%に対して、フルオロアルキル置換ベンジジンを40モル%以上100モル%以下含み、
    前記酸二無水物として、酸二無水物全量100モル%に対して、式(1)で表されるエステル構造を有する酸二無水物を10モル%以上65モル%以下含み、2,3,3’,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を5モル%以上35モル%以下含む、ポリイミド樹脂。
    Figure 0007359662000013
    (n=1またはn=2、R~Rは各々水素原子、フッ素原子、炭素原子数1~20のアルキル基またはフルオロアルキル基であり、必ず一つは水素原子である。)
  2. 前記式(1)で表されるエステル構造を有する酸二無水物として式(2)で表される化合物が用いられる、請求項1に記載のポリイミド樹脂。
    Figure 0007359662000014
  3. 前記エステル構造を有する酸二無水物は、式(1)において、nが1、R~Rが水素原子である、式(3)で表される化合物が用いられる、請求項1に記載のポリイミド樹脂。
    Figure 0007359662000015
  4. 前記フルオロアルキル置換ベンジジンが、2,2’-ビス(トリフルオロメチル)ベンジジンである請求項1~3のいずれかに記載のポリイミド樹脂。
  5. 更に酸二無水物として、1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン二無水物のいずれか1種以上を含む請求項1~4いずれかに記載のポリイミド樹脂。
  6. ジアミンとして更に5~30モル%の4,4’-ジアミノジフェニルスルホン、または3,3’-ジアミノジフェニルスルホンを含む請求項1~5のいずれかに記載のポリイミド樹脂。
  7. 酸二無水物由来構造とジアミン由来構造とを有するポリイミド樹脂の製造方法であって、
    ジアミンとして、ジアミン全量100モル%に対して、フルオロアルキル置換ベンジジンを40モル%以上100モル%以下含み、
    前記酸二無水物として、酸二無水物全量100モル%に対して、式(1)で表されるエステル構造を有する酸二無水物を10モル%以上65モル%以下含み、2,3,3’,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を5モル%以上35モル%以下含み、
    下記工程(A)、(B)を含むことを特徴とするポリイミド樹脂の製造方法。
    (A).式(1)で表されるエステル構造含有の酸二無水物および/または、2,3,3’,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を含む酸二無水物と、フルオロアルキル置換ベンジジンを含むジアミン成分と反応させて、酸末端またはアミン末端のポリアミド酸オリゴマーを合成する工程、
    (B).(A)と(B)工程で用いた酸二無水物とジアミン成分が実質的に等モルとなるように酸二無水物または/およびジアミン成分を、前記酸末端またはアミン末端のポリアミド酸オリゴマーと反応させて、ポリアミド酸を合成する工程。(但し、式(1)中のn=1またはn=2、R~Rは各々水素原子、フッ素原子、炭素原子数1~20のアルキル基またはフルオロアルキル基であり、必ず一つは水素原子である。)
    Figure 0007359662000016
  8. 酸二無水物由来構造とジアミン由来構造とを有するポリイミド樹脂の製造方法であって、
    ジアミンとして、ジアミン全量100モル%に対して、フルオロアルキル置換ベンジジンを40モル%以上100モル%以下含み、
    前記酸二無水物として、酸二無水物全量100モル%に対して、式(1)で表されるエステル構造を有する酸二無水物を10モル%以上65モル%以下含み、2,3,3’,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を5モル%以上35モル%以下含み、
    下記工程(C)、(D)を含むことを特徴とするポリイミド樹脂の製造方法。
    (C).全ジアミン成分、または全酸二無水物成分のどちらか一方を溶媒に溶解する工程、
    (D).酸二無水物とジアミン成分が実質的に等モルとなるように(C)工程で使用しなかったもう一方の成分を添加して、ポリアミド酸を合成する工程。(但し、式(1)中のn=1またはn=2、R~Rは各々水素原子、フッ素原子、炭素原子数1~20のアルキル基またはフルオロアルキル基であり、必ず一つは水素原子である。)
    Figure 0007359662000017
  9. 請求項1~6のいずれかに記載のポリイミド樹脂を用いたポリイミドフィルム。
  10. 請求項1~6のいずれかに記載のポリイミド樹脂をジクロロメタンに溶解させ、基材に塗工後、乾燥させることにより得られるポリイミドフィルムの製造方法。
  11. 引張弾性率が4.0GPa以上である、請求項9に記載のポリイミドフィルム。
  12. 鉛筆硬度がH以上である請求項9に記載のポリイミドフィルム。
  13. 黄色度が2.5以下である請求項9に記載のポリイミドフィルム。
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