JP7357433B2 - 繊維製品用液体洗浄剤 - Google Patents

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Description

本発明は、液体洗浄剤に関する。
本願は、2015年10月30日に、日本に出願された特願2015-214548号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
従来、食べこぼし汚れ、泥汚れ、襟袖の皮脂汚れ、口紅汚れ等の落とし難い汚れに対する洗浄力に優れる洗浄剤が提案されている。
例えば、口紅汚れ等の油性汚れに対する洗浄力に優れる洗浄剤として、特許文献1には、アルキルサルフェート系界面活性剤と、アルコールエトキシサルフェート系界面活性剤を含むアニオン性界面活性剤系を含む洗剤組成物が記載されている。特許文献2には、特定量の親水性主鎖と、少なくとも1つの疎水性ペンダント基を有する洗浄ポリマーを含む洗剤組成物が記載されている。
特表2014-531506号公報 特表2008-540813号公報
しかしながら、特許文献1,2の技術では、油性汚れに対する洗浄力が充分に満足できるものでなかった。特に、油性インク汚れ等の親油性がより強い汚れに対する洗浄力が充分でなかった。
また、液体洗浄剤を提供するに際しては、常温や低温(例えば5~35℃)の環境下で保管した際にも、液体洗浄剤が固化したり、沈殿物が生じたりしない液安定性が求められる。
さらに、近年、衣料等の繊維製品を洗浄する際にドラム式洗濯機が使用される機会が増えてきた。ドラム式洗濯機では、通常、叩き洗いによる洗浄が行われる。この際、泡が多すぎると、泡がクッションとなり叩き洗いによる洗浄効果が充分に得られなくなる場合がある。そのため、液体洗浄剤には抑泡性が求められる場合がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、油性汚れに対する洗浄力により優れる液体洗浄剤を目的とする。
本発明者らは、鋭意検討した結果、以下の液体洗浄剤が、上記課題を解決できることを見出した。
すなわち本発明は、以下の態様を有する。
[1]3価アルコールのプロピレンオキシド付加物(A)と、界面活性剤(B)を含有する液体洗浄剤。
[2]前記(A)成分/前記(B)成分で表される質量比が0.01~0.15である、[1]に記載の液体洗浄剤。
[3]前記(A)成分の重量平均分子量が1500~6000である、[1]又は[2]に記載の液体洗浄剤。
[4]前記(A)成分が、グリセリンのプロピレンオキシド付加物である、[1]~[3]のいずれかに記載の液体洗浄剤。
[5]前記(A)成分の含有量が、液体洗浄剤の総質量に対して0.1~5質量%であり、前記(B)成分の含有量が、液体洗浄剤の総質量に対して15~70質量%である、[1]~[4]のいずれかに記載の液体洗浄剤。
[6]前記(B)成分が、ノニオン界面活性剤とアニオン界面活性剤を含有する、[1]~[5]のいずれかに記載の液体洗浄剤。
[7]前記ノニオン界面活性剤と、前記アニオン界面活性剤との質量比が、ノニオン界面活性剤/アニオン界面活性剤で表される質量比で0.1~20である、[1]~[6]のいずれかに記載の液体洗浄剤。
[8]さらに、ポリアルキレンアミンのアルキレンオキシド付加体(C)を含有する、[1]~[7]のいずれかに記載の液体洗浄剤。
[9]前記(B)成分が、非石鹸系界面活性剤、及び高級脂肪酸又は、その塩である、[1]~[8]のいずれかに記載の液体洗浄剤。
本発明の液体洗浄剤は、油性汚れに対する洗浄力により優れる。
本発明の液体洗浄剤は、3価アルコールのプロピレンオキシド付加物((A)成分)と、界面活性剤((B)成分)を含有する組成物である。
<(A)成分>
(A)成分は、3価アルコールのプロピレンオキシド付加物である。
本発明の液体洗浄剤は、(A)成分を含有することで、油性汚れに対する洗浄力が高められる。さらに、抑泡性が高められる。
油性インク汚れは、繊維に浸透し洗浄によって除去するのが困難な汚れである。(A)成分は、油性インク汚れとの親和性が高く、繊維に浸透した油性インク汚れに対して効果的に作用する。本発明の液体洗浄剤は、(A)成分を含有することで、油性インク汚れに対する洗浄力が高められる。
3価アルコールとしては、炭素数3~20の3価アルコールが挙げられる。前記炭素数3~20の3価アルコールとしては、炭素数3~20の脂肪族3価アルコールが好ましい。前記脂肪族3価アルコールの脂肪族基は、窒素原子等で中断されてもよい。
3価アルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン、トリメチロールオクタン、トリメチロールノナン、2-メチル-1,2,3-プロパントリオール、1,2,3-ブタントリオール、1,2,4-ブタントリオール、2-メチル-2,3,4-ブタントリオール、2-エチル-1,2,3-ブタントリオール、1,2,3-ペンタントリオール、1,2,4-ペンタントリオール、2,3,4-ペンタントリオール、1,2,6-ヘキサントリオール、2,3,4-ヘキサントリオール、4-プロピル-3,4,5-ヘプタントリオール、2,4-ジメチル-2,3,4-ペンタントリオール、3-メチル1,3,5-ペンタントリオール、トリアルカノールアミン等が挙げられる。
3価アルコールとしては、グリセリン、トリメチロールプロパンが好ましく、グリセリンがより好ましい。
3価アルコールのプロピレンオキシド付加物としては、重量平均分子量が、1500~6000のものが好ましく、2500~5500のものがより好ましく、3000~5000のものがさらに好ましく、3500~4500のものが特に好ましい。
重量平均分子量が前記下限値以上であれば、油性汚れに対する洗浄力がより高められやすくなる。重量平均分子量が前記上限値以下であれば、液安定性(液体洗浄剤が固化したり、沈殿物が生じたりしないこと)がより高められやすくなる。
なお、本明細書における重量平均分子量は、ポリプロピレングリコール(重量平均分子量:800、1200、2000、4000)を標準としたGPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)で得られる分子量分布より求められる値である。
3価アルコールのプロピレンオキシド付加物としては、グリセリンのプロピレンオキシド付加物が好ましい。
グリセリンのプロピレンオキシド付加物としては、下記一般式(I)で表される化合物が好ましい。
Figure 0007357433000001
式(I)中、POは、オキシプロピレン基である。a、b、cは、それぞれ独立にPOの平均繰り返し数を表し、式(I)で表される化合物の重量平均分子量が1500~6000となる数である。a、b、cは、式(I)で表される化合物の重量平均分子量が2500~5500となる数が好ましく、3000~5000となる数がより好ましく、3500~4500が特に好ましい。
a、b、cは、a、b、cを合計した数(a+b+c)が、20~120が好ましく、50~100がより好ましく、55~90がさらに好ましく、55~80が特に好ましい。
(A)成分の製造方法は、3価アルコールにプロピレンオキシドを付加重合させる方法により製造でき、プロピレンオキシドの付加モル数を調節することにより、所望の重量平均分子量を有するプロピレンオキシド付加物を製造できる。
(A)成分は、1種が単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
液体洗浄剤中の(A)成分の含有量は、液体洗浄剤の総質量に対して、0.1~5質量%が好ましく、0.5~3質量%がより好ましく、0.6~2質量%がさらに好ましい。(A)成分の含有量が前記下限値以上であると、油性汚れに対する洗浄力がより高められやすくなる。また、抑泡性がより高められやすくなる。(A)成分の含有量が前記上限値以下であると、液安定性がより高められやすくなる。
<(B)成分>
(B)成分は、界面活性剤である。本発明の液体洗浄剤において、(B)成分は、洗浄成分として機能する。また、本発明の液体洗浄剤は、(B)成分を含有することで、(A)成分の分散安定性が高められる。
(B)成分としては、公知の界面活性剤を用いることができる。
(B)成分としては、アニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤及び半極性界面活性剤が挙げられる。洗浄性能の点から、アニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤が好ましい。また、(A)成分の分散安定性がより高められる点から、ノニオン界面活性剤が好ましい。
[ノニオン界面活性剤]
ノニオン界面活性剤としては、例えば以下の(1)~(8)が挙げられる。
(1)炭素数6~22、好ましくは8~18の1価脂肪族アルコール1モルに対して、炭素数2~4のアルキレンオキシドを平均3~30モル、好ましくは3~20モル、さらに好ましくは5~20モル付加した、ポリオキシアルキレンアルキル(又はアルケニル)エーテル。この中でも、ポリオキシエチレンアルキル(又はアルケニル)エーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキル(又はアルケニル)エーテルが好適である。ここで使用される1価脂肪族アルコールとしては、第1級アルコール、第2級アルコールが挙げられる。また、そのアルキル基は、分岐鎖を有していてもよい。脂肪族アルコールとしては、第1級アルコールが好ましい。
(2)ポリオキシエチレンアルキル(又はアルケニル)フェニルエーテル。
(3)炭素数6~22の長鎖脂肪酸アルキルエステルのエステル結合間にアルキレンオキシドが付加した脂肪酸アルキルエステルアルコキシレート。
(4)ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸(炭素数6~22)エステル。
(5)ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸(炭素数6~22)エステル。
(6)ポリオキシエチレン脂肪酸(炭素数6~22)エステル。
(7)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油。
(8)グリセリン脂肪酸(炭素数6~22)エステル。
ノニオン界面活性剤としては、上記(1)又は(3)のものが好ましく、中でも、下記一般式(II)又は(III)で表されるものが好ましい。
-C(=O)O-[(EO)/(PO)]-(EO)-R ・・・(II)
-O-[(EO)/(PO)]-(EO)-H ・・・(III)
(式(II)中、Rは炭素数7~22の炭化水素基であり、Rは炭素数1~6のアルキル基であり、sはEOの平均繰り返し数を表し、6~20の数であり、tはPOの平均繰り返し数を表し、0~6の数であり、uはEOの平均繰り返し数を表し、0~20の数であり、EOはオキシエチレン基を表し、POはオキシプロピレン基を表す。
式(III)中、Rは炭素数6~22の炭化水素であり、vはEOの平均繰り返し数を表し、3~20の数であり、wはPOの平均繰り返し数を表し、0~6の数であり、xはEOの平均繰り返し数を表し、0~20の数であり、EOはオキシエチレン基を表し、POはオキシプロピレン基を表す。)
式(II)において、Rは、炭素数7~22の炭化水素基である。Rの炭素数は、9~21が好ましく、11~21がより好ましい。
は、アルキル基、アルケニル基が好ましい。
は直鎖又は分岐鎖のいずれであってもよい。
洗浄力のさらなる向上を図る観点から、Rは、直鎖もしくは分岐鎖の炭素数7~22のアルキル基、又は直鎖もしくは分岐鎖の炭素数7~22のアルケニル基が好ましい。
は、炭素数1~6のアルキル基であり、直鎖又は分岐鎖のいずれであってもよい。
なかでもメチル基及びエチル基が好ましい。
式(II)中、s、uは、それぞれ独立にEOの平均繰り返し数を表す数である。
s+uは6~20であることが好ましく、6~18がより好ましく、11~18がさらに好ましい。上記下限値以上であれば、液安定性がより向上しやすくなる。上記上限値以下であれば、洗浄力がより向上しやすくなる。
式(II)中、tは、POの平均繰り返し数を表す数である。
tは0~6の数であり、0~3が好ましい。上記上限値以下であれば、液安定性がより向上しやすくなる。
tが1以上である場合、[(EO)/(PO)]において、オキシエチレン基とオキシプロピレン基とは、ランダム状に結合してもよいし、ブロック状に結合してもよい。
なお、本明細書において平均繰り返し数は、ガスクロマトグラフィー等によって測定することができる。
式(III)において、Rは、炭素数6~22の炭化水素基である。
式(III)において、Rの炭素数は、洗浄力のさらなる向上を図る観点から、10~22が好ましく、10~20がより好ましく、10~18がさらに好ましい。
は、直鎖又は分岐鎖であってもよい。
好ましいR-O-としては、下記一般式(IV)で表される基が挙げられる。
(R101)(R102)CH-O-・・・(IV)
(式(IV)中、R101及びR102は、それぞれ独立して水素原子、又は鎖状の炭化水素基を表し、R101とR102の合計の炭素数は5~21である。)
101とR102との合計の炭素数は、9~21が好ましく、9~19より好ましく、9~17がさらに好ましい。
101及びR102は直鎖又は分岐鎖であってもよい。
としては、具体的には、炭素数12~14の第2級アルコール由来のアルキル基が好ましい。
式(III)中、v及びxは、それぞれ独立にEOの平均繰り返し数を表す数である。
v+xは3~20であることが好ましく、5~18がより好ましく、6~18がさらに好ましく、11~18が特に好ましい。上記下限値以上であれば、液安定性がより向上しやすくなる。上記上限値以下であれば、洗浄力がより向上しやすくなる。
式(III)中、wは、POの平均繰り返し数を表す数である。
wは0~6の数であり、0~3が好ましい。上記上限値以下であれば、液安定性がより向上しやすくなる。
wが1以上である場合、[(EO)/(PO)]において、オキシエチレン基とオキシプロピレン基とは、ランダム状に結合してもよいし、ブロック状に結合してもよい。
式(III)中のEO又はPOの分布は、製造する際の反応方法によって変動する。例えば、一般的なアルカリ触媒である水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等を用いて、エチレンオキシドやプロピレンオキシドを原料に付加した場合には、v又はwの分布は、比較的広くなる。特公平6-15038号公報に記載のAl3+、Ga3+、In3+、Tl3+、Co3+、Sc3+、La3+、Mn2+等の金属イオンを添加した酸化マグネシウム等の特定のアルコキシル化触媒を用いてエチレンオキシドやプロピレンオキシドを原料に付加した場合には、v又はwの分布は、比較的狭くなる。
式(II)で表されるノニオン界面活性剤(以下、「(b1)成分」ともいう。)、及び式(III)で表されるノニオン界面活性剤(以下、「(b2)成分」ともいう。)は、ナロー率が20質量%以上であることが好ましく、25質量%以上であることがより好ましい。前記ナロー率が高いほど、良好な洗浄力が得られる。また、前記ナロー率が20質量%以上、特に25質量%以上であると、界面活性剤の原料臭気の少ない液体洗浄剤が得られやすくなる。
(b1)成分を常法により製造した場合、生成物中には、(b1)成分とともに、洗浄力に寄与しない成分、例えば(b1)成分の原料である脂肪酸エステルや、式(II)で表されるノニオン界面活性剤のsが1または2であるエチレンオキシド付加体が共存し、ナロー率を低下させる。そのためナロー率が高いと、共存する成分が充分に少なく、洗浄力の低下、原料臭気の問題が生じにくくなる。(b2)成分の場合も同様である。
前記ナロー率の上限値としては特に限定されないが、実質的には80質量%以下であることが好ましい。
前記ナロー率としては、液安定性と溶解性が向上するため、20~50質量%であることがより好ましく、20~40質量%がさらに好ましい。
ここで、本明細書において「ナロー率」とは、EOの付加モル数が異なるエチレンオキシド付加体の分布の割合を示し、下記の数式(S)で表される。
Figure 0007357433000002
[式中、Pmaxは、全体のエチレンオキシド付加体中に最も多く存在するエチレンオキシド付加体のEOの付加モル数を示す。iはEOの付加モル数を示す。Yiは全体のエチレンオキシド付加体中に存在する、EOの付加モル数がiであるエチレンオキシド付加体の割合(質量%)を示す。]
前記ナロー率は、例えば(b1)成分又は(b2)成分の製造方法等によって制御することができる。(b1)成分の製造方法としては、特に限定されるものではないが、例えば表面改質された複合金属酸化物触媒を用いて、脂肪酸アルキルエステルにエチレンオキシドを付加重合させる方法(特開2000-144179号公報参照)により容易に製造することができる。(b2)成分の製造方法としては、例えば表面改質された複合金属酸化物触媒を用いて、炭素数6~22のアルコールにエチレンオキシドを付加重合させる方法により製造することができる。
かかる方法に用いられる表面改質された複合金属酸化物触媒の好適なものとしては、具体的には、金属水酸化物等により表面改質された金属イオン(Al3+、Ga3+、In3+、Tl3+、Co3+、Sc3+、La3+、Mn2+等)が添加された酸化マグネシウム等の複合金属酸化物触媒や金属水酸化物および/または金属アルコキシド等により表面改質されたハイドロタルサイトの焼成物触媒が挙げられる。
前記複合金属酸化物触媒を用いた表面改質においては、複合金属酸化物と、金属水酸化物および/または金属アルコキシドとを併用することが好ましい。この場合、複合金属酸化物100質量部に対して、金属水酸化物及び/または金属アルコキシドの割合を0.5~10質量部とすることが好ましく、1~5質量部とすることがより好ましい。
ノニオン界面活性剤としては、市販品を用いてもよいし、公知の合成方法で製造したものを用いてもよい。公知の製造方法として、(b1)成分は、例えば脂肪酸アルキルエステルにエチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドを付加重合させる方法により製造することができる。(b2)成分は、例えば炭素数6~22のアルコールにエチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドを付加重合させる方法により製造することができる。
ノニオン界面活性剤は、1種が単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
ノニオン界面活性剤としては、(b1)成分が好ましく、式(II)中のtが0である化合物(即ち、ポリオキシエチレン脂肪酸アルキルエステル)がさらに好ましく、式(II)中のRがメチル基であるポリオキシエチレン脂肪酸メチルエステル(以下「MEE」と表記する。)が、洗浄力や液体洗浄剤の溶解性の向上の点から特に好ましい。
また、本発明の液体洗浄剤は、超濃縮組成(液体洗浄剤中の界面活性剤濃度が、液体洗浄剤の総質量に対して40質量%超)とすることにより、レギュラー組成(液体洗浄剤中の界面活性剤濃度が、液体洗浄剤の総質量に対して25質量%程度)とした場合よりも、インク汚れとの相溶性が高まり洗浄力が高められる。特に、塗布洗浄において洗浄力が高められる。また、前記超濃縮組成において、ノニオン界面活性剤としてMEEが用いられると、液体洗浄剤の液安定性がより高められやすくなる。さらに、ノニオン界面活性剤として、(b1)成分と、(b2)成分が併用されると、洗浄力がより高められる。
(b1)成分と、(b2)成分との質量比としては、(b1)成分/(b2)成分で表される質量比(以下、「b1/b2質量比」ともいう。)として、0.1~15が好ましく、1~10がより好ましく、3~8がさらに好ましい。b1/b2質量比が前記好ましい範囲であると、油性汚れに対する洗浄力がより高められる。
(B)成分中の(b1)成分の含有量は、(B)成分の総質量に対して、30質量%以上90質量%以下が好ましく、40質量%以上80質量%以下がより好ましく、50質量%以上70質量%以下がさらに好ましい。(b1)成分の含有量が前記好ましい範囲であると、油性汚れに対する洗浄力に優れ、かつ、液安定性に優れる液体洗浄剤が得られやすくなる。
(B)成分中のノニオン界面活性剤の含有量は、(B)成分の総質量に対して、30~90質量%が好ましく、40~80質量%がより好ましく、45~70質量%がさらに好ましい。ノニオン界面活性剤の含有量が前記好ましい範囲であると、油性汚れに対する洗浄力に優れ、かつ、液安定性に優れる液体洗浄剤が得られやすくなる。
なお、(B)成分中のノニオン界面活性剤以外の成分は、後述するアニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤及び半極性界面活性剤が挙げられる。
これら、界面活性剤の合計は、(B)成分の総質量に対して100質量%を超えない。
[アニオン界面活性剤]
アニオン界面活性剤としては、例えば以下の(1)~(12)が挙げられる。
(1)炭素数8~20の飽和又は不飽和α-スルホ脂肪酸のメチル、エチルもしくはプロピルエステル塩。
(2)炭素数8~18のアルキル基を有する直鎖状又は分岐鎖状のアルキルベンゼンスルホン酸塩(LAS又はABS)。
(3)炭素数10~20のアルカンスルホン酸塩。
(4)炭素数10~20のα-オレフィンスルホン酸塩(AOS)。
(5)炭素数10~20のアルキル硫酸塩又はアルケニル硫酸塩(AS)。
(6)炭素数2~4のアルキレンオキシドのいずれか、又はエチレンオキシド(EO)とプロピレンオキシド(PO)(モル比EO/PO=0.1/9.9~9.9/0.1)を、アルキル(又はアルケニル)エーテル1モルに対して、平均0.5~10モル付加した炭素数10~20の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル(又はアルケニル)基を有するポリオキシアルキレンアルキル(又はアルケニル)エーテル硫酸塩(AES)。
(7)炭素数2~4のアルキレンオキシドのいずれか、又はエチレンオキシドとプロピレンオキシド(モル比EO/PO=0.1/9.9~9.9/0.1)を、アルキル(又はアルケニル)エーテル1モルに対して、平均3~30モル付加した炭素数10~20の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル(又はアルケニル)基を有するアルキル(又はアルケニル)フェニルエーテル硫酸塩。
(8)炭素数2~4のアルキレンオキシドのいずれか、又はエチレンオキシドとプロピレンオキシド(モル比EO/PO=0.1/9.9~9.9/0.1)を、アルキル(又はアルケニル)エーテル1モルに対して、平均0.5~10モル付加した炭素数10~20の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル(又はアルケニル)基を有するアルキル(又はアルケニル)エーテルカルボン酸塩。
(9)炭素数10~20のアルキルグリセリルエーテルスルホン酸のようなアルキル多価アルコールエーテル硫酸塩。
(10)長鎖(炭素数8~20の)モノアルキル、ジアルキル又はセスキアルキルリン酸塩。
(11)ポリオキシエチレンモノアルキル、ジアルキル又はセスキアルキルリン酸塩。
(12)高級脂肪酸又はその塩。平均炭素数が10~20(好ましくは炭素数12~18)の高級脂肪酸又はその塩。
上記で例示した以外のアニオン界面活性剤を用いてもよい。例えば、アルキルエーテルカルボン酸塩、ポリオキシアルキレンエーテルカルボン酸塩、アルキルアミドエーテルカルボン酸塩又はアルケニルアミドエーテルカルボン酸塩、アシルアミノカルボン酸塩等のカルボン酸型アニオン界面活性剤;アルキルリン酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルリン酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルリン酸エステル塩、グリセリン脂肪酸エステルモノリン酸エステル塩等のリン酸エステル型アニオン界面活性剤等が挙げられる。
アニオン界面活性剤としては、上記(2)又は(6)のものが好ましい。
(6)のポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩としては、具体的には一般式(V)で表される化合物であることが好ましい。
40-O-[(EO)/(PO)]-SO ・・・(V)
[式(V)中、R40は炭素数8~20の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基である。EOはオキシエチレン基を表し、POはオキシプロピレン基を表す。mは、EOの平均繰り返し数を表し、1以上の数である。nは、POの平均繰り返し数を表し、0~6の数である。Mは対カチオンである。nが0超の場合、[(PO)(EO)]におけるPOとEOは、ブロック状に配列しても、ランダム状に配列してもよい。また、POとEOは、POが「R40-O-」に結合してもよいし、EOが「R40-O-」に結合してもよい。]
ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩としては、炭素数10~20の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基を有し、アルキルエーテル1モルに対して、平均1~5モルのアルキレンオキシドが付加されたものが好ましい。
アルキル基の炭素数としては、10~20が好ましく、12~14がより好ましい。具体的には、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基等が挙げられる。なかでもドデシル基が好ましい。
EOの平均繰り返し数は、1~5であることが好ましく、1~3がより好ましい。
POの平均繰り返し数は、0~3であることが好ましい。
上記式(V)におけるm=0、n=0の化合物は、式(V)で表されるポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩の総質量に対して35~55質量%含有することが好ましい。
アニオン界面活性剤の塩の形態としては、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩;モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩等のアルカノールアミン塩;アンモニウム塩等が挙げられる。中でも、アルカリ金属塩が好ましい。
アニオン界面活性剤の製造方法としては、例えば、LASの場合、アルキルベンゼンを無水硫酸でスルホン化し、アルカリで中和する方法で製造することができる。例えば、AESの場合、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルに、無水硫酸を反応させるか、クロルスルホン酸を反応させてスルホン化し、アルカリで中和する方法により製造することができる。
アニオン界面活性剤は、1種が単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
(B)成分中のアニオン界面活性剤の含有量は、(B)成分の総質量に対し、5~70質量%が好ましく、10~60質量%がより好ましく、10~50質量%がさらに好ましく、20~40質量%が特に好ましい。アニオン界面活性剤の含有量が前記下限値以上であれば、油性汚れに対する洗浄力がより向上しやすくなる。アニオン界面活性剤の含有量が前記上限値以下であれば液安定性がより向上しやすくなる。
(B)成分としては、ノニオン界面活性剤と、アニオン界面活性剤が併用されることが好ましい。この場合、ノニオン界面活性剤と、アニオン界面活性剤との質量比(「ノニオン界面活性剤/アニオン界面活性剤で表される質量比)は、0.1~20が好ましく、0.3~9がより好ましく、0.5~9がさらに好ましく、1~8が特に好ましく、1.5~4が最も好ましい。前記質量比が前記の好ましい範囲であると、洗浄力がより高められる。特に、本発明の液体洗浄剤を塗布洗浄に用いた際の油性インク汚れに対する洗浄力がより高められる。
[カチオン界面活性剤]
カチオン界面活性剤としては、例えばアルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルベンジルジメチルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩の陽イオン性界面活性剤等が挙げられる。これらの塩としては、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属塩、マグネシウムなどのアルカリ土類金属塩、モノエタノールアミン、ジエタノールアミンなどのアルカノールアミン塩などが挙げられる。
カチオン界面活性剤は、1種が単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
(B)成分中のカチオン界面活性剤の含有量は、(A)成分の総質量に対し、0~10質量%が好ましく、0~5質量%がより好ましい。カチオン界面活性剤の含有量が0質量%であるとは、(B)成分中にカチオン界面活性剤を含有しないということである。
[両性界面活性剤]
両性界面活性剤としては、例えばアルキルベタイン型、アルキルアミドベタイン型、イミダゾリン型、アルキルアミノスルホン型、アルキルアミノカルボン酸型、アルキルアミドカルボン酸型、アミドアミノ酸型、リン酸型両性界面活性剤等が挙げられる。
両性界面活性剤は、1種が単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
(B)成分中の両性界面活性剤の含有量は、(B)成分の総質量に対し、0~10質量%が好ましく、0~5質量%がより好ましい。両性界面活性剤の含有量が0質量%であるとは、(B)成分中に両性界面活性剤を含有しないということである。
液体洗浄剤中の(B)成分の含有量は、液体洗浄剤の総質量に対し、15質量%以上70質量%以下が好ましく、30質量%以上60質量%以下がより好ましく、35質量%以上60質量%以下がさらに好ましく、40質量%以上60質量%以下が特に好ましい。(B)成分の含有量が前記下限値以上であると、油性汚れに対する洗浄力がより高められる。特に、本発明の液体洗浄剤を塗布洗浄に用いた際の油性インク汚れに対する洗浄力がより高められる。
(B)成分の含有量が前記上限値以下であると、液安定性が高められやすくなる。
(B)成分は、非石鹸系界面活性剤(B-1)と高級脂肪酸又はその塩(B-2)を併用することが好ましい。
(B-2)成分は、炭素数8~20、好ましくは12~14の高級脂肪酸又はその塩であり、脂肪酸の炭素鎖は直鎖であってもよく分岐鎖であってもよい。
成分(B-2)としては、ラウリン酸(ドデカン酸)、トリデシル酸、ミリスチン酸(テトラデカン酸)が好ましい。
成分(B-2)は、1種であってもよく2種であってもよい。なかでもラウリン酸と、ミリスチン酸とを含むヤシ脂肪酸が好ましい。
衣料用液体洗浄剤中の成分(B-2)の含有量は、衣料用液体洗浄剤の総質量に対し、1~5質量%が好ましく、1.5~3.5質量%がより好ましく、1.75~2質量%がさらに好ましい。
上記下限値以上であれば、再汚染防止効果がより向上しやすくなる。上記上限値以下であれば、すすぎ性がより向上しやすくなる。
本発明の液体洗浄剤は、(A)成分と(B)成分との質量比[(A)成分/(B)成分で表される質量比、以下、「A/B比」ともいう]が、0.01~0.15が好ましく、0.01~0.06がより好ましく、0.015~0.05がより好ましい。A/B比が前記下限値以上であると、油性汚れに対する洗浄力がより高められる。さらに、抑泡性がより高められる。A/B比が前記上限値以下であると、液安定性がより高められる。
<(C)成分>
本発明の液体洗浄剤は、さらにポリアルキレンアミンのアルキレンオキシド付加体((C)成分)を含有することが好ましい。本発明の液体洗浄剤は、さらに(C)成分を含有することで、インク等の油性汚れに対する洗浄力が向上する。
(C)成分としては、例えば、下記(c1)成分、(c2)成分が挙げられる。
[(c1)成分]
(c1)成分は、ポリアルキレンイミンのアルキレンオキシド付加体である。
(c1)成分のポリアルキレンイミンは、例えば、下記一般式(VI)で表される。
NH-R21-(NA-R21-NH ・・・(VI)
式(VI)中、R21は、それぞれ独立して炭素数2~6のアルキレン基であり、Aは、水素原子又は分岐による別のポリアミン鎖を示し、nは、1以上の数である。ただし、前記Aがすべて水素原子であることはない。
即ち、(VI)式で表されるポリアルキレンイミンは、構造中に分岐したポリアミン鎖を有する。
21は、炭素数2~6の直鎖アルキレン基又は炭素数3~6の分岐アルキレン基である。R21は、炭素数2~4のアルキレン基が好ましく、炭素数2のアルキレン基がより好ましい。
ポリアルキレンイミンは、炭素数2~6のアルキレンイミンの1種又は2種以上を常法により重合して得られる。炭素数2~6のアルキレンイミンとしては、エチレンイミン、プロピレンイミン、1,2-ブチレンイミン、2,3-ブチレンイミン、1,1-ジメチルエチレンイミン等が挙げられる。
ポリアルキレンイミンとしては、ポリエチレンイミン(PEI)、ポリプロピレンイミンが好ましく、PEIがより好ましい。PEIは、エチレンイミンを重合することによって得られ、その構造中に、1級、2級及び3級アミン窒素原子を含む分岐鎖構造を有している。
ポリアルキレンイミンの質量平均分子量は、200~2000が好ましく、300~1500がより好ましく、400~1000がさらに好ましく、500~800が特に好ましい。
ポリアルキレンイミンとしては、その1分子中に活性水素を5~30個有するものが好ましく、7~25個有するものがより好ましく、10~20個有するものがさらに好ましい。
(c1)成分は、ポリアルキレンイミンにアルキレンオキシドを付加して得られる。この方法としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメチラート等の塩基性触媒の存在下、出発物質であるポリアルキレンイミンに対して、100~180℃でエチレンオキシド等のアルキレンオキシドを付加させる方法等が挙げられる。
アルキレンオキシドとしては、炭素数2~4のアルキレンオキシドが挙げられる。前記アルキレンオキシドとしては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドが挙げられ、エチレンオキシド及びプロピレンオキシドが好ましく、エチレンオキシドがより好ましい。
(c1)成分としては、ポリアルキレンイミンのエチレンオキシド付加体、ポリアルキレンイミンのプロピレンオキシド付加体、ポリアルキレンイミンのエチレンオキシド-プロピレンオキシド付加体等が挙げられる。なお、前記ポリアルキレンイミンのエチレンオキシド-プロピレンオキシド付加体は、ポリアルキレンイミンにエチレンオキシド及びプロピレンオキシドを付加したものであり、ポリアルキレンイミンに対するエチレンオキシドとプロピレンオキシドの付加順序や付加形態(ブロック状、ランダム状)は任意である。
(c1)成分としては、ポリアルキレンイミンのエチレンオキシド付加体、ポリアルキレンイミンのエチレンオキシド-プロピレンオキシド付加体が好ましく、ポリアルキレンイミンのエチレンオキシド付加体がより好ましい。
(c1)成分としては、原料であるポリアルキレンイミンが有する活性水素1原子に対し、平均5~40個のアルキレンオキシドが付加されたものが好ましく、平均10~30個のアルキレンオキシドが付加されたものがより好ましい。即ち、原料であるポリアルキレンイミンが有する活性水素1モルあたりに、平均5~40モルのアルキレンオキシドが付加されたものが好ましく、平均10~30モルのアルキレンオキシドが付加されたものがより好ましい。
(c1)成分の質量平均分子量は、1000~80000が好ましく、2000~50000がより好ましく、5000~30000がさらに好ましく、10000~20000が特に好ましい。
なお、質量平均分子量は、溶媒としてTHF(テトラヒドロフラン)を用いてGPC(ゲルパーミネーションクロマトグラフィー)により測定した値を、PEG(ポリエチレングリコール)における較正曲線に基づいて換算した値を示す。
(c1)成分としては、例えば、式(I-c)で示される化合物が挙げられる。
Figure 0007357433000003
式(I-c)中、R22は、それぞれ独立に炭素数2~6のアルキレン基であり、mは、それぞれ独立に1以上の数である。
22は、炭素数2又は3のアルキレン基が好ましく、炭素数2のアルキレン基がより好ましい。mは、(R22O)の平均繰り返し数であり、5~40が好ましく、10~30がより好ましい。
(c1)成分としては、合成品が用いられてもよいし、市販品が用いられてもよい。
市販品としては、例えばBASF社製の商品名「Sokalan HP20」等が挙げられる。
[(c2)成分]
(c2)成分は、下記式(VII)で表されるポリアルキレンアミンのアルキレンオキシド付加体である。
NH(R31NH)H ・・・(VII)
式(II)中、R31は、炭素数2~6のアルキレン基であり、lは、1以上の数である。
31は、炭素数2~6の直鎖アルキレン基又は炭素数3~6の分岐アルキレン基である。R31は、炭素数2~4のアルキレン基が好ましく、炭素数2のアルキレン基がより好ましい。
ポリアルキレンアミンとしては、ポリエチレンアミンが好ましい。ポリエチレンアミンとしては、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン等が挙げられる。なお、これらのポリエチレンアミンは、公知の製造方法、例えばアンモニア及びエチレンジクロリドを反応させることで得られる。
ポリアルキレンアミンの質量平均分子量は、60~1800が好ましく、60~1000がより好ましく、60~800がさらに好ましい。
ポリアルキレンアミンとしては、その1分子中に活性水素を6~30個有するものが好ましく、7~20個有するものがさらに好ましい。
(c2)成分は、ポリアルキレンアミンにアルキレンオキシドを付加して得られる。この反応は、(c1)成分と同様に行える。アルキレンオキシドとしては、炭素数2~4のアルキレンオキシドが挙げられる。前記アルキレンオキシドとしては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドが挙げられ、エチレンオキシド及びプロピレンオキシドが好ましく、エチレンオキシドがより好ましい。
(c2)成分としては、ポリアルキレンアミンのエチレンオキシド付加体、ポリアルキレンアミンのプロピレンオキシド付加体、ポリアルキレンアミンのエチレンオキシド-プロピレンオキシド付加体等が挙げられる。
ポリアルキレンアミンのアルキレンオキシド付加体としては、ポリアルキレンアミンのエチレンオキシド付加体、ポリアルキレンアミンのエチレンオキシド-プロピレンオキシド付加体が好ましく、ポリアルキレンアミンのエチレンオキシド付加体がより好ましい。
(c2)成分としては、原料であるポリアルキレンアミンが有する活性水素1原子に対し、平均5~40個のアルキレンオキシドが付加されたものが好ましく、平均10~30個のアルキレンオキシドが付加されたものがより好ましい。即ち、原料であるポリアルキレンアミンが有する活性水素1モルあたりに、平均5~40モルのアルキレンオキシドが付加されたものが好ましく、平均10~30モルのアルキレンオキシドが付加されたものがより好ましい。
(c2)成分の質量平均分子量は、1000~80000が好ましく、2000~50000がより好ましく、5000~30000がさらに好ましく、10000~20000が特に好ましい。
(C)成分としては、(c1)成分が好ましい。(c1)成分の中でも、式(I-c)で表されるポリエチレンイミンのエチレンオキシド付加体が特に好ましい。
本発明の液体洗浄剤の総質量に対して、(C)成分の含有量は、0.01~5質量%が好ましく、0.05~3質量%がより好ましく、0.1~2質量%がさらに好ましい。
(C)成分が0.01質量%以上あれば、インク等の油性汚れに対する洗浄力が向上し、5質量%以下であれば液安定性が良好である。
本発明の液体洗浄剤において、(A)成分/(C)成分の質量比(A/C)は、0.1~4が好ましく、0.2~2.5がより好ましく、0.3~1.5がさらに好ましい。
(A)成分/(C)成分の質量比が上記範囲にあることで、インク等の油性汚れに対する洗浄力がより一層向上する。
本発明の液体洗浄剤は、(A)成分と(B)成分とを必須成分とし、残りの成分は、(C)成分、水、水混和性有機溶剤等の任意成分である。
例えば、(A)成分の含有量が、液体洗浄剤の総質量に対して0.1~5質量%であり、(B)成分の含有量が、液体洗浄剤の総質量に対して15~70質量%であり、(C)成分の含有量が、液体洗浄剤の総質量に対して0.01~5質量%であり、水の含有量が、液体洗浄剤の総質量に対して10~90質量%であり、任意成分の含有量が、液体洗浄剤の総質量に対して0~30質量%である液体洗浄剤が挙げられる。
なお、任意成分の含有量が、液体洗浄剤の総質量に対して0質量%であるとは、液体洗浄剤中に任意成分を含有しないということである。
<水>
本発明の液体洗浄剤は、製造時のハンドリングのし易さ、使用する際の水への溶解性等の点から、水を含有することが好ましい。
液体洗浄剤中の水の含有量は、特に限定されないが、液体洗浄剤の総質量に対して、10~90質量%が好ましく、20~70質量%がより好ましく、30~50質量%がさらに好ましい。
(A)成分、(B)成分、(C)成分及び水の合計は、液体洗浄剤の総質量に対して100質量%を超えない。
<任意成分>
本発明の液体洗浄剤は、上記(A)成分、(B)成分及び(C)成分以外に、プロテアーゼ(例えばアルカラーゼ、コロナーゼ等)等の酵素、エタノール等の水混和性有機溶剤、モノエタノールアミン等のアルカリ剤、ジブチルヒドロキシトルエン等の酸化防止剤、安息香酸ナトリウム等の防腐剤、塩化カルシウム、乳酸ナトリウム等の酵素安定化剤、香料等の着香剤、色素等の着色剤等を含んでいてもよい。
本発明の液体洗浄剤は、塗布洗浄性能が向上される点、粘度を低下させ使用性が向上される点等から、水混和性有機溶剤を含有することが好ましい。
水混和性有機溶剤としては、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール等のアルコール類、プロピレングリコール(PG)、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール等のグリコール類、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、重量平均分子量約200~1000のポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール等のポリグリコール類、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルカルビトール)、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のアルキルエーテル類等が挙げられる。
これらの中でも、臭気の少なさ、入手のしやすさ、液体洗浄剤の流動性の点等から、エタノール、プロピレングリコール、重量平均分子量約200~1000のポリエチレングリコール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルカルビトール)が好ましい。
水混和性有機溶剤は、1種が単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
本発明の液体洗浄剤が水混和性有機溶剤を含有する場合、水混和性有機溶剤の含有量は、液体洗浄剤の総質量に対して、0.1~30質量%が好ましく、0.1~15質量%がより好ましい。
なお、本発明において、水混和性有機溶剤とは、25℃のイオン交換水1Lに50g以上溶解する有機溶剤をいう。
アルカリ剤として、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等が挙げられる。
本発明の液体洗浄剤がアルカリ剤を含有する場合、アルカリ剤の含有量は、液体洗浄剤の総質量に対して、0.1~6質量%が好ましい。
(A)成分、(B)成分、(C)成分、水、及び任意成分の合計は、液体洗浄剤の総質量に対して100質量%を超えない。
<pH>
本発明の液体洗浄剤は、25℃におけるpHが4~9であることが好ましく、pH6~9であることがより好ましい。pHがこのような範囲にあると液体洗浄剤の液安定性を良好に維持できる。
液体洗浄剤のpHは、必要に応じて、pH調整剤を配合することにより調整できる。pH調整剤としては、本発明の効果を損なわない限りにおいて随意であるが、硫酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アルカノールアミン等が好ましい。
pHは、JIS Z8802:2011によって25℃において測定した値である。
<製造方法>
本発明の液体洗浄剤は、従来公知の製造方法により製造される。例えば、溶媒である水に、上記(A)及び(B)成分を添加し、必要に応じて任意成分を加え、これを混合する方法が挙げられる。
<用途>
本発明の液体洗浄剤は、各種用途の洗浄剤として用いられるが、油性汚れに対する洗浄力に優れることから、油性汚れが付着した被洗物の洗浄剤として好適である。本発明の液体洗浄剤は、衣料等の繊維製品用液体洗浄剤、窓ガラス等の硬表面用液体洗浄剤、食器、調理器具等の台所用液体洗浄剤等として好適である。なかでも、本発明の液体洗浄剤は、油性インク汚れに対する洗浄力に優れるため、油性インク汚れの付着した衣料等の繊維製品用液体洗浄剤、窓ガラス等の硬表面用液体洗浄剤として好適である。本発明の液体洗浄剤は、特に、油性インク汚れが付着した繊維製品に対して、塗布洗浄した際の洗浄力に優れるため、繊維製品用液体洗浄剤として好適である。
<使用方法>
本発明の液体洗浄剤の使用方法としては、通常の使用方法が挙げられる。本発明の液体洗浄剤を繊維製品の洗浄に使用する場合には、例えば、水30Lに対し液体洗浄剤5~30mLを添加した洗浄液を用い、洗濯機で被洗物を洗浄する方法、前記洗浄液に被洗物を漬け置く方法等が挙げられる。また、液体洗浄剤を被洗物に直接塗布して一定時間放置し、その後、通常の洗濯を行う方法(塗布洗浄)で使用されてもよい。
本発明の液体洗浄剤を硬表面の洗浄に使用する場合には、液体洗浄剤を洗浄対象である硬表面にスプレー等して塗布した後、スポンジ等の洗浄用具で擦り洗いする方法が挙げられる。
本発明の液体洗浄剤を食器等の洗浄に用いる場合には、液体洗浄剤を原液のままスポンジに含ませて食器等を洗浄する方法、液体洗浄剤を水に溶解して希薄な洗浄液を調製し、この洗浄液に食器等を浸しつつスポンジで擦る方法等が挙げられる。
本発明の液体洗浄剤は、油性汚れに対する塗布洗浄力に優れるため、塗布洗浄で用いられることが好ましい。特に、繊維に付着した油性インク汚れに対して塗布洗浄が行われると、(A)成分が油性インク汚れに対してより作用しやすくなり油性インク汚れに対する洗浄力がより高められる。
以上、説明したとおり、本発明の液体洗浄剤は、(A)成分及び(B)成分を含有するため、油性インク汚れ等の油性汚れに対する洗浄力により優れる。さらに、液安定性、抑泡性に優れる。
以下に実施例を用いて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。本実施例において「%」は特に断りがない限り「質量%」を示す。
本実施例において使用した原料は下記の通りである。
<(A)成分>
・A-1:ポリオキシプロピレングリセリルエーテル、アクトコールT-1500(商品名)、三井化学株式会社製、重量平均分子量1500。
・A-2:ポリオキシプロピレングリセリルエーテル、アクトコールT-3000(商品名)、三井化学株式会社製、重量平均分子量3000。
・A-3:ポリオキシプロピレングリセリルエーテル、アクトコールT-4000(商品名)、三井化学株式会社製、重量平均分子量4000。
・A-4:ポリオキシプロピレングリセリルエーテル、アクトコールT-5000(商品名)、三井化学株式会社製、重量平均分子量5000。
<(A’)成分:(A)成分の比較成分>
・A’-1:ポリオキシプロピレンエチレングリコールエーテル、アクトコールD-3000(商品名)、三井化学株式会社製、重量平均分子量3000。
・A’-2:ポリオキシプロピレンエチレングリコールエーテル、アクトコールD-4000(商品名)、三井化学株式会社製、重量平均分子量4000。
<(B)成分>
・B-1:MEE(ポリオキシエチレン脂肪酸メチルエステル)、ヤシ脂肪酸メチル(質量比でラウリン酸メチル/ミリスチン酸メチル=8/2の混合物)に対して、アルコキシル化触媒を用いて、15モル相当のエチレンオキシドを付加したもの。上記一般式(II)中、R=炭素数11のアルキル基及び炭素数13のアルキル基、R=メチル基、s=15、t=0、u=0。下記合成方法により合成されたもの。
[B-1の合成例]
特開2000-144179号公報に記載の合成方法に準じて合成した。
組成が2.5MgO・Al・wHOである水酸化アルミナ・マグネシウム(キョーワード300(商品名)、協和化学工業株式会社製)を600℃で1時間、窒素雰囲気下で焼成して、焼成水酸化アルミナ・マグネシウム(未改質)触媒を得た。焼成水酸化アルミナ・マグネシウム(未改質)触媒2.2gと、0.5N水酸化カリウムエタノール溶液2.9mLと、ラウリン酸メチル280gと、ミリスチン酸メチル70gとを4Lオートクレーブに仕込み、オートクレーブ内で触媒の改質を行った。次いで、オートクレーブ内を窒素で置換した後、温度を180℃、圧力を0.3MPaに維持しつつ、エチレンオキシド1052gを導入し、撹拌しながら反応させた。
得られた反応液を80℃に冷却し、水159gと、濾過助剤として活性白土及び珪藻土をそれぞれ5gとを添加し混合した後、触媒を濾別してB-1を得た。
B-1のナロー率は30質量%であった。
・B-2:MEE(ポリオキシエチレン脂肪酸メチルエステル)、ヤシ脂肪酸メチル(質量比でラウリン酸メチル/ミリスチン酸メチル=74/26の混合物)に対して、アルコキシル化触媒を用いて、15モル相当のエチレンオキシドを付加したもの。上記一般式(II)中、R=炭素数11のアルキル基及び炭素数13のアルキル基、R=メチル基、s=15、t=0、u=0。下記合成方法により合成されたもの。
[B-2の合成例]
B-2を以下の合成方法に準じて合成した。
500mLビーカーに、2-エチルヘキサノール(一級試薬、関東化学株式会社製)137gと、酢酸カルシウム一水和物(特級試薬、関東化学株式会社製)41.7gを入れ、パドル攪拌翼により室温(25℃)で混合して分散物を得た(分散工程)。前記分散物を攪拌しながら、滴下ロートによって、硫酸(特級試薬、関東化学株式会社製)20.9gを10分間かけて添加し混合した(混合工程)。混合工程では硫酸の添加で発熱するので、ビーカーを水浴して冷却し、反応温度を30~50℃に制御した。硫酸を添加した後、50℃に保ちながら、さらに2時間攪拌し(触媒熟成工程)、アルコキシル化触媒を得た。
オートクレーブに、上記アルコキシル化触媒12.5gと、ラウリン酸メチル(パステルM12、ライオンケミカル株式会社製)462gと、ミリスチン酸メチル(パステルM14、ライオンケミカル株式会社製)166gとを入れ、攪拌した。攪拌しながら、オートクレーブ内を窒素置換し、100℃に昇温し、1.3kPa以下の減圧条件で30分間、脱水を行った。次いで、160℃に昇温し、0.1~0.5MPaの条件で、エチレンオキシド1876g(ラウリン酸メチルとミリスチン酸メチルとの合計の15倍モル)を導入して攪拌した(付加反応工程)。さらに、付加反応温度で0.5時間攪拌した(熟成工程)後、80℃に冷却し、反応粗製物(ポリオキシエチレン脂肪酸メチルエステル(MEE)、EO平均付加モル数=15)2516gを得た。前記反応粗製物をろ過して触媒を除去したものをB-2とした。
B-2のナロー率は30質量%であった。
・B-3:ソフタノール、炭素数12~14の第2級アルコールに、7モル相当のエチレンオキシドを付加したもの、ソフタノール70(商品名)、株式会社日本触媒製。上記一般式(III)中、R=炭素数12~14の分岐鎖のアルキル基、v=7、w=0、x=0。
・B-4:ポリオキシエチレンアルキルエーテル、炭素数12及び14の天然アルコール(第1級アルコール)に15モル相当のエチレンオキシドを付加したもの。上記一般式(III)中、R=炭素数12~14の直鎖のアルキル基、v=15、w=0、x=0。
[B-4の合成例]
プロクター・アンド・ギャンブル社製のCO-1214(商品名、炭素数12及び14の天然アルコール)224.4gと、30質量%水酸化ナトリウム水溶液2.0gとを耐圧型反応容器内に仕込み、該反応容器内を窒素置換した。次に、温度100℃、圧力2.0kPa以下で30分間脱水した後、温度を160℃まで昇温した。次いで、反応液を撹拌しながら、エチレンオキシド(ガス状)760.6gを反応液中に徐々に加えた。この時、反応温度が180℃を超えないように添加速度を調節しながら、エチレンオキシドを吹き込み管で加えた。
エチレンオキシドの添加終了後、温度180℃、圧力0.3MPa以下で30分間熟成した後、温度180℃、圧力6.0kPa以下で10分間、未反応のエチレンオキシドを留去した。
次に、温度を100℃以下まで冷却した後、反応物の1質量%水溶液のpHが約7になるように、70質量%p-トルエンスルホン酸を加えて中和し、B-4を得た。
・B-5:EPノニオン、天然アルコール(質量比で炭素数12の第1級アルコール/炭素数14の第1級アルコール=7/3)に、8モルのエチレンオキシド、2モルのプロピレンオキシド、8モルのエチレンオキシドの順にブロック付加させて得られたノニオン界面活性剤。上記一般式(III)中、R=炭素数12~14の直鎖のアルキル基、v=8、w=2、x=8。
・B-6:AES、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩(ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウムとポリオキシエチレンミリスチルエーテル硫酸ナトリウムとの混合物、EOの平均付加モル数1)、一般式(V)におけるR40=炭素数12及び14の直鎖のアルキル基、m=1.0、n=0、M=ナトリウム、B-6全体に対するm=0、n=0の化合物の割合=43質量%。
[B-6の合成例]
容量4Lのオートクレーブ中に、原料アルコールとしてP&G社製の商品名CO1270アルコール(炭素数12のアルコールと炭素数14のアルコールとの質量比75/25の混合物)400gと、反応用触媒として水酸化カリウム触媒0.8gとを仕込み、該オートクレーブ内を窒素で置換した後、攪拌しながら昇温した。続いて、温度を180℃、圧力を0.3MPa以下に維持しながらエチレンオキシド91gを導入し、反応させることによりアルコールエトキシレートを得た。
ガスクロマトグラフ質量分析計:Hewlett-Packard社製のGC-5890と、検出器:水素炎イオン化型検出器(FID)と、カラム:Ultra-1(HP社製、L25m×φ0.2mm×T0.11μm)とを用いて分析した結果、得られたアルコールエトキシレートは、エチレンオキシドの平均付加モル数が1.0であった。また、エチレンオキシドが付加していない化合物(最終的に一般式(V)においてm=0、n=0の化合物となるもの)の量が、得られたアルコールエトキシレート全体に対して43質量%であった。
次に、上記で得たアルコールエトキシレート237gを、攪拌装置付の500mLフラスコに採り、窒素で置換した後、液体無水硫酸(サルファン)96gを、反応温度40℃に保ちながらゆっくりと滴下した。滴下終了後、1時間攪拌を続け(硫酸化反応)、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸を得た。次いで、これを水酸化ナトリウム水溶液で中和することによりB-6を得た。
・B-7:AEPS、ポリオキシエチレンポリオキシプロパン-1,2-ジイルアルキルエーテル硫酸エステルのモノエタノールアミン塩。一般式(V)におけるR40=炭素数12の直鎖のアルキル基、m=2.0、n=1.0、M=モノエタノールアミン。
[B-7の合成例]
撹拌装置、温度制御装置及び自動導入装置を備えたオートクレーブ内に、炭素数12の直鎖の第1級アルコール[東京化成工業株式会社製、商品名:1-ドデカノール(分子量186.33)、純度>99%]640gと、水酸化カリウム1.0gと、を仕込み、110℃、1.3kPaにて30分間脱水を行った。脱水後、窒素置換を行い、120℃まで昇温した後、プロパン-1,2-ジイルオキシド199gを仕込んだ。次いで、120℃にて付加反応・熟成を行った後、145℃に昇温し、エチレンオキシド303gを仕込んだ。次いで、145℃にて付加反応・熟成を行った後、80℃まで冷却し、4.0kPaで未反応のエチレンオキシドを除去した。未反応のエチレンオキシドを除去した後、酢酸1.0gをオートクレーブ内に加え、80℃で30分間撹拌した後、抜き出しを行い、アルキル基がドデシル基、POの平均付加モル数が1.0、EOの平均付加モル数が2.0であるアルコキシレートを得た。
得られたアルコキシレートを、三酸化硫黄ガスを用いて下降薄膜式反応器により硫酸化した。得られた硫酸化物をモノエタノールアミンにて中和し、ポリオキシエチレンポリオキシプロパン-1,2-ジイルアルキルエーテル硫酸エステルのモノエタノールアミン塩(AEPS)を含む組成物を得た。
・B-8:LAS、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸、ライポンLH-200(商品名)、ライオン株式会社製。
・B-9:ヤシ脂肪酸、日油株式会社製、商品名「ヤシ脂肪酸」。
・B-10:塩化アルキル(炭素数12)トリメチルアンモニウム、ライオンアクゾ社製、商品名「アーカード12-37W」。
・B-11:アミドアミン、東邦化学株式会社製、商品名「カチナールMPAS-R」。
<(C)成分>
・HP-20:ポリエチレンイミンのエチレンオキシド付加体(BASF社製、商品名「Sokalan HP20」)。
<任意成分>
・コロナーゼ(酵素)、ノボザイムズ社製、商品名「Coronase48L」。
・アルカラーゼ(酵素)、ノボザイムズ社製、商品名「Alcalase2.5L」。
・MEA:モノエタノールアミン(アルカリ剤)、株式会社日本触媒製、商品名「モノエタノールアミン」。
・BHT:ジブチルヒドロキシトルエン(酸化防止剤)、商品名「SUMILZER BHT-R」、住友化学株式会社製。
・3-メトキシ-3-メチルブタノール(クラレ社製、商品名「ソルフィット」)。
・PEG1000:ポリエチレングリコール、重量平均分子量1000(水混和性有機溶剤)、ライオン株式会社製、商品名「PEG#1000-L60」。
・ブチルカルビトール、日本乳化剤株式会社製、商品名「ブチルジグリコール」。
・PG:プロピレングリコール(水混和性有機溶剤)、BASF社製。
・エタノール(水混和性有機溶剤)、日本アルコール販売株式会社製、商品名「特定アルコール95度合成」。
・安息香酸ナトリウム(防腐剤)、東亜合成株式会社製、商品名「安息香酸ナトリウム」。
・塩化カルシウム(酵素安定化剤)、関東化学株式会社製、商品名「塩化カルシウム」。
・乳酸ナトリウム(酵素安定化剤)、関東化学株式会社製、商品名「乳酸ナトリウム」。
・香料(着香剤)、特開2002-146399号公報の表11~18に記載の香料組成物A。
・色素(着色剤)、癸巳化成株式会社製、商品名「緑色3号」。
・水(蒸留水)、関東化学株式会社製。
(実施例1~21、比較例1~7)
表1~4に示す組成に従い、水に、(A)成分、(B)成分、(C)成分及び任意成分を添加し混合して、実施例1~21の液体洗浄剤を得た。
また、(A)成分を添加しなかったこと以外は実施例1~21と同様にして、比較例1,2,5の液体洗浄剤を得た。(A)成分に代えて(A’)成分を用いたこと以外は実施例1~21と同様にして、比較例3,4,6,7の液体洗浄剤を得た。
得られた各例の液体洗浄剤の組成(配合成分、含有量(質量%))を表1~4に示す。
尚、特に断りがない限り質量%は純分を示す。
表中、空欄の配合成分がある場合、その配合成分は配合されていない。
表中、比較例3,4,6,7のA/B比は、(A’)成分と(B)成分との質量比を示す。なお、実施例17~21は、参考例である。
実施例1~16、比較例1~4の各例の液体洗浄剤について、洗浄力、液安定性、すすぎ性を以下のように評価した。
評価結果を、表1~3に示す。
<洗浄力の評価>
5cm×5cmにカットした綿布を評価用布とし、油性ボールペン(ZEBRA社製、商品名「Clip-on-Slim油性ボールペン」)のインクを塗り付けて、油性インク汚れが付着したインク汚垢布を作製した。この際、綿布の中央に直径2cmの円となるように油性インクを塗り付けた。
このインク汚垢布を、以下の手順で洗浄した。
各例の液体洗浄剤0.05mLを、汚垢布に付着させた油性インク汚れが中心となるように前記インク汚垢布に塗布し、3分間放置したのち、下記洗濯方法によって、水15Lに対して各例の液体洗浄剤6mLを溶解した洗濯液を使用して、洗浄した。
洗浄試験器としてTerg-O-Tometer(UNITED STATES TESTING社製)を用いた。各例の液体洗浄剤を塗布し3分間放置した後の上記インク汚垢布10枚と、前記洗濯液とを洗浄試験器に入れ、浴比30倍に合わせて、120rpm、15℃で10分間洗浄した。次に、二槽式洗濯機(三菱電機社製、品番:CW-C30A1-H1)に移し、1分間脱水後、水道水(15℃、4゜DH)30L中で3分間濯ぎ、風乾した。
インク汚れを付けなかった評価用布、洗浄前のインク汚垢布及び洗浄後のインク汚垢布について、それぞれ反射率を日本電色社製の色差計(製品名:SE200型)で測定し、洗浄率(%)を以下の式で算出した。インク汚垢布10枚について洗浄率(%)を算出し、その平均値を用いて、インク汚れに対する洗浄力を評価した。
洗浄率(%)=100×(洗浄前のインク汚垢布のK/S-洗浄後のインク汚垢布のK/S)/(洗浄前のインク汚垢布のK/S-評価用布のK/S)×100。
ただし、K/Sは式:(1-R/100)/(2R/100)で求められる値であり、Rは、評価用布、洗浄前のインク汚垢布または洗浄後のインク汚垢布の反射率(%)である。
洗浄率30%以上を合格とした。
<液安定性の評価>
透明のガラス瓶(広口規格びん、PS-NO.11)に、各例の液体洗浄剤100mLを充填し、蓋を閉めて密封した。この状態で5℃又は25℃の恒温槽内に7日間静置して保存した。
かかる保存の後、液の外観を目視で観察し、下記評価基準に従って、液体洗浄剤の液安定性を評価した。
(評価基準)
○:ガラス瓶の底部に沈殿物質が認められず、液の流動性がある。
△:ガラス瓶の底部に沈殿物質が認められるが、ガラス瓶を軽く振ると、その沈殿物質は消失(溶解)する。
×:ガラス瓶の底部に沈殿物質が認められ、ガラス瓶を軽く振ってもその沈殿物質は消失しない、又は、液体洗浄剤の製造直後にゲル化もしくは白濁を生じる。
かかる評価結果を、表1~3の液安定性(25℃)、液安定性(5℃)の欄にそれぞれ示す。
<すすぎ性の評価>
各衣料用液体洗浄剤0.3gを、25℃の3°硬水900mLに溶解して洗浄液を調製した。この洗浄液20mLを100mL容量のエプトン管に入れ、20秒で20回震とうして泡立てた後、3分静置した。その後の泡の高さ(泡と洗浄液との境界から、泡の上端面までの長さ)を測定した。測定した泡の高さ(単位:mm)を表中に示す。
すすぎ性の評価として、以下のインク汚れ洗浄力、再汚染防止効果について評価した。なお、すすぎ性の評価は、(A)成分の有無、(C)成分の有無、(B)成分(B-9)の量についての効果を確認するために、実施例3、15、16、比較例1についてのみ行った。
[インク汚れ洗浄力]
(繰り返し洗濯処理によってソイルリリース効果を加味した洗浄力)
全自動電気洗濯機(AW-80VC、株式会社東芝製)に、綿布を投入し、浴比20倍に合わせた。そこに、各例の液体洗浄剤12gを添加し、標準コースにて洗浄、すすぎ、脱水を順次行う洗濯操作を行った。洗浄時間、すすぎ、脱水、水量(36Lに設定)に関しては、一切調整せず、洗濯機の標準設定を使用した。用いた水道水の温度は、15℃であった。この事前の洗浄操作を2回又は5回繰り返した。2回又は5回の事前洗浄を終えた後、綿布を平干しにて一晩乾燥させ、乾燥後の綿布を5×5cmにカットしたものを評価用綿布とした。
評価用布に、油性ボールペン(ZEBRA社製、商品名「Clip-on-Slim油性ボールペン」)のインクを塗り付けて、油性インク汚れが付着したインク汚垢布を作製した。この際、綿布の中央に直径2cmの円となるように油性インクを塗り付けた。
このインク汚垢布を、以下の手順で洗浄した。
各例の液体洗浄剤0.05mLを、汚垢布に付着させた油性インク汚れが中心となるように前記インク汚垢布に塗布し、3分間放置したのち、下記洗濯方法によって、水15Lに対して各例の液体洗浄剤6mLを溶解した洗濯液を使用して、洗浄した。
洗浄試験器としてTerg-O-Tometer(UNITED STATES TESTING社製)を用いた。各例の液体洗浄剤を塗布して3分間放置した後の上記インク汚垢布10枚と、前記洗濯液とを洗浄試験器に入れ、浴比30倍に合わせて、120rpm、15℃で10分間洗浄した。次に、二槽式洗濯機(三菱電機社製、品番:CW-C30A1-H1)に移し、1分間脱水後、水道水(15℃、4゜DH)30L中で3分間濯ぎ、風乾した。
インク汚れを付けなかった評価用布、洗浄前のインク汚垢布及び洗浄後のインク汚垢布について、それぞれ反射率を日本電色社製の色差計(製品名:SE200型)で測定し、洗浄率(%)を以下の式で算出した。インク汚垢布10枚について洗浄率(%)を算出し、その平均値を用いて、下記基準に基づいてインク汚れに対する洗浄力を評価した。
洗浄率(%)=100×(洗浄前のインク汚垢布のK/S-洗浄後のインク汚垢布のK/S)/(洗浄前のインク汚垢布のK/S-評価用布のK/S)×100。
ただし、K/Sは式:(1-R/100)/(2R/100)で求められる値であり、Rは、評価用布、洗浄前のインク汚垢布または洗浄後のインク汚垢布の反射率(%)である。
[再汚染防止効果の評価]
各例の液体洗浄剤を用いて、以下に示す洗浄工程、すすぎ工程、乾燥工程をこの順序で3回繰り返す洗濯処理を行った。
洗浄工程:被洗物として、下記の綿布、ポリエステル(PE)布、湿式人工汚染布及び肌シャツを用いた。
綿布:再汚染判定布として綿メリヤス(谷頭商店製)5cm×5cmを5枚。
ポリエステル(PE)布:再汚染判定布としてポリエステルトロピカル(谷頭商店製)5cm×5cmを5枚。
湿式人工汚染布:財団法人洗濯科学協会製の汚染布(オレイン酸28.3%、トリオレイン15.6%、コレステロールオレート12.2%、流動パラフィン2.5%、スクアレン2.5%、コレステロール1.6%、ゼラチン7.0%、泥29.8%、カーボンブラック0.5%(質量比)の組成の汚れが付着した布)を20枚。
肌シャツ:肌シャツ(LLサイズ、DVD社製)を細かく(3cm×3cm程度)裁断したもの。
Terg-o-tometer(UNITED STATES TESTING社製)内に、25℃の3°DH硬水900mLを入れ、ここに液体洗浄剤0.6gを加え、次いで、前記被洗物を入れた。その後、3°DH硬水を加えて浴比を20倍に調整し、120rpm、25℃で10分間洗浄した。
すすぎ工程:
洗浄後の被洗物を、1分間脱水した後、25℃の3°DH硬水900mLを入れ、120rpm、25℃で3分間すすいだ。この操作(脱水、すすぎ)を2回繰り返した。2回目には、25℃の3°DH硬水900mLに、所定量の柔軟剤を添加してすすぎを行った。柔軟剤には、部屋干しソフラン(ライオン株式会社製)を用いた。
乾燥工程:
すすいだ被洗物を1分間脱水した後、再汚染判定布(綿布、PE布)のみを取り出し、濾紙に挟み、アイロンで乾燥した。
反射率計(分光式色差計SE2000、日本電色工業株式会社製)を用い、洗濯処理前後の再汚染判定布の反射率(Z値)を測定し、下式よりΔZを求めた。
ΔZ=(洗濯処理前のZ値)-(洗濯処理後のZ値)
綿布、PE布のそれぞれの再汚染判定布におけるΔZについて、5枚の平均値を求めた。そして、この平均値を指標とした下記判定基準に従い、液体洗浄剤による綿布、PE布への再汚染防止効果を評価した。下記判定基準において、◎及び○を合格とした。評価結果を表1~3に示す。
<綿布における判定基準>
◎:△Zが5未満。
○:△Zが5以上7未満。
△:△Zが7以上9未満。
×:△Zが9以上。
<PE布における判定基準>
◎:△Zが3未満。
○:△Zが3以上4未満。
△:△Zが4以上5未満。
×:△Zが5以上。
Figure 0007357433000004
Figure 0007357433000005
Figure 0007357433000006
実施例17~21、比較例5~7の各例の液体洗浄剤について、抑泡性を以下のように評価した。評価結果を、表4に示す。
<抑泡性の評価>
100mLのエプトン管に上記各例の液体洗浄剤の水溶液(濃度:0.1質量%)を20mL入れて、これを20秒で20回震とうして泡立てた。3分間静置後、直ちに泡の高さ(泡と上記水溶液との境界から、泡の上端までの長さ)を測定した。測定した泡の高さ(単位:mm)を表中に示す。
Figure 0007357433000007
表1~3に示す結果から、本発明を適用した実施例1~16の液体洗浄剤は、油性汚れに対する洗浄力により優れることが確認できた。さらに、液安定性に優れることが確認できた。表4に示す結果から、本発明を適用した実施例17~21の液体洗浄剤は、抑泡性に優れることが確認できた。
一方、(A)成分を含まない液体洗浄剤(比較例1,2)、(A)成分に代えて(A’)成分を含む液体洗浄剤(比較例3,4)は、油性汚れに対する洗浄力が充分でなかった。(A)成分に代えて(A’-2)成分を含む液体洗浄剤(比較例4)は、低温における液安定性が充分でなかった。(A)成分を含まない液体洗浄剤(比較例5)、(A)成分に代えて(A’)成分を含む液体洗浄剤(比較例6,7)は、抑泡性が充分でなかった。
以上の結果から、本発明を適用した液体洗浄剤は、油性汚れに対する洗浄力により優れることが確認できた。
本発明の液体洗浄剤は、油性汚れに対する洗浄力により優れる。

Claims (4)

  1. 3価アルコールのプロピレンオキシド付加物(A)と、界面活性剤(B)とを含有し、
    前記(A)成分が、下記一般式(I)で表される化合物であり、
    前記(A)成分の含有量が、総質量に対して0.1~5質量%であり、
    前記(B)成分が、アルキルグリコシドを除くノニオン界面活性剤を含有し、
    前記ノニオン界面活性剤の含有量が、前記(B)成分の総質量に対して30~90質量%である、繊維製品用液体洗浄剤。
    Figure 0007357433000008
    式(I)中、POは、オキシプロピレン基であり、a、b、cは、それぞれ独立にPOの平均繰り返し数を表し、a、b、cを合計した数(a+b+c)が、20~120である。
  2. 前記(A)成分/前記(B)成分で表される質量比が0.01~0.15であり、
    前記(B)成分の含有量が、総質量に対して15質量%以上70質量%以下である、
    請求項1に記載の繊維製品用液体洗浄剤。
  3. さらに、ポリアルキレンアミンのアルキレンオキシド付加体(C)を含有する、請求項1または2に記載の繊維製品用液体洗浄剤。
  4. 前記(B)成分が、非石鹸系界面活性剤、及び高級脂肪酸又は、その塩を併用する、請求項1~請求項3のいずれか一項に記載の繊維製品用液体洗浄剤。
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