JP6715107B2 - 液体洗浄剤組成物 - Google Patents
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Description
このような問題に対して、特許文献1には、特定の炭素数を有する疎水基に、特定量のエチレンオキシドを付加して得られる2種類のノニオン界面活性剤と、特定の質量平均分子量を有するポリエチレングリコールとを含み、前記2種類のノニオン界面活性剤の含有量と配合比とを特定の範囲とする液体洗浄剤組成物が記載されている。特許文献1の発明によれば、洗浄性能に優れ、皮膜を形成しにくい(皮膜形成防止性に優れる)液体洗浄剤が得られる。
そこで本発明は、皮膜形成防止性に優れ、かつ洗浄性能にも優れる液体洗浄剤組成物を目的とする。
[1]ノニオン界面活性剤(A)と、ポリアルキレンアミンのアルキレンオキシド付加体(B)と、下記一般式(I)で表される化合物(C)とを含有する、液体洗浄剤組成物。
R1O−(EO)n−H ・・・(I)
[式(I)中、R1は、水素、又は炭素数1〜3のアルキル基を表し、EOはオキシエチレン基を表し、nはオキシエチレン基の平均繰り返し数を表す1〜30000の数である。]
[2]前記(A)成分/(前記(B)成分+前記(C)成分)で表される質量比は、20以下である、[1]に記載の液体洗浄剤組成物。
[3]さらに、炭素数10〜20の脂肪酸塩を除くアニオン界面活性剤(D)を含有する、[1]又は[2]に記載の液体洗浄剤組成物。
[4]さらに、水を含む、[1]〜[3]のいずれか一項に記載の液体洗浄剤組成物。
[5]前記(C)成分/前記(B)成分で表される質量比は、50以下である、[1]〜[4]のいずれかに記載の液体洗浄剤組成物。
[6]前記(A)成分/前記(B)成分で表される質量比は、10〜300である、[1]〜[5]のいずれかに記載の液体洗浄剤組成物。
[7]前記(A)成分/前記(C)成分で表される質量比は、20以下である、[1]〜[6]のいずれかに記載の液体洗浄剤組成物。
本発明の液体洗浄剤組成物は、下記の(A)〜(C)成分を含有する組成物である。
(A)成分は、ノニオン界面活性剤である。(A)成分は、本発明の液体洗浄剤に洗浄性能を付与する。
(A)成分としては、例えば、下記一般式(a1)で表されるポリオキシアルキレン型ノニオン界面活性剤、下記一般式(a2)で表されるポリオキシアルキレン型ノニオン界面活性剤が挙げられる。
R11−X−[(EO)s/(PO)t]−R12 ・・・(a1)
[式(a1)中、R11は炭素数8〜18の炭化水素基を表し、XはO、COO又はCONHを表し、R12は水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、又は炭素数2〜6のアルケニル基を表す。sはEOの平均繰り返し数を表し、6〜20の数である。tはPOの平均繰り返し数を表し、0〜6の数である。また、EOはオキシエチレン基、POはオキシプロピレン基を表し、EOとPOとは混在して配列していてもよい。]
R12のアルキル基としては、炭素数1〜3のアルキル基が好ましい。R12のアルケニル基としては、炭素数2〜3のアルケニル基が好ましい。また、XはO、又はCOOが好ましい。
前記式(a1)中、XがOの場合、(A)成分はアルキルエーテル型ノニオン界面活性剤である。XがOの場合、洗浄性能のさらなる向上の観点から、R11は炭素数10〜18の炭化水素基であることが好ましい。また、R11は不飽和結合を有していてもよい。また、sは10〜20であることが好ましく、14〜18がより好ましい。R12は、水素原子であることが好ましい。
前記式(a1)中、tは、0〜6の数であり、0〜3が好ましく、0がより好ましい。tが前記範囲内であれば、高温下での保存安定性が良好となりやすい。
前記式(a1)中の[(EO)s/(PO)t]において、EOとPOとは混在して配列していてもよい。EOとPOが混在して配列している場合、ランダム状であってもよく、ブロック状であってもよい。
[式(a2)中、R13は炭素数8〜18の炭化水素基を表す。pはEOの平均繰り返し数を表し、qはPOの平均繰り返し数を表し、rはEOの平均繰り返し数を表し、p、q、rは、p≧1、r≧7、0<q≦3、p+r=8〜20を満たす数である。EOはオキシエチレン基、POはオキシプロピレン基を表し、EOとPOとは混在して配列していてもよい。]
前記式(a2)中、R13は炭素数8〜18の炭化水素基であり、炭素数8〜18のアルキル基又はアルケニル基であることが好ましい。これらは、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよい。
[(EO)p/(PO)q]におけるEOとPOは、混在して配列していてもよい。その場合、EOとPOは、ランダム状であってもよく、ブロック状であってもよい。
式(a2)で表される(A)成分を用いると、液体洗浄剤は適度な粘度が得られやすくなり、ゲル化も抑制される。また、泡立ち性が向上し、生分解性もより良好になる。
(A)成分は、1種単独で用いられてもよく、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
(A)成分の含有量は、液体洗浄剤の総質量に対して、3〜30質量%が好ましく、5〜25質量%がより好ましく、8〜20質量%がさらに好ましい。(A)成分の含有量が前記下限値以上であれば、洗浄性能を向上させやすく、前記上限値以下であれば、皮膜形成防止性がより高まる。
(B)成分は、ポリアルキレンアミンのアルキレンオキシド付加体である。(B)成分を含むことで、本発明の液体洗浄剤の皮膜形成防止性が向上する。
成分(B)としては、例えば、下記(b1)成分、(b2)成分が挙げられる。
(b1)成分は、ポリアルキレンイミンのアルキレンオキシド付加体である。
(b1)成分のポリアルキレンイミンは、例えば、下記一般式(b1)で表される。
NH2−R21−(NA−R21)n2−NH2 ・・・(b1)
式(b1)中、R21は、それぞれ独立して炭素数2〜6のアルキレン基であり、Aは、水素原子、又は分岐による別のポリアミン鎖を表し、n2は、1以上の数である。ただし、前記Aがすべて水素原子であることはない。
即ち、式(b1)で表されるポリアルキレンイミンは、構造中に分岐したポリアミン鎖を有する。
ポリアルキレンイミンは、炭素数2〜6のアルキレンイミンの1種又は2種以上を常法により重合して得られる。炭素数2〜6のアルキレンイミンとしては、エチレンイミン、プロピレンイミン、1,2−ブチレンイミン、2,3−ブチレンイミン、1,1−ジメチルエチレンイミン等が挙げられる。
ポリアルキレンイミンとしては、ポリエチレンイミン(PEI)、ポリプロピレンイミンが好ましく、PEIがより好ましい。PEIは、エチレンイミンを重合することによって得られ、その構造中に、1級、2級及び3級アミン窒素原子を含む分岐鎖構造を有している。
アルキレンオキシドとしては、炭素数2〜4のアルキレンオキシドが挙げられる。前記アルキレンオキシドとしては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドが挙げられ、エチレンオキシド及びプロピレンオキシドが好ましく、エチレンオキシドがより好ましい。
(b1)成分としては、ポリアルキレンイミンのエチレンオキシド付加体、ポリアルキレンイミンのエチレンオキシド−プロピレンオキシド付加体が好ましく、ポリアルキレンイミンのエチレンオキシド付加体がより好ましい。
なお、質量平均分子量は、溶媒としてTHF(テトラヒドロフラン)を用いてGPC(ゲルパーミネーションクロマトグラフィー)により測定した値を、PEG(ポリエチレングリコール)における較正曲線に基づいて換算した値を示す。
(b1)成分としては、例えば、式(b1−a)で示される化合物が挙げられる。
R22は、炭素数2又は3のアルキレン基が好ましく、炭素数2のアルキレン基がより好ましい。mは、(R22O)の平均繰り返し数であり、5〜40が好ましく、10〜30がより好ましい。
(b1)成分としては、合成品が用いられてもよいし、市販品が用いられてもよい。
市販品としては、例えばBASF社製の商品名「Sokalan HP20」等が挙げられる。
(b2)成分は、下記式(b2)で表されるポリアルキレンアミンのアルキレンオキシド付加体である。
NH2(R31NH)lH ・・・(b2)
式(b2)中、R31は、炭素数2〜6のアルキレン基であり、lは、1以上の数である。
ポリアルキレンアミンとしては、ポリエチレンアミンが好ましい。ポリエチレンアミンとしては、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン等が挙げられる。なお、これらのポリエチレンアミンは、公知の製造方法、例えばアンモニア及びエチレンジクロリドを反応させることで得られる。
ポリアルキレンアミンのアルキレンオキシド付加体としては、ポリアルキレンアミンのエチレンオキシド付加体、ポリアルキレンアミンのエチレンオキシド−プロピレンオキシド付加体が好ましく、ポリアルキレンアミンのエチレンオキシド付加体がより好ましい。
液体洗浄剤中の(B)成分の含有量は、液体洗浄剤の総質量に対し、0.1〜10質量%が好ましく、0.5〜5質量%が好ましく、0.8〜3質量%がさらに好ましい。
(B)成分の含有量が、前記下限値以上であると、皮膜形成防止能に優れる液体洗浄剤が得られやすくなる。また、(B)成分の含有量が前記上限値以下であると、他の成分の配合の自由度を保ちやすくなる。
(C)成分は、下記一般式(I)で表される化合物である。
R1O−(EO)n−H ・・・(I)
[式(I)中、R1は、水素、又は炭素数1〜3のアルキル基を表し、EOはオキシエチレン基を表し、nはオキシエチレン基の平均繰り返し数を表す1〜30000の数である。]
ポリエチレングリコールとしては、式(I)におけるnが5以上のものが好ましい。また、ポリエチレングリコールの質量平均分子量は、200〜1320000が好ましく、200〜5000がより好ましく、200〜2000がさらに好ましく、200〜1000が特に好ましい。これらの中でも、質量平均分子量が1000(nが22〜24)のポリエチレングリコールが特に好ましい。なお、ポリエチレングリコールの質量平均分子量は、溶媒としてメタノールを用いてGPC(ゲルパーミネーションクロマトグラフィー)により測定した値を、ポリエチレングリコールにおける較正曲線に基づいて算出した値を示す。
また、式(I)において、R1が炭素数1〜3のアルキル基である化合物としては、グリコールのモノエーテル、ジグリコールのモノエーテル、ポリエチレングリコールのモノエーテル等が挙げられる。これらの中でも、R1がメチル基であり、nが22〜24であるメトキシポリエチレングリコール(質量平均分子量が1000のもの)が特に好ましい。
(C)成分としては、ポリエチレングリコールが好ましく、質量平均分子量が1000のポリエチレングリコールが特に好ましい。
(C)成分は、1種単独で用いられてもよく、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
液体洗浄剤中の(C)成分と(B)成分との質量比率(C)/(B)は、50以下が好ましく、1〜30がより好ましく、2〜10がさらに好ましい。(C)/(B)が50以下であれば、皮膜形成防止性がより良好となりやすい。
また、液体洗浄剤中の(B)成分と(C)成分の合計量は、液体洗浄剤の総質量に対して、1〜10質量%が好ましく、3.5〜6.5質量%がより好ましい。
(D)成分は炭素数10〜20の脂肪酸塩を除くアニオン界面活性剤(すなわち、非石鹸系アニオン界面活性剤)である。本発明の液体洗浄剤が(D)成分を含有することにより、洗浄性能と皮膜形成防止性がより高まる。
(D)成分としては、公知の非石鹸系アニオン界面活性剤のなかから適宜選択して用いることができる。
本発明において好ましく用いられる(D)成分としては、例えば、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸又はその塩;α−オレフィンスルホン酸塩;直鎖又は分岐鎖のアルキル硫酸エステル塩;アルキルエーテル硫酸エステル塩又はアルケニルエーテル硫酸エステル塩;アルキル基を有するアルカンスルホン酸塩;α−スルホ脂肪酸エステル塩等が挙げられる。これらのアニオン界面活性剤における塩としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩、マグネシウム等のアルカリ土類金属塩、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン等のアルカノールアミン塩等が挙げられる。
これらのうち、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸又はその塩としては、直鎖アルキル基の炭素数が8〜16のものが好ましく、炭素数10〜14のものが特に好ましい。
α−オレフィンスルホン酸塩としては、炭素数10〜20のものが好ましい。
アルキル硫酸エステル塩としては、アルキル基の炭素数が10〜20のものが好ましい。
アルキルエーテル硫酸エステル塩又はアルケニルエーテル硫酸エステル塩としては、炭素数10〜20の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基もしくはアルケニル基を有し、平均1〜10モルのエチレンオキシドを付加したもの(即ち、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩又はポリオキシエチレンアルケニルエーテル硫酸エステル塩)が好ましい。
アルカンスルホン酸塩としては、アルキル基の炭素数が10〜20のものが好ましく、14〜17のものがより好ましい。なかでも、前記アルキル基が2級アルキル基であるもの(即ち、2級アルカンスルホン酸塩)が特に好ましい。
α−スルホ脂肪酸エステル塩としては、脂肪酸残基(即ち、Ra−C(H)−COOで表される基。Raは炭化水素基を表す)の炭素数が10〜20のものが好ましい。
これらの中でも、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸又はその塩、アルカンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、及びα−オレフィンスルホン酸塩から選ばれる少なくとも1種のアニオン界面活性剤がさらに好ましく、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩が特に好ましい。
これらのアニオン界面活性剤は、市販品を用いてもよい。
(D)成分は、1種単独で用いられてもよく、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
本発明の液体洗浄剤は、必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、上記(A)〜(D)成分以外の任意成分を含有することができる。
任意成分としては、例えば、水、(A)、(D)成分以外の界面活性剤(任意界面活性剤)、水混和性有機溶剤、金属イオン捕捉剤、安定化剤、酸化防止剤、洗浄性能向上剤・安定性向上剤、着色剤・乳濁化剤、pH調整剤、香料等が挙げられる。
任意界面活性剤は、洗浄成分であり、液体洗浄剤において公知の界面活性剤を用いることができる。例えば、炭素数10〜20の脂肪酸塩(高級脂肪酸塩、石鹸)、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、半極性界面活性剤を1種又は2種以上組み合わせて配合することができる。
カチオン界面活性剤としては、従来公知のものを適宜選択して用いることができる。具体的には、塩化ドデシルトリメチルアンモニウム、セチルトリメチルアンモニウム塩、セトステアリルトリメチルアンモニウム塩、ステアリルトリメチルアンモニウム塩、ベヘニルトリメチルアンモニウム塩、塩化ミリスチルジメチルエチルアンモニウム塩、ジデシルジメチルアンモニウム塩、塩化ベンザルコニウム等が挙げられる。これらの中でも、液安定性の観点から、塩化ドデシルトリメチルアンモニウム、塩化ミリスチルジメチルエチルアンモニウム塩、が好ましい。本発明の液体洗浄剤がカチオン界面活性剤を含む場合、その配合量は、液安定性の観点から、液体洗浄剤の総質量に対して、0.01〜5質量%が好ましい。
両性界面活性剤としては、アルキルベタイン型、アルキルアミドベタイン型、イミダゾリン型、アルキルアミノスルホン型、アルキルアミノカルボン酸型、アルキルアミドカルボン酸型、アミドアミノ酸型、リン酸型両性界面活性剤等が挙げられる。本発明の液体洗浄剤が両性界面活性剤を含む場合、その配合量は、液安定性の観点から、液体洗浄剤の総質量に対して、0.1〜10質量%が好ましい。
半極性界面活性剤としては、従来公知のものを適宜選択して用いることができる。具体的には、ドデシルジメチルアミンオキシド、ラウリン酸アミドプロピルアミンオキシド等が挙げられる。本発明の液体洗浄剤が半極性界面活性剤を含む場合、その配合量は、液安定性の観点から、液体洗浄剤の総質量に対して、0.1〜10質量%が好ましい。
水混和性有機溶剤としては、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール等のアルコール類、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール等のグリコール類、ジプロピレングリコール等のポリグリコール類、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルカルビトール)、ジエチレングリコールジメチルエーテル、3−メトキシー3−メチル−1−ブタノール等のアルキルエーテル類等が挙げられる。
これらの中でも、入手のしやすさ、液体洗浄剤とした場合の液安定性、流動性等から、エタノール、プロピレングリコール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルカルビトール)、3−メトキシー3−メチル−1−ブタノールが好ましい。
水混和性有機溶剤は、1種単独で用いられてもよく、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
水混和性有機溶剤の含有量は、液体洗浄剤の総質量に対して、0.1〜15質量%が好ましい。
なお、本発明において、水混和性有機溶剤とは、25℃のイオン交換水1Lに50g以上溶解する有機溶剤をいう。
安定化剤の含有量は、液体洗浄剤の総質量に対して、0〜2質量%が好ましい。
液体洗浄剤のpHは、必要に応じて、pH調整剤を配合することにより調整できる。pH調整剤としては、本発明の効果を損なわない限りにおいて随意であるが、硫酸、塩酸、パラトルエンスルホン酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アルカノールアミン等が、酵素の安定性の面から好ましい。
本発明の液体洗浄剤は、従来公知の製造方法によって製造される。
液体洗浄剤の製造方法は、例えば、分散媒である水に、(A)〜(D)成分及び必要に応じてその他の成分を分散することで得られる。
液体洗浄剤の使用方法としては、例えば、液体洗浄剤を単独で、又は公知の漂白剤や柔軟剤と共に水に入れて洗浄液とし、この洗浄液に被洗物を入れ洗濯機で洗浄する方法、洗浄液、又は液体洗浄剤を被洗物に塗布し、これを洗濯機で洗浄する方法等が挙げられる。
被洗物としては、例えば、衣類、布帛、シーツ、カーテン、絨毯等の繊維製品が挙げられる。
前記洗浄液中の液体洗浄剤の含有量は、特に限定されない。水に対する液体洗浄剤の添加量は、例えば、水10L当たり、3〜10mLが好ましい。
表1の略号は以下を表す。
<(A)成分>
A−1:LMAO:ポリオキシエチレンアルキルエーテル(EOの付加モル数15)(ライオンケミカル(株)製、商品名「LMAO−90」)(式(a1)中、R11が炭素数12〜14のアルキル基であり、XがOであり、sが15であり、tが0であり、R12が水素原子である化合物)。
A−2:炭素数12の第2級アルコール及び炭素数14の第2級アルコールに、5モル相当のエチレンオキシドを付加した化合物(式(a1)中、R11が炭素数12の第2級アルキル基、sが5、tが0、R12が水素原子の化合物と、R11が炭素数14の第2級アルキル基、sが5、tが0、R12が水素原子の化合物との混合物)((株)日本触媒製、商品名「ソフタノール50」)。
A−3:LMAF:ポリオキシエチレンアルキルエーテル(EOの付加モル数6)(ライオンケミカル(株)製、商品名「LMAF−90」)(式(a1)中、R11が炭素数12〜14のアルキル基であり、XがOであり、sが6であり、tが0であり、R12が水素原子である化合物)。
A−4:MEE:ヤシ脂肪酸メチル(質量比でラウリン酸メチル/ミリスチン酸メチル=8/2の混合物)に対して、アルコキシル化触媒を用いて、15モル相当のエチレンオキシドを付加したもの(MEE)(式(a1)中、R11が炭素数11のアルキル基及び炭素数13のアルキル基であり、R12がメチル基であり、XがCOOであり、sが15であり、tが0の化合物。ナロー率33%。下記の製造方法により製造されたもの)。
(A−4の製造方法)
特開2000−144179号公報に記載の製造方法に準じて合成した。
組成が2.5MgO・Al2O3・wH2Oである水酸化アルミナ・マグネシウム(協和化学工業(株)製、商品名「キョーワード(登録商標)300」)を600℃で1時間、窒素雰囲気下で焼成して、焼成水酸化アルミナ・マグネシウム(未改質)触媒を得た。焼成水酸化アルミナ・マグネシウム(未改質)触媒2.2gと、0.5N水酸化カリウムのエタノール溶液2.9mLと、ラウリン酸メチルエステル280gと、ミリスチン酸メチルエステル70gとを4Lオートクレーブに仕込み、オートクレーブ内で触媒の改質を行った。次いで、オートクレーブ内を窒素で置換した後、温度を180℃、圧力を0.3MPaに維持しつつ、エチレンオキシド1052gを導入し、撹拌しながら反応させた。
得られた反応液を80℃に冷却し、水159gと、濾過助剤として活性白土及び珪藻土をそれぞれ5gとを添加し混合した後、触媒を濾別してA−4を得た。
A−5:MEE:ヤシ脂肪酸メチル(質量比でラウリン酸メチル/ミリスチン酸メチル=8/2の混合物)に、アルコキシル化触媒を用いて、15モル相当のエチレンオキシドを付加したもの(式(a1)中、R11が炭素数11のアルキル基及び炭素数13のアルキル基であり、R12がメチル基であり、XがCOOであり、sが15であり、tが0である化合物。ナロー率33%。下記の製造方法により製造されたもの)。
(A−5の製造方法)
1Lのセパラブルフラスコに、イソプロピルアルコール(IPA)(一級試薬、関東化学(株)製)525gと、酢酸カルシウム一水和物(特級試薬、関東化学(株)製)150gを入れ、ディスパー攪拌翼により20℃で混合して分散物を得た(分散工程)。前記分散物を3000rpmで攪拌しながら、滴下ロートによって、硫酸(特級試薬、関東化学(株)製)75gを60分間かけて添加し混合した(混合工程)。混合工程では硫酸の添加で発熱するため、セパラブルフラスコを温浴で、反応温度を15〜25℃に制御した。硫酸を添加した後、20℃に保ちながら、さらに2時間攪拌し(触媒熟成工程)、アルコキシル化触媒を得た。
オートクレーブに、上記アルコキシル化触媒2.1gと、ラウリン酸メチル(ライオンケミカル(株)、商品名「パステル(登録商標)M12」)462gと、ミリスチン酸メチル(ライオンケミカル(株)製、商品名「パステルM14」)166gとを入れ、攪拌した。攪拌しながら、オートクレーブ内を窒素置換し、160℃に昇温し、0.1〜0.5MPaの条件で、エチレンオキシド(EO)1876g(ラウリン酸メチルとミリスチン酸メチルとの合計の15倍モル)を導入して攪拌した(付加反応工程)。さらに、付加反応温度で0.5時間攪拌した(熟成工程)後、80℃に冷却し、反応粗製物(脂肪酸メチルエステルエトキシレート(MEE)、EO平均付加モル数が15)2516gを得た。前記反応粗製物をろ過して触媒を除去し、A−5を得た。
B−1:ポリエチレンイミンのエチレンオキシド付加体(BASF社製、商品名「Sokalan HP20」)。
C−1:ポリエチレングリコール(質量平均分子量1000)(ライオンケミカル(株)製、商品名「PEG#1000」)。
C−2:ポリエチレングリコール(質量平均分子量4000)(ライオンケミカル(株)製、商品名「PEG#4000」)。
D−1:直鎖アルキルベンゼンスルホン酸(ライオン(株)製、商品名「ライポン(登録商標)LH−200」)(C10〜14、平均分子量322)。
D−2:下記の製造方法によって製造された下記一般式(d1−1)で表されるポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム(AES)。
R51−O−(EO)j−SO3M ・・・(d1−1)
[式(d1−1)中、R51は炭素数12〜14の直鎖アルキル基であり、jが1.0の数であり、Mがナトリウムである化合物。EOは、オキシエチレン基であり、jはEOの平均繰り返し数である。]
(D−2の製造方法)
容量4Lのオートクレーブ中に、原料アルコールとしてP&G社製のCO1270(商品名)(炭素数12のアルコールと炭素数14のアルコールとの質量比75/25の混合物)400gと、反応用触媒として水酸化カリウム0.8gとを仕込み、前記オートクレーブ内を窒素で置換した後、攪拌しながら昇温した。続いて、温度を180℃、圧力を0.3MPa以下に維持しながらエチレンオキシド91gを導入して反応させ、アルコールエトキシレートを得た。
得られたアルコールエトキシレートを、ガスクロマトグラフ質量分析計(Hewlett−Packard社製、製品名「GC−5890」、検出器:水素炎イオン化型検出器(FID)、カラム:Ultra−1(HP社製、L25m×φ0.2mm×T0.11μm))を用いて分析した結果、エチレンオキシドの平均付加モル数は1.0であった。また、エチレンオキシドが付加していない化合物の含有量は、得られたアルコールエトキシレートの総質量に対して43質量%であった。
次に、上記で得たアルコールエトキシレート237gを、攪拌装置付の500mLフラスコに採取し、フラスコを窒素で置換した後、液体無水硫酸(サルファン)96gを、反応温度40℃に保ちながらゆっくりと滴下した。滴下終了後、1時間攪拌を続け(硫酸化反応)、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸を得た。次いで、これを水酸化ナトリウム水溶液で中和することによりポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム(D−2)を得た。
D−3:下記の製造方法によって製造された下記一般式(d1−2)で表されるポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム(AEPS)。
R61−O−(PO)j2−(EO)k−SO3M ・・・(d1−2)
[式(d1−2)中、R61は炭素数12〜14の直鎖アルキル基であり、j2が1.0の数であり、kが2.0の数であり、Mがナトリウムである化合物。POは、オキシプロピレン基であり、EOは、オキシエチレン基であり、kはPOの平均繰り返し数であり、j2はEOの平均繰り返し数である。]
(D−3の製造方法)
撹拌装置、温度制御装置および自動導入装置を備えたオートクレーブ内に、炭素数12
の直鎖1級アルコール(東京化成工業(株)製、商品名「1−ドデカノール」(分子量1
86.33)、純度>99%)640gと、水酸化カリウム1.0gと、を仕込み、110℃、1.3kPaにて30分間脱水を行った。脱水後、窒素置換を行い、120℃まで昇温した後、プロパン−1,2−ジイルオキシド199gを仕込んだ。次いで、120℃にて付加反応・熟成を行った後、145℃に昇温し、エチレンオキシド303gを仕込んだ。次いで、145℃にて付加反応・熟成を行った後、80℃まで冷却し、4.0kPaで未反応のエチレンオキシドを除去した。未反応のエチレンオキシドを除去した後、酢酸1.0gをオートクレーブ内に加え、80℃で30分間撹拌した後、抜き出しを行い、プロピレンオキシドの平均付加モル数が1.0、エチレンオキシドの平均付加モル数が2.0であるアルコキシレートを得た。
得られたアルコキシレートを、SO3ガスを用いて下降薄膜式反応器により硫酸化した。得られた硫酸化物をモノエタノールアミンで中和することによりポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム(D−3)を得た。
高級脂肪酸塩:ヤシ脂肪酸塩(日油(株)製、商品名「椰子脂肪酸(PKO)TC」。液体洗剤の総量に対して0.8質量%配合)。
水混和性有機溶剤:95%エタノール(日本アルコール販売(株)製、商品名「特定アルコール95度合成」。液体洗浄剤の総質量に対して、0.5質量%配合)。
金属イオン補足剤:クエン酸3ナトリウム2水塩(扶桑化学工業(株)製、商品名「クエン酸3ナトリウム2水塩」、AI(純分)=100%。液体洗浄剤の総質量に対して、0.1質量%配合)、メチルグリシンジ酢酸3ナトリウム(MGDA)(BASF社製、商品名「トリロンM」。液体洗浄剤の総質量に対して、0.3質量%配合)。
酵素:Coronase 48L(ノボザイム社製。液体洗浄剤の総質量に対して、0.3質量%配合)。
安定化剤:安息香酸ナトリウム((株)伏見製薬製、商品名「フミナール」。液体洗浄剤の総質量に対して、0.5質量%配合)、乳酸ナトリウム(ピューラック社製、商品名「発酵乳酸ナトリウム」。液体洗浄剤の総質量に対して、0.8質量%配合)、塩化カルシウム((株)トクヤマ製、商品名「粒状塩化カルシウム」。液体洗浄剤の総質量に対して、0.01質量%配合)。
酸化防止剤:ジブチルヒドロキシトルエン(住友化学(株)製、商品名「SUMILIZER(登録商標) BHT−R」。液体洗浄剤の総質量に対して、0.05質量%配合)。
香料:特開2003‐268398号広報の表7〜14に記載の香料組成物A。液体洗浄剤の総質量に対して、0.4質量%配合)。
着色剤:色素(癸巳化成(株)製、商品名「緑色3号」。液体洗浄剤の総質量に対して、0.0002質量%配合)。
pH調整剤:硫酸(東亜合成(株)製、必要量)、水酸化ナトリウム(鶴見曹達(株)製、必要量)。
溶媒:水(精製水)(バランス)。
高級脂肪酸塩:ヤシ脂肪酸塩(日油(株)製、商品名「椰子脂肪酸(PKO)TC」液体洗剤の総量に対して1.6質量%配合。
酵素:Coronase 48L(ノボザイム社製。液体洗浄剤の総質量に対して、0.3質量%配合)。
酸化防止剤:ジブチルヒドロキシトルエン(住友化学(株)製、商品名「SUMILIZER BHT−R」。液体洗浄剤の総質量に対して、0.05質量%配合)。
水混和性有機溶剤:95%エタノール(日本アルコール販売(株)製、商品名「特定アルコール95度合成」。液体洗浄剤の総質量に対して、6.0質量%配合)、プロピレングリコール(BASF社製。液体洗浄剤の総質量に対して、2.0質量%配合)。
安定化剤:安息香酸ナトリウム((株)伏見製薬製、商品名「フミナール」。液体洗浄剤の総質量に対して、0.4質量%配合)、乳酸ナトリウム(ピューラック社製、商品名「発酵乳酸ナトリウム」。液体洗浄剤の総質量に対して、0.4質量%配合)
香料:特開2002−146399号公報の表11〜18に記載の香料組成物A。液体洗浄剤の総質量に対して、0.5質量%配合)。
着色剤:色素(癸巳化成(株)製、商品名「緑色3号」。液体洗浄剤の総質量に対して、0.0005質量%配合)。
pH調整剤:硫酸(東亜合成(株)製、必要量)、モノエタノールアミン((株)日本触媒製、必要量)。
溶媒:水(精製水)(バランス)。
なお、水の含有量「バランス」は、液体洗浄剤を全体で100質量%とするのに必要な量である。また、pH調整剤の含有量「必要量」は、液体洗浄剤を表中のpH(25℃)にするのに要した量である。
表1に示す組成に従い、(A)〜(D)成分及び任意成分と水とを全て攪拌混合し、表中のpHとなるように必要に応じてpH調整剤を添加して、液体洗浄剤を得た。
なお、表中の配合量は純分換算値である。また、表中に配合量が記載されていない成分は、配合されていない。
但し、実施例1〜4、6、8、9、12〜16は参考例である。
(皮膜形成防止性の評価)
直径5cmのシャーレーに各例の液体洗浄剤5gを計りとり、25℃、相対湿度40%の室内に放置した。液体表面の皮膜形成度合いを以下の基準にて評価した。下記評価基準において、A〜Cを合格とした。結果を表1に示す。
[皮膜形成防止性の評価基準]
A:12時間経過時に、皮膜の形成が認められない。
B:12時間経過時に、皮膜の形成は認められないが、流動性の低下が認められる。
C:12時間経過時に、皮膜の形成がわずかに認められ、流動性の低下が認められる。
D:12時間経過時に、皮膜の形成が認められ、かつ流動性がない。
汚垢布として、湿式人工汚染布(財団法人洗濯科学協会製、オレイン酸28.3%、トリオレイン15.6%、コレステロールオレート12.2%、流動パラフィン2.5%、スクアレン2.5%、コレステロール1.6%、ゼラチン7.0%、泥29.8%、カーボンブラック0.5%)を5cm×5cm四方に裁断したものを用いた。洗浄試験器として、Terg−O−tometer(UNITED STATES TESTING社製)を用いた。洗浄液として、水900mLに対して、各例の液体洗浄剤750μLを加え(実施例14〜16は300μL)、30秒間撹拌して調製したものを用いた。
前記洗浄試験器に、前記洗浄液900mLと、前記汚垢布10枚と、洗浄メリヤス布とを投入し、浴比(洗濯水/被洗布総質量)が20倍となるように調整した後、120rpm、15℃で10分間洗浄処理を施した。その後、二槽式洗濯機((株)東芝製、製品名「VH−30S」)に移し、1分間脱水処理を行った後、水道水(15℃、4゜DH)30L中で3分間濯ぎ処理を行い、さらに1分間脱水処理を行って、風乾させた。洗浄前の汚垢布、洗浄後の汚垢布、及び未汚垢布(ここで未汚垢布とは、汚れを付けていない元の白布(原布)をいう)について、それぞれ反射率を色差計(日本電色(株)製、製品名「SE200型」)で測定し、下記式(i)により洗浄率(%)を求めた。
洗浄率(%)=(洗浄前の汚垢布のK/S−洗浄後の汚垢布のK/S)/(洗浄前の汚垢布のK/S−未汚垢布のK/S)×100 ・・・(i)
[式(i)中、K/Sは、(1−R/100)2/(2R/100)であり、Rは、洗浄前の汚垢布、洗浄後の汚垢布又は未汚垢布の反射率(%)を表す。また、Kは吸光係数、Sは散乱係数、Rは絶対反射率をそれぞれ表す。]
汚垢布10枚の洗浄率の平均値を求め、この平均値を下記の評価基準に従って評価し、各例の液体洗浄剤の洗浄性能を評価した。なお、下記評価基準において、A及びBを合格とした。結果を表1に示す。
[洗浄性能の評価基準]
A:洗浄率が70%以上。
B:洗浄率が60%以上、70%未満。
C:洗浄率が50%以上、60%未満。
D:洗浄率が50%未満。
一方、(B)、(C)成分を含有しない比較例1、(B)成分を含有しない比較例2、及び(C)成分を含有しない比較例3の液体洗浄剤は、洗浄性能は良好であったものの、皮膜形成防止性に劣っていた。
以上の結果から、本発明の液体洗浄剤は、皮膜形成防止性に優れ、かつ洗浄性能も良好であることが確認された。
Claims (4)
- ノニオン界面活性剤(A)と、ポリアルキレンイミンのアルキレンオキシド付加体(B)と、下記一般式(I)で表され、質量平均分子量が200〜2000の化合物(C)とを含有し、
前記(C)成分/前記(B)成分で表される質量比は、2〜10である、
液体洗浄剤組成物。
R1O−(EO)n−H・・・(I)
[式(I)中、R1は、水素、又は炭素数1〜3のアルキル基を表し、EOはオキシエチレン基を表し、nはオキシエチレン基の平均繰り返し数を表す1〜30000の数である。] - 前記(A)成分/(前記(B)成分+前記(C)成分)で表される質量比は、20以下である、請求項1に記載の液体洗浄剤組成物。
- さらに、炭素数10〜20の脂肪酸塩を除くアニオン界面活性剤(D)を含有する、請求項1又は2に記載の液体洗浄剤組成物。
- 前記(B)成分の含有量は、0.5〜5質量%である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の液体洗浄剤組成物。
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