JP7341681B2 - 発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法 - Google Patents
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Description
[1] 発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法であって、フェニルアセチレン濃度が30ppm以下のスチレン単量体を重合する重合工程と、得られた重合体に発泡剤を含浸させる発泡剤含浸工程と、を含み、
前記重合工程では、重合開始剤として、一般式(1)に示される化合物を0.05重量部以上0.40重量部以下、一般式(2)に示される化合物を0.05重量部以上0.40重量部以下使用し、発泡性スチレン系樹脂粒子中の残存スチレン量が30ppm以下であることを特徴とする発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法。
。
(一般式1)
(一般式2)
[3]一般式(2)で示される化合物が、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、および/または、t-アミルパーオキシ-2-エチルヘキサノエートであることを特徴とする[1]又は[2]に記載の発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法。
[4]前記重合工程において、難燃剤として臭素化ポリマーを添加することを特徴とする、[1]~[3]に記載の発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法。
[5]前記重合工程において、更に難燃助剤を添加することを特徴とする、[4]に記載の発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法。
[6]前記難燃助剤がジクミルパーオキサイドを含み、前記ジクミルパーオキサイドの使用量が、前記スチレン系単量体100重量部に対して0.40重量部未満である、[5]に記載の発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法。
使用量が少ないほど最終製品の不快臭を抑制できる。
発泡性スチレン系樹脂粒子をテトラヒドロフランに溶解し、GPC(東ソー(株)製HLC-8020、カラム:TSKgel Super HZM-H、カラム温度:40℃、流速:0.35ml/1min.)にて重量平均分子量(Mw)を測定した。
発泡性スチレン系樹脂粒子を塩化メチレン(内部標準シクロペンタノール)に溶解し、(株)島津製作所製ガスクロマトグラフィーGC-2014(キャピラリーカラム:GLサイエンス製Rtx-1、カラム温度条件:50→80℃(3℃/min)後、80→180℃昇温(10℃/min)、キャリアガス:ヘリウム)を用いて、発泡性スチレン系樹脂粒子中に含まれる残存スチレン量(ppm)を定量した。
フェニルアセチレン量0ppm(ND)のスチレンを用いて、フェニルアセチレン量とシクロペンタノール量の比から導いたフェニルアセチレン量の検量線を作成した。NDとは、本測定方法では、検出されないことを示す。
(発泡成形体の製造方法)
発泡性スチレン系樹脂粒子を加圧式予備発泡機(大開工業社製)で、105℃の水蒸気で加熱することにより、、嵩倍率が55ml/gの予備発泡粒を得る。次に、この予備発泡粒を室温で1日養生させた後、ダイセン工業社製のKR-57成形機にて平板状発泡成形体を成形した。
得られた発泡成形体の表面状態を目視観察し、以下の基準にて表面性を評価した。
◎:表面の溶融、粒間が無く、非常に美麗。
○:表面の溶融、粒間が少なく、美麗。
△:表面の溶融、粒間があり、外観やや不良。
×:表面の溶融、粒間が多く、外観不良。
得られた発泡成形体から10mm×25mm×長さ200mmに切り出した試験片5個を、60℃オーブンで12時間養生後、JIS A9511:2006Rの測定方法Aに準拠し測定を行い、5個の試験片の平均値を求め、消炎時間とした。消炎時間が、3秒以内が自消性の特性を有する。
得られた発泡成形体から、100mm×100mm×厚20mmに切り出した試験片を、アルミホイルにつつみ保管し、1週間以内に、活性炭または活性炭シート等の試験室内で臭気官能試験をおこなう。臭気試験装置は、縦100mm×横100mm×高さ50mmBOXの上蓋にφ50mmの穴を開けた臭気箱に、試験片を、上蓋φ50mmの穴(パッキン付き)に密閉して装着し、更に、その試験片の上部に、臭気袋を密閉して取り付けて、臭気袋に臭気を収集できるようしたものである。試験前に、活性炭に通した脱臭空気を、装置に充満させておき、臭気袋の栓を閉めておく。この装置を、80℃×4時間に放置後、臭気袋の栓を開けて、、5人の臭気パネラーによる臭気官能試験をおこない、5人の快・不快点数の平均値で示した。以下の基準にて快・不快臭の基準は以下に示す。合格基準は、-1.5以上である。
-4:極端に不快
-3:非常に不快
-2:不快-1:やや不快
0:快でも不快でもない
1:やや快
2:快
3:非常に快
4:極端に快
フェニルアセチレン量0ppm(ND)のスチレンを用いた。撹拌機付き6Lオートクレーブに水96重量部、第3リン酸カルシウム0.16重量部、α-オレインスルフォン酸ソーダ0.003重量部、難燃剤として臭素化ブタジエン・スチレン共重合体(ケムチュラ社製「EMERALD 3000」 臭素含有量64%)1重量部、難燃助剤としてジクミルパーオキサイド(日油社製パークミルD)0.2重量部、やし油1.0重量部、2,2-ジ-t-アミルパーオキシブタン(化薬アクゾ社製AM-C55)を0.19重量部、t-アミルパーオキシー2-エチルヘキサノエート(化薬アクゾ社製トリゴノックス121)0.1重量部を仕込んだ後、フェニルアセチレン量0ppm(ND)のスチレン100重量部を仕込み、昇温し、98℃で5時間重合を行った。その後、ノルマルリッチブタン(ノルマル/イソ=70/30)を8部仕込み、117℃へ昇温し、8時間発泡剤含浸重合をおこなった。その後、40℃まで冷却し、発泡性スチレン系樹脂粒子を取り出し、乾燥した。
t-アミルパーオキシー2-エチルヘキサノエート(化薬アクゾ社製トリゴノックス121)を、t-ブチルパーオキシー2-エチルヘキサノエート(日油社製PB-O)0.1重量部に変更した以外は、実施例1と同様に行った。得られた結果を表1に示す。
臭素化ブタジエン・スチレン共重合体(ケムチュラ社製「EMERALD 3000」 臭素含有量64%)1.2部、ジクミルパーオキサイド無に変更した以外は、実施例1と同様に行った。得られた結果を表1に示す。
2,2-ジ-t-アミルパーオキシブタン(化薬アクゾ社製AM-C55)を0.1重量部、t-アミルパーオキシー2-エチルヘキサノエート(化薬アクゾ社製トリゴノックス121)0.15重量部に変更した以外は、実施例3と同様に行った。得られた結果を表1に示す。
撹拌機付き6Lオートクレーブに水96重量部、第3リン酸カルシウム0.14重量部、α-オレインスルフォン酸ソーダ0.003重量部、ポリエチレンワクス(東洋アドレ社製PEW)、2,2-ジ-t-アミルパーオキシブタン(化薬アクゾ社製AM-C55)を0.12重量部、t-アミルパーオキシー2-エチルヘキサノエート(化薬アクゾ社製トリゴノックス121)0.22重量部を仕込んだ後、フェニルアセチレン量0ppm(ND)のスチレン95重量部、アクリル酸ブチル5重量部を仕込み、昇温し、98℃で5時間重合を行った。ノルマルリッチブタン(ノルマル/イソ=50/50)を7部仕込み、120℃へ昇温し、8時間発泡剤含浸重合をおこなった。その後、40℃まで冷却し、発泡性スチレン系樹脂粒子を取り出し、乾燥した。得られた発泡性スチレン系樹脂粒子について上述した各種測定を行い、その結果を表1に示した。また、得られた発泡性スチレン系樹脂粒子について上述した方法で発泡成形体を作成し、上述した評価を行い、その結果を表1に示した。
フェニルアセチレン量80ppmのスチレンを用い、ジベンゾイルパーオキサイド(日油社製ナイパーNW)0.1重量部、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキシルモノカーボネート(日油社製PB-E)0.35重量部にした以外は実施例1と同様に行った。得られた結果は表1に示す。
フェニルアセチレン量0ppm(ND)のスチレンへ変更した以外は比較例1と同様に行った。得られた結果は表1に示す。
フェニルアセチレン量80ppmのスチレンとした以外は実施例1と同様に行った。得られた結果は表1に示す。
t-アミルパーオキシー2-エチルヘキサノエート(化薬アクゾ社製トリゴノックス121)を、ジベンゾイルパーオキサイド(日油社製ナイパーNW)0.1重量部に変更した以外は、実施例1と同様に行った。得られた結果を表1に示す。
2,2-ジ-t-アミルパーオキシブタン(化薬アクゾ社製AM-C55)を、t-ブチルパーオキシーイソプロピルカーボネート(日油社製PB-I)0.35重量部に変更した以外は実施例1と同様に行った。得られた結果は表1に示す。
2,2-ジ-t-アミルパーオキシブタン(化薬アクゾ社製AM-C55)を、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキシルモノカーボネート(日油社製PB-E)0.35重量部に変更した以外は実施例1と同様に行った。得られた結果は表1に示す。
フェニルアセチレン量80ppmのスチレンを用い、ジベンゾイルパーオキサイド(日油社製ナイパーNW)0.23重量部、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキシルモノカーボネート(日油社製PB-E)0.21重量部に変更した以外は実施例5と同様に行った。得られた結果は表1に示す。
フェニルアセチレン量0ppm(ND)のスチレンへ変更した以外は比較例7と同様に行った。得られた結果は表1に示す。
Claims (6)
- 発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法であって、
フェニルアセチレン濃度が30ppm以下のスチレン系単量体を重合する重合工程と、
得られた重合体に発泡剤を含浸させる発泡剤含浸工程と、を含み、
前記重合工程では、一般式(1)に示される化合物及び一般式(2)に示される化合物を重合開始剤として使用し、
前記一般式(1)に示される化合物の使用量は、前記スチレン系単量体100重量部に対して0.05重量部以上0.40重量部以下であり、
前記一般式(1)で示される化合物のR 1 、R 2 は分岐アルキル基であって、それぞれ、t-ブチル基、t-アミル基、t-ヘキシル基、及びt-ペンチル基からなる群より選択されるいずれかであり、
前記一般式(1)の化合物の10時間半減期温度が95℃以上110℃以下であり、
前記一般式(2)に示される化合物の使用量は、前記スチレン系単量体100重量部に対して0.05重量部以上0.40重量部以下であり、
前記発泡性スチレン系樹脂粒子中の残存スチレン量が30ppm以下であり、
前記一般式(2)に示される化合物の10時間半減期温度が60℃以上95℃以下であることを特徴とする発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法。
一般式(1)
- 前記一般式(1)で示される化合物が、2,2-ジ-t-アミルパーオキシブタンであることを特徴とする請求項1に記載の発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法。
- 前記一般式(2)で示される化合物が、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、および/または、t-アミルパーオキシ-2-エチルヘキサノエートであることを特徴とする請求項1又は2に記載の発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法。
- 前記重合工程において、難燃剤として臭素化ポリマーを添加することを特徴とする、
請求項1~3のいずれか一項に記載の発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法。 - 前記重合工程において、更に難燃助剤を添加することを特徴とする、
請求項4に記載の発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法。 - 前記難燃助剤がジクミルパーオキサイドを含み、
前記ジクミルパーオキサイドの使用量が、前記スチレン系単量体100重量部に対して0.40重量部未満である、
請求項5に記載の発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法。
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