JP2010195936A - 発泡性スチレン系樹脂粒子及び其の製造方法 - Google Patents

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Abstract


【課題】 本発明は難燃剤を有効量含みながらも、残存スチレン単量体が極度に少なくかつ分子量が十分に高い発泡性樹脂粒子であって、発泡性に優れ、得られた予備発泡粒子は融着性に優れ、難燃性及び十分な機械的強度を有しかつ外観にも優れる発泡粒子成形体を得ることができる、従来は存在しなかった発泡性スチレン系樹脂粒子を提供することを課題とする。
【解決手段】 本発明の発泡性スチレン系樹脂粒子は、難燃剤を有効量含み、スチレン単量体の含有量が50ppm未満(0ppmを含む。)であると共に、該発泡性スチレン系樹脂粒子を構成するスチレン系樹脂の重量平均分子量が20万超であり、炭素数5の飽和炭化水素の含有量が1〜8重量%であり、該発泡性樹脂粒子を発泡させたとき特定の気泡構造となることを特徴とする。
【選択図】 なし

Description

本発明は発泡性スチレン系樹脂粒子及び其の製造方法に関し、詳しくは自己消火性を有するなどの難燃性に優れると共に、残存スチレン単量体の含有量が極めて少ない発泡粒子成形体を成形可能な発泡性スチレン系樹脂粒子及び其の製造方法に関する。
近年、シックハウス(室内空気汚染)問題を引き起こさないために、各種製品に含まれている特定の揮発性有機化合物(VOC)の低減が強く要求されている。発泡性スチレン系樹脂粒子(以下、単に発泡性樹脂粒子ともいう。)は主にスチレン単量体を重合してなるが、このスチレン単量体は厚生労働省が室内濃度指針を定める揮発性有機化合物に指定されている。このような背景から、スチレン系樹脂発泡粒子成形体についても建材用途や自動車部材を中心に、大気中へのスチレン単量体の放散量の低減が必要となり、発泡性樹脂粒子中に残存する、重合時に重合されなかったスチレン単量体(以下、残存スチレン単量体ともいう。)の低減が進められてきた。しかしながら、建材や自動車分野においては、今まで以上の残存スチレン単量体の低減が要求されており、具体的には残存量が50ppmを切るような従来にない低いレベルまで、残存スチレン単量体を低減することが望まれている。
発泡性樹脂粒子中の残存スチレン単量体を低減させるための従来の方法として、一般には、重合温度を高くする方法や、重合開始剤を多くする方法、重合時間を長くする方法などが行われてきた。更に、特許文献1のように、2種類の重合開始剤を用いて、2段階の温度で重合を行い、1段階の低温部で分子量を増大させ、高温部で残存スチレン単量体を低減させることが行われている。
一方、スチレン系樹脂発泡粒子成形体(以下、単に発泡粒子成形体ともいう。)が建材用途や自動車部材で使用される場合には、難燃性の付与が求められ、そのためには難燃剤が添加される。その場合、一般的には難燃効果の高さからハロゲン系難燃剤が使用されるが、ハロゲン系難燃剤の存在下でスチレン系単量体の重合を進めると、ハロゲン系難燃剤が重合時の連鎖移動剤や重合禁止剤として働くので、残存スチレン単量体を低減させることが困難になるという問題がある。
ハロゲン系難燃剤の存在下でスチレン単量体を重合する場合における、残存スチレン単量体を効果的に低減させる方法として、例えば、特許文献2に記載の方法がある。特許文献2には、2種類の重合開始剤を用いて2段階の温度で重合を行い、低温部で特殊な重合開始剤を使用することにより、残存スチレン単量体を低減する方法が開示されている。
特開平11−106548号公報 特開2006−206830号公報
前記特許文献2には、残存スチレン単量体を検出限界以下にすることができたとの実施例がある。しかし、本発明者がこの方法を検証したところ、残存スチレン単量体を低減させることは可能ではあったが、50ppm未満という極めて低いレベルを達成することはできなかった。さらに、このような分野においては発泡粒子成形体には残存スチレン単量体量が極めて少ないことに加えて高い機械的強度が要求されるが、ハロゲン系難燃剤存在下で残存スチレン単量体を50ppm未満に低減しようとすると、ポリマー鎖の切断によって分子量低下が生じ、この発泡性樹脂粒子から得られる発泡粒子成形体は機械的強度が低下してしまうという問題が新たに発生してしまう。
本発明者は、ハロゲン系難燃剤を含みながらも、残存スチレン単量体量が極めて少なくかつ分子量が高い発泡性樹脂粒子を得るために、残存スチレン単量体量が極めて少ないスチレン系樹脂粒子を予め製造し、この樹脂粒子にブタンなどの発泡剤と共にハロゲン系難燃剤を含浸させる方法を試みた。この方法により得られた発泡性樹脂粒子は、残存スチレン単量体量が極めて少なくかつ分子量が高いものであったが、残存スチレン単量体によるスチレン系樹脂の可塑化効果が発現しなくなり、さらに、難燃剤が粒子の表面部分に多く存在することにより、発泡時の伸びが悪くなるので、発泡性に劣るものであった。さらに、得られた発泡粒子は表層部分の気泡が細かくなり、また、難燃剤含浸と同時に発泡性樹脂粒子中に多量の水分も含浸されてしまうために、この発泡性樹脂粒子を発泡させた予備発泡粒子は気泡構造が不均一なものであった。その結果、上記可塑化効果低下と相俟って、得られた発泡粒子は融着性にも劣るものとなり、さらに得られる発泡粒子成形体は機械的物性や外観にも劣るものであった。
本発明の目的は、前記問題点に鑑み、ハロゲン系難燃剤を含みながらも、残存スチレン単量体が極度に少なくかつ分子量が十分に高い発泡性樹脂粒子であって、発泡性に優れ、得られた予備発泡粒子は融着性に優れ、難燃性及び十分な機械的強度を有しかつ外観にも優れる発泡粒子成形体を得ることができる、従来は存在しなかった発泡性スチレン系樹脂粒子を提供し、更にその製造方法を提供することにある。
本発明によれば、以下に示す発泡性スチレン系樹脂粒子、発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法が提供される。
[1] 難燃剤を含む発泡性スチレン系樹脂粒子において、該発泡性スチレン系樹脂粒子中のスチレン単量体の含有量が50ppm未満(0ppmを含む。)であると共に、該発泡性スチレン系樹脂粒子を構成するスチレン系樹脂の重量平均分子量が20万超であり、該発泡性スチレン系樹脂粒子が炭素数5の飽和炭化水素を含む発泡剤を含有し、該発泡性スチレン系樹脂粒子に対する炭素数5の飽和炭化水素の含有量が1〜8重量%であり、下記(1)及び(2)の条件のうち少なくとも一方の条件を満足することを特徴とする発泡性スチレン系樹脂粒子。
(1)該発泡性スチレン系樹脂粒子を嵩密度25kg/mに発泡させた場合に、発泡粒子の平均気泡径が20〜150μmとなると共に、発泡粒子断面における表面から半径方向50μm以内の表層部の平均気泡径が20μm以上となる。
(2)該発泡性スチレン系樹脂粒子を嵩密度50kg/mに発泡させた場合に、発泡粒子の平均気泡径が15〜120μmとなると共に、発泡粒子断面における表面から半径方向50μm以内の表層部の平均気泡径が15μm以上となる。
[2] 前記難燃剤が臭素化ビスフェノール系化合物であることを特徴とする前記1に記載の発泡性スチレン系樹脂粒子。
[3] 前記臭素化ビスフェノール系化合物がアリルエーテル基を有することを特徴とする前記2に記載の発泡性スチレン系樹脂粒子。
[4] 電解質を含む水性媒体中に、スチレン単量体の含有量が50ppm未満(0ppmを含む。)であると共に重量平均分子量が20万超のスチレン系樹脂粒子を分散させ、該水性媒体中に難燃剤、炭素数5の飽和炭化水素を含む発泡剤、及び下記一般式(3)式で表されるアミン系化合物を添加して、該スチレン系樹脂粒子に発泡剤と共に難燃剤を含浸させる、発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法であって、前記電解質の濃度が水性媒体1Lに対して0.02〜5モルであり、前記炭素数5の飽和炭化水素の添加量がスチレン系樹脂樹脂粒子100重量部に対して1〜15重量部、前記難燃剤の添加量がスチレン系樹脂樹脂粒子100重量部に対して0.3〜5重量部、前記アミン系化合物の添加量がスチレン系樹脂樹脂粒子100重量部に対して0.001〜0.1重量部であることを特徴とする発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法。
NR (3)
(但し、一般式(3)において、Nは窒素原子、R1、R2、R3は炭素数1〜22のアルキル基又はシクロアルキル基である。)
本発明の発泡性スチレン系樹脂粒子は、難燃剤を有効量含みながらも、スチレン単量体の含有量が極めて少なく、かつ発泡性樹脂粒子を構成するスチレン系樹脂の重量平均分子量が高いものである。さらに、本発明の発泡性スチレン系樹脂粒子は、発泡させたときに特定の範囲の気泡径でかつ均一な気泡構造を有し、かつ表層部の気泡が適度な大きさの気泡径を有する発泡粒子となることにより、発泡性に優れるものである。さらにまた、本発明の発泡性樹脂粒子を発泡してなる発泡粒子は型内成形時に融着性に優れ、その発泡粒子成形体は、自己消火性を有するなどの難燃性に優れながらも、低VOCであり、かつ機械的強度や外観にも優れるものであり、建材や自動車部材として好適に使用できるものである。
本発明の発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法によれば、前記発泡性スチレン系樹脂粒子を安定して、効率よく製造することができる。
図1は、実施例1で得られた発泡粒子の断面を倍率50倍で撮影した顕微鏡写真である。 図2は、実施例1で得られた発泡粒子の断面を倍率200倍で撮影した顕微鏡写真である。 図3は、比較例1で得られた発泡粒子の断面を倍率200倍で撮影した顕微鏡写真である。 図4は、比較例2で得られた発泡粒子の断面を倍率200倍で撮影した顕微鏡写真である。
以下、本発明の発泡性スチレン系樹脂粒子、及び其の製造方法について詳細に説明する。
本発明の発泡性スチレン系樹脂粒子(発泡性樹脂粒子)を構成する樹脂は、スチレン単量体を主成分とするものである。スチレン単量体と共重合可能なモノマー成分としては、例えば、アクリル酸メチル,アクリル酸エチル,アクリル酸プロピル,アクリル酸ブチル,アクリル酸−2−エチルヘキシル等のアクリル酸の炭素数が1〜10のアルキルエステル等;メタクリル酸メチル,メタクリル酸エチル,メタクリル酸プロピル,メタクリル酸ブチル,メタクリル酸−2−エチルヘキシル等のメタクリル酸の炭素数が1〜10のアルキルエステル等;α−メチルスチレン,o−メチルスチレン,m−メチルスチレン,p−メチルスチレン,ビニルトルエン,p−エチルスチレン,2,4−ジメチルスチレン,p−メトキシスチレン,p−フェニルスチレン,o−クロロスチレン,m−クロロスチレン,p−クロロスチレン,2,4−ジクロロスチレン,p−n−ブチルスチレン,p−t−ブチルスチレン,p−n−ヘキシルスチレン,p−オクチルスチレン,スチレンスルホン酸,スチレンスルホン酸ナトリウム等;アクリロニトリル,メタクリロニトリル等のニトリル基含有不飽和化合物等が挙げられる。また、スチレン単量体誘導体のモノマーを単独で、または二種以上を組み合わせてスチレン単量体と共重合することができる。
尚、本明細書において、スチレン単量体を主成分とするとは、スチレン系樹脂粒子を重合する際のスチレン系モノマーの全重量に対して、スチレン単量体の重量が50重量%以上であることをいう。
本発明の発泡性樹脂粒子は、難燃性が発現するのに有効な量を含むものである。建材用途や自動車部材用途などの用途によって要求される難燃性のレベルが異なり、さらに難燃剤の種類や発泡剤の種類、量などによっても、難燃剤の有効量は変わるが、発泡粒子成形体が自動車部材用途に使用される場合には、難燃剤の含有量は、0.3重量%以上であることが好ましく、より好ましくは0.5重量%以上であり、建材用途に使用される場合には、0.7重量%以上であることが好ましい。該含有量の上限は難燃性の観点からは特に限定されるものではないが、得られる発泡粒子成形体の外観が悪化しやすいため、その上限は3重量%が好ましく、より好ましくは2重量%であり、更に好ましくは1.5重量%である。
本発明においては、少量で良好な難燃性を発揮する難燃剤として、ハロゲン系難燃剤が有効である。ハロゲン系難燃剤の例としては、1,2,3,4−テトラブロモブタン、1,2,4−トリブロモブタン、テトラブロモペンタン、テトラブロモビスフェノールA、2,2−ビス(4−アリルオキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシエトキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(2,3−ジブロモ)プロピルオキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、ペンタブロモジフェニルエーテル、ヘキサブロモジフェニルエーテル、オクタブロモジフェニルエーテル、デカブロモジフェニルエーテル、トリブロモフェノール、ジブロムエチルベンゼン、1,2,3,4,5,6−ヘキサブロモシクロヘキサン、1,2,5,6,9,10−ヘキサブロモシクロドデカン、オクタブロモシクロヘキサデカン、1−クロロ−2,3,4,5,6−ペンタブロモシクロヘキサン、トリス−(2,3−ジブロモプロピル)−ホスフェートのようなジブロムプロパノールのエステルもしくはアセタール、トリブロモフェノール、トリブロモスチレン、トリブロモフェノールアリルエーテルなどが挙げられる。これらの中では、発泡粒子への含浸性に優れ、難燃性にも優れることから、テトラブロモビスフェノールA、2,2−ビス(4−アリルオキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシエトキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(2,3−ジブロモ)プロピルオキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパンなどの臭素化ビスフェノールA系化合物が、好ましく、より好ましくは、2,2−ビス(4−アリルオキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン等のアリルエーテル基を有する臭素化ビスフェノールA系化合物である。
また、難燃助剤として、例えば、スチレン単量体の重合時に実質的に分解しない、ジクミルパーオキサイドなどの過酸化物や、2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタンなどの化合物を添加することができる。
前記難燃剤の含有量は、次のように測定される。
先ず、発泡性樹脂粒子約5gをクロロホルム300mLに溶解し、その後メタノール2000mLに入れて、析出ポリマーを除去する。その後、抽出液を濃縮、蒸発乾固して添加物を取り出す。次に、取り出した添加物を液クロマトグラフ(カラム:TOSO G2000HHR、溶媒:クロロホルム)により定性定量する。
本発明の発泡性樹脂粒子においては、スチレン単量体の含有量が50ppm未満(0ppmを含む。)である。シックハウス問題を考慮するとスチレン単量体の含有量は少なければ少ないほど良い。かかる観点から、好ましくは40ppm以下(0ppmを含む。)であり、より好ましくは30ppm以下(0ppmを含む。)である。
前記発泡性樹脂粒子中の残存スチレン単量体の含有量は、発泡性樹脂粒子をジメチルホルムアミド(DMF)に溶解させガスクロマトグラフにより定量する。尚、後述する樹脂粒子の残存スチレン単量体の含有量についても同様に測定する。
ガスクロマトグラフによる定量は具体的には以下の手順にて行う。
1.100mLのメスフラスコにシクロペンタノール約5gを小数点以下第3位まで精秤し(このときの重量をWiとする)、DMFを加えて全体を100mLとする。このDMF溶液をさらにDMFで100倍に希釈し内部標準溶液とする。
2.測定対象となる発泡性樹脂粒子から、測定用試料約1gを小数点以下第3位まで精秤し、このときの重量をWS(g)とする。
3.精秤した試料を約18mLのDMFに溶解させ、前記1で作製した内部標準溶液をホールピペットにて正確に2mL加える。
4.この溶液をマイクロシリンジにて1μL採集し、ガスクロマトグラフに導入し、クロマトグラムを得る。得られたクロマトグラムより残存スチレン単量体及び内部標準のピーク面積を求め、以下の(2)式により残存スチレン単量体の含有量を求める。
残存スチレン単量体含有量(重量%)=[(Wi/10000)×2]×[An/Ai]×Fn÷WS×100・・・(2)
(但し、Wi:内部標準溶液を作成したときのシクロペンタノール重量(g)、WS:DMFに溶解させた試料重量(g)、An:ガスクロマトグラフ測定時の各有機揮発性成分物質のピーク面積、Ai:ガスクロマトグラフ測定時の内部標準物質のピーク面積、Fn:あらかじめ作成した検量線より求めた各有機揮発性成分の補正係数。)
また、上記ガスクロマトグラフ分析の条件は以下の通りである。
使用機器:(株)島津製作所製のガスクロマトグラフGC−6AM
カラム材質:内径3mm、長さ5000mmのガラスカラム
カラム充填剤:〔液相名〕FFAP(遊離脂肪酸)、〔液相含浸率〕10重量%、〔担体名〕ガスクロマトグラフ用珪藻土ChromosorbW、〔担体粒度〕60/80メッシュ、〔担体処理方法〕AW−DMCS(水洗・焼成・酸処理・シラン処理)、〔充填量〕90mL
注入口温度:200℃
カラム温度:120℃
検出部温度:200℃
キャリヤーガス:N、流量40m/min.
検出器:FID(水素炎イオン化検出器)
検出限界:20重量ppm
本発明においては、発泡性樹脂粒子を構成するスチレン系樹脂の重量平均分子量は20万超であり、好ましくは21万以上、より好ましくは22万以上、更に好ましくは24万以上である。該重量平均分子量が20万超であれば、得られる発泡粒子成形体は、建材や自動車部材の用途に使用可能な機械的強度を有するものとなる。一方、機械的強度の観点からは該重量平均分子量の上限は特に限定されるものではないが、分子量が高すぎると発泡性樹脂粒子の発泡性や発泡粒子の融着性が低下するため、その上限は通常40万程度である。
前記重量平均分子量は、発泡性樹脂粒子10mgをテトラヒドロフラン(THF)10mlに溶解させ、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)分析法により測定し、標準ポリスチレンで校正した値である。尚、後述する樹脂粒子の重量平均分子量についても同様に測定する。
上記GPC分析条件の詳細は以下の通りである。
使用機器:東ソー製SC−8020型
カラム:昭和電工社製ShodexAC−80M2本を直列に連結
カラム温度:40℃
流速:1.0ml/分
検出器:東ソー社製紫外可視光検出機UV−8020型
本発明の発泡性樹脂粒子は、炭素数5の飽和炭化水素を少なくとも含む発泡剤を含有するものである。炭素数5の飽和炭化水素は、スチレン系樹脂に対する可塑化効果が高いため、残存スチレン単量体の低減に伴うスチレン系樹脂に対する可塑化効果の低下を補うことができる。従って、発泡性に優れる発泡性樹脂粒子となり、得られる発泡粒子も融着性に優れるものとなる。
前記炭素数5の飽和炭化水素としては、ノルマルペンタン、イソペンタン、ネオペンタン、シクロペンタン等の飽和炭化水素が挙げられ、これらの1種類を単独で、又は2種以上を併用して使用できる。
また、本発明の発泡性樹脂粒子は、他の発泡剤を含有することができる。他の発泡剤としては、プロパン、ノルマルブタン、イソブタン等の脂肪族炭化水素;塩化メチル,ジクロルフルオロメタン等のハロゲン化炭化水素;さらには二酸化炭素,窒素,アンモニア等の無機ガス等の物理発泡剤が挙げられる。上記炭素数5の飽和炭化水素と共に、これらの発泡剤は1種類を単独で、又は2種以上を併用して使用できる。
前記炭素数5の飽和炭化水素の含有量は1〜8重量%である。炭素数5の飽和炭化水素の含有量が少なすぎると、スチレン系樹脂に対する可塑化効果が発現しなくなり、十分な融着性が達成できないばかりか、高発泡倍率の発泡粒子を得ることができない虞がある。更に、発泡性粒子の製造時に難燃剤が樹脂中に十分に含浸されていない虞があるため、目的の難燃性を達成できない虞がある。一方、含有量が多すぎると、全体に均一な気泡構造が得られにくく、成形性を低下させてしまう粗大な気泡が混じる可能性が高くなる。かかる観点から、該含有量は1.2〜7重量%が好ましく、1.4〜6重量%がより好ましい。
更に、発泡剤の合計含有量は、所望の発泡倍率と難燃性とのバランスを考慮して適宜決定するものであるが、通常は3〜10重量%が好ましく、3.5〜8重量%がより好ましく、4〜7重量%が更に好ましい。
前記炭素数5の飽和炭化水素及び全発泡剤の発泡性樹脂粒子中における含有量は、ガスクロマトグラフにて各発泡剤成分の含有量を測定することにより求めることができる。尚、後述する発泡粒子における、炭素数5の飽和炭化水素及び全発泡剤の含有量についても同様に含有量を測定することができる。
ガスクロマトグラフ分析の条件は以下の通りである。
使用機器:(株)島津製作所製のガスクロマトグラフGC−8A
カラム材質:内径3mm、長さ4000mmのガラスカラム
カラム充填剤:〔液相名〕DOP−B、〔液相含浸率〕30重量%、〔担体名〕ガスクロマトグラフ用珪藻土ChromosorbP、〔担体粒度〕60/80メッシュ、担体処理方法〕AW(酸処理)
注入口温度:100℃
カラム温度:50℃
検出部温度:100℃
キャリヤーガス:N、流量50m/min.
検出器:FID(水素炎イオン化検出器)
定量:内部標準法
なお、本発明の発泡性樹脂粒子は、気泡形成剤として、メタクリル酸メチル系共重合体,ポリエチレンワックス,タルク,エチレンビスステアリルアミド,メチレンビスステアリルアミド,エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂等を含有することができる。
さらに、本発明の発泡性樹脂粒子には、帯電防止剤,導電化剤,セル核剤,粒度分布調整剤等の一般的に発泡性スチレン系樹脂粒子の製造に使用されている添加剤が適宜添加されていてもよく、ブタジエンゴム,スチレン・ブタジエンゴム等のゴム成分が混合されていてもよい。
また、本発明の発泡性樹脂粒子には、硬化牛脂、ヤシ油、大豆硬化油、グリセリンステアレートなどのトリグリセリド類、グリセリンジアセトモノラウレートなどのアセチル化モノグリセライド類、流動パラフィン、αオレフィンなどを可塑剤として含有させることができ、これらの可塑剤は、樹脂粒子中に予め混合しておくか、或いは難燃剤と共に樹脂粒子中に含浸させればよい。
また、ソルベントカラーなどの着色剤を樹脂粒子中に予め樹脂に混合させたり、或いは難燃剤と共に樹脂粒子中に含浸させることもできる。
本発明の発泡性樹脂粒子は、該発泡性樹脂粒子を発泡させたときに、発泡粒子の気泡構造が下記(1)及び(2)の条件のうち少なくとも一方の条件を満足し、発泡粒子全体に均一な気泡構造を有すると共に、表層部分の気泡が細かすぎることがないスチレン系樹脂発泡粒子(以下、単に発泡粒子ともいう。)となるものである。
(1)嵩密度25kg/mに発泡させた場合に、発泡粒子全体の平均気泡径が20〜150μmであると共に、発泡粒子断面における表面から半径方向50μm以内の表層部の平均気泡径が20μm以上の発泡粒子となる発泡性樹脂粒子。
(2)嵩密度50kg/mに発泡させた場合に、発泡粒子全体の平均気泡径が15〜120μmであると共に、発泡粒子断面における表面から半径方向50μm以内の表層部の平均気泡径が15μm以上の発泡粒子となる発泡性樹脂粒子。
本発明の発泡性樹脂粒子は、発泡性樹脂粒子中の残存スチレン単量体の含有量が極めて少ないこと、及び難燃剤の後含浸により、難燃剤が発泡性樹脂粒子表面付近へ偏在しているものである。本発明は、これにより発生する課題、即ち型内成形時に発泡粒子、特にその表層部分が伸びにくくなるという課題を、発泡性樹脂粒子中に特定の発泡剤を含有させると共に、発泡させたときに特定の気泡構造となるようにすることにより解決したものである。
本発明において、発泡粒子の気泡構造を上記(1)及び(2)の条件で判定するのは、建材や自動車部材用途において要求される発泡粒子成形体の密度は、主に25kg/m前後や50kg/m前後のものが使用されることが多いからである。
従って、上記(1)の条件を満足すれば、見掛け密度が25kg/m前後の発泡粒子成形体を製造する際に、所期の効果が達成される。さらに、嵩密度25kg/mまで発泡可能な発泡性粒子は、あまり発泡させずに、嵩密度50kg/m程度に発泡して使用されることがある。そこで、上記(1)の条件を満足し、かつ上記(2)の条件も満足する発泡性樹脂粒子であれば、約25〜約50kg/mの広い密度範囲において所期の効果が達成される。
また、嵩密度50kg/m程度までの発泡性しか必要とされない発泡性樹脂粒子は、低嵩密度まで発泡する発泡能力は要求されないので、発泡剤含有量を低減することによりその発泡性が調整される場合がある。このような場合には、嵩密度25kg/mまでは発泡できないが、50kg/mに発泡させたときに上記(2)の条件を満足すれば、50kg/m前後の密度の発泡粒子成形体を製造する際に、所期の効果を達成できる。
前記発泡粒子全体の平均気泡径が前記範囲未満になると、成形後の発泡粒子成形体の収縮が大きくなり、一方、該平均気泡径が前記範囲よりも大きくなると、得られる発泡粒子成形体の機械的強度が低下するため所期の発泡粒子成形体が得られなくなる。
かかる観点から、嵩密度25kg/mに発泡させた場合には、該平均気泡径が30〜120μmとなることが好ましく、より好ましくは40〜100μmである。嵩密度50kg/mに発泡させた場合には、25〜100μmとなることが好ましく、より好ましくは30〜80μmである。
また、前記発泡粒子全体の平均気泡径が前記範囲内であっても、前記表層部の平均気泡径が前記範囲未満であると、気泡が細かすぎて気泡膜が薄くなることから、型内成形時の伸びが悪くなって粒子間隙が目立つ外観が悪い発泡粒子成形体となってしまう上に、得られる発泡粒子成形体の機械的強度、特に曲げ強さが低下してしまう。かかる観点から、嵩密度25kg/mに発泡させた場合には、表層部の平均気泡径は30μm以上が好ましく、40μm以上となることがより好ましく、その上限は、150μmが好ましく、より好ましくは100μmである。嵩密度50kg/mに発泡させた場合には、表層部の平均気泡径は25μm以上が好ましく、30μm以上となることがより好ましく、その上限は、120μmが好ましく、より好ましくは80μmである。
発泡時に上記気泡構造を有する発泡粒子となる発泡性樹脂粒子は、電解質を特定濃度で含む水性媒体中で、難燃剤と共に下記特定の発泡剤と下記特定のアミン化合物とを樹脂粒子に含浸させることにより製造することができる。特定の発泡剤により難燃剤を樹脂粒子中に均一に含浸させることで表面付近への偏在を防ぎ、電解質により樹脂粒子中への水性媒体の含浸を防ぎかつアミン化合物が樹脂粒子中に存在することにより、発泡時に表層部の気泡の微細化を防止することができる。
嵩密度25kg/mの発泡粒子は、例えば、攪拌羽根を備えた容積30Lの円筒状の小型発泡機に、発泡性樹脂粒子750gを投入し、攪拌しながらスチームを導入して加熱を行い、発泡粒子の体積が30Lレベルに到達したところで加熱をやめてエアーを導入し流動性が得られるまで乾燥を行い発泡機から取り出すことにより、得ることができる。また、嵩密度50kg/mの発泡粒子は、前記小型発泡機への発泡性樹脂粒子の投入量を1500gに変更して発泡させることによって得ることができる。
なお、嵩密度を正確に25kg/mに合わせることができない場合には、発泡条件を変えて異なる嵩密度を有する発泡粒子を得て、それぞれの平均気泡径を求め、平均気泡径と嵩密度との関係をグラフ上にプロットし、それらの相関をもとにして25kg/mにおける値を求めればよい。嵩密度50kg/mに発泡させる場合も同様である。
前記発泡粒子の嵩密度(kg/m)は次のようにして測定される。水を入れたメスシリンダーを用意し、該メスシリンダーに相対湿度50%、23℃、1atmの条件にて2日放置した500個以上の発泡粒子(発泡粒子群の重量W1)を入れ、発泡粒子を水没させてその水位上昇分から発泡粒子群の体積V1(cm)を求める。この体積V1(cm)にてメスシリンダーに入れた発泡粒子群の重量W1(g)を割り算して(kg/m)に単位換算して(W1/V1×1000)、発泡粒子の見掛け密度(kg/m)を求める。この見掛け密度(kg/m)を1.6で除することにより発泡粒子の嵩密度(kg/m)を求める。
発泡粒子の平均気泡径は、次のように測定される。
発泡粒子の中心部を通るように発泡粒子を2分割し、走査型電子顕微鏡にて切断面の拡大写真を撮影する。次に、写真上に発泡粒子の表面から中心付近を通り反対側の表面まで達する直線を引き、直線と交わっている気泡数を数え、直線の長さ(実際の長さ)を気泡数で除して、気泡1個当たりの気泡径を求め、これを個々の発泡粒子の気泡径(μm)とする。この操作を発泡粒子10個について同様に行ない、得られる測定値の平均値を本発明における発泡粒子の平均気泡径(μm)とする。
発泡粒子表層部の平均気泡径は、次のように測定される。
発泡粒子の中心部を通るように発泡粒子を2分割し、走査型電子顕微鏡にて切断面を写真撮影する。写真上に発泡粒子の表面から断面の中心まで任意に4本の直線を引く。4本の直線の夫々と交わっている気泡のうち、発泡粒子表面から中心方向へ50μmまでの範囲に位置する気泡の数をカウントし(ただし、表面から50μmまでの範囲に気泡の一部が含まれればその気泡もカウントする。また、気泡の大きさによってはカウントされる気泡数が1個の場合もあり得る。)、粒子の表面から、カウントされた気泡のうち最も粒子の中心側に位置する気泡の粒子の表面とは反対側の気泡膜までの直線の長さ(実際の長さ)をその気泡数で除して、発泡粒子表層部の気泡1個当たりの気泡径(μm)を求める。同様にして他の直線についても気泡径を求め、これらの気泡径の平均を個々の発泡粒子の表層部の平均気泡径(μm)とする。この操作を発泡粒子10個について同様に行い、得られる測定値の平均値を本発明における発泡粒子表層部の平均気泡径(μm)とする。
次に、本発明のスチレン系発泡性樹脂粒子の製造方法について説明する。
本発明のスチレン系発泡性樹脂粒子の製造方法においては、先ずスチレン単量体の含有量が50ppm未満(0ppmを含む。)、好ましくは40ppm以下(0ppmを含む。)、より好ましくは30ppm以下(0ppmを含む。)であると共に、重量平均分子量が20万超、好ましくは21万以上、より好ましくは22万以上、更に好ましくは24万以上のスチレン系樹脂粒子(樹脂粒子)を準備する。
該樹脂粒子は、従来公知の方法、例えば、重合温度を高くする方法や、重合開始剤を多くする方法、重合時間を長くする方法、更には、複数の重合開始剤重合温度を段階的に上げる方法などを応用して製造することができる。また、上記のような樹脂粒子中の残存スチレン単量体の含有量が低く、かつスチレン系樹脂の重量平均分子量が高い樹脂粒子を効率よく製造できることから、発泡剤が存在しない条件下でスチレン系樹脂粒子を重合することが好ましい。
なお、重合開始剤が過度に残存している場合には、難燃剤の含浸時に残存単量体の重合が更に進み残存スチレン単量体の含有量が低くなったり、難燃剤と開始剤とが反応して分子量が低くなったりすることがある。樹脂粒子中に重合開始剤を過度に残存させないことにより、目的とする発泡性樹脂粒子中の残存スチレン単量体の含有量、スチレン系樹脂の重量平均分子量を、使用する樹脂粒子中の残存スチレン単量体の含有量、重量平均分子量とほぼ変わらぬ値にすることができる。
さらに、該樹脂粒子は、発泡剤を含まないものであっても、或いは難燃剤含浸時に必要な炭素数5の飽和炭化水素添加量以外の量の発泡剤を含むものであってもよいが、所期の発泡性樹脂粒子を効率よく製造できることから、発泡剤を含まない樹脂粒子を使用することが好ましい。
次に、水性媒体中に、前記特定の樹脂粒子を分散させ、該水性媒体中に前記難燃剤、炭素数5の飽和炭化水素を含む少なくとも含む前記発泡剤、及び下記一般式(3)式で表されるアミン系化合物を添加して、該樹脂粒子に発泡剤と共に難燃剤を含浸させる。
NR (3)
(但し、一般式(3)において、Nは窒素原子、R、R、Rは炭素数1〜22のアルキル基又はシクロアルキル基である。)
本発明方法で用いる水性媒体としては、水又は水と水溶性溶媒(例えば、アルコールなど)との混合媒体が挙げられる。中でも入手し易いことや経済性の観点から水が好ましい。
樹脂粒子の平均粒子径は、難燃剤等を含浸させやすく、優れた外観を有する発泡粒子成形体が得られることから、0.3〜3mmが好ましく、0.4〜2mmがより好ましく、0.6〜1.2mmが更に好ましい。
水性媒体への樹脂粒子の配合量は、難燃剤等を含浸させやすいことから、水性媒体100重量部に対して、60〜110重量部が好ましく、80〜100重量部がより好ましい。該配合量が少なすぎると生産性が低下してしまい、多すぎると樹脂粒子同士が溶融、融着して凝槐物になる等の問題が生じやすい。
前記難燃剤の配合量は、前記難燃剤含有量の発泡性樹脂粒子を得るために、樹脂粒子100重量部に対して、0.3〜5重量部が好ましく、0.5〜3重量部がより好ましい。該配合量が少なすぎると、難燃性を有する発泡粒子成形体を得ることが難しくなり、多すぎると難燃剤の含浸性が損なわれて凝槐物になりやすく、得られる成形体の外観も悪化してしまう。
前記炭素数5の飽和炭化水素の配合量は、樹脂粒子100重量部に対して、1〜15重量部である。該配合量が少なすぎると、難燃剤を樹脂粒子中に十分に含浸させにくくなり、さらに、上記の理由から高発泡倍率の発泡粒子が得られにくくなる。一方、配合量が多すぎると、得られる発泡粒子の成形性が低下する。かかる観点から、前記炭素数5の飽和炭化水素の配合量は、1.5〜8重量部がより好ましい。
前記アミン系化合物の配合量は、樹脂粒子100重量部に対して、0.001〜0.1重量部である。該配合量がこの範囲を外れると、発泡粒子表層部の気泡の微細化を防止することができなくなり、発泡させた場合に上記気泡構造を有する発泡粒子となる発泡性樹脂粒子を得ることが難しくなる。かかる観点から、アミン系化合物の添加量は、樹脂粒子100重量部に対して、0.002〜0.05重量部がより好ましい。
難燃剤の含浸温度は、80〜140℃が好ましく、より好ましくは100〜120℃である。含浸温度が低すぎると生産性が低下し、高すぎると難燃剤が分解しやすいため、発泡性樹脂粒子を構成するスチレン系樹脂の重量平均分子量が低下する虞がある。
含浸時間は、4〜36時間が好ましく、より好ましくは6〜24時間である。含浸時間短すぎると各成分の含浸が不十分になり、長すぎると生産性が低下する虞がある。
また、難燃剤等を樹脂粒子中に含浸させるために、水性媒体に懸濁剤を添加することが好ましい。懸濁剤としては、例えばポリビニルアルコール,メチルセルロース,ポリビニルピロリドン等の水溶性高分子、ピロリン酸マグネシウム,第3燐酸カルシウム等の難溶性無機塩等を用いることができ、これらと界面活性剤を併用してもよい。なお、難溶性無機塩を用いる場合には、アルキルスルホン酸ソーダ,ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ等のアニオン性界面活性剤を併用するのが好ましい。
懸濁剤の添加量は、樹脂粒子100重量部に対し0.01〜5.0重量部が好ましい。前記した難溶性無機塩とアニオン性界面活性剤との併用系では、それぞれ樹脂粒子100重量部に対して難溶性無機塩を0.05〜3.0重量部、アニオン性界面活性剤を0.0001〜0.5重量部添加することが好ましい。
必要に応じて、過硫酸カリウムなどを懸濁助剤として用いても良い。また、イオン強度や水素イオン濃度を調整するために炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、リン酸カルシウムや水酸化ナトリウム、水酸化カルシウムなどを懸濁助剤として用いてもよい。
本発明方法においては、前記水性媒体に電解質を添加する。水性媒体に電解質を添加して水性媒体のイオン濃度を調整することにより樹脂粒子中への水の含浸を防ぐことができる。電解質の添加量は、水性媒体1Lに対して0.02〜5モルであり、好ましくは0.03〜0.5モルである。
前記電解質は、水溶液中でイオン解離する物質であればよく、例えば、塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化アンモニウム、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、硫酸カリウム、硫酸アルミニウム、硫酸アンモニウム、硝酸ナトリウム、硝酸マグネシウム、硝酸カリウム、硝酸カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸アンモニウム等の無機塩類、或は酢酸カリウム、酢酸ナトリウム、ベヘミン酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、琥珀酸二ナトリウム等の水に可溶なカルボン酸のアルカリ金属塩等が挙げられる。特に塩化ナトリウムは、少量の添加重量で本発明の発泡性樹脂粒子を容易に得ることができ、また工業的に安価に大量に入手できるので好ましい。
以下に、実施例及び比較例をあげて本発明をさらに詳述する。但し、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
(スチレン系樹脂粒子の製造)
内容積50Lの攪拌機付き密閉容器に純水17000gを入れ、懸濁剤として第三リン酸カルシウム(太平化学産業株式会社製)を60g、界面活性剤としてαオレフィンスルフォン酸ソーダ(ライオン株式会社社製 商品名:リポランLB−440=固形分37%水溶液)を2.3g、懸濁助剤として過硫酸カリウムを0.17g添加して水性懸濁液を作製した後に、過酸化ベンゾイル(25%水分含有品)40g、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート20g、スチレン単量体15000gを攪拌しながら仕込んだ。攪拌回転数を230rpmにして90℃まで加温後、100℃まで5時間かけて昇温し、その後120℃で6時間重合を行った。得られたスチレン系樹脂粒子懸濁液から遠心分離器で脱水し乾燥させた後に篩によって0.5mm〜1.4mmの範囲以外を取り除き、スチレン系樹脂粒子Aを得た。
(難燃剤含有発泡性スチレン系樹脂粒子の製造)
内容積3Lの攪拌機付き密閉容器に純水1000gを入れ、懸濁剤として第三リン酸カルシウム(太平化学産業株式会社製)を9g、界面活性剤としてαオレフィンスルフォン酸ソーダ(ライオン株式会社製 商品名:リポランLB−440=固形分37%水溶液)を0.27g、難燃剤として2,2,−ビス[4−アリルオキシ−3,5−ジブロモフェニル]プロパン(帝人化成株式会社製 商品名:ファイヤーガード3200)を9.9g、電解質として塩化ナトリウムを8.77g(0.15mol/L相当)、アミン系化合物としてトリオクチルアミンを0.045g添加し、さらに上記で製造したスチレン系樹脂粒子Aを900g投入した。攪拌回転数を400rpmにして100℃まで昇温し、ポンプにて発泡剤として混合ペンタン32.4gと混合ブタン48.6gを30分かけて添加した。100℃到達から3時間後、120℃に昇温し6時間保持したのち、4時間かけて30℃まで冷却した。その後、遠心分離器にて脱水、流動乾燥装置にて表面水分を除去し、難燃剤含有発泡性スチレン系樹脂粒子を得た。
(実施例2)
実施例1で用いたアミン類をジラウリルモノメチルアミン0.18gとし、発泡剤の添加量を混合ペンタン28.8gと混合ブタン43.2gにしたこと以外は実施例1同様にして、難燃剤含有発泡性スチレン系樹脂粒子を得た。
(実施例3)
実施例1で用いた電解質を硝酸ナトリウム17gとし、難燃剤を2,2−ビス[4’(2’’,3’’−ジブロモアルコキシ)−3’,5’−ジブロモフェニル]−プロパン(第一工業製薬株式会社製 商品名:SR−130)11.7gとし、アミン系化合物をトリオクチルアミン0.018gとし、発泡剤の添加量を混合ペンタン48.6gと混合ブタン32.4gにしたこと以外は実施例1同様にして、難燃剤含有発泡性スチレン系樹脂粒子を得た。
(実施例4)
(スチレン系樹脂粒子の製造)
内容積50Lの攪拌機付き密閉容器に純水17000gを入れ、懸濁剤として第三リン酸カルシウム(太平化学産業株式会社製)を60g、界面活性剤としてαオレフィンスルフォン酸ソーダ(ライオン株式会社製 商品名:リポランLB−440=固形分37%水溶液)を2.3g、懸濁助剤として過硫酸カリウムを0.17g添加して水性懸濁液を作製した後に、過酸化ベンゾイル(25%水分含有品)40g、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート20g、流動パラフィン(セーボルト粘度60SUS)120g、スチレン単量体15000gを攪拌しながら仕込んだ。攪拌回転数を230rpmにして90℃まで加温後、100℃まで5時間かけて昇温し、その後120℃で6時間重合を行った。得られたスチレン系樹脂粒子懸濁液から遠心分離器で脱水し乾燥させた後に篩によって0.5mm〜1.4mmの範囲以外を取り除き、スチレン系樹脂粒子Bを得た。
(難燃剤含有発泡性スチレン系樹脂粒子の製造)
製造した樹脂粒子Bを内容積3Lの攪拌機付き密閉容器に仕込み、攪拌回転数を400rpmにして100℃まで昇温し、ポンプにて発泡剤として混合ペンタン21.6gと混合ブタン50.4gを30分かけて添加したこと以外は実施例1同様にして、難燃剤含有発泡性スチレン系樹脂粒子を得た。
(実施例5)
(難燃剤含有発泡性スチレン系樹脂粒子の製造)
難燃剤2,2,−ビス[4−アリルオキシ−3,5−ジブロモフェニル]プロパン(帝人化成株式会社製 商品名:ファイヤーガード3200)の添加量を12.6gとし、発泡剤の添加量を混合ペンタン16.2g、混合ブタン37.8gにしたこと以外は実施例4同様にして、難燃剤含有発泡性スチレン系樹脂粒子を得た。
(比較例1)
アミン系化合物を添加しなかったこと以外は実施例1と同様にして、難燃剤含有発泡性スチレン系樹脂粒子を得た。
(比較例2)
電解質を添加しなかったこと以外は実施例1と同様にして、難燃剤含有発泡性スチレン系樹脂粒子を得た。
(比較例3)
実施例1において用いた発泡剤(混合ペンタン32.4gと混合ブタン48.6g)を、混合ペンタン81gのみに代えた以外は実施例1と同様にして、難燃剤含有発泡性スチレン系樹脂粒子を得た。
(比較例4)
(重合一段での難燃剤含有発泡性スチレン系樹脂粒子の製造)
内容積50Lの攪拌機付き密閉容器に純水17000gを入れ、懸濁剤として第三リン酸カルシウム(太平化学産業株式会社製)を60g、界面活性剤としてαオレフィンスルフォン酸ソーダ(ライオン株式会社社製 商品名:リポランLB−440=固形分37%水溶液)を2.3g添加して水性懸濁液を作製した後に、過酸化ベンゾイル(25%水分含有品)34g、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート25g、スチレン単量体15000g、難燃剤として2,2−ビス[4’(2’’,3’’−ジブロモアルコキシ)−3’,5’−ジブロモフェニル]−プロパン(第一工業製薬株式会社製 商品名:SR−130)を165gを攪拌しながら仕込んだ。攪拌回転数を230rpmにして90℃まで加温後、100℃まで8時間かけて昇温する段階において、90℃から6時間経過した時点でポンプにて混合ペンタン375gと混合ブタン1125gを60分かけて添加した。添加終了から1時間後100℃に到達したら最終の重合温度である115℃まで昇温し8時間保持したのち、4時間かけて30℃まで冷却した。その後、遠心分離器にて脱水、流動乾燥装置にて表面水分を除去し、難燃剤含有発泡性スチレン系樹脂粒子を得た。
(比較例5)
(重合一段での残存スチレン単量体の低減)
t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネートの量を50gとし、最終の重合温度を120℃とした以外は比較例4と同様にして、難燃剤含有発泡性スチレン系樹脂粒子を得た。
(見掛け密度25kg/mの発泡粒子成形体の製造)
攪拌羽根を備えた内容積30Lの発泡機に、発泡性樹脂粒子750gを投入し、攪拌しながらスチームを導入して加熱を行った。発泡粒子の体積が30Lレベルに到達したところで加熱をやめてエアーを導入し流動性が得られるまで乾燥を行い発泡機から取り出し、嵩密度25kg/mの予備発泡粒子を得た。
300mm×200mm×25mmの金型を備えた発泡ポリスチレン用成形機(ダイセン社製VS−300)を使用し、金型内に予備発泡粒子を充填し、予備発泡粒子を0.07MPa(ゲージ圧)のスチームで20秒加熱して型内成形し、冷却後離型して、外形寸法300mm×200mm×25mm、見掛け密度25kg/mの発泡粒子成形体を得た。
なお、比較例3の予備発泡粒子は以下のようにして製造した。内部を加圧可能な攪拌羽根を備えた内容積50Lの発泡機を用い、発泡機に発泡性樹脂粒子を750g投入し、攪拌しながらスチームを導入し内部圧力を0.01MPa(ゲージ圧)に設定して加熱を行った。発泡粒子の体積が30Lレベルに到達したところで加熱をやめてエアーを導入し乾燥を行い発泡機から取り出し、嵩密度25kg/mの予備発泡粒子を得た。
(見掛け密度50kg/mの発泡粒子成形体の製造)
攪拌羽根を備えた容積30Lの円筒状の小型発泡機に、発泡性樹脂粒子1500gを投入し、攪拌しながらスチームを導入して加熱を行った。発泡粒子の体積が30Lレベルに到達したところで加熱をやめてエアーを導入し流動性が得られるまで乾燥を行い発泡機から取り出し、嵩密度50kg/mの予備発泡粒子を得た。
300mm×200mm×25mmの金型を備えた発泡ポリスチレン用成形機(ダイセン社製VS−300)を使用し、金型内に予備発泡粒子を充填し、予備発泡粒子を0.07MPa(ゲージ圧)のスチームで20秒加熱して型内成形し、冷却後離型して、外形寸法300mm×200mm×25mm、見掛け密度50kg/mの発泡粒子成形体を得た。
実施例1〜5、比較例1〜3における発泡性樹脂粒子の製造時の配合を表1に示す。また、得られた発泡性樹脂粒子の組成、発泡性樹脂粒子を発泡させたときの気泡構造、発泡粒子成形体の物性を表2に示す。
また、実施例1、比較例1、比較例2で得られた発泡粒子の断面顕微鏡写真を図1〜4に示す。
表1における、樹脂粒子の残存スチレン系単量体の含有量、重量平均分子量は、前記方法で測定した。
表2における各項目の測定、評価は次のように行った。
発泡性樹脂粒子の残存スチレン系単量体含有量、重量平均分子量、難燃剤の含有量は、前記方法で測定した。
発泡性樹脂粒子中の発泡剤(炭素数5の飽和炭化水素)の含有量
100mlのメスフラスコにエタノール約3gを小数点以下第3位まで精秤し、DMFを加えて全体を100mlとして内部標準溶液を調整した。容器内の約18mLのDMFに、小数点以下第3位まで精秤した約1gの測定用試料(発泡性樹脂粒子)を加え、さらに、作製した内部標準溶液をホールピペットにて正確に2mL加え、容器を密栓して試料を良く溶解させた。この溶液をマイクロシリンジにて1μL採集し、ガスクロマトグラフに導入し、前記測定条件に従ってクロマトグラムを得て、発泡性樹脂粒子中の発泡剤(炭素数5の飽和炭化水素)の含有量を測定した。
発泡性は次のように評価した。
底に金網が張ってある金属製の箱に約30gの発泡性樹脂粒子を入れ、次いで該箱を箱型バッチ式予備発泡機に入れ、吹込圧力0.08MPaのスチームを導入し270秒間加熱した。得られた発泡粒子を室温で1日風乾した後、1Lのメスシリンダーに発泡粒子を入れ、発泡粒子の体積1L当たりの重量を測定し、嵩密度(kg/m)を測定した。
嵩密度25kg/mに発泡した場合及び嵩密度50kg/mに発泡した場合の発泡粒子の平均気泡径、表層部の平均気泡径は、前記測定方法により測定した。なお、実施例5の発泡性粒子は前記方法により嵩密度25kg/mまで発泡させることができなかったので、嵩密度50kg/mに発泡した場合のみを評価した。
また、気泡の均一性の評価方法は、成形して得られた発泡粒子成形体をスライサーで約1mmに薄くカットし、断面の表層部を除く部分の気泡の状態を次の基準により目視で評価した。
○・・・均一
△・・・一部、粗い気泡や微細気泡がみられる
×・・・不均一
融着性
発泡成形体を割り、観察される破断面の面積のうち、粒子内部で破断している面積の割合(百分率)を目視にて判定した。
外観
発泡粒子成形体の表面外観を目視にて下記基準にて評価した。
○・・・溶融した粒子はなく、見栄えがよい。
×・・・溶融した粒子がみられ、成形体面よりも陥没しており、見栄えが悪い。
難燃性評価
JIS A9511(2006R)の5.13.1の燃焼試験(測定方法A)に準拠して燃焼試験を行い、下記基準により発泡粒子成形体の難燃性を評価した。なお、この燃焼試験は建築物に使用されるプラスチック保温材に適用される難燃性の規格である。
○・・・平均消火時間が3秒以内で残塵がなく燃焼限界指示線を越えて燃焼が継続しなかった。
×・・・3秒を超えて燃焼が継続した場合あるいは燃焼限界指示線を越えて燃焼した。
また、FMVSS302に記載の燃焼性試験により燃焼速度を測定し、下記基準により発泡粒子成形体の自己消火性を評価した。なお、FMVSS302とは車両用の材料に対して実施される米国の試験規格のひとつで燃焼性能(燃焼速度)を試験する規格であり、得られた数値が小さいほど燃え難い性質を有している。
◎・・・着火せず、または炎がA標線に達する前に消火した。
○・・・A標線を越えてB標線に達した際の燃焼速度が100mm/分以下であった。
×・・・A標線を越えてB標線に達した際の燃焼速度が100mm/分を越えた。
機械的物性
圧縮試験
発泡粒子成形体を切断して、50mm×50mm×25mmの試験片を5個作成し、JIS K 7220(1999)に準拠して、試験速度10mm/minの条件にて圧縮試験を行い、各試験片の変形10%時の圧縮応力(MPa)を算出し、5個の平均値を求めた。表中には「10%圧縮応力」と表記する。
曲げ試験
発泡粒子成形体を切断して、縦300mm×横75mm×厚さ25mmの試験片(全面スキン付き)を5個作成し、JIS K 7221−2(1999)および附属書1に準拠して、試験速度10mm/minの条件にて3点曲げ試験を行い、各試験片の最大荷重を測定し曲げ強さ(MPa)を算出し、5個の平均値を求めた。

Claims (4)

  1. 難燃剤を含む発泡性スチレン系樹脂粒子において、
    該発泡性スチレン系樹脂粒子中のスチレン単量体の含有量が50ppm未満(0ppmを含む。)であると共に、該発泡性スチレン系樹脂粒子を構成するスチレン系樹脂の重量平均分子量が20万超であり、
    該発泡性スチレン系樹脂粒子は炭素数5の飽和炭化水素を含む発泡剤を含有し、該発泡性スチレン系樹脂粒子に対する炭素数5の飽和炭化水素の含有量が1〜8重量%であり、
    下記(1)及び(2)の条件のうち少なくとも一方の条件を満足することを特徴とする発泡性スチレン系樹脂粒子。
    (1)該発泡性スチレン系樹脂粒子を嵩密度25kg/mに発泡させた場合に、発泡粒子の平均気泡径が20〜150μmとなると共に、発泡粒子断面における表面から半径方向50μm以内の表層部の平均気泡径が20μm以上となる。
    (2)該発泡性スチレン系樹脂粒子を嵩密度50kg/mに発泡させた場合に、発泡粒子の平均気泡径が15〜120μmとなると共に、発泡粒子断面における表面から半径方向50μm以内の表層部の平均気泡径が15μm以上となる。
  2. 前記難燃剤が臭素化ビスフェノール系化合物であることを特徴とする請求項1に記載の発泡性スチレン系樹脂粒子。
  3. 前記臭素化ビスフェノール系化合物がアリルエーテル基を有することを特徴とする請求項2に記載の発泡性スチレン系樹脂粒子。
  4. 電解質を含む水性媒体中に、スチレン単量体の含有量が50ppm未満(0ppmを含む。)であると共に重量平均分子量が20万超のスチレン系樹脂粒子を分散させ、該水性媒体中に難燃剤、炭素数5の飽和炭化水素を含む発泡剤、及び下記一般式(3)式で表されるアミン系化合物を添加して、該スチレン系樹脂樹脂粒子に発泡剤と共に難燃剤を含浸させる、発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法であって、
    前記電解質の濃度は水性媒体1Lに対して0.02〜5モルであり、
    前記炭素数5の飽和炭化水素の添加量がスチレン系樹脂粒子100重量部に対して1〜15重量部、前記難燃剤の添加量がスチレン系樹脂粒子100重量部に対して0.3〜5重量部、前記アミン系化合物の添加量がスチレン系樹脂粒子100重量部に対して0.001〜0.1重量部であることを特徴とする発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法。
    NR (3)
    (但し、一般式(3)において、Nは窒素原子、R、R、Rは炭素数1〜22のアルキル基又はシクロアルキル基である。)
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