JP4832716B2 - 小粒径スチレン系発泡性樹脂粒子、発泡ビーズ及び成形品 - Google Patents

小粒径スチレン系発泡性樹脂粒子、発泡ビーズ及び成形品 Download PDF

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Description

本発明は、小粒径スチレン系発泡性樹脂粒子とその製造方法、さらに小粒径スチレン系発泡ビーズ及び発泡成形品に関する。
スチレン系発泡性樹脂は、優れた断熱性、経済性、衛生性を特徴として多くの食品容器、梱包材、緩衝材等に用いられている。これらの発泡成形品は、スチレン系発泡性樹脂粒子をスチーム等により加熱、所望の嵩密度まで予備発泡し、熟成工程を経た後、成形金型に充填され再度加熱発泡成形する方法により製造される。このようなスチレン系発泡性樹脂粒子は、発泡成形性に優れ、成形品としたときの成形品外観が良好であることが求められている。
特に、ヌードルカップに用いられる小粒径スチレン系発泡性樹脂粒子は、カップ成形品への印刷性を良好とするため、成形品の外観が綺麗であるとともに、醤油、塩、カレー等の数種類のヌードルスープがカップ外面に漏れないことが要求される。これらの要求に応えるためには、成形金型に充填されたスチレン系発泡ビーズを加熱発泡成形する際に、各ビーズ間の空隙を完全に無くすことが必要となる。しかし、ビーズ間の空隙を完全に無くすことは困難であり、できる限り少なくするために、スチレン系発泡性樹脂粒子自体の特性改善、スチレン系発泡性樹脂粒子表面へのコーティング技術の改善又は成形機等の機能を含めた成形技術の改善が行われている。
スチレン系発泡性樹脂粒子の改善としては、例えば、発泡性スチレン系樹脂粒子にパーフルオロアルキル(メタ)アクリレート及びアルキル(メタ)アクリレートを重合させる含フッ素ビニル系共重合体を被覆又は含有させる等の共重合による表面改質が提案されている(例えば、特許文献1)。また、発泡剤にイソペンタンを用いる等、可塑剤や発泡剤の種類やその添加量を調整する方法、分子量を低分子量化する等の方法が行われている(例えば、特許文献1,2)。しかしながら、これらの方法は耐熱性を低下させることにつながり、成形時の加熱発泡により成形体の表面が溶融することにより空隙が増加し、成形品外観を損なうという欠点がある。
一方、スチレン系発泡性樹脂粒子表面へのコーティング技術においても、様々な添加剤の検討がなされている。例えば、含フッ素ビニル型単量体と親水性ビニル型単量体との共重合体による表面被覆(例えば、特許文献4)や、パーフルオロアルキルスルホンアミドのリン酸アンモニウムによる表面被覆(例えば、特許文献5)等、フッ素化合物に代表される撥水撥油性能を利用する方法がある。しかしながら、粒子表面へのコーティング剤については、表面被覆するコーティング剤のコスト問題や食品用であることから、その検討範囲が著しく制限される等の欠点がある。
また、成形機等の機能を含めた成形技術の改善も検討されており、例えば、成形機において、加熱工程の制御方法を検討しスチームをより効率的に用いることが試みられている。しかしながら、この方法は、機械改造費や金型改造費等金銭的付加が大きく、全て一度に改善することが困難であるという欠点がある。
特開2002−97297号公報 アメリカ合衆国特許4840759号明細書 特開2002−338725号公報 特開昭62−158730号公報 特開平1−210435号公報
本発明は、発泡成形性に優れた小粒径スチレン系発泡性樹脂粒子、小粒径スチレン系発泡ビーズ、及びこれらから製造される発泡成形品を提供することを目的とする。特に、外観が良好で、中の液体による外面への漏れが少ない容器を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様によれば、樹脂粒子の表面から中心に向かって3等分した表面から1/3までを形成する表面部分を、さらに表面から中心に向かって4等分したときの表面から4/4までを形成する部分、表面から3/4までを形成する部分、表面から2/4までを形成する部分及び表面から1/4までを形成する部分の重量平均分子量が、この順に、低下しないで、平均粒径が0.2〜0.6mmであることを特徴とする小粒径スチレン系発泡性樹脂粒子が提供される。
本発明の第2の態様によれば、スチレン系単量体の懸濁重合において、重合開始から、重合率が60%以上の重合途中においてスチレン系単量体を添加するまで、反応槽内の酸素濃度を1体積%以下に保ち、重合反応の完了前又は完了後に易揮発性発泡剤を含浸させ、平均粒径を0.2〜0.6mmにすることを特徴とする小粒径スチレン系発泡性樹脂粒子の製造方法が提供される。
本発明の第3の態様によれば、上記の小粒径スチレン系発泡性樹脂粒子を発泡させて得られることを特徴とする小粒径スチレン系発泡ビーズが提供される。
本発明の第4の態様によれば、上記のスチレン系発泡ビーズを成形させて得られることを特徴とするスチレン系発泡成形品が提供される。
本発明によれば、発泡成形性に優れた小粒径スチレン系発泡性樹脂粒子、小粒径スチレン系発泡ビーズ、及びこれらから製造される発泡成形品を得ることができる。特に、外観が良好で、中の液体による外面への漏れが少ない容器を得ることができる。
本発明の小粒径スチレン系発泡性樹脂粒子(以下、スチレン系発泡性樹脂粒子ともいう)、発泡ビーズ及び発泡成形品について詳しく説明する。
本発明のスチレン系発泡性樹脂粒子は、スチレン系単量体を懸濁重合して製造できる。スチレン系単量体として、スチレン、又はスチレンを主成分とし、α―メチルスチレン、クロルスチレン、ビニルトルエン等のスチレン誘導体、アクリル酸メチル、アクリル酸ブチル等のアクリル酸エステル類、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル等のメタクリル酸エステル類との混合単量体を使用できる。
スチレン系発泡性樹脂粒子を製造する方法は懸濁重合が好ましく、従来公知の方法を採用することができる。即ち、一般に、分散剤を含む水性媒体中に有機過酸化物等の触媒を溶解したスチレン系単量体を分散してラジカルを発生させて重合を行なう。
分散剤として、難溶性無機塩と界面活性剤を併用してもよいし、有機分散剤等従来公知のものを使用することができる。
難溶性無機塩として、リン酸マグネシウム、リン酸三カルシウム等が使用できる。界面活性剤として、オレイン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、その他懸濁重合に一般的に使用されるアニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤のいずれでも使用できる。有機分散剤として、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース等が使用できる。
有機過酸化物は、10時間半減分解温度が50〜100℃である従来公知のものを使用できる。例えば、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t―ブチルパーオキシベンゾエート、t―ブチルパーオキシイソプロピルカーボネイト等がある。有機過酸化物は、重合性単量体に対して0.001重量%〜0.5重量%使用するのが好ましい。有機過酸化物は一又は二以上用いることができる。
全体の分子量は、触媒濃度を調整するか、連鎖移動剤を併用するか、又はこれら両方により調整できる。
連鎖移動剤としては、α−メチルスチレンダイマー等の従来公知のものが使用できる。連鎖移動剤の添加量は、重合性単量体に対して20ppm〜100ppm使用することが好ましい。
本発明の製造方法では、重合開始から、重合率が60%以上の重合途中において、スチレン系単量体を添加するまで、反応槽内の酸素濃度を1体積%以下に保つことが好ましい。
反応槽内の酸素濃度は、重合を開始する際に反応槽内の酸素濃度を予め窒素等により置換し、1体積%以下とする。酸素濃度は少ないほど良い。その後、重合を進めるにあたり、反応槽内への酸素侵入を防止するために、そのまま反応槽内への窒素等の置換を継続してもよいし、置換終了後に反応槽内を密閉してもよい。
反応槽内を密閉して重合を進める場合は、重合反応物の仕込み温度から反応温度の昇温に際して、又は重合触媒の反応に際して、水分中及びスチレン単量体中に含まれる酸素、攪拌により液中に巻き込まれた酸素、さらに重合反応時に発生する酸素等が析出してくるため、酸素濃度が1体積%を超えるときは、再度窒素等により置換する。
重合中に酸素濃度を1体積%以下に保つため、酸素濃度計を接続して管理するとよい。
反応槽内の酸素濃度は、重合率が60%以上の重合途中で、好ましくは重合率が60%以上97%未満で、より好ましくは重合率が85%以上97%未満で、追加するスチレン単量体の添加が完了するまで1体積%以下で管理する。酸素濃度が1体積%を超える場合、スチレン系単量体の反応を進めるラジカルや残存する重合触媒を停止させることにより、低分子量物を形成するため、目的とするスチレン系樹脂粒子表面部分の高分子量化が進まない恐れがある。従って、成形体の表面が溶融し、成形品の外観が低下したり、空隙が増加しヌードルスープ等の液体の漏れ(液漏れ)を防止できなくなり、本発明の効果が低減する。
重合率が60%より低い場合、スチレン系樹脂粒子へのスチレン系単量体の吸収が促進し、中心部分の分子量が高分子量化し、発泡力及び成形品融着が低下する。また、目的とする樹脂粒子径が小さいため重合中に塊状化する恐れがある。
重合率が97%以上の場合、樹脂粒子へのスチレン系単量体の吸収が低下し、樹脂粒子内のラジカル量及び重合触媒量が減少し、樹脂粒子最表面部の分子量が低分子量化し耐熱性が低下する。そのため、発泡成形時において熱融着が促進しすぎて、成形品の外観を低下させると共に、空隙が増加し液漏れを防止できなくなる恐れがある。
スチレン系単量体の添加量は、最終的に得られるスチレン系樹脂粒子に対して5重量%〜30重量%であることが好ましい。より好ましくは、10重量%〜15重量%の範囲である。
添加量が5重量%より少ない量では、スチレン系樹脂粒子における最表面部の高分子量化効果が小さく、成形品の外観向上効果や液漏れ防止効果を十分に得られない場合がある。反面、添加量が30重量%より多い量では、樹脂粒子が軟化し、スチレン系単量体の吸収が促進され中心部の分子量が高分子量化する等、粒子内の最も高分子量化する部分が中心部へ移動するため、発泡力が低下し成形品で融着しにくくなる場合がある。
懸濁重合温度は、一般的に80℃〜95℃である。重合途中で追加するスチレン系単量体の添加温度は、そのままの温度でもよく、昇温してもよい。最終的に得られるスチレン系発泡性樹脂粒子において残存するスチレン系単量体の量を少なくするという、工業的な製造効率からは、重合温度が90℃以上であることが好ましい。
昜揮発性発泡剤は、重合反応の完了前又は完了後にスチレン系樹脂粒子に含浸する。また、重合を完了した樹脂粒子として一度反応槽内より取り出し、所定の粒子径に分級した後、昜揮発性発泡剤を含浸させてもよい。
昜揮発性発泡剤としては、プロパン、イソブタン、ノルマルブタン、イソペンタン、ノルマルペンタン、シクロペンタン等の脂肪族炭化水素の中から選ばれる。また、発泡助剤として脂肪族炭化水素の他に、ノルマルヘキサン等の脂環式炭化水素や芳香族炭化水素を昜揮発性発泡剤と併用することもできる。
重合に際し、可塑剤、発泡セル造核剤、充填剤、滑剤等、スチレン系発泡性樹脂粒子を製造する際に用いられる添加剤を、必要に応じて適宜使用してもよい。
スチレン系発泡性樹脂粒子は、発泡剤の含浸が完了し、重合系内より排出され、さらに脱水乾燥した後、必要に応じて表面被覆剤を被覆してもよい。かかる被覆剤としては、従来公知であるスチレン系発泡性樹脂粒子に用いられるものが使用できる。例えば、ジンクステアレート、ステアリン酸トリグリセライド、ステアリン酸モノグリセライド、ひまし硬化油、アミド化合物、静電防止剤等である。
本発明の小粒径スチレン系発泡性樹脂粒子の平均粒径は、通常、0.2〜0.6mmであり、好ましくは0.25〜0.5/mmである。この粒径は、ヌードルカップやコーヒーカップ等の用途に用いられる成形品の大きさや肉厚に適する
ものである。平均粒径は、例えば難溶性無機塩等の分散剤の添加時間と量により調整可能であり、量が多いほど粒径が小さく添加時間が早いほど粒径が小さくなる傾向にある。
本発明の製造方法によれば、樹脂粒子の表面部分の分子量が、中心部分の分子量より高いスチレン系発泡性樹脂粒子が得られる。中心から表面までの分子量勾配は、徐々に一定の比率で高くなるのではなく、表面付近で急に高くなる。
さらに、本発明の製造方法によれば、重合反応の最後で、即ち、特に表面に近い部分で、分子量が低下しない。
本発明の製造方法により得られるスチレン系発泡性樹脂粒子では、分子量が表面付近で高くなりそのまま低下しないので、中心部分を低分子量に保ちながら、表面部分を高分子量にできる。一般に、中心部分が低分子量であると良好な発泡性が発揮でき、表面部分が高分子量であると耐熱性が向上する。従って、本発明の粒子では、発泡性と表面部の耐熱性を共に満足させることができる。その結果、良好な成形品外観と液漏れを防止することができる。例えば、良好な発泡性を保ち、成形加熱時のスチームに対する高い耐熱性を示すことから、従来のスチレン系樹脂粒子では表面部分が溶融低下するような成形時の加熱圧力や時間に対し裕度ができ、外観が向上し液漏れを防止する粒子間融着も向上する。
特に、本発明のスチレン系発泡性樹脂粒子は、樹脂粒子の表面から中心に向かって3等分した表面から1/3までを形成する表面部分を、さらに表面から中心に向かって4等分したときの表面から1/4〜4/4までを形成する部分において、重量平均分子量が表面に向かって低下しないことが好ましく、上昇することがより好ましい。
ここで、「表面から1/4〜4/4までを形成する部分」について、図面を用いて説明する。図1(a)に示すように、まず、樹脂粒子10を1/2に切り、次に、表面から中心に向かって3等分する。最も外側にある、表面から1/3までを形成する部分1を図1(b)に示すように4等分する。「表面から1/4〜4/4までを形成する部分」は、表面から、この4等分した各部分までである。
さらに、本発明は、樹脂粒子の表面から中心に向かって3等分した表面から1/3までを形成する表面部分の重量平均分子量が、中心から表面に向かって中心から1/3までを形成する中心部分の重量平均分子量より高く、表面部分のゲルパーミエーションクロマトグラフ法のチャートが二山又はショルダーを有することが好ましい。二山又はショルダーを有することは、分子量が急激に変化していることを意味する。ショルダーは、変曲点により形成される。本発明において、ゲルパーミエーションクロマトグラフ法によるチャートは、日立化成工業(株)社製のカラム、GL−R400M、を2本用いて測定する。尚、通常チャートの両すそにも変曲点が発生するが、本発明でいうショルダーにはこれらは含まれない(図2参照)。
ここで表面部分と中心部分について、図面を用いて説明する。図1(c)に示すように樹脂粒子10の表面から中心に向かって3等分する。最も外側にある、表面から1/3までを形成する部分11が、表面部分である。また、最も内側にある、中心から1/3までを形成する部分13が、中心部分である。
このような、スチレン系発泡性樹脂粒子は上記の本発明の製造方法により、製造できる。
本発明の小粒径スチレン系発泡ビーズは、スチレン系発泡性樹脂粒子を発泡して製造する。
また、本発明の発泡成形品は、この発泡ビーズを成形して製造する。
一般には、スチレン系発泡性樹脂粒子をスチーム等により加熱して所定の嵩密度まで予備発泡し、熟成工程を経て発泡ビーズを製造する。その後、発泡ビーズを成形金型に充填し再度加熱発泡成形して、発泡成形品を製造する。
本発明では、スチレン系発泡性樹脂粒子の発泡成形性を向上させることができる。また、スチレン系発泡性樹脂粒子から得られる成形品の外観を良好にすることができ、さらに液漏れを防止することができる。本発明の成形品は様々な用途に用いられ、特に、ヌードルカップ、コーヒーカップ等の食品容器に好適に使用できる。
実施例及び比較例における特性評価方法は以下の通りであった。
(1)重量平均分子量(分子量)
スチレン系発泡性樹脂粒子の分子量は、粒子を発泡させて測定した。
スチレン系発泡性樹脂粒子を飽和水蒸気中で嵩倍数45ml/gに発泡した。
「表面から1/4〜4/4までを形成する部分」の分子量を以下のようにして測定した。図1(a)に示すように、まず、樹脂粒子10を1/2に切り、次に、表面から中心に向かって3等分した。最も外側にある、表面から1/3までを形成する部分1を、さらに、図1(b)に示すように、顕微鏡の下で4等分に切断し、部分a,b,c,dを得た。部分a,b,c,dの分子量をそれぞれ測定した。部分aの分子量が、表面から1/4までを形成する部分の分子量、部分a,bの分子量の平均値が、表面から2/4を形成する部分の分子量、部分a,b,cの分子量の平均値が、表面から3/4を形成する部分の分子量、部分a,b,c,dの分子量の平均値が、表面から4/4を形成する部分の分子量である。
「中心から1/3までを形成する部分」及び「中心から2/3までを形成する部分」の分子量を以下のように測定した。図1(c)に示すように、粒子10を半分等間隔に3等分して、外側から部分11,12,13を形成した。内側の部分13(中心から1/3を形成する部分)については、この部分を3等分した中心を注射針で繰り抜いて取り出し、分子量を測定した。部分12(中心から2/3までを形成する部分)については、部分13と同じ中心を注射針で繰り抜いて取り出し、分子量を測定した。
尚、分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)法により、測定した。
また、図1(c)に示す表面側の部分11(表面部分)について、GPC法によるチャート(GPCチャート)を得た。そのとき、以下の装置及び条件で測定した。
測定装置: (株)日立製作所社製
溶離液 : テトラヒドロフラン(THF)
流量 : 2ml/分
検出器 : 220nm
カラム : 日立化成工業(株)社製 GL−R400M 2本
(2)発泡性
発泡性は、スチレン系発泡性樹脂粒子の揮発性成分量が5重量%のときの100℃沸騰水中で3分間発泡させた際の嵩密度(発泡度)を測定した。
(3)外観(ピンホール判定)
小粒径スチレン系発泡性樹脂粒子を、日立テクノプラント(株)社製のHBP−500L発泡機を用いて、嵩密度10ml/gに発泡させて小粒径発泡ビーズを得た。さらに、この小粒径発泡ビーズを、カップ用成形機を用い成形して、ヌードルカップ(95mm(上外径)×65mm(下外径)×105mm(高さ)×2.2mm(厚み))を製造した。このカップの側面表面部分のピンホール数を目視で判断し外観の評価数値とした(3cm角の範囲内の表面)。評価基準は以下の通りである。
◎:ピンホール5以内(印刷性良好)
○:ピンホール6〜10(印刷性普通)
△:ピンホール11以内(印刷性悪い)
(4)界面活性剤浸透試験
上記カップに、スコアロールコンク700(花王社製)の0.1%濃度水溶液を成形品に入れ、成形品外壁面に浸透し、漏れ始める時間を測定した。
実施例1
攪拌機付属の14リットルオートクレーブ中を窒素で置換した後、純水6000g、燐酸三カルシウム9g、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ0.3gを入れ200回転/分で攪拌しながら仕込んだ。続いてスチレン5400g、ベンゾイルパーオキサイド20.0g(Wet75%)、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネイト3.6g、エチレンビスアミド0.6gを攪拌しながら仕込んだ。
仕込み完了後、重合槽内を密閉し、ブロー用配管を開放した後、再度窒素置換を行った。このとき酸素濃度計を用い測定した酸素濃度は、0.5体積%であった。90℃まで昇温したのち、再度酸素濃度を測定したところ、0.8体積%であった。昇温完了後1時間後と1時間半後及び2時間半後に、燐酸三カルシウムをそれぞれ4.2g追加した。
引き続き90℃で3時間保温し、重合率95%まで進んだ時点で、燐酸三カルシウム6gとドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ0.2gを追加した。このときの反応槽内における酸素濃度を測定した結果、0.3体積%であった。このときの重合率は95%であった。その後、スチレン600gを100℃に昇温しながら3時間かけて連続的に滴下した。引き続き120℃まで昇温し6時間保温したのち、100℃まで温度を下げ、ペンタン(イソペンタン/ノルマルペンタン比=1/9)270gを1時間で含浸させ、さらに1時間かけてLPGガス90gを含浸させた。さらに5時間保温したのち、室温まで冷却しオートクレーブより取り出した。
取り出したスラリーを洗浄、脱水、乾燥と各工程を行ったのち、30メッシュ通過、50メッシュ残で分級した。ポリエチレングリコール(分子量400)0.04%、ジンクステアレート0.25%、ひまし硬化油0.05%を表面被覆しスチレン系発泡性樹脂粒子を得た。平均粒径は約0.42mmであった。
得られたスチレン系発泡性樹脂粒子を45ml/g発泡させて直径約1.2mmの粒子を得て、その分子量及び特性を測定した。結果を表1に示した。また、表面部分のGPC法によるチャート(GPCチャート)を図2(a)に示す。
比較例1
攪拌機付属の14リットルオートクレーブ中に、純水6000g、燐酸三カルシウム9g、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ0.3gを入れ200回転/分で攪拌しながら仕込んだ。
続いてスチレン6000g、ベンゾイルパーオキサイド19.2g(Wet75%)、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネイト3.6g、エチレンビスアミド0.6gを攪拌しながら仕込んだ。
仕込み完了後、重合槽内を密閉した。このとき酸素濃度計を用い測定した酸素濃度は、18.7体積%であった。90℃まで昇温したのち、ブロー用配管を開放して重合を進めた。昇温完了後1時間後と1時間半後及び2時間半後に、燐酸三カルシウムをそれぞれ4.2g追加した。
引き続き90℃で4時間保温した時点で再度燐酸三カルシウム6gとドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ0.2gを追加した。このときの酸素濃度は16.6体積%であった。その後、120℃に昇温し8時間保温し、100℃まで冷却し、発泡剤の含浸を行った。
発泡剤の含浸以降は実施例1と同様に行った。平均粒径は約0.42mmであった。
分子量及び特性を測定し、その結果を表1に示した。また、表面部分のGPC法によるチャート(GPCチャート)を図2(b)に示す。
Figure 0004832716
本発明では、スチレン系発泡性樹脂粒子の発泡成形性を向上させることができる。また、このスチレン系発泡性樹脂粒子から得られる成形品は外観が良好であり液漏れが防止できる。本発明の成形品は様々な用途に用いられるが、特に、ヌードルカップ、コーヒーカップ等の液体を収容する容器に好適に使用できる。
本発明の粒子の分子量の測定方法を説明するための図である。 実施例1及び比較例1のGPCチャートである。

Claims (5)

  1. 樹脂粒子の表面から中心に向かって3等分した表面から1/3までを形成する表面部分を、さらに表面から中心に向かって4等分に切断し、表面から順に部分a,b,c,dを得たとき、部分aの重量平均分子量Wa、部分bの重量平均分子量Wb、部分cの重量平均分子量Wc、部分dの重量平均分子量Wdが以下の関係を満たし、平均粒径が0.2〜0.6mmであることを特徴とする小粒径スチレン系発泡性樹脂粒子。
    (Wa+Wb+Wc+Wd)/4 < (Wa+Wb+Wc)/3 < (Wa+Wb)/2 < Wa
  2. 請求項1記載の小粒径スチレン系発泡性樹脂粒子を発泡させて得られることを特徴とする小粒径スチレン系発泡ビーズ。
  3. 請求項記載のスチレン系発泡ビーズを成形させて得られることを特徴とするスチレン系発泡成形品。
  4. 容器であることを特徴とする請求項記載のスチレン系発泡成形品。
  5. ヌードルカップであることを特徴とする請求項記載のスチレン系発泡成形品。
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