JP2018053181A - 発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法 - Google Patents

発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】残存スチレン量が少なく、分子量の低下を抑えられる発泡性スチレン系樹脂粒子を製造することであり、特に、フェニルアセチレンの含有量が多いスチレン系単量体を使用しても、残存スチレン量が少なく、分子量の低下を抑えられる発泡性スチレン系樹脂粒子製造する方法の提供。
【解決手段】2、2−ジ−(分岐アルキル−パーオキシ)ブタン化合物好ましくは2、2−ジ−(t−アミルパーオキシ)ブタンを重合開始剤として、0.25〜0.40重量部使用する発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法。フェニルアセチレン濃度が50ppm以上のスチレン単量体を重合し、得られた発泡性スチレン系樹脂粒子中の残存スチレン量が300ppm以下である発泡性ポリスチレン系粒子の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、残存スチレン量が少なく、分子量の低下が抑えられる発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法、予備発泡粒子の製造方法、および発泡成形体の製造方法に関するものである。
一般に、発泡性スチレン系樹脂粒子から得られる発泡成形体は、軽量性、断熱性、強度、衛生性に優れ、食品容器、緩衝材、断熱材などに広く利用されている。
近年では、環境問題が重要視され、プラスティック製品中に含まれる揮発性有機物を低減させる検討が数多く見受けられる。特に、シックハウス問題等から住宅関連資材等に使用される樹脂成形品に対しては種々の規制も設けられはじめており、部材を構成する原料樹脂中に存在する揮発性有機物を低減させることは非常に重要になって来ている。
また、スチレン単量体の製造過程で副産物として生成するフェニルアセチレンは、スチレンの重合において、重合阻害物質として働き、フェニルアセチレンが多いと、最終製品中の残存スチレン量が多くなる。少ない揮発性有機物が要求される部材には、残存スチレン量を低減させるために、低濃度のフェニルアセチレンであるスチレン単量体が原料として使用されている。
特許文献1では、t−ブチルパーオキシー2−エチルヘキシルモノカーボネートを使用することで、発泡性スチレン系樹脂粒子中の残存スチレン量が大幅に低下する製造方法が開示されている。しかし、フェニルアセチレン含有量の多いスチレンを使用すると、t−ブチルパーオキシー2−エチルヘキシルモノカーボネートは追加量を増やす必要がある。この場合、重合終了後に実施する110〜120℃の処理時に分子量の低下が大きく、最終製品の分子量が低くなる傾向にあった。その結果、耐熱性や強度が悪化するという問題があった。
特許文献2では、1,1−ビス(t−アミルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン等のケタール構造を有する開始剤と10時間半減期温度が100℃以上110℃以下であるt-ブチルパーベンゾエート、2、2−ジー(t−アミルパーオキシ)ブタンなどの開始剤を併用することによって、発泡性スチレン系樹脂粒子中の残存スチレン量を大幅に減少させる製造方法が開示されている。しかし、開示されている組み合わせと使用量では、フェニルアセチレン量が50ppm以上存在するスチレン単量体を用いた場合、、残存スチレン量を十分に低下しにくいといった問題がある。
特開2015−117282号公報 特開2006−206830号公報
本発明の目的は、残存スチレン量が少なく、分子量の低下を抑えられる発泡性スチレン系樹脂粒子を製造することであり、特に、フェニルアセチレンの含有量が多いスチレン系単量体を使用しても、残存スチレン量が少なく、分子量の低下を抑えられる発泡性スチレン系樹脂粒子を製造することである。
本発明者らは、鋭意検討の結果、特定の重合開始剤を特定量使用することで残存スチレン量を少なくでき、かつ分子量の低下を抑えられる発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を得ることがが出来ることを見出し本発明の完成に至った。すなわち、本発明は、以下のとおりである。
[1]一般式(1)に示される化合物を重合開始剤として、0.25重量部以上0.40重量部以下使用することを特徴とする発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法。
Figure 2018053181
(式中のR1、R2は、分岐アルキル基を表す。)
[2]一般式(1)に示される化合物が2、2−ジ-(t−アミルパーオキシ)ブタンであることを特徴とする[1]に記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法。
[3]フェニルアセチレン濃度が50ppm以上のスチレン単量体を重合することによって得られる発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法であって、得られた発泡性スチレン系樹脂粒子中の残存スチレン量が300ppm以下であることを特徴とする[1]又は[2]に記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法。
[4]115℃〜120℃、3時間〜6時間の熱処理工程を含むことを特徴とする[1]〜[3]のいずれかに記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法。
[5]スチレン系単量体100重量部に対して、臭素化ポリマーを0.5重量部以上2.0重量部以下含むことを特徴とする[1]〜[4]のいずれかに記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法。
[6]スチレン系単量体100重量部に対して、2,2−ビス[4−(2,3−ジブロモ−2−メチルプロピルオキシ)−3,5−ジブロモフェニル]プロパンを0.5重量部以上2.0重量部以下含むことを特徴とする[1]〜[5]のいずれかに記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法。
[7][1]〜[6]のいずれかに記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法によって得られる発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を予備発泡してなることを特徴とする予備発泡粒子の製造方法。
[8][7]に記載の予備発泡粒子の製造方法により得られる予備発泡粒子を型内成形してなることを特徴とする発泡成形体の製造方法。
本発明によれば、残存スチレン量を少なくでき、かつ分子量の低下が抑えられる発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法を提供することができる。特に、フェニルアセチレンの含有量が多いスチレン系単量体を使用しても、残存スチレン量が少なく、分子量の低下を抑えられる。
以下,本発明の実施の形態をより詳細に説明する。
本発明は、一般式(1)に示される化合物を重合開始剤として、0.25重量部以上0.40重量部以下使用することを特徴とする発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法である。
Figure 2018053181
(式中のR1、R2は、分岐アルキル基を表す。)
本発明に用いるスチレン系単量体としては、スチレン、及び、α−メチルスチレン、パラメチルスチレン、t−ブチルスチレン、クロルスチレンなどのスチレン系誘導体が挙げられ、さらにスチレンと共重合が可能な成分、例えばメチルアクリレート、ブチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、セチルメタクリレートなどのアクリル酸及びメタクリル酸のエステル、あるいはアクリロニトリル、ジメチルフマレート、エチルフマレートなどの各種単量体、ジビニルベンゼン、アルキレングリコールジメタクリレートなどの2官能性単量体も包含する。これら共重合が可能な成分を1種又は2種以上使用し共重合に供しても良い。
スチレン単量体の製造過程で副生産物として生成するフェニルアセチレンは、重合阻害物質として働き、フェニルアセチレン量が50ppm以上含有すると、最終製品の発泡性スチレン系樹脂粒子中の残存スチレン量が高くなる傾向がある。一方、フェニルアセチレン量が50ppm未満では、最終製品の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の残存スチレン量が少なくなるが、フェニルアセチレンを除去する工程が必要となり、スチレン単量体自体のコストが高くなる。フェニルアセチレン量の上限は、汎用と呼ばれるスチレンで、400ppmである。
本発明は、フェニルアセチレン濃度が50ppm以上のスチレン単量体を重合することによって得られる発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法であって、得られた発泡性スチレン系樹脂粒子中の残存スチレン量が300ppm以下であることが好ましい。
本発明で使用する分散剤としては、一般的に懸濁重合に用いられている分散剤、例えば、燐酸カルシウム、ハイドロキシアパタイト、ピロリン酸マグネシウムなどの難水溶性無機塩が挙げられる。これら、難水溶性無機塩を用いる場合には、α−オレフィンスルフォン酸ソーダ、ドデシルベンゼンスルフォン酸ソーダなどのアニオン性界面活性剤を併用すると、分散安定性が増すので効果的である。また、難溶性無機塩は得られる発泡性スチレン系樹脂粒子の粒子径を調節するために、重合中に1回以上追加することもある。
本発明で使用する重合開始剤は、一般式(1)で示される化合物であり、R1、R2は共にt−ブチル基、t−アミル基、t−ヘキシル基、t−ペンチル基であり、具体的には、2、2-ジ-(t-ブチルパーオキシ)ブタン、2,2-ジ-(t−アミルパーオキシ)ブタン、2、2-ジ-(t-ヘキシルパーオキシ)ブタン、2、2-ジ-(t−ペンチルパーオキシ)ブタン等があげられる。
Figure 2018053181
(式中のR1、R2は、分岐アルキル基を表す。)
一般式(1)のR1構造がt−アミル基であり、R2構造がt−アミル基であることが、残存スチレン量低減及び分子量低下を抑制できる点で好ましい。
特に、一般式(1)の化合物の中で、2、2-ジ-(t−アミルパーオキシ)ブタンが、最終製品である発泡スチレン系樹脂粒子の残存スチレン量を低減できること、及び熱処理中の分子量低下を抑制できるため好ましい。
前記一般式(1)に示す化合物の使用量は、スチレン系単量体の総量100重量部に対して、0.25重量部以上0.40重量部以下である。一般式(1)に示す化合物の使用量が、当該範囲内であると、適度な分子量の樹脂が得られ、かつ、残存スチレン量を低減させることが出来る。0.25重量部未満では、残存スチレン量が多くなる。0.40重量部を超える場合、重合中のラジカル発生量が多くなり
重合反応が早くなるため制御が困難になる。その結果、異常重合になる可能性が非常に高くなる。
本発明においては、前記一般式(1)については10時間半減期温度が95℃以上110℃以下である事が好ましい。この範囲であれば重合中の開裂量を極力抑制し、熱処理工程中に効率よく残存スチレン量を減少させる事ができる。10時間半減期温度が95℃未満の場合、重合中の開裂量が増加し、樹脂の分子量を低下させるため好ましくない。この問題の解決方法として、重合温度を下げることも可能であるが、その場合重合時間が延びるため、工業生産上好ましくない。また、逆に10時間半減期温度が110℃を超える場合、熱処理中に開裂する開始剤の量が不足し、十分に残存スチレン量を減少させることができない。
一般式(1)の化合物を使用する場合は、好ましくは115℃以上120℃以下で発泡剤含浸を含む熱処理工程を一定時間実施する。
熱処理工程の温度は115℃以上120℃以下の場合、特に、前記一般式(1)の10時間半減期温度が95℃以上110℃以下である化合物を使用する為、効率よく、スチレン単量体を消費できる。しかし、115℃未満の場合、一般式(1)の化合物のラジカル発生が少なくなり、スチレン単量体の消費が悪化する。また、120℃を超えると、重合機の内圧が高くなり、重装備の耐圧を有する重合機が必要となる。
熱処理工程の時間は3時間〜6時間が好ましい。この範囲であれば、効率よく、スチレン系単量体を低減できる。しかし、加熱時間が2時間未満の場合、一般式(1)の化合物のラジカル発生が少なくなり、残存スチレン量が高くなる傾向にある。加熱時間が6時間を超える場合は、残存スチレン量が十分に低減できるが、生産効率が悪化するため好ましくない。
本発明においては、熱処理工程での重量平均分子量の低下が2万以下であることが好ましい。熱処理工程での重量平均分子量の低下が2万を超える場合は、耐熱性や強度が悪化傾向にある。
重量平均分子量の低下を2万以下とするためには一般式(1)に示される化合物が好ましく、更にR1、R2は炭素数5以上の分岐アルキル基がより好ましい。炭素数が5以上の分岐アルキル基の場合、β脱離が起こり易くなるためアルキルラジカルが発生する。このアルキルラジカルは水素引き抜き力が弱いためポリマー分解が起こりくく、重量平均分子量の低下が小さくなる傾向にある。炭素数が5未満の場合は、例えばR1、R2がt−ブタン基である時はβ脱離が起こりにくいためt−ブトキシラジカルが発生しやすい。このラジカルは水素引き抜き力が強いためポリマー分解が起こり易く、重量平均分子量の低下が大きくなる傾向にある。
Figure 2018053181
(式中のR1、R2は、分岐アルキル基を表す。)
発泡性スチレン系樹脂粒子の製造において、一般的には、主に樹脂を形成するための開始剤と主に残存スチレン量を低下させるための開始剤を併用させることが通常行われている。そして、これらの開始剤の選定は重合温度、重合時間、および必要とする樹脂の分子量を勘案して適宜決められる。よって、本発明においても、一般式(1)に示される化合物に、一般に用いられる他の重合開始剤を1種或いは2種以上併用することにより、重合温度、重合時間、樹脂の分子量等の選択幅をより広げた上で、残存スチレン量を低減した良好な製品を得ることができるので、併用することは極めて好ましい実施態様である。ここに、一般に用いられる他の重合開始剤としては、過酸化ベンゾイル、t−ブチルパーオキシベンゾエート、イソプロピル−t−ブチルパーオキシカーボネート、過安息香酸ブチルのような有機化酸化物やアゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物などが例示される。
得られた本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子は、残存スチレン系単量体量が300ppm以下であることが好ましく、より好ましくは250pm以下である。下限は、実用的には0ppmになり難いので敢えて表示するなら1ppm以上である。
本発明の重量平均分子量は25万〜35万であることが好ましい。より好ましくは27万〜33万である。25万未満では、強度、耐熱性が悪化する傾向にある。35万以上の場合は、耐熱性は良好であるが、融着性が悪化する傾向にある。
本発明において使用する発泡剤としては、プロパン、イソブタン、ノルマルブタン、イソペンタン、ノルマルペンタン、ネオペンタンなど炭素数3以上5以下の炭化水素等の脂肪族炭化水素類、およびジフルオロエタン、テトラフルオロエタンなどのオゾン破壊係数がゼロであるフッ化炭化水素類などの揮発性発泡剤が挙げられる。また、これらの発泡剤を併用することもできる。使用量としてはスチレン系樹脂粒子100重量部に対して、好ましくは3重量部以上12重量部以下、更に好ましくは5重量部以上9重量部以下である。3重量部より少ないと、予備発泡時間が長くなるとともに成形時の融着率が低下する傾向を有するため好ましくなく、12重量部を越えると、予備発泡速度がはやくなり、倍率バラツキが大きくなる。
本発明で用いる難燃剤は、ポリグリセリンジブロモプロピルエーテル、テトラブロモビスフェノールA、テトラブロモビスフェノール−A−ビス(2,3−ジブロモ−2−メチルプロピルエーテル)、2,2−ビス[4−(2,3−ジブロモ−2−メチルプロピルオキシ)−3,5−ジブロモフェニル]プロパン等々の低分子化合物や臭素化スチレン、臭素化ブタジエン・ビニル芳香族共重合体、臭素化ノボラック樹脂アリルエーテル、臭素化ポリ(1,3?シクロアルカジエン)及び臭素化ポリ(4?ビニルフェノールアリルエーテル)等の臭素化ポリマーがあげられる。
その中でも、臭素化ポリマーや2,2−ビス[4−(2,3−ジブロモ−2−メチルプロピルオキシ)−3,5−ジブロモフェニル]プロパンは難燃性を得やすいことから好ましい。臭素化ポリマーの中では、臭素化ブタジエン・ビニル芳香族共重合体が高い難燃性を得やすいことから特に好ましい。
難燃剤の使用部数は、0.5重量部以上2.0重量部以下が好ましい。0.5重量部未満であると充分な難燃性能が得られない。また、2.0重量部を超えると得られる発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の成形加工性、成形体物性の悪化を引き起こすため好ましくなく、スチレン重合時の安定性を悪化傾向にある。
本発明において使用する添加剤としては、目的に応じて可塑剤、気泡調整剤、難燃剤、難燃助剤等が使用できる。可塑剤としては、例えば、ステアリン酸トリグリセライド、パルミチン酸トリグリセライド、ラウリン酸トリグリセライド、ステアリン酸ジグリセライド、ステアリン酸モノグリセライド等の脂肪酸グリセライド、ヤシ油、パーム油、パーム核油等の植物油、ジオクチルアジペート、ジブチルセバケート等の脂肪族エステル、流動パラフィン、シクロヘキサン等の有機炭化水素等があげられ、これらは併用しても何ら差し支えない。気泡調整剤としては、例えば、メチレンビスステアリン酸アマイド、エチレンビスステアリン酸アマイド等の脂肪族ビスアマイド、ポリエチレンワックス等が挙げられる。難燃剤としては、臭素化スチレン、臭素化ブタジエン・ビニル芳香族共重合体、臭素化ノボラック樹脂アリルエーテル、臭素化ポリ(1,3?シクロアルカジエン)及び臭素化ポリ(4?ビニルフェノールアリルエーテル)などの臭素化ポリマーやポリグリセリンジブロモプロピルエーテル、テトラブロモビスフェノールA、テトラブロモビスフェノール−A−ビス(2,3−ジブロモ−2−メチルプロピルエーテル)等々の低分子化合物が上げられる。難燃助剤としては、例えば、クメンパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、2,3−ジメチルー2,3−ジフェニルブタン等の高温分解型の有機物があげられる。
本発明においては、成形時に融着促進効果のあるステアリン酸アミド等の高級脂肪酸アミド、硬化ひまし油、硬化大豆油等の高級脂肪酸グリセライド、予備発泡時の集塊化防止効果のあるステアリン酸亜鉛等の脂肪酸金属塩を使用することができる。これらの添加剤は、発泡性スチレン系樹脂粒子とともにヘンシェルミキサー、スーパーミキサー、ユニバーサルミキサーなどの混合機内で一定時間混合することにより、発泡性スチレン系樹脂粒子表面に被覆または付着させることができる。さらに、帯電防止剤として一般に使用されるグリセリン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、脂肪酸モノグリセライド、アルキルスルフォン酸ナトリウム、などの1種または2種以上の併用も可能である。
本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子は、公知の方法で発泡させて、ポリスチレン系樹脂発泡成形体を得ることが出来る。例えば、一旦予備発泡粒子を作製し、その後型に該予備発泡粒子を充填し成形する方法や、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を直接型に充填し発泡成型する方法等が挙げられる。発泡成形体の製造方法の例としては下記のような方法が挙げられる。本発明の発泡性スチレン系樹脂粒子を回転攪拌式予備発泡装置で、水蒸気を用いて80〜110℃程度で加熱することにより、嵩倍率が30〜100ml/g程度の予備発泡粒を得、得られた予備発泡粒子を所望の形状の金型内に充填し、水蒸気などを用いて100〜145℃程度で加熱することによりポリスチレン系樹脂発泡成形体とすることができる。 このようにして得られた、本発明のポリスチレン系樹脂発泡成形体は、残存スチレン系単量体量も少ないものが得られる。 ポリスチレン系樹脂発泡成形体は、生鮮物の保管用容器をはじめ、建築や土木用の断熱資材、自動車用の緩衝資材として、幅広く使用される。
以下に実施例、及び比較例を挙げるが、本発明はこれによって限定されるものではない。なお、実施例、及び比較例中の樹脂の分子量、及び樹脂中の残存スチレン量、スチレン単量体中のフェニルアセチレン量、難燃性の評価については以下の方法で測定した。なお、「部」「%」は特に断りのない限り重量基準である。
(分子量測定法)
発泡性スチレン系樹脂粒子をテトラヒドロフランに溶解し、GPC(東ソー(株)製HLC−8020、カラム:TSKgel Super HZM−H、カラム温度:40℃、流速:0.35ml/1min.)にて測定した。
(残存スチレン測定法)
発泡性スチレン系樹脂粒子を塩化メチレン(内部標準シクロペンタノール)に溶解し、(株)島津製作所製ガスクロマトグラフィーGC−2014(キャピラリーカラム:GLサイエンス製Rtx−1、カラム温度条件:50→80℃(3℃/min)後、80→180℃昇温(10℃/min)、キャリアガス:ヘリウム)を用いて、発泡性スチレン系樹脂粒子中に含まれる残存スチレン量(ppm)を定量した。
(スチレン単量体中のフェニルアセチレン測定法)
フェニルアセチレン量0ppmのスチレンを用いて、フェニルアセチレン量とシクロペンタノール量の比から導いたフェニルアセチレン量の検量線を作成した。
スチレンに、内部標準シクロペンタノールを溶解し、(株)島津製作所製ガスクロマトグラフィーGC−2014(キャピラリーカラム:GLサイエンス製Rtx−1、カラム温度条件:50→70℃(3℃/min)へ昇温し、70℃で30分保持後。70→170℃(10℃/min)へ昇温、キャリアガス:ヘリウム)を用いて、スチレン中のフェニルアセチレン量(ppm)を定量した。
(実施例1)
スチレン中のフェニルアセチレン量を測定し、100ppmになるように、フェニルアセチレン量を調整した。
撹拌機付き6Lオートクレーブに水96重量部、第3リン酸カルシウム0.16重量部、α−オレインスルフォン酸ソーダ0.003重量部、臭素化ブタジエン・スチレン共重合体(ケムチュラ社製「EMERALD 3000」 臭素含有量64%)1部、過酸化ベンゾイル0.08重量部、2、2-ジ-(t−アミルパーオキシ)ブタン(化薬アクゾ社製 カヤケタールAM−C55)0.25重量部、難燃助剤としてジクミルパーオキサイド0.2部、添加剤として、やし油1.0部を仕込んだ後、フェニルアセチレン量を100ppmに調整したスチレン100重量部を仕込み、昇温し、98℃で5時間重合を行った。ノルマルリッチブタン(ノルマル/イソ=70/30)を8部仕込み、117℃へ昇温し、4時間発泡剤含浸重合をおこなった(熱処理工程)。その後、40℃まで冷却し、発泡性スチレン系樹脂粒子を取り出し、乾燥した。
得られた発泡性スチレン系樹脂粒子の分子量をGPCで測定すると33万、残存スチレン量をガスクロマトグラフィーにて測定すると280ppmであった。
(実施例2)
臭素化ブタジエン・スチレン共重合体(ケムチュラ社製「EMERALD 3000」 臭素含有量64%)を、2,2−ビス[4−(2,3−ジブロモ−2−メチルプロピルオキシ)−3,5−ジブロモフェニル]プロパン(第一工業製薬製,商品名「ピロガードSR130」)に変更した以外は、実施例1と同様に行った。得られた結果を表1に示す。
(実施例3)
2、2-ジ-(t−アミルパーオキシ)ブタンの添加部数0.25重量部から0.3重量部に変更した以外が、実施例1と同様に行った。得られた結果を表1に示す。
(実施例4)
スチレン中のフェニルアセチレン濃度を150ppmに変更し、2、2−ジ-(t−アミルパーオキシ)ブタンの添加部数0.25重量部から0.3重量部に変更した以外は、実施例1と同様に行った。得られた結果を表1に示す。
(比較例1)
2、2-ジ-(t−アミルパーオキシ)ブタンからt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネートへ変更し、添加部数を0.52重量部とした以外は実施例1と同様に行った。得られた結果は表1に示す。
(比較例2)
2、2-ジ-(t−アミルパーオキシ)ブタンからt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネートへ変更し、添加部数を0.40重量部とした以外は実施例1と同様に行った。得られた結果は表1に示す。
(比較例3)
2、2-ジ-(t−アミルパーオキシ)ブタンからt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネートへ変更し、添加部数を0.25重量部とした以外は実施例1と同様に行った。得られた結果は表1に示す。
(比較例4)
2、2-ジ-(t−アミルパーオキシ)ブタンからt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネートの添加部数を0.52重量部から0.40重量部に変更し、臭素化ブタジエン・スチレン共重合体(ケムチュラ社製「EMERALD 3000」 臭素含有量64%)を、2,2−ビス[4−(2,3−ジブロモ−2−メチルプロピルオキシ)−3,5−ジブロモフェニル]プロパン(第一工業製薬製,商品名「ピロガードSR130」)に変更した以外は、比較例1と同様に行った。得られた結果は表1に示す。
(比較例5)
2、2-ジ-(t−アミルパーオキシ)ブタンの添加部数を0.25重量部から0.20重量部に変更した以外は実施例1と同様に行った。得られた結果は表1に示す。
(比較例6)
2、2-ジ-(t−アミルパーオキシ)ブタンの添加部数を0.25重量部から0.45重量部に変更した以外は実施例1と同様に行った。得られた結果は表1に示す。
(比較例7)
2、2-ジ-(t−アミルパーオキシ)ブタン単独から1、1−ビス(t−アミルパーオキシ)-3、3、5−シクロヘキサンと2、2-ジ-(t−アミルパーオキシ)ブタンの併用系に変更し、各々の添加部数を0.12重量部、0.07重量部にした以外は実施例1と同様に行った。得られた結果は表1に示す。
Figure 2018053181

Claims (8)

  1. 一般式(1)に示される化合物を重合開始剤として、0.25重量部以上0.40重量部以下使用することを特徴とする発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法。
    Figure 2018053181
    (式中のR1、R2は、分岐アルキル基を表す。)
  2. 一般式(1)に示される化合物が2、2-ジ-(t−アミルパーオキシ)ブタンであることを特徴とする請求項1に記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法。
  3. フェニルアセチレン濃度が50ppm以上のスチレン単量体を重合することによって得られる発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法であって、得られた発泡性スチレン系樹脂粒子中の残存スチレン量が300ppm以下であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法。
  4. 115℃〜120℃、3時間〜6時間の熱処理工程を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法。
  5. スチレン系単量体100重量部に対して、臭素化ポリマーを0.5重量部以上2.0重量部以下含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法。
  6. スチレン系単量体100重量部に対して、2,2−ビス[4−(2,3−ジブロモ−2−メチルプロピルオキシ)−3,5−ジブロモフェニル]プロパンを0.5重量部以上2.0重量部以下含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法によって得られる発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を予備発泡してなることを特徴とする予備発泡粒子の製造方法。
  8. 請求項7に記載の予備発泡粒子の製造方法により得られる予備発泡粒子を型内成形してなることを特徴とする発泡成形体の製造方法。
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