JP6218602B2 - 発泡性ポリスチレン系樹脂粒子および発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法 - Google Patents
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Description
特に、ポリスチレン系樹脂発泡成形体を、使用時に振動を伴うような自動車用発泡部材に適用する場合、あるいは、温度変化による線膨張による擦れが発生する貯湯タンクや浴室・浴槽の保温材に用いる場合は、高級感を損なう擦れ音が問題となっている。
しかしながら、この方法では、ワックスにより予備発泡粒子の表面の気泡膜が侵食され、表面付近の気泡膜が破れ易くなる。その結果、予備発泡時の発泡力が弱まる為、30倍より高い発泡倍率の予備発泡粒子を得るのが困難であった。また、予備発泡粒子の型内成形時の発泡力も弱まる為、発泡粒子同士の融着性が低下しやすくなり、粒子間に間隙が目立ち外観が悪くなるといった課題があった。特に融着性の低下は、発泡粒子成形体の曲げ強さ等の機械的物性の低下という物性上の不具合の原因となる。
ところが、この方法では、ワックスおよび流動点−10℃以下の鉱物性油を水性分散媒体に分散させる作業に加えて、成形後に発泡成形体に塗布する工程と乾燥工程が必要である為、大きなコストアップ要因となる。
しかしながら、該エステル化合物では、十分な擦れ音防止性能を発揮できなかった。また、該エステル化合物はモノエステルであり、多価アルコール構造としてもグリセリンに限定されており、グリセリン構造以外は擦れ音防止性能が発揮されないという欠点があった。
しかしながら、この方法は、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子100重量部に対して、被覆剤の総量が1重量部未満に限定されており、擦れ音防止性能が発現しないという課題がある。また、繰返回数も2回に限定されている。
また、常温で液体の多価アルコール誘導体および粉末状の多価アルコール誘導体の総被覆量を多くする場合、被覆剤ロスが多い、ブレンド中の槽内の流動が悪く、被覆剤と発泡性ポリスチレン系樹脂が混ざりにくい、更にブレンド回数が多くなるとブレンダー本体への負荷が増して故障に繋がる、等の課題があることが明らかとなった為、所定量の常温で液体の多価アルコール誘導体および所定量の粉末状の多価アルコール誘導体の添加順序を工夫し、さらに、それぞれの所定量を分割して、繰り返し被覆することにより、被覆剤ロスを減少させ、ブレンド中のスーパーミキサー槽内の流動が良くなり、更にスーパーミキサー本体への負荷を低減できることを見出した。
[1]常温で液体の多価アルコール誘導体と粉末状の多価アルコール誘導体が被覆されてなる発泡性ポリスチレン系樹脂粒子であって、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子100重量%に対して、被覆量が常温で液体の多価アルコール誘導体1.0〜3.0重量%であり、粉末状の多価アルコール誘導体5.5〜10重量%であることを特徴とする、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子。
[2] 常温で液体の多価アルコール誘導体が、多価アルコールのプロピレンオキシド付加重合体であることを特徴とする、[1]の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子。
[3] 多価アルコールのプロピレンオキシド付加重合体が、ポリオキシプロピレングリセリルエーテル、ポリオキシプロピレンソルビットから選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする、[2]に記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子。
[4] 粉末状の多価アルコール誘導体が、多価アルコールの脂肪酸エステルであることを特徴とする、[1]〜[3]のいずれかに記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子。
[5] 前記多価アルコールの脂肪酸エステルが、ペンタエリスリトールテトラステアレートであることを特徴とする、[4]に記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子。
[6] [1]〜[5]のいずれかに記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を、予備発泡させてポリスチレン系樹脂発泡粒子とし、該ポリスチレン系樹脂発泡粒子を型内発泡成形して得られることを特徴とする、ポリスチレン系樹脂発泡成形体。
[7〕 [6]のポリスチレン系樹脂発泡成形体上に750gの荷重を掛けた状態で、軟質塩化ビニールシート上で、幅50mmの区間を往復させた際、20秒間擦れ音が発生しないことを特徴とする、ポリスチレン系発泡成形体。
[8] 混合装置を用いて、常温で液体の多価アルコール誘導体を被覆させた後、粉末状の多価アルコール誘導体を被覆する工程を繰り返すことを特徴とする、[1]〜[7]のいずれかに記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法。
[9] 被覆工程の繰返回数が3〜8回であることを特徴とする、[8]記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法。
また、本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法は、多量の被覆剤を添加する場合にも、被覆剤ロスを減少させ、ブレンド中の槽内の流動性を良くし、更にブレンダー本体への負荷を低減することができる。
これらの中でも、少量添加で擦れ音防止効果が発現する点で、多価アルコールのプロピレンオキシド付加重合体が好ましい。
常温で液体の多価アルコール誘導体の被覆量が1.0重量%未満では、得られる発泡成形体の擦れ音防止効果が小さくなる傾向があり、3.0重量%超では、得られた発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の流動性が悪化する傾向がある。
これらの中でも、少量添加で擦れ音防止効果が発現する点で、多価アルコールの4置換型脂肪酸エステルが好ましい。特に、ペンタエリスリトールテトラステアレートが、擦れ音防止効果が高い点で、好ましい。
粉体の多価アルコール誘導体の被覆量が5.5重量%未満では、得られる発泡成形体の擦れ音防止効果が小さくなる傾向があり、10重量%超では、得られる発泡成形体の美観性、融着性が悪化する傾向がある。
(1)1、1、2、2−テトラクロロエタン(内部標準物質)0.005gを重クロロホルム5gに加え、内部標準物質含有の重クロロホルム溶液を作製する。
(2)標品として、常温で液体の多価アルコール誘導体純品0.01g、粉末状の多価アルコール誘導体純品0.01gそれぞれに、内部標準物質含有の重クロロホルム溶液1gを加えて、溶解させる。
試料[常温で液体の多価アルコール誘導体と粉末状の多価アルコール誘導体の被覆量が分からない発泡性ポリスチレン系樹脂粒子0.01g]にも、内部標準物質含有の重クロロホルム溶液1gを加えて、溶解させる。
(3)それぞれの重クロロホルム溶液に対して、H−NMR[VARIAN社製、INOVA AS600]を用いて、H−NMR測定を行う。
(4)得られたH−NMRスペクトルにおいて、内部標準物質由来ピーク(5.9ppm)の積分値を10として、多価アルコールのアルキレンオキシド付加重合体の由来ピーク(3〜3.8ppm)、多価アルコールの脂肪酸エステルの由来ピーク(4.1ppm)の積分値を求める。
ただし、試料中の3〜3.8ppmのピークには、多価アルコールの脂肪酸エステル由来ピークも含まれる為、多価アルコールのアルキレンオキシド付加重合体の積分値は、3〜3.8ppmのピーク積分値から多価アルコールの脂肪酸エステル由来ピークの積分値を引いた値とした。
(5)次式より、ポリスチレン系樹脂発泡成形体中の目的成分の重量%を求めた。
目的成分の重量%=(試料中の目的成分の積分値×目的成分の標品の重量×試料測定時の内部標準物質量)÷(目的成分の標品の積分値×標品測定時の内部標準物質量×試料の重量)×100。
(a)混合機器を用いて、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子に、常温で液体の多価アルコール誘導体および粉末状の多価アルコールを同時に添加する方法;
(b)混合機器を用いて、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子に、常温で液体の多価アルコール誘導体を添加して被覆した後、粉体状の多価アルコール誘導体を添加して被覆する方法;
(c)混合機器を用いて、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子に、粉体状の多価アルコール誘導体を添加して被覆した後、常温で液体の多価アルコール誘導体を添加して被覆する方法、等が挙げられる。
これらの方法のうち、(b)の方法が、常温で液体の多価アルコール誘導体および粉末状の多価アルコール誘導体を発泡性ポリスチレン系樹脂粒子に効率的に被覆できる点で、好ましい。
常温で液体の多価アルコール誘導体の添加量が1.0重量部未満では、十分な擦れ音防止効果が発現しにくい傾向があり、3.0重量部を超えると、ブレンド中の槽内の流動性が悪化する。
粉末状の多価アルコール誘導体の使用量が5.5重量部未満では槽内の流動が悪化し、十分な擦れ音防止性能が発現しない傾向があり、10重量部を超えると、美麗性、融着性が悪化する場合がある。
(1)予め所定量に分割した粉末状の多価アルコール誘導体を被覆した後に、予め所定量に分割した常温で液体の多価アルコール誘導体を被覆する工程を繰り返す方法、
(2)予め所定量に分割した常温で液体の多価アルコール誘導体を被覆した後に、予め所定量に分割した粉末状の多価アルコール誘導体を被覆する工程を所定回数繰り返す方法、
(3)常温で液体の多価アルコール誘導体を被覆した後に、予め所定量に分割した粉末状の多価アルコールを少しずつ被覆させ、最後に、残りの液体の多価アルコール誘導体を被覆させる方法、
(4)粉末状の多価アルコール誘導体を被覆した後に、予め所定量に分割した液体の多価アルコール誘導体を少しずつ被覆させ、最後に残りの粉末状の多価アルコール誘導体を被覆させる方法、
などが挙げられる。
特に、(2)の方法が、液体の多価アルコール誘導体および粉末状の多価アルコールを発泡性ポリスチレン系樹脂粒子に効率的に被覆できる点で、好ましい。
繰返回数が3回未満の場合には、スーパーミキサー等の混合機器への負荷が大きく、設備の故障に繋がる恐れがある。繰返回数が9回以上の場合には、ブレンド時のせん断発熱により、樹脂温度が粉末状の多価アルコール誘導体の融点以上に上昇し、粉末状の多価アルコール誘導体が溶融する為、槽内の流動が極端に悪化する傾向がある。
初期に多量に添加した後、少量ずつ添加していく方法;
均等に添加していく方法;
少量ずつ添加していき、最後に多量に添加する方法;等が挙げられる。
これら分割方法のうちでも、均等に添加していく方法が、ブレンド時の槽内の流動性が良くなる点で好ましい。
初期に多量に添加した後、少量ずつ添加していく方法;
均等に添加していく方法;
少量ずつ添加していき、最後に多量に添加する方法;等が挙げられる。
これら分割方法のうちでも、均等に添加していく方法が、ブレンド時の槽内の流動性が良くなる点で好ましい。
アクリロニトリルの使用量が10重量%未満の場合は、耐油性発現効果が小さくなる傾向にあり、50重量%を超えると、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子に残存するアクリロニトリル量を減少させにくい傾向がある。
ポリスチレン系樹脂粒子の重量平均分子量が15万より小さいと、得られる発泡成形体の強度が小さくなる傾向があり、重量平均分子量が45万より大きいと、予備発泡時に高発泡倍率とする為に要する時間が長くなる傾向にある。
シクロヘキサン、シクロペンタン、シクロブタン等の脂環族炭化水素;
トリフロロモノクロロエタン、ジフロロジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素等の沸点が80℃以下の揮発性発泡剤;等があげられる。これらの発泡剤は、単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いも良い。
発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の発泡剤含有量が4重量%未満では、十分な発泡性が得られない場合があり、10重量%を越えると発泡時の収縮、成形時の収縮・変形が大きくなる場合がある。成形時の収縮・変形を少なくするには、発泡剤としてブタンを用いるのが好ましい。
これらの添加剤の添加方法としては、スチレン系樹脂粒子の重合時に添加することができる。
ヘキサブロモシクロドデカン、テトラブロモブタン、ヘキサブロモシクロヘキサン等のハロゲン化脂肪族炭化水素系化合物;
テトラブロモビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールF、2,4,6−トリブロモフェノール等の臭素化フェノール類;
テトラブロモビスフェノールA−ビス(2,3−ジブロモプロピルエーテル)、テトラブロモビスフェノールA−ビス(2,3−ジブロモ−2−メチルプロピルエーテル)、テトラブロモビスフェノールA−ジグリシジルエーテル、2,2−ビス[4'(2”,3”−ジブロモアルコキシ)−3',5'−ジブロモフェニル]−プロパン、臭素化ポリスチレン等の臭素化フェノール誘導体が挙げられる。これら難燃剤は、単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
難燃剤の添加量が0.1重量部未満では、充分な難燃性能が得られない場合があり、10重量部を超えると、懸濁重合時の安定性が悪くなる場合がある。
例えば、スチレン系樹脂粒子の重合時に、重合開始剤量を調整する、高温処理を行う、高温処理時間を長くする、等の方法により、揮発性物質を低減することが可能である。
自動車が衝突した際に、運転席および助手席の乗員の足を保護する為に、足元とエンジンルームの間に装着される下肢部保護材;
自動車のピラーやドアの内部に装着される頭部保護材や側突パット;
バンパー内部に装着されるバンパー芯材;
自動車の床下に装着されるフロアースペーサーと呼ばれる床下嵩上げ材;
トランクルーム下の収納ボックスであるラゲージボックス等の、特に擦れ音防止対策が必要とされている部位に、好適に使用することができる。
なお、特に断りのない限り、「部」は重量部であり、「%」は重量%である。
スーパーミキサー[(株)カワタ製、SMV−20またはSMV−500]に、所定量の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子と被覆剤を投入した後、所定時間撹拌し、払いだす。(ただし、被覆剤量をn分割して、n回繰り返し投入する場合は、一連のn回にわたる分割投入・撹拌を、「本操作」という。)
この時、スーパーミキサーの内壁に被覆剤が付着しているが、洗浄せずに、本操作を5回繰り返し、スーパーミキサーの定格電流負荷55Aを超えるか否かを確認した。
○: 本操作を5回繰り返しても、定格電流負荷を超えない。
×: 本操作を5回繰り返している最中に、定格電流負荷を超える。
スーパーミキサーの振動評価における本操作を1回実施した後に、スーパーミキサーの内壁に付着している被覆剤を採取し、その重量を測定する。その後、被覆剤の投入量に対するロス率を、次式より求めた。
被覆剤ロス率(%)=スーパーミキサー内壁から採取した被覆剤重量/被覆剤の投入量×100。
得られた発泡性スチレン系樹脂粒子100gを、漏斗(傾斜30度、口径240mm、足外径15mm、足長50mm)に投入し、自然落下させ、以下の基準により評価した。
○: 落下時間が10秒未満。
△: 落下時間が10秒以上15秒未満。
×: 落下時間が15秒以上。
得られたポリスチレン系樹脂発泡成形体を割り、目視にて、発泡粒子表面で割れている部分の面積と発泡粒子の内部で割れている面積を比較して、破断面全体における発泡粒子内部で割れている面積の割合を融着率とし、以下の基準にて評価した。
○: 融着率が80%以上。
△: 融着率が60%以上80%未満。
×: 融着率が60%未満。
得られた熱可塑性樹脂発泡体の表面状態を目視観察し、以下の基準にて表面性を評価した。
○: 表面の溶融、粒間が少なく、美麗。
×: 表面の溶融、粒間があり、外観不良。
得られたポリスチレン系樹脂発泡成形体(長さ440mm×幅290mm×高さ25mm)から、バーチカルスライサー[桜エンジニアリング製]を用いて、長さ50mm×幅50mm×高さ25mmの試験片を切り出した。試験片の上下面は切り出す前の発泡成形体の厚さ25mmのままとして成形体の表面部分(「表面スキン」と呼ぶ)が残った状態とした。
温度23℃の恒温室に、試験片を5時間静置した。次いで、各温度条件下の恒温室にて、試験片上に750gの荷重を載せた状態で、軟質塩化ビニールシート[富双合成(株)製、ハイブリット透明TC]上の幅50mmの区間を20秒間で10往復させて、擦れ音が発生するかを確認した。なお、恒温室内の雑音は、騒音計[(株)佐藤商事製、TM102]で測定した結果、音圧レベルが30dB以下として、以下の基準で擦れ音を評価した。
◎: 20秒間擦り合わせても、擦れ音が発生しない。
○: 最初の10秒は擦れ音が発生しないが、10〜20秒の間に小さな擦れ音が発生する。
△: 最初から、小さな擦れ音が発生する。
×: 大きな擦れ音が発生する。
なお、小さい音とは、測定場所より3m離れた場所で、微かに音が聞こえる程度であり、大きい音とは、測定場所より3m離れた場所で、はっきりと音が聞こえる程度である。
[被覆剤の準備]
液体の多価アルコール誘導体Aとしてポリオキシプロピレンソルビット[日油(株)製]1.7kg、粉末状の多価アルコール誘導体Bとしてペンタエリスリトールテトラステアレート[日油(株)製、粉体径200μm]7.5kgを用意した。
[発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の表面被覆]
スーパーミキサー[(株)カワタ製、SMV−500、上羽根:S型、下羽根:BL型]に、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子[(株)カネカ製、商品名:カネパールLVF、粒子径1000〜1400μm]115.5kgを投入した。その後、(a)スーパーミキサーに、ポリオキシプロピレンソルビット1.7kgをスーパーミキサーに投入し、1000rpmで30秒間撹拌混合した後、(b)スーパーミキサーに、ペンタエリスリトールテトラステアレート7.5kgを投入し、更に1000rpmで120秒間撹拌混合し、表面がソルビットポリプロピレングリコールおよびペンタエリスリトールテトラステアレートで被覆された発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を作製した。
スーパーミキサーの電流負荷、被覆剤ロス率に関する結果を、表1に示す。得られた発泡性ポリスチレン系樹脂粒子に関して、流動性評価を行った。その結果を、表1に示す。
[ポリスチレン系発泡樹脂粒子の作製]
得られた発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を、加圧式予備発泡機[大開工業(株)製]を用いて、蒸気(圧力0.1MPa)で加熱を行い、発泡倍率40倍の発泡粒子を得た。得られたポリスチレン系発泡粒子は、大気圧下、室温で24時間養生した。
[ポリスチレン系発泡樹脂発泡成形体の作製]
得られたポリスチレン系樹脂発泡粒子を、成形機[DAISEN(株)製、KR−57]を用いて、金型キャビティ(長さ440mm×幅290mm×高さ25mm)内に充填し、0.09MPaの水蒸気で20秒間加熱して、ポリスチレン系樹脂発泡成形体を得た。
得られた発泡成形体に関して、融着性評価、表面性評価、擦れ音評価を行った。その結果を、表1に示す。
[被覆剤の準備]
液体の多価アルコール誘導体Aとしてポリオキシプロピレンソルビット[日油株式会社製]1.7kg、粉末状の多価アルコール誘導体Bとしてペンタエリスリトールテトラステアレート[日油株式会社製、粉体径200μm]7.5kgを使用し、各々2等分に小分けした。
[発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の表面被覆]
スーパーミキサー[(株)カワタ製、SMV−500、上羽根:S型、下羽根:BL型]に、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子[(株)カネカ製、商品名:カネパールLVF、粒子径1000〜1400μm]115.5kgを投入した。その後、(a)スーパーミキサーに、ポリオキシプロピレンソルビット0.85kgをスーパーミキサーに投入し、1000rpmで20秒間撹拌混合した後、(b)スーパーミキサーに、ペンタエリスリトールテトラステアレート3.75kgを投入し、更に1000rpmで20秒間撹拌混合した。
(a)→(b)の工程を2回繰り返し、表面がソルビットポリプロピレングリコールおよびペンタエリスリトールテトラステアレートで被覆された発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を作製した。
スーパーミキサーの電流負荷、被覆剤ロス率に関する結果を、表1に示す。得られた発泡性ポリスチレン系樹脂粒子に関して、流動性評価を行った。その結果を、表1に示す。
[ポリスチレン系発泡樹脂粒子の作製]
得られた発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を、加圧式予備発泡機[大開工業(株)製]を用いて、蒸気(圧力0.1MPa)で加熱を行い、発泡倍率40倍の発泡粒子を得た。得られたポリスチレン系発泡粒子は、大気圧下、室温で24時間養生した。
[ポリスチレン系発泡樹脂発泡成形体の作製]
得られたポリスチレン系樹脂発泡粒子を、成形機[DAISEN(株)製、KR−57]を用いて、金型キャビティ(長さ440mm×幅290mm×高さ25mm)内に充填し、0.09MPaの水蒸気で20秒間加熱して、ポリスチレン系樹脂発泡成形体を得た。
得られた発泡成形体に関して、融着性評価、表面性評価、擦れ音評価を行った。その結果を、表1に示す。
液体の多価アルコール誘導体としてポリオキシプロピレンソルビット[日油株式会社製]1.7kgと粉末状の多価アルコール誘導体としてペンタエリスリトールテトラステアレート[日油株式会社製、粉体径200μm]7.5kgを3等分にして、(a)→(b)の工程を3回繰り返した以外は、実施例2と同様の操作により、表面被覆された発泡性ポリスチレン系樹脂粒子、ポリスチレン系樹脂発泡粒子、およびポリスチレン系樹脂発泡成形体を得た。
スーパーミキサーの電流負荷、被覆剤ロス率に関する結果を、表1に示す。得られた発泡性ポリスチレン系樹脂粒子に関して、流動性評価を行った。また、得られた発泡成形体に関して、融着性評価、表面性評価、擦れ音評価を行った。その結果を、表1に示す。
液体の多価アルコール誘導体としてポリオキシプロピレンソルビット[日油株式会社製]1.7kgと粉末状の多価アルコール誘導体としてペンタエリスリトールテトラステアレート[日油株式会社製、粉体径200μm]7.5kgを5等分にして、(a)→(b)の工程を5回繰り返した以外は、実施例2と同様の操作により、表面被覆された発泡性ポリスチレン系樹脂粒子、ポリスチレン系樹脂発泡粒子、およびポリスチレン系樹脂発泡成形体を得た。
スーパーミキサーの電流負荷、被覆剤ロス率に関する結果を、表1に示す。得られた発泡性ポリスチレン系樹脂粒子に関して、流動性評価を行った。また、得られた発泡成形体に関して、融着性評価、表面性評価、擦れ音評価を行った。その結果を、表1に示す。
液体の多価アルコール誘導体としてポリオキシプロピレンソルビット[日油株式会社製]1.7kgと粉末状の多価アルコール誘導体としてペンタエリスリトールテトラステアレート[日油株式会社製、粉体径200μm]7.5kgを7等分にして、(a)→(b)の工程を7回繰り返した以外は、実施例2と同様の操作により、表面被覆された発泡性ポリスチレン系樹脂粒子、ポリスチレン系樹脂発泡粒子、およびポリスチレン系樹脂発泡成形体を得た。
スーパーミキサーの電流負荷、被覆剤ロス率に関する結果を、表1に示す。得られた発泡性ポリスチレン系樹脂粒子に関して、流動性評価を行った。また、得られた発泡成形体に関して、融着性評価、表面性評価、擦れ音評価を行った。その結果を、表1に示す。
液体の多価アルコール誘導体としてポリオキシプロピレンソルビット[日油株式会社製]1.7kgと粉末状の多価アルコール誘導体としてペンタエリスリトールテトラステアレート[日油株式会社製、粉体径200μm]7.5kgを9等分にして、(a)→(b)の工程を9回繰り返した以外は、実施例2と同様の操作により、表面被覆された発泡性ポリスチレン系樹脂粒子、ポリスチレン系樹脂発泡粒子、およびポリスチレン系樹脂発泡成形体を得た。
スーパーミキサーの電流負荷、被覆剤ロス率に関する結果を、表1に示す。得られた発泡性ポリスチレン系樹脂粒子に関して、流動性評価を行った。また、得られた発泡成形体に関して、融着性評価、表面性評価、擦れ音評価を行った。その結果を、表1に示す。
液体の多価アルコール誘導体としてポリオキシプロピレンソルビット[日油株式会社製]と粉末状の多価アルコール誘導体としてペンタエリスリトールテトラステアレート[日油株式会社製、粉体径200μm]を表1に示す量に変更した以外は、実施例3と同様の操作により、表面被覆された発泡性ポリスチレン系樹脂粒子、ポリスチレン系樹脂発泡粒子、およびポリスチレン系樹脂発泡成形体を得た。
スーパーミキサーの電流負荷、被覆剤ロス率に関する結果を、表1に示す。得られた発泡性ポリスチレン系樹脂粒子に関して、流動性評価を行った。また、得られた発泡成形体に関して、融着性評価、表面性評価、擦れ音評価を行った。その結果を、表1に示す。
液体の多価アルコール誘導体としてポリオキシプロピレンソルビット[日油株式会社製]と粉末状の多価アルコール誘導体としてペンタエリスリトールテトラステアレート[日油株式会社製、粉体径200μm]を表1に示す量に変更した以外は、実施例3と同様の操作により、表面被覆された発泡性ポリスチレン系樹脂粒子、ポリスチレン系樹脂発泡粒子、およびポリスチレン系樹脂発泡成形体を得た。
スーパーミキサーの電流負荷、被覆剤ロス率に関する結果を、表1に示す。得られた発泡性ポリスチレン系樹脂粒子に関して、流動性評価を行った。また、得られた発泡成形体に関して、融着性評価、表面性評価、擦れ音評価を行った。その結果を、表1に示す。
液体の多価アルコール誘導体としてポリオキシプロピレンソルビット[日油株式会社製]と粉末状の多価アルコール誘導体としてペンタエリスリトールテトラステアレート[日油株式会社製、粉体径200μm]を表1に示す量に変更した以外は、実施例5と同様の操作により、表面被覆された発泡性ポリスチレン系樹脂粒子、ポリスチレン系樹脂発泡粒子、およびポリスチレン系樹脂発泡成形体を得た。
スーパーミキサーの電流負荷、被覆剤ロス率に関する結果を、表1に示す。得られた発泡性ポリスチレン系樹脂粒子に関して、流動性評価を行った。また、得られた発泡成形体に関して、融着性評価、表面性評価、擦れ音評価を行った。その結果を、表1に示す。
発泡性ポリスチレン樹脂粒子5Kg、ポリオキシプロピレンソルビット75g、ペンタエリスリトールテトラステアレート375gに変更し、スーパーミキサーの種類をSMV−20に変更した以外は、実施例3と同様の操作により、表面被覆された発泡性ポリスチレン系樹脂粒子、ポリスチレン系樹脂発泡粒子、およびポリスチレン系樹脂発泡成形体を得た。
スーパーミキサーの電流負荷、被覆剤ロス率に関する結果を、表1に示す。得られた発泡性ポリスチレン系樹脂粒子に関して、流動性評価を行った。また、得られた発泡成形体に関して、融着性評価、表面性評価、擦れ音評価を行った。その結果を、表1に示す。
[被覆剤の準備]
液体の多価アルコール誘導体Aとしてポリオキシプロピレンソルビット[日油株式会社製]1.7kg、粉末状の多価アルコール誘導体Bとしてペンタエリスリトールテトラステアレート[日油株式会社製、粉体径200μm]7.5kgを使用し、各々3等分に小分けした。
[発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の表面被覆]
スーパーミキサー[(株)カワタ製、SMV−500、上羽根:S型、下羽根:BL型]に、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子[(株)カネカ製、商品名:カネパールLVF、粒子径1000〜1400μm]115.5kgを投入した。その後、(b)スーパーミキサーに、ペンタエリスリトールテトラステアレート2.5kgを投入し、更に1000rpmで20秒間撹拌混合した後、(a)スーパーミキサーに、ポリオキシプロピレンソルビット0.57kgをスーパーミキサーに投入し、1000rpmで20秒間撹拌混合した。
(b)→(a)の工程を3回繰り返し、表面がソルビットポリプロピレングリコールおよびペンタエリスリトールテトラステアレートで被覆された発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を作製した。
実施例1と同様の操作により、表面被覆された発泡性ポリスチレン系樹脂粒子、ポリスチレン系樹脂発泡粒子、およびポリスチレン系樹脂発泡成形体を得た。
スーパーミキサーの振動、被覆剤ロス率に関する結果を、表1に示す。得られた発泡性ポリスチレン系樹脂粒子に関して、流動性評価を行った。その結果を、表1に示す。
[被覆剤の準備]
液体の多価アルコール誘導体Aとしてポリオキシプロピレンソルビット[日油株式会社製]1.7kg、粉末状の多価アルコール誘導体Bとしてペンタエリスリトールテトラステアレート[日油株式会社製、粉体径200μm]7.5kgを使用し、各々3等分に小分けした。
[発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の表面被覆]
スーパーミキサー[(株)カワタ製、SMV−500、上羽根:S型、下羽根:BL型]に、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子[(株)カネカ製、商品名:カネパールLVF、粒子径1000〜1400μm]115.5kgを投入した。その後、(a)スーパーミキサーに、ポリオキシプロピレンソルビット0.85kgおよび(b)スーパーミキサーに、ペンタエリスリトールテトラステアレート3.75kgを投入し、1000rpmで40秒間撹拌混合した。
上記工程を3回繰り返し、表面がソルビットポリプロピレングリコールおよびペンタエリスリトールテトラステアレートで被覆された発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を作製した。
実施例1と同様の操作により、表面被覆された発泡性ポリスチレン系樹脂粒子、ポリスチレン系樹脂発泡粒子、およびポリスチレン系樹脂発泡成形体を得た。
スーパーミキサーの振動、被覆剤ロス率に関する結果を、表1に示す。得られた発泡性ポリスチレン系樹脂粒子に関して、流動性評価を行った。その結果を、表1に示す。
[発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の表面被覆]
スーパーミキサー[カワタ製、SMV−20]に、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子[株式会社カネカ製、商品名:カネパールLVF、粒子径1000〜1400μm]115.5kgと、液体の多価アルコール誘導体としてソルビットポリプロピレングリコール[日油株式会社製]0.57kgを投入し、1000rpmで30秒間ブレンドした。
更に、粉末状の多価アルコールとしてペンタエリスリトールテトラステアレート[日油株式会社製、粉体径200μm]3.46kgをスーパーミキサーに投入し、1000rpmで120秒間ブレンドして、表面がソルビットポリプロピレングリコールとペンタエリスリトールテトラステアレートで被覆された発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を作製した。
スーパーミキサーの電流負荷、被覆剤ロス率に関する結果を、表2に示す。得られた発泡性ポリスチレン系樹脂粒子に関して、流動性評価を行った。その結果を、表2に示す。
[ポリスチレン系発泡樹脂粒子の作製]
得られた発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を、加圧式予備発泡機[大開工業株式会社製]に投入し、蒸気(圧力0.1MPa)によって加熱を行った後、払い出し、大気中で24時間養生乾燥し、発泡倍率40倍の発泡粒子を得た。
[ポリスチレン系発泡樹脂発泡成形体の作製]
得られたポリスチレン系樹脂発泡粒子を、金型キャビティ(長さ440mm×幅290mm×高さ25mm)内に充填し、0.09MPaの水蒸気で20秒間加熱して、ポリスチレン系樹脂発泡成形体を得た。
得られた発泡成形体に関して、融着性評価、表面性評価、擦れ音評価を行った。その結果を、表2に示す。
液体の多価アルコール誘導体および粉末状の多価アルコール誘導体の添加総量を表1に示す量に変更した以外は、実施例2と同様の操作により、表面被覆された発泡性ポリスチレン系樹脂粒子、ポリスチレン系樹脂発泡粒子、およびポリスチレン系樹脂発泡成形体を得た。
スーパーミキサーの電流負荷、被覆剤ロス率に関する結果を、表2に示す。得られた発泡性ポリスチレン系樹脂粒子に関して、流動性評価を行った。また、得られた発泡成形体に関して、融着性評価、表面性評価、擦れ音評価を行った。その結果を、表2に示す。
特許第4292074号公報に記載の実施例1において、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を株式会社カネカ製、商品名:カネパールLVFに、ワックスを粒状ワックス25g[日本精鑞製、製品名:PALVAX−1230]に変更し、予備発泡機として大開工業(株)製、BHP−301に変更し、発泡倍率20倍を得た。その後、本願実施例1と同様の成形条件でポリスチレン系樹脂発泡成形体を得た。
得られた発泡成形体に関して、融着性評価、表面性評価、擦れ音評価を行った。その結果を、表2に示す。
特開2011−246701号公報に記載の実施例2において、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を株式会社カネカ製の商品名:カネパールLVFに変更し、バッチ式発泡機として大開工業(株)製、BHP−301を使用して、発泡倍率40倍を得た。その後、本願実施例1と同様の成形条件でポリスチレン系樹脂発泡成形体を得た。
スーパーミキサーの電流負荷、被覆剤ロス率に関する結果を、表2に示す。得られた発泡性ポリスチレン系樹脂粒子に関して、流動性評価を行った。また、得られた発泡成形体に関して、融着性評価、表面性評価、擦れ音評価を行った。その結果を、表2に示す。
Claims (8)
- 常温で液体の多価アルコール誘導体と粉末状の多価アルコール誘導体が被覆されてなる発泡性ポリスチレン系樹脂粒子であって、
発泡性ポリスチレン系樹脂粒子100重量%に対して、常温で液体の多価アルコール誘導体の被覆量が1.0〜3.0重量%であり、粉末状の多価アルコール誘導体の被覆量が5.5〜10重量%であり、
常温で液体の多価アルコール誘導体が、多価アルコールのプロピレンオキシド付加重合体であることを特徴とする、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子。 - 多価アルコールのプロピレンオキシド付加重合体が、ポリオキシプロピレングリセリルエーテル、ポリオキシプロピレンソルビットから選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする、請求項1に記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子。
- 粉末状の多価アルコール誘導体が、多価アルコールの脂肪酸エステルであることを特徴とする、請求項1又は2のいずれかに記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子。
- 前記多価アルコールの脂肪酸エステルが、ペンタエリスリトールテトラステアレートであることを特徴とする、請求項3に記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を、予備発泡させてポリスチレン系樹脂発泡粒子とし、該ポリスチレン系樹脂発泡粒子を型内発泡成形して得られることを特徴とする、ポリスチレン系樹脂発泡成形体。
- 軟質塩化ビニールシート上を、請求項5記載のポリスチレン系樹脂発泡成形体の表面に750gの荷重を掛けた状態で、幅50mmの区間を往復させた際、20秒間擦れ音が発生しないことを特徴とする、ポリスチレン系発泡成形体。
- 混合装置を用いて、常温で液体の多価アルコール誘導体を被覆させた後、粉末状の多価アルコール誘導体を被覆する工程を繰り返すことを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の発泡性ポリスチレン樹脂粒子の製造方法。
- 被覆工程の繰返回数が3〜8回となることを特徴とする、請求項7記載の発泡性ポリスチレン樹脂粒子の製造方法。
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