JP6302670B2 - ポリスチレン系樹脂発泡成形体 - Google Patents
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特に、ポリスチレン系樹脂発泡成形体を、使用時に振動を伴うような自動車用発泡部材に適用する場合、あるいは、温度変化による線膨張による擦れが発生する貯湯タンクや浴室・浴槽の保温材に用いる場合は、高級感を損なう擦れ音が問題となっている。
しかしながら、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の予備発泡時にワックスを添加して、表面にワックスをコーティングした予備発泡粒子を作製する際に、予備発泡粒子の表面の気泡膜がワックスにより侵食され、表面付近の気泡膜が破れ易くなる。その結果、予備発泡時の発泡力が弱まる為、30倍より高い発泡倍率の予備発泡粒子を得るのが困難であった。また、予備発泡粒子の型内成形時の発泡力も弱まる為、発泡粒子同士の融着性が低下しやすくなり、粒子間に間隙が目立ち外観が悪くなるといった課題があった。特に融着性の低下は、発泡粒子成形体の曲げ強さ等の機械的物性の低下という物性上の不具合の原因となる。
更に、ワックスは、融点が40℃以上のものを使用することが一般的であり、融点以下の温度環境ではワックスが硬くなる為、低温領域での擦れ音防止性能が低下しやすいという欠点があった。
ところが、この方法では、ワックスおよび流動点−10℃以下の鉱物性油を水性分散媒体に分散させる作業に加えて、成形後に発泡成形体に塗布する工程と乾燥工程が必要である為、大きなコストアップ要因となる。
しかしながら、該エステル化合物は、十分な擦れ音防止性能を発揮できなかった。また、エステル化合物はモノエステルであり、多価アルコール構造部分としてもグリセリンに限定されており、グリセリン構造以外は擦れ音防止性能が発揮されないという欠点があった。
常温で液体の多価アルコールのアルキレンオキシド付加重合体および、多価アルコールの脂肪酸エステルによって、表面が被覆されてなるポリスチレン系樹脂発泡成形体であって、
前記ポリスチレン系樹脂発泡成形体100重量%に対する被覆量が、多価アルコールのアルキレンオキシド付加重合体0.3重量%以上3.0重量%以下、かつ、多価アルコールの脂肪酸エステル2.5部重量%以上10部重量%以下であることを特徴とする、ポリスチレン系樹脂発泡成形体に関する。
好ましい実施様態としては、
(1)前記多価アルコールのアルキレンオキシド付加重合体が、多価アルコールのプロピレンオキシド付加重合体である、
(2)多価アルコールのプロピレンオキシド付加重合体が、ポリオキシプロピレングリセリルエーテル、ポリオキシプロピレンソルビットから選ばれる少なくとも一種である、
(3)前記多価アルコールの脂肪酸エステルが、ペンタエリスリトールテトラステアレートである
(4)軟質塩化ビニールシート上を、ポリスチレン系樹脂発泡成形体に750gの荷重を掛けた状態で、幅50mmの区間を往復させた際、10秒間擦れ音が発生しないことを特徴とする、前記記載のポリスチレン系樹脂発泡成形体である。
これらの中でも、少量添加で擦れ音防止効果が発現する点で、多価アルコールのプロピレンオキシド付加重合体が好ましい。
多価アルコールのアルキレンオキシド付加重合体としては、効率的に被覆できる点で、常温で液体が好ましい。
多価アルコールのアルキレンオキシド付加重合体の被覆量が0.3重量%未満では、擦れ音防止効果が小さくなる傾向があり、3.0重量%超では、発泡成形体表面がべたつく為、他素材への汚染が懸念される。
これらのうちでも、ペンタエリスリトールテトラステアレートが、擦れ音防止効果が高い点から、好ましい。
多価アルコールの脂肪酸エステルの被覆量が2.5重量%未満では、擦れ音防止効果が小さくなる傾向があり、10重量%超では、美麗性、融着性が悪化する場合がある。
(1)1、1、2、2−テトラクロロエタン(内部標準物質)0.005gを重クロロホルム5gに加え、内部標準物質含有の重クロロホルム溶液を作製する。
(2)標品として、多価アルコールのアルキレンオキシド付加重合体純品0.01g、多価アルコールの脂肪酸エステル純品0.01gそれぞれに、内部標準物質含有の重クロロホルム溶液1gを加えて、溶解させる。
試料[多価アルコールのアルキレンオキシド付加重合体と多価アルコールの脂肪酸エステルの被覆量が分からないポリスチレン系樹脂発泡成形体0.01g]にも、内部標準物質含有の重クロロホルム溶液1gを加えて、溶解させる。
(3)それぞれの重クロロホルム溶液に対して、H−NMR[VARIAN社製、INOVA AS600]を用いて、H−NMR測定を行う。
(4)得られたH−NMRスペクトルにおいて、内部標準物質由来ピーク(5.9ppm)の積分値を10として、多価アルコールのアルキレンオキシド付加重合体の由来ピーク(3〜3.8ppm)、多価アルコールの脂肪酸エステルの由来ピーク(4.1ppm)の積分値を求める。
ただし、試料中の3〜3.8ppmのピークには、多価アルコールの脂肪酸エステル由来ピークも含まれる為、多価アルコールのアルキレンオキシド付加重合体の積分値は、3〜3.8ppmのピーク積分値から多価アルコールの脂肪酸エステル由来ピークの積分値を引いた値とした。
(5)次式より、ポリスチレン系樹脂発泡成形体中の目的成分の重量%を求めた。
目的成分の重量%=(試料中の目的成分の積分値×目的成分の標品の重量×試料測定時の内部標準物質量)÷(目的成分の標品の積分値×標品測定時の内部標準物質量×試料の重量)×100
融点以上に温めた多価アルコールのアルキレンオキシド付加重合体および多価アルコールの脂肪酸エステルの混合物をスプレー、刷毛等を用いて、スチレン系樹脂発泡成形体に直接塗布する方法;
予備発泡機に多価アルコールのアルキレンオキシド付加重合体と多価アルコールの脂肪酸エステルを投入し、予備発泡工程で攪拌しながら、予備発泡粒子に多価アルコールのアルキレンオキシド付加重合体と多価アルコールの脂肪酸エステルを被覆させた後、前記予備発泡粒子を成形する方法;
混合機器内で、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子に、多価アルコールのアルキレンオキシド付加重合体および多価アルコールの脂肪酸エステルを添加した後、前記発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を予備発泡、成形する方法、等が挙げられる。
発泡性ポリスチレン系樹脂粒子に、多価アルコールのアルキレンオキシド付加重合体および多価アルコールの脂肪酸エステルを同時に添加する方法;
発泡性ポリスチレン系樹脂粒子に、多価アルコールのアルキレンオキシド付加重合体を添加した後、常温で粉体状の多価アルコールの脂肪酸エステルを添加する方法;
発泡性ポリスチレン系樹脂粒子に、粉体状の多価アルコールの脂肪酸エステルを添加した後、多価アルコールのアルキレンオキシド付加重合体を添加する方法、等が挙げられる。
多価アルコールのアルキレンオキシド付加重合体の使用量が0.3重量部未満では、得られる発泡成形体における擦れ音防止効果が小さくなる傾向があり、3.0重量部を超えると、樹脂粒子に添加した際に流動性が悪くなり、空気輸送時の送粒が悪化する傾向にある。
多価アルコールの脂肪酸エステルの使用量が2.5重量部未満では、得られる発泡成形体における擦れ音防止効果が小さくなる傾向があり、10重量部を超えると、美麗性、融着性が悪化する場合がある。
アクリロニトリルの使用量が10重量%未満の場合は、耐油性発現効果が小さくなる傾向にあり、50重量%を超えると、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子に残存するアクリロニトリル量を減少させにくい傾向がある。
ポリスチレン系樹脂粒子の重量平均分子量が15万より小さいと、得られる発泡成形体の強度が小さくなる傾向があり、重量平均分子量が45万より大きいと、予備発泡時に高発泡倍率とする為に要する時間が長くなる傾向にある。
発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の発泡剤含有量が4重量%未満では、十分な発泡性が得られない場合があり、10重量%を越えると発泡時の収縮、成形時の収縮・変形が大きくなる場合がある。成形時の収縮・変形を少なくするには、発泡剤としてブタンを用いるのが好ましい。
これらの添加剤の添加方法としては、スチレン系樹脂粒子の重合時に添加することができる。
ヘキサブロモシクロドデカン、テトラブロモブタン、ヘキサブロモシクロヘキサン等のハロゲン化脂肪族炭化水素系化合物;
テトラブロモビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールF、2,4,6−トリブロモフェノール等の臭素化フェノール類;
テトラブロモビスフェノールA−ビス(2,3−ジブロモプロピルエーテル)、テトラブロモビスフェノールA−ビス(2,3−ジブロモ−2−メチルプロピルエーテル)、テトラブロモビスフェノールA−ジグリシジルエーテル、2,2−ビス[4'(2”,3”−ジブロモアルコキシ)−3',5'−ジブロモフェニル]−プロパン、臭素化ポリスチレン等の臭素化フェノール誘導体が挙げられる。
これら難燃剤は、単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
難燃剤の添加量が0.1重量部未満では、充分な難燃性能が得られない場合があり、10重量部を超えると、懸濁重合時の安定性が悪くなる場合がある。
例えば、スチレン系樹脂粒子の重合時に、重合開始剤量を調整する、高温処理を行う、高温処理時間を長くする、等の方法により、揮発性物質を低減することが可能である。
自動車が衝突した際に、運転席および助手席の乗員の足を保護する為に、足元とエンジンルームの間に装着される下肢部保護材;
自動車のピラーやドアの内部に装着される頭部保護材や側突パット;
バンパー内部に装着されるバンパー芯材;
自動車の床下に装着されるフロアースペーサーと呼ばれる床下嵩上げ材;
トランクルーム下の収納ボックスであるラゲージボックス等の、特に擦れ音防止対策が必要とされている部位に、好適に使用することができる。
なお、特に断りのない限り、「部」は重量部であり、「%」は重量%である。
得られた発泡性スチレン系樹脂粒子200gを、漏斗(傾斜30度、口径240mm、足外径15mm、足長50mm)に投入し、自然落下させ、以下の基準により評価した。
○: 全て樹脂粒子が、漏斗より落ちる。
△: 一部樹脂粒子が、漏斗の壁に残る。
×: 全て樹脂粒子が、漏斗に全て樹脂が残る。
以下の方法で、得られた発泡成形体の表面を被覆した、多価アルコールのアルキレンオキシド付加重合体、多価アルコールの脂肪酸エステルを定量した。
(1)1、1、2、2−テトラクロロエタン(内部標準物質)0.005gを重クロロホルム5gに加え、内部標準物質含有の重クロロホルム溶液を作製する。
(2)標品として、多価アルコールのアルキレンオキシド付加重合体純品0.01g、多価アルコールの脂肪酸エステル純品0.01gそれぞれに、内部標準物質含有の重クロロホルム溶液1gを加えて、溶解させる。
試料[多価アルコールのアルキレンオキシド付加重合体と多価アルコールの脂肪酸エステルの被覆量が分からないポリスチレン系樹脂発泡成形体0.01g]にも、内部標準物質含有の重クロロホルム溶液1gを加えて、溶解させる。
(3)それぞれの重クロロホルム溶液に対して、H−NMR[VARIAN社製、INOVA AS600]を用いて、共鳴周波数600MHz、積算回数16でH−NMR測定を行う。
4)得られたH−NMRスペクトルにおいて、内部標準物質由来ピーク(5.9ppm)の積分値を10として、多価アルコールのアルキレンオキシド付加重合体の由来ピーク(3〜3.8ppm)、多価アルコールの脂肪酸エステルの由来ピーク(4.1ppm)の積分値を求める。
ただし、試料中の3〜3.8ppmのピークには、多価アルコールの脂肪酸エステル由来ピークも含まれる為、多価アルコールのアルキレンオキシド付加重合体の積分値は、3〜3.8ppmのピーク積分値から多価アルコールの脂肪酸エステル由来ピークの積分値を引いた値とした。
(5)次式より、ポリスチレン系樹脂発泡成形体中の目的成分の重量%を求めた。
目的成分の重量%=(試料中の目的成分の積分値×目的成分の標品の重量×試料測定時の内部標準物質量)÷(目的成分の標品の積分値×標品測定時の内部標準物質量×試料の重量)×100
得られたポリスチレン系樹脂発泡成形体(長さ440mm×幅290mm×高さ25mm)から、バーチカルスライサー[桜エンジニアリング製]を用いて、長さ50mm×幅50mm×高さ25mmの試験片を切り出した。試験片の上下面は、切り出す前の発泡成形体の厚さ25mmのままとして成形体の表面部分(表面スキンと呼ぶ)が残った状態とした。
温度−15℃、温度23℃または温度70℃の恒温室に、試験片を5時間静置した。次いで、各温度条件下の恒温室にて、軟質塩化ビニールシート[富双合成(株)製、ハイブリット透明TC]上を、試験片上に750gの荷重を載せた状態で、幅50mmの区間を20秒間で10往復させて、擦れ音が発生するか否かを確認した。
なお、恒温室内の雑音は、騒音計[株式会社佐藤商事製、TM102]で測定した結果、音圧レベルが30dB以下として、以下の基準で擦れ音を評価した。
◎: 20秒間擦り合わせても擦れ音が発生しない。
○: 最初の10秒は擦れ音が発生しないが、10〜20秒の間に小さな擦れ音が発生する。
△: 最初から小さな擦れ音が発生する。
×: 大きな擦れ音が発生する。
なお、小さい音とは、測定場所より3m離れた場所で、微かに音が聞こえる程度であり、大きい音とは、測定場所より3m離れた場所で、はっきりと音が聞こえる程度である。
得られたポリスチレン系樹脂発泡成形体を割り、目視にて、発泡粒子表面で割れている部分の面積と発泡粒子の内部で割れている面積を比較して、破断面全体における発泡粒子内部で割れている面積の割合を融着率とし、以下の基準にて評価した。
○: 融着率が80%以上。
△: 融着率が60%以上80%未満。
×: 融着率が60%未満。
得られた熱可塑性樹脂発泡体の表面状態を目視観察し、以下の基準にて表面性を評価した。
○: 表面の溶融、粒間少なく、美麗。
×: 表面の溶融、粒間があり外観不良。
得られたポリスチレン系樹脂発泡成形体を、温度23℃、湿度50%の恒温恒湿室内に24時間静置した。その後、ポリスチレン系樹脂発泡成形体上に10cm×10cmのガラス板を乗せて、10分間、750gの荷重を掛けておく。ガラス板上に被覆剤が付着した面積を測定して、汚染性の判断をした。評価基準は以下に示す。
○: 汚染面積が10cm2以下。
×: 汚染面積が10cm2超。
[発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の表面被覆]
発泡性ポリスチレン系樹脂粒子[(株)カネカ製、商品名:カネパールLVF、粒子径1000〜1400μm]5kgおよび、多価アルコールのアルキレンオキシド付加重合体としてソルビットポリプロピレングリコール[日油(株)製]25gを、スーパーミキサー[(株)川田製、SMV−20]に投入し、1000rpmで30秒間ブレンドした。
更に、スーパーミキサー内に、多価アルコールの脂肪酸エステルとしてペンタエリスリトールテトラステアレート[日油(株)製、粉体径200μm]150gを投入し、1000rpmで60秒間ブレンドして、表面がソルビットポリプロピレングリコールおよびペンタエリスリトールテトラステアレートで被覆された発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を作製した。
得られた発泡性ポリスチレン系樹脂粒子に関して、流動性評価を行った。その結果を、表1に示す。
[ポリスチレン系発泡樹脂粒子の作製]
得られた発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を、加圧式予備発泡機[大開工業(株)製]を用いて、蒸気(圧力0.1MPa)で加熱を行い、発泡倍率40倍の発泡粒子を得た。得られたポリスチレン系発泡粒子は、大気圧下、室温で24時間養生した。
[ポリスチレン系発泡樹脂発泡成形体の作製]
得られたポリスチレン系樹脂発泡粒子を、成形機[DAISEN(株)製、KR−57]を用いて、金型キャビティ(長さ440mm×幅290mm×高さ25mm)内に充填し、0.09MPaの水蒸気で20秒間加熱して、ポリスチレン系樹脂発泡成形体を得た。
得られた発泡成形体に関して、多価アルコールのアルキレンオキシド付加重合体、多価アルコールの脂肪酸エステルの付着量定量、融着性評価、表面性評価、擦れ音評価、汚染性評価を行った。その結果を、表1に示す。
[発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の表面被覆]において、多価アルコールのアルキレンオキシド付加重合体および多価アルコールの脂肪酸エステルの添加量を、表1に示す量に変更した以外は、実施例1と同様の操作により、表面被覆された発泡性ポリスチレン系樹脂粒子、ポリスチレン系樹脂発泡粒子、およびポリスチレン系樹脂発泡成形体を得た。
得られた発泡性ポリスチレン系樹脂粒子に関して、流動性評価を行った。また、得られた発泡成形体に関して、多価アルコールのアルキレンオキシド付加重合体、多価アルコールの脂肪酸エステルの付着量定量、融着性評価、表面性評価、擦れ音評価、汚染性評価を行った。その結果を、表1に示す。
[発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の表面被覆]において、多価アルコールのアルキレンオキシド付加重合体をポリオキシプロピレングリセリルエーテルに変更した以外は、実施例1と同様の操作により、表面被覆された発泡性ポリスチレン系樹脂粒子、ポリスチレン系樹脂発泡粒子、およびポリスチレン系樹脂発泡成形体を得た。
得られた発泡性ポリスチレン系樹脂粒子に関して、流動性評価を行った。また、得られた発泡成形体に関して、多価アルコールのアルキレンオキシド付加重合体、多価アルコールの脂肪酸エステルの付着量定量、融着性評価、表面性評価、擦れ音評価、汚染性評価を行った。その結果を、表1に示す。
[ポリスチレン系発泡樹脂粒子の作製]において、発泡倍率を30倍または50倍に変更した以外は、実施例6と同様の操作により、表面被覆された発泡性ポリスチレン系樹脂粒子、ポリスチレン系樹脂発泡粒子、およびポリスチレン系樹脂発泡成形体を得た。
得られた発泡性ポリスチレン系樹脂粒子に関して、流動性評価を行った。また、得られた発泡成形体に関して、多価アルコールのアルキレンオキシド付加重合体、多価アルコールの脂肪酸エステルの付着量定量、融着性評価、表面性評価、擦れ音評価、汚染性評価を行った。その結果を、表1に示す。
[発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の表面被覆]において、発泡性スチレン系樹脂粒子を、スチレン/α−メチルスチレン/アクリロニトリル共重合体[株式会社カネカ、製品名カネパールFQ、粒子径500〜1400μm]に変更した以外は、実施例1と同様の操作により、表面被覆された発泡性ポリスチレン系樹脂粒子、ポリスチレン系樹脂発泡粒子、およびポリスチレン系樹脂発泡成形体を得た。
得られた発泡性ポリスチレン系樹脂粒子に関して、流動性評価を行った。また、得られた発泡成形体に関して、多価アルコールのアルキレンオキシド付加重合体、多価アルコールの脂肪酸エステルの付着量定量、融着性評価、表面性評価、擦れ音評価、汚染性評価を行った。その結果を、表1に示す。
[発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の表面被覆]において、多価アルコールのアルキレンオキシド付加重合体および多価アルコールの脂肪酸エステルの添加量を、表1に示す量に変更した以外は、実施例1と同様の操作により、表面被覆された発泡性ポリスチレン系樹脂粒子、ポリスチレン系樹脂発泡粒子、およびポリスチレン系樹脂発泡成形体を得た。
得られた発泡性ポリスチレン系樹脂粒子に関して、流動性評価を行った。また、得られた発泡成形体に関して、多価アルコールのアルキレンオキシド付加重合体、多価アルコールの脂肪酸エステルの付着量定量、融着性評価、表面性評価、擦れ音評価、汚染性評価を行った。その結果を、表2に示す。
特許第4292074号公報に記載の実施例1において、発泡性樹脂粒子種を発泡性ポリスチレン系樹脂粒子[株式会社カネカ製、商品名:カネパールLVF]に、ワックス種および量を粒状ワックス[日本精鑞社製、製品名:PALVAX−1230]25gに変更し、バッチ式予備発泡機を大開工業社製のBHP−301に変更し、発泡倍率20倍を得た。その後、本願実施例1と同様の成形条件でポリスチレン系樹脂発泡成形体を得た。
得られた発泡性ポリスチレン系樹脂粒子に関して、流動性評価を行った。また、得られた発泡成形体に関して、多価アルコールのアルキレンオキシド付加重合体、多価アルコールの脂肪酸エステルの付着量定量、融着性評価、表面性評価、擦れ音評価、汚染性評価を行った。その結果を、表2に示す。
特開2011−246701号公報に記載の実施例3において、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を株式会社カネカ製の商品名:カネパールLVFに変更し、バッチ式発泡機として大開工業社製、BHP−301を使用して、発泡倍率40倍を得た。その後、本願実施例1と同様の成形条件でポリスチレン系樹脂発泡成形体を得た。
得られた発泡性ポリスチレン系樹脂粒子に関して、流動性評価を行った。また、得られた発泡成形体に関して、多価アルコールのアルキレンオキシド付加重合体、多価アルコールの脂肪酸エステルの付着量定量、融着性評価、表面性評価、擦れ音評価、汚染性評価を行った。その結果を、表2に示す。
Claims (5)
- 常温で液体の多価アルコールのアルキレンオキシド付加重合体および多価アルコールの脂肪酸エステルによって、表面が被覆されたポリスチレン系樹脂発泡成形体であって、前記ポリスチレン系樹脂発泡成形体100重量%に対する被覆量が、多価アルコールのアルキレンオキシド付加重合体0.3重量%以上3.0重量%以下、かつ、多価アルコールの脂肪酸エステル2.5重量%以上10部重量%以下であり、
前記多価アルコールのアルキレンオキシド付加重合体が、多価アルコールのプロピレンオキシド付加重合体であり、
前記多価アルコールのプロピレンオキシド付加重合体がポリオキシプロピレングリセリルエーテル、ポリオキシプロピレンソルビットから選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする、ポリスチレン系樹脂発泡成形体。 - 前記多価アルコールの脂肪酸エステルが、ペンタエリスリトールテトラステアレートであることを特徴とする、請求項1に記載のポリスチレン系樹脂発泡成形体。
- 軟質塩化ビニールシート上を、請求項1または2に記載のポリスチレン系樹脂発泡成形体に750gの荷重を掛けた状態で、幅50mmの区間を往復させた際、10秒間擦れ音が発生しないことを特徴とする、ポリスチレン系樹脂発泡成形体。
- 請求項1〜3のいずれかに記載のポリスチレン系樹脂発泡成形体からなることを特徴とする、自動車用発泡部材。
- 前記自動車用発泡部材が、下肢部保護材、頭部保護材、床下嵩上げ材またはラゲージボックスである、請求項4に記載の自動車用発泡部材。
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