JP7333214B2 - ラベル付き容器 - Google Patents
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Description
前記容器本体と蓋体は、通常、別部材であり、使用後に両者を分別廃棄するため、近年では、蓋体を容器本体から比較的容易に取り外すことができるように解除機構が具備されたものも知られている。
例えば、特許文献1には、外周面に破断可能な薄肉弱化部を形成して上下方向に貫通する空隙部が外筒に設けられ、空隙部に接続したスリット溝が穿設され、スリット溝の内周面側に薄肉連結部が形成された分別廃棄用ヒンジキャップ(蓋体)が開示されている。かかるヒンジキャップは、容器本体の口部に取り付けて使用される。
また、特許文献2には、容器の口部の外周に形成された突起と、口部に装着する合成樹脂製の中蓋に形成された、口部の上部を内外から挟持する内筒と中筒と、中蓋に設けられた注筒と注筒の内側に、無端状の裂溝を有して形成された口壁と、口壁上に設けられた裂取部材と、中蓋の上部外側に設けた螺条と、前記中蓋に被着する頂壁及び筒壁から成る合成樹脂製の外蓋と、外蓋の下端部に、切れ易い弱化部を介して一体に設けられた外筒と、外筒の下部内面に形成された、前記突起と上下方向に係止する係止部と、外筒に形成された、外筒を上下方向に切るところの、つまみを有する弱化ラインと、筒壁内面に形成された、係止部の突起に対する係止を回動させながら行わせるところの、螺条に螺合する螺溝と、から成る容器及び蓋が開示されている。
このような解除機構を有する容器にも、封緘のため、ヒンジキャップ又は蓋(蓋体)を含んで熱収縮性筒状ラベルが装着されることが多い。熱収縮性筒状ラベルは、その装着形態に従い、容器全体(蓋体から容器本体)に装着するものをフルシュリンクタイプと呼び、蓋体から容器本体の上方部までに装着するものをキャップシールタイプとも呼んだりする。
しかしながら、前記ラベル付き容器を使用している間に、誤って蓋体を取り外してしまうおそれがある。
本発明の好ましいラベル付き容器は、前記熱収縮性筒状ラベルのうち前記開封用横補助線よりも上方の部分である上方筒状部に、縦方向に延びる開封用の第1縦補助線が形成され、前記下方筒状部に、縦方向に延びる開封用の第2縦補助線が形成され、前記第1縦補助線と第2縦補助線が、周方向において位置をずらして配置されている。
本発明の好ましいラベル付き容器は、前記第1縦補助線が、左右一対形成されている。
なお、容器(及びラベル付き容器)の縦方向は、その容器の底面部を水平面に載せて自立させた状態において上下方向を意味する。容器(及びラベル付き容器)の周方向は、容器の縦軸周り方向を意味する。熱収縮性筒状ラベル(及び筒状フィルム)の縦方向は、それを円筒状に拡げた際にその円筒の中心を通る直線方向を意味し、熱収縮性筒状ラベル(及び筒状フィルム)の周方向は、前記円筒の縦軸周り方向を意味する。なお、熱収縮性筒状ラベルを扁平状にした際には、熱収縮性筒状ラベルの周方向は、横方向となる。
「下限値X~上限値Y」で表される数値範囲は、下限値X以上上限値Y以下を意味する。前記数値範囲が別個に複数記載されている場合、任意の下限値と任意の上限値を選択し、「任意の下限値~任意の上限値」を設定できるものとする。
容器Bは、口部を有する容器本体1と、前記容器本体1の口部を閉塞する蓋体2と、を有する。
前記蓋体2は、口部の外周壁に嵌合された外壁部3と、前記外壁部3の上方に設けられたキャップ部5と、を有する。
熱収縮性筒状ラベルCの面内には、その周方向に延びる開封用横補助線8が形成されている。熱収縮性筒状ラベルCは、前記開封用横補助線8が外壁部3の下端からキャップ部5の下端までの間の領域に対応するように、前記蓋体2を含んで容器Bに装着されている。以下、熱収縮性筒状ラベルCのうち、外壁部3の下端からキャップ部5の下端までの間の領域に対応する領域を、熱収縮性筒状ラベルの「特定領域」という場合がある。
以下、まず、熱収縮性筒状ラベルC及び容器Bの各構成をそれぞれ別個に詳述し、その後、ラベル付き容器Bの構成を詳述する。
図4乃至図6は、同じ熱収縮性筒状ラベルを示すが、図4は、容器に装着する直前に筒状に拡げられた状態の熱収縮性筒状ラベルを、図5及び図6は、扁平状に畳まれた状態の熱収縮性筒状ラベルを示す。
熱収縮性筒状ラベルCは、それ自身を熱収縮させることによって容器Bに装着される。
容器Bに熱収縮装着される前の熱収縮性筒状ラベルCは、図4に示すように、円筒状に開くことができる。なお、[熱収縮性筒状ラベル]の欄では、熱収縮性筒状ラベルCは、熱収縮させる前の状態(容器Bに装着する前の状態)を指し、[筒状ラベル付き容器]の欄では、熱収縮性筒状ラベルCは、熱収縮前であることを意図する場合を除いて、熱収縮させた後の状態を意味することに留意されたい。
なお、現実的な製造工程では、熱収縮性筒状ラベルCは、その複数が連続的に繋がった連続体であって扁平状に折り畳まれた連続体の形態で提供される。この連続体を適宜切断することにより、図5及び図6に示すような扁平状の熱収縮性筒状ラベルCが得られる。
図4乃至図6において、熱収縮性筒状ラベルCは、熱収縮性を有する筒状フィルム7と、前記筒状フィルム7の縦方向中途部において周方向に延びて形成された開封用横補助線8と、を有する。好ましくは、前記筒状フィルム7には、縦方向に延びる開封用縦補助線9が形成されている。
前記熱収縮性フィルムは、熱収縮温度に加熱されると、熱収縮方向に収縮するフィルムである。前記熱収縮温度は、例えば、60℃~120℃が例示され、好ましくは80℃~110℃である。
前記熱収縮性フィルムとしては、熱収縮性を有する合成樹脂フィルム、不織布、発泡樹脂フィルム、これらの積層フィルムなどが挙げられる。なお、前記積層フィルムは、その積層物全体として熱収縮性を有することを条件として、熱収縮性を有さない層と熱収縮性を有する層の積層物であってもよい。好ましくは、熱収縮性フィルムとして、合成樹脂フィルム又は合成樹脂積層フィルムが用いられ、より好ましくは、合成樹脂フィルム、又は、不織布などの繊維含有シートを含まない合成樹脂積層フィルム(この積層フィルムには金属蒸着合成樹脂を有するフィルムも含まれる)が用いられる。
前記熱収縮性フィルムは、透明又は非透明の何れでもよいが、好ましくは、透明な熱収縮性フィルムが用いられる。
前記熱収縮性フィルムの厚みは、特に限定されないが、例えば8μm~100μm、更に、20μm~80μm程度のものを用いることができる。
前記熱収縮性フィルムの第1方向(熱収縮方向)における熱収縮率は、特に限定されないが、好ましくは20%以上であり、より好ましくは、30%以上であり、さらに好ましくは40%以上である。なお、前記第1方向における熱収縮率は、大きいほど好ましいが、それにも自ずと限界があるため、前記第1方向における熱収縮率は、理論上、100%未満である。前記熱収縮性フィルムが第2方向に熱変化するフィルムである場合、その第2方向における熱収縮率は、例えば、-3~15%であり、好ましくは0~10%である。前記熱収縮率のマイナスは、熱伸長を意味する。
ただし、熱収縮率は、加熱前(標準状態(23℃、1気圧、50%RH雰囲気)で24時間保存)のフィルムの長さ(元の長さ)と、90℃温水中に10秒間浸漬して取り出した後のフィルムの長さ(浸漬後の長さ)と、をそれぞれ標準状態下で計測し、下記式に代入して求められる。なお、各フィルムの長さは、標準状態下で計測する。
熱収縮率(%)=[{(第1方向(又は第2方向)の元の長さ)-(第1方向(又は第2方向)の浸漬後の長さ)}/(第1方向(又は第2方向)の元の長さ)]×100。
前記第1側端部と第2側端部の接着方法は、特に限定されず、溶剤を用いた溶着、接着剤を用いた接着などが挙げられる。
筒状フィルム7(熱収縮性筒状ラベルC)の周長は、例えば、容器Bの被装着部位の最大周長×1倍を超え同×1.5倍以下であり、好ましくは同×1.01倍~同×1.3倍であり、より好ましくは同×1.02倍~同×1.15倍である。
有色印刷層を熱収縮性フィルムの裏面側(熱収縮性フィルムの裏面は、それが熱収縮性筒状ラベルCとされた際に内面となる)に設ける場合には、透明な熱収縮性フィルムが用いられる。本明細書において、透明(無色透明又は有色透明)は、全光線透過率が70%以上であり、好ましくは80%以上であり、より好ましくは90%以上である場合をいう。ただし、全光線透過率は、JIS K 7361(プラスチック-透明材料の全光線透過率の試験方法)に準拠した測定法によって測定される値をいう。
さらに、熱収縮性フィルムには、必要に応じて、任意の機能層が設けられていてもよい。前記機能層としては、表面保護層、滑り層などが挙げられる。
前記有色印刷層及び機能層などは、熱収縮性筒状ラベルCの構成要素として従来公知であり、本発明においても公知の構成を採用できる。
開封用横補助線8は、図示例のように、筒状フィルム7の周方向と平行に形成されていてもよく、筒状フィルム7の周方向に対して若干傾斜(例えば、周方向に対して3度以下)して形成されていてもよい。周方向に対して傾斜して形成された開封用横補助線8は、その全長の3/4以上が特定領域に含まれていることが好ましく、その全体が特定領域に含まれていることがより好ましい。なお、上述のように、筒状フィルム7の周方向は、熱収縮性筒状ラベルCを扁平状にした際の横方向に相当する。
ミシン目線は、断続的に形成された複数の貫通孔からなる線である。つまり、ミシン目線は、貫通孔と不切り部(非貫通部)が交互に連なって1つの方向に延びた線状のものであり、概念的には、複数の貫通孔を結んだ1つの線と言える。ハーフカット線は、筒状フィルム7の厚み方向に断面視V字状に切り込んだ切込みが連続した線である。
補助線は、ミシン目線であることが好ましい。なお、図示例では、全ての補助線としてミシン目線を用いた場合を表している。
前記ミシン目線の貫通孔の平面視形状は、細長い線状、略円形状又は略楕円形状、V字状、Y字状などが挙げられる。補助線に沿った破断跡が綺麗な略直線状になることから、ミシン目線の貫通孔の平面視形状は、細長い線状、略円形状又は略楕円形状であることが好ましい。
例えば、開封用縦補助線9は、筒状フィルム7の上方筒状部7aに設けられた第1縦補助線91と、筒状フィルム7の下方筒状部7bに設けられた第2縦補助線92と、筒状フィルム7の上方筒状部7a及び下方筒状部7bに亘って一連に設けられた第3縦補助線93と、を含む。
第1縦補助線91は、例えば、筒状フィルム7の上端から開封用横補助線8まで縦方向に延びて形成されている。第1縦補助線91は、1本でもよいが、好ましくは、周方向に間隔を開けて左右一対設けられる。一対の第1縦補助線91は、縦方向と平行に形成されていてもよく、図示のように、縦方向に対して少し傾斜して形成されていてもよい。図示例の一対の第1縦補助線91は、下方に向かうに従って間隔が短くなるように、傾斜直線状に形成されている。
前記一対の第1縦補助線91の間隔は、特に限定されず、例えば、5mm~20mmである。なお、一対の第1縦補助線91の間隔は、筒状フィルム7の全周のうちの長い方と短い方の二つがあるが、ここでは短い方を意味する。また、前記一対の第1縦補助線91の間隔が縦方向において均等でない場合には、前記間隔は、その最大値を意味する。
第2縦補助線92は、下方筒状部7bの上端(つまり、開封用横補助線8)から下方に縦方向に延設されていてもよく、或いは、下方筒状部7bの下端(筒状フィルム7の下端)から上方に縦方向に延設されていてもよい。好ましくは、図示のように、第2縦補助線92は、開封用横補助線8から縦方向に延びて形成されている。第2縦補助線92の上端は、開封用横補助線8に一致していてもよく、或いは、開封用横補助線8の下側近傍又は上側近傍に位置していてもよい。第2縦補助線92の上端が開封用横補助線8の上側近傍に位置するように形成された第2縦補助線92は、上方筒状部7aに僅かに延在している。好ましくは、第2縦補助線92は、第2縦補助線92の上端が開封用横補助線8の上側近傍に位置し、そこから下方に向かって縦方向に延設され、さらに好ましくは、開封用横補助線8の上側略2mmから縦方向に延設される。前記のように上側略2mmの位置から下方に向かって縦方向に形成することにより、熱収縮性筒状ラベルCを製造する際に、開封用横補助線8の形成位置が設計値よりも僅かに変動した場合であっても、開封用横補助線8に交差する第2縦補助線92を確実に形成できる。
第2縦補助線92は、開封用横補助線8から筒状フィルム7の下端にまで形成されていてもよく、或いは、図示例のように、開封用横補助線8から筒状フィルム7の下方筒状部7bの中途部にまで形成されていてもよい。第2縦補助線92は、1本でもよいが、好ましくは、周方向に間隔を開けて左右一対設けられる。一対の第2縦補助線92は、図示のように、縦方向と平行に形成されていてもよく、或いは、縦方向に対して少し傾斜して形成されていてもよい。
一対の第2縦補助線92は、シール部71を挟んで配置されていることが好ましいが、シール部71を挟まない位置に配置されていてもよい。
前記一対の第2縦補助線92の間隔は、特に限定されず、例えば、5mm~15mmである。なお、一対の第2縦補助線92の間隔は、筒状フィルム7の全周のうちの長い方と短い方の二つがあるが、ここでは短い方を意味する。また、前記一対の第2縦補助線92の間隔が縦方向において均等でない場合には、前記間隔は、その最大値を意味する。
かかる第3縦補助線93は、第2縦補助線92の側方であってその近傍に形成されている。前記近傍は、例えば、第2縦補助線92から周方向に3mm以内の範囲を含む。また、前記近傍は、1つの第2縦補助線92に対して周方向一方側若しくは他方側、又は、周方向一方側及び他方側を含む。例えば、第3縦補助線93が1つの第2縦補助線92の近傍に1本形成されている場合、第3縦補助線93は、図示例のように、1つの第2縦補助線92の外側近傍に形成されていてもよく、一対の第2縦補助線92の間に形成されていてもよい。
第3縦補助線93は、図示例では、一方の第2縦補助線92の近傍に1本形成されているが、一対の第2縦補助線92の近傍にそれぞれ形成されていてもよい。
第3縦補助線93は、図示例のように、縦方向と平行に形成されていてもよく、或いは、縦方向に対して少し傾斜して形成されていてもよい。
図示例では、第1縦補助線91及び第3縦補助線93の貫通孔の縦長が、それぞれ独立して、例えば、0.1mm~2mmであり、好ましくは0.3mm~1mmであり、その不切り部の縦長が、それぞれ独立して、例えば、0.1mm~2mmであり、好ましくは0.3mm~1.0mmである。第2縦補助線92の貫通孔の縦長が、例えば、0.3mm~2mmであり、好ましくは0.5mm~1.5mmであり、その不切り部の縦長が、例えば、0.3mm~1.5mmであり、好ましくは0.5mm~1mmである。
例えば、長尺帯状の熱収縮性フィルムの面内の所定位置に、開封用横補助線8及び開封用縦補助線9を形成する。これらの形成順序は、特に限定されず、それぞれを順次に形成してもよく、幾つかを纏めて形成した後、残りを順次又は纏めて形成してもよい。
開封用横補助線8及び開封用縦補助線9の形成方法としては、ロールカッターや突き刺し針などの切断具などの機械的加工方法、レーザー光線などを用いた熱的加工方法などが挙げられる。
また、第2縦補助線92及び第3縦補助線93を形成した長尺帯状の熱収縮性フィルムの第1側端部と第2側端部を重ね合わせて接着して長尺の筒状フィルムを形成した後、第1縦補助線91及び開封用横補助線8を形成することにより、熱収縮性筒状ラベルCが連続的に繋がった連続体が得られる。この連続体を切断することにより、個々の熱収縮性筒状ラベルCが得られる。或いは、前記と同様に長尺の筒状フィルムを形成した後、第1縦補助線91及び開封用横補助線8を形成すると同時に長尺の筒状フィルムを切断することにより、個々の熱収縮性筒状ラベルCが得られる。
図7は、容器の正面図であり、図8は、容器の蓋体付近を拡大した正面図であり、図9は、容器の蓋体付近を縦方向に切断した断面図である。
図7乃至図9を参照して、容器Bは、口部14を有する容器本体1と、前記容器本体1の口部14を閉塞する蓋体2と、を有する。
容器本体1は、下方から順に、底面部11、胴部12及び口部14を有し、口部14の内側に開口が形成されている。底面部11、胴部12及び口部14は、一体的に形成されている。容器本体1の材質は、特に限定されず、合成樹脂、ガラス、金属、陶器などが挙げられる。
容器Bは、底面部11を自立面として自立可能である。胴部12及び口部14の内側は、内容物を収納する収納空間となっている。
内容物は、特に限定されず、調味料などの食品、飲料、医薬品、化粧品などが挙げられる。内容物の形態は、液状、粒状の何れでもよい。
なお、特に図示しないが、胴部12に、周方向に延在する溝部であって内側に凹んだ溝部が形成されていてもよい。
胴部12の上方には、口部14が形成されている。口部14の外周壁18の下方には、ネックリング部16が突設されている。また、口部14の外周壁18の上方には、突状の係合部17が設けられている。なお、図示例では、係合部17は、突状の係合凸部であるが、凹状に形成されていてもよい(係合凹部であってもよい)。
なお、キャップ部5は、公知のタンパーエビデンスリング(図示せず)を有していてもよい。
蓋体2は、通常、合成樹脂から形成されるが、キャップ部5が金属などの合成樹脂以外の材質から形成されていてもよい。
取付け部4は、容器本体1の口部14の外周壁18に嵌合可能な外壁部3と、前記外壁部3の上方に形成された中間部41と、前記中間部41の上方に形成され且つキャップ部5が嵌まり込む取出し部42と、を有し、必要に応じて、口部14の外周壁18の内側に当接する内壁部43をさらに有する。
前記外壁部3、中間部41及び取出し部42は、内側に開口を有する筒状に形成されている。
外壁部3は、中間部41から下方に突出された筒状部からなり、口部14の外周壁18の外面に外嵌着される。特に、外壁部3には、外周壁18の係合部17に係止される被係合部31が周設されており、外壁部3の被係合部31が係合部17に係止されることにより、口部14の外周壁18に嵌合された外壁部3は、上方向に抜き出すことが困難なほどに、外周壁18に強嵌着されている。
また、外壁部3の内側には、中間部41から下方に突出された筒状の内壁部43が形成されている。この内壁部43は、口部14の外周壁18の内面に内嵌着される。外壁部3と内壁部43の間で口部14の外周壁18を挟み込むことにより、取付け部4は、より強く口部14の外周壁18に取り付けられる。
この解除機構は、口部14の外周壁18に対する前記外壁部3の嵌合を解除できるものであって、外壁部3の外側からアクセスできる解除起点部を含んでいる。
解除起点部としては、例えば、外壁部3の一部分に設けられた摘み部であって、指先で摘むことができる摘み部などが挙げられる。解除起点部を摘んで引き出すことにより、薄肉状とされた部分が破断し、外壁部3の一部分が口部14の外周壁18から離れ、外壁部3の嵌合を容易に解除できる。
外壁部3は、全体として外周壁18の外側に被さる略筒状であるが、その一部分に切込み部32を形成することによって、解除起点部が形成されている。
詳しくは、外壁部3の縦方向中途部は、周方向に薄肉状に形成されている。図8において、この薄肉状に形成された部分を判り易く表すために、便宜上、その部分に無数のドットを付加している(図10も同様)。以下、前記周方向に薄肉状に形成された部分を「周薄肉部33」という。
図9を参照して、外壁部3の内側には、周方向に延在する周薄肉部33を基準にして、その上側に被係合部31が形成されている。例えば、係合部17の下方に係止可能とするために、被係合部31は、外壁部3の一部分を厚肉化した突起からなる。
被係合部31は、周方向全体に亘って連続的に形成されていてもよく、或いは、周方向に間隔を開けて複数形成されていてもよい。
外壁部3に切込み部32を形成することにより、指先で摘むことができる摘み部35を外壁部3から区画できる。この摘み部35の下端は、外壁部3の下端の周方向延長線上にある。かかる摘み部35は、外壁部3の下側から指先で引き起こすことにより、容易に摘むことができる。
なお、摘み部35の不用意な反りなどを防止するため、前記切込み部32の一部分には、指先で摘み部35を引き出すと容易に破断する程度に脆弱な架橋部36が形成されている。架橋部36は、摘み部35の下端に連続して形成されていてもよいが、図示例のように、架橋部36が、摘み部35の下端から離れて摘み部35の上部に形成されていることにより、外壁部3の下側から摘み部35を指先で引き起こしやすくなる。
前記摘み部35は、口部14の外周壁18に対する外壁部3の嵌合を解除する際の、外壁部3の外側からアクセス可能な解除起点部である。
キャップ部5は、容器本体1の口部14の開口を閉塞する。
キャップ部5は、ネジ作用により、取出し部42のネジ部に螺合されている。キャップ部5は、取出し部42を介して容器本体1の口部14を開閉する。
解除起点部である摘み部35を指先で引き起して架橋部36を破断させ、摘み部35を指先で摘み、それを周方向外側へ引き出すと、周薄肉部33に沿って外壁部3が周方向に破断する。さらに引き出すと、周薄肉部33から縦薄肉部34に沿って破断する。縦薄肉部34に沿って外壁部3が破断すると、係合部17に対する被係合部31の係合が部分的に解除されるので、取付け部4の外壁部3を口部14から取り外すことができるようになる。
内容物を充填した上記容器Bに熱収縮性筒状ラベルCを装着することにより、図1乃至図3に示すようなラベル付き容器Aを構成できる。
熱収縮性筒状ラベルCは、蓋体2を含む容器Bの少なくとも上方部に装着されている。図示例の熱収縮性筒状ラベルCは、容器本体1の胴部12からキャップ部5の上面周縁部にまで装着されている。詳しくは、熱収縮性筒状ラベルCは、容器Bのキャップ部5の上面周縁部に折れ曲がって略密着し、蓋体2のキャップ部5及び外壁部3から容器本体1の胴部12の外面に沿って略密着している。かかる熱収縮性筒状ラベルCの装着形態は、いわゆるフルシュリンクタイプである。
なお、フルシュリンクタイプには、熱収縮性筒状ラベルCが容器本体1の底面部11にまで届かないものも含まれる。
なお、熱収縮性筒状ラベルCは、蓋体2を含む容器Bの上方部に装着された、いわゆるキャップシールタイプの装着形態であってもよい。
開封用横補助線8の位置は、特定領域内であれば特に限定されない。好ましくは、開封用横補助線8が外壁部3の1/2の位置からキャップ部5の下端までの間に位置するように、熱収縮性筒状ラベルCが容器Bに装着される。
なお、前記1/2の位置は、外壁部3の縦方向の長さを1とした場合に、その外壁部3の下端から1/2に相当する位置を意味する。
熱収縮性筒状ラベルCの上方筒状部7aを除去すると、図11及び図12に示すように、キャップ部5が露出する。
本発明のラベル付き容器Aは、特定領域に開封用横補助線8が配置されているので、熱収縮性筒状ラベルCの上方筒状部7aを除去した後、キャップ部5の略全体が露出する。このため、キャップ部5の開閉を何ら支障なく行うことができ、内容物を取り出してラベル付き容器Aを使用できる。また、特定領域に開封用横補助線8が配置されているので、上方筒状部7aを除去した後には、下方筒状部7bが外壁部3の少なくとも一部を含んで容器Bに装着されたままとなる。特に、開封用横補助線8が外壁部3の1/2の位置からキャップ部5の下端までの間に配置されている場合には、下方筒状部7bが外壁部3の摘み部35(解除起点部)の略全体を覆った状態で容器Bに残存する。
なお、内容物が無くなり、ラベル付き容器Aの使用が終わった後には、第2縦補助線92を利用して下方筒状部7bを破断して除去すると、外壁部3の摘み部35(解除起点部)に容易にアクセスできる。かかる摘み部35を引き出し、口部14の外周壁18に対する外壁部3の嵌合を解除することにより、取付け部4を口部14から容易に取り外すことができる。
このように熱収縮性筒状ラベルCの全てを除去すれば、外壁部3を含む蓋体2を容器本体1から容易に取り外すことができるので、リサイクルし易いラベル付き容器Aを提供できる。
開封用横補助線8が2本以上隣接して形成される場合には、その全ての開封用横補助線8が特定領域に対応して配置されるように、熱収縮性筒状ラベルCを容器Bに装着することが好ましい。
このような長貫通孔921を有する第2縦補助線92を形成することにより、開封用横補助線8に沿って上方筒状部7aを除去した後に容器に残存する下方筒状部7bの上端部に、摘み部(一対の長貫通孔921の間の部分)が生じるようになる。
上貫通孔924及び横貫通孔925は、それぞれ独立して、1つでもよく、複数でもよいが、好ましくは、いずれの貫通孔も複数形成される。
このような上貫通孔924及び横貫通孔925を有する第2縦補助線92を形成することにより、開封用横補助線8に沿って上方筒状部7aを除去した後に容器に残存する下方筒状部7bの上端から突出する摘み部(一対の上貫通孔924及び横貫通孔925で区画された部分)が生じるようになる。
予め筒状に形成された熱収縮性筒状ラベルと容器に装着して筒状に形成される熱収縮性筒状ラベルは、製造上、筒状に形成される時点が異なっているが、熱収縮性フィルムやそれに形成する補助線、ラベルの容器に対する装着位置などは、いずれも同様である。
図16は、有色印刷層が設けられた熱収縮性筒状ラベルの斜視図であり、図17は、その熱収縮性筒状ラベルとそれが熱収縮装着された容器とを有するラベル付き容器の正面図である。
有色印刷層は、熱収縮性フィルム(筒状フィルム7)に所望のカラーインキを印刷することによって、熱収縮性フィルムに設けられる。デザイン印刷層は、例えば、無模様1色のベタ状の無地印刷層;1色又は2色以上の有色インキを用いて所望のデザイン(文字、数字、線画、絵柄など)を表したデザイン印刷層;無地印刷層とデザイン印刷層が重ねられた積層印刷層;無地印刷層とデザイン印刷層が並んだ組み合わせ印刷層;などが挙げられる。
有色印刷層は、カラーインキなどの濃さ及び色彩並びに印刷層の厚みによって、有色透明な印刷層と有色不透明な印刷層に大別できる。有色透明又は不透明のいずれの有色印刷層を設けてもよい。
容器Bに入れられた内容物を熱収縮性筒状ラベルCの外側から視認できるようにするため、筒状フィルム7のうち、容器本体1に対応する範囲の全部又は一部には、有色印刷層が設けられていないことが好ましい。
図17は、前記有色印刷層61,62及び空き部aを有する熱収縮性筒状ラベルCが装着されたラベル付き容器Aを示す。各図において、有色印刷層が設けられた範囲に、細線の網掛けを付し、空き部aを白地としている。
図17を参照して、蓋体2の解除起点部(摘み部35)は、熱収縮性筒状ラベルCの有色印刷層61で覆われている。他方、蓋体2の下方であって容器本体1の胴部12の上方部は、熱収縮性筒状ラベルCの空き部aで覆われている。また、容器本体の胴部12のうち前記上方部を除いた大部分は、熱収縮性筒状ラベルCの有色印刷層62で覆われている。
他方、容器に残存する熱収縮性筒状ラベルCの下方筒状部7bは、空き部aを有するので、その空き部aを通じて、容器B内の内容物を外部から視認することができる。
空き部aの縦方向の長さは、特に限定されないが、余りに小さいと内容物を視認し難く、余りに大きいと有色印刷層の形成範囲が相対的に小さくなり過ぎる。空き部aの縦方向の長さL(図17参照)は、容器の大きさによるが、例えば、3mm~80mmであり、好ましくは、10mm~50mmである。
なお、図示例では、空き部aは、筒状フィルム7(熱収縮性筒状ラベルC)の周方向全体に亘って延在されているが、これに限定されない。例えば、空き部aは、筒状フィルム7(熱収縮性筒状ラベルC)の周方向全体(周長)を1とした場合、1/4~3/4となる範囲に設けられていてもよい。
かかる第2空き部bを有する熱収縮性筒状ラベルCが装着されたラベル付き容器Aにあっては、第2空き部bが容器本体1の胴部12の縦方向略全体に亘って存在する。かかる第2空き部bを通じて、容器B内の内容物の残量を外部から視認することができる。なお、空き部aに代えて、第2空き部bのみが設けられていてもよい。
B 容器
C 熱収縮性筒状ラベル
1 容器本体
14 口部
18 口部の外周壁
2 蓋体
3 外壁部
35 解除起点部
4 取付け部
5 キャップ部
7a 上方筒状部
7b 下方筒状部
8 開封用横補助線
9 開封用縦補助線
91 第1縦補助線
92 第2縦補助線
Claims (4)
- 口部を有する容器本体と前記容器本体の口部を閉塞する蓋体とを有する容器と、前記蓋体を含んで前記容器の少なくとも上方部に装着された熱収縮性筒状ラベルと、を有し、
前記蓋体が、前記容器本体の口部の外周壁に嵌合された外壁部と、前記外壁部の上方に設けられたキャップ部と、を有し、
前記外壁部には、前記口部の外周壁に対する嵌合を解除する解除機構であって前記外周壁の外側からアクセス可能な解除起点部を有する解除機構が具備されており、
前記熱収縮性筒状ラベルには、前記外壁部の下端から前記キャップ部の下端までの間の領域に対応して、周方向に延びる開封用横補助線が形成され、
前記開封用横補助線よりも下方の部分である前記熱収縮性筒状ラベルの下方筒状部によって、前記解除起点部の少なくとも下方部が覆われている、ラベル付き容器。 - 前記熱収縮性筒状ラベルには、前記開封用横補助線から熱収縮性筒状ラベルの下端にまで延びる開封用縦補助線が形成されている、請求項1に記載のラベル付き容器。
- 前記熱収縮性筒状ラベルのうち前記開封用横補助線よりも上方の部分である上方筒状部に、縦方向に延びる開封用の第1縦補助線が形成され、
前記下方筒状部に、縦方向に延びる開封用の第2縦補助線が形成され、
前記第1縦補助線と第2縦補助線が、周方向において位置をずらして配置されている、請求項1または2に記載のラベル付き容器。 - 前記第1縦補助線が、左右一対形成されている、請求項3に記載のラベル付き容器。
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